説明

履歴情報通信システム、履歴情報通信方法、そのサービスサーバ、およびプログラム

【課題】
自社のマーケティングに関する履歴情報のすべてと、同業他社のマーケティングに関する履歴情報の一部とを、安全な通信経路を確立して広告主へ提供する。
【解決手段】
サービスサーバ1は、自社の広告主ID、自社と同じ業種の他社の広告主ID、自社・他社の業種属性IDに基づき、第1〜3の暗号鍵を生成する。サービスサーバ1は情報開示度DB110を参照して、自社の履歴情報に関しては、自社だけに公開するよう設定した項目を第1の暗号鍵を使って暗号化する。他社の履歴情報に関しては、当該他社だけに公開するよう設定した項目を第2の暗号鍵を使って暗号化する。第3の暗号鍵を使って、履歴情報のうち、第1・第2の暗号鍵で暗号化した項目と、第1・第2の暗号鍵で暗号化しなかった項目との両方を暗号化して、この暗号化履歴情報を広告主端末2へ送信する。広告主端末2は、自社の広告主ID、自社が属する業種属性IDに基づき第1・2の復号鍵を生成し、これらの復号鍵を使って暗号化履歴情報を復号する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告情報をユーザ端末へ配信するサービスサーバが生成した履歴情報を暗号化して広告主端末へ送信し、この広告主端末で復号する履歴情報通信システム、履歴情報通信方法、そのサービスサーバ、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話やモバイルコンピュータなどの商品や宣伝、広告といった情報を提供する情報提供システムが実現されている。特に、極め細やかに情報を配信して広告効果を向上させるため、移動体通信端末を所持する利用者の位置を特定する手段をもち、その場所にあった広告を配信する広告提供システムとして、特許文献1が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3528918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
広告主からは、移動体通信端末へ広告情報を配信する一方で、商品のマーケティング戦略をたてるため、同業他社のマーケティングに関する履歴情報を入手したい、との要求がある。ここでマーケティングに関する履歴情報とは、製品のラインアップや製品ごとの価格・売上、プロモーション内容など、様々な情報を指す。
【0005】
特許文献1の提案するデータ通信システムは、自社および同業他社のマーケティングに関する履歴情報を保有している。しかしながら、特許文献1には、マーケティングに関する履歴情報を適切に広告主へフィードバックする、という視点がなかった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、自社に関する履歴情報のすべてと、同業他社に関する履歴情報の一部とを、安全な通信経路を確立して広告主へ提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、広告情報をユーザ端末へ配信するサービスサーバが履歴情報生成部で生成した履歴情報を暗号化して広告主端末へ送信し、この広告主端末で復号する履歴情報通信システムにおいて、前記サービスサーバは、複数項目からなる前記履歴情報のうち自社だけに公開する項目を指定して記憶させる情報開示度記憶部と、暗号鍵生成部と、この暗号鍵生成部で生成した暗号鍵で所定の情報を暗号化する暗号部と、前記広告主端末と通信する広告主端末通信部と、を備え、前記広告主端末は、前記サービスサーバと同一のアルゴリズムで復号鍵を生成する復号鍵生成部と、この復号鍵生成部で生成した復号鍵で前記暗号化された所定の情報を復号する復号部と、前記サービスサーバと通信するサービスサーバ通信部と、を備え、前記サービスサーバは、前記広告主端末から履歴情報提供要求を受信すると、前記暗号部が、前記履歴情報のうち自社の履歴情報と前記履歴情報のうち他社の履歴情報に関しては前記情報開示度記憶部を参照して当該他社だけに公開するよう設定した項目とを前記広告主端末へ提示するように前記暗号鍵を使って暗号化し、前記広告主端末通信部が、この暗号化して得た暗号化履歴情報を前記広告主端末へ送信し、前記広告主端末は、前記サービスサーバから受信した前記暗号化履歴情報を、前記復号鍵生成部で生成した復号鍵を使って前記復号部で復号することを特徴とする。
【0008】
前記サービスサーバは、前記広告主端末から履歴情報提供要求を受信すると、自社の広告主IDを前記暗号鍵生成部へ入力して第1の暗号鍵を生成し、自社と業種を同じくする他社の広告主IDを前記暗号鍵生成部へ入力して第2の暗号鍵を生成し、自社および他社が属する業種属性IDを前記暗号鍵生成部へ入力して第3の暗号鍵を生成し、前記暗号部が前記情報開示度記憶部を参照して、前記履歴情報のうち自社の履歴情報に関しては自社だけに公開するよう設定した項目を前記第1の暗号鍵を使って暗号化し、前記履歴情報のうち他社の履歴情報に関しては当該他社だけに公開するよう設定した項目を前記第2の暗号鍵を使って暗号化し、前記履歴情報のうち前記第1および第2の暗号鍵で暗号化した項目と前記履歴情報のうち前記第1および第2の暗号鍵で暗号化しなかった項目の両方を前記第3の暗号鍵を使って暗号化して得た暗号化履歴情報を前記広告主端末へ送信し、前記広告主端末は、当該広告主の広告主IDを前記復号鍵生成部へ入力して第1の復号鍵を生成し、さらに前記広告主が属する業種属性IDを前記復号鍵生成部へ入力して第2の復号鍵を生成し、前記サービスサーバから受信した前記暗号化履歴情報を、前記復号部で前記第2の復号鍵を使って復号してから前記第1の復号鍵を使って復号することを特徴とする。
【0009】
前記サービスサーバは、広告主に付与した広告主IDと当該広告主が属する業種属性IDとを対応付けて記憶する広告主記憶部と、どの広告主がどの広告情報に紐付いた配信情報を登録したかを広告主が属する業種属性IDと対応付けて記憶する広告情報記憶部と、どのユーザ端末へどの配信情報を配信したかの履歴を記憶する配信履歴記憶部と、を備え、前記履歴情報生成部は、前記履歴情報提供要求に含まれる広告主IDをキーにして前記広告主記憶部を検索して広告主IDに対応付いた業種属性IDを抽出し、この業種属性IDをキーにして前記広告情報記憶部を検索して当該業種属性IDに対応付いた配信情報を抽出し、この配信情報をキーにして前記配信履歴記憶部を検索してどのユーザ端末へどの配信情報を配信したかの情報を含んだ履歴情報を生成することを特徴とする。
【0010】
前記サービスサーバは、どの広告主がどの広告情報に紐付いた配信情報を登録したかを記憶する広告情報記憶部と、どのユーザ端末へどの配信情報を配信したかの履歴を記憶する配信履歴記憶部と、を備え、前記履歴情報生成部が、前記履歴情報提供要求に含まれる広告主をキーにして前記広告情報記憶部を検索して広告主に紐付いた配信情報を抽出し、この配信情報をキーにして前記配信履歴記憶部を検索し、どのユーザ端末へどの配信情報を配信したかの情報を含んだ履歴情報を生成する ことを特徴とする。
【0011】
