説明

対象検出システム

【課題】画像上での移動体端末7の位置の認識と、その移動体端末7のID情報との一致を容易かつ確実に実行する。
【解決手段】定点監視端末5の制御部11は、移動体端末7の発光部23の発光が写っている撮影画像Gをカメラ24により取得し、該撮影画像Gにおける前記移動体端末7の端末画像を前記発光により認識するステップS15,76と、無線通信部22により前記移動体端末7のID情報を取得するステップS16,S72と、認識した前記端末画像と前記ID情報とを関連づけるステップS17,S77とを実行する構成である対象検出システム1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば街頭や施設において対象を検出するような対象検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像や情報を用いてエリア内を監視する技術が提案されている。例えば、警戒対象が所定範囲内に存在するか判断する警戒対象検出装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
この警戒対象検出装置は、通信エリア内に存在する全ての警戒対象が保持する無線端末から固体識別情報を受信し、前記通信エリア内の所定範囲の画像データを取得する。そして、該画像データを解析して警戒対象の位置情報を抽出し、抽出した位置情報の方向へ指向性を向けた狭い範囲での通信を行い、その範囲の無線端末から固体識別情報を取得する。この固体識別情報を、先に受信した全ての固体識別情報から削除することで、指向性を向けた方向の警戒対象の固体識別情報を削除できる。この指向性の方向を変えながら、個体識別情報を削除していけば、残った個体識別情報が画像データに写っていないと判別できるとされている。
【0004】
しかし、この警戒対象検出装置の方法は、通信エリア内に存在し、かつ画像データに写っていない無線端末を探すことができても、画像データに写っている無線端末のIDを正確に取得するためには不向きであった。特に、指向性を絞り込んだとしても、その指向性の範囲内に無線端末が複数存在して画像データにも複数の警戒対象が写っていれば、どの固体識別情報がどの警戒対象のものか不明であるという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−176459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、上述の問題に鑑み、画像上での移動体端末の位置の認識と、その移動体端末のID情報との一致を容易かつ確実に実行できる対象検出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、無線通信を行う無線通信手段、発光処理を行う発光手段、及びこれらを制御する制御手段を有する移動体端末と、画像を撮影する撮影手段、該撮影手段による撮影領域に存在する前記移動体端末と無線通信する無線通信手段、およびこれらを制御する制御手段を有する対象検出装置とを備えた対象検出システムであって、前記対象検出装置の制御手段は、前記移動体端末の発光手段の発光が写っている撮影画像を前記撮影手段により取得し、該撮影画像における前記移動体端末の端末画像を前記発光により認識する移動体端末画像認識処理と、前記無線通信手段により前記移動体端末のID情報を取得するID情報取得処理と、認識した前記端末画像と前記ID情報とを関連づける関連付け処理とを実行する構成である対象検出システムであることを特徴とする。
【0008】
前記無線通信手段は、RFIDタグ、RFIDタグと無線通信するリーダライタ、平面アンテナを用いた無線通信装置、ダイポールアンテナやループアンテナ等の線状アンテナを用いた無線通信装置、赤外線通信装置、あるいはブルートゥース(登録商標)通信装置など、無線で通信できる適宜の通信手段とすることができる。
【0009】
前記発光手段は、LEDやランプなどの照明装置、または液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの発光表示装置で構成することができる。
【0010】
前記制御手段は、CPUやMPUなど制御処理を実行可能な演算装置で構成することができる。
【0011】
前記移動体端末は、携帯電話機やPDA、専用端末など、移動可能な適宜の端末で構成することができる。
【0012】
前記撮影手段は、CMOSセンサやCCDセンサを備えたデジタルカメラあるいはデジタルビデオカメラとすることができる。
【0013】
前記対象検出装置は、撮影手段と無線通信手段と制御手段とを備えた適宜の端末で構成することができる。
【0014】
この発明により、画像上での移動体端末の位置の認識と、その移動体端末のID情報との一致を容易かつ確実に実行することができる。
【0015】
この発明の態様として、前記移動体端末画像認識処理は、前記無線通信手段により前記移動体端末に対して所定タイミングで発光させるように通知し、そのタイミングで発光した移動体端末を認識する構成とすることができる。
【0016】
前記所定タイミングは、発光指示信号を送信してその発光指示信号の受信と同時あるいは所定時間後、または、アンチコリジョンと呼ばれる衝突回避処理にて指定された自己IDに基づくタイミングなど、適宜のタイミングとすることができる。
【0017】
この態様により、所定タイミングで発光した移動体端末を撮影画像のどの位置に存在するか確認することができる。特に、撮影画像の範囲内に複数の移動体端末が存在していても、各移動体端末の発光タイミングを異ならせることにより、撮影画像におけるそれぞれの移動体端末の位置を1つずつ確実に認識することができる。
