説明

宿泊施設利用システム

【課題】2次元データコードを用いて、宿泊施設の予約からチェックイン、提供される客室の開錠、そしてチェックアウトに至る一連の業務処理を効率化する。
【解決手段】利用者31が使用するブラウザ機能を有するコンピュータ301によるウェブ上での宿泊施設21の予約に伴い予約コードを生成し、生成した予約コードをコンピュータ構成の宿泊施設装置201に送信すると共に、その予約コードを2次元データコード401の形態で再現可能なように利用者31のコンピュータ301にも送信し、利用者31が持ち寄る再現された2次元データコード401によって当該宿泊施設装置201での自動チェックインを可能とすると共に、宿泊施設装置201ではその2次元データコード401に基づき別の2次元データコードを発行し、この別の2次元データコードによって利用者31に提供する客室の開錠及び自動チェックアウトを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブ上での宿泊施設の予約に伴い発行される2次元データコードによって当該宿泊施設での自動チェックインを可能とし、その2次元データコードに基づき発行される別の2次元データコードによって利用者に提供する客室の開錠と自動チェックアウトとを可能にする宿泊施設利用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの普及に伴い、ホテルや旅館等の宿泊施設の予約をウェブ上で行なうことができるシステムが一般化している。このようなシステムは、ブラウザ機能を有するコンピュータによって閲覧可能な予約サイトをウェブ上で公開して空き室情報を提供し、その予約サイトを閲覧するコンピュータに宿泊施設予約用のデータフォームを入力可能に送信し、当該コンピュータから送信された入力済みのデータフォームを受信することによって予約を受け付け得るように構築されている。
【0003】
こうしたスキームは、宿泊施設予約用のみならず、何らかの商品やサービスの予約を受け付けるウェブ上のシステムとして、一般的である。例えば、特許文献1には、インターネットを介して書籍や各種レンタル品の予約を行なった利用者に対して図書館やレンタル店でレンタル品を貸し出す予約サービスシステムが開示されている。このシステムでは、利用者側の携帯通信端末によるウェブ上でのレンタル品の予約に伴い、そのレンタル予約品を特定し得る予約登録情報を2次元データコードの形態で表示部に表示し得るように携帯通信端末に送信する。そして、レンタル側の施設に赴いた利用者が所持する携帯通信端末の表示部に予約登録情報を2次元データコードの形態で表示し、これをその施設に配備されているレンタル品貸出し端末で読み取り、対応するレンタル予約品を貸し出すようにシステム構築されている。
【0004】
また、宿泊施設においては、セキュリティ確保のために、利用者に提供する客室のドアに例えば電子錠が備えられている。電子錠は、一般的には磁気カードを開錠のための鍵として用いる。つまり、電子錠に開錠のための暗証番号を設定し、磁気カードにも暗証番号を記録しておき、電子錠において磁気カードに記録された暗証番号を読み取り、設定された暗証番号との一致を条件としてその開錠を可能にする仕組みである。これに対して、特許文献2には、電子錠を開錠させるための鍵として、2次元データコードを利用するようにした発明が開示されている。つまり、開錠のための鍵を2次元データコード化してモニタに表示し、これを携帯電話機が内蔵するカメラで撮像してその表示部に表示可能としておく。そして、電子錠が設置されている出入口の認識用カメラに携帯電話機の表示部に表示させた2次元データコードを読み取らせ、制御部において読み取りデータの照合処理を実行し、その結果に基づいて開錠信号を電子錠に出力する、というものである。
【0005】
【特許文献1】特開2005−196643公報
【特許文献2】特開2004−238965公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
レンタル品の貸し出しや電子錠の開錠という或る限られた局面で2次元データコードを利用する技術は、前述した特許文献1及び特許文献2に見られるように公知となっている。しかしながら、或る限られた局面で2次元データコードを利用するということは、2次元データコードに単一の価値を与えているに過ぎないということになる。例えば、特許文献1に記載された発明の場合、2次元データコードに託された価値は、レンタル予約品を特定し得る予約登録情報としての価値に留まる。また、特許文献2に記載された発明の場合、2次元データコードに託された価値は、電子錠の鍵としての価値に留まる。換言すると、特許文献1に記載された2次元データコードは、予約登録情報という情報を2次元データコードという形態として表現しているに過ぎない。また、特許文献2に記載された2次元データコードは、電子錠の鍵となり得る情報を2次元データコードという形態として表現しているに過ぎない。
【0007】
これに対して、宿泊施設の利用システムを想定すると、客室の予約、チェックイン、提供された客室のドアに備えられた電子錠の開錠、チェックアウト等、多様な局面が生じ得ることに気が付く。このため、上記特許文献1及び特許文献2に記載されているような2次元データコードに単一の価値しか与えていない従来技術を参照して宿泊施設の利用システムの効率化を図ろうとすると、自ずと2次元データコードの利用が個々の局面毎に細切れとなり、2次元データコードの利用の一貫性を想起し得ない。このため、上記従来技術からは、真に効率化された宿泊施設の利用システムを想到することが困難である。
【0008】
本発明の目的は、2次元データコードを用いて、宿泊施設の予約からチェックイン、提供される客室の開錠、そしてチェックアウトに至る一連の業務処理を効率化することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ブラウザ機能を有するコンピュータによって閲覧可能な予約サイトをウェブ上で公開するコンピュータ構成の上位装置と、通信ネットワークを介して前記上位装置とデータ通信可能に接続する宿泊施設に設置されるコンピュータ構成の宿泊施設装置と、前記宿泊施設のフロントに設置されて2次元データコードを読み取りデコードし、デコードしたコードを前記宿泊施設装置に送信するフロントコードリーダと、前記宿泊施設の各客室の入口に設置されて2次元データコードを読み取りデコードし、デコードしたコードを前記宿泊施設装置に送信する客室コードリーダと、前記宿泊施設の各客室のドアに据え付けられ、前記宿泊施設装置からの開錠信号に応じて開錠動作が制御される電子錠と、を具備し、前記上位装置は、そのコンピュータ機能によって実行する手段として、ウェブ上で前記予約サイトを閲覧する前記コンピュータに、宿泊施設予約用のデータフォームを入力可能に送信する手段と、前記コンピュータから送信された入力済みの前記データフォームを受信する手段と、前記入力済みのデータフォームの受信に応じて予約コードを生成し、当該データフォームを送信した前記コンピュータに当該コンピュータの利用者が所持可能な媒体上に当該予約コードを2次元データコードの形態で再現可能なように送信する手段と、前記入力済みのデータフォームの受信に応じて前記通信ネットワークを介して当該データフォームに含まれている予約情報を前記生成した予約コードと対応付けて前記宿泊施設装置に送信する手段と、を具備し、前記宿泊施設装置は、そのコンピュータ機能によって実行する手段として、受信した前記予約情報及びこれに対応付けられている予約コードを記憶部に記憶する手段と、前記フロントコードリーダが読み取ってデコードした2次元データコードに含まれているコードを受信し、当該コードと一致する前記記憶部が記憶している予約コードに対応付けられている予約情報について提供する客室の特定を含むチェックイン処理を実施する手段と、前記チェックイン処理に伴い宿泊者コードを生成し、生成した宿泊者コードを当該チェックイン処理によって特定される客室に対応付けて前記記憶部に記憶する手段と、前記生成した宿泊者コードを利用者が所持可能な媒体上に2次元データコードの形態で再現可能なように出力する手段と、前記客室コードリーダが読み取ってデコードした2次元データコードに含まれているコードを受信し、当該コードが対応する客室について前記記憶部に記憶されている開錠コードとの一致を条件に当該客室の前記電子錠に開錠信号を出力する手段と、前記フロントコードリーダが読み取ってデコードした2次元データコードに含まれているコードを受信し、当該コードと一致する前記記憶部が記憶している宿泊者コードに対応付けられているチェックイン処理済みの予約情報についてチェックアウト処理を実施する手段と、を具備する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ウェブ上での宿泊施設の予約に伴い発行される2次元データコードによって当該宿泊施設での自動チェックインを可能とし、その2次元データコードに基づき発行される別の2次元データコードによって利用者に提供する客室の開錠及び自動チェックアウトを可能にするので、宿泊施設の予約からチェックイン、提供される客室の開錠、そしてチェックアウトに至る一連の業務処理を効率化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施の一形態を図1ないし図22に基づいて説明する。
【0012】
[システムの概要]
