説明

射出成形機及び成形品取出装置

【課題】成形効率を向上すると共に装置コスト、部品コスト、及び成形コストを削減した成形品取出装置及び射出成形機を提供する。
【解決手段】ガイドレール43に固定されたボールナット44に螺合したボールねじ軸45の一端45aは、サーボモーター51の回転軸511に連結され、他端45bは、減速機52の入力軸521に連結されている。取出アーム61の一端61aは、減速機52の出力軸522に取り付けられ、他端62bには、ディスク(成形品)7を吸着する吸着手段611が取り付けられている。サーボモーター51及び減速機52は、それぞれ、ガイドレール43の長手方向に摺動可能な第1のスライダー41及び第2のスライダー42に取り付けられて支持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形機及び成形品取出装置に関し、詳しくは、CDやDVD等のディスクを成形する射出成形機及び成形されたディスクを取り出す成形品取出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂は、容易に成型でき且つ安価であるため、種々の製品の材質として使用されている。こうした合成樹脂の原料を使用して製品の成形を行う射出成形機では、原料のペレットを加熱溶融し、この溶融されたペレットを固定金型及び可動金型(以下、「金型」という。)のキャビティに射出した後、固化する。そして、型開きを行い、固化した製品(成形品)を成形品取出装置で取り出し、製品の製造を行っている。
【0003】
前述した射出成形機は、大別すると、原料となるペレットを溶融した後に金型のキャビティに射出する射出ユニットと、型締駆動手段によって移動ダイプレートを進退させることで金型の型開閉を行う型締ユニットと、成形品を取り出す成形品取出装置と、全体を制御する制御ユニットとを具備している。なお、型締ユニット及び成形品取出装置において、射出ユニット側に移動することを「前進」といい、その反対に移動することを「後退」という。
【0004】
近年、大容量記録媒体として、CDやDVD等のディスクが広く普及している。このようなディスクを射出成形機で製造する際、成形精度及び成形効率(単位時間当たりに製造される成形品の数)の向上が求められる。特許文献1及び2は、射出成形機のタイバーを3本にすることで、型締力のばらつきを低減する技術を開示している。この技術によれば、型締力のばらつきが低減されるので、成形精度を向上することができる。
【0005】
さて、多くの成形品取出装置は、2つのサーボモーターを備える。先ず、第1のサーボモーターを駆動して、取出アームの先端を固定金型と可動金型の間に移動させた後、第2のサーボモーターを駆動して、取出アームの先端を成形品に近づけ、成形品を吸着する。その後、第2のサーボモーターを逆方向に駆動した後、第1のサーボモーターを逆方向に駆動して、成形品を取り出す。即ち、第1のサーボモーターを駆動している時間と、第2のサーボモーターを駆動している時間が存在する。
【0006】
特許文献3は、1つの電動モータ(サーボモーター)で、旋回アーム(取出アーム)を旋回運動させると共に直進運動させる技術を開示している。具体的には、1つの電動モータがナット部材を回転させると、このナット部材は、螺合した送りねじ(ねじ軸)に従って螺進退し、このナット部材に固定された旋回アームは、送りねじの軸心を中心として旋回運動すると共にこの軸心の方向に沿って直線運動する。この技術によれば、旋回アームは、旋回運動と直線運動とを同時に行うので、2つのサーボモーターを使用する場合に比較して、成形品を取り出す時間を短縮することができ、成形効率を向上することができる。
【0007】
また、特許文献3の技術によれば、成形品取出装置に必要なサーボモーターは1つでよいので、2つのサーボモーターを使用する方法に比較して、装置コストの削減が期待される。
【0008】
【特許文献1】特開2003−145544号公報
【特許文献2】特許第3764425号公報
【特許文献3】特開2004−284105号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献3に記載の技術では、旋回アームはナット部材に直接取り付けられているので、成形品を取り出す工程において、旋回アームの旋回する角度とナット部材の回転する角度は等しい。タイバーが4本の射出成形機の場合、取出アームの旋回する角度は、90度程度であり、タイバーが3本の射出成形機の場合でも、取出アームの旋回する角度は、180度程度である。従って、送りねじは固定されているので、送りねじに対してナット部材の旋回する角度は、高々180度程度(即ち、高々2分の1回転程度)である。
【0010】
ナット部材は高々2分の1回転程度しか回転できないので、送りねじのリード(Lead)は、少なくとも成形品を取り出すために直線運動する距離の2倍は必要である。例えば、直線移動させる距離が30mmであれば、リードが60mm以上の送りねじが必要になる。このように送りねじのリードが大きくなると、トルクの大きな電動モータが必要になり、装置コストが増加するという問題があった。
【0011】