【0018】
またこの発明の態様として、前記移動体端末画像認識処理は、特定のIDの前記移動体端末に前記発光を行わせる構成とすることができる。
これにより、撮影画像の範囲内に複数の移動体端末が存在していても、撮影画像における特定のIDの移動体端末の位置を確実に認識することができる。
【0019】
またこの発明の態様として、前記特定のIDの前記移動体端末は、指定されたIDの移動体端末、あるいは、ID送信と発光を両方実行する所定タイミングに至った移動体端末とすることができる。
【0020】
これにより、撮影画像の範囲内に複数の移動体端末が存在していても、発光を行う移動体端末を確実に1つとすることができ、特定のIDの移動体端末の位置を確実に認識することができる。
【0021】
またこの発明の態様として、前記対象検出装置は、該対象検出装置の撮影手段で撮影した撮影画像データをその撮影領域に写っている前記移動体端末に送信する構成であり、前記移動体端末は、受信した前記撮影画像データを記憶する記憶手段を備えることができる。
前記記憶手段は、ハードディスク、不揮発性メモリなど、データを記憶する適宜の記憶装置で構成することができる。
この態様により、対象検出装置にデータを記憶することができる。
【0022】
またこの発明の態様として、前記対象検出装置の制御手段は、前記撮影画像データから前記移動体端末が写っている部分を切り出し、この切り出した部分画像データを前記移動体端末へ送信する構成とすることができる。
【0023】
前記部分画像データは、例えば発光認識した位置を中心等とする所定サイズの矩形、長方形、あるいは円形とする、発光認識した位置を含む連続画像において移動している物や人とする、あるいは発光認識した位置から所定範囲内で該位置に最も近い顔画像あるいは人物画像とするなど、発光認識した位置を基点とする所定範囲の画像データとすることができる。また、撮影画像データが魚眼のカメラで撮影されたものである場合、部分画像データは、画像処理によってひずみ補正を行い、通常のカメラで撮影したのと同じひずみのない画像に加工してもよい。
【0024】
この態様により、画像データにおける必要な部分だけを移動体端末へ送信することができ、データ量を削減して利便性を高めることができる。
【0025】
またこの発明の態様として、前記対象検出装置の制御手段は、前記移動体端末に対して該移動体端末に記憶している移動体画像を送信させる移動体画像送信要求処理を実行する構成であり、前記移動体端末の制御手段は、前記移動体画像送信要求を受けて記憶している移動体画像を送信する移動体画像送信処理を実行する構成とすることができる。
【0026】
これにより、移動体端末に記憶している移動体画像を取得することができる。従って、対象検出装置で撮影できない画像を移動体端末から得ることができ、この画像を利用することが可能となる。
【0027】
またこの発明は、コンピュータを、画像を撮影する撮影手段、該撮影手段による撮影領域に存在する前記移動体端末と無線通信する無線通信手段、およびこれらを制御する制御手段として機能させる対象検出プログラムであって、前記制御手段に、前記移動体端末の発光手段の発光が写っている撮影画像を前記撮影手段により取得し、該撮影画像における前記移動体端末の端末画像を前記発光により認識する移動体端末画像認識処理と、前記無線通信手段により前記移動体端末のID情報を取得するID情報取得処理と、認識した前記端末画像と前記ID情報とを関連づける関連付け処理とを実行させる対象検出プログラムとすることができる。
【0028】
これにより、コンピュータに対象検出プログラムをインストールして対象検出装置とすることができる。
【0029】
またこの発明は、無線通信を行う無線通信手段、発光処理を行う発光手段、及びこれらを制御する制御手段を有する移動体端末と、画像を撮影する撮影手段、該撮影手段による撮影領域に存在する前記移動体端末と無線通信する無線通信手段、およびこれらを制御する制御手段を有する対象検出装置とを備えた対象検出システムにより対象を検出する対象検出方法であって、前記対象検出装置の制御手段により、前記移動体端末の発光手段の発光が写っている撮影画像を前記撮影手段により取得し、該撮影画像における前記移動体端末の端末画像を前記発光により認識する移動体端末画像認識工程と、前記無線通信手段により前記移動体端末のID情報を取得するID情報取得工程と、認識した前記端末画像と前記ID情報とを関連づける関連付け工程とを行う対象検出方法とすることができる。
これにより、実際に対象を検出することができる。
【0030】
またこの発明は、画像を撮影する撮影手段、該撮影手段による撮影領域に存在する前記移動体端末と無線通信する無線通信手段、およびこれらを制御する制御手段を有する対象検出装置であって、前記制御手段は、移動体端末の発光手段の発光が写っている撮影画像を前記撮影手段により取得し、該撮影画像における前記移動体端末の端末画像を前記発光により認識する移動体端末画像認識処理と、前記無線通信手段により前記移動体端末のID情報を取得するID情報取得処理と、認識した前記端末画像と前記ID情報とを関連づける関連付け処理とを実行する構成である対象検出装置とすることができる。
これにより、画像上での移動体端末の位置の認識と、その移動体端末のID情報との一致を容易かつ確実に実行できる対象検出装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0031】
この発明により、画像上での移動体端末の位置の認識と、その移動体端末のID情報との一致を容易かつ確実に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】対象検出システムの設置例を示す概略構成図。
