説明

多層記録支持体

本発明は、上側及び裏側を有する基体を含む支持体であって、少なくとも上側が少なくとも2つの樹脂層を備え、基体から最も離れている最外樹脂層が少なくとも50重量%の、0.90g/cm3未満の密度を有する1種類のポリエチレンホモポリマー又はポリエチレンコポリマーを含み、かつ該最外樹脂層が少なくとも0.2g/m2かつ2g/m2未満のコーティング重量を有する支持体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は支持体材料、特には、記録用途において用いられる樹脂コーティングされた支持体材料に関する。本発明は、さらに、該支持体材料を含む記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、記録媒体において用いられる支持体材料は、少なくとも1つの樹脂層が設けられている基体を含む。この樹脂層の最上部には、用いられる記録方法に応じて、受容媒体(receiving medium)、例えば、(従来公知の)写真用途のエマルジョン層又はインクジェット用途のインク受容層又は感熱写真用紙用途若しくは電子写真用紙用途の層が塗布される。
【0003】
典型的には、画像形成方法のための記録媒体、特には、写真用紙のための記録媒体は、溶融押出しコーティング法又は共押出し(co−extrusion)法を用いることによって製造される。(共)押出しコーティングにおいては、溶融ポリマー層(1以上)を、スロットダイを通して、270℃を上回る温度で押し出す。溶融状態にある間に、ポリマー層(1以上)は被コーティング基体と共に2つのローラのニップを通して引き出される。これらのローラの一方であるチルローラは、ポリマー層(1以上)を固化するため、冷却される。他方のローラであるニップローラ(通常、該ニップローラの外周に圧縮性物質の層を備える)は圧力を印加して、基体とポリマー層(1以上)とを接着する。
【0004】
支持体の重要な態様は樹脂表面の外見であり、該支持体の外見は滑らかで高い光沢を示さなければならない。さらに、支持体の樹脂表面は、基体に樹脂を溶融押出しコーティングする時に、チルローラの回転による空気の閉じ込めによって生じ得る、ピットとも呼ばれるクレーター(crater)欠陥が多すぎないことが重要である。ピットの数が増加すると、支持体の外見が損なわれ、このような支持体を用いて製造される記録媒体の品質が低下する。
【0005】
ピットの数は押出しコーティングにおいて速いライン速度を用いると増加し、したがって、記録媒体用の支持体の製造において製造速度及び生産性を高めることが困難になっている。
【0006】
ピットの数は、支持体の樹脂層の総重量の減少に伴っても増加する。したがって、記録媒体用の支持体のコストを低下させることが困難になっている。樹脂コート基体のクレーター欠陥の数は、樹脂層の溶融温度を、基体と樹脂層(1以上)とが確実に接着するのに必要である温度より高くすることにより減少させることができるが、これに伴うより多くの欠陥を発生させる危険性のため、例えば、メヤニ(die drool)を生じることがあるため、一般に好ましいものではない。これらの欠陥は支持体の外見の劣化につながり、それらを矯正するためには製造を停止しなければならない。
【0007】
従来技術において、上記クレーター欠陥問題に対する様々な解決法が提示されている。特許文献1は、押し出された樹脂フィルムを通してより容易に脱出できる気体で置き換えることによって、例えば200m/分の高速押出しライン速度でのクレーター欠陥の数を、チルローラ上の空気を減少させる方法を開示する。
【0008】
特許文献2は、押出機から排出される樹脂フィルムを、基材材料と共にニップと冷却ローラとの間を通過させ、ニップ内での樹脂フィルムの温度を増加させる、例えば200m/分の高速押出しライン速度での別の方法を開示する。
【0009】
特許文献3は、紙基体を加熱した後に、ポリマー樹脂層(1以上)を用いて押出しコーティングする、例えば300m/分の高速押出しライン速度での別の方法を開示する。他の出願もクレーターを減少させる方法を提示しているが、技術的複雑性、又は製造機器に対する損傷、提示されるシステムの損傷若しくは支持体の製造における製造工程数の増加の潜在的リスクにおける多大な不都合を伴う。例えば、特許文献4においては、第1のニップの後、ホットローラ(1以上)での新たな圧縮を少なくとも1回用いる方法が開示される。特許文献5には、押出しコーティングの際に、200kg/cmまでの直線圧力(linear pressure)下で、溶融樹脂層(1以上)をチルローラとバックアップローラとの間を通過させる方法が開示されており、特許文献6には、支持体を二重連続押出しコーティング(double consecutive extrusion coating)によって製造する方法が開示される。
【0010】
特許文献7は、異なる熱可塑性ポリマー及び写真用エマルジョンへの接着特性を改善するため、密度が0.7〜0.9g/cm3であるメタロセンポリエチレンを20重量%含むポリエチレン上部層を有する記録媒体を開示しているが、この文献はクレーター形成の減少に関しては何も開示していない。
【特許文献1】欧州公開特許0285146号公報
【特許文献2】特開平11−352638号公報
【特許文献3】欧州公開特許1130460号公報
【特許文献4】特開平11−352637号公報
【特許文献5】米国特許4994357号公報
【特許文献6】特開昭59−198451号公報
