説明

少なくとも第1の部材と第2の部材とを接合するための方法、リソグラフィ装置およびデバイス製造方法、ならびにそれによって製造されるデバイス

リソグラフィ装置の少なくとも2つの部材を接合するための方法が開示される。この方法は、第1の部材1を提供するステップと、第2の部材2を提供するステップと、第1の部材と第2の部材とを直接結合して、直接結合を形成するステップと、第1の部材と第2の部材とを陽極結合するステップとを含む。部材の少なくとも1つが、超低膨張ガラスおよび/または超低膨張ガラス・セラミックスを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にリソグラフィ装置に関する。より詳細には、本発明は、リソグラフィ装置の少なくとも第1の部材と第2の部材とを接合するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リソグラフィ装置は、基板のターゲット部分に所望のパターンを与えるマシンである。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造に使用することができる。その場合、マスクなどのパターン形成デバイスまたは構造を使用してICの個々の層に対応する回路パターンを生成することができ、このパターンが、放射線感光材料(レジスト)の層を有する基板(例えばシリコン・ウェハ)上の(例えば1つまたは複数のダイの一部を有する)ターゲット部分に像形成される。一般に、単一の基板が、隣接するターゲット部分網を含み、これらターゲット部分が連続的に露光される。公知のリソグラフィ装置には、ターゲット部分に全パターンを一度に露光することによって各ターゲット部分を照射するいわゆるステッパと、投影ビームによって所与の方向(「走査」方向)にパターンを走査し、それと同時に、この方向と平行または逆平行に基板を同期して走査することによって各ターゲット部分を照射するいわゆるスキャナとが含まれる。
【0003】
リソグラフィ投影装置およびデバイス製造方法は、参照として本明細書に全体を組み込む欧州特許出願第03252747.5号を有する欧州特許出願公開第1359469号明細書から公知である。公知の装置は、静電力によって基板またはマスクを支持テーブル上に保持するために使用されるチャックを有する。チャックは、少なくとも第1の部材と第2の部材とを有し、それらの部材が一体に接合される。第1および第2の部材はそれぞれ、約0.1×10−6−1未満、特に約0.02×10−6−1未満の熱膨張係数を有する超低膨張ガラス・セラミックスおよび超低膨張ガラス、例えばZERODUR(登録商標)およびULE(登録商標)を含む。
【0004】
欧州特許出願公開第1359469号明細書には、第1の部材と第2の部材とを接合するための方法が記載されており、これら部材は、陽極結合を使用して一体に接合される。陽極結合の利点は、第1および第2の部材の間の結合を形成するために強い脱気を有する材料(例えばグリュー、にかわ)が必要とされず、フリット溶着も熱溶着も適用されないことである。フリット溶着では、ガラス材料の低融点フリット(粉末)が、加熱時ににかわ部片との接合部に添加される。熱溶着では、高温で、材料の部片が接合部で溶融する。フリット溶着と熱溶着とはどちらもガラス・セラミックスの使用温度を超えるプロセス温度を有する。したがってフリット溶着および熱溶着は、例えば材料または光学的な観点から、接合される部材の結合表面の望ましくない劣化をもたらす場合がある。
【0005】
陽極結合は、超低膨張部材間の堅い結合を生じる。陽極結合は、例えばZERODUR(登録商標)を含む超低膨張ガラス・セラミック部材と、例えばULE(登録商標)を含む超低膨張ガラス部材との間の強い結合を提供するために特に有利である。例えばチャック、基板テーブル、マスク・テーブル、ミラーなどを製造するために、複数の部材を一体に接合するための公知の方法が適用可能である。
【0006】
少なくとも第1の部材と第2の部材とを接合するための公知の方法の欠点は、不良の可能性がかなり高いことである。例えば、実質的に清浄な結合表面を有する第1および第2の部材の間で所望の陽極結合を得ることは比較的難しい。例えば、陽極結合が形成されたときに第1および第2の部材の間に汚染物質が捕捉されることがある。そのような汚染物質は、粒子、ダスト、原子クラスタなどを含む場合がある。汚染物質は、第1および第2の部材のいくつかの所望の性質、例えば光学的性質、放射線ビームの回折、反射、および/または透過に関係する性質などを損なう可能性がある。また汚染物質は、例えば所望の均質性や結晶構造などに関係する第1および第2の部材の材料性質を損なう可能性もある。捕捉された汚染物質は、結合時に、または陽極結合を使用して一体に接合された後に、第1および/または第2の部材の材料欠陥、表面歪み、ずれ、および/または亀裂をもたらす可能性がある。そのような欠陥は、陽極結合後、例えば接合された部材のさらなる処理または加工(陽極結合後に行われる、接合された部材の1つまたは複数からの材料の除去など)中に生じることがある。さらに、材料欠陥は、第1および/または第2の部材の所望の光学的性質のさらなる劣化をもたらす可能性がある。1つまたは複数の汚染粒子が第1および/または第2の部材を損傷する可能性があり、陽極結合された部材が使用不能になり、廃棄しなければならなくなり、それにより材料、時間、および費用の浪費が生じる。
【0007】
さらに、互いに関して何らかの位置合わせをした状態で部材を結合することが望ましい場合がある。結合プロセス後に部材の位置合わせ不良が判明した場合、部材は使用不能になるため、やはり廃棄しなければならないことがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の実施例の一つの観点は、少なくとも第1および第2の部材を接合するための代替および/または改良された方法であって、特に部材の少なくとも1つが超低膨張ガラスまたは超低膨張ガラス・セラミックスを含む方法を提供することである。また、本発明の実施例の一つの観点は、少なくとも第1および第2の部材を接合するための方法であって、例えば、関連する材料、時間、および/または費用について節約的な方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一つの観点によれば、少なくとも第1の部材と第2の部材とを接合するための方法であって、それら部材の少なくとも1つが、超低膨張ガラスおよび超低膨張ガラス・セラミックスからなる群から選択される材料を含み、それら部材が、陽極結合の前に直接結合を使用して接合される方法が提供される。
