説明

差動AB級増幅回路、駆動回路および表示装置

【課題】位相余裕を向上することのできる差動AB級増幅回路、駆動回路および表示装置を提供する。
【解決手段】差動AB級増幅回路は、第1差動増幅器(11)と、第2差動増幅器(12)と、AB級出力回路(80)とを具備する。第1差動増幅器(11)は、差動入力信号を増幅して第1の電圧範囲の第1信号を出力する。第2差動増幅器(12)は、差動入力信号を増幅して第2の電圧範囲の第2信号を出力する。AB級出力回路(80)は、第1信号および前記第2信号を差動入力として増幅し、位相補償用容量および位相補償用容量に流れる電流を制御する電流バッファ回路を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、差動AB級増幅回路、差動AB級増幅回路を備える駆動回路および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、多数の容量性負荷を同時に駆動するために、駆動回路として複数の差動AB級増幅回路を備える。この駆動回路は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)パネルの各列のデータ線などを電圧駆動し、表示データに応じたアナログ信号を出力する。そのため、電源電圧の全範囲、所謂Rail−To−Railの入出力が可能であることが求められ、ボルテージフォロア接続した差動AB級増幅器が用いられてきた。さらに、この駆動回路は、低消費電力であることが要求されている。
【0003】
一方、液晶パネルは、益々大型化し、それに伴いデータ線の寄生容量が増大している。一般に、入力回路に差動増幅器を有し、その信号を増幅するための出力回路を備えるような2段差動増幅回路をボルテージフォロワ接続して用いる場合、その出力にかかる負荷容量が大きくなると動作が不安定になりやすい。場合によっては回路が発振することもある。そのため、ボルテージフォロワ接続して用いる2段差動増幅回路には、動作を安定化させるための位相補償回路が必ず付加される。しかし、位相補償回路は通常面積が大きく、多数の差動AB級増幅回路を有する表示装置駆動回路全体では、チップ面積増加に大きな影響を与え、結果として製造コスト高に繋がる。したがって、使用される差動AB級増幅回路においては、特に、省面積でより効率的な位相補償回路が要求される。
【0004】
位相補償を有する駆動回路として、例えば、特開2005−124120号公報にAB級増幅回路が開示されている。図1に、その増幅回路の回路図が示される。増幅回路は、N受け差動増幅器11、P受け差動増幅器12、AB級出力回路13を備える。
【0005】
N受け差動増幅器11は、NチャネルMOSトランジスタ112、113と、NチャネルMOSトランジスタ111と、PチャネルMOSトランジスタ114、115とを備える。NチャネルMOSトランジスタ112、113は、差動入力信号Vin(+)、Vin(−)が入力されるN受け差動対である。NチャネルMOSトランジスタ111は、バイアス電圧BN1により制御される定電流をN受け差動対に供給する。PチャネルMOSトランジスタ114、115は、カレントミラー回路を形成してN受け差動対の能動負荷となる。
【0006】
P受け差動増幅器12は、PチャネルMOSトランジスタ122、123と、PチャネルMOSトランジスタ121と、NチャネルMOSトランジスタ124、125とを備える。PチャネルMOSトランジスタ122、123は、差動入力信号Vin(+)、Vin(−)が入力されるP受け差動対である。PチャネルMOSトランジスタ121は、バイアス電圧BP1により制御される定電流をP受け差動対に供給する。NチャネルMOSトランジスタ124、125は、カレントミラー回路を形成してP受け差動対の能動負荷となる。
【0007】
AB級出力回路13は、PチャネルMOSトランジスタ131と、NチャネルMOSトランジスタ132と、PチャネルMOSトランジスタ133と、NチャネルMOSトランジスタ134と、PチャネルMOSトランジスタ135と、NチャネルMOSトランジスタ136と、位相補償用容量145、146とを備える。PチャネルMOSトランジスタ131は、N受け差動増幅器11の出力をゲートに受けて電源電圧VDDと出力ノードVoutとの間に接続される。NチャネルMOSトランジスタ132は、P受け差動増幅器12の出力をゲートに受けて電源電圧VSSと出力ノードとの間に接続される。PチャネルMOSトランジスタ133は、バイアス電圧BP2により制御されてPチャネルMOSトランジスタ131にバイアスを与える。NチャネルMOSトランジスタ134は、バイアス電圧BN2により制御されてNチャネルMOSトランジスタ132にバイアスを与える。PチャネルMOSトランジスタ135、NチャネルMOSトランジスタ136は、トランジスタ131および132のゲート間に接続され、バイアス電圧BP3、BN3をそれぞれゲートに供給されてレベルシフタとして機能する。位相補償用容量145は、N受け差動増幅器11から出力される信号が印加される入力ノード(トランジスタ131のゲート)と出力ノードVoutとの間に接続される。位相補償用容量146は、P受け差動増幅器12から出力される信号が印加される入力ノード(トランジスタ132のゲート)と出力ノードVoutとの間に接続される。
【0008】
