説明

外観検査方法及び検査装置

【課題】被検査試料の特質により欠陥部位のコントラストが十分に得られない場合であっても、スループット低下をきたすことなく、高感度な欠陥検出性能を実現する優れた検査装置および検査方法を提供する。
【解決手段】被検査試料に電子線ビームを繰り返し往復ライン走査させ、試料から発生する2次電子または反射電子に基づき生成された画像から欠陥部を求めるSEM式外観検査装置において、電子線ビームの振り戻しを、画像取得、プリチャージ又はディスチャージに用いる機能を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細なパターンを有する半導体装置、基板、ホトマスク(露光マスク)、液晶等を検査する走査電子顕微鏡を用いた検査装置および検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ等に使用されるメモリやマイクロコンピュータなどの半導体装置は、ホトマスクに形成された回路等のパターンを、露光処理、リソグラフィー処理、エッチング処理等により転写する工程を繰り返すことによって製造される。半導体装置の製造過程において、リソグラフィー処理、エッチング処理、その他の処理の結果の良否、異物発生等の欠陥の存在は、半導体装置の製造歩留まりに大きく影響を及ぼす。したがって、異常発生や不良発生を、早期に、あるいは、事前に検知するために、各製造工程の終了時に半導体ウェハ上のパターンの検査が実施されている。
【0003】
ウェハの口径増大と回路パターンの微細化に追随して高スループット且つ高精度な検査を行うためには、非常に高速に、高SNな画像を取得する必要が有る。そのため、通常の走査型電子顕微鏡(Scanning Election Microscopy)、以下SEMと記す)の1000倍以上(100nA以上)の大電流ビームを用いて照射される電子数を確保し、高SN比(Signal−to−Noise ratio)を保持している。さらに、基板から発生する二次電子、反射電子の高速、且つ高効率な検出が必須である。
【0004】
また、レジスト等の絶縁膜を伴った半導体基板が帯電の影響を受けないように2keV以下の低加速電子線を照射している(例えば、非特許文献1参照)。しかし、大電流で、かつ低加速の電子線では空間電荷効果による収差が生じ、高分解能な観察が困難であった。
【0005】
この問題を解決する方法として、試料直前で高加速電子線を減速し、試料上で実質的に低加速電子線として照射する手法が知られている(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)。
【0006】
【非特許文献1】日本学術振興会第132委員会編「電子・イオンビームハンドブック(第2版)」(日刊工業新聞社、1986年)622頁から623頁
【特許文献2】特開平02−142045号公報
【特許文献3】特開平06−139985号公報
【特許文献4】特開2005−175333号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のようなSEMを利用した検査装置においては、光学式にはない次のような問題がある。
【0008】
一つはSEM式の場合、電子線ビームを1ライン毎一筆書きで走査するため、1画素ずつ検出することになり、1ラインを一度に取り込める光学式に比べスループットが低下することが挙げられる。
【0009】
さらに、一筆書きによる一回の電子線照射では、ウェハの特質により画像のコントラストにむらができたり、対象としている部位のコントラストが十分得られないことがある。このような場合、特許文献4に記載されたように、画像の同一ラインを複数回照射することにより電子線の照射量を上げることが行われる。しかしながらこの方法では、上述したスループット低下がなお一層悪化し、深刻な問題となっている。
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、光学画像では検出困難な欠陥を、電子線画像を用いて高精度に検出すると同時に、その際問題となる検査装置及び検査方法としてのスループット低下をできるだけ防止するものである。
【0011】
また本発明は、ウェハの特質により欠陥部位のコントラストが十分に得られない場合であっても、スループット低下をきたすことなく、高感度な欠陥検出性能を実現する優れた検査装置及び検査方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明では電子線ビームの往路走査と復路(振り戻し)走査の手順や性質を制御するものである。
【0013】
即ち、本発明による外観検査装置は、試料の欠陥を検出する検査装置であって、試料に電子線ビームを繰り返し往復ライン走査させる走査手段と、試料から発生する2次電子または反射電子に基づき画像を生成する画像取得手段と、画像取得手段により生成された画像から欠陥を検出する欠陥検出手段と、走査手段による電子線ビームの走査を制御する制御手段と、制御手段により制御する前記電子線ビームの走査条件を設定する設定手段と、を備え、この設定手段が、前記電子線ビームの往路走査による動作を、画像取得、プリチャージ又はディスチャージのいずれかに設定する手段を有するものである。また、本発明による外観検査方法は、試料に電子線ビームを繰り返し往復ライン走査させ、試料から発生する2次電子または反射電子に基づき生成された画像から欠陥部を求める方法であって、電子線ビームの往路走査により画像取得を行い、電子線ビームの復路走査により画像取得、プリチャージまたはディスチャージを行うものである。これにより、被検査試料の性質によって走査方法を最適なものに設定することができ、検査試料表面の欠陥を高精度に検出することができるようになる。
