説明

宛先検索装置及びこれを備えた通信装置

【課題】 所要の宛先を見つけ出す検索操作におけるキー操作の煩わしさを軽減して使い勝手を向上させる。
【解決手段】 文字入力キーの操作により先頭文字が指定されると、アルファベット順の配列規則にしたがって第1の順位の宛先の候補を表示させ、その後、同一の文字入力キーの操作を受け付ける度に、表示画面を次順位の宛先の候補に切り替えて表示させるものとする。特に文字入力キーによる指定文字を先頭文字とする次順位の宛先がなくなると、同一の文字を先頭文字とする第1の順位の宛先に戻って宛先の候補を表示させるものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、宛先の候補を表示させてその中からオペレータに所要の宛先を選択指定させるようにした宛先検索装置、及びこの宛先検索装置を備え、この宛先検索装置により宛先を設定して送信を行う通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
G3ファクシミリ装置では宛先のダイヤル番号を、またインターネットファクシミリ装置では宛先のメールアドレスを入力して送信処理が行われるが、このような宛先のダイヤル番号やメールアドレスを直接入力する手間を省くため、ダイヤル番号またはメールアドレスと宛先の名称とを宛先ごとに予め登録しておき、表示部に表示される宛先名称の中から所要の宛先を指定することでその宛先のダイヤル番号やメールアドレスに設定されるようにした電子電話帳機能を備えたファクシミリ装置がある。
【0003】
この種の電子電話帳機能を備えたファクシミリ装置では、登録された宛先が多数に及ぶ場合に所要の宛先を見つけ出すのに手間を要するため、このような手間を軽減する目的で宛先名称の先頭文字で候補を絞り込むようにした構成のものが一般的であり、この他に、操作部から入力された文字列をキーワードとして検索して、表示部に表示される宛先を絞り込むようにしたもの(例えば特許文献1参照)や、予め設定された優先順位、例えば過去の選択回数、50音、送信失敗回数、距離の遠近といった条件で順位付けされた表示順位にしたがって宛先を順次表示するようにしたものが知られている(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−44341号公報(第11図)
【特許文献2】特開2000−278501号公報(第3図、第5図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかるに、前記従来技術のように、文字列で宛先の候補を絞り込む構成では、絞り込み条件としての文字列の入力が面倒であり、また特定の優先順位で宛先を表示させる構成では、設定された優先順位で所要の宛先を迅速に見つけ出すことができるとは限らず、使い勝手の面で難点があり、宛先名称の先頭文字で宛先の候補を絞り込む一般的な構成が、絞り込み条件が分かり易く、使い易い。
【0005】
しかしながら、宛先名称の先頭文字で宛先の候補を絞り込む構成では、絞り込み条件に適合する宛先の候補が多数存在する場合が多く、この場合、上下の方向指示キーなどを操作して次の候補を表示させることで、所要の宛先を見つけ出すようにしており、このとき、絞り込み条件としての先頭文字を指定するキー操作の後に、次候補を表示させる別のキーを操作する必要があり、使い勝手の面で十分に満足し得るものではない。
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、所要の宛先を見つけ出す検索操作におけるキー操作の煩わしさを軽減して使い勝手を向上させることができるように構成された宛先検索装置及びこれを備えた通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決するために、本発明においては、請求項1に示すとおり、通信装置における宛先ごとの通信に要する情報及び名称を記憶する記憶手段と、宛先の名称の先頭文字を指定可能な複数の文字入力キーを備えた入力手段と、所要の宛先か否かをオペレータに確認させるために宛先の名称を含む情報を表示する表示手段と、前記文字入力キーの操作により先頭文字が指定された後に同一の文字入力キーの操作を繰り返し受け付けると、それに応じて、その文字入力キーにより指定された文字を先頭文字とする宛先の候補を、順次、前記記憶手段から読み出して前記表示手段に表示させる制御手段とを有するものとした。
