説明

封着材料及びこれを用いたペースト材料

【課題】レーザ封着に好適な封着材料、具体的にはレーザ光を吸収しやすく、且つ軟化点が低い封着材料を創案することにより、有機ELディスプレイ等の信頼性を高めること。
【解決手段】本発明の封着材料は、SnO含有ガラス粉末を含む無機粉末 80〜99.7質量%と、顔料 0.3〜20質量%とを含有し、且つレーザ封着に用いることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、封着材料及びこれを用いたペースト材料に関し、特にレーザ光による封着処理(以下、レーザ封着)に用いる封着材料及びこれを用いたペースト材料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フラットディスプレイパネルとして、有機ELディスプレイが注目されている。有機ELディスプレイは、直流電圧で駆動できるため駆動回路を簡略化できるとともに、液晶ディスプレイのように視野角依存性がなく、また自己発光のため明るく、更には応答速度が速い等の利点がある。現在、有機ELディスプレイは、主に携帯電話等の小型携帯機器に利用されているが、今後は超薄型テレビへの応用が期待されている。なお、有機ELディスプレイは、液晶ディスプレイと同様にして、薄膜トランジスタ(TFT)等のアクティブ素子を各画素に配置して、駆動させる方式が主流である。
【0003】
有機ELディスプレイは、2枚のガラス基板、金属等の陰電極、有機発光層、ITO等の陽電極、接着材料等で構成される。従来、接着材料として、低温硬化性を有するエポキシ樹脂、或いは紫外線硬化樹脂等の有機樹脂系接着材料が使用されてきた。しかし、有機樹脂系接着材料では、気体の侵入を完全に遮断できない。このため、有機樹脂系接着材料を用いると、有機ELディスプレイ内部の気密性を保持することができず、このことに起因して、耐水性が低い有機発光層が劣化しやすくなり、有機ELディスプレイの表示特性が経時的に劣化する不具合が生じていた。また、有機樹脂系接着材料は、ガラス基板同士を低温で接着できる利点を有するものの、耐水性が低いため、有機ELディスプレイを長期に亘って使用した場合、ディスプレイの信頼性が低下しやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6416375号明細書
【特許文献2】特開2006−315902号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ガラス粉末を含む封着材料は、有機樹脂系接着材料に比べて、耐水性に優れるとともに、有機ELディスプレイ内部の気密性の確保に適している。
【0006】
しかし、ガラス粉末は、一般的に、軟化点が300℃以上であるため、有機ELディスプレイに適用困難であった。具体的に説明すると、上記の封着材料でガラス基板同士を封着する場合、電気炉に有機ELディスプレイ全体を投入し、ガラス粉末の軟化点以上の温度で焼成し、ガラス粉末を軟化流動させる必要がある。しかし、有機ELディスプレイに用いられるアクティブ素子は、120〜130℃程度の耐熱性しか有していないため、この方法でガラス基板同士を封着すると、アクティブ素子が熱により損傷して、有機ELディスプレイの表示特性が劣化してしまう。また、有機発光材料も耐熱性が乏しいため、この方法でガラス基板同士を封着すると、有機発光材料が熱により損傷して、有機ELディスプレイの表示特性が劣化してしまう。
【0007】
このような事情に鑑み、近年、有機ELディスプレイを封着する方法として、レーザ封着が検討されている。レーザ封着によれば、封着すべき部位のみを局所加熱できるため、アクティブ素子等の熱劣化を防止した上で、ガラス基板同士を封着することができる。
【0008】
特許文献1、2には、フィールドエミッションディスプレイの前面ガラス基板と背面ガラス基板をレーザ封着することが記載されている。しかし、特許文献1、2には具体的な材料構成について記載がなく、どのような材料構成がレーザ封着に好適であるのか不明であった。このため、レーザ光を封着材料に照射しても、封着材料がレーザ光を的確に吸収できず、封着部位において、レーザ光を熱エネルギーに効率良く変換させることが困難であった。なお、レーザ光の出力を上げると、材料構成を最適化しなくても、レーザ封着が可能になるが、この場合、アクティブ素子等が加熱されて、有機ELディスプレイの表示特性が劣化するおそれがある。
【0009】
また、ガラス粉末の軟化点が低い程、レーザ封着の効率が向上する。具体的には、ガラス粉末の軟化点が低い程、短時間でレーザ封着が完了するとともに、レーザ封着の際に封着強度を高めることができる。
【0010】
