説明

少なくとも1つの光源を使用してエンドエフェクタ・アラインメントを校正するためのシステムおよび方法

【課題】少なくとも1つの光源を使用してエンドエフェクタ・アラインメントを校正するためのシステムおよび方法
【解決手段】プラズマ処理システムにおいてチャックに対するエンドエフェクタのアラインメントを校正するための方法が提供される。方法は、エンドエフェクタからチャックへ第1の光ビームを提供することを含む。方法は、第1の光ビームがチャックの表面を走査するようにあらかじめ定められた校正経路に沿ってエンドエフェクタを移動させることを含む。方法は、また、反射光信号の集合を受信することを含み、反射光信号の集合は、少なくとも、移動時に表面が第1の光ビームを反射するときに生成される。方法は、3つ以上の不連続性を特定するために反射光信号の集合を分析することを含む。3つ以上の不連続性は、第1の光ビームがチャックの縁に当たるときに生成される3つ以上の反射光信号に関係している。方法は、また、3つ以上の不連続性に基づいて3つ以上の座標データ点を決定することも含み、3つ以上の座標データ点は、チャックの縁上の3つ以上の点を表している。方法は、3つ以上の座標データ点に基づいてチャックの中心を決定することを含む。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
半導体基板(例えばウエハ)の処理では、しばしばプラズマが用いられる。プラズマ処理では、ウエハは、プラズマ処理システムを使用して処理され、該システムは、通常、複数の処理モジュールを含む。基板(例えばウエハ)は、プラズマ処理時に、処理モジュールの内側においてチャック上に配置される。
【0002】
処理モジュールに対してウエハを出し入れするために、ウエハは、通常、エンドエフェクタに載せられて、チャック上へ移送される。エンドエフェクタは、ウエハ移送時にウエハを支えるように構成された構造部品である。エンドエフェクタは、通常、ロボットアーム上に配置される。図1は、ウエハ移送時にウエハ104を支えるための代表的な先行技術エンドエフェクタ102を示している。説明を目的として、ロボットアーム106の一部分も示されている。
【0003】
総じて、ウエハ移送手順において、ロボットアームは、先ず、エンドエフェクタを移動させて、ウエハをウエハ貯蔵用のカセットまたはステーションから取り上げる。ウエハがエンドエフェクタ上に位置決めされたら、ロボットアームは、次いで、処理モジュールのドアを通してウエハを処理モジュールに入れるであろう。ロボットアームは、次いで、エンドエフェクタおよびウエハをチャックの上に位置決めし、次いで、プラズマ処理のためにウエハをチャックに載せる。
【0004】
ウエハが適切に処理されることを保証する(そうして、制御可能でかつ反復可能な処理結果を保証する)ためには、プラズマ処理時にウエハをチャック上に中心合わせする必要がある。もし、エンドエフェクタがチャックに対して完璧に中心合わせされ、かつウエハがエンドエフェクタに対して完璧に中心合わせされていれば、ウエハは、ロボットアームがウエハをチャックに載せるときに、チャックに対して完璧に中心合わせされるであろう。
【0005】
ロボットコントローラの視点からすると、ウエハの載置を目的としてロボットアーム・コントローラがチャックの上にエンドエフェクタを中心合わせすることを可能にするためには、チャックの中心を知ることが重要である。したがって、任意の所定プラズマ処理モジュールについて、ロボットアーム・コントローラは、チャックの位置およびチャック中心を教えられる必要がある。言い換えると、各チャックは、例えば加工公差および/または製作公差および/または組み立て公差ゆえに、各処理モジュール内において僅かに異なるように位置決めされる可能性があるので、ロボットアーム・コントローラは、チャックの厳密な場所およびチャック中心を、自身の座標系において決定する必要がある。
【0006】
エンドエフェクタ/チャック・ミスアラインメントを補償するために、校正時の通常の戦略は、エンドエフェクタによって定められた中心(本明細書では「エンドエフェクタ中心」または「エンドエフェクタ規定中心」と称される)が実際にチャックの中心にアラインメントする位置までロボットアームを移動させることを伴う。エンドエフェクタの校正を達成するためには、オペレータが、実際のエンドエフェクタ/チャック・アラインメント位置を決定することができる必要がある。先行技術では、チャック中心に対するエンドエフェクタ規定中心のアラインメントは、チャックの縁に装着するまたは処理モジュールの内部に取り付く機械的な製作固定具を使用して達成される。
【0007】
機械的固定具は、キー構造(基本的に、エンドエフェクタのための中心合わせ用の突出である)を有しており、これは、エンドエフェクタが校正用固定具のキー構造の真上に寄りかかることを可能にする。固定具は、チャックに対して中心合わせされるので、エンドエフェクタは、固定具のキー構造に寄りかかったときに、チャック上に中心合わせされるであろう。通常、キー構造に対するエンドエフェクタの位置決めは、エンドエフェクタがキー構造に寄りかかるように、オペレータがエンドエフェクタをキー構造に対して引いたり押したりすることによって達成される。
【0008】
エンドエフェクタをキー構造に対して位置決めした後、オペレータは、次いで、ロボット制御システムが、この実際のエンドエフェクタ/チャック・アラインメントを達成するロボットアームの位置をロボット制御の座標系において記録することができるように、そのロボットアーム位置を、ロボット制御システムに登録する。
【0009】
生産時において、ロボットアームは、エンドエフェクタを、このエフェクタ/チャック・アラインメント位置に対応した座標に移動させる。もし、ウエハがエンドエフェクタに対して中心合わせされていれば、このとき実際にエンドエフェクタ規定中心がチャック中心にアラインメントしていることにより、ウエハは、ウエハ処理のためにロボットアームによってチャックに載せられるときに、チャックに対して中心合わせされるであろう。本出願の発明者らによって同日付けで出願され、参照によって本明細書に組み込まれた、「SYSTEMS AND METHODS FOR CALIBRATING END EFFECTOR ALIGNMENT IN A PLASMA PROCESSING SYSTEM(プラズマ処理システムにおいてエンドエフェクタのアラインメントを校正するためのシステムおよび方法)」と題された代理人整理番号第LMRX-P143/P1747号の同時係属特許出願、ならびに「SYSTEMS AND METHODS FOR DYNAMIC ALIGNMENT BEAM CALIBRATION(動的アラインメント・ビーム校正のためのシステムおよび方法)」と題された代理人整理番号第LMRX-P144/P1748号の同時係属特許出願では、このエンドエフェクタ/チャック・ミスアラインメントに対処するための技術が提案されている。上記の2件の特許出願「SYSTEMS AND METHODS FOR CALIBRATING END EFFECTOR ALIGNMENT IN A PLASMA PROCESSING SYSTEM(プラズマ処理システムにおいてエンドエフェクタのアラインメントを校正するためのシステムおよび方法)」ならびに「SYSTEMS AND METHODS FOR DYNAMIC ALIGNMENT BEAM CALIBRATION(動的アラインメント・ビーム校正のためのシステムおよび方法)」において論じられた技術に関する詳細は、後述の考察Aおよび考察Bにおいて再吟味される。
【0010】
しかしながら、校正を目的としてチャックに対してエンドエフェクタを中心合わせするための先行技術には、不利点が伴う。先ず第1に、チャックおよび処理モジュールには、多くのタイプがある。したがって、校正を実施するために機械的固定具による方式を使用するためには、多くの異なる機械的固定具を製作して蓄えておく必要がある。
【0011】
また、物理的な機械的固定具は、硬質金属製の1つ以上の縁または表面を有することがあり、チャックに対するその取り付けは、チャックを損傷させる可能性がある。また、もし、処理モジュール内において幾つかのプラズマサイクルが実行された後、その場において(例えば生産工程の後、エンドエフェクタがチャックに対して中心合わせされていないかもしれないという懸念を受けて)校正がなされるならば、チャックに対する物理的な校正用固定具の取り付けは、チャック上またはチャック付近に沈着した粒子を処理チャンバ内へ剥落させる可能性がある。このような粒子は、後続の処理サイクルにおいて、望ましくない粒子汚染となる。
【0012】
また、校正は、大気圧において実施されるので、先行技術の校正技術は、生産時に存在する条件を効果的に再現することができない。なぜならば、生産時において、処理モジュールの部品は真空下に置かれ、これは、真空環境と周囲環境との間の圧力差ゆえに、1つ以上の部品を偏移させるからである。校正条件は、生産条件を忠実に再現しないので、正確な校正は、不可能であろう。
【0013】
さらに、もし、エンドエフェクタ/チャック・アラインメント位置へのエンドエフェクタの位置決めが手動で実施される(例えば、エンドエフェクタを機械的固定具のキー構造に寄りかからせるために、オペレータがエンドエフェクタを引いたり押したりすることを伴う)ならば、オペレータがロボットアームを解放してこのエンドエフェクタ/チャック・アラインメント位置をロボットアーム・コントローラに登録するときに、ロボットアーム位置に偏移が生じることがある。この偏移は、例えばロボットモータの電源が切られたなどの多くの理由によって生じえる。ロボットアームが離れるとき、この偏移は、たとえロボットオペレータによって感知することができない少量であっても、結果として校正プロセスに不正確さをもたらす可能性がある。もし校正プロセスが不正確であると、生産時におけるウエハの載置が不正確になり、歩留まりの低下、ならびに製品の不合格率および/または不良品率の増大をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【0014】