【0010】
本発明の実施例によれば、リソグラフィ装置の少なくとも2つの部材を接合するための方法が提供される。この方法は、第1の部材を提供するステップと、第2の部材を提供するステップと、第1の部材と第2の部材とを直接結合して、直接結合を形成するステップと、第1の部材と第2の部材とを陽極結合するステップとを含む。それら部材の少なくとも1つが、超低膨張ガラスおよび超低膨張ガラス・セラミックスからなる群から選択される材料を含む。
【0011】
例えば、超低膨張ガラス・セラミックは、ZERODUR(登録商標)、NEOCERAM(登録商標)、ASTROSITAL(登録商標)、およびCLEARCERAM(登録商標)からなる群から選択される材料の少なくとも1つを含む場合がある。
【0012】
超低膨張ガラスは、例えば1重量パーセント以上のチタン原子を含有する場合がある。超低膨張ガラスは、例えばULE(登録商標)である場合がある。他方、第2の部材が超低膨張ガラス・セラミックスもまた含んでいてもよい。
【0013】
第1および第2の部材が直接結合によって接合されたとき、接触結合としても知られている比較的弱い直接結合が得られる。複数の要素の直接結合は、それ自体、当技術分野で知られており、例えばJan Haisma等の記事「Contact bonding,including direct−bonding in a historical and recent context of materials science and technology,physics and chemistry」「Historical review in a broader scope and comparative outlook」(Materials Science&Engineering,R37,nos.1−2,5 April 2002,Elsevier Science B.V.)を参照されたい。この記事は、参照として本明細書に組み込む。直接結合の1つの考え得る定義が、この記事の7ページに与えられている。直接結合はまた、密着(リンジング;wringing)、「contact optique」(仏語)、「ansprengen」(独語)、または「van der Waals bonding」(オランダ語)としても知られている。
【0014】
本発明の実施例によれば、少なくとも第1および第2の部材を接合するために直接結合と陽極結合とを組み合わせることが有利であり、それら部材の少なくとも1つが超低膨張ガラスまたは超低膨張ガラス・セラミックスを含む。直接結合では、任意の接着剤やにかわなどを使用せずに、第1および第2の部材が直接接合され、それぞれの結合表面で互いに接触する。接合される各部材は、直接結合プロセス中に固体である。得られる比較的弱い直接結合は、第1および第2の部材を一体に保持するのに十分な強さである。しかし、直接結合は、第1および第2の部材に損傷を及ぼさずに簡単に切ることができる。一般に、直接結合は、第1および第2の部材がそれらの直接結合表面によって接合されたときに第1および第2の部材の間に生じる分子間ファンデルワールス力により実現されると考えられる。陽極結合と同様、直接結合プロセスでも接着剤は使用されない。直接結合は、例えば室温で行うことができる。したがって第1および第2の部材の光学的および材料性質は、直接結合プロセス中によく維持することができる。
【0015】
何らかの汚染物質が第1および第2の部材の間に存在する場合、部材間で直接結合を形成することが可能でないことがある。その際、適切な処理物質、例えば流体、液体、気体、化学物質、研磨剤などを使用して、洗浄、研磨、すすぎなど第1および/または第2の部材に何らかの処理を施して、そのような汚染物質を除去することができる。そのような処理の後、第1および第2の部材の直接結合が再度試みられる場合がある。
【0016】
直接結合が良好に行われた後、接合された部材は、陽極結合によってさらに結合され、より強い結合が第1および第2の部材の間に生じる。例えば陽極結合を使用して、すでに存在する直接結合を強化することができる。
【0017】
本発明のさらなる観点によれば、第1および第2の部材の直接結合から生じる直接結合は、陽極結合が行われる前にまず検査に供することができる。例えば、生じている可能性がある何らかの結合欠陥を検出するために部材を検査することができる。不良は、例えば第1および第2の部材の互いに関する何らかの位置合わせ不良(不整合、ミスアライメント)である場合がある。また不良は、第1および第2の部材の間に捕捉された可能性がある汚染物質、粒子、ダストなどを含む場合がある。不良または欠陥は、他の不完全性を含む場合もある。
【0018】
直接結合後に、部材の少なくとも1つを不良について検査することができる。例えば、少なくとも1つの部材のいくつかの材料および/または光学的性質の不良について検査することができる。不良は、例えば、何らかの所望の表面形状および表面平坦性からの逸脱、1つまたは複数の部材の変形、所定のミラー表面の変形などを含む場合がある。
【0019】
好ましくは、1つまたは複数の不良が見つかったとき、陽極結合が行われる前に直接結合が切り離される。直接結合の切り離しは、その結合の強さが比較的弱いため、比較的簡単に行うことができる。次いで、直接結合の切り離しの後、検出された1つまたは複数の不良を取り除くことができ、その後、第1および第2の部材が直接結合によって再び接合される。好ましくは、得られる直接結合が、前述した方法に従って、良好な直接結合が観察されるまで繰り返し検査される。第1および第2の部材の陽極結合は、好ましくは、不良が全く検出されなくなったとき、または実質的に検出されなくなったときにのみ行われる。したがって、第1および第2の部材は、直接結合によって適切に接合された後でのみ、互いに堅く接続される。このようにして、陽極結合の不良を防止することができ、それにより第1および第2の部材を節約的に接合することができる。実質的に不良を含まないそのような第1および第2の部材の結合は、第1および第2の部材のいくつかの所望の性質、例えばいくつかの材料性質、光学的性質、1つまたは複数の放射線ビームの回折、反射、および/または透過に関係する性質などを維持すること、またはもたらすことができる。
【0020】
本発明の一観点によれば、第1の部材および第2の部材は、直接結合表面を備え、直接結合表面は、第1および第2の部材の間で直接結合が得られるように接合され、直接結合は、陽極結合を使用して強化される。