そこで、本発明は、レーザ封着に好適な封着材料、具体的にはレーザ光を吸収しやすく、且つ軟化点が低い封着材料を創案することにより、有機ELディスプレイ等の信頼性を高めることを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者等は、鋭意検討の結果、レーザ光を吸収する顔料を所定量添加するとともに、SnOガラス粉末を採用することにより、上記技術的課題を解決できることを見出し、本発明として、提案するものである。すなわち、本発明の封着材料は、SnO含有ガラス粉末を含む無機粉末 80〜99.7質量%と、顔料 0.3〜20質量%とを含有し、且つレーザ封着に用いることを特徴とする。ここで、「SnO含有ガラス粉末」とは、ガラス組成として、SnOを20モル%以上含むガラス粉末を指す。また、「無機粉末」は、顔料以外の無機材料粉末を指し、通常、ガラス粉末と耐火性フィラーの混合物を指す。
【0012】
本発明に係る無機粉末は、SnO含有ガラス粉末を含む。このようにすれば、ガラス粉末の軟化点が低下し、封着材料の軟化点も低下する。その結果、短時間でレーザ封着が完了するとともに、レーザ封着の際に封着強度を高めることができる。
【0013】
本発明の封着材料は、SnO含有ガラス粉末を含む無機粉末を80〜99.7質量%含有する。このようにすれば、有機ELディスプレイ内部の気密性を確保できるため、有機発光層を劣化させるHOやO等が有機ELディスプレイ内部に侵入する事態を防止することができ、結果として、有機ELディスプレイの信頼性を高めることができる。なお、無機粉末の含有量が80質量%より少ないと、レーザ封着の際に封着材料の軟化流動が乏しくなり、また封着強度を高めることが困難になる。
【0014】
本発明の封着材料は、顔料を0.3〜20質量%含有する。顔料の含有量を0.3質量%以上に規制にすれば、レーザ光を熱エネルギーに効率良く変換できるため、封着すべき部位のみを局所加熱しやすくなり、結果として、アクティブ素子等の熱劣化を防止した上で、ガラス基板同士をレーザ封着することができる。一方、顔料の含有量を20質量%以下に規制すれば、レーザ封着の際にガラスが失透する事態を防止することができる。
【0015】
本発明の封着材料は、レーザ封着に用いることを特徴とする。本発明の封着材料は、レーザ光を的確に吸収できるため、レーザ封着に好適に用いることができる。なお、上記の通り、レーザ封着によれば、封着すべき部位のみを局所加熱できるため、アクティブ素子等の熱劣化を防止した上で、ガラス基板同士を封着することができる。
【0016】
レーザ封着には、種々のレーザを使用することができる。特に、半導体レーザ、YAGレーザ、COレーザ、エキシマレーザ、赤外レーザ等は、取扱いが容易な点で好ましい。
【0017】
第二に、本発明の封着材料は、SnO含有ガラス粉末が、ガラス組成として、モル%で、SnO 35〜70%、P 10〜30%を含有することが好ましい。このようにすれば、ガラスの低融点特性を維持した上で、ガラスの耐水性を高めやすくなる。
【0018】
第三に、本発明の封着材料は、SnO含有ガラス粉末が、更に、ガラス組成として、モル%で、ZnO 1〜20%、B 1〜20%、Al 0.1〜10%を含有することが好ましい。このようにすれば、ガラスの熱膨張係数を低下させた上で、ガラスの熱的安定性を高めやすくなる。
【0019】
第四に、本発明の封着材料は、顔料が、C(カーボン)、Co、CuO、Cr、Fe、MnO、SnO、Ti2n−1(nは整数)から選ばれる一種または二種以上であることが好ましい。これらの顔料は、発色性に優れており、レーザ光の吸収性が良好である。
【0020】
第五に、本発明の封着材料は、顔料が、カーボンであることが好ましい。カーボンは、安価であり、レーザ光の吸収性が特に良好である。また、カーボンは、レーザ封着の際にSnO含有ガラス粉末が変質する事態を防止する効果、つまりレーザ封着の際にガラス組成中のSnOがSnOに酸化する事態を防止する効果も有する。
【0021】
第六に、本発明の封着材料は、無機粉末中に耐火性フィラーを0.1〜60体積%含有することが好ましい。
【0022】
第七に、本発明の封着材料は、耐火性フィラーが、コーディエライト、ジルコン、酸化錫、酸化ニオブ、リン酸ジルコニウム、リン酸タングステン酸ジルコニウム、NbZr(POから選ばれる一種または二種以上であることが好ましい。
【0023】
第八に、本発明の封着材料は、有機ELデバイスの封着に用いることが好ましい。ここで、「有機ELデバイス」には、有機ELディスプレイ、有機EL照明等が含まれる。
【0024】
第九に、本発明のペースト材料は、封着材料とビークルを含むペースト材料において、封着材料が上記の封着材料であり、且つビークルが脂肪族ポリオレフィン系カーボネートを含むことを特徴とする。
