説明

導電性弾性部材、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

【課題】高温、高湿下での使用や保管をした場合においても、弾性層に残留する物質による導電性支持体の腐食を防止し、更に弾性層との反応による副生成物の生成を防止することにより、形状や電気特性の変化が少なく、有害物質が発生しない導電性弾性部材、該導電性弾性部材を備え、良好な画像が得られるプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】導電性支持体31上に、シラン化合物及び接着剤を含有する接着層32と、弾性層34と、をこの順に有していることを特徴とする導電性弾性部材と、導電性弾性部材を備え、良好な画像が得られるプロセスカートリッジ及び画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性弾性部材、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を利用した画像形成装置は、像保持体(感光体)上に一様な電荷を形成し、画像信号を変調したレーザー等により静電潜像を形成した後、帯電したトナーで前記静電潜像を現像してトナー像とする。そして、前記トナー像を、中間転写体を介して、或いは直接記録材媒体に静電的に転写することにより、所望の転写画像を得ることができる。
電子写真方式を利用した画像形成装置では、特に帯電装置や転写装置において、従来の金属ワイヤーに高電圧を印加することで発生するコロナ放電により帯電、転写するコロトロンやスコロトロンが用いられてきており、この場合一般的に印加する電圧が少なく、オゾン発生量が少ない導電性弾性部材が広く用いられている。
【0003】
また、導電性弾性部材としては、ステンレス鋼等の金属または合金;クロム、ニッケル等で鍍金処理を施した鉄で構成された導電性支持体上に、ゴムやエラストマーで構成された弾性層が少なくとも形成されたロール形状をした帯電ロール、転写ロール、現像ロール等が広く用いられている。加えて抵抗層や表面層が弾性層上に必要に応じて形成されている。該導電性弾性部材は、接触して通電させ被帯電体表面を均一な帯電や均一な電界形成をさせるために用いられることが多く、弾性層が形成されることにより、被帯電体表面と均一な接触面が形成されている。
【0004】
導電性支持体上に弾性層が形成された導電性弾性部材は、ステンレス鋼等の金属または合金;クロム、ニッケル等で鍍金処理を施した鉄で構成された導電性支持体上に、ゴムやエラストマーで構成された弾性層が形成されている。
また、導電性支持体表面に不活性化処理を施すことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特公平7−74056号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、高温、高湿下での使用や保管をした場合においても、弾性層に残留する物質による導電性支持体の腐食を防止し、更に弾性層との反応による副生成物の生成を防止することにより、形状や電気特性の変化が少なく、副生成物が発生しない導電性弾性部材、該導電性弾性部材を備え、良好な画像が得られるプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題は以下の本発明により達成される。
すなわち、請求項1に係る発明は、導電性支持体上に、シラン化合物及び接着剤を含有する接着層と、弾性層と、をこの順に有していることを特徴とする導電性弾性部材である。
請求項2に係る発明は、前記シラン化合物及び接着剤を含有した接着層が導電性支持体に接していることを特徴とする請求項1に記載の導電性弾性部材である。
【0007】
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の導電性弾性部材を少なくとも備え、画像形成装置に脱着されることを特徴とするプロセスカートリッジである。
請求項4に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の導電性弾性部材を少なくとも備えることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によれば、高温、高湿下での使用や保管をした場合においても、弾性層に残留する物質による導電性支持体の腐食を防止し、更に弾性層との反応による副生成物の生成を防止することにより、形状や電気特性の変化が少なく、副生成物が発生しない導電性弾性部材が提供される。
請求項2に係る発明によれば、高温、高湿下での使用や保管をした場合においても、弾性層に残留する物質による導電性支持体の腐食を防止し、更に弾性層との反応による副生成物の生成を防止することにより、形状や電気特性の変化が少なく、副生成物が発生しない、という効果が顕著になる。
【0009】
請求項3に係る発明によれば、良好な画像が得られるプロセスカートリッジが提供される。
請求項4に係る発明によれば、良好な画像が得られる画像形成装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
<導電性弾性部材>
本実施形態の導電性弾性部材は、導電性支持体上に、シラン化合物及び接着剤を含有する接着層と、弾性層と、をこの順に有していることを特徴とする。
ここで、導電性とは、22℃における体積抵抗率が1×1010Ωcm以下である場合をいい、弾性層とは、ゴム硬度がJIS K6253におけるタイプAデュロメータで90以下の組成物より構成されている層をいう。また、接着剤とは、弾性層の接着面の凹凸と十分接触面積を保てる、樹脂やゴムからなる化合物をいう。尚、本実施形態における接着剤は、シラン化合物を含まないものとする。
【0011】
本実施形態の導電性弾性部材は、シラン化合物及び接着剤を含有する接着層(以下、「特定接着層」という場合がある。)を有することにより、導電性支持体と弾性層の接着が緻密になり、導電性支持体を、弾性層を構成する材料等から保護できることを見出し完成したものである。
【0012】