【0021】
直接結合表面は、第1および第2の部材の適切な直接結合を提供することができる。直接結合表面は、研磨技法や洗浄処理などを使用して提供することができる。直接結合表面は、例えば実質的に平坦な表面であってよい。直接結合表面は、第1および/または第2の部材の表面自体であってよい。第1および/または第2の部材に、直接結合表面を提供するための直接結合層を設けることもできる。そのような直接結合層は、例えば、自然酸化物、例えば金属の自然酸化物または半導体材料の自然酸化物(半導体材料は、例えばドープされており、またはドープされておらず、例えばSiおよび/またはGe原子を含む)と、金属酸化物と、例えばSiおよび/またはGe原子を含む半導体酸化物とからなる群から選択される化合物の少なくとも1つを含む場合がある。
【0022】
本発明のさらなる観点によれば、少なくとも第2の部材が、少なくとも導電層を備え、この導電層は、少なくとも2つの部材の陽極結合において第1の電極として使用される。
【0023】
陽極結合は、導電層によって提供される第1の電極を使用して行うことができる。導電層は、直接結合表面の少なくとも1つを備え、または有していてもよい。例えば追加として塗布または堆積される層として、例えば直接結合層を導電層の上に提供することができる。また、導電層は、例えば、直接結合層として働く自然酸化物を含む場合がある。
【0024】
本発明の有利な観点によれば、少なくとも第1および第2の部材は、リソグラフィ装置の一部分を形成するように接合される。
【0025】
したがって、比較的強く、脱気する接着剤を伴わず、且つ実質的に汚染物質を有していない少なくとも1つの結合を使用して、リソグラフィ装置部分を節約的に形成することができ、部材のいくつかの所望の材料および/または光学的性質が得られ、且つ/または維持される。第1および第2の部材は、高精度で、例えば何らかの位置合わせをした状態で接合することができ、リソグラフィ装置部分の正確な製造をもたらす。得られるリソグラフィ装置部分は、デバイス製造方法におけるリソグラフィ装置の使用中に、高精度のデバイス製造を提供することができる。
【0026】
本発明のさらなる観点によれば、放射線の投影ビームを提供するための照明システムと、投影ビームの断面にパターンを与える働きをするパターン形成デバイスを支持するための支持構造と、基板を保持するための基板テーブルと、パターン形成されたビームを基板のターゲット部分に投影するための投影システムとを有するリソグラフィ装置であって、この装置の少なくとも一部が、任意の方法クレームによる方法を使用して製造されることを特徴とするリソグラフィ装置が提供される。
【0027】
これは、上述した利点を装置に提供する。例えば、パターン形成デバイスを支持するための支持構造の少なくとも一部分、基板テーブルの少なくとも一部分、投影システムの少なくとも一部分、および/またはチャックの少なくとも一部分が、任意の方法クレームによる方法を使用して製造される。チャックは、例えば、基板チャックまたはレチクル・チャックであってよい。チャックは、静電力によって基板またはレチクルを保持するように構成することができる。
【0028】
本発明の実施例によれば、リソグラフィ装置が提供される。リソグラフィ装置は、放射線のビームを提供する照明システムと、パターン形成構造を支持する支持構造とを有する。パターン形成構造は、放射線のビームの断面にパターンを与えるように構成される。また、装置は、基板を支持する基板支持体と、パターン形成されたビームを基板のターゲット部分に投影する投影システムとを有する。また、装置は、互いに直接結合および陽極結合された第1および第2の部材を有する。これら部材の少なくとも1つが、超低膨張ガラスおよび超低膨張ガラス・セラミックスからなる群から選択される材料を含む。
【0029】
本発明の別の観点によれば、リソグラフィ装置用のチャックが提供される。チャックは、約0.1×10−6−1未満の熱膨張係数を有する第1の部材と、約0.1×10−6−1未満の熱膨張係数を有する第2の部材とを有する。第1の部材は、第2の部材に直接結合され、次いで第2の部材に陽極結合される。
【0030】
本発明のさらなる観点によれば、基板を提供するステップと、照明システムを使用して放射線の投影ビームを提供するステップと、パターン形成デバイスを使用して、投影ビームの断面にパターンを与えるステップと、パターン形成された放射線のビームを基板のターゲット部分に投影するステップとを含むデバイス製造方法であって、装置クレームによる装置を使用して行われることを特徴とする方法が提供される。
【0031】
これは、上述した利点をデバイス製造方法に提供する。
【0032】
本発明の別の観点によれば、任意の装置クレームによる装置によって製造されたデバイスが提供される。
【0033】
本発明のさらなる観点によれば、任意のデバイス製造方法クレームによる方法によって製造されたデバイスが提供される。
【0034】
そのようなデバイスは、比較的節約的に、特に安価に、且つ高精度で製造することができる。
【0035】
本明細書では、ICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているかもしれないが、本明細書で説明するリソグラフィ装置が、集積光学システム、磁区メモリ用の誘導および検出パターン、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造など、他の用途を有していてもよいことを理解されたい。そのような他の用途の文脈では、本明細書における用語「ウェハ」または「ダイ」の使用を、それぞれより一般的な用語「基板」または「ターゲット部分」と同義と考えることができることを当業者は理解するであろう。本明細書で言及する基板は、露光の前または後に、例えばトラック(典型的には、レジストの層を基板に塗布し、露光されたレジストを現像するツール)、または計測もしくは検査ツールで処理することができる。可能な場合、本明細書の開示をそのような基板処理ツール、およびその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに、例えば多層ICを作成するために基板を複数回処理することもでき、したがって本明細書で使用する用語「基板」は、複数の被処理層をすでに含む基板を表す場合もある。
【0036】