【0025】
第十に、本発明のペースト材料は、ビークルが、N,N’−ジメチルホルムアミド、エチレングリコール、ジメチルスルホキサイド、炭酸ジメチル、プロピレンカーボネート、ブチロラクトン、カプロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、フェニルジグリコール(PhDG)、フタル酸ジブチル(DBP)、ベンジルグリコール(BzG)、ベンジルジグリコール(BzDG)、フェニルグリコール(PhG)から選ばれる一種または二種以上を含むことが好ましい。
【0026】
第十一に、本発明のペースト材料は、不活性雰囲気における脱バインダー処理に供されることが好ましい。ここで、「不活性雰囲気」には、Nガス雰囲気、Arガス雰囲気等の中性ガス雰囲気、真空雰囲気等の減圧雰囲気が含まれる。
【0027】
第十二に、本発明のペースト材料は、不活性雰囲気におけるレーザ封着に供されることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】マクロ型DTA装置で測定したときのガラス粉末の軟化点を示す模式図である。
【図2】フェニルグリコール(PhG)がペースト材料の乾燥速度に及ぼす影響を示すデータである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の封着材料において、SnO含有ガラス粉末を含む無機粉末80〜99.7質量%と、顔料0.3〜20質量%とを含有する。無機粉末の含有量は90〜99質量%、95〜99質量%、特に97〜99質量%が好ましい。無機粉末の含有量が少ないと、レーザ封着時に封着材料の軟化流動が乏しくなり、また封着強度を高めることが困難になる。一方、無機粉末の含有量が99.9質量%より多いと、相対的に顔料の含有量が少なくなるため、レーザ光を熱エネルギーに変換し難くなる。顔料の含有量は0.4〜10質量%、特に0.6〜10質量%が好ましい。顔料の含有量が少な過ぎると、レーザ光を熱エネルギーに変換し難くなる。一方、顔料の含有量が多過ぎると、ガラスの熱的安定性が低下しやすくなる。
【0030】
本発明の封着材料において、SnO含有ガラス粉末の平均粒子径D50は15μm未満、0.5〜10μm、特に1〜5μmが好ましい。SnO含有ガラス粉末の平均粒子径D50を15μm未満に規制すると、両ガラス基板間のギャップを狭小化しやすくなり、この場合、レーザ封着に要する時間が短縮されるとともに、ガラス基板と封着材料の熱膨張係数に差があっても、ガラス基板や封着部位にクラック等が発生し難くなる。ここで、「平均粒子径D50」は、レーザ回折法で測定した値を指し、レーザ回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して50%である粒子径を表す。
【0031】
本発明の封着材料において、SnO含有ガラス粉末の最大粒子径Dmaxは30μm以下、20μm以下、特に10μm以下が好ましい。SnO含有ガラス粉末の平均粒子径Dmaxを30μm以下に規制すると、両ガラス基板間のギャップを狭小化しやすくなり、この場合、レーザ封着に要する時間が短縮されるとともに、ガラス基板と封着材料の熱膨張係数に差があっても、ガラス基板や封着部位にクラック等が発生し難くなる。ここで、「平均粒子径Dmax」は、レーザ回折法で測定した値を指し、レーザ回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して99%である粒子径を表す。
【0032】
本発明のSnO含有ガラスは、ガラス組成として、下記酸化物換算のモル%表示で、SnO 35〜70%、P 10〜30%を含有することが好ましい。上記のようにガラス組成範囲を限定した理由を下記に示す。なお、ガラス組成範囲の説明において、%表示は、特に断りがある場合を除き、モル%を指す。
【0033】
SnOは、ガラスを低融点化する成分であり、必須成分である。その含有量は20%以上であり、35〜70%、40〜70%、特に50〜68%が好ましい。特に、SnOの含有量が50%以上であれば、レーザ封着の際にガラスが軟化流動しやすくなる。SnOの含有量が35%より少ないと、ガラスの粘性が高くなり過ぎて、所望のレーザ出力でレーザ封着し難くなる。一方、SnOの含有量が70%より多いと、ガラス化が困難になる傾向がある。
【0034】
は、ガラス形成酸化物であり、ガラスの熱安定性を高める成分である。その含有量は10〜30%、15〜27%、特に15〜25%が好ましい。Pの含有量が10%より少ないと、ガラスの熱的安定性が低下しやすくなる。一方、Pの含有量が30%より多いと、ガラスの耐候性が低下し、有機ELデバイス等の長期信頼性を確保し難くなる。
