説明

広範囲かつダイナミックに再構成可能なクロックデータ回復アーキテクチャ

【課題】広範囲のデータレートに渡って動作可能なCDRアーキテクチャを提供する。
【解決手段】広範囲およびダイナミックにリプログラミング可能なCDRアークテクチャは、広範囲の動作周波数でシリアル入力データから埋め込まれたクロック信号を回復する。広範囲のデータレートをサポートするために、CDRアーキテクチャは、複数の動作パラメータを含む。これらのパラメータは、様々な先行/後行の分割器設定、チャージポンプ電流、ループフィルタおよび帯域幅選択、および、VCOギアを含む。パラメータは、回路またはPLDのパワーダウンなしに、ダイナミックにリプログラミングされ得る。これは、CDR回路が、様々な規格とプロトコルとの間を迅速に切り替えることを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2005年8月3日に出願された米国仮特許出願第60/705,534号明細書の利益を主張し、本明細書中において、その出願の全容が援用される。
【0002】
(背景の説明)
本発明は、一般的に、クロックデータ回復回路に関し、より詳細には、広域かつダイナミックに再構成可能なクロックデータ回復回路に関し、その回復回路は、プログラマブルロジックデバイスに提供、またはそれに関連して提供され得る。
【背景技術】
【0003】
デバイス間のシグナリングの益々重要になるタイプは、クロック信号情報がシリアルデータストリームに埋め込まれ、それによって、切り離されたクロック信号の送信が必要でなくなるシグナリングである。例えば、データは、シリアル「ヘッダー」に先行される多数の連続するシリアルデータワードの「パケット」において、直列に送信され得る。ここにおいて、シリアル「ヘッダー」は、1と0から成る二進の所定のパターンを有する多数のトレーニングビットを含む。クロック信号情報は、データ信号のハイ−ロー、および/またはロー−ハイ移行によって、そのデータ信号に埋め込まれる。ここにおいて、そのデータ信号は、クロック信号の特定のサイクル数内に少なくとも1回のハイ−ローまたはロー−ハイ移行を有さなければならない。受信器において、クロック信号は、データ信号内のデータを適切な処理用に、データ信号から「回復」される。本明細書中、便利性のために、シグナリングのこの一般的なタイプは、総称的に「クロックデータ回復」または「CDR」シグナリングとして示される。
【0004】
CDRシグナリングは、多数の異なったシグナリングプロトコルにおいて近年用いられている。これらのプロトコルは、パラメータに対して変化し、そのパラメータは、例えば、クロック信号周波数、ヘッダー構成、パケットサイズ、データワード長、並列チャンネルの数等である。
【0005】
プログラマブルロジックデバイス(「PLD」)は、例えば、Cliffらの特許文献1、Cliffらの特許文献2、Jeffersonらの特許文献3、およびNgaiらの特許文献4として参照されるものに示されるように周知である。一般的に、PLDは、任意の広範囲のロジックタスクを行うようにプログラム可能な汎用の集積回路デバイスである。異なったロジックタスクを行うための個別のロジック回路を設計し、作るよりも、汎用PLDは、それら多様なロジックタスクを行うように、様々な異なった様式においてプログラムされ得る。電子回路およびシステムの多数の製造者は、PLDを、彼らが作ること必要としているものである様々な構成要素を提供するために有利なものであると認識している。
【0006】
CDRシグナリングは、多数の通信規格をサポートする能力を有することが非常に望まれる領域である。CDRシグナリングが、厳しいルーティング信号必要条件を取り除くため、システムは、多数の異なる独立したクロックドメインを用いて作成され得る。これらのクロックドメインは、多様な通信規格およびプロトコルをサポートし得る。例えば、GIGE、XAUI、PIPE、SONET、およびPCI−Eは、CDRシグナリングを用いてサポートし得る規格およびプロトコルの一例にすぎない。これらの規格およびプロトコルは、多様なアプリケーションをサポートするために広範囲のデータレートを特定し得る。
【特許文献1】米国特許第5,689,195号明細書
【特許文献2】米国特許第5,909,126号明細書
【特許文献3】米国特許第6,215,326号明細書
【特許文献4】米国特許第6,407,576号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、広範囲のデータレートに渡って動作可能な高性能で低電力のCDRアーキテクチャを提供することが望まれ得る。さらに、デバイスの他の部分を妨害することなく、迅速に、これらの多様な規格およびプロトコルをサポートするようにダイナミックに再構成可能なCDRアーキテクチャを提供することが、さらに望まれ得る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記のようなタイプの回路を動作させる方法も含む。