前記サービスサーバは、どの広告主がどの広告情報に紐付いた配信情報を登録したかを記憶する広告情報記憶部と、どのユーザ端末へどの配信情報を配信したかの履歴を記憶する配信履歴記憶部と、どのユーザ端末の所有者が何を購入したかを記憶する決済履歴記憶部と、を備え、前記履歴情報生成部は、前記履歴情報提供要求に含まれる広告主をキーにして前記広告情報記憶部を検索して広告主に紐付いた配信情報を抽出し、この配信情報をキーにして前記配信履歴記憶部を検索し、どのユーザ端末へどの配信情報を配信したかの情報を得て、さらに前記配信情報を配信したユーザ端末をキーにして前記決済履歴記憶部を検索し、当該ユーザ端末の所有者が何を購入したかを得て、どのユーザ端末へどの配信情報を配信し、当該ユーザ端末の所有者は何を購入したかの情報を含んだ履歴情報を生成することを特徴とする。
【0012】
前記サービスサーバは、広告主に付与した広告主IDと当該広告主が属する業種属性IDとを対応付けて記憶する広告主記憶部を備え、前記暗号鍵生成部は、前記履歴情報提供要求に含まれる自社の広告主IDをキーにして前記広告主記憶部を検索して広告主IDに対応付いた業種属性IDを抽出し、前記業種属性IDをキーにして前記広告主記憶部を検索して同業他社の広告主IDを抽出し、前記自社の広告主IDを前記暗号鍵生成部へ入力して第1の暗号鍵を生成し、前記同業他社の広告主IDを前記暗号鍵生成部へ入力して第2の暗号鍵を生成し、前記業種属性IDを前記暗号鍵生成部へ入力して第3の暗号鍵を生成することを特徴とする。
【0013】
前記暗号鍵生成部は、自社と業種を同じくする同業他社が複数ある場合は、それぞれの同業他社の広告主IDを前記暗号鍵生成部へ入力して、複数の第2の暗号鍵を生成することを特徴とする。
【0014】
広告情報をユーザ端末へ配信するサービスサーバが生成した履歴情報を暗号化して広告主端末へ送信し、この広告主端末で復号する履歴情報通信方法において、前記サービスサーバは、複数項目からなる前記履歴情報のうち自社だけに公開する項目を指定して情報開示度記憶部に記憶させるステップと、前記広告主端末から履歴情報提供要求を受信するステップと、前記履歴情報のうち自社の履歴情報と前記履歴情報のうち他社の履歴情報に関しては前記情報開示度記憶部を参照して当該他社だけに公開するよう設定した項目とを前記広告主端末へ提示するように暗号化して暗号化履歴情報を得るステップと、この暗号化履歴情報を前記広告主端末へ送信するステップと、前記広告主端末は、前記サービスサーバから受信した前記暗号化履歴情報を、前記復号鍵生成部で生成した復号鍵を使って前記復号部で復号するステップと、を有することを特徴とする。
【0015】
広告情報をユーザ端末へ配信するサービスサーバが生成した履歴情報を暗号化して広告主端末へ送信し、この広告主端末で復号する履歴情報通信方法において、前記サービスサーバは、複数項目からなる前記履歴情報のうち自社だけに公開する項目を指定して情報開示度記憶部に記憶させるステップと、前記広告主端末から履歴情報提供要求を受信するステップと、自社の広告主IDに基づき第1の暗号鍵を生成するステップと、自社と業種を同じくする他社の広告主IDに基づき第2の暗号鍵を生成するステップと、自社および他社が属する業種属性IDに基づき第3の暗号鍵を生成するステップと、前記第1の暗号鍵を使って、前記情報開示度記憶部を参照して複数項目からなる前記履歴情報のうち自社だけに公開する項目を暗号化するステップと、前記第2の暗号鍵を使って、前記情報開示度記憶部を参照して複数項目からなる前記履歴情報のうち他社が当該他社だけに公開する項目を暗号化するステップと、前記第3の暗号鍵を使って、前記履歴情報のうち前記第1および第2の暗号鍵で暗号化した項目と前記履歴情報のうち前記第1および第2の暗号鍵で暗号化しなかった項目の両方を暗号化して暗号化履歴情報を生成するステップと、この暗号化履歴情報を前記広告主端末へ送信するステップと、有し、前記広告主端末は、当該広告主の広告主IDに基づき、前記サービスサーバと同一のアルゴリズムで第1の復号鍵を生成するステップと、当該広告主の広告主IDが属する業種属性IDに基づき、前記サービスサーバと同一のアルゴリズムで第2の復号鍵を生成するステップと、前記サービスサーバから前記暗号化履歴情報を受信するステップと、前記暗号化履歴情報を、前記第2の復号鍵を使って復号してから前記第1の復号鍵を使って復号するステップと、を有することを特徴とする。
【0016】
履歴情報生成部で生成した履歴情報を暗号化して広告主端末へ送信するサービスサーバにおいて、前記複数項目からなる履歴情報のうち自社だけに公開する項目を指定して記憶させる情報開示度記憶部と、前記広告主端末が復号鍵を生成するアルゴリズムと同一のアルゴリズムで暗号鍵を生成する暗号鍵生成部と、この暗号鍵生成部で生成した暗号鍵で所定の情報を暗号化する暗号部と、前記広告主端末と通信する広告主端末通信部と、を備え、前記広告主端末から履歴情報提供要求を受信すると、前記暗号部が、前記履歴情報のうち自社の履歴情報と前記履歴情報のうち他社の履歴情報に関しては前記情報開示度記憶部を参照して当該他社だけに公開するよう設定した項目とを前記広告主端末へ提示するように前記暗号鍵を使って暗号化し、前記広告主端末通信部が、この暗号化して得た暗号化履歴情報を前記広告主端末へ送信することを特徴とする。
【0017】
履歴情報生成部で生成した履歴情報を暗号化して広告主端末へ送信するサービスサーバにおいて、前記複数項目からなる履歴情報のうち自社だけに公開する項目を指定して記憶させる情報開示度記憶部と、前記広告主端末が復号鍵を生成するアルゴリズムと同一のアルゴリズムで暗号鍵を生成する暗号鍵生成部と、この暗号鍵生成部で生成した暗号鍵で所定の情報を暗号化する暗号部と、前記広告主端末と通信する広告主端末通信部と、を備え、前記広告主端末から履歴情報提供要求を受信すると、自社の広告主IDを前記暗号鍵生成部へ入力して第1の暗号鍵を生成し、自社と業種を同じくする他社の広告主IDを前記暗号鍵生成部へ入力して第2の暗号鍵を生成し、自社および他社が属する業種属性IDを前記暗号鍵生成部へ入力して第3の暗号鍵を生成し、前記暗号部が前記情報開示度記憶部を参照して、前記履歴情報のうち自社の履歴情報に関しては自社だけに公開するよう設定した項目を前記第1の暗号鍵を使って暗号化し、前記履歴情報のうち他社の履歴情報に関しては当該他社だけに公開するよう設定した項目を前記第2の暗号鍵を使って暗号化し、前記履歴情報のうち前記第1および第2の暗号鍵で暗号化した項目と前記履歴情報のうち前記第1および第2の暗号鍵で暗号化しなかった項目の両方を前記第3の暗号鍵を使って暗号化して得た暗号化履歴情報を前記広告主端末へ送信することを特徴とする。
【0018】
履歴情報生成手段で生成した履歴情報を暗号化して広告主端末へ送信するサービスサーバのコンピュータを、前記複数項目からなる履歴情報のうち自社だけに公開する項目を指定して記憶させる情報開示度記憶部手段と、前記広告主端末から履歴情報提供要求を受信すると、前記履歴情報のうち自社の履歴情報と前記履歴情報のうち他社の履歴情報に関しては前記情報開示度記憶部を参照して当該他社だけに公開するよう設定した項目とを前記広告主端末へ提示するように前記暗号鍵を使って暗号化する暗号化手段と、この暗号化して得た暗号化履歴情報を前記広告主端末へ送信する広告主端末通信手段、として機能させるためのプログラムであることを特徴とする。
【0019】
