説明

多環式ジチオフェン

本発明は式(I)の新規な化合物であって、その式中、R及びR1’は互いに独立してH又は置換基、ハロゲン又はSiRであり;R及びR2’は同一又は異なってよく且つC−C25アルキル、C−C12シクロアルキル、C−C25アルケニル、C−C25アルキニル、C−C25アリール、C−C25アルキルアリール又はC−C25アラルキルから選択され、そのそれぞれが非置換であるか又は置換されており、且つ請求項1に規定される条件下で、R2及び/又はR2’もハロゲン又は水素であってよく;Xは式(Ia)及び式(Ib)から選択される二価の連結基であり;Y及びY’は独立して式(Ic)、式(Id)、式(Ie)、式(If)、式(Ig)から選択され;n及びpは独立して0〜6の範囲であり;その際、更なる記号は請求項1に規定される通りである前記化合物、並びに対応するオリゴマー及び(コ)ポリマーに関する。本発明による化合物は半導体として有用であり且つ有機溶媒への優れた溶解性及び優れた皮膜形成能を有する。更に、本発明によるポリマーが有機電界効果トランジスタ、有機光電素子(太陽電池)及びフォトダイオードにおいて使用される時、高効率のエネルギー変換、優れた電界効果移動度、良好なオン/オフ電流比及び/又は優れた安定性が確認され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な架橋した2,2’−ジチオフェン誘導体、それらのオリゴマー及びコポリマー、及びそれらの有機素子における有機半導体としての使用に関し、並びに前記架橋したジチオフェン誘導体を含む半導体素子に関する。
【0002】
本発明の新規な化合物は一般に以下の式I
【化1】

(式中、R及びR1’は互いに独立してH又は置換基、ハロゲン又はSiRであり;
及びR2’は同一又は異なってよく且つC−C25アルキル、C−C12シクロアルキル、C−C25アルケニル、C−C25アルキニル、C−C25アリール、C−C25アルキルアリール又はC−C25アラルキルから選択され、そのそれぞれが非置換であるか又は置換されており、R及びR3’がXの定義内で一緒になって環構造を完成させるか、又はXが以下の式
【化2】

の内の1つに合致する架橋基である場合、R2及び/又はR2’もハロゲン又は水素であってよく;
Y及びY’は独立して
【化3】

から選択され、
n及びpは独立して0〜6の範囲である)
に合致する。
【0003】
、R、Rは独立してC−C25アルキル、C−C12シクロアルキル、C−C25アリール、又はC−C25アラルキルから選択され;隣接する残基R及びRは更に連結されて炭素数4〜25の二価の炭化水素残基を形成し、該基は置換及び/又は中断されてよく;
及びR7’は独立してH又は置換基であるか;又は隣接するR及びR7’は、それらが結合される炭素原子と一緒になって、N、O、Sから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員の非置換又は置換の複素環を完成させる。
【0004】
当該化合物の一変形において、Xは二価の連結基
【化4】

(式中、R及びR3’は独立して水素又は置換基であるか、又はアミノであるか、又はそれらが結合される炭素原子と一緒になって、5員もしくは6員の非置換又は置換の炭化水素環、又はN、O、Sから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員の非置換又は置換の複素環を完成させる)
であり、ここで任意の置換基は、存在する場合、以下に定義されるとおりである。
【0005】
別の実施態様は、連結基Xを含み、該基のR及びR3’は一緒になって架橋基
【化5】

を形成し;その式中、隣接する残基R及びR9’、又はR及びR10及び/又はR9’及びR10’は、それらが結合される炭素原子と一緒になって、N、O、Sから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員の非置換又は置換の複素環を完成させる。
【0006】
更なる実施態様は、以下の式
【化6】

(式中、Rは置換されたC−C10アリール、C−C19ヘテロアリールである)
に合致するか、又は以下の式
【化7】

(式中、R23及びR23’はそれぞれ置換基、特にアルキル、OH又はアルコキシである)
に合致する連結基Xを含む。アリール又はヘテロアリールとしてのRは、任意に以下に更に定義される二価の有機連結基Lを介して結合されてよい。
【0007】
本発明のオリゴマー、ポリマー又はコポリマーを含む化合物中に存在する、任意の置換基は、一般にハロゲン、OR、C−C25アルキル、C−C25アルケニル、C−C25アルキルチオ、C−C25アシル、C−C10アリール、C−Cヘテロアリール、C−C12シクロアルキル、C−C11ヘテロシクロアルキル、C−C25アシルオキシから選択されるか;又は残基COR、CH=NR、CH=N−OH、CH=N−OR、COOR、CONHR、CONRR’、CONH−NHR、CONH−NRR’、SOR、SOR、SONHR、SONRR’、SONH−NHR、SONH−NRR’、S(O)R、S(O)OR、S(O)NHR、S(O)NRR’、S(O)NH−NHR、S(O)NH−NRR’、SiRR’R''、PORR’、PO(OR)R’、PO(OR)、PO(NHR)、PO(NRR’)、CN、NO、NHR、NRR’、NH−NHR、NH−NRR’、CONROHから選択され;非芳香族炭素又は硫黄に結合する場合、オキソであってもよく;R、R’及びR''は独立してC−C25アルキル、C−C25ハロアルキル、C−C10アリール、C−C12シクロアルキルから選択され、好ましくはC−Cアルキル、フェニル、シクロペンチル、シクロヘキシルから選択され;且つRは水素であってもよく;その際、それぞれの置換基、又はR、R’及びR''は、C−C10アリール又はC−Cヘテロアリールであり、それ自体が非置換であるか又はC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルコキシ、CHO、C−Cアルキル−カルボニル、C−Cアルケニル−カルボニルオキシ、アリルオキシ、ハロゲンによって置換される。特に好ましい置換基は、ハロゲン、C−C25アルキル、SiRR’R''、ビニル、アリル、フェニルから選択され;非芳香族炭素又は硫黄に結合する場合、オキソであってもよく;その際、R、R’、R''は独立してC−Cアルキル、フェニルから選択され、且つRは水素であってもよく;それぞれのフェニルは非置換であるか又はC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、CHO、ビニル、アリル、アリルオキシ、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ、ハロゲンによって置換される。隣接する置換基は、一緒になって炭素−炭素単結合又は二重結合によって連結されて縮合した炭素環又は複素環系を形成し得る。
【0008】
当該化合物は、一緒に連結されて二量体を形成してもよく、その化合物において、
及びR3’は、それらが結合される炭素原子と一緒になって、N、O、Sから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員の置換された複素環を完成させ、その際、一置換基は以下の式
【化8】

の部分であり、ここでLは二価の有機連結基、例えば、アルキレン(例えば、C−C12)、フェニレン、シクロアルキレンを表し;Aは二価の部分O、S、NRであるか;
又はR及びR3’は一緒になって架橋基
【化9】

を形成し;その際、隣接する残基R及びR10、及びR9’及びR10’は、それらが結合される炭素原子と一緒になって、5員の非置換又は置換のチオフェン環を完成させる、即ち、R及びR10
【化10】

であり且つR9’及びR10’は一緒になって
【化11】

であるか;
又はRは式V
【化12】

(式中、他の全ての記号は上記で更に定義されるとおりである)
の部分である。
【0009】
更に詳細には、本発明は、式I
【化13】

(式中、
及びR1’は互いに独立してH、ハロゲン又はSiRであり;
及びR2’は同一又は異なってよく且つハロゲン、水素、C−C25アルキル、C−C25アルケニル、C−C25アルキニル、C−C12シクロアルキル、C−C25アリール、C−C25アルキルアリール又はC−C25アラルキルから選択され、そのそれぞれが非置換であるか又は置換され;
Xは
【化14】

(式中、R及びR3’は一緒になって定義された環構造を形成する)、及び
【化15】

から選択され;
Y及びY’は独立して
【化16】

から選択され;
n及びpは独立して0〜6の範囲であり、その際、0〜3の範囲が好ましく;
R4、R5、R6は独立してC−C12アルキル、C−C12シクロアルキル、フェニル、又はC−C12フェニルアルキルから選択され;
及びR7’は独立してH又は置換基であるか;又は隣接するR及びR7’は、それらが結合される炭素原子と一緒になって、N、O、Sから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員の非置換又は置換の複素環を完成させ;
は置換されたC−C10アリール、C−C19ヘテロアリールであり;
、R9’、R10及びR10’は独立して水素又は置換基であるか;又は
隣接する残基R及びR9’、又はR及びR10及び/又はR9’及びR10’は、それらが結合される炭素原子と一緒になって、N、O、Sから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員の非置換又は置換の複素環を完成させ;且つ
任意の置換基は、存在する場合、ハロゲン、OR、C−C25アルキル、C−C25アルケニル、C−C25アルキルチオ、C−C25アシル、C−C10アリール、C−Cヘテロアリール、C−C12シクロアルキル、C−C11ヘテロシクロアルキル、C−C25アシルオキシ、C−C10アリールオキシ、C−C12シクロアルキルオキシから選択されるか、又は残基COR、CH=NR、CH=N−OH、CH=N−OR、COOR、CONHR、CONRR’、CONH−NHR、CONH−NRR’、SOR、SOR、SONHR、SONRR’、SONH−NHR、SONH−NRR’、S(O)R、S(O)OR、S(O)NHR、S(O)NRR’、S(O)NH−NHR、S(O)NH−NRR’、SiRR’R''、PORR’、PO(OR)R’、PO(OR)、PO(NHR)、PO(NRR’)、CN、NO、NHR、NRR’、NH−NHR、NH−NRR’、CONROHから選択され;非芳香族炭素又は硫黄に結合する場合、オキソであってもよく;R、R’及びR''は独立してC−C18アルキル、フェニル、シクロペンチル、シクロヘキシルから選択され;且つRは水素であってもよく;その際、それぞれの置換基、又はR、R’及びR''は、C−C10アリール、フェニル、C−Cヘテロアリールであり、それ自体が非置換であるか又はC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルコキシ、CHO、C−Cアルキル−カルボニル、C−Cアルケニル−カルボニルオキシ、アリルオキシ、ハロゲンによって置換されるが、任意の隣接する置換基は炭素−炭素単結合又は二重結合によって一緒に連結されてよい)
の化合物に関する。
【0010】
式Iの当該化合物は、当該技術分野で公知の方法、例えば、鈴木重合又は共重合、又は重合性のエチレン不飽和基を有する式Iの化合物のラジカル(共)重合に従って、好都合にオリゴマー又はポリマーに変換されてよい。
【0011】
従って、本発明の化合物はまた、式II’
【化17】

又は式III’
【化18】

の少なくとも2つの構造単位を含むオリゴマー、ポリマー及びコポリマーをも含み、
その式中、
、R1’、R、R2’、Y、Y’、p及びnは上記で定義されるとおりであり;
mはオリゴマー又は(コ)ポリマー中の式IIIの構造単位の数を示し、これは好ましくは2〜約50000の範囲であり;
Xは二価の連結基
【化19】

であり;
X’は、鎖に組み込まれた部分と一緒になって、
【化20】

から誘導される三価の連結基であり;
MはSi又はGeであり;
及びR3’、R15及びR15’は、独立して、水素又は置換基であるか、又はそれらが結合される炭素原子と一緒に5員又は6員の非置換又は置換の炭化水素環、又はN、O、Sから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員の非置換又は置換の複素環を完成させ、その際、任意の置換基は、存在する場合、以下に定義されるとおりであり;
又はR及びR3’、又はR15及びR15’は、一緒になって架橋基
【化21】

を形成し;
、Rは独立してC−C25アルキル、C−C12シクロアルキル、C−C25アリール、又はC−C25アラルキルから選択され、これらは更に連結されて置換及び/又は中断されてよい炭素数4〜25の二価の炭化水素残基を形成してよく;
は置換されたC−C10アリール、C−C19ヘテロアリールであり;R、R9’、R10及びR10’は独立して水素又は置換基であるか;又は
隣接する残基R及びR9’、又はR及びR10及び/又はR9’及びR10’は、それらが結合される炭素原子と一緒になって、N、O、Sから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員の非置換又は置換の複素環を完成させ;R11はH又はメチルであり;
R12及びR13のうち一方が水素であり、他方が置換基であるか、又はR12及びR13の両方が置換基であるか;又はR12及びR13の両方が連結して置換及び/又は中断されてよい炭素数2〜25の二価の炭化水素残基を形成し;
qは0、1、2、3又は4であり、且つR14は置換基であるか、又は2個又は3個の隣接する残基R14は連結して置換及び/又は中断されてよい炭素数4〜25の二価又は三価の炭化水素残基を形成してよく;
16及びR16’は独立して水素又は置換基であり;
18は置換基であるか、又は置換されたC−C10アリール、C−C19ヘテロアリールであり;
19及びR19’は一緒に
【化22】

から選択される架橋基を形成し;
20はC−C25アルキル、C−C12シクロアルキル、C−C25アリール、C−C25アルキルアリール又はC−C25アラルキルであり、そのそれぞれが非置換であるか又は置換されており;
その際、X’は重合性のエチレン二重結合を有する置換基を含むR、R、R、R9’、R10、R10’、R12、R13、R14、R14’、R18、R19、R19’、R20の内の1つを有し;
且つ任意の更なる置換基が、存在する場合、式Iに従って定義されるとおりである。(オリゴ−又はポリマー)鎖に組み込まれた部分は、上記の式III’の一部、>C(R11)−CH−部分である。その結果、重合性のエチレン二重結合を含む置換基は、通常、基PG:
−C(R11)=CH) (PG)
を有するか又は前記基と同一であり;式III’のオリゴマー又は(コ)ポリマーへの変換時に、PGは反応して式PG’:
【化23】

(PG’;アスタリスクマークは前記主鎖への連結)
のオリゴ/ポリマー主鎖の一部になる。
【0012】
本発明の好ましいオリゴマー、ポリマー及びコポリマーは、上記の式II’又はIII’のその特徴的な構造単位が式Iの好ましい化合物の特徴を共有しているものである(例えば、更に以下の式II又はIIIを参照のこと)。
【0013】
式III’の複数の好ましい化合物は架橋基X’を有し、該基は、鎖に組み込まれた部分と一緒になって、
【化24】

(式中、MはSiであり、別の記号は定義されたとおりである)
から誘導される。
【0014】
特に好ましい式III’の化合物のセットは、重合性のエチレン二重結合を含む1個の置換基との架橋基X’を有し、該基はXについて定義されたとおりである。
【0015】
オリゴマー又はポリマーの末端基は主に選択された重合方法によって変わり;それらは通常、上記のR1及びR1’について定義されるとおりであるか、又は水素もしくはアルキルであるか、又は式III’の場合にポリマー鎖の末端を形成するPG’ではなくPG単位を含有する不飽和の変種であってよい。式II’又はIII’の上記の構造単位に加えて、本発明のオリゴマー又はポリマーは、更なるモノマー単位、特に導電性又は半導性ポリマーの製造に有用な単位を含有してよい。好適なモノマーから出発する重合は、WO08/000664号に記載された反応と同様に行ってよい。好適なコモノマー単位、例えば、ジチオフェン、及び分枝鎖単位の種類、並びに共重合の方法も、同様にWO08/000664号(その中の第5〜26頁を参照のこと)に記載されている。
【0016】
本発明の特定のオリゴマー又は(コ)ポリマー化合物は、X’が以下の基
【化25】

から選択される三価の連結基であり;
3''はN、O、Sから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含み且つそれが結合される炭素原子と一緒になって、更なる置換基を有してよい5員の複素環、又は以下の架橋基
【化26】