【特許文献7】米国特許出願公開2001/021442号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
記録媒体用の支持体材料を提供する当該技術分野において、支持体上のクレーター欠陥の量が十分に低いレベルのままで、媒体を低コスト及び高速で製造することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
良好な表面特性を有し、特には、クレーター欠陥の量が少ない、記録媒体用の支持体を提供することが本発明の目的である。
【0013】
表面特性を犠牲にすることなしに、溶融押出しコーティング中に非常に速いライン速度で製造することができる、記録媒体用の支持体を提供することが本発明のさらなる目的である。
【0014】
高速の押出し速度で製造することができ、良好な表面特性が維持される、表面積あたりの樹脂の重量として表されるポリマー樹脂の総厚みが小さい、記録媒体用の支持体を提供することが本発明のさらなる目的である。
【0015】
比較的低い樹脂溶融温度で、押出しコーティング中に高速のライン速度で優れた表面特性、すなわち、クレーター欠陥が最少量である、記録媒体用の支持体を提供することが本発明の別の目的である。
【0016】
押出しコーティングの最中に高速のライン速度で、優れた表面特性、すなわち、クレーター欠陥が最少量である支持体を得ながら、比較的低いニップ圧で記録媒体用の支持体を製造する方法を提供することが本発明の別の目的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
今では、本発明の基となる目的が、少なくとも部分的には、上側及び裏側を有する基体を含む、記録媒体用の支持体であって、少なくとも該上側が多層構造を備え、該基体から最も離れている最外樹脂層が0.90g/cm3未満の密度を有する少なくとも1種類の低密度ポリエチレンポリマーを含み、かつ該最外樹脂層が少なくとも0.2g/m2かつ2g/m2未満のコーティング重量を有する、記録媒体用の支持体を提供することによって達成されることが見出されている。
【0018】
第1態様において、本発明は、上側及び裏側を有する基体を含む支持体であって、少なくとも該上側が少なくとも2つの樹脂層を備え、該基体から最も離れている最外層が少なくとも50重量%の、0.90g/cm3未満の密度を有する1種類のポリエチレンポリマーを含み、かつ該最外層の重量が少なくとも0.2g/m2かつ2.0g/m2未満であることを特徴とする、支持体を提供する。本明細書で用いられる「ポリエチレンポリマー」という用語は、ポリエチレンホモポリマー又はポリエチレンコポリマーを指す。したがって、低密度ポリエチレンポリマーが、上記上側の最外層の主要成分であることが非常に好ましい。
【0019】
本明細書で用いられる場合、上記上側は、特には、受容媒体、例えば、支持体を記録媒体の製造に用いる場合には記録層が設けられる側である。
【0020】
本発明は、最外層に通常塗布される高密度(すなわち、0.90g/cm3を上回る)ポリエチレンを、少なくとも部分的に、好ましくは50重量%以上、低密度(すなわち、0.90g/cm3未満)ポリエチレンポリマーで置き換えることが、クレーター欠陥の発生の減少につながるという発見に基づく。
【0021】
クレーター欠陥の発生率を非常に低くするためには、上記密度は、0.875g/cm3以下であることが好ましい。実用上の理由から、上記密度は、少なくとも0.85g/m3であることが好ましい。0.90g/cm3未満、特には、0.875g/cm3未満の密度を有するポリエチレンは、メタロセンポリエチレンであることが好ましい。適切なメタロセンポリエチレンは、特には、メタロセン触媒を用いることによって調製される、エチレンと3〜約14個の炭素原子を有するアルファ−オレフィン、例えば、1−プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンとのコポリマーである。
【0022】
本発明の一実施形態において、最外樹脂層は(0.90g/cm3未満の密度を有する少なくとも50重量%のポリエチレンポリマーは別として)1種類以上の他のポリオレフィンを含む。このようなポリオレフィンの好ましい例としては、少なくとも3個の炭素原子を含有する、1種類以上のアルファ−オレフィンモノマー残基を含むポリマー;エチレンと、少なくとも3個の炭素原子を含有するアルファ−オレフィンモノマーとのコポリマー(の混合物);並びに0.90を上回る、特には、0.90〜0.97g/cm3の密度を有するポリエチレン(の混合物)が挙げられる。最外層は、該最外層において用いられるポリマーの総重量に対して、50重量%までのこれらのオレフィン類を含むことができる。これらのポリオレフィン類の正確な量は、最外層における全てのポリマーの平均密度が0.90g/cm3となる量であることが好ましい。
【0023】
0.90〜0.97g/cm3の密度を有するポリエチレンの最外層における重量パーセンテージが増加すると、クレーター欠陥の発生率が再度、幾らか増加することが見出された。しかし、良い副作用として、0.90〜0.97g/cm3の密度を有するポリエチレンの上記重量増加、共押出しコーティングのチルローラ剥離をより容易にすることが挙げられる。したがって、クレーター欠陥とこのチルローラ剥離特性との両立条件(trade−off)として、最外層は、多くとも25重量%までのこれらの比較的高密度のポリエチレンを含むことが好ましい。
【0024】
