説明

変速機

【課題】主変速部と副変速部とを備える変速機において副変速部の変速中に主変速部を変速できなくするインターロック機構を、簡易な構造で実現すること。
【解決手段】軸方向に移動可能な主セレクトロッド11によって変速される主変速部10と、主変速部10と直列に設けられ軸方向に移動可能な副セレクトロッド21によって変速される副変速部20とを備え、主変速部10を収装し副変速部20と対峙する面が開口して形成される主ケース15と、副変速部20を収装し主変速部10と対峙する面が開口して形成される副ケース25と、主ケース15と副ケース25との間に設けられ副変速部20を変速する際の副セレクトロッド21の移動によって主セレクトロッド11の軸方向への移動を規制するインターロック機構40とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の変速機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、主変速部と副変速部とを有する変速機では、主変速部のシンクロ機構を保護するために、副変速部の変速中に主変速部をニュートラル位置でロックするインターロック機構が用いられている。
【0003】
特許文献1には、インターロック機構を有するレンジ型複式歯車変速機が開示されている。この複式歯車変速機では、軸方向に移動して主部を変速するシフトレールと、軸方向に移動してレンジ部を変速するシフトレール延長部分との間に、第2シフトレールが設けられており、第2シフトレールとシフトレールとの間に、インターロック機構が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−247284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の複式歯車変速機では、インターロック機構を設けるために、シフトレール延長部分と一体に軸方向に移動する第2シフトレールが設けられる。第2シフトレールは、インターロック機構のためだけに設けられるものである。そのため、この複式歯車変速機は、構造が複雑である。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、主変速部と副変速部とを備える変速機において副変速部の変速中に主変速部を変速できなくするインターロック機構を、簡易な構造で実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、軸方向に移動可能な主セレクトロッドによって変速される主変速部と、前記主変速部と直列に設けられ、軸方向に移動可能な副セレクトロッドによって変速される副変速部と、を備える変速機であって、前記主変速部を収装し、前記副変速部と対峙する面が開口して形成される主ケースと、前記副変速部を収装し、前記主変速部と対峙する面が開口して形成される副ケースと、前記主ケースと前記副ケースとの間に設けられ、前記副変速部を変速する際の前記副セレクトロッドの移動によって前記主セレクトロッドの軸方向への移動を規制するインターロック機構と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、副セレクトロッドが移動中である場合に主セレクトロッドの軸方向への移動を規制するインターロック機構が、変速部を収装する主ケースと副変速部を収装する副ケースとの間に設けられる。このインターロック機構は、副セレクトロッドの移動によって直接操作されて、主セレクトロッドの軸方向への移動を規制するものである。したがって、主変速部と副変速部とを備える変速機において副変速部の変速中に主変速部を変速できなくするインターロック機構を、簡易な構造で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態に係る変速機の構成図である。
【図2】図1におけるX−X断面図である。
【図3】変速機のシフトゲージを示す図である。
【図4】変速機におけるインターロック機構の作用を説明するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る変速機100について説明する。
【0011】
まず、図1から図3を参照して、変速機100の構成について説明する。
【0012】
変速機100は、主としてトラックやバスなどの大型車両に用いられ、前進9段と後進1段とに変速可能な手動変速機である。変速機100は、全ての変速段のギアが常に噛み合っており、入力軸の回転によって回転している常時噛合式である。変速機100は、選択された変速段のギアがシンクロメッシュ機構(図示省略)を介して出力軸と結合することによって駆動力を伝達するものである。