一般的に、弾性層の加硫時に、導電性支持体と弾性層との間で、化学反応によるゴムの導電性支持体への焼き付きにより不必要な接着や変色が発生したり、高温高湿下の長期保管で弾性層配合材料が導電性支持体を腐食させたりする。これに対し、特公平7−74056号公報に記載されているように、導電性支持体表面に不活性化処理を施すことにより解決させているが、後者の課題に対しては効果が十分ではない。導電性支持体が腐食されると、腐食部分で変形等が生じ電気特性に変化およびムラが発生することがある。また、均一な帯電や均一な電界形成のために抵抗の均一性が求められるため、弾性層にはゴム自体の抵抗が低いエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド系ゴムが用いられることが多いが、上記不具合を引き起こしやすい。
【0013】
上記導電性支持体と弾性層との間での不具合が起こるのは、導電性支持体と弾性層との接着において、従来より行われている接着剤のみを用いた場合に、弾性層との界面の凹凸に接着剤が行き渡り、接着層と弾性層との接着は充分であるが、導電性支持体との接着は化学的な接着が不十分であるためである。一方、接着剤の代わりに、シラン化合物を含むカップリング剤のみを用いたときでは、導電性支持体との化学的接着は十分であるが、弾性層界面の凹凸に行き渡らないため、弾性層との接着が不十分であった。
【0014】
本実施形態の導電性弾性部材は、特定接着層を有することにより、弾性層との界面の凹凸に接着剤が行き渡り、接着層と弾性層との接着は充分であり、また、接着層と導電性支持体との化学的接着も充分である。その結果、高温、高湿下での使用や保管をした場合においても、弾性層に残留する物質による導電性支持体の腐食が防止され、更に弾性層との反応による副生成物の生成が防止される。
【0015】
本実施形態の導電性弾性部材の形状は、導電性支持体上に、特定接着層と、弾性層と、をこの順に有していれば特に限定されず、ロール状、ブレード状、シート状、パッド状等の形状が挙げられ、被帯電体表面等と均一な接触面が形成しやすい点で、ロール状が好ましい。
【0016】
なお、本実施形態の導電性弾性部材の層構成は、上述の通り、導電性支持体上に、特定接着層と、弾性層と、をこの順に有していれば特に限定されず、弾性層の外周面に中間層や表面層を有していてもかまわない。また、特定接着層の他に、接着層を有していてもかまわない。
なお、各層とも所望の抵抗にするために構成材料に導電剤を配合してもかまわない。
【0017】
図1〜図4を用い、本実施形態の導電性弾性部材の層構成の例を説明する。図1〜図4は、本実施形態の導電性弾性部材がロール状である場合の層構成を示す模式断面図である。
図1は、本実施形態の導電性弾性部材の層構成の一例を示す模式断面図である。図1に示す導電性弾性部材は、導電性支持体31上に、接着層32と、弾性層34と、表面層36とが形成されている。接着層32が特定接着層である。
【0018】
図2は、本実施形態の導電性弾性部材の層構成の他の例を示す模式断面図である。図2に示す導電性弾性部材は、導電性支持体31上に、接着層32と、弾性層34と、中間層35と、表面層36とが形成されている。接着層32が特定接着層である。また、中間層35は、抵抗調整層としての役割を有する場合もある。
【0019】
図3は、本実施形態の導電性弾性部材の層構成の他の例を示す模式断面図である。図3に示す導電性弾性部材は、導電性支持体31上に、接着層32と、弾性層34とが形成されている。接着層32が特定接着層である。
【0020】
図4は、本実施形態の導電性弾性部材の層構成の他の例を示す模式断面図である。図4に示す導電性弾性部材は、導電性支持体31上に、接着層32と、第二の接着層33と、弾性層34と、表面層36とが形成されている。本実施形態の導電性弾性部材は、接着層を複数有する場合、少なくとも一層がシラン化合物及び接着剤を含有する特定接着層であればよいが、導電性支持体との化学的接着が十分となるという効果が充分に発揮される点で、図4に示す用に、少なくとも、導電性支持体31と接している接着層32が特定接着層であることが好ましい。
【0021】
導電性支持体31は、導電性弾性部材の電極及び支持部材として機能するもので、例えば、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼等の金属または合金;クロム、ニッケル等で鍍金処理を施した鉄;などの導電性の材質で構成される。特に金属の加工のし易さから、クロム、ニッケル等で鍍金処理を施した快削鋼が好ましい。また、シラン化合物との接着性が良好な点で、表面がクロム酸処理されたニッケル等で鍍金処理が施された鉄や、表面を加熱処理を施し表面を酸化した鉄およびニッケル等で鍍金処理が施された鉄が好ましい。
【0022】
特定接着層である接着層32に含まれるシラン化合物は、シランを有するものであれば限定されないが、下記一般式(1)で示される化合物であることが好ましい。
一般式(1)
R−Si(OR’)
【0023】
一般式(1)中、Rは、アミノプロピル基、グリシドキシ基、メタクリロキシ基、N−フェニルアミノプロピル基、メルカプト基、ビニル基、エポキシ基、アミノ基を表し、エポキシ基、メルカプト基、グリシドキシ基が好ましい。
一般式(1)中、R’は、アルキル基を表し、メチル基、エチル基が好ましい。
【0024】
接着層32に含まれる接着剤は、ポリオレフィン系接着剤(Chemlok258、XJ−150、Chemlok250X(ロード・ファー・イースト社製))、塩素ゴム系接着剤(Chemlok204(ロード・ファー・イースト社製)、メタロックJ−11(東洋化学研究所社製)、セメダイン575(セメダイン社製))、アクリル系接着剤(Y610(セメダイン社製))、エポキシ系接着剤(EP138(セメダイン社製)、ロックタイトE−40FL Hysol(ヘンケル社製))、ポリウレタン系接着剤(UM700(セメダイン社製)、ロックタイトU−10FL Hysol(ヘンケル社製))、ニトリルゴム系接着剤(セメダイン521(セメダイン社製))、塩化ビニル系接着剤(201(セメダイン社製))、酢酸ビニル系接着剤(195(セメダイン社製))、ポリエステル系接着剤(R820(セメダイン社製))、フェノール系接着剤(メタロックUB、メタロックU−20(東洋化学研究所社製))、シリコーン系接着剤(PM100(セメダイン社製))、アクリル変性シリコーン系接着剤(スーパーX(セメダイン社製))等が挙げられ、弾性層を形成するゴムやエラストマーとシラン化合物との接着性の観点より、ポリオレフィン系接着剤、塩素ゴム系接着剤、フェノール系接着剤が特に好ましい。
