説明

媒体情報符号化の透過式光学感知のためのシステム及び方法、印刷媒体、並びに印刷媒体を作製する方法

媒体情報符号化の透過式光学感知のためのシステム100及び方法400が開示される。さらに、印刷媒体108及び印刷媒体を作製する方法が開示される。数ある中でも、例示的な方法の一実施形態は、印刷媒体108の一部を透過式センサアセンブリ106に通して進めることであって印刷媒体108の一部はバーコード110を有し、バーコード110は1組の光波長の透過性が最小であり、印刷媒体108に対応する少なくとも1つの種類の情報が符号化される、進めること、バーコード110によりほぼ吸収される1組の光波長の光を印刷媒体108に透過させること、及び、印刷媒体108を透過する光の変化を検出することであって、変化は吸収性の高いバーコード110によって生じる、検出することを含む。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
オフィス及び家庭での現代のプリンタは、多くの異なる種類の印刷媒体を使用して所望の生成物を生成する。同じプリンタが、従来の紙媒体、透明媒体、写真媒体、又は他の印刷媒体への印刷に使用され得る。こういった媒体種類の各種性質により、対応するプリンタモードをこういった種類の媒体のそれぞれへの印刷に使用して、最適な画質を実現することが求められる。たとえば、紙媒体と異なるカラーマッピングを有する写真媒体では異なる印刷モードが必要になり得る。緑を写真媒体に印刷するには、紙媒体に緑を印刷する場合と異なる比のイエロー及びシアンが必要になり得る。さらに、異なる印刷モードを必要とする特殊な種類の紙媒体、透明媒体、写真媒体等があり得る。
【0002】
ユーザが異なる媒体種類に向けられた異なる印刷モードを知っている場合であっても、多くのユーザはデフォルトの印刷モードで印刷する。その結果、不良な印刷品質になるか、又は生成物が使用不可能であるため印刷媒体が無駄になる。さらに、印刷媒体は、印刷モード選択時に考慮すべき多数の属性が存在する程度まで開発されている。媒体サイズ、向き、カラーマップ、及び多孔性/膨潤性の区別は、印刷モードを選択する際に考慮する必要のある基準のうちの数例でしかない。多くの考慮事項がありすぎる場合には、プリンタが、ユーザの介入なしで適切な印刷モードを自動的に選択するほうが都合がよい。
【0003】
写真画質を有する画像を生成可能な印刷媒体は通常2つのグループ、すなわち多孔性媒体及び膨潤性媒体に分類される。多孔性媒体は一般に、高分子結合剤と結合している多孔性無機粒子から形成されるインク受容層を有する。インクジェットインクが無機粒子の孔の中に吸収され、着色剤が、インク受容層に組み込まれている媒染剤により、又は無機粒子の表面によって固定される。膨潤性媒体では、インク受容層は膨潤性高分子マトリクスの連続層である。インクジェットインクは、塗布されると、高分子基材の膨潤によって吸収され、着色剤が連続層の内側に固定される。
【0004】
現在、多孔性媒体と膨潤性媒体とを自動的に区別する方法及びシステムは存在しない。現在の媒体感知技術(拡散反射率及び正反射率)は、こういった写真媒体の種類を高信頼的に区別することができない。
【0005】
さらに、印刷が媒体ページに対して開始される前に、媒体のページ長を判断する方法及びシステムもない。画像サイズと媒体サイズとが合わない場合、不完全な画像が印刷されるか、又はそれに代えて、プリンタのプラテン上へのオーバープリントが発生することになる。
【0006】
さらに、現在の媒体感知技術は特定のカラーマップ情報を判断することもできない。カラーマップについての特定の知識なしで、正確なカラーコピー及び印刷写真を生成することはできない。
【0007】
媒体感知技術での従来の試みは、バーコードを読み取る反射システムに言及してきた。こういったシステムでは多くの場合、高出力光源(たとえば、蛍光インクに対して)が特別な光フィルタの他に必要であり、こういったプリンタシステムに関連するコストを大幅に増大させる。
【発明の開示】
【0008】
(概要)