【0008】
これによると、絞り込み条件としての先頭文字を指定する操作と次候補に進める操作とを同一のキーで行うことができるため、オペーレータは表示手段を見ながら同一のキー操作を繰り返せば良く、検索の途中で操作するキーを変える必要がないため、検索操作が簡単になり、使い勝手を向上させることができる。
【0009】
この場合、同一の先頭文字を有する宛先の中での表示の優先順位を、宛先登録時などに予め付与しておくと良く、これにより文字入力キーによる先頭文字の指定の操作に応じて迅速に宛先の候補を表示させることができる。
【0010】
なお、次候補に進める処理は、制御手段が文字入力キーの操作を受け付ける、すなわち文字入力キーの押下に応じて入力手段から出力される信号に基づいて1回の操作があったものと判断するのに応じて行えば良く、実際のキー操作では、文字入力キーを押して離す操作で次の候補に進むようにする他に、文字入力キーを押し続ける操作で次の候補に進む、すなわち文字入力キーの押圧状態が所定時間継続するのに応じて次の候補に進むものとしても良い。
【0011】
さらに請求項2に示すとおり、前記表示手段は、宛先の候補を1つだけ表示するものであり、前記制御手段は、前記文字入力キーが操作されると、所定の配列規則に基づく第1の順位の宛先の候補を前記表示手段に表示させ、その後、同一の前記文字入力キーの操作を受け付ける度に、前記表示手段の表示画面を次順位の宛先の候補に切り替えて表示させる構成とすることができる。これによると、表示手段が、宛先の候補を1つだけ表示可能な比較的小画面のものでも、文字入力キーの操作に応じて画面を切り替えることで、わかり易く表示させることができ、使い勝手を向上させることができる。
【0012】
この他、本発明では、表示手段が、宛先の候補を複数表示可能な比較的大画面のものであり、文字入力キーの操作に応じて画面がスクロールして次の候補を表示させる構成とすることも可能である。この場合、選択状態にある宛先の候補を、反転表示などにより他の候補と識別可能に表示させるようにすると良い。
【0013】
さらに請求項3に示すとおり、前記制御手段は、前記文字入力キーによる指定文字を先頭文字とする次順位の宛先がない場合に、同一の文字を先頭文字とする第1の順位の宛先に戻って宛先の候補を前記表示手段に表示させる構成とすることができる。これによると、所要の宛先が表示されたことを見落として文字入力キーを操作して宛先の表示を先に進めた場合でも、操作するキーを変えることなく、最初から検索をやり直すことができ、使い勝手がより一層向上する。
【0014】
また請求項4に示すとおり、前記制御手段は、前記文字入力キーによる指定文字を先頭文字とする次順位の宛先がない場合に、所定の配列規則に基づく次順位の文字を先頭文字とする宛先に進んで宛先の候補を前記表示手段に表示させる構成とすることができる。これによると、予め登録した宛先の名称を正確に覚えていないために誤った先頭文字を指定した場合でも、操作するキーを変えることなく、検索を続けることができ、使い勝手がより一層向上する。
【0015】
さらに請求項5に示すとおり、前記記憶手段は、宛先名称が英文字表記で登録され、前記入力手段は、アルファベット別の英文字入力キーを備え、前記制御手段は、前記英文字入力キーで指定された文字を先頭文字とする宛先をアルファベット順の配列規則にしたがって前記表示手段に表示させる構成とすることができる。これによると、英文字での一般的な配列規則であるアルファベット順に宛先が表示されるため、オペレータは所要の宛先が表示されるタイミングを予測しながら検索操作を進めることができ、使い勝手がより一層向上する。
【0016】
この場合、同一の先頭文字を有する宛先の中での表示の優先順位は、一般的な辞書の配列規則と同様にして、先頭文字より後の文字、すなわち宛先名称をなす文字列の先頭から2番目以降の文字を基準に設定すれば良い。
【0017】
この他、本発明では、宛先名称が漢字または仮名文字で登録される構成で、入力手段が50音別の仮名文字入力キーを備え、制御手段では、仮名文字入力キーで指定された文字を先頭文字とする宛先を仮名文字での一般的な配列規則である50音順に表示させる構成とすることも可能である。なお、漢字表記の宛先名称の場合、その読み仮名の文字列の先頭文字を仮名文字入力キーで指定するようにすると良い。
