説明

天井扇風機

【課題】シャフトとパイプを貫通する連結棒に羅合する雌ねじ部が、充分に固定されていない場合に、連結棒または貫通孔が次第に磨耗する現象を自動的に検出して、安全に運転を停止できる天井扇風機を提供する。
【解決手段】ブレード1を回転するモータ2の上部に突出したシャフト3と、このシャフト3の上端に接続して天井面4に吊り下げるパイプ5と、パイプ5とシャフト3に設けた貫通孔12を介して連結する連結棒6と、シャフト3とパイプ5との相対的な変位量Yを検出する変位対応具7と、変位対応具7の変位量Yに応じてモータ2への通電を制御する電源制御具8を有し、変位対応具7の検出した変位量Yによりモータ2への通電を制御して、連結部の磨耗の進行を防ぎ、落下などの危険を回避できる天井扇風機を提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレードを回転するモータの上部に突出したシャフトを、天井面より吊り下げられたパイプに連結することにより、空中に保持される天井扇風機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の天井扇風機の一例として、取り付けねじがゆるんだときに警報装置により知らせる天井扇風機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下、その天井扇風機について図16を参照にしながら説明する。
【0004】
図に示すように、天井扇風機の中心を貫通するパイプ101は、半球状のフランジ102を介して取付金具103に吊り下げられ、取付金具103は天井面に木ねじ104で取り付けられる取付板105に結合ねじ106により取り付けられ、取付金具103にはマイクロスイッチ107を設け、マイクロスイッチ107のアクチュエータ108を天井面に当接させて構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3032325号公報([0010]、[0011]、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来の天井扇風機では、取付板105を取り付けている木ねじ104または取付板105に取付金具103を取り付ける結合ねじ106のゆるみが発生したときに、マイクロスイッチ107を介して警報装置等を作動して安全性を高めるものであって、天井扇風機の構造がモータ側に設けたシャフト(図示せず)と天井から吊り下げられたパイプ101を連結する場合には、シャフトとパイプ101が充分にねじ締め固定されていないときは、モータの運転停止や変速を行なうときの繰り返しにより、天井扇風機を保持する強度が不足して、不安全な吊り下げ状態になるという課題がある。
【0007】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、シャフトとパイプが充分にねじ締め固定されていない場合に、長期の運転による磨耗の進行を自動的に検出して、適切に運転を停止または減速することにより、安全性を確保して使用することのできる天井扇風機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の天井扇風機は、上記目的を達成するために、水平方向に付設した複数のブレードを回転するモータと、そのモータの上部に突出したシャフトと、このシャフトの上端に接続して天井面に吊り下げるためのパイプと、このパイプと前記シャフトにそれぞれ設けた貫通孔を介して連結する連結棒と、この連結棒に螺合する雌ねじ部と、前記シャフトと前記パイプとの相対的な位置変位量に対応して変位する、または変位量を検出する変位対応具と、この変位対応具の変位または検出した変位量に応じて前記モータへの通電を制御する電源制御具を有し、前記変位対応具を、前記シャフト側に設けられるシャフト側変位対応具と、前記パイプ側に設けられるパイプ側変位対応具とに分離可能に設け、前記パイプと前記シャフトを連結するときに、一対の前記変位対応具として同時に連結される構成としてなるものである。
【0009】
また、他の手段は、電源制御具を、パイプ側変位対応具に設けられる電源供給具と、シャフト側変位対応具に設けられる電源受給具に分離可能としたものである。
【0010】
また、他の手段は、パイプ側に設けられる電源供給具とパイプ側変位対応具を一体化して雌型コネクターとなし、シャフト側に設けられる電源受給具とシャフト側変位対応具を一体化して雄型コネクターとしたものである。
【0011】
また、他の手段は、シャフトの先端部を覆うとともに、このシャフトとパイプの間に嵌入される鍔付キャップを設けてなるものである。
【0012】
また、他の手段は、鍔付キャップの材質を合成樹脂としてなるものである。
【0013】
また、他の手段は、シャフトとパイプの間に嵌入される鍔付キャップを、パイプに略一体に固定するとともに、パイプ側変位対応具としたものである。
【0014】
また、他の手段は、シャフト側変位対応具とパイプ側変位対応具の一方にマグネットを設け、他方に金属板を設けてなるものである。
【0015】
また、他の手段は、シャフトとパイプとの相対的な位置変位量に対応して変位量を検出する変位対応具と、この変位対応具からの検出値を電気信号として受ける制御部を有し、この制御部は前記検出値がしきい値を超えたときは、電源制御具を介してモータへの通電を制御または停止してなるものである。
【0016】
また、他の手段は、制御部の入力側にしきい値調整部を設け、しきい値を調整可能に設けたものである。
