多層発泡基材及びその製造方法
【課題】十分な剛性を有すると共に、見栄えに優れる多層発泡基材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の多層発泡基材1は、第1スキン層11、樹脂発泡層12及び第2スキン層13を順に備えており、且つ樹脂発泡層12は、真空成形における真空引きにより拡厚されたものであって、本多層発泡基材1には、第1スキン層11側が外側となり、第2スキン層13側が内側となった曲面部が形成されており、この曲面部における第2スキン層13には、真空成形により生じる第2スキン層のたるみを吸収させた突形状の吸収部2が形成されている。
【解決手段】本発明の多層発泡基材1は、第1スキン層11、樹脂発泡層12及び第2スキン層13を順に備えており、且つ樹脂発泡層12は、真空成形における真空引きにより拡厚されたものであって、本多層発泡基材1には、第1スキン層11側が外側となり、第2スキン層13側が内側となった曲面部が形成されており、この曲面部における第2スキン層13には、真空成形により生じる第2スキン層のたるみを吸収させた突形状の吸収部2が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層発泡基材及びその製造方法に関する。更に詳しくは、十分な剛性を有すると共に、見栄えに優れる多層発泡基材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基材を賦形する際には低圧プレスが用いられている。例えば、特許文献1では、低圧プレスによって基材に裏面側に突出するリブ形状が付与されている。しかしながら、低圧プレスを用いて基材にリブを形成した場合、リブが形成されない一般面では基材が潰されて板厚が小さくなってしまうことから、基材の断熱性が低下するという問題があった。
一方、スキン層2層の間に発泡樹脂層が挟まれた構造をとる基材においては、基材の両面側から真空引きを行う工法を用いることにより、基材の板厚を十分に確保することができ、断熱性の低下を防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−264207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述の工法を車両用内装部品等の湾曲部を備える意匠部品の製造に適用する場合、図11及び図12に示すように、真空成形型内の基材の湾曲部Rにおける凸部の裏面側では、真空引きした際にスキン層が余って、しわxが発生してしまう。
特に、基材を確実に賦形するために意匠面となる側を先行して真空引きする際には、意匠面側からみて凸形状となる湾曲部では、真空引きにより意匠面側まで基材が一度伸ばされるため、その後の裏面側からの真空引きの際に裏面側のスキン層がより余りやすく、しわが発生しやすい。
このようなしわが発生すると、見栄えが劣るだけでなく、そのしわの部分が屈曲の起点となり、製品の剛性を低下させてしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、十分な剛性を有すると共に、見栄えに優れる多層発泡基材及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の通りである。
[1]第1スキン層、樹脂発泡層及び第2スキン層を順に備えており、且つ該樹脂発泡層は、真空成形における真空引きにより拡厚されたものである多層発泡基材であって、
本多層発泡基材には、前記第1スキン層側が外側となり、前記第2スキン層側が内側となった曲面部が形成されており、
前記曲面部における前記第2スキン層には、前記真空成形により生じる前記第2スキン層のたるみを吸収させた突形状の吸収部が形成されていることを特徴とする多層発泡基材。
[2]前記吸収部が波打ち形状である前記[1]に記載の多層発泡基材。
[3]前記第1スキン層側が意匠面側である前記[1]又は[2]に記載の多層発泡基材。
[4]第1スキン層、樹脂発泡層及び第2スキン層を順に備えた基材を、前記第1スキン層を賦形する第1型と、前記第1型と対となり、前記第2スキン層を賦形する第2型とを備える型の間で両面から真空引きすることにより前記樹脂発泡層を拡厚する多層発泡基材の製造方法であって、
前記第2型には、前記多層発泡基材に、前記第1スキン層側が外側となり、前記第2スキン層側が内側となる曲面部を形成するための曲面部形成部位が設けられており、
前記曲面部形成部位には、前記多層発泡基材に、真空成形により生じる前記第2スキン層のたるみを吸収する突形状の吸収部を形成するための凹形状の吸収部形成部位が設けられていることを特徴とする多層発泡基材の製造方法。
[5]前記吸収部形成部位が波打ち形状である前記[4]に記載の多層発泡基材の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の多層発泡基材では、第1スキン層側が外側となり、第2スキン層側が内側となった曲面部が形成されており、この曲面部における第2スキン層には、真空成形により生じる第2スキン層のたるみを吸収させた突形状の吸収部が形成されている。そのため、十分な剛性を有すると共に、見栄えに優れる。