【0013】
変速機100は、図1に示すように、前進5段と後進1段とに変速可能な主変速部10と、ローレンジとハイレンジとの2段に変速可能な副変速部20とを備える。変速機100は、主変速部10を収装する主ケース15と、副変速部20を収装する副ケース25と、主ケース15と副ケース25との間に設けられる環状のスペーサ30とを備える。
【0014】
主ケース15は、スペーサ30を介して副変速部20と対峙する面に開口部16を有し、副ケース25は、スペーサ30を介して主変速部10と対峙する面に開口部26を有する。主ケース15と副ケース25とは、間にスペーサ30を挟持しながら互いの開口部16,26が対向するように設けられ、締結されるボルトによって固定される。
【0015】
変速機100は、図3に示すように、ダブルH型に形成されるシフトゲージ1と、運転者によってシフトゲージ1に沿って操作されるシフトレバー2とを備える。変速機100では、副変速部20がローレンジであるときの主変速部10の前進5段が1速から5速であり、副変速部20がハイレンジのときの主変速部10の2段目から5段目までの4段が6速から9速である。
【0016】
変速機100は、空気圧を利用して主変速部10及び副変速部20を変速するパワーシフト機構(図示省略)を備える。これにより、変速機100では、運転者によるシフトレバー2の操作によって選択された変速段に変速されるように、空気圧の力によって主変速部10及び副変速部20の変速が実行される。
【0017】
主変速部10は、エンジン(図示省略)からクラッチ(図示省略)を介して伝達された駆動力を、前進5段と後進1段とのうちいずれかの変速段に変速して出力するものである。主変速部10は、軸方向に移動可能な主セレクトロッド11を備える。主変速部10は、主セレクトロッド11の軸方向への移動によって、シンクロメッシュ機構を介して各変速段のギアと出力軸とが結合するものである。
【0018】
主セレクトロッド11は、シフトレバー2が操作されることによって軸方向に移動可能なロッドである。主セレクトロッド11は、シフトゲージ1における4速及び5速の列に対応するものである。つまり、主セレクトロッド11は、シフトゲージ1において副変速部20がローレンジであるときの最も高い段のギアの列に対応するものである。
【0019】
主セレクトロッド11の他に、主変速部10には、リバース及び1速の列に対応する主セレクトロッド(図示省略)と、2速及び3速の列に対応する主セレクトロッド(図示省略)とが設けられる。
【0020】
主セレクトロッド11の先端は、スペーサ30に形成された孔31(図2参照)に進入可能である。主セレクトロッド11は、後述するロックピン42が嵌合可能な溝部12を備える。
【0021】
溝部12は、主セレクトロッド11の外周に形成される溝である。溝部12は、三本の主セレクトロッドのうち主セレクトロッド11のみに形成される。
【0022】
副変速部20は、主変速部10と直列に設けられ、主変速部10からの駆動力を、更にローレンジとハイレンジとの2段に変速して出力するものである。副変速部20から出力される駆動力は、プロペラシャフトやディファレンシャルギアを介して駆動輪に伝達される。
【0023】
副変速部20は、軸方向に移動可能な副セレクトロッド21を備える。主変速部10は、主セレクトロッド11の軸方向への移動によって、シンクロメッシュ機構を介してローレンジ又はハイレンジのギアと出力軸とが結合するものである。
【0024】
副変速部20は、シフトゲージ1における4速及び5速の列と、6速及び7速の列との間をシフトレバー2が跨いで操作されることによって、ローレンジとハイレンジとが切り換えられる。つまり、副変速部20は、シフトレバー2がシフトゲージ1における隣接する二列を跨ぐ際にローレンジとハイレンジとが切り換えられる。
【0025】
副セレクトロッド21は、シフトレバー2が操作されることによって軸方向に移動可能なロッドである。副セレクトロッド21の先端は、スペーサ30に形成された孔32(図2参照)に進入可能である。副セレクトロッド21は、後述するロックピン42が嵌合可能な溝部22を備える。
【0026】
溝部22は、副セレクトロッド21の外周に形成される溝である。溝部22は、副変速部20がローレンジのときとハイレンジのときとの各々の場合にロックピン42と嵌合可能なように、副セレクトロッド21の軸方向に所定の距離をあけた二箇所に形成される。