また、ナット部材は、送りねじの同一部分で高々2分の1回転程度の回転を繰り返すことになるので、送りねじの特定部分が摩耗するが、リードが大きいので、摩擦力はより大きくなり、摩耗量も増加する。特に、ディスクを成形する場合のように、1/10〜1/100秒台で取り出しを行うと、送りねじの特定箇所が高温となり、また、大きな摩擦力によって摩耗するので、送りねじが早期に破損する。このため、部品コストが増加するという問題があった。また、破損した送りねじを交換する際、成形動作を停止させなければならず、成形効率が低下するという問題があった。
【0012】
一般に、高速で螺進退させる部分には、摩擦抵抗を低減するため、ボールねじ機構(ボールナット及びこれに螺合するボールねじから構成される機構)が使用されることが多い。特許文献3に記載の旋回形成形品取出機(成形品取出装置)にボールねじ機構を使用した場合、ボールナットは高々2分の1回転程度しか回転しないため、ボールナットのボールや潤滑油などの潤滑媒体がほとんど循環せず、ボールが熱膨張を起こし、ボールねじ機構がすぐに破損してしまうという問題があった。このため、特許文献3に記載の旋回形成形品取出機にボールねじ機構を使用することは現実的ではなく、摩擦抵抗を低減することができないので、トルク大きな電動モータが必要となり、装置コストが増加するという問題があった。
【0013】
また、特許文献3に記載の旋回形成形品取出機では、旋回アームが「く」の字状に屈曲しているため、直線形状の場合に比較して、旋回アームが長くなる。このため、直線形状の場合に比較して、剛性が低下し、旋回アームの揺れが大きくなり、成形品の落下事故が発生し易くなる。また、通常、成形品はタイバーに近い所を通過して取り出されるので、旋回アームの揺れによってタイバーへの接触事故が発生し易くなる。これらの事故を防止するためには、旋回アームの剛性を向上させなければならないが、このために旋回アーム自体の重量が増加するので、トルクの大きな電動モータが必要になり、装置コストが増加するという問題や、消費電力が増加し、成形コストが増加するという問題があった。
【0014】
また、旋回アームが固定されているナット部材が、送りねじに直接軸支されているので、送りねじが破損した際には、旋回アームの旋回中心軸線が変動し、旋回アームの先端がタイバーに接触する可能性がある。特に、ディスク成形のように、高速で成形品の取り出しを行う場合は、タイバーを損傷させてしまう可能性が高いという問題があった。
【0015】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、成形効率を向上すると共に装置コスト、部品コスト、及び成形コストを削減した成形品取出装置及び射出成形機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1に記載の成形品取出装置は、直線形状のガイドレールと、該ガイドレールに、その長手方向に摺動可能に係合した第1のスライダー及び第2のスライダーと、中心軸線が前記ガイドレールの長手方向と平行になるように、前記ガイドレールに非回転且つ前記中心軸線方向不動に取り付けられたナット部材と、軸心が前記ガイドレールの長手方向と平行になるように、前記ナット部材に螺進退可能に螺合したねじ軸と、回転駆動される回転軸を有し、該回転軸をその軸心が前記ねじ軸の軸心と一致するように前記ねじ軸の軸心方向の一端に連結したサーボモーターと、軸心が一致する入力軸及び出力軸を有し、前記入力軸をその軸心が前記ねじ軸の軸心と一致するように前記ねじ軸の軸心方向の他端に連結した減速機と、一端が前記減速機の出力軸に取り付けられると共に、他端に成形品を吸着する吸着手段が取り付けられた取出アームとを備え、前記サーボモーター及び前記減速機は、それぞれ、前記第1のスライダー及び前記第2のスライダーに取り付けられて支持されていることを特徴とする。
【0017】
請求項1に記載の成形品取出装置によれば、サーボモーターの回転軸を回転駆動させると、取出アームは、ガイドレールの長手方向に沿ってねじ軸のリードにサーボモーターの回転軸の回転数を乗じた距離だけ直線運動すると共に、サーボモーターの回転軸の回転数に減速機の減速比を乗じた回転数だけ旋回運動する。従って、取出アームを動かすサーボモーターは1つで良い。
【0018】
詳細を説明する。サーボモーターの回転軸を回転駆動させると、これに連結されたねじ軸はサーボモーターの回転軸の回転数と同じ回転数だけ回転すると共に、このねじ軸が螺合したナット部材はその中心軸線がガイドレールの長手方向と平行になるようにガイドレールに非回転且つ中心軸線方向不動に取り付けられているので、このねじ軸はガイドレールの長手方向に沿ってそのリードに回転数を乗じた距離だけ直線運動する。この際、サーボモーターは、ガイドレールの長手方向に摺動可能にガイドレールに係合した第1のスライダーに取り付けられて支持されていると共に、その回転軸は軸心がねじ軸の軸心と一致するようにねじ軸の軸心方向の一端に連結されているので、ガイドレールの長手方向に沿ってねじ軸の移動距離と同じ距離だけ直線運動する。
【0019】
減速機は、ガイドレールの長手方向に摺動可能にガイドレールに係合した第2のスライダーに取り付けられて支持されていると共に、その入力軸は、軸心がねじ軸の軸心と一致するようにねじ軸の軸心方向の他端に連結されているので、この入力軸は、ねじ軸の回転数(即ち、サーボモーターの回転軸の回転数)と同じ回転数だけ回転すると共に、ガイドレールの長手方向に沿ってねじ軸の移動距離と同じ距離だけ直線運動する。故に、減速機は、ガイドレールの長手方向に沿ってねじ軸の移動距離と同じ距離だけ直線運動するので、その出力軸は、ガイドレールの長手方向に沿ってねじ軸の移動距離と同じ距離だけ直線運動すると共に、入力軸の回転数に減速比を乗じた回転数だけ回転する。