本実施の形態の宿泊施設利用システムの概要を図1ないし図3に基づいて説明する。本実施の形態の宿泊施設利用システムは、ウェブ上での宿泊施設の予約処理、宿泊施設のチェックイン処理、利用者に提供する客室の開錠処理、及び宿泊施設のチェックアウト処理という四種類の処理を実行する。
【0013】
図1は、宿泊施設の予約処理を実現するスキームを示す模式図である。まず、本実施の形態の宿泊者利用システムは、本部11に設置される上位装置としてのホストコンピュータ101と、複数のホテルや旅館等の宿泊施設21にそれぞれ設置されるコンピュータ構成の宿泊施設装置201とから構成されている。
【0014】
ホストコンピュータ101は、ウェブサーバ機能を含んでおり、宿泊施設21についての予約サイトをウェブ上に公開している。ホストコンピュータ101は、また、予約データベース151(図5参照)と宿泊者データベース171(図6参照)とを管理している。予約データベース151は、宿泊施設21の利用を望む利用者31から送信された予約情報を管理する。その詳細については図5に基づいて後述する。宿泊者データベース171は、宿泊施設21から送信された宿泊者情報を管理する。その詳細については図6に基づいて後述する。
【0015】
宿泊施設21は、例えば、本部11の運営者が経営する施設であったり、本部11の運営者と同一系列の施設であったりする。このような宿泊施設21に設置されている宿泊施設装置201は、本実施の形態において、サーバ211とクライアントであるフロント端末231と客室施錠装置251とによって構成されており、これらのサーバ211とフロント端末231と客室施錠装置251とはLANネットワーク271を介してデータ通信自在に接続されている(図7参照)。
【0016】
宿泊施設21の利用を望む利用者31は、携帯電話等の携帯型電子端末やパーソナルコンピュータ等のコンピュータ301を介してホストコンピュータ101が公開する予約サイトにアクセスし、この予約サイトを通じて所望の宿泊施設21の予約を行なうことができる。利用者31が使用するコンピュータ301は、ウェブ上に公開されている予約サイトの情報を閲覧するために、インターネットに接続できる環境を備え、なおかつブラウザソフトウェアのインストールによってブラウザ機能を有している必要がある。
【0017】
以上のように構築されたシステム上で、宿泊施設21の予約を行なうには、利用者31がそのコンピュータ301を用いてホストコンピュータ101がウェブ上に公開する予約サイトにアクセスする。そして、この予約サイト上で予約情報、つまり、利用者情報、予約プラン及び支払い情報を入力し、ホストコンピュータ101に送信する。
【0018】
ホストコンピュータ101は、受信した予約情報を予約データベース151(図5参照)に登録し、個々の予約毎に予約コードを生成する。そして、予約情報を送信したコンピュータ301に対して、当該コンピュータ301の利用者31が所持可能な媒体上に生成した予約コードを2次元データコード401の形態で再現可能なように送信する。そのために、ホストコンピュータ101は、予約コードに基づいて予約データコードを生成する。予約データコードは、利用者31が使用するコンピュータ301において予約コードを2次元データコード401の形態で再現させ得るデータによって構成されている。一例として、利用者31が使用するコンピュータ301が携帯型電子端末、例えば携帯電話の場合、ホストコンピュータ101は生成した予約データコードをメールで送信する。これにより、携帯電話であるコンピュータ301は、メールにて受信した予約データコードに基づいて2次元データコード401を画面上に表示可能である。別の一例として、利用者31が使用するコンピュータ301がパーソナルコンピュータである場合、ホストコンピュータ101は生成した予約データコードをそのコンピュータ301の画面上に表示し得るように送信する。これにより、パーソナルコンピュータであるコンピュータ301は、受信した予約データコードに基づいて2次元データコード401を画面上に表示し、この表示画像を転写紙等の記録媒体にプリントアウトすることが可能である。
【0019】
ホストコンピュータ101は、更に、利用者31から送信された予約情報(利用者情報、予約プラン及び支払い情報)を、生成した予約コードと共に予約された宿泊施設21の宿泊施設装置201を構成するサーバ211に送信する。このような予約コードを伴う予約情報の送信は、バッチ処理による(図22参照)。このバッチ処理については、図22に基づいて後述する。
【0020】
宿泊施設装置201を構成するサーバ211は、宿泊者に関する情報を管理する宿泊管理ファイル212(図9参照)を備えており、ホストコンピュータ101から受信した予約コード付きの予約情報を宿泊者情報として宿泊管理ファイル212に登録する。したがって、宿泊施設装置201は、予約コードを特定することで、この予約コードにリンクする宿泊者情報(利用者情報、予約プラン及び支払い情報)を認識することができる。
【0021】
図2は、宿泊施設21のチェックイン処理(図2(a))及び利用者31に提供する客室の開錠処理(図2(b))を実現するスキームを示す模式図である。
【0022】
図2(a)に示すように、宿泊施設装置201を構成するフロント端末231には、フロントコードリーダ232と発券装置233とレシートプリンタ234と決済端末235とが接続されている(図11も参照)。フロントコードリーダ232は、2次元データコードを読み取ってデコードする装置であり、近距離無線通信のための無線通信部232aを内蔵している(図11参照)。発券装置233は、宿泊施設装置201を構成する客室施錠装置251が備えている電子錠252(図12参照)を開錠するための鍵233aを発券する。レシートプリンタ234は、宿泊費等を決済した利用者31に渡すレシート234a(図3参照)を発行する。決済端末235は、クレジットカードでの宿泊費等の決済を可能とする。
【0023】
ホストコンピュータ101がウェブ上で公開する予約サイト上で所望の宿泊施設21の予約をした利用者31は、ホストコンピュータ101から送信された予約データコードを2次元データコード401の形態に再現できる状態で、或は、2次元データコード401の形態に再現した状態で、予約をした宿泊施設21のフロントに赴く。「予約データコードを2次元データコード401の形態に再現できる状態」というのは、利用者31のコンピュータ301が携帯電話であってその画面上に2次元データコード401を表示できる状態を意味する。これに対して、「予約データコードを2次元データコード401の形態に再現した状態」というのは、利用者31のコンピュータ301がパーソナルコンピュータであって2次元データコード401を転写紙等の記録媒体にプリントアウトした状態を意味する。
【0024】
予約をした宿泊施設21のフロントに赴いた利用者31は、チェックインをするために、自ら又は当該宿泊施設21のフロント係に依頼して、予約データコードに基づく2次元データコード401をフロントコードリーダ232にかざして読み取らせる。すると、フロント端末231は、フロントコードリーダ232がデコードする予約コードを認識し、宿泊管理ファイル212から認識した予約コードにリンクしている宿泊者情報を検索し、チェックイン処理を実行する。
【0025】
この際、フロント端末231は、予約コードとは異なるコードからなる宿泊者コードを生成し、生成した宿泊者コードに基づいて宿泊者データコードを生成する。宿泊者データコードは、2次元データコード501の形態で再現させ得るデータによって構成されている。一例として、利用者31が使用するコンピュータ301が携帯型電子端末、例えば携帯電話の場合、フロント端末231はフロントコードリーダ232の無線通信部232aを駆動制御し、生成した宿泊者データコードを近距離無線通信やメール等で送信する。これにより、携帯電話であるコンピュータ301は、近距離無線通信やメール等で受信した宿泊者データコードに基づいて2次元データコード501を画面上に表示可能である。別の一例として、フロント端末231は発券装置233を駆動制御し、生成した宿泊者データコードに基づく2次元データコードが印刷されたカードキー233aを発券する。宿泊者コードに基づく2次元データコード501は、宿泊者コードが予約コードと異なるコードからなるので、必然的に、予約コードに基づく2次元データコード401とは異なる情報を持つことになる。
【0026】
宿泊施設装置201は、チェックイン処理に際して生成した宿泊者コードを対応する宿泊者情報に対応付けて宿泊管理ファイル212に登録する。そして、その宿泊者コードを客室施錠装置251に送信する。客室施錠装置251は、受信した宿泊者コードを登録する。
【0027】
図2(b)に示すように、宿泊施設21の客室には、そのドア22に前述した電子錠252(図12参照)が設置されている。また、各客室に対応させて、ドア22の横には客室コードリーダ253(図12も参照)が設置されている。客室コードリーダ253は、2次元データコードを読み取ってデコードする装置である。
【0028】
チェックインを済ませた利用者31は、宿泊施設21から提供される客室に赴き、チェックイン処理に伴い取得した2次元データコード501を客室コードリーダ253にかざす。この場合の2次元データコード501は、コンピュータ301である携帯電話の画面に表示されるか、或は、発券されたカードキー233aに印刷されている。すると、客室施錠装置251は、客室コードリーダ253がデコードする宿泊者コードを認識し、登録している宿泊者コードとの同一性を照合する。照合の結果、二つの宿泊者コードが同一であると認識した場合には、電子錠252に開錠信号を送信し、ドア22を開ける状態にする。
