説明

容器の吹込成形及び熱溶接のための改良された熱形成プラント

【課題】 容器の熱溶接及び吹込成形のためのプラントを提供する。
【解決手段】 このプラントは、熱形成可能なかつ熱溶接可能なプラスチック材料を好ましい方向(A)に供給するための供給手段(10)、及び使用時に容器(50)を形成するために前記プラスチック材料を加工するための複数のステーション(11,12,13,14,15)を含む。好ましい方向(A)に沿って連続して設けられるこれらのステーションは、使用時に容器(50)を充填材料で充填するための一つ以上の充填ステーション、及び挿入体を容器(50)上に溶接するための少なくとも一つのステーション(12)を含み、各挿入体(30)は対応する容器(50)の開口を規定する。挿入体溶接ステーション(12)は好ましい方向(A)において前記一つ以上の充填ステーションの上流に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱形成可能なかつ熱溶接可能なプラスチック材料からの容器の製造のためのプラントの分野に関し、それらの容器は流体の吹込みにより形成される。
【0002】
本発明は、特にクロージャー部材を組込んでいる容器に特に関連性を持つことを意図されている。クロージャー部材は、一般的に挿入体またはリップを持つ少なくとも一つの開口を含み、この上にクロージャーキャップが係合されることが好ましい。本発明は限定されないが、特に例えば好ましくは100μm〜300μmの厚さを持つ多層積層プラスチックフィルムを含む、柔軟なコンシステンシーを持つ非常に薄いプラスチック材料から作られた容器に関する。
【背景技術】
【0003】
既知の形式のプラント内で流体の吹込みにより得られる容器の製造は、一般的に以下の問題を伴う:
【0004】
− 形成段階時に、容器の開口領域を形成する材料の縁は変形する傾向があり、高い作業温度のため不規則な形状を取る;この点で容器の計量及び充填ノズルの引続いての挿入は困難であり、容器が完全に密封されず及び/または形成されないために工程の終りで容器が不合格となる可能性を持つ、
【0005】
− 容器計量及び充填段階時に、充填材料の一部が開口領域内の内壁に付着したままであることがある;このため前記開口領域内に挿入体を溶接する次の段階は、開口の縁がぬれ、従って溶接が困難であるということで不完全であるかもしれず、それは容器に充填される材料の続く損失を起こすかもしれない、
【0006】
− 典型的には容器形成工程から下流の切断ステーションにおいて容器が吹込みにより既に熱形成された材料の縁の対である熱形成されたストリップの切断は、正確でないかもしれず、特に材料が著しい弾性挙動を持ち、熱形成されたストリップが切断ステーションで十分に延伸されていないとき、容器の縁の不完全な構成を伴うかもしれない、
【0007】
− 剪断装置により機械的に実施される従来の切断は、対応する切断手段が配置されることができるように熱形成されたストリップ上に予め決められた距離で二つの連続する容器を保つことを必要とする;この方法ではかなりの量の廃棄物、即ち不合格材料が発生され、従って製造工程内で廃棄される、
【0008】
− 熱形成されるプラスチック材料及び/または熱形成されたストリップの縁の移動は、もし縁の外部表面またはストリップ上に作用する締付け手段が使用されるなら、またはそれらの上に大きな把持力が必要であるなら、正確でないかもしれない。何故なら例えば熱形成可能なプラスチック材料の表面滑りのためである、及び
【0009】
− 前記縁または前記ストリップを移動するための締付け手段の使用は、締付け手段のためのグリップを提供するように連続する容器間に幾らかの空間を持たせる必要をもたらすことが多い;この場合、連続する容器は特定の距離を離さなければならず、結果として材料の消耗を招く。
【0010】
従来技術で知られたプラントでは、熱形成されたストリップを延伸することを可能にするために、特にこのストリップが非常に薄い材料からなるとき、切断ステーションで、切断が効果的になされることができるように、追加の締付けシステムが使用されなければならないことが多い。これらの追加の締付けシステムは、前記締付け部材が把持を達成することができるように容器間の上述の空間を増大する必要性は別として、プラントの構成及び操作を複雑にする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、吹込成形及び熱溶接による容器の熱形成のための改良されたプラント、及びクロージャー部材を含む熱形成可能なかつ熱溶接可能なプラスチック材料の容器の製造のための方法を提供して、上述の欠点を克服することである。