【0020】
従って、この出力軸に一端が取り付けられた取出アームは、ガイドレールの長手方向に沿ってねじ軸の移動距離と同じ距離(即ち、ねじ軸のリードにサーボモーターの回転軸の回転数を乗じた距離)だけ直線運動すると共に、入力軸の回転数に減速機の減速比を乗じた回転数(即ち、サーボモーターの回転軸の回転数に減速機の減速比を乗じた回転数)だけ旋回運動する。
【0021】
請求項2に記載の成形品取出装置は、請求項1において、前記ナット部材は、ボールナットであり、前記ねじ軸は、ボールねじ軸であることを特徴とする。
【0022】
請求項2に記載の成形品取出装置によれば、ボールを使用しないナット部材(例えば、三角ねじナットや台形ねじナット)の場合に比較して、ねじ軸回転時の摩擦抵抗が減少する。
【0023】
請求項3に記載の成形品取出装置は、請求項1又は2において、前記減速機の減速比は、20分の1以上且つ5分の1以下であることを特徴とする。
【0024】
請求項3に記載の成形品取出装置によれば、取出工程におけるねじ軸の回転数は、取出アームの旋回角度の5倍以上且つ20倍以下となる。従って、取出アームを直線運動させる距離が同一であれば、減速機がない場合に比較して、リードは20分の1以上且つ5分の1以下になる。例えば、取出アームの旋回角度が180度で、減速機の減速比が10分の1の場合、取出工程におけるねじ軸の回転数は、180度の10倍、即ち、5回転となり、取出アームを直線運動させる距離が同一であれば、減速機がない場合に比較して、リードは10分の1になる。
【0025】
請求項4に記載の成形品取出装置は、請求項1乃至3の何れか1項において、前記取出アームは、直線形状であることを特徴とする。
【0026】
請求項4に記載の成形品取出装置によれば、取出アームは、直線形状なので、「く」の字状の場合に比較して、剛性が向上し且つ取出アームを構成する材料の量が減少する。
【0027】
請求項5に記載の射出成形機は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の成形品取出装置と、固定金型を取り付ける固定ダイプレート、前記固定金型と型開閉される可動金型を取り付ける移動ダイプレート、型開閉のために前記移動ダイプレートを進退するための駆動力を発生させる型締駆動手段、該型締駆動手段を取り付けたテールストック、並びに全ての軸心が平行で前記固定ダイプレート及び前記テールストックを連結する複数のタイバーを備えた型締ユニットと、ペレットを溶融し、射出する射出ユニットと、前記成形品取出装置、前記型締ユニット、及び前記射出ユニットを制御する制御ユニットとを具備したことを特徴とする。
【0028】
請求項5に記載の射出成形機によれば、成形品取出装置のサーボモーターが1つで良いので、成形品取出装置が小型化され、成形品取出装置を金型に近い位置に配置することが可能となる。なお、サーボモーターが1つで良い理由は、上述の請求項1に関する説明に記載した通りであるから、ここでは省略する。
【0029】
請求項6に記載の射出成形機は、請求項5において、前記成形品取出装置のガイドレールは、その長手方向が前記複数のタイバーの全ての軸心と平行になるように前記固定ダイプレートに取り付けられていることを特徴とする。
【0030】
請求項6に記載の射出成形機によれば、ガイドレールの長手方向は全てのタイバーの軸心と平行であり且つ減速機はガイドレールの長手方向に摺動可能な第2のスライダーに取り付けられて支持されているから、減速機をガイドレールの長手方向に沿って直線運動させても、減速機の出力軸の軸心と全てのタイバーの軸心との距離は変わらない。
【0031】
請求項7に記載の射出成形機は、請求項4に記載の成形品取出装置と、固定金型を取り付ける固定ダイプレート、前記固定金型と型開閉される可動金型を取り付ける移動ダイプレート、型開閉のために前記移動ダイプレートを進退するための駆動力を発生させる型締駆動手段、該型締駆動手段を取り付けたテールストック、並びに全ての軸心が平行で且つ各軸心間距離が等しく、前記固定ダイプレート及び前記テールストックを連結する3本のタイバーを備えた型締ユニットと、ペレットを溶融し、射出する射出ユニットと、前記成形品取出装置、前記型締ユニット、及び前記射出ユニットを制御する制御ユニットとを具備し、前記3本のタイバーの各軸心からの距離が等しい位置にディスクを成形する射出成形機であって、前記成形品取出装置のガイドレールは、その長手方向が前記3本のタイバーの全ての軸心と平行になるように前記固定ダイプレートに取り付けられ、前記減速機の出力軸に2番目に近いタイバーの軸心から前記出力軸の軸心までの距離(D2)は、前記3本のタイバーの各軸心からの距離が等しい型締中心軸線から前記出力軸の軸心までの距離(D0)に、予め設定された距離マージン(M)、前記成形されるディスクの半径(R)、及び前記タイバーの半径(T)を加えた値(D0+M+R+T)であることを特徴とする。
【0032】
