説明

平行昇降機構および半導体製造装置

【課題】一方のクランパ部に対して他方のクランパ部の平行度を保つことのできる技術を提供する。
【解決手段】下クランパ部28を上クランパ部27に向かって平行に昇降する平行昇降機構40が備えるレベリング部29は、摺動孔26aの対向する内壁面に当接して挿入され、下クランパ部を載置する載置ブロック52と、載置ブロック52と対向する摺動孔26aの内壁面との間に設けられたスプリング部51とを有している。レベリング部29は、スプリング部51により摺動孔26aの内壁面に対して載置ブロック52を押し付けて位置決めしたまま摺動孔26a内を摺動することにより、載置ブロック52上に設けられた下クランパ部28の昇降をガイドする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平行昇降機構およびこれを備えた半導体製造装置に関し、特に、一対のクランパ部がワークをクランプする際にクランプ面の平行度を調節する平行昇降機構に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2007−5577号公報(特許文献1)には、一の対象物(例えば基板)を他の対象物(例えば基板)に向けて押圧する技術が開示されている。この技術においては、第1基板が第2基板に対して僅かに傾いている場合であっても、弾性変形する平行度調節部を介することで、第1基板を第2基板に向けて押圧しても第1基板の傾斜が補正されて第2基板に当接される。
【0003】
特開2011−11426号公報(特許文献2)には、対向して設けられた一対の金型でワークをクランプして樹脂モールドする技術が開示されている。この技術においては、ワークの厚さにばらつきがある場合であっても、可動テーパプレートと固定テーパプレートとを協働してインサートブロックの型開閉方向の位置を調節することで、ワークの厚さのばらつきが吸収される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−5577号公報
【特許文献2】特開2011−11426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電子部品を基板に実装する圧着装置や、基板に実装された電子部品を樹脂封止する樹脂モールド装置などの半導体製造装置では、対向して設けられた一対のクランパ部を備えているものがある。具体的には、例えば一方のクランパ部に対して他方のクランパ部が昇降可能となるような構成で、一対のクランパ部でワークをクランプするものである。
【0006】
圧着装置では、例えば接着層を介して配線基板上に複数の半導体チップが積層され、仮圧着(仮接合)されたワークに対して、一対のクランパ部でクランプして配線基板と複数の半導体チップとを一括で本圧着(本接合)することができる。しかしながら、一方のクランパ部に対して他方のクランパ部が傾斜していると、配線基板の接続パッドと半導体チップの接続バンプとの接続に不具合が生じて、接続信頼性を確保できない場合もある。
【0007】
本発明の目的は、一方のクランパ部に対して他方のクランパ部の平行度を保つことのできる技術を提供することにある。本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。本発明の一実施形態における平行昇降機構は、一対のクランパ部の一方を他方に向かって平行に昇降する平行昇降機構であって、前記他方のクランパ部に対して前記一方のクランパ部を昇降する押動部と、前記一方のクランパ部と前記押動部との間に設けられ、前記一方のクランパ部のクランプ面の平行度を調節するレベリング部と、前記一方のクランパ部および前記レベリング部が挿入される摺動孔が形成されたガイド部とを備えている。前記レベリング部は、前記摺動孔の対向する内壁面に当接して挿入され、前記一方のクランパ部を載置する載置ブロックと、該載置ブロックと対向する前記摺動孔の内壁面との間に設けられたスプリング部とを有している。前記レベリング部は、前記スプリング部により前記摺動孔の内壁面に対して前記載置ブロックを押し付けて位置決めしたまま前記摺動孔内を摺動することにより、前記載置ブロック上に設けられた前記一方のクランパ部の昇降をガイドする。
【発明の効果】
【0009】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、次のとおりである。この一実施形態によれば、他方のクランパ部に対して一方のクランパ部の平行度を保って昇降させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態における平行昇降機構を備えた圧着装置を模式的に示す断面図である。
【図2】図1に続く動作中の平行昇降機構を備えた圧着装置を模式的に示す断面図である。
【図3】図2に続く動作中の平行昇降機構を備えた圧着装置を模式的に示す断面図である。
【図4】図1の圧着装置の要部の一例を模式的に示す平面図である。
【図5】図1の圧着装置の要部の他の例を模式的に示す平面図である。
【図6】本発明の一実施形態における平行昇降機構を備えた樹脂モールド装置を模式的に示す断面図である。
【図7】本発明の一実施形態における製造工程中の半導体装置を模式的に示す断面図である。
【図8】図7に続く製造工程中の半導体装置を模式的に示す断面図である。
【図9】図8に続く製造工程中の半導体装置を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
【0012】
(実施形態1)
本発明の実施形態1では、半導体製造装置の一つである圧着装置に、平行昇降機構を適用して説明する。本実施形態における圧着装置は、積層された複数の部材を含むワークを、対向して設けられた一対のクランパ部(上クランパ部および下クランパ部)で挟み込んでクランプして、各部材を圧着する。
【0013】
まず、本実施形態における圧着装置の処理対象となるワークについて、図7〜図9を参照して説明する。図7〜図9にクランプ前からクランプ後の状態のワークWの要部を示す。
【0014】
ワークWは、積層された複数の部材として、配線基板2上に半導体チップ3が積層されたものである。配線基板2上には複数の半導体チップ3が整列して設けられているが、図7〜図9では、説明を明解にするために、要部として配線基板2上の一つの半導体チップ3を示している。
【0015】
図7に示すワークWは、絶縁層8(例えばソルダレジスト)から露出する複数の接続パッド5(例えば銅パッド)と対応する複数の接続バンプ6(例えばはんだバンプ)とが位置合わせされて、配線基板2上に接着層4(例えばNCFまたはNCP)を介して半導体チップ3が仮圧着(仮接合)された状態である。図8に示すワークWは、対応する接続パッド5と接続バンプ6とが当接した状態である。図9に示すワークWは、対応する接続パッド5と接続バンプ6とが電気的に接合(フリップチップ接合)されて、配線基板2上に接着層4を介して半導体チップ3が圧着された状態である。
【0016】
次に、本実施形態における圧着装置を図1〜図3などを参照して説明する。図1〜図3に一連の動作状態の圧着装置1を示す。
【0017】
圧着装置1は、上下方向(型開閉方向)に対向して設けられワークWを挟み込む上型11および下型12を含んで構成されている。上型11が可動プラテン13の中央部に固定して組み付けられ、下型12が固定プラテン14の中央部に固定して組み付けられている。可動プラテン13および固定プラテン14は、それぞれの外周部で複数のタイバー15によって接続され、例えば可動プラテン13および固定プラテン14が矩形板状であればその四隅で接続されている。また、固定プラテン14はタイバー15に固定され、可動プラテン13はタイバー15で摺動されるように構成されている。また、可動プラテン13および固定プラテン14は、互いに対向する面の平行度が保たれるように構成されている。なお、これら可動プラテン13、固定プラテン14およびタイバー15で構成される筐体部はダイセットとも呼ばれる。