また、吸収部が波打ち形状である場合には、剛性をより向上させることができると共に、見栄えに優れる。
更に、第1スキン層側を意匠面側とする場合には、吸収部が形成された第2スキン層側が裏面側となるため、より見栄えに優れたものとすることができる。
本発明の多層発泡基材の製造方法によると、第2スキン層のたるみを吸収する突形状の吸収部を形成するための凹形状の吸収部形成部位が設けられた型を用いているため、十分な剛性を有すると共に、見栄えに優れる多層発泡基材を製造することができる。
また、吸収部形成部位が波打ち形状である場合には、得られる多層発泡基材の剛性をより向上させることができると共に、より見栄えに優れたものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
【図1】実施例1に係る多層発泡基材の模式的な断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】多層発泡基材の製造に用いる型の模式的な断面図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】実施例1に係る多層発泡基材の製造方法を説明するための説明図である。
【図6】実施例1に係る多層発泡基材の製造方法を説明するための説明図である。
【図7】実施例1に係る多層発泡基材の製造方法を説明するための説明図である。
【図8】図7の要部拡大図である。
【図9】本実施例に係る多層発泡基材の製造方法を用いて得られるドアトリムアッパーの斜視図である。
【図10】図9のドアトリムアッパーのX−X断面図である。
【図11】従来技術を説明するための説明図である。
【図12】従来技術を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
【0010】
1.多層発泡基材
本実施形態1.に係る多層発泡基材は、第1スキン層、樹脂発泡層及び第2スキン層を順に備えており、且つ樹脂発泡層は、真空成形における真空引きにより拡厚されたものであって、多層発泡基材には、第1スキン層側が外側となり、第2スキン層側が内側となった曲面部が形成されており、曲面部における第2スキン層には、真空成形により生じる第2スキン層のたるみを吸収させた突形状の吸収部が形成されていることを特徴とする。
尚、この多層発泡基材の用途等は特に問わないが、例えば、ドアトリム(図9に示すドアトリムアッパー等)、インストルメントパネル、ルーフトリム、デッキボード、パッケージトレイ等の車両用内装部品に用いることができる。
【0011】
上記「多層発泡基材」は、第1スキン層、樹脂発泡層及び第2スキン層を順に備える限り、その構造、大きさ、形状、材質等は特に限定されない。
上記「第1スキン層」及び「第2スキン層」の材質としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱可塑性の合成樹脂を挙げることができる。
上記「樹脂発泡層」の材質としては、例えば、第1スキン層及び第2スキン層と同様の熱可塑性樹脂を採用することができる。この樹脂発泡層は、通常、それら熱可塑性樹脂に発泡剤を添加して発泡させたものである。更に、この樹脂発泡層は、両面からの真空引きにより拡厚されたものであることができる。
【0012】
上記「曲面部」は、第1スキン層側が外側となり、第2スキン層側が内側となった曲面であり、且つ突形状の吸収部を有する。この曲面部は1箇所にのみ形成されていてもよいし、2箇所以上に形成されていてもよい。
【0013】
上記「吸収部」は、曲面部において、真空成形により生じる第2スキン層のたるみが吸収されて形成されたものである。
この吸収部の形状等は特に限定されないが、波打ち形状であることが好ましい。吸収部が波打ち形状である場合、真空成形により生じる第2スキン層のたるみが十分に吸収されており、剛性をより向上させることができると共に、見栄えに優れる。
この吸収部は1箇所にのみ形成されていてもよいし、2箇所以上に形成されていてもよい。特に、この吸収部は曲面部における曲率が最大となっている部位近傍に形成されていることが好ましい。
【0014】
また、本実施形態1.に係る多層発泡基材においては、第1スキン層側の面を意匠面とすることができる。この場合、吸収部が形成される第2スキン層側が裏面側となるため、得られる多層発泡基材の見栄えをより向上させることができる。
【0015】
尚、上記多層発泡基材を製造する方法は特に限定されないが、例えば、後述する本発明の多層発泡基材の製造方法により得ることができる。
【0016】
2.多層発泡基材の製造方法