【0012】
本発明の一つの目的は、特に非常に薄い材料が使用されるとき、熱溶接及び吹込成形されることができるプラスチック材料を含む容器の信頼性のある高品質で経済的な製造を達成することである。
【0013】
本発明の別の目的は、開口に最適な密封性を持ちかつその開口中に溶接された挿入体の正しい整合性を持つ容器を提供することである。本発明の別の目的は、製造工程での廃棄物を減らすこと、及び熱溶接及び成形されるべきプラスチック材料のフィルムの利用度を最適化することである。
【0014】
別の目的は、個々の容器の縁を切断する工程をより速く、より正確にかつより柔軟にして、この工程を改良することである。別の目的は、プラント内のステーション間の熱形成されるべき材料の縁の移動及び/または熱形成されたストリップの移動を容易にしかつ改良することである。
【0015】
上述の目的を達成するために、本発明は、この説明の統合した部分を形成する添付請求項に述べられたように、容器の吹込成形及び熱溶接のための改良されたプラント、及び熱形成可能なかつ熱溶接可能なプラスチック材料からの容器の製造のための方法に関する。
【0016】
本発明による容器の吹込成形及び熱溶接のためのプラントは、熱形成可能なかつ熱溶接可能なプラスチック材料を供給するための手段、及び容器を形成するために前記プラスチック材料が加工される複数のステーションを含む。使用時に、供給部材は好ましい方向に、特に作業ステーションの第一のものに向けて、前記材料の少なくとも二つの縁を巻き出す。複数の作業ステーションは、挿入体が容器上に溶接される少なくとも一つのステーション(各挿入体は、対応する容器の開口を規定及び形成することができる)、及び容器が溶接及び/または形成される一つ以上のステーションを含む。
【0017】
本発明の第一態様は、挿入体溶接ステーションが縁の溶接及び/または容器の形成のためのいずれかの他の作業ステーションに先行することを提供する。より詳細には、挿入体溶接ステーションは、プラントの供給手段の下流に位置され、所望により縁予熱ステーションにより先行される。
【0018】
本発明の有利な実施態様では、挿入体溶接ステーションは、材料の縁に挿入体の少なくとも下方部を溶接する溶接手段を含み、前記少なくとも一つの下方部は、溶接作業前に熱形成されるべきプラスチック材料の二つの縁内に位置されている。
【0019】
この配置は、材料の縁がまだ処理されておらずまたはいずれの作業も受けておらず、従ってそれらの初期の化学的及び物理的性質がどのような方法でも悪影響を及ぼしていないことで、容器開口のそれぞれへの挿入体の品質的に最適な溶接を達成することを可能にする。さらに、この配置は挿入体の正しい整合性を達成することを可能にし、かつ材料の縁よりむしろ挿入体と係合する締付け手段を通してプラント全体を通して材料の縁を輸送する可能性を提供する。
【0020】
本発明の第二態様によると、熱形成可能なかつ熱溶接可能なプラスチック材料からの容器の製造のための方法が提供され、それは、挿入体を容器内の開口中に溶接する作業を含む縁を溶接する及び/または容器を形成する複数の作業、及び続いての容器計量または充填の少なくとも一つの作業を含む。挿入体溶接作業は、容器計量及び充填作業に先行するいずれの段階時でも行われる。特に有利な実施態様によると、挿入体溶接作業は縁を溶接する及び/または容器を形成する作業のいずれの前にも行われる。
【0021】
この方法で実施された挿入体溶接作業は、溶接が開口の縁が完全に乾燥しており、従って長く続く溶接の最適な品質を得る最大の可能性があることで、挿入体を容器内に固定するとき、最適な品質的結果を確実にする。
【0022】
また、本発明の上述の態様によると、形成及び充填の段階時に最大の効率的及び経済的作業を確実にするように、貫通穴を組込んでいる挿入体中に直接挿入されたノズルを通して各個々の容器を形成及び/または充填することが可能である。
【0023】
本発明の第三態様は、改良されたプラント内の切断ステーションでのレーザー切断手段の使用に関する。特に有利な実施態様によれば、レーザー切断手段はコンベヤーベルト上に置かれた容器の移動と同期されている。この配置は、熱形成された容器の正確で、迅速なかつ経済的な切断をもたらす。コンベヤーベルトは、限定されないが、有利には先行ステーションでの縁及び熱形成されたストリップの移動を特徴付ける断続的移動と違って、連続的に移動される。連続的移動は、容器の排出のための既知のシステムの適用に関する限り、これらは予め決められた方向での切断された容器の連続前進と組合わされたとき最良の作業をするので、プラントのために大きな柔軟性を確保する。