【0025】
接着層32におけるシラン化合物の接着剤に対する含有比率(シラン化合物/接着剤、質量比)は、弾性層に残留する物質による導電性支持体の腐食を防止し、更に弾性層との反応による副生成物の生成を防止することにより、形状や電気特性の変化が少なく、副生成物が発生しない、という効果が発揮される点で、0.1/100以上20/100以下であることが好ましく、0.5/100以上10/100以下であることがより好ましく、1/100以上5/100以下であることが更に好ましい。
【0026】
接着層32は、導電性付与ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属または合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの粉末を含有してもよい。
【0027】
接着層32の厚みは、弾性層に残留する物質による導電性支持体の腐食を防止し、更に弾性層との反応による副生成物の生成を防止することにより、形状や電気特性の変化が少なく、副生成物が発生しない、という効果が発揮される点で、5μm以上100μm以下が好ましく、10μm以上50μm以下がより好ましく、12μm以上30μm以下がより好ましい。ここで、接着層32の厚みは、接着剤塗布面両端部より10mmと中央の接着層の一部分を除去し、接着層との段差を表面粗さ計(surfcom1400(東京精密社製))やレーザー顕微鏡(OLS1100(オリンパス社製))で測定した。
【0028】
また、第二の接着層33は、その組成は特に限定されないが、前記接着剤、及び導電性金属酸化物を含むことが好ましい。
【0029】
弾性層34は、各種ゴムやエラストマーを含有することが好ましい。この場合のゴム及びエラストマーとしては、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ブチルゴム、ポリウレタン、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、天然ゴム等、及びこれらのブレンドゴムが挙げられる。中でも、ポリウレタン、シリコーンゴム、EPDM、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、NBRおよびこれらのブレンドゴムが好ましく用いられる。特にエピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴムおよび他のゴムとのブレンドゴムは、抵抗を均一に調整しやすいためさらに好ましい。該弾性層構成材料は、抵抗層を形成した場合、抵抗層材料として用いてもかまわない。
【0030】
弾性層34は、導電剤を含有していてもよく、この場合の導電剤としては、電子導電剤やイオン導電剤が用いられる。電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属又は合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの微粉末を挙げることができる。
【0031】
また、イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩等;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩等;を挙げることができる。
【0032】
これらの導電剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その添加量は特に制限はないが、電子導電剤の場合は、ゴム又はエラストマー100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下の範囲であることが好ましく、5質量部以上25質量部以下の範囲であることがより好ましい。
一方、上記イオン導電剤の場合は、ゴム又はエラストマー100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下の範囲であることが好ましく、0.5質量部以上3.0質量部以下の範囲であることがより好ましい。
【0033】
また、接着層32の好ましい抵抗値(22℃)は、他の層の層構成にもよるが、帯電性と接着の点で1×10Ω以上1×1010Ω以下であることが好ましく、1×10Ω以上1×10Ω以下より好ましい。尚、接着層32の抵抗率は抵抗は、特開平6−118105号公報に記載の方法で測定された値の平均値をいう。被測定物は、導電性支持体の表面に接着層を被覆したロール形状(円筒形状)をなしており、この円筒の端部をフランジに連結されたモータなどにより一定速度で回転をすると共に、測定子ホルダなどで保持された、被測定物の表面に1次元で接触する転がり電極からなる測定子を、一定の荷重を付加しながら接着層の表面に接触させて、周方向および軸方向に連続測定するものである。
【0034】
抵抗の平均値は、下記方法により測定された抵抗値に基づき、軸方向には導電性支持体上の接着層の両端部よりそれぞれ20mmと、中央部分の3点を、さらに該3点の周方向には6度毎に測定し、全ての測定値を相加平均のようにして求める。本実施形態では、幅5mmの円筒状のSUS製ベアリングからなる電極を25gの重りで被測定物の接着層の表面に接触させ、被測定物を5.5rpmで回転させながら電極と導電性支持体との間の抵抗の計測をする。電源および電流計には、高抵抗測定器(アドバンテスト社製、R8340Aデジタル高抵抗/微小電流計)を用いる。印加電圧は1Vとし、抵抗は下記式(1)より算出する。
抵抗(log・Ω)=log10(印加電圧/電流) (1)
【0035】
表面層36は、構成成分として高分子材料を含有することが好ましく、この場合の高分子材料としては、特に制限されないが、ポリアミド、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン共重合体、ポリエステル、ポリイミド、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、メラミン樹脂、フッ素ゴム、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。
【0036】