媒体情報符号化の透過式光学感知のためのシステム及び方法を開示する。さらに、印刷媒体及び印刷媒体を作製する方法も開示する。数ある中でも、例示的な方法の一実施形態は、印刷媒体の、バーコードを有する部分を透過式センサアセンブリに通して進めることであって、バーコードは1組の光波長の透過性が最小であり、バーコードには印刷媒体に対応する少なくとも1種類の情報が符号化されている、進めること、バーコードによりほぼ吸収される1組の光波長の光を印刷媒体に透過させること、及び、印刷媒体を透過する光の変化を検出することであって、変化は吸収性の高いバーコードによって生じる、透過させることを含む。
【0009】
数ある中でも、印刷媒体についての情報を伝達する例示的なプリンタシステムの一実施形態は、光を発し、バーコードを有する印刷媒体を透過する光を検出するように構成された透過式センサアセンブリを備える。バーコードはその光の透過性が最小であり、バーコードには印刷媒体に対応する情報が符号化されている。透過式センサアセンブリは、少なくとも1つの光源要素及び少なくとも1つの光学センサ要素を備える。
【0010】
数ある中でも、例示的な印刷媒体の一実施形態は、1組の光波長の透過性が最小のバーコードを含む。さらに、バーコードには印刷媒体に対応する少なくとも1種類の情報を符号化することができる。
【0011】
数ある中でも、印刷媒体の一実施形態及び印刷媒体を作製する例示的な方法は、印刷媒体を提供すること、バーコード材料を印刷媒体に配置することであって、バーコード材料は1組の光波長の透過性が最小である、配置すること、及び、バーコード材料でバーコードを形成することを含み、バーコードは印刷媒体に対応する少なくとも1種類の情報を符号化する。
【0012】
本開示の多くの態様を、添付の図面を参照してよりよく理解することができる。図面中の部品は必ずしも一定の縮尺ではない。さらに、図面中、同様の参照符号は何枚かの図のすべてを通して対応する部品を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(詳細な説明)
媒体情報符号化の透過式光学感知のための方法及びシステムについて述べる。さらに、符号化情報を組み込んだ媒体も開示する。
【0014】
媒体情報符号化の透過式感知を使用することにより、印刷モードの自動選択が可能になり、それによって印刷モードを選択する際のヒューマンエラーがなくなる。印刷媒体はその中及び/又はその上に1つ又は複数の種類の情報が符号化された最小透過性バーコードを有する。これに関して、透過式感知の使用により、印刷媒体が最初に用紙経路に配置され、透過式感知を使用して、印刷媒体が印刷ゾーンに進む前にプリンタモードを調整することができることから、より高速の印刷が可能になる。さらに、透過式センサは比較的安価であり、比較的低電力の入力を使用し、それによって印刷システムに関連するコストが低減する。さらに、最小透過性バーコードを印刷媒体内側に配置することができ、それによってバーコードはユーザからほぼ不可視である。
【0015】
図1は、コンピュータ制御システム102、インク付与システム104、透過式センサアセンブリ106、及び印刷媒体108を含むがこれらに限定されない、代表的なプリンタシステム100のブロック図を示す。コンピュータ制御システム102は、インク付与システム104を制御するように動作可能なプロセス制御システムを備える。特に、コンピュータ制御システム102は、文字、記号、写真等を印刷媒体108に印刷するようにインク付与システム104に命令し、制御する。さらに、コンピュータ制御システム102は、透過式センサアセンブリ106を制御し、透過式センサアセンブリ106からのデータを記憶し、透過式センサアセンブリ106からのデータを復号し、復号されたデータに基づいて印刷媒体108に対応するプリンタシステムモードをユーザ入力なしで自動的に選択するコントローラシステムを備える。
【0016】
インク付与システム104は、インクを印刷媒体108に付与するインクジェット技術及びコーティング技術を含むがこれらに限定されない。ドロップオンデマンド及び連続フローインクジェット技術等のインクジェット技術を使用して、インクを付与することができる。インク付与システム104は、複数のインクジェット印刷ヘッドディスペンサのうちの1つ又は複数を通してインクを付与(たとえば噴射)するように動作可能な少なくとも1つのインクジェット印刷ヘッド(たとえば、サーマルインクジェット印刷ヘッド及び/又はピエゾインクジェット印刷ヘッド)を備えることができる。また、ドットマトリクス技術、昇華技術、及びレーザジェット技術を含むがこれらに限定されない他の種類のインク付与技術を使用してもよい。