本発明は、一実施形態では、プラズマ処理システムにおいてチャックに対するエンドエフェクタのアラインメントを校正するための方法に関する。方法は、エンドエフェクタからチャックへ第1の光ビームを提供することを含む。方法は、第1の光ビームがチャックの表面を走査するようにあらかじめ定められた校正経路に沿ってエンドエフェクタを移動させることを含む。方法は、また、反射光信号の集合を受信することを含み、反射光信号の集合は、少なくとも、移動時に表面が第1の光ビームを反射するときに生成される。方法は、3つ以上の不連続性を特定するために反射光信号の集合を分析することを含む。3つ以上の不連続性は、第1の光ビームがチャックの縁に当たるときに生成される3つ以上の反射光信号に関係している。方法は、また、3つ以上の不連続性に基づいて3つ以上の座標データ点を決定することも含み、3つ以上の座標データ点は、チャックの縁上の3つ以上の点を表している。方法は、3つ以上の座標データ点に基づいてチャックの中心を決定することを含む。
【0015】
上記の概要は、本明細書に開示されている発明の多くの実施形態の1つのみに関係しており、特許請求の範囲に定められた発明の範囲を限定することを意図していない。本開示のこれらのおよびその他の実施形態は、添付の図面と併せて以下の発明の詳細な説明においてさらに詳しく説明される。
【0016】
添付の図面において、本発明は、限定目的ではなく例示目的で示されている。図中、類似の参照符号は、同様の要素を指すものとする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ウエハ移送時にウエハを支えるための代表的な先行技術エンドエフェクタを示している。
【0018】
【図2A】チャック中心に対してエンドエフェクタを校正するためのin-situ光学的エンドエフェクタ校正配置の一部分を、本発明の一実施形態にしたがって示している。
【0019】
【図2B】エンドエフェクタの垂直位置をin-situで校正するためのin-situ光学的エンドエフェクタ校正配置の一部分を、本発明の一実施形態にしたがって示している。
【0020】
【図3A】チャック中心に対してエンドエフェクタを校正するためのin-situ光学的エンドエフェクタ校正方法について説明した流れ図を、本発明の一実施形態にしたがって示している。
【0021】
【図3B】エンドエフェクタの垂直位置を校正するためのin-situ光学的エンドエフェクタ校正方法について説明した流れ図を、本発明の一実施形態にしたがって示している。
【0022】
【図A1】考察Aの図A1は、ウエハ移送時にウエハを支えるための代表的な先行技術エンドエフェクタを示している。
【0023】
【図A2】考察Aの図A2は、エンドエフェクタをin-situで校正するためのin-situ光学的エンドエフェクタ校正システムの少なくとも一部分の上面図を描いたプラズマ処理システムの概略を、本発明の一実施形態にしたがって示している。
【0024】
【図A3】考察Aの図A3は、in-situ光学的エンドエフェクタ校正方法について説明した流れ図を、本発明の一実施形態にしたがって示している。
【0025】
【図B1】考察Bの図B1は、ウエハ移送時にウエハを支えるための代表的な先行技術エンドエフェクタを示している。
【0026】
【図B2】考察Bの図B2は、DAビーム校正を目的として適正に中心合わせされたウエハ/エンドエフェクタ・アセンブリを作成するまたはシミュレートすることを可能にするための光学的ウエハ中心合わせシステムの少なくとも一部分の上面図を描いたプラズマ処理システムの概略を、本発明の一実施形態にしたがって示している。
【0027】
【図B3】考察Bの図B3は、DAビーム校正を促進するために光学的ウエハ中心合わせ技術を使用してエンドエフェクタ規定中心に対して中心合わせされたウエハを作成するまたはシミュレートするための工程について説明した流れ図を、本発明の一実施形態にしたがって示している。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、添付の図面に示された幾つかの実施形態を参照にして、本発明が詳細に説明される。以下の説明では、本発明の完全な理解を可能にするために、多くの詳細が特定される。しかしながら、当業者ならば明らかなように、本発明は、これらの一部または全部の詳細を特定しなくても実施することができる。また、本発明を不必要に不明瞭にしないために、周知のプロセス工程および/または構造の詳細な説明は省略される。
【0029】
以下において、方法および技術を含む様々な実施形態が説明される。発明は、発明の技術の実施形態を実行するためのコンピュータ可読命令を格納されたコンピュータ可読媒体を含む製造品も範囲に含みえることを留意されるべきである。コンピュータ可読媒体は、例えば、コンピュータ可読コードを格納するための半導体、磁気、光磁気、光、またはその他の形態のコンピュータ可読媒体を含むことができる。さらに、発明は、発明の実施形態を実施するための装置も範囲に含むことができる。このような装置は、発明の実施形態に関わるタスクを実行するための専用のおよび/またはプログラム可能な回路を含むことができる。このような装置の例は、適切にプログラムされたときの汎用コンピュータおよび/または専用計算装置を含み、コンピュータ/計算装置と、発明の実施形態に関わる様々なタスクに適応された専用の/プログラム可能な回路との組み合わせを含むことができる。
【0030】
発明の実施形態は、ロボットアーム・コントローラが処理モジュール内におけるチャックの位置およびチャック中心をロボット座標系において決定することができるように、チャックの中心をロボットアーム・コントローラに登録するための、方法ならびに装置に関する。発明の実施形態は、また、チャックの上面に対するエンドエフェクタの垂直位置を校正するための、in-situな方法および装置にも関する。
【0031】
本発明の一態様では、発明者らは、ロボットアーム・コントローラが通常は自身の座標系においてロボットアームの現行位置をことを認識している。エンドエフェクタは、ロボットアームに取り付けられるので、ロボットアーム・コントローラは、自身の座標系において、エンドエフェクタの現行位置をロボットアーム・コントローラ自身の座標系に関係付けることもできる。
【0032】
本発明の1つ以上の実施形態では、エンドエフェクタの校正を実現するために、エンドエフェクタの現行位置(ロボットアーム・コントローラが自身の座標系において決定することができる位置)は、チャックの特定の特徴と相互に関連付けられる。1つ以上の実施形態では、光学的エンドエフェクタ・アラインメント技術が用いられる。この技術では、エンドエフェクタに光源(例えばレーザビーム)が取り付けられ、エンドエフェクタは、エンドエフェクタ校正のためにチャックに関するデータ点を得るために、チャックの上をあらかじめ定められた校正経路に沿って送られる。
【0033】
チャックの外周を含むチャックの上を光源からの光ビームが校正経路に沿って走査するのに伴って反射光を取得するために、センサが用いられる。反射光は、光源がチャックの外縁に当たる際の反射光の変化を示す不連続性について分析される。ロボットアーム・コントローラは、不連続性の発生を、それらの不連続性が発生するロボットアーム座標と相互に関連付ける。もし、3つ以上のデータ点(不連続性の検出結果およびそれらに対応するロボットアーム座標を含む)が得られたならば、チャックを表す円および/またはチャック中心をロボットアーム・コントローラ座標系において外挿するために、外挿ロジックを用いることができる。この外挿は、例えば、ニュージャージー州ウッドクリフレイクのKeyence Corporationより入手可能な、CV-3002シリーズのコントローラCV-H3Nに使用されるKeyence通信ソフトウェアなどの、既製のソフトウェアツールを使用して実施することができる。
【0034】
チャック中心の座標を知っていれば、ロボットアーム・コントローラは、チャック中心に対してエンドエフェクタを校正することができる。なお、提案された光学的エンドエフェクタ校正技術を用いれば、チャックに対してエンドエフェクタを中心合わせする目的でチャックに取り付ける専用のハードウェア固定具を使用する必要がなくなることに留意されたい。したがって、専用のハードウェア固定具による先行技術の方式に伴う不利点およびリスクが、有利に取り除かれる。
【0035】
さらに、光源(例えばレーザ光源)は、光学的エンドエフェクタ校正を実施する目的でエンドエフェクタ規定中心に位置決めする必要はなく、言い換えると、光源は、必要に応じて、エンドエフェクタ規定中心から隔てることができる。エンドエフェクタ上における光源場所の、エンドエフェクタ規定中心からの隔たりが知られている限り、この隔たりは、チャックの中心に対してエンドエフェクタ規定中心をアラインメントさせる目的で、チャックを表す円および/もしくはチャック中心を計算する際に、またはエンドエフェクタが生産ウエハをチャック上に中心合わせすることを可能にするために、ロボットアームに必要とされる実際の移動を計算するために、考慮に入れることができる。なおさらに、センサは、エンドエフェクタ自体の上に位置決めする必要がなく、上記の不連続性を検出する目的に十分な反射光を取得可能であるように配置される限り、センサ自体は、処理モジュールの内側または外側の任意の所望の場所に置くことができる。
【0036】
本発明の特徴および利点は、図面および以下の考察を参照にして、より良く理解されるであろう。
【0037】
図2Aは、エンドエフェクタ204の先端にレーザ光源202(図2の例ではセンサと一体化されている)を装着されたin-situ光学的エンドエフェクタ校正配置の一部分を、本発明の一実施形態にしたがって示している。前述のように、エンドエフェクタ校正を目的として、光源は、光源とエンドエフェクタ規定中心との間の隔たりが知られている限り、エンドエフェクタ上のあらゆる場所に配置することができる。
【0038】
プラズマ処理システムの処理モジュール内に装着されたチャックを表すチャック206も示されている。校正時において、ロボットアーム・コントローラ(不図示)は、少なくとも3つのチャック縁データ点を生成するために、あらかじめ定められた校正経路に沿ってロボットアームを移動させる。校正経路に沿ったロボットアームの移動は、レーザ光源202によって提供される光ビーム208を、図に示されるように経路210に沿って走査させる。1つ以上の実施形態では、経路210は、少なくとも2つの区間を含み、各区間は、チャック206の周250上の少なくとも2つの点を含む。光ビーム208が経路210に沿って移動する間に、センサは、反射光を記録して、その反射光を不連続性について分析する。
【0039】