【0027】
変速機100は、副変速部20を変速する際の副セレクトロッド21の移動によって主セレクトロッド11の軸方向への移動を規制するインターロック機構40を備える。
【0028】
インターロック機構40は、主ケース15と副ケース25との間に設けられる。インターロック機構40は、副変速部20の変速中に主変速部10が変速することによるシンクロメッシュ機構の損壊を防止するものである。インターロック機構40は、図2に示すように、スペーサ30内に形成された摺動孔41と、摺動孔41内を軸方向に摺動するロックピン42とを備える。
【0029】
摺動孔41は、主セレクトロッド11が進入可能な孔31と副セレクトロッド21が進入可能な孔32とを垂直に通過し、環状のスペーサ30の外周と内周とを貫通して形成される。摺動孔41には内周側の端部からギアオイルが進入してロックピン42の摺動を潤滑可能である。
【0030】
摺動孔41における外周側の端部には、プラグ43が取り付けられる。このプラグ43によって、摺動孔41に進入したギアオイルの外部への漏洩が防止される。
【0031】
ロックピン42は、図1に示すように、副セレクトロッド21が移動することによって副セレクトロッド21の溝部22から外れ、副セレクトロッド21の外周によって押されて軸方向に摺動し、主セレクトロッド11の溝部12に嵌まって主セレクトロッド11の軸方向への移動を規制する。これにより、主変速部10は、ニュートラル位置で固定されることとなる。
【0032】
図2に示すのは、ロックピン42が副セレクトロッド21の外周によって押され、主セレクトロッド11の溝部12に嵌まっている状態である。この状態では、副セレクトロッド21は軸方向に移動可能であるが、主セレクトロッド11の軸方向への移動が規制されている。
【0033】
インターロック機構40は、スペーサ30内に設けられるロックピン42によってインターロックを実行するため、既存の変速機における主ケース15と副ケース25との間にスペーサ30を追加することによって、インターロック機構40を追加することができる。これにより、主ケース15及び副ケース25の設計変更を行わずに、インターロック機構40を追加することが可能となる。
【0034】
変速機100は、シフトレバー2の操作が行われたにもかかわらず副変速部20の変速が完了しなかった場合に、シフトレバー2をニュートラル位置に操作させる警報を発する警報装置(図示省略)を備える。
【0035】
警報装置は、運転者にシフトレバー2をニュートラル位置に戻して再度操作させるための警報を発するものである。警報装置は、シフトレバー2が6速から9速であった状態から1速から3速又はリバースに操作されたことと、副変速部20の変速が完了していないこととがセンサ(図示省略)によって検出された場合に警報を発する。
【0036】
次に、図4を参照して、変速機100におけるインターロック機構40の作用について説明する。
【0037】
運転者によってシフトレバー2がハイレンジ側からローレンジ側にシフトダウン操作されることによって、副変速部20がハイレンジからローレンジに変速される。具体的には、副変速部20がハイレンジである6速から9速のいずれかの変速段で走行していた状態から、副変速部20がローレンジである1速から5速またはリバースの変速段に変速されることによって、副変速部20がハイレンジからローレンジに変速される。副変速部20は、シフトレバー2が6速及び7速の列から4速及び5速の列に操作されたときに、ハイレンジからローレンジに変速される。
【0038】
副変速部20の変速動作が正常に完了した場合には、主変速部10が変速されることによって変速機100における変速操作が完了するが、副変速部20の変速動作が正常に完了しなかった場合には、変速機100では、図4に示すA部及びB部の動作が実行される。
【0039】
まず、図4に示すA部の動作について説明する。
【0040】
走行中にシフトゲージ1の6速から9速のいずれかの変速段から4速又は5速にシフトダウンされる場合、シフトレバー2の操作量が少ないため、シフトレバー2の操作速度によっては、副変速部20がハイレンジからローレンジに変速されている最中に主変速部10が変速されることがある。このような場合、副変速部20のシンクロメッシュ機構が損壊するおそれがある。
【0041】
