説明

安定な増粘剤配合物

安定な増粘剤配合物及び安定な増粘剤配合物を有する栄養組成物を提供する。一般的な実施形態では、本開示は、約0.015重量%〜約0.05重量%のカラギーナン及び約1.2重量%〜約4.0重量%のデンプンを含む、安定な増粘剤配合物を提供する。安定な増粘剤配合物は、種々の生理学的状態を治療するために使用される栄養組成物において使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
[0001]本出願は、2009年10月26日に出願された米国特許出願第61/254,858号に対して優先権を主張する。この出願の全開示内容は、参照によって本明細書に明示的に組み込まれる。
[背景]
【0002】
[0002]本開示は、一般に、健康及び栄養に関する。より具体的には、本開示は、栄養組成物のための安定な増粘剤配合物に関する。
【0003】
[0003]現在、多くのタイプの栄養組成物が市場に出回っている。栄養組成物は、栄養組成物の特定の成分に基づいて、ある特定の消費者のタイプ、例えば、若年者、高齢者、運動選手などを対象とすることができる。栄養組成物はまた、栄養組成物が治療又は改善することを目的とするある特定の生理学的状態に基づいて、配合され得る。
【0004】
[0004]嚥下困難は、嚥下することが困難である症状のための医学用語である。食道性嚥下困難は、すべての年齢の多数の個体に影響するが、一般に投薬で治療可能であり、それほど重篤でない形の嚥下困難と考えられている。食道性嚥下困難は、多くの場合、粘膜、縦隔又は神経筋の疾患の結果である。
【0005】
[0005]他方で、口腔咽頭嚥下困難は、非常に重篤な状態であり、一般に投薬で治療不可能である。口腔咽頭嚥下困難も、すべての年齢の個体に影響するが、より高齢の個体で多く見られる。口咽咽頭嚥下困難は、多くの場合、卒中、脳損傷又は口腔癌若しくは咽頭癌の外科手術などの急性事象の結果である。加えて、放射線療法及び化学療法は、筋肉を弱め、嚥下反射の生理機能及び神経支配に関連する神経を退化させることがある。パーキンソン病などの進行性の神経筋疾患を有する個体が、嚥下を開始するのがますます困難になることもよくある。
【0006】
[0006]治療されていない又は管理が不十分の口腔咽頭嚥下障害の結果は重症となる可能性があり、かかる結果には、脱水症、免疫応答の機能不全及び機能性の低減に至る栄養失調、固形食による気道閉塞(窒息)並びに誤嚥性肺炎及び/又は肺臓炎を促進する、液体及び半固形食の気道誤嚥が含まれる。重症の口腔咽頭嚥下障害は、栄養を経管摂食によって供給されることを必要とすることがある。
【0007】
[0007]軽度から中等度の口腔咽頭嚥下障害は、窒息又は誤嚥の可能性を最小限に抑えるために、食物の質感を改変することが必要であり得る。この改変は、液体の増粘及び/又は固形食のピューレ化を含み得るが、その両方が、摂食の過程で窒息及び誤嚥を予防する、最も有効な手段であることが示されている。増粘された液体は、3つの特性を有するように設計される。すなわち、(i)嚥下動作中に維持することができる、より凝集性の食塊、(ii)嚥下反射が、増粘された液体のための準備をする期間の増加を補う、喉へのよりゆっくりした送達及び(iii)口の中で食物又は液状塊の存在の認識を高めるための、より高い密度の提供である。
【0008】
[0008]増粘された栄養配合物は、腎不全、慢性閉塞性肺障害、吸収不良障害などの、他の生理学的状態又は疾患を治療するための療法の一部としても使用することができる。
【0009】
[概要]
[0009]安定な増粘剤配合物及び安定な増粘剤配合物を有する栄養組成物を提供する。一般的な実施形態では、本開示は、安定な増粘剤配合物を含む栄養組成物を提供する。安定な増粘剤配合物は、長期の貯蔵時間中及び異なる温度で、栄養組成物の一貫した粘度を提供する、特定の範囲のカラギーナン及びデンプンを含むことができる。カラギーナンを加えることによって、デンプンのレベルを減じることができる。また、カラギーナン及び/又はキサンタンを栄養組成物に加えると、冷蔵貯蔵温度での栄養組成物の粘度の増加を、最小限に抑えることができる。安定な増粘剤配合物はまた、安定な粘度を提供する特定量のキサンタンガム及びデンプンを含むことができる。栄養組成物は、完全な摂食又は経口栄養サプリメントであり得る。
【0010】
[0010]加えて、本出願者は、増粘剤配合に必要なカラギーナン及び/又はキサンタンの量が、栄養組成物の配合並びに栄養組成物中に見出されるタンパク質の最終的な量及びタイプによって決まることを見出した。実際に、本出願者は、栄養組成物中のタンパク質の量及びタイプが、本増粘剤配合物に必要なカラギーナン及びデンプンの量に影響を及ぼし得ることを見出しており、このことは、以下でさらに論じる。
【0011】
[0011]一実施形態では、本開示は、約0.03重量%〜約0.05重量%のカラギーナン及び約3.45重量%〜約3.65重量%のデンプンを含む、安定な増粘剤配合物を提供する。一実施形態では、カラギーナンは、約0.04重量%であり、デンプンは、約3.54重量%である。この安定な増粘剤配合物は、ハチミツと同様の粘度又は稠度を提供することができる。安定な増粘剤配合物は、冷蔵温度で、約1100cps〜約9000cps又は約1100cps〜約6000cps又は約1100cps〜約4000cpsの範囲の粘度をさらに含むことができる。別の実施形態では、1.2cal、タンパク質14gの配合物は、カラギーナンを約0.02〜約0.055%の量で及びデンプンを1.0〜約6%の量で有し得る。或いは、別の実施形態では、1.5cal、タンパク質18gの配合物は、約0.02%カラギーナン又は約0.015〜約0.055%カラギーナン、及びデンプンを約0.5〜約5%の量で有し得る。
【0012】
[0012]別の実施形態では、本開示は、約0.1重量%〜約0.14重量%のキサンタンガム及び約2.5重量%〜約2.7重量%のデンプンを含む、安定な増粘剤配合物を提供する。この実施形態では、キサンタンガムは、滅菌前の生成物を増粘することができるが、得られた生成物は、まだ十分薄く、製造プラントの周囲にポンプで供給される。別の実施形態では、キサンタンガムは、約0.12重量%であり、デンプンは、約2.6重量%である。安定な増粘剤配合物は、冷蔵温度で、約1100cps〜約9000cps又は約1100cps〜約6000cps又は約1100cps〜約4000cpsの範囲の粘度をさらに含むことができる。
【0013】
[0013]さらに別の実施形態では、本開示は、約0.03重量%〜約0.05重量%のカラギーナン及び約1.7重量%〜約1.9重量%のデンプンを含む、安定な増粘剤配合物を提供する。一実施形態では、カラギーナンは、約0.04重量%であり、デンプンは、約1.8重量%である。この安定な増粘剤配合物は、花蜜と同様の粘度又は稠度を提供することができる。この場合も、これらの量は、栄養組成物の配合並びに栄養組成物中に含有されるタンパク質の量及びタイプによって決まる。本出願者は、タンパク質の量及びタイプが、栄養組成物に加えられるべきカラギーナン及びデンプンの量に影響を及ぼすことを見出した。例えば、1.2cal、タンパク質14gの配合物は、カラギーナンを約0.02〜約0.055%の量で及びデンプンを1.0〜約6%の量で有し得る。或いは、別の実施形態では、1.5cal、タンパク質18gの配合物は、約0.02%カラギーナン又は約0.015〜約0.055%カラギーナン、及びデンプンを約0.5〜約5%の量で有し得る。
【0014】
[0014]その上さらに別の実施形態では、本開示は、約0.03重量%〜約0.05重量%のカラギーナン及び約2.1重量%〜約2.2重量%のデンプンを含む、安定な増粘剤配合物を提供する。一実施形態では、カラギーナンは、約0.04重量%であり、デンプンは、約2.1重量%である。
【0015】
[0015]別の実施形態では、本開示は、約0.03重量%〜約0.05重量%のカラギーナン及び約2.2重量%〜約2.5重量%のデンプンを含む、安定な増粘剤配合物を提供する。一実施形態では、カラギーナンは、約0.04重量%であり、デンプンは、約2.36重量%である。この安定な増粘剤配合物は、ハチミツと同様の粘度又は稠度を提供することができる。この場合も、これらの量は、栄養組成物の配合物並びに栄養組成物に加えられるタンパク質の量及びタイプによって決まる。本出願者は、タンパク質の量及びタイプが、栄養組成物に加えられるカラギーナン及びデンプンの量に影響を及ぼすことを見出した。例えば、別の実施形態では、1.2cal、タンパク質14gの配合物は、カラギーナンを約0.02〜約0.055%の量で及びデンプンを1.0〜約6%の量で有し得る。或いは、別の実施形態では、1.5cal、タンパク質18gの配合物は、約0.02%カラギーナン又は約0.015〜約0.055%カラギーナン、及びデンプンを約0.5〜約5%の量で有し得る。
【0016】
[0016]その上別の実施形態では、本開示は、約0.03重量%〜約0.05重量%のカラギーナン及び約2.5重量%〜約2.9重量%のデンプンを含む、安定な増粘剤配合物を提供する。