本実施形態2.に係る多層発泡基材の製造方法は、第1スキン層、樹脂発泡層及び第2スキン層を順に備えた基材を、第1スキン層を賦形する第1型と、この第1型と対となり、第2スキン層を賦形する第2型とを備える型の間で両面から真空引きすることにより樹脂発泡層を拡厚するものであって、第2型には、多層発泡基材に、第1スキン層側が外側となり、第2スキン層側が内側となる曲面部を形成するための曲面部形成部位が設けられており、この曲面部形成部位には、多層発泡基材に、真空成形により生じる第2スキン層のたるみを吸収する突形状の吸収部を形成するための凹形状の吸収部形成部位が設けられていることを特徴とする。
【0017】
上記「基材」は、第1スキン層、樹脂発泡層及び第2スキン層を順に備える限り、その構造、大きさ、形状、材質等は特に限定されない。この基材としては、例えば、上記各層を積層して形成されるシート状であることができる。尚、この基材においては、第1スキン層と樹脂発泡層との間、及び樹脂発泡層と第2スキン層との間の一方又は両方に、他の層が介在していてもよい。
また、この基材からなる多層発泡基材は、第1スキン層側の面を意匠面とすることができる。この場合、吸収部が形成される第2スキン層側が裏面側となるため、得られる多層発泡基材の見栄えをより向上させることができる。
【0018】
上記「第1スキン層」及び「第2スキン層」の材質としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱可塑性の合成樹脂を挙げることができる。また、第1スキン層及び第2スキン層は、通常、これら熱可塑性樹脂からなるシート状である。
上記「樹脂発泡層」の材質としては、例えば、第1スキン層及び第2スキン層と同様の熱可塑性樹脂を採用することができる。この樹脂発泡層は、通常、それら熱可塑性樹脂に発泡剤を添加して発泡させたシート状である。
【0019】
上記「型」は、基材の樹脂発泡層を真空引きにより拡厚(拡張)することができると共に、上記突形状の吸収部を形成することができる限り、その構造、大きさ、形状、材質等は特に限定されない。
具体的には、例えば、図3に示すように、第1スキン層を賦形する第1型51と、この第1型51と対となり、第2スキン層を賦形する第2型52とを備えており、吸収部を形成するための吸収部形成部位53が第2型52に形成された両面真空成形型を用いることができる。
【0020】
上記「吸収部形成部位」の形状等は特に限定されないが、波打ち形状であることが好ましい。吸収部形成部位が波打ち形状である場合、真空成形により生じる第2スキン層のたるみを十分に吸収することができ、得られる多層発泡基材の剛性をより向上させることができると共に、外観性能も向上させることができる。
また、この吸収部形成部位は、第2型における曲面部形成部位に形成されていればよく、曲面部形成部位における曲率が最大となっている部位近傍に形成されていることが好ましい。
【0021】
また、本発明の多層発泡基材の製造方法においては、真空引きの条件は特に限定されないが、吸収部が形成される第2スキン層側よりも先に、第1スキン層側から真空引きを行うことが好ましい。
【実施例】
【0022】
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
【0023】
<実施例1>
[1−1]多層発泡基材
図1に示すように、本実施例1に係る多層発泡基材1は、第1スキン層11、樹脂発泡層12及び第2スキン層13を順に備えており、且つ樹脂発泡層12は、真空成形における真空引きにより拡厚されたものである。
また、多層発泡基材1には、第1スキン層11側が外側となり、第2スキン層13側が内側となった曲面部が形成されており、この曲面部における第2スキン層13には、真空成形により生じる第2スキン層13のたるみを吸収させた突形状の吸収部2が形成されている。
尚、この多層発泡基材1においては、第1スキン層11側が意匠面側となっており、吸収部2が形成された第2スキン層13側が裏面側となっている。
【0024】
[1−2]多層発泡基材の製造方法
本実施例1に係る多層発泡基材1の製造方法を図5〜図8を用いて説明する。
(1)型の構成
本実施例1の多層発泡基材の製造に用いた両面真空成形型の構成を以下に示す。
図3に示すように、型5は、用いられる基材の第1スキン層を賦形する第1型(意匠面側成形型)51と、この第1型51と対となり、基材の第2スキン層を賦形する第2型(裏面側成形型)52と、両面側から真空引き可能な真空引き手段(図示せず)と、を備える。
第1型51には、多層発泡基材に、第1スキン層側が外側となり、第2スキン層側が内側となる曲面部を形成するための曲面部形成部位が設けられている。また、第1型51は、この第1型51側から真空引き可能に構成されており、複数の真空孔(図示せず)を備える。
第2型52には、多層発泡基材に、第1スキン層側が外側となり、第2スキン層側が内側となる曲面部を形成するための曲面部形成部位が設けられており、この曲面部形成部位において、波打ち形状の吸収部形成部位53を備える。また、第2型52は、この第2型52側から真空引き可能に構成されており、複数の真空孔(図示せず)を備える。
【0025】
(2)多層発泡基材の製造方法