前記高分子材料は単独で用いてもよく、2種以上を混合あるいは共重合および架橋剤を併用して架橋させて用いてもよい。また、当該高分子材料の数平均分子量は、1,000以上100,000以下の範囲であることが好ましく、10,000以上50,000以下の範囲であることがより好ましい。
【0037】
表面層36は、前記高分子材料に導電剤として前記弾性層に用いた導電剤や各種粒子を混合して組成物とし形成されることが好ましい。導電剤や各種粒子の添加量は特に制限はないが、高分子材料100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下の範囲であることが好ましく、5質量部以上20質量部以下の範囲であることがより好ましい。
前記導電剤や各種粒子としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム等の金属酸化物及び複合金属酸化物、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン等の高分子微粉体を単独または混合して用いられるが、特にこれらに限定されるものではない
【0038】
本実施形態の画像形成装置は、既述の本実施形態の導電性弾性部材を少なくとも備えることを特徴とする。例えば、本実施形態の導電性弾性部材を帯電部材として用いると、良好な画像が得られる。また、本実施形態の導電性弾性部材を転写部材として用いても、同様に良好な画像が得られる。
【0039】
本実施形態の画像形成装置を図面に基づき説明する。
図5は、本実施形態の画像形成装置の一例の基本構成を概略的に示す模式断面図である。図5に示す画像形成装置200は、電子写真感光体207と、電子写真感光体207を帯電させる帯電装置208と、帯電装置208に接続された電源209と、帯電装置208により帯電される電子写真感光体207を露光して潜像を形成する露光装置206と、露光装置206により形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置211と、現像装置211により形成されたトナー像を被転写体(画像出力媒体)500に転写する転写装置212と、クリーニング装置213と、除電器214と、定着装置215とを備える。なお、図5は、除電器214が設けられているが、除電器214が設けられていなくてもよい。
【0040】
図5中の帯電装置208は、電子写真感光体207の表面に導電性部材(帯電ロール)を接触させて、感光体207の表面を帯電させる方式(接触帯電方式)のものであり、既述したロール状の本実施形態の帯電装置が用いられる。
露光装置206としては、電子写真感光体表面に、半導体レーザー、LED(light emitting diode)、液晶シャッター等の光源を所望の像様に露光できる光学系装置等を用いることができる。
【0041】
転写装置212としては、電子写真感光体207上に形成されたトナー像を被転写体500に転写する際に、電子写真感光体に向けて所定の電流密度の電流を供給可能なものであることが好ましい。
クリーニング装置213は、転写工程後の電子写真感光体の表面に付着する残存トナーを除去するためのもので、これにより清浄面化された電子写真感光体は上記の画像形成プロセスに繰り返し供される。クリーニング装置としては、クリーニングブレードの他、ブラシクリーニング、ロールクリーニング等を用いることができるが、これらの中でもクリーニングブレードを用いることが好ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
【0042】
また、本実施形態の画像形成装置は、図5に示したように、除電器214をさらに備えていてもよい。これにより、電子写真感光体が繰り返し使用される場合に、電子写真感光体の残留電位が次のサイクルに持ち込まれる現象が防止されるので、画像品質をより高めることができる。
【0043】
図6は、本実施形態の画像形成装置の他の例の基本構成を概略的に示す模式断面図である。図6に示した画像形成装置210は、電子写真感光体207に形成されたトナー像を、1次転写部材212aに転写した後、1次転写部材212aと2次転写部材212bとの間に供給される被転写体(画像出力媒体)500に転写する中間転写方式の転写装置を備えるもので、かかる転写の際には1次転写部材212aから電子写真感光体に向けて所定の電流密度の電流が供給可能となっている。なお、図6中には示していないが、画像形成装置210は、図5に示した画像形成装置200と同様に除電器を更に備えていてもよい。また、画像形成装置210の他の構成は画像形成装置200の構成と同様である。
【0044】
画像形成装置210においては、上述の通り、中間転写方式が適用されている点が異なるが、上記第1実施形態に係る画像形成装置200の場合と同様に、ヒドロキシガリウムフタロシアニンを感光層に含有せしめた電子写真感光体207と、本実施形態の帯電装置とを組み合わせることで、良好な画質を長期にわたって安定的に得ることができる。
【0045】
更に、電子写真感光体207に形成されたトナー像が1次転写部材212aに転写される際に、1次転写部材212aから電子写真感光体207に向けて所定の電流密度の電流を供給することで、被転写媒体500の種類・材質等による転写電流の変動を抑制することができるため、電子写真感光体207に流入する電荷量を精度よく制御することができるようになる。その結果、高画質化及び環境に対する負荷の低減を一層高水準で達成することが可能となる。
【0046】
図7は本実施形態の画像形成装置の他の例の基本構成を概略的に示す模式断面図である。図7に示す画像形成装置220は中間転写方式の画像形成装置であり、ハウジング400内において4つの電子写真感光体401a〜401d(例えば、電子写真感光体401aがイエロー、電子写真感光体401bがマゼンタ、電子写真感光体401cがシアン、電子写真感光体401dがブラックの色からなる画像をそれぞれ形成可能である)が中間転写ベルト409に沿って相互に並列に配置されている。
【0047】
電子写真感光体401a〜401dのそれぞれは所定の方向(紙面上は反時計回り)に回転可能であり、その回転方向に沿って帯電ロール402a〜402d、現像装置404a〜404d、1次転写ロール410a〜410d、クリーニングブレード415a〜415dが配置されている。現像装置404a〜404dのそれぞれにはトナーカートリッジ405a〜405dに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給可能である。また、1次転写ロール410a〜410dはそれぞれ中間転写ベルト409を介して電子写真感光体401a〜401dに接している。尚、帯電ロール402a〜402dとして、既述したロール状の本実施形態の帯電装置が用いられる。