【0014】
また本発明の別形態の外観検査装置では、上記設定手段が、上記走査手段により走査する電子線ビームの往路走査の走査ラインおよび復路走査の走査ラインを設定する手段を有するものである。特に、電子線ビームの往路走査によりLライン目(Lは自然数)を走査した後、復路走査により(L−M)ライン目(MはLより小さい自然数)を走査するように設定する手段を有し、さらに、この復路走査により(L−M)ライン目を走査した後、往路走査により(L+N)ライン目(Nは自然数)を走査するように設定する手段を有するものである。同様に、本発明の外観検査方法では、電子ビームを繰り返し往復ライン走査するに際し、往路走査と復路走査の走査ラインをそれぞれ制御することを特徴とする。特に、電子線ビームの往路走査によりLライン目(Lは自然数)を走査した後、復路走査により(L−M)ライン目(MはLより小さい自然数)を走査するように制御し、さらに、この復路走査により(L−M)ライン目を走査した後、往路走査により(L+N)ライン目(Nは自然数)を走査するように制御するものである。これにより、往路走査と復路(振り戻し)走査に時間間隔を空けることができ、より欠陥部分を明瞭にして高精度の欠陥検出を実現することができる。また、復路走査を有効に利用しているため、スループットの低下を来すこともない。
【0015】
また本発明の別形態の外観検査装置では、上記設定手段が、電子線ビームの往路走査によりLライン目(Lは自然数)を走査した後、復路走査により(L+M)ライン目(Mは自然数)を走査ように設定する手段を有し、さらに、この復路走査により(L+M)ライン目を走査した後、往路走査により(L−N)ライン目(NはLより小さい自然数)を走査するように設定する手段を有するものである。同様に外観検査方法では、電子線ビームの往路走査によりLライン目(Lは自然数)を走査した後、復路走査により(L+M)ライン目(Mは自然数)を走査ように制御し、さらに、この復路走査により(L+M)ライン目を走査した後、往路走査により(L−N)ライン目(NはLより小さい自然数)を走査するように制御するものである。これにより、往路走査と復路走査に時間間隔を空けることができ、より欠陥部分を明瞭として高精度の欠陥検出を実現することができる。また、復路走査を有効に利用しているため、スループットの低下を来すこともない。
【0016】
さらに本発明の別形態の外観検査装置では、上記設定手段が、電子線ビームで同一ラインを連続して往復走査する回数を設定する手段を有するようにしても良い。同様に外観検査方法では、電子線ビームを繰り返し往復ライン走査するに際し、同一ラインに対して連続して複数回、電子線ビームで往復走査するように制御しても良い。
【0017】
さらに上記本発明の外観検査装置において、上記設定手段を、ユーザが外部から走査方法・条件を設定することの可能なGUI(Graphical User Interface(グラフィカル・ユーザ・インターフェース))としても良い。同様に外観検査方法において、電子線ビームの走査方法に関する指示をGUIにより入力するようにしても良い。これにより、ユーザは、被検査試料の特質により最適な走査方法・条件を視認性、操作性良く簡単に選択することができるようになる。
【0018】
なお、上記本発明の外観検査装置及び外観検査方法では、上記復路走査を往路走査で構成するようにしても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明による実施形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本実施形態は本発明を実現する上での一例にすぎず、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】
図1は本発明が適用される走査電子顕微鏡を用いた検査装置の一例であるSEM式外観検査装置1の構成を示す縦断面図である。SEM式外観検査装置1は、真空ポンプ(図示せず)により室内が真空排気される検査室2と、検査室2内に試料基板9を搬送するための予備室(図示せず)とを備えている。この予備室は検査室2と独立して真空排気できるように構成されている。また、SEM式外観検査装置1は上記検査室2と予備室の他に画像処理部5、制御部6、二次電子検出部7、補正制御回路部43等から構成されている。
【0021】
検査室2内は大別して、電子光学系3、試料室8、光学顕微鏡部4から構成されている。電子光学系3は、電子銃10、電子線の引き出し電極11、コンデンサレンズ12、ブランキング偏向器13、走査偏向器15、絞り14、対物レンズ16、反射板17、ExB偏向器18から構成されている。二次電子検出部7のうち、二次電子検出器20が検査室2内の対物レンズ16の上方に配置されている。二次電子検出器20の出力信号は、検査室2の外に設置されたプリアンプ21で増幅され、AD変換機22によりデジタルデータとなる。