【0017】
[0017]代替の実施形態では、本開示は、1種又は複数種の栄養成分、約0.03重量%〜約0.05重量%のカラギーナン、及び約3.45重量%〜約3.65重量%のデンプンを含む栄養組成物を提供する。さらに別の実施形態では、本開示は、1種又は複数種の栄養成分、約0.1重量%〜約0.14重量%のキサンタンガム及び約2.5重量%〜約2.7重量%のデンプンを含む栄養組成物を提供する。
【0018】
[0018]栄養組成物は、ヒト又は動物などの任意の哺乳動物用に設計された配合物であり得る。栄養組成物中の活性成分又は栄養成分はまた、モジュール製品として提供され得る。モジュール製品は、1種又は複数種の特定の栄養素をサプリメントとして送達する方法と定義することができ、唯一の栄養源の代わりに使用されることを意図するものではない。加えて、栄養組成物は、周囲温度で又は配送中に遭遇し得る周囲温度を超える温度でさえも、貯蔵安定性であり、良好な貯蔵寿命を発揮することができる。
【0019】
[0019]栄養組成物は、ブルックフィールド(Brookfield)LTV粘度計で、約250cps〜約15,000cps、又はレオロジー測定法(例えば、フィジカレオメーター(Physica Rheometer))によって、約4℃〜約25℃の製品温度で、約50mPa・50s〜約1750mPa・50sの範囲の粘度を含むことができ、任意の適したタイプの栄養成分を有することができる。栄養組成物はまた、フィジカレオメーターで、約100mPa・s〜約2500mPa・sの範囲の粘度を含むことができる。栄養成分は、1種若しくは複数種の炭水化物及び/又は1種若しくは複数種の脂肪であり得る。栄養成分はまた、1種若しくは複数種のシンバイオティクス、魚油、植物栄養素、酸化防止剤、ビタミン、ミネラル又はそれらの組合せであり得る。
【0020】
[0020]一実施形態では、栄養組成物は、1種又は複数種のプレバイオティクス(例えば、死菌又は生菌)をさらに含む。プレバイオティックは、アカシアゴム、αグルカン、アラビノガラクタン、βグルカン、デキストラン、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、ガラクトマンナン、ゲンチオオリゴ糖、グルコオリゴ糖、グアーガム、イヌリン、イソマルトオリゴ糖、ラクトスクロース、ラクツロース、レバン、マルトデキストリン、部分的に加水分解されたグアーガム、ペクチンオリゴ糖、老化デンプン、大豆オリゴ糖、糖アルコール、キシロオリゴ糖又はそれらの組合せであり得る。
【0021】
[0021]一実施形態では、栄養組成物は、1種又は複数種のプロバイオティクス(例えば、死菌又は生菌)をさらに含む。プロバイオティックは、アエロコッカス属(Aerococcus)、アスペルギルス属(Aspergillus)、バクテロイデス属(Bacteroides)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、カンジダ属(Candida)、クロストリジウム属(Clostridium)、デバリオミセス属(Debaromyces)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、フソバクテリウム属(Fusobacterium)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、メリッソコッカス属(Melissococcus)、ミクロコッカス属(Micrococcus)、ムコール属(Mucor)、オエノコッカス属(Oenococcus)、ペジオコッカス属(Pediococcus)、ペニシリウム属(Penicillium)、ペプトストレポコッカス属(Peptostrepococcus)、ピキア属(Pichia)、プロピオニバクテリウム属(Propionibacterium)、シュードカテニュレイタム属(Pseudocatenulatum)、リゾプス属(Rhizopus)、サッカロミセス属(Saccharomyces)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、トルロプシス属(Torulopsis)、ワイセラ属(Weissella)又はそれらの組合せであり得る。
【0022】
[0022]別の実施形態では、栄養組成物は、1種又は複数種のアミノ酸をさらに含む。アミノ酸は、イソロイシン、アラニン、ロイシン、アスパラギン、リジン、アスパラギン酸塩、メチオニン、システイン、フェニルアラニン、グルタミン酸塩、トレオニン、グルタミン、トリプトファン、グリシン、バリン、プロリン、セリン、チロシン、アルギニン、ヒスチジン又はそれらの組合せであり得る。
【0023】
[0023]その上別の実施形態では、本開示は、患者における病状を治療するための方法を提供する。方法は、少なくとも1種の栄養成分、約0.03重量%〜約0.05重量%のカラギーナン及び約1.5重量%〜約3.65重量%のデンプン又は約1.5重量%〜約2.9重量%のデンプン又は約3.45重量%〜約3.65重量%のデンプンを含む栄養組成物を、患者に投与するステップを含む。
【0024】
[0024]一実施形態では、病状は、嚥下障害、腎不全、慢性閉塞性肺障害又は吸収不良障害である。患者は、高齢者であってもよい。患者はまた、小児科の患者であってもよい。
【0025】
[0025]一実施形態では、栄養組成物は、医薬製剤、栄養配合物、栄養補助食品、機能性食品、飲料製品又はそれらの組合せなどの投与可能な形である。
【0026】
[0026]本開示の利点は、改良された増粘剤配合物を提供することである。
【0027】
[0027]本開示の別の利点は、種々の温度で、長期間にわたって比較的一定の粘度を維持する、安定な増粘剤配合物を提供することである。
【0028】
[0028]本開示のさらに別の利点は、改良された栄養組成物を提供することである。
【0029】
[0029]本開示のその上別の利点は、個体における不都合な生理学的状態を治療又は改善する方法を提供することである。
【0030】
[0030]追加的な特徴及び利点は、本明細書において記載されており、以下の詳細な説明及び図から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】[0031] 図1は、0.04重量%のカラギーナン及び3.54重量%のデンプン並びに0.02重量%のカラギーナン及び2.36重量%のデンプンが、40°Fで一晩貯蔵と3か月貯蔵との間の、配合物の粘度差を縮小し、配合物中のカラギーナン及びデンプンの他の比率よりも優っていることを示すグラフである。安定な粘度は、24時間と1か月との間で到達された。
【図2】[0032] 図2は、0.04重量%のカラギーナン及び3.54重量%のデンプン、並びに、0.02重量%のカラギーナン及び2.36重量%のデンプンが、40°Fでの1か月貯蔵と3か月貯蔵との間で、配合物の粘度の変化を最小限に抑えることを示すグラフである。
【図3】[0033] 図3は、カロリー密度1.2、タンパク質14gを有し、カラギーナン及びデンプンの量を変化させた栄養組成物の粘度を示すグラフである。グラフは、約0.0325%の量のカラギーナン及び少なくとも1.65%の量のデンプンが、40°Fでの1か月貯蔵と3か月貯蔵との間で、配合物の粘度の変化を非常に最小限に抑えることを示している。
【図4】[0034] カラギーナンを加えて2か月目に、室温貯蔵及び冷蔵貯蔵からの粘度増加の縮小を示すグラフである。
【図5】[0035] 0.12重量%のキサンタンガム及び種々の量のデンプンを有する配合物を使用した場合の、室温から40°Fで24時間保持までの、最小限の粘度増加を示すグラフである。
【0032】
【図6】[0036] 0.02重量%のカラギーナン及び1.8重量%のデンプン(試作品A)、0.02重量%のカラギーナン及び2.4重量%のデンプン(試作品B)並びに0.12重量%のキサンタンガム及び2.6重量%のデンプン(試作品C)の、経時的な及び2種の異なる温度での粘度を示すグラフである。
【図7】[0037] 2種の栄養組成物配合物、並びに、タンパク質18gとは対照的にタンパク質21gを有する栄養組成物の粘度の増加;及び2.0%デンプンとは対照的に1.5%デンプンを有する栄養組成物の粘度の増加を示すグラフである。
【0033】
[詳細な説明]
[0038]本開示は、安定な増粘剤配合物及び安定な増粘剤配合物を有する栄養組成物に関する。栄養組成物は、例えば、嚥下障害、腎不全、慢性閉塞性肺障害及び吸収不良障害などの種々の生理学的状態の治療のために使用することができる。
【0034】
[0039]本開示及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、その状況が他に特に明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「アミノ酸」への言及は、2種以上のアミノ酸の混合物などを含む。
【0035】