【0018】
また、前記請求項4のように、絞り込み条件としての先頭文字を、文字入力キーによる指定文字の次の文字に変更する際の表示の順位も、前記と同様に、英文字表記の宛先名称であればアルファベット順の配列規則にしたがって決定すると良く、また漢字または仮名文字表記の宛先名称であれば50音順の配列規則にしたがって決定すると良い。
【0019】
なお、前記の通信に要する情報とは、例えばPSTNを介してG3ファクシミリ通信手順で送信を行うG3ファクシミリ装置の場合にはダイヤル番号であり、また画情報を電子メールに格納してインターネットを介して送信を行うインターネットファクシミリ装置の場合にはメールアドレスである。
【発明の効果】
【0020】
このように本発明によれば、絞り込み条件としての先頭文字を指定する操作と次候補に進める操作とを同一のキーで行うことができるため、オペーレータは表示手段を見ながら同一のキー操作を繰り返せば良く、検索の途中で操作するキーを変える必要がないため、検索操作が簡単になり、使い勝手を向上させる上で大きな効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0022】
図1は、本発明が適用される複合機の概略構成を示すブロック図である。この複合機は、原稿の画像を読み取る読取部1と、相手先装置との間で画情報の送受信を行う通信部2と、画情報及び装置設定情報などを記憶する記憶部3と、画情報に対して所要の画像処理(画像合成・縮小・回転など)を行う画像処理部4と、画情報を印字出力する記録部5と、各部の動作を制御する制御部6と、各種処理の実行の指示や各種設定事項の入力のためのキーなどが配置された操作パネル7とを有している。
【0023】
この複合機は、ファクシミリ機能、コピー機能、プリンタ機能、並びにスキャナ機能を備え、読取部1での読取により生成した読取画情報を通信部2から送信し、また通信部2で受信した受信画情報を記録部5で出力することでファクシミリ機能が実現され、このファクシミリ機能では、PSTNを介してG3ファクシミリ通信手順により画情報の送受信を行うG3ファクシミリ装置としての機能と、画情報を電子メールに格納してインターネットを介して画情報の送受信を行う、いわゆるインターネットファクシミリ装置としての機能とを併有している。
【0024】
図2は、図1に示した複合機における操作パネルの外観を示す正面図である。操作パネル7は、複数の英文字入力キー(A〜Z)からなる文字入力キー群11及び記号入力キー(.,−,@)などが設けられた文字記号入力部12と、装置の状態や登録情報を表示する表示部13と、プリンタ、スキャナ及びインターネットファクシミリの各機能を選択する選択指示キー群14と、上下左右の指示部を備えたマルチカーソルキー状のディレクトリサーチキー15と、ダイヤル番号を入力する数字入力キー(0〜9)などが設けられたテンキー部16と、ファクシミリ送信やコピーなどの各種処理の実行を指示するスタートキー17などを備えている。
【0025】
文字入力キー群11の英文字入力キーは、英文字の汎用的な配列規則、すなわちQWERTY配列にしたがって配列されており、これらの英文字入力キー、並びに文字記号入力部12の他のキー及びテンキー部16の各キーを用いて、宛先登録の際に、英文字表記の宛先名称、並びにダイヤル番号及びメールアドレスを入力することができる。
【0026】
図3は、図1に示した複合機における記憶部に記憶される電話帳の情報を示している。記憶部(記憶手段)3には、宛先登録の操作により、宛先名称、及びダイヤル番号またはメールアドレスが宛先ごとに登録された電話帳データが格納されている。ダイヤル番号はG3ファクシミリ通信で用いられ、メールアドレスは電子メール方式で画情報を送信するインターネットファクシミリによる場合に用いられる。
【0027】
また記憶部3には、同一の文字を先頭文字とする宛先の中での表示の優先順位に関する順位情報が格納されている。この順位情報は、一般的な辞書の配列規則と同様にして、先頭文字より後の文字、すなわち宛先名称をなす文字列の先頭から2番目以降の文字を基準に設定され、例えば「A」を先頭文字とする宛先の中では、宛先名称の文字列における先頭から2番目の文字(「ABC CORPORATION」の「B」、「AMANDO」の「M」、「ANDO TARO」の「N」)のアルファベット順により決定される。表示の優先順位に関する順位付けの処理は、例えば宛先名称が登録された際に予め行うようにすると良い。