上記のように、最外層のコーティング重量は、2.0g/m2未満であることが好ましい。支持体が、例えば、写真印刷用紙等の支持体として用いられる場合、2.0g/m2以上の外層が存在すると、支持体上の画像の鮮明性の望ましくない低下につながり得ることが特に見出されている。また経済的な理由からも、多いコーティング重量を用いることは好ましくない。したがって、本発明の好ましい実施形態においては、支持体の最外層としては、0.2g/m2〜1.75g/m2の範囲の非常に少ない量を塗布する。該最外層の重量は1.5g/m2以下であることがより好ましい。本発明の最も好ましい実施形態においては、上記重量は1.0g/m2以下である。
【0025】
本発明において、最外樹脂層は、チルローラからの剥離を改善するために、1種類以上のチルローラ剥離剤、例えば、金属ステアレート、フルオロポリマー、ポリアルコール、ポリエチレングリコール、若しくはポリプロピレングリコール、又はこれらの組み合わせを含み得る。本発明の支持体の最外層は、例えば、該支持体が、例えば写真印刷用紙の支持体として用いられる場合には画像鮮明性を改善するため、又は該支持体の白色性若しくは不透明性を向上するため、1種類以上の白色不透明顔料で着色することができる。この白色不透明顔料は当該技術分野において記載される白色顔料、例えば、アナターゼ型二酸化チタン、ルチル二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、リトポン等又はこれらのいずれかの混合物のいずれからか選択され得る。本発明の最も好ましい実施形態においては、支持体の最外樹脂層中の白色顔料は、アナターゼ型二酸化チタン若しくはルチル型二酸化チタン又はこれらの型の顔料の混合物である。アナターゼ型二酸化チタン又はルチル型二酸化チタンの粒子サイズは0.1μm〜0.4μmであることが好ましい。支持体の最外層における白色顔料の濃度は、最外層の総重量を基準にして20重量%を超えないことが好ましい。これより量が多いと顔料が樹脂状付着物化することがあり、これらの欠陥は支持体の外見の劣化につながり、かつそれらを矯正するのに製造を停止しなければならなくなる。白色顔料が存在する場合、その量は少なくとも5%である。
【0026】
本発明の支持体の最外樹脂層には、1種類以上の物質、例えば、樹脂コート支持体用の既知添加物を与えてもよい。特には、最外層は、追加(少)量の1種類以上の着色染料若しくは顔料、並びに/又は青味剤、例えば、ウルトラマリンブルー及び/若しくはバイオレット、コバルトブルー、酸化リンコバルト(phosphoric oxide cobalt)、キナクリドン顔料、並びにこれらの混合物を含有し得る。1種類以上の蛍光増白剤、好ましくは、ビス−ベンゾオキサゾール型蛍光増白剤が存在していてもよい。1種類以上の酸化防止剤、例えば、ヒンダードフェノール型酸化防止剤、亜リン酸型酸化防止剤、ラクトン型酸化防止剤及びこれらの混合物が存在していてもよい。さらに、最外層は、静電気防止剤、UV安定化剤及び光安定化剤、例えば、ヒンダードアミン光安定化剤、ニッケルキレート剤、置換ベンゾフェノン(substitutes benzophenones)又はベンゾトリアゾールからなる群より選択される1種類以上の添加物を含み得る。
【0027】
(記録媒体を提供するための)最外樹脂層の記録層への接着は、当該技術分野において既知の従来の表面処理法、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、火炎処理、熱処理、化学的下塗り、又は表面処理法の組み合わせによって改善することができる。
【0028】
本発明の支持体の第2樹脂層は、通常、5g/m2〜50g/m2、好ましくは、9g/m2〜25g/m2のコーティング重量を有する。本発明の第2樹脂層における樹脂の種類は、当該技術分野において既知の(押出しコーティング)樹脂のあらゆる種類から選択することができるが、本発明の第2層における樹脂は、ポリオレフィンコポリマー若しくはオレフィンコポリマー、又はオレフィンポリマー若しくはコポリマーの混合物であることが好ましい。本発明の好ましい実施形態において、第2樹脂層において用いられる樹脂の種類は、ポリエチレン樹脂又は異なるポリエチレン樹脂の混合物である。本発明の最も好ましい実施形態において、第2層において用いられる樹脂の種類は、低密度ポリエチレン樹脂又は異なる低密度ポリエチレン樹脂の混合物である。これらの低密度ポリエチレン樹脂の密度の典型的な値は0.915〜0.930g/cm3である。
【0029】
本発明の様々な層における樹脂又は樹脂混合物は、最終生成物の目的とする特性に応じて、互いに独立に選択することができる。本発明の第2層における樹脂又は樹脂混合物のメルトフローインデックスの値は、本発明の製造条件下で、この第2層と該第2層に隣接する層(1以上)との間に界面不安定性が存在しないか、又は該界面不安定性が許容し得るレベルであり、かつ層封止(layer encapsulation)が存在しないか、又は該層封止が許容し得るレベルであるように選択される。本発明の第2層は、支持体の白色性及び不透明性を強化するため、又は、該支持体が写真用紙の支持体として用いられる場合は画像の鮮明性を高めるため、1種類以上の白色不透明顔料をさらに含み得る。この白色不透明顔料は、当該技術分野において記述される白色顔料、例えば、アナターゼ型二酸化チタン、ルチル二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、リトポン等のいずれから選択することができる。
【0030】