【0029】
図3は、宿泊施設のチェックアウト処理を実現するスキームを示す模式図である。宿泊施設21の利用者31は、チェックアウトをする場合、宿泊施設21のフロントに赴き、自ら又は当該宿泊施設21のフロント係に依頼して、宿泊者データコードに基づく2次元データコード501をフロントコードリーダ232にかざして読み取らせる。すると、フロント端末231は、フロントコードリーダ232がデコードする宿泊者コードを認識し、宿泊管理ファイル212から認識した宿泊者コードにリンクしている宿泊者情報を検索し、チェックアウト処理を実行する。そして、フロントコードリーダ232は、チェックアウトした利用者31に提供していた客室の客室施錠装置251に対して、登録している宿泊者コードをクリアすべきことを指示するクリアコードを送信する。これに応じて客室施錠装置251は、登録している宿泊者コードをクリアする。
【0030】
以上説明したように、本実施の形態によれば、本部11に設置されるホストコンピュータ101は、利用者31が使用するブラウザ機能を有するコンピュータ301によるウェブ上での宿泊施設21の予約に伴い予約コードを生成し、生成した予約コードをコンピュータ構成の宿泊施設装置201に送信すると共に、その予約コードを2次元データコード401の形態で再現可能なように利用者31のコンピュータ301にも送信する。利用者31が予約をした宿泊施設21の宿泊施設装置201では、利用者31が持ち寄る再現された2次元データコード401によって当該宿泊施設装置201での自動チェックインを可能とすると共に、その2次元データコード401に基づき別の2次元データコード501を発行し、この別の2次元データコード501によって利用者31に提供する客室の開錠及び自動チェックアウトを可能にする。したがって、宿泊施設21の予約からチェックイン、提供される客室の開錠、そしてチェックアウトに至る一連の業務処理を効率化することができる。
【0031】
[システムの詳細]
図4は、ホストコンピュータ101のハードウェア構成を示すブロック図である。ホストコンピュータ101は、情報処理を実行するマイクロコンピュータ102を主体に構成されている。マイクロコンピュータ102は、各部を集中的に制御するCPU103に固定データを格納するROM104と可変データを書き換え自在に記憶するRAM105とがシステムバス106を介して接続されて構成されている。
【0032】
CPU103には、HDD107、CD−ROMドライブ108及び外部記憶装置109も接続されている。前述した予約データベース151及び宿泊者データベース171は、外部記憶装置109に記憶保存されている。
【0033】
ホストコンピュータ101は、マイクロコンピュータ102の入出力装置として、表示装置110と入力装置111とを備えている。これらの表示装置110及び入力装置111は、システムバス106を介してCPU103に接続されている。また、ホストコンピュータ101は、システムバス106を介してCPU103に接続されている通信インターフェース112も備えている。通信インターフェース112は、ホストコンピュータ101を公衆回線網(通信ネットワーク)に接続可能に構成されている。
【0034】
図4中、RAM105は単一の構成物として示しているが、実際には複数個のチップから構成されていても良い。単一のチップによって構成されているRAM105は、バッテリにバックアップされている必要がある。複数個のチップによって構成されているRAM105の場合、少なくとも一つのチップはバッテリにバックアップされているか、不揮発性メモリから構成され、電力の供給を受けることなく記憶データの保存が可能となっている。RAM105のバッテリバックアップ領域又は不揮発性メモリ領域には、HDD107にインストールされているコンピュータプログラムの全部又は一部がコピーされ、このコピーされたコンピュータプログラムがCPU103に解釈されて実行される。RAM105にコピーされてCPU103に解釈実行される一部のコンピュータプログラムは、ホストコンピュータ101にウェブサーバとしての機能と、外部記憶装置109に記憶されている予約データベース151及び宿泊者データベース171を管理する管理サーバとしての機能とを実行させる。このようなコンピュータプログラムの実行に際して、RAM105の記憶領域はワークエリア等として利用される。
【0035】
図4では、ホストコンピュータ101を単一の機器として表現しているが、ホストコンピュータ101は、複数の機器が分散している分散型として構成されていても良い。
【0036】
図5は、ホストコンピュータ101が管理する予約データベース151のファイル構造を示す模式図である。予約データベース151は、宿泊施設21を特定する識別コードであるホテルID151aに対応付けて、ホテル名151b、予約情報151c、予約コード151d及び送信フラグ151eを記憶可能なデータ構造を有している。
【0037】
ホストコンピュータ101がウェブ上で公開する予約サイトを閲覧する利用者31のコンピュータ301が、その予約サイト上で特定の宿泊施設21について予約をすると、当該宿泊施設21に付与されている識別コードがホテルID151aに設定される。ホテル名151bは、対応する宿泊施設21の称呼についてのテキストデータである。これらのホテルID151aに設定記憶される識別コード及びホテル名151bに記憶されるテキストデータは、それらの識別コードとテキストデータとを対応付ける別途のファイルに管理されている。利用者31のコンピュータ301による予約サイト上での特定の宿泊施設装置201についての予約は、当該宿泊施設装置201の識別コードの特定を含むので、予約があれば、宿泊施設装置201の識別コードが特定されることになる。こうして特定された識別コードが予約データベース151のホテルID151aに設定され、その識別コードに対応付けられて管理されているテキストデータがホテル名151bに記憶される。
【0038】
予約データベース151中の予約情報151cには、予約サイト上で特定の宿泊施設21について予約をする利用者31のコンピュータ301から送信された予約情報(利用者情報、予約プラン及び支払い情報)が記憶される。また、前述したように、予約情報を受信したホストコンピュータ101は予約コードを生成する。こうして生成した予約コードを記憶する場所が予約データベース151中の予約コード151dである。
【0039】
ホストコンピュータ101は、前述したように、利用者31から送信された予約情報(利用者情報、予約プラン及び支払い情報)を、生成した予約コードと共に予約された宿泊施設21の宿泊施設装置201を構成するサーバ211にバッチ処理で送信する。このような処理に際して、予約された宿泊施設21の宿泊施設装置201を特定するのが予約データベース151中のホテルID151aであり、送信する予約情報は予約情報151cに記憶されている予約情報であり、送信する予約コードは予約コード151dに記憶されている予約コードである。そして、ホストコンピュータ101は、予約コードと共に予約情報を送信したならば、予約データベース151中の送信フラグ151eにフラグを立てる。つまり、送信フラグ151eは、予約コードと共に予約情報を送信したことを示すフラグデータを記憶する。
【0040】
したがって、ホストコンピュータ101は、予約データベース151を参照することで、利用者31からの予約情報を管理することができる。
【0041】
図6は、ホストコンピュータ101が管理する宿泊者データベース171のファイル構造を示す模式図である。宿泊者データベース171は、宿泊施設21を特定する識別コードであるホテルID171aに対応付けて、ホテル名171b及び宿泊者情報171cを記憶可能なデータ構造を有している。
【0042】
宿泊者データベース171に記憶される宿泊者情報171cは、宿泊施設装置201を構成するサーバ211からバッチ処理によって送信された情報である。つまり、宿泊施設装置201を構成するサーバ211は、このサーバ211が設置される宿泊施設21を特定する識別コードに対応付けて宿泊者情報をホストコンピュータ101にバッチ処理で送信する。ホストコンピュータ101は、受信した識別コードをホテルID171aに記憶し、受信した宿泊者情報を宿泊者情報171cに記憶する。そして、識別コードとテキストデータとを対応付けて管理する前述した別途のファイルから、ホテルID171aに記憶した識別コードに対応するテキストデータを検索し、これをホテル名171bに記憶する。
【0043】
図7は、宿泊施設装置201の構成を示すブロック図である。前述したように、宿泊施設21に設置されている宿泊施設装置201は、サーバ211とクライアントであるフロント端末231と客室施錠装置251とによって構成されており、これらのサーバ211とフロント端末231と客室施錠装置251とがLANネットワーク271を介してデータ通信自在に接続されて構成されている。
【0044】