【0017】
また、他の手段は、パイプ側変位対応具としてマグネットを設け、シャフト側変位対応具として磁気検出具を設け、制御部は前記磁気検出具の検出値がしきい値以下となったとき、モータを停止または回転数を低減してなるものである。
【0018】
また、他の手段は、パイプ側変位対応具として反射板を設け、シャフト側変位対応具として制御部に接続された赤外線発光部および赤外線受光部を設け、この赤外線受光部の検出値がしきい値以下のときに、制御部はモータを停止または回転数を低減してなるものである。
【0019】
また、他の手段は、モータを停止または回転数を低減した場合に異常を知らせる報知手段を有し、この報知手段を変位対応具に近接して設けてなるものである。
【0020】
これらの手段により、シャフトとパイプを貫通する連結棒に、雌ねじ部が充分にねじ締め固定されていない場合に、長期の運転による連結棒または貫通孔の磨耗の進行を自動的に検出して、即座に運転を停止または減速することにより、安全性を確保して使用することのできる天井扇風機が得られる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、水平方向に付設した複数のブレードを回転するモータと、そのモータの上部に突出したシャフトと、このシャフトの上端に接続して天井面に吊り下げるためのパイプと、このパイプと前記シャフトにそれぞれ設けた貫通孔を介して連結する連結棒と、この連結棒に螺合する雌ねじ部と、前記シャフトと前記パイプとの相対的な位置変位量に対応して変位する、または変位量を検出する変位対応具と、この変位対応具の変位または検出した変位量に応じて前記モータへの通電を制御する電源制御具を有し、前記変位対応具を、前記シャフト側に設けられるシャフト側変位対応具と、前記パイプ側に設けられるパイプ側変位対応具とに分離可能に設け、前記パイプと前記シャフトを連結するときに、一対の前記変位対応具として同時に連結される構成とすることにより、雌ねじ部が連結棒に強固に固定されていない場合に、モータの運転停止や変速を行うときの繰り返しにより、モータの回転力による軸トルクがシャフトとパイプの連結部分に加わり、連結棒または貫通孔が次第に磨耗して不安全になるが、シャフトとパイプとの相対的な変位量に対応する変位対応具により、モータへの通電を制御することで、連結部の磨耗の進行を防ぐことができ、設置時の取り付けミスなどにより、パイプとシャフトが正しく連結されていない場合に、落下に対し不安全な状態での天井扇風機の使用を防止でき、変位対応具の組み付け時の位置合わせが容易にでき、施工時や製造時の作業性を向上することができるという効果のある天井扇風機を提供することができる。
【0022】
また、電源制御具を、パイプ側変位対応具に設けられる電源供給具と、シャフト側変位対応具に設けられる電源受給具に分離可能としたことにより、シャフトをパイプに連結したときに、一対の変位対応具と電源制御具として機能し、変位対応具に連動する電源制御具によってモータへの通電を停止することで、不安全な状態での運転を停止することができるとともに、パイプとシャフトを分離できることで、製品梱包時の寸法を小さくすることができる。
【0023】
また、パイプ側に設けられる電源供給具とパイプ側変位対応具を一体化して雌型コネクターとなし、シャフト側に設けられる電源受給具とシャフト側変位対応具を一体化して雄型コネクターとしたことにより、パイプに対してシャフトが相対的に下方向に変位する危険な状況となった場合には、雄型コネクターと雌型コネクターに許容範囲を超えた下向きの強い力が働き、雄型コネクターと雌型コネクターが引き離されるため、モータへの導通が遮断されて運転を停止することができる。
【0024】
また、シャフトの先端部を覆うとともに、このシャフトとパイプの間に嵌入される鍔付キャップを設けることにより、設置現場に対応したパイプを自由に選択でき、パイプとシャフトの変位量を正確に検知できるため、確実にモータへの導通を遮断させ、天井扇風機の運転を停止または減速させ、連結部の磨耗の進行を防ぐことができる。
【0025】
また、鍔付キャップの材質を合成樹脂とすることにより、シャフトとパイプの密着度を増すこととなり、連結棒または連結穴の微少移動によるに磨耗の発生を抑制することができ、また鍔付キャップが柔軟な材質であるため緩衝材となり、防振機能を発揮するとともに、異音の発生を防ぐことができる。
【0026】
また、シャフトとパイプの間に嵌入される鍔付キャップを、パイプに略一体に固定するとともに、パイプ側変位対応具としたことにより、パイプとシャフトの変位量を正確に検知できるため、確実にモータへの導通を遮断させ、天井扇風機の運転を停止または減速させ、連結部の磨耗の進行を防ぎ、天井扇風機の落下を防止することができる。
【0027】
また、シャフト側変位対応具とパイプ側変位対応具の一方にマグネットを設け、他方に金属板を設けることにより、連結棒または貫通孔が磨耗し変位が生じ、その変位によりマグネットと金属板が引き合う規定値以上の鉛直下向きの力が加わったとき、シャフト側変位対応具とパイプ側変位対応具が切り離されるため、モータへの導通を遮断して安全に停止することができる。
【0028】
また、シャフトとパイプとの相対的な位置変位量に対応して変位量を検出する変位対応具と、この変位対応具からの検出値を電気信号として受ける制御部を有し、この制御部は前記検出値がしきい値を超えたときは、電源制御具を介してモータへの通電を制御または停止することにより、位置変位量に応じて天井扇風機の運転を制御できるので、シャフトとパイプに変位が生じた場合は、モータへの通電を停止または制御することにより、連結部の磨耗の進行を防ぎ、天井扇風機を安全に吊り下げることができる。