【0048】
図7に示す画像形成装置220は、さらに、ハウジング400内の所定の位置にはレーザー光源(露光装置)403が配置されており、レーザー光源403から出射されたレーザー光を帯電後の電子写真感光体401a〜401dの表面に照射することが可能となっている。これにより、電子写真感光体401a〜401dの回転工程において帯電、露光、現像、1次転写、クリーニングの各工程が順次行われ、各色のトナー像が中間転写ベルト409上に重ねて転写される。
【0049】
中間転写ベルト409は駆動ロール406、支持ロール408及び張力付与ロール407により所定の張力をもって支持されており、これらのロールの回転によりたわみを生じることなく回転可能となっている。また、2次転写ロール413は、中間転写ベルト409を介して支持ロール408と接するように配置されている。支持ロール408と2次転写ロール413との間を通った中間転写ベルト409は、例えば駆動ロール406の近傍に配置されたクリーニングブレード416により清浄面化された後、次の画像形成プロセスに繰り返し供される。
【0050】
また、ハウジング400内の所定の位置には補給部(被転写媒体補給部)411が設けられており、補給部411内の紙などの被転写媒体500が移送ロール412により中間転写ベルト409と2次転写ロール413との間、さらには相互に接する2個の定着ロール414の間に順次移送された後、ハウジング400の外部に排紙される。
【0051】
なお、上述の説明においては中間転写体として中間転写ベルト409を使用する場合について説明したが、中間転写体は、上記中間転写ベルト409のようにベルト状であってもよく、又は、ドラム状であってもよい。
【0052】
中間転写体として中間転写ベルト409のようなベルトの形状の構成を採用する場合、一般にベルトの厚さは50μm以上500μm以下が好ましく、60μm以上150μm以下がより好ましいが、材料の硬度に応じて適宜選択することができる。
【0053】
また、中間転写体としてドラム形状を有する構成を採用する場合、基材としては、アルミニウム、ステンレス鋼(SUS)、銅等で形成された円筒状基材を用いることが好ましい。この円筒状基材上に、必要に応じて弾性層を被覆し、該弾性層上に表面層を形成することができる。
【0054】
本実施形態のプロセスカートリッジは、既述の導電性弾性部材を少なくとも備え、画像形成装置に脱着されることを特徴とする。以下、本実施形態のプロセスカートリッジを図を用いて説明する。
図8は本実施形態のプロセスカートリッジの好適な一実施形態を概略的に示す模式断面図である。図8に示すプロセスカートリッジ300は、電子写真感光体207とともに、帯電装置208、現像装置211、クリーニング装置(クリーニング手段)213、露光のための開口部218、及び、除電露光のための開口部217を取り付けレール216を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。また、現像装置211は、トナーを電子写真感光体207に供給するものである。
【0055】
そして、このプロセスカートリッジ300は、転写装置212と、定着装置215と、図示しない他の構成部分とからなる画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。尚、プロセスカートリッジ300は、帯電装置208として、既述の本実施形態の導電性弾性部材を用いる。
【実施例】
【0056】
以下に実施例として、導電性弾性部材を導電性弾性ロール(帯電ロール)として形成した場合を挙げて本実施形態を具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
《接着層の形成》
5μmの厚さのニッケルメッキ後クロム酸処理を施した直径8mmのSUM23Lから成る導電性支持体表面に、下記混合物をボールミルで1時間それぞれ混合した後、刷毛塗りそれぞれ膜厚10μmの接着層を形成した導電性支持体Aを得た。
1層目(導電性支持体側、以下同様)
・シラン化合物(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン):2質量部
・接着剤(塩素ゴム系接着剤 Chemlok204:ロード・ファー・イースト社製) :100質量部
・導電剤(カーボンブラック ケッチェンブラックEC:ライオン社製):1質量部
【0057】
2層目
・接着剤(塩素ゴム系接着剤 Chemlok258:ロード・ファー・イースト社製) :100質量部
・導電剤(カーボンブラック ケッチェンブラックEC:ライオン社製):1質量部
【0058】
《弾性層の形成》
下記組成の混合物をオープンロールで混練りし、上記導電性支持体A表面にプレス成形機を用いて弾性層を形成、加硫し、直径14mmの導電性弾性ロールAを得た。導電性支持体表面へのゴムの焼付き状態(弾性層成形時不具合)を表1に示す。
・ゴム材(エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム Gechron3106:日本ゼオン社製):100質量部
・導電剤(カーボンブラック アサヒサーマル:旭カーボン社製):15質量部
・導電剤(ケッチェンブラックEC:ライオン社製):5質量部
・イオン導電剤(過塩素酸リチウム):1質量部
・加硫剤(硫黄 200メッシュ:鶴見化学工業社製):1質量部
・加硫促進剤(ノクセラーDM:大内新興化学工業社製):2.0質量部
・加硫促進剤(ノクセラーTT:大内新興化学工業社製):0.5質量部
・加硫促進助剤(酸化亜鉛 酸化亜鉛1種:正同化学工業社製):3質量部
・ステアリン酸:1.5質量部
【0059】
《表面層の形成》
下記混合物をビーズミルにて分散し得られた分散液Aを、MEK(メチルエチルケトン)で希釈し、前記導電性弾性ロールAの表面に浸漬塗布した後、180℃で30分間加熱乾燥し、厚さ7μmの表面層を形成し、導電性弾性ロール(導電性弾性部材)1を得た。
・高分子材料(飽和共重合ポリエステル樹脂溶液 バイロン30SS:東洋紡績社製)