【0028】
図4は、図1に示した複合機の要部を詳しく示すブロック図である。制御部(制御手段)6は、操作パネル7上のキーを操作して入力された条件にしたがって該当する宛先の情報を記憶部3の電話帳から読み出す検索読出部21と、これにより取得した宛先の情報を表示させるように表示部(表示手段)13を制御する表示制御部22とを有している。特にここでは、文字入力キー群(入力手段)11の英文字入力キーを用いてオペレータに宛先名称の先頭文字を指定させ、この指定文字を先頭文字とする宛先を検索する処理が検索読出部21で行われる。
【0029】
ここで、指定文字を先頭文字とする宛先が1つであれば、その宛先の情報を表示部13に表示させ、他方、指定文字を先頭文字とする宛先が複数存在する場合には、まず前記のように所定の配列規則(ここでは、アルファベット順)に基づいて設定された表示の優先順位で最上位となる宛先の情報を表示部13に表示させ、その後、同一の文字入力キーの操作を受け付ける度に、同じ先頭文字を有する次順位の宛先の情報を、順次、表示部13に表示させるようになっている。
【0030】
図5は、図1に示した複合機における操作パネルの表示部に表示される画面の一例を示している。表示部13では、制御部6の検索読出部21で取得した宛先の情報、すなわち、宛先名称、ダイヤル番号またはメールアドレス、並びにダイヤル番号及びメールアドレスの別を示すアイコンが表示され、これらの情報を見て所要の宛先か否かをオペレータが確認することができ、所要の宛先でなければ同一の文字入力キーを繰り返し操作することで宛先の次候補を表示部13に順次表示させることができる。
【0031】
この例では、まずファクシミリ送信モードの初期状態で表示部13には基本画面が表示され、原稿が読取部1にセットされると、宛先の指定を催促する案内画面が表示され、宛先の先頭文字を指定する文字入力キーの操作を受け付ける宛先指定モードとなる。ここで、オペレータが「A」の文字入力キーを操作すると、まず先頭文字が「A」である宛先のうちの第1位の宛先に関する宛先表示画面1(宛先が「ABC CORPORATION」)が表示され、その後、オペレータが同じ「A」の文字入力キーを操作するのに応じて、次順位の宛先に関する宛先表示画面2・3が順次表示される。
【0032】
さらにここでは、文字入力キーによる指定文字を先頭文字とする次順位の宛先がなくなると、同じ文字を先頭文字とする宛先のうちの第1位の宛先に戻り、その第1位の宛先の情報を表示部13に表示させるようになっている。
【0033】
この例では、「A」の文字入力キーの繰り返し操作により、宛先表示画面3(宛先が「ANDO TARO」)まで表示されたところで、「A」を先頭文字とする次順位の宛先がなくなると、「A」の文字入力キーが操作されるのに応じて、先頭文字が「A」である宛先のうちの最初の順位の宛先が検索読出部21で検索され、宛先表示画面1(宛先が「ABC CORPORATION」)が表示される。
【0034】
なお、ここでは、オペレータが「A」の文字入力キーを操作して宛先表示画面に移行した後に、ディレクトリサーチキー15の下指示部15aの操作で「A」の文字入力キーと同様に次の宛先の候補に進むことができ、またディレクトリサーチキー15の上指示部15bの操作で、文字入力キーとは逆の順序で宛先の候補を表示させることができ、これらのキーを併用して宛先検索を行うこともできる。
【0035】
図6は、図1に示した複合機における操作パネルの表示部に表示される画面の別の例を示している。ここでは、前記の例と同様に、同一の文字入力キーを繰り返し操作することで宛先の次候補を表示部13に順次表示させることができるが、前記の例とは異なり、文字入力キーによる指定文字を先頭文字とする次順位の宛先がなくなると、絞り込み条件としての先頭文字を、所定の配列規則に基づいて文字入力キーによる指定文字の次にくる文字に変更して、宛先の検索が続行されるようになっている。
【0036】