【0029】
また、制御部の入力側にしきい値調整部を設け、しきい値を調整可能に設けたことにより、施工現場において、パイプとシャフトを接続した施工終了時に、しきい値の設定値を調整することにより、変位対応具の微調整をすることなく、操作部の調整部を用いて変位対応具の検出値に対応したしきい値の設定が可能となり、施工後の天井付近のある連結部分の微調整をする煩雑な調整作業が不要となり、安全性を確保するための施工作業を容易に行なうことができる。
【0030】
また、パイプ側変位対応具としてマグネットを設け、シャフト側変位対応具として磁気検出具を設け、制御部は前記磁気検出具の検出値がしきい値以下となったとき、モータを停止または回転数を低減することにより、連結棒または貫通孔が磨耗して、運転中に磁気検出具の検出値がしきい値以下となった場合は、制御部がモータへの通電を停止または回転数を低減して、連結部の磨耗の進行を防ぎ、安全性を確保することができる。
【0031】
また、パイプ側変位対応具として反射板を設け、シャフト側変位対応具として制御部に接続された赤外線発光部および赤外線受光部を設け、この赤外線受光部の検出値がしきい値以下のときに、制御部はモータを停止または回転数を低減したことにより、パイプに対してシャフトが相対的に下方向に変位した場合は、赤外線受光部の検出値はしきい値以下に大きく低下するので、制御部はモータへの通電を停止または回転数を低減して、安全性を確保することができる。
【0032】
また、モータを停止または回転数を低減した場合に異常を知らせる報知手段を有し、この報知手段を変位対応具に近接して設けることにより、異常停止または異常に対応した運転状態であることを使用者に知らしめ、報知手段は変位対応具に近接しているので、点検箇所が容易に判別でき、部品の交換などの準備を即座に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態1の天井扇風機の全体側面図
【図2】同、天井扇風機の要部側面図
【図3】同、天井扇風機の他の要部側面図
【図4】同、天井扇風機の変位対応具とパイプの関係を示す要部側面図
【図5】同、天井扇風機の変位対応具と電源制御具の関係を示す要部側面図
【図6】同、天井扇風機の雌型コネクターと雄型コネクターの接続状態を示す要部側面図
【図7】同、天井扇風機の雌型コネクターと雄型コネクターの分離状態を示す要部側面図
【図8】同、天井扇風機のパイプとシャフトの変位状態を示す要部側面図
【図9】本発明の実施の形態2の天井扇風機の鍔付キャップの取付状態を示す要部側面図
【図10】同、天井扇風機のマグネットと金属板の関係を示す要部側面図
【図11】同、天井扇風機のブロック回路図
【図12】同、天井扇風機の制御部としきい値調整部の関係を示すブロック回路図
【図13】同、天井扇風機のマグネットと磁気検出具の関係を示す要部側面図
【図14】同、天井扇風機の赤外線受発光部と反射板の関係を示す要部側面図
【図15】同、天井扇風機の制御部と報知手段の関係を示すブロック回路図
【図16】従来の天井扇風機の要部側面図
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の請求項1記載の天井扇風機は、水平方向に付設した複数のブレードを回転するモータと、そのモータの上部に突出したシャフトと、このシャフトの上端に接続して天井面に吊り下げるためのパイプと、このパイプと前記シャフトにそれぞれ設けた貫通孔を介して連結する連結棒と、この連結棒に螺合する雌ねじ部と、前記シャフトと前記パイプとの相対的な位置変位量に対応して変位する、または変位量を検出する変位対応具と、この変位対応具の変位または検出した変位量に応じて前記モータへの通電を制御する電源制御具を有し、前記変位対応具を、前記シャフト側に設けられるシャフト側変位対応具と、前記パイプ側に設けられるパイプ側変位対応具とに分離可能に設け、前記パイプと前記シャフトを連結するときに、一対の前記変位対応具として同時に連結される構成としてなり、雌ねじ部が連結棒に強固に固定されずにシャフトとパイプの隙間が生じる場合は、モータの運転停止や変速を行うときの反動の繰り返しにより、モータの回転力による軸トルクがシャフトとパイプの連結部分に加わり、連結棒または貫通孔が次第に磨耗して、パイプに対してシャフトの位置が低下することになり、この相対的な変位量に対応して変位する、または変位量を検出する変位対応具により、変位状態または検出した変位量に応じて、モータへの通電を電源制御具によって制御することができ、連結部の磨耗の進行を防ぐことができ、施工現場の製品組立時において、パイプとシャフトを連結するときに、一対の変位対応具として同時に連結されるので、変位対応具の取付け忘れを防止できるとともに、パイプとシャフトが正しく連結されていない場合は、連結棒または貫通孔の磨耗による、シャフトとパイプとの相対的な位置変位に反応して、モータへの通電を電源制御具によって制御することで、落下に対し不安全な状態での天井扇風機の使用を防止でき、変位対応具をパイプの端部を基準に固定することにより、変位対応具の組み付け時の位置合わせが容易にでき、施工時や製造時の作業性を向上することができるという作用を有する。
【0035】