【図2】対象検出システムの構成を示すブロック図。
【図3】定点監視端末の監視領域を説明する正面から見た説明図。
【図4】撮影画像において監視対象物を検出する仕組みを説明する説明図。
【図5】定点監視端末を中心とする全体動作を示すフローチャート。
【図6】対象物特定処理のフローチャート。
【図7】画像データ送受信処理のフローチャート。
【図8】移動体端末やサーバに記憶するデータの構成の説明図。
【図9】モニタ表示処理のフローチャート。
【図10】監視領域間を移動する移動体端末の監視を説明する説明図。
【図11】病院に設置した例での監視の様子を説明する説明図。
【図12】撮影画像中の移動体端末画像の位置とIDとの対応説明図。
【図13】実施例2の対象物特定処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0033】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
【実施例1】
【0034】
図1は、対象検出システム1の設置例を示す概略構成図である。この例では、病院施設に対象検出システム1が設置されている。
【0035】
病院施設には、通路や処置室の天井に定点監視端末5が複数設置されている。この定点監視端末5は、監視領域Eが隣り合って連続するように配置されている。
【0036】
また、救急車の車内の天井にも、定点監視端末5が設けられている。これにより、救急車の車内で搬送中の救急患者を定点監視端末5で撮影等することができる。そして、病院施設内に設けられた各定点監視端末5により、病院施設内に運び込まれた救急患者を玄関から処置室までずっと撮影しつつ追跡することができる環境を整えている。
【0037】
救急患者を乗せる担架8には、移動体端末7が取り付けられている。この移動体端末7は、その救急患者を識別できるものであり、例えば携帯電話機とする、あるいは専用の移動体端末とするなど、適宜の装置で構成される。
【0038】
図2は、対象検出システム1の構成を示すブロック図である。
対象検出システム1は、サーバ3、複数の定点監視端末5、複数のモニタ装置9、および移動体端末7により構成されている。
【0039】
サーバ3、複数の定点監視端末5、及び複数のモニタ装置9は、有線のネットワーク(LANなど)により相互に通信可能に接続されている。なお、このネットワークは、有線に限らず無線にしてもよい。
そして、定点監視端末5は、移動体端末7と無線で通信できるように構成されている。
【0040】
サーバ3は、適宜のコンピュータで構成されており、図示省略するキーボードやマウスなどにより入力を受け付ける入力部、画像表示を行うCRTディスプレイや液晶ディスプレイ等の表示部、各種制御を行う制御部、各種データを記憶する記憶部、および有線での通信を行うLANボードなどの有線通信部を備えている。また、サーバ3の記憶部には、データベース4が設けられている。
【0041】
定点監視端末5は、各種制御動作を行う制御部11、サーバ3やモニタ装置9とデータ通信を行う有線通信部12、各種データを記憶する記憶部13、静止画像や動画像の撮影を行うカメラ14、および移動体端末7と無線でデータ通信を行う無線通信部15を備えている。この定点監視端末5は、記憶部13に記憶されている対象検出プログラムに従って制御部11が各種動作を実行する。
【0042】
移動体端末7は、各種制御を行う制御部21、定点監視端末5と無線でデータ通信を行う無線通信部22、発光を行う発光部23、静止画像や動画像の撮影を行うカメラ24、各種の表示を行う表示部25、利用者の操作入力を受け付ける操作部26、および画像データなどの各種データを記憶する記憶部27を備えている。この移動体端末7は、記憶部27に記憶されている移動体プログラムに従って制御部21が各種動作を実行する。
【0043】
モニタ装置9は、各種制御を行う制御部31、サーバ3や定点監視端末5と有線で通信を行う有線通信部32、各種データを記憶する記憶部33、タッチパネルあるいは押下ボタンで構成されて操作入力を受け付ける操作部34、およびCRTディスプレイや液晶ディスプレイで構成されて画像を表示する表示部35で構成されている。このモニタ装置9は、記憶部33に記憶されている表示プログラムに従って制御部31が各種動作を実行する。
【0044】
図3は、定点監視端末5の監視領域Eを説明する側面から見た説明図である。
カメラ14は、広角の撮影を行う広域カメラであり、図示するように広域の撮影領域14Eを撮影する。
【0045】
無線通信部22は、所定方向の所定領域にて無線通信する平面アンテナで構成されており、図示する通信領域15Eで移動体端末7と無線通信する。この平面アンテナは、指向性特性を有するものである。
【0046】
撮影領域14Eと通信領域15Eは、共通させることが好ましく、図示するようにほぼ一致するように構成されている。この領域の一致は、物理的な撮影可能領域と通信可能領域を一致させる構成とする、あるいは、広角レンズで撮影するカメラ14の撮影画像から、無線通信部15による通信領域15Eの外側の画像を除いて撮影領域14Eの画像を取得し、これによって領域を一致させる構成とするなど、適宜の方法により行うことができる。
【0047】
なお、カメラ14は、広角のカメラに限らず、魚眼のカメラとするなど、適宜のカメラを用いることができる。魚眼のカメラとした場合、中央から外周へ向かうほど縮小されて写り画像全体がひずむ。このひずみを画像処理によって補正し、通常のカメラで撮影したのと同じひずみのない画像を得てもよい。
【0048】
図4は、カメラ14で撮影領域14Eを撮影した静止画像である撮影画像Gにおいて監視対象物Tを検出する仕組みを説明する説明図である。