変速機100では、シフトゲージ1における4速及び5速の列に対応する主セレクトロッド11の溝部12にロックピン42が嵌合することによって、インターロック可能となっている。ロックピン42は、副変速部20が変速中である場合に、副セレクトロッド21が移動することによって、副セレクトロッド21の外周で押されたロックピン42が、溝部12に嵌合する。これにより、副セレクトロッド21が移動中である場合、即ち副変速部20が変速中である場合には、主セレクトロッド11は軸方向への移動が規制される。したがって、主変速部10はニュートラル位置で固定され、変速不可能な状態となる。
【0042】
このように、インターロック機構40は、副セレクトロッド21の移動によって直接操作されるロックピン42によって、主セレクトロッド11の軸方向への移動を規制するものである。したがって、主変速部10と副変速部20とを備える変速機100において副変速部20の変速中に主変速部10を変速できなくするインターロック機構40を、簡易な構造で実現できる。
【0043】
なお、シフトゲージ1の6速から9速のいずれかの変速段からリバース又は1速から3速に変速される場合には、シフトレバー2の操作量が多いため、シフトレバー2を速く操作しても、副変速部20の変速スピードの方が速く、副変速部20の変速が完了してから主変速部10が変速されることとなる。そのため、変速機100では、シフトゲージ1における4速及び5速の列に対応する主セレクトロッド11のみが、ロックピン42の嵌合によってインターロック可能となっている。
【0044】
次に、図4に示すB部の動作について説明する。
【0045】
副変速部20がハイレンジである状態で、運転者がクラッチを切り離して車両を停止させた場合には、クラッチが切り離されているため、主変速部10及び副変速部20における全てのギアの回転は停止する。その後、シフトゲージ1のリバース又は1速から3速のいずれかの発進可能段にシフトレバー2が操作されたときに、シンクロメッシュ機構のスプラインにおける頂点どうしが当接して噛み合わない場合がある。このような場合、副変速部20がハイレンジからローレンジに変速されない。
【0046】
変速機100は、パワーシフト機構を備えるため、主変速部10及び副変速部20の変速が正常に完了したか否かにかかわらず、シフトレバー2の操作は可能である。そのため、運転者は、シフトレバー2を操作して変速しても、その変速が正常に完了したか否かを確認することができない。
【0047】
ここで、仮に、発進可能段に対応する主セレクトロッドにロックピン42を嵌合させるインターロック機構40が設けられている場合には、副変速部20が変速中であるため、副セレクトロッド21の移動によってロックピン42が主セレクトロッドに嵌合し、主セレクトロッドの軸方向への移動が規制される。よって、副変速部20の変速が正常に完了せず、主変速部10もニュートラル状態で固定されることとなる。したがって、エンジンからの駆動力を駆動輪に伝達できず、車両が発進不可能となるおそれがある。
【0048】
変速機100では、主変速部10には、リバース及び1速の列に対応する主セレクトロッド(図示省略)と、2速及び3速の列に対応する主セレクトロッド(図示省略)とには、ロックピン42を嵌合させるインターロック機構40が設けられておらず、変速機100では、シフトゲージ1における4速及び5速の列に対応する主セレクトロッド11のみが、ロックピン42の嵌合によってインターロック可能である。そのため、副変速部20が変速中であっても主変速部10の変速動作が可能であり、主変速部10から駆動力が伝達されることによって副変速部20の変速動作を完了することができる。よって、インターロック機構40の作動によって車両が発進不可能となることを防止できる。
【0049】
また、シフトゲージ1のリバース又は1速から3速のいずれかの発進段にシフトレバー2が操作されたときに、シンクロメッシュ機構のスプラインの頂点どうしが当接して噛み合わない場合には、警報装置が作動して、シフトレバー2をニュートラル位置に戻すように運転者に警報を発する。
【0050】
警報を受けた運転者は、シフトレバー2をニュートラル位置に戻し、主変速部10をニュートラル状態とする。運転者が再びシフトレバー2を発進可能段に操作すると、副変速部20の変速がリトライされる。よって、副変速部20の変速が正常に完了しなかった場合に、運転者にリトライの操作を促す警報を発し、副変速部20を再び変速させることができる。
【0051】
これにより、運転者は、副変速部20にてシンクロメッシュ機構のスプラインの頂点どうしが当接して噛み合わないようなイレギュラな状況でも、発せられる警報に従ってシフトレバー2をニュートラル位置に戻すことで、再び変速操作を実行することができる。したがって、シフトレバー2を発進可能段に操作したのにもかかわらず変速が完了していないことによって運転者が発進時に慌てることを防止できる。