本発明の特に好ましい実施形態において、本発明の支持体の第2層における白色顔料の種類としては、アナターゼ型二酸化チタン若しくはルチル型二酸化チタン又はこれらの顔料の混合物が含まれる。アナターゼ型二酸化チタン又はルチル型二酸化チタンの粒子サイズは0.1μm〜0.4μmであることが好ましく、支持体の第2層における白色顔料の濃度は、第2層の総重量を基準にして、35重量%を超えないことが好ましい。非常に良好な白色性を得るため、アナターゼ型二酸化チタンが好ましく用いられる。最外層及び第2層における顔料の種類は互いに独立に選択してよい。例えば、アナターゼ型の二酸化チタンを一方の層において用い、ルチル型の二酸化チタンを他方の層において用いてもよい。
【0031】
任意に、本発明の支持体の第2樹脂層は、1種類以上の顔料、例えば、真珠顔料(nacreous pigment)並びに/又は(少量の)1種類以上の着色染料並びに/又は青味剤、例えば、ウルトラマリンブルー及び/若しくはバイオレット、コバルトブルー、酸化リンコバルト、キナクリドン顔料並びにこれらの混合物をさらに含有し得る。さらに、蛍光増白剤、最も好ましくは、ビス−ベンゾオキサゾール型蛍光増白剤(これらはブリードの傾向が少ないため);酸化防止剤、例えば、ヒンダードフェノール型酸化防止剤、亜リン酸型酸化防止剤、ラクトン型酸化防止剤及びこれらの混合物;静電気防止剤、例えば、半導体金属酸化物粒子又は無機小板形状物質、例えば、静電気防止剤、例えば、半導体金属酸化物でコートされた雲母;UV安定化剤及び/又は光安定化剤、例えば、ヒンダードアミン光安定化剤、ニッケルキレート剤、置換ベンゾフェノン若しくはベンゾトリアゾール;並びに樹脂コート記録媒体用の他の添加物からなる群からの1種類以上の添加物を選択してもよい。
【0032】
加えて、本発明の支持体の第2樹脂層は、例えば、当該技術分野において既知のように、第2層と最外樹脂層との接着を改善し、存在し得る第3樹脂コーティング層に対する第2樹脂層の接着を改善し、又は、第2樹脂層が基体と接触する最下樹脂層である場合にはこの基体に対する接着を改善するために、1種類以上の接着促進添加物を含有してもよい(適切な添加物の例については、例えば、米国特許5466519を参照のこと)。所望であれば、最下樹脂層の基体に対する接着は、最下樹脂層にオゾン溶融処理を施すことによって改善することができる。
【0033】
または、当該技術分野において記述される結合層(tie layer)を付与することにより、第2樹脂層と最外樹脂層との、第2樹脂層と存在し得る第3樹脂コーティング層との接着を促進すること、又は、第2樹脂層が基体と接触する最下樹脂層である場合は該第2樹脂層と該基体との接着を改善し得る。結合層は、無水物修飾ポリオレフィン類、例えば、無水物修飾ポリプロピレン、無水物修飾ポリエチレン、無水物修飾エチレンビニルアセテート、無水物修飾エチルメチルアクリレート、無水物修飾エチルアクリル酸及びコポリマー並びに/又は他の材料、例えば、接着促進のため、モノマー成分の1つとしてのエチレン若しくはポリプロピレンと、アクリル酸、アクリルエステル、メタクリル酸、メタクリルエステル、無水マレイン酸、ビニルアセテート、それらのイオノマー及び混合物で修飾されたコポリマー及びターポリマーから選択される1種類以上の材料を含み得る。
【0034】
所望であれば、基体に対する樹脂の接着を、例えば結合層が最下樹脂層であるとき、結合層にオゾン溶融処理を施すことによって改善することができる。
【0035】
本発明の第2樹脂層の溶融温度は、基体と接触する最下樹脂層として用いられる場合、接着促進添加物及び/又は結合層を用いること無しに、この第2層の基体への接着を促進するのに十分高いレベルを選択することができる。このためには、第2層がポリエチレン層である場合、溶融温度は、通常、少なくとも270℃でなければならない。
【0036】
本発明の第2樹脂層の下に第3層を設けることは、本発明の第2層が高濃度の二酸化チタン又は他の顔料を含む場合にダイリップ細片(die lip stripes)の生成を防止するために有利であり得る。本発明の第3層のコーティング重量は、1g/m2〜50g/m2、好ましくは2g/m2〜25g/m2であり得る。
【0037】
本発明の好ましい実施形態において、第3層に用いられる樹脂の種類としては、ポリオレフィン型又はオレフィンコポリマー又は様々なオレフィンポリマー型樹脂類の混合物が挙げられる。本発明の特に好ましい実施形態において、第3層に用いられる樹脂の種類は、低密度ポリエチレン樹脂又は異なる低密度ポリエチレン樹脂類の混合物である。この第3層の樹脂又は樹脂混合物は、他の層の樹脂から独立に選択してよく、最終生成物の目的とする特性に応じて同じであっても異なっていてもよい。本発明の第3層における樹脂又は樹脂混合物のメルトフローインデックスの値は、本発明の製造条件下で、この第3層と該第3層に隣接する樹脂層(1以上)との間に界面不安定性が存在しないか、又は該界面不安定性が許容し得るレベルであり、かつ封止がないか、又は少なくとも許容し得るレベルの層封止が存在するように選択される。
【0038】