光ビーム206がチャック206の周250沿いの位置212aに当たると、反射光を分析するロジックによって、反射光の不連続性が確定される。不連続性の事象が検出されるとき、ロボットアーム・コントローラは、自身の座標系において自身のロボットアーム位置を記録する。ビームは、経路210に沿って移動するにつれて、チャックの縁にある位置212b,212cに当たり、さらに2つの不連続性の事象が、確定される。ロボットアーム・コントローラは、再び、確定された不連続性を最新のロボット座標と相互に関連付ける。ロボットの移動によって、経路210に沿った光ビーム208の走査が完了したときには、3つの不連続点が、それらに対応するロボット座標とともに取得されている。
【0040】
次いで、3つの不連続点をもとに、チャック206を表す円を外挿するために、ロジックを用いることができる。なお、不連続点は、ロボット座標系において記録されるので、チャック206を表す円は、ロボット座標系において容易に計算することができる。さらに、チャック206の中心も、ロボット座標系において容易に計算することができる。
【0041】
なお、経路210は、少なくとも3つの不連続点を生成するために3つ以上の場所でチャックの周を跨ぐように構成された任意の不定の経路を表してよいことに留意されたい。一般的に、ロボットオペレータは、どこにチャックが位置しているかを大まかに把握しており、一実施形態では、広く間隔を開けた不連続点が効率よく生成される形でロボットアームを移動させ、チャック206を表す円の正確な算出を保証するように、ロボットアーム・コントローラをプログラムすることができる。このような計算を実施するためのツールの例として、ニュージャージー州ウッドクリフレイクのKeyence Corporationより入手可能な、CV-3002シリーズのコントローラCV-H3Nに使用されるKeyence通信ソフトウェアが挙げられる。
【0042】
図2Bは、チャックの上面に対するエンドエフェクタの垂直位置を校正するための光学的配置を、本発明の一実施形態にしたがって示している。図2Bは、処理モジュールの壁の窓234を通して光ビーム232(例えばレーザビーム)を伝送するように配置された光源230(例えばレーザ光源)を示している。窓は、処理モジュールの遠方壁(例えば、ウエハが出し入れされるドアとは反対側の壁)に配置されるものとして示されているが、このような場所は、絶対要件ではない。
【0043】
光ビーム232の高さは、一実施形態では、ウエハ移送時にエンドエフェクタ240を位置決めするために望まれるチャック206からの高さを表すことができる。垂直校正経路に沿って(例えばビーム232を跨ぐZ方向に)エンドエフェクタ240が移動するにつれていつ光ビーム232がエンドエフェクタ240に当たるかをロボット制御システムが決定することができるように、エンドエフェクタ上に、センサ(不図示)が配置される。
【0044】
エンドエフェクタ240の先端に配置されたセンサによって光ビーム232が検出されると、ロボットアーム・コントローラは、ロボット座標系において、最新のロボットアーム垂直位置を記録することができる。記録されたロボットアームの垂直位置は、ウエハ移送時に、エンドエフェクタを垂直方向に位置決めするために用いることができる。
【0045】
代案として、光源230を処理チャンバ242の内側に装着し、窓234を省くことができる。
【0046】
代案としてまたは追加として、エンドエフェクタの垂直位置を校正するために、光源232からの反射光を分析し、不連続性について分析することが可能である。1つ以上の実施形態では、ロボットアーム・コントローラがエンドエフェクタ240を、光ビーム232を跨ぐ垂直校正経路に沿って移動させるのに伴って、センサを用いて、光源230からの検出光を取得することができる。光ビーム232がエンドエフェクタ240に当たると、反射光の不連続性が突き止められる。この不連続性は、ロボットアームの現行座標と相互に関連付けられ、そうして、チャックの上方におけるレーザビームの垂直高さのロボット座標が事実上記録される。反射光による方式が用いられるときは、光源230から反射された光を取得するために、エンドエフェクタ240の上でも近くでもない場所を含む任意の適切な場所にセンサを装着することが可能である。
【0047】
図3Aは、チャック中心に対するエンドエフェクタの光学的校正を実現するための簡易流れ図を、本発明の一実施形態にしたがって示している。工程302では、エンドエフェクタに、光源(レーザ光源など)が取り付けられる。工程304では、取り付けられた光源とともに、エンドエフェクタが、チャックの上面の上方においてあらかじめ定められた軌道経路に沿って移動される。
【0048】
チャックの上面の上におけるエンドエフェクタの移動時に、光源からの光ビームは、チャックの上面に向けられる。光源からの反射光は、取得され、不連続性について分析される(工程306)。もし不連続性が受信された場合は(308の「はい」経路)、ロボットアーム位置のロボット座標が記録される(310)。プロセスは、あらかじめ定められた数の不連続性およびそれらに対応するロボットアーム座標が得られるまで、または軌道の走査が完了するまで続く(矢印312)。
【0049】
必要な連続点が取得された後は、チャックの周、半径、および中心を決定するために、外挿ロジックを用いることができる。1つ以上の実施形態では、少なくとも3つの不連続点が望まれるが、ロボットアーム・コントローラによって定められる軌道に応じて、チャック中心に対するエンドエフェクタの光学的校正を目的として、さらなる点を得ることも可能である。
【0050】
図3Bは、チャックの上面に対するエンドエフェクタの垂直位置を校正するための簡易流れ図を、本発明の一実施形態にしたがって示している。図3Bの流れ図では、ウエハ搬送時においておよび/またはウエハをチャック上に置く準備の際にエンドエフェクタを垂直方向に位置決めする目的で、レーザビーム(図2Bのレーザビーム232など)の垂直位置が突き止められる。工程370では、処理モジュールの壁の内側においてチャックから所望の高さに、または図2Bに示されるように処理モジュールの外側に、光源(レーザ光源など)が取り付けられる。レーザ光源は、エンドエフェクタを垂直方向に位置決めするために、所望の高さにおいてチャックの上面に実質的に平行にレーザビームを伝送することを狙いとしている。
【0051】
工程372では、レーザビームを感知することができるセンサが、エンドエフェクタに取り付けられ、エンドエフェクタが例えばZ方向(チャックに向けて下向きにおよび/またはチャックの上面から上向きに)に垂直校正経路に沿って移動するのに伴って、レーザビームの衝突を受けるように構成される。工程374では、上記のセンサを含むエンドエフェクタは、レーザビームを跨いでZ方向に移動される。もしセンサによってレーザビームが検出されるならば、そのロボットアーム位置の最新ロボット座標が記録される。この垂直位置は、ウエハ移送時においておよび/またはチャック上にウエハを置く準備の際にエンドエフェクタを垂直方向に位置決めするために、ロボットアーム・コントローラによって用いることができる。
【0052】
以上からわかるように、発明の実施形態は、ロボットアーム・コントローラが任意の所定のプラズマ処理モジュール内におけるチャックの位置およびチャック中心をロボット座標系において決定することを可能にする。代案としてまたは追加として、ロボットアーム・コントローラは、必要に応じて、ウエハ移送時に、ロボットアームの垂直位置に対応するロボット座標も決定することができる。
【0053】
チャックに対してエンドエフェクタを中心合わせする目的でチャックに取り付ける専用のハードウェア固定具を使用する必要がなくなるので、先行技術に伴う不利点が回避される。例えば、校正をin-situで実施することによって、生産時の条件が忠実に再現され、その結果、より正確な校正プロセスが得られる。これらの条件は、例えば、同様の真空条件および同様のロボットサーボパラメータを含む。機械的な固定具が用いられないので、異なるプラズマ処理モジュール用に異なる機械的な校正用固定具を製造して大量の在庫を維持することによるコストが削減される。
【0054】
さらに、非接触式でかつ非物理的な校正技術の使用は、校正に関連したチャックの損傷および校正に関連した粒子汚染の可能性をなくし、チャンバおよび/または被製作デバイスが損傷されるリスクを伴うことなくもっと頻繁にかつ/または生産工程の途中で校正を実施することを可能にする。
【0055】
考察A[開始]
半導体基板(例えばウエハ)の処理では、しばしばプラズマが用いられる。プラズマ処理では、ウエハは、プラズマ処理システムを使用して処理され、該システムは、通常、複数の処理モジュールを含む。基板(例えばウエハ)は、プラズマ処理時に、処理モジュールの内側においてチャック上に配置される。
【0056】
処理モジュールに対してウエハを出し入れするために、ウエハは、通常、エンドエフェクタに載せられて、チャック上へ移送される。エンドエフェクタは、ウエハ移送時にウエハを支えるように構成された構造部品である。エンドエフェクタは、通常、ロボットアーム上に配置される。図A1は、ウエハ移送時にウエハA104を支えるための代表的な先行技術エンドエフェクタA102を示している。説明を目的として、ロボットアームA106の一部分も示されている。
【0057】
総じて、ウエハ移送手順において、ロボットアームは、先ず、エンドエフェクタを移動させて、ウエハをウエハ貯蔵用のカセットまたはステーションから取り上げる。ウエハがエンドエフェクタ上に位置決めされたら、ロボットアームは、次いで、プラズマ処理モジュールのドアを通してウエハを処理モジュールに入れるであろう。ロボットアームは、次いで、エンドエフェクタおよびウエハをチャックの上に位置決めし、次いで、プラズマ処理のためにウエハをチャックに載せる。
【0058】
ウエハが適切に処理されることを保証する(そうして、制御可能でかつ反復可能な処理結果を保証する)ためには、プラズマ処理時にウエハをチャック上に中心合わせする必要がある。もし、エンドエフェクタがチャックに対して完璧に中心合わせされ、かつウエハがエンドエフェクタに対して完璧に中心合わせされていれば、ウエハは、ロボットアームがウエハをチャックに載せるときに、チャックに対して完璧に中心合わせされるであろう。
【0059】