を完成させる3個の原子を表し;
8''はC−C12アリーレン、C−C19ヘテロアリーレンであり、そのそれぞれが更なる置換基を有してよく;
、R9’、R10及びR10’は独立して水素又は置換基であるか;又は
隣接する残基R及びR9’、又はR及びR10及び/又はR9’及びR10’は、それらが結合される炭素原子と一緒になって、N、O、Sから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員の非置換又は置換の複素環を完成させ;その際、R、R9’、R10及びR10’の内の1つはL’への化学結合であり、又はL’が結合である場合、L’と一緒に1つの化学単結合を形成し;
且つL’は結合又は二価の有機連結基を表し、典型的には以下の式
(X−D)x11−X
のものであり、その式中、x11は0又は1であり;X、Xは独立してO、C−Cアルキレン−O、S、C−Cアルキレン−S、NR22、C−Cアルキレン−NR22、COO、C−Cアルキレン−COO又はC−Cアルキレン−OCO、CONR22、C−Cアルキレン−CONR22又はC−Cアルキレン−NR22CO、NR22CONR22、C−Cアルキレン−NR22CONR22、C−Cアルキレン、又は直接結合であり、且つ
DはC−C24アルキレン、O又はCOO又はSによって中断されるC−C24アルキレン、C−C24アルケニレン、C−C24アルキニレン、C−C10アリーレンであり;その際、L’は特にC−C12アリーレン、例えば、フェニレン、C−C19ヘテロアリーレン、C−Cアルキレン、C−C12シクロアルキレン、及び、Rに結合される場合、直接結合から選択されるものである。
【0017】
本発明による好ましいオリゴマー又は(コ)ポリマーにおいて、
8''はフェニレン又はチエニレンであり、そのそれぞれが更なる置換基を有してよく;
、R9’、R10及びR10’は独立して水素であり;且つR、R9’、R10及びR10’の内の1つがL’への化学結合であるか、又はL’が結合である場合、L’と一緒に1つの化学単結合を形成し;
且つL’は結合を表すか又はC−C12アリーレン、C−C19ヘテロアリーレン、C−Cアルキレン、C−C12シクロアルキレン、特にC−Cアルキレン、フェニレン、及び化学結合から選択される二価の有機連結基を表す。
【0018】
コモノマーが本発明の化合物の製造(例えば、オリゴマー又はコポリマーの製造)において使用される場合、これらは好ましくはジケトピロロピロールではない。従って、本発明の化合物は、好ましくは以下の式
【化27】

の(繰り返し)単位を有しておらず、
その際、式L中のaは1、2、又は3であり、式L中のa’は0、1、2、又は3であり;式L中のbは0、1、2、又は3であり;式L中のb’は0、1、2、又は3であり;式L中のcは0、1、2、又は3であり;式L中のc’は0、1、2、又は3であり;式L中のdは0、1、2、又は3であり;式L中のd’は0、1、2、又は3であり;
式L中のR及びRは同じ又は異なってよく且つ水素、C−C100アルキル基、−COOR103、C−C100アルキル基(1つ以上のハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、−CN、又はC−C18アリール基によって置換される及び/又は−O−、−COO−、−OCO−、又は−S−によって中断される);C−C100アリールアルキル基、カルバモイル基、C−Cアルキル及び/又はC−Cアルコキシによって1〜3回置換され得るC−C12シクロアルキル、C−C24アリール基、特にC−Cアルキル、C−Cチオアルコキシ、及び/又はC−Cアルコキシ、又はペンタフルオロフェニルで1〜3回置換され得るフェニル又は1−又は2−ナフチルから選択され、
式L中のR103はC−C50アルキル、特にC−C25アルキルであり;
式L中のAr及びAr1’は互いに独立して
【化28】

であり、
式L中のAr、Ar2’、Ar、Ar3’、Ar及びAr4’は式L中のArの意味を有するか、又は互いに独立して
【化29】

であり、その際、式L中のX及び式L中のXのうち1つはNであり、もう1つはCR99であり、
式L中のR99、R104及びR104’は互いに独立して水素、ハロゲン、特にF、又はC−C25アルキル基、特にC−C25アルキル(任意に1つ以上の酸素又は硫黄原子によって中断されていてよい)、C−C25アリールアルキル、又はC−C25アルコキシ基であり、
式L中のR105及びR105’は互いに独立して水素、ハロゲン、C−C25アルキル(任意に1つ以上の酸素又は硫黄原子によって中断されていてよい);C−C25アリールアルキル、又はC−C18アルコキシであり、
式L中のR107はH;C−C18アリール;C−C18アルキル、又はC−C18アルコキシによって置換されたC−C18アリール;C−C18アルキル;又は−O−によって中断されたC−C18アルキルである。
【0019】
本発明は、式IV
【化30】

(式中、全ての記号は請求項5〜7に規定されている)
の化合物の単独重合によって、又は式IVの化合物と好適な更なるモノマーとの共重合によって得られるポリマーを含む。
【0020】
好適なコモノマーは、例えば、WO09/092671号に記載されたもの、特に機能性を有するもの、例えば、(リン光性/エレクトロルミネセンス)の発光部分(前記WO09/092671号のモノマーA、式I、II、I’及びII''、例えば、第14頁の第15〜29行目;第15頁の第6〜16行目、特に第17頁の第22行目〜第23頁の第1行目;第48頁の第17行目〜第51頁;実施例1.10、1.11、1.12、1.16、1.18、1.19、1.20を参照のこと)、ホスト機能(モノマーA、前記WO09/092671号の特に第23頁の第3行目〜第33頁の第19行目、及び実施例2.2、2.4、2.5、2.7、2.9、2.10、2.11、2.12を参照のこと)、電子輸送機能(前記WO09/092671号のモノマーA、第33頁の第21行目〜第37頁の第2行目;実施例3.2、3.4、3.5、3.7、3.8、3.9)、正孔輸送機能(前記WO09/092671号のモノマーA、第37頁の第4行目〜第45頁の第2行目;実施例4.2、4.3、4.4、4.6)、及び/又は前記WO09/092671号の第45頁の第4行目〜第46頁の第1行目(特に実施例5.1、5.2、5.3、5.4、5.5)のモノマーA5として記載された更なる構造単位を有するコモノマーである。上記のWO09/092671号の節は本願明細書に援用されている。
【0021】
従って有用なコモノマーの例として以下のものが挙げられる:
【化31】

1)式(2)の化合物:
式(2)において、
n=1、2又は3であり;
n1=0、1又は2であり;
n2=0、1又は2であり;
は原子量>40の金属原子、特にIr、Pd、Pt、Rh、Reであり;
L及びLはそれぞれ単座配位子又は二座配位子であり;
は単座配位子であり、且つL、L及びLのうち少なくとも1つは重合性脂肪族又は芳香族モノマー部分を有する。
【0022】
2)WO07/090773号に記載されるホスト機能を与える化合物、特に以下の式
【化32】

のものから選択される化合物であり、その式中、
及びR1’は互いに独立して水素、ハロゲン、C−C18アルキル、Eによって置換及び/又はDによって中断されたC−C18アルキル、C−C18パーフルオロアルキル、C−C18アルケニル、C−C18アルキニル、C−C18アルコキシ、Eによって置換及び/又はDによって中断されたC−C18アルコキシ、CN又は−CO−R28であり、
、R、R、R2’、R3’及びR4’は互いに独立してH、ハロゲン、C−C18アルキル、Eによって置換及び/又はDによって中断されたC−C18アルキル、C−C18パーフルオロアルキル、C−C24アリール、Gによって置換されたC−C24アリール、C−C20ヘテロアリール、Gによって置換されたC−C20ヘテロアリール、C−C18アルケニル、C−C18アルキニル、C−C18アルコキシ、Eによって置換及び/又はDによって中断されたC−C18アルコキシ、C−C25アラルキル、CN、又は−CO−R28であり、
はH、C−C18アルキル、Eによって置換及び/又はDによって中断されたC−C18アルキル、C−C18パーフルオロアルキル、C−C24アリール、Gによって置換されたC−C24アリール、C−C20ヘテロアリール、Gによって置換されたC−C20ヘテロアリール、C−C18アルケニル、C−C18アルキニル、C−C18アルコキシ、Eによって置換及び/又はDによって中断されたC−C18アルコキシ、C−C25アラルキル、CN、又は−CO−R28であり、
、R9’、R9''、R99及びR99’はH、C−C18アルキル、R10、Eによって置換及び/又はDによって中断されたC−C18アルキル、C−C18パーフルオロアルキル、C−C24アリール、Gによって置換されたC−C24アリール、C−C20ヘテロアリール、Gによって置換されたC−C20ヘテロアリール、C−C18アルケニル、C−C18アルキニル、C−C18アルコキシ、Eによって置換及び/又はDによって中断されたC−C18アルコキシ、C−C25アラルキル、SiRR’R''、GeRR’R''、POAr、PArであるか、又は−CO−R28であり;
10は基−(Sp)x10−[PG’]<であり、その式中、Spはスペーサ単位であり、PG’は好ましくは上記の重合性基から誘導された基であり、且つx10は0、又は1であるか、又は
及びR10は一緒になって以下の基
【化33】

を形成し、その式中、置換基R205、R206、R207及びR208のうちの1つ、及び置換基R209及びR210のうちの1つは基R10であり、他の置換基は互いに独立してH、C−C18アルキル、Eによって置換及び/又はDによって中断されたC−C18アルキル、C−C18アルコキシ、又はEによって置換及び/又はDによって中断されたC−C18アルコキシであり、
11及びR11’は互いに独立して水素、ハロゲン、特にフッ素、C−C18アルキル、Eによって置換及び/又はDによって中断されたC−C18アルキル、C−C18パーフルオロアルキル、C−C18アルケニル、R10、C−C18アルキニル、C−C18アルコキシ、Eによって置換及び/又はDによって中断されたC−C18アルコキシ、CN、又は−CO−R28、SiRR’R''、GeRR’R''、POAr、PArであり;
12、R13、R14、R12’、R13及びR14’は互いに独立してH、ハロゲン、特にフッ素、C−C18アルキル、R10、Eによって置換及び/又はDによって中断されたC−C18アルキル、C−C18パーフルオロアルキル、C−C24アリール、Gによって置換されたC−C24アリール、C−C20ヘテロアリール、Gによって置換されたC−C20ヘテロアリール、C−C18アルケニル、C−C18アルキニル、C−C18アルコキシ、Eによって置換及び/又はDによって中断されたC−C18アルコキシ、C−C25アラルキル、CN又は−CO−R28であり、
またR13、R14、R13’及びR14’はSiRR’R''、GeRR’R''、POAr、PArであってもよく;
XはO、S、又はNR17であり、ここでR17はC−C18アルキル、Eによって置換及び/又はDによって中断されたC−C18アルキル、C−C18パーフルオロアルキル、C−C24アリール、Gによって置換されたC−C24アリール、C−C20ヘテロアリール、Gによって置換されたC−C20ヘテロアリール、C−C18アルケニル、C−C18アルキニル、C−C25アラルキル、又は−CO−R28であり;
又は互いに隣接する、2個の置換基R、R、R及びR;R1’、R2’、R3’及びR4’;R、R11、R12、R13及びR14;R9’、R11’、R12’、R13’及びR14’は、一緒になって以下の基
【化34】

を形成するか、又は互いに隣接する、2個の置換基R99及びR99’は、一緒になって以下の基
【化35】

を形成するか、又は互いに隣接する、2個の置換基R及びR4’、及び/又はR14及びR14’は、一緒になって以下の基
【化36】

を形成し、その式中、XはO、S、C(R119)(R120)、又はNR17であり、ここでR17は上記に定義されるとおりであり、R105、R106、R107、R108、R105’、R106’、R107’及びR108’は互いに独立してH、C−C18アルキル、Eによって置換及び/又はDによって中断されたC−C18アルキル、C−C18アルコキシ、又はEによって置換及び/又はDによって中断されたC−C18アルコキシであり、
119及びR120は一緒になって式=CR121122の基を形成し、その式中、
121及びR122は互いに独立してH、C−C18アルキル、Eによって置換及び/又はDによって中断されたC−C18アルキル、C−C24アリール、Gによって置換されたC−C24アリール、又はC−C20ヘテロアリール、又はGによって置換されたC−C20ヘテロアリールであるか、又は
119及びR120は互いに独立してH、C−C18アルキル、Eによって置換及び/又はDによって中断されたC−C18アルキル、C−C24アリール、Gによって置換されたC−C24アリール、C−C20ヘテロアリール、Gによって置換されたC−C20ヘテロアリール、C−C18アルケニル、C−C18アルキニル、C−C18アルコキシ、Eによって置換及び/又はDによって中断されたC−C18アルコキシ、又はC−C25アラルキルであるか、又は
119及びR120は一緒になって5員又は6員環を形成し、該環は任意にC−C18アルキル、Eによって置換及び/又はDによって中断されたC−C18アルキル、C−C24アリール、Gによって置換されたC−C24アリール、C−C20ヘテロアリール、Gによって置換されたC−C20ヘテロアリール、C−C18アルケニル、C−C18アルキニル、C−C18アルコキシ、Eによって置換及び/又はDによって中断されたC−C18アルコキシ、C−C25アラルキル、又は−C(=O)−R127によって置換されてよく、且つ
127はH;C−C18アリール;C−C18アルキル、又はC−C18アルコキシによって置換されたC−C18アリール;C−C18アルキル;又は−O−によって中断されたC−C18アルキルであり、
Dは−CO−;−COO−;−S−;−SO−;−SO−;−O−;−NR25−;−SiR3031−;−POR32−;−CR23=CR24−;又は−C≡C−であり;且つ
Eは−OR29;−SR29;−NR2526;−COR28;−COOR27;−CONR2526;−CN;又はハロゲンであり;GはE、C−C18アルキル、Dによって中断されたC−C18アルキル、C−C18パーフルオロアルキル、又はEによって置換及び/又はDによって中断されたC−C18アルコキシであり、ここで
23、R24、R25及びR26は互いに独立してH;C−C18アリール;C−C18アルキル又はC−C18アルコキシによって置換されたC−C18アリール;C−C18アルキル;又は−O−によって中断されたC−C18アルキルであるか;又は
25及びR26は一緒になって5員又は6員環、特に以下の環
【化37】

を形成し、
27及びR28は互いに独立してH;C−C18アリール;C−C18アルキル又はC−C18アルコキシによって置換されたC−C18アリール;C−C18アルキル;又は−O−によって中断されたC−C18アルキルであり、
29はH;C−C18アリール;C−C18アルキル、又はC−C18アルコキシによって置換されたC−C18アリール;C−C18アルキル;又は−O−によって中断されたC−C18アルキルであり、
30及びR31は互いに独立してC−C18アルキル、C−C18アリール、又はC−C18アルキルによって置換されたC−C18アリールであり、且つ
32はC−C18アルキル、C−C18アリール、又はC−C18アルキルによって置換されたC−C18アリールであり、
R、R’及びR''は独立してC−C12アルキル、C−C12ハロアルキル、C−C10アリール、C−C12シクロアルキルから選択され、好ましくはC−Cアルキル、フェニル、シクロペンチル、シクロヘキシルから選択され;且つ
Arは独立してC−C10アリール、特にフェニルから選択され;
x1は0、又は1であるが、但し、式XIV’及びXXII’及びXXIII’の部分の場合、置換基R11、R13、R14、R9’、R13’及びR14’の内の少なくとも1つ又は、存在する場合、置換基R、R12及びR12’の内の少なくとも1つは、重合性の脂肪族又は芳香族モノマー部分である。
【0023】
3)基HEIIIを有する電子注入又は電子輸送機能を提供するモノマーであり、該基は重合性の脂肪族又は芳香族モノマー部分に直接に又はC−C12アルキレンもしくはフェニレンなどの二価のスペーサにわたって結合し、且つ電子注入又は電子輸送特性を向上させる。好ましい基HEIIIは以下のものである:
【化38】

(式中、R42’はH又はR41であり、
41は各出現において同一又は異なってよく且つCl、F、CN、N(R45、C−C25アルキル基、C−C18シクロアルキル基、C−C25アルコキシ基であり、その際、互いに隣接していない1つ以上の炭素原子は、−NR45−、−O−、−S−、−C(=O)−O−、又は−O−C(=O)−O−によって置換されてよく、及び/又は1つ以上の水素原子はF、C−C24アリール基、又はC−C24アリールオキシ基によって置換されてよく、1つ以上の炭素原子はO、S、又はNによって置換されてよく、及び/又はこれは1つ以上の非芳香族基R41によって置換されてよく、又は2つ以上の基R41は環系を形成し;
45は以下に規定されるとおりであり(項目4)、主にH又はC−Cアルキルを含み;
mは各出現において同一又は異なってよく且つ0、1、2又は3であり、特に0、1又は2であり、更に特に0又は1であり;
nは各出現において同一又は異なってよく且つ0、1、2又は3であり、特に0、1又は2であり、更に特に0又は1であり;
pは0、1、又は2であり、特に0又は1である)。
【0024】
4)基HEIを有する正孔輸送機能を与えるモノマーであり、該基は重合性の脂肪族又は芳香族モノマー部分に直接に又はC−C12アルキレンもしくはフェニレンなどの二価のスペーサにわたって結合し、且つ正孔輸送特性を向上させる。好ましい基HEIは以下のものである:
【化39】