本発明の第3層は、さらに好ましくは、白色不透明顔料又は白色不透明顔料の混合物、最も好ましくは、0.1μm〜0.4μmの粒子サイズを有する、アナターゼ型二酸化チタン若しくはルチル型二酸化チタン又はこれらの顔料の混合物を含む。第3層における白色顔料の濃度は、第3層の総重量を基準にして20重量%を超えないことが好ましく、15重量%を超えないことが最も好ましい。ここでもまた、より多くの量により、最外層の記述において説明されたメヤニ及び関連欠陥が生じることがある。第3層及び第2層における顔料の種類は互いに独立に選択され得る。したがって、アナターゼ型二酸化チタンをこれらの層の一方に用い、ルチル型二酸化チタンを他方の層に用いてもよい。任意に、第3層は、追加(少)量の1種類以上の着色染料若しくは顔料並びに/又は青味剤、例えば、ウルトラマリンブルー及び/若しくはバイオレット、コバルトブルー、酸化リンコバルト、キナクリドン顔料並びにこれらの混合物を含み得る。加えて、1種類以上の添加物を、蛍光増白剤、最も好ましくは、ビス−ベンゾオキサゾール型蛍光増白剤;酸化防止剤、例えば、ヒンダードフェノール型酸化防止剤、亜リン酸型酸化防止剤、ラクトン型酸化防止剤及びこれらの混合物;静電気防止剤、例えば、半導体金属酸化物粒子;UV安定化剤及び/又は光安定化剤、例えば、ヒンダードアミン光安定化剤、ニッケルキレート剤、置換ベンゾフェノン若しくはベンゾトリアゾール、並びに樹脂コート記録媒体用の既知添加物として用いられる他の物質からなる群より選択し得る。
【0039】
さらに、本発明の支持体の第3樹脂層は、第3層と隣接する第2樹脂層との接着を改善し、第3樹脂層の基体に対する接着を改善し、又は、最下樹脂が結合層である場合には第3層のこの結合層に対する接着を改善するため、当該技術分野において既知の接着促進添加物を含み得る。これらの接着促進添加物の例は、限定されるものではないが、米国特許5466519に開示される。
【0040】
第3層と、隣接する第2層及び/又は基体との接着を促進するため、第3層の上及び/若しくは下での結合層の使用並びに/又は第3層における接着促進添加物の使用が可能である。結合層は、例えば、無水物修飾ポリオレフィン類、例えば、無水物修飾ポリプロピレン、無水物修飾ポリエチレン、無水物修飾エチレンビニルアセテート、無水物修飾エチルメチルアクリレート、無水物修飾エチルアクリル酸及びコポリマー並びに/又は他の材料、例えば、接着促進のため、モノマー成分の1つとしてのエチレン若しくはポリプロピレンと、アクリル酸、アクリルエステル、メタクリル酸、メタクリルエステル、無水マレイン酸、ビニルアセテート、それらのイオノマー及び混合物で修飾されたコポリマー及びターポリマーのような材料を含むことができる。
【0041】
代替として、又は所望であればそれに加えて、本発明の第3樹脂層の溶融温度は、基体と接触する最下樹脂層として用いられる場合、高価な接着促進添加物及び/又は結合層を用いること無しに、この第3層の基体に対する接着を促進するのに十分高いレベルを選択することができる。このためには、第3層がポリエチレン層である場合、溶融温度は少なくとも270℃でなければならない。
【0042】
所望であれば、基体への樹脂の接着は、最下樹脂層にオゾン溶融処理を施すことによって改善することができる。
【0043】
上側及び裏側を有する基体を含む本発明の支持体は、その裏側に、達成しようとする特性、例えば、防水、帯電防止、カール防止、ブロック防止、スリップ防止、スプライス強度並びに/又は印刷を受容及び保持する能力(例えば、バーコード、又は有用な情報を含む他の印)に応じて、少なくとも1つの樹脂層及び/又は少なくとも1つの他のコーティング層を備えることもできる。本発明の支持体の目的とする用途が写真印刷用紙の基材又はインクジェット用紙の基材である場合、この裏側は、好ましくはポリエチレン樹脂(1種類以上)、最も好ましくは低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンとの混合物を用いて押出しコーティングされる。このポリマー層の最上部には帯電防止コーティング、固着防止コーティング等を施してもよい。
【0044】
本発明の支持体の基体は、当該技術分野において既知の基体、例えば、高品質天然パルプを含む原紙基材、例えば、写真用紙基材、顔料コート紙基材、合成紙基材又はポリマーシート基材から選択することができる。本発明における好ましい基体は、50〜350g/m2の重量、最も好ましくは100〜250g/m2の基材重量を有する、高品質天然パルプを含む原紙基材又は顔料コート紙基材である。顔料コート紙基材を本発明の記録媒体の基体として用いる場合、本発明に従って樹脂層を受容する基体表面の上側で決定される平均表面粗さ(Ra)は、ピット又はクレーター欠陥のない表面を依然として得ながら、例えば、欧州公開特許1126081において指定されるような従来技術のものの平均表面粗さよりも高いものであり得る。したがって、多い重量の顔料コーティング層の使用及び/又は複数のコーティング層の使用及び/又は顔料コート紙基体の製造における超カレンダー処理(supercalendering)の使用を回避することができ、これにより、該顔料コート紙基体の製造コストを大幅に減少させることができる。従来技術には、ポリマー樹脂層を塗布する際のクレーター様欠陥の発生を防止するためには1μm未満の平均表面粗さが基体としての紙基材に必要であることが教示されている。本発明の発明者等が見出したところ、顔料コート紙基材を基体として用いる場合、該顔料コート紙の樹脂層を受容する側の平均表面粗さは1μmを上回っていてもよいが、この粗さは、2.0μm未満であることが好ましく、1.5μm未満であることがより好ましく、1.0μm未満であることが最も好ましい。
【0045】