この差動AB級増幅回路は、N受け差動増幅器11およびP受け差動増幅器12のうちのどちらか一方が動作しない入力電圧範囲でも、他方の差動増幅器が動作し、電源電圧VDDから電源電圧VSSまでの入力電圧範囲でAB級出力回路13へ信号を伝達可能、つまり、Rail−to−rail入力可能となる。
【0009】
図1に示されるように、この差動AB級差動増幅回路は、出力段のPチャネルMOSトランジスタ131およびNチャネルMOSトランジスタ132のゲートと出力ノードVoutとの間に位相補償用のミラー容量145、146を備える。このような構成の場合、高周波動作時にミラー容量145、146を通して流れる電流経路と、出力段トランジスタ131、132による駆動電流経路とがあり、必ず位相遅れの零点が発生する。この位相遅れの零点によって位相余裕が劣化する。
【0010】
零点補償効果を有する位相補償回路として、一般的に知られる複数の回路が提案されている。例えば、一般的な単純2段差動増幅器において、零点補償抵抗を用いる方法、位相遅れの零点の発生原因である周波数依存性のある電流フィードフォワード経路を電流バッファトランジスタにより切断する方法等が知られている。
【0011】
例えば、零点補償抵抗を用いる方法について、図2に示されるように、定電流源204およびトランジスタ202を備える増幅回路によって差動増幅器200の出力を増幅する2段増幅回路において説明する。差動増幅器200の出力は、トランジスタ202のゲートに印加される。電源電圧VDDに接続される定電流源204とトランジスタ202のドレインとの接続ノードVoutから増幅された信号が出力される。トランジスタ202のゲート・ドレイン間に位相補償用容量206が接続される。この場合、零点補償用抵抗201は、位相補償用容量206と直列に、出力ノードVoutとトランジスタ202のゲートとの間に接続される。この零点補償用抵抗201は、通常数百kΩの抵抗となるため大きな面積を占有する。
【0012】
また、電流フィードフォワード経路遮断について、図3に示されるように、定電流源304およびトランジスタ302を備える増幅回路によって差動増幅器200の出力を増幅する2段増幅回路において説明する。差動増幅器200の出力は、トランジスタ302のゲートに印加ざれる。電源電圧VDDに接続される定電流源304とトランジスタ302のドレインとの接続ノードVoutから増幅された信号が出力される。トランジスタ202のゲート・ドレイン間に位相補償用容量306が、電流バッファトランジスタ301を介して接続される。電源電圧VDD・VSS間に、定電流源303、電流バッファトランジスタ301、定電流源305がこの順に直列に接続される。したがって、定電流源303とトランジスタ301との接続ノードと、出力ノードVoutとの間に位相補償用容量306が接続され、トランジスタ301と定電流源305との接続ノードは、トランジスタ302のゲートに接続される。
【0013】
図3に示されるように、電流バッファトランジスタ301によって周波数依存性のある電流のフィードフォワード経路をカットする位相補償回路では、電流バッファトランジスタ301の他に定電流源303、305が追加されるため、面積が大きくなる。さらに、電源電圧VDD・VSS間の電流パスが増え、消費電力も増加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2005−124120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、位相余裕を向上することのできる差動AB級増幅回路、駆動回路および表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
以下に、[発明を実施するための形態]で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための形態]との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0017】
本発明の観点では、差動AB級増幅回路は、第1差動増幅器(11)と、第2差動増幅器(12)と、AB級出力回路(80)とを具備する。第1差動増幅器(11)は、差動入力信号を増幅して第1の電圧範囲の第1信号を出力する。第2差動増幅器(12)は、差動入力信号を増幅して第2の電圧範囲の第2信号を出力する。AB級出力回路(80)は、第1信号および前記第2信号を差動入力として増幅し、位相補償用容量および位相補償用容量に流れる電流を制御する電流バッファ回路を備える。
【0018】
本発明の他の観点では、駆動回路は、複数の差動AB級増幅器(1)と、共通バイアス回路(2)とを具備する。複数の差動AB級増幅器(1)の各々は、第1差動増幅器(11)と、第2差動増幅器(12)と、AB級出力回路(80)とを備える。第1差動増幅器(11)は、差動入力信号を増幅して第1の電圧範囲の第1信号を出力する。第2差動増幅器(12)は、差動入力信号を増幅して第2の電圧範囲の第2信号を出力する。AB級出力回路(80)は、第1信号および第2信号を差動入力として増幅し、位相補償用容量および位相補償用容量に流れる電流を制御する電流バッファ回路を備える。共通バイアス回路(2)は、複数の差動AB級増幅器(1)の各々にバイアス電圧を共通して供給する。
【0019】