[0040]本明細書において使用される場合、「約」は、数字の範囲内の数を指すものと理解される。その上、本明細書におけるすべての数値範囲は、その範囲内のすべての整数、自然数又は分数を含むものと理解されるべきである。本出願の範囲内に含有されるすべての投与量範囲は、前記範囲内に含有されるすべての数、自然数又は分数を含むことが意図される。
【0036】
[0041]本明細書において使用される場合、「アミノ酸」という用語は、1種又は複数種のアミノ酸を含むものと理解される。アミノ酸は、例えば、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸塩、シトルリン、システイン、グルタミン酸塩、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシセリン、ヒドロキシチロシン、ヒドロキシリジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、タウリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン又はそれらの組合せであり得る。
【0037】
[0042]本明細書において使用される場合、「動物」は、齧歯動物、水生哺乳動物、イヌ及びネコなどの家庭動物、ヒツジ、ブタ、ウシ及びウマなどの家畜並びにヒトを含むが、それらに限定されない哺乳動物を含むが、それらに限定されない。ここで、「動物」若しくは「哺乳動物」という用語又はそれらの複数形が使用される場合、かかる用語は、文脈によって発揮される又は発揮されることが意図される効果が可能な任意の動物にも当てはまることが企図される。
【0038】
[0043]本明細書において使用される場合、「酸化防止剤」という用語は、酸化又は反応性酸素種(「ROS」)並びに他のラジカル種及び非ラジカル種によって促進される反応を阻害する、β−カロテン(ビタミンA前駆体)、ビタミンC、ビタミンE及びセレン)などの種々の物質のうちの任意の1種又は複数種を含むものと理解される。加えて、酸化防止剤は、他の分子の酸化を遅延させる又は阻止することが可能な分子である。酸化防止剤の非限定例は、カロテノイド、コエンザイムQ10(「CoQ10」)、フラボノイド、グルタチオンゴジ(ウルフベリー)、ヘスペリジン、ラクトウルフベリー、リグナン、ルテイン、リコペン、ポリフェノール、セレン、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ゼアキサンチン又はそれらの組合せを含む。
【0039】
[0044]本明細書において使用される場合、「一貫した」粘度は、製品又は組成物の室温での粘度と、製品又は組成物の冷蔵温度での粘度との間に、最小限の変化を有する製品又は組成物の粘度を指す。
【0040】
[0045]本明細書において使用される場合、「有効量」は、欠乏を予防する、個体における疾患若しくは病状を治療する、或いはより一般的には、症状を軽減する、疾患の進行を管理する又は個体に対して栄養的、生理学的若しくは医学的利益をもたらす量である。治療は、患者又は医師に関するものであり得る。
【0041】
[0046]本明細書において使用される場合、「高齢者」は、65歳以上又は少なくとも75歳以上であるヒトを意味する。
【0042】
[0047]「個体」及び「患者」という用語は、ヒトを指すために本明細書において頻繁に使用されるが、本開示は、そのように限定されない。それ故に、「個体」及び「患者」という用語は、治療から利益を得ることができる病状を有するか又は病状の危険性がある、任意の動物、哺乳動物又はヒトを指す。
【0043】
[0048]本明細書において使用される場合、魚油の非限定例は、ドコサヘキサエン酸(「DHA」)及びエイコサペンタエン酸(「EPA」)を含む。DHA及びEPAは、非魚油源(例えば、藻類、改変植物など)からも存在し得る。
【0044】
[0049]本明細書において使用される場合、「食品用グレードの微生物」は、使用され、食品において使用するのに安全であると一般に見なされている微生物を意味する。
【0045】
[0050]本明細書において使用される場合、「長期投与」は、6週間を超える連続投与である
【0046】
[0051]本明細書において使用される場合、「哺乳動物」は、齧歯動物、水生哺乳動物、イヌ及びネコなどの家庭動物、ヒツジ、ブタ、ウシ及びウマなどの家畜並びにヒトを含むが、それらに限定されない。ここで、「哺乳動物」という用語が使用される場合、かかる用語は、哺乳動物によって発揮される又は発揮されることが意図される効果が可能な他の動物にも当てはまることが企図される。
【0047】
[0052]「微生物」という用語は、細菌、酵母及び/又は真菌、微生物を含む細胞増殖培地又は微生物が培養された細胞増殖培地を含むことを意味する。
【0048】
[0053]本明細書において使用される場合、「ミネラル」という用語は、ホウ素、カルシウム、クロム、銅、ヨウ素、鉄、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、リン、カリウム、セレン、ケイ素、スズ、バナジウム、亜鉛又はそれらの組合せを含むものと理解される。
【0049】
[0054]「栄養組成物」は、本明細書において使用される場合、従来の食品添加物、例えば1種又は複数種の、酸味料、追加的な増粘剤、緩衝剤若しくはpH調整のための薬剤、キレート剤、着色剤、乳化剤、賦形剤、着香剤、ミネラル、浸透圧剤、薬学的に許容される担体、保存剤、安定化剤、糖、甘味剤、調質剤(texturizer)及び/又はビタミンを含む、任意の数の、任意選択の追加的な成分を含むものと理解される。任意選択の成分は、任意の適した量で加えられ得る。
【0050】
[0055]本明細書において使用される場合、「植物化学物質」又は「植物栄養素」は、多くの食品に見出される非栄養化合物である。植物化学物質は、基本的な栄養を超える健康上の利益を有する機能性食品であり、植物源に由来する健康促進化合物である。本明細書において使用される場合、「植物化学物質」又は「植物栄養素」は、植物によって産生され、使用者に1つ又は複数の健康上の利益を付与する任意の化学物質を指す。植物化学物質は、局所、経腸及び/又は非経口を含む任意の手段によって投与することができる。本明細書において使用される場合、植物化学物質及び植物栄養素の非限定例は、i)モノフェノール(アピオール、カルノソール、カルバクロール、ジラピオール、ローズマリノール(Rosemarinol)など)を含むフェノール化合物;フラボノイド(ポリフェノール)として、フラボノール(ケルセチン、ジンゲロール、ケンペロール、ミリセチン、ルチン、イソラムネチンなど)、フラバノン(ヘスペリジン、ナリンゲニン、シリビン、エリオジクチオールなど)、フラボン(アピゲニン、タンゲリチン、ルテオリンなど)、フラバン−3−オール(カテキン類、(+)−カテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−エピカテキン、(−)−エピガロカテキン、(−)−エピガロカテキンガレート(EGCG)、(−)−エピカテキン3−ガレート、テアフラビン、テアフラビン−3−ガレート、テアフラビン−3’−ガレート、テアフラビン−3,3’−ジガレート、テアルビギン)、アントシアニン(フラボナール(flavonal)及びアントシアニジン(ペラルゴニジン、ペオニジン、シアニジン、デルフィニジン、マルビジン、ペツニジンなど)、イソフラボン(植物エストロゲン)(ダイゼイン(ホルモノネチン)、ゲニステイン(ビオカニンA)、グリシテインなど)、ジヒドロフラボノール、カルコン、クメスタン(植物エストロゲン)及びクメストロールなど;フェノール酸(エラグ酸、没食子酸、タンニン酸、バニリン、クルクミンなど);ヒドロキシ桂皮酸(カフェー酸、クロロゲン酸、桂皮酸、フェルラ酸、クマリンなど);リグナン(植物エストロゲン)、シリマリン、セコイソラリシレシノール、ピノレシノール及びラリシレシノール);チロソールエステル(チロソール、ヒドロキシチロソール、オレオカンタール、オレウロペインなど);スチルベノイド(レスベラトロール、プテロスチルベン、ピセアタンノール)及びプニカラギン;ii)テルペン類(イソプレノイド類)として、カロテン(α−カロテン、β−カロテン、γ−カロテン、δ−カロテン、リコペン、ノイロスポレン、フィトフルエン、フィトエンなど)及びキサントフィル(カンタキサンチン、クリプトキサンチン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン、ルテイン、ルビキサンチンなど)を含むカロテノイド(テトラテルペノイド);モノテルペン(リモネン、ペリリルアルコールなど);サポニン;植物ステロール(カンペステロール、βシトステロール、γシトステロール、スチグマステロールなど)、トコフェロール(ビタミンE)並びにω−3,6及び9脂肪酸(γ−リノレン酸など)を含む脂質;トリテルペノイド(オレアノール酸、ウルソール酸、ベツリン酸、モロン酸など);iii)ベタシアニン(ベタニン、イソベタニン、プロベタニン(probetanin)、ネオベタニンなど);及びベタキサンチン(非グリコシド類)(インジカキサンチン及びブルガキサンチンなど)を含むベタレイン;iv)ジチオールチオン(イソチオシアネート)(スルホラファン(Sulphoraphane)など);及びチオスルホネート(アリウム化合物)(アリルメチルトリスルフィド及びジアリルスルフィドなど)を含む有機スルフィド;インドール、インドール−3−カルビノールを含むグルコシノレート;スルフォラファン(sulforaphane);3,3’−ジインドリルメタン;シニグリン;アリシン;アリイン;アリルイソチオシアネート;ピペリン;Syn−プロパンチアール−S−オキシド;v)プロテアーゼ阻害剤を含むタンパク質阻害剤;vi)シュウ酸、フィチン酸(イノシトール六リン酸);酒石酸;及びアナカルド酸を含む他の有機酸;又はそれらの組合せであるものを含む。