原紙基材を本発明における基体として用いる場合、その基体の平均表面粗さも1を上回っていてもよいが、1.5未満であることが好ましく、1.0μm未満であることがより好ましい。顔料コート紙基材を本発明のおける基体として用いる場合、紙基材に顔料及び結着剤の水性分散液として塗布される顔料コーティングの総乾燥コーティング重量は、60g/m2未満であることが好ましく、30g/m2未満であることが最も好ましい。本発明では、クレーター欠陥の数を減少させる優れた能力のため、顔料コーティング層の総コーティング重量がさらに少ないことも可能である。顔料コート基体の白色性は、白色顔料及び/又は青色顔料及び/又は蛍光増白剤を顔料着色コーティングに添加することによって調整することができる。その光沢は、カレンダー処理及び/又は超カレンダー処理により、並びに適切な顔料の種類(1以上)及び粒子サイズ及びサイズ分布を選択することにより、必要なレベルに調整することができる。本発明のための顔料コート紙基体において用いることができる典型的な顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、硫酸バリウム、酸化チタン、粘土、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、水酸化酸化アルミニウム(aluminium oxide hydroxide)、スチレン−アクリルコポリマー、プラスチック中空球顔料及びこれらの組み合わせが挙げられる。顔料の粒子サイズは特に限定はされないが、当該技術分野において既知のものは、より小さい粒子サイズ分布を有する顔料が接着又は光沢の提供において利点を有し得ることを理解するであろう。少なくとも70%の粒子が1μm未満のサイズを有し、かつ少なくとも40%が0.35〜0.8μmのサイズを有する顔料を用いることが有利であり得る。
【0046】
本発明のための顔料コート紙基体において用いることができる典型的な結合剤としては、従来のスチレン−ブタジエンラテックス、高度に修飾されたスチレン−ブタジエンラテックス、スチレンブタジエンアセトニトリルラテックス、ポリビニルアセテートラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエンラテックス、スチレンアクリレートラテックス、ポリアクリレートラテックス、ポリビニルアルコール、デンプン及び他の多糖並びにこれらの組み合わせが含まれる。
【0047】
基体としての顔料コート紙基材を有する本発明の支持体を含む記録媒体を、写真印刷用紙として用いる場合、顔料コート紙によってもたらされるさらなる利点として、顔料コーティングが基体の紙部分を効率的に隠すため、本発明の樹脂層における酸化チタンの量を減少させることができることが挙げられる。したがって、当該技術分野において既知の伝統的な写真印刷用紙と比較して、画像の鮮明性を失うことなく、製造コストをさらに低下させることができる。
【0048】
支持体の用途に応じて、本発明による支持体の層構造は、基体の上側のみに、又は上側及び裏側にも設けることができる。
【0049】
必要であれば、本発明の支持体の基体の前面に、及び任意に背面にも、溶融押出しプロセスの前に活性化処理が施される。該処理としては、コロナ処理及び/又は火炎処理及び/又はオゾン処理及び/又はプラズマ処理及び/又はプラズマ蒸着処理及び/又は熱処理及び/又は化学的下塗りが含まれ得る。
【0050】
本発明の支持体は、当該技術分野において記述される、(タンデム)押出しコーティング技術又は連続押出しコーティング技術によって製造することができる。本発明の支持体は、本発明の全ての樹脂層と、必要であれば結合層とを、フィードブロック(feed block)技術又はマルチマニホールドダイ(multi manifold die)技術を用いて、基体に同時に設ける共押出し技術によって製造することが最も好ましい。これにより支持体の製造の経済性が大幅に向上する。(共)押出しコーティングラインにおいては、ダイから押し出される溶融樹脂を、該樹脂と基体との接着を改善するため、オゾンによってさらに処理することができる。樹脂と基体との接着をさらに改善するためには、ダイから押し出される樹脂層の溶融温度は少なくとも270℃である。
【0051】
本発明の支持体を製造するための共押出しプロセスの好ましい速度は、200若しくは300若しくは450m/分まで、又は600m/分を上回るものでさえあり得、これにより、支持体の製造の経済性がさらに向上する。同じ量のピットを維持しつつ、押出しコート樹脂の総量を減少させることも可能である。例えば、0.90g/cmを上回る密度を有する最外ポリエチレン層を0.90g/cm3未満の密度を有するポリエチレンを含む最外層に変更することによって、上側コート樹脂の量を30g/m2から20g/m2に減少させ、かつ同じ量のピットを維持することが可能である。
【0052】
ニップがチルローラと圧縮機能を有する圧縮ローラとの間に存在する、本発明の支持体の製造の好ましいニップ圧は、370N/cm未満、好ましくは320N/cm未満、最も好ましくは280N/cm未満である。本発明の支持体の製造において用いられるチルローラの表面構造は、本発明の多くの利点のため、ミラー光沢型表面を含むあらゆる光沢表面であり得るが、最も好ましいものは光沢ファインマット表面である。
【0053】
チルローラからの、本発明の支持体の製造における好ましいウェブ温度は、20〜65℃である。
【0054】
本発明はさらに、本明細書に記載される支持体及び受容媒体を含む記録媒体に関する。受容媒体は、通常、最外樹脂層の基体から遠い側に設けられる。受容媒体は写真活性層(photographically active layer)、例えば、写真用のエマルジョン層、(例えば、インクジェット用途の)インク受容層、感熱紙用途の記録層、又は電子写真用紙用途の記録層であり得る。記録媒体は当該技術分野において既知の方法で製造してよい。
【0055】