また、本発明の他の観点では、表示装置は、上記の駆動回路と、駆動回路によって駆動され、画像を表示する表示パネルとを具備する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、位相余裕を向上することのできる差動AB級増幅回路、駆動回路および表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】関連するAB級増幅回路の構成を示す図である。
【図2】零点補償抵抗を有する増幅回路を説明するための図である。
【図3】電流フィードフォワード経路遮断回路を有する増幅回路を説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る表示装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る差動AB級増幅回路の構成を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る共通バイアス回路の構成を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るテストモード動作に対応するスイッチを付加した共通バイアス回路の構成を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るスイッチの設定を説明する図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る共通バイアス回路の他の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面を参照して、本発明を実施するための形態を説明する。
【0023】
図4は、本発明の実施の形態に係る表示装置の構成を示すブロック図である。表示装置は、制御回路4、階調電源5、走査線駆動回路6およびデータ線駆動回路7を備える駆動回路と、表示パネル8とを具備する。表示装置の駆動回路は、表示パネル8を駆動する。
【0024】
表示パネル8は、例えば、薄膜MOSトランジスタ(TFT)をスイッチ素子に用いたアクティブマトリクス駆動方式のカラー液晶パネルである。行方向および列方向にそれぞれ所定間隔で設けられた走査線およびデータ線の交点に画素が行列配置される。各画素は、等価的に容量性負荷である液晶容量と、走査線にゲートが接続されるTFTとをデータ線および共通電極線の間に直列接続して備える。
【0025】
この表示パネル8の各行の走査線には、水平同期信号および垂直同期信号などに基づいて走査線駆動回路7により生成された走査パルスが印加される。表示パネル8の各列のデータ線には、共通電極線に共通電圧Vcomが印加されている状態において、デジタル表示データに基づいてデータ線駆動回路7によって生成されるアナログデータ信号が印加される。これにより、表示パネル8には、文字や画像などが表示される。
【0026】
表示装置の駆動回路は、表示パネル8の各列のデータ線などの容量性負荷を並列に電圧駆動し、表示データに応じた各列のアナログ信号を並列出力する。そのため、電源ライン間の全電源電圧範囲で入出力可能な、いわゆるRail−To−Rail入出力可能な複数の差動AB級増幅器がそれぞれボルテージフォロア接続されて用いられる。
【0027】
データ線駆動回路7は、D/A変換回路71と、出力回路72とを備える。D/A変換回路71は、各列の表示データを階調電圧の択一によりそれぞれD/A(Digital to Analog)変換し、アナログ信号として出力する。出力回路72は、インピーダンス変換したアナログ表示データ信号を出力し、各列のデータ線を駆動する。
【0028】
出力回路72は、それぞれボルテージフォロア接続されてRail−To−Rail入出力可能な複数の差動AB級増幅回路1と、複数の差動AB級増幅回路1に共通にバイアス電圧を供給する共通バイアス回路2とを備える。このような差動AB級増幅回路1の複数配列によって回路規模増大が抑制されて複数のデータ線を並列に駆動することができる。さらに、回路面積が節減され、低消費電力化される。
【0029】
差動AB級増幅回路1は、図5に示されるように、N受け差動増幅器11と、P受け差動増幅器12と、AB級出力回路80とを備える。N受け差動増幅器11は、NチャネルMOSトランジスタ111〜113とPチャネルMOSトランジスタ114〜115とを備える。P受け差動増幅器12は、PチャネルMOSトランジスタ121〜123とNチャネルMOSトランジスタ124〜125とを備える。AB級出力回路80は、NチャネルMOSトランジスタ132、134、136、138と、PチャネルMOSトランジスタ131、133、135、137と、位相補償用容量145、146とを備える。
【0030】
N受け差動増幅器11では、Nチャネル差動対をなすNチャネルMOSトランジスタ112、113は、ゲートに差動入力信号Vin(+)、Vin(−)を印加される。PチャネルMOSトランジスタ114、115は、カレントミラー回路を形成し、ソースは電源電圧VDDに接続され、ドレインはNチャネルMOSトランジスタ112、113のドレインに接続され、ゲートは共通にトランジスタ112、114の接続ノード(トランジスタ114のドレイン)に接続される。PチャネルMOSトランジスタ114、115は、トランジスタ112、113の能動負荷となる。NチャネルMOSトランジスタ111は、バイアス電圧BN1がゲートに印加されて定電流源として機能する。N受け差動増幅器11の出力は、NチャネルMOSトランジスタ113のドレインとPチャネルMOSトランジスタ115のドレインとの接続ノードから出力される。