【0035】
上記成分以外にも以下の成分を添加することができる。
【0036】
ZnOは、中間酸化物であり、ガラスを安定化させる成分である。その含有量は0〜30%、1〜20%、特に1〜15%が好ましい。ZnOの含有量が20%より多いと、ガラスの熱的安定性が低下しやすくなる。
【0037】
は、ガラス形成酸化物であり、ガラスを安定化させる成分である。また、Bは、ガラスの耐候性を高める成分である。その含有量は0〜20%、1〜20%、特に2〜15%が好ましい。Bの含有量が20%より多いと、ガラスの粘性が高くなり過ぎて、所望のレーザ出力でレーザ封着し難くなる。
【0038】
Alは、中間酸化物であり、ガラスを安定化させる成分である。また、Alは、ガラスの熱膨張係数を低下させる成分である。その含有量は0.1〜10%、特に0.5〜5%が好ましい。Alの含有量が10%より多いと、ガラス粉末の軟化点が不当に上昇し、所望のレーザ出力でレーザ封着し難くなる。
【0039】
SiOは、ガラス形成酸化物であり、ガラスを安定化させる成分である。その含有量は0〜15%、特に0〜5%が好ましい。SiOの含有量が15%より多いと、ガラス粉末の軟化点が不当に上昇し、所望のレーザ出力でレーザ封着し難くなる。
【0040】
Inは、ガラスの熱的安定性を高める成分であり、その含有量は0〜5%が好ましい。Inの含有量が5%より多いと、バッチコストが高騰する。
【0041】
Taは、ガラスの熱的安定性を高める成分であり、その含有量は0〜5%が好ましい。Taの含有量が5%より多いと、ガラス粉末の軟化点が不当に上昇し、所望のレーザ出力でレーザ封着し難くなる。
【0042】
Laは、ガラスの熱的安定性を高める成分であり、またガラスの耐候性を高める成分である。その含有量は0〜15%、0〜10%、特に0〜5%が好ましい。Laの含有量が15%より多いと、バッチコストが高騰する。
【0043】
MoOは、ガラスの熱的安定性を高める成分であり、その含有量は0〜5%が好ましい。MoOの含有量が5%より多いと、ガラス粉末の軟化点が不当に上昇し、所望のレーザ出力でレーザ封着し難くなる。
【0044】
WOは、ガラスの熱的安定性を高める成分であり、その含有量は0〜5%が好ましい。WOの含有量が5%より多いと、ガラス粉末の軟化点が不当に上昇し、所望のレーザ出力でレーザ封着し難くなる。
【0045】
LiOは、ガラスを低融点化する成分であり、その含有量は0〜5%が好ましい。LiOの含有量が5%より多いと、ガラスの熱的安定性が低下しやすくなる。
【0046】
NaOは、ガラスを低融点化する成分であり、その含有量は0〜10%、特に0〜5%が好ましい。NaOの含有量が10%より多いと、ガラスの熱的安定性が低下しやすくなる。
【0047】
Oは、ガラスを低融点化する成分であり、その含有量は0〜5%が好ましい。KOの含有量が5%より多いと、ガラスの熱的安定性が低下しやすくなる。
【0048】
MgOは、ガラスの熱的安定性を高める成分であり、その含有量は0〜15%が好ましい。MgOの含有量が15%より多いと、ガラス粉末の軟化点が不当に上昇し、所望のレーザ出力でレーザ封着し難くなる。
【0049】
BaOは、ガラスの熱的安定性を高める成分であり、その含有量は0〜10%が好ましい。BaOの含有量が10%より多いと、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、逆にガラスが失透しやすくなる。
【0050】
は、ガラスを低融点化する成分であり、その含有量は0〜5%が好ましい。Fの含有量が5%より多いと、ガラスの熱的安定性が低下しやすくなる。
【0051】
熱的安定性と低融点特性を考慮すれば、In、Ta、La、MoO、WO、LiO、NaO、KO、MgO、BaO、Fの合量は10%以下が好ましい。
【0052】
上記成分以外にも他の成分(CaO、SrO等)を例えば10%まで添加することができる。
【0053】
本発明に係るSnO含有ガラス粉末は、バッチコストを低下させる観点に立てば、遷移金属酸化物の含有量は、10%以下、特に5%以下が好ましく、実質的に遷移金属酸化物を含まないことがより好ましい。ここで、「実質的に遷移金属酸化物を含有しない」とは、ガラス組成中の遷移金属酸化物の含有量が3000ppm(質量)以下、好ましくは1000ppm(質量)以下の場合を指す。
【0054】
なお、本発明に係るSnO含有ガラス粉末は、環境的観点から、実質的にPbOを含有しないことが好ましい。ここで、「実質的にPbOを含有しない」とは、ガラス組成中のPbOの含有量が1000ppm(質量)以下の場合を指す。
【0055】