本明細書で使用する用語「放射線」および「ビーム」は、紫外(UV)放射線(例えば波長が約365、248、193、157、または126nm)および極端紫外(EUV)放射線(例えば波長が5〜20nmの範囲内)、ならびにイオン・ビームや電子ビームなどの粒子ビームを含めた全てのタイプの電磁放射線を包含する。
【0037】
本明細書で使用する用語「パターン形成デバイス」または「パターン形成構造」は、基板のターゲット部分にパターンを作成する目的で投影ビームの断面にパターンを与えるために使用することができるデバイスまたは構造を表すものと広く解釈すべきである。投影ビームに与えられるパターンは、基板のターゲット部分での所望のパターンに正確には対応していない場合があることに留意されたい。一般に、投影ビームに与えられるパターンは、集積回路などターゲット部分に作製されるデバイス内の特定の機能層に対応している。
【0038】
パターン形成デバイスまたは構造は、透過型または反射型であってよい。パターン形成デバイスの例として、マスク、プログラム可能ミラー・アレイ、プログラム可能LCDパネルが挙げられる。マスクはリソグラフィの分野においてよく知られており、バイナリ・マスク、レベンソン型位相シフト・マスク、およびハーフトーン型位相シフト・マスクなどのマスク・タイプ、ならびに様々なハイブリッド・マスク・タイプを含む。プログラム可能ミラー・アレイの一例は、小さなミラーのマトリックス配列を採用したものであり、各ミラーは、入射する放射線ビームを異なる方向に反射するように個別に傾けることができる。そのようにして反射されるビームにパターンが形成される。パターン形成構造の各実施例において、支持構造は、例えばフレームまたはテーブルとすることができ、必要に応じて固定することも可動にすることもでき、例えば投影システムに対してパターン形成デバイスが所望の位置にあることを保証することができる。本明細書における用語「レチクル」または「マスク」の使用は、より一般的な用語「パターン形成デバイス」または「パターン形成構造」と同義と考えることができる。
【0039】
本明細書で使用する用語「投影システム」は、例えば使用する露光放射線、または浸液の使用や真空の使用など他の因子に適するように、屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システムを含めた様々なタイプの投影システムを包含するものと広く解釈すべきである。本明細書における用語「レンズ」の使用は、より一般的な用語「投影システム」と同義と考えることができる。
【0040】
また、照明システムは、放射線の投影ビームを方向付け、成形し、または制御するための屈折、反射、および反射屈折光学構成要素を含めた様々なタイプの光学構成要素を包含することができ、そのような構成要素を以下では総称して、または個別に「レンズ」と呼ぶ場合もある。
【0041】
リソグラフィ装置は、2つ(デュアル・ステージ)以上の基板テーブル(および/または2つ以上のマスク・テーブル)を有するタイプのものであってよい。そのような「マルチ・ステージ」マシンでは、追加のテーブルを並行して使用することができ、あるいは1つまたは複数のテーブルで準備ステップを行い、同時に、1つまたは複数の他のテーブルを露光用に使用することができる。
【0042】
またリソグラフィ装置は、投影システムの最終要素と基板との間の空間を満たすように、比較的高い屈折率を有する液体(例えば水)の中に基板が浸漬されるタイプのものであってもよい。浸液は、リソグラフィ装置内の他の空間、例えばマスクと投影システムの第1の要素との間に適用することもできる。液浸技法は、投影システムの開口数を高めるための技術分野でよく知られている。
【0043】
以下、本発明の実施例を、添付概略図面を参照しながら単に例として説明する。図面中、対応する符号は対応する部分を示す。
【実施例】
【0044】
図1に、本発明によるリソグラフィ装置を図式的に示す。この装置は、放射線(例えばUVまたはEUV放射線)の投影ビームPBを提供するための照明システム(照明器)ILと、パターン形成デバイス(例えばマスク)MAを支持するための支持構造であって、要素PLに対してパターン形成デバイスを正確に位置決めするための第1の位置決めデバイスPMに接続された第1の支持構造(例えばマスク・テーブル)MTと、基板(例えばレジスト被覆ウェハ)Wを保持するための基板テーブルであって、要素PLに対して基板を正確に位置決めするための第2の位置決めデバイスPWに接続された基板テーブル(例えばウェハ・テーブル)WTと、パターン形成デバイスMAによって投影ビームPBに与えられたパターンを基板Wの(例えば1つまたは複数のダイを有する)ターゲット部分Cに像形成するための投影システム(例えば反射投影レンズ)PLとを有する。本明細書で使用する用語「基板テーブル」は、基板支持体とみなすこと、または呼ぶこともできる。用語「基板支持体」または「基板テーブル」は、基板を支持、保持、または担持する構造を広く表すことを理解されたい。
【0045】
本明細書で述べる際、装置は反射型(例えば反射マスクまたは上で言及したタイプのプログラム可能ミラー・アレイを採用したもの)である。別法として、装置は透過型(例えば透過マスクを採用したもの)であってもよい。
【0046】
照明器ILが、放射線源SOから放射線のビームを受け取る。例えば放射線源がプラズマ放電源であるとき、放射線源とリソグラフィ装置とを別個の実体とすることができる。そのような場合、放射線源は、リソグラフィ装置の一部を成すものとはみなされず、放射線ビームは通常、例えば適切な集光ミラーおよび/またはスペクトル純化フィルタを有する放射線コレクタを用いて、放射線源SOから照明器ILに進められる。他の場合、例えば放射線源が水銀ランプであるときには、放射線源を装置の一部にすることができる。放射線源SOと照明器ILを放射線システムと呼ぶ場合もある。
【0047】
照明器ILは、ビームの角度強度分布を調節するための調節デバイスを有する場合がある。一般に、照明器のひとみ平面での強度分布の少なくとも外側および/または内側半径範囲(通常、それぞれσ−outerおよびσ−innerと呼ばれる)を調節することができる。照明器は、断面で所望の一様性および強度分布を有する調整された放射線のビーム(投影ビームPBと呼ぶ)を提供する。
【0048】