【0017】
透過式センサアセンブリ106は、光を印刷媒体108に透過させ、印刷媒体108上のバーコード110によって実質的に遮断されず、且つ/又は吸収されなかった透過光を検出するように構成される。バーコード110は、透過光に対して最小の透過性を有する。一実施形態では、光透過式センサアセンブリ106は、実質的に遮断、吸収、散乱、反射、又はこれらの組み合わせが行われなかった透過光を検出するように構成される。透過式センサアセンブリ106の動作及び部品について、図2を参照して以下にさらに詳細に考察する。透過式センサアセンブリのさらなる説明は、参照により本明細書に援用される米国特許出願第10/679079号においても見出すことができる。
【0018】
印刷媒体108は、用紙媒体、透明媒体、及び写真媒体を含み得るがこれらに限定されない。バーコード110は印刷媒体108の片側(たとえば、裏面)、印刷媒体の両側、及び/又は印刷媒体108の内部に配置することができる。バーコード110が印刷媒体108の内部に配置される場合、印刷媒体108の正面及び/又は裏面に印刷される画像の質はバーコード110によって影響を受けない。一般に、バーコード110は透過光に対して最小の透過性を有する。たとえば、一実施形態では、バーコード110は光をほぼ吸収することができる。別の実施形態では、バーコード110は光をほぼ散乱することができ、別の実施形態ではバーコード110は光をほぼ反射することができる。別の実施形態では、バーコード110は光をほぼ吸収、散乱、及び反射することができる。印刷媒体108及びバーコード110について図3を参照して以下にさらに詳細に考察する。
【0019】
図2は、プリンタシステム100に組み込むことができる透過式センサアセンブリ106の一実施形態を示す。透過式センサアセンブリ106は、光源202及び透過式光学センサ204を備えるがこれらに限定されない。印刷媒体108は方向214に、光源202と透過式光学センサ204との間に進められる。印刷媒体108は、印刷媒体108上又はその内部に配置された最小透過性バーコード(図2に示さず)を有する。印刷媒体108のバーコードを有する部分は、印刷媒体108の、光源202と透過式光学センサ204との間を通過する最初の部分である。したがって、コンピュータ制御システム102は、印刷媒体108が印刷ゾーンに入る前に印刷媒体108に適当な印刷モードを選択することができる。
【0020】
光源202は、1つ又は複数の発光ダイオード(LED)又は他の種類の光源を含み得るがこれらに限定されない。このような光源の例としては、蛍光ガス(たとえば、ネオン)光源、白熱光源、フィラメント光源、及び/又はハロゲン光源が挙げられる。発せられる光の波長は、紫外線波長、赤外線波長、及び/又は近赤外線波長であってもよいがこれらに限定されない。特に、発せられる光の波長は近赤外線波長である。具体的には、波長は約860ナノメートル(nm)、940nmを中心とすることができ、他は1000nmを超えてもよい。光源202は、印刷媒体108の第1の面210に入射する光206を発し、光のいくらかは、印刷媒体108が光源202と透過式光学センサ204との間を進むときに印刷媒体108を透過する。光206の印刷媒体108を透過する部分は、透過光208として識別される。
【0021】
印刷媒体108が現在、光源202と透過式光学センサ204との間にない場合、透過光208は発せられた光206のほぼすべてを含む。印刷媒体108が現在、光源202と透過式光学センサ204との間にある場合、透過光208は、発せられた光206のうちの、印刷媒体108を透過した部分を含む。印刷媒体108のバーコードを有する部分が現在、光源202と透過式光学センサ204との間にある場合、透過光208は、発せられた光206のうちの、バーコードにより遮断され、且つ/又は吸収された部分とは対照的に、発せられた光206のうちの、最小透過性バーコード及び印刷媒体108を透過した部分を含む。バーコードを透過した光208は、印刷媒体108についての1つ又は複数の種類の情報を符号化している。
【0022】