本発明の封着材料において、顔料は、無機顔料が好ましく、カーボン、Co、CuO、Cr、Fe、MnO、SnO、Ti2n−1(nは整数)から選ばれる一種または二種以上がより好ましく、カーボンが特に好ましい。これらの顔料は、発色性に優れており、レーザ光の吸収性が良好である。
【0056】
顔料は、環境的観点から、実質的にCr系酸化物を含有しないことが好ましい。ここで、「実質的にCr系酸化物を含有しない」とは、顔料中のCr系酸化物の含有量が1000ppm(質量)以下の場合を指す。
【0057】
顔料の平均粒子径D50は0.1〜3μm、特に0.3〜1μmが好ましい。また、顔料の最大粒子径Dmaxは0.5〜10μm、特に1〜5μmが好ましい。顔料の粒度が大き過ぎると、封着材料中に顔料を均一に分散し難くなり、レーザ封着の際に、ガラスが局所的に軟化流動しないおそれがある。顔料の粒度が小さ過ぎても、顔料同士が凝集しやすくなるため、レーザ封着の際に、ガラスが局所的に軟化流動しないおそれがある。
【0058】
本発明に係る無機粉末は、耐火性フィラーを含むことが好ましい。このようにすれば、封着材料の熱膨張係数を低下できるとともに、封着材料の機械的強度を高めることができる。無機粉末中のSnO含有ガラス粉末と耐火性フィラーの混合割合は、体積%で40〜100%:0〜60%、特に50〜90%:10〜50%が好ましい。耐火性フィラーの含有量が60体積%より多いと、SnO含有ガラス粉末の割合が相対的に少なくなり、レーザ封着の効率が低下しやすくなる。
【0059】
耐火性フィラーとして、ジルコン、ジルコニア、酸化錫、石英、β−スポジュメン、コーディエライト、ムライト、石英ガラス、β−ユークリプタイト、β−石英、リン酸ジルコニウム、リン酸タングステン酸ジルコニウム、タングステン酸ジルコニウム、NbZr(PO等の[AB(MO]の基本構造をもつ化合物、
A:Li、Na、K、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cu、Ni、Mn等
B:Zr、Ti、Sn、Nb、Al、Sc、Y等
M:P、Si、W、Mo等
若しくはこれらの固溶体が使用可能である。
【0060】
耐火性フィラーの最大粒子径Dmaxは30μm以下、20μm以下、特に10μm以下が好ましい。耐火性フィラーの最大粒子径Dmaxが30μmより大きいと、封着部位において、30μm以上の厚みを有する箇所が発生するため、有機ELディスプレイにおいて、ガラス基板間のギャップが不均一になり、有機ELディスプレイを薄型化し難くなる。また、耐火性フィラーの平均粒子径Dmaxを30μm以下に規制すると、両ガラス基板間のギャップを狭小化しやすくなり、この場合、レーザ封着に要する時間が短縮されるとともに、ガラス基板と封着材料の熱膨張係数に差があっても、ガラス基板や封着部位にクラック等が発生し難くなる。
【0061】
本発明の封着材料において、軟化点は450℃以下、420℃以下、特に400℃以下が好ましい。軟化点が450℃より高いと、レーザ封着の効率が低下しやすくなる。軟化点の下限は特に限定されないが、ガラスの熱的安定性を考慮すれば、軟化点を300℃以上に規制することが好ましい。ここで、「軟化点」とは、窒素雰囲気下において、マクロ型示差熱分析(DTA)装置で測定した値を指し、DTAは室温から測定を開始し、昇温速度は10℃/分とする。なお、マクロ型DTA装置で測定した軟化点は、図1に示す第四屈曲点の温度(Ts)を指す。

現在、有機ELディスプレイには、駆動方式として、TFT等のアクティブ素子を各画素に配置して駆動させるアクティブマトリクス駆動が採用されている。この場合、有機ELディスプレイ用ガラス基板には、無アルカリガラス(例えば、日本電気硝子株式会社製OA−10G)が使用される。無アルカリガラスの熱膨張係数は、通常、40×10−7/℃以下である。封着材料の熱膨張係数は、76〜83×10−7/℃であることが多い。このため、封着材料の熱膨張係数を無アルカリガラスの熱膨張係数に厳密に適合させることが困難であった。しかし、本発明に係るSnO含有ガラス粉末は、低膨張の耐火性フィラー、特にNbZr(PO、リン酸ジルコニウムとの適合性が良好であるため、SnO含有ガラス粉末を用いると、封着材料の熱膨張係数を顕著に低下させることが可能になる。本発明の封着材料において、熱膨張係数は75×10−7/℃以下、65×10−7/℃以下、55×10−7/℃以下、特に49×10−7/℃以下が好ましい。このようにすれば、封着部位にかかる応力が小さくなり、封着部位の応力破壊を防ぐことができる。ここで、「熱膨張係数」とは、押棒式熱膨張係数測定(TMA)装置により、30〜250℃の温度範囲で測定した平均値を指す。
【0062】
本発明の封着材料とビークルを混練し、ペースト材料に加工することが好ましい。このようにすれば、塗布作業性等を高めることができる。なお、ビークルは、通常、樹脂バインダーと溶媒を含む。