【0024】
本発明の他の利点及び特徴は、純粋に非限定実施例として提供されている添付図面に関して与えられる以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0025】
図1は、本発明による容器熱溶接及び熱形成プラントの一部の概略側面図である。
【0026】
図2は、図1のプラント内のステーション、特に挿入体を予熱及び溶接するためのステーションの概略側面図である。
【0027】
図3は、図1または2の断面図A−Aによる挿入体予熱及び溶接ステーションの概略図である。
【0028】
図4は、本発明によるプラントの一部、特に切断ステーションに関する概略側面図である。
【0029】
図5は、図4の切断ステーションの上からの概略図であり、それは特にプラントで製造された容器の移動を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
さて図を参照すると、本発明による容器の吹込成形及び熱溶接のためのプラントは、プラントの続く作業ステーションで加工されることを意図される熱形成可能なかつ熱溶接可能なプラスチック材料をプラントに供給するための供給手段10を含む。これらの作業ステーションは例えばプラスチック材料を予熱するための一つ以上のステーション11A及び11B、挿入体溶接ステーション12、容器の形材を溶接するためのステーション13、及び容器を吹込成形するためのステーション14を含むことができる。プラントはまた、前記ステーションから下流に、容器を切断及び仕分けるためのステーション15を含む。製造することを意図されている容器の特別な化学的及び/または機能的特性に依存して、図には明示的に示されていない他のステーション、例えば容器を計量し及び充填するためのステーション、プラグを挿入するためのステーションまたは他の作業を実施するためのステーションのような他のステーションが前述のステーション11〜14と切断ステーション15の間に与えられることができる。
【0031】
供給手段10は、例えば図1に示されたような単一フィルムをその中間軸に沿って折りたたんだ単一フィルムから、または互いに並んで置かれた材料の二つの別個のフィルムから形成された、対応するスプールから始まるプラスチック材料20の二つの縁を前述の作業ステーションに好ましい方向Aに供給する。
【0032】
図2と3は、挿入体溶接ステーション12を概略的に示す。本発明の一態様によれば、ステーション12は好ましい方向Aでの全ての他の縁溶接ステーション13及び/または容器形成ステーション14から上流に、かつプラスチック材料が予熱されるステーション11A及び11Bの後に設けられる。挿入体溶接ステーション12は主枠を含み、それに二つの縁20の上部内に挿入体30を配置するための可動挿入手段が連結されている。各挿入体30は、例えば実質的に円筒形状のものであり、貫通穴を含む。挿入体30の下方部31は、熱溶接されなければならないプラスチック材料の縁のための接触縁をその頂部に含む。使用時に、挿入体30は、挿入手段により、下方部31のみが二つの縁20内に効果的に位置するような方法で縁20の進行方向Aに実質的に横断した挿入方向である矢印Fの方向に動かされる。有利には、挿入体30内の貫通穴は、容器を吹込み、形成、計量及び/または充填する連続作業、及び材料の二つの縁20内に流体が吹込まれる必要があるいずれかの他の作業を実施するためのノズルをその内部に漏れ防止態様で収容することを可能にする。これは、ノズルが挿入体30と相互作用するのみで、従来技術の場合のように縁20ともはや直接相互作用しないことで、全ての前記作業の迅速で安全な実施を可能にする。
【0033】
挿入体溶接ステーション12はさらに、主枠と可動連結状態で、前記挿入体30をプラスチック材料20の縁に溶接するための手段を含む。これらの手段は、限定されないが、例えば互いに対向して設けられかつ熱溶接される材料の前記進行方向Aに横断的な方向に前後に動く二つの溶接部材であることができる。溶接部材、例えば二つの溶接型35はそれぞれ、使用時に材料の縁に対面する内部表面を含み、その内部表面上に材料20の二つの縁の上部を挿入体30の下方先端31に溶接するための既知の形式の熱溶接表面36が設けられている。この下方先端31は二つの縁20間に挿入されている。
【0034】
容器の熱溶接及び吹込成形のためのプラントはまた、挿入体溶接ステーション12から下流に:
− 容器の形材を溶接するためのステーション13、
− 容器を吹込成形するためのステーション14、