投影ビームPBは、マスク・テーブルMTの上に保持されたマスクMAに入射する。マスクMAによって反射された後、投影ビームPBはレンズPLを通過し、レンズPLが、ビームを基板Wのターゲット部分Cに合焦する(収束させる)。第2の位置決めデバイスPWおよび位置センサIF2(例えば干渉計デバイス)を用いて、例えばビームPBの経路内に別のターゲット部分Cを位置決めするように基板テーブルWTを正確に移動させることができる。同様に、第1の位置決めデバイスPMおよび位置センサIF1を使用して、例えばマスク・ライブラリから機械的に取り出した後に、または走査中に、マスクMAをビームPBの経路に対して正確に位置決めすることができる。一般に、オブジェクト・テーブルMTおよびWTの移動は、位置決めデバイスPMおよびPWの一部を成す長行程モジュール(粗い位置決め)および短行程モジュール(精密な位置決め)を用いて実現される。しかし(スキャナとは対照的に)、ステッパの場合、マスク・テーブルMTを短行程アクチュエータのみに接続すればよく、あるいは固定することもできる。マスクMAおよび基板Wは、マスク位置合わせマークM1、M2および基板位置合わせマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。
【0049】
記述した装置は、以下の好ましいモードで使用することができる。
【0050】
(1)ステップ・モードでは、マスク・テーブルMTおよび基板テーブルWTが本質的に静止して保たれ、投影ビームに与えられた全パターンがターゲット部分Cに一度に投影される(すなわち、ただ1回の静的露光)。次いで、別のターゲット部分Cを露光することができるように、基板テーブルWTがXおよび/またはY方向に移動される。ステップ・モードでは、露光領域の最大サイズが、ただ1回の静的露光で像形成されるターゲット部分Cのサイズを制限する。
【0051】
(2)走査モードでは、マスク・テーブルMTと基板テーブルWTとが同期して走査され、その間に、投影ビームに与えられたパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち、ただ1回の動的露光)。マスク・テーブルMTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPLの拡大(縮小)および像反転特性によって決定される。走査モードでは、露光領域の最大サイズが、ただ1回の動的露光におけるターゲット部分の(非走査方向での)幅を制限し、走査運動の長さが、ターゲット部分の(走査方向での)高さを決定する。
【0052】
(3)別のモードでは、マスク・テーブルMTが、プログラム可能パターン形成デバイスを保持して本質的に静止して保たれ、基板テーブルWTが移動または走査される間に、投影ビームに与えられたパターンがターゲット部分Cに投影される。このモードでは、通常はパルス放射線源が採用され、プログラム可能パターン形成デバイスは、基板テーブルWTの毎回の移動後に、または走査中の連続する放射線パルスの合間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、上で言及したタイプのプログラム可能ミラー・アレイなどプログラム可能パターン形成デバイスを利用するマスクレス・リソグラフィに容易に適用することができる。
【0053】
上述した使用モードの組み合わせおよび/または変形態様、あるいは全く異なる使用モードを採用することもできる。
【0054】
図2に、図1の装置で使用することができるチャックCHを有する本発明の第1の実施例を示す。チャックCHは図1には示されていない。この実施例では、チャックCHを使用して、静電力によって基板Wを基板テーブルWT上に保持する。またチャックを使用して、例えばレチクルをレチクル・テーブル上に保持することもできる。
【0055】
第1の実施例のチャックCHは、第1の部材1と第2の部材2とを有する。第1の電極3が、第1および第2の部材1、2の間に延びている。第1の電極は導電層3である。導電層3は、好ましくは、1つまたは複数の適切な導電物質、例えば銅、アルミニウム、チタン、銀、金、クロム、それらの合金、他の金属、および/または他の合金を含む。
【0056】
各部材1、2は、超低膨張ガラスおよび超低膨張ガラス・セラミックスからなる群から選択される材料を含む。この実施例では、第1の部材1は、例えばショット・グラス社(独国マインツ)によって製造されているゼロデュア(ZERODUR;登録商標)、日本電気硝子株式会社のネオセラム(登録商標)、Sitallとしても知られているASTROSITAL(登録商標)、または株式会社オハラのクリアセラム(登録商標)からなる超低膨張ガラス・セラミックスを含む。
【0057】
第1の部材は、ほぼゼロの熱膨張係数、特に約0.02×10−6−1(単位温度当たりの相対膨張/収縮)未満の熱膨張係数を有する。第1の部材1の材料は、好ましくは、約1016Ωcm未満、より好ましくは約1014Ωcm未満の固有抵抗を有する。第1の部材1は、例えばアルカリ電荷担体などを含む場合がある。
【0058】
この実施例では、チャックCHの第2の部材2は、誘電体ガラス材料からなる。第2の部材2も、ほぼゼロの熱膨張係数、特に約0.02×10−6−1(単位温度当たりの相対膨張/収縮)未満の熱膨張係数を有する。さらに、第2の部材2の材料は、好ましくは、少なくとも約1016Ωcm、より好ましくは少なくとも約1017Ωcmの固有抵抗を有する。第2の部材2は、例えばチタン原子を含有するガラス、例えばULE(登録商標)を含む場合がある。
【0059】
図2に示されるように、チャックCHは基板テーブルWTに取り付けられる。また、基板Wは、基板電極として働く導電層9を備える。使用中、基板Wは、欧州特許第1359469号明細書に記載されているように、第1の電極3と基板Wの電極9との間に電位差を印加することによって、静電力を使用してチャックCHによって保持することができる。
【0060】
図3〜6に、図2に示されるチャックCHの一部を製造するための方法を示す。製造されるチャック部分は、第1の部材1と、第2の部材2と、第1の電極3とを少なくとも有する。製造工程は、直接結合ステップと、それに続く陽極結合ステップとを含む。
【0061】
図3に示されるように、第1の部材1は、直接結合表面11を備える。好ましくは、この表面は、実質的に平坦であって実質的に汚染物質を有していない第1の部材1の外面11である。
【0062】
第2の部材2の表面は、第1の電極を提供するための導電層3を備える。この導電層3は、様々な方法、例えばコーティング技法、堆積技法、化学蒸着、蒸着、噴霧、浸漬などを使用して提供することができる。
【0063】