図8は、宿泊施設装置201を構成するサーバ211のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ211は、情報処理を実行するマイクロコンピュータ221を主体に構成されている。マイクロコンピュータ221は、各部を集中的に制御するCPU222に固定データを格納するROM223と可変データを書き換え自在に記憶するRAM224とがシステムバス225を介して接続されて構成されている。CPU222には、HDD226及びCD−ROMドライブ227も接続されている。HDD226には、前述した宿泊管理ファイル212(図9参照)及びスケジュールファイル213(図10参照)が記憶保存されている。
【0045】
サーバ211は、マイクロコンピュータ221の入出力装置として、表示装置216と入力装置217とを備えている。これらの表示装置216及び入力装置217は、システムバス225を介してCPU222に接続されている。また、サーバ211は、システムバス225を介してCPU222に接続されているLANインターフェース218及び通信インターフェース219も備えている。LANインターフェース218は、LANネットワーク271を介してサーバ211をフロント端末231及び客室施錠装置251にデータ通信自在に接続させる。通信インターフェース219は、サーバ211を公衆回線網に接続可能に構成されている。
【0046】
図8中、RAM224は単一の構成物として示しているが、実際には複数個のチップから構成されていても良い。単一のチップによって構成されているRAM224は、バッテリにバックアップされている必要がある。複数個のチップによって構成されているRAM224の場合、少なくとも一つのチップはバッテリにバックアップされているか、不揮発性メモリから構成され、電力の供給を受けることなく記憶データの保存が可能となっている。RAM224のバッテリバックアップ領域又は不揮発性メモリ領域には、HDD226にインストールされているコンピュータプログラムの全部又は一部がコピーされ、このコピーされたコンピュータプログラムがCPU222に解釈されて実行される。このようなコンピュータプログラムの実行に際して、RAM224の記憶領域はワークエリア等として利用される。
【0047】
図9は、宿泊施設装置201を構成するサーバ211が管理する宿泊管理ファイル212のファイル構造を示す模式図である。宿泊管理ファイル212は、予約コード212aに対応付けて宿泊者コード212b、宿泊者情報212c、チェックイン情報212d及びチェックアウト情報212eを記憶可能なデータ構造を有している。
【0048】
前述したように、ホストコンピュータ101は、予約データベース151中の予約情報151cに記憶している予約情報を予約コード151dに記憶している予約コードに対応付けてバッチ処理で宿泊施設装置201のサーバ211に送信する。サーバ211では、ホストコンピュータ101から受信した予約コードを宿泊管理ファイル212の予約コード212aに記憶し、予約情報を宿泊者情報として宿泊者情報212cに記憶する。そして、フロント端末231からチェックイン情報を受信すると(図17中のステップS211参照)、その時のチェックイン日時及び客室を宿泊管理ファイル212のチェックイン情報212dに記憶する。また、フロント端末231からチェックアウト情報を受信すると(図20中のステップS221参照)、その時のチェックアウト日時及び客室を宿泊管理ファイル212のチェックイン情報212dに記憶する。
【0049】
図10は、宿泊施設装置201を構成するサーバ211が管理するスケジュールファイル213のファイル構造を示す模式図である。スケジュールファイル213は、宿泊施設21が有している客室毎に、一日一日(年月日)の予約状況を管理可能なデータ構造を有している。客室は客室番号213aで特定し、年月日は日付213bで特定し、予約状況は予約状況213cで特定する。
【0050】
図11は、宿泊施設装置201を構成するクライアントであるフロント端末231のハードウェア構成を示すブロック図である。フロント端末231は、情報処理を実行するマイクロコンピュータ241を主体に構成されている。マイクロコンピュータ241は、各部を集中的に制御するCPU242に固定データを格納するROM243と可変データを書き換え自在に記憶するRAM244とがシステムバス245を介して接続されて構成されている。CPU242には、HDD246及びCD−ROMドライブ247も接続されている。
【0051】
フロント端末231は、マイクロコンピュータ241の入出力装置として、表示装置236と入力装置237とを備えている。これらの表示装置236及び入力装置237は、システムバス245を介してCPU242に接続されている。また、フロント端末231は、システムバス245を介してCPU242に接続されているLANインターフェース238も備えている。このLANインターフェース238は、LANネットワーク271を介してフロント端末231をサーバ211にデータ通信自在に接続させる。
【0052】
そして、前述したフロントコードリーダ232、発券装置233、レシートプリンタ234及び決済端末235は、システムバス245に接続された外部機器インターフェース239を介してマイクロコンピュータ241のCPU242に接続され、CPU242とでデータ通信自在となっている。
【0053】
図11中、RAM244は単一の構成物として示しているが、実際には複数個のチップから構成されていても良い。単一のチップによって構成されているRAM244は、バッテリにバックアップされている必要がある。複数個のチップによって構成されているRAM244の場合、少なくとも一つのチップはバッテリにバックアップされているか、不揮発性メモリから構成され、電力の供給を受けることなく記憶データの保存が可能となっている。RAM244のバッテリバックアップ領域又は不揮発性メモリ領域には、HDD246にインストールされているコンピュータプログラムの全部又は一部がコピーされ、このコピーされたコンピュータプログラムがCPU242に解釈されて実行される。このようなコンピュータプログラムの実行に際して、RAM244の記憶領域はワークエリア等として利用される。
【0054】
図12は、宿泊施設装置を構成する客室施錠装置251のハードウェア構成を示すブロック図である。客室施錠装置251は、集積回路化されたプロセッサ及びメモリから構成されている制御部254を備え、この制御部254に電子錠252及び客室コードリーダ253が接続されている。制御部254にはLANインターフェース255も接続されており、サーバ211との間のデータ通信が可能となっている。そして、制御部254は、そのメモリ内に記憶部としての宿泊者コード記憶領域254aを有している。この宿泊者コード記憶領域254aには、サーバ211から送信された宿泊者コード(図17のステップS213参照)が記憶されている。
【0055】
制御部254は、そのメモリ内にコンピュータプログラムをファームウェアとして有している。このコンピュータプログラムに従い、制御部254内のプロセッサが処理を実行する。つまり、制御部254は、客室コードリーダ253が読み取った2次元データコード(例えば2次元データコード501)をデコードし、宿泊者コード記憶領域254aに記憶する宿泊者コードとの同一性を照合する。そして、制御部254は、客室コードリーダ253が読み取ってデコードした2次元データコード(例えば2次元データコード501)のデータと宿泊者コード記憶領域254aに記憶する宿泊者コードとの同一性を確認した場合、電子錠252に開錠信号を出力する。電子錠252は、開錠信号を受信することにより開錠するオートロック機能を有している。
【0056】
[宿泊施設予約処理]
図13は、ホストコンピュータ101のCPU103が実行する宿泊施設21の予約処理の流れ示すフローチャートである。図14は、図13に示す宿泊施設21の予約処理に際して利用者31のコンピュータ301に表示される画面遷移を示す模式図である。この場合の利用者31のコンピュータ301は、パーソナルコンピュータである。
【0057】
ホストコンピュータ101は、ウェブ上で公開する予約サイトにおいて、この予約サイトにアクセスする利用者31のコンピュータ301に、ホテル選択画面Aを送信する(ステップS11)。
【0058】
図14(a)は、利用者31のコンピュータ301の画面上にホテル選択画面Aが表示されている状態を示している。図14(a)に示すように、ホテル選択画面Aは、複数の宿泊施設21をマトリクス状に表示し、コンピュータ301での操作に応じて所望の宿泊施設21の選択を可能とする画面である。そして、ホテル選択画面A中には、キャンセルボタンA1が表示される。
【0059】
続く処理として、ホストコンピュータ101のCPU103は、ホテル選択の有無の判定(ステップS12)とキャンセル指定有無の判定(ステップS13)とを実行する。ホストコンピュータ101のCPU103は、利用者31によるコンピュータ301の操作でキャンセルボタンA1が選択指定されると(ステップS13のY)、メモリクリア処理を実行し(ステップS39)、処理を終了する。
【0060】
これに対して、利用者31によるコンピュータ301の操作で一つの宿泊施設21が選択指定されると(ステップS12のY)、ホストコンピュータ101は図5に示す予約データベース151中のホテルID151aに、選択された宿泊施設21にリンクする識別コードを仮登録する(ステップS14)。そして、ホストコンピュータ101は、ホテル選択を実行したコンピュータ301に向けて、利用者情報入力フォームBを送信する(ステップS15)。この利用者情報入力フォームBは、宿泊施設予約用のデータフォームの一部を構成する。
【0061】