:100質量部
・硬化剤(アミノ樹脂溶液 スーパーベッカミンG−821−60:大日本インキ化学工業社製):26.3質量部
・導電剤(カーボンブラック MONARCH1000:キャボット社製):10質量部
【0060】
《評価》
[接着層及び導電性支持体の表面観察]
導電性弾性ロール1を高温高湿(45℃、95%RH)環境下で10日間保管後、表面層を含む弾性層を剥がし、導電性支持体表面の状態を目視観察し、下記基準で評価した。結果を表1に示す。
◎:弾性層形成前の表面状態と変化なし。
○:接着層、導電性支持体の少なくとも何れかにピンホールが見られた。
△:接着層、導電性支持体の少なくとも何れかにひび割れが見られた。
×:接着層、導電性支持体の少なくとも何れかに剥がれが見られた。
××:導電性支持体が腐食し盛り上がり、接着層、導電性支持体の少なくとも何れかに剥がれが見られた。
【0061】
[画質評価]
高温高湿(45℃、95%RH)環境下で10日間保管後の導電性弾性ロール1をカラー複写機DocuCentre Color a450:富士ゼロックス社製のドラムカートリッジに帯電ロールとして装着し、DocuCentre Color a450で10℃、15%RH環境下と28℃、85%RH環境下で50%ハーフトーン画像を印刷し、下記基準で評価した。その結果を表1に示す。
◎:濃度ムラ、白点、色点が未発生。
○:軽微な濃度ムラ、白点、色点が部分的に発生。
△:軽微な濃度ムラ、白点、色点が発生。
×:濃度ムラ、白点、色点が発生。
【0062】
<実施例2>
《接着層の形成》
シラン化合物(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランに代えた以外、実施例1同様にして導電性支持体Bを得た。
【0063】
《弾性層の形成》
導電性支持体Aを導電性支持体Bに代えた以外、実施例1同様にして導電性弾性ロールBを得た。
【0064】
《表面層の形成》
導電性弾性ロールAを導電性弾性ロールBに代えた以外、実施例1同様にして導電性弾性ロール2を得た。
【0065】
《評価》
導電性弾性ロール2を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0066】
<実施例3>
《接着層の形成》
シラン化合物(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を3−メルカプトプロピルトリメトキシシランに代えた以外、実施例1と同様にして導電性支持体Cを得た。
【0067】
《弾性層の形成》
導電性支持体Aを導電性支持体Cに代えた以外、実施例1と同様にして導電性弾性ロールCを得た。
【0068】
《表面層の形成》
導電性弾性ロールAを導電性弾性ロールCに代えた以外、実施例1と同様にして導電性弾性ロール3を得た。
【0069】
《評価》
導電性弾性ロール3を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0070】
<実施例4>
《接着層の形成》
シラン化合物(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランに代えた以外、実施例1同様にして導電性支持体Dを得た。
【0071】
《弾性層の形成》
導電性支持体Aを導電性支持体Dに代えた以外、実施例1と同様にして導電性弾性ロールDを得た。
【0072】
《表面層の形成》
導電性弾性ロールAを導電性弾性ロールDに代えた以外、実施例1と同様にして導電性弾性ロール4を得た。
【0073】
《評価》
導電性弾性ロール4を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0074】
<実施例5>
《接着層の形成》
5μmの厚さのニッケルメッキ後クロム酸処理を施した直径8mmのSUM23Lから成る導電性支持体表面に、下記混合物をボールミルで1時間それぞれ混合した後、刷毛塗り膜厚20μmの接着層を形成し導電性支持体Eを得た。
・シラン化合物(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン):2質量部
・接着剤(塩素ゴム系接着剤 XJ−150:ロード・ファー・イースト社製):100質量部
・導電剤(カーボンブラック ケッチェンブラックEC:ライオン社製):1質量部
【0075】
《弾性層の形成》
導電性支持体Aを導電性支持体Eに代えた以外、実施例1と同様にして導電性弾性ロールEを得た。
【0076】
《表面層の形成》
導電性弾性ロールAを導電性弾性ロールEに代えた以外、実施例1と同様にして導電性弾性ロール5を得た。
【0077】
《評価》
導電性弾性ロール5を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0078】
【表1】

【0079】
<実施例6>
《接着層の形成》
5μmの厚さのニッケルメッキ後クロム酸処理を施した直径8mmのSUM23Lから成る導電性支持体表面に、下記混合物をボールミルで1時間それぞれ混合した後、刷毛塗りによりそれぞれ膜厚20μmの接着層を形成し導電性支持体Fを得た。
1層目
・シラン化合物(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン):2質量部
・接着剤
(塩素ゴム系接着剤 Chemlok204:ロード・ファー・イースト社製):100質量部
・導電剤(カーボンブラック ケッチェンブラックEC:ライオン社製):1質量部
【0080】
2層目
・シラン化合物(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン):2質量部
・接着剤(塩素ゴム系接着剤 Chemlok258:ロード・ファー・イースト社製):100質量部
・導電剤(カーボンブラック ケッチェンブラックEC:ライオン社製):1質量部
【0081】
《弾性層の形成》
導電性支持体Aを導電性支持体Fに代えた以外、実施例1と同様にして導電性弾性ロールFを得た。
【0082】
《表面層の形成》
導電性弾性ロールAを導電性弾性ロールFに代えた以外、実施例1と同様にして導電性弾性ロール6を得た。
【0083】
《評価》
導電性弾性ロール6を実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
【0084】
<実施例7>