【0031】
P受け差動増幅器12では、Pチャネル差動対をなすPチャネルMOSトランジスタ122、123は、ゲートに差動入力信号Vin(+)、Vin(−)を印加される。NチャネルMOSトランジスタ124、125は、カレントミラー回路を形成し、ソースは電源電圧VSSに接続され、ドレインはPチャネルMOSトランジスタ122、123のドレインに接続され、ゲートは共通にトランジスタ122、124の接続ノード(トランジスタ124のドレイン)に接続される。このNチャネルMOSトランジスタ124、125は、トランジスタ122、123の能動負荷となる。PチャネルMOSトランジスタ121は、バイアス電圧BP1がゲートに印加されて定電流源として機能する。P受け差動増幅器12の出力は、PチャネルMOSトランジスタ123のドレインとNチャネルMOSトランジスタ125のドレインとの接続ノードから出力される。
【0032】
AB級出力回路80では、PチャネルMOSトランジスタ131とNチャネルMOSトランジスタ132とが直列に電源電圧VDD・VSS間に接続され、その接続ノードVoutから差動AB級増幅器1の出力信号が出力される。バイアス電圧BP3がゲートに印加されるPチャネルMOSトランジスタ135と、バイアス電圧BN3がゲートに印加されるNチャネルMOSトランジスタ136とは、並列接続される。その一方の接続ノードは、N受け差動増幅回路11の出力が接続される出力段のPチャネルMOSトランジスタ131のゲートに接続される。さらに、その一方の接続ノードと電源電圧VDDとの間に、バイアス電圧BP4がゲートに印加されるPチャネルMOSトランジスタ137と、バイアス電圧NP2がゲートに印加されるPチャネルMOSトランジスタ133とが直列に接続される。他方の接続ノードは、P受け差動増幅回路12の出力が接続される出力段のNチャネルMOSトランジスタ132のゲートに接続される。さらに、他方の接続ノードと電源電圧VSSとの間に、バイアス電圧BN4がゲートに印加されるNチャネルMOSトランジスタ138と、バイアス電圧BN2がゲートに印加されるNチャネルMOSトランジスタ134とが直列に接続される。
【0033】
PチャネルMOSトランジスタ133、137の接続ノードと出力ノードVoutとの間に位相補償用容量145が接続される。NチャネルMOSトランジスタ138、134の接続ノードと、出力ノードVoutとの間に位相補償用容量146が接続される。
【0034】
この図5に示される差動AB級増幅器は、図1に示される差動AB級増幅器と比較すると、PチャネルMOSトランジスタ137、NチャネルMOSトランジスタ138が追加されている。図1においてPチャネルMOSトランジスタ131のゲートに接続されていた位相補償用容量145のノードは、図5に示される差動AB級増幅器では、PチャネルMOSトランジスタ137を介してPチャネルMOSトランジスタ131のゲートに接続される。同じように、NチャネルMOSトランジスタ132のゲートに接続されていた位相補償用容量146のノードは、NチャネルMOSトランジスタ138を介してNチャネルMOSトランジスタ132のゲートに接続される。
【0035】
図5に示されるように接続することによって、PチャネルMOSトランジスタ137は、位相補償用容量145に対する電流フィードフォワード経路を切断する電流バッファトランジスタとして機能する。また、NチャネルMOSトランジスタ138は、位相補償用容量146に対する電流フィードフォワード経路を切断する電流バッファトランジスタとして機能する。したがって、電流バッファトランジスタとして機能するPチャネルMOSトランジスタ137、NチャネルMOSトランジスタ138によって、周波数依存性のある電流のフィードフォワード経路が遮断され、位相余裕の劣化を防止することができる。
【0036】
図5に示されるような複数の出力回路1に対してバイアス電圧を供給する共通バイアス回路2は、図6に示されるように、定電流源21と、Pチャネルカレントミラー回路51と、Nチャネルカレントミラー回路52と、PチャネルMOSトランジスタ27、31、37、38、44と、NチャネルMOSトランジスタ28、32、39、40、48とを備える。定電流源21は、Pチャネルカレントミラー回路51の入力ノードに接続される。Pチャネルカレントミラー回路51の出力ノードの1つは、Nチャネルカレントミラー回路52の入力ノードに接続される。これによって、Pチャネルカレントミラー回路51とNチャネルカレントミラー回路52の出力ノードには、定電流源21によって設定される電流が対称的に流れる。
【0037】
Nチャネルカレントミラー回路52の出力ノードと電源電圧VDDとの間に接続されるPチャネルMOSトランジスタ27、44、31は、それぞれダイオード接続され、電源電圧VDDを基準としてトランジスタ1個分の閾値電圧だけ低いバイアス電圧BP1、BP4、BP2を供給する。同じように、PチャネルMOSトランジスタ37、38は、それぞれダイオード接続され、電源電圧VDDを基準としてトランジスタ2個分の閾値電圧だけ低いバイアス電圧BP3を供給する。
【0038】
Pチャネルカレントミラー回路51の出力ノードと電源電圧VSSとの間に接続されるNチャネルMOSトランジスタ28、48、32は、それぞれダイオード接続され、電源電圧VSSを基準としてトランジスタ1個分の閾値電圧だけ高いバイアス電圧BN1、BN4、BN2を供給する。同じように、NチャネルMOSトランジスタ39、40は、それぞれダイオード接続され、電源電圧VSSを基準としてトランジスタ2個分の閾値電圧だけ高いバイアス電圧BN3を供給する。