請求項7に記載の射出成形機によれば、ディスク(成形品)を取り出す際の、ディスクとタイバーとの間の距離は、予め設定された距離マージン(M)以上になる。詳細を説明する。ガイドレールの長手方向は全てのタイバーの軸心と平行であり且つ減速機はガイドレールの長手方向に摺動可能な第2のスライダーに取り付けられて支持されているから、減速機をガイドレールの長手方向に沿って直線運動させても、減速機の出力軸の軸心と全てのタイバーの軸心との距離は変わらない。
【0033】
ここで、3本のタイバーのそれぞれと取出アームの吸着手段に吸着されたディスクとの接触について説明する。減速機の出力軸に最も近いタイバーの近傍に、この出力軸に取り付けられた取出アームの一端が来るので、取出アームの他端の吸着手段に吸着されたディスクは、通常、このタイバーには接触しない。また、ディスクは、3本のタイバーからの距離が等しい位置に成形されるので、取出アームは、この成形位置までの長さがあれば良いから、最も遠いタイバーの近傍までは届かず、ディスクは接触しない。一方、減速機の出力軸に2番目に近いタイバーは、取出工程において、ディスクが最も接近するタイバーであるから、このタイバーにディスクが接触しないように、減速機の出力軸の位置を決定する必要がある。
【0034】
減速機の出力軸に2番目に近いタイバーの軸心から出力軸の軸心までの距離(D2)は、3本のタイバーの各軸心からの距離が等しい型締中心軸線から出力軸の軸心までの距離(D0)に、予め設定された距離マージン(M)、成形されるディスクの半径(R)、及びタイバーの半径(T)を加えた値(D0+M+R+T)であるので、取出工程において、ディスクが出力軸に2番目に近いタイバーに最も接近した時の、ディスクと出力軸に2番目に近いタイバーとの間の距離は、D2からD0+R+Tを減じた値、即ち、Mとなる。従って、ディスクとタイバーとの間の距離は、予め設定した距離マージン(M)以上となる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、1つのサーボモーターで、取出アームを直線運動させると共に旋回運動させて成形品を取り出すので、2つのサーボモーターを使用する場合に比較して、成形品取出装置を小型化できると共に、装置コストを削減できる。また、取出アームが減速機の出力軸に取り付けられていて、ねじ軸が減速機の入力軸に連結されているので、取出アームの旋回角度に比較してねじ軸の回転数は大きく、潤滑媒体が十分に放熱することができるから、ねじ軸及びナット部材の寿命を延ばすことができる。また、取出アームの旋回角度に比較してねじ軸の回転数は大きいので、取出アームが成形品を吸着する際の、ガイドレールの長手方向の制御誤差を減少させることができ、成形品を吸着する際の落下事故を減少させることができる。また、取出アームの旋回角度に比較してねじ軸の回転数は大きいので、リードの小さなねじ軸を使用することができ、ねじ軸の回転に必要なトルクを減少させることができるから、トルクの小さなサーボモーターを使用することができ、装置コストを削減できる。また、リードの小さなねじ軸を使用することができるので、ねじ軸の摩耗量を減少させることができ、ねじ軸の寿命を延ばすことができるから、部品コストを削減できる。
【0036】
更に、本発明によれば、ねじ軸が回転する際の摩擦抵抗が減少するので、ねじ軸の回転に必要なトルクをより減少させることができ、トルクのより小さなサーボモーターを使用することができるから、装置コストをより削減できる。また、ねじ軸が回転する際の摩擦抵抗が減少するので、消費電力が減少し、成形コストが削減される。特許文献3に記載の技術では、ボールねじ機構を使用することは非現実的であったが、本発明では、ボールねじ機構を使用することができる。
【0037】
更に、本発明によれば、取出工程におけるねじ軸の回転数は、取出アームの旋回角度の5倍以上且つ20倍以下であり、減速機が無い場合に比較して、リードが20分の1以上且つ5分の1以下になるので、ねじ軸の回転に必要なトルクが大きく減少し、トルクのより小さなサーボモーターを使用することができるから、装置コストを削減することができる。また、取出工程におけるねじ軸の回転数は、取出アームの旋回角度の5倍以上且つ20倍以下であるので、取出アームの旋回角度が180度の場合であっても、ねじ軸の回転数は、2.5回転以上且つ10回転以下となる。従って、ねじ軸及びナット部材が、それぞれ、ボールねじ軸及びボールナットの場合、ボールねじ軸の回転数は2.5回転以上且つ10回転以下となり、ボールナットのボールや潤滑油などの潤滑媒体が十分循環して放熱されるので、ボールねじ機構の破損を防止することができる。
【0038】
更に、本発明によれば、取出アームは、直線形状なので、「く」の字状の場合に比較して、剛性が向上し、取出工程における揺れが減少するから、成形品の落下事故やタイバーへの接触事故を減少させることができる。また、取出アームを構成する材料の量が減少するので、軽量化が図れ、装置コストを削減することができる。また、取出アームの軽量化によって、サーボモーターに必要とされるトルクが減少し、よりトルクの小さなサーボモーターを使用することができるので、装置コストを削減できる。また、取出アームの軽量化によって、消費電力が減少し、成形コストが削減される。
【0039】