(式中、
41は各出現において同一又は異なってよく且つCl、F、CN、N(R45、R10、C−C25アルキル基、C−C18シクロアルキル基、C−C25アルコキシ基であり、その際、互いに隣接していない1つ以上の炭素原子は−NR45−、−O−、−S−、−C(=O)−O−、又は−O−C(=O)−O−によって置換されてよい、及び/又は1つ以上の水素原子はF、C−C24アリール基、又はC−C24アリールオキシ基によって置換されてよく、その際、1つ以上の炭素原子はO、S、又はNによって置換されてよい、及び/又はこれは1つ以上の非芳香族基R41によって置換されてよい、又は
2つ以上の基R41は環系を形成し;
42は各出現において同一又は異なってよく且つCN、C−C25アルキル基、C−C18シクロアルキル基、C−C25アルコキシ基であり、その際、互いに隣接していない1つ以上の炭素原子は−NR45−、−O−、−S−、−C(=O)−O−、又は−O−C(=O)−O−によって置換されてよい、及び/又は1つ以上の水素原子はF、C−C24アリール基、又はC−C24アリールオキシ基によって置換されてよく、その際、1つ以上の炭素原子はO、S、又はNによって置換されてよく、及び/又はこれは1つ以上の非芳香族基R41によって置換されてよく、又は2つ以上の基R41は環系を形成し;
44は各出現において同一又は異なってよく且つ水素原子、C−C25アルキル基、C−C18シクロアルキル基、C−C25アルコキシ基であり、その際、互いに隣接していない1つ以上の炭素原子は−NR45−、−O−、−S−、−C(=O)−O−、又は−O−C(=O)−O−によって置換されてよく、及び/又は1つ以上の水素原子はF、C−C24アリール基、又はC−C24アリールオキシ基によって置換されてよく、その際、1つ以上の炭素原子はO、S、又はNによって置換されてよい、及び/又はこれは1つ以上の非芳香族基R41、又はCNによって置換されてよい、又は
互いに隣接している2つ以上の基R44は環を形成し;
45はH、C−C25アルキル基、C−C18シクロアルキル基、C−C25アルコキシ基であり、その際、互いに隣接していない1つ以上の炭素原子は−NR45−、−O−、−S−、−C(=O)−O−、又は−O−C(=O)−O−によって置換されてよい、及び/又は1つ以上の水素原子がF、C−C24アリール基、又はC−C24アリールオキシ基によって置換されてよく、その際、1つ以上の炭素原子はO、S、又はNによって置換されてよく、及び/又はこれは1つ以上の非芳香族基R41によって置換されてよく;
mは各出現において同一又は異なってよく且つ0、1、2又は3であり、特に0、1、又は2であり、更に特に0又は1であり;
nは各出現において同一又は異なってよく且つ0、1、2又は3であり、特に0、1、又は2であり、更に特に0又は1であり;
Ar及びAr1’は互いに独立してC−C24アリール基、C−C30ヘテロアリール基(1つ以上の非芳香族基R41によって置換されてよい)、又はNO、特にフェニル、ナフチル、アントリル、ビフェニルイル、2−フルオレニル、フェナントリル、又はペリレニル(1つ以上の非芳香族基R41によって置換されてよい)、例えば、
【化40】

であり、
ArはC−C30アリーレン基、又はC−C24ヘテロアリーレン基(任意に置換されてよい)、特に
【化41】

であり、その式中、
116及びR117は互いに独立してH、ハロゲン、−CN、C−C18アルキル、Eによって置換及び/又はDによって中断されたC−C18アルキル、C−C24アリール、Gによって置換されたC−C24アリール、C−C20ヘテロアリール、Gによって置換されたC−C20ヘテロアリール、C−C18アルケニル、C−C18アルキニル、C−C18アルコキシ、Eによって置換及び/又はDによって中断されたC−C18アルコキシ、C−C25アラルキル、−C(=O)−R127、−C(=O)OR127、又は−C(=O)NR127126であり、
119及びR120は互いに独立してH、C−C18アルキル、Eによって置換及び/又はDによって中断されたC−C18アルキル、C−C24アリール、Gによって置換されたC−C24アリール、C−C20ヘテロアリール、Gによって置換されたC−C20ヘテロアリール、C−C18アルケニル、C−C18アルキニル、C−C18アルコキシ、Eによって置換及び/又はDによって中断されたC−C18アルコキシ、又はC−C25アラルキルであるか、又は
119及びR120は一緒になって式=CR121122の基を形成し、その式中、
121及びR122は互いに独立してH、C−C18アルキル、Eによって置換及び/又はDによって中断されたC−C18アルキル、C−C24アリール、Gによって置換されたC−C24アリール、又はC−C20ヘテロアリール、又はGによって置換されたC−C20ヘテロアリールであるか、又は
119及びR120は一緒になって5員又は6員環を形成し、該環は任意にC−C18アルキル、Eによって置換及び/又はDによって中断されたC−C18アルキル、C−C24アリール、Gによって置換されたC−C24アリール、C−C20ヘテロアリール、Gによって置換されたC−C20ヘテロアリール、C−C18アルケニル、C−C18アルキニル、C−C18アルコキシ、Eによって置換及び/又はDによって中断されたC−C18アルコキシ、C−C25アラルキル、又は−C(=O)−R127によって置換されてよく、
126及びR127は互いに独立してH;C−C18アリール;C−C18アルキル又はC−C18アルコキシによって置換されたC−C18アリール;C−C18アルキル;又は−O−によって中断されたC−C18アルキルであり、
Dは−CO−、−COO−、−S−、−SO−、−SO−、−O−、−NR65−、−SiR7071−、−POR72−、−CR63=CR64−、又は−C≡C−であり、
Eは−OR69、−SR69、−NR6566、−COR68、−COOR67、−CONR6566、−CN、又はハロゲンであり、
GはE、又はC−C18アルキルであり、
63、R64、R65及びR66は互いに独立してH;C−C18アリール;C−C18アルキル、C−C18アルコキシによって置換されたC−C18アリール;C−C18アルキル;又は−O−によって中断されたC−C18アルキルであるか;又は
65及びR66は一緒になって5員又は6員環、特に以下の環
【化42】

を形成し、
67及びR68は互いに独立してH;C−C18アリール;C−C18アルキル又はC−C18アルコキシによって置換されたC−C18アリール;C−C18アルキル;又は−O−によって中断されたC−C18アルキルであり、
69はH;C−C18アリール;C−C18アルキル、C−C18アルコキシによって置換されたC−C18アリール;C−C18アルキル;又は−O−によって中断されたC−C18アルキルであり、
70及びR71は互いに独立してC−C18アルキル、C−C18アリール、又はC−C18アルキルによって置換されたC−C18アリールであり、且つ
72はC−C18アルキル、C−C18アリール、又はC−C18アルキルによって置換されたC−C18アリールである)。
【0025】
重合性脂肪族又は芳香族モノマー部分は、典型的には式PGのものであるか又は−フェニレン−PGのものであり、その際、PGは更に上記で式PGによって定義されるとおりである。
【0026】
本発明の更なる実施態様は、以下の式
【化43】

(式中、Halはハロゲン、特にBrを表し、全ての他の記号は請求項1〜4に定義されるとおりである)
の化合物の単独重合によって得られるポリマーであるか、又は好適な更なるモノマー、例えば、ジハロゲン化又はジホウ素化した、置換又は非置換のC−C19ヘテロアリール、特に以下の式
【化44】

のジハロゲン化又はジホウ素化モノ−又はオリゴチオフェン又は以下の式
【化45】

のベンゾチアジアゾールから選択されるモノマーと前記式XIVの化合物との共重合によって得られるポリマーであり、その際、Rpはボロン酸又はそのエステルの残基を表すか又はHalを表し、Halはハロゲン、特にBrを表し、sは1〜6の範囲であり、全ての他の記号及び置換基は、存在する場合、上記の式Iについて定義されるとおりである。
【0027】
好ましいのは、
及びR1’が互いに独立してH、ハロゲン又はSiRであり;
及びR2’が同一又は異なってよく且つH、C−C18アルキル又はC−C25チエニルアルキル又はフェニルアルキルから選択され;
R4、R5、R6が独立してC−C18アルキルから選択され;
n及びpが好ましくは0又は1であり;
Y、Y’が
【化46】

から選択され、
が置換フェニル又はチエニル及びジチエニルから選択される置換ヘテロアリールであるか;又は以下の式
【化47】

(式中、R、R1’、R、R2’、Y、Y’、p及びnは上記で定義されるとおりであり且つLは定義されるとおりである)
の部分である、化合物である。
【0028】
任意の隣接する残基が、それらが結合される炭素原子と一緒になって、N、O、Sから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員の非置換又は置換の複素環を形成する場合、これらの残基によって形成される構造は、しばしば
S−CH=CH;NR−CH=CH;O−CH=CH;S−CH=N;O−CH=N;NR−CH=N;NR−O−NR;NR−S−NR;N−NR−N;N−S−N;N−O−N;NR−N=N;S−N=N;O−N=Nから選択され;
その際、基CHはそれぞれ非置換であるか又は置換されてよく;
特に、
及びR1’は互いに独立してH、ハロゲン又はSiRであり;
及びR2’は独立してH又はC−C18アルキルであり;
はR3’一緒になってS−CH=N、O−CH=N、NR−CH=N(そのCH部分は置換されている)から選択される閉環構造を形成するか;又は一緒になって架橋基
【化48】

を形成し;
R4、R5、R6は独立してC−Cアルキルから選択され;
n、pは0であり;
は置換フェニルであり;
、R9’、R10及びR10’は独立して水素であり且つ1つ以上の隣接する残基R及びR9’は一緒になってN−CO−N部分(その窒素原子は置換されている)を形成するか;又は
隣接する残基R及びR9’は一緒になってN−CO−N部分(その窒素原子は置換されている)を形成するか;又は
及びR10、並びにR9’及びR10’はそれぞれ、それらが結合される炭素原子と一緒になって、非置換又は置換のチエニル環を完成させ;
qは0、1、2、3又は4、特に0であり、且つR14は、存在する場合、置換基であり;且つ
任意の置換基は、存在する場合、ハロゲン、C−C25アルキル、SiRR’R''、ビニル、アリル、フェニルから選択され;非芳香族炭素又は硫黄に結合する場合、オキソであってもよく;その際、R、R’、R''は独立してC−Cアルキル、フェニルから選択され、且つRは水素であってもよく;それぞれのフェニルは非置換であるか又はC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、CHO、ビニル、アリル、アリルオキシ、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ、ハロゲンによって置換される。
【0029】
及びR3’の両方がsp混成炭素に結合するので、例えば、
以下の部分
【化49】

が以下の構造
【化50】

を形成する、互変異性型も可能である。
【0030】
式Iの特定の興味深い複数の化合物は式II又はIII:
【化51】

(全ての記号は式Iについて上記で定義されるとおりである)
に合致する。これらの中で、nが0又は1であり、特にYが、存在する場合、二価の芳香族部分である化合物が更に好ましい。
【0031】
特に工業的に興味深いものは、「対称的な」化合物、即ち、R1=R1’であり、Y及び添字nの両方が同一であり、R2=R2’、R3=R3’等である化合物である。
【0032】
特定の工業的に興味深い更なるモノマー、オリゴマー又はポリマーは、R、R2’又は、存在する場合、R、R3’の内の少なくとも1つが少なくとも3個の、特に少なくとも4個の炭素原子を有するか、又はR、R3’が一緒になって環構造、例えば、S−CH=N、O−CH=N、NR−CH=N(CH部分が置換されている)を形成するか;又はN−S−Nであるか;又は一緒になって上記に定義された残基との以下の架橋基
【化52】

を形成するものである。
【0033】
アシルはスルホン酸又は特に有機カルボン酸の残基を表し、該基は正式には酸OHの引き抜きによって形成され;例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ベンゾイルである。一般的に、C−C18アシルはラジカルX’−R11を表し、その式中、X’はCO又はSOであり且つR11は通常、300までの分子量の、一価の脂肪族又は芳香族有機残基から選択され;例えば、R11はC−C18アルキル、C−C18アルケニル、C−C10アリール(非置換であるか又はC−Cアルキル又はハロゲン又はC−Cアルコキシによって置換されてよい)、C−C15アリールアルキル(非置換であるか又は芳香族部分においてC−Cアルキル又はハロゲン又はC−Cアルコキシによって置換されてよい)、C−C12シクロアルキルから選択されてよく、且つX’がCOである場合、R11はHであってもよい。アシルは、好ましくは、通常1〜30個の炭素原子の有機酸の脂肪族又は芳香族残基−CO−R11であり、その際、R11はアリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルを含み、そのそれぞれが置換又は非置換であってよく及び/又は他に記載された通りに、とりわけアルキル残基に関して中断されてよく、又はR’はHであってよい(即ち、COR’はホルミルである)。従って、好ましいのはアリール、アルキル等に関して記載されたものである;より好ましいアシル残基は置換又は非置換のベンゾイル、置換又は非置換のC−C17−アルカノイル又はアルケノイル、例えば、アセチル又はプロピオニル又はブタノイル又はペンタノイル又はヘキサノイル、置換又は非置換のC−C12シクロアルキルカルボニル、例えばシクロヘキシルカルボニルである。
【0034】
アリール(例えば、C−C25アリール又はC−C14アリール)が使用される場合、これは好ましくは、最大可能数の二重結合を有する単環又は多環系、例えば、好ましくはフェニル、ナフチル、アントラキニル、アントラセニル又はフルオレニルを含む。用語アリールは主にC−C18芳香族部分を包含し、該部分は環構造の一部として、主にO、N及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含む複素環(ヘテロアリールとしても示される)であってよく;炭化水素アリールの例は、主にフェニル、ナフチル、アントラキニル、アントラセニル、フルオレニル、特にフェニルを含むC−C18である。C−Cヘテロアリール又はC−C19ヘテロアリールなどのヘテロアリールは、芳香環を形成する原子の中で、特にN、O、Sから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を有するアリール基を表し;例として、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピラジル、チエニル、ベンゾチエニル、ジチエニル、ピリル、フリル、ベンゾフリル、インジル、カルバゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、トリアジニル、テトラヒドロナフチル、ピラゾリル、ジアゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、又は以下の式
【化53】

の残基が挙げられる。
【0035】
−C18アリール、例えば、フェニル、ナフチル、ピリジル、テトラヒドロナフチル、フリル、チオフェニル、ピリル、キノリル、イソキノリル、アントラキニル、アントラセニル、フェナントリル、ピレニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチエニル、特にC−C10アリールから選択されるものが好ましく、フェニル、ナフチル、フリル、チエニルが最も好ましい。当該式I中の複数の特定のヘテロアリール基は(通常、置換された)ジチオフェン部分を含み、該部分は化合物を二量体として分類し;例は以下の式
【化54】

の部分であるか又は一緒になって以下の架橋基
【化55】

を形成するR及びR3’であり、その際、R及びR10、及びR9’及びR10’は、それらが結合される炭素原子と一緒になって、それぞれ置換チエニル環を完成させて、式VI:
【化56】