第2の部材2の第1の電極3は、直接結合表面12を備える。これは、図4に示されているように、第1の電極3の外面に直接結合層13を適用することによって実現される。この直接結合層13が、第2の部材2に所望の直接結合表面12を提供する。好ましくは、この直接結合表面12は、実質的に平坦であって実質的に汚染物質を有していない直接結合層13の外面12である。この狙いで、直接結合層13のそれぞれの表面に、例えば洗浄、すすぎ(rinsing)、平滑化、および/または研磨など適切な処理を施すことができる。他方で、直接結合層13が第2の部材2に塗布された後、そのような処理を行わなくても直接結合層の外面12が直接結合に適していることが分かる場合もある。直接結合層13は、例えば蒸着、CVD、蒸発、浸漬、噴霧など適切な堆積および/またはコーティング技法を使用して第1の電極3に提供することができる。
【0064】
直接結合層13は、例えば自然酸化物、例えば金属の自然酸化物または半導体材料の自然酸化物(半導体材料は、例えばドープされており、またはドープされておらず、例えばSiおよび/またはGe原子、あるいは他の半導体を含む)と、金属酸化物と、例えばSi原子、Ge原子、Si原子とGe原子との組み合わせ、および/または他の半導体を含む半導体酸化物とからなる群から選択される化合物の少なくとも1つを含む場合がある。
【0065】
自然酸化物は、例えば第1の電極3の自然酸化物であってもよい。第1の電極3を形成するために使用される物質によっては、そのような自然酸化物は、第1の電極3が第2の部材2に形成された直後にすでに存在している場合がある。その場合、導電層3は、直接結合表面12を有する天然の直接結合層13を有している。
【0066】
別法として、第1の電極3の外面のさらなる酸化を行って、直接結合層13に直接結合表面12を提供することができ、これもやはり第1の電極3の材料がその目的に適するかどうかによる。
【0067】
さらに、導電層3が第1の部材1との直接結合を形成するのに適しているかどうかによっては、導電層3自体が適切な直接結合表面を有している場合がある。その場合、別個の直接結合層が使用または塗布される必要はない。
【0068】
図5に矢印で示されるように、直接結合表面11、12は、第1および第2の部材1、2の間に直接結合が得られるように接合される。接合は、直接結合表面11、12が互いに直接接触するように、直接結合表面11、12が互いに面した状態で第1および第2の部材1、2を一体にすることによって単純に実現される。直接結合は、結合表面11、12が十分に清浄であり平坦であるときに実現することができ、表面11、12が互いに対して押圧された後にそれらの間に隙間が実質的に全く残らない。
【0069】
直接結合を行うことができないとき、または不良な直接結合が行われていると見られるとき、第1および第2の部材1、2は互いから取り外される。次いで、部材1、2は、好ましくは、直接結合プロセスに悪影響を及ぼしている可能性があるいくつかの不良について検査される。次いで、部材1、2は、好ましくは、そのような不良を取り除くように処理される。
【0070】
第1および第2の部材1、2の間で直接結合が行われた場合、または行われていると見られる場合には、好ましくは、得られた結合が、例えば位置合わせ不良、汚染、粒子、ダストなどに関係する不良について検査される。その際、1つまたは複数の不良が見つかったときに直接結合が切られ、それによって検出された不良を取り除くことができる。
【0071】
各直接結合の検査は、様々な方法で、例えば電気的、機械的、および/または光学的測定技法を使用して行うことができる。有利な検査技法は、光干渉の使用を含む。例えば粒子など捕捉された物質が、第1および第2の部材1、2の直接結合層11、12の間に延びる1つまたは複数の隙間をもたらすことがある。通常、そのような隙間は、入射する光波の干渉をもたらすことがあり、例えばニュートン・リングまたは同様の干渉パターンを生じるので、簡単に目で見ることができる。良好な直接結合が得られている場合には、結合表面は「黒」として現れ、すなわち結合表面11、12からの干渉パターンおよび/または反射は実質的に全く観察されない。第1の部材1、第2の部材2、および導電層3の構成によっては、光学的測定は、例えば、第1の部材1、第2の部材2、および/または導電層3による光反射、光屈折、および/または光透過を含む場合がある。光は、可視光、X線、および/または他の電磁放射線を含む場合がある。
【0072】
好ましくは、第1および第2の部材1、2は、得られる直接結合が検査に受かるまで、上述した様式で直接結合によって何度も接合される。第1および第2の部材1、2の間の直接結合が検査に受かった後、図6に示されているように、直接結合が陽極結合によって強化される。この狙いで、第1の部材1は、第1の電極3とは反対の表面に第2の電極4を備える。第2の電極4は、様々な方法で、例えば塗装またはコーティング技法、堆積技法、化学蒸着、蒸発、噴霧、浸漬などを使用して提供することができる。次いで、全体を適切な温度まで加熱することによって、および第1の電極3と第2の電極4との間に電位差を印加して電極間にイオン電流を駆動して陽極結合を形成することによって、陽極結合が行われる。図6では、電位差を提供するための適切な電流源5が使用される。陽極結合によって第1および第2の部材を接合する方法は、それ自体、欧州特許第1359469号明細書に記載されている。得られる陽極結合は比較的強い。
【0073】
図7に、本発明の第2の実施例を示す。この実施例では、2つの第2の部材2が第1の部材1に結合される。第1の部材1と各第2の部材2との間に導電層3が提供される。好ましくは、各第2の部材2は、上述した方法によって、直接結合と陽極結合とを使用して第1の部材1に接合される。第2の実施例は、静電力を使用して基板WまたはマスクMAを保持することができるチャックCHとして、またはその一部として使用することができ、チャックCHは、やはり静電力を使用して適切な基板テーブルWTまたはマスク・テーブルMTによって保持することができる。
【0074】
図8に示される第3の実施例では、第1の部材101と第2の部材102とが、直接結合および陽極結合を使用して接合される。第1および第2の部材101、102は、同じ材料からなっていてもよく、異なる材料からなっていてもよい。例えば、両方の部材101、102がガラス・セラミック材料からなる場合がある。部材101、102は、異なる形態、形状、および/またはサイズを有する場合もある。第3の実施例では、第1および第2の部材101、102は、空間105を少なくとも部分的に取り囲んでいる。第1および第2の部材101、102は、例えば、リソグラフィ装置もしくは同様の機器の光学系ボックスおよび/または投影システムの少なくとも一部分であってよい。例えば、少なくとも1つまたは複数の光学系が、内部空間105内に位置づけられ、または延びている場合がある。そのような光学系は図8には示されていない。