撮影画像Gは、定点監視端末5の制御部11により、複数の判定領域41にメッシュ状(格子状)に分割される。この判定領域41の1つについて所望の色(検出対象となる発光色や発光形状)が所定割合異常存在する、あるいは連続する撮影画像G(この連続する撮影画像Gの集合が動画映像となる)において判定領域41の1つに所望の色の所望の点滅が存在する等の基準により、監視対象物Tの存在を検知する。この監視対象物Tは、カメラ14に写った移動体端末7である。
【0049】
そして、撮影画像Gは、定点設置された定点監視端末5のカメラ14によるものであるから、壁などの設置物が必ず写る領域がマスキング領域42として設定される。従って、監視対象物Tの存在を判定する際、マスキング領域42については判定処理を行わない。これにより、短時間で効率よく判定できるようにしている。
【0050】
なお、図示では判定領域41を全て同一サイズにしているが、カメラ14が魚眼のカメラである場合、撮影画像Gは、中心から外周へ向かうに従って広い領域が1画素に縮小されるため、判定領域41を中心から外周へ向かって序々に小さくしてもよい。また、判定領域41のサイズは全て同じにしておき、監視対象物Tが存在すると判定する基準を、中心よりも外周へ向かうに従って、判定領域41内に所望の色が存在する割合を小さく設定してもよい。
【0051】
またさらに、判定基準における判定領域41内に所望の色が存在する割合を小さく設定しておき、隣合う判定領域41で連続して監視対象物Tを検知すれば1つの移動体端末7であると認識する構成にしてもよい。
【0052】
図5は、主に定点監視端末5の制御部11が実行する全体の動作を示すフローチャートである。
制御部11は、カメラ14で連続的に撮影している撮影画像Gにより動くものが存在するか否か検知するモーション検知処理を実行する(ステップS1)。
【0053】
動きがなければ(ステップS2:No)、このモーション検知処理を継続して行い、動きがあれば(ステップS2:Yes)、制御部11は、ポーリングを行う(ステップS3)。このポーリングは、移動体端末7に対して移動体IDを応答させる処理であり、通信領域15Eに無線信号を送信する。なお、ステップS1〜S2を省略し、常時ポーリングを行う構成にしてもよい。
【0054】
制御部11は、応答があるまでポーリングを継続し(ステップS4:No)、応答があれば(ステップS4:Yes)、移動体端末7の存否を判定する対象物特定処理を実行する(ステップS5)。
【0055】
制御部11は、対象物特定処理の終了後、検知した移動体端末7に対して画像データを送受信する画像データ送受信処理を実行する(ステップS6)。
【0056】
制御部11は、検知した移動体端末7を追尾処理を実行する(ステップS7)。この追尾処理は、カメラ14で連続撮影した複数の連続する撮影画像Gにおいて、ステップS5で認識した移動体端末7の画像を画像マッチングにより次々に検知し、移動体端末7の位置の移動を追尾する処理である。
【0057】
制御部11は、追尾している移動体端末7が撮影領域14Eの外に出るまでステップS6〜S7を継続し(ステップS8:No)、撮影領域14Eの外に出ると(ステップS8:Yes)、処理を終了する。
【0058】
図6は、対象物特定処理を実行する定点監視端末5の制御部11と、これに応答する移動体端末7の制御部21の動作を示すフローチャートである。
制御部11は、移動体端末7に対して移動体IDの送信と発光を要求する発光等要求信号を送信する(ステップS11)。
【0059】
移動体端末7の制御部21は、発光等要求信号を受信し(ステップS12)、発光処理を実行する(ステップS13)。この発光処理では、発光部23により、所定の色を所定時間発光させる、所定の色による所定の点滅発光を行う、所定の複数の色を所定の順番で発光させる、所定の模様若しくは形状に所定の色で発光させるなど、撮影画像Gに写っている周囲の物品や人物等から自己を識別させることが可能な発光を行う。ここで、発光処理にて行う発光の色や点灯/点滅の違いなどの発光種別は、発光等要求信号により指定されたものとすることもできる。
【0060】
移動体端末7の制御部21は、上記発光処理を実行するとともに、移動体ID送信処理を実行し、自己の移動体IDを無線通信部22により送信する(ステップS14)。この移動体ID送信処理と発光処理とは、予め定めた時間間隔で実行し、同時にすることが好ましい。
【0061】
定点監視端末5の制御部11は、カメラ14により撮影画像Gを取得し、上述した監視対象物Tの検出により発光位置(監視対象物Tの位置)を特定する(ステップS15)。
【0062】
制御部11は、移動体端末7から送信された移動体IDを受信し(ステップS16)、この移動体IDと上記ステップS15で取得した発光位置の監視対象物T(移動体端末7)とを関連付ける(ステップS17)。
【0063】
制御部11は、撮影画像G内に移動体端末7が複数検知されて移動体IDと監視対象物Tを関連づけられていない残端末がある場合(ステップS18:Yes)、ステップS11に処理を戻して繰り返し、残端末がなければ(ステップS18:No)、対象物特定処理を終了する。
【0064】
ここで、複数の移動体端末7が存在する場合は、撮影画像Gに写っている監視対象物Tと移動体端末7の移動体IDとを正しく対応付ける必要がある。このため、例えば移動体IDが取得できていれば、ステップS11からの処理を繰り返す際に、移動体IDを指定してその移動体IDの移動体端末7にだけ発光処理(ステップS13)を実行させるようにし、この処理を全ての移動体IDについて繰り返せばよい。
【0065】