履歴情報生成手段で生成した履歴情報を暗号化して広告主端末へ送信するサービスサーバのコンピュータを、前記複数項目からなる履歴情報のうち自社だけに公開する項目を指定して記憶させる情報開示度記憶部手段と、前記広告主端末から履歴情報提供要求を受信すると、自社の広告主IDを前記暗号鍵生成部へ入力して第1の暗号鍵を生成し、自社と業種を同じくする他社の広告主IDを前記暗号鍵生成部へ入力して第2の暗号鍵を生成し、自社および他社が属する業種属性IDを前記暗号鍵生成部へ入力して第3の暗号鍵を生成する、前記広告主端末が復号鍵を生成するアルゴリズムと同一のアルゴリズムで暗号鍵を生成する暗号鍵生成手段と、前記情報開示度記憶手段を参照して、前記履歴情報のうち自社の履歴情報に関しては自社だけに公開するよう設定した項目を前記第1の暗号鍵を使って暗号化し、前記履歴情報のうち他社の履歴情報に関しては当該他社だけに公開するよう設定した項目を前記第2の暗号鍵を使って暗号化し、前記履歴情報のうち前記第1および第2の暗号鍵で暗号化した項目と前記履歴情報のうち前記第1および第2の暗号鍵で暗号化しなかった項目の両方を前記第3の暗号鍵を使って暗号化履歴情報を生成する暗号手段と、前記暗号化履歴情報を前記広告主端末へ送信する広告主端末通信手段、として機能させるためのプログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、自社に関する履歴情報のすべてと、同業他社に関する履歴情報の一部とを、安全な通信経路を確立して広告主へ提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のシステム構成図である。
【図2】サービスサーバ1の構成を示した図である。
【図3】決済履歴管理DB109の一例を示す図である。
【図4】広告主DB103の一例を示す図である。
【図5】広告情報管理DB104の一例を示す図である。
【図6】配信履歴管理DB107の一例を示す図である。
【図7】情報開示度DB110の一例を示す図である。
【図8】広告主が、広告主DB103および情報開示度DB110へ情報を登録するときのシーケンスである。
【図9】サービスサーバ1と広告主端末2の間で、履歴情報を通信するときのシーケンスである。
【図10】履歴情報生成部113で履歴情報を生成する処理フローを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
添付図面を適宜参照しながら、本発明にかかる履歴情報配信システムの好適な実施の形態について説明する。
図1は、本発明の履歴情報通信システムにおけるシステム構成図である。
【0023】
図1において、サービスサーバ1は、ネットワーク3により、広告主が保有する広告主端末2や、情報配信端末5、決済/情報配信端末6、決済端末7と接続される。ユーザ端末としての携帯端末4は、非接触ICカードを内蔵しており、非接触IC通信機能を有する情報配信端末5・決済/情報配信端末6・決済端末7と非接触IC通信を行う。なお、ユーザ端末としては、非接触ICカードを内蔵した携帯端末を使って実施例を説明しているが、たとえばパーソナルコンピュータ(PC)でも実現できる。ユーザ端末を、ネットワーク3に接続したPCで実現した場合は、ユーザ端末とサービスサーバ1とを接続する役目である情報配信端末5・決済/情報配信端末6・決済端末7は不要となる。
【0024】
広告主端末2は、サービスサーバ1との間でデータを送受信するための送受信部21、データを入力するための入力部22、復号鍵を生成する復号鍵生成部23、サービスサーバ1から受信した暗号化データを復号する復号部24を有する。広告主は、携帯端末4を所有するユーザへ配信したい広告情報を、入力部22を使って入力し、送受信部21を介してサービスサーバ1へ送信する。また、広告主は、送受信部21を介して、サービスサーバ1が生成したマーケティング情報に関する暗号化された履歴情報(=暗号化履歴情報)を受信する。そして、復号鍵生成部23を使って所定の手順により復号鍵を生成し、この復号鍵を使って復号部24が暗号化された履歴情報を復号する。復号鍵生成部23は、後述するサービスサーバ1の暗号鍵生成部111と同一のアルゴリズムを有しており、このアルゴリズムを用いて復号鍵を生成する。なお、本発明における広告情報とは、商品・サービスを告知する情報やクーポンといった販売促進情報全般を指す。
【0025】
サービスサーバ1は、広告主端末2から受信した広告情報を所定の領域に格納し、携帯端末4へ配信するのに備える。また、サービスサーバ1は、情報配信端末5、決済/情報配信端末6、決済端末7から様々な情報を受信し、所定の領域に格納する。そして、サービスサーバ1は、広告主端末2からマーケティング情報に関する履歴情報の提供要求を受けると、所定の領域に格納された様々な情報を使ってマーケティング情報に関する履歴情報を生成し、この生成物を広告主端末2へ送信する。
【0026】
情報配信端末5は、サービスサーバ1が保有している販売促進情報をネットワーク3経由で受信し、非接触IC通信を行ってこの販売促進情報を携帯端末4に配信する。情報配信端末5は、少なくとも携帯端末4のID、たとえば非接触IC通信時に取得した非接触ICのIDを、サービスサーバ1へ通知する。決済端末7は、携帯端末4との間で電子マネーを使った決済を行い、この決済に関する情報(=決済履歴)をサービスサーバ1へ通知する。決済に関する情報とは、非接触IC通信時に取得した非接触ICのID、決済日時、取引商品などの情報、すなわち誰がいつ何を購入したかの情報を含む。非接触ICのIDとしては、たとえばFelica(登録商標)チップの製造番号を使う。決済/情報配信端末6は、情報配信端末5と決済端末7の両方の機能を兼ね備えた端末である。
【0027】
図2は、サービスサーバ1の構成図である。
サービスサーバ1は、広告主端末2と通信する広告主端末通信部100、情報配信端末5や決済/情報配信端末6から情報配信要求を受けて広告情報を配信する情報配信通信部106、決済端末7から決済に関する情報(=決済履歴)を収集する決済履歴集信部108を有する。
【0028】
決済履歴集信部108は、決済端末7から決済に関する情報(=決済履歴)を収集し、この決済履歴を、決済履歴記憶部として機能する決済履歴管理DB109に記憶する。
図3は、決済履歴管理DB109の一例を示した図である。決済履歴管理DB109には、電子マネー決済を行った携帯端末に内蔵された非接触ICカードのIDと、購入商品情報と、決済金額と、購入日時と、購入場所が記憶されている。
【0029】
広告主DB103は、広告主IDと広告主が属する業種属性IDとを、予め対応付けて記憶する広告主記憶部として機能する。
図4は、広告主DB103の一例を示した図である。なお、広告主IDと業種属性IDは、広告主端末2の図示しないメモリにも予め記憶されている。暗号鍵生成部111は、広告主端末2から履歴情報提供要求を受け、この履歴情報提供要求に含まれる自社の広告主IDをキーにして広告主DB103を検索し、広告主IDに対応付いた業種属性IDを抽出する。そして、暗号鍵生成部111は、自社広告主IDに基づき第1の暗号鍵を生成し、自社と業種を同じくする他社の広告主IDに基づき第2の暗号鍵を生成し、自社および他社が属する業種属性IDに基づき第3の暗号鍵を生成する。自社と業種を同じくする他社が複数ある場合は、第2の暗号鍵を複数分だけ生成する。暗号鍵を生成する方法としては、たとえばSHA−1やMD5と呼ばれるハッシュ関数を用いることができる。暗号部112は、暗号鍵生成部111で生成した3種類の暗号鍵を使って、所定の情報を暗号化する。