【0022】
試料室8は、試料台30、Xステージ31、Yステージ32、位置モニタ用測長器34、被検査試料高さ測定器35から構成されている。光学顕微鏡部4は、検査室2の室内における電子光学系3の近傍であって、互いに影響を及ぼさない程度離れた位置に設備されており、電子光学系3と光学顕微鏡部4の間の距離は既知である。そして、Xステージ31またはYステージ32が電子光学系3と光学顕微鏡部4の間の既知の距離を往復移動することができるようになっている。光学顕微鏡部4は光源40、光学レンズ41、CCDカメラ42により構成されている。
【0023】
画像処理部5は、第一画像記憶部46、第二画像記憶部47、演算部48、欠陥判定部49より構成されている。取り込まれた電子線画像あるいは光学画像はモニタ50に表示される。
【0024】
装置各部の動作命令および動作条件は、制御部6から入出力される。制御部6には、あらかじめ電子線発生時の加速電圧、電子線偏向幅、偏向速度、二次電子検出装置の信号取り込みタイミング、試料台移動速度等々の条件が、目的に応じて任意にあるいは選択して設定できるよう入力されている。制御部6は、補正制御回路43を介して、位置モニタ用測長器34、被検査試料高さ測定器35の信号から位置や高さのずれをモニタし、その結果により補正信号を生成し、電子線が常に正しい位置に照射されるよう対物レンズ電源45や走査信号発生器44に補正信号を送る。なお、上記説明では動作命令や動作条件等を入力する入力手段を制御部6中に含め説明したが、後述するようにモニタ50の部分に設けても良い。
【0025】
被検査試料9の画像を取得するためには、細く絞った電子線19を該被検査試料9に照射し、二次電子51を発生させ、これらを電子線19の走査およびXステージ31、Yステージ32の移動と同期して検出することで該被検査試料9の画像を得る。
【0026】
上記SEM式外観検査装置では検査速度が速いことが必須となる。従って、通常の従来方式のSEMのようにpAオーダーの電子線電流の電子線を低速で走査したり、多数回の走査および各々の画像の重ね合せは行わない。また、絶縁材料への帯電を抑制するためにも、電子線走査は高速で一回あるいは数回程度にして多数回の走査は行わないようにする必要がある。そこで本実施形態では、従来方式のSEMに比べて約1000倍以上の、例えば100nAの大電流の電子線を一回のみ走査することにより、画像を形成する構成とした。
【0027】
電子銃10には拡散補給型の熱電界放出電子源が使用されている。この電子銃10を用いることにより、従来の、例えばタングステン・フィラメント電子源や、冷電界放出型電子源に比べて安定した電子線電流を確保することができる。そのため、明るさ変動の少ない電子線画像が得られる。また、この電子銃10により電子線電流を大きく設定することができるため、後述するような高速検査を実現できる。電子線19は、電子銃10と引き出し電極11との間に電圧を印加することで、電子銃10から引き出される。
【0028】
電子線19の加速は、電子銃10に高電圧の負の電位を印加することでなされる。これにより、電子線19はその電位に相当するエネルギーで試料台30の方向に進み、コンデンサレンズ12で収束され、さらに対物レンズ16により細く絞られて試料台30の上のXステージ31、Yステージ32の上に搭載された被検査試料9に照射される。被検査試料9としては半導体ウェハ、チップあるいは液晶、マスク等の微細回路パターンを有する基板などである。
【0029】
ブランキング偏向器13には、走査信号およびブランキング信号を発生する走査信号発生器44が接続され、電子線19をブランキングする必要がある時には、このブランキング偏向器13により電子線19を偏向させ、電子線が絞り14を通過しないように制御できる。また、対物レンズ16には対物レンズ電源45が接続され、この対物レンズ電源45からの信号により電子線19の絞り量が調整できる。
【0030】
被検査試料9には、高圧電源36により負の電圧を印加できるようになっている。この高圧電源36の電圧を調節することにより、電子線19を減速し、電子銃10の電位を変えずに被検査試料9への電子線照射エネルギーを最適な値に調節することができる。
【0031】
被検査試料9上に電子線19を照射することによって発生した二次電子51は、被検査試料9に印加された負の電圧により加速される。被検査試料9の上方に、電界と磁界の両方によって電子線19の軌道へは影響を与えずに二次電子の軌道を曲げるためのExB偏向器18が配置され、これにより加速された二次電子51は所定の方向へ偏向される。ExB偏向器18にかける電界と磁界の強度により、この偏向量を調整することができる。また、この電界と磁界は、被検査試料9に印加した負の電圧に連動させて可変させることができる。
【0032】
ExB偏向器18により偏向された二次電子51は、所定の条件で反射板17に衝突する。この反射板17は円錐形状をしており、被検査試料9に照射する電子線19をシールドするシールドパイプの機能も有している。この反射板17に加速された二次電子51が衝突すると、反射板17からは数eVから50eVのエネルギーを持つ第二の二次電子52が発生する。
【0033】