【0051】
[0056]本明細書において使用される場合、「プレバイオティック」は、有益な細菌の増殖を選択的に促進するか又は腸における病原菌の増殖若しくは粘膜付着を阻害する食物物質である。それらは、それらを摂取している人の、胃及び/又は腸管上部で不活性化されないか又は胃腸管で吸収されないが、胃腸管の微生物相及び/又はプロバイオティクスによって発酵する。プレバイオティクスは、例えば、Glenn R.Gibson及びMarcel B.Roberfroid,Dietary Modulation of the Human Colonic Microbiota:Introducing the Concept of Prebiotics,J.Nutr.1995 125:1401〜1412頁に定義されている。プレバイオティクスの非限定例は、アカシアゴム、αグルカン、アラビノガラクタン、βグルカン、デキストラン、フラクトオリゴ糖、フコシルラクトース、ガラクトオリゴ糖、ガラクトマンナン、ゲンチオオリゴ糖、グルコオリゴ糖、グアーガム、イヌリン、イソマルトオリゴ糖、ラクトネオテトラオース、ラクトスクロース、ラクツロース、レバン、マルトデキストリン、ミルクオリゴ糖、部分的に加水分解されたグアーガム、ペクチンオリゴ糖、レジスタントスターチ、老化デンプン、シアロオリゴ糖、シアリルラクトース、大豆オリゴ糖、糖アルコール、キシロオリゴ糖若しくはそれらの加水分解物又はそれらの組合せを含む。
【0052】
[0057]本明細書において使用される場合、プロバイオティック微生物(以下「プロバイオティクス」)は、適切な量で投与されると、宿主に健康上の利益を与え得る、より具体的には、宿主の腸内細菌のバランスを改善することによって、宿主に有益な影響を及ぼし、その結果、宿主の健康又は幸福に影響を及ぼす、食品用グレードの微生物(半生存又は衰弱状態及び/又は複製しないものを含む生存)、代謝物、微生物細胞調製物又は微生物細胞の成分である。Salminen S、Ouwehand A.Benno Y.他、Probiotics:how should they be defined?、Trends Food Sci.Technol.1999:10,107〜10頁を参照されたい。一般に、これらの微生物は、腸管内の病原菌の増殖及び/又は代謝を阻害するか又はそれらに影響を及ぼすと考えられている。プロバイオティクスはまた、宿主の免疫機能を活性化し得る。この理由で、食品中にプロバイオティクスを含むための、多くの異なるアプローチが存在している。プロバイオティクスの非限定例は、アエロコッカス属、アスペルギルス属、バチルス属(Bacillus)、バクテロイデス属、ビフィドバクテリウム属、カンジダ属、クロストリジウム属、デバリオミセス属、エンテロコッカス属、フソバクテリウム属、ラクトバチルス属、ラクトコッカス属、ロイコノストック属、メリッソコッカス属、ミクロコッカス属、ムコール属、オエノコッカス属、ペジオコッカス属、ペニシリウム属、ペプトストレポコッカス属、ピキア属、プロピオニバクテリウム属、シュードカテニュレイタム属、リゾプス属、サッカロミセス属、スタフィロコッカス属、ストレプトコッカス属、トルロプシス属、ワイセラ属又はそれらの組合せを含む。
【0053】
[0058]「タンパク質」、「ペプチド」、「オリゴペプチド」又は「ポリペプチド」という用語は、本明細書において使用される場合、単一のアミノ酸(モノマー)、ペプチド結合によって一緒に結合されている2種以上のアミノ酸(ジペプチド、トリペプチド又はポリペプチド)、コラーゲン、前駆体、同族体、類似体、模倣体、塩、プロドラッグ、代謝物若しくはそれらのフラグメント又はそれらの組合せを含む、任意の組成物を指すものと理解される。明快にするために、任意の上記用語の使用は、他に特に規定がなければ、互いに交換可能である。ポリペプチド(又はペプチド又はタンパク質又はオリゴペプチド)が、20種の天然に存在するアミノ酸と一般に呼ばれる20種のアミノ酸以外のアミノ酸を含有することが多く、末端アミノ酸を含む多くのアミノ酸が、グリコシル化及び他の翻訳後修飾などの自然過程によって、又は当技術分野においてよく知られている化学修飾技術によって、所与のポリペプチドに改変され得ることは認識される。知られている修飾のうちで、本開示のポリペプチド中に存在し得るものは、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラバノイド又はヘム部分の共有結合、ポリヌクレオチド又はポリヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質又は脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有架橋の形成、シスチンの形成、ピログルタミン酸の形成、ホルミル化、γ−カルボキシル化、グリケート化、グリコシル化、グリコシルホスファチジルイノシトール(「GPI」)膜アンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解過程、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、アルギニル化などの転移RNAによって仲介されるポリペプチドへのアミノ酸の付加及びユビキチン化を含むが、それらに限定されない。「タンパク質」という用語はまた、ペプチドの交互の繰り返しからなる、線形又は非線形のポリペプチドを指す「人工タンパク質」を含む。
【0054】
[0059]タンパク質の非限定例は、乳製品をベースとするタンパク質、植物をベースとするタンパク質、動物をベースとするタンパク質及び人工タンパク質を含む。乳製品をベースとするタンパク質は、例えば、カゼイン、カゼイン塩(例えば、カゼインのナトリウム塩、カルシウム塩、カリウム塩を含むすべての形)、カゼイン加水分解物、乳清(例えば、濃縮物、単離物、脱塩物を含むすべての形)、乳清加水分解物、乳タンパク質濃縮物及び乳タンパク質単離物を含む。植物をベースとするタンパク質は、例えば、大豆タンパク質(例えば、濃縮物及び単離物を含むすべての形)、エンドウ豆タンパク質(例えば、濃縮物及び単離物を含むすべての形)、カノーラタンパク質(例えば、濃縮物及び単離物を含むすべての形)、ゼイン、米、オート麦、ジャガイモ、落花生、青エンドウ粉、青サヤインゲン粉を含む、商業的には、小麦及び小麦タンパク質の断片、トウモロコシ及びトウモロコシの断片である他の植物性タンパク質並びに豆、レンズ豆及び豆類から誘導される任意のタンパク質を含む。
【0055】
[0060]本明細書において使用される場合、「短期投与」は、好ましくは、6週間未満の連続投与である。
【0056】
[0061]本明細書において使用される場合、「シンバイオティック」は、一緒に働いて腸の微生物相を改善させる、プレバイオティック及びプロバイオティックの両方を含有するサプリメントである。
【0057】
[0062]本明細書において使用される場合、「治療」、「治療する」及び「緩和すること」という用語は、診断された病的状態又は障害の症状を治癒、遅延、低減させる治療的手段及び/又は診断された病的状態又は障害の進行を停止させる治療的手段を含む、(標的とされる病的状態又は障害の発症を予防及び/又は遅延させる)予防的(prophylactic)治療又は予防的(preventive)治療及び治癒的、治療的又は疾患修飾治療(disease−modifying treatment)の両方;並びに疾患に罹患する危険性があるか又は疾患に罹患していると疑われる患者並びに病気であるか又は疾患若しくは病状に罹患していると診断されている患者の治療を含む。この用語は、対象が全快するまで治療されることを必ずしも含意するわけではない。「治療」及び「治療する」という用語はまた、疾患に罹患していないが、窒素不均衡又は筋肉減少などの不健康な状態に進展し易い可能性がある個体における、健康の維持及び/又は促進を指す。「治療」、「治療する」及び「緩和すること」という用語はまた、1種若しくは複数種の主要な予防的手段又は治療的手段の潜在能力又は他の強化作用を含むことが意図される。「治療」、「治療する」及び「緩和すること」という用語は、疾患若しくは状態の食事の管理又は疾患若しくは状態の予防(prophylaxis)若しくは予防(prevention)のための食事の管理を含むことがさらに意図される。
【0058】