の部分を形成する。
【0036】
上記の式IV−VIにおいて、全ての記号は式Iについて定義されるとおりであり;Lは二価の有機連結基、例えば、アルキレン(例えば、C−C12)、フェニレン、シクロアルキレンを表し;Aは二価の部分O、S、NRである。
【0037】
ハロゲンは、I、Br、Cl、F、好ましくはCl、Br、特にBrを意味する。
【0038】
アルキルは任意の非環式の飽和一価ヒドロカルビル基を表し;アルケニルはかかる基を指すが、少なくとも1つの炭素−炭素の二重結合を(例えば、アリルにおいて)含有し;同様に、アルキニルはかかる基を指すが、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を(例えば、プロパルギルにおいて)含有する。アルケニル基又はアルキニル基が1つより多くの二重結合を含有する場合、これらの結合は通常、まとまっているのではなく、交互の順序で、例えば−[CH=CH−]又は−[CH=C(CH)−](式中、nは例えば2〜25の範囲であってよい)で配置されてよい。特に規定されていない場合、好ましいアルキルは1〜22個の炭素原子を含有し;好ましいアルケニル及びアルキニルはそれぞれ2〜22個の炭素原子、特に3〜22個の炭素原子を含有する。
【0039】
中断されたものとして示される場合、1個より多い、特に2個より多い炭素原子のアルキル部分、又は別の部分の一部であるかかるアルキル部分又はアルキレン部分は、ヘテロ官能基、例えば、O、S、COO、OCNR10、OCOO、OCONR10、NR10CNR10、又はNR10(ここで、R10はH、C−C12アルキル、C−C12シクロアルキル、フェニルである)によって中断されてよい。それらは1個以上のこれらのスペーサ基によって中断されてよく、それぞれの場合に、1個の基が一般に、アルキル又はアルキレン部分の1つの炭素−炭素結合又はこの部分が結合する炭素−炭素結合に差し込まれる。ヘテロ−ヘテロ結合、例えば、O−O、S−S、NH−NH等は、通常、生じず;中断されたアルキルが更に置換される場合、置換基は一般にヘテロ原子に対してαではない。2個以上の−O−、−NR10−、−S−型の中断基が1つのラジカル中に生じる場合、それらの基はしばしば同一である。中断されたシクロアルキルの例は、ジオキサニル、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニルである。
【0040】
従って、用語アルキルは、どこで使用されても、特に、中断されていない、且つ適切であれば、置換されたC−C22アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−エチルブチル、n−ペンチル、イソペンチル、1−メチルペンチル、1,3−ジメチルブチル、n−ヘキシル、1−メチルヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、1,1,3−トリメチルヘキシル、1,1,3,3−テトラメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、1−メチルウンデシル、ドデシル、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシルを主に包含する。アルコキシはアルキル−O−である;アルキルチオはアルキル−S−である。
【0041】
ハロアルキルは、ハロゲンによって置換されたアルキルを意味し;これは過ハロゲン化されたアルキル、例えば、パーフルオロアルキル、特にC−C12パーフルオロアルキルを含み、これは分枝鎖状又は非分枝鎖状のラジカル、例えば、−CF、−CFCF、−CFCFCF、−CF(CF、−(CFCF、及び−C(CFである。
【0042】
アラルキルは、与えられた定義内で、通常、C−C24アラルキルラジカル、好ましくは置換されてよいC−C15アラルキルラジカル、例えば、ベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェネチル、α−メチルベンジル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニル−ブチル、ω−フェニル−オクチル、ω−フェニル−ドデシル;又は1〜3個のC−Cアルキル基によってフェニル環で置換されたフェニル−C−Cアルキル、例えば、2−メチルベンジル、3−メチルベンジル、4−メチルベンジル、2,4−ジメチルベンジル、2,6−ジメチルベンジル又は4−tert−ブチルベンジル又は3−メチル−5−(1’,1’,3’,3’−テトラメチル−ブチル)−ベンジルから選択される。
【0043】
従って、用語アルケニルは、どこで使用されても、中断されていない且つ、適切であれば、置換されたC−C22アルキル、例えば、ビニル、アリル等を主に包含する。
【0044】
アルキニル、例えば、C2−24アルキニルは、直鎖状又は分枝鎖状の好ましくはC2−8アルキニルであり、これは非置換又は置換の、例えば、エチニル、1−プロピン−3−イル、1−ブチン−4−イル、1−ペンチン−5−イル、2−メチル−3−ブチン−2−イル、1,4−ペンタジイン−3−イル、1,3−ペンタジイン−5−イル、1−ヘキシン−6−イル、シス−3−メチル−2−ペンテン−4−イン−1−イル、トランス−3−メチル−2−ペンテン−4−イン−1−イル、1,3−ヘキサジイン−5−イル、1−オクチン−8−イル、1−ノニン−9−イル、1−デシン−10−イル、又は1−テトラコシン−24−イルであってよい。
【0045】
脂肪族の環状部分は、シクロアルキル、脂肪族の複素環部分、並びにそれらの不飽和の変種、例えば、シクロアルケニルを含む。シクロアルキル、例えば、C−C18シクロアルキルは、好ましくはC−C12シクロアルキル又は1〜3個のC−Cアルキル基によって置換された前記シクロアルキルであり、且つシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、メチルシクロペンチル、ジメチルシクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、トリメチルシクロヘキシル、tert−ブチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロドデシル、1−アダマンチル、又は2−アダマンチルを含む。シクロヘキシル、1−アダマンチル及びシクロペンチルが最も好ましい。C−C12シクロアルキルとして、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシルが挙げられ;これらの残基の中で好ましいのは、C−Cシクロアルキル並びにシクロドデシル、特にシクロヘキシルである。更に生じる環構造は、通常、5〜7員環を有する複素環式脂肪族(ヘテロシクロアルキル)、これらの中で少なくとも1個の、特に1〜3個の、通常O、S、NR10から選択されるヘテロ部分であり、その際、R10は中断するNR10基について上記で説明されるとおりであり;例としてS、O、又はNR10によって中断されるC−C18シクロアルキル、例えば、ピペリジル、テトラヒドロフラニル、ピペラジニル及びモルホリニルが挙げられ、C−Cヘテロシクロアルキルの例としてオキシラニル、オキセタニル、ピペラジニル、モルホリニルが挙げられる。不飽和の変種は、2つの隣接環員上の水素原子を引き抜くことによってこれらの構造から誘導されてよく、その際、これらの間に二重結合が形成され;かかる部分の例はシクロヘキセニルである。
【0046】
アルコキシ、例えば、C−C24アルコキシは直鎖状又は分枝鎖状のラジカル、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシ又はtert−アミルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、テトラデシルオキシ、ペンタデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、ヘプタデシルオキシ及びオクタデシルオキシである。
【0047】
−C18シクロアルコキシは、例えば、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ又はシクロオクチルオキシ、又は1〜3個のC−Cアルキルによって置換された前記シクロアルコキシ、例えば、メチルシクロペンチルオキシ、ジメチルシクロペンチルオキシ、メチルシクロヘキシルオキシ、ジメチルシクロヘキシルオキシ、トリメチルシクロヘキシルオキシ、又はtert−ブチルシクロヘキシルオキシである。
【0048】
−C24アリールオキシは典型的にはフェノキシ又は1〜3個のC−Cアルキル基によって置換されたフェノキシ、例えば、o−、m−又はp−メチルフェノキシ、2,3−ジメチルフェノキシ、2,4−ジメチルフェノキシ、2,5−ジメチルフェノキシ、2,6−ジメチルフェノキシ、3,4−ジメチルフェノキシ、3,5−ジメチルフェノキシ、2−メチル−6−エチルフェノキシ、4−tert−ブチルフェノキシ、2−エチルフェノキシ又は2,6−ジエチルフェノキシである。
【0049】
−C24アラルコキシは典型的にはフェニル−C−Cアルコキシ、例えば、ベンジルオキシ、α−メチルベンジルオキシ、α,α−ジメチルベンジルオキシ又は2−フェニルエトキシである。
【0050】
−C24アルキルチオラジカルは、直鎖状又は分枝鎖状のアルキルチオラジカル、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、ペンチルチオ、イソペンチルチオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、オクチルチオ、デシルチオ、テトラデシルチオ、ヘキサデシルチオ又はオクタデシルチオである。
【0051】
SiRR’R''などのシリルは好ましくは、上記で定義された、非置換又は置換のヒドロカルビル又はヒドロカルビルオキシ(その際、置換基は好ましくは置換されたシリル以外である)から選択される2個又は好ましくは3個の部分によって、又は非置換又は置換のヘテロアリールによって置換されたSiである。Siが2個の置換基のみを有する場合、シリル基は−SiH(R)型のものであり、その際、Rは好ましくはヒドロカルビル又はヒドロカルビルオキシである。好ましいヒドロカルビル(オキシ)はC−C20アルキル(オキシ)、アリール(オキシ)、例えば、フェニル(オキシ)、C−Cアルキルフェニル(オキシ)であり、「(オキシ)」は、存在してもしなくてもよい、任意の連結基「−O−」を意味する。更に好ましいものは3つのC−C20−アルキル又はC−C20−アルコキシ置換基であり、即ち、置換されたシリルは従ってSi(R12)であり、ここで、R12はC−C20−アルキル又はC−C20−アルコキシ、特に3つのC−C−アルキル置換基、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル又はイソブチルである。
【0052】
閉環、例えば、2個以上の隣接残基を連結して橋を形成することによって正式に形成される環構造は、しばしば全部で5〜12個の環原子を含む。例は、更に詳細に記載されるとおり、炭化水素環、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、脂環式環、例えば、C−C12シクロアルキル、ヘテロアリールであるか、又は複素環、例えば、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロフランである。隣接する基、例えば、一緒になったR及びR3’、隣接基R及びR7’、隣接する残基R及びR9’、又はR及びR10及び/又はR9’及びR10’は、それらが結合される炭素原子と一緒になって、N、O、Sから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員の非置換又は置換の複素環を完成させ、得られる構造は、しばしば以下の式
【化57】

からのものであり、これらの構造は非置換であるか又は示されたRによって、又は他の可能な位置で別の置換基によって置換され、隣接sp2−混成炭素原子は残りの構造に結合している。これらの中で不飽和の環、即ち、最大可能数の二重結合を有するものが好ましい。
【0053】
本発明の化合物の製造のための二量体チオフェン遊離体の製造における重要な段階は、中間体3,3’−ジリチオ−2,2’−ジチオフェン
【化58】

(式中、残基は更に上記で定義されるとおりであり;特にn=0であるものが好ましい)
の反応に関する。この中間体は通常インサイチュで形成され、且つ以下のスキーム:
【化59】