二次電子検出部7には、真空排気された検査室2内に二次電子検出器20が設けられ、検査室2の外にプリアンプ21、AD変換器22、光変換手段23、光伝送手段24、電気変換手段25、高圧電源26、プリアンプ駆動電源27、AD変換器駆動電源28、逆バイアス電源29が設けられ、これらによって構成されている。
【0034】
二次電子検出部7のうち、二次電子検出器20が検査室2内の対物レンズ16の上方に配置されている。二次電子検出器20、プリアンプ21、AD変換器22、光変換手段23、プリアンプ駆動電源27、AD変換器駆動電源28は、高圧電源26により正の電位にフローティングされている。反射板17に衝突して発生した第二の二次電子52は、この正の電位によってつくられた吸引電界により二次電子検出器20へ導かれる。
【0035】
二次電子検出器20は、二次電子51が反射板17に衝突して発生した第二の二次電子52を、電子線19の走査のタイミングと連動して検出するように構成されている。二次電子検出器20の出力信号は、検査室2の外に設置されたプリアンプ21で増幅され、AD変換器22によりデジタルデータとされる。
【0036】
AD変換器22は、二次電子検出器20が検出したアナログ信号をプリアンプ21によって増幅した後に直ちにデジタル信号に変換して、画像処理部5に伝送するように構成されている。本構成では、検出したアナログ信号を検出直後にデジタル化してから伝送するので、従来よりも高速で且つSN比の高い信号を得ることができる。
【0037】
Xステージ31、Yステージ32上に搭載された被検査試料9を走査する方法としては、検査実行時にXステージ31、Yステージ32を静止させて電子線19を被検査試料9に対して二次元(例えばx、y方向)に走査する方法と、検査実行時にYステージ32(Xステージ31とともに)をy方向に連続して一定速度で移動させて電子線19をx方向に直線的に走査する方法のいずれかを選択できる。
【0038】
前者の走査方法の場合、制御部6で入力された往路走査及び復路走査の走査ラインの指示コマンドが補正制御回路43へ送られると、この指示コマンドに基づき走査信号発生器44から走査偏向器15に走査信号が送られ、x方向及びy方向の偏向電圧Vx及びVyが制御される。これにより電子線のx・y方向の偏向量が調整され、被検査試料9上を走査する電子線の走査ライン(x、y方向の二次元)や走査速度を制御することができる。ある特定の比較的狭い領域を検査する場合には、被検査試料9を静止させて検査する本方法が有利である。
【0039】
また、後者の走査方法の場合、制御部6で入力された走査ラインの指示コマンドが補正制御回路43へ送られると、この指示コマンドに基づき走査信号発生器44から走査偏光器15に走査信号が送られ、x方向の偏向電圧Vxが制御されるとともに、補正制御回路43から位置制御器(図示せず)に位置制御信号が送られ、この信号に基づきYステージ32の位置が制御される。これにより被検査試料9上を走査する電子線の走査ライン(x、y方向の二次元)や走査速度を制御することができる。比較的広い領域を検査するときは、被検査試料9を連続的に一定速度で移動させて検査する本方法が有効である。
【0040】
Xステージ31およびYステージ32の位置をモニタする位置モニタ用測長器34として、本実施形態ではレーザ干渉による測長計を用いた。Xステージ31およびYステージ32の位置が実時間でモニタでき、その結果が制御部6に転送されるようになっている。また、Xステージ31、Yステージ32のモータの回転数等のデータも同様に、各々のドライバから制御部6に転送されるように構成されており、制御部6はこれらのデータに基いて電子線19が照射されている領域や位置が正確に把握できるようになっている。したがって、必要に応じて実時間で電子線19の照射位置の位置ずれを補正制御回路43で補正できるようになっている。また、被検査試料9毎に、電子線19を照射した領域を記憶できるようになっている。
【0041】
被検査試料高さ測定器35は、光学式測定器、例えば、レーザ干渉測定器や反射光の位置で変化を測定する反射光式測定器が使用され、Xステージ上31、Yステージ32に搭載された被検査試料9の高さを実時間で測定できるように構成されている。本実施形態では、スリットを通過した細長い白色光を透明な窓越しに被検査試料9に照射し、反射光の位置を位置検出モニタにて検出し、位置の変動から高さの変化量を算出する方式を用いている。この光学式高さ測定器35の測定データに基いて、対物レンズ16の焦点距離がダイナミックに補正され、常に被検査領域に焦点が合った電子線19を照射できるようになっている。また、被検査試料9の反りや高さ歪みを電子線照射前に予め測定しておき、そのデータをもとに対物レンズ16の被検査領域毎の補正条件を設定するように構成することも可能である。
【0042】
画像処理部5は第一画像記憶部46、第二画像記憶部47、演算部48、欠陥判定部49、モニタ50により構成されている。二次電子検出器20で検出された被検査試料9の画像信号は、プリアンプ21で増幅され、AD変換器22でデジタル化された後に光変換手段23で光信号に変換され、光伝送手段24によって伝送され、電気変換手段25にて再び電気信号に変換された後に、第一画像記憶部46あるいは第二画像記憶部47に記憶される。演算部48は、第一画像記憶部46に記憶された画像信号と第二画像記憶部47に記憶された画像信号との位置合せ、信号レベルの規格化、ノイズ信号を除去するための各種画像処理を施し、双方の画像信号を比較演算する。欠陥判定部49は、演算部48にて比較演算された差画像信号の絶対値を所定のしきい値と比較し、所定のしきい値よりも差画像信号レベルが大きい場合に、その画素を欠陥候補と判定し、モニタ50にその位置や欠陥数等を表示する。