《接着層の形成》
5μmの厚さのニッケルメッキ後クロム酸処理を施した直径8mmのSUM23Lから成る導電性支持体表面に、下記混合物をボールミルで1時間それぞれ混合した後、刷毛塗りそれぞれ膜厚10μmの接着層を形成した導電性支持体Gを得た。
1層目
・シラン化合物(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン):10質量部
・接着剤(塩素ゴム系接着剤 Chemlok204:ロード・ファー・イースト社製):100質量部
・導電剤(カーボンブラック ケッチェンブラックEC:ライオン社製):1質量部
【0085】
2層目
・接着剤(塩素ゴム系接着剤 Chemlok258:ロード・ファー・イースト社製):100質量部
・導電剤(カーボンブラック ケッチェンブラックEC:ライオン社製):1質量部
【0086】
《弾性層の形成》
導電性支持体Aを導電性支持体Gに代えた以外、実施例1と同様にして導電性弾性ロールGを得た。
【0087】
《表面層の形成》
導電性弾性ロールAを導電性弾性ロールGに代えた以外、実施例1と同様にして導電性弾性ロール7を得た。
【0088】
《評価》
導電性弾性ロール7を実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
【0089】
<実施例8>
《接着層の形成》
5μmの厚さのニッケルメッキ後クロム酸処理を施した直径8mmのSUM23Lから成る導電性支持体表面に、下記混合物をボールミルで1時間それぞれ混合した後、刷毛塗りそれぞれ膜厚10μmの接着層を形成した導電性支持体Hを得た。
1層目
・シラン化合物(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン):1質量部
・接着剤(塩素ゴム系接着剤 Chemlok204:ロード・ファー・イースト社製):100質量部
・導電剤(カーボンブラック ケッチェンブラックEC:ライオン社製):1質量部
【0090】
2層目
・接着剤(塩素ゴム系接着剤 Chemlok258:ロード・ファー・イースト社製) 100質量部
・導電剤(カーボンブラック ケッチェンブラックEC:ライオン社製):1質量部
【0091】
《弾性層の形成》
導電性支持体Aを導電性支持体Hに代えた以外、実施例1と同様にして導電性弾性ロールHを得た。
【0092】
《表面層の形成》
導電性弾性ロールAを導電性弾性ロールHに代えた以外、実施例1と同様にして導電性弾性ロール8を得た。
【0093】
《評価》
導電性弾性ロール8を実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
【0094】
<実施例9>
《接着層の形成》
5μmの厚さのニッケルメッキ後クロム酸処理を施した直径8mmのSUM23Lから成る導電性支持体表面に、下記混合物をボールミルで1時間それぞれ混合した後、刷毛塗りによりそれぞれ膜厚10μmの接着層を形成し導電性支持体Iを得た。
1層目
・接着剤(塩素ゴム系接着剤 Chemlok204:ロード・ファー・イースト社製):100質量部
・導電剤(カーボンブラック ケッチェンブラックEC:ライオン社製):1質量部
【0095】
2層目
・シラン化合物(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン):2質量部
・接着剤(塩素ゴム系接着剤 Chemlok258:ロード・ファー・イースト社製):100質量部
・導電剤(カーボンブラック ケッチェンブラックEC:ライオン社製):1質量部
【0096】
《弾性層の形成》
導電性支持体Aを導電性支持体Iに代えた以外、実施例1と同様にして導電性弾性ロールIを得た。
【0097】
《表面層の形成》
導電性弾性ロールAを導電性弾性ロールIに代えた以外、実施例1と同様にして導電性弾性ロール9を得た。
【0098】
《評価》
導電性弾性ロール9を実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
【0099】
【表2】

【0100】
<実施例10>
《接着層の形成》
5μmの厚さのニッケルメッキ後クロム酸処理を施した直径8mmのSUM23Lから成る導電性支持体表面に、下記混合物をボールミルで1時間それぞれ混合した後、刷毛塗りそれぞれ膜厚10μmの接着層を形成した導電性支持体Jを得た。
1層目
・シラン化合物(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン):5質量部
・接着剤(塩素ゴム系接着剤 Chemlok204:ロード・ファー・イースト社製) :100質量部
・導電剤(カーボンブラック ケッチェンブラックEC:ライオン社製):1質量部
2層目
・接着剤(塩素ゴム系接着剤 Chemlok258:ロード・ファー・イースト社製) 100質量部
・導電剤(カーボンブラック ケッチェンブラックEC:ライオン社製):1質量部
【0101】
《弾性層の形成》
導電性支持体Aを導電性支持体Jに代えた以外、実施例1と同様にして導電性弾性ロール10を得た。
【0102】
《評価》
導電性弾性ロール10を実施例1と同様に評価した。結果を表3に示す。
【0103】
<実施例11>
《接着層の形成》
5μmの厚さのニッケルメッキ後クロム酸処理を施した直径8mmのSUM23Lから成る導電性支持体表面に、下記混合物をボールミルで1時間それぞれ混合した後、刷毛塗りそれぞれ膜厚10μmの接着層を形成した導電性支持体Kを得た。
1層目
・シラン化合物(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン):2質量部
・接着剤(塩素ゴム系接着剤 Chemlok204:ロード・ファー・イースト社製) :100質量部
・導電剤(カーボンブラック ケッチェンブラックEC:ライオン社製):1質量部
2層目
・接着剤(塩素ゴム系接着剤 Chemlok258:ロード・ファー・イースト社製) :100質量部
・導電剤(カーボンブラック ケッチェンブラックEC:ライオン社製):1質量部
【0104】
《弾性層の形成》
下記組成の混合物をオープンロールで混練りし、上記導電性支持体K表面にプレス成形機を用いて弾性層を形成、加硫し、直径14mmの導電性弾性ロールKを得た。導電性支持体表面へのゴムの焼付き状態(弾性層成形時不具合)を表3に示す。