すなわち、読取部1に原稿をセットした後にオペレータが「A」の文字入力キーを操作すると、前記の例と同様に、まず先頭文字が「A」である宛先のうちの第1の順位の宛先の情報が表示され、その後、同じ「A」の文字入力キーの操作に応じて、次順位の宛先の情報が順次表示され、宛先表示画面3(宛先が「ANDO TARO」)まで表示されたところで、「A」を先頭文字とする次順位の宛先がなくなると、「A」の文字入力キーが操作されるのに応じて、アルファベット順で「A」の次にくる「B」を先頭文字とする宛先のうちの第1の順位の宛先が検索され、該当する宛先の情報が宛先表示画面4(宛先が「BARBER AOKI」)のように表示部13に表示される。
【0037】
なお、ここでも前記の例と同様に、オペレータが「A」の文字入力キーを操作して宛先表示画面に移行した後に、ディレクトリサーチキー15の下指示部15aの操作で「A」の文字入力キーと同様に宛先の次候補を表示させることができ、またディレクトリサーチキー15の上指示部15bの操作で宛先の候補を逆の順序で表示させることができる。さらに「B」を先頭文字とする宛先に進んだ後に、ディレクトリサーチキー15の上指示部15bを操作することで「A」を先頭文字とする宛先に戻ることも可能である。
【0038】
また、図5に示したように、次候補の宛先がなくなったところで最初の宛先に戻って検索する繰り返し検索と、図6に示したように、次候補の宛先がなくなったところで次の文字に条件を変更して検索を続ける条件変更検索との2通りの検索モードは、ユーザの便宜に応じて予め選択することができる。
【0039】
以上のようにしてオペレータは所要の文字入力キーを操作して所要の宛先の情報を表示部13に表示させ、その宛先の表示画面の状態でスタートキー17を操作することでその宛先に確定されて送信処理が開始され、具体的には、制御部6の検索読出部21で取得した宛先の情報がダイヤル番号であれば、そのダイヤル番号で発呼する処理が通信部2において行われ、G3ファクシミリ通信手順で読取画情報を送信する処理が行われ、また宛先の情報がメールアドレスであれば、読取画情報が格納されると共に指定のメールアドレスに設定された電子メールが作成されてその電子メールをインターネットに送出する処理が行われる。
【0040】
図7は、図1に示した複合機におけるファクシミリ送信時の処理の手順を示すフロー図である。原稿を読取部1にセットすると、宛先の先頭文字を指定する文字入力キーの操作を受け付ける宛先指定モードとなり、ステップ101にて、オペレータが所要の文字入力キーを操作すると、ステップ102にて、文字入力キーによる指定文字を先頭文字とする宛先のうちの優先順位が第1位の宛先を記憶部3の電話帳で検索して読み出す処理が制御部6の検索読出部21で行われる。
【0041】
そしてステップ103にて、文字入力キーによる指定文字を先頭文字とする宛先の有無が判定され、ここで該当する宛先がないものと判定されると、ステップ104に進んで、該当する宛先が見つからない旨の文言を表示部13に表示する処理が行われる。なおここで、該当する宛先がない場合に、文字入力キーによる指定文字の次にくる文字を先頭文字に変更して宛先の候補を表示させるものとしても良い。
【0042】
他方、ステップ103にて、該当する宛先があるものと判定されると、ステップ105に進んで、ステップ102において検索読出部21で取得した宛先の情報を表示部13に表示する処理が行われる。ここでオペレータは表示部13に表示された宛先の名称を確認して、所要の宛先であればスタートキー17を操作し、異なる宛先であれば同一の文字入力キーを続けて操作する。また表示部13に表示された宛先の名称から先頭文字の指定に誤りがあることが判明すると、正しい先頭文字に対応する別の文字入力キーを操作する。
【0043】
そしてステップ106にて、スタートキー17が操作されたものと判定されると、表示部13に表示された宛先で確定され、ステップ107に進んで、指定の宛先に対してファクシミリ送信する処理が開始され、まず読取部1にて原稿の画像を読み取る処理が行われた後、G3ファクシミリまたはインターネットファクシミリの各通信手順にしたがって読取画情報を送信する処理が行われる。
【0044】
また、ステップ106にて、ステップ101において操作された文字入力キーと異なる文字入力キーが操作されたものと判定されると、その文字入力キーにより指定された文字を先頭文字として検索をやり直し、具体的にはステップ102に戻り、ステップ106において操作された文字入力キーによる指定文字を先頭文字とする宛先を検索する処理が検索読出部21で行われる。