− 容器吹込み及び/または形成及び/または計量及び/または充填及び/またはキャップを挿入体30上に挿入するためのさらなるステーション、
− 先行ステーション内で熱形成されたストリップを緩衝するための緩衝手段、及び
− 形成された容器を切断及び仕分けするためのステーション15、
を含む。
【0035】
本発明のさらに特に有利な特徴によれば、吹込成形及び熱溶接プラントは、形成された容器の密封性をチェックするための手段を含む。限定されないが、例えば、容器形材溶接ステーションの後に、圧力測定手段が吹込み手段に連結されることができる。吹込み手段は挿入体内に漏れを防止するように挿入され、予め決められた量の流体が容器中に予め決められた圧力を作るような方法で吹込まれる。圧力測定手段が予め決められた時間の間に作られた圧力を測定する。もし圧力測定手段が容器の一つの内の前記圧力の減少を検出したら、これは、その容器内の形材及び/またはその容器内のフィルムの部分の溶接が漏れを防止しないこと、従ってこの容器が欠陥品であることを監視システムに示すことを意味する。
【0036】
本発明の別の有利な特徴によれば、容器吹込成形及び熱溶接プラントは、減圧条件下に容器を充填するための手段を含む。限定されないが、例えば、充填ステーションは、容器内に存在する空気を抜き出すことができるノズルを含む。いったん容器内に減圧が作られたら、充填手段が充填材料を、単一操作で、高速度でかつ容器内に気泡を形成する危険なしに、容器中に挿入する。減圧作成手段はまた、上述の方法で容器の漏れ防止をチェックするために使用されることができる。
【0037】
漏れ試験、及び減圧条件下の充填は、既知の形式のシステムと違って、挿入体がノズルと容器の内部の間との連結が気密的であることを保証するので、実施されることができる。
【0038】
図4と5は切断ステーション15を概略的に示す。21により示されかつ先行ステーション内でプラスチック材料のシートの縁を加工することにより得られた熱形成されたストリップは、限定されないが、例えば、緩衝手段のホイール40により回転状態で指向手段41の助けによりステーション15に向けて案内される。緩衝手段は、先行ステーションでの縁20またはバンド21の断続移動を切断ステーション15での連続移動に変更することを可能にする。
【0039】
切断ステーション15は、熱形成されたストリップ21を連続的に移動するための手段、例えば、ストリップ21を方向Bに進めるためのコンベヤーベルト42を含む。コンベヤーベルト42は、心出し部材、例えばコンベヤーベルト42と外部で組合わされた心出し及び引取りテンプレート43を含み、それらのテンプレート内に熱形成されたストリップ21内に作られた容器が収容される。
【0040】
容器を切断しかつ仕分けるためのステーション15はまた、全体として60により示された熱形成されたストリップ21を切断するためのかつ本発明による改良の対象である、好ましくは連続的なレーザー切断システムを含む。切断システム60は、レーザー切断のための部材、例えば予め決められた出力の少なくとも一つのレーザー線を放射及び配向するための装置を持つレーザーヘッド61を含む。レーザーヘッド61は、それから放射されたレーザー線が先に熱形成された複数の容器50の周囲に対応する予め決められた軌道に沿ってストリップ21を切断するような方法でコンベヤーベルト42の上に予め決められた距離で置かれる。
【0041】
切断システム60はまた、使用時に容器50がストリップ21内の対応するテンプレート43内に正しく配置されていることをチェックすることができるチェック装置62を含む。チェック装置62、限定されないが、例えば、遠隔カメラまたは赤外システムは、好ましくはレーザーヘッド61から下流に設けられかつストリップ21に面する。
【0042】
切断システム60の一部を形成する制御及び管理システムは、レーザーヘッド61内で発生されたレーザービームの移動とコンベヤーベルト42の前進移動(方向B)との間の同期性を確保する。コンベヤーベルト42の前進移動は、位置及び速度検出装置、例えば電気機械式位置変換器、エンコーダー65または制御システム及び切断システムに連結された分解器により検出される。エンコーダー65の助けにより、制御及び管理システムは、コンベヤーベルト42の前進移動時の個々の容器形状の実際の位置に関して完全に同期されるように確立された予め決められた切断軌道に沿ってレーザービームの移動を制御する。
【0043】