更に、本発明によれば、成形品取出装置を金型に近い位置に配置することが可能となるので、取出アームを短くして軽量化を図り、サーボモーターに必要とされるトルクを減少させることができるから、トルクの小さいサーボモーターを使用することができ、装置コストを削減することができる。また、取出アームの軽量化によって、消費電力を減少させ、成形コストを削減することができる。また、取出アームの短縮によって、取出工程における取出アームの揺れが減少するので、成形品の落下事故やタイバーへの接触事故を減少させることができる。また、ねじ軸の寿命が延びることで、部品交換のために成形動作を停止させる頻度を減少させることができ、成形効率を向上させることができる。
【0040】
更に、本発明によれば、減速機をガイドレールの長手方向に沿って直線運動させても、減速機の出力軸の軸心と全てのタイバーの軸心との距離は変わらないので、成形品を吸着する際の取出アームの位置の設定を容易に行うことができる。また、仮にねじ軸が破損したとしても、減速機の出力軸の軸心、即ち、取出アームの旋回中心軸線は変動しないので、吸着手段が取り付けられている取出アームの先端は、取出工程で旋回運動する範囲しか旋回運動せず、タイバーには接触しない。従って、タイバーの損傷事故を防止することができる。
【0041】
更に、本発明によれば、減速機をガイドレールの長手方向に沿って直線運動させても、減速機の出力軸の軸心と全てのタイバーの軸心との距離は変わらないので、成形品を吸着する際の取出アームの位置の設定を容易に行うことができる。また、仮にねじ軸が破損したとしても、減速機の出力軸の軸心、即ち、取出アームの旋回中心軸線は変動しないので、吸着手段が取り付けられている取出アームの先端は、タイバーには接触しない。従って、タイバーの損傷事故を防止することができる。また、取出工程におけるディスク(成形品)と出力軸に2番目に近いタイバーとの間の距離は、必ず、予め設定した距離マージン(M)以上となるので、成形品取出装置を配置する位置の設定を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の実施例は本発明の具体例に過ぎず、本発明が以下の実施形態に限定されるものではない。
【0043】
図1は、本実施例の射出成形機を示す側面図である。図2(a)及び(b)は、それぞれ、本実施例の射出成形機の成形品取出装置とその近傍を示す側面図及びX‐X’断面図である。図3は、本実施例の成形品取出装置の拡大側面図である。射出成形機1は、原料となるペレットを溶融した後に射出する射出ユニット4、型締駆動手段によって移動ダイプレートを進退させることで型開閉を行う型締ユニット3、成形品を取り出す成形品取出装置2、及びこれらを制御する制御ユニット5を具備する。射出ユニット4及び型締ユニット3は、機台6の上に配置される。射出ユニット4及び制御ユニット5は、一般に多く使用されているものであり、公知の技術であるから、説明は省略する。
【0044】
型締ユニット3は、固定金型31を取り付ける固定ダイプレート33、固定金型31と型開閉される可動金型32を取り付ける移動ダイプレート34、型開閉のために移動ダイプレート34を進退するための駆動力を発生させる型締駆動手段35、型締駆動手段35を取り付けたテールストック36、並びに固定ダイプレート33及びテールストック36を連結する3本のタイバー371、372、373を備える。3本のタイバー371、372、373は、全て同一の略円柱形状をしている。また、3本のタイバー371、372、373の軸心は、全て平行であり、且つ各軸心間距離は等しい。
【0045】
3本のタイバー371、372、373の各軸心からの距離が等しい型締中心軸線(後述)とディスク7の中心軸線とが一致する位置でディスク7が成形されるように、固定金型31及び可動金型32は、それぞれ、固定ダイプレート33及び移動ダイプレート34に取り付けられる。この位置では、3本のタイバー371、372、373の各軸心からディスク7までの距離が等しい。即ち、ディスク7は、3本のタイバー371、372、373の中心に成形される。このような位置でディスク7を成形することで、型締時にディスク7に加わる応力を均一化することができる。
【0046】
成形品取出装置2は、ガイドレール43と、第1のスライダー41と、第2のスライダー42と、ボールナット(ナット部材)44と、ボールねじ軸(ねじ軸)45と、サーボモーター51と、減速機52と、取出アーム61とを備える。
【0047】
ガイドレール43は、直線形状であり、その長手方向が3本のタイバー371、372、373の全ての軸心と平行になるように、固定ダイプレート33に取り付けられている。第1のスライダー41及び第2のスライダー42は、ガイドレール43の長手方向に摺動可能に、ガイドレール43に係合している。
【0048】
ボールナット44は、その中心軸線がガイドレール43の長手方向と平行になるように、ボールナット固定部材71を介して、ガイドレール43に非回転且つ中心軸線方向不動に取り付けられている。ボールねじ軸45は、その軸心がガイドレール43の長手方向と平行になるように、ボールナット44に螺進退可能に螺合している。ここで、螺進退とは、軸心を中心として回転すると共に軸心方向に移動することを意味する。
【0049】
サーボモーター51は、回転駆動される回転軸511を有しており、この回転軸511は、その軸心がボールねじ軸45の軸心と一致するようにボールねじ軸45の軸心方向の一端45aに、カップリング部材72を介して連結されている。また、サーボモーター51は、第1のスライダー41に取り付けられて支持されている。