ロボットコントローラの視点からすると、ウエハの載置を目的としてロボットコントローラがチャックの上にエンドエフェクタを中心合わせすることを可能にするためには、チャックの中心を知ることが重要である。したがって、任意の所定のプラズマ処理モジュールについて、ロボットコントローラは、チャックの位置およびチャック中心を教えられる必要がある。言い換えると、各チャックは、例えば加工公差および/または製作公差および/または組み立て公差ゆえに、各処理モジュール内において僅かに異なるように位置決めされる可能性があるので、ロボットコントローラは、チャックの厳密な場所およびチャック中心を、自身の座標系において決定する必要がある。
【0060】
エンドエフェクタ/チャック・ミスアラインメントを補償するために、校正時の通常の戦略は、エンドエフェクタによって定められた中心(本明細書では「エンドエフェクタ中心」または「エンドエフェクタ規定中心」と称される)が実際にチャックの中心にアラインメントする位置までロボットアームを移動させることを伴う。エンドエフェクタの校正を達成するためには、オペレータが、実際のエンドエフェクタ/チャック・アラインメント位置を決定することができる必要がある。先行技術では、チャック中心に対するエンドエフェクタ中心のアラインメントは、チャックの縁に装着するまたは処理モジュールの内部に取り付く機械的な製作固定具を使用して達成される。機械的固定具は、キー構造(基本的に、エンドエフェクタのための中心合わせ用の突出である)を有しており、これは、エンドエフェクタが校正用固定具のキー構造にちょうど寄りかかることを可能にする。固定具は、チャックに対して中心合わせされるので、エンドエフェクタは、固定具のキー構造に寄りかかったときに、チャック上に中心合わせされるであろう。通常、キー構造に対するエンドエフェクタの位置決めは、エンドエフェクタがキー構造に寄りかかるように、オペレータがエンドエフェクタをキー構造に対して引いたり押したりすることによって達成される。
【0061】
エンドエフェクタをキー構造に対して位置決めした後、オペレータは、次いで、ロボット制御システムが、この実際のエンドエフェクタ/チャック・アラインメントを達成するロボットアームの位置をロボット制御の座標系において記録することができるように、そのロボットアーム位置を、ロボット制御システムに登録する。
【0062】
生産時において、ロボットアームは、エンドエフェクタを、このエフェクタ/チャック・アラインメント位置に対応した座標に移動させる。もし、ウエハがエンドエフェクタに対して中心合わせされていれば、このとき実際にエンドエフェクタ中心がチャック中心にアラインメントしていることにより、ウエハは、ウエハ処理のためにロボットアームによってチャックに載せられるときに、チャックに対して中心合わせされるであろう。
【0063】
しかしながら、校正を目的としてチャックに対してエンドエフェクタを中心合わせするための先行技術には、不利点が伴う。先ず第1に、チャックおよび処理モジュールには、多くのタイプがある。したがって、校正を実施するために機械的固定具による方式を使用するためには、多くの異なる機械的固定具を製作して蓄えておく必要がある。また、物理的な機械的固定具は、硬質金属製の1つ以上の縁または表面を有することがあり、チャックに対するその取り付けは、チャックを損傷させる可能性がある。また、もし、処理モジュール内において幾つかのプラズマサイクルが実行された後、その場において(例えば生産工程の後、エンドエフェクタがチャックに対して中心合わせされていないかもしれないという懸念を受けて)校正がなされるならば、チャックに対する物理的な校正用固定具の取り付けは、チャック上またはチャック付近に沈着した粒子を処理チャンバ内へ剥落させる可能性がある。このような粒子は、後続の処理サイクルにおいて、望ましくない粒子汚染となる。
【0064】
また、校正は、大気圧において実施されるので、先行技術の校正技術は、生産時に存在する条件を効果的に再現することができない。なぜならば、生産時において、処理モジュールの部品は真空下に置かれ、これは、真空環境と周囲環境との間の圧力差ゆえに、1つ以上の部品を偏移させるからである。校正条件は、生産条件を忠実に再現しないので、正確な校正は、不可能であろう。
【0065】
さらに、もし、エンドエフェクタ/チャック・アラインメント位置へのエンドエフェクタの位置決めが手動で実施される(例えば、エンドエフェクタを機械的固定具のキー構造に寄りかからせるために、オペレータがエンドエフェクタを引いたり押したりすることを伴う)ならば、オペレータがロボットアームを解放してこのエンドエフェクタ/チャック・アラインメント位置をロボットコントローラに登録するときに、ロボットアーム位置に偏移が生じることがある。この偏移は、例えばロボットモータの電源が切られたなどの多くの理由によって生じえる。ロボットアームが離れるとき、この偏移は、たとえロボットオペレータによって感知することができない少量であっても、結果として校正プロセスに不正確さをもたらす可能性がある。もし校正プロセスが不正確であると、生産時におけるウエハの載置が不正確になり、歩留まりの低下、ならびに製品の不合格率および/または不良品率の増大をもたらす可能性がある。
【0066】
図A1は、ウエハ移送時にウエハを支えるための代表的な先行技術エンドエフェクタを示している。
【0067】
図A2は、エンドエフェクタをin-situで校正するためのin-situ光学的エンドエフェクタ校正システムの少なくとも一部分の上面図を描いたプラズマ処理システムの概略を、本発明の一実施形態にしたがって示している。
【0068】
図A3は、in-situ光学的エンドエフェクタ校正方法について説明した流れ図を、本発明の一実施形態にしたがって示している。
【0069】
発明の実施形態は、機械的固定具を使用することも、または先行技術のエンドエフェクタ校正方式に伴う不利点に見舞われることもなく、エンドエフェクタ校正を実施するための、in-situの方法および装置に関する。上述のように、エンドエフェクタ校正を実施するためには、エンドエフェクタ中心すなわちエンドエフェクタ規定中心(すなわちエンドエフェクタによって定められた/決定された中心であり、必ずしもエンドエフェクタの質量中心または幾何学的中心でなくてよい)をチャック中心にアラインメントさせる必要がある。実際のエンドエフェクタ/チャック・アラインメントを決定するために、先行技術は、上述のような多くの不利点を伴う機械的固定具を用いている。
【0070】
発明の1つ以上の実施形態では、実際のエンドエフェクタ/チャック・アラインメント位置を決定するために、in-situ光学的技術が用いられる。この決定プロセスは、エンドエフェクタ/チャック・ミスアラインメントを打ち消すためにロボットコントローラが生産時に必要な量だけロボットアームを移動させることを可能にするようなデータを生成する。
【0071】
発明の1つ以上の実施形態では、in-situ光学的エンドエフェクタ校正技術は、エンドエフェクタとチャックとがそれらの理論的なエンドエフェクタ/チャック・アラインメント(すなわち、チャックに対してエンドエフェクタが理論的に中心合わせされているとロボットコントローラが信じているときにそのエンドエフェクタがチャックに対して占めている位置)にあるときに、エンドエフェクタおよびチャックの静止画像を撮影することを伴う。エンドエフェクタは、撮影された静止画像をもとに処理ユニットがエンドエフェクタ規定中心を決定することを可能にする1つ以上の視覚的指標を提供される。同様に、チャックは、処理ユニットがチャックの中心を決定することを可能にするための1つ以上の視覚的指標(チャックの周を描いた概ね円形の輪郭など)を有する。
【0072】
処理ユニットによってエンドエフェクタ中心およびチャック中心が決定されると、これらの2つの中心間のズレ(すなわち「差分」)が計算される。次いで、エンドエフェクタを理論的なエンドエフェクタ/チャック・アラインメント位置から実際のエンドエフェクタ/チャック・アラインメント位置へ移動させるために必要とされる位置ベクトルが計算される。この位置ベクトルは、次いで、ロボットコントローラがエンドエフェクタ/チャック・ミスアラインメントを補償することを可能にするために、ロボットコントローラに提供される。
【0073】
1つ以上の実施形態では、in-situ光学的技術は、エンドエフェクタおよびチャックが生産条件下においてプラズマ処理チャンバ内に置かれている間に、エンドエフェクタおよびチャックの光学的画像を得ることができる画像取得装置(例えばカメラおよび/またはレンズ)を用いる。言い換えると、エンドエフェクタ校正プロセス時に、プラズマ処理チャンバを、生産時に存在する真空条件と実質的に同様な真空条件下に置くことができる。カメラおよび/またはレンズは、プラズマ処理チャンバの内側に置かれるか、または好ましくはプラズマ処理チャンバの外側に置かれ、ただし上記の視覚的指標を含むエンドエフェクタおよびチャックの領域への(例えば適切に設計された窓もしくは開口を通じた)光学的アクセスを有するかしてよい。生産時に見舞われる条件と実質的に同一の条件下で校正を実施することによって、圧力差ゆえに生じる校正誤差が実質的に解消される。
【0074】
発明の1つ以上の実施形態では、エンドエフェクタは、記録線を提供される。記録線は、in-situ光学的校正時に記録線の静止画像が撮影可能であるように、エンドエフェクタ上に位置決めされる。エンドエフェクタ上の記録線は、一実施形態では、中心をエンドエフェクタ規定中心に一致させた円の弧であるように構成される。記録線/弧が一部をなす円の弧および中心を決定することによって、エンドエフェクタ規定中心を決定することができる。しかしながら、その他の実施形態では、エンドエフェクタ規定中心を得るために用いることができる何か代わりの基準マークが用いられてもよいと考えられる。
【0075】
さらに、in-situ光学的校正時に、画像取得装置(カメラおよび/またはレンズ)は、チャックの中心を推定するために使用することができるチャックの周またはチャックのもしくはチャック上の視覚的指標も部分的にあるいは全体的に画像に取り込むように位置決めされる。処理ユニットがチャックの中心を決定することを可能にするために、エンドエフェクタの場合と同様に、チャック用に、1つ以上の視覚的指標を提供することができる。一実施形態では、チャックの外周自体がこのような所望の視覚的指標になっている。
【0076】