コンベヤーベルト42上の心出し及び引取りテンプレート43は、有利にはストリップ21内に作られた容器を正しくかつしっかりと収容するような方法で形状付与される。これは、容器の縁をより正確に切断し、良く規定されかつ仕上げられた縁を持つ容器を作ることを進めることを可能にする。
【0044】
煙霧及び一般的に切断作業で発生した廃棄物の抽出のための手段、例えば抽出手段63は、レーザー切断部材と、特にレーザーヘッド61に関して両側(図4の左及び右)のレーザーヘッド61と組合わされている。従って、抽出手段63は、煙霧及びトリミング屑及びより一般的には各レーザー容器周囲切断作業での切断に隣接した領域内で発生される廃棄物の除去を有利にもたらすような方法で熱形成されたストリップ21が切断される領域と組合わされる。
【0045】
切断システム60は、図4に点線により示されたレーザー切断のための追加の部材、例えばヘッド61に似た構成でかつ同様に上述したものに似た方法でかつ同じ目的のために配置されたような手段63′を備えた第二レーザーヘッド61′を含むことができる。
【0046】
切断のために使用されるレーザーの性質及び出力の選択、及びステーション15での一つ以上のレーザーヘッドの設置は、次のパラメーターに照らしてなされるであろう:切断されるテープの材料の厚さ及び性質、製造されるべき個々の容器の形状と寸法に依存する切断の長さ、熱形成されたストリップの前進速度。
【0047】
図4の右のコンベヤーベルト42の終点部に接近して、先に切断された容器50を選択するための位置16があり、そこで選択手段と除去手段が容器50と相互作用し、それらをテンプレート43から取り出す。逆に、適合しないことが見出された容器は、選択手段により取り出されず、ベルト上に残り、それらがコンベヤーベルト42の終点(右手)に到着したとき落下により排出される。
【0048】
コンベヤーベルト42の特定の方向Bの連続移動、及び容器50が実質的に水平に位置するという事実がいずれの既知の選択システムを使用することを簡単かつ効率的にすることは注目されるべきである。実際、選択システムはその作業で各テンプレートの正確な位置を検出する検出装置65の存在により補助され、このようにして各容器の正確な位置を選択システムに通信する。有利には、サンプリングされる容器は選択手段の容易な作業、例えば上からまたは横方向の作業のために実質的に水平に位置されている。
【0049】
使用時に、供給手段10は、プラスチック材料の二つの縁20を続く作業ステーションで縁20が加工されることを可能にするような方法で好ましくは断続的に好ましい方向Aに供給する。特に、縁20はステーション11Aと11Bで予熱操作を受けさせられる。挿入体溶接ステーション12では、挿入手段は、方向Fに作用する挿入体30を縁20内に配置し、特に縁20の上部間に下方部31を、縁20の先端が挿入体30の停止肩を支えるまで配置する。次いで、熱溶接表面36が縁20に近づき、目的のために加熱されている型が一緒に接近され、縁20を挿入体30の下方部31上に押圧してそれらを一緒に溶接する。
【0050】
上記のように溶接された後、縁20は、例えば一つ以上の挿入体30をつかむ締付け手段により続く作業ステーションに進められる。縁20は例えばステーション13に移り、そこで容器形材は既知の方法で溶接される。いったん完全に溶接されて、それらに溶接された挿入体30が合体されたら、縁20は次いで続くステーション、例えば容器50を形成するためのステーション14に進められる。このステーションは、空気流を一つ以上の挿入体30を通してかつ形成ノズルを通して容器中に吹込むことにより容器50を形成する。この形成ノズルは作業時には各挿入体30内に漏れを防止するように挿入される。
【0051】
加工は、既知の方法で続くステーション、例えば容器計量または充填ステーション、容器漏れ試験ステーション、及び最後に挿入体30上にキャップをはめるためのステーションを通して続けられる。
【0052】
容器加工工程の終りに、緩衝手段は、縁及びここまで加工されたストリップの断続移動を熱形成されたストリップ21の切断ステーション15に向けての連続移動に変換する。緩衝手段に必要であるモーター駆動ホイール40は、熱形成されたテープ21を蓄積ホッパーから引出し、それを指向手段41の中間媒介を通してコンベヤーベルト42のテンプレート43に送出する。
【0053】
レーザー切断は、述べられた切断システム60を通してコンベヤーベルト42上で実施され、それは次の作業:
a)レーザーヘッド61、及びもし適切なら第二レーザーヘッド61′から発生するレーザービームを、容器縁を切断するためのプログラムに従ってコンベヤーベルト42の移動と同期かつ整合すること、
b)容器縁を切断すること、及び