【0050】
減速機52は、軸心が一致する入力軸521及び出力軸522を有しており、出力軸522は、入力軸521の回転数に減速比を乗じた回転数だけ回転する(例えば、減速比が10分の1の減速機では、入力軸が1回転すると出力軸は10分の1回転する。)。入力軸521は、その軸心がボールねじ軸45の軸心と一致するようにボールねじ軸45の軸心方向の他端45bと連結されている。また、減速機52は、第2のスライダー42に取り付けられて支持されている。
【0051】
取出アーム61は、直線形状であり、その一端61aは減速機52の出力軸522に取り付けられており、その他端61bにはディスク(成形品)7を吸着する吸着手段611が取り付けられている。取出アーム61が直線運動すると共に旋回運動し、ディスク7を吸着した後、逆方向に直線運動すると共に旋回運動して、ディスク7取り出す。
【0052】
サーボモーター51の回転軸511の軸心、ボールナット44の中心軸線、ボールねじ軸45の軸心、減速機52の入力軸521及び出力軸522の軸心、並びに取出アーム61の旋回中心軸線は、全て一致する(図3における直線P)。また、符号523及び612は、取出アーム61の回転を規制するストッパーである。
【0053】
図4(a)及び(b)は、それぞれ、ディスク吸着時における本実施例の射出成形機の成形品取出装置とその近傍を示す側面図及びX‐X’断面図である。図5(a)及び(b)は、それぞれ、ディスク取出完了時における本実施例の射出成形機の成形品取出装置とその近傍を示す側面図及びX‐X’断面図である。なお、説明の便宜上、これらの図において、一部を簡略化して示した。図1乃至3と同一の符号を付したものは同一のものを示し、また、これらの構成も同一であるので、その説明は省略する。
【0054】
連続成形の際、図4に示す状態と図5に示す状態とが繰り返される。即ち、取出アーム61は、図4(a)及び図5(a)に示されるように直線運動を行うと共に、図4(b)及び図5(b)に示されるように旋回運動を行う。以下、具体的に説明する。
【0055】
サーボモーター51の回転軸511を回転駆動させると、これに連結されたボールねじ軸45はサーボモーター51の回転軸511の回転数と同じ回転数だけ回転すると共に、ボールねじ軸45が螺合したボールナット44はその中心軸線がガイドレール43の長手方向と平行になるようにガイドレール43に非回転且つ軸線方向不動に取り付けられているので、ボールねじ軸45はガイドレール43の長手方向に沿ってそのリードに回転数を乗じた距離だけ直線運動する。
【0056】
この際、サーボモーター51は、ガイドレール43の長手方向に摺動可能にガイドレール43に係合した第1のスライダー41に取り付けられて支持されていると共に、その回転軸511は軸心がボールねじ軸45の軸心と一致するようにボールねじ軸45の軸心方向の一端45aに連結されているので、ガイドレール43の長手方向に沿ってボールねじ軸45の移動距離と同じ距離だけ直線運動する。
【0057】
減速機52は、ガイドレール43の長手方向に摺動可能にガイドレール43に係合した第2のスライダー42に取り付けられて支持されていると共に、その入力軸521は、軸心がボールねじ軸45の軸心と一致するようにボールねじ軸45の軸心方向の他端45bに連結されているので、入力軸521は、ボールねじ軸45の回転数(即ち、サーボモーター51の回転軸511の回転数)と同じ回転数だけ回転すると共に、ガイドレール43の長手方向に沿ってボールねじ軸45の移動距離と同じ距離だけ直線運動する。
【0058】
故に、減速機52は、ガイドレール43の長手方向に沿ってボールねじ軸45の移動距離と同じ距離だけ直線運動するので、その出力軸522は、ガイドレール43の長手方向に沿ってボールねじ軸45の移動距離と同じ距離だけ直線運動すると共に、入力軸521の回転数に減速比を乗じた回転数だけ回転する。
【0059】
従って、出力軸522に一端が取り付けられた取出アーム61は、ガイドレール43の長手方向に沿ってボールねじ軸45の移動距離と同じ距離(即ち、ボールねじ軸45のリードにサーボモーター51の回転軸511の回転数を乗じた距離)だけ直線運動すると共に、入力軸521の回転数に減速機52の減速比を乗じた回転数(即ち、サーボモーター51の回転軸511の回転数に減速機52の減速比を乗じた回転数)だけ旋回運動する。
【0060】
このように、1つのサーボモーター52で、取出アーム61を直線運動させると共に旋回運動させてディスク7を取り出すので、2つのサーボモーターを使用する場合に比較して、装置コストを削減できると共に、成形品取出装置を小型化できる。また、成形品取出装置2を小型化し金型により近い位置に成形品取出装置2を配置して取出アーム61を短縮すること及び取出アーム61を直線形状とすることによって、取出アーム61を軽量化し消費電力を減少させて成形コストを削減できると共に、取出アーム61の揺れを減少させて成形品の落下事故やタイバーへの接触事故を減少させることができる。また、リードが小さくなること及びボールねじ機構を使用することによって、ねじ軸の寿命が延び、部品コストが削減されると共に、部品交換のために成形動作を停止させる頻度が減少し、成形効率が向上する。