一実施形態では、チャックの視覚的指標(一実施形態では例えばチャックの円周)によって描かれる円を決定することによって、チャックの中心を決定することができる。前述のように、エンドエフェクタ中心およびチャック中心が決定されると、エンドエフェクタ/チャック・ミスアラインメントを補償するための補正因子として差(「差分」)を決定して、ロボット制御システムに提供することができる。
【0077】
本発明の特徴および利点は、図面および以下の議論を参照にして、より良く理解されるであろう。
【0078】
図A2は、in-situで(例えば半導体デバイス生産条件下でプラズマ処理システムA220内において)機械的固定具を必要とせずにエンドエフェクタを校正するためのin-situ光学的エンドエフェクタ校正システムA200の少なくとも一部分の上面図を描いたプラズマ処理システムA220の概略を、本発明の一実施形態にしたがって示している。図A2に見られるように、in-situ光学的エンドエフェクタ校正システムA200は、記録マークA204を上に有するエンドエフェクタA202を含む。記録マークA204は、図A2の例では、エンドエフェクタA202によって定義された中心に一致する中心を有する円の一部分を表す弧である。円の中心の決定、および円に対応するこのような弧の記録は、当業者の持つ技術の範囲内である。
【0079】
図A2は、処理モジュール内のチャックを表すチャックA206も示している。in-situ光学的エンドエフェクタ校正技術は、ロボットアーム制御システムA222に必要な補正ベクトルを生成するために、in-situ光学的方法を使用して、チャックの中心およびエンドエフェクタ規定中心を決定するように構成される。校正時において、画像取得装置A250(例えばエンドエフェクタA202およびチャックA206の上方に配置されたカメラ)は、記録マークA204を含むエンドエフェクタA202の少なくとも一部分のおよびチャックA206の少なくとも一部分の少なくとも1枚の静止画像を撮影することができる。なお、もし画像がカメラおよび/またはレンズ構成によって上方から撮影される場合は、チャックA206の一部分がエンドエフェクタA202の下に隠れることがあることに留意されたい。
【0080】
それにもかかわらず、処理ユニットA224(例えばロジックモジュールA210に含まれる)は、チャックA206の円周によって形成される円を再構成することおよびその円の中心(チャックA202の中心を表す)を決定することができるであろう。同様に、処理ユニットA224(例えばロジックモジュールA210に含まれる)は、記録線/弧A204によって一部を構成される円を再構成することおよびその円の中心を決定することができるであろう。この円は、図A2において、破線の円A212によって表される。
【0081】
図A2は、また、上記の処理ユニットA224によって決定されたエンドエフェクタ規定中心A202を表すエンドエフェクタ中心A214も示している。また、チャックA206の中心を表すチャック中心A216も示されている。次いで、エンドエフェクタ中心A214からチャック中心A216までの差ベクトルA218が生成される。エンドエフェクタ中心A214は、理論的なエンドエフェクタ/チャック・アラインメント位置を表し、チャック中心A216は、実際のエンドエフェクタ/チャック・アラインメント位置を表すので、位置差ベクトルA218は、エンドエフェクタ中心A214をチャック中心A216にアライメントするために必要とされる補正を表す。エンドエフェクタA214がチャック中心A216にアラインメントされると、実際のエンドエフェクタ/チャック・アラインメントが実現される。この差ベクトルA218をロボット制御システムA222に提供することによって、ロボット制御システムA222は、生産時に、位置差ベクトルA218によって提供される距離および方向だけロボットをエンドエフェクタ中心A214から移動させることによって、エンドエフェクタ/チャック・ミスアラインメントを効果的に補正することができる。
【0082】
図A3は、in-situ光学的エンドエフェクタ校正方法について説明した流れ図を、本発明の一実施形態にしたがって示している。方法は、例えば、図A2の例を参照にして論じられた1つ以上の部品を用いて実施することができる。工程A302において、エンドエフェクタは、理論的なエンドエフェクタ/チャック・アラインメントに、すなわちチャックに対してエンドエフェクタが理論的に中心合わせされたとロボット制御システムによって見なされる位置に、ロボットアームによって移動される。工程A304では、エンドエフェクタ、エンドエフェクタ上の視覚的指標、およびチャックの静止画像が、図2に関連して論じられた方式で撮影される。
【0083】
工程306では、エンドエフェクタ上の視覚的指標(例えば上記の記録マーク)を取得するためおよびチャックの外周によって形成される円を決定するために、画像処理が行われる。処理ユニットを補助するために、カメラおよび/またはレンズは、その光周波数、照明条件、開口、焦点、および/または視野などが、エンドエフェクタ中心およびチャック中心を決定するためのデータを提供する視覚的指標を処理ユニットが取得するのに最適であるように、構成することができる。
【0084】
一実施形態では、工程A308は、画像内のコントラストをなす画素に沿って複数のデータ点を生成すること、および所望の円を再形成するために曲線適合法を実施することを伴う。このような画像処理技術および曲線適合技術は、その他の分野の当業者に周知であり、多くの既製の一般的処理ユニットパッケージ(例えば、ニュージャージー州ウッドクリフレイクのKeyence Corporationより入手可能な、CV-3002シリーズのコントローラCV-H3Nに使用されるKeyence通信ソフトウェアなど)を使用して達成することができる。
【0085】
工程A310では、エンドエフェクタ規定中心は、エンドエフェクタの視覚的指標(例えば記録線)をもとに処理ユニットによって再形成される円から突き止められる。工程A312では、チャックの中心は、チャックの視覚的指標(例えばチャックの外周)をもとに処理ユニットによって再形成される円から突き止められる。工程A314では、エンドエフェクタ中心からチャック中心までの差ベクトルが決定される。工程A316では、エンドエフェクタ/チャック・ミスアラインメントを補償するためにロボット制御システムが生産時にロボットアームを移動させることを可能にするために、この差ベクトルがロボット制御システムに提供される。
【0086】
以上からわかるように、発明の実施形態は、機械的固定具による先行技術の校正方式に関連した不利点をほとんど伴わない形でエンドエフェクタ校正を実現する。校正をin-situで実施することによって、生産時の条件が忠実に再現され、その結果、より正確な校正プロセスが得られる。これらの条件は、例えば、同様の真空条件および同様のロボットサーボパラメータを含む。機械的固定具が用いられないので、異なるプラズマ処理モジュール用に異なる機械的な校正用固定具を製造して大量の在庫を維持することによるコストが削減される。さらに、非接触式でかつ非物理的な校正技術の使用は、校正に関連したチャックの損傷および校正に関連した粒子汚染の可能性をなくし、チャンバおよび/または被製作デバイスを危険にさらすことなくもっと頻繁にかつ/または生産工程の途中で校正を実施することを可能にする。
考察A[終了]
【0087】
考察B[開始]
半導体基板(例えばウエハ)の処理では、しばしばプラズマが用いられる。プラズマ処理では、ウエハは、プラズマ処理システムを使用して処理され、該システムは、通常、複数の処理モジュールを含む。基板(例えばウエハ)は、プラズマ処理時に、処理モジュールの内側においてチャック上に配置される。
【0088】
処理モジュールに対してウエハを出し入れするために、ウエハは、通常、エンドエフェクタに載せられて、チャック上へ移送される。エンドエフェクタは、ウエハ移送時にウエハを支えるように構成された構造部品である。エンドエフェクタは、通常、ロボットアーム上に配置される。図B1は、ウエハ移送時にウエハB104を支えるための代表的な先行技術エンドエフェクタB102を示している。説明を目的として、ロボットアームB106の一部分も示されている。
【0089】
総じて、ウエハ移送手順において、ロボットアームは、先ず、エンドエフェクタを移動させて、ウエハをウエハ貯蔵用のカセットまたはステーションから取り上げる。ウエハがエンドエフェクタ上に位置決めされたら、ロボットアームは、次いで、処理モジュールのドアを通してウエハを処理モジュールに入れるであろう。ロボットアームは、次いで、エンドエフェクタおよびウエハをチャックの上に位置決めし、次いで、プラズマ処理のためにウエハをチャックに載せる。
【0090】
ウエハが適切に処理されることを保証する(そうして、制御可能でかつ反復可能な処理結果を保証する)ためには、プラズマ処理時にウエハをチャック上に中心合わせする必要がある。もし、エンドエフェクタがチャックに対して適正に中心合わせされ、かつウエハがエンドエフェクタに対して適正に中心合わせされていれば、ウエハは、ロボットアームがウエハをチャックに載せるときに、チャックに対して適正に中心合わせされるであろう。しかしながら、以下において一部を論じられる多くの理由ゆえに、この理想的なシナリオは稀である。
【0091】
処理チャンバの様々な部品間の加工公差および/または製作公差ゆえに、エンドエフェクタによって定められた中心(本明細書では「エンドエフェクタ中心」または「エンドエフェクタ規定中心」と称される)は、所定の処理モジュール内においてチャックの中心に対して僅かにズレている可能性がある。その結果、エンドエフェクタによって定められた中心は、ウエハ載置に適正な位置であるものとロボットコントローラによって見なされるロボットアーム位置にあるときに、チャックの中心に適正にアラインメントしていない可能性がある。もし、このエンドエフェクタ/チャック・ミスアラインメントが生産時に補償されないと、ウエハは、ウエハ処理時にチャック中心に対して正確に置かれない恐れがある。本出願の発明者らによって同日付けで出願され、参照によって本明細書に組み込まれ、「SYSTEMS AND METHODS FOR CALIBRATING END EFFECTOR ALIGNMENT IN A PLASMA PROCESSING SYSTEM(プラズマ処理システムにおいてエンドエフェクタのアラインメントを校正するためのシステムおよび方法)」と題された、代理人整理番号第LMRX-P143/P1747号の同時係属特許出願では、このエンドエフェクタ/チャック・ミスアラインメントに対処するための技術が提案されている。上記の特許出願「SYSTEMS AND METHODS FOR CALIBRATING END EFFECTOR ALIGNMENT IN A PLASMA PROCESSING SYSTEM(プラズマ処理システムにおいてエンドエフェクタのアラインメントを校正するためのシステムおよび方法)」において論じられた技術に関する詳細は、後述の考察Aにおいて再吟味される。