また、この方法に限らず、他の方法により監視対象物Tと移動体端末7の移動体IDとを1対1で対応させて取得してもよい。
【0066】
例えば、ステップS11〜S18の処理にてアンチコリジョン(anti-collision)と呼ばれる衝突回避アルゴリズムを用いてもよい。この衝突回避アルゴリズムには、所定範囲のIDを指定して応答させ、衝突が起こった場合に指定するIDの範囲を狭くして再度応答させ、これを繰り返すといった公知のアルゴリズムを使用することができる。この場合も、複数の移動体端末7からの応答タイミングを異ならせることができ、それぞれのタイミングで移動体端末7の発光処理と移動体ID送信処理が行われる。これにより、監視対象物Tと移動体端末7の移動体IDとを正しく対応付けることができる。
【0067】
このように、監視領域Eの中に複数の移動体端末7が存在している場合でも、1つの移動体端末7のみを指定して発光と移動体IDの送信を実行させ、これを全ての移動体端末7について順次に実行させることで、撮影領域14Eの撮影画像Gで把握される移動体端末7の位置と、通信領域15Eでの通信にて把握される移動体端末7の移動体IDとを正確に一致させることができる。
【0068】
なお、この実施例では移動体端末7に発光と移動体IDの送信を同時に実行させているが、これに限らず他の構成とすることもできる。例えば、移動体IDを指定してその移動体IDの移動体端末7に移動体IDの送信を求めずに発光を行わせる構成とすることもできる。この場合も、指定した移動体IDの発光であるため、その移動体IDの移動体端末7が撮影画像Gにおけるどの位置に存在するかを特定でき、位置と移動体IDを一致させることができる。
【0069】
図7は、画像データ送受信処理を実行する定点監視端末5の制御部11と移動体端末7の制御部21とサーバ3の制御部の動作を示すフローチャートであり、図8は、移動体端末7やサーバ3に記憶するデータの構成を説明する説明図である。
【0070】
定点監視端末5の制御部11は、上述したステップS15で取得した撮影画像に対して画像切り出し処理を実行する(ステップS31)。
【0071】
この画像切り出し処理では、撮影画像Gから、ステップS15で特定した発光位置(監視対象物Tが写っている位置)の近辺のみを切り取って対象部分画像とすることで、対象部分を抽出する処理を行う。
【0072】
制御部11は、移動体向けデータ送信を実行し(ステップS32)、切り出し画像と、定点監視端末5の定点監視端末IDと、対象部分画像のもとである撮影画像Gの撮影時刻とを送信する。
【0073】
移動体端末7の制御部21は、送信されてきたデータを受信し(ステップS33)、受信したデータを記憶部27に記憶(ステップS34)して処理を終了する。
【0074】
ここでデータを記憶する際、図8(A)に示すように、撮影時刻と定点監視端末IDを切り出し画像に関連づけて記憶する。この例では、移動体管理データ60として、定点監視端末ID61、撮影日62、撮影時刻63、対象部分画像64、および区分65(移動体カメラでの撮影か定点カメラでの撮影か)を記憶している。このように移動体端末7の記憶部27に、その移動体端末7に関する情報を収集し記憶することで、分散型記録方式を実現することができる。
【0075】
定点監視端末5の制御部11は、監視領域E内に存在している移動体端末7に対して、移動体IDを指定して移動体取得画像送信要求を実行する(ステップS35)。
【0076】
移動体端末7の制御部21は、移動体取得画像送信要求を受信し(ステップS36)、記憶部27に記憶している画像データを移動体取得画像として送信する(ステップS37)。
ここで送信する画像データは、記憶部27に記憶している全ての画像データとすることも可能であるが、現時点から所定期間内(例えば同日内あるいは数時間内など)に取得した画像データだけとする、あるいは別途設定する受け渡し必要フラグがONになっている画像データにするなど、適宜のルールに従って定めてもよい。
【0077】
定点監視端末5の制御部11は、移動体取得画像を受信して一時記憶し(ステップS38)、サーバ向けデータ送信を実行し(ステップS39)、撮影画像Gと、ステップS38で取得した移動体取得画像と、定点監視端末IDと、ステップS38で移動体取得画像を取得した移動体端末7の移動体IDと、撮影画像Gの撮影時刻とを送信する。
【0078】
サーバ3の制御部は、データを受信し(ステップS40)、受信したデータを移動体ID別に整理し(ステップS41)、図8(B)に示すようにサーバ管理データ70としてデータベース4に記憶する(ステップS42)。
【0079】
この例では、移動体ID71、定点監視端末ID72、撮影日73、撮影時刻74、撮影全体画像75、対象部分画像76、区分77(定点カメラか移動体カメラか)を記憶している。
【0080】
このように、サーバ3の制御部は、移動体取得画像を、その移動体IDの移動体端末7にて取得された画像として記憶し、撮影画像Gを、定点監視端末IDと撮影時刻に関連づけてその時刻にその場所で撮影された画像として記憶する。このデータベース4での記憶により、全ての移動体端末7についての情報を整理して記録する集中記録方式を実現できる。
【0081】
定点監視端末5の制御部11は、自己が設置されている室内にモニタ装置9が存在しているか否かを適宜の設定データにより判定し、なければ(ステップS43:No)、処理を終了する。
【0082】
モニタ装置9が存在していれば(ステップS43:Yes)、モニタ表示処理を実行し(ステップS44)、処理を終了する。
【0083】
図9は、モニタ表示処理を実行する定点監視端末5の制御部11と移動体端末7の制御部21とモニタ装置9の制御部31の動作を示すフローチャートである。