【0061】
図6及び7は、減速機の出力軸、タイバー、及びディスクの位置関係を示す断面図である。図1乃至5と同一の符号を付したものは同一のものを示し、また、これらの構成も同一であるので、その説明は省略する。
【0062】
符号C1、C2、C3は、それぞれ、タイバー371、372、373の軸心である。符号C0は、これらの軸心C1、C2、C3からの距離が等しい型締中心軸線であり、3本のタイバー371、372、373の中心を示す軸線である。ディスク7は、その中心軸線が型締中心軸線C0と一致する位置で成形される。
【0063】
符号L1は、型締中心軸線C0及び軸心C1を含む平面であり、符号L2は、型締中心軸線C0を含み且つ軸心C1及びC2からの距離が等しい平面である。減速機52の出力軸522の軸心(即ち、取出アーム61の旋回中心軸線)Pが、平面L1及びL2を境界とし且つタイバー372及び373を含まない領域にある場合、減速機52の出力軸522に最も近いタイバーの軸心はC1であり、2番目に近いタイバーの軸心はC2であり、最も遠いタイバーの軸心はC3である(図7参照)。
【0064】
符号T、M、Rは、それぞれ、タイバー372の半径、ディスク7とタイバー372との間の距離マージン、ディスク7の半径である。また、D0は、型締中心軸線C0から出力軸522の軸心Pまでの距離であり、D2は、減速機52の出力軸522に2番目に近いタイバーの軸心C2から出力軸522の軸心Pまでの距離である(図6参照)。
【0065】
図6に示すように、D2=D0+M+R+Tとすると、取出工程において、ディスク7がタイバー372に最も接近した時のディスク7とタイバー372との間の距離は、距離マージンMとなる。従って、ディスク7とタイバー372との間の距離は、距離マージンM以上となり、ディスク7をタイバー372へ接触させずに取り出すことができる。なお、図6及び7から明らかなように、タイバー371の近傍に、減速機52の出力軸522の軸心(即ち、取出アーム61の旋回中心軸線)Pがあるので、ディスク7は、タイバー371には接触しない。また、タイバー373は、減速機52の出力軸522の軸心(即ち、取出アーム61の旋回中心軸線)Pから遠いので、ディスク7は、タイバー373には接触しない。
【0066】
ここで、M+R+Tを一定値Bとすると、D2−D0=B(一定値)となり、図6及び7の断面図において出力軸522の軸心Pの軌跡は、双曲線の一部となる。図7の軌跡8は、この双曲線の一部である。
【0067】
図7に示すように、出力軸522の軸心Pが、平面L1及びL2を境界としタイバー372及び373を含まない領域にあり且つ軌跡8を通り且つ3本のタイバー371、372、373と平行であれば、ディスク7の取出工程において、ディスク7がタイバー372に最も接近した時の、ディスク7とタイバー372との間の距離は、距離マージンMとなり、ディスク7とタイバー372との間の距離は、必ず、距離マージンM以上となる。
【0068】
出力軸522の軸心Pの位置は、型締中心軸線C0に近い方が取出アーム61の長さを短くできるが、近づけ過ぎると、固定ダイプレート33を多く削ることになり、固定ダイプレート33の剛性が低下する。従って、固定ダイプレート33の剛性を保持できる範囲で、軸心Pを型締中心軸C0に近づけることが好ましい。
【0069】
このようにして出力軸522の軸心Pの位置を決定することで、成形品取出装置2を配置する位置を容易に設定することができる。また、仮にボールねじ軸45が破損したとしても、減速機52の出力軸522の軸心、即ち、取出アーム61の旋回中心軸線は変動しないので、吸着手段611が取り付けられている取出アーム61の先端は、タイバーには接触せず、タイバーの損傷事故を防止することができる。
【0070】
以上述べたように、本発明によれば、成形効率を向上すると共に装置コスト、部品コスト、及び成形コストを削減した成形品取出装置及び射出成形機を提供することができる。
【0071】
なお、上述の実施例では、減速比を10分の1として説明したが、本発明はこれに限定されない。減速比を20分の1以上且つ5分の1以下にすることで、ボールねじ機構の潤滑媒体を十分循環することができる。
【0072】
また、上述の実施例の取出アーム61は、減速機52の出力軸522に取り付けられた一端61aから、吸着手段611が取り付けられた他端61bに向かって細くなるが、本発明はこれに限定されない。例えば、一端から他端まで、太さが略同一の取出アームであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施例の射出成形機を示す側面図である。
【図2】本発明の実施例の成形品取出装置及びその近傍を示す側面図及びX‐X’断面図である。
【図3】本発明の実施例の成形品取出装置を示す側面図である。
【図4】成形品吸着時における、本発明の実施例の成形品取出装置及びその近傍を示す側面図及びX‐X’断面図である。
【図5】成形品取出完了時における、本発明の実施例の成形品取出装置及びその近傍を示す側面図及びX‐X’断面図である。
【図6】本発明の実施例に係る減速機の出力軸、タイバー、及びディスクの位置関係を示す断面図である。
【図7】本発明の実施例に係る減速機の出力軸、タイバー、及びディスクの位置関係を示す断面図である。
【符号の説明】
【0074】