【0052】
以上の実施の形態によれば、以下に示す効果を奏する。
【0053】
副セレクトロッド21が移動中である場合に主セレクトロッド11を軸方向に固定するインターロック機構40が、主変速部10を収装する主ケース15と副変速部20を収装する副ケース25との間に設けられる。このインターロック機構40は、副セレクトロッド21の移動によって直接操作されるロックピン42が主セレクトロッド11の溝部12に嵌合することで、主セレクトロッド11を軸方向に固定するものである。したがって、主変速部10と副変速部20とを備える変速機100において副変速部20の変速中に主変速部10を変速できなくするインターロック機構40を、簡易な構造で実現できる。
【0054】
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の変速機は、副変速部を有する手動変速機を有する車両に利用することができる。
【符号の説明】
【0056】
100 変速機
1 シフトゲージ
2 シフトレバー
10 主変速部
11 主セレクトロッド
12 溝部
15 主ケース
20 副変速部
21 副セレクトロッド
22 溝部
25 副ケース
30 スペーサ
40 インターロック機構
42 ロックピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に移動可能な主セレクトロッドによって変速される主変速部と、
前記主変速部と直列に設けられ、軸方向に移動可能な副セレクトロッドによって変速される副変速部と、を備える変速機であって、
前記主変速部を収装し、前記副変速部と対峙する面が開口して形成される主ケースと、
前記副変速部を収装し、前記主変速部と対峙する面が開口して形成される副ケースと、
前記主ケースと前記副ケースとの間に設けられ、前記副変速部を変速する際の前記副セレクトロッドの移動によって前記主セレクトロッドの軸方向への移動を規制するインターロック機構と、を備えることを特徴とする変速機。
【請求項2】
前記主ケースと前記副ケースとの間に挟持され、前記主セレクトロッドの先端と前記副セレクトロッドの先端とが進入可能なスペーサを更に備え、
前記インターロック機構は、前記スペーサ内を軸方向に摺動するロックピンを備え、
前記主セレクトロッドの外周及び前記副セレクトロッドの外周には溝部が各々形成され、
前記ロックピンは、前記副セレクトロッドが移動することによって前記副セレクトロッドの溝部から外れ、前記副セレクトロッドの外周によって押されて軸方向に摺動し、前記主セレクトロッドの溝部に嵌まって前記主セレクトロッドの軸方向への移動を規制することを特徴とする請求項1に記載の変速機。
【請求項3】
H型のシフトゲージに沿って操作されるシフトレバーを備え、
前記主セレクトロッド及び前記副セレクトロッドは、前記シフトレバーが操作されることによって軸方向に移動可能であり、
前記副変速部は、ローレンジとハイレンジとを有し、前記シフトレバーが前記シフトゲージにおける隣接する二列を跨ぐ際に前記ローレンジと前記ハイレンジとが切り換えられ、
前記主セレクトロッドは、前記シフトゲージにおいて前記副変速部が前記ローレンジであるときの最も高い段のギアの列に対応するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の変速機。
【請求項4】
前記シフトレバーの操作によって空気圧を利用して前記主変速部及び前記副変速部を変速するパワーシフト機構と、
前記シフトレバーの操作が行われたにもかかわらず前記副変速部の変速が完了しなかった場合に、前記シフトレバーをニュートラル位置に操作させる警報を発する警報装置と、を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の変速機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−127367(P2012−127367A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−276876(P2010−276876)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(000003908)UDトラックス株式会社 (1,028)
【Fターム(参考)】