c)切断作業からの煙霧及び廃棄物を除去すること、
を実行する。
【0054】
切断は、コンベヤーベルト42の方向Bの前進移動に関係を持つ容器の周囲に沿ったレーザービームの制御された移動を通して行われる。例えば、コンベヤーベルト42が前進する間、レーザービームは個々の容器50の周囲に追従することができ、それは切断され、次いで次の容器に移動され、このようにして容器の連続切断を実現する。
【0055】
レーザー切断器の作業のためのプログラムは、限定されないが、例えば、次の特性に基づいて選択されるであろう:使用されるレーザーの形式と出力、一つ以上のレーザーヘッドの存在、切断されるストリップの材料の厚さと性質、製造される個々の容器の形状と寸法に依存する切断の長さ、及び熱形成されたストリップ21の前進速度。このようにして最適な品質の切断が達成され、同時に使用される電力を節約し、従ってプラントのための最大効率を確実にする。
【0056】
コンベヤーベルト42と一体片のものであるテンプレート43は、このようにして個々の容器50を運び、位置16で切断し、そこで適当であると考えられる容器が選択される。例えば容器が選択されるかまたは拒絶されるかの決定は、プラントに対して特定された予め決められた製造許容度に基づいて行われる。
【0057】
本発明の一つの態様によれば、挿入体の容器の開口中への溶接作業は、容器計量または充填段階に先行するいずれの段階でも行われる。これは、挿入体が容器中に固定されるとき、開口の縁が完全に乾燥しているときに溶接がなされることで、最適な品質結果を確実にする。
【0058】
熱形成されたストリップの連続移動と同期したレーザー切断システムの使用は、レーザーが容器の周囲に正確に追従することができかつ非常に正確な切断を作ることができるので、プラスチック材料の熱形成されたストリップ中に容器が互いに接近させられることができることを確実にする。
【0059】
容器を作るための工程の開始でプラスチック材料の縁に挿入体を溶接させることに対して提供されるプラントの改良は、プラスチック材料のフィルムの移動を、簡潔化の目的のために添付図面中に示されていない一つ以上の挿入体をつかむことのできる締付け手段を通して、実施することを可能にする。この方法では、熱形成されるべきフィルム上にまたは一つの容器と次の容器との間の領域内で熱形成されたストリップ上に直接締付け手段を配置することは避けられ、従って製造廃棄物の必然的減少及びプラスチック材料の節約を伴なって、熱形成されるべきフィルム上の二つの連続した容器間の距離を減らすことが可能である。これに加えて、この締付け手段は、熱形成を必要とするプラスチック材料のフィルムの典型的な実質的に滑らかな表面上に作用する既知の締付け具とは違って、一般的に粗面である挿入体の上部表面上で作業するときにその表面上へのより良い保持を有利に達成する。
【0060】
本発明の特に有利な特徴によれば、使用時に挿入体溶接ステーション12が挿入体30のプラスチック材料の縁20への溶接及び容器周囲の溶接の両方をもたらす。従って、熱形成されるべき容器の開口の臨界的な領域は精密にかつ正確に規定されることができ、かつ製造される容器の開口の最終形状を規定する溶接された挿入体は便宜に、迅速にかつ幾何学的に規定された方法で、挿入されることができ、同時に材料がその化学的及び物理的性質を劣化する加熱及び冷却の次の段階に曝されることを避けて、プラントの全体寸法を減らす。これらの挿入体は、容器キャップがねじ込まれる部分並びに続く形成ステーションで形成ノズルが挿入される開口を有利に構成することができる。
【0061】
上述の利点は、例えば典型的には100μm〜300μmの厚さを持つ多層積層プラスチックフィルムからなる非常に柔軟なコンシステンシーのプラスチック材料を含む容器が使用されるとき、より明らかである。これらの材料は正確な方法で取扱い、造形しかつ切断することが特に困難であり、かつそれらが通常の機械的手段により切断されるときに切断ステーションで十分に延伸されることが必要である。また、これらの容器の場合、熱形成された材料の縁またはストリップに作用する締付け手段を典型的にはずすことのあるそれらの柔軟なコンシステンシーのため、溶接された挿入体に作用する締付け手段を通してそれらの容器を移送するのが特に有利である。
【0062】
本発明の別の好適な実施態様によれば、容器吹込成形及び熱溶接プラントは、続く作業ステーションで加工されることを意図されている熱形成可能なかつ熱溶接可能なプラスチック材料をプラントに供給するための供給手段を含む。作業ステーションは、例えばプラスチック材料が予熱される一つ以上のステーション、挿入体溶接ステーション、容器形材溶接ステーション、容器吹込成形ステーションを含むことができる。上述のステーションから下流に、プラントは充填ステーションを含まず、空の容器を切断及び仕分けするためのステーションのみを含む。