【0030】
広告主端末2とネットワーク3を介して通信する広告主端末通信部100は、広告情報受信部101と、履歴情報通信部102とを有する。
広告情報受信部101は、広告主IDを含んだ販売促進情報を広告主端末2から受信し、広告情報を記憶する広告情報管理DB104に記憶する。
【0031】
図5は、広告情報管理DB104の一例を示した図である。広告情報管理DB104には、広告主ID、広告主が属する業種属性ID、配信情報ID、広告情報が登録された登録日時、どんな商品および商品属性IDに関する広告が登録されたかを示す情報、広告を配信する有効期間、広告を配信する地域や性別・年齢を記憶する。なお、配信情報IDとは、広告主が広告情報を広告情報管理DB104へ登録する際に付与される、配信情報ごとに一意な番号である。
【0032】
配信情報生成部105は、情報配信端末5や決済/情報配信端末6から情報配信要求を受けて、携帯端末4へ配信するための情報を生成する。配信情報生成部105は、たとえば携帯端末4の所在地や所有者の性別・年齢などの情報を使って広告情報管理DB104を検索し、広告配信の効果が高いと考えられる配信情報を生成する。そして、情報配信通信部106は、配信情報生成部105で生成した配信情報を、情報配信要求を受けた情報配信端末5や決済/情報配信端末6へ送信する。情報配信端末5や決済/情報配信端末6は、受信した配信情報を携帯端末4へ配信する。加えて、配信情報生成部105は、生成した配信情報を、配信履歴記憶部として機能する配信履歴管理DB107に記憶する。配信情報の生成については、本発明の趣旨から外れるため詳細な説明を割愛するが、たとえば先行技術文献として示した特許文献1の発明を適用できる。
【0033】
図6は、配信履歴管理DB107の一例を示した図である。配信履歴管理DB107は、どの携帯端末4へ情報を配信したかを示す非接触IC_IDと、どの情報を配信したかを示す配信情報IDと、どの情報配信端末5や決済/情報配信端末6から携帯端末4へ配信したかを示す配信情報用RW_IDと、配信日時と、携帯端末4がどこで受信したかを示す情報を記憶する。すなわち、配信履歴管理DB107は、どのユーザが所有する携帯端末4へ、どの広告情報を配信したかの配信情報の履歴を記憶している。
【0034】
情報開示度DB110は、広告主が属する業種の同業他社へ、マーケティングに関する情報をどこまで開示してよいかを指定した情報を予め記憶しておく。すなわち、複数項目からなる所定の情報に対し、広告主だけに公開する項目と、広告主および広告主が属する業種の同業他社の双方に公開する項目とを区別して設定している。
【0035】
図7は、情報開示度DB110の一例を示した図である。図7において、広告主IDと配信情報IDは、履歴情報を生成する上で検索キーとなる項目であり、広告主が属する業種の同業他社には開示しない。履歴情報生成部113は、広告主IDと配信情報IDを除外して履歴情報を生成してもよい。もしくは暗号部112が、履歴情報に含まれる広告主IDと配信情報IDを、広告主が属する業種の同業他社には開示しないように暗号化してもよい。広告主は、情報開示度DB110に記憶された項目に対して、任意に開示度を設定できる。たとえば、登録日時や有効期間は“0”なので、同業他社へ開示することを示す。反対に、商品情報や配信対象は“1”なので、同業他社へ開示しないことを示す。
【0036】
履歴情報通信部102は、広告主端末2から少なくとも広告主IDを含んだ履歴情報提供要求を受信すると、履歴情報生成部113へマーケティングに関する履歴情報の生成を指示する。履歴情報生成部113は、自社の広告主IDをキーにして広告情報管理DB104を検索し、広告主IDに紐付いた配信情報IDを抽出する。そして、履歴情報生成部113は、抽出した配信情報IDを使って配信履歴管理DB107および決済履歴管理DB109を検索し、広告主へ送信する履歴情報を生成する。この履歴情報は、情報開示度DB110を参照し、暗号鍵生成部111で生成した3種類の暗号鍵を使って暗号部112で暗号化される。そして、暗号化した履歴情報を、履歴情報通信部102を使って履歴情報を要求した広告主端末2へ送信する。
【0037】
以上、図1〜7を用いて、本発明の実施例におけるシステム構成やDBのデータテーブル構造を中心に説明したが、以降の説明は、サービスサーバ1や広告主端末2での処理を中心に行う。
【0038】
本発明の履歴情報通信システムにおける本質的な動作は以下である。
すなわち、サービスサーバ1は、マーケティングに関する履歴情報のうち、広告主だけに公開する部分を指定した情報を、予め情報開示度DB110に記憶しておく。サービスサーバ1は、広告主端末2からマーケティングに関する履歴情報の提供要求を受信すると、履歴情報提供要求に含まれる自社の広告主IDを暗号鍵生成部111へ入力して第1の暗号鍵を生成する。サービスサーバ1は、自社と業種を同じくする他社の広告主IDを暗号鍵生成部へ入力して、第2の暗号鍵を生成する。サービスサーバ1は、さらに、自社および他社が属する業種属性IDを暗号鍵生成部111へ入力して、第3の暗号鍵を生成する。なお、自社と業種を同じくする他社が複数ある場合は、第2の暗号鍵を複数分だけ生成する。
【0039】
サービスサーバ1は情報開示度DB110を参照して、複数項目からなる履歴情報のうち自社の履歴情報に関しては、自社だけに公開するよう設定した項目を第1の暗号鍵を使って暗号化する。サービスサーバ1は情報開示度DB110を参照して、履歴情報のうち他社の履歴情報に関しては、当該他社だけに公開するよう設定した項目を、第2の暗号鍵を使って暗号化する。さらに、第3の暗号鍵を使って、履歴情報のうち第1および第2の暗号鍵で暗号化した項目と、履歴情報のうち第1および第2の暗号鍵で暗号化しなかった項目の両方を暗号化して、この暗号化履歴情報を広告主端末2へ送信する。
【0040】
広告主端末2は、予め自社の広告主IDとこの広告主IDに対応付いた業種属性IDとを記憶しておく。広告主は、自社の広告主IDおよび業種属性IDを知っているが、同業他社の広告主IDを知らない。広告主端末2は、サービスサーバ1の暗号鍵生成部111と同一のアルゴリズムで復号鍵を生成する復号鍵生成部23を備える。広告主端末2は、広告主IDを復号鍵生成部23へ入力して第1の復号鍵を生成し、さらに業種属性IDを復号鍵生成部23へ入力して第2の復号鍵を生成する。そして、サービスサーバ1から受信した暗号化履歴情報を、第2の復号鍵を使って復号してから第1の復号鍵を使って復号することで、サービスサーバ1が生成した履歴情報を得られる。
【0041】
上述したような、サービスサーバ1での暗号化には3種類の暗号鍵を使い、広告主端末2での復号には2種類の復号鍵を使う構成によると、自社は、第1および第2の復号鍵を使って、自社のマーケティングに関する履歴情報のすべてを復号できる。一方、自社は、同業他社が公開と設定する履歴情報を復号できるが、同業他社が非公開と設定する履歴情報を復号できない。
【0042】
よって、本発明によれば、自社のマーケティングに関する履歴情報のすべてと、同業他社のマーケティングに関する履歴情報の一部とを、安全な通信経路を確立して広告主へ提供することができる。