【0039】
このように、共通バイアス回路2が複数の出力回路1に対して共通的にバイアス電圧を供給するため、出力回路1は、バイアス電圧が供給されて電流バッファとして機能するトランジスタが増加するだけで済む。共通バイアス回路2においても、バイアス電圧BP4、BN4を供給するためのトランジスタ44、48が増加するだけであり、大幅な増加にはならない。したがって、多くのトランジスタの追加なしに、位相余裕を向上することのできる差動AB級増幅回路を提供することができる。
【0040】
このような差動AB級増幅回路1のリーク電流を測定するためには、テストモード動作として、定電流源として機能する差動AB級増幅回路1内の各トランジスタに供給するバイアス電圧を遮断するとよい。すなわち、PチャネルMOSトランジスタの場合には、バイアス電圧を電源電圧VDDと同じ電圧にし、NチャネルMOSトランジスタの場合には、バイアス電圧を電源電圧VSSと同じ電圧にするとよい。そのようなテストモード動作に対応する共通バイアス回路2の構成を図7に示す。
【0041】
図7に示されように、共通バイアス回路2は、図6に示される共通バイアス回路2に、スイッチ22、25、26、29、30、45、46、33、35、49、50、34、36、41、42を設けたものである。スイッチ22は、定電流源21に直列に挿入され、定電流源21の電流供給を制御する。テストモード動作時、電流供給は停止される。スイッチ25は、Pチャネルカレントミラー回路51の入力ノードと電源電圧VDDとの間にPチャネルカレントミラー回路51と並列に挿入され、Pチャネルカレントミラー回路51の動作を制御する。スイッチ26は、Nチャネルカレントミラー回路52の入力ノードと電源電圧VSSとの間にNチャネルカレントミラー回路52と並列に挿入され、Nチャネルカレントミラー回路52の動作を制御する。テストモード動作時、カレントミラー回路51、52は、動作を停止する。
【0042】
スイッチ29は、PチャネルMOSトランジスタ27のゲートを電源電圧VDDに短絡するように挿入され、閉成されるとバイアス電圧BP1として電源電圧VDDの電圧が供給される。スイッチ30は、NチャネルMOSトランジスタ28のゲートを電源電圧VSSに短絡するように挿入され、閉成されるとバイアス電圧BN1として電源電圧VSSの電圧が供給される。テストモード動作時、トランジスタ111、121はオフ状態となり、差動増幅器11、12は増幅機能を停止する。
【0043】
スイッチ45とスイッチ46とは、バイアス電圧BP4としてPチャネルMOSトランジスタ44により生成される電圧を出力するか電源電圧VSSの電圧を出力するかを切り替える。スイッチ33とスイッチ35とは、バイアス電圧BP2としてPチャネルMOSトランジスタ31により生成される電圧を出力するか電源電圧VDDの電圧を出力するかを切り替える。テストモード動作時、PチャネルMOSトランジスタ133、137はオン状態になり、出力トランジスタであるPチャネルMOSトランジスタ131のゲートに電源電圧VDDが印加され、PチャネルMOSトランジスタ131は、オフ状態になる。
【0044】
スイッチ49とスイッチ50とは、バイアス電圧BN4としてNチャネルMOSトランジスタ48により生成される電圧を出力するか電源電圧VDDの電圧を出力するかを切り替える。スイッチ34とスイッチ36とは、バイアス電圧BN2としてNチャネルMOSトランジスタ32により生成される電圧を出力するか電源電圧VDDの電圧を出力するかを切り替える。テストモード動作時、NチャネルMOSトランジスタ134、138はオン状態になり、出力トランジスタであるNチャネルMOSトランジスタ132のゲートに電源電圧VSSが印加され、NチャネルMOSトランジスタ132は、オフ状態になる。
【0045】
スイッチ41は、PチャネルMOSトランジスタ38のゲート(ドレイン)を電源電圧VDDに短絡するように挿入され、閉成されるとバイアス電圧BP3として電源電圧VDDの電圧が供給される。スイッチ42は、NチャネルMOSトランジスタ40のゲート(ドレイン)を電源電圧VSSに短絡するように挿入され、閉成されるとバイアス電圧BN3として電源電圧VSSの電圧が供給される。テストモード動作時、PチャネルMOSトランジスタ135、NチャネルMOSトランジスタ136はオフ状態になる。
【0046】
したがって、図8に示されるように、通常動作時、スイッチ22、33、34、45、49は閉成され、スイッチ25、26、29、30,35、36、41、42、46、50は開放される。このとき、図6に示される共通バイアス回路2の接続となり、差動AB級増幅器1の各トランジスタに所定のバイアス電圧が供給される。テストモード動作時、スイッチ22、33、34、45、49は開放され、スイッチ25、26、29、30,35、36、41、42、46、50は閉成される。このとき、差動AB級増幅器1の各トランジスタには、各トランジスタが十分にオンまたはオフ状態になるようにバイアス電圧が供給され、増幅機能は停止する。したがって、差動AB級増幅回路1のリーク電流を測定することができる。
【0047】
以上述べたように、AB級出力回路80は、PチャネルMOSトランジスタ133およびNチャネルMOSトランジスタ134による2つの定電流源を備え、トランジスタ137、138は電流バッファとして機能する。