【0018】
可動プラテン13は、駆動部19(例えば、シリンダ)により昇降可能(上下動可能)である。これにより、下型12に対して上型11が昇降可能となる。可動プラテン13および固定プラテン14の上下の位置関係により、上型11および下型12が離間して型開きした状態で、上型11および下型12の間にワークWが供給(搬入)される(図1参照)。また、上型11および下型12が近接して型閉じした状態では、密閉空間16(チャンバ)が形成される(図2、図3参照)。なお、可動プラテン13および固定プラテン14の互いに対向する面の平行度が保たれているので、上型11および下型12も、互いに対向する面の平行度が保たれるように構成される。
【0019】
このような上型11において、圧着装置1は、上クランパ部27と、上シール部42とを備えている。また、下型12において、圧着装置1は、下クランパ部28と、レベリング部29と、押動ブロック30(押動部)と、ガイド部26と、下シール部43とを備えている。さらに、圧着装置1は、上型11および下型12の外部に、圧力調節部47を備えている。これらのうちレベリング部29、押動ブロック30およびガイド部26を有して平行昇降機構40が構成される。
【0020】
上クランパ部27および下クランパ部28は、対向して設けられ、本実施形態では、上クランパ部27に対して下クランパ部28が昇降可能となるような構成とし、上クランパ部27および下クランパ部28でワークWを挟み込んでクランプするものである。下クランパ部28は、押動ブロック30の下方に設けられたエアシリンダ等で構成される駆動部(図示せず)により昇降可能である。
【0021】
上シール部42および下シール部43は、対向して設けられ、互いが当接して密閉空間16(図2、図3参照)を形成するものである。この上シール部42および下シール部43は、上クランパ部27および下クランパ部28のそれぞれを内包して具備している。また、下シール部43は、レベリング部29、押動ブロック30およびガイド部26を内包して具備している。
【0022】
押動ブロック30は、上クランパ部27に対して下クランパ部28を昇降(上下動)する際に不図示の駆動部によって押し上げられる。また、レベリング部29は、下クランパ部28と押動ブロック30との間に設けられ、後述するスペーサブロック22の下面や上ベースブロック21のクランプ面27aに対して下クランパ部28のクランプ面28aを平行に維持しながらスムーズに昇降させるために設けられている。また、ガイド部26は、下クランパ部28が昇降する際のガイドをするものである。また、圧力調節部47は、密閉空間16内に充填される例えば圧縮空気の圧力を調節するものである。なお、押動ブロック30、レベリング部29およびガイド部26を含む平行昇降機構40は、下クランパ部28を平行に昇降させるものである。
【0023】
これら上クランパ部27、下クランパ部28、上シール部42、下シール部43、レベリング部29、押動ブロック30、ガイド部26、圧力調節部47の詳細を説明する前に、まず、上型11および下型12の構成部材について概略する。
【0024】
上型11は、固定ブロック17、複数のポスト18(ポスト状のブロック)、上ベースブロック21、スペーサブロック22および上シールブロック23を有している。これらブロックは、例えば合金工具鋼からなる。可動プラテン13下には、固定ブロック17が固定して組み付けられている。この固定ブロック17下には、下方に起立するように複数のポスト18が並べられて、固定して組み付けられている。この複数のポスト18の先端面で、上ベースブロック21が固定して組み付けられている。この上ベースブロック21の下面側外周部には、貫通孔23aが形成された筒状の上シールブロック23が固定して組み付けられている。また、この上ベースブロック21の下面側中央部には、スペーサブロック22が固定して組み付けられている。
【0025】
また、下型12は、下ベースブロック24および下シールブロック25を有している。これらブロックは、例えば合金工具鋼からなる。固定プラテン14上には、貫通孔24aが形成された筒状の下ベースブロック24が固定して組み付けられている。この下ベースブロック24の上面側外周部には、貫通孔24aと連通し、それより内径の大きい貫通孔25aが形成された筒状の下シールブロック25が固定して組み付けられている。なお、この下シールブロック25の貫通孔25a内に筒状のガイド部26が同心状に嵌め込まれて下ベースブロック24の上面内周側に固定して組み付けられている。
【0026】
上クランパ部27は、下クランパ部28と共に、ワークWを挟み込んでクランプ(加熱加圧)するものである。この上クランパ部27は、上ベースブロック21の中央部に設けられている。この上クランパ部27は、上クランパ部27のクランプ面27a側から遠ざかる方向に複数の温度センサ31、冷却部32および加熱部33がこの順に上ベースブロック21に配設(内蔵)され、クランプしたワークW(図3参照)に対して温度調節を行うものである。すなわち、上クランパ部27は、クランプしたワークWに対して温度調節を行うために、クランプ面27a側に設けられた冷却部32と、クランプ面27a側から冷却部32より遠ざかって設けられた加熱部33とを有する温度調節機構を備えている。このように、上クランパ部27は、ワークWに対して加熱加圧するものである。
【0027】
本実施形態では、スペーサブロック22がワークWを直接クランプするが、上ベースブロック21の中央部にクランプ面27aが形成されているものとして説明する。なぜならば、スペーサブロック22は、ワークWの厚さに応じて調整して設けられるものであり、ワークWの厚さによっては不要な場合もあるからである。
【0028】
上クランパ部27が有する加熱部33は、加熱能力を向上するために、上クランパ部27のクランプ面27aと平行に延設(延在)する複数のヒータ35を有している。ヒータ35の加熱能力は、上ベースブロック21などの部材が有する熱容量を考慮し、半導体チップ3の接続バンプ6(はんだ)を溶融する温度であって、かつ、接着層4(NCFまたはNCP)を加熱硬化する温度を、クランプしたワークWに加えられることが必要である。本実施形態で用いるはんだの融点は例えば250〜260℃程度である。また、NCFやNCPの融点は例えば200℃〜260℃程度であり、所定時間加熱加圧されることで硬化する。
【0029】
上クランパ部27が有する冷却部32は、上クランパ部27のクランプ面27aと平行に延設(延在)し、内部を気体や液体の冷媒が通過する複数の冷却管路34を有している。圧着装置1では、例えばクランプしたワークWに対して加熱部33をオン動作させた状態で、冷却部32をオン、オフ動作を繰り返して、ワークWに対して所定の温度を所定の時間維持して、温度調節が行われる。このため、加熱部33よりワークWに近いクランプ面27a側に冷却部32を設けることで、冷却部32のオン、オフ動作によってワークWに加わる温度を追随させやすくしている。
【0030】
下クランパ部28は、上クランパ部27と共に、ワークWを挟み込んでクランプするものである。この下クランパ部28は、ガイド部26に形成された摺動孔26aに挿入されている。下クランパ部28は、支持ブロック36および支持ブロック36から起立して並べられた複数の支持ロッド37を有して、複数の支持ロッド37の先端でワークWをフローティング支持するものである。
【0031】