【0043】
以上、SEM式外観検査装置1の全体構成について説明してきたが、以下に本発明のSEM式外観検査装置1の動作について説明する。なお、以下で参照する図2乃至7において、実線の矢印は往路(走査)方向の動作を示し、破線の矢印は復路(ビーム振り戻し)方向の動作を示している。また、以下の実施形態において、電子線ビーム照射による「ディスチャージ」とは、被検査試料が正に帯電している場合に電子線ビーム(電荷:負)照射により正帯電を除電することをいい、逆に電子線ビーム照射による「プリチャージ」とは、被検査試料の帯電がゼロ又は負の場合に電子線ビーム(電荷:負)照射により負帯電状態にする、若しくは負帯電を強めることをいうものとする。
【0044】
(第1の実施形態)
図2は、本発明のSEM式外観検査装置1の動作についての第1の実施形態を示す図である。図2(a)は検査ストライプ200をラインピッチ205毎に上から順に走査していく様子を示している。図2(b)は走査時の走査偏向器15の偏向電圧Vx、Vyを表している(この場合、走査偏向器15が静電偏向方式であることを想定している)。
【0045】
本発明では、制御部6、補正制御回路43、走査信号発生器44により、電子線ビーム19を両方向(往路と復路)に走査制御可能である。これは、走査偏向器15が、図2(b)に示すように主方向(この場合x方向)偏向電圧Vxが右上がり、右下がりのランプ波形を高精度で出力できることを意味する。これにより、図2(a)に示すように、検査ストライプ200に対し、各ラインピッチ205毎に交互に両方向の走査信号を201、202、203、204と割り当てることができる。この場合、シングルビームによる一筆書きの走査方式としては、より無駄の少ない高スループットなビーム走査を実現できる。なお、図2(b)の電圧Vx、Vyは、試料ステージを動かさない場合に走査偏光器15にかけるx、y方向の偏向電圧の変化を示しているが、Vyを一定として試料ステージをy方向に移動させても良い(図3乃至7におけるVyについても同様である)。また、本実施形態では電子線ビーム19をx方向に走査している間(Vxが右上がり、右下がりのランプ波形の間)y方向の走査(移動)を行わない(Vyを一定としている)形態を示しているが、この形態に限られない。例えば、試料ステージをy方向に移動しつつ電子線ビーム19を±x方向に走査させる形態としても良い(以下の実施形態においても同様である)。
【0046】
ここで、201、203を往路走査として正規の走査方向とすると、202、204の振り戻し方向(復路走査)においては、画像データが往路走査と逆になってしまう問題がある。これは、画像データが画像処理部5に入る前にバッファ(図示せず)を設け、画像データの順番を逆に並べ直してそのバッファから画像データを読み出すことにより解決可能である。
【0047】
以上のように、本実施形態の方法では図2のような動作をさせることによって、同方向に常に走査して毎回振り戻す方式よりも検査時間を短くすることができ、スループット性能を向上させることが可能となる。
【0048】
また、図2では復路走査で次のラインに進んでいるが、加算が必要であれば同じラインを戻すことにより、高スループットな加算走査が実現することも可能である。
【0049】
(第2の実施形態)
図3は、本発明のSEM式外観検査装置1の動作についての第2の実施形態を示す図である。図3は、振り戻し(復路走査)に相当する右から左への走査(例えば211など)を用いて、検査走査212を行う前にライン205をプリチャージする例を示している。図中、走査211と212はずらして描かれているが、これは図を見やすくするためであり、この限りではない。即ち、実際はライン205内で全く同じ場所をなぞるように走査してもよい(以下の図も同様)。この場合図2と異なり、211、213、215、217(破線)は電子線ビームを照射するのみで検査画像データは取得しない。
【0050】
このような走査方式にすることにより、第1の実施形態で述べたような復路走査での画像データの順番反転などはする必要はなく、また同じ走査方式(往路走査のみ)で検査画像データを揃えることができ、画質向上も期待できる。
【0051】
また、検査試料や走査環境によっては欠陥の検出率を高めるために、プリチャージが必須の場合もあるが、このような場合でも本実施形態によれば、スループット低下を最小限に留めることが可能である。
【0052】
(第3の実施形態)
図4は、本発明のSEM式外観検査装置1の動作についての第3の実施形態を示す図である。図4は図3と逆に、検査走査221の後に同じライン205を222で振り戻す(復路走査する)ことにより、検査走査によって印加されたチャージアップを復路走査により逃がす(ディスチャージ)する例である。
【0053】