【0048】
電流バッファトランジスタを備えて零点補償効果を有する位相補償回路は、図3に示されるように、電流バッファトランジスタのソースに定電流源303と、ドレインに電流源305とを必要とし、電流バッファトランジスタのゲートには、バイアス回路から供給されるバイアス電圧が必要である。この二つの定電流源とバイアス電圧とにより、電流バッファトランジスタ301は、位相補償用容量から見て電流バッファとして機能し、零点補償効果を持つ位相補償を行うことになる。
【0049】
図5に示されるAB級出力回路80は、PチャネルMOSトランジスタ133およびNチャネルMOSトランジスタ134による2つの定電流源を備えており、零点補償効果を有する位相補償回路のソース側定電流源、ドレイン側定電流源として、この2つの定電流源が用いられる。すなわち、AB級出力回路80に備わる2つの定電流源133、134によってトランジスタ137、138に定電流が流れ、共通バイアス回路2からバイアス電圧BP4、BN4が供給されてトランジスタ137、138のゲートにそれぞれ印加される。したがって、トランジスタ137、138のソースとAB級出力回路80の出力Voutとの間に接続される位相補償用容量145、146から見て、トランジスタ137、138は電流バッファとして機能する。
【0050】
上述のように、AB級出力回路80では、必要なバイアス電圧を生成する回路は、共通バイアス回路2内に配置され、差動AB級増幅回路1におけるトランジスタの増加数は2個である。バイアス電圧の生成を共通化することによって、個別にバイアス回路を有する場合に比べて回路が占有する面積を少なくすることができる。すなわち、データ線駆動回路7の面積増加を抑制しつつ、零点補償効果を有する位相補償回路によって差動AB級増幅回路1の安定性を向上させることができる。
【0051】
また、共通バイアス回路2は、図9に示されるように、PチャネルMOSトランジスタ43およびNチャネルMOSトランジスタ47を追加されてもよい。PチャネルMOSトランジスタ43は、ダイオード接続されるPチャネルMOSトランジスタ31のドレイン・ゲート間に接続され、ゲートにPチャネルMOSトランジスタ44のゲート電圧が印加される。NチャネルMOSトランジスタ47は、ダイオード接続されるNチャネルMOSトランジスタ32のドレイン・ゲート間に接続され、ゲートにNチャネルMOSトランジスタ48のゲート電圧が印加される。
【0052】
このような回路構成とすると、図9に示される共通バイアス回路2内のPチャネルMOSトランジスタ31、43、44と、図5に示される差動AB級増幅器1内のPチャネルMOSトランジスタ133、137とは、低電圧カスコードカレントミラー回路を形成することになる。また、図9に示される共通バイアス回路2内のNチャネルMOSトランジスタ32、47、48と、図5に示される作動AB級増幅回路1内のNチャネルMOSトランジスタ134、138とは、低電圧カスコードカレントミラー回路を形成することになる。
【0053】
これによって、PチャネルMOSトランジスタ31のドレイン・ソース間電圧とPチャネルMOSトランジスタ133のドレイン・ソース間電圧とは等しくなり、NチャネルMOSトランジスタ32のドレイン・ソース間電圧とNチャネルMOSトランジスタ134のドレイン・ソース間電圧とが等しくなる。これらのドレイン・ソース間電圧を等しくすることにより、アーリー効果によるミラー電流値のミスマッチを防止することができ、高精度のカレントミラー回路とすることができる。
【0054】
また、この共通バイアス回路2においても、トランジスタ137、138に流れる電流は、それぞれPチャネルMOSトランジスタ133、NチャネルMOSトランジスタ134による定電流源によって電流値が固定される。PチャネルMOSトランジスタ137のゲートにバイアス電圧BP4が、NチャネルMOSトランジスタ138のゲートにバイアス電圧BN4が、それぞれ共通バイアス回路2から供給され、トランジスタ137、138は、電流バッファとして機能する。そのため、零点補償効果を有する位相補償を行うことができる。
【0055】
このように、AB級出力回路80では、定電流源としてトランジスタ133、134が用いられる。定電流源トランジスタ133、134の電流値にミスマッチがあると、その差分の電流は、差動増幅器11、12側に流れ込み、出力オフセット電圧として現れる。したがって、上述のように、カレントミラー回路の電流値精度を上げることにより、出力オフセット電圧の発生を抑制することができる。また、テストモード動作は、図7に示される共通バイアス回路2のスイッチ制御と同じように、図8に示されるように、スイッチを制御することにより実現可能である。
【0056】
上述のように、例えば、LCDパネルを駆動するLCDドライバLSI用にこの技術を適用することにより、負荷が大きいパネルの駆動でも高速で安定した出力を容易に得ることができるようになる。また、面積の増加が少なく比較的安価に高い安定性を得ることができる。液晶がさらに大型化しても安価に製品の信頼性を高めることができる。
【符号の説明】
【0057】
1 差動AB級増幅回路
2 共通バイアス回路
4 制御回路
5 階調電源
6 走査線駆動回路
7 データ線駆動回路
8 表示パネル
11 N受け差動増幅器
12 P受け差動増幅器
13 AB級出力回路
21 定電流源
22、25、26、29 スイッチ
30、33、34、35、36 スイッチ