【0075】
第3の実施例の第1および第2の部材101、102は、直接結合を使用して、向かい合う結合表面111、112で互いに直に結合される。得られた結合が、第1および第2の部材101、102のさらなる陽極結合を使用して改良される。図示されているように、第1の部材101の外面は、電極103を備える。第2の部材102の結合表面112も電極104を備え、電極104は、第1および第2の部材101、102の直接結合の後に、部材101、102の間に延びる。電極103、104は、陽極結合で使用される。陽極結合は、図6に示される実施例と同様に、電極103、104の間に電位差を印加して、電極間にイオン電流を駆動して結合表面111、112で陽極結合を形成することによって実現される。
【0076】
本発明の特定の実施例を上述してきたが、説明した以外の形で本発明を実施することもできることを理解されたい。本説明は、本発明を限定することを意図するものではない。
【0077】
例えば本発明の方法を、半導体産業、リソグラフィ、光学系、宇宙技術などで使用することができる。
【0078】
本出願では、用語「直接結合」は、「接触結合」または「接触結合としての直接結合」と理解することもできる。
【0079】
少なくとも第1の部材と第2の部材とを接合して、様々な構造および製造物を形成することができる。少なくとも第1および第2の部材のアセンブリは、例えばリソグラフィ装置の一部、チャック、チャック部分、投影システムの少なくとも一部、投影光学系、投影光学系ボックスの少なくとも一部、パターン形成デバイス、マスク、基板、ミラー、レンズ、シールド、および/または他の物体にすることができる。
【0080】
結合表面が様々な形状を有することができることを理解すべきである。結合表面は、例えば鏡像面、平坦面などであってよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施例によるリソグラフィ装置を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例を概略的に示す図である。
【図3】図2に示される実施例の一部を形成するための製造方法の第1のステップを示す図である。
【図4】図3の細部Qを示す図である。
【図5】図2に示される実施例の一部を形成するための製造方法の第2のステップを示す図である。
【図6】図2に示される実施例の一部を形成するための製造方法の第3のステップを示す図である。
【図7】本発明の第2の実施例を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの部材、特にリソグラフィ装置の少なくとも2つの部材を接合するための方法であって、
第1の部材を提供するステップと、
第2の部材を提供するステップと、
前記第1の部材と前記第2の部材とを直接結合して、直接結合を形成するステップと、
前記第1の部材と前記第2の部材とを陽極結合するステップと
を含む接合方法において、
前記部材の少なくとも1つが、超低膨張ガラスおよび超低膨張ガラス・セラミックスからなる群から選択される材料を含む接合方法。
【請求項2】
前記第1の部材が超低膨張ガラス・セラミックスを含み、前記第2の部材が超低膨張ガラスを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の部材と前記第2の部材とがそれぞれ、超低膨張ガラス・セラミックスを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記超低膨張ガラス・セラミックスが、ゼロデュア(登録商標)、ネオセラム(登録商標)、ASTROSITAL(登録商標)、およびクリアセラム(登録商標)からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記超低膨張ガラス・セラミックスが、ゼロデュア(登録商標)、ネオセラム(登録商標)、ASTROSITAL(登録商標)、およびクリアセラム(登録商標)からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記超低膨張ガラスが、1重量パーセント以上のチタン原子を含有する請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記超低膨張ガラスがULE(登録商標)である請求項6に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも前記第1の部材が、約1016Ωcm未満の固有抵抗を有する材料を含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記固有抵抗が約1014Ωcm未満である請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の部材が、少なくとも約1016Ωcmの固有抵抗を有する材料を含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記固有抵抗が少なくとも約1017Ωcmである請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記部材がそれぞれ、約0.1×10−6−1未満の熱膨張係数を有する請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記熱膨張係数が約0.02×10−6−1未満である請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の部材と前記第2の部材とがそれぞれ直接結合表面を備え、該直接結合表面は、前記第1および第2の部材の間に直接結合が得られるように接合され、また前記直接結合は、前記部材の前記陽極結合によって強化される請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第1および第2の部材の少なくとも1つが、直接結合表面を提供する直接結合層を備える請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記