まず、図5に示すように、第1スキン層11、樹脂発泡層12及び第2スキン層13を順に備える基材10を、第1スキン層11側が第1型51側となるように型5にセットし、端部が押し潰された状態となるように型締めする。尚、基材10においては、第1スキン層11側が意匠面側である。また、型締めの際、基材10の両端は型5の外側において支持部(図示せず)により挟持されている。
次いで、図6に示すように、型5にセットされた基材10を、意匠面側となる第1スキン層11側(即ち、第1型51側)から真空引きを行う。
その後、第1スキン層11側からの真空引きを継続した状態で、図7及び図8に示すように、第2スキン層13側(即ち、第2型52側)から真空引きを行い、樹脂発泡層12を拡厚するとともに、吸収部2(図1参照)を形成する。
このようにして、第1スキン層11、樹脂発泡層12及び第2スキン層13を順に備えており、第1スキン層11側が外側となり、第2スキン層13側が内側となった曲面部が形成されており、この曲面部における第2スキン層13には、真空成形により生じる第2スキン層のたるみを吸収させた突形状(波打ち形状)の吸収部2が形成された多層発泡基材1が得られる。
【0026】
[1−3]実施例1の効果
実施例1に係る多層発泡基材1は、第1スキン層11側が外側となり、第2スキン層13側が内側となった曲面部において、真空成形により生じる第2スキン層13のたるみを吸収させた波打ち形状の吸収部2が形成されている。そのため、剛性に優れていると共に、良好な見栄えを備えている。
また、この多層発泡基材1は、第1スキン層11側が意匠面側となっており、吸収部2が形成された第2スキン層13側が裏面側となっているため、非常に見栄えに優れたものとなっている。
【0027】
また、本実施例の多層発泡基材の製造方法によれば、図9及び図10に示すような、第1スキン層11、樹脂発泡層12及び第2スキン層13を順に備えており、第1スキン層11側が外側となり、第2スキン層13側が内側となった曲面部が形成されており、この曲面部では、真空成形により生じる第2スキン層13のたるみを吸収させた突形状の吸収部2が形成された多層発泡基材1からなるドアトリムアッパー100等の車両用内装部品を容易に製造することができる。このドアトリムアッパー100は、第1スキン層11側が意匠面側となっており、曲面部において、第2スキン層のたるみを吸収させた吸収部2を備えているので、十分な剛性を有すると共に、見栄えに優れている。
【0028】
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述及び図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的及び例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料及び実施例を参照したが、本発明をここにける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
【0029】
本発明は前記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形又は変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の多層発泡基材及びその製造方法は、乗用車、バス、トラック等の他、列車、汽車等の鉄道車両、建設車両、農業車両、産業車両等の車両用内装部品分野等に関する技術として広く利用される。
【符号の説明】
【0031】
1;多層発泡基材、10;基材、100;ドアトリムアッパー、11;第1スキン層、12;樹脂発泡層、13;第2スキン層、2;吸収部、5;型、51;第1型、52;第2型、53;吸収部形成部位、x;しわ、R;湾曲部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層発泡基材及びその製造方法に関する。更に詳しくは、十分な剛性を有すると共に、見栄えに優れる多層発泡基材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基材を賦形する際には低圧プレスが用いられている。例えば、特許文献1では、低圧プレスによって基材に裏面側に突出するリブ形状が付与されている。しかしながら、低圧プレスを用いて基材にリブを形成した場合、リブが形成されない一般面では基材が潰されて板厚が小さくなってしまうことから、基材の断熱性が低下するという問題があった。
一方、スキン層2層の間に発泡樹脂層が挟まれた構造をとる基材においては、基材の両面側から真空引きを行う工法を用いることにより、基材の板厚を十分に確保することができ、断熱性の低下を防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−264207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述の工法を車両用内装部品等の湾曲部を備える意匠部品の製造に適用する場合、図11及び図12に示すように、真空成形型内の基材の湾曲部Rにおける凸部の裏面側では、真空引きした際にスキン層が余って、しわxが発生してしまう。