支持ブロック36上には、固定ブロック38が固定して組み付けられている。固定ブロック38は、支持ロッド37の一端側のロッド頭で抜け止め(固定)するものである。このように設けられた複数の支持ロッド37の他端側で、ワークWが支持(載置)される。すなわち、下クランパ部28のクランプ面28aは、同一水平面上にあるこれら複数の支持ロッド37の先端面で形成される。
【0032】
複数の支持ロッド37は、例えばマトリクス状に平面配置されており、支持プレート41を介してワークWを支持する。各支持ロッド37は、支持プレート41が自重によって撓んで高さが不均一にならないように均等な間隔で配置されている。この支持プレート41を用いてワークWを支持することで、ワークWを上クランパ部27のクランプ面27aと平行に配置することができる。
【0033】
本実施形態では、支持プレート41を介してワークWをクランプするが、同一水平面上にある各支持ロッド37の先端面でクランプ面28aが形成されているものとして説明する。なぜならば、支持プレート41は、剛性が高く撓みが少ない基板(例えばセラミック基板)を配線基板2として用いた場合には省略することができるからである。
【0034】
複数の支持ロッド37でワークWをフローティング支持することで、下クランパ部28の熱容量を低減すると共に、クランプ面28aの下部(例えば、支持ブロック36)とを熱的に分離するようになっている。このため、下クランパ部28は、ワークWが載置(支持)される際に、低温(例えば50℃以下)を保持することができ、ワークWを上クランパ部27と共にクランプする際に、高温(例えば、260℃)を保持することができる。
【0035】
ガイド部26は、下クランパ部28が昇降する際のガイドをするものである。このガイド部26は、摺動孔26aが形成された筒状のブロックであり、例えば合金工具鋼からなる。ガイド部26は、ベースブロック24の貫通孔24aと摺動孔26aとが連通するように、ベースブロック24の上面内周側中央部で支持される。下シールブロック25の貫通孔25aに同心状に嵌め込まれて固定して組み付けられている。この摺動孔26aには、下クランパ部28、レベリング部29および押動ブロック30が挿入される。これら下クランパ部28、レベリング部29および押動ブロック30を昇降させるため、摺動孔26aの上下には、押動ブロック30を昇降させる駆動部が駆動部19とは別の駆動源として配置されている。
【0036】
なお、可動プラテン13の駆動部19が密閉空間16に圧力を加えるときには気体を漏らさないために必要なクランプ力を生じさせるのに対して、押動ブロック30はワークWの対応する接続パッド5と接続バンプ6とが接合できるクランプ力を生じさせる必要がある。この場合、押動ブロック30のクランプ力は、ワークの大きさ、バンプ数またはバンプの種類に基づいて適宜設定される。例えば、ワークのサイズが大きくバンプ数が多い場合や、接合に高いクランプ力を要するバンプ(例えば銅バンプ等)の場合には、高いクランプ力を生じさせる駆動部を用いる必要がある。なお、押動ブロック30は、微細な接続パッド5と接続バンプ6とを接合するために、例えば1kg毎に微調整可能なものが好ましい。
【0037】
レベリング部29は、上下のクランプ面27a、28aを平行に維持しながら下クランパ部28をスムーズに昇降させるために設けられている。レベリング部29は、図4に示すように、ガイド部26の摺動孔26a内に挿入された載置ブロック52および2つのスプリング部51を備えて構成されている。なお、図4は、平面図であるが、説明を明解にするために、ハッチングを付している(図5も同様)。
【0038】
スプリング部51は、載置ブロック52の側面と対向する摺動孔26aの内壁面との間に設けられている。このスプリング部51は、スプリング55と、スプリング55に付勢されて摺動孔26aの内壁面に押し当てられたまま摺動する摺動プレート54とを備えている。スプリング55は、載置ブロック52の側面に形成された凹溝52aと摺動プレート54との間に自然長より圧縮されて組み付けられている。摺動プレート54は、載置ブロック52の側面に対向して突設されたフレーム状の突起部53(すなわちフレーム部)に案内されて摺動孔26aの内壁面に押し当てられている。なお、突起部53は、フレーム内側に摺動プレート54が配置され、また、摺動孔26aの内壁面と当接していない。
【0039】
図4に示す載置ブロック52は平面視矩形状であり、また、これが挿入される摺動孔26aも平面視矩形状(開口が矩形状)となっている。この載置ブロック52上に下クランパ部28の支持ブロック36が設けられる(図1参照)。載置ブロック52の4つの側面のうち、隣接する2側面がそれぞれ対向する摺動孔26aの内壁面に当接し、残りの隣接する2側面にそれぞれスプリング部51が設けられている。すなわち、この残りの隣接する2側面が各スプリング55を介して各摺動プレート54を摺動孔26aの内壁面に各々押し当てる構成となっている。
【0040】
図4に示すレベリング部29では、常時、載置ブロック52の隣接する2側面を、それぞれに対向する摺動孔26aの2つの内壁面(コーナ部となる)に対して各々押し付けている。また、レベリング部29では、載置ブロック52の隣接する残りの隣接する2側面を、それぞれに対向する摺動孔26aの2つの内壁面に対して各スプリング部51を介して各々押し当てている。このため、レベリング部29を備えた平行昇降機構40は、下クランパ部28が押動ブロック30により昇降する際、載置ブロック52が摺動孔26a内で位置決めされたまま摺動するので、下クランパ部28のクランプ面28aが上クランパ部27のクランプ面27aに対して高い平行度を保つことができる。
【0041】
このように、レベリング部29は、スプリング部51により摺動孔26aの内壁面に対して載置ブロック52を押し付けて位置決めしたまま摺動孔26a内を摺動することにより、載置ブロック52上に設けられた下クランパ部28の昇降をガイドする。
【0042】
なお、レベリング部29を介さず(設けず)に、下クランパ部28を直接押動ブロック30で昇降する構成とすることも考えられる。しかしながら、このような構成では、摺動孔26aに挿入された下クランパ部28と、摺動孔26aの内壁面とのクリアランスにより、昇降時にクランプ面28aが傾斜する場合もある。クランプ面28aが傾斜することで、接続パッド5と接続バンプ6の中心が例えば数μmずれると、接続パッド5と接続バンプ6との接続に不具合が生じることも考えられる。これに対してクリアランスを極力小さくすることで傾斜を抑えることも考えられるが、この場合には密閉空間16の成形時に上型11側から伝えられた熱によって下型12(特に、ガイド部26や摺動する支持ブロック36等)の上型11側が膨張するため、クリアランスが上型11側で小さくなってしまい昇降が困難となるおそれもある。
【0043】
しかしながら、レベリング部29を用いることによって摺動孔26aに対するクリアランスが十分大きく取られていても支持ロッド37を支持する支持ブロック36の上型11側のクランプ面27aに対して傾斜させることなくガイドすることが可能となっている。したがって、クランプ力をワークWの全面に亘って均一にすることができるため、各バンプ6を均一に加熱加圧することができ、積層された配線基板2および半導体チップ3の接続信頼性をより向上することができる。
【0044】
また、図4に示したようなレベリング部29を構成する載置ブロック52および摺動孔26aの平面視の形状が矩形状でなくとも、例えば図5に示すように平面視円形状であっても良い。レベリング部29’は、図5に示すように、ガイド部26’の摺動孔26a’内に挿入された載置ブロック52’および1つのスプリング部51’を備えて構成されている。この載置ブロック52’上に下クランパ部28の支持ブロック36が設けられる(図1参照)。
【0045】