(式中、Halはハロゲン、特にBrを意味し、更に残基は上記で定義される通りであり、その際、同一名の残基、例えば、R1は同一又は異なってよい)に従って、更に反応して所望の3,3’−二置換ジチオフェンを形成する(係属中の出願PCT/EP2009/052646号を参照のこと)。R1は通常、水素とは異なり、好ましくはハロゲン(例えば、Br)又はシリル(例えば、上記で定義されたSiR4R5R6)である。Y’及びZは、有利には、チエニル−リチウムとの共有結合を形成することが可能な部分から選択され、好適な試薬Y’−R7及びY’−X−Zの例は、DMF、CO、エステル、アミド、塩化アシル、塩化カルバモイル、クロロシラン、ボロネート等である。リチウム化剤はLiアルキル、例えば、ブチルリチウムであってよい。この反応は通常、当該技術分野で知られたリチウム反応と同様に行われ、例えば、酸素を除去しながら(例えば、N、Arを使用して)、低温(例えば、−100℃〜0℃)で、エーテル(ジエチルエーテル、THF、ジオキサン等)又は炭化水素(例えば、C−Cアルカン)などの好適な溶媒を使用して行われる。
【0054】
式Iの当該化合物に更に変換するための反応性の架橋基Xは、例えば、−CO−CO−(例えば、1,4−ジメチルピペラジン−2,3−ジオンとの閉環反応を介して得られる、本実施例18及び21を参照のこと)としてのX又は−CO−NR−CO−(例えば、CO/無水酢酸を使用する閉環反応の後、アミノ化を介して得られる;本実施例10を参照のこと)としてのXである。
【0055】
本発明による化合物は、半導体として有用であり且つ有機溶媒への優れた溶解性及び優れた皮膜形成能を有する。更に、高効率のエネルギー変換、優れた電界効果移動度、良好なオン/オフ電流比及び/又は優れた安定性は、本発明によるポリマーが有機電界効果トランジスタ、有機光電素子(太陽電池)及びフォトダイオードで使用される場合に見られる。従って、本発明は更に、請求項1から9までのいずれか1項に記載の化合物、特にダイオード、フォトダイオード、有機光電素子(PV)素子(太陽電池)、有機電界効果トランジスタを含む半導体素子、又はダイオード及び/又はフォトダイオード及び/又は有機電界効果トランジスタ、及び/又は太陽電池を含む素子;特に式Iの化合物、及び/又は硬質又は軟質の固体基板上に5〜1000nmの範囲の厚さを有する層として、本発明によるオリゴマー又はポリマーを含有する素子に関し、並びに式Iの化合物、及び/又は本発明によるオリゴマー又はポリマーを含む、有機半導体材料、層又は成分に関する。
【0056】
本発明は更に有機半導体素子の製造方法であって、式Iの化合物の溶液及び/又は分散液、及び/又は有機溶媒中の本発明によるオリゴマー又はポリマーを適した基板に適用し且つ該溶媒を除去することを含む、前記製造方法を含む。
【0057】
従って、本発明は、式Iの化合物、及び/又は上記のオリゴマー又はポリマーを、電荷輸送材料、半導体材料、導電性材料、光導電性材料、発光材料、表面変性材料、電極材料して、バッテリー、配向層における、又は有機電界効果トランジスタ、集積回路、薄膜トランジスタ、ディスプレイ、RFIDタグ、エレクトロルミネセンス素子又はフォトルミネッセンス素子、ディスプレイのバックライト、光起電力素子又はセンサ素子、電荷注入層、フォトダイオード、ショットキーダイオード、メモリ素子(例えば、FeFET)、平坦化層、耐電防止剤、導電性基板又はパターン、光伝導体、又は電子写真式用途又は記録材料に用いる使用を含む。
【0058】
上記のとおり、本発明による本発明の化合物は、半導体素子中の半導体層として使用することができる。従って、本発明は、本発明のポリマー、有機半導体材料、層又は成分を含む、半導体素子にも関する。半導体素子は特に有機光起電力(PV)素子(太陽電池)、フォトダイオード、又は有機電界効果トランジスタである。
【0059】
多数の種類の半導体素子がある。全てに共通するのは、1つ以上の半導体材料の存在である。半導体素子は、例えば、S. M. SzeによってPhysics of Semiconductor Devices, 第2版, John Wiley and Sons, New York (1981年)に記載されている。かかる素子は、整流器、トランジスタ(p−n−p、n−p−n、及び薄膜トランジスタを含む多くの種類がある)、発光半導体素子(例えば、ディスプレイ用途における有機発光ダイオード又は例えば、液晶ディププレイにおけるバックライト)、光伝導体、電流制限器、太陽電池、サーミスタ、p−n接合、電界効果ダイオード、ショットキーダイオード、及びその他を含む。それぞれの半導体素子において、半導体材料は、1つ以上の金属、金属酸化物、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、及び/又は絶縁体と組み合わされて素子を形成する。半導体素子は、公知の方法、例えばPeter Van ZantによってMicrochip Fabrication,第四版,McGraw-Hill, New York (2000年)に記載される方法によって製造又は生産できる。特に、有機電子部品は、D. R. GamotaらによってPrinted Organic and Molecular Electronics, Kluver Academic Publ., Boston, 2004に記載される通りに製造できる。
【0060】
特に有用な種類のトランジスタ素子、薄膜トランジスタ(TFT)は、一般に、ゲート電極、ゲート電極上のゲート誘電体、ゲート誘電体に隣接するソース電極及びドレイン電極、及びゲート誘電体に隣接し且つソース電極及びドレイン電極に隣接する半導体層を含む(例えばS. M. Sze, Physics of Semiconductor Devices, 第二版,John Wiley and Sons, 第492頁,New York(1981年)を参照)。それらの成分を様々な配置で組み立てることができる。更に具体的には、OFETは有機半導体層を有する。
【0061】
典型的には、製造、試験及び/又は使用の間、基板がOFETを支えている。場合により、基板はOFETに対する電気的な機能を提供できる。有用な基板材料は有機及び無機材料を含む。例えば、該基板は、シリコン、無機ガラス、セラミック箔、ポリマー材料(例えば、アクリル、ポリエステル、エポキシ、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリケトン、ポリ(オキシ−1,4−フェニレンオキシ−1,4−フェニレンカルボニル−1,4−フェニレン)(時として、ポリ(エーテルエーテルケトン)又はPEEKを指す)、ポリノルボルネン、ポリフェニレンオキシド、ポリ(エチレンナフタレンジカルボキシレート)(PEN)、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(フェニレンスルフィド)(PPS))、充填されたポリマー材料(例えば、繊維強化プラスチック(FRP))、及び被覆された金属箔の、種々の適切な形態を含むシリコン材料を含んでよい。
【0062】
ゲート電極は任意の有用な導電性材料であってよい。例えば、ゲート電極は、ドープされたシリコン、又は金属、例えば、アルミニウム、クロム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金、タンタル、及びチタンを含んでよい。導電性酸化物、例えば、インジウム錫酸化物、又はカーボンブラック/グラファイト又はコロイド状銀分散液からなり、任意にポリマーバインダーを含有する導電インク/ペーストも使用できる。導電性ポリマー、例えば、ポリアニリン又はポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT:PSS)もまた使用できる。さらには、これらの材料の合金、組み合わせ、及び多層が有用である。一部のOFETでは、同じ材料がゲート電極機能を提供でき、また基板の支持機能も提供できる。例えば、ドープされたシリコンはゲート電極として機能でき、且つOFETを支持することができる。
【0063】
ゲート誘電体は一般にゲート電極上に提供される。このゲート誘電体は、ゲート電極をOFET素子の残りの部分から電気的に絶縁する。ゲート誘電体のために有用な材料は、例えば、無機の電気絶縁体材料を含むことができる。
【0064】
ゲート誘電体(絶縁体)は、例えば、J. Veresら、Chem. Mat. 2004, 16, 4543又はA. Facchettiら、Adv. Mat. 2005, 17, 1705に記載されるように、例えば、酸化物、窒化物などの材料であってよく、又はこれは強誘電体絶縁体(例えば、有機材料、例えば、ポリ(ビニリデンフッ化物/トリフルオロエチレン又はポリ(m−キシリレンアジパミド))の系統から選択される材料であってよく、又はこれは有機ポリマー絶縁体(例えば、ポリ(メタクリレート)、ポリ(アクリレート)、ポリイミド、ベンゾシクロブテン(BCB)、パリレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール(PVP)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート)であってよい。ゲート誘電体のために有用な材料の特定の例は、ストロンチウム酸塩、タンタル酸塩、チタン酸塩、ジルコン酸塩、アルミニウム酸化物、シリコン酸化物、タンタル酸化物、チタン酸化物、シリコン窒化物、チタン酸バリウム、チタン酸バリウムストロンチウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、セレン化亜鉛、及び硫化亜鉛を含み、PbZrTi1−x(PZT)、BiTi12、BaMgF、Ba(Zr1−xTi)O(BZT)を含むがこれらに限定されない。さらには、これらの材料の合金、ハイブリッド材料(例えば、ポリシロキサン又はナノ粒子充填ポリマー)の組み合わせ、及び多層をゲート誘電体のために使用できる。誘電体層の厚さは、例えば、約10〜1000nmであり、更に特定の厚さは約100〜500nmであり、0.1〜100ナノファラッド(nF)の範囲のキャパシタンスを与える。
【0065】
ソース電極及びドレイン電極は、ゲート誘電体によってゲート電極から分離される一方、有機半導体層はソース電極及びドレイン電極の上又は下であってよい。ソース電極及びドレイン電極は、低抵抗のオーミック接触を適切に半導体層に与える任意の有用な導電性材料であってよい。有用な材料は、ゲート電極について上記された殆どのそれらの材料、例えばアルミニウム、バリウム、カルシウム、クロム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金、チタン、ポリアニリン、PEDOT:PSS、他の導電性モノマー又はポリマー、それらの合金、それらの組み合わせ、及びそれらの多層を含む。当該技術分野で公知の通り、それらの材料の一部はn型半導体材料と共に使用するのに適しており、他はp型半導体材料と共に使用するのに適している。
【0066】
薄膜電極(即ち、ゲート電極、ソース電極、及びドレイン電極)は、任意の有用な手段、例えば、物理蒸着法(例えば、熱蒸着又はスパッタリング)、又は(インクジェット)印刷法によって提供できる。これらの電極のパターニングは、公知の方法、例えば、シャドウマスク、付加的なフォトリソグラフィー、減法的なフォトリソグラフィー、印刷、マイクロ接触印刷、及びパターン塗布によって達成できる。
【0067】
本発明は更に有機電界効果トランジスタ素子であって、
基板上に配置された複数の導電性ゲート電極;
前記導電性ゲート電極の上に配置されたゲート絶縁層;
前記絶縁体層上に配置された導電性ソース電極とドレイン電極との複数の対(それぞれの前記対はそれぞれの前記ゲート電極と一直線になっている);
前記ゲート電極に実質的に重なり合う前記絶縁層上のソース電極とドレイン電極との間のチャネルに配置された有機半導体層;
を含み、その際、前記有機半導体層は本発明の化合物、又は有機半導体材料、層又は成分を含む、有機電界効果トランジスタ素子を提供する。
【0068】
本発明は更に、薄膜トランジスタ素子の製造方法において、
複数の導電性ゲート電極を基板の上に堆積させる工程;
ゲート絶縁体層を前記導電性ゲート電極の上に堆積させる工程;
導電性ソースとドレイン電極との複数の対を、それぞれの前記対がそれぞれの前記ゲート電極と一直線になるように前記層の上に堆積させる工程;
本発明の化合物の層、又は本発明の化合物を含有する混合物が、実質的に前記ゲート電極に重なり、それによって薄膜トランジスタ素子を製造するように、前記本発明の化合物の層を、前記絶縁体層の上に堆積させる工程
を含む、薄膜トランジスタ素子の製造方法を提供する。
【0069】
あるいは、OFETは、例えば、熱的に成長した酸化物層で覆われた高度にドープしたシリコン基板の上に、小分子又はポリマーを溶液堆積し、その後、真空蒸着し且つソース電極及びドレイン電極をパターン形成することによって製造される。
【0070】
更に別の手法では、OFETは、ソース電極及びドレイン電極を、熱的に成長した酸化物で覆われた高度にドープしたシリコン基板の上に堆積し、次いで化合物を溶液堆積して薄膜を形成することによって製造される。
【0071】
ゲート電極は、基板上のパターン形成された金属ゲート電極または導電性材料、例えば導電性ポリマーであってよく、それをその後、パターン形成されたゲート電極上に、溶液塗布によって、または真空堆積のいずれかによって適用される絶縁体で被覆する。
【0072】
任意の適した溶剤は、本出願の化合物を溶解及び/又は分散させるために使用できるが、但し、これは不活性であり且つ従来の乾燥手段(例えば、熱、減圧、気流等の適用)によって、基板から部分的に、又は完全に除去されてよい。本発明の半導体の処理に適した有機溶剤として、芳香族、又は脂肪族炭化水素、ハロゲン化、例えば、塩素化又はフッ素化炭化水素、エステル、エーテルアミド、例えば、クロロホルム、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、トルエン、テトラリン、デカリン、アニソール、キシレン、エチルアセテート、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい溶剤は、キシレン、トルエン、テトラリン、デカリン、塩素化したもの、例えば、クロロホルム、クロロベンゼン、オルト−ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン及びそれらの混合物である。次に、溶液及び/又は分散液を、例えば、スピンコーティング、ディップコーティング、スクリーン印刷、マイクロ接触印刷、ドクターブレードなどの方法、又は当該技術分野で公知の他の溶液適用技術によって基板の上に適用して半導体材料の薄膜を得る。
【0073】
用語「分散液」は、溶剤中に完全に溶解していない、本発明の半導体材料を含む任意の組成物を包含する。分散は、少なくとも1種の本発明の化合物を含む組成物、又は本発明の化合物を含有する混合物、及び溶剤を選択すること、その際、化合物は室温では溶媒中で低い溶解性を示すが、高温では溶媒中で高い溶解性を示し、その際、該組成物は、撹拌なしに高温が第1の低温まで低下する時にゲル化する;
− 溶媒中の化合物の少なくとも1部を高温で溶解すること;該組成物の温度を高温から第1の低温まで下げること;該組成物を撹拌してゲル化を阻害すること、その際、撹拌を、組成物の高温を、第1の低温まで下げる前に、それと同時に、又はその後のいつでも開始する;組成物の層を堆積させること、その際、組成物が高温よりも低い第2の低温である、該組成物の層を堆積させること;及び少なくとも部分的に層を乾燥させることによってなされる。
【0074】
分散液は、(a)溶剤、バインダー樹脂、及び任意に分散剤を含む連続相、及び(b)本発明の化合物、又は本発明の化合物を含有する混合物を含む分散相から構成されてもよい。溶媒中の本発明の化合物の溶解の程度は、例えば、0%〜約20%の溶解度、特に0%〜約5%の溶解度で変化してよい。
【0075】
好ましくは、有機半導体層の厚さは約5〜約1000nmの範囲であり、特に該厚さは約10〜約100nmの範囲である。
【0076】
本発明の化合物は、半導体素子の有機半導体層として、単独で又は組み合わせて使用できる。層は、任意の有用な手段、例えば、蒸着(比較的低い分子量を有する材料の場合)及び印刷技術によって提供できる。本発明の化合物は有機溶剤に十分に溶解可能であり且つ溶液堆積されてパターン形成(例えば、スピンコーティング、ディップコーティング、インクジェット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、マイクロ接触(ウェーブ)印刷、ドロップ又はゾーンキャスティング、又は他の公知の技術)されてよい。
【0077】
本発明の化合物は、複数のOTFTを含む集積回路で並びに種々の電子物品で使用できる。かかる物品として、例えば、高周波識別(RFID)タグ、フレキシブルディスプレイ用のバックプレーン(例えば、個人用コンピュータ、携帯電話、又はハンドヘルドデバイス用)、スマートカード、メモリ素子、センサ(例えば、光、画像、生物、化学、機械又は温度のセンサ)、特にフォトダイオード、又はセキュリティーデバイスなどが挙げられる。その両極性のために、該材料は有機発光トランジスタ(OLET)中でも使用できる。特に発光素子(OLED又はOLET)に適しているのは、(例えば、更に上記に記載された式(1)又は(2)の)1つ以上のルミネセンス(特にリン光性)コモノマーを含む本発明のコポリマーである。
【0078】
本発明の更なる態様は、本発明の1つ以上の化合物を含む、有機半導体材料、層又は成分である。更なる態様は、有機光起電力(PV)素子(太陽電池)、フォトダイオード、又は有機電界効果トランジスタ(OFET)における本発明のポリマー又は材料の使用である。更なる態様は、本発明のポリマー又は材料を含む、有機光起電力(PV)素子(太陽電池)、フォトダイオード、又は有機電界効果トランジスタ(OFET)である。
【0079】
本発明の化合物は、典型的には、薄い有機層又は薄膜の形で、好ましくは30ミクロン未満の厚さで、有機半導体として使用される。典型的には、本発明の半導体層は、1ミクロン(=1μm)以下の厚さであるが、必要であれば、より厚くてもよい。種々の電子素子用途のために、厚さは約1ミクロン未満の厚さであってもよい。例えば、OFETでの使用の場合、層厚さは典型的には100nm以下であってよい。層の正確な厚さは、例えば、層が使用される電子素子の要求品質に依存する。
【0080】
例えば、OFET中のドレインとソースとの間の能動半導体チャネルは、本発明の層を含んでよい。
【0081】
本発明によるOFET素子は好ましくは、
− ソース電極、
− ドレイン電極、
− ゲート電極、
− 半導体層
− 1つ以上のゲート絶縁体層、及び
− 任意に基板
を含み、その際、半導体層は1つ以上の本発明の化合物を含む。
【0082】
OFET素子におけるゲート電極、ソース電極及びドレイン電極並びに絶縁体層及び半導体層は、任意の順で配置してよいが、但し、ソース電極及びドレイン電極は絶縁体層によってゲート電極から隔てられており、ゲート電極及び半導体層は両方とも絶縁体層と接触し、且つソース電極及びドレイン電極は両方とも半導体層と接触している。
【0083】
好ましくはOFETは、第1の側面及び第2の側面を有する絶縁体、該絶縁体の第1の側面に配置されたゲート電極、該絶縁体の第2の側面に配置された本発明の化合物を含む層、及び化合物層に配置されたドレイン電極及びソース電極を含む。
【0084】
OFET素子はトップゲート素子又はボトムゲート素子であってよい。
【0085】
OFET素子の好適な構造及び製造方法は当業者に公知であり、文献、例えば、WO03/052841号に記載されている。
【0086】
ゲート絶縁体層は、例えば、フルオロポリマー、例えば、市販のCytop809M(登録商標)、又はCytop107M(登録商標)(Asahi Glass社製)を含んでよい。好ましくは、ゲート絶縁体層は、例えば、スピンコーティング、ドクターブレード、ワイヤーバーコーティング、スプレーコーティング又はディップコーティング又は他の公知法によって、絶縁体材料及び1つ以上のフッ素原子を有する1種以上の溶媒(フルオロ溶媒)、好ましくはパーフルオロ溶媒を含む配合物から、堆積される。好適なパーフルオロ溶媒は、例えば、FC75(登録商標)(Acros社、カタログ番号12380から入手可能)である。他の好適なフルオロポリマー及びフルオロ溶媒は、例えば、パーフルオロポリマーTeflon AF(登録商標)1600又は2400(DuPont社製)、又はFluoropel(登録商標)(Cytonix社製)又はパーフルオロ溶媒FC43(登録商標)(Acros社製、No.12377)などが当該技術分野で公知である。
【0087】
本発明の化合物を含む半導体層は、追加的に少なくとも1つの別の材料を含んでよい。他の材料は、本発明の別の化合物、半導体ポリマー、ポリマーバインダー、本発明の化合物とは異なる有機小分子、カーボンナノチューブ、フラーレン誘導体、無機粒子(量子ドット、量子ロッド、量子トライポッド、TiO、ZnOなど)、導電性粒子(Au、Agなど)、及び絶縁体材料、例えば、ゲート誘電体について記載されたもの(PET、PSなど)であってよいが、これらに限定されない。上記の通り、半導体層は本発明の1つ以上の化合物及びポリマーバインダーの混合物から構成されてもよい。ポリマーバインダーに対する本発明の化合物の比は5〜95パーセントであってよい。好ましくは、ポリマーバインダーは半結晶ポリマー、例えば、ポリスチレン(PS)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルメタクリレート(PMMA)である。この技術を用いて、電気的性能の劣化を回避できる(WO2008/001123A1号を参照のこと)。
【0088】
本発明の化合物は有利には有機光起電力(PV)素子(太陽電池)に使用される。従って、本発明は、本発明による化合物を含むPV素子を提供する。この構造の素子は、整流特性も有するので、フォトダイオードとも呼ばれる。光応答性素子は、光から電気を生成する太陽電池としての用途及び光を測定又は検出する光検出器としての用途を有する。
【0089】
PV素子は、この順番で:
(a)カソード(電極)、
(b)任意にトランジスタ層、例えば、アルカリハロゲン化物、特にフッ化リチウム、
(c)光活性層、
(d)任意に平坦化層、
(e)アノード(電極)、
(f)基板
を含む。
【0090】
光活性層は本発明の化合物を含む。好ましくは、光活性層は、電子供与体及び受容体材料としての、本発明の共役化合物、例えば、フラーレン、特に電子受容体としての、機能化フラーレンPCBMで作られている。ヘテロ接合太陽電池の場合、活性層は、好ましくは本発明の化合物と、フラーレン、例えば、[60]PCBM(=6,6−フェニル−C61−酪酸メチルエステル)、又は[70]PCBMとの、1:1〜1:3の質量比の混合物を含む。
【0091】
以下の実施例は、例示目的のためだけに挙げられており、特許請求の範囲を限定するものではない。全ての部及びパーセントは、特段記載されない限り、質量に対するものである。質量平均分子量(Mw)及び多分散性(Mw/Mn=PD)を高温ゲル浸透クロマトグラフィー(HT−GPC)によって測定する[装置:屈折率(RI)からの応答が得られるPolymer laboratories社(チャーチストレットン、英国; now Varian)製のGPC PL220、クロマトグラフィーの条件:カラム:Polymer Laboratories社(チャーチストレットン、英国)製の3"PLgel Olexis"カラム;13μmの平均粒径(寸法300×8mmのI.D.)を有する、移動相:減圧蒸留によって精製され且つブチルヒドロキシトルエン(BHT、200mg/l)によって安定化された1,2,4−トリクロロベンゼン、クロマトグラフィー温度:150℃;移動相流:1ml/分、溶質濃度:約1mg/ml;注入量:200μl;検出:RI、分子量較正の手順:分子量が1930000Da〜5050Da、即ち、PS1930000、PS1460000、PS1075000、PS560000、PS330000、PS96000、PS52000、PS30300、PS10100、PS5050Daの範囲にまたがるPolymer Laboratories社(チャーチストレットン、英国)から得られる10個のポリスチレン較正標準のセットを用いて相対較正を行う。多項式較正を用いて分子量を計算する。
【0092】
以下の実施例に示した全てのポリマー構造は、記載した重合手順を介して得られるポリマー生成物の理想化した表現である。2つを上回る成分が互いに共重合される場合、ポリマー中の配列は重合条件に応じて交互に又はランダムであってよい。
【0093】
以下の実施例は、例示目的のためだけに挙げられており、特許請求の範囲を限定するものと解釈すべきではない。全ての部及びパーセントは、特段記載されない限り、質量に対するものである。室温とは18〜23℃の範囲の温度を意味し;同様に周囲条件も大気圧を示唆している。省略形:
NBS N−ブロモスクシンイミド
LDA リチウムジイソプロピルアミド
THF テトラヒドロフラン
TBME tert−ブチルメチルエーテル
AIBN 2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
Mw 分子量(質量平均)
PDI 多分散性
【0094】
実施例1:鈴木重合の一般的な手順
出発材料は好適なα,ω−ジ(ブロモアリール)モノマー(1)を含む。三つ口フラスコにおいて、(予めアルゴンで脱気した)水2.1mlに溶解したリン酸カリウム(KPO)0.71gを、1.00gの1(好適なα,ω−ジボロン酸ビス(1,3−プロパンジオール)エステルの形の等量の第2モノマー)、16.0mgのトリ−tert−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート((t−Bu)HBF)及び26.0mgのトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(Pd(dba))の脱気したテトラヒドロフラン溶液10mlに添加する。反応混合物を約13時間50℃に加熱する。その後、18mgのブロモ−チオフェンを添加し、20分後にチオフェン−ボロン酸ピナコールエステルを添加して重合反応を停止する。反応混合物を室温まで冷却し且つメタノール中で沈殿させる。この残留物をペンタンを用いてソックスレー抽出によって精製し、次いで、ポリマーをシクロヘキサンで抽出して乾燥させる。
【0095】
実施例10:構成単位17の合成
【化60】