【0092】
しかしながら、たとえエンドエフェクタ中心がチャック中心に適正にアラインメントされていても(または、正しいアラインメントの効果を実現するように作られていても)、生産時に結果としてウエハ/チャック・ミスアラインメントを生じえる別の潜在的誤差原因が存在する。すなわち、生産ウエハごとに、エンドエフェクタ上における位置決めが異なる可能性がある。もしエンドエフェクタ中心がウエハの中心に適正にまたは一貫してアラインメントされないと、生産時になおウエハ/チャック・ミスアラインメントが生じる恐れがある。この場合、たとえエンドエフェクタ中心がチャック中心に適正にアラインメントされていても、ウエハは、処理のためにエンドエフェクタによってチャック上に置かれるときに、ウエハ/エンドエフェクタ・ミスアラインメントゆえにチャックに対してズレを生じる。
【0093】
エンドエフェクタ/チャック・ミスアラインメントの問題は、チャンバ部品の公差およびロボット校正の問題によって引き起こされるので、所定の処理モジュールにおいて全てのウエハに対して一貫して生じる誤差である傾向があるが、ウエハ/エンドエフェクタ・ミスアラインメントは、生産ウエハごとに異なると考えられる。言い換えると、生産ウエハは、エンドエフェクタ上においてそれぞれ異なるように位置決めされる可能性があり、その結果としてミスアラインメントに差を生じる。したがって、このようなエンドエフェクタ/ウエハ・ミスアラインメントに対処するための解決策は、動的なアプローチを必要とする、すなわち、生産時にエンドエフェクタに対する個々の生産ウエハの誤差を調整することができる方式を必要とする。
【0094】
先行技術では、エンドエフェクタ/ウエハ・ミスアラインメントは、動的アラインメント・ビーム方式を使用して対処される。動的アラインメント(dynamic alignment:DA)ビーム検出システムは、通常、プラズマ処理モジュールのドアの入口に位置する2つのビーム(すなわちレーザビーム)を用いる。(ウエハ平行移動面に直交するビームを伴う)DAビームを通ってウエハが移動するのに伴って、DAビームは、ビームへのウエハの進入とともに開かれ、ウエハの存在がなくなる時点で回復する。このビーム信号の遮断−回復パターンは、生産DAビームパターンを生成する。
【0095】
動的アラインメント・ビーム方式では、基準DAビームパターンを得る必要がある、すなわち、エンドエフェクタ上に適正に中心合わせされたウエハがDAビームを通って移動するときに生成されるDAビームパターンを得る必要がある。生産DAビームパターン(すなわち、生産ウエハについて得られたビームパターン)を基準DAビームパターンと比較することによって、誤差ベクトルが得られる。ロボットコントローラは、次いで、生産時にエンドエフェクタ/ウエハ・ミスアラインメントを補正するために必要とされる量だけロボットアームを移動させることができる。動的アラインメント・ビームに関するさらなる情報は、例えば、参照によって本明細書に組み込まれる交付済みの米国特許第6,502,054号および第6,629,053号に見いだされる。
【0096】
基準DAビームパターンを得るプロセスは、本明細書において、DAビーム校正と称される。DAビームを校正するためには、次いで、エンドエフェクタ上に適正に中心合わせされたウエハを含むDAビーム校正アセンブリを取得することすなわち得ること、および基準DAビームパターンが取得できるようにそのDAビーム校正アセンブリをDAビームに通らせることが必要である。
【0097】
先行技術において、DAビーム校正アセンブリは、ウエハをシミュレートした模擬円板を使用して得られる。円板は、エンドエフェクタの切り欠き(図B1におけるエンドエフェクタB102の切り欠きB110など)にちょうど嵌る下向きの突縁を有する。円板がエンドエフェクタの切り欠きに嵌ると、この組み合わせは、エンドエフェクタに対して適正に中心合わせされたウエハをシミュレートしたものになる。シミュレートされたウエハとエンドエフェクタとの組み合わせは、次いで、基準DAビームパターンを得るために、ロボットアームによって、チャックに向かう直線の軌道経路でDAビームに通されて、処理モジュールに入る。
【0098】
しかしながら、基準DAビームパターンを得る目的でウエハシミュレート円板を使用して校正アセンブリを作成する先行技術には、不利点が伴う。第1に、エンドエフェクタに対する物理的な機械的固定具(ウエハシミュレート円板など)の取り付けは、エンドエフェクタを損傷させる可能性がある。
【0099】
また、もし、処理モジュール内において幾つかのプラズマサイクルが実行された後、その場において校正がなされるならば、エンドエフェクタに対する物理的なまたは機械的な固定具の載置は、エンドエフェクタ上またはエンドエフェクタ付近に沈着した粒子を処理モジュール内へ剥落させる可能性がある。このような粒子は、後続の処理サイクルにおいて、望ましくない粒子汚染となる。
【0100】
また、校正は、大気圧において実施されるので、先行技術による校正技術は、生産時に存在する条件を効果的に再現することができない。なぜならば、生産時において、処理モジュールの部品は真空下に置かれ、これは、真空環境と周囲環境との間の圧力差ゆえに、1つ以上の部品を偏移させるからである。校正条件は、生産条件を忠実に再現しないので、正確な校正は、不可能であろう。もし校正プロセスが不正確であると、生産時におけるウエハ載置が不正確になり、歩留まりの低下、ならびに製品の不合格率および/または不良品率の増大をもたらす可能性がある。
【0101】
発明の実施形態は、DA(dynamic alignment:動的アラインメント)ビームを校正することを目的としてDAビーム校正アセンブリを作成するための方法および装置に関する。一実施形態において、DAビーム校正アセンブリに要求される(エンドエフェクタに対する校正ウエハの)ウエハ中心合わせ要件は、エンドエフェクタ上に適正に中心合わせされていない校正ウエハをロボットアームの移動を使用して補償することによってシミュレートされる。適正でないエンドエフェクタ/ウエハ・アラインメントを補償するためにロボットアームが必要とする補正の量を決定するために、光学的ウエハ中心合わせ方法が用いられる。ロボットアームの移動を使用して適正でないエンドエフェクタ/ウエハ・アラインメントを補償することによって、シミュレーションを通じて、エンドエフェクタ上に適正に中心合わせされたウエハの効果が実現される。
【0102】
(上記の光学的ウエハ中心合わせ方法を通じて取得された補償データを使用して、)適正でないエンドエフェクタ/ウエハ・アラインメントを補償するために必要とされる量だけロボットアームが移動されたら、結果として得られるDAビーム校正アセンブリを、所望のDAビームパターンを得るためにDAビームに通らせることができる。有利なことに、本発明の実施形態は、機械的固定具(例えばウエハシミュレート円板)を必要とすることも、先行技術のDAビーム校正方式に伴う不利点に見舞われることもなく、DAビーム校正を実現する。
【0103】
発明の1つ以上の実施形態では、エンドエフェクタ規定中心に対する校正ウエハ(すなわちDAビーム校正に用いられるウエハ)の場所を決定するために、光学的ウエハ中心合わせ技術が用いられる。なお、校正ウエハは、生産に使用されるウエハと実質的に同様な任意のウエハまたはウエハ加工物を表してよいことに留意されたい。この光学的ウエハ中心合わせのプロセスは、校正ウエハ中心とエンドエフェクタ中心との間の任意のズレを調整するために必要な量だけロボットコントローラがロボットアームを移動させることを可能にするようなデータを生成する。
【0104】
発明の1つ以上の実施形態では、エンドエフェクタ上に校正ウエハが配置されたときに、校正ウエハの少なくとも一部分およびエンドエフェクタの少なくとも一部分の少なくとも1枚の静止画像が撮影される。エンドエフェクタは、撮影された静止画像をもとに処理ユニットがエンドエフェクタ規定中心を決定することを可能にする1つ以上の視覚的指標を提供される。発明の1つ以上の実施形態では、エンドエフェクタは、記録線(または円の弧を形成する任意の基準マーク)を提供される。記録線は、たとえウエハがエンドエフェクタ上に配置されているときでも記録線の静止画像が撮影可能であるように、エンドエフェクタ上に位置決めされる。エンドエフェクタ上の記録線は、一実施形態では、中心をエンドエフェクタ規定中心に一致させた円の弧であるように構成される。記録線が一部をなす円の弧および中心を決定することによって、エンドエフェクタ規定中心を決定することができる。
【0105】
同様に、ウエハは、処理ユニットがウエハの中心を決定することを可能にするための1つ以上の視覚的特徴(ウエハの周を描いた概ね円形の輪郭など)を有する。処理ユニットがウエハの中心をもっと効率的に決定することを可能にするために、エンドエフェクタの場合と同様に、校正ウエハ用に、代わりにまたは追加で1つ以上の視覚的指標を提供することができる。好ましい実施形態では、しかしながら、ウエハの外周自体がこのような所望の視覚的指標になっている。処理ユニットによってウエハ中心およびエンドエフェクタ中心が決定されると、これらの2つの中心間のズレ(すなわち「Δ」)が計算される。
【0106】
一般的に、ウエハ/エンドエフェクタ・ミスアラインメントを補正するためのものとして、少なくとも2つの技術がある。第1の技術は、物理的補正である。物理的補正は、エンドエフェクタおよびウエハを保持ステーションに移動させることによって達成される。ウエハは、保持ステーション上に置かれ、ロボットアームは、光学的ウエハ中心合わせ方法によって見いだされたズレを補正するために、「差分」距離だけエンドエフェクタを移動させる。エンドエフェクタは、次いで、光学的分析のために、ウエハを再び取り上げる。要するに、エンドエフェクタ上にウエハを物理的に位置決めしなおすことが行われる。プロセスは、ウエハが首尾よくエンドエフェクタ上に中心合わせされたことがわかるまで、反復して実施することができる。