1 射出成形機
2 成形品取出装置
3 型締ユニット
4 射出ユニット
5 制御ユニット
6 機台
7 ディスク(成形品)
31 固定金型
32 可動金型
33 固定ダイプレート
34 移動ダイプレート
35 型締駆動手段
36 テールストック
371,372,373 タイバー
41 第1のスライダー
42 第2のスライダー
43 ガイドレール
44 ボールナット(ナット部材)
45 ボールねじ軸(ねじ軸)
45a ボールねじ軸(ねじ軸)の軸線方向の一端
45b ボールねじ軸(ねじ軸)の軸線方向の他端
51 サーボモーター
511 サーボモーターの回転軸
52 減速機
521 減速機の入力軸
522 減速機の出力軸
61 取出アーム
61a 取出アームの一端
61b 取出アームの他端
611 吸着手段
C0 型締中心軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線形状のガイドレールと、
該ガイドレールに、その長手方向に摺動可能に係合した第1のスライダー及び第2のスライダーと、
中心軸線が前記ガイドレールの長手方向と平行になるように、前記ガイドレールに非回転且つ前記中心軸線方向不動に取り付けられたナット部材と、
軸心が前記ガイドレールの長手方向と平行になるように、前記ナット部材に螺進退可能に螺合したねじ軸と、
回転駆動される回転軸を有し、該回転軸をその軸心が前記ねじ軸の軸心と一致するように前記ねじ軸の軸心方向の一端に連結したサーボモーターと、
軸心が一致する入力軸及び出力軸を有し、前記入力軸をその軸心が前記ねじ軸の軸心と一致するように前記ねじ軸の軸心方向の他端に連結した減速機と、
一端が前記減速機の出力軸に取り付けられると共に、他端に成形品を吸着する吸着手段が取り付けられた取出アームと
を備え、
前記サーボモーター及び前記減速機は、それぞれ、前記第1のスライダー及び前記第2のスライダーに取り付けられて支持されていることを特徴とする成形品取出装置。
【請求項2】
前記ナット部材は、ボールナットであり、前記ねじ軸は、ボールねじ軸であることを特徴とする請求項1に記載の成形品取出装置。
【請求項3】
前記減速機の減速比は、20分の1以上且つ5分の1以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の成形品取出装置。
【請求項4】
前記取出アームは、直線形状であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の成形品取出装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の成形品取出装置と、
固定金型を取り付ける固定ダイプレート、前記固定金型と型開閉される可動金型を取り付ける移動ダイプレート、型開閉のために前記移動ダイプレートを進退するための駆動力を発生させる型締駆動手段、該型締駆動手段を取り付けたテールストック、並びに全ての軸心が平行で前記固定ダイプレート及び前記テールストックを連結する複数のタイバーを備えた型締ユニットと、
ペレットを溶融し、射出する射出ユニットと、
前記成形品取出装置、前記型締ユニット、及び前記射出ユニットを制御する制御ユニットと
を具備したことを特徴とする射出成形機。
【請求項6】
前記成形品取出装置のガイドレールは、その長手方向が前記複数のタイバーの全ての軸心と平行になるように前記固定ダイプレートに取り付けられていることを特徴とする請求項5に記載の射出成形機。
【請求項7】
請求項4に記載の成形品取出装置と、
固定金型を取り付ける固定ダイプレート、前記固定金型と型開閉される可動金型を取り付ける移動ダイプレート、型開閉のために前記移動ダイプレートを進退するための駆動力を発生させる型締駆動手段、該型締駆動手段を取り付けたテールストック、並びに全ての軸心が平行で且つ各軸心間距離が等しく、前記固定ダイプレート及び前記テールストックを連結する3本のタイバーを備えた型締ユニットと、
ペレットを溶融し、射出する射出ユニットと、
前記成形品取出装置、前記型締ユニット、及び前記射出ユニットを制御する制御ユニットと
を具備し、
前記3本のタイバーの各軸心からの距離が等しい位置にディスクを成形する射出成形機であって、
前記成形品取出装置のガイドレールは、その長手方向が前記3本のタイバーの全ての軸心と平行になるように前記固定ダイプレートに取り付けられ、
前記減速機の出力軸に2番目に近いタイバーの軸心から前記出力軸の軸心までの距離(D2)は、前記3本のタイバーの各軸心からの距離が等しい型締中心軸線から前記出力軸の軸心までの距離(D0)に、予め設定された距離マージン(M)、前記成形されるディスクの半径(R)、及び前記タイバーの半径(T)を加えた値(D0+M+R+T)であること
を特徴とする射出成形機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−66800(P2009−66800A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−235126(P2007−235126)
【出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【出願人】(000222587)東洋機械金属株式会社 (299)
【Fターム(参考)】