a)10gの3(以下の実施例11aと同様に得られる)を、(以下の)実施例11cに記載の通りリチウム化し、次いで−78℃まで冷却する。5gの固体二酸化炭素を一度に添加し、この溶液を室温まで温める。この溶液を再度0℃に冷却し、希釈したHClでクエンチし且つTBMEで2回抽出する。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ且つ蒸発乾固する。無水酢酸50mlを残留物に添加し、この懸濁液を2時間還流させる。冷却した後、スラリーを複数回ヘキサンで抽出し、合わせたヘキサン相を蒸発乾固し、更に真空オーブン中で乾燥させると、7.4gの16が赤みがかった白色の固体として得られる。
【0096】
b)上記からの生成物をTHF中に溶解し、0℃で2.2当量のヘキシルアミンで処理し且つ室温で1時間撹拌する。標準的な後処理(TBME、希釈HCl、ブライン)後、残留物を酢酸中に懸濁し、それぞれ10当量の無水酢酸及び酢酸ナトリウムで処理し且つ16時間還流させる。大部分の溶媒を蒸発させて、残留物を炭酸ナトリウム水溶液中に懸濁し、その後、TBMEで抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥して蒸発乾固すると、7.6gの17が帯黄色の固体として得られる。
【0097】
実施例11:構成単位26の合成
【化61】

a)40gの22の乾燥テトラヒドロフラン(THF)溶液200mlを、リチウムジイソプロピルアミドの溶液(LDA、2.7Mのブチルリチウムのヘキサン溶液100ml及び28.8gのジイソプロピルアミンの乾燥THF溶液200mlから調製された)に、窒素雰囲気下で−70℃で迅速に添加する。混合物の色がオレンジ-ブラウンになった後、該混合物を−20℃まで温めて、次いで100mlの水を添加する。有機相を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥し且つ蒸発させる。残留物をメタノールから再結晶化すると36.5gの4,4’−ジブロモ−2,2’−ジチオフェンがオフホワイトの粉末として得られる(収率:91.2%)。
【0098】
n−ドデシル臭化マグネシウムのエーテル溶液(ジエチルエーテル200ml中でマグネシウムの削り屑9g及びn−臭化ドデシル87.0gから調製される)を、4,4’−ジブロモ−2,2’−ジチオフェン40gの溶液にゆっくりと添加する。ジエチルエーテル200ml中の1モル%のNiCl(dppp)(dppp=PhPCHChCHPPh)を、内部温度が20℃を超えないように添加する。次に混合物を室温で2時間撹拌し、それに200mlの水を添加する。有機相を分離し、希塩酸及びブラインで洗浄し、乾燥し且つ蒸発させる。残留物をメタノール中に懸濁させると、濾過により55.8gの4,4’−n−ジドデシル−2,2−ジチオフェンがベージュ色の粉末として得られる(収率:70%)。臭素12.8gを、クロロホルム100ml及び酢酸40ml中の4,4’−n−ジドデシル−2,2−ジチオフェン10.1gの溶液に、窒素雰囲気下にて0℃で滴加する。混合物を60℃で16時間加熱する。室温に冷却した後、混合物を亜硫酸ナトリウムの飽和溶液50mlで処理する。有機相を分離し、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液及びブラインで洗浄し、乾燥し且つ蒸発させる。残留物をメタノール中に懸濁させると、濾過により14.5gの23がベージュ色の粉末として得られる。

【化62】

【0099】
b)10gの23を、窒素雰囲気下で乾燥THF150ml及びヘプタン70ml中に溶解し、この溶液を−20℃に冷却する。2.7Mのブチルリチウムのヘプタン溶液9.5mlの添加後、得られる溶液を−20℃で1時間撹拌し、それに3mlのトリメチルシリルクロリド(TMSCl)を添加し、得られる混合物を−20°で15分間撹拌し、次いで室温まで温める。更に1時間撹拌した後、水50mlを添加する。有機相を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥し且つ蒸発させると、9.9gの24がオレンジ−ブラウンの半固体残留物として得られる(収率:100%)。
【化63】

【0100】
c)中間体24を窒素雰囲気下で乾燥THF500mlに溶解し、この溶液を−60℃に冷却する。2.7MのBuLiのヘプタン溶液を一度に添加し、この混合物を−30℃まで温めて、その後、ジメチルカルバミルクロリド11.5mlを添加する。−20℃で15分間撹拌した後、混合物を0℃まで温めて、それに水100mlを添加する。有機相を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥し且つ蒸発させると、25が赤色の残留物として得られる(収率:58%)。

【0101】
d)26への更なる反応のために、25を単離する必要はない。c)の有機相を分離し、ブラインで洗浄する。N−ブロモスクシンイミド(NBS)37.4gを0℃でそれに添加し、この混合物を0℃で30分間撹拌し、室温で更に1時間撹拌する。蒸発後、残留物を水で洗浄し且つメタノール200ml中に懸濁させる。混合物を還流下で1時間加熱し、その後、室温に冷却する。生成物26が濾過により暗紫色のフレークとして得られる(収率:55%)。

【0102】
実施例12:構成単位27の合成
【化64】

テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム0.94gを、11.13gの26の及び15.1gの2−(トリブチルスズ)−チオフェンの脱気したトルエン溶液100mlに添加し、この混合物を還流下で16時間加熱し、室温に冷却し且つシリカゲルで濾過する。ろ液を蒸発させ、残留物をメタノール100ml中に懸濁し、1時間撹拌すると、10.5gの3,5−ジドデシル−2,6−ジ(チエン−2−イル)−シクロペンタ[2,1−b;3,4−b’]ジチオフェン−4−オンが、濾過により暗青灰固体として得られる(収率:95%)。

【0103】
前記生成物11.15gをTHF100ml中に溶解し、この溶液を0℃に冷却する。NBS5.7gをそれに添加し、得られた混合物を0℃で30分間撹拌し、室温で更に1時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、残留物をメタノール中に懸濁させると、濾過により13.0gの27が暗青灰色の固体として得られる(収率:95%)。
【0104】
実施例13:構成単位28の合成
【化65】

4−ドデシル−2−(トリブチル錫)−チオフェンを使用すると、対応するジアルキル化変種28が同様の手順で得られる。

【0105】
実施例14:構成単位30の合成
【化66】

a)24の乾燥THF溶液150mlを−40℃に冷却する。2.7MのBuLiのヘプタン溶液16mlを添加し、得られた溶液を−20℃で15分間撹拌する。ジメチルジクロロシラン2.58gをそれに添加し、混合物を0℃で30分間撹拌し、室温で更に1時間撹拌し、その後、1Nの塩酸50mlを添加する。有機相を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥し且つ蒸発させると、29が無色の液体として得られる(収率:95%)。
b)実施例11dに示した方法と同様にNBSを使用して臭素化すると30が得られる。
【0106】
実施例15:構成単位31の合成
【化67】

実施例12に示した反応順序と同じであるが、出発材料30を使用すると31が得られる:

【0107】
実施例16:構成単位32の合成
【化68】

実施例14に示した反応順序と同じであるが、ジメチルジクロロシランを等量のジフェニルジクロロシランに置き換えると、32が90%の全収率で得られる。

【0108】
実施例17:構成単位33の合成
【化69】

類似の方法(実施例14及び16)において、化合物33を合成することができる。

【0109】
実施例18:構成単位35の合成
【化70】

a)34が実施例12に従って赤色粉末(収率:40%)として得られるが、3.20gの1,4−ジメチルピペラジン−2,3−ジオンをジクロロジメチルシランの代わりに使用することを除く。

b)実施例11dに示した方法と同様にNBSを使用して臭素化すると35が得られる。
【0110】
実施例19:構成単位39の合成
【化71】

a)LDA溶液(82mlのブチルリチウム[ヘプタン中2.7M]、22.6gのジイソプロピルアミン及び300mlの乾燥THF)を、窒素雰囲気下にて−78℃で新たに調製するために、32.4gの3.3’−ジブロモ−2,2’−ジチオフェン36の乾燥THF溶液150mlをゆっくりと添加する。溶液をゆっくりと−20℃に温めて、15分間撹拌し、次いで−78℃に再冷却する。27.2gの塩化トリメチルシリルを一度に添加し、この溶液をゆっくりと0℃まで温める。0℃で1時間撹拌した後、反応混合物を100mlの水を添加することによってクエンチする。この相を分離し、有機相をブラインで2回洗浄し且つ硫酸ナトリウムで乾燥させる。残留物をメタノール中に懸濁させ、形成された固体を濾過により回収し且つ真空下で乾燥させる。43g(92%)の標題の化合物37がオフホワイトの粉末として得られる。

【化72】

【0111】
b)46.8gの3,3’−ジブロモ−5,5’−ジ−トリメチルシリル−2,2’−ジチオフェン37を、窒素雰囲気下で乾燥THF500mlに溶解して−60℃に冷却する。78mlのブチルリチウム(ヘプタン中2.7M)を一度に添加する。温度を約−40℃に上昇させる。ドライアイス浴を除去し、反応混合物をゆっくりと−30℃に温める。この時点で、20mlの乾燥THF中の11.5mlの塩化ジメチルカルバモイルを一度に添加する。温度を約−20℃に上昇させ、反応混合物をこの温度で15分間撹拌し、次いでゆっくりと0℃に温める。反応混合物を水100mlを添加することによってクエンチする。この相を分離し、有機相をブラインで2回洗浄し且つ硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒の蒸発により33.1gの赤色残留物が得られ、これは約90%の生成物38(NMR;88.5%の収率に対応する)を含有する。精製はフラッシュクロマトグラフィー又はメタノールへの懸濁のいずれかによって達成することができる。

【0112】
c)反応工程b)からの有機相は、37.4gのN−ブロモスクシンイミドを添加することによる臭素化工程に直接使用することができ、これは有機相に0℃で一度に添加される。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、室温で1時間撹拌する。蒸発乾固後、残留物を2回それぞれ水200mlで洗浄し、これをデカントし、次いでメタノール200ml中で1時間沸騰させる。室温に冷却した後、生成物を濾過により回収する。30.1g(85.2%)の標題の化合物39が暗紫色のフレークとして得られる。

【0113】
実施例20:構成単位40の合成
【化73】

9.37gの3,3’−ジブロモ−5,5’−ジ−トリメチルシリル−2,2’−ジチオフェン(37)の乾燥THF溶液150mlを−40℃に冷却する。16mlのブチルリチウム(ヘプタン中2.7M)を一度に添加し、得られた溶液を−20℃で15分間撹拌する。2.58gのジメチルジクロロシランを一度に添加し、反応塊を0℃で30分間撹拌し、室温で1時間撹拌する。反応混合物を1NのHCl50mlを添加することによってクエンチする。この相を分離し、有機相をブラインで2回洗浄し且つ硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒の蒸発によって6.95g(理論値の95%)の標題の化合物40が無色の液体として得られ、これはNMRによって測定されるとおり殆ど純粋である。

【0114】
実施例21:構成単位42〜46の合成
【化74】

a)9.37gの3,3’−ジブロモ−5,5’−ジ−トリメチルシリル−2,2’−ジチオフェン(41)の乾燥THF溶液150mlを−40℃に冷却する。16mlのブチルリチウム(ヘプタン中2.7M)を一度に添加し、得られた溶液を−20℃で15分間撹拌する。3.20gの1,4−ジメチル−ピペラジン−2,3−ジオンを一度に添加し、この反応混合物を室温に温めて且つこの温度で更に1時間撹拌する。反応混合物を1NのHCl50mlを添加することによってクエンチする。この相を分離し、有機相をブラインで2回洗浄し且つ硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒の蒸発によって赤色の残留物が得られ、これをヘキサンに懸濁させる。得られたスラリーを1時間撹拌し、次いで濾過する。濾過ケークをヘキサンで洗浄し且つ真空下で乾燥させる。3.4g(理論値の46%)の標題の化合物42が暗赤色の粉末として得られる。

【化75】

【0115】
b)上記の生成物42とo−ジアミノベンゼンとを反応させることによって、以下の化合物43が得られる;1,2−ジアミノ−4,5−ジ(2−エチルヘキシルオキシ)−ベンゼンをo−ジアミノベンゼンの代わりに使用すると44が得られる。一般的手順:10ミリモルの42及び10ミリモルの芳香族オルト−ジアミンを50mlのエタノール中に溶解させ且つ2時間還流させる。0℃に冷却した後、黄色の沈殿物を濾過し、冷エタノールで洗浄し且つ真空オーブン中で乾燥させると対応するキノキサリン43又は44が得られる。
43のNMRスペクトル:

【化76】

【0116】
43又は44のTHF溶液100mlに、2当量のN−ブロモ−スクシンイミドを一度に添加し、反応混合物を40℃に加熱し且つこの温度で16時間撹拌する。次に溶媒を蒸発させ、残留物を複数回水で洗浄し、次いでエタノールから再結晶化させる。対応するキノキサリン45又は46は60〜80%の収率である。
46のNMRスペクトル:

【0117】
実施例22:構成単位49の合成
【化77】

a)0.5gの25のTHF溶液5mlを−20℃で1.1当量のブチルリチウムで処理し、次いでゆっくりと0℃に温める。反応を1.1当量のトリフルオロ無水酢酸を添加することによってクエンチし且つ室温で更に1時間撹拌する。
【0118】
10mlのtert.ブチルメチルエーテルを添加し、反応混合物を炭酸水素ナトリウム及びブラインで洗浄する。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ且つ蒸発乾固する。残留物を5mlのDMSO及び0.1mlのトリフルオロ酢酸中に溶解させて70℃で5時間撹拌し、冷却して飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注ぐ。水性スラリーを2回tert.ブチル−メチルエーテルで抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ且つ蒸発乾固する。0.35gの47が灰白色の固体として得られる。
【0119】
b)上記からの生成物のトルエン溶液を3当量のRed−Al(THF中1M)で処理し且つ80℃で2時間撹拌する。冷却後、続いて反応混合物を希釈したHCl及びブラインで洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ且つ蒸発乾固する。
【0120】
上記からの残留物をDMSO中に溶解し、1.5当量の臭化ブチル、5当量のKOH及び触媒量のKIを添加した後、室温で16時間撹拌する。反応塊を希釈したHClに注ぎ、水性スラリーを2回ヘキサンで抽出する。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ且つ蒸発乾固する。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって更に精製すると、0.29gの48が白色固体として得られる。
【0121】
c)実施例11dの最後の工程に記載された方法による臭素化によって49が得られる。

【0122】
実施例23:
【化78】

10mlのエタノール(abs)中の2.00g(5.5ミリモル)の42に、1ml(8.23ミリモル)のアニスアルデヒド及び2.17g(27.42ミリモル)の炭酸水酸化アンモニウムを添加する。反応混合物を窒素下で一晩加熱還流し、25℃に冷却し、生成物を濾別し且つエタノールで洗浄する(収率:1.66g(63%))。
【0123】
実施例24:
【化79】

6mlのエタノール(abs)中の0.25g(0.7ミリモル)の42に、0.11g(1.0ミリモル)のベンズアルデヒド及び0.26g(3.43モル)の酢酸アンモニウムを添加する。反応混合物を窒素下で一晩加熱還流し、25℃に冷却し、生成物を濾別し且つフラッシュマスターを使用してカラムクロマトグラフィー(溶離液ヘプタン:酢酸エチル5:1)によって分離する(収率51:0.05g(17%);収率52:0.24g(83%))。
【0124】
実施例25:
【化80】

80mlの酢酸中の4.00g(11.0ミリモル)の42に、2.23g(12.1ミリモル)の4−ブロモベンズアルデヒド、1.17g(12.6ミリモル)のアニリン及び3.38g(43.9ミリモル)の酢酸アンモニウムを添加する。反応混合物を窒素下にて130℃で45分間撹拌し、25℃に冷却し、生成物を濾別し且つAcOH/MeOHで洗浄する(収率:4.5g(67.8%))。
【0125】
実施例26:
【化81】

ヘキサン中の4mlの1.6MのBuLiを、−78℃で乾燥THF30mlに溶解した実施例25の生成物3g(4.95ミリモル)に添加する。この反応混合物を1時間撹拌し、1.9g(24.8ミリモル)の乾燥DMFを添加し且つ室温まで温める。反応を0.5MのHClでクエンチし、生成物を、溶離液としてヘプタン:酢酸エチル(4:1)を用いて、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製する(収率:1.45g(53%))。
【0126】
実施例27:
【化82】

ヘキサン中の1.8mlの1.6MのBuLi(2.9ミリモル)を、THF13ml中の臭化メチルトリフェニルホスフィン1gに0℃で添加して1時間撹拌する。THF5ml中の1.13g(2ミリモル)の実施例26の生成物を添加して0℃で1時間撹拌する。反応混合物をRTに温めて水でクエンチする。生成物を酢酸エチルで抽出し且つ溶離液としてヘキサン:酢酸エチルを用いてカラムクロマトグラフィーによって精製する(収率:0.81g(73%))。
【0127】
実施例28:ポリマー101の合成
【化83】

0.44gの実施例27の生成物及び0.025gの2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を1.8mlのトルエンに溶解し、脱気し且つ80℃で24時間撹拌する。ポリマーをメタノール中での複合沈殿によって精製する(収率:0.29g(65%);M=22000、PDI=3.1)。
HOMO=−5.7eV、LUMO=−2.4eV、QY=14%
【0128】
実施例29:
【化84】

0.2g(0.53ミリモル)の化合物Y、0.1g(0.63ミリモル)のスチレンボロン酸、0.1g(0.5ミリモル)の酢酸銅(II)及び200mgの分子篩4AをCHCl:ピリジンにおいて40℃で3日間撹拌する。溶媒を蒸発させ、生成物を、溶離液としてヘプタン:酢酸エチル(6:1)を用いてカラムクロマトグラフィーによって精製する(収率41mg(16%))。
【0129】
実施例30:ポリマー102の合成
【化85】

40mgの実施例29の生成物及び2mgの2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を、0.18mlのトルエンに溶解し、脱気し且つ80℃で24時間撹拌する。ポリマーをメタノール中での複合沈殿によって精製する(収率:0.29g(65%);Mw=27600、PDI=2.8)。
LUMO=−2.7eV
【0130】
実施例31:構成単位57の合成
【化86】

1.82g(5ミリモル)の42(実施例21)及び0.94g(5ミリモル)の2−アミノ−4−ブロモアニリンを、エタノール10ml中で一晩還流し、室温に冷却し、且つ生成物を濾別する。生成物57の収率は2.4g(93%)である。
【0131】
実施例32:構成単位58の合成
【化87】

2.4g(4.65ミリモル)の生成物57、0.93g(6.97ミリモル)のビニルトリフルオロホウ酸カリウム、0.42g(0.465ミリモル)のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、6.7g(23.25ミリモル)のトリ−t−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレートをTHF20ml中で混合し、これを脱気し且つ50℃に加熱する。脱気したリン酸カリウムの水溶液を添加して、反応混合物を還流下で3時間撹拌する。生成物を、ヘキサン:酢酸エチル(1:20)を用いてカラムクロマトグラフィーによって精製する。生成物58の収率は1.3g(59.1%)である。
【0132】
実施例33:ポリマー103の合成
【化88】

1gの実施例32の生成物58及び0.05gの2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を5mlのトルエンに溶解し、脱気し且つ80℃で24時間撹拌する。ポリマーをメタノール中での複合沈殿によって精製する(収率:0.65g(65%);M=22000、PDI=3.1)。
HOMO=−5.7eV、LUMO=−3.0eV
【0133】
実施例34:
【化89】

示した10ミリモルの42(実施例21)及び10ミリモルの置換2−アミノ−アニリンをエタノール50ml中で2時間還流させ、0℃に冷却し、黄色の沈殿物を濾別し、冷エタノールで洗浄し且つ真空下で乾燥させると、生成物59が得られる。
【0134】
実施例35:
【化90】

10gのオルトキノン42及び10gのヒドロキシルアミンを、20mlのピリジン及び80mlのエタノール中で2時間還流させる。溶媒を蒸発させ、赤橙色の残留物を水100ml中に3時間懸濁させる。生成物を濾過によって単離し、水で広範囲に洗浄し且つ真空オーブン中で乾燥させると、10.3gの60が、赤みがかった橙色の固体として得られる。
【0135】
実施例36:
【化91】

実施例35で得られる生成物60をエタノール100ml中に0℃で懸濁させる。25gのSnClの濃HCl溶液50mlを一度に添加する(発熱)。この反応混合物を2〜3時間還流させ、0℃に冷却し且つ濾過する。濾過ケークを水及びエタノールで洗浄し且つ50mlの飽和NaHCO水溶液及び50mlのTBME中に懸濁させる。有機相を分離し且つブラインで洗浄する。溶媒を蒸発させると、5.1gの61がベージュ色の粉末として得られる。
(1NのHCl(濃HClの代わりに)を使用する場合、TMS基は開裂されない)
【0136】
実施例37:
【化92】

1gのジアミン61及び1.4gのトリエチルアミンを10mlの塩化メチレン中に0℃で溶解させる。1.6gの塩化チオニルを滴加し、反応混合物を1時間室温で且つ5時間還流下で撹拌する。反応を水10mlを添加することによってクエンチし且つ30分間撹拌する。有機相を分離し且つ水で洗浄する。溶媒の蒸発後、残留物をクロマトグラフィーによって精製すると、0.45gの63が黄色がかった粉末として得られる。
【0137】
実施例38:1gのジアミン62及び1gのオルトキノン42をエタノール10ml中で4時間還流させる。0℃に冷却した後、黄色の沈殿物を濾過し、冷エタノールで洗浄し且つ真空オーブン中で乾燥させると、キノキサリン64が70%の収率で得られる:
【化93】

【0138】
複数のポリマーを、鈴木重合条件を用いて上記の構成単位を使用して合成することができる(実施例1を参照)。
【0139】
従って、33、40、42、50、51、52及び53などのトリメチル−シリル保護基を有する全ての上記の構成単位は、実施例11dの類似の条件を用いて対応する二臭化物に変換することができる。これらの対応する二臭化物及び既に記載した二臭化物26、27、28、30、32、35、39、45、46及び49を、モノマーとしてビスボロン酸エステルと組み合わせて使用して、本発明によって請求されるポリマーを形成する。
【0140】
これらの全ての二臭化物自体を、公知の方法を使用してビスボロン酸エステルに変換することができる。次に、これらの対応するビスボロン酸エステルを、上記のようにモノマーとして二臭化物と組み合わせて使用して、本発明によって請求されるポリマーを形成する。
【0141】
かかるポリマーの例は、以下の実施例40及び41のものである。
【0142】
実施例39:化合物59(実施例34)を、実施例21の方法(化合物45及び46の製造)と同様に、対応するジブロモ化合物65に変換する。
【0143】
実施例40:
【化94】

三つ口フラスコにおいて、(予め脱気した)水5ml中に溶解させた0.54gのリン酸カリウム(KPO)を、1.0gの化合物65、0.28gの2,5−チオフェンボロン酸ビス(ピナコール)エステル、11.7mgのトリ−tert−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート((t−Bu)HBF)及び23.3mgのトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(Pd(dba))の脱気したテトラヒドロフラン溶液25mlに添加する。反応混合物を還流温度で2時間加熱する。その後、18mgのブロモ−チオフェンを添加し、20分後に、24mgのチオフェン−ボロン酸ピナコールエステルを添加して重合反応を停止させる。反応混合物を室温まで冷却し且つメタノール中に沈殿させる。この残留物を、ペンタン及びシクロヘキサンを用いて、ソックスレー抽出によって精製し、次いでポリマーをTHFで抽出すると、0.62gの暗色の粉末が得られる。M=19800、多分散性=1.6(HT−GPCによって測定)。
【0144】
実施例41:
【化95】

三つ口フラスコにおいて、(予め脱気した)水5ml中に溶解させた0.54gのリン酸カリウム(KPO)を、1.0gの化合物65、0.32gの4,7−ビス−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−3,4−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール、11.7mgのトリ−tert−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート((t−Bu)HBF)及び23.3mgのトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(Pd(dba))の脱気したテトラヒドロフラン溶液25mlに添加する。反応混合物を還流温度で2時間加熱する。その後、18mgのブロモ−チオフェンを添加し、20分後に、24mgのチオフェン−ボロン酸ピナコールエステルを添加して重合反応を停止させる。反応混合物を室温まで冷却し且つメタノール中に沈殿させる。この残留物を、ペンタンを用いてソックスレー抽出によって精製し、次いでポリマーをシクロヘキサンで抽出すると、0.81gの暗色の粉末が得られる。M=18100、多分散性=1.6(HT−GPCによって測定)。
【0145】
実施例42:
【化96】

a)38.1gの66をTHF300ml中に溶解し、次いで混合物を<−30℃に冷却し且つブチルリチウム(2.7M)100mlを添加する。1時間室温で撹拌した後、反応混合物を−78℃に冷却し、次いで91.9gの塩化トリ−n−ブチルスズをゆっくりと添加する。反応混合物を−78℃で2時間撹拌し、次いで室温まで加熱する。次に反応混合物を塩酸/氷の混合物に注ぎ;水性スラリーを2回tert.ブチル−メチルエーテルで抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ且つ蒸発乾固すると、67が良好な収率で得られる。
【0146】
b)10gの67及び4.26gの2,3−ジブロモ−2,3−ジヒドロ−1,4−ナフトキノンをトルエン100ml中で混合し且つ溶液を脱気する。0.2gのトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)及び0.14gのトリフェニルアルシンを添加する。反応混合物を120℃に一晩加熱する。次に反応混合物をシリカゲルで濾過し、ヘキサン中に沈殿させて濾過すると、68が良好な収率で得られる。
【0147】
実施例43:有機電界効果トランジスタ(OFET)
p−Siゲート(10cm)を有するボトムゲート薄膜トランジスタ(TFT)構造を全ての実験に使用する。厚さ300nmの高品質の熱SiO層は、単位面積当たりのキャパシタンスC=32.6nF/cmのゲート絶縁体として働く。ソース及びドレイン電極は、ゲート酸化物への直接のフォトリソグラフィーによってパターン形成される。幅W=10mm及び様々な長さL=4、8、15、30μmのチャネルを規定する金のソースドレイン電極を使用する。有機半導体を堆積する前に、SiO表面を、飽和シラン蒸気に160℃で2時間曝すことによって又は800rpm(1分間当たりの回転)の回転速度でHMDSを約1分間スピンコーティングすることによって、又は基材を60℃でオクタデシルトリクロロシラン(OTS)の0.1Mのトルエン溶液で20分間処理することによってヘキサジメチルシラザン(HMDS)で被覆する。イソプロパノールで濯いだ後、基材を乾燥させる。
【0148】
半導体薄膜を、オルト−ジクロロベンゼンの0.5%(w/w)溶液中で、以下の表に示した化合物のスピンコーティング又はドロップキャスティングのいずれかを行うことによって製造する。スピンコーティングは、周囲条件下において約60秒間1000rpm(1分間当たりの回転数)の回転速度で達成される。素子を堆積された通りに且つ120℃で15分間の乾燥後に評価する。
【0149】
トランジスタの性能は自動トランジスタプローバ(TP−10)で測定する。飽和移動特性の平方根への線形フィットから、電界効果移動度及びオン/オフ電流比を決定する。特性データを以下の表に示す。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式
【化1】

の化合物であって、
その式中、
及びR1’は互いに独立してH又は置換基、ハロゲン又はSiRであり;
及びR2’は同一又は異なってよく且つC−C25アルキル、C−C12シクロアルキル、C−C25アルケニル、C−C25アルキニル、C−C25アリール、C−C25アルキルアリール又はC−C25アラルキルから選択され、そのそれぞれが非置換であるか又は置換されており、R及びR3’がXの定義内で一緒になって環構造を完成させるか、又はXが以下の式
【化2】

の内の1つに合致する架橋基である場合、
R2及び/又はR2’もハロゲン又は水素であってよく;
Xは以下の基
【化3】

から選択される2価の連結基であり;
Y及びY’は独立して以下の基
【化4】

から選択され;
n及びpは独立して0〜6の範囲であり;
及びR3’はそれらが結合される炭素原子と一緒になって、5員もしくは6員の非置換又は置換の炭化水素環、又はN、O、Sから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員の非置換又は置換の複素環を完成させ、ここで任意の置換基は、存在する場合、以下に定義される通りであるか、又は複素環上の1つの置換基は以下の式
【化5】

の部分であり、
その式中、Lは二価の有機連結基、例えば、アルキレン(例えば、C−C12)、フェニレン、シクロアルキレンを表し;Aは二価の部分O、S、NRであるか;
又はR及びR3’は一緒になって架橋基
【化6】