スプリング部51’は、載置ブロック52’の側面と、これに対向する摺動孔26a’の内壁面との間に設けられている。このスプリング部51’は、スプリング55’と、スプリング55’に付勢されて摺動孔26a’の内壁面に押し当てられたまま摺動する摺動プレート54’とを備えている。スプリング55’は、載置ブロック52’の側面に形成された凹溝52a’と摺動プレート54’との間に自然長より圧縮されて組み付けられている。摺動プレート54’は、載置ブロック52’の側面に対応して突設されたフレーム状の突起部53’(すなわちフレーム部)に案内されて摺動孔26a’の内壁面に押し当てられている。なお、突起部53’は、フレーム内側に摺動プレート54’が配置され、また、摺動孔26a’の内壁面と当接していない。
【0046】
レベリング部29’では、載置ブロック52’の側面のうち、径方向一方側の円弧状側面(外周面)がこれに対向する摺動孔26a’の円弧状内壁面に当接し、径方向他方側の円弧状側面(外周面)にスプリング部51’が設けられている。すなわち、この径方向他方側の円弧状側面がスプリング55’を介して摺動プレート54’を摺動孔26a’の円弧状内壁面に押し当てる構成となっている。
【0047】
図5に示すレベリング部29’では、常時、載置ブロック52’の径方向一方側の円弧状側面を、これに対向する摺動孔26a’の内壁面に対して押し付けている。また、レベリング部29’では、載置ブロック52’の径方向他方側の円弧状側面を、これに対向する摺動孔26a’の内壁面に対してスプリング部51’を介して押し当てている。このため、レベリング部29’を備えた平行昇降機構40は、下クランパ部28が押動ブロック30により昇降する際、載置ブロック52’が摺動孔26a’内で位置決めされたまま摺動するので、下クランパ部28のクランプ面28aが上クランパ部27のクランプ面27aに対して高い平行度を保つことができる。
【0048】
また、レベリング部29’は、平面視形状が矩形状の載置ブロック52および摺動孔26aのレベリング部29に対して、摺動孔26a’に当接する載置ブロック52の側面の面積が少ないので摺動抵抗が少なくなり、スムーズに昇降することができる。なお、レベリング部29では、載置ブロック52の隣接する2側面を、それぞれに対向する摺動孔26aの2つの内壁面、すなわちコーナ部に対して各々押し付けているので、安定して高い平行度を保つことができる。
【0049】
また、レベリング部29の形状としては上述したものに限らず、矩形断面のガイド部26の一の角部に対して摺動面を角型とした摺動プレート54を押し付ける構成としてもよい。この場合、一の角部の反対側(対角側)における角部において載置ブロック52の角部をガイド部26に押し付けながら昇降することができる。
【0050】
上シール部42および下シール部43(図1中、破線で囲まれた部分)は、対向して設けられ、互いが当接して密閉空間16(図2、図3参照)を形成するものである。下シール部43は、上シール部42側に開口する凹形状の箱部となるように、固定プラテン14の中央部上に、貫通孔24aを有する下ベースブロック24と貫通孔24aに連通する貫通孔25aを有する下シールブロック25が重ね合わせて形成されている。下ベースブロック24と下シールブロック25が互いに接する面の境界部では、各部材が例えばボルトによって固定して組み付けられているので、シールされていることとなる。このような下シール部43内に下クランパ部28が収納される。また、下シール部43の縁部でシール部材44(例えばOリング)が設けられている。
【0051】
また、上シール部42は、下シール部43側に開口する凹形状の箱部となるように、上ベースブロック21外周部下に、貫通孔23aを有する上シールブロック23が設けられて形成されている。上ベースブロック21と上シールブロック23が互いに接する面の境界部では、各部材が例えばボルトによって固定して組み付けられているので、シールされていることとなる。このような上シール部42内に上クランパ部27が収納される。また、上シール部42の縁部でシール部材44を介して下シール部43の縁部が当接される。
【0052】
上シール部42および下シール部43が近接することで、上クランパ部42の縁部と下クランパ部43の縁部とが接して内部に密閉空間16が形成される(図2参照)。言い換えると、上型11および下型12が近接することで型閉じされ内部に密閉空間16が形成される。このような密閉空間16では、クランプ前後のワークWが内包されるので、上クランパ部42によりワークWをより急速に加熱することができる。なお、上シール部42および下シール部43は密閉空間16を形成するために近接するものであって、ワークWをクランプするものではない。ワークWをクランプするのは、上クランパ部27および下クランパ部28である。
【0053】
また、下シール部43を構成する下シールブロック25のシール面側には、奥行き方向に延在するヒータ45が設けられ、下ベースブロック24側には、冷却管路46(内部を冷媒が循環する)が設けられている。
【0054】
シール部材44側、すなわち下クランパ部28近傍にヒータ45を設けることで、上クランパ部27と共に下クランパ部28側からも加熱できる構成となる。また、下クランパ部28近傍にヒータ45を設けることで、ワークWをクランプして熱を帯びた下クランパ部28に合わせて、下シールブロック25に組み付けられたガイド部26を熱膨張させることで、摺動孔26a内で下クランパ部28をスムーズに昇降することができる。また、下ベースブロック24側、すなわち下クランパ部28を昇降する駆動部近傍に冷却管路46を設けることで、押動ブロック30周辺を冷却することができ、押動ブロック30が誤動作するのを防止することができる。
【0055】
圧力調節部47は、密閉空間16内の圧力を調節するものである。本実施形態では、この圧力調節部47は、上シールブロック23に形成されたエア路48を通じて、例えば、密閉空間16に対して圧縮処理を行う。このため、圧力調節部47は、密閉空間16に接続される圧縮機(例えばコンプレッサ)を有している。
【0056】
密閉空間16では、上クランパ部27により接着層4が加熱されると、接着層4内でボイドが発生して接着層4が膨脹し、半導体チップ3を配線基板2から引き離すおそれが生じる。そこで、密閉空間16を圧縮空間とすることでボイドの発生を抑制することができる。また、圧着装置1は、圧縮空間において配線基板2に複数の半導体チップ3を一括して接合する構成であるため、ボイドの発生を抑制して一様の圧力を加えながら加熱を行うことができる。このため、配線基板2上に接着層4を介した複数の半導体チップ3の接続信頼性を向上することができる。
【0057】
次に、本実施形態における平行昇降機構40を備えた圧着装置1を用いて、配線基板2上に複数の半導体チップ3を一括で接合する圧着方法(接合方法)について図1〜図3および図7〜図9を参照して説明する。図1などは、動作中の圧着装置1を模式的に示す断面図であり、図7などは、動作中の圧着装置1におけるワークWを明確にするために、図1などに示すワークWの要部を拡大して示している。本実施形態の圧着方法は、概略すると、接着層4を介して積層された配線基板2および半導体チップ3を含むワークWを、対向して設けられた上クランパ部27および下クランパ部28でクランプして、配線基板2および半導体チップを圧着する工程を含んでいる。
【0058】
まず、配線基板2の複数の接続パッド5と対応する各半導体チップ3の複数の接続バンプ6とを対向して位置合わせして、配線基板2上に接着層4を介して積層された複数の半導体チップ3を含んでなるワークWを準備する(図7参照)。
【0059】