【0045】
他方、ステップ106にて、同一の文字入力キーが操作されたものと判定された場合には、ステップ108に進み、同一の先頭文字で次順位の宛先を検索して読み出す処理が制御部6の検索読出部21で行われる。そしてステップ109にて、文字入力キーによる指定文字を先頭文字とする次順位の宛先があるものと判定されると、ステップ105に戻り、ステップ108において検索読出部21で取得した宛先の情報を表示部13に表示する処理が行われる。
【0046】
他方、ステップ109にて、文字入力キーによる指定文字を先頭文字とする次順位の宛先がないものと判定されると、ステップ110に進み、繰り返し検索及び条件変更検索のいずれの設定であるかが判定される。ここで繰り返し検索とは、図5に示したように、絞り込み条件としての先頭文字を文字入力キーによる指定文字のままで最初から検索をやり直すものであり、条件変更検索とは、図6に示したように、絞り込み条件としての先頭文字を所定の配列規則(ここでは、アルファベット順)による次順位の文字に変更して検索を行うものである。
【0047】
ステップ110にて繰り返し検索の設定と判定されると、ステップ111に進んで、文字入力キーによる指定文字を先頭文字とする宛先のうちの最上位の宛先を記憶部3の電話帳で検索して読み出す処理が検索読出部21で行われた後、ステップ105に戻り、ステップ111において検索読出部21で取得した宛先の情報を表示部13に表示する処理が行われる。他方、ステップ110にて条件変更検索の設定と判定されると、ステップ112に進んで、文字入力キーによる指定文字の次順位の文字を先頭文字とする宛先のうちの最上位の宛先を記憶部3の電話帳で検索して読み出す処理が検索読出部21で行われた後、ステップ105に戻り、ステップ112において検索読出部21で取得した宛先の情報を表示部13に表示する処理が行われる。
【0048】
図8は、図1に示した複合機における操作パネルの表示部に表示される画面の別の例を示している。ここでは、表示部13が、宛先の候補を複数表示可能な比較的大画面のものであり、文字入力キーの操作に応じて画面がスクロールして次の候補を表示させるようになっており、選択状態にある宛先の候補は、反転表示により他の候補と識別可能に表示されている。
【0049】
この例では、前記図5・6に示した例と同様に、ファクシミリ送信モードで原稿を読取部1にセットした後に、宛先の先頭文字を指定する文字入力キーを操作することで、宛先表示画面1が表示され、この画面では第1の順位の宛先の候補(ABC CORPORATION)が選択状態で反転表示されており、ここでさらに同一の文字入力キーを操作すると、宛先表示画面2となり、この画面では次順位の宛先の候補(AMANDO)が選択状態で反転表示され、さらに同一の文字入力キーを操作すると、画面が上にスクロールして次順位の宛先の候補(ANDO TARO)が表示される。
【0050】
ここでさらに同一の文字入力キーを操作すると、画面が上にスクロールするが、このとき、文字入力キーによる指定文字を先頭文字とする次順位の宛先がない場合には、前記図5に示した例と同様に第1の順位の宛先に戻り、宛先表示画面4が表示され、この画面では最下位の宛先の候補(ANDO TARO)の次に、最上位の宛先の候補(ABC CORPORATION)が選択状態で反転表示される。
【0051】
なお、文字入力キーによる指定文字を先頭文字とする次順位の宛先がない場合に、前記図6に示した例と同様に、アルファベット順で次にくる文字を先頭文字とする宛先の候補(BARBER AOKI)に進むものとしても良く、この場合、指定文字を先頭文字とする最下位の宛先の候補(ANDO TARO)の次に、次順位の文字を先頭文字とする最上位の宛先の候補(BARBER AOKI)が表示される。
【0052】
また、この構成でも、前記図5・6に示した例と同様に、ディレクトリサーチキー15の下指示部15aの操作で文字入力キーと同様に次の宛先の候補に進めることができ、またディレクトリサーチキー15の上指示部15bの操作で、文字入力キーとは逆に前の宛先の候補に戻ることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明にかかる宛先検索装置は、所要の宛先を見つけ出す検索操作におけるキー操作の煩わしさを軽減して使い勝手を向上させる効果を有し、宛先の候補を表示させてその中からオペレータに所要の宛先を選択指定させるようにした宛先検索装置などとして有用である。また本発明にかかる通信装置は、前記の宛先検索装置を備え、この宛先検索装置により宛先を設定して送信を行う通信装置、特に画情報の通信を行うファクシミリ装置、及びファクシミリ通信機能とコピーなどの他の機能を併有する複合機などして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明が適用される複合機の概略構成を示すブロック図