透過式光学センサ204は、1つ又は複数のフォトトランジスタ又は他の種類の光学センサを含み得るがこれらに限定されない。このような光学センサの例としては、光検出器及び光学光センサが挙げられる。透過式光学センサ204は、印刷媒体108の第1の面210の反対にある印刷媒体108の第2の面212を透過した透過光208を検出又は感知する。換言すれば、透過式光学センサ204は、光源202が発した光206のうちの、印刷媒体108を透過した部分を透過光208として検出する。こうして、透過式光学センサ204は、印刷媒体108及びバーコードが光源202と光学センサ204との間を通過するときに透過光208の変化を検出することができる。透過式光学センサ204は、透過光208のレベルに対応するセンサ信号を提供する。
【0023】
図3Aは、印刷媒体108の代表的な一実施形態の平面図を示す。バーコード110は、印刷媒体108の第1の面210(裏面)に配置される。バーコード110は、第1の縁にあり、透過式センサアセンブリ106を通って進むように位置決めされ、それにより、印刷媒体108が印刷ゾーンに入る前に符号化情報を復号し印刷モードを選択することができる。別の実施形態では、バーコードは印刷媒体の1つ又は複数の異なる位置に位置決めすることができる。
【0024】
たとえば、図3Aに、バーコード110と印刷媒体108の前縁との間に空白の空間を示す。別の実施形態では、バーコード110は印刷媒体108の縁までずっと延在してもよい。さらに、バーコード110は図3Aに示すものとは別の形状及びサイズであってもよい。たとえば、バーコード110は、ほぼ正方形のものとして図3Aに示される。バーコード110は、矩形、円形、楕円形等の形状であってもよいが、これらに限定されない。
【0025】
図3Bは、印刷媒体108の別の代表的な実施形態の断面図を示す。印刷媒体108は、最小透過性バーコード110を有する基材302及びインク受容層304を含むことができるが、これらに限定されない。バーコード110は、印刷媒体108の裏面308(正面306の反対)に配置してもよく(図3A)、又は基材302とインク受容層304との間に配置してもよい(図3B)。図3Bに示すように、インク受容層304は、バーコード110が基材302とインク受容層304との間に位置決めされるように基材302及びバーコード110上に配置される。インク受容層304は、微孔質無機粒子及び/又は結合剤を含むことができるがこれらに限定されない。
【0026】
「基材」302という語は、本開示の実施形態によりインク受容層304でコーティングすることができる印刷媒体基材を指す。基材302は、紙基材、写真ベースの基材、プラスチック基材(たとえば、透明〜不透明のプラスチックフィルム)等を含むことができるがこれらに限定されない。基材302は、ポリマー、紙、ガラス、セラミック、布(たとえば、織物材料又は不織材料)、クラフト材料(たとえば、木、厚紙、看板等)、コンパクトディスク、及びデジタルビデオディスクで作られた硬質又は可撓性のある材料を含むことができるがこれらに限定されない。
【0027】
「バーコード」110という語は、印刷媒体108についての少なくとも1つの種類の情報の1つ又は複数の種類の機械可読表現を指す。バーコード110は、インク、金属、染料、及び/又は光源202から発せられる光206の透過性が最小の物質を含むことができるがこれらに限定されないバーコード材料を含む。バーコード110は不透明であっても不可視であってもよい。
【0028】
バーコード110には、印刷媒体についての1つ又は複数の種類の情報を符号化することができる。バーコード110には、媒体の種類(たとえば、膨潤性又は多孔性)カラーマップ情報、媒体サイズ、媒体の向き、両面か片面か、又は不適切な媒体のロード等であるがこれらに限定されない印刷媒体108についての情報を符号化することができる。さらに、印刷媒体108は、印刷媒体108のいくつかの位置に印刷媒体108についての異なる情報を含む複数のバーコードを含むことができる。たとえば、印刷媒体108は、媒体種類を示す第1のバーコードを第1の位置に有し、不適切なロードを示す第2のバーコードを印刷媒体108の第2の位置に有し得る。さらに、単一のバーコードが印刷媒体の複数の特徴についての情報を提供し得る。
【0029】
バーコード110は、1つ又は複数の種類の符号化を使用することができる。たとえば、バーコード110は同期方式(たとえば、マンチェスター符号化)、交番マーク反転法、パルス符号変調又は機械可読の他の符号化を使用して符号化することができる。さらに、バーコード110は可変ビット幅であってもよく、較正ビット、開始ビット、又は他の種類のビットを含むことができる。さらに、非同期方式を使用してもよく、特定のインクパターンを使用してクロック信号及びデータ信号を生成することができる。