を形成し;
、R、Rは独立してC−C25アルキル、C−C12シクロアルキル、C−C25アリール、又はC−C25アラルキルから選択され;隣接する残基R及びRは更に連結されて炭素数4〜25の二価の炭化水素残基を形成し、該基は置換及び/又は中断されてよく;
及びR7’は独立してH又は置換基であるか;又は隣接するR及びR7’は、それらが結合される炭素原子と一緒になって、N、O、Sから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員の非置換又は置換の複素環を完成させ;
は置換されたC−C10アリール、C−C19ヘテロアリール、又は上記で定義されたとおりに二価の有機連結基Lを介して結合された前記アリール又はヘテロアリールであり;
、R9’、R10及びR10’は独立して水素であり、1つ以上の隣接する残基R及びR9’、又はR及びR10及び/又はR9’及びR10’は、それらが結合される炭素原子と一緒になって、N、O、Sから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員の非置換又は置換の複素環を完成させ;
23及びR23’はそれぞれ置換基、特にアルキル、OH又はアルコキシであり;
任意の置換基は、存在する場合、ハロゲン、OR、C−C25アルキル、C−C25アルケニル、C−C25アルキルチオ、C−C25アシル、C−C10アリール、C−Cヘテロアリール、C−C12シクロアルキル、C−C11ヘテロシクロアルキル、C−C25アシルオキシから選択されるか;又は残基COR、CH=NR、CH=N−OH、CH=N−OR、COOR、CONHR、CONRR’、CONH−NHR、CONH−NRR’、SOR、SOR、SONHR、SONRR’、SONH−NHR、SONH−NRR’、S(O)R、S(O)OR、S(O)NHR、S(O)NRR’、S(O)NH−NHR、S(O)NH−NRR’、SiRR’R''、PORR’、PO(OR)R’、PO(OR)、PO(NHR)、PO(NRR’)、CN、NO、NHR、NRR’、NH−NHR、NH−NRR’、CONROHから選択され;飽和した炭素又は硫黄に結合する場合、オキソであってもよく;R、R’及びR''は独立してC−C25アルキル、C−C25ハロアルキル、C−C10アリール、C−C12シクロアルキルから選択され、好ましくはC−Cアルキル、フェニル、シクロペンチル、シクロヘキシルから選択され;且つRは水素であってもよく;その際、それぞれの置換基、又はR、R’及びR''は、C−C10アリール又はC−Cヘテロアリールであり、それ自体が非置換であるか又はC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルコキシ、CHO、C−Cアルキル−カルボニル、C−Cアルケニル−カルボニルオキシ、アリルオキシ、ハロゲンによって置換され、且つ任意の隣接する置換基は炭素−炭素単結合又は二重結合によって一緒に連結されてよい、前記化合物。
【請求項2】
式I
【化7】

で示され、その式中、
及びR1’は互いに独立してH、ハロゲン又はSiRであり;
及びR2’は同一又は異なってよく且つハロゲン、水素、C−C25アルキル、C−C25アルケニル、C−C25アルキニル、C−C12シクロアルキル、C−C25アリール、C−C25アルキルアリール又はC−C25アラルキルから選択され、そのそれぞれが非置換であるか又は置換されており;
Xは以下の基
【化8】

から選択され、その式中、R及びR3’は一緒になって定義された環構造を形成し;
Y及びY’は独立して以下の基
【化9】

から選択され;
n及びpは独立して0〜6の範囲であり、その際、0〜3の範囲が好ましく;
R4、R5、R6は独立してC−C12アルキル、C−C12シクロアルキル、フェニル、又はC−C12フェニルアルキルから選択され;
及びR7’は独立してH又は置換基であるか;又は隣接するR及びR7’は、それらが結合される炭素原子と一緒になって、N、O、Sから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員の非置換又は置換の複素環を完成させ;
は置換されたC−C10アリール、C−C19ヘテロアリールであり;
、R9’、R10及びR10’は独立して水素であり、1つ以上の隣接する残基R及びR9’、又はR及びR10及び/又はR9’及びR10’は、それらが結合される炭素原子と一緒になって、N、O、Sから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員の非置換又は置換の複素環を完成させ;且つ
任意の置換基は、存在する場合、ハロゲン、OR、C−C25アルキル、C−C25アルケニル、C−C25アルキルチオ、C−C25アシル、C−C10アリール、C−Cヘテロアリール、C−C12シクロアルキル、C−C11ヘテロシクロアルキル、C−C25アシルオキシ、C−C10アリールオキシ、C−C12シクロアルキルオキシから選択されるか、又は残基COR、CH=NR、CH=N−OH、CH=N−OR、COOR、CONHR、CONRR’、CONH−NHR、CONH−NRR’、SOR、SOR、SONHR、SONRR’、SONH−NHR、SONH−NRR’、S(O)R、S(O)OR、S(O)NHR、S(O)NRR’、S(O)NH−NHR、S(O)NH−NRR’、SiRR’R''、PORR’、PO(OR)R’、PO(OR)、PO(NHR)、PO(NRR’)、CN、NO、NHR、NRR’、NH−NHR、NH−NRR’、CONROHから選択され;非芳香族炭素又は硫黄に結合する場合、オキソであってもよく;R、R’及びR''は独立してC−C18アルキル、フェニル、シクロペンチル、シクロヘキシルから選択され;且つRは水素であってもよく;その際、それぞれの置換基、又はR、R’及びR''は、C−C10アリール、フェニル、C−Cヘテロアリールであり、それ自体が非置換であるか又はC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルコキシ、CHO、C−Cアルキル−カルボニル、C−Cアルケニル−カルボニルオキシ、アリルオキシ、ハロゲンによって置換されるが、任意の隣接する置換基は炭素−炭素単結合又は二重結合によって一緒に連結されてよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
及びR1’が互いに独立してH、ハロゲン又はSiRであり;
及びR2’が同一又は異なってよく且つH、C−C18アルキル又はC−C25チエニルアルキル又はフェニルアルキルから選択され;
R4、R5、R6が独立してC−C18アルキルから選択され;
n及びpが好ましくは0又は1であり;
Y、Y’が
【化10】

から選択され;
が置換フェニル又はチエニル及びジチエニルから選択される置換ヘテロアリールであるか;又は以下の式
【化11】

(式中、R、R1’、R、R2’、Y、Y’、p及びnは上記で定義される通りであり且つLは請求項1に規定される通りである)
の部分であり;
その際、任意の隣接する残基は、それらが結合される炭素原子と一緒になって、N、O、Sから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員の非置換又は置換の複素環を形成し、これらの残基によって形成される構造は
S−CH=CH;NR−CH=CH;O−CH=CH;S−CH=N;O−CH=N;NR−CH=N;NR−O−NR;NR−S−NR;N−NR−N;N−S−N;N−O−N;NR−N=N;S−N=N;O−N=Nから選択され;
その際、それぞれの基CHは非置換であるか又は置換されてよい、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
及びR1’は互いに独立してH、ハロゲン又はSiRであり;
及びR2’は独立してH又はC−C18アルキルであり;
及びR3’は一緒になってS−CH=N、O−CH=N、NR−CH=N(そのCH部分は置換されている)から選択される閉環構造を形成するか;又は
【化12】


【化13】

であるか;又は一緒になって以下の架橋基
【化14】

を形成し;
R4、R5、R6は独立してC−Cアルキルから選択され;
n、pは0であり;
は置換フェニルであり;
、R9’、R10及びR10’は独立して水素であり且つ1つ以上の隣接する残基R及びR9’は一緒になってN−CO−N部分(その窒素原子は置換されている)を形成するか;又は
及びR10、並びにR9’及びR10’はそれぞれ、それらが結合される炭素原子と一緒になって、非置換又は置換のチエニル環を完成させ;
qは0、1、2、3又は4、特に0であり、且つR14は、存在する場合、置換基であり;
任意の置換基は、存在する場合、ハロゲン、C−C25アルキル、SiRR’R''、ビニル、アリル、フェニルから選択され;非芳香族炭素又は硫黄に結合する場合、オキソであってもよく;その際、R、R’、R''は独立してC−Cアルキル、フェニルから選択され、且つRは水素であってもよく;その際、それぞれのフェニルは非置換であるか又はC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、CHO、ビニル、アリル、アリルオキシ、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ、ハロゲンによって置換される、請求項1から3までのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
式II’
【化15】

又は式III’
【化16】

の少なくとも2つの構造単位を含むオリゴマー、ポリマー又はコポリマーであって、
その式中、
、R1’、R、R2’、Y、Y’、p及びnは上記に定義される通りであり;
mはオリゴマー又は(コ)ポリマーにおける式IIIの構造単位の数を表し、これは好ましくは2〜約50000の範囲であり;
Xは二価の連結基
【化17】

であり、
X’は、鎖に組み込まれた部分と一緒になって、
【化18】

から誘導される三価の連結基であり;
MはSi又はGeであり;
及びR3’はそれらが結合される炭素原子と一緒になって、5員もしくは6員の非置換又は置換の炭化水素環、又はN、O、Sから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員の非置換又は置換の複素環を完成させ、ここで任意の置換基は、存在する場合、以下に定義される通りであり;
15及びR15’は、独立して、水素であるか又はそれらが結合される炭素原子と一緒になって、5員もしくは6員の非置換又は置換の炭化水素環、又はN、O、Sから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員の非置換又は置換の複素環を完成させ、ここで任意の置換基は、存在する場合、以下に定義される通りであるか;
又はR及びR3’、又はR15及びR15’は、一緒になって以下の架橋基
【化19】

を形成し;
、Rは独立してC−C25アルキル、C−C12シクロアルキル、C−C25アリール、又はC−C25アラルキルから選択され、これらは更に連結されて置換及び/又は中断されてよい炭素数4〜25の二価の炭化水素残基を形成してよく;
は置換されたC−C10アリール、C−C19ヘテロアリールであり;R、R9’、R10及びR10’は独立して水素又は置換基であるか;又は
隣接する残基R及びR9’、又はR及びR10及び/又はR9’及びR10’は、それらが結合される炭素原子と一緒になって、N、O、Sから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員の非置換又は置換の複素環を完成させ;R11はH又はメチルであり;
R12及びR13のうち一方が水素であり、他方が置換基であるか、又はR12及びR13の両方が置換基であるか;又はR12及びR13の両方が連結して置換及び/又は中断されてよい炭素数2〜25の二価の炭化水素残基を形成し;
qは0、1、2、3又は4であり、且つR14は置換基であるか、又は2個又は3個の隣接する残基R14は連結されて置換及び/又は中断されてよい炭素数4〜25の二価又は三価の炭化水素残基を形成してよく;
16及びR16’は独立して水素又は置換基であり;
18は置換基であるか、又は置換されたC−C10アリール、C−C19ヘテロアリールであり;
19及びR19’は一緒になって以下の式
【化20】

から選択される架橋基を形成し;
20はC−C25アルキル、C−C12シクロアルキル、C−C25アリール、C−C25アルキルアリール又はC−C25アラルキルであり、そのそれぞれが非置換であるか又は置換されており;
その際、X’は重合性のエチレン二重結合を有する置換基を含むR、R、R、R9’、R10、R10’、R12、R13、R14、R14’、R18、R19、R19’、R20の内の1つを有し;
且つ任意の更なる置換基が、存在する場合、請求項1から4までのいずれか1項によって規定される、前記オリゴマー、ポリマー又はコポリマー。
【請求項6】
Xが以下の式
【化21】

から選択される3価の隣接基であり;
3''はN、O、Sから選択される少なくとも1個のヘテロ原子及び任意に炭素を含み、且つそれが結合される炭素原子と一緒になって、更なる置換基を有してよい5員の複素環、又は以下の架橋基
【化22】

を完成させる3個の原子を表し;
8''はC−C12アリーレン、C−C19ヘテロアリーレンであり、そのそれぞれが更なる置換基を有してよく;
、R9’、R10及びR10’は独立して水素又は置換基であるか;又は
隣接する残基R及びR9’、又はR及びR10及び/又はR9’及びR10’は、それらが結合される炭素原子と一緒になって、N、O、Sから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5員の非置換又は置換の複素環を完成させ;その際、R、R9’、R10及びR10’の内の1つはL’への化学結合であり、又はL’が結合である場合、L’と一緒に1つの化学単結合を形成し;
且つL’は結合又は二価の有機連結基を表し、典型的には以下の式
(X−D)x11−X
のものであり、
その式中、x11は0又は1であり;X、Xは独立してO、C−Cアルキレン−O、S、C−Cアルキレン−S、NR22、C−Cアルキレン−NR22、COO、C−Cアルキレン−COO又はC−Cアルキレン−OCO、CONR22、C−Cアルキレン−CONR22又はC−Cアルキレン−NR22CO、NR22CONR22、C−Cアルキレン−NR22CONR22、C−Cアルキレン、又は直接結合であり、且つ
DはC−C24アルキレン、O又はCOO又はSによって中断されるC−C24アルキレン、C−C24アルケニレン、C−C24アルキニレン、C−C10アリーレンであり;その際、L’は特にC−C12アリーレン、例えば、フェニレン、C−C19ヘテロアリーレン、C−Cアルキレン、C−C12シクロアルキレン、及び、R8''に結合される場合、直接結合から選択される、請求項5に記載のオリゴマー又は(コ)ポリマー。
【請求項7】
8''がフェニレン又はチエニレンであり、そのそれぞれが更なる置換基を有してよく;
、R9’、R10及びR10’は独立して水素であり;且つR、R9’、R10及びR10’の内の1つがL’への化学結合であるか、又はL’が結合である場合、L’と一緒に1つの化学単結合を形成し;
且つL’は結合を表すか又はC−C12アリーレン、C−C19ヘテロアリーレン、C−Cアルキレン、C−C12シクロアルキレン、特にC−Cアルキレン、フェニレン、及び化学結合から選択される二価の有機連結基を表す、請求項5又は6に記載のオリゴマー又は(コ)ポリマー。
【請求項8】
以下の式IV
【化23】

(式中、全ての記号が請求項5から7までのいずれか1項に規定される)
の化合物の単独重合によって、又は式IVの化合物と好適な更なるモノマーとの共重合によって得られるポリマー。
【請求項9】
以下の式
【化24】

(式中、Halはハロゲン、特にBrを表し、全ての他の記号は請求項1から4までのいずれか1項に規定される)
の化合物の単独重合によって、又は前記式XIVの化合物と、好適な更なるモノマー、例えば、ジハロゲン化又はジホウ素化した、置換又は非置換のC−C19ヘテロアリール、特に以下の式
【化25】

のジハロゲン化又はジホウ素化モノ−又はオリゴチオフェン又は以下の式
【化26】

のベンゾチアジアゾールから選択されるモノマーとの共重合によって得られるポリマーであって、その際、Rpはボロン酸又はそのエステルの残基を表すか又はHalを表し、Halはハロゲン、特にBrを表し、sは1〜6の範囲であり、全ての他の記号及び置換基は、存在する場合、請求項1から4までのいずれか1項に規定される、前記ポリマー。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか1項に記載の化合物、特にダイオード、フォトダイオード、有機光起電力(PV)素子(太陽電池)、有機電界効果トランジスタ、又はダイオード及び/又はフォトダイオード及び/又は有機電界効果トランジスタ、及び/又は太陽電池を含む素子を含む、半導体素子。
【請求項11】
請求項1から4までのいずれか1項に記載の式Iの化合物、及び/又は請求項5から9までのいずれか1項に記載のオリゴマー又はポリマーを、硬質又は軟質の固体基板上に、5〜1000nmの範囲の厚さを有する層として含有する、請求項10に記載の半導体素子。
【請求項12】
請求項1から4までのいずれか1項に記載の式Iの化合物、及び/又は請求項5から9までのいずれか1項に記載のオリゴマー又はポリマーを含む、有機半導体材料、層又は成分。
【請求項13】
有機半導体素子の製造方法であって、請求項1から4までのいずれか1項に記載の式Iの化合物の溶液及び/又は分散液、及び/又は有機溶媒中の請求項5から9までのいずれか1項に記載のオリゴマー又はポリマーを、好適な基板に適用すること及び該溶媒を除去することを含む、前記製造方法。
【請求項14】
請求項1から4までのいずれか1項に記載の式Iの化合物、及び/又は請求項5から9までのいずれか1項に記載のオリゴマー又はポリマーを、電荷輸送材料、半導体材料、導電性材料、光導電性材料、発光材料、表面変性材料、電極材料として、バッテリー、配向層に用いる、又は有機電界効果トランジスタ、集積回路、薄膜トランジスタ、ディスプレイ、RFIDタグ、エレクトロルミネセンス素子又はフォトルミネッセンス素子、ディスプレイのバックライト、光起電力素子又はセンサ素子、電荷注入層、フォトダイオード、ショットキーダイオード、メモリ素子(例えば、FeFET)、平坦化層、耐電防止剤、導電性基板又はパターン、光伝導体、又は電子写真式用途又は記録材料に用いる使用。

【公表番号】特表2012−528100(P2012−528100A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512320(P2012−512320)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【国際出願番号】PCT/EP2010/057038
【国際公開番号】WO2010/136401
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】