これも図3同様、復路走査では検査画像データを取得しないため、データ反転の必要はない。また、検査試料、走査環境によっては、検査走査によるチャージアップが次のラインの欠陥検出に悪影響を及ぼす場合があり、このような場合でも本実施形態によれば、スループット低下を最小限に留めながら、ディスチャージを実現することができ、欠陥検出率も高めることが可能となる。
【0054】
(第4の実施形態)
図5は、本発明のSEM式外観検査装置1の動作についての第4の実施形態を示す図である。図5は図4のディスチャージ方式の変形例であり、往路走査後の振り戻し(ディスチャージ)を、この往路走査したラインと別のラインを通す形態である。これにより、往路走査したラインを、ある一定のインターバルをおいてからディスチャージすることができる。
【0055】
本実施形態では、図5(a)中の番号(1)、(2)、(3)・・・・の順番で走査が実行される。まず、(1)で検査走査を実行した後、(2)でN回前(Nは自然数)(図では4回前(4ライン上))に戻って振り戻し(復路走査)(3)を実施し、(4)によりN+1回後(図では5回後(5ライン下))に進んで、次のラインの(5)を検査走査する。以後、(6)、(7)、(8)、(9)・・・・と同じように繰り返して、言わば円を描くように(スパイラル状に)回りながら、図中の−y方向に検査を進めていく。
【0056】
こうすることにより、検査走査したラインをその検査走査の直後に復路走査(ディスチャージ)するのではなく、ある一定のインターバルをおいてからディスチャージすることができる。従って、検査試料や走査環境によっては帯電制御効率を著しく向上させることが可能となる。同時に、ディスチャージのための走査を検査走査とは逆方向に走査させることにより、無駄時間のより少ない高スループットな走査方式を実現することができる。
【0057】
なお、上記実施形態は単なる一例であり、検査走査したラインを一定のインターバルをおいてからディスチャージすることができれば良く、往路走査及び復路走査の走査ラインはこれに限定されず、様々な走査ライン制御が適用できる。例えば、図5(a)では復路走査(3)、(7)、(11)・・・した後の往路走査(5)、(9)、(13)・・・を、それぞれ往路走査したラインのN+1回後(N+1ライン下)のラインを走査するように制御しているが、N+M回後(N+Mライン下(Mは自然数))のラインを走査するように制御しても良い。このことは以下説明する第5の実施形態においても同様である。
【0058】
(第5の実施形態)
図6は、本発明のSEM式外観検査装置1の動作についての第5の実施形態を示す図である。図6は図3のプリチャージ方式の変形例であり、往路走査後の振り戻し走査(プリチャージ)を、この往路走査したラインと別のラインを通す形態である。これにより、往路走査したラインをある一定のインターバルをおいてからプリチャージすることができる。
【0059】
本実施形態では、図6(a)中の番号(1)、(2)、(3)・・・の順番で走査が実行される。まず、(1)で検査走査を実行した後、(2)でN回後(図では4回後(4ライン下))に進んで振り戻し(3)を実施し、(4)によりN−1回前(図では5回前(5ライン上))に進んで、次のラインの(5)を検査走査する。以後、(6)、(7)、(8)、(9)・・・と同じように繰り返して、言わば円を描くように(スパイラル状に)回りながら、下方(−y方向)に検査を進めていく。
【0060】
こうすることにより、検査走査したラインをその直後にプリチャージするのではなく、ある一定のインターバルをおいてからプリチャージすることになり、検査試料、走査環境によっては帯電制御効率を著しく向上させることが可能である。同時に、プリチャージのための走査を検査走査とは逆方向に走査させることにより、無駄時間のより少ない高スループットな走査方式を実現することができる。
【0061】
本実施形態では、図6(a)に示したように、被検査試料の端において往路走査(1)、(5)、(9)、(13)によって画像を取得しているが、プリチャージは復路走査(3)から始めているため、その取得した画像は捨てている。つまり、走査(1)、(5)、(9)、(13)の領域は検査領域から除かれている。しかし、このような無駄な領域を無くすため、これらの領域も予めプリチャージするようにしても良い。
【0062】
ここで、第4及び第5の実施形態ともともスパイラル状に走査を進行させることは共通しており、その回転方向が逆になっているだけである。また、どちらの例でも1回転で1ピッチ進むようになっているが、1回転でmピッチ進むように構成しても良い。また、加算が必要であれば、n回同じ円(ライン)を回ってから次のラインに進むように構成しても良い。さらに、第4及び第5の実施形態とも振り戻し走査を往路走査で構成しても良い。
【0063】
(第6の実施形態)
図7は、本発明のSEM式外観検査装置1の動作についての第6の実施形態を示す図である。図7(a)は、同じライン205を両方向から重ねて走査する加算方式を示している。即ち、251、252、253、254と4回加算(4回画像を取得)して次のラインに進む例を示している。これにより振り戻しによる無駄時間を発生させることなく、高スループットな加算走査を実現できる。
【0064】