・ゴム材(EPDM EP65:JSR社製):100質量部
・導電剤(カーボンブラック アサヒサーマル:旭カーボン社製):30質量部
・導電剤(ケッチェンブラックEC:ライオン社製):10質量部
・加硫剤(硫黄 200メッシュ:鶴見化学工業社製):1質量部
・加硫促進剤(ノクセラーDM:大内新興化学工業社製):2.0質量部
・加硫促進剤(ノクセラーTT:大内新興化学工業社製):0.5質量部
【0105】
《表面層の形成》
導電性弾性ロールAを導電性弾性ロールKに代えた以外、実施例1と同様にして導電性弾性ロール11を得た。
【0106】
《評価》
導電性弾性ロール11を実施例1と同様に評価した。結果を表3に示す。
【0107】
【表3】

【0108】
<比較例1>
《接着層の形成》
5μmの厚さのニッケルメッキ後クロム酸処理を施した直径8mmのSUM23Lから成る導電性支持体表面に、下記混合物をボールミルで1時間それぞれ混合した後、刷毛塗りそれぞれ膜厚10μmの接着層を形成した導電性支持体AAを得た。
1層目
・接着剤(塩素ゴム系接着剤 Chemlok204:ロード・ファー・イースト社製):100質量部
・導電剤(カーボンブラック ケッチェンブラックEC:ライオン社製):1質量部
【0109】
2層目
・接着剤(塩素ゴム系接着剤 Chemlok258:ロード・ファー・イースト社製):100質量部
・導電剤(カーボンブラック ケッチェンブラックEC:ライオン社製):1質量部
【0110】
《弾性層の形成》
導電性支持体Aを導電性支持体AAに代えた以外、実施例1と同様にして導電性弾性ロールAAを得た。
【0111】
《表面層の形成》
導電性弾性ロールAを導電性弾性ロールAAに代えた以外、実施例1と同様にして導電性弾性ロール12を得た。
【0112】
《評価》
導電性弾性ロール12を実施例1と同様に評価した。結果を表4に示す。
【0113】
<実施例12>
《接着層の形成》
5μmの厚さのニッケルメッキ後クロム酸処理を施した直径8mmのSUM23Lから成る導電性支持体表面に、下記混合物をボールミルで1時間それぞれ混合した後、刷毛塗りそれぞれ膜厚10μmの接着層を形成した導電性支持体Lを得た。
1層目
・シラン化合物(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン):0.5質量部
・接着剤(塩素ゴム系接着剤 Chemlok204:ロード・ファー・イースト社製):100質量部
・導電剤(カーボンブラック ケッチェンブラックEC:ライオン社製):1質量部
【0114】
2層目
・接着剤(塩素ゴム系接着剤 Chemlok258:ロード・ファー・イースト社製):100質量部
・導電剤(カーボンブラック ケッチェンブラックEC:ライオン社製):1質量部
【0115】
《弾性層の形成》
導電性支持体Aを導電性支持体Lに代えた以外、実施例1と同様にして導電性弾性ロール12を得た。
【0116】
《表面層の形成》
導電性弾性ロールAを導電性弾性ロールLに代えた以外、実施例1と同様にして導電性弾性ロール13を得た。
【0117】
《評価》
導電性弾性ロール13を実施例1と同様に評価した。結果を表4に示す。
【0118】
【表4】

【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本実施形態の導電性弾性部材の層構成の一例を示す模式断面図である。
【図2】本実施形態の導電性弾性部材の層構成の他の例を示す模式断面図である。
【図3】本実施形態の導電性弾性部材の層構成の他の例を示す模式断面図である。
【図4】本実施形態の導電性弾性部材の層構成の他の例を示す模式断面図である。
【図5】本実施形態の画像形成装置の一例の基本構成を概略的に示す模式断面図である。
【図6】本実施形態の画像形成装置の他の例の基本構成を概略的に示す模式断面図である。
【図7】本実施形態の画像形成装置の他の例の基本構成を概略的に示す模式断面図である。
【図8】本実施形態のプロセスカートリッジの一例の基本構成を概略的に示す模式断面図である。
【符号の説明】
【0120】
31・・・導電性支持体、32・・・接着層1、33・・・接着層2、34・・・弾性層、35・・・中間層、36・・・表面層、200、210、220…画像形成装置、207…電子写真感光体、208…帯電装置、209…電源、210…露光装置、211…現像装置、212…転写装置、213…クリーニング装置、214…除電器、215…定着装置、216…取り付けレール、217…除電露光のための開口部、218…露光のための開口部、300…プロセスカートリッジ、400…ハウジング、401a〜b・・・電子写真感光体、402a〜402d…帯電ロール、403…レーザー光源(露光装置)、404a〜404d・・・現像装置、405a〜405d…トナーカートリッジ、406…駆動ロール、407…張力付与ロール、408…支持ロール、409…中間転写ベルト、410a〜410d…1次転写ロール、411…用紙補給部(被転写体補給部)、412…移送ロール、413…2次転写ロール、414…定着ロール、415a〜415d…クリーニングブレード、416…クリーニングブレード、500…被転写体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性支持体上に、シラン化合物及び接着剤を含有する接着層と、弾性層と、をこの順に有していることを特徴とする導電性弾性部材。
【請求項2】
前記シラン化合物及び接着剤を含有した接着層が導電性支持体に接していることを特徴とする請求項1に記載の導電性弾性部材。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の導電性弾性部材を少なくとも備え、画像形成装置に脱着されることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の導電性弾性部材を少なくとも備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−8128(P2011−8128A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−153036(P2009−153036)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】