本発明はさらに、0.90g/cm3未満の密度を有するポリエチレンホモポリマー又は0.90g/cm3未満の密度を有するポリエチレンコポリマーを、少なくとも2つの樹脂層を備える支持体の上側の少なくとも0.2g/m2かつ2g/m2未満のコーティング重量を有する最外樹脂層に使用することに関しており、これにより、記録媒体用の支持体材料におけるクレーター欠陥の形成を減少させることに関する。
【0056】
実施例を参照して本発明をさらに詳細に以下で説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。他に指示されない限り、全ての部、パーセント、比等は重量基準である。
【実施例】
【0057】
以下の略語を、調べた異なる樹脂に用いる:LDPE=低密度ポリエチレン、LLDPE=直鎖低密度ポリエチレン、PE=ポリエチレン。
【0058】
全ての実験は、2台の4.5”(11.43cm)及び1台の2.5”(6.35cm)押出機、フィードブロック及びコートハンガー(coat−hanger)ダイを備える共押出しラインで行った。基体には、常に、押出しコーティングの前に、インライン・コロナ処理ステーションによってコロナ処理を施した。全ての実験は光沢ファインマット・チルローラを用いて行った。
【0059】
コロナ処理活性化写真用基材紙(167g/m2)を、ライン速度350及び400m/分で、3つの樹脂層、すなわち、1g/m2の最外樹脂層、12.5g/m2の、LDPE及び25%(wt/wt)アナターゼ二酸化チタン、並びにさらに、ウルトラマリン顔料及び蛍光増白剤を含む中間層、並びに16.5g/m2の、LDPE及び5%(wt/wt)アナターゼ二酸化チタン、並びにさらに、ウルトラマリン顔料を含む、基材紙に隣接する最下層と共に、325℃の溶融温度及び350N/cmのニップ圧で共押出しした。
【0060】
実施例において用いられるウルトラマリン顔料は、ウルトラマリンバイオレットとウルトラマリンブルーとの2.75:1.70の比での混合物である。実施例において用いられる蛍光増白剤は、ビス−ベンゾオキサゾール置換スチルベン型蛍光増白剤である。顔料及び蛍光増白剤は、低密度ポリエチレンをキャリア樹脂として含むマスターバッチから塗布した。
【0061】
実施例において、クレーター欠陥の量及びサイズは、ツァイス社(Zeiss)によって供給される画像解析ソフトウェアを組み合わせた顕微鏡検査によって測定した。
【0062】
ピットの数をカウントし、2つのサイズクラスに分割する:1)<300μm2、及び2)>300μm2。特には後者のものが、これら欠陥は視認できるため、クレーター欠陥の特徴付け及び品質分析に最も重要である。
粗さ(Ra)方法:ISO 4287−1997による
カットオフ波長(λc):0.8mm
試料測定長さ:5.6mm
装置/型:マール・ペルトメーター(Mahr Perthometer)/M3
【0063】
表1に、最外層に用いた樹脂及びそれらの密度、並びにクレーター欠陥のカウント数の結果をまとめる。
全ての列挙される実施例における唯一の相異は、最外層組成物を樹脂組成物から変更することである。
全ての例において、最外層重量は1g/m2である。
【0064】
【表1】

【0065】
このデータ表から、最外層におけるポリエチレン密度が低下すると、カウント数及びクレーター欠陥が減少することが明瞭に示される。さらに、0.90g/m3未満の密度を有するPEについては、より高速のライン速度で製造できることが明白である。例えば、メタロセンPEエンゲージ(Engage)(商標)8130についてカウント増加対ライン速度増加との直線関係を仮定して外挿すると、400m/分における比較LLDPEスタミレックス(Stamylex)(商標)のカウント(すなわち、223)と比較しても、メタロセンPEエンゲージ(Engage)(商標)8130では600m/分のライン速度においてカウント(>300クレーターμm2)及びクレーター欠陥(すなわち、211)がより少ないことが推定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側及び裏側を有する基体を含む、記録媒体用の支持体であって、
少なくとも前記上側が少なくとも2つの樹脂層を備え、最外樹脂層が、0.90g/cm3未満の密度を有するポリエチレンホモポリマー又は0.90g/cm3未満の密度を有するポリエチレンコポリマーを50重量%以上含み、かつ前記最外樹脂層のコーティング重量が少なくとも0.2g/m2かつ2g/m2未満である、該支持体。
【請求項2】
前記コーティング重量が1.75g/m2以下、好ましくは1.5g/m2以下、最も好ましくは1.0g/m2以下である、請求項1に記載の支持体。
【請求項3】
0.90g/cm3未満の密度を有する前記ポリエチレンがメタロセンポリエチレンである、請求項1又は2に記載の支持体。
【請求項4】
前記最外層が、少なくとも3個の炭素原子を含むアルファ−オレフィンモノマーのポリマー及びエチレンと少なくとも3個の炭素原子を有するアルファ−オレフィンとのコポリマー並びに0.90〜0.97g/cm3の密度を有するポリエチレンからなる群より選択される少なくとも1種類のポリオレフィンを含む、請求項1〜3に記載の支持体。
【請求項5】
0.90g/cm3未満の密度を有する前記ポリエチレンが、最外層において用いられるポリマーの総重量を基準にして、少なくとも75重量%の濃度で存在する、請求項1〜4に記載の支持体。
【請求項6】