【0009】
本発明のさらなる特徴、性質、および様々な有利な点は、添付の図面および後述の記載から、より明確になる。
【0010】
本発明の実施形態にしたがい、CDR回路が提供され、それは、CDR受信器回路、CDR送信器回路、および/または、CDR受信器回路およびCDR送信器回路の両方を含み得る。本発明のCDR回路は、好ましくは、大幅にプログラム可能であり、他のPLD回路を有する集積回路に含まれ得、または、独立した集積回路上に少なくとも部分的に含まれ得る。CDR回路が、独立した回路上に少なくとも部分的にある場合、そのCDR回路は、より従来型のPLD集積回路(例えば、PLDを有する一般的なパッケージにおいて)との効率の良い結合を助長するように構成され得る。
【0011】
本発明にしたがうCDR受信器回路は、処理されるCDRデータ信号の信号源からの基準クロック信号を、または、他の適切な基準クロック信号源からの基準クロック信号を、好ましくは受信する。基準クロック信号の周波数は、CDRデータ信号のクロック周波数との既知の関係を有するが、CDRデータ信号と同調している必要性はない。個別の基準クロック信号に対して必要なことは、典型的なCDRシグナリングから逸れるが、本発明の回路が、任意の広範囲CDR周波数において動作するようにプログラム可能であることを可能にする。また、個別の基準クロック信号が、CDRデータ信号と特別の位相関係を有することを必要としないため、基準クロック信号とCDRデータ信号との間の可能性としてあり得るスキュー(すなわち、位相シフト)に関する制限は存在しない。(CDRシグナリングを用いて、クロック信号は、データ信号に埋め込まれ、それによって、そのデータ信号に対してのクロック信号のスキューは全く起こらないため、スキューに関する課題は、CDRシグナリングを用いる主たる動機の1つである。)規準クロック信号は、1つ以上のクロック分割器によって分割され得、それによって、最大基準クロックスピードにおいて動作するために、CDR回路に必要なものが低減する。さらに、クロック分割器は、CDR回路の複数のブロックが、この分割された基準クロック源によってトレインされることを可能にし得、それによって、回路が、マルチクリスタルおよび/または独立チャネル動作をサポートすることを可能にする。
【0012】
CDR受信器回路は、CDRデータ信号から埋め込まれたクロック信号を回復するために、基準クロック信号およびCDRデータ信号を使用する。CDRデータ信号クロックのこの回復に用いられる様々なパラメータおよびオプションが、様々な通信規格およびプロトコルをサポートするように、好ましくはプログラム可能である。例えば、多数の基準クロック分割器設定に加え、CDR回路は、回路のチャージポンプ、ループフィルタ、および電圧制御発振器(VCO)ブロックに関するプログラム可能なオプションも含み得る。回復されたクロック信号は、ワード長パラメータ等のプログラム可能パラメータを好ましくは再び使用して、CDRデータ信号を非直列化するために用いられ得る。その非直列化されたデータは、次に、異なったクロック体制において(例えば、CDR回路に関連するより従来型のPLD回路におけるクロック信号にしたがって)処理するために、同期され得、またはバッファされ得る。
【0013】
様々な回路設定およびオプションを介して広範囲のデータレートをサポートすることに加え、CDR回路は、様々な通信規格およびプロトコルの必要条件を迅速に満たすために、好ましくは、ダイナミックに再構成可能である。したがって、CDR回路は、1つの通信規格を満たすようにプログラムされ得、そして、他の通信規格を満たすためにダイナミックにリプログラミングされ得る。これは、また、1つのチャネルが動作可能である一方、他のチャネルをリプログラミングすることが可能であるCDR回路を可能にもする。CDR回路のダイナミックなリプログラミングは、また、デバイスを再構成するためにPLDをパワーダウンする必要性も除去する。
【0014】
本発明のさらなる特徴、性質、および様々な有利な点は、添付の図面および後述の詳細な記載から、より明確になる。
【0015】
本発明は、さらに、以下の手段を提供する。
【0016】
(項目1)
CDR信号を受信し、処理するための広範囲CDR回路であって、該回路は、
CDRデータ信号を受信する手段と、
基準クロック信号を受信する手段と、
第1のユーザプログラム可能値によって該基準クロック信号を分割する手段と、
第2のユーザプログラム可能値によってフィードバッククロックを分割する手段と、