図14(b)は、利用者31のコンピュータ301の画面上に利用者情報入力フォームBが表示されている状態を示している。この利用者情報入力フォームBは、利用者31の氏名、住所、電話番号等の利用者情報を入力するためのフォームである。利用者31は、そのコンピュータ301での操作によって、利用者情報入力フォームBに必要事項を入力することができる。そして、利用者情報入力フォームBの表示画面には、確定ボタンB1、戻るボタンB2及びキャンセルボタンB3が表示される。
【0062】
続く処理として、ホストコンピュータ101のCPU103は、確定操作の有無の判定(ステップS16)と、戻る指定有無の判定(ステップS17)と、キャンセル指定有無の判定(ステップS18)とを実行する。ホストコンピュータ101のCPU103は、利用者31によるコンピュータ301の操作で戻るボタンB2が選択指定されると(ステップS17のY)、ステップS11のホテル選択画面送信処理、つまり、予約サイトにアクセスする利用者31のコンピュータ301にホテル選択画面Aを送信する処理にリターンする。また、ホストコンピュータ101のCPU103は、キャンセルボタンB3が選択指定されると(ステップS18のY)、メモリクリア処理を実行し(ステップS39)、処理を終了する。
【0063】
これに対して、利用者31によるコンピュータ301の操作で確定ボタンB1が選択指定されると(ステップS16のY)、ホストコンピュータ101は、利用者情報入力フォームBに入力された利用者情報を図5に示す予約データベース151中の予約情報151cに仮登録する(ステップS19)。そして、ホストコンピュータ101は、確定ボタンB1の選択指定を実行したコンピュータ301に向けて、予約プラン入力フォームCを送信する(ステップS20)。この予約プラン入力フォームCは、宿泊施設予約用のデータフォームの一部を構成する。
【0064】
図14(c)は、利用者31のコンピュータ301の画面上に予約プラン入力フォームCが表示されている状態を示している。この予約プラン入力フォームCは、選択した宿泊施設21の客室の特定を含む予約プランを入力するためのフォームである。利用者31は、そのコンピュータ301での操作によって、予約プラン入力フォームCから所望の予約プランを選択入力することができる。そして、予約プラン入力フォームCの表示画面には、確定ボタンC1、戻るボタンC2及びキャンセルボタンC3が表示される。
【0065】
続く処理として、ホストコンピュータ101のCPU103は、確定操作の有無の判定(ステップS21)と、戻る指定有無の判定(ステップS22)と、キャンセル指定有無の判定(ステップS23)とを実行する。ホストコンピュータ101のCPU103は、利用者31によるコンピュータ301の操作で戻るボタンC2が選択指定されると(ステップS22のY)、ステップS15の利用者情報入力フォームBの送信処理にリターンする。また、ホストコンピュータ101のCPU103は、キャンセルボタンC3が選択指定されると(ステップS23のY)、メモリクリア処理を実行し(ステップS39)、処理を終了する。
【0066】
これに対して、利用者31によるコンピュータ301の操作で確定ボタンC1が選択指定されると(ステップS21のY)、ホストコンピュータ101は、予約プラン入力フォームCで選択入力された予約プランを図5に示す予約データベース151中の予約情報151cに仮登録する(ステップS24)。そして、ホストコンピュータ101は、確定ボタンC1の選択指定を実行したコンピュータ301に向けて、支払い情報入力フォームDを送信する(ステップS25)。この支払い情報入力フォームDは、宿泊施設予約用のデータフォームの一部を構成する。
【0067】
図14(d)は、利用者31のコンピュータ301の画面上に支払い情報入力フォームDが表示されている状態を示している。この支払い情報入力フォームDは、支払いの方法とその関連情報とを入力するためのフォームである。支払いの方法というのは、例えば、現金支払い、クレジット支払い等を意味する。支払い方法の関連情報は、例えば、クレジット支払いが選択される場合、クレジット番号やクレジットカードの有効期限等である。利用者31は、そのコンピュータ301での操作によって、支払い情報入力フォームDから所望の支払い方法を選択入力しその関連情報を入力することができる。そして、支払い情報入力フォームDの表示画面には、確定ボタンD1、戻るボタンD2及びキャンセルボタンD3が表示される。
【0068】
続く処理として、ホストコンピュータ101のCPU103は、確定操作の有無の判定(ステップS26)と、戻る指定有無の判定(ステップS27)と、キャンセル指定有無の判定(ステップS28)とを実行する。ホストコンピュータ101のCPU103は、利用者31によるコンピュータ301の操作で戻るボタンD2が選択指定されると(ステップS27のY)、ステップS20の予約プラン入力フォームCの送信処理にリターンする。また、ホストコンピュータ101のCPU103は、キャンセルボタンD3が選択指定されると(ステップS28のY)、メモリクリア処理を実行し(ステップS39)、処理を終了する。
【0069】
これに対して、利用者31によるコンピュータ301の操作で確定ボタンD1が選択指定されると(ステップS26のY)、ホストコンピュータ101は、支払い情報入力フォームDで選択入力された支払い方法等を図5に示す予約データベース151中の予約情報151cに仮登録する(ステップS29)。そして、ホストコンピュータ101は、確認画面Eを生成し、生成した確認画面を確定ボタンD1の選択指定を実行したコンピュータ301に向けて送信する(ステップS30)。
【0070】
図14(e)は、利用者31のコンピュータ301の画面上に確認画面Eが表示されている状態を示している。この確認画面Eは、図14(b)に示す利用者情報入力フォームBから入力された利用者情報と、図14(c)に示す予約プラン入力フォームCから選択入力された予約プランと、図14(d)に示す支払い情報入力フォームDから選択指定された支払い方法等の予約情報を一画面中に合成した画面である。そして、確認画面Eの表示画面には、送信ボタンE1、戻るボタンE2及びキャンセルボタンE3が表示される。
【0071】
続く処理として、ホストコンピュータ101のCPU103は、送信操作の有無の判定(ステップS31)と、戻る指定有無の判定(ステップS32)と、キャンセル指定有無の判定(ステップS33)とを実行する。ホストコンピュータ101のCPU103は、利用者31によるコンピュータ301の操作で戻るボタンE2が選択指定されると(ステップS32のY)、ステップS25の支払い情報入力フォームDの送信処理にリターンする。また、ホストコンピュータ101のCPU103は、キャンセルボタンE3が選択指定されると(ステップS33のY)、メモリクリア処理を実行し(ステップS39)、処理を終了する。
【0072】
これに対して、利用者31によるコンピュータ301の操作で送信ボタンE1が選択指定されると(ステップS31のY)、ホストコンピュータ101は、予約コードを生成し、この予約コードに基づいて予約データコードを生成する(ステップS34)。こうして生成された予約データコードは、利用者31が使用するコンピュータ301において予約コードを2次元データコード401の形態で再現させ得るデータによって構成されている。そして、ホストコンピュータ101は、生成した予約コードを図5に示す予約データベース151中の予約コード151dに登録し(ステップS35)、予約完了画面Fを生成して生成した予約完了画面を送信ボタンE1の選択指定を実行したコンピュータ301に向けて送信する(ステップS36)。
【0073】
図14(f)は、利用者31のコンピュータ301の画面上に予約完了画面Fが表示されている状態を示している。この予約完了画面Fは、確認画面Eに含まれている予約情報と予約が完了した旨を利用者31に案内する表示とを含み、更に、ステップS34で生成した予約データコードに基づく2次元データコード401を含んでいる。そして、予約完了画面Fの表示画面には、印刷ボタンF1が表示される。
【0074】
前述したように、ステップS34で生成した予約データコードは、利用者31が使用するコンピュータ301において予約コードを2次元データコード401の形態で再現させ得るデータによって構成されている。一例として、ホストコンピュータ101は、生成した予約データコードを利用者31のコンピュータ301の画面上に表示し得るように送信する。これにより、パーソナルコンピュータであるコンピュータ301は、受信した予約データコードに基づいて2次元データコード401を画面上に表示し、この表示画像を転写紙等の記録媒体にプリントアウトすることが可能である。つまり、ホストコンピュータ101は、ステップS36に続く処理として、印刷指定の有無の判定を実行する(ステップS37)。そこで、ホストコンピュータ101は、印刷指定がなされれば(ステップS37のY)、利用者31のコンピュータ301に予約完了画面印刷指示を送信する(ステップS38)。利用者31のコンピュータ301は、予約完了画面印刷指示の受信に応じて図示しないプリンタによるプリントアウト処理を実行する。これにより、利用者31は、予約コードを2次元データコードの形態で表現した2次元データコード401のハードコピーを得ることができる。
【0075】