【0063】
本発明のペースト材料において、樹脂バインダーは、脂肪族ポリオレフィン系カーボネート、特にポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネートが好ましい。これらの樹脂バインダーは、レーザ封着の際にSnO含有ガラス粉末を変質させ難い特徴を有する。
【0064】
本発明のペースト材料において、溶媒は、N,N’−ジメチルホルムアミド、エチレングリコール、ジメチルスルホキサイド、炭酸ジメチル、プロピレンカーボネート、ブチロラクトン、カプロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、フェニルジグリコール(PhDG)、フタル酸ジブチル(DBP)、ベンジルグリコール(BzG)、ベンジルジグリコール(BzDG)、フェニルグリコール(PhG)から選ばれる一種または二種以上が好ましい。これらの溶媒は、レーザ封着の際にSnO含有ガラス粉末を変質させ難い特徴を有する。特に、これらの溶媒の内、プロピレンカーボネート、フェニルジグリコール(PhDG)、フタル酸ジブチル(DBP)、ベンジルグリコール(BzG)、ベンジルジグリコール(BzDG)、フェニルグリコール(PhG)から選ばれる一種又は二種以上が好ましい。これらの溶媒は、沸点が240℃以上である。このため、これらの溶媒を使用すると、スクリーン印刷等の塗布作業の際に、溶媒の揮発を抑制し易くなり、結果として、ペースト材料を長期的に安定して使用することが可能になる。更に、フェニルジグリコール(PhDG)、フタル酸ジブチル(DBP)、ベンジルグリコール(BzG)、ベンジルジグリコール(BzDG)、フェニルグリコール(PhG)は、顔料との親和性が高い。このため、これらの溶媒の添加量が少量でも、ペースト材料中で顔料が分離する事態を抑制することができる。
【0065】
上記の通り、プロピレンカーボネート、フェニルジグリコール(PhDG)、フタル酸ジブチル(DBP)、ベンジルグリコール(BzG)、ベンジルジグリコール(BzDG)、フェニルグリコール(PhG)は、溶媒の揮発を抑制して、ペースト材料の長期安定性を高める効果を有する。フェニルジグリコール(PhDG)を例にとり、この効果を具体的に説明する。まずプロピレンカーボネートに対して、図2に記載の通りに、フェニルジグリコール(PhDG)を外挿添加して、各種溶媒を作製した。次に、この溶媒をガラス基板(日本電気硝子株式会社製OA−10G)に一定量滴下した上で、図2に記載の通りにガラス基板を放置した。最後に、溶媒の減量率を測定することにより、フェニルジグリコール(PhDG)がペースト材料の乾燥速度に及ぼす影響を評価した。その結果を図2に示す。図2によると、フェニルジグリコール(PhDG)の含有量が多くなると、溶媒の減量率が小さくなる。よって、フェニルジグリコール(PhDG)を添加すれば、ペースト材料の乾燥速度が遅くなり、結果として、ペースト材料の長期安定性が向上することが分かる。
【0066】
本発明のペースト材料は、不活性雰囲気における脱バインダー処理に供されることが好ましく、特にN雰囲気における脱バインダー処理に供されることが好ましい。このようにすれば、脱バインダーの際にSnO含有ガラス粉末が変質する事態を防止しやすくなる。
【0067】
本発明のペースト材料は、不活性雰囲気におけるレーザ封着に供されることが好ましく、特にN雰囲気におけるレーザ封着に供されることが好ましい。このようにすれば、レーザ封着の際にSnO含有ガラス粉末が変質する事態を防止しやすくなる。
【実施例】
【0068】
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
【0069】
表1は、本発明に係るSnO含有ガラス粉末(試料No.1〜7)を示している。
【0070】
【表1】

【0071】
次のようにして各ガラス粉末を調製した。まず表1に示すガラス組成になるように、原料を調合した後、この調合原料をアルミナ坩堝に入れて、窒素雰囲気下において、表中に示す溶融温度で1〜2時間溶融した。次に、得られた溶融ガラスを水冷ローラーによりフィルム状に成形した。続いて、ボールミルによりガラスフィルムを粉砕した後、分級し、平均粒子径D50が2.5μm、最大粒子径Dmaxが7μmのガラス粉末を得た。
【0072】
試料No.1〜7につき、ガラス転移点、軟化点、熱膨張係数を評価した。その結果を表1に示す。
【0073】
ガラス転移点は、TMA装置で求めた。
【0074】
軟化点は、DTA装置で測定した。測定は、窒素雰囲気下において、昇温速度10℃/分で行い、室温から測定を開始した。
【0075】
熱膨張係数は、TMA装置で求めた。測定温度範囲は30〜250℃とした。