ここで、復路走査252、254などは、前述のように画像データを取得する検査走査とすると、データの順番反転などの処理が必要となり煩雑となる。そこで図7(c)に示したように、水平同期信号(H−valid信号)を画像データが必要な往路走査251、253のみONとなるようにすれば、上記反転処理は必要なくなる。即ち、同方向の走査方式で画像データを構成することになり、検査画像の画質向上も期待できる。また、検査試料、検査条件等に応じて復路走査252、254を画像取得を行わないプリチャージ又はディスチャージとして用いても良い。
【0065】
図8は、本発明のSEM式外観検査装置1の操作画面GUI(Graphical User Interface)の一例を示す図である。図8に示したように、本発明の走査方式の機能選択手段を表示手段500の中に設け、ユーザが各種条件を視認性、操作性良く選択可能にした例(モニタ50の入力画面(GUI))を示している。
【0066】
このGUIを用いて、ユーザは、スキャン方式を入力手段540にて選択する。これはプルダウンメニューによる選択としても良い。これにより、一方向のみの走査方式(片振り)、振り戻しを加えた両方向の走査方式(両振り)、第4又は第5の実施形態で説明したスパイラル方式等をユーザが選択可能となる。
【0067】
次に、各走査方式の詳細機能の選択を、入力手段510、520、530により行う。まず、入力手段510では、振り戻しを行うスキャン方式において、振り戻しの役割を決める。すなわち、振り戻しにより、検査画像データを取得するか(検査)、もしくはプリチャージ(P.C.)、ディスチャージ(D.C.)に用いるかなどをユーザが選択する。入力手段520では、上記スパイラル方式の詳細機能、例えば、第4又は第5の実施形態に示したように、スパイラル状の回転方向、N値、加算回数などを決定する。入力手段530では、その他の条件設定(往復走査回数など)を行う。
【0068】
ここでは、上記4種類の入力手段540、510、520、530を示したが、全部装備する必要はなく、またこれに限定するものでもない。また、これらの情報を全部包含したものとして、レシピ作成550モードにより各種条件を指定する方法もある。この場合、細かい情報を一々入力する手間が省け、且つ入力ミスを減らす効果もある。これにより、欠陥の種類や工程名などを入力することによって検査条件を自動的に最適化することが可能となり、使い勝手向上の効果がある。
【0069】
以上述べたように、本発明によれば、光学画像では検出困難な欠陥を電子線画像を用いて高精度に検出すると同時に、その際問題となる検査装置としてのスループット低下を極力防止することができる。さらに、被検査試料の特質により欠陥部位のコントラストが十分に得られない場合であっても、スループット低下をきたすことなく、高感度な欠陥検出性能を実現する優れた検査装置および検査方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明に適用されるSEM式外観検査装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による電子線ビームの走査動作を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施形態による電子線ビームの走査動作を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施形態による電子線ビームの走査動作を示す図である。
【図5】本発明の第4の実施形態による電子線ビームの走査動作(スパイラル走査)を示す図である。
【図6】本発明の第5の実施形態による電子線ビームの走査動作(スパイラル走査)を示す図である。
【図7】本発明の第6の実施形態による電子線ビームの走査動作(両振り加算)を示す図である。
【図8】本発明のSEM式外観検査装置1の操作画面の例を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
1・・・SEM式外観検査装置、2・・・検査室、3・・・電子光学系、4・・・光学顕微鏡部、5・・・画像処理部、6・・・制御部、7・・・二次電子検出部、9・・・被検査試料、10・・・電子銃、11・・・電子線の引き出し電極、12・・・コンデンサレンズ、13・・・ブランキング偏向器、14・・・絞り、15・・・走査偏向器、16・・・対物レンズ、17・・・反射板、18・・・ExB偏向器、19・・・電子線、20・・・二次電子検出器、21・・・プリアンプ、22・・・AD変換器、23・・・光変換手段、24・・・光伝送手段、25・・・電気変換手段、26・・・高圧電源、27・・・プリアンプ駆動電源、28・・・AD変換器駆動電源、29・・・逆バイアス電源、34・・・位置モニタ用測長器、35・・・測定器、36・・・高圧電源、43・・・補正制御回路、44・・・走査信号発生器、45・・・対物レンズ電源、46・・・第一画像記憶部、47・・・第二画像記憶部、48・・・演算部、49・・・欠陥判定部、50・・・モニタ、51・・・二次電子、52・・・第二の二次電子、200・・・検査ストライプ、201、203・・・往路走査、202、204・・・振り戻し走査(復路走査)、205・・・ラインピッチ、211、213、215、217・・・プリチャージ走査、222、224、226、228・・・ディスチャージ走査、500・・・表示手段、510、520、530,540・・・入力手段、550・・・レシピ作成モード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料に電子線ビームを繰り返し往復ライン走査させ、該試料から発生する2次電子または反射電子に基づき生成された画像から欠陥部を求める外観検査方法において、