【0030】
「インク受容層」304という語は、基材302及びバーコード110に配置する(たとえば、コーティングする)ことができる微孔質無機粒子を含む層を指す。インク受容層304は、微孔質無機粒子によって提供される孔内にインクを受容するように構成される。インク受容層304は約20〜50グラム/平方メートル(GSM)であることができ、膨潤性媒体は約10〜25GSMであることができる。
【0031】
印刷媒体108の一実施形態は、基材を提供し、バーコード材料を基材302に配置し、印刷媒体108に対応する1つ又は複数の種類の情報を符号化して、バーコード材料からバーコード302を形成することによって生成することができる。さらに、インク受容層304をバーコード材料及び基材302上に配置し、それによってバーコード110を囲むことができる。別法として、印刷媒体108の別の実施形態は、基材302を提供し、バーコード材料を基材302に配置し、印刷媒体108に対応する1つ又は複数の種類の情報を符号化して、バーコード材料からバーコード302を形成することによって生成することができ、バーコードは印刷媒体108の外面にある。
【0032】
図4は、プリンタシステム100を使用して印刷媒体108に印刷する代表的な方法400を説明する流れ図である。ブロック402において、最小透過性バーコード110を有する印刷媒体108が、透過式センサアセンブリ106を通して進められる。ブロック404において、1組の波長の光206を印刷媒体108に透過させる。光206の波長は、バーコード110への透過性が最小であり、且つ/又はバーコード110によってほぼ吸収される1組の波長を含む。ブロック406において、光206の部分がバーコード110及び/又は印刷媒体108によって遮断され、且つ/又は吸収されることによる、印刷媒体108を透過する光206の変化が検出される。
【0033】
図5は、透過式センサアセンブリ106によって検出される光の変化を使用して印刷モードを選択する代表的な実施形態500の流れ図を示す。ブロック502において、検出された変化がデータ記録として記憶される。ブロック504において、データ記録が復号されて、印刷媒体108についての情報が求められる。ブロック506において、印刷媒体108に対応するプリンタモードが、データ記録に基づいて選択される。別法として、一実施形態は、両面か片面か/上下逆の向き、又は印刷媒体108の不適切なロード/回転を示すデータ記録を復号し、エラーを示すことができる。
【0034】
比重(ratio)、濃度、量、及び他の数値データを本明細書では範囲フォーマットで表現し得ることに留意されたい。このような範囲フォーマットは、便宜的且つ簡潔にするために使用され、したがって範囲の限界として明示された数値を包含するだけでなく、その範囲内に含まれる個々のすべての数値又はサブレンジ(部分的範囲)を、各数値及びサブレンジが明示されているかのように包含するように、柔軟に解釈されるべきであることを理解されたい。例示のために、濃度範囲「約0.1%〜5%」は、明示された濃度約0.1重量%〜5重量%を包含するのみならず、示される範囲内の個々の濃度(たとえば、1%、2%、3%、及び4%)及びサブレンジ(たとえば、0.5%、1.1%、2.2%、3.3%、及び4.4%)も包含するものと解釈されるべきである。
【0035】
多くの変形及び変更を上記の実施形態に行うことが可能である。このような変更及び変形はすべて、ここで本開示の範囲内に包含され、添付の特許請求の範囲によって保護されるように意図される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】プリンタシステムの一実施形態のブロック図を示す図である。
【図2】プリンタシステムの透過式センサアセンブリの一実施形態を示すブロック図である。
【図3A】最小透過性バーコードを有する印刷媒体の代表的な一実施形態の平面図を示す図である。
【図3B】最小透過性バーコードを有する印刷媒体の別の代表的な実施形態の断面図を示す図である。
【図4】図2に示す透過式センサアセンブリを使用する代表的な一実施形態の流れ図を示す図である。