その後、ホストコンピュータ101のCPU103は、メモリクリア処理を実行し(ステップS39)、処理を終了する。これにより、利用者31のコンピュータ301の画面表示が図14(g)に示すようなトップページ表示に戻り、ウェブ上での宿泊施設21の予約処理が完了する。
【0076】
この際、ホストコンピュータ101が管理する予約データベース151には、ステップS35での予約コードの登録処理に伴い、ウェブ上での宿泊施設21の予約処理が完了する毎に新たな予約情報が登録される。そして、図22に基づいて後述するように、ホストコンピュータ101は、所定のタイミング毎に、各宿泊施設21に設置されている宿泊施設装置201を構成するサーバ211に向けて、予約データベース151に登録した予約情報に予約コードを付加して送信する。したがって、予約された宿泊施設21では、その宿泊施設装置201を構成するサーバ211が予約情報を予約コードと共に受信する。これに伴いサーバ211は、図9に示す宿泊管理ファイル212中の予約コード212aに受信した予約コードを登録し、この予約コードと共に受信した予約情報を宿泊者情報として宿泊者情報212cに登録する。
【0077】
[宿泊施設チェックイン処理]
図15は、宿泊施設装置201を構成するクライアントであるフロント端末231のCPU242が実行するチェックイン処理の流れを示すフローチャートである。予約をした宿泊施設21のフロントに赴いた利用者31は、チェックインをするために、自ら又は当該宿泊施設21のフロント係に依頼して、予約データコードに基づく2次元データコード401をフロントコードリーダ232にかざして読み取らせる。すると、フロントコードリーダ232は、2次元データコード401を読み取ってデコードし、デコードした予約コードをフロント端末231に送信する。
【0078】
フロント端末231は、コードの受信の有無に待機している(ステップS101)。そこで、フロントコードリーダ232からデコードされた予約コードを受信すると、コードの受信ありを判定し(ステップS101のY)、受信したコードをサーバ211に送信して宿泊者情報の送信要求を実行する(ステップS102)。
【0079】
図16は、宿泊施設装置201を構成するサーバ211のCPU222が実行するフロント端末231から送信された宿泊者情報送信要求(図15中のステップS102)の受信に応じて実行する利用者情報転送処理の流れを示すフローチャートである。サーバ211は、フロントコードリーダ232からの宿泊者情報送信要求を受信すると(ステップS201)、図9に示す宿泊管理ファイル212中の予約コード212a又は宿泊者コード212bを検索し、受信したコードと共通する予約コード又は宿泊者コードを探す。該当する予約コード又は宿泊者コードがあれば、対応する宿泊者情報212cに登録されている宿泊者情報を取得し、これをフロント端末231に転送する(ステップS202)。
【0080】
この際、サーバ211は、フロント端末231から送信された宿泊者情報送信要求に伴われているコードが予約コード212aに登録されている予約コードなのか宿泊者コード212bに登録されている宿泊者コードなのかを認識可能である。そこで、サーバ211は、ステップS202で転送する宿泊者情報に、予約コードと宿泊者コードとの種別コードを伴わせる。
【0081】
フロント端末231のCPU242が実行する図15のフローチャートの説明に戻る。フロント端末231は、サーバ211が送信した宿泊者情報の受信を判定すると(ステップS103のY)、受信した宿泊者情報を画面表示する(ステップS104)。そして、フロント端末231は、サーバ211から送信された宿泊者情報に伴われている予約コードと宿泊者コードとの種別コードに基づいて、ステップS101で受信判定したコードが予約コードだったのか宿泊者コードだったのかを判定する(ステップS105)。
【0082】
フロント端末231は、ステップS105での判定の結果、予約コードとの判定結果を得た場合(ステップS105のY)、チェックイン情報を生成する(ステップS106)。この場合のチェックイン情報は、チェックイン日時及び客室番号である。チェックイン日時は、フロント端末231のマイクロコンピュータ241が有している時計機能によって計時された現在日時に基づいて取得可能である。客室番号は、サーバ211から受信した宿泊者情報に含まれている。
【0083】
続いて、フロント端末231は、宿泊者コードを生成し、生成した宿泊者コードに基づいて宿泊者データコードを生成する(ステップS107)。宿泊者データコードは、前述したように、2次元データコード501の形態で再現させ得るデータによって構成されている。そこで、続くステップS108では、ステップS101で受信判定したフロントコードリーダ232で読み取られた2次元データコード401に基づくコードが携帯電話の画面に表示された2次元データコード401だったのか、或は、転写紙等の記録媒体上にプリントアウトされた2次元データコード401だったのかを判定する。この判定は、一例として、2次元データコード401中にその種別コードを含ませておくことで実施可能である。
【0084】
フロント端末231は、ステップS108での判定の結果、ステップS101で受信判定したフロントコードリーダ232で読み取られた2次元データコード401に基づくコードが転写紙等の記録媒体上にプリントアウトされた2次元データコード401だったとの判定結果を得た場合には(ステップS108のY)、宿泊者データコードが印刷されたカードキー233a(図3参照)の発券処理を実行する(ステップS109)。この処理は、ステップS107で生成した宿泊者データコードの画像データを印刷指令と共に発券装置233に送信することにより実行される。印刷指令を受信した発券装置233は、印刷指令に伴われている宿泊者データコードの画像データに基づく2次元データコード501が印刷されたカードキー233aを発券する。
【0085】
これに対して、フロント端末231は、ステップS108での判定の結果、ステップS101で受信判定したフロントコードリーダ232で読み取られた2次元データコード401に基づくコードが携帯電話の画面に表示された2次元データコードだったとの判定結果を得た場合には(ステップS108のN)、宿泊者データコードの無線送信処理を実行する(ステップS110)。この処理は、ステップS107で生成した宿泊者データコードを無線送信指令と共にフロントコードリーダ232に送信することによって実行される。無線送信指令を受信したフロントコードリーダ232は、内蔵する近距離無線通信用の無線通信部232aを駆動制御し、宿泊者データコードを無線送信する。すると、近距離無線通信機能を有していることが前提となるが、自らの画面に表示された2次元データコード401をフロントコードリーダ232にかざした利用者31のコンピュータ301である携帯電話に無線送信された宿泊者データコードが受信される。これにより、その携帯電話に、受信した宿泊者データコードに基づく2次元データコード501を画面表示することが可能となる。
【0086】
別の実施の形態として、ステップS108の処理は、フロント端末231での能動的な選択操作を判別する処理としても良い。つまり、フロント端末231においてステップS109の処理をするのかステップS110の処理をするのかの選択操作を可能とし、その選択操作の結果をステップS108で判定させるようにする。この場合には、2次元データコード401中に、ステップS101で受信判定したフロントコードリーダ232で読み取られた2次元データコード401に基づくコードが携帯電話の画面に表示された2次元データコード401だったのか、或は、転写紙等の記録媒体上にプリントアウトされた2次元データコード401だったのかの種別コードを含ませておく必要がなくなる。
【0087】
その後、フロント端末231は、ステップS106で生成したチェックイン情報(チェックイン日時及び客室番号)及びステップS107で生成した宿泊者コードをサーバ211に送信する(ステップS111)。この際、フロント端末231は、チェックイン情報及び宿泊者コードにステップS101で受信判定したコード(予約コード)を伴わせる。
【0088】
図17は、宿泊施設装置201を構成するサーバ211のCPU222が実行するフロント端末231から送信されたチェックイン情報(図15中のステップS111)の受信に応じて実行するチェックイン処理の流れを示すフローチャートである。サーバ211のCPU103は、フロント端末231から送信されたチェックイン情報及び宿泊者コードを受信すると(ステップS211のY)、受信したチェックイン情報及び宿泊者コードを宿泊管理ファイル212に登録する(ステップS212)。つまり、サーバ211は、宿泊管理ファイル212中、それらのチェックイン情報及び宿泊者コードに伴われている予約コードが登録されている予約コード212aを検索し、これに対応付けられている宿泊者コード212bに受信した宿泊者コードを登録し、チェックイン情報212dに受信したチェックイン情報を登録する。これにより、サーバ211は、宿泊管理ファイル212を参照することでチェックインした利用者31の情報を管理することができる。
【0089】
そして、サーバ211は、前記検索された予約コード212aに対応付けられている宿泊管理ファイル212中の宿泊者情報212cに登録されている宿泊情報から客室番号を検索し、検索された客室番号の客室施錠装置251に向けて宿泊者コード212bに登録した宿泊者コードを送信する(ステップS213)。
【0090】