直接結合層が、自然酸化物、金属酸化物、および半導体酸化物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記自然酸化物が、金属の自然酸化物または半導体材料の自然酸化物である請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記半導体材料がドープされており、またはドープされておらず、且つSiおよびGe原子の少なくとも一方を含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記直接結合表面が、実質的に平坦な表面である請求項14に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも前記第2の部材が導電層を有し、前記導電層が、前記少なくとも2つの部材の前記陽極結合において第1の電極として使用される請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記導電層が直接結合表面を有する請求項20に記載の方法。
【請求項22】
直接結合層が前記導電層の上に提供される請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記陽極結合が、
前記第1の電極とは反対の表面で、少なくとも前記第1の部材に少なくとも第2の電極を提供するステップと、
前記第1および第2の電極の間に電位差を印加して前記電極間にイオン電流を駆動し、陽極結合を形成するステップと
を含む請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記第1および第2の部材の直接結合から生じる直接結合を少なくとも1つの不良について検査するステップと、
前記不良が見つかったとき、前記陽極結合の前に前記直接結合を切り離すステップと
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記不良が、前記第1および第2の部材の間の位置合わせ不良と、粒子の存在と、ダストの存在とのうちの少なくとも1つを含む請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記検査が光学的に行われる請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記検査が干渉を使用して行われる請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記直接結合の前記切り離し後に前記不良を取り除くステップと、
前記第1および第2の部材を再び直接結合するステップと
をさらに含む請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記直接結合後に、前記部材の少なくとも1つを少なくとも1つの不良について検査するステップと、
前記不良が見つかったとき、前記陽極結合の前に前記直接結合を切り離すステップと
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記直接結合の前記切り離し後に前記不良を取り除くステップと、
前記第1および第2の部材を再び直接結合するステップと
をさらに含む請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記少なくとも第1および第2の部材が接合されて、パターン形成構造を支持するための支持構造、基板支持体、投影システム、チャック、投影光学系、投影光学系ボックス、パターン形成構造、マスク、基板、ミラー、レンズ、およびシールドからなる群からの少なくとも1つのリソグラフィ装置部分の少なくとも一部分を形成する請求項1に記載の方法。
【請求項32】
放射線のビームを提供する照明システムと、
前記放射線のビームの断面にパターンを与えるように構成されたパターン形成構造を支持する支持構造と、
基板を支持する基板支持体と、
前記パターン形成されたビームを前記基板のターゲット部分に投影する投影システムと
を有するリソグラフィ装置であって、
前記リソグラフィ装置が、互いに直接結合および陽極結合される第1および第2の部材を含み、
前記部材の少なくとも1つが、超低膨張ガラスおよび超低膨張ガラス・セラミックスからなる群から選択される材料を含むリソグラフィ装置。
【請求項33】
前記装置の前記少なくとも一部分が、前記支持構造、前記基板支持体の少なくとも一部分、前記投影システムの少なくとも一部分、および/またはチャックの少なくとも一部分である請求項32に記載の装置。
【請求項34】
請求項1に記載の方法によって接合された少なくとも第1の部材と第2の部材とのアセンブリであって、該アセンブリがリソグラフィ装置の一部分であり、且つチャック、チャック部分、投影システムの少なくとも一部分、投影光学系、投影光学系ボックスの少なくとも一部分、パターン形成構造、マスク、基板、ミラー、レンズ、およびシールドからなる群からのものであるアセンブリ。
【請求項35】
リソグラフィ装置用のチャックであって、
約0.1×10−6−1未満の熱膨張係数を有する第1の部材と、
約0.1×10−6−1未満の熱膨張係数を有する第2の部材と
を有し、
前記第1の部材が、前記第2の部材に直接結合され、次いで前記第2の部材に陽極結合されるチャック。
【請求項36】
前記第1の部材と前記第2の部材との間に配設された電極をさらに有する請求項35に記載のチャック。
【請求項37】
前記第1の部材と前記第2の部材との間に配設された直接結合層をさらに有する請求項35に記載のチャック。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2007−523030(P2007−523030A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−546869(P2006−546869)
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【国際出願番号】PCT/NL2004/000898
【国際公開番号】WO2005/062127
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(504151804)エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. (1,856)
【Fターム(参考)】