このワークWは、接着層4が接着された配線基板2に対して、公知のフリップチップボンダを用いて、接着層4側から複数の半導体チップ3がマトリクス状に位置合わせされて、仮圧着(仮接合)されている。配線基板2は、例えばガラスエポキシ基板であり、その内部に配線パターンが形成されており、また絶縁層8から露出する接続パッド5が形成されている。また、半導体チップ3は、例えばシリコン基板にMIS(Metal Insulator Semiconductor)トランジスタなどが形成されたものであり、接続バンプ6としてはんだバンプが用いられている。
【0060】
続いて、図1に示すように、上型11と下型12とが離間した状態で、図示しない搬送装置によって下型12にワークWを載置する。具体的には、上クランパ部27および下クランパ部28の間にワークWを搬送し、下クランパ部28が有する複数の支持ロッド37の先端面で形成されるクランプ面28aでワークWをフローティング支持する。本実施形態では、接着層4の劣化防止のため、ワークWが低温(50℃以下)で支持されるように、フローティング支持している。
【0061】
続いて、図2に示すように、上型11と下型12とを近接させることで、対向して設けられ、上クランパ部27および下クランパ部28のそれぞれを内包する上シール部42および下シール部43を当接させて密閉空間16を形成する。次いで、圧力調節部47によりシールされた密閉空間16に対して圧縮空気を導入する圧縮処理を行い、圧縮空間を形成する。この圧縮空間は、例えば密閉空間16のシールが解除されるまでの間形成しておく。なお、密閉空間16は空気の発泡防止のため、少なくとも接着層4が硬化されるまで形成されるのが好ましい。
【0062】
続いて、図3に示すように、平行昇降機構40が下クランパ部28を上クランパ部27に向かって平行に昇降する。具体的には、図2に示した状態からガイド部26の摺動孔26a内で昇降可能な下クランパ部28を上クランパ部27側に上昇させて、上クランパ部27および下クランパ部28でワークWを挟み込んでクランプする。このように、上クランパ部27および下クランパ部28で両側から挟まれて直接的に加熱されたワークWは、急速に加熱され始める。なお、加熱部33のヒータ35や下シールブロック25のヒータ45からの輻射熱によって、密閉空間16内の温度は上昇しているため、間接的にワークWは加熱されていることとなる。
【0063】
ワークWの温度が急速に上昇すると、接続バンプ6および接着層4が溶融状態となる。このため、クランプされたワークWでは、溶融した接着層4を押し退けて接続バンプ6が接続パッド5に当接し(図8参照)、溶融した接続バンプ6と接続パッド5とが接合する(図9参照)。
【0064】
次いで、上クランパ部27と下クランパ部28とでワークWをクランプしたまま加熱加圧する。ここで、上クランパ部27が有する冷却部32および加熱部33を用いて、ワークWをクランプしながら所定の温度範囲内で加熱し続ける。具体的には、加熱部33をオン動作させながら、上クランパ部27のクランプ面27a側に加熱部33より近くに設けられた冷却部32のオン動作およびオフ動作を繰り返す。これにより、接続バンプ6が溶融する温度を維持しながら、接着層4が硬化する温度および時間を維持することができる。すなわち、接着層4を介して積層された配線基板2と半導体チップ3の接続信頼性を向上することができる。
【0065】
本実施形態では、冷却部32が上クランパ部27のクランプ面27aと平行に延設(延在)し、内部を冷媒が通過する冷却管路34を有しており、冷却部32がオフ動作のときに冷媒の流動を停止し、冷却管路34を介してクランプされたワークWを加熱部33により加熱する。冷却部32のオン、オフ動作は、冷媒の流動の切り換えであるので、容易に、迅速に制御することができる。このように、冷却部32を迅速に制御することで、所定の温度を、所定の時間維持することができる。
【0066】
次いで、ワークWの接合を完了させた後(図3参照)、圧力調節部47による密閉空間16への加圧を停止し、平行昇降機構40により下クランパ部28を下降させて、載置されているワークWを上クランパ部27のクランプ面27aから離す(図2参照)。次いで、上型11と下型12とを離間させることで上シール部42および下シール部43で構成された密閉空間16を開放し、図示しない搬送装置によって下型12からワークWを搬出することで1個のワークWの接合のための動作が終了する。すなわち、配線基板2に半導体チップ3が実装された半導体装置7が製造される(図9参照)。なお、支持ロッド37でワークWを支持させた後で所定時間維持することで接続バンプ6の温度を下げて硬化させてから搬出しても良い。
【0067】
本実施形態のように、レベリング部29を備えた平行昇降機構40を設けて、上クランパ部27のクランプ面27aに対して下クランパ部28のクランプ面28aの平行度を保つことで、配線基板2と半導体チップ3とを圧着(接合)する際に、接続パッド5と接続バンプ6の位置ずれを抑制することができる。これにより、ワークWに設けられた接続パッド5と接続バンプ6との接続不良の発生を効果的に防止し、配線基板2と半導体チップ3の接続信頼性を向上することができる。
【0068】
(実施形態2)
本発明の実施形態2では、半導体製造装置の一つである樹脂モールド装置に、平行昇降機構を適用して説明する。本実施形態における樹脂モールド装置は、対向して設けられた一対の金型でワークをクランプして樹脂モールドするものである。
【0069】
図6を参照して本実施形態における平行昇降機構40A、40Bを備えた樹脂モールド装置61を説明する。樹脂モールド装置61は、上下方向に対向して設けられ、ワークWを挟み込む上型70および下型80を含んで構成されている。上型70が固定プラテン(図示せず)に固定して組み付けられ、下型80が可動プラテン(図示せず)に固定して組み付けられている。なお、図6の樹脂モールド装置61で示す中央線(1点鎖線)の左側の状態は、上型70と下型80が離間して型開きした状態であって、図示しない搬送装置によって下型80の下型インサートブロック83にワークWが載置された状態である。また、図6の右側の状態は、上型70と下型80が近接して型閉じした状態であって、キャビティに樹脂90aが充填された状態である。
【0070】
可動プラテンは、公知の昇降機構(例えばトグル機構など)により昇降可能(上下動可能)である。これにより、上型70に対して下型80が昇降可能となる。可動プラテンおよび固定プラテンの上下の位置関係により、上型70および下型80が離間して型開きした状態では、上型70および下型80の間にワークWが供給(搬入)される。なお、可動プラテンおよび固定プラテンの互いに対向する面の平行度が保たれているので、上型70および下型80も、互いに対向する面の平行度が保たれるように構成される。
【0071】
まず、上型70について説明する。上型70の外周部には、内壁面74aが形成されたエンドブロック74が配置されている。また、上型70の中央部には、カル71aが形成されたセンターブロック71が配置されている。このセンターブロック71の両側に、摺動孔72aが形成された筒状のチェイスブロック72が対称に配置されている。このチェイスブロック72の一方の側面がセンターブロック71の外側面に接し、他方の側面がエンドブロック74の内壁面74aに接している。
【0072】
チェイスブロック72の摺動孔72aには、ワークWの半導体チップ3に下面が対向する上型キャビティインサート73が装着されている。また、上型キャビティインサート73の上面に接するレベリング部29A(載置ブロック52A)がチェイスブロック72の摺動孔72aに装着されている。後述するが、レベリング部29Aは、上型70のパーティング面に対して、昇降可能な上型キャビティインサート73のクランプ面73aの平行度を調節するものである。
【0073】