【0076】
表1から明らかなように、試料No.1〜7は、ガラス転移点が295〜334℃、軟化点が365〜407℃、熱膨張係数が96〜125×10−7/℃であった。
【0077】
次に、封着材料を作製した。表2に示す混合割合になるように、表1に記載のガラス粉末No.1〜7と、耐火性フィラーと、顔料とを混合することにより、封着材料(試料A〜G)を作製した。
【0078】
【表2】

【0079】
耐火性フィラーとして、リン酸ジルコニウム粉末、NbZr(PO粉末を用いた。リン酸ジルコニウム粉末、NbZr(PO粉末の粒度は、それぞれ平均粒子径D50:2μm、最大粒子径Dmax:8μmであった。また、顔料として、平均粒子径D50:0.5μm、最大粒子径Dmax:3μmのカーボン粉末を用いた。
【0080】
試料A〜Gにつき、ガラス転移点、軟化点、熱膨張係数、流動径、耐候性、レーザ封着性を評価した。その結果を表2に示す。
【0081】
ガラス転移点は、TMA装置で求めた。なお、測定試料として、各試料を緻密に焼結させたものを使用した。
【0082】
軟化点は、DTA装置で測定した。測定は、窒素雰囲気下において、昇温速度10℃/分で行い、室温から測定を開始した。
【0083】
熱膨張係数は、TMA装置で求めた。測定温度範囲は30〜250℃とした。なお、測定試料として、各試料を緻密に焼結させたものを使用した。
【0084】
次のようにして、流動径を評価した。まず密度分に相当する質量の各試料を金型により外径20mmのボタン状に乾式プレスした。次に、このボタンを無アルカリガラス基板(日本電気硝子株式会社製OA−10G)の上に載せ、窒素雰囲気下において、表中の焼成温度まで10℃/分の速度で昇温して、表中の焼成温度で10分間保持した後、室温まで冷却した。最後に、焼成後のボタンの直径を測定した。なお、流動径が20mm以上であれば、その焼成温度で流動性が良好であることを意味する。流動性が良好である程、レーザ封着の効率が向上する。
【0085】
次のようにして、耐候性を評価した。まず金型により1gの各試料を外径10mmのボタン状に乾式プレスした。次に、このボタンを高歪点ガラス基板の上に載せ、空気中において、[各試料の軟化点+30℃]の温度まで10℃/分の速度で昇温して、その温度で10分間保持した後、室温まで10℃/分の速度で降温した。続いて、焼成後のボタンに対して、プレッシャークッカーテスト(以下、PCT)を行った。具体的には、温度121℃、湿度95%、2気圧の雰囲気下で48時間保持した。最後に、PCT後のボタン表面を目視観察し、ボタン表面の全部に光沢があるものを「○」、ボタン表面の一部に光沢がないものを「△」ボタン表面の全部に光沢がないものを「×」として評価した。
【0086】
次のようにして、レーザ封着性を評価した。まずペースト粘度が約150Pa・sになるように、各試料とビークルを混練した後、更に三本ロールミルで均一になるまで混錬し、ペースト化した。なお、プロピレンカーボネート中にポリエチレンカーボネート(PEC、分子量:80000)を15質量%溶解させたビークルを使用した。次に、作製したペーストを短冊状に加工した無アルカリガラス基板(日本電気硝子株式会社製:OA−10G、寸法:10mm×50mm×0.7mm厚、30〜380℃の温度範囲における熱膨張係数:38×10−7/℃)の中心部に線幅0.8mm×長さ4mm×厚み20μmになるように印刷塗布した後、乾燥オーブンにより120℃で30分間乾燥した。続いて、窒素雰囲気下において、表2に示す軟化点で20分間焼成することにより、脱バインダー処理を行った。なお、昇降温速度は10℃/分とした。さらに、グレーズ膜が形成された無アルカリガラス基板の上に、同形状に加工した無アルカリガラス基板(日本電気硝子株式会社製:OA−10G、寸法:10mm×50mm×0.7mm厚、30〜380℃の温度範囲における熱膨張係数:38×10−7/℃)を正確に重ねた後、グレーズ膜が形成されていないガラス基板側から乾燥膜に沿って、波長808nmの半導体レーザ(出力5W、10W、15W、走査速度10mm/s)を照射した。最後に、レーザ光により、試料が軟化し、ガラス基板同士が接合していたものを「○」、試料が軟化せず、ガラス基板同士が接合していなかったものを「×」と評価した。
【0087】
表2から明らかなように、試料A〜Eは、すべてのレーザ照射条件でガラス基板同士を接合することができた。この結果は、レーザ光のエネルギーを熱量に効率良く変換できたことを示している。また、試料A〜Eは、熱膨張係数が50×10−7/℃以下であるため、ガラス基板の熱膨張係数に整合しており、接合部位にクラック等の異常は見られなかった。
【0088】