特に、基材を確実に賦形するために意匠面となる側を先行して真空引きする際には、意匠面側からみて凸形状となる湾曲部では、真空引きにより意匠面側まで基材が一度伸ばされるため、その後の裏面側からの真空引きの際に裏面側のスキン層がより余りやすく、しわが発生しやすい。
このようなしわが発生すると、見栄えが劣るだけでなく、そのしわの部分が屈曲の起点となり、製品の剛性を低下させてしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、十分な剛性を有すると共に、見栄えに優れる多層発泡基材及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の通りである。
[1]第1スキン層、樹脂発泡層及び第2スキン層を順に備えており、且つ該樹脂発泡層は、真空成形における真空引きにより拡厚されたものである多層発泡基材であって、
本多層発泡基材には、前記第1スキン層側が外側となり、前記第2スキン層側が内側となった曲面部が形成されており、
前記曲面部における前記第2スキン層には、前記真空成形により生じる前記第2スキン層のたるみを吸収させた突形状の吸収部が形成されていることを特徴とする多層発泡基材。
[2]前記吸収部が波打ち形状である前記[1]に記載の多層発泡基材。
[3]前記第1スキン層側が意匠面側である前記[1]又は[2]に記載の多層発泡基材。
[4]第1スキン層、樹脂発泡層及び第2スキン層を順に備えた基材を、前記第1スキン層を賦形する第1型と、前記第1型と対となり、前記第2スキン層を賦形する第2型とを備える型の間で両面から真空引きすることにより前記樹脂発泡層を拡厚する多層発泡基材の製造方法であって、
前記第2型には、前記多層発泡基材に、前記第1スキン層側が外側となり、前記第2スキン層側が内側となる曲面部を形成するための曲面部形成部位が設けられており、
前記曲面部形成部位には、前記多層発泡基材に、真空成形により生じる前記第2スキン層のたるみを吸収する突形状の吸収部を形成するための凹形状の吸収部形成部位が設けられていることを特徴とする多層発泡基材の製造方法。
[5]前記吸収部形成部位が波打ち形状である前記[4]に記載の多層発泡基材の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の多層発泡基材では、第1スキン層側が外側となり、第2スキン層側が内側となった曲面部が形成されており、この曲面部における第2スキン層には、真空成形により生じる第2スキン層のたるみを吸収させた突形状の吸収部が形成されている。そのため、十分な剛性を有すると共に、見栄えに優れる。
また、吸収部が波打ち形状である場合には、剛性をより向上させることができると共に、見栄えに優れる。
更に、第1スキン層側を意匠面側とする場合には、吸収部が形成された第2スキン層側が裏面側となるため、より見栄えに優れたものとすることができる。
本発明の多層発泡基材の製造方法によると、第2スキン層のたるみを吸収する突形状の吸収部を形成するための凹形状の吸収部形成部位が設けられた型を用いているため、十分な剛性を有すると共に、見栄えに優れる多層発泡基材を製造することができる。
また、吸収部形成部位が波打ち形状である場合には、得られる多層発泡基材の剛性をより向上させることができると共に、より見栄えに優れたものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
【図1】実施例1に係る多層発泡基材の模式的な断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】多層発泡基材の製造に用いる型の模式的な断面図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】実施例1に係る多層発泡基材の製造方法を説明するための説明図である。
【図6】実施例1に係る多層発泡基材の製造方法を説明するための説明図である。
【図7】実施例1に係る多層発泡基材の製造方法を説明するための説明図である。
【図8】図7の要部拡大図である。
【図9】本実施例に係る多層発泡基材の製造方法を用いて得られるドアトリムアッパーの斜視図である。
【図10】図9のドアトリムアッパーのX−X断面図である。
【図11】従来技術を説明するための説明図である。
【図12】従来技術を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
【0010】
1.多層発泡基材
本実施形態1.に係る多層発泡基材は、第1スキン層、樹脂発泡層及び第2スキン層を順に備えており、且つ樹脂発泡層は、真空成形における真空引きにより拡厚されたものであって、多層発泡基材には、第1スキン層側が外側となり、第2スキン層側が内側となった曲面部が形成されており、曲面部における第2スキン層には、真空成形により生じる第2スキン層のたるみを吸収させた突形状の吸収部が形成されていることを特徴とする。