定点監視端末5の制御部11は、移動体端末7へ全対象画像データを要求する全画像要求信号を送信する(ステップS51)。ここでいう全対象画像データとは、移動体端末7の記憶部27に記憶されている全ての画像とすることもできるが、そのうちの関連する全画像とすることもできる。この関連する全画像とは、例えばステップS33で受信した切り出し画像と、ステップS37で送信された画像とすることができる。
【0084】
移動体端末7の制御部21は、要求を受信し(ステップS52)、全対象画像データを送信する(ステップS53)。
【0085】
定点監視端末5の制御部11は、無線通信部15により移動体端末7から全対象画像データを受信し(ステップS54)、受信した全対象画像データを有線通信部12によりモニタ装置9へ送信する(ステップS55)。
【0086】
モニタ装置9の制御部31は、有線通信部32により全対象画像データを受信し(ステップS56)、受信した全対象画像データを表示部35に一覧表示する(ステップS57)
制御部31は、操作部34での操作入力を受け付けると(ステップS58:Ye)、操作入力により指定された指定画像を表示部35に拡大表示する(ステップS59)。
【0087】
終了操作がされるまで(ステップS60:No)、制御部31はステップS58〜S59を繰り返し、操作部34で終了操作が行われると(ステップS60:Yes)、処理を終了する。
【0088】
以上の構成および動作により、画像上での移動体端末7の位置の認識と、その移動体端末7の移動体ID情報との一致を容易かつ確実に実行することができる。特に、監視領域Eに複数の移動体端末7が存在していて、どの移動体端末7が送信した移動体IDなのか定点監視端末5の無線通信部15では不明な場合であっても、撮影画像Gに写っているどの移動体端末7が送信した移動体IDなのかを判定することができる。従って、撮影画像Gに写っている移動体端末7とその移動体端末7の移動体IDを一致させて、多数の定点監視端末5で取得した撮影画像G等のデータを移動体端末7別に情報処理することが容易にできる。
【0089】
例えば、図10の説明図に示すように、複数の定点監視端末5で連続的に監視されている場合、隣り合う定点監視端末5のカメラ14で撮影した各撮影画像Gは、図示するように端部付近でどちらにも写るか、一方(例えば図10(A))から消えるとすぐに他方(例えば図10(B))に写ることになる。
【0090】
このような場合でも、上述した動作によって、それぞれの定点監視端末5が撮影画像Gに移動体端末画像7aとして写っている移動体端末7の位置と移動体IDを一致させることができるため、この移動体IDと撮影画像Gを関連づけて記憶することができる。そして、移動体IDの一致する撮影画像Gなどのデータを収集することで、その移動体端末7に関する全ての画像を収集することができる。
【0091】
また、この移動体IDの一致するデータの収集により、複数の定点監視端末5によるそれぞれの監視領域Eをいつどのように通過したのかを容易に認識できる。従って、移動体端末7が、ある定点監視端末5の監視領域Eから他の定点監視端末5の監視領域Eへ移動しても、同じ移動体IDの移動体端末7として追跡することができる。
【0092】
この対象検出システム1を病院に設置した例であれば、図11(A)の説明図に示すように、まず救急車の車内に設置された定点監視端末5で患者Mの様子を撮影し、その撮影画像を患者所有の移動体端末7に記憶させることができる。このとき、救急車の車内の定点監視端末5がサーバ3と通信不可能であっても、撮影画像や撮影時刻、定点監視端末5の定点監視端末IDが移動体端末7の記憶部27に記憶されるために特に問題はない。
【0093】
図11(B)に示すように病院に到着して患者Mが担架で運ばれる際、通路内に設置された定点監視端末5により、移動体端末7の認識と通信が行われる。これにより、移動体端末7の記憶部27には、さらに画像データが記憶され、また移動体端末7に記憶されていた救急車の車内での撮影画像などがサーバ3に送信される。
【0094】
図11(C)に示すように処置室内に患者Mが運び込まれると、定点監視端末5は、撮影や移動体端末7の移動体IDの認識に加えて、モニタ装置9へのデータ送信を実行する。これにより、モニタ装置9では、救急車の車内で撮影された患者Mの様子、病院の通路を搬送されている患者Mの様子、処置室に入ったときの患者Mの様子など、あらゆるシーンで撮影された撮影画像を確認することができる。従って、過去に刻々と変化した患者Mの容態を処置室の医師が確認でき、状況判断や病状判断等に生かすことができる。
【0095】
また、図12(A)に示すように、監視領域E内に複数の移動体端末7(図示では移動体端末画像7a,7b)が存在すると、従来であれば定点監視端末5の無線通信部15は、全ての移動体端末7のIDを読み取るか同一タイミングの応答によって読み取れないことになる。このように全ての移動体端末7のIDを読み取るか同一タイミングの応答によって読み取れない場合、撮影画像G中のどの移動体端末画像7a,7bがどのIDを有しているのか識別できない。
【0096】
これに対し、上述した実施例では、図12(B)に示すように、1つの移動体端末7(例えば移動体端末画像7aとして写っている)にのみ発光およびID送信を行わせるため、撮影画像G中の移動体端末画像7aの位置と取得したIDとが1対1で対応し、正確かつ確実に関連づけすることができる。
【0097】
また、図12(C)に示すように、他の移動体端末画像7bとして写る移動体端末7についても、1つだけで発光と無線通信を行うため、撮影画像G中に移動体端末画像7bとして写る移動体端末7の位置と取得したIDとが1対1で対応し、正確かつ確実に関連づけすることができる。