41、42、45、46、49、50 スイッチ
27、31、37、38、43、44 PチャネルMOSトランジスタ
28、32、39、40、47、48 NチャネルMOSトランジスタ
51、52 カレントミラー回路
71 D/A変換回路
72 出力回路
80 AB級出力回路
111、112、113 NチャネルMOSトランジスタ
114、115 PチャネルMOSトランジスタ
121、122、123 PチャネルMOSトランジスタ
124、125 NチャネルMOSトランジスタ
131、133、135、137 PチャネルMOSトランジスタ
132、134、136、138 NチャネルMOSトランジスタ
145、146 位相補償用容量(ミラー容量)
200 差動増幅器
201 零点補償用抵抗
202 トランジスタ
204 定電流源
206 位相補償用容量
301、302 トランジスタ
303、304、305 定電流源
306 位相補償用容量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
差動入力信号を増幅して第1の電圧範囲の第1信号を出力する第1差動増幅器と、
前記差動入力信号を増幅して第2の電圧範囲の第2信号を出力する第2差動増幅器と、
前記第1信号および前記第2信号を差動入力として増幅し、位相補償用容量と前記位相補償用容量に流れる電流を制御する電流バッファ回路とを備えるAB級出力回路と
を具備する差動AB級増幅回路。
【請求項2】
前記AB級出力回路は、
第1電源電圧と第2電源電圧との間に直列に接続される第1出力トランジスタおよび第2出力トランジスタと、前記第1出力トランジスタと前記第2出力トランジスタとの接続ノードを出力ノードとし、
前記出力ノードと、前記第1信号が印加される前記第1出力トランジスタのゲートとの間に直列に接続される第1位相補償用容量および第1電流バッファトランジスタと、
前記第1電流バッファトランジスタのソースと前記第1電源電圧との間に接続される第1定電流源トランジスタと、
前記出力ノードと前記第2信号が印加される前記第2出力トランジスタのゲートとの間に直列に接続される第2の位相補償用容量および第2電流バッファトランジスタと、
前記第2電流バッファトランジスタのソースと前記第2電源電圧との間に接続される第2定電流源トランジスタと
を備える請求項1に記載の差動AB級増幅回路。
【請求項3】
定電流源と、
前記定電流源に基づいて、複数の回路に定電流を供給するカレントミラー回路と、
ダイオード接続され、前記カレントミラー回路により供給される定電流に基づいて、前記第1電流バッファトランジスタに第1バイアス電圧を供給する第1バイアストランジスタと、
ダイオード接続され、前記カレントミラー回路により供給される定電流に基づいて、前記第2電流バッファトランジスタに第2バイアス電圧を供給する第2バイアストランジスタと、
ダイオード接続され、前記カレントミラー回路により供給される定電流に基づいて、前記第1定電流源トランジスタに第3バイアス電圧を供給する第3バイアストランジスタと、
ダイオード接続され、前記カレントミラー回路により供給される定電流に基づいて、前記第2定電流源トランジスタに第4バイアス電圧を供給する第4バイアストランジスタと
を備えるバイアス回路をさらに具備する
請求項2に記載の差動AB級増幅回路。
【請求項4】
前記バイアス回路は、
前記第1バイアストランジスタのゲート電圧によって制御され、前記第3バイアストランジスタのゲート・ドレイン間に接続されてカスコードカレントミラー回路を形成する第1カスコードトランジスタと、
前記第2バイアストランジスタのゲート電圧によって制御され、前記第4バイアストランジスタのゲート・ドレイン間に接続されてカスコードカレントミラー回路を形成する第2カスコードトランジスタと
をさらに備える
請求項3に記載の差動AB級増幅回路。
【請求項5】
前記バイアス回路は、テスト動作時に、
前記定電流源の動作を停止させるスイッチと、
前記カレントミラー回路に供給する定電流を停止するスイッチと、
前記第1電流バッファトランジスタに供給する前記第1バイアス電圧を前記第2電源電圧に切り替えて供給するスイッチと、
前記第2電流バッファトランジスタに供給する前記第2バイアス電圧を前記第1電源電圧に切り替えて供給するスイッチと、
前記第1定電流源トランジスタに供給する前記第3バイアス電圧を前記第2電源電圧に切り替えて供給するスイッチと、
前記第2定電流源トランジスタに供給する前記第4バイアス電圧を前記第1電源電圧に切り替えて供給するスイッチと
を備える
請求項3または請求項4に記載の差動AB級増幅回路。
【請求項6】
前記AB級出力回路は、さらに、
前記第1電流バッファトランジスタのドレインと、前記第2電流バッファトランジスタのドレインとの間に並列に接続される第3および第4定電流源トランジスタを備える
請求項2から請求項5のいずれかに記載の差動AB級増幅回路。
【請求項7】
前記バイアス回路は、
前記カレントミラー回路により供給される定電流に基づいて前記第3定電流源トランジスタに第5バイアス電圧を供給する第5バイアストランジスタと、
前記カレントミラー回路から入出力される電流に基づいて前記第4定電流源トランジスタに第6バイアス電圧を供給する第6バイアストランジスタと
をさらに備える
請求項5に記載の差動AB級増幅回路。
【請求項8】
前記バイアス回路は、テスト動作時に、
前記第3定電流源トランジスタに供給する前記第5バイアス電圧を前記第1電源電圧に切り替えて供給するスイッチと、