尚、この多層発泡基材の用途等は特に問わないが、例えば、ドアトリム(図9に示すドアトリムアッパー等)、インストルメントパネル、ルーフトリム、デッキボード、パッケージトレイ等の車両用内装部品に用いることができる。
【0011】
上記「多層発泡基材」は、第1スキン層、樹脂発泡層及び第2スキン層を順に備える限り、その構造、大きさ、形状、材質等は特に限定されない。
上記「第1スキン層」及び「第2スキン層」の材質としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱可塑性の合成樹脂を挙げることができる。
上記「樹脂発泡層」の材質としては、例えば、第1スキン層及び第2スキン層と同様の熱可塑性樹脂を採用することができる。この樹脂発泡層は、通常、それら熱可塑性樹脂に発泡剤を添加して発泡させたものである。更に、この樹脂発泡層は、両面からの真空引きにより拡厚されたものであることができる。
【0012】
上記「曲面部」は、第1スキン層側が外側となり、第2スキン層側が内側となった曲面であり、且つ突形状の吸収部を有する。この曲面部は1箇所にのみ形成されていてもよいし、2箇所以上に形成されていてもよい。
【0013】
上記「吸収部」は、曲面部において、真空成形により生じる第2スキン層のたるみが吸収されて形成されたものである。
この吸収部の形状等は特に限定されないが、波打ち形状であることが好ましい。吸収部が波打ち形状である場合、真空成形により生じる第2スキン層のたるみが十分に吸収されており、剛性をより向上させることができると共に、見栄えに優れる。
この吸収部は1箇所にのみ形成されていてもよいし、2箇所以上に形成されていてもよい。特に、この吸収部は曲面部における曲率が最大となっている部位近傍に形成されていることが好ましい。
【0014】
また、本実施形態1.に係る多層発泡基材においては、第1スキン層側の面を意匠面とすることができる。この場合、吸収部が形成される第2スキン層側が裏面側となるため、得られる多層発泡基材の見栄えをより向上させることができる。
【0015】
尚、上記多層発泡基材を製造する方法は特に限定されないが、例えば、後述する本発明の多層発泡基材の製造方法により得ることができる。
【0016】
2.多層発泡基材の製造方法
本実施形態2.に係る多層発泡基材の製造方法は、第1スキン層、樹脂発泡層及び第2スキン層を順に備えた基材を、第1スキン層を賦形する第1型と、この第1型と対となり、第2スキン層を賦形する第2型とを備える型の間で両面から真空引きすることにより樹脂発泡層を拡厚するものであって、第2型には、多層発泡基材に、第1スキン層側が外側となり、第2スキン層側が内側となる曲面部を形成するための曲面部形成部位が設けられており、この曲面部形成部位には、多層発泡基材に、真空成形により生じる第2スキン層のたるみを吸収する突形状の吸収部を形成するための凹形状の吸収部形成部位が設けられていることを特徴とする。
【0017】
上記「基材」は、第1スキン層、樹脂発泡層及び第2スキン層を順に備える限り、その構造、大きさ、形状、材質等は特に限定されない。この基材としては、例えば、上記各層を積層して形成されるシート状であることができる。尚、この基材においては、第1スキン層と樹脂発泡層との間、及び樹脂発泡層と第2スキン層との間の一方又は両方に、他の層が介在していてもよい。
また、この基材からなる多層発泡基材は、第1スキン層側の面を意匠面とすることができる。この場合、吸収部が形成される第2スキン層側が裏面側となるため、得られる多層発泡基材の見栄えをより向上させることができる。
【0018】
上記「第1スキン層」及び「第2スキン層」の材質としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱可塑性の合成樹脂を挙げることができる。また、第1スキン層及び第2スキン層は、通常、これら熱可塑性樹脂からなるシート状である。
上記「樹脂発泡層」の材質としては、例えば、第1スキン層及び第2スキン層と同様の熱可塑性樹脂を採用することができる。この樹脂発泡層は、通常、それら熱可塑性樹脂に発泡剤を添加して発泡させたシート状である。
【0019】
上記「型」は、基材の樹脂発泡層を真空引きにより拡厚(拡張)することができると共に、上記突形状の吸収部を形成することができる限り、その構造、大きさ、形状、材質等は特に限定されない。
具体的には、例えば、図3に示すように、第1スキン層を賦形する第1型51と、この第1型51と対となり、第2スキン層を賦形する第2型52とを備えており、吸収部を形成するための吸収部形成部位53が第2型52に形成された両面真空成形型を用いることができる。
【0020】
上記「吸収部形成部位」の形状等は特に限定されないが、波打ち形状であることが好ましい。吸収部形成部位が波打ち形状である場合、真空成形により生じる第2スキン層のたるみを十分に吸収することができ、得られる多層発泡基材の剛性をより向上させることができると共に、外観性能も向上させることができる。