【図5】印刷モードを選択する代表的な一実施形態の流れ図を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
108:印刷媒体
110:バーコード
302:基材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体108の一部を透過式センサアセンブリ106に通して進めるステップであって、前記印刷媒体108の前記一部はバーコード110を有し、該バーコード110は1組の光波長の透過性が最小であり、前記印刷媒体108に対応する少なくとも1つの種類の情報が符号化されている、ステップと、
前記バーコード110によってほぼ吸収される前記1組の光波長の光を前記印刷媒体108に透過させるステップと、
前記印刷媒体108を透過する前記光の変化を検出するステップであって、該変化は前記バーコード110によって生じる、ステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記バーコード110は前記1組の光波長をほぼ吸収する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バーコード110の長さに沿って検出される前記変化をデータ記録として記憶するステップと、
前記印刷媒体108についての前記情報を求めるために前記データ記録を復号するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記印刷媒体108の、該印刷媒体108が進められるプリンタ100へのロードエラーを示すステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記データ記録に基づいて前記印刷媒体108に合った印刷モードを選択するステップをさらに含み、該印刷モードはユーザ入力なしで選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
印刷媒体についての情報を伝達するプリンタシステムであって、
光を発し、バーコード110を有する前記印刷媒体108を透過する前記光を検出するように構成された透過式センサアセンブリ106を備え、前記バーコード110は前記光の透過性が最小であり、前記印刷媒体108に対応する前記情報が符号化され、前記透過式センサアセンブリは、光源要素202及び光学センサ要素204を備えている、プリンタシステム。
【請求項7】
前記バーコード110は前記1組の光波長をほぼ吸収する、請求項6に記載のプリンタシステム。
【請求項8】
前記光源要素202は、蛍光ガス光源、白熱光源、フィラメント光源、ハロゲン光源、及びこれらの組み合わせから選択される光源を含む、請求項6に記載のプリンタシステム。
【請求項9】
前記光学センサ要素204は、光検出器、光学光センサ、及びこれらの組み合わせから選択されるセンサを含む、請求項7に記載のプリンタシステム。
【請求項10】
1組の光波長の透過性が最小であり、前記印刷媒体108対応する少なくとも1つの種類の情報が符号化されている、バーコード110を備えている印刷媒体。
【請求項11】
印刷媒体108を提供するステップと、
バーコード材料を前記印刷媒体108に配置するステップであって、該バーコード材料は1組の光波長の透過性が最小である、ステップと、
前記バーコード材料でバーコード110を形成するステップであって、該バーコードは前記印刷媒体108に対応する少なくとも1つの種類の情報を符号化する、ステップと、
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−516470(P2008−516470A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−529861(P2007−529861)
【出願日】平成17年7月22日(2005.7.22)
【国際出願番号】PCT/US2005/026032
【国際公開番号】WO2006/023193
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(503003854)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (1,145)
【Fターム(参考)】