【0107】
ウエハ/エンドエフェクタ・ミスアラインメントを補正するための第2の技術は、ロボットアームを移動させることであり、これは、光学的ウエハ中心合わせプロセスによって決定されたデータに基づく誤差補正ベクトルぶんだけエンドエフェクタとウエハとからなるアセンブリを効果的に移動させる。この移動は、校正ウエハがエンドエフェクタ上に適正に中心合わせされた場合にその校正ウエハが占めるであろうウエハ位置を、DAビームに照らしてシミュレートする。このような補正後、エンドエフェクタ/ウエハアセンブリは、所望の基準DAビームを取得するために(好ましくは一直線に)DAビームに通すことができる。
【0108】
本発明の特徴および利点は、図面および以下の議論を参照にして、より良く理解されるであろう。
【0109】
図B2は、DAビーム校正を目的として適正に中心合わせされたウエハ/エンドエフェクタ・アセンブリを作成するまたはシミュレートすることを可能にするための光学的ウエハ中心合わせシステムの少なくとも一部分の上面図を描いたプラズマ処理システムB220の概略を、本発明の一実施形態にしたがって示している。図B2に見られるように、光学的ウエハ中心合わせシステムは、記録マークB204を上に有するエンドエフェクタB202を含む。記録マークB204は、図B2の例では、エンドエフェクタ規定中心に一致する中心を有する円の一部分を表す弧である。
【0110】
図B2は、基準DAビームパターンを作成するために用いられる校正ウエハを表すウエハB206も示している。光学的ウエハ中心合わせシステムは、ウエハを実際にエンドエフェクタ上に中心合わせするために、またはDAビーム校正を目的として、エンドエフェクタ上に適正に中心合わせされたウエハをシミュレートするために、光学的方法を使用してウエハの中心およびエンドエフェクタ規定中心を決定するように構成される。
【0111】
光学的ウエハ中心合わせにおいて、画像取得装置B250(例えばエンドエフェクタB202およびウエハB206の上方に配置されたカメラ)は、記録マークB204を含むエンドエフェクタB202のおよびウエハB206の少なくとも1枚の静止画像を撮影することができる。なお、もし静止画像がカメラおよび/またはレンズ構成によって上方から撮影される場合は、エンドエフェクタB202の一部分がウエハB206の下に隠れることがあることに留意されたい。重要なのは、それでもなお記録マークB204の一部または全部が静止画像内に取り込まれることである。
【0112】
処理ユニットB224(例えばロジックモジュールB208に含まれる)は、ウエハB206の円周によって形成される円を再構成することおよびその円の中心(ウエハB206の中心B210を表す)を決定することができるであろう。同様に、処理ユニットB224(例えばロジックモジュールB208に含まれる)は、記録線B204によって一部を構成される円を再構成することおよびその円の中心を決定することができるであろう。この円は、図B2において、破線の円B212によって表される。
【0113】
図B2は、また、上記の処理ユニットによって決定されたエンドエフェクタ規定中心B202を表すエンドエフェクタ中心B214も示している。次いで、差分B216(すなわち、算出されたウエハ中心B210からエンドエフェクタ中心B214までの差)が生成される。この差分B216は、校正ウエハをその現行位置(エンドエフェクタに対して適正に中心合わせされていない位置)から適正に中心合わせされた校正ウエハが占めるであろう位置へ移動させるためにロボットアームによって用いられる補正因子を表している。
【0114】
言い換えると、ロボットアームによってこの補正がなされると、エンドエフェクタ上に配置されたウエハは、DAビームにとって、エンドエフェクタ上に適正に中心合わせされたウエハと同じように見えることになる。DAビームの遮断−回復パターンを記録することによって、基準DAビームパターンが得られる。上述のように、この基準DAビームパターンは、生産時にとある生産ウエハのために必要とされるロボットアーム補正の量を決定するために、生産時に生産DAビームパターン(すなわち、生産ウエハによって形成されたDAビームパターン)と比較するために使用することができる。
【0115】
あるいは、先述のように、ロボットアームは、校正ウエハを保持ステーションまたは保持ジグに移動させることができる。校正ウエハが保持ステーションまたは保持ジグに載せられると、ロボットアームは、エンドエフェクタを校正ウエハに対して位置決めしなおすために、(光学的ウエハ中心合わせプロセスにおいて得られた)位置補正ベクトルぶんだけエンドエフェクタを移動させることができる。撮像のプロセス、ズレを分析するプロセス、およびエンドエフェクタ上にウエハを位置決めしなおすプロセスは、ウエハが首尾よくエンドエフェクタ上に中心合わせされるまで、反復的に実施することができる。結果得られた校正用固定具(すなわち、エンドエフェクタ上に適正に中心合わせされたウエハ)は、次いで、先述の方式で基準DAビームパターンを得るために用いられる。
【0116】
一実施形態では、光学的ウエハ中心合わせシステムは、in-situで(例えば、ウエハおよびエンドエフェクタが処理モジュールの内側に配置されているときに、静止画像を得ることができるカメラおよび/またはレンズ構成を使用して、)実施することができる。同じまたは代わりとなる実施形態では、処理モジュールは、生産条件に実質的に近い条件下に置かれる。必ずしも必要とは限らないが、in-situ光学的ウエハ中心合わせおよび/またはin-situDAビーム校正は、生産条件と実質的に同様の条件下における中心合わせおよび/または校正の実施を有利に可能にすることによって、中心合わせ関連の誤差および/または校正関連の誤差を減少させる。
【0117】
in-situで静止画像が撮影されたら、校正ウエハおよびエンドエフェクタを含むアセンブリは、処理モジュールから取り除かれる。次いで、エンドエフェクタ/ウエハ・ミスアラインメントを打ち消すために、任意の所望の補正を行うことができる。補正がなされた後、校正ウエハおよびエンドエフェクタを含むアセンブリは、所望の基準DAビームパターンを生成するために、DAビームに再び通されて、処理モジュールに導入される。
【0118】
別の実施形態では、光学的ウエハ中心合わせ技術は、処理モジュールの外側で実施することができる。静止画像が撮影され、分析され、あらゆる必要な補正がなされたら、校正ウエハおよびエンドエフェクタを含む校正アセンブリは、所望の基準DAビームパターンを生成するために、DAビームに再び通されて、処理モジュールに導入される。
【0119】
図B3は、DAビーム校正を促進するために光学的ウエハ中心合わせ技術を使用してエンドエフェクタ規定中心に対して中心合わせされたウエハを作成するまたはシミュレートするための工程について説明した流れ図を、本発明の一実施形態にしたがって示している。方法は、例えば、図B2の例を参照にして論じられた1つ以上の部品を用いて実施することができる。工程B302において、ウエハは、エンドエフェクタ上の1つ以上の視覚的指標およびウエハ上の1つ以上の視覚的指標を含む静止画像が撮影可能であるように、エンドエフェクタ上に置かれる。
【0120】
工程B304では、エンドエフェクタ、エンドエフェクタ上の1つ以上の視覚的指標、およびウエハの静止画像が、図B2に関連して論じられた方式で撮影される。
【0121】
工程B306では、エンドエフェクタ上の1つ以上の視覚的指標(例えば上記の記録マーク)を決定するためおよびウエハの外周によって形成される円を決定するために、画像処理が行われる。一実施形態では、静止画像は、コントラストについて分析される。処理ユニットを補助するために、カメラおよび/またはレンズは、その光周波数、照明条件、開口、焦点、視野などが、コントラストを決定するのにならびにエンドエフェクタ中心およびウエハ中心を決定するためのデータを提供する視覚的指標を処理ユニットが取得するのに最適であるように、構成することができる。当業者ならば、画像内のコントラストを向上させるためにおよび/または画像処理をもっと正確にするために、これらのパラメータおよび条件、ならびにその他の画像関連パラメータの制御がなされてよいことを、以上から容易に理解することができるであろう。
【0122】
一実施形態では、工程B308は、静止画像内のコントラストをなす画素に沿って複数のデータ点を生成すること、および所望の円を再形成するために曲線適合法(カーブ・フィッティング)を実施することを伴う。このような画像処理技術および曲線適合技術は、その他の分野の当業者に周知であり、多くの既製の一般的処理ユニットパッケージ(例えば、ニュージャージー州ウッドクリフレイクのKeyence Corporationより入手可能な、CV-3002シリーズのコントローラCV-H3Nに使用されるKeyence通信ソフトウェアなど)を使用して達成することができる。
【0123】
工程B310では、エンドエフェクタ規定中心は、エンドエフェクタの視覚的指標(例えば記録線)をもとに処理ユニットによって再形成される円から突き止められる。
【0124】
工程B312では、ウエハの中心は、ウエハの視覚的指標(例えばウエハの外周)をもとに処理ユニットによって再形成される円から突き止められる。
【0125】
工程B314では、次いで、2つの中心間の差(すなわち、算出されたウエハ中心からエンドエフェクタ中心までの差)が生成される。例えば、一実施形態では、2つのウエハ(例えば生産ウエハおよび校正ウエハ)を表す2つの円を再構成して、それらの中心(およびウエハ中心間の差)を決定するために、DAビームパターンが用いられる。次いで、ロボットアームを移動させるために必要とされる位置差ベクトルを決定して、エンドエフェクタに対して適正に中心合わせされていないウエハがDAビームにとってあたかもエンドエフェクタに対して修正され適正に中心合わせされたウエハであるように見えることを可能にするために、アルゴリズムが用いられる。
【0126】
工程B316では、ロボットコントローラが補償を実施することを可能にするために、この誤差ベクトルがロボットコントローラに提供される。エンドエフェクタ/ウエハ・ミスアラインメントが補償されると、校正ウエハおよびエンドエフェクタを含む校正用固定具は、上記の基準DAビームを得るために、DAビームに好ましくは一直線に通される。
【0127】