また、この吸収部形成部位は、第2型における曲面部形成部位に形成されていればよく、曲面部形成部位における曲率が最大となっている部位近傍に形成されていることが好ましい。
【0021】
また、本発明の多層発泡基材の製造方法においては、真空引きの条件は特に限定されないが、吸収部が形成される第2スキン層側よりも先に、第1スキン層側から真空引きを行うことが好ましい。
【実施例】
【0022】
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
【0023】
<実施例1>
[1−1]多層発泡基材
図1に示すように、本実施例1に係る多層発泡基材1は、第1スキン層11、樹脂発泡層12及び第2スキン層13を順に備えており、且つ樹脂発泡層12は、真空成形における真空引きにより拡厚されたものである。
また、多層発泡基材1には、第1スキン層11側が外側となり、第2スキン層13側が内側となった曲面部が形成されており、この曲面部における第2スキン層13には、真空成形により生じる第2スキン層13のたるみを吸収させた突形状の吸収部2が形成されている。
尚、この多層発泡基材1においては、第1スキン層11側が意匠面側となっており、吸収部2が形成された第2スキン層13側が裏面側となっている。
【0024】
[1−2]多層発泡基材の製造方法
本実施例1に係る多層発泡基材1の製造方法を図5〜図8を用いて説明する。
(1)型の構成
本実施例1の多層発泡基材の製造に用いた両面真空成形型の構成を以下に示す。
図3に示すように、型5は、用いられる基材の第1スキン層を賦形する第1型(意匠面側成形型)51と、この第1型51と対となり、基材の第2スキン層を賦形する第2型(裏面側成形型)52と、両面側から真空引き可能な真空引き手段(図示せず)と、を備える。
第1型51には、多層発泡基材に、第1スキン層側が外側となり、第2スキン層側が内側となる曲面部を形成するための曲面部形成部位が設けられている。また、第1型51は、この第1型51側から真空引き可能に構成されており、複数の真空孔(図示せず)を備える。
第2型52には、多層発泡基材に、第1スキン層側が外側となり、第2スキン層側が内側となる曲面部を形成するための曲面部形成部位が設けられており、この曲面部形成部位において、波打ち形状の吸収部形成部位53を備える。また、第2型52は、この第2型52側から真空引き可能に構成されており、複数の真空孔(図示せず)を備える。
【0025】
(2)多層発泡基材の製造方法
まず、図5に示すように、第1スキン層11、樹脂発泡層12及び第2スキン層13を順に備える基材10を、第1スキン層11側が第1型51側となるように型5にセットし、端部が押し潰された状態となるように型締めする。尚、基材10においては、第1スキン層11側が意匠面側である。また、型締めの際、基材10の両端は型5の外側において支持部(図示せず)により挟持されている。
次いで、図6に示すように、型5にセットされた基材10を、意匠面側となる第1スキン層11側(即ち、第1型51側)から真空引きを行う。
その後、第1スキン層11側からの真空引きを継続した状態で、図7及び図8に示すように、第2スキン層13側(即ち、第2型52側)から真空引きを行い、樹脂発泡層12を拡厚するとともに、吸収部2(図1参照)を形成する。
このようにして、第1スキン層11、樹脂発泡層12及び第2スキン層13を順に備えており、第1スキン層11側が外側となり、第2スキン層13側が内側となった曲面部が形成されており、この曲面部における第2スキン層13には、真空成形により生じる第2スキン層のたるみを吸収させた突形状(波打ち形状)の吸収部2が形成された多層発泡基材1が得られる。
【0026】
[1−3]実施例1の効果
実施例1に係る多層発泡基材1は、第1スキン層11側が外側となり、第2スキン層13側が内側となった曲面部において、真空成形により生じる第2スキン層13のたるみを吸収させた波打ち形状の吸収部2が形成されている。そのため、剛性に優れていると共に、良好な見栄えを備えている。
また、この多層発泡基材1は、第1スキン層11側が意匠面側となっており、吸収部2が形成された第2スキン層13側が裏面側となっているため、非常に見栄えに優れたものとなっている。
【0027】
また、本実施例の多層発泡基材の製造方法によれば、図9及び図10に示すような、第1スキン層11、樹脂発泡層12及び第2スキン層13を順に備えており、第1スキン層11側が外側となり、第2スキン層13側が内側となった曲面部が形成されており、この曲面部では、真空成形により生じる第2スキン層13のたるみを吸収させた突形状の吸収部2が形成された多層発泡基材1からなるドアトリムアッパー100等の車両用内装部品を容易に製造することができる。このドアトリムアッパー100は、第1スキン層11側が意匠面側となっており、曲面部において、第2スキン層のたるみを吸収させた吸収部2を備えているので、十分な剛性を有すると共に、見栄えに優れている。