また、電源制御具を、パイプ側変位対応具に設けられる電源供給具と、シャフト側変位対応具に設けられる電源受給具に分離可能としたものであり、電源制御具を、商用電源に連結される電源供給具と、モータまたは電源回路に連結される電源受給具とに分離可能に設けるとともに、パイプに電源供給具を取り付け、シャフトに電源受給具を取り付けることにより、シャフトをパイプに連結したときに、一対の変位対応具と電源制御具として機能することとなり、パイプとシャフトが正しく連結されていない場合は、連結棒または貫通孔の磨耗により、パイプに対してシャフトの位置が変動したとき、変位対応具に連動する電源制御具によってモータへの通電を停止することで、不安全な状態での運転を停止することができるという作用を有する。
【0036】
また、パイプ側に設けられる電源供給具とパイプ側変位対応具を一体化して雌型コネクターとなし、シャフト側に設けられる電源受給具とシャフト側変位対応具を一体化して雄型コネクターとしたものであり、パイプ側変位対応具と電源供給具とを一体化した雌型コネクターと、シャフト側変位対応具と電源受給具とを一体化した雄型コネクターを備えることにより、パイプに対してシャフトが相対的に下方向に変位する危険な状況となった場合には、雄型コネクターと雌型コネクターに許容範囲を超えた下向きの強い力が働き、雄型コネクターと雌型コネクターが引き離されるため、モータへの導通が遮断されて運転を停止することができるという作用を有する。
【0037】
また、シャフトの先端部を覆うとともに、このシャフトとパイプの間に嵌入される鍔付キャップを設けてなるものであり、シャフトの先端部を覆うとともに、このシャフトとパイプの間に嵌入される鍔付キャップを設けることにより、シャフトの先端部を保護して変形を防ぐとともに、シャフトの先端部をパイプに挿入するときに、スライドしてパイプの先端が鍔付キャップの鍔部に当接した位置で、穴位置が合致するという案内機能を備えているので、シャフトとパイプの取付作業性をよくすることができ、さらに天井扇風機は天井高さなどによりパイプの長さを変更する場合があるが、モータのシャフトにパイプの内寸に合わせた鍔付キャップを設けていればよいので、設置現場に対応した長さのパイプを自由に選択することができるという作用を有する。
【0038】
また、鍔付キャップの材質を合成樹脂としてなるものであり、金属よりもフレキシブルな合成樹脂製の鍔付キャップを使用することで、金属製のパイプの内径寸法精度およびシャフトの外形寸法精度が低くても、合成樹脂の鍔付キャップにより寸法や面粗さを吸収でき、密着度が増すことで、連結棒または連結穴の微少移動によるに磨耗の発生を抑制することができるとともに、天井扇風機のオンまたはオフの繰り返しにより、モータの回転力による軸トルクがシャフトとパイプの連結部に加わるときに、その連結部の隙間やガタなどから接触音や擦れ音発生する場合があるが、鍔付キャップが合成樹脂製であるため緩衝材として機能することとなり、振動の伝達を抑制するとともに異音の発生を防ぐことができるという作用を有する。
【0039】
また、シャフトとパイプの間に嵌入される鍔付キャップをパイプに略一体に固定するとともに、パイプ側変位対応具とすることにより、連結棒または貫通孔が磨耗し、パイプとシャフトの変位が大となる不安全なときに、確実に鍔付キャップがパイプとともに変位するため、パイプとシャフトの変位量を正確に検知できるという作用を有する。
【0040】
また、シャフト側変位対応具とパイプ側変位対応具の一方にマグネットを設け、他方に金属板を設けてなるものであり、シャフト側変位対応具とパイプ側変位対応具は、マグネットと金属板の組み合わせとするとともに、シャフト側変位対応具に直接または近接して電源受給具を設け、パイプ側変位対応具に直接または近接して電源供給具を設けることにより、通常使用時にはマグネットが金属板に付着して、電源供給具と電源受給具が接続されているが、連結棒または貫通孔が磨耗して変位量が大きくなると、マグネットと金属板に加わる磁力以上の下向きの重力が加わるときに、マグネットと金属板が切り離されて電源供給具と電源受給具も分離するため、モータの通電を遮断して、天井扇風機の運転を安全に停止することができるという作用を有する。
【0041】
また、シャフトとパイプとの相対的な位置変位量に対応して変位量を検出する変位対応具と、この変位対応具からの検出値を電気信号として受ける制御部を有し、この制御部は前記検出値がしきい値を超えたときは、電源制御具を介してモータへの通電を制御または停止してなるものであり、シャフトとパイプとの相対的な位置変位量に対応して変位する変位対応具と、この変位対応具からの検出値を電気信号として受ける制御部を有しており、位置変位量に応じて制御部によりモータの運転を制御できるとともに、しきい値の設定も変更することが可能であり、シャフトとパイプに変位が生じて検出値が設定されたしきい値を超えたときは、この制御部は電源制御具を介してモータへの通電を停止または制御することで、連結部の磨耗の進行を防ぐことができるという作用を有する。
【0042】
また、制御部の入力側にしきい値調整部を設け、しきい値を調整可能に設けたものであり、制御部には変位対応具の検出した変位値と比較するためのしきい値が予め設定してあるが、制御部の入力側の操作部に調整部を設け、しきい値の設定値を調整可能とすることにより、施工現場において、パイプとシャフトを接続した施工終了時に、しきい値の設定値を調整することにより、変位対応具の微調整をすることなく、操作部の調整部を用いて変位対応具の検出値に対応したしきい値の設定が可能となり、施工後の天井付近のある連結部分の微調整をする煩雑な調整作業が不要となり、安全性を確保するための施工作業を容易に行なうことができるという作用を有する。