一方、試料Fは、すべてのレーザ照射条件でガラス基板同士を接合できなかった。また、試料Gは、レーザ出力が15Wの場合、接合可能であったが、レーザ出力が5W、10Wの場合、接合不可であった。この結果は、レーザ光のエネルギーを熱量に効率良く変換できなかったことを示している。
【0089】
また、表2から明らかなように、試料A〜Eは、ガラス転移点が300〜342℃、軟化点が385〜425℃、熱膨張係数が41〜47×10−7/℃であり、表中の焼成温度で流動径が20mm以上であった。また、試料A〜Eは、耐候性の評価が良好であった。一方、試料F、Gは、PCT後のボタン表面の一部に光沢がなく、耐候性に劣っていた。この原因は、SnO含有粉末中のPとBの含有量に起因すると考えられる。具体的には、試料Fは、SnO含有粉末中のPの含有量が32%であるため、耐候性が低下したと考えられる。また、試料Gは、SnO含有粉末中のPの含有量が30%以下であるものの、Bの含有量が0.9%であるため、耐候性が低下したと考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明の封着材料は、有機ELデバイス以外にも、色素増感型太陽電池等の太陽電池のレーザ封着、MEMSパッケージのレーザ封着、リチウムイオン二次電池のレーザ封着にも好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SnO含有ガラス粉末を含む無機粉末 80〜99.7質量%と、顔料 0.3〜20質量%とを含有し、且つレーザ封着に用いることを特徴とする封着材料。
【請求項2】
SnO含有ガラス粉末が、ガラス組成として、モル%で、SnO 35〜70%、P 10〜30%を含有することを特徴とする請求項1に記載の封着材料。
【請求項3】
SnO含有ガラス粉末が、更に、ガラス組成として、モル%で、ZnO 1〜20%、B 1〜20%、Al 0.1〜10%を含有することを特徴とする請求項2に記載の封着材料。
【請求項4】
顔料が、C(カーボン)、Co、CuO、Cr、Fe、MnO、SnO、Ti2n−1(nは整数)から選ばれる一種または二種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の封着材料。
【請求項5】
顔料が、C(カーボン)であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の封着材料。
【請求項6】
無機粉末中に耐火性フィラーを0.1〜60体積%含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の封着材料。
【請求項7】
耐火性フィラーが、コーディエライト、ジルコン、酸化錫、酸化ニオブ、リン酸ジルコニウム、リン酸タングステン酸ジルコニウム、NbZr(POから選ばれる一種または二種以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の封着材料。
【請求項8】
有機ELデバイスの封着に用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の封着材料。
【請求項9】
封着材料とビークルを含むペースト材料において、
封着材料が請求項1〜8のいずれかに記載の封着材料であり、且つビークルが脂肪族ポリオレフィン系カーボネートを含むことを特徴とするペースト材料。
【請求項10】
ビークルが、N,N’-ジメチルホルムアミド、エチレングリコール、ジメチルスルホキサイド、炭酸ジメチル、プロピレンカーボネート、ブチロラクトン、カプロラクトン、N-メチル−2−ピロリドン、フェニルジグリコール(PhDG)、フタル酸ジブチル(DBP)、ベンジルグリコール(BzG)、ベンジルジグリコール(BzDG)、フェニルグリコール(PhG)から選ばれる一種または二種以上を含むことを特徴とする請求項9に記載のペースト材料。
【請求項11】
不活性雰囲気における脱バインダー処理に供されることを特徴とする請求項9または10に記載のペースト材料。
【請求項12】
不活性雰囲気におけるレーザ封着に供されることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載のペースト材料。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−225426(P2011−225426A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37849(P2011−37849)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000232243)日本電気硝子株式会社 (1,447)
【Fターム(参考)】