上型キャビティインサート73は、半導体チップ3の搭載領域に合わせて端面形状が形成されたブロックであり、摺動孔72a内に、型開閉方向に摺動可能に装着される。上型キャビティインサート73の下面(端面)は、チェイスブロック72の配線基板5をクランプする面よりもキャビティ中央よりの引き込み位置にあり、ワークWをクランプした際にキャビティが形成される。このようなキャビティインサート73は、下型80の下型インサートブロック83に向かって昇降するので、下型インサートブロック83と対をなしてワークWおよびキャビティをクランプするクランパ部であるともいえる。
【0074】
なお、キャビティはカル71aとランナゲートを介して連通されている。また、リリースフィルム62が、エンドブロック74を除く上型70の金型面(クランプ面)略全域を覆うように供給されている。
【0075】
各々の上型キャビティインサート73の背面側(上側)には、載置ブロック52Aを介して、型開閉方向と交差する方向に進退動して上型キャビティインサート73を型開閉方向に押動する可動テーパプレート75(押動部材)が設けられている。可動テーパプレート75の上側にはベースブロック79が配される。可動テーパプレート75の上面と当接するベースブロック79の下面は平坦面に加工され、このベースブロック79の平坦面が上型キャビティインサート73の型開閉方向の位置を規定する基準面となる。
【0076】
各々の可動テーパプレート75には、伝動軸76aとこれに進退動を与える動力部76bとを有する駆動部76が設けられている。伝動軸76aは、エンドブロック74を貫通し、先端が可動テーパプレート75の側面に係合して上型70に装着される。動力部76bは、例えばサーボモータとサーボモータの正逆回転を進退動に変換し、伝動軸76aの他端に係合する直動機構とを有している。
【0077】
上型キャビティインサート73と可動テーパプレート75との間に、可動テーパプレート75のテーパが形成された下面(テーパ面)に、テーパが形成された上面(テーパ面)が対向した固定テーパプレート77と、この固定テーパプレート77の下面に、上面が対向した載置ブロック52Aが配置される。可動テーパプレート75と固定テーパプレート77とが協働してレベリング部29A(載置ブロック52A)を介して上型キャビティインサート73を型開閉方向に昇降する。具体的には、可動テーパプレート75をセンターブロック71に向けて移動させると、上型キャビティインサート73は下型80に向けて下降する。可動テーパプレート75をセンターブロック71から離れる向きに移動させると、上型キャビティインサート73は上動する。
【0078】
ここで、レベリング部29Aを備えた平行昇降機構40Aを前記実施形態1の平行昇降機構40と対応させて説明する。平行昇降機構40Aは、平行昇降機構40の押動ブロック30に対応して、下型80の下型インサートブロック83に対して上型キャビティインサート73を昇降する押動部を備えている。この上型インサートブロック73を昇降する押動部は、駆動部76、可動テーパプレート75および固定テーパプレート77で構成される。
【0079】
また、平行昇降機構40Aは、平行昇降機構40のガイド部26に対応して、上型キャビティインサート73およびレベリング部29Aが挿入される摺動孔72aが形成されたチェイスブロック72(ガイド部)を備えている。
【0080】
また、平行昇降機構40Aは、平行昇降機構40のレベリング部29に対応して、上型キャビティインサート73とこの押動部との間に設けられ、上型キャビティインサート73のクランプ面73aの平行度を調節するレベリング部29Aを備えている。このレベリング部29Aは、例えば、図4を参照して説明したレベリング部29と同様の構造である。
【0081】
レベリング部29Aは、レベリング部29の載置ブロック52に対応して、摺動孔72aの対向する内壁面に当接して挿入され、上型キャビティインサート73を載置する載置ブロック52Aを有している。また、レベリング部29Aは、レベリング部29のスプリング部51に対応して、載置ブロック52Aと対向する摺動孔72aの内壁面との間に設けられたスプリング部51Aを有している。
【0082】
このような構成の平行昇降機構40Aは、レベリング部29Aがスプリング部21Aにより摺動孔72aの内壁面に対して載置ブロック52Aを押し付けて位置決めしたまま、チェイスブロック72(ガイド部)が載置ブロック52Aの下面上に設けられた上型キャビティインサート73の昇降をガイドする。このため、上型キャビティインサート73のクランプ面73aが上型70のパーティング面、換言すれば、クランプ状態における下型インサートブロック83のクランプ面83aに対して高い平行度を保つことができる。
【0083】
次に、下型80について説明する。下型80の外周部には、内壁面84aが形成されたエンドブロック84が配置されている。また、下型80の中央部には、ポット63が設けられるセンターブロック81が配置されている。このセンターブロック81の両側に、下型インサートブロック83が対称に配置される。下型インサートブロック83は、ワークWがセットされる上面が平坦面となるように形成されたブロックであり、型開閉方向に摺動可動に下型80に装着される。下型インサートブロック83の一方の側面がセンターブロック81の外側面81aに接し、他方の側面がエンドブロック84の内壁面84aに接している。
【0084】
このようにセンターブロック81とエンドブロック84との間には、ワークWの配線基板5に上面が対向する下型インサートブロック83が装着されている。また、下型インサートブロック83の下面に接するレベリング部29B(載置ブロック52B)がセンターブロック81とエンドブロック84との間に装着されている。後述するが、レベリング部29Bは、昇降可能な下型インサートブロック83のクランプ面83aの平行度を調節するものである。
【0085】
下型80においては、センターブロック81を挟む配置に、型開閉方向に摺動する下型インサートブロック83が装着されている。下型インサートブロック83上にワークWがセットされる。このような下型インサートブロック83は、上型60の上型キャビティインサート73と対向配置されているので、上型キャビティインサート73と対をなしてワークWおよびキャビティをクランプするクランパ部であるともいえる。
【0086】
なお、センターブロック81に設けられたポット63に樹脂タブレット90が供給される。また、ポット63内には、型開閉方向に摺動するプランジャ92が装着されている。
【0087】
各々の下型インサートブロック83の背面側(下側)には、載置ブロック52Bを介して、型開閉方向と交差する方向に進退動して下型インサートブロック83を型開閉方向に押動する可動テーパプレート85(押動部材)が設けられている。可動テーパプレート85の下側にはベースブロック89が配される。可動テーパプレート85の下面と当接するベースブロック89の上面は平坦面に加工され、このベースブロック89の平坦面が下型インサートブロック83の型開閉方向の位置を規定する基準面となる。
【0088】
各々の可動テーパプレート85には、伝動軸86aとこれに進退動を与える動力部86bとを有する駆動部86が設けられている。伝動軸86aは、エンドブロック84を貫通し、先端が可動テーパプレート85の側面に係合して下型80に装着される。動力部86bは、例えばサーボモータとサーボモータの正逆回転を進退動に変換し、伝動軸86aの他端に係合する直動機構とを有している。
【0089】
下型インサートブロック83と可動テーパプレート85との間に、可動テーパプレート85のテーパが形成された上面(テーパ面)に、テーパが形成された下面(テーパ面)が対向した固定テーパプレート87と、この固定テーパプレート87の上面に、下面が対向した載置ブロック52Bが配置される。可動テーパプレート85と固定テーパプレート87とが協働してレベリング部29B(載置ブロック52B)を介して下型インサートブロック83を型開閉方向に昇降する。これによってワークWの板厚に応じて下型インサートブロック83の位置を調節するようになっている。