【0043】
また、パイプ側変位対応具としてマグネットを設け、シャフト側変位対応具として磁気検出具を設け、制御部は前記磁気検出具の検出値がしきい値以下となったとき、モータを停止または回転数を低減してなるものであり、パイプ側変位対応具としてマグネットを設け、シャフト側変位対応具として制御部の入力側に接続される磁気検出具を設け、通常使用時にはマグネットが磁気検出具に近接しているので、磁気検出具の検出値は大きく正常な運転を行なうが、連結棒または貫通孔が磨耗して、運転中に磁気検出具の検出値がしきい値以下となった場合は、制御部がモータへの通電を停止または回転数を低減して、連結部の磨耗の進行を防ぎ、安全性を確保することができるという作用を有する。
【0044】
また、パイプ側変位対応具として反射板を設け、シャフト側変位対応具として制御部に接続された赤外線発光部および赤外線受光部を設け、この赤外線受光部の検出値がしきい値以下のときに、制御部はモータを停止または回転数を低減したものであり、パイプ側変位対応具として反射板を設け、シャフト側変位対応具として一対の赤外線発光部および赤外線受光部を、反射板に浅い角度で対向して設けることにより、通常運転時は赤外線発光部からの赤外線が反射板に反射して赤外線受光部に入射しているので、赤外線受光部の検出値は大きく正常な運転を行なうが、パイプに対してシャフトが相対的に下方向に変位した場合は、赤外線発光部と反射板の距離が増加するため、反射板で反射された赤外線は赤外線受光部の中心から外れて入射されるため、赤外線受光部の検出値は大きく低下して、しきい値以下となるため、制御部はモータへの通電を停止または回転数を低減して、連結部の磨耗の進行を防ぎ、安全性を確保することができるという作用を有する。
【0045】
また、モータを停止または回転数を低減した場合に異常を知らせる報知手段を有し、この報知手段を変位対応具に近接して設けてなるものであり、変位対応具に近接して、異常を報知する報知手段を設けることにより、パイプに対してシャフトが相対的に下方向に変位する危険な状況となった場合に、制御部がモータへの通電を停止または回転数を低減したときは、報知手段を起動することにより、異常停止または異常に対応した運転であることを使用者に知らしめ、報知手段は変位対応具に近接しているので、点検箇所が容易に判別できるので、部品の交換などの準備を即座に行なうことができるという作用を有する。
【0046】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0047】
(実施の形態1)
図1〜図8に示すように、天井扇風機のモータ2は水平方向に放射状に配設した複数のブレード1を回転可能に支持し、モータ2の上部にシャフト3を突設している。径小なるシャフト3の上端部には径大なるパイプ5の下端部を接続し、天井面4に固定した固定金具(図示せず)にバイプ5の上端部を係合させることにより、天井扇風機を天井面4に吊り下げるようにしている。すなわち、パイプ5とシャフト3にそれぞれ貫通孔12を設け、この貫通孔12を貫通するボルト形状の連結棒6により連結し、連結棒6に雌ねじ部13を螺合して固定している。なお、シャフト3とパイプ5との相対的な位置変位量に対応して変位する、または変位量Yを検出する変位対応具7と、この変位対応具7の変位または検出した変位量Yに応じて前記モータ2への通電を制御する電源制御具8を有している。
【0048】
また、変位対応具7を、シャフト3側に設けられるシャフト側変位対応具7bと、パイプ5側に設けられるパイプ側変位対応具7aとに分離可能に設けている。
【0049】
また、変位対応具7をパイプ5の端部9を基準に固定している。
【0050】
また、電源制御具8を、パイプ側変位対応具7aに設けられる電源供給具8aと、シャフト側変位対応具7bに設けられる電源受給具8bに分離可能としている。
【0051】
また、パイプ5側に設けられる電源供給具8aとパイプ側変位対応具7aを一体化して雌型コネクター10となし、シャフト3側に設けられる電源受給具8bとシャフト側変位対応具7bを一体化して雄型コネクター11とした構成としている。
【0052】
上記構成により、ブレード1を回転するモータ2のシャフト3は、天井4に吊り下げられたパイプ5を介して吊り下げられるが、このとき径大なる中空状のパイプ5の下部に径小なる中空状のシャフト3の上部を挿入し、さらにシャフト3とパイプ5にそれぞれ設けた貫通孔12を、ボルト形状の連結棒6が貫通して他端を雌ねじ部13で固定することにより保持される。このとき、雌ねじ部13が連結棒に強固に固定されていない場合は、シャフト3とパイプ5の隙間が生じる。すなわち、連結棒6にはボルトなどを用い、貫通したボルトの先端をナットで強く締め付け、シャフト3とパイプ5の隙間をなくすことで、モータ2の回転力による軸トルクがシャフト3とパイプ5の連結部に加わっても、パイプ5に対しシャフト3は回転せず、連結棒6または貫通孔12が磨耗しにくくなるが、設置時に必ずしもシャフト3とパイプ5の隙間をなくすほど固く締め付けられるとは限らず、隙間が生じた場合は、モータ2の運転停止や変速を行うときの繰り返しにより、モータ2の回転力による軸トルクがシャフト3とパイプ5の連結部分に加わり、連結棒6または貫通孔12が次第に磨耗して、パイプ5に対してシャフト3の位置が低下する。このとき、シャフト3とパイプ5との相対的な変位量Yに対応して変位する、または変位量Yを検出する変位対応具7により、変位状態または検出した変位量Yに応じて、モータ2への通電を電源制御具8によって制御することで、連結部の磨耗の進行を防ぐことができる。