【0098】
このようにして、監視領域E内に複数の移動体端末7が存在しても、撮影画像G中の移動体端末7を1つずつ特定して位置とIDを関連づけできるため、撮影画像G中の移動体端末7と無線通信で取得したIDとを確実に一致させることができる。
【実施例2】
【0099】
図13は、実施例1の対象検出システム1について、定点監視端末5と移動体端末7の間で行う対象物特定処理を異ならせた例のフローチャートである。
この実施例2では、移動体端末7から信号を発信して無線通信と発光位置特定を実行する。
【0100】
まず、移動体端末7の制御部21は、定点監視端末5へ移動体IDを送信して通信要求を行う(ステップS71)。この通信要求は、所定時間置きに繰り返し実行する、あるいは利用者の操作によって実行するなど、適宜のタイミングで実行するとよい。
【0101】
定点監視端末5の制御部11は、通信要求に応じて移動体IDを受信し(ステップS72)、発光を要求する発光要求信号を送信する(ステップS73)。この発光要求信号は、移動体IDを特定して行い、該当する移動体IDの移動体端末7にのみ発光させるようにする。
【0102】
移動体端末7の制御部21は、発光等要求信号を受信し(ステップS74)、発光処理を実行する(ステップS75)。
【0103】
定点監視端末5の制御部11は、カメラ14により撮影画像Gを取得し、上述した監視対象物Tの検出により発光位置(監視対象物Tの位置)を特定する(ステップS76)。
【0104】
制御部11は、ステップS72で取得した移動体IDと上記ステップS76で取得した発光位置の監視対象物T(移動体端末7)とを関連付け(ステップS77)、対象物特定処理を終了する。
【0105】
その他の構成および動作は、実施例1と同一であるので、その詳細な説明を省略する。
以上の構成および動作により、実施例1と同一の効果を得ることができる。
【0106】
なお、上述した各実施例では、対象部分画像64,76や撮影全体画像75、撮影画像Gなど、取得した画像について必要に応じてマスキングを行っても良い。例えば、連続撮影している動画上での移動体(人および物)を認識し、移動体端末7であると認識した部位に続く移動体(人および物)の周囲にマスキングをする、あるいは移動体端末画像7aに最も近い顔以外の顔(他人と思われる)を認識すればこの他人と思われる顔部分にマスキングするといった構成にしてもよい。この場合、他人のプライバシー保護等に役立てることができる。また、画像圧縮技術を用いて圧縮保存する場合に、マスキングの分だけデータ量をさらに少なくすることもできる。
【0107】
また、IDの特定や衝突回避処理等によって1つの移動体端末7を指定して発光させた場合に、対象となる発光が複数検知された場合、再度同じ移動体端末7に対して発光色、発光時間、発光形状、または点滅種別等を先の発光と異ならせた別の発光を行わせる構成にしてもよい。これにより、最初に指示した発光と同系色の別の発光体がたまたま撮影画像G内に存在していた場合でも、発光を異ならせることで撮影画像G内における移動体端末7の位置を確実に特定することができる。
【0108】
また、移動体端末7の発光部23の発光を定点監視端末5のカメラ14で確実に撮影できる構成を備えても良い。
例えば、担架8の高い位置に移動体端末7の固定部を設け、この固定部に移動体端末7を発光部23が天井へ向くように固定する構成にしてもよい。
他にも、上述したステップS11でのID及び発光要求に対してIDの応答がありながら発光を検知できない場合に、IDの応答をした移動体端末7(若しくは処理を実行している定点監視端末5)により発光部23を天井(若しくは定点監視端末5のカメラ14)へ向けるように音声等の出力によって報知(アナウンス)してもよい。
このように構成することで、監視領域E内の移動体端末7の発光部23の発光を確実に検出することができる。
【0109】
また、複数設けられている定点監視端末5の一部で、発光部23が隠れていた等の原因で移動体端末7のIDと位置を一致できなかった場合、他の定点監視端末5で一致させたIDと対象部分画像64,76を用いてIDと移動体端末7の画像(位置)を関連づけてもよい。
【0110】
この場合、撮影画像Gにおいて発光が検出できなくとも、読み取ったIDに関連づけられて記憶されているサーバ管理データ70を参照し、該読み取ったIDに対応する移動体端末7の対象部分画像76を取得する。
【0111】
そして、発光が検出できなかった撮影画像Gにおいて、サーバ管理データ70から取得した対象部分画像76との一致度が所定量以上となる移動体端末7の画像を画像マッチングにより検出し、この検出した移動体端末7の画像と読み取ったIDとを関連づけて記憶するとよい。
【0112】
これにより、監視システム1は、一度でもIDと移動体端末7の発光を関連づけることができれば、全ての定点監視端末5の撮影画像GにおいてIDと移動体端末7の画像を関連づけることができる。
【0113】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の対象検出装置は、実施形態の定点監視端末5に対応し、
以下同様に、
撮影手段は、カメラ14に対応し、
無線通信手段は、無線通信部15に対応し、
制御手段は、制御部21に対応し、
無線通信手段は、無線通信部22に対応し、
発光手段は、発光部23に対応し、
部分画像データは、対象部分画像64に対応し、
移動体端末画像認識処理および移動体端末画像認識工程は、ステップS15,S76に対応し、
ID情報取得処理およびID情報取得工程は、ステップS16,S72に対応し、
関連付け処理および関連付け工程は、ステップS17,S77に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0114】