【0090】
ここで、レベリング部29Bを備えた平行昇降機構40Bを前記実施形態1の平行昇降機構40と対応させて説明する。平行昇降機構40Bは、平行昇降機構40の押動ブロック30に対応して、上型70の上型キャビティインサート73に対して下型インサートブロック83を昇降する押動部を備えている。この下型インサートブロック83を昇降する押動部は、駆動部86、可動テーパプレート85および固定テーパプレート87で構成される。
【0091】
また、平行昇降機構40Bは、平行昇降機構40のガイド部26に対応して、下型インサートブロック83およびレベリング部29Bが挿入(装着)される摺動孔(以下、下型80の摺動孔という)を形成するエンドブロック84とセンターブロック81とで構成されるガイド部を備えている。ここで、下型80の摺動孔は、エンドブロック84の内壁面84aと、センターブロック81の外側面81aとの間で囲まれた空間のことをいう。
【0092】
また、平行昇降機構40Bは、平行昇降機構40のレベリング部29に対応して、下型インサートブロック83とこの押動部との間に設けられ、下型インサートブロック83のクランプ面83aの平行度を調節するレベリング部29Bを備えている。このレベリング部29Bは、例えば、図4を参照して説明したレベリング部29と同様の構造である。
【0093】
レベリング部29Bは、レベリング部29Bの載置ブロック52Bに対応して、下型80の摺動孔の対向する内壁面に当接して挿入され、下型インサートブロック83を載置する載置ブロック52Bを有している。また、レベリング部29Bは、レベリング部29のスプリング部51に対応して、載置ブロック52Bと対向する下型80の摺動孔の内壁面との間に設けられたスプリング部51Bを有している。
【0094】
このような構成の平行昇降機構40Bは、レベリング部29Bがスプリング部21Bにより下型80の摺動孔の内壁面に対して載置ブロック52Bを押し付けて位置決めしたまま、センターブロック81とエンドブロック84で構成されるガイド部が載置ブロック52Bの上面上に設けられた下型インサートブロック83の昇降をガイドする。このため、下型インサートブロック83のクランプ面83aが上型キャビティインサート73のクランプ面73aに対して高い平行度を保つことができる。
【0095】
次に、本実施形態における平行昇降機構40A、40Bを備えた樹脂モールド装置61を用いて、配線基板2上に実装された複数の半導体チップ3を一括で樹脂モールドする樹脂モールド方法について図6を参照して説明する。
【0096】
図6の左側で示す状態において、上型70の駆動部76で、ワークWの半導体チップ3の厚さに基づいて可動テーパプレート75を移動させて、上型キャビティインサート73のクランプ面73aの型開閉方向の位置を調節する。上型キャビティインサート73は、クランプ面73aが半導体チップ3の上面に接する位置よりも半導体チップ3を若干、下型80に向けて押し込む(押し潰す)位置に設定されている。これにより、上型キャビティインサート73によって半導体チップ3が確実にクランプされ、樹脂モールド時に半導体チップ3の外面に樹脂ばりが生じることを防止できる。
【0097】
また、下型80の駆動部86で、ワークWの配線基板2の厚さに基づいて可動テーパプレート85を移動させて、可動テーパプレート85のクランプ面83aの型開閉方向の位置を調節(板厚調整)する。この際、平行昇降機構40Bによって、下型80のパーティング面、換言すれば、チェイスブロック72の端面に対して下型インサートブロック83の平行度を保つことができる。これにより、配線基板2の全面に対して均一なクランプ力で配線基板2を的確にクランプして樹脂モールドすることができる。
【0098】
続いて、図6の右側で示す状態において、樹脂90aは各々の半導体チップ3の側面を封止するようにキャビティに充填される。上型70と下型80とによりワークWを確実にクランプした状態でキャビティに樹脂90aを充填することによって、配線基板2上や半導体チップ3の外面に樹脂ばりを生じさせずに樹脂モールドすることができる。
【0099】
上型70においては、摺動孔72aと上型キャビティインサート73との間には円滑な案内のために所定の隙間が存在している。摺動孔72aに上型キャビティインサート73を押し付けているため水平方向へ移動がなく可動テーパプレート75の移動による上型キャビティインサート73の位置調整を高精度に行うことができる。同様に、下型80においても、下型インサートブロック83の水平方向へ移動をなくして下型インサートブロック83の位置調整を高精度に行うことができる。これにより、配線基板2及び半導体チップ3における樹脂ばりを防止しながらこれらの破損も確実に防止することができる。
【0100】
なお、本発明を上型キャビティインサート73によって半導体チップ3をクランプする例について説明したがこれに限定されず、半導体チップ3上の隙間を樹脂充填時に可変させる場合にも用いることがきる。すなわち、本構成を用いて、キャビティ凹部の深さを最終成形厚に対応する所定の成形深さよりも深くした状態でキャビティに樹脂90aを充填した後、キャビティインサートをキャビティ凹部に向けて移動させて所定の成形深さとすることで樹脂90aの余剰分をキャビティ外(例えばポット63側)に流出させて成形することができる。
【0101】
この場合にも下型インサートブロック83に対して上型キャビティインサート73を平行に維持することができるため、キャビティ凹部の深さをキャビティの平面方向の全面に亘って均一にすることができ、半導体チップ3上の樹脂90aの厚みを均一にすることができ、極めて薄いパッケージであっても成形が可能となる。また、上述の通り、上型キャビティインサート73の位置調整を高精度に行うことができるため、成形厚を一層高精度に調整することが可能となる。
【0102】
以上、本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0103】
前記実施形態1では、一対のクランパ部のうち、下クランパ部28を上クランパ部27に向かって平行に昇降するにあたり、下クランパ部28に平行昇降機構40を設けた場合について説明した。これに限らず、前記実施形態2で説明した上型キャビティインサート73に平行昇降機構40A、下型インサートブロック83に平行昇降機構40Bを設けたように、一対のクランパ部の両方に平行昇降機構を設けても良い。もちろん、上クランパ部を下クランパ部に向かって平行に昇降するにあたり、上クランパ部に平行昇降機構を設けても良い。
【0104】
例えば、前記実施形態1では、接着層を介して積層された第1および第2部材として、それぞれ配線基板2および半導体チップ3を含むワークWを用いた場合について説明したが、さらに第3、第4、・・・の部材が積層されたワークに対しても適用することができる。例えば、第1部材として配線基板、第2および第3部材としてそれぞれ半導体チップが接着層を介して積層されたワークに対しても適用することができる。また、例えば、基板として配線基板2の他にリードフレームやウェハを用いても良い。また、例えば電子部品として半導体チップ3の他にコンデンサチップなどのチップ部品を用いても良い。
【0105】