【0043】
なお、サービスサーバ1から広告主端末2へ暗号化履歴情報を送信し、広告主端末2で復号する実施形態は、上記の態様に限定されない。以下に、変形例を示す。
変形例の1つとして、サービスサーバ1は、マーケティングに関する履歴情報のうち、広告主だけに公開する部分を指定した情報を、予め情報開示度DB110に記憶しておく。サービスサーバ1は、広告主端末2からマーケティングに関する履歴情報の提供要求を受信すると、自社の履歴情報と、他社の履歴情報に関しては情報開示度DB110を参照して当該他社だけに公開するよう設定した項目とを抽出する。サービスサーバ1は、この抽出した履歴情報を暗号化し、暗号化履歴情報として広告主端末2へ送信する。
【0044】
広告主端末2は、サービスサーバ1の暗号鍵生成部111と同一のアルゴリズムで復号鍵を生成する復号鍵生成部23を備える。広告主端末2は、サービスサーバ1から受信した暗号化履歴情報を、復号鍵生成部23で生成した復号鍵を使って復号することで、サービスサーバ1が生成した履歴情報を得られる。
【0045】
このような変形例によっても、自社のマーケティングに関する履歴情報のすべてと、同業他社のマーケティングに関する履歴情報の一部とを、安全な通信経路を確立して広告主へ提供することができる。この変形例は、先述の実施形態と比べて、他社の履歴情報に関しては情報開示度DB110を参照して当該他社だけに公開するよう設定した項目のみを抽出する点が異なる。そして、この変形例は、先述の実施形態と比べて、サービスサーバ1における暗号鍵と広告主端末2における復号鍵がどちらも1つですみ、暗号鍵や復号鍵を管理しやすく、暗号化および復号も容易になる、というメリットがある。
【0046】
また、さらなる変形例として、サービスサーバ1は、マーケティングに関する履歴情報のうち、広告主だけに公開する部分を指定した情報を、予め情報開示度DB110に記憶しておく。サービスサーバ1は、広告主端末2からマーケティングに関する履歴情報の提供要求を受信すると、履歴情報提供要求に含まれる自社の広告主IDを暗号鍵生成部111へ入力して第1の暗号鍵を生成する。サービスサーバ1は、自社と業種を同じくする他社の広告主IDを暗号鍵生成部へ入力して、第2の暗号鍵を生成する。サービスサーバ1は、さらに、自社および他社が属する業種属性IDを暗号鍵生成部111へ入力して、第3の暗号鍵を生成する。なお、自社と業種を同じくする他社が複数ある場合は、第2の暗号鍵を複数分だけ生成する。
【0047】
サービスサーバ1は情報開示度DB110を参照して、複数項目からなる履歴情報のうち自社の履歴情報に関しては、自社だけに公開するよう設定した項目を第1の暗号鍵を使って暗号化する。サービスサーバ1は情報開示度DB110を参照して、履歴情報のうち他社の履歴情報に関しては、当該他社だけに公開するよう設定した項目を、第2の暗号鍵を使って暗号化する。さらに、第3の暗号鍵を使って、履歴情報のうち第1および第2の暗号鍵で暗号化しなかった項目を暗号化する。サービスサーバ1は、第1〜3の暗号鍵で暗号化して得た暗号化履歴情報を、広告主端末2へ送信する。
【0048】
広告主端末2は、予め自社の広告主IDとこの広告主IDに対応付いた業種属性IDとを記憶しておく。広告主は、自社の広告主IDおよび業種属性IDを知っているが、同業他社の広告主IDを知らない。広告主端末2は、サービスサーバ1の暗号鍵生成部111と同一のアルゴリズムで復号鍵を生成する復号鍵生成部23を備える。広告主端末2は、広告主IDを復号鍵生成部23へ入力して第1の復号鍵を生成し、さらに業種属性IDを復号鍵生成部23へ入力して第2の復号鍵を生成する。そして、サービスサーバ1から受信した暗号化履歴情報を、第2の復号鍵を使って復号してから第1の復号鍵を使って復号することで、サービスサーバ1が生成した履歴情報を得られる。
【0049】
このような変形例によっても、自社のマーケティングに関する履歴情報のすべてと、同業他社のマーケティングに関する履歴情報の一部とを、安全な通信経路を確立して広告主へ提供することができる。第1・2の暗号鍵で暗号化した部分と暗号化しなかった部分の両方を第3の鍵で暗号化する先述の実施形態は、この変形例と比べて、自社のみに公開する情報を二重に暗号化するので、この変形例よりセキュリティが強固になる、というメリットを有する。
【0050】
図8は、広告主端末2が、サービスサーバ1の広告主DB103および情報開示度DB110へ情報を登録するときのシーケンスである。
広告主は、広告主端末2の入力部22を使って、広告主DB103および情報開示度DB110に登録するための情報を入力し、送受信部21を介して広告主登録要求をサービスサーバ1へ送信する(ステップS1)。広告主登録要求には、図4で示す広告主DB103へ登録するための、広告主が属する業種属性IDもしくは広告主の商品が属する業種属性IDを含む。また、広告主登録要求には、図7で示す情報開示度DB110へ登録するための、複数ある項目のうち自社のみに公開するか、もしくは同業他社にも公開するかを項目ごとに指定した設定情報を含む。
【0051】
広告主登録要求を受信したサービスサーバ1は、広告主に対してIDを付与し、広告主IDと業種IDとを対応付けて、広告主DB103へ登録する(ステップS2)。また、サービスサーバ1は、どこまで同業他社にマーケティングに関する履歴情報を公開するかを指定する設定情報を、情報開示度DB110へ登録する(ステップS3)。DBへの登録を完了したら、サービスサーバ1は、登録を終えたことを示す広告主登録応答とともに、ステップS2で付与した広告主IDを、広告主端末2へ送信する(ステップS4)。
【0052】
サービスサーバ1が付与した広告主IDを広告主端末2へ通知する手段は、オンラインでもオフラインでもよい。ただし、サービスサーバ1が付与した広告主IDは、サービスサーバ1における第1の暗号鍵と、広告主端末2における第1の復号鍵との生成に用いられるため、秘匿情報として広告主端末2へ送信することが求められる。
【0053】
図9は、サービスサーバ1と広告主端末2の間で、マーケティングに関する履歴情報を通信するときのシーケンスである。
広告主は、広告主端末2の入力部22を使って、広告主IDと取得履歴指定を入力し、送受信部21を介して履歴情報提供要求をサービスサーバ1へ送信する(ステップS11)。取得履歴指定とは、自社の履歴情報とともに、同業他社の履歴情報も取得するか否かを指定することである。
【0054】
サービスサーバ1は、広告主端末通信部100が履歴情報提供要求を受信すると、履歴情報通信部102を介して履歴情報生成部113へ履歴情報の生成を指示し、履歴情報生成部113が履歴情報を生成する(ステップS12)。履歴情報を生成する処理フローを、図10を使って説明する。
【0055】
図10は、履歴情報生成部113において、履歴情報を生成する処理フローを示した図である。
履歴情報生成部113は、広告主端末2から受信した履歴情報提供要求に含まれる広告主IDをキーにして図5に示す広告主情報管理DB104を検索し、この広告主が登録した広告に紐付けた配信情報IDを抽出する(ステップS21)。
【0056】