前記最外層が、0.90〜0.97g/cm3の密度を有する少なくとも1種類のポリエチレンを、好ましくは、最外層において用いられるポリマーの総重量を基準にして、25重量%を超えない濃度でさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の支持体。
【請求項7】
前記最外層が、少なくとも1種類のチル剥離改善剤、特には、金属ステアレート、フルオロポリマー、ポリアルコール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールからなる群より選択される少なくとも1種類のチル剥離改善剤をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の支持体。
【請求項8】
前記最外層が、1種類以上の不透明及び/又は着色顔料を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の支持体。
【請求項9】
第2樹脂層がポリエチレン樹脂を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の支持体。
【請求項10】
前記第2樹脂層が、5g/m2〜50g/m2、好ましくは9g/m2〜25g/m2のコーティング重量を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の支持体。
【請求項11】
前記第2層が1種類以上の不透明及び/又は着色顔料を含む、請求項10に記載の支持体。
【請求項12】
少なくとも第3層が、前記最外層と前記基体との間に設けられ、かつ、好ましくは、ポリエチレン樹脂又はポリエチレン樹脂の混合物を含む、請求項1〜11のいずれか一項による支持体。
【請求項13】
前記第3樹脂層のコーティング重量が、1g/m2〜50g/m2、好ましくは2g/m2〜25g/m2である、請求項12に記載の支持体。
【請求項14】
前記第3層が、1種類以上の不透明及び/又は着色顔料をさらに含む、請求項12又は13に記載の支持体。
【請求項15】
前記基体が原紙基材、顔料コート紙基材、合成紙基材、又はポリマーシート紙基材である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の支持体。
【請求項16】
前記基体が、顔料コート紙の前記樹脂層を受容する側で、2.0μm未満、より好ましくは1.5μm未満、最も好ましくは1.0μm未満の平均表面粗さ(Ra)を有する顔料コート紙である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の支持体。
【請求項17】
前記基体が、樹脂層を受容する側の平均表面粗さ(Ra)が1.5μm未満、より好ましくは1.0μm未満である紙基材である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の支持体。
【請求項18】
前記支持体が共押出しコーティング技術によって製造される、請求項1〜17のいずれか一項に記載の支持体の製造方法。
【請求項19】
少なくとも2つの樹脂層が、フィードブロック又はマルチマニホールドダイにより、高温で、特定のライン速度で移動する基体上に同時に共押出しされ、前記樹脂層及び前記基体がニップ圧を有するニップにおいて一緒になり、該ニップが、冷却機能を有するチルローラと圧縮機能を有する圧縮ローラとの間に存在し、前記支持体が、ポリマー樹脂が溶融する温度よりも低い温度で前記チルローラから取り出される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記支持体が少なくとも200m/分のライン速度で製造される、請求項18又は19に記載の支持体の製造方法。
【請求項21】
前記支持体が少なくとも270℃の溶融温度で製造される、請求項18〜20のいずれか一項に記載の支持体の製造方法。
【請求項22】
前記ニップ圧が370N/cm未満、好ましくは320N/cm未満、最も好ましくは280N/cmである、請求項18〜21のいずれか一項に記載の支持体の製造方法。
【請求項23】
前記支持体が、20℃〜65℃のウェブ温度でチルローラから引き出される、請求項18〜22のいずれか一項による方法。
【請求項24】
請求項1〜17のいずれか一項に記載の、上側に少なくとも2つの樹脂層が設けられている支持体、及び受容媒体を含む記録媒体。
【請求項25】
0.90g/cm3未満の密度を有するポリエチレンホモポリマー又は0.90g/cm3未満の密度を有するポリエチレンコポリマーの最外樹脂層における使用であって、前記層が支持体の上側で少なくとも0.2g/m2かつ2g/m2未満のコーティング重量を有し、前記支持体が少なくとも2つの樹脂層を含み、かつ前記ポリエチレンホモポリマー又は前記ポリエチレンコポリマーが前記最外樹脂層の重量基準での大部分を形成する、該使用。

【公表番号】特表2008−538734(P2008−538734A)
【公表日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−508769(P2008−508769)
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【国際出願番号】PCT/NL2006/000216
【国際公開番号】WO2006/115400
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(505232782)フジフィルム マニュファクチャリング ユーロプ ビー.ブイ. (50)
【Fターム(参考)】