【図2】図1に示した複合機における操作パネルの外観を示す正面図
【図3】図1に示した複合機における記憶部に記憶される電話帳の情報を示す図
【図4】図1に示した複合機の要部を詳しく示すブロック図
【図5】図1に示した複合機における操作パネルの表示部に表示される画面の一例を示す図
【図6】図1に示した複合機における操作パネルの表示部に表示される画面の別の例を示す図
【図7】図1に示した複合機におけるファクシミリ送信時の処理の手順を示すフロー図
【図8】図1に示した複合機における操作パネルの表示部に表示される画面の別の例を示す図
【符号の説明】
【0055】
3 記憶部(記憶手段)
6 制御部(制御手段)
7 操作パネル
11 文字入力キー群(入力手段)
13 表示部(表示手段)
21 検索読出部
22 表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置における宛先ごとの通信に要する情報及び名称を記憶する記憶手段と、
宛先の名称の先頭文字を指定可能な複数の文字入力キーを備えた入力手段と、
所要の宛先か否かをオペレータに確認させるために宛先の名称を含む情報を表示する表示手段と、
前記文字入力キーの操作により先頭文字が指定された後に同一の文字入力キーの操作を繰り返し受け付けると、それに応じて、その文字入力キーにより指定された文字を先頭文字とする宛先の候補を、順次、前記記憶手段から読み出して前記表示手段に表示させる制御手段とを有することを特徴とする宛先検索装置。
【請求項2】
前記表示手段は、宛先の候補を1つだけ表示するものであり、前記制御手段は、前記文字入力キーが操作されると、所定の配列規則に基づく第1の順位の宛先の候補を前記表示手段に表示させ、その後、同一の前記文字入力キーの操作を受け付ける度に、前記表示手段の表示画面を次順位の宛先の候補に切り替えて表示させることを特徴とする請求項1に記載の宛先検索装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記文字入力キーによる指定文字を先頭文字とする次順位の宛先がない場合に、同一の文字を先頭文字とする第1の順位の宛先に戻って宛先の候補を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項2に記載の宛先検索装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記文字入力キーによる指定文字を先頭文字とする次順位の宛先がない場合に、所定の配列規則に基づく次順位の文字を先頭文字とする宛先に進んで宛先の候補を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項2に記載の宛先検索装置。
【請求項5】
前記記憶手段は、宛先名称が英文字表記で登録され、前記入力手段は、アルファベット別の英文字入力キーを備え、前記制御手段は、前記英文字入力キーで指定された文字を先頭文字とする宛先をアルファベット順の配列規則にしたがって前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の宛先検索装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の宛先検索装置を備えたことを特徴とする通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−109392(P2006−109392A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−339818(P2004−339818)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】