以上からわかるように、発明の実施形態は、機械的な固定具による先行技術の方式に関連する不利点を伴わない形で基準DAビームパターンを取得することを容易にする。さらに、適正に中心合わせされたウエハをシミュレートするための特別に作成されたディスクを使用する必要がなくなることによって、なじみのないハードウェアがプラズマ処理モジュールに導入されることがなくなり、そうして、校正関連のエンドエフェクタ損傷および校正関連の粒子汚染の可能性が低減される。
【0128】
本発明は、幾つかの好ましい実施形態の観点から説明されているが、本発明の範囲に含まれる代替、置換、および均等物がある。本明細書では、様々な実施例が提供されるが、これらの実施例は、発明に対して例示的であって非限定的であることを意図される。例えば、本明細書の例の視覚的指標は弧であるが、処理ユニットがエンドエフェクタ中心および/またはウエハ中心を生成することを可能にすることができる任意のその他の視覚的マークを用いることが可能である。
考察B終了
【0129】
本明細書では、様々な実施例が提供されるが、これらの実施例は、発明に対して例示的であって非限定的であることを意図される。また、名称および概要は、本明細書において便宜のために提供されたものであり、特許請求の範囲を解釈するために使用されるべきでない。さらに、要約は、極めて省略された形で記載され、本明細書において便宜のために提供されたものであり、したがって、特許請求の範囲に表された全体的発明を解釈するためにも制限するためにも用いられるべきでない。もし、本明細書において「集合(set)」という用語が用いられる場合は、このような用語は、ゼロの、1つの、または2つ以上の部材を対象範囲とした普通に理解される数学的意味を有することを意図される。また、本発明の方法および装置を実現するものとして多くの代替的方法があることにも留意するべきである。したがって、以下の添付の特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨および範囲に含まれるものとしてこのようなあらゆる代替、置換、および均等物を含むものと解釈される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理システムにおいてチャックに対するエンドエフェクタのアラインメントを校正するための方法であって、
前記エンドエフェクタから前記チャックへ第1の光ビームを提供することと、
前記第1の光ビームが前記チャックの表面を走査するように、あらかじめ定められた校正経路に沿って前記エンドエフェクタを移動させることと、
反射光信号の集合を受信することであって、前記反射光信号の集合は、少なくとも、移動時に前記表面が前記第1の光ビームを反射するときに生成される、ことと、
3つ以上の不連続性を特定するために、前記反射光信号の集合を分析することであって、前記3つ以上の不連続性は、前記第1の光ビームが前記チャックの縁に当たるときに生成される3つ以上の反射光信号に関係している、ことと、
前記3つ以上の不連続性に基づいて3つ以上の座標データ点を決定することであって、前記3つ以上の座標データ点は、前記チャックの前記縁上の3つ以上の点を表している、ことと、
前記3つ以上の座標データ点に基づいて前記チャックの中心を決定することと、を備える方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
前記第1の光ビームを生成するために、前記エンドエフェクタのエンドエフェクタ規定中心に光源を装着することを備える方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
前記第1の光ビームを生成するために、前記エンドエフェクタのエンドエフェクタ規定中心から既知の隔離距離の位置に光源を装着することを備える方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記3つ以上の不連続性は、4つ以上の不連続性である、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
ロボットコントローラが前記チャックの前記中心に対して前記エンドエフェクタを校正することを可能にするために、前記ロボットコントローラに前記チャックの前記中心を提供することを備える方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
第2の光ビームが前記チャックの上面から所定の高さにおいて前記チャックの前記上面に平行に伝送されるように、前記第2の光ビームを提供することと、
第2のあらかじめ定められた校正経路に沿って前記エンドエフェクタを移動させることと、
前記エンドエフェクタに装着されたセンサに前記第2の光ビームが当たるときに、前記第2の光ビームを検出することと、
1つ以上の座標データ点を記録することであって、前記1つ以上の座標データ点は、前記第2の光ビームの1つ以上の検出を表している、ことと、を備える方法。
【請求項7】
プラズマ処理システムにおいてチャックに対するエンドエフェクタのアラインメントを校正するためのエンドエフェクタ校正システムであって、
前記エンドエフェクタから前記チャックへ第1の光ビームを提供するように構成された光源と、
前記第1の光ビームが前記チャックの表面を走査するように、第1のあらかじめ定められた校正経路に沿って前記エンドエフェクタを移動させるように構成された、ロボットアームと、
反射光信号の集合を受信するように構成されたセンサであって、前記反射光信号の集合は、少なくとも、移動時に前記表面が前記第1の光ビームを反射するときに生成される、センサと、
処理ユニットであって、
3つ以上の不連続性を特定するために、前記反射光信号の集合を分析することであって、前記3つ以上の不連続性は、前記第1の光ビームが前記チャックの縁に当たるときに生成される3つ以上の反射光信号に関係している、ことと、
前記3つ以上の不連続性に基づいて3つ以上の座標データ点を決定することであって、前記3つ以上の座標データ点は、前記チャックの前記縁上の3つ以上の点を表している、ことと、
前記3つ以上の座標データ点に基づいて前記チャックの中心を決定することと、
の少なくとも1つのために構成された処理ユニットと、を備えるシステム。
【請求項8】
請求項7に記載のシステムであって、
前記光源は、前記第1の光ビームを生成するために、前記エンドエフェクタのエンドエフェクタ規定中心に装着されるように構成される、システム。
【請求項9】
請求項7に記載のシステムであって、
前記光源は、前記第1の光ビームを生成するために、前記エンドエフェクタのエンドエフェクタ規定中心から既知の隔離距離の位置に装着されるように構成される、システム。
【請求項10】
請求項7に記載のシステムであって、
前記センサの少なくとも一部分は、プラズマ処理チャンバの内側に実装される、システム。
【請求項11】
請求項7に記載のシステムであって、
前記3つ以上の不連続性は、4つ以上の不連続性である、システム。
【請求項12】
請求項7に記載の方法であって、さらに、
第2の光ビームが前記チャックの上面から所定の高さにおいて前記チャックの前記上面に平行に伝送されるように、前記第2の光ビームを提供するための、第2の光源を備え、
前記ロボットアームは、第2のあらかじめ定められた校正経路に沿って前記エンドエフェクタを移動させるようにも構成され、
前記センサおよび前記エンドエフェクタに装着された第2のセンサの少なくとも1つは、前記第2の光ビームが当たるときに前記第2の光ビームを検出するように構成され、
前記処理ユニットは、1つ以上の座標データ点を記録するようにも構成され、前記1つ以上の座標データ点は、前記第2の光ビームの1つ以上の検出を表している、システム。
【請求項13】
プラズマ処理チャンバにおいて、チャックの上面に対するエンドエフェクタの垂直位置を校正するための方法であって、
光ビームが前記チャックの上面から所定の高さにおいて前記チャックの前記上面に平行に伝送されるように、前記光ビームを提供することと、
あらかじめ定められた校正経路に沿って前記エンドエフェクタを移動させることと、
前記エンドエフェクタに装着されたセンサに前記光ビームが当たるときに、前記光ビームを検出することと、
1つ以上の座標データ点を記録することであって、前記1つ以上の座標データ点は、前記光ビームの1つ以上の検出を表している、ことと、
を備える方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、さらに、
前記光ビームを生成するために、前記チャックの前記上面から前記所望の高さにおいて処理モジュールの内壁に光源を装着することを備える方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法であって、さらに、
前記光ビームを生成するために、処理モジュールの内側に光源の少なくとも一部分を装着することを備える方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図A1】
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【図A2】
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【図A3】
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【図B1】
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【図B2】
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【図B3】
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【公表番号】特表2011−508976(P2011−508976A)
【公表日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−540820(P2010−540820)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2008/087775
【国際公開番号】WO2009/086164
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】