【0063】
プラスチック材料の縁は、好ましい方向Aに種々のステーションに供給され、かくして上述のいずれの他の作業と一緒に、容器形材が溶接されることができ、容器が流体を吹込まれることにより形成されることができ、挿入体が溶接され容器の開口を規定することができる。全てのこれらの作業の順序は、例えば容器の形式及び形状、熱形成可能な材料の形式及び/または製造業者による予め決められた選択のような予め決められたパラメーターに基づいて変更されることができる。いったん容器が形成され、容器開口を規定するために挿入体が溶接されたら、容器は切断ステーションに直接送られる。いったん切断されたら、容器は個々にまたはグループで、例えば容器計量または充填ステーション、及び/または容器の漏れ試験のためのステーション、及び/または挿入体にキャップをはめるためのステーションのような好ましくはプラントの外部の及びプラントから別個の他の作業ステーションに送られる。
【0064】
当然のことに、本発明の原理と同じである限り、純粋に例として与えられた実施態様の形態及び構成の詳細は、本発明の範囲から逸脱することなく、説明されかつ例示されたものに関して広く変更されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明による容器熱溶接及び熱形成プラントの一部の概略側面図である。
【図2】図1のプラント内のステーション、特に挿入体を予熱及び溶接するためのステーションの概略側面図である。
【図3】図1または2の断面図A−Aによる挿入体予熱及び溶接ステーションの概略図である。
【図4】本発明によるプラントの一部、特に切断ステーションに関する概略側面図である。
【図5】図4の切断ステーションの上からの概略図であり、特にプラントで製造された容器の移動を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の熱溶接及び吹込成形のためのプラントであって、熱形成可能なかつ熱溶接可能なプラスチック材料を好ましい方向(A)に供給するための供給手段(10)、使用時に容器(50)を形成するために前記プラスチック材料を加工するためのかつ好ましい方向(A)に沿って連続して配置された複数のステーション(11,12,13,14,15)を含み、この複数のステーションが、挿入体が容器(50)上に溶接されるステーション(12)を含み、各挿入体(30)が、対応する容器(50)の開口を規定するものにおいて、前記挿入体溶接ステーション(12)が、材料の進行の好ましい方向(A)において前記供給手段(10)から下流にかつ作業ステーション(11,13,14,15)の一つ以上から上流に位置されていることを特徴とするプラント。
【請求項2】
プラントが、使用時に充填材料で容器(50)を満たすために一つ以上の充填ステーションをさらに含み、挿入体溶接ステーション(12)が、好ましい方向(A)において前記一つ以上の充填ステーションから上流に位置されていることを特徴とする請求項1に記載のプラント。
【請求項3】
前記プラスチック材料が少なくとも二つの縁(20)を含み、前記挿入体溶接ステーション(12)が、挿入体(30)の少なくとも一つの下方部(31)を材料の縁(20)に溶接するための溶接手段を含み、前記少なくとも一つの下方部(31)が溶接操作の前に材料の縁(20)間に置かれることを特徴とする請求項1または2に記載のプラント。
【請求項4】
前記挿入体(30)が、一つ以上の作業ステーション(13,14,15)で続く操作を実施するためにノズルを漏れを防止するように中に収容するための貫通穴をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載のプラント。
【請求項5】
プラントが、プラスチック材料の前記縁(20)を好ましい方向(A)に移動するために一つ以上の挿入体(30)をつかむことができる締付け手段をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のプラント。
【請求項6】
プラントが、容器(50)を切断するための切断ステーション(15)をさらに含み、前記切断ステーション(15)が少なくとも一つのレーザー切断システム(60)を含むことを特徴とする請求項1に記載のプラント。
【請求項7】