【0053】
また、変位対応具7を、シャフト側変位対応具7bとパイプ側変位対応具7aとに分離可能としたことにより、施工現場の製品組立時において、パイプ5とシャフト3を連結するときに、一対の変位対応具7として同時に連結されるので、変位対応具7の取付け忘れを防止できるとともに、パイプ5とシャフト3が正しく連結されていない場合は、連結棒6または貫通孔12の磨耗による、シャフト3とパイプ5との相対的な位置変位に反応して、モータ2への通電を電源制御具8によって制御することで、落下に対し不安全な状態での天井扇風機の使用を防止できる。
【0054】
また、変位対応具7をパイプ5の端部9を基準に固定することにより、変位対応具7の組み付け時の位置合わせが容易にでき、施工時や製造時の作業性を向上することができるとともに、変位対応具7の固定もパイプ5の端部9に当てて固定することができるため正確に位置決めでき、変位または検出される変位量Yの検出精度を高めることができる。
【0055】
また、電源制御具8を、商用電源に連結される電源供給具8aと、モータ2に連結される電源受給具8bとに分離可能に設けるとともに、パイプ5に電源供給具8aを取り付け、シャフト3に電源受給具8bを取り付けることにより、シャフト3をパイプ5に連結したときに、一対の変位対応具7と電源制御具8として機能する。すなわち、パイプ5とシャフト3が正しく連結されていない場合は、連結棒6または貫通孔12の磨耗により、パイプ5に対してシャフト3の位置が変動したとき、変位対応具7に連動する電源制御具8によってモータ2への通電を停止することで、不安全な状態での運転を停止することができる。
【0056】
また、パイプ側変位対応具7aと電源供給具8aとを一体化した雌型コネクター10と、シャフト側変位対応具7bと電源受給具8bとを一体化した雄型コネクター11を備えることにより、パイプ5に対してシャフト3が相対的に下方向に変位する危険な状況となった場合には、雄型コネクター11と雌型コネクター10に許容範囲を超えた下向きの強い力が働き、雄型コネクター11と雌型コネクター10が引き離されるため、モータ2への導通が遮断されて運転を停止することができるものである。
【0057】
(実施の形態2)
図9および図10に示すように、シャフト3の先端部25を覆う鍔付キャップ14は、このシャフト3とパイプ5の間に嵌入されるものであり、鍔付キャップ14の材質を合成樹脂としている。
【0058】
また、シャフト3とパイプ5の間に嵌入される鍔付キャップ14を、パイプ5に略一体に固定するとともに、パイプ側変位対応具7aとしている。
【0059】
また、シャフト側変位対応具7bとパイプ側変位対応具7aの一方にマグネット15を設け、他方に金属板16を設けた構成としている。
【0060】
上記構成により、シャフト3の先端部25を覆うとともに、このシャフト3とパイプ5の間に嵌入される鍔付キャップ14を設けることにより、シャフト3の先端部25を保護して変形を防ぐとともに、シャフト3の先端部25をパイプ5に挿入するときに、スライドしてパイプ5の端部9が鍔付キャップ14の鍔部26に当接した位置で、穴位置が合致するという案内機能を備えているので、シャフト3とパイプ5の取り付け作業性をよくすることができる。また、天井扇風機は天井高さなどによりパイプ5の長さを変更する場合があるが、モータ2のシャフト3にパイプ5の内寸に合わせた鍔付キャップ14を設けていれば良いので、設置現場に対応した長さのパイプ5を自由に選択することができる。
【0061】
また、鍔付キャップ14の材質を合成樹脂とすることで、金属製のパイプ5の内径寸法精度およびシャフト3の外形寸法精度が低くても、合成樹脂製の鍔付キャップ14により寸法や面粗さを吸収でき、密着度が増すことで、連結棒6または貫通孔12の磨耗が生じにくくできる。さらにモータ2のオンまたはオフの繰り返しにより、モータ2の回転力による軸トルクがシャフト3とパイプ5の連結部に加わるときに、その連結部の隙間やガタなどから接触音や擦れ音発生する場合があるが、鍔付キャップ14が合成樹脂製であるため緩衝材として機能することになり、振動の伝達を抑制するとともに、異音の発生を防ぐことができる。
【0062】
また、鍔付キャップ14を、パイプ5に略一体に固定するとともに、パイプ側変位対応具7aとすることにより、連結棒6または貫通孔12が磨耗し、パイプ5とシャフト3の変位が生じる危険なときに、確実に鍔付キャップ14がパイプ5とともに変位するため、パイプ5とシャフト3の変位量Yを正確に検知できる。
【0063】
また、シャフト側変位対応具7bとパイプ側変位対応具7aは、マグネット15と金属板16の組み合わせとするとともに、シャフト側変位対応具7bに直接または近接して電源受給具8bを設け、パイプ側変位対応具7aに直接または近接して電源供給具8aを設けることにより、通常使用時にはマグネット15が金属板16に付着して、電源供給具8aと電源受給具8bが接続されているが、連結棒6または貫通孔12が磨耗して変位量Yが大きくなると、マグネット15と金属板16に加わる磁力以上の下向きの重力が加わるときに、マグネット15と金属板16が切り離されて電源供給具8aと電源受給具8bも分離するため、モータ2の通電を遮断して安全に停止することができる。