履歴情報生成部113は、履歴情報提供要求に、同業他社の履歴情報も取得することを示す取得履歴指定が含まれている場合は、広告主IDをキーにして図4に示す広告主DB103を検索し、広告主が属する業種属性IDを得る。履歴情報生成部113は、この業種属性IDをキーにして図5に示す広告主情報管理DB104を検索し、この業種属性IDに対応付いている配信情報IDを抽出する(ステップS22)。
【0057】
なお、本実施例では、広告主は自社および同業他社の両方の履歴情報を取得するフローを示すが、権利範囲はこの実施例に限定されない。自社の履歴情報のみを取得する場合は、ステップS22の処理をスキップする。同業他社の履歴情報のみを取得する場合は、ステップS21の処理をスキップする。
【0058】
履歴情報生成部113は、ステップS21・22で得た所定の配信情報IDをキーにして図7に示す配信履歴管理DB107を検索し、どの携帯端末4へこの配信情報IDに紐付いた広告情報を配信したかを抽出する(ステップS23)。サービスサーバ1がどの携帯端末4へ広告情報を配信したかを把握するため、情報配信端末5が携帯端末4と非接触IC通信を行って取得した、携帯端末4に内蔵された非接触ICカードのIDを使う。ステップS23で抽出する情報としては、この配信情報をどの情報配信端末5から非接触通信を行って配信したかを表す情報(配信情報用RW_ID)や配信日時、情報配信端末5の設置場所などの情報を含めてもよい。
【0059】
履歴情報生成部113は、ステップS23で得た携帯端末4のIDをキーにして図3に示す決済履歴管理DB109を検索し、決済履歴を抽出する(ステップS24)。ステップS24で抽出する情報としては、購入商品、購入金額、購入日時や購入場所に関する情報を含めてもよい。
【0060】
履歴情報生成部113は、ステップS23で得た配信履歴やステップS24で得た決済履歴を結合して、所定の配信情報IDに関する履歴情報を生成する(ステップS25)。そして、履歴情報生成部113は、まだ履歴情報を生成していない配信情報IDがあれば(ステップS26,Yes)ステップS23へ戻り、引き続き他の配信情報に関する履歴情報を生成する。履歴情報生成部113は、履歴情報を生成していない配信情報IDがなければ(ステップS26,No)、履歴情報の生成処理を終了する。履歴情報生成部113は、ある配信情報IDに対して履歴情報を生成したか否かを把握するための、図示しないテーブルを保有しており、履歴情報を生成した配信情報にフラグを立てる。
【0061】
なお、本実施例では、ステップS23で得た配信履歴やステップS24で得た決済履歴を結合して履歴情報を生成したが、権利範囲はこの実施例に限定されない。履歴情報としては、ステップS23で得た配信履歴とステップS24で得た決済履歴のうち、どちらか一方のみでもよい。ステップS23で得た配信履歴とステップS24で得た決済履歴を結合して履歴情報を生成した場合は、どんな広告情報を配信した結果、どんな商品が売れたか、といった広告配信の効果を測定できる。
【0062】
図9に戻り、サービスサーバ1は、暗号鍵生成部111において暗号鍵を生成する(ステップS13)。サービスサーバ1は、広告主端末2から受信した履歴情報提供要求に含まれる自社の広告主IDを暗号鍵生成部111へ入力して、第1の暗号鍵を生成する。サービスサーバ1は、自社の広告主IDをキーにして広告主DB103を検索し、広告主IDに対応付いた業種属性IDを抽出し、この業種属性IDをキーにして広告情報管理DB104を検索する。そして、このようにして得た自社と業種を同じくする他社の広告主IDを暗号鍵生成部へ入力して、第2の暗号鍵を生成する。サービスサーバ1は、さらに、自社および他社が属する業種属性IDを暗号鍵生成部111へ入力して、第3の暗号鍵を生成する。自社と業種を同じくする他社が複数ある場合は、第2の暗号鍵を複数分だけ生成する。
【0063】
サービスサーバ1は、ステップS13で得た第1〜3の暗号鍵を使い、図7に示す情報開示度DB110を参照して、履歴情報生成部113で生成した履歴情報を暗号化する(ステップS14)。具体的には、暗号部112は、所定の配信情報IDをキーとして情報開示度DB110を検索し、所定の配信情報IDに対する自社または同業他社が設定した情報の開示度を抽出する。そして、暗号部112は、情報開示度DB110を参照して、複数項目からなる履歴情報のうち、自社の履歴情報に関しては、自社だけに公開するよう設定した項目を第1の暗号鍵を使って暗号化する。暗号部112は、情報開示度DB110を参照して、複数項目からなる履歴情報のうち、他社が当該他社だけに公開するよう設定した項目を、第2の暗号鍵を使って暗号化する。さらに、暗号部112は、第3の暗号鍵を使って、履歴情報のうち第1および第2の暗号鍵で暗号化した項目と、履歴情報のうち第1および第2の暗号鍵で暗号化しなかった項目の両方を暗号化して、暗号化履歴情報を生成する。
【0064】
サービスサーバ1の履歴情報通信部102は、ステップS14で生成した暗号化履歴情報を、履歴情報応答として広告主端末2に送信する(ステップS15)。
暗号化履歴情報を受信した広告主端末2は、自社の広告主IDを復号鍵生成部23へ入力して第1の復号鍵を生成し、さらに業種属性IDを復号鍵生成部23へ入力して第2の復号鍵を生成する(ステップS16)。広告主端末2は、予め自社の広告主IDとこの広告主IDに対応付いた業種属性IDとを記憶しておく。広告主は、自社の広告主IDおよび業種属性IDを知っているが、同業他社の広告主IDを知らない。復号鍵生成部23は、サービスサーバ1の暗号鍵生成部111と同一のアルゴリズムで復号鍵を生成する。
【0065】
広告主端末2の復号部24は、サービスサーバ1から受信した暗号化履歴情報を、第2の復号鍵を使って復号してから第1の復号鍵を使って復号することで、サービスサーバ1が生成した履歴情報を得る(ステップS17)。つまり、自社は、第1および第2の復号鍵を使って、自社のマーケティングに関する履歴情報のすべてを復号できる。一方、自社は、同業他社が公開と設定する履歴情報を復号できるが、同業他社が非公開と設定する履歴情報を復号できない。
【0066】
すなわち、本発明の履歴情報通信システムは、サービスサーバ1での暗号化には3種類の暗号鍵を使い、広告主端末2での復号には2種類の復号鍵を使う。サービスサーバ1において自社の広告主IDを使って生成した第1の暗号鍵に対しては、広告主端末2において自社の広告主IDを使って生成した第1の復号鍵で複合化できる。サービスサーバ1において業種属性IDを使って生成した第3の暗号鍵に対しては、広告主端末2において業種属性IDを使って生成した第2の復号鍵で複合化できる。しかしながら、サービスサーバ1において同業他社の広告主IDを使って生成した第2の暗号鍵に対しては、広告主端末2において自社の広告主IDおよび業種属性IDを使って生成した第1・2の復号鍵のどちらを使っても復号できない。
【0067】
よって、本発明によれば、自社のマーケティングに関する履歴情報のすべてと、同業他社のマーケティングに関する履歴情報の一部とを、安全な通信経路を確立して広告主へ提供することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 サービスサーバ
100 広告主端末通信部
101 広告情報受信部
102 履歴情報通信部
103 広告主DB
104 広告情報管理DB
105 配信情報生成部
106 情報配信通信部
107 配信履歴管理DB
108 決済履歴集信部
109 決済履歴管理DB
110 情報開示度DB
111 暗号鍵生成部
112 暗号部
113 履歴情報生成部
2 広告主端末
21 送受信部
22 入力部
23 復号鍵生成部
24 復号部
3 ネットワーク
4 携帯端末
5 情報配信端末
6 決済/情報配信端末
7 決済端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告情報をユーザ端末へ配信するサービスサーバが履歴情報生成部で生成した履歴情報を暗号化して広告主端末へ送信し、この広告主端末で復号する履歴情報通信システムにおいて、
前記サービスサーバは、複数項目からなる前記履歴情報のうち自社だけに公開する項目を指定して記憶させる情報開示度記憶部と、暗号鍵生成部と、この暗号鍵生成部で生成した暗号鍵で所定の情報を暗号化する暗号部と、前記広告主端末と通信する広告主端末通信部と、を備え、
前記広告主端末は、前記サービスサーバと同一のアルゴリズムで復号鍵を生成する復号鍵生成部と、この復号鍵生成部で生成した復号鍵で前記暗号化された所定の情報を復号する復号部と、前記サービスサーバと通信するサービスサーバ通信部と、を備え、
前記サービスサーバは、前記広告主端末から履歴情報提供要求を受信すると、
前記暗号部が、前記履歴情報のうち自社の履歴情報と前記履歴情報のうち他社の履歴情報に関しては前記情報開示度記憶部を参照して当該他社だけに公開するよう設定した項目とを前記広告主端末へ提示するように前記暗号鍵を使って暗号化し、
前記広告主端末通信部が、この暗号化して得た暗号化履歴情報を前記広告主端末へ送信し、
前記広告主端末は、前記サービスサーバから受信した前記暗号化履歴情報を、前記復号鍵生成部で生成した復号鍵を使って前記復号部で復号する
ことを特徴とする履歴情報通信システム。
【請求項2】
前記サービスサーバは、
前記広告主端末から履歴情報提供要求を受信すると、自社の広告主IDを前記暗号鍵生成部へ入力して第1の暗号鍵を生成し、自社と業種を同じくする他社の広告主IDを前記暗号鍵生成部へ入力して第2の暗号鍵を生成し、自社および他社が属する業種属性IDを前記暗号鍵生成部へ入力して第3の暗号鍵を生成し、
前記暗号部が前記情報開示度記憶部を参照して、前記履歴情報のうち自社の履歴情報に関しては自社だけに公開するよう設定した項目を前記第1の暗号鍵を使って暗号化し、前記履歴情報のうち他社の履歴情報に関しては当該他社だけに公開するよう設定した項目を前記第2の暗号鍵を使って暗号化し、前記履歴情報のうち前記第1および第2の暗号鍵で暗号化した項目と前記履歴情報のうち前記第1および第2の暗号鍵で暗号化しなかった項目の両方を前記第3の暗号鍵を使って暗号化して得た暗号化履歴情報を前記広告主端末へ送信し、
前記広告主端末は、
当該広告主の広告主IDを前記復号鍵生成部へ入力して第1の復号鍵を生成し、さらに前記広告主が属する業種属性IDを前記復号鍵生成部へ入力して第2の復号鍵を生成し、
前記サービスサーバから受信した前記暗号化履歴情報を、前記復号部で前記第2の復号鍵を使って復号してから前記第1の復号鍵を使って復号する
ことを特徴とする請求項1に記載の履歴情報通信システム。
【請求項3】
前記サービスサーバは、広告主に付与した広告主IDと当該広告主が属する業種属性IDとを対応付けて記憶する広告主記憶部と、どの広告主がどの広告情報に紐付いた配信情報を登録したかを広告主が属する業種属性IDと対応付けて記憶する広告情報記憶部と、どのユーザ端末へどの配信情報を配信したかの履歴を記憶する配信履歴記憶部と、を備え、
前記履歴情報生成部は、前記履歴情報提供要求に含まれる広告主IDをキーにして前記広告主記憶部を検索して広告主IDに対応付いた業種属性IDを抽出し、この業種属性IDをキーにして前記広告情報記憶部を検索して当該業種属性IDに対応付いた配信情報を抽出し、この配信情報をキーにして前記配信履歴記憶部を検索してどのユーザ端末へどの配信情報を配信したかの情報を含んだ履歴情報を生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の履歴情報通信システム。
【請求項4】
前記サービスサーバは、どの広告主がどの広告情報に紐付いた配信情報を登録したかを記憶する広告情報記憶部と、どのユーザ端末へどの配信情報を配信したかの履歴を記憶する配信履歴記憶部と、を備え、
前記履歴情報生成部が、前記履歴情報提供要求に含まれる広告主をキーにして前記広告情報記憶部を検索して広告主に紐付いた配信情報を抽出し、この配信情報をキーにして前記配信履歴記憶部を検索し、どのユーザ端末へどの配信情報を配信したかの情報を含んだ履歴情報を生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の履歴情報通信システム。
【請求項5】
前記サービスサーバは、どの広告主がどの広告情報に紐付いた配信情報を登録したかを記憶する広告情報記憶部と、どのユーザ端末へどの配信情報を配信したかの履歴を記憶する配信履歴記憶部と、どのユーザ端末の所有者が何を購入したかを記憶する決済履歴記憶部と、を備え、
前記履歴情報生成部は、
前記履歴情報提供要求に含まれる広告主をキーにして前記広告情報記憶部を検索して広告主に紐付いた配信情報を抽出し、
この配信情報をキーにして前記配信履歴記憶部を検索し、どのユーザ端末へどの配信情報を配信したかの情報を得て、
さらに前記配信情報を配信したユーザ端末をキーにして前記決済履歴記憶部を検索し、当該ユーザ端末の所有者が何を購入したかを得て、
どのユーザ端末へどの配信情報を配信し、当該ユーザ端末の所有者は何を購入したかの情報を含んだ履歴情報を生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の履歴情報通信システム。
【請求項6】
前記サービスサーバは、広告主に付与した広告主IDと当該広告主が属する業種属性IDとを対応付けて記憶する広告主記憶部を備え、
前記暗号鍵生成部は、
前記履歴情報提供要求に含まれる自社の広告主IDをキーにして前記広告主記憶部を検索して広告主IDに対応付いた業種属性IDを抽出し、
前記業種属性IDをキーにして前記広告主記憶部を検索して同業他社の広告主IDを抽出し、
前記自社の広告主IDを前記暗号鍵生成部へ入力して第1の暗号鍵を生成し、
前記同業他社の広告主IDを前記暗号鍵生成部へ入力して第2の暗号鍵を生成し、
前記業種属性IDを前記暗号鍵生成部へ入力して第3の暗号鍵を生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の履歴情報通信システム。
【請求項7】
前記暗号鍵生成部は、
自社と業種を同じくする同業他社が複数ある場合は、それぞれの同業他社の広告主IDを前記暗号鍵生成部へ入力して、複数の第2の暗号鍵を生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の履歴情報通信システム。
【請求項8】
広告情報をユーザ端末へ配信するサービスサーバが生成した履歴情報を暗号化して広告主端末へ送信し、この広告主端末で復号する履歴情報通信方法において、
前記サービスサーバは、
複数項目からなる前記履歴情報のうち自社だけに公開する項目を指定して情報開示度記憶部に記憶させるステップと、