【0028】
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述及び図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的及び例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料及び実施例を参照したが、本発明をここにける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
【0029】
本発明は前記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形又は変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の多層発泡基材及びその製造方法は、乗用車、バス、トラック等の他、列車、汽車等の鉄道車両、建設車両、農業車両、産業車両等の車両用内装部品分野等に関する技術として広く利用される。
【符号の説明】
【0031】
1;多層発泡基材、10;基材、100;ドアトリムアッパー、11;第1スキン層、12;樹脂発泡層、13;第2スキン層、2;吸収部、5;型、51;第1型、52;第2型、53;吸収部形成部位、x;しわ、R;湾曲部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1スキン層、樹脂発泡層及び第2スキン層を順に備えており、且つ該樹脂発泡層は、真空成形における真空引きにより拡厚されたものである多層発泡基材であって、
本多層発泡基材には、前記第1スキン層側が外側となり、前記第2スキン層側が内側となった曲面部が形成されており、
前記曲面部における前記第2スキン層には、前記真空成形により生じる前記第2スキン層のたるみを吸収させた突形状の吸収部が形成されていることを特徴とする多層発泡基材。
【請求項2】
前記吸収部が波打ち形状である請求項1に記載の多層発泡基材。
【請求項3】
前記第1スキン層側が意匠面側である請求項1又は2に記載の多層発泡基材。
【請求項4】
第1スキン層、樹脂発泡層及び第2スキン層を順に備えた基材を、前記第1スキン層を賦形する第1型と、前記第1型と対となり、前記第2スキン層を賦形する第2型とを備える型の間で両面から真空引きすることにより前記樹脂発泡層を拡厚する多層発泡基材の製造方法であって、
前記第2型には、前記多層発泡基材に、前記第1スキン層側が外側となり、前記第2スキン層側が内側となる曲面部を形成するための曲面部形成部位が設けられており、
前記曲面部形成部位には、前記多層発泡基材に、真空成形により生じる前記第2スキン層のたるみを吸収する突形状の吸収部を形成するための凹形状の吸収部形成部位が設けられていることを特徴とする多層発泡基材の製造方法。
【請求項5】
前記吸収部形成部位が波打ち形状である請求項4に記載の多層発泡基材の製造方法。
【請求項1】
第1スキン層、樹脂発泡層及び第2スキン層を順に備えており、且つ該樹脂発泡層は、真空成形における真空引きにより拡厚されたものである多層発泡基材であって、
本多層発泡基材には、前記第1スキン層側が外側となり、前記第2スキン層側が内側となった曲面部が形成されており、
前記曲面部における前記第2スキン層には、前記真空成形により生じる前記第2スキン層のたるみを吸収させた突形状の吸収部が形成されていることを特徴とする多層発泡基材。
【請求項2】
前記吸収部が波打ち形状である請求項1に記載の多層発泡基材。
【請求項3】
前記第1スキン層側が意匠面側である請求項1又は2に記載の多層発泡基材。
【請求項4】
第1スキン層、樹脂発泡層及び第2スキン層を順に備えた基材を、前記第1スキン層を賦形する第1型と、前記第1型と対となり、前記第2スキン層を賦形する第2型とを備える型の間で両面から真空引きすることにより前記樹脂発泡層を拡厚する多層発泡基材の製造方法であって、
前記第2型には、前記多層発泡基材に、前記第1スキン層側が外側となり、前記第2スキン層側が内側となる曲面部を形成するための曲面部形成部位が設けられており、
前記曲面部形成部位には、前記多層発泡基材に、真空成形により生じる前記第2スキン層のたるみを吸収する突形状の吸収部を形成するための凹形状の吸収部形成部位が設けられていることを特徴とする多層発泡基材の製造方法。
【請求項5】
前記吸収部形成部位が波打ち形状である請求項4に記載の多層発泡基材の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−30401(P2012−30401A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169807(P2010−169807)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】
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