【0064】
(実施の形態3)
図11〜図15に示すように、シャフト3とパイプ5との相対的な位置変位量に対応して変位量Yを検出する変位対応具7と、この変位対応具7からの検出値を電気信号として受ける制御部17を有し、この制御部17は前記検出値がしきい値を超えたときは、電源制御具8を介してモータ2への通電を制御または停止するものである。
【0065】
また、制御部17の入力側にしきい値調整部18を設け、しきい値を調整可能に設けている。
【0066】
また、パイプ側変位対応具7aとしてマグネット23を設け、シャフト側変位対応具7bとして磁気検出具19を設け、制御部17は前記磁気検出具19の検出値がしきい値以下となったとき、モータ2を停止または回転数を低減している。
【0067】
また、パイプ側変位対応具7aとして反射板20を設け、シャフト側変位対応具7bとして制御部17に接続された赤外線発光部21および赤外線受光部22を設け、この赤外線受光部22の検出値がしきい値以下のときに、制御部17はモータ2を停止または回転数を低減している。
【0068】
また、モータ2を停止または回転数を低減した場合に異常を知らせる報知手段27を有し、この報知手段27を変位対応具7に近接して設ける構成としている。
【0069】
上記構成により、シャフト3とパイプ5との相対的な位置変位量に対応して変位する変位対応具7と、この変位対応具7からの検出値を電気信号として受ける制御部17を有しており、位置変位量に応じて制御部17により天井扇風機の運転を制御できるとともに、しきい値の設定も変更することが可能であり、シャフト3とパイプ5に変位が生じて検出値が設定されたしきい値を超えたときは、この制御部17は電源制御具8を介してモータ2への通電を停止または制御することで、連結部の磨耗の進行を防ぐことができる。
【0070】
また、制御部17には変位対応具7の検出した変位値と比較するためのしきい値が予め設定してあるが、制御部17の入力側の操作部に調整部を設け、しきい値の設定値を調整可能とすることにより、施工現場において、パイプ5とシャフト3を接続した施工終了時に、しきい値の設定値を調整することにより、変位対応具7の微調整をすることなく、操作部の調整部を用いて変位対応具7の検出値に対応したしきい値の設定が可能となり、施工後の連結部分の微調整をする煩雑な調整作業が不要となり、安全性を確保するための施工作業を容易に行なうことができる。
【0071】
また、パイプ側変位対応具7aとしてマグネット23を設け、シャフト側変位対応具7bとして制御部17の入力側に接続される磁気検出具19を設け、通常使用時にはマグネット23が磁気検出具19に近接しているので、磁気検出具19の検出値は大きく、制御は正常な運転を行なうが、連結棒6または貫通孔12が磨耗して、運転中に磁気検出具19の検出値がしきい値以下となった場合は、制御部17がモータ2への通電を停止または回転数を低減して、連結部の磨耗の進行を防ぎ、安全性を確保することができる。
【0072】
また、パイプ側変位対応具7aとして反射板20を設け、シャフト側変位対応具7bとして一対の赤外線発光部21および赤外線受光部22を、反射板20に浅い角度で対向して設けることにより、通常運転時は赤外線発光部21からの赤外線24が反射板20に反射して赤外線受光部22に入射しているので、赤外線受光部22の検出値は大きく、正常な運転を行なうが、パイプ5に対してシャフト3が相対的に下方向に変位した場合は、赤外線発光部21と反射板20の距離が増加するため、反射板20で反射された赤外線24は赤外線受光部22の中心から外れて入射されるため、赤外線受光部22の検出値は大きく低下して、しきい値以下となるため、制御部17はモータ2への通電を停止または回転数を低減して、連結部の磨耗の進行を防ぎ、安全性を確保することができる。
【0073】
また、変位対応具7に近接して、異常を報知する報知手段27を設けることにより、パイプ5に対してシャフト3が相対的に下方向に変位する危険な状況となった場合に、制御部17がモータ2への通電を停止または回転数を低減したときは、報知手段27を起動することにより、異常停止または異常に対応した運転であることを使用者に知らしめ、報知手段27は変位対応具7に近接しているので、点検箇所が容易に判別できるので、部品の交換などの準備を即座に行なうことができる。
【0074】
なお、報知手段27としては、ブザー音や音声などの聴覚手段、LEDの点滅や文字表示などの視覚手段を用いることにより、異常状態を使用者に知らせるようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明にかかる天井扇風機は、水平方向に付設した複数のブレードを回転するモータと、そのモータの上部に突出したシャフトと、このシャフトの上端に接続して天井面に吊り下げるためのパイプと、このパイプと前記シャフトにそれぞれ設けた貫通孔を介して連結する連結棒と、この連結棒に螺合する雌ねじ部と、前記シャフトと前記パイプとの相対的な位置変位量に対応して変位する、または変位量を検出する変位対応具と、この変位対応具の変位または検出した変位量に応じて前記モータへの通電を制御する電源制御具を有し、前記変位対応具を、前記シャフト側に設けられるシャフト側変位対応具と、前記パイプ側に設けられるパイプ側変位対応具とに分離可能に設け、前記パイプと前記シャフトを連結するときに、一対の前記変位対応具として同時に連結される構成としてなり、雌ねじ部が連結棒に強固に固定されずにシャフトとパイプの隙間が生じる場合は、モータの運転停止や変速を行うときの反動の繰り返しにより、モータの回転力による軸トルクがシャフトとパイプの連結部分に加わり、連結棒または貫通孔が次第に磨耗して、パイプに対してシャフトの位置が低下することになり、この相対的な変位量に対応して変位する、または変位量を検出する変位対応具により、変位状態または検出した変位量に応じて、モータへの通電を電源制御具によって制御することができ、連結部の磨耗の進行を防ぐことができ、施工現場の製品組立時において、パイプとシャフトを連結するときに、一対の変位対応具として同時に連結されるので、変位対応具の取付け忘れを防止できるとともに、パイプとシャフトが正しく連結されていない場合は、連結棒または貫通孔の磨耗による、シャフトとパイプとの相対的な位置変位に反応して、モータへの通電を電源制御具によって制御することで、落下に対し不安全な状態での天井扇風機の使用を防止でき、変位対応具をパイプの端部を基準に固定することにより、変位対応具の組み付け時の位置合わせが容易にでき、施工時や製造時の作業性を向上することができる。
【符号の説明】
【0076】
1 ブレード
2 モータ
3 シャフト
4 天井面
5 パイプ
6 連結棒
7 変位対応具
7a パイプ側変位対応具
7b シャフト側変位対応具
8 電源制御具
8a 電源供給具
8b 電源受給具
9 端部
10 雌型コネクター
11 雄型コネクター
12 貫通孔
13 雌ねじ部
14 鍔付キャップ
15 マグネット
16 金属板
17 制御部
18 しきい値調整部
19 磁気検出具
20 反射板
21 赤外線発光部
22 赤外線受光部
23 マグネット
24 赤外線
25 先端部
26 鍔部
27 報知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に付設した複数のブレードを回転するモータと、そのモータの上部に突出したシャフトと、このシャフトの上端に接続して天井面に吊り下げるためのパイプと、このパイプと前記シャフトにそれぞれ設けた貫通孔を介して連結する連結棒と、この連結棒に螺合する雌ねじ部と、前記シャフトと前記パイプとの相対的な位置変位量に対応して変位する、または変位量を検出する変位対応具と、この変位対応具の変位または検出した変位量に応じて前記モータへの通電を制御する電源制御具を有し、前記変位対応具を、前記シャフト側に設けられるシャフト側変位対応具と、前記パイプ側に設けられるパイプ側変位対応具とに分離可能に設け、前記パイプと前記シャフトを連結するときに、一対の前記変位対応具として同時に連結される構成としてなる天井扇風機。
【請求項2】
電源制御具を、パイプ側変位対応具に設けられる電源供給具と、シャフト側変位対応具に設けられる電源受給具に分離可能とした請求項1記載の天井扇風機。
【請求項3】
パイプ側に設けられる電源供給具とパイプ側変位対応具を一体化して雌型コネクターとなし、シャフト側に設けられる電源受給具とシャフト側変位対応具を一体化して雄型コネクターとした請求項1または2に記載の天井扇風機。
【請求項4】
シャフトの先端部を覆うとともに、このシャフトとパイプの間に嵌入される鍔付キャップを設けてなる請求項1〜3のいずれかに記載の天井扇風機。
【請求項5】
鍔付キャップの材質を合成樹脂としてなる請求項3記載の天井扇風機。
【請求項6】
シャフトとパイプの間に嵌入される鍔付キャップを、パイプに略一体に固定するとともに、パイプ側変位対応具とした請求項1〜4のいずれかに記載の天井扇風機。
【請求項7】
シャフト側変位対応具とパイプ側変位対応具の一方にマグネットを設け、他方に金属板を設けてなる請求項2または6記載の天井扇風機。
【請求項8】
シャフトとパイプとの相対的な位置変位量に対応して変位量を検出する変位対応具と、この変位対応具からの検出値を電気信号として受ける制御部を有し、この制御部は前記検出値がしきい値を超えたときは、電源制御具を介してモータへの通電を制御または停止してなる請求項1記載の天井扇風機。
【請求項9】
制御部の入力側にしきい値調整部を設け、しきい値を調整可能に設けた請求項8記載の天井扇風機。
【請求項10】
パイプ側変位対応具としてマグネットを設け、シャフト側変位対応具として磁気検出具を設け、制御部は前記磁気検出具の検出値がしきい値以下となったとき、モータを停止または回転数を低減してなる請求項8または9記載の天井扇風機。
【請求項11】
パイプ側変位対応具として反射板を設け、シャフト側変位対応具として制御部に接続された赤外線発光部および赤外線受光部を設け、この赤外線受光部の検出値がしきい値以下のときに、制御部はモータを停止または回転数を低減してなる請求項8または9記載の天井扇風機。
【請求項12】
モータを停止または回転数を低減した場合に異常を知らせる報知手段を有し、この報知手段を変位対応具に近接して設けてなる請求項1または8記載の天井扇風機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−117545(P2012−117545A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−28154(P2012−28154)
【出願日】平成24年2月13日(2012.2.13)
【分割の表示】特願2008−53010(P2008−53010)の分割
【原出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】