前記広告主端末から履歴情報提供要求を受信するステップと、
前記履歴情報のうち自社の履歴情報と前記履歴情報のうち他社の履歴情報に関しては前記情報開示度記憶部を参照して当該他社だけに公開するよう設定した項目とを前記広告主端末へ提示するように暗号化して暗号化履歴情報を得るステップと、
この暗号化履歴情報を前記広告主端末へ送信するステップと、
前記広告主端末は、
前記サービスサーバから受信した前記暗号化履歴情報を、前記復号鍵生成部で生成した復号鍵を使って前記復号部で復号するステップと、
を有することを特徴とする履歴情報通信方法。
【請求項9】
広告情報をユーザ端末へ配信するサービスサーバが生成した履歴情報を暗号化して広告主端末へ送信し、この広告主端末で復号する履歴情報通信方法において、
前記サービスサーバは、
複数項目からなる前記履歴情報のうち自社だけに公開する項目を指定して情報開示度記憶部に記憶させるステップと、
前記広告主端末から履歴情報提供要求を受信するステップと、
自社の広告主IDに基づき第1の暗号鍵を生成するステップと、
自社と業種を同じくする他社の広告主IDに基づき第2の暗号鍵を生成するステップと、
自社および他社が属する業種属性IDに基づき第3の暗号鍵を生成するステップと、
前記第1の暗号鍵を使って、前記情報開示度記憶部を参照して複数項目からなる前記履歴情報のうち自社だけに公開する項目を暗号化するステップと、
前記第2の暗号鍵を使って、前記情報開示度記憶部を参照して複数項目からなる前記履歴情報のうち他社が当該他社だけに公開する項目を暗号化するステップと、
前記第3の暗号鍵を使って、前記履歴情報のうち前記第1および第2の暗号鍵で暗号化した項目と前記履歴情報のうち前記第1および第2の暗号鍵で暗号化しなかった項目の両方を暗号化して暗号化履歴情報を生成するステップと、
この暗号化履歴情報を前記広告主端末へ送信するステップと、
を有し、
前記広告主端末は、
当該広告主の広告主IDに基づき、前記サービスサーバと同一のアルゴリズムで第1の復号鍵を生成するステップと、
当該広告主の広告主IDが属する業種属性IDに基づき、前記サービスサーバと同一のアルゴリズムで第2の復号鍵を生成するステップと、
前記サービスサーバから前記暗号化履歴情報を受信するステップと、
前記暗号化履歴情報を、前記第2の復号鍵を使って復号してから前記第1の復号鍵を使って復号するステップと、
を有することを特徴とする履歴情報通信方法。
【請求項10】
履歴情報生成部で生成した履歴情報を暗号化して広告主端末へ送信するサービスサーバにおいて、
前記複数項目からなる履歴情報のうち自社だけに公開する項目を指定して記憶させる情報開示度記憶部と、
前記広告主端末が復号鍵を生成するアルゴリズムと同一のアルゴリズムで暗号鍵を生成する暗号鍵生成部と、
この暗号鍵生成部で生成した暗号鍵で所定の情報を暗号化する暗号部と、
前記広告主端末と通信する広告主端末通信部と、
を備え、
前記広告主端末から履歴情報提供要求を受信すると、
前記暗号部が、前記履歴情報のうち自社の履歴情報と前記履歴情報のうち他社の履歴情報に関しては前記情報開示度記憶部を参照して当該他社だけに公開するよう設定した項目とを前記広告主端末へ提示するように前記暗号鍵を使って暗号化し、
前記広告主端末通信部が、この暗号化して得た暗号化履歴情報を前記広告主端末へ送信する
ことを特徴とするサービスサーバ。
【請求項11】
履歴情報生成部で生成した履歴情報を暗号化して広告主端末へ送信するサービスサーバにおいて、
前記複数項目からなる履歴情報のうち自社だけに公開する項目を指定して記憶させる情報開示度記憶部と、
前記広告主端末が復号鍵を生成するアルゴリズムと同一のアルゴリズムで暗号鍵を生成する暗号鍵生成部と、
この暗号鍵生成部で生成した暗号鍵で所定の情報を暗号化する暗号部と、
前記広告主端末と通信する広告主端末通信部と、
を備え、
前記広告主端末から履歴情報提供要求を受信すると、自社の広告主IDを前記暗号鍵生成部へ入力して第1の暗号鍵を生成し、自社と業種を同じくする他社の広告主IDを前記暗号鍵生成部へ入力して第2の暗号鍵を生成し、自社および他社が属する業種属性IDを前記暗号鍵生成部へ入力して第3の暗号鍵を生成し、
前記暗号部が前記情報開示度記憶部を参照して、前記履歴情報のうち自社の履歴情報に関しては自社だけに公開するよう設定した項目を前記第1の暗号鍵を使って暗号化し、前記履歴情報のうち他社の履歴情報に関しては当該他社だけに公開するよう設定した項目を前記第2の暗号鍵を使って暗号化し、前記履歴情報のうち前記第1および第2の暗号鍵で暗号化した項目と前記履歴情報のうち前記第1および第2の暗号鍵で暗号化しなかった項目の両方を前記第3の暗号鍵を使って暗号化して得た暗号化履歴情報を前記広告主端末へ送信する
ことを特徴とするサービスサーバ。
【請求項12】
履歴情報生成手段で生成した履歴情報を暗号化して広告主端末へ送信するサービスサーバのコンピュータを、
前記複数項目からなる履歴情報のうち自社だけに公開する項目を指定して記憶させる情報開示度記憶部手段と、
前記広告主端末から履歴情報提供要求を受信すると、前記履歴情報のうち自社の履歴情報と前記履歴情報のうち他社の履歴情報に関しては前記情報開示度記憶部を参照して当該他社だけに公開するよう設定した項目とを前記広告主端末へ提示するように前記暗号鍵を使って暗号化する暗号化手段と、
この暗号化して得た暗号化履歴情報を前記広告主端末へ送信する広告主端末通信手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
履歴情報生成手段で生成した履歴情報を暗号化して広告主端末へ送信するサービスサーバのコンピュータを、
前記複数項目からなる履歴情報のうち自社だけに公開する項目を指定して記憶させる情報開示度記憶部手段と、
前記広告主端末から履歴情報提供要求を受信すると、自社の広告主IDを前記暗号鍵生成部へ入力して第1の暗号鍵を生成し、自社と業種を同じくする他社の広告主IDを前記暗号鍵生成部へ入力して第2の暗号鍵を生成し、自社および他社が属する業種属性IDを前記暗号鍵生成部へ入力して第3の暗号鍵を生成する、前記広告主端末が復号鍵を生成するアルゴリズムと同一のアルゴリズムで暗号鍵を生成する暗号鍵生成手段と、
前記情報開示度記憶手段を参照して、前記履歴情報のうち自社の履歴情報に関しては自社だけに公開するよう設定した項目を前記第1の暗号鍵を使って暗号化し、前記履歴情報のうち他社の履歴情報に関しては当該他社だけに公開するよう設定した項目を前記第2の暗号鍵を使って暗号化し、前記履歴情報のうち前記第1および第2の暗号鍵で暗号化した項目と前記履歴情報のうち前記第1および第2の暗号鍵で暗号化しなかった項目の両方を前記第3の暗号鍵を使って暗号化履歴情報を生成する暗号手段と、
前記暗号化履歴情報を前記広告主端末へ送信する広告主端末通信手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−130218(P2011−130218A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−287089(P2009−287089)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】