[0063]本明細書において使用される場合、「経管摂食」は、経口投与によって以外に動物の胃腸系に投与される、完全又は不完全な、栄養製品又は栄養組成物であり、かかる経管摂食には、経鼻胃管、経口胃管、胃管、空腸造瘻管(「J−管」)、経皮内視鏡的胃造瘻術(「PEG」)、胸壁ポートなどの、胃、空腸にアクセスできるポート及び他の適したアクセスポートが含まれるが、それらに限定されない。
【0059】
[0064]本明細書において使用される場合、「ビタミン」という用語は、身体の正常な成長及び活動には微量で必須であり、植物性食品及び動物性食品から自然に得られるか又は合成的に作製されたプロビタミン、誘導体、類似体から得られる、任意の種々の脂溶性又は水溶性の有機物質(非限定例は、ビタミンA、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン又はナイアシンアミド)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB6(ピリドキシン、ピリドキサール又はピリドキサミン又はピリドキシン塩酸塩)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB9(葉酸)及びビタミンB12(種々のコバラミン;一般にビタミンサプリメント中のシアノコバラミン)、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、葉酸並びにビオチンを含む)を含むものと理解される。
【0060】
[0065]増粘剤配合物は、長期間にわたって最小限レベルの弾性及び粘度を維持する、カラギーナン、キサンタン及びデンプンなどの増粘剤の特定のブレンドを含むことができる。増粘剤配合物は、指定されたレベルの粘度を有する栄養組成物を提供することができる。例えば、粘度は、花蜜、ハチミツ、プディングなどと同様であり得る。
【0061】
[0066]当業者は、本開示に従って使用され得る多くのタイプのデンプンが存在することを認識している。可能なデンプンの非限定リストは、例えば、A.E.Staley Manufacturing Companyによるシンアンドシック(Thin and Thick)(登録商標)99デンプン、Cargill,Inc.によるポーラーテック(Polartex)(登録商標)06740、Cargill Inc.によるポーラーテック(登録商標)06747、Cargill Inc.によるポーラーテック(登録商標)06748、Cargill Inc.によるクリームテック(CreamTex)(登録商標)、Tate & Lyleによるレジスタ(Rezista)(登録商標)及びNational Starch and Chemical Companyによるファーム−テック(Firm−Tex)(登録商標)を含む。
【0062】
[0067]一実施形態では、本開示は、約0.03重量%〜約0.05重量%のカラギーナン及び約3.45重量%〜約3.65重量%のデンプンを含む、安定な増粘剤配合物を提供する。一実施形態では、カラギーナンは、約0.04重量%であり、デンプンは、約3.54重量%である。安定な増粘剤配合物は、約4000cps〜約9000cpsの範囲の粘度をさらに含むことができる。
【0063】
[0068]さらに別の実施形態では、本開示は、約0.03重量%〜約0.05重量%のカラギーナン及び約1.5重量%〜約4.0重量%のデンプンを含む、安定な増粘剤配合物を提供する。この安定な増粘剤配合物は、花蜜と同様の粘度又は稠度を提供することができる。
【0064】
[0069]一実施形態では、カラギーナンは、約0.03重量%〜約0.04重量%の量で存在し、デンプンは、約1.8重量%〜約2.0重量%の量で存在する。一実施形態では、カラギーナンは、約0.03重量%〜約0.04重量%の量で存在し、デンプンは、約2.3重量%〜約2.5重量%の量で存在する。一実施形態では、カラギーナンは、約0.03重量%〜約0.04重量%の量で存在し、デンプンは、約1.5重量%〜約1.9重量%の量で存在する。一実施形態では、カラギーナンは、約0.03重量%〜約0.04重量%の量で存在し、デンプンは、約2.1重量%〜約2.4重量%の量で存在する。一実施形態では、カラギーナンは、約0.04重量%であり、デンプンは、約1.8重量%である。一実施形態では、カラギーナンは、約0.0325重量%の量で存在し、デンプンは、約1.5%〜約1.9%又は約2.1%〜約2.4%の量で存在する。
【0065】
[0070]その上別の実施形態では、本開示は、約0.03重量%〜約0.05重量%のカラギーナン及び約2.2重量%〜約2.5重量%のデンプンを含む、安定な増粘剤配合物を提供する。一実施形態では、カラギーナンは、約0.04重量%であり、デンプンは、約2.36重量%である。この安定な増粘剤配合物は、ハチミツと同様の粘度又は稠度を提供することができる。
【0066】
[0071]本明細書において使用される場合、「安定な」という用語は、粘度が長期間(例えば、少なくとも1か月間)、比較的一定のレベルで(例えば、15%以下、好ましくは10%以下だけ異なるレベルで)維持される状況(state)又は状態(condition)のままであることを意味する。本開示の実施形態による増粘剤配合物は、少なくとも1か月間維持される場合、安定であることが見出され得、一般に、2〜3か月又はそれ以上の期間、安定である。
【0067】
[0072]別の実施形態では、本開示は、約0.1重量%〜約0.14重量%のキサンタンガム及び約2.5重量%〜約2.7重量%のデンプンを含む、安定な増粘剤配合物を提供する。一実施形態では、キサンタンガムは、約0.12重量%であり、デンプンは、約2.6重量%である。これらの安定な増粘剤配合物は、約1100cps〜約9000cpsの範囲の粘度を含むことができる。
【0068】
[0073]代替の実施形態では、本開示は、1種又は複数種の栄養成分、約0.03重量%〜約0.05重量%のカラギーナン及び約3.45重量%〜約3.65重量%のデンプンを含む、安定な栄養組成物を提供する。別の実施形態では、栄養組成物は、少なくとも1種の栄養成分、約0.03重量%〜約0.05重量%のカラギーナン及び約1.5重量%〜約4.0重量%のデンプンを含む。さらに別の実施形態では、栄養組成物は、少なくとも1種の栄養成分、約0.03重量%〜約0.05重量%のカラギーナン及び約2.2重量%〜約2.5重量%のデンプンを含む。別の実施形態では、本開示は、少なくとも1種の栄養成分、約0.1重量%〜約0.14重量%のキサンタンガム及び約2.5重量%〜約2.7重量%のデンプンを含む、安定な栄養組成物を提供する。
【0069】
[0074]増粘剤配合物は、ある期間にわたって(例えば、冷蔵貯蔵温度で少なくとも1、2若しくは3か月又はそれ以上)維持される粘度を有する、予備増粘された栄養組成物の一部として使用することができる。栄養組成物は、例えば、少なくとも1か月、少なくとも2か月、少なくとも3か月などの、特定の期間にわたって到達及び維持される任意の適した粘度を含むことができる。一実施形態では、栄養組成物は、ブルックフィールドLTV粘度計で、約250cps〜約15,000cpsの範囲の粘度を含むことができる。別の実施形態では、栄養組成物は、約1100cps〜約8500cpsの範囲の粘度を含むことができる。さらに別の実施形態では、栄養組成物は、約4500cps〜約8500cpsの範囲の粘度を含むことができる。その上さらに別の実施形態では、栄養組成物は、レオロジー測定法によって、約4℃〜約25℃の製品温度で、約50〜約1750mPa・50sの範囲の粘度を有し得る。
【0070】
[0075]一実施形態では、栄養組成物は、炭水化物源をさらに含む。任意の適した炭水化物が、本栄養組成物において使用され得、かかる炭水化物には、スクロース、ラクトース、グルコース、フルクトース、コーンシロップ固形物、マルトデキストリン、化工デンプン、アミロースデンプン、タピオカデンプン、トウモロコシデンプン又はそれらの組合せが含まれるが、それらに限定されない。
【0071】
[0076]一実施形態では、栄養組成物は、脂肪源をさらに含む。脂肪源は、任意の適した脂肪又は脂肪混合物を含み得る。例えば、脂肪源は、植物性脂肪(例えば、オリーブ油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、菜種油、ヘーゼルナッツ油、大豆油、パーム油、ココナッツ油、カノーラ油、レシチンなど)及び動物性脂肪(乳脂肪など)を含み得るが、それらに限定されない。
【0072】
[0077]一実施形態では、栄養組成物は、1種又は複数種のプレバイオティクスをさらに含む。本明細書において使用される場合、プレバイオティクスは、組成物に及び/又は胃腸管の微生物相の活性の両方における特定の変化を可能にし、宿主の幸福及び健康に利益を与える、選択的に発酵された成分である。プレバイオティクスの非限定例は、アカシアガム、αグルカン、アラビノガラクタン、βグルカン、デキストラン、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、ガラクトマンナン、ゲンチオオリゴ糖、グルコオリゴ糖、グアーガム、イヌリン、イソマルトオリゴ糖、ラクトスクロース、ラクツロース、レバン、マルトデキストリン、部分的に加水分解されたグアーガム、ペクチンオリゴ糖、老化デンプン、大豆オリゴ糖、糖アルコール、キシロオリゴ糖又はそれらの組合せを含む。