また、前記実施形態1では、圧力調節部47に圧縮機を用いた場合について説明したが、圧縮機の代わりに、密閉空間16を減圧する減圧機(例えば真空ポンプ)が接続されても良い。減圧することで、接着層4内の微細な空気や、密閉空間16内の異物(浮遊物)を除去することができるからである。また、圧力調節部47は、減圧機と圧縮機を併用した処理を行うこともできる。例えば、密閉空間16内を減圧雰囲気として接着層4に微細な空気を積極的に排除したり空間中の異物を除去したりしてから加熱を開始して圧縮空間としてボイドの発生を抑制することで、相乗的効果を得ることができ配線基板2上に接着層4を介した複数の半導体チップ3の接続信頼性をより向上することができる。このように、圧力調節部47は、密閉空間16に接続される圧縮機または減圧機の少なくともいずれか一方を有しているものでも良い。
【0106】
また、例えば、前記実施形態1では、配線基板2の接続パッド5と半導体チップ3の接続バンプ6とが接していない状態のワークW(図7参照)を準備し、このワークWをクランプして配線基板2に複数の電子部品3を一括で接合して半導体装置7(図9参照)を製造する場合する場合について説明した。これに限らず、配線基板2の接続パッド5と半導体チップ3の接続バンプ6とが接した状態のワークW(図8参照)を準備し、このワークWをクランプして配線基板2に複数の半導体チップ3を一括で接合して半導体装置7を製造しても良い。接続バンプ6が溶融したワークWを加熱加圧する際に、接続パッド5と接続バンプ6との位置ずれを抑制することができるからである。
【0107】
また、例えば、前記実施形態1では、加熱により半導体チップ3の接続バンプ6が溶融する場合について説明した。これに限らず、配線基板2の接続パッド5を溶融させても、また、配線基板2の接続パッド5と半導体チップ3の接続バンプ6とも溶融させても、配線基板2と半導体チップ3とを接合することができる。
【0108】
また、例えば、前記実施形態1では、ワークWを下型12に載置する場合について説明した。これに限らず、上型11においてワークWを吸着や爪による把持で支持する構成であっても良い。この場合、下クランパ部に温度調節機構を設けることができる。
【0109】
また、例えば、前記実施形態1では、冷却部32として、内部を冷媒が通過する冷却管路34を用いた場合について説明したが、内部をエア及び水の両方が通過する冷却管路34を用いても良い。また、冷却部32の一部を空冷用、他部を水冷用とする場合であっても良い。この場合、圧着時(クランプ時)の温度を安定させるときには空冷を用い、初期の加熱を停止する際や圧着完了時に冷却するとき(非クランプ時)には水冷を行うことができ、複数のワークWに対して繰り返して圧着する場合に生産性を向上することができる。
【0110】
また、例えば、前記実施形態1では、上型11を固定プラテン13に固定して組み付け、下型12を可動プラテン14に固定して組み付けた場合について説明した。これに限らず、上型11を可動プラテン、下型12を固定プラテンに固定して組み付け、下型12に対して上型11を昇降するようにしても良い。
【0111】
また、本発明に係る平行昇降機構を他の装置に適用してもよい。例えば基板同士やウェハ同士を貼り合わせるための貼付け装置に適用することもできる。この場合にも、円滑に昇降することができるため、高い平行度でクランプすることができ、大型のワークWであっても均一な圧力を加えることで全面に亘って確実に貼り付けることができる。
【0112】
また、ナノインプリントに用いる転写装置にも適用することができる。この場合にも上記の圧着装置と同様の効果を奏することができる。例えばウェハ、基板またはプレート等の基材上に熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂が塗布された塗布面に対して、所定の凹凸パターンを有する成形型を加熱しながら押し付ける。なお、熱可塑性樹脂を用いるときには樹脂を冷却して固化させる。これにより、基材上にパターン転写した樹脂層を形成することができる。この場合、樹脂の溶融や硬化(固化)のための加熱や冷却の工程によって平行昇降機構の各部の温度が変化するが、上述の通り、このような温度変化のある場合でも各クランプ面にそれぞれ配置された基材と成形型とを高い平行度を維持しながら昇降することができる。このため、基材と成形型を高い平行度でクランプすることができ、樹脂層の厚みを均一に成形することができる。
【0113】
なお、ガイドブロック26の平滑な面で案内させながら昇降できるため、押付け開始から樹脂から成形型を離すことで成形を終了させるまでの間、基材に対する成形型の向きを均一に維持することができる。このため、凹凸の深さが深いパターンであってもパターンを歪ませることなく確実に転写することができる。また、スムーズに昇降することができるため、クランプ力に及ぼす影響を極めて小さくすることができる。この結果、クランプ力を高精度に制御することができ、成形型や基材の破損を確実に防止しながら製品の大型化に容易に対応することができる。
【符号の説明】
【0114】
26 ガイドブロック
26a 摺動孔
27 上クランパ部
28 下クランパ部
29 レベリング部
30 押動ブロック(押動部)
40 平行昇降機構
51 スプリング部
52 載置ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のクランパ部の一方を他方に向かって平行に昇降する平行昇降機構であって、
前記他方のクランパ部に対して前記一方のクランパ部を昇降させる押動部と、
前記一方のクランパ部と前記押動部との間に設けられ、前記一方のクランパ部のクランプ面の平行度を調節するレベリング部と、
前記一方のクランパ部および前記レベリング部が挿入される摺動孔が形成されたガイド部とを備え、
前記レベリング部は、前記摺動孔の内壁面に当接して挿入され、前記一方のクランパ部を載置する載置ブロックと、該載置ブロックと対向する前記摺動孔の内壁面との間に設けられたスプリング部とを有し、
前記レベリング部は、前記スプリング部により前記摺動孔の内壁面に対して前記載置ブロックを押し付けて位置決めしたまま前記摺動孔内を摺動することにより、前記載置ブロック上に設けられた前記一方のクランパ部の昇降をガイドすることを特徴とする平行昇降機構。
【請求項2】
請求項1記載の平行昇降機構において、
前記スプリング部は、スプリングと、該スプリングに付勢されて前記ガイド部の摺動孔の内壁面に押し当てられたまま摺動する摺動プレートとを有しており、
前記載置ブロックの側面に対向して突設されたフレーム部に配置された前記摺動プレートが、前記フレーム部に案内されて前記ガイド部の摺動孔の内壁面に押し当てられていることを特徴とする平行昇降機構。
【請求項3】
請求項2記載の平行昇降機構において、
前記載置ブロックおよび前記摺動孔の平面視形状が矩形状であり、
前記載置ブロックの側面うち、隣接する2側面がそれぞれ対向する前記摺動孔の内壁面に当接し、残りの隣接する2側面にそれぞれに前記スプリング部が設けられていることを特徴とする平行昇降機構。
【請求項4】
請求項2記載の平行昇降機構において、
前記載置ブロックおよび前記摺動孔の平面視形状が円形状であり、
前記載置ブロックの側面うち、径方向一方側の円弧状側面がこれに対向する前記摺動孔の円弧状内壁面に当接し、径方向他方側の円弧状側面に前記スプリング部が設けられていることを特徴とする平行昇降機構。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の平行昇降機構を備え、
前記一対のクランパ部でワークをクランプすることを特徴とする半導体製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−12541(P2013−12541A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143367(P2011−143367)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000144821)アピックヤマダ株式会社 (194)
【Fターム(参考)】