前記第4定電流源トランジスタに供給する前記第6バイアス電圧を前記第2電源電圧に切り替えて供給するスイッチと
をさらに備える
請求項7に記載の差動AB級増幅回路。
【請求項9】
差動入力信号を増幅して第1の電圧範囲の第1信号を出力する第1差動増幅器と、
前記差動入力信号を増幅して第2の電圧範囲の第2信号を出力する第2差動増幅器と、
前記第1信号および前記第2信号を差動入力として増幅し、位相補償用容量と前記位相補償用容量に流れる電流を制御する電流バッファ回路を備えるAB級出力回路と
をそれぞれ備える複数の差動AB級増幅器と、
前記複数の差動AB級増幅器の各々にバイアス電圧を共通して供給する共通バイアス回路と
を具備する
駆動回路。
【請求項10】
前記AB級出力回路は、
第1電源電圧と第2電源電圧との間に直列に接続される第1出力トランジスタおよび第2出力トランジスタと、前記第1出力トランジスタと前記第2出力トランジスタとの接続ノードを出力ノードとし、
前記出力ノードと、前記第1信号が印加される前記第1出力トランジスタのゲートとの間に直列に接続される第1位相補償用容量および第1電流バッファトランジスタと、
前記第1電流バッファトランジスタのソースと前記第1電源電圧との間に接続される第1定電流源トランジスタと、
前記出力ノードと前記第2信号が印加される前記第2出力トランジスタのゲートとの間に直列に接続される第2の位相補償用容量および第2電流バッファトランジスタと、
前記第2電流バッファトランジスタのソースと前記第2電源電圧との間に接続される第2定電流源トランジスタと
を備え、
前記共通バイアス回路は、
定電流源と、
前記定電流源に基づいて、複数の回路に定電流を供給するカレントミラー回路と、
ダイオード接続され、前記カレントミラー回路により供給される定電流に基づいて、前記第1電流バッファトランジスタに第1バイアス電圧を供給する第1バイアストランジスタと、
ダイオード接続され、前記カレントミラー回路により供給される定電流に基づいて、前記第2電流バッファトランジスタに第2バイアス電圧を供給する第2バイアストランジスタと、
ダイオード接続され、前記カレントミラー回路により供給される定電流に基づいて、前記第1定電流源トランジスタに第3バイアス電圧を供給する第3バイアストランジスタと、
ダイオード接続され、前記カレントミラー回路により供給される定電流に基づいて、前記第2定電流源トランジスタに第4バイアス電圧を供給する第4バイアストランジスタと
を備える
請求項9に記載の駆動回路。
【請求項11】
前記共通バイアス回路は、
前記第1バイアストランジスタのゲート電圧によって制御され、前記第3バイアストランジスタのゲート・ドレイン間に接続されてカスコードカレントミラー回路を形成する第1カスコードトランジスタと、
前記第2バイアストランジスタのゲート電圧によって制御され、前記第4バイアストランジスタのゲート・ドレイン間に接続されてカスコードカレントミラー回路を形成する第2カスコードトランジスタと
をさらに備える
請求項10に記載の駆動回路。
【請求項12】
前記共通バイアス回路は、テスト動作時に、
前記定電流源の動作を停止させるスイッチと、
前記カレントミラー回路に供給する定電流を停止するスイッチと、
前記第1電流バッファトランジスタに供給する前記第1バイアス電圧を前記第2電源電圧に切り替えて供給するスイッチと、
前記第2電流バッファトランジスタに供給する前記第2バイアス電圧を前記第1電源電圧に切り替えて供給するスイッチと、
前記第1定電流源トランジスタに供給する前記第3バイアス電圧を前記第2電源電圧に切り替えて供給するスイッチと、
前記第2定電流源トランジスタに供給する前記第4バイアス電圧を前記第1電源電圧に切り替えて供給するスイッチと
を備える
請求項10または請求項11に記載の駆動回路。
【請求項13】
前記AB級出力回路は、さらに、
前記第1電流バッファトランジスタのドレインと、前記第2電流バッファトランジスタのドレインとの間に並列に接続される第3および第4定電流源トランジスタを備え、
前記共通バイアス回路は、
前記カレントミラー回路により供給される定電流に基づいて前記第3定電流源トランジスタに第5バイアス電圧を供給する第5バイアストランジスタと、
前記カレントミラー回路により供給される定電流に基づいて前記第4定電流源トランジスタに第6バイアス電圧を供給する第6バイアストランジスタと
をさらに備える
請求項10から請求項12のいずれかに記載の駆動回路。
【請求項14】
前記共通バイアス回路は、テスト動作時に、
前記第3定電流源トランジスタに供給する前記第5バイアス電圧を前記第1電源電圧に切り替えて供給するスイッチと、
前記第4定電流源トランジスタに供給する前記第6バイアス電圧を前記第2電源電圧に切り替えて供給するスイッチと
をさらに備える
請求項13に記載の駆動回路。
【請求項15】
請求項9から請求項14のいずれかに記載の駆動回路と、
前記駆動回路によって駆動され、画像を表示する表示パネルと
を具備する
表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−19115(P2011−19115A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−162827(P2009−162827)
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】