前記電子線ビームの往路走査により画像取得を行い、
前記電子線ビームの復路走査により画像取得、プリチャージまたはディスチャージを行うことを特徴とする外観検査方法。
【請求項2】
前記電子線ビームを繰り返し往復ライン走査するに際し、
前記往路走査の走査ラインおよび前記復路走査の走査ラインをそれぞれ制御することを特徴とする請求項1に記載の外観検査方法。
【請求項3】
前記電子線ビームの往路走査によりLライン目(Lは自然数)を走査した後、復路走査により(L−M)ライン目(MはLより小さい自然数)を走査するように制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の外観検査方法。
【請求項4】
前記復路走査により前記(L−M)ライン目を走査した後、往路走査により(L+N)ライン目(Nは自然数)を走査するように制御することを特徴とする請求項3に記載の外観検査方法。
【請求項5】
前記電子線ビームの往路走査によりLライン目(Lは自然数)を走査した後、復路走査により(L+M)ライン目(Mは自然数)を走査するように制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の外観検査方法。
【請求項6】
前記復路走査により前記(L+M)ライン目を走査した後、往路走査により(L−N)ライン目(NはLより小さい自然数)を走査するように制御することを特徴とする請求項5に記載の外観検査方法。
【請求項7】
前記電子線ビームを繰り返し往復ライン走査するに際し、同一ラインに対して連続して複数回、前記電子線ビームで往復走査するように制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の外観検査方法。
【請求項8】
前記復路走査を往路走査で構成することを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の外観検査方法。
【請求項9】
前記電子線ビームの走査方法に関する指示をGUIにより入力することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の外観検査方法。
【請求項10】
試料の欠陥を検出する外観検査装置であって、
前記試料に電子線ビームを繰り返し往復ライン走査させる走査手段と、
前記試料から発生する2次電子または反射電子に基づき画像を生成する画像取得手段と、
該画像取得手段により生成された画像から欠陥を検出する欠陥検出手段と、
前記走査手段による電子線ビームの走査を制御する制御手段と、
該制御手段により制御する前記電子線ビームの走査条件を設定する設定手段と、を備え、
前記設定手段が、前記電子線ビームの往路走査による動作を、画像取得、プリチャージ又はディスチャージのいずれかに設定する手段を有する外観検査装置。
【請求項11】
前記設定手段が、前記走査手段により走査させる前記電子線ビームの往路走査の走査ラインおよび復路走査の走査ラインを設定する手段を有する請求項10に記載の外観検査装置。
【請求項12】
前記設定手段が、前記電子線ビームの往路走査によりLライン目(Lは自然数)を走査した後、復路走査により(L−M)ライン目(MはLより小さい自然数)を走査するよう
に設定する手段を有する請求項10又は11に記載の外観検査装置。
【請求項13】
前記設定手段が、前記復路走査により前記(L−M)ライン目を走査した後、往路走査により(L+N)ライン目(Nは自然数)を走査するように設定する手段を有する請求項12に記載の外観検査装置。
【請求項14】
前記設定手段が、前記電子線ビームの往路走査によりLライン目(Lは自然数)を走査した後、復路走査により(L+M)ライン目(Mは自然数)を走査するように設定する手段を有する請求項10又は11に記載の外観検査装置。
【請求項15】
前記設定手段が、前記復路走査により前記(L+M)ライン目を走査した後、往路走査により(L−N)ライン目(NはLより小さい自然数)を走査するように設定する手段を有する請求項14に記載の外観検査装置。
【請求項16】
前記設定手段が、前記電子線ビームで同一ラインを連続して往復走査する回数を設定する手段を有する請求項10又は11に記載の外観検査装置。
【請求項17】
前記復路走査を往路走査で構成する請求項12乃至15のいずれかに記載の外観検査装置。
【請求項18】
前記設定手段がGUIである請求項10乃至17のいずれかに記載の外観検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−192345(P2009−192345A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−32745(P2008−32745)
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】