前記切断システムが、レーザー切断部材(61)、及び少なくとも一つのレーザービームを放射しかつ配向するための装置を含むことを特徴とする請求項6に記載のプラント。
【請求項8】
プラントが、容器(50)を移動するための手段(42)、容器(50)の正確な位置を検出するための装置(65)、及び使用時にレーザービームの配向が前記移動手段(42)の前進運動に追従する各容器(50)の実際の位置に関して同期しているような方法で前記検出装置(65)と関連づけられた制御及び管理システムを含むことを特徴とする請求項7に記載のプラント。
【請求項9】
プラントが、使用時に縁(20)の好ましい方向(A)の断続前進移動を連続移動に変えるために容器(50)のための緩衝手段を含むことを特徴とする請求項6に記載のプラント。
【請求項10】
前記緩衝手段が切断ステーション(15)の上流に位置されていることを特徴とする請求項9に記載のプラント。
【請求項11】
熱形成された容器を移動するための手段が、容器(50)を正確にかつ完全に収容するための心出し及び引取り部材(43)を含むコンベヤーベルト(42)を含むことを特徴とする請求項10に記載のプラント。
【請求項12】
前記レーザー切断システム(60)が、レーザー切断(61)の結果として前記レーザー切断部材と関連した煙霧及び廃棄物(63)の抽出のための手段を含むことを特徴とする請求項6に記載のプラント。
【請求項13】
前記切断ステーション(15)が、容器の選択のためのステーション(16)、及び容器(50)を選択しかつ取上げるための手段を含み、前記容器(50)が前記移動手段(42)上の実質的に水平な位置にあることを特徴とする請求項6に記載のプラント。
【請求項14】
吹込成形可能なかつ熱溶接可能なプラスチック材料を加工するための複数のステーションを含む形式のプラント内でプラスチック材料から容器を製造するための方法であって、プラスチック材料を溶接し、容器(50)を形成し、挿入体(30)を溶接し、容器(50)内に開口を規定する段階、及び容器(50)を計量しかつ充填する段階を含む方法において、挿入体(30)を溶接する前記段階が容器(50)を計量しかつ充填する段階に先行することを特徴とする方法。
【請求項15】
挿入体(30)を溶接する前記段階が、材料を溶接しかつ/または容器(50)を形成するいずれの段階にも先立って行われることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記挿入体溶接段階が、縁(20)の前進方向(A)に横断的な方向(F)に沿った前記材料の一対の縁(20)間への挿入体(30)の少なくとも一つの吹込み部(31)の挿入を含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
容器(50)のレーザー切断のさらなる段階を含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項18】
方法が、容器の移動を断続移動から連続移動へ変換する段階を含み、その変換が、特に容器(50)を計量しかつ充填する操作の後に行われることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
レーザー切断操作が容器の連続移動と同期した態様で行われ、レーザービームが切断されるべき容器(50)の周囲に追従することを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
切断段階からの煙霧及び廃棄物を抽出する段階をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項21】
方法が、容器を選択しかつ拒否する操作を含み、容器(50)が、連続的に移動されかつ実質的に水平位置に配置されることを特徴とする請求項17に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2009−530189(P2009−530189A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558934(P2008−558934)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【国際出願番号】PCT/IB2007/000613
【国際公開番号】WO2007/105079
【国際公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(508275928)ウニフィル エス.アール.エル. (1)
【Fターム(参考)】