図18は、宿泊施設装置201を構成する客室施錠装置251の制御部254が有しているプロセッサが実行するサーバ211から送信された宿泊者コードの受信に応じて実行する宿泊者コード登録処理の流れを示すフローチャートである。客室施錠装置251は、サーバ211から宿泊者コードを受信すると(ステップS301のY)、受信した宿泊者コードを登録する(ステップS302)。登録する場所は、制御部254が有する宿泊者コード記憶領域254aである。
【0091】
以上の処理により、チェックイン処理が完了する。
【0092】
[客室開錠処理]
図19は、宿泊施設装置201を構成する客室施錠装置251の制御部254が有しているプロセッサが実行する開錠処理の流れを示すフローチャートである。チェックインを済ませた利用者31は、図15中のステップS109で発券された宿泊者データコードに基づく2次元データコード501が印刷されたカードキー233a又はステップS110で無線送信された宿泊者データコードを受け取り、宿泊施設21から提供される客室に赴く。そして、チェックイン処理に伴い取得した2次元データコード501を客室コードリーダ253にかざす。この場合の2次元データコード501は、発券されたカードキー233aに印刷されたものであるか、或は、コンピュータ301である携帯電話の画面に表示されたものである。
【0093】
客室コードリーダ253は、読み取った2次元データコード501をデコードし、デコードしたコードを客室施錠装置251の制御部254に送信する。これにより、客室施錠装置251の制御部254に含まれているプロセッサは、コード受信を判定し(ステップS311)、受信したコードと宿泊者コード記憶領域254aに記憶されている宿泊者コードとの同一性を判定する(ステップS312)。判定の結果、受信したコードと宿泊者コード記憶領域254aに記憶されている宿泊者コードとの同一性が確認できれば(ステップS312のY)、開錠処理を実行する(ステップS313)。開錠処理は、電子錠252に開錠信号を送信することによってなされる。これにより、電子錠252は開錠動作を行ない、この電子錠252が設けられている客室のドア22を開くことができる状態となる。
【0094】
以上の処理により、客室開錠処理が完了する。
【0095】
[宿泊施設チェックアウト処理]
宿泊施設21の利用者31は、チェックアウトをする場合、宿泊施設21のフロントに赴き、自ら又は当該宿泊施設21のフロント係に依頼して、宿泊者データコードに基づく2次元データコード501をフロントコードリーダ232にかざして読み取らせる。すると、フロントコードリーダ232は、2次元データコード401を読み取ってデコードし、デコードした予約コードをフロント端末231に送信する。
【0096】
図15に示すように、フロント端末231は、コードの受信の有無に待機している(ステップS101)。そこで、フロントコードリーダ232からデコードされた予約コードを受信すると、コードの受信ありを判定し(ステップS101のY)、受信したコードをサーバ211に送信して宿泊者情報の送信要求を実行する(ステップS102)。
【0097】
サーバ211は、チェックイン処理の項目で図16に基づいて既に説明したように、フロントコードリーダ232からの宿泊者情報送信要求を受信すると(図16のステップS201)、図9に示す宿泊管理ファイル212中の予約コード212a又は宿泊者コード212bを検索し、受信したコードと共通する予約コード又は宿泊者コードを探す。そして、該当する予約コード又は宿泊者コードがあれば、対応する宿泊者情報212cに登録されている宿泊者情報を取得し、これをフロント端末231に転送する(図16のステップS202)。この際、サーバ211は、フロント端末231から送信された宿泊者情報送信要求に伴われているコードが予約コード212aに登録されている予約コードなのか宿泊者コード212bに登録されている宿泊者コードなのかを認識可能である。そこで、サーバ211は、ステップS202で転送する宿泊者情報に、予約コードと宿泊者コードとの種別コードを伴わせる。
【0098】
フロント端末231のCPU242が実行する図15のフローチャートの説明に戻る。フロント端末231は、サーバ211が送信した宿泊者情報の受信を判定すると(ステップS103のY)、受信した宿泊者情報を画面表示する(ステップS104)。そして、フロント端末231は、サーバ211から送信された宿泊者情報に伴われている予約コードと宿泊者コードとの種別コードに基づいて、ステップS101で受信判定したコードが予約コードだったのか宿泊者コードだったのかを判定する(ステップS105)。
【0099】
フロント端末231は、ステップS105での判定の結果、宿泊者コードとの判定結果を得た場合(ステップS105のN)、チェックアウト情報を生成する(ステップS112)。この場合のチェックアウト情報は、チェックアウト日時及び客室番号である。チェックアウト日時は、フロント端末231のマイクロコンピュータ241が有している時計機能によって計時された現在日時に基づいて取得可能である。客室番号は、サーバ211から受信した宿泊者情報に含まれている。
【0100】
その後、フロント端末231は、ステップS112で生成したチェックアウト情報(チェックアウト日時及び客室番号)をサーバ211に送信する(ステップS113)。この際、フロント端末231は、チェックイン情報にステップS101で受信判定したコード(宿泊者コード)を伴わせる。
【0101】
そして、フロント端末231は、決済処理を実行し(ステップS115)、処理を終了する。決済処理は、現金決済又はクレジットカード決済によってなされる。クレジットカード決済は、フロント端末231に接続されている決済端末235によって実行可能である。決済は、利用者31が宿泊費等を支払い、フロント端末231に接続されているレシートプリンタ234によって印字発行したレシート234aを利用者31に手渡すことによって終了する。
【0102】
図20は、宿泊施設装置201を構成するクライアントであるフロント端末231のCPU242が実行するチェックアウト処理の流れを示すフローチャートである。サーバ211のCPU103は、フロント端末231から送信されたチェックアウト情報及び宿泊者コードを受信すると(ステップS221のY)、受信したチェックアウト情報及び宿泊者コードを宿泊管理ファイル212に登録する(ステップS222)。つまり、サーバ211は、宿泊管理ファイル212中、受信した宿泊者コードが登録されている宿泊者コード212bを検索し、これに対応付けられているチェックアウト情報212eに受信したチェックアウト情報を登録する。これにより、サーバ211は、宿泊管理ファイル212を参照することでチェックアウトした利用者31の情報を管理することができる。
【0103】
そして、サーバ211は、前記検索された宿泊者コード212bに対応付けられている宿泊管理ファイル212中の宿泊者情報212cに登録されている宿泊情報から客室番号を検索し、検索された客室番号の客室施錠装置251に向けてクリアコード(開錠信号)を送信する(ステップS223)。クリアコードは、客室施錠装置251の制御部254が有している宿泊者コード記憶領域254aをクリアすべき指示を含むコードである。
【0104】
図21は、宿泊施設装置201を構成する客室施錠装置251の制御部254が有しているプロセッサが実行する登録クリア処理の流れを示すフローチャートである。客室施錠装置251は、サーバ211からクリアコードを受信すると(ステップS321のY)、制御部254の宿泊者コード記憶領域254aをクリアし、この宿泊者コード記憶領域254aに登録されている宿泊者コードを消去する(ステップS322)。
【0105】
以上の処理により、チェックアウト処理が完了する。
【0106】
[予約情報と宿泊情報とのバッチ送信処理]
図22は、ホストコンピュータ101と個々の宿泊施設21に設置されている宿泊施設装置201との間の予約情報と宿泊情報とのバッチ処理による送受信処理を示すタイミングチャートである。図22に示すように、本実施の形態では、本部11にはホストコンピュータ101が設置され、ホテルA、ホテルB、ホテルC、…というように複数の宿泊施設21にそれぞれ宿泊施設装置201が設置されている。ホテルA、ホテルB、ホテルC、…という複数の宿泊施設21は、一例として、本部11を運営する者の系列施設である。
【0107】
ホストコンピュータ101は、所定のタイミング毎に、各宿泊施設21に設置されている宿泊施設装置201を構成するサーバ211に向けて、予約データベース151に登録した予約情報に予約コードを付加して送信する。この際、ホストコンピュータ101のCPU103は、予約データベース151中の送信フラグ151eを参照することによって未送信の予約情報を判別することができるので、未送信分のデータのみ、予約データベース151中のホテルID151aによって特定される宿泊施設21に向けて、対応する予約情報151cに登録されている予約情報に予約コード151dに登録されている予約コードを付加してバッチ送信する。バッチ送信後は、対応する送信フラグ151eに送信済みを意味するフラグを立てる。
【0108】