【0073】
[0078]一実施形態では、栄養組成物は、1種又は複数種のプロバイオティクスをさらに含む。本明細書において使用される場合、プロバイオティクスは、適切な量で投与されると、宿主に健康上の利益を与え得る微生物(例えば、死菌又は生菌)と定義される。プロバイオティクスの非限定例は、アエロコッカス属、アスペルギルス属、バクテロイデス属、ビフィドバクテリウム属、カンジダ属、クロストリジウム属、デバリオミセス属、エンテロコッカス属、フソバクテリウム属、ラクトバチルス属、ラクトコッカス属、ロイコノストック属、メリッソコッカス属、ミクロコッカス属、ムコール属、オエノコッカス属、ペジオコッカス属、ペニシリウム属、ペプトストレポコッカス属、ピキア属、プロピオニバクテリウム属、シュードカテニュレイタム属、リゾプス属、サッカロミセス属、スタフィロコッカス属、ストレプトコッカス属、トルロプシス属、ワイセラ属又はそれらの組合せを含む。プロバイオティクスが生存して使用されることが意図される場合、プロバイオティクスは、栄養組成物の消費時に、ドライミックスパケット、油性懸濁剤又は生きたプロバイオティクスを使用するための、当技術分野において知られている他の方法によって加えられ得る。
【0074】
[0079]別の実施形態では、栄養組成物は、1種又は複数種のアミノ酸をさらに含む。アミノ酸の非限定例は、イソロイシン、アラニン、ロイシン、アスパラギン、リジン、アスパラギン酸塩、メチオニン、システイン、フェニルアラニン、グルタミン酸塩、トレオニン、グルタミン、トリプトファン、グリシン、バリン、プロリン、セリン、チロシン、アルギニン、ヒスチジン又はそれらの組合せを含む。
【0075】
[0080]一実施形態では、栄養組成物は、1種又は複数種のシンバイオティック、魚油、植物栄養素及び/又は酸化防止剤をさらに含む。本明細書において使用される場合、シンバイオティックは、一緒に働いて腸の微生物相を改善させる、プレバイオティック及びプロバイオティックの両方を含有するサプリメントである。魚油の非限定例は、ドコサヘキサエン酸(「DHA」)及びエイコサペンタエン酸(「EPA」)を含む。植物栄養素の非限定例は、フラボノイド並びに同類のフェノール及びポリフェノール化合物、カロテノイドなどのテルペノイド並びにアルカロイドを含み;クルクミン、リモニン及びケルセチンが挙げられる。本明細書において使用される場合、「酸化防止剤」という用語は、酸化又は反応性酸素種(ROS)並びに他のラジカル種及び非ラジカル種によって促進される反応を阻害する、(β−カロテン(ビタミンA前駆体)、ビタミンC、ビタミンE及びセレンのような)種々の物質のうちの任意の1種又は複数種を含むものと理解されることが好ましい。加えて、酸化防止剤は、他の分子の酸化を遅延させる又は阻止することが可能な分子である。酸化防止剤の非限定例は、カロテノイド、コエンザイムQ10(「CoQ10」)、フラボノイド、グルタチオンゴジ(ウルフベリー)、ヘスペリジン、ラクトウルフベリー、リグナン、ルテイン、リコペン、ポリフェノール、セレン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE及び組合せを含む。
【0076】
[0081]一実施形態では、栄養組成物は、1種又は複数種のビタミン及びミネラルをさらに含む。ビタミンの非限定例は、ビタミンA、B−複合体(B−1、B−2、B−6及びB−12など)C、D、E及びK、ナイアシン並びにパントテン酸及び葉酸などの酸ビタミン並びにビオチンを含む。ミネラルの非限定例は、カルシウム、鉄、亜鉛、マグネシウム、ヨウ素、銅、リン、マンガン、カリウム、クロム、モリブデン、セレン、ニッケル、スズ、ケイ素、バナジウム及びホウ素を含む。
【0077】
[0082]他の任意選択の成分が、十分に口に合う栄養組成物を作製するために加えられてもよい。例えば、本開示の栄養組成物は、従来の食品添加物、例えば、酸味料、追加的な増粘剤、緩衝剤若しくはpH調整のための薬剤、キレート剤、着色剤、乳化剤、賦形剤、着香剤、ミネラル、浸透圧剤、薬学的に許容される担体、保存剤、安定化剤、糖、甘味剤、調質剤及び/又はビタミンのうちのいずれかを場合によって含むことができる。任意選択の成分は、任意の適した量で加えられ得る。
【0078】
[0083]その上別の実施形態では、本開示は、患者における病状を治療するための方法を提供する。方法は、少なくとも1種の栄養成分、約0.03重量%〜約0.05重量%のカラギーナン及び約1.5重量%〜約4.0重量%のデンプンを含む栄養組成物を、患者に投与するステップを含む。
【0079】
[0084]一実施形態では、病状は、嚥下障害、腎不全、慢性閉塞性肺障害、吸収不良障害などである。患者は、高齢者であってもよい。或いは、患者は、薬物療法を必要としている任意の適した個体又は動物であってもよい。
【0080】
[0085]一実施形態では、栄養組成物は、医薬製剤、栄養配合物、栄養補助食品、機能性食品、飲料製品又はそれらの組合せなどの投与可能な形である。
【0081】
[0086]本開示の実施形態は、約0.03重量%〜約0.05重量%のカラギーナン及び約3.45重量%〜約3.65重量%のデンプンを含み;又は含まれる前記カラギーナンが約0.04重量%であり、前記デンプンが約3.54重量%であり;又は含まれるカラギーナンの重量とデンプンの重量の比率が約1:69〜約1:122であり;又は含まれるカラギーナンの重量とデンプンの重量の比率が約1:75〜約1:110の比率である、安定な増粘剤配合物を含むことが意図される。
【0082】
[0087]本開示の実施形態は、約1:80〜約1:100の比率の重量のカラギーナン及びデンプン;又は約1:85〜約1:90の比率の重量のカラギーナン及びデンプン;又は約1:88.5の比率の重量のカラギーナン及びデンプンを含む、安定な増粘剤配合物を含むことが意図される。
【0083】
[0088]本開示の実施形態は、約0.03重量%〜約0.05重量%のカラギーナン及び約1.5重量%〜約4.0重量%のデンプンを含み、又は前記カラギーナンが、約0.04重量%であり、前記デンプンが、約1.8重量%である、安定な増粘剤配合物を含むことが意図される。
【0084】
[0089]本開示の実施形態は、約1:34〜約1:64の比率の重量のカラギーナン及びデンプン;又は約1:40〜約1:55の比率の重量のカラギーナン及びデンプン;又は約1:43〜約1:50の比率のカラギーナン及びデンプン;又は約1:45の比率の重量のカラギーナン及びデンプンを含む、安定な増粘剤配合物を含むことが意図される。
【0085】
[0090]本開示の実施形態は、約0.1重量%〜約0.14重量%のキサンタンガム及び約2.5重量%〜約2.7重量%のデンプンを含み、又は前記キサンタンガムが約0.12重量%であり、前記デンプンが約2.6重量%である、安定な増粘剤配合物を含むことが意図される。
【0086】
[0091]本開示の実施形態は、約1:18〜約1:27の比率の重量のキサンタン及びデンプン;又は約1:20〜約1:23の比率の重量のキサンタン及びデンプン;又は約1:21.7の比率の重量のキサンタン及びデンプンを含む、安定な増粘剤配合物を含むことが意図される。
【0087】
[0092]本開示の実施形態は、粘度が、冷蔵温度で、約1100cps〜約9000cps又は約1100cps〜約6000cps又は約1100cps〜約4000cpsの範囲である、本明細書において定義されている安定な増粘剤配合物を含むことが意図される。
【0088】
[0093]一実施形態では、本開示は、少なくとも1種の栄養成分、約0.015重量%〜約0.05重量%のカラギーナン及び約1.2重量%〜約3.65重量%のデンプンを含む、栄養組成物を含むことが意図される。
【0089】
[0094]本開示の実施形態は、少なくとも1種の栄養成分と、約0.03重量%〜約0.05重量%のカラギーナン及び約3.45重量%〜約3.65重量%のデンプンとを含み;又は前記カラギーナンが、約0.04重量%であり、前記デンプンが、約3.54重量%である、栄養組成物を含むことが意図される。
【0090】
[0095]本開示の実施形態は、少なくとも1種の栄養成分、カラギーナン及びデンプンを含み、約1:69〜約1:122の比率の重量のカラギーナン及びデンプン;又は約1:75〜約1:110の比率の重量のカラギーナン及びデンプン;又は約1:80〜約1:100の比率の重量のカラギーナン及びデンプン;又は約1:85〜約1:90の比率の重量のカラギーナン及びデンプン;又は約1:88.5の比率の重量のカラギーナン及びデンプンを含む、栄養組成物を含むことが意図される。
【0091】
[0096]本開示の実施形態は、約0.03重量%〜約0.05重量%のカラギーナン及び約2.2重量%〜約2.5重量%のデンプンを含み;又は前記カラギーナンが、約0.04重量%であり、前記デンプンが、約2.36重量%である、安定な増粘剤配合物を含むことが意図される。