この発明は、医療施設での患者の追尾と状態把握に限らず、イベント会場やテーマパークや建物内などの様々な場所での人物や物品の追尾と状況把握に用いることができ、監視システム、セキュリティシステム、ああるいは公共安全の支援システムなどの様々な用途に使用できる。
【符号の説明】
【0115】
1…対象検出システム、5…定点監視端末、7…移動体端末、14…カメラ、15…無線通信部、21…制御部、22…無線通信部、23…発光部、64…対象部分画像、G…撮影画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信を行う無線通信手段、発光処理を行う発光手段、及びこれらを制御する制御手段を有する移動体端末と、
画像を撮影する撮影手段、該撮影手段による撮影領域に存在する前記移動体端末と無線通信する無線通信手段、およびこれらを制御する制御手段を有する対象検出装置とを備えた対象検出システムであって、
前記対象検出装置の制御手段は、
前記移動体端末の発光手段の発光が写っている撮影画像を前記撮影手段により取得し、該撮影画像における前記移動体端末の端末画像を前記発光により認識する移動体端末画像認識処理と、
前記無線通信手段により前記移動体端末のID情報を取得するID情報取得処理と、
認識した前記端末画像と前記ID情報とを関連づける関連付け処理とを実行する構成である
対象検出システム。
【請求項2】
前記移動体端末画像認識処理は、
前記無線通信手段により前記移動体端末に対して所定タイミングで発光させるように通知し、そのタイミングで発光した移動体端末を認識する構成である
請求項1記載の対象検出システム。
【請求項3】
前記移動体端末画像認識処理は、
特定のIDの前記移動体端末に前記発光を行わせる構成である
請求項1または2記載の対象検出システム。
【請求項4】
前記特定のIDの前記移動体端末は、
指定されたIDの移動体端末、
あるいは、ID送信と発光を両方実行する所定タイミングに至った移動体端末である
請求項3記載の対象検出システム。
【請求項5】
前記対象検出装置は、
該対象検出装置の撮影手段で撮影した撮影画像データをその撮影領域に写っている前記移動体端末に送信する構成であり、
前記移動体端末は、
受信した前記撮影画像データを記憶する記憶手段を備えた
請求項1から4のいずれか1つに記載の対象検出システム。
【請求項6】
前記対象検出装置の制御手段は、
前記撮影画像データから前記移動体端末が写っている部分を切り出し、この切り出した部分画像データを前記移動体端末へ送信する構成である
請求項5記載の対象検出システム。
【請求項7】
前記対象検出装置の制御手段は、
前記移動体端末に対して該移動体端末に記憶している移動体画像を送信させる移動体画像送信要求処理を実行する構成であり、
前記移動体端末の制御手段は、
前記移動体画像送信要求を受けて記憶している移動体画像を送信する移動体画像送信処理を実行する構成である
請求項1から6のいずれか1つに記載の対象検出システム。
【請求項8】
コンピュータを、画像を撮影する撮影手段、該撮影手段による撮影領域に存在する前記移動体端末と無線通信する無線通信手段、およびこれらを制御する制御手段として機能させる対象検出プログラムであって、
前記制御手段に、
前記移動体端末の発光手段の発光が写っている撮影画像を前記撮影手段により取得し、該撮影画像における前記移動体端末の端末画像を前記発光により認識する移動体端末画像認識処理と、
前記無線通信手段により前記移動体端末のID情報を取得するID情報取得処理と、
認識した前記端末画像と前記ID情報とを関連づける関連付け処理とを実行させる
対象検出プログラム。
【請求項9】
無線通信を行う無線通信手段、発光処理を行う発光手段、及びこれらを制御する制御手段を有する移動体端末と、画像を撮影する撮影手段、該撮影手段による撮影領域に存在する前記移動体端末と無線通信する無線通信手段、およびこれらを制御する制御手段を有する対象検出装置とを備えた対象検出システムにより対象を検出する対象検出方法であって、
前記対象検出装置の制御手段により、
前記移動体端末の発光手段の発光が写っている撮影画像を前記撮影手段により取得し、該撮影画像における前記移動体端末の端末画像を前記発光により認識する移動体端末画像認識工程と、
前記無線通信手段により前記移動体端末のID情報を取得するID情報取得工程と、
認識した前記端末画像と前記ID情報とを関連づける関連付け工程とを行う
対象検出方法。
【請求項10】
画像を撮影する撮影手段、該撮影手段による撮影領域に存在する前記移動体端末と無線通信する無線通信手段、およびこれらを制御する制御手段を有する対象検出装置であって、
前記制御手段は、
移動体端末の発光手段の発光が写っている撮影画像を前記撮影手段により取得し、該撮影画像における前記移動体端末の端末画像を前記発光により認識する移動体端末画像認識処理と、
前記無線通信手段により前記移動体端末のID情報を取得するID情報取得処理と、
認識した前記端末画像と前記ID情報とを関連づける関連付け処理とを実行する構成である
対象検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−76357(P2011−76357A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−226993(P2009−226993)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(509140825)株式会社デュース・テクノロジーズ (3)
【Fターム(参考)】