各宿泊施設21に設置されている宿泊施設装置201を構成するサーバ211からは、所定のタイミング毎に、宿泊管理ファイル212中の予約コード212aに登録されている予約コードをホストコンピュータ101にバッチ送信する。バッチ送信するデータは、宿泊管理ファイル212中のチェックイン情報212dにチェックイン情報が設定されている場合の未送信の当該チェックイン情報及び予約コード、並びに、宿泊管理ファイル212中のチェックアウト情報212eが設定されている場合の未送信の当該チェックアウト情報及び予約コードである。宿泊管理ファイル212中の宿泊者情報212cに登録されている宿泊者情報は、そもそも、ホストコンピュータ101から送信された予約データベース151中の予約情報151cに登録されている予約情報と同一の情報なので、ホストコンピュータ101は、サーバ211から送信された宿泊管理ファイル212中の予約コード212aに登録されている予約コードを受信すれば、予約データベース151を参照して対応する予約情報151cに登録されている予約情報にアクセスすることが可能である。これにより、ホストコンピュータ101では、系列施設である全ての宿泊施設21について、どの宿泊施設21にどの利用者31がいつチェックインしていつチェックアウトしたのかを管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明の実施の一形態として、宿泊施設の予約処理を実現するスキームを示す模式図である。
【図2】宿泊施設のチェックイン処理(図2(a))及び利用者に提供する客室の開錠処理(図2(b))を実現するスキームを示す模式図である。
【図3】宿泊施設のチェックアウト処理を実現するスキームを示す模式図である。
【図4】ホストコンピュータ(上位装置)のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】ホストコンピュータ(上位装置)が管理する予約データベースのファイル構造を示す模式図である。
【図6】ホストコンピュータ(上位装置)が管理する宿泊者データベースのファイル構造を示す模式図である。
【図7】宿泊施設装置の構成を示すブロック図である。
【図8】宿泊施設装置を構成するサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図9】宿泊施設装置を構成するサーバが管理する宿泊管理ファイルのファイル構造を示す模式図である。
【図10】宿泊施設装置を構成するサーバが管理するスケジュールファイルのファイル構造を示す模式図である。
【図11】宿泊施設装置を構成するクライアントであるフロント端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図12】宿泊施設装置を構成する客室施錠装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図13】ホストコンピュータ(上位装置)における宿泊施設の予約処理の流れ示すフローチャートである。
【図14】図13に示す宿泊施設の予約処理に際して利用者のコンピュータに表示される画面遷移を示す模式図である。
【図15】宿泊施設装置を構成するクライアントであるフロント端末でのチェックイン処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】宿泊施設装置を構成するサーバがフロント端末から送信された宿泊者情報送信要求(図15中のステップS102)の受信に応じて実行する利用者情報転送処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】宿泊施設装置を構成するサーバがフロント端末から送信されたチェックイン情報(図15中のステップS111)の受信に応じて実行するチェックイン処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】宿泊施設装置を構成する客室施錠装置がサーバから送信された宿泊者コードの受信に応じて実行する宿泊者コード登録処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】宿泊施設装置を構成する客室施錠装置が実行する開錠処理の流れを示すフローチャートである。
【図20】宿泊施設装置を構成するクライアントであるフロント端末でのチェックアウト処理の流れを示すフローチャートである。
【図21】宿泊施設装置を構成する客室施錠装置での登録クリア処理の流れを示すフローチャートである。
【図22】ホストコンピュータ(上位装置)と個々の宿泊施設に設置されている宿泊施設装置との間の予約情報と宿泊情報とのバッチ処理による送受信処理を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0110】
21 宿泊施設、22 ドア、101 ホストコンピュータ(上位装置)、201 宿泊施設装置、232 フロントコードリーダ、252 電子錠、253 客室コードリーダ、254a 宿泊者コード記憶領域(記憶部)、301 コンピュータ、401 2次元データコード、501 2次元データコード、B 利用者情報入力フォーム(宿泊施設予約用のデータフォーム)、C 利用者情報入力フォーム(宿泊施設予約用のデータフォーム)、D 情報入力フォーム(宿泊施設予約用のデータフォーム)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラウザ機能を有するコンピュータによって閲覧可能な予約サイトをウェブ上で公開するコンピュータ構成の上位装置と、
通信ネットワークを介して前記上位装置とデータ通信可能に接続する宿泊施設に設置されるコンピュータ構成の宿泊施設装置と、
前記宿泊施設のフロントに設置されて2次元データコードを読み取りデコードし、デコードしたコードを前記宿泊施設装置に送信するフロントコードリーダと、
前記宿泊施設の各客室の入口に設置されて2次元データコードを読み取りデコードし、デコードしたコードを前記宿泊施設装置に送信する客室コードリーダと、
前記宿泊施設の各客室のドアに据え付けられ、前記宿泊施設装置からの開錠信号に応じて開錠動作が制御される電子錠と、
を具備し、
前記上位装置は、そのコンピュータ機能によって実行する手段として、
ウェブ上で前記予約サイトを閲覧する前記コンピュータに、宿泊施設予約用のデータフォームを入力可能に送信する手段と、
前記コンピュータから送信された入力済みの前記データフォームを受信する手段と、
前記入力済みのデータフォームの受信に応じて予約コードを生成し、当該データフォームを送信した前記コンピュータに当該コンピュータの利用者が所持可能な媒体上に当該予約コードを2次元データコードの形態で再現可能なように送信する手段と、
前記入力済みのデータフォームの受信に応じて前記通信ネットワークを介して当該データフォームに含まれている予約情報を前記生成した予約コードと対応付けて前記宿泊施設装置に送信する手段と、
を具備し、
前記宿泊施設装置は、そのコンピュータ機能によって実行する手段として、
受信した前記予約情報及びこれに対応付けられている予約コードを記憶部に記憶する手段と、
前記フロントコードリーダが読み取ってデコードした2次元データコードに含まれているコードを受信し、当該コードと一致する前記記憶部が記憶している予約コードに対応付けられている予約情報について提供する客室の特定を含むチェックイン処理を実施する手段と、
前記チェックイン処理に伴い宿泊者コードを生成し、生成した宿泊者コードを当該チェックイン処理によって特定される客室に対応付けて前記記憶部に記憶する手段と、
前記生成した宿泊者コードを利用者が所持可能な媒体上に2次元データコードの形態で再現可能なように出力する手段と、
前記客室コードリーダが読み取ってデコードした2次元データコードに含まれているコードを受信し、当該コードが対応する客室について前記記憶部に記憶されている開錠コードとの一致を条件に当該客室の前記電子錠に開錠信号を出力する手段と、
前記フロントコードリーダが読み取ってデコードした2次元データコードに含まれているコードを受信し、当該コードと一致する前記記憶部が記憶している宿泊者コードに対応付けられているチェックイン処理済みの予約情報についてチェックアウト処理を実施する手段と、
を具備する宿泊施設利用システム。
【請求項2】
前記上位装置が実行する前記予約コードを前記コンピュータに送信する処理は、当該コンピュータである携帯型電子端末がその表示部に当該予約コードを2次元コードの形態で表示可能なように実行される、請求項1記載の宿泊施設利用システム。
【請求項3】
前記上位装置が実行する前記予約コードを前記コンピュータに送信する処理は、当該コンピュータが当該予約コードを2次元コードの形態でプリントアウト出力可能なように実行される、請求項1記載の宿泊施設利用システム。
【請求項4】
前記宿泊施設装置が実行する前記生成した宿泊者コードを出力する処理は、前記携帯型電子端末がその表示部に当該宿泊者コードを2次元コードの形態で表示可能なように実行される、請求項2記載の宿泊施設利用システム。
【請求項5】
前記宿泊施設装置が実行する前記生成した宿泊者コードを出力する処理は、プリンタに当該宿泊者コードを2次元コードの形態でプリントアウト出力可能なように実行される、請求項3記載の宿泊施設利用システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2007−249549(P2007−249549A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−71535(P2006−71535)
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】