【0092】
[0097]本開示の実施形態は、少なくとも1種の栄養成分、約0.03重量%〜約0.05重量%のカラギーナン及び約1.7重量%〜約1.9重量%のデンプンを含み;又は約0.03重量%〜約0.05重量%のカラギーナン及び約2.2重量%〜約2.5重量%のデンプンを含む、栄養組成物を含むことが意図される。
【0093】
[0098]本開示の実施形態は、少なくとも1種の栄養成分、カラギーナン及びデンプンを含み、約1:34〜約1:64の比率の重量のカラギーナン及びデンプン;又は約1:40〜約1:55の比率の重量のカラギーナン及びデンプン;又は約1:43〜約1:50の比率の重量のカラギーナン及びデンプン;又は約1:45の比率の重量のカラギーナン及びデンプンを含む、栄養組成物を含むことが意図される。
【0094】
[0099]本開示の実施形態は、少なくとも1種の栄養成分、約0.1重量%〜約0.14重量%のキサンタンガム及び約2.5重量%〜約2.7重量%のデンプンを含み、又は前記キサンタンガムが0.12重量%であり、前記デンプンが2.6重量%である、栄養組成物を含むことが意図される。
【0095】
[00100]本開示の実施形態は、少なくとも1種の栄養成分、キサンタン及びデンプンを含み、約1:18〜約1:27の比率の重量のキサンタン及びデンプン;又は約1:20〜約1:23の比率の重量のキサンタン及びデンプン;又は約1:21.7の比率の重量のキサンタン及びデンプンを含む、栄養組成物を含むことが意図される。
【0096】
[00101]本開示の実施形態は、粘度が、約250cps〜約15,000cpsの範囲である、本明細書において定義されている栄養組成物を含むことが意図される。
【0097】
[00102]本開示の実施形態は、栄養成分が、炭水化物、タンパク質及び脂肪のうちの少なくとも1種を含む、本明細書において定義されている栄養組成物を含むことが意図される。
【0098】
[00103]本開示の実施形態は、栄養成分が、プレバイオティクス、プロバイオティクス、シンバイオティクス、魚油、植物栄養素、酸化防止剤、ビタミン、ミネラル及びそれらの組合せからなる群から選択される、本明細書において定義されている栄養組成物を含むことが意図される。
【0099】
[00104]本開示の実施形態は、栄養組成物が、医薬製剤、栄養配合物、栄養補助食品、機能性食品、飲料製品及びそれらの組合せからなる群から選択される投与可能な形である、本明細書において定義されている栄養組成物を含むことが意図される。
【0100】
[00105]本開示の実施形態は、栄養組成物が、完全栄養である、本明細書において定義されている栄養組成物を含むことが意図される。
【0101】
[00106]本開示の実施形態は、栄養組成物が、不完全栄養である、本明細書において定義されている栄養組成物を含むことが意図される。
【0102】
[00107]本開示の実施形態は、栄養組成物が、長期投与用である、本明細書において定義されている栄養組成物を含むことが意図される。
【0103】
[00108]本開示の実施形態は、栄養組成物が、短期投与用である、本明細書において定義されている栄養組成物を含むことが意図される。
【0104】
[00109]本開示の実施形態は、患者における病状を治療するための方法であって、本明細書において定義されている栄養組成物を、前記患者に投与するステップを含む方法を含むことが意図される。病状は、嚥下障害、腎不全、慢性閉塞性肺障害、吸収不良障害及びそれらの組合せからなる群から選択される。方法は、高齢者である患者を含むことがさらに意図される。
【0105】
[00110]嚥下障害を有する患者に栄養を提供するための方法であって、本明細書において定義されているように選択される栄養組成物を、前記患者に投与するステップを含む方法を含むことが意図される。方法は、嚥下障害と、腎不全、慢性閉塞性肺障害、吸収不良障害及びそれらの組合せを含むがそれらに限定されない病状とを有する患者を含むことがさらに意図される。
【0106】
[実施例]
[00111]一例として、限定ではなく、以下の実施例は、本開示の種々の実施形態を説明するものである。以下の配合物は、単に例示するためだけに与えられており、配合物は、当業者によって、探求されている特定の特徴に応じて、必要な程度まで改変され得る。
【0107】
実施例1 栄養組成物
[00112]実施例1は、表1及び2を含有する。これらの表は、本開示の実施形態に従って、増粘剤のための例示的な配合物を提供する。
【表1】


【表2】

【0108】
実施例2 実験研究
[00113]実施例2は、本開示の増粘剤配合物を用いて行われた種々の実験を概説したものである。本出願者は、いくつかの実験を行い、異なる配合物を有する種々の栄養組成物の粘度を、経時的に及び異なる温度(例えば、室温及び冷蔵温度)で測定した。一般に、実験は、加えられたある特定の量のカラギーナン又はキサンタン及びデンプンが、長期の貯蔵時間中、同温度で及び異なる温度で、安定な粘度を有する栄養組成物を提供することができることを示した。具体的には、例えば、加えているある特定の量のカラギーナン又はキサンタン及びデンプンは、冷蔵温度で貯蔵されている栄養組成物の粘度の増加を最小限に抑えることができる。本実験はまた、栄養組成物中に含有されるタンパク質の量及びタイプ並びに、ある程度、栄養組成物のカロリー密度が、栄養組成物の最小限に抑えられた粘度増加を達成するのに必要なカラギーナン又はキサンタン及びデンプンの量の決定において、ある役割を果たし得ることを示した。
【0109】
[00114]以上に論じられているように、本出願者は、栄養組成物中、カラギーナン及びデンプンの特定の量での組合せが、経時的に配合物の粘度の差を縮小することができることを見出した。例えば、図1に示されているように、0.04重量%のカラギーナン及び3.54重量%のデンプンを有する栄養組成物、並びに0.02重量%のカラギーナン及び2.36重量%のデンプンを有する栄養組成物は、40°Fで一晩貯蔵と3か月貯蔵との間の粘度差が縮小している。図1によっても示されているように、さらに縮小された、同様の効果が、より少ない量のカラギーナンを用いて達成される。安定な粘度は、24時間と1か月との間で到達された。約24時間後、増粘剤配合物は、40°Fで冷蔵されて、ハチミツの範囲の粘度を有した(例えば、9000cps未満)。
【0110】
[00115]同様に、図2に示されているように、0.04重量%のカラギーナン及び3.54重量%のデンプンは、40°Fでの1か月貯蔵と3か月貯蔵との間で、最小限の粘度変化に終わった。結果として、増粘剤配合物は、1か月と3か月との間で、安定な粘度を維持した。このことは、図2の破線矢印によって示されているように、より少ない量のデンプン及び/又はより少ない量のカラギーナンを有する栄養組成物の粘度の増加とは正反対である。
【0111】
[00116]図3も、カロリー密度1.2、タンパク質14gを有し、カラギーナン及びデンプンの量を変化させた栄養組成物の、異なる温度での最小限の粘度増加を示している。具体的には、図3は、少なくとも約0.0325%からの量のカラギーナン及び少なくとも約1.65%からの量のデンプンが、40°Fでの1か月貯蔵と3か月貯蔵との間で、栄養組成物配合物の粘度の変化を非常に最小限に抑えることを示している。
【0112】
[00117]図4〜6は、カラギーナン及びデンプンが、異なる温度で貯蔵された栄養組成物に及ぼす影響を示している。例えば、図4は、ある特定の量のカラギーナンを栄養組成物に加えることが、室温で貯蔵された場合に、40°Fで貯蔵されるのとは対照的に、栄養組成物の粘度増加を縮小し得ることを示している。図4によって示されているように、2種のデンプンを有し、カラギーナンを加えなかった栄養組成物は、室温での貯蔵と40°Fでの貯蔵との間で、22倍の粘度増加となっている。1種のデンプンを含み、カラギーナンを加えなかった同じ栄養組成物は、室温での貯蔵と40°Fでの貯蔵との間で、8倍の粘度増加となっている。同じ栄養組成物に、1種のデンプン及び0.02%の量のカラギーナンを加えると、室温での貯蔵と40°Fでの貯蔵との間で、5倍の粘度増加となる。さらに、1種のデンプン及び0.04%の量のカラギーナンを含む同じ栄養組成物は、室温での貯蔵と40°Fでの貯蔵との間で、4倍のみの粘度増加となる。したがって、図4は、ある特定の量のカラギーナン及びデンプンを栄養組成物に加えることが、室温で貯蔵された場合に、40°Fと対比して、栄養組成物の粘度の増加を最小限に抑えることができることを明らかに示している。
【0113】
[00118]カラギーナンに加えて、貯蔵中の粘度の増加を縮小するために、キサンタンが、デンプンとともに栄養組成物に加えられ得る。例えば、図5は、0.12重量%のキサンタンガム及び種々の量のデンプンを使用した場合の、室温から40°Fで24時間保持までの、栄養組成物の最小限の粘度増加を示している。約0.12重量%のキサンタンガム及び2.6重量%のデンプンの混合物は、ハチミツの稠度を有する増粘されたサプリメントを提供することができる。表3〜6は、種々の濃度のキサンタンガム及びデンプンを使用した場合の、種々の温度での経時的な粘度変化をさらに実証している。
【表3】


【表4】


【表5】


【表6】

【0114】
[00119]図6は、(i)0.02重量%のカラギーナン及び約1.8重量%のデンプン(「試作品A」);(ii)0.02重量%のカラギーナン及び2.4重量%のデンプン(「試作品B」);並びに(iii)0.12重量%のキサンタンガム及び約2.6重量%のデンプン(「試作品C」)を有する栄養組成物の、経時的な及び異なる温度での粘度を示す。図6によって示されているが、栄養組成物の粘度は、一般に、210日の期間にわたって安定である。
【0115】
[00120]それ故に、種々の濃度の栄養組成物を使用して行った実験は、加えているある特定の量のカラギーナン又はキサンタン及びデンプンが、長期の貯蔵時間中、同温度で及び異なる温度で、安定な粘度を有する栄養組成物を提供することができることを示した。具体的には、例えば、加えているある特定の量のカラギーナン又はキサンタン及びデンプンは、冷蔵温度で貯蔵されている栄養組成物の粘度の増加を最小限に抑えることができる。
【0116】
[00121]しかし、上述のように、本実験はまた、栄養組成物中に含有されるタンパク質の量及びタイプ並びに、ある程度、栄養組成物のカロリー密度が、栄養組成物の最小限に抑えられた粘度増加を達成するのに必要なカラギーナン又はキサンタン及びデンプンの量の決定において、ある役割を果たし得ることを示した。例えば、図7は、2種の栄養組成物配合物の粘度測定値を示す。図7の左側の2本のバーに関する1つ目の組成物は、約0.02%カラギーナン及び1.5%デンプンを含む。図7の右側の2本のバーに関する2つ目の組成物は、約0.02%カラギーナン及び約2.0%デンプンを含む。バーは、タンパク質18gとは対照的に、タンパク質21gを有する2種の栄養組成物の粘度の増加を明らかに説明している。さらに、図7のバーはまた、2.0%デンプンとは対照的に、1.5%デンプンを有する組成物の粘度の全般的な増加を明らかに説明している。
【0117】
[00122]本明細書に記載されている現在好ましい実施形態に対して、種々の変更及び改変が当業者には明らかであることを理解されるべきである。そのような変更及び改変は、本主題の精神及び範囲から逸脱することなく、且つその意図された利点を損なうことなく行われ得る。したがって、そのような変更及び改変は、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
栄養組成物において使用するための安定な増粘剤配合物であって、約0.03重量%〜約0.05重量%のカラギーナン及び約1.5重量%〜約4.0重量%のデンプンと、少なくとも1種の栄養成分とを含み、栄養配合物の粘度が、約300cps〜約9000cpsの範囲であり、前記栄養成分が、炭水化物、タンパク質、脂肪、プレバイオティクス、プロバイオティクス、シンバイオティクス、魚油、植物栄養素、酸化防止剤、ビタミン、ミネラル及びそれらの組合せのうちの少なくとも1種を含む、安定な増粘剤配合物。
【請求項2】
カラギーナンが、約0.03重量%〜約0.04重量%の量で存在し、デンプンが、約2.3重量%〜約2.5重量%の量で存在する、請求項1に記載の安定な増粘剤配合物。
【請求項3】
カラギーナンが、約0.03重量%〜約0.04重量%の量で存在し、デンプンが、約2.1重量%〜約2.4重量%の量で存在する、請求項1に記載の安定な増粘剤配合物。
【請求項4】
栄養組成物において使用するための安定な増粘剤配合物であって、約1:69〜約1:122の比率の重量のカラギーナン及び重量のデンプンと、少なくとも1種の栄養成分とを含み、栄養配合物の粘度が、約300cps〜約9000cpsの範囲であり、前記栄養成分が、炭水化物、タンパク質、脂肪、プレバイオティクス、プロバイオティクス、シンバイオティクス、魚油、植物栄養素、酸化防止剤、ビタミン、ミネラル及びそれらの組合せのうちの少なくとも1種を含む、安定な増粘剤配合物。
【請求項5】
カラギーナンの重量及びデンプンの重量が、約1:75〜約1:110の比率である、請求項4に記載の安定な増粘剤配合物。
【請求項6】
カラギーナンの重量及びデンプンの重量が、約1:85〜約1:90の比率である、請求項4に記載の安定な増粘剤配合物。
【請求項7】
カラギーナンの重量及びデンプンの重量が、約1:34〜約1:64の比率である、請求項4に記載の安定な増粘剤配合物。
【請求項8】
栄養組成物において使用するための安定な増粘剤配合物であって、約0.1重量%〜約0.14重量%のキサンタンガム及び約2.5重量%〜約2.7重量%のデンプンと、少なくとも1種の栄養成分とを含み、栄養配合物の粘度が、約1100cps〜約9000cpsの範囲であり、前記栄養成分が、炭水化物、タンパク質、脂肪、プレバイオティクス、プロバイオティクス、シンバイオティクス、魚油、植物栄養素、酸化防止剤、ビタミン、ミネラル及びそれらの組合せのうちの少なくとも1種を含む、安定な増粘剤配合物。
【請求項9】
キサンタンガムが、約0.12重量%であり、デンプンが、約2.6重量%である、請求項8に記載の安定な増粘剤配合物。
【請求項10】
栄養組成物において使用するための安定な増粘剤配合物であって、約1:18〜約1:27の比率の重量のキサンタンガム及びデンプンと、少なくとも1種の栄養成分とを含み、栄養配合物の粘度が、約1100cps〜約9000cpsの範囲であり、前記栄養成分が、炭水化物、タンパク質、脂肪、プレバイオティクス、プロバイオティクス、シンバイオティクス、魚油、植物栄養素、酸化防止剤、ビタミン、ミネラル及びそれらの組合せのうちの少なくとも1種を含む、安定な増粘剤配合物。
【請求項11】
キサンタンガムの重量及びデンプンの重量が、約1:20〜約1:23の比率である、請求項10に記載の安定な増粘剤配合物。
【請求項12】
患者における病状を治療するための方法であって、請求項1〜11に記載の安定な増粘剤配合物の群から選択される安定な増粘剤配合物を、前記患者に投与するステップを含む方法。
【請求項13】
病状が、嚥下障害、腎不全、慢性閉塞性肺障害、吸収不良障害、卒中後及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
病状が、嚥下障害である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
病状が、腎不全である、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
病状が、慢性閉塞性肺障害である、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
病状が、吸収不良障害である、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
病状が、卒中後である、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
患者が、高齢者である、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
嚥下障害を有する患者に栄養を提供するための方法であって、請求項1〜11に記載の安定な増粘剤配合物の群から選択される安定な増粘剤配合物を、前記患者に投与するステップを含む方法。
【請求項21】
前記患者が、病状を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
病状が、腎不全、慢性閉塞性肺障害、吸収不良障害、卒中後及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
病状が、腎不全である、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
病状が、慢性閉塞性肺障害である、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
病状が、吸収不良障害である、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
病状が、卒中後である、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
患者が、高齢者である、請求項21に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2013−508416(P2013−508416A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535439(P2012−535439)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【国際出願番号】PCT/US2010/053891
【国際公開番号】WO2011/056487
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】