該基準クロックを該フィードバッククロックと比較する手段と、
該CDRデータ信号から回復されるクロック信号を出力する手段と
を備える、回路。
【0017】
(項目2)
上記分割された基準クロックを上記フィードバッククロックと比較する手段をリセットする手段をさらに備える、項目1に記載の回路。
【0018】
(項目3)
上記第1のユーザプログラム可能値および上記第2のユーザプログラム可能値をダイナミックにリプログラミングする手段をさらに備える、項目1に記載の回路。
【0019】
(項目4)
上記第1のユーザプログラム可能値および上記第2のユーザプログラム可能値をダイナミックにリプログラミングする上記手段は、上記回路が、該回路のパワーダウンなしにリプログラミングされることを可能にする、項目3に記載の回路。
【0020】
(項目5)
上記基準クロックが、上記CDRデータ信号との所定の関係を有する、項目1に記載の回路。
【0021】
(項目6)
上記所定の関係が、スケール係数を含む、項目5に記載の回路。
【0022】
(項目7)
上記CDRデータ信号を受信する手段が、少なくとも1つの動作パラメータに対してプログラム可能である、項目1に記載の回路。
【0023】
(項目8)
CDR信号を受信し、処理するための広範囲CDR回路であって、該回路は、
CDRデータ信号を受信するように構成される第1の入力回路と、
第1のユーザプログラム可能値によって基準クロック信号を分割するように構成される第1のクロックカウンタ回路と、
該基準クロック信号およびフィードバッククロック信号を受信し、該基準クロック信号を該フィードバッククロック信号と比較する、ように構成される第2の入力回路と、
第2のユーザプログラム可能値によって該フィードバッククロックを分割するように構成される第2のクロックカウンタ回路と、
該受信されたCDR信号から回復されたクロック信号を出力するように構成された出力回路と
を備える、回路。
【0024】
(項目9)
上記第1の入力回路および上記第2の入力回路のうちの少なくとも1つをリセットするためのリセット信号をさらに備える、項目8に記載の回路。
【0025】
(項目10)
上記第1の入力回路が、位相ロックループ回路を備える、項目8に記載の回路。
【0026】
(項目11)
上記位相ロックループ回路が、位相検出回路を備える、項目10に記載の回路。
【0027】
(項目12)
上記第1のユーザプログラム可能値および上記第2のユーザプログラム可能値をダイナミックにリプログラミングするためのI/Oインターフェースをさらに備える、項目8に記載の回路。
【0028】
(項目13)
上記I/Oインターフェースは、上記回路が、該回路のパワーダウンなしにリプログラミングされることを可能にする、項目12に記載の回路。
【0029】
(項目14)
上記第2の入力回路が、位相ロックループ回路を備える、項目8に記載の回路。
【0030】
(項目15)
上記位相ロックループ回路が、位相周波数検出回路を備える、項目14に記載の回路。
【0031】
(項目16)
上記基準クロックが、上記CDRデータ信号と所定の関係を有する、項目8に記載の回路。
【0032】
(項目17)
上記所定の関係が、スケール係数を含む、項目8に記載の回路。
【0033】
(項目18)
広範囲CDR回路をダイナミックに再構成するための方法であって、該方法は、
メモリからの少なくとも1つのデフォルトCDR動作パラメータを受信することと、
第1の入力インターフェースにおいてCDRデータ信号を、第2の入力インターフェースにおいて基準クロック信号を、受信することと、
少なくとも1つのユーザ規定CDR動作パラメータを受信することと、
該少なくとも1つのユーザ規定CDR動作パラメータの受信に応答して、該第1の入力インターフェースおよび該第2の入力インターフェースのうちの少なくとも1つをリセットすることと、
該CDR回路のパワーダウンなしに、該少なくとも1つのユーザ規定CDR動作パラメータに一部少なくとも基づいて、該CDR回路を再構成することと
を包含する、方法。
【0034】
(項目19)
上記少なくとも1つのユーザ規定CDR動作パラメータは、上記CDR回路が、PCI−E、CEI、GIGE、XUAI、SONET OC−48、およびSONET OC−12より構成される群から選択される少なくとも1つの通信規格をサポートすることを可能にする、項目18に記載の方法。
【0035】
(項目20)
上記少なくとも1つのユーザ規定CDR動作パラメータが、I/Oインターフェースを介して受信される、項目18に記載の方法。
【0036】
(項目21)
上記I/Oインターフェースが、MDIOインターフェースを備える、項目20に記載の方法。
【0037】
(項目22)
ダイナミックに構成可能な広範囲CDR回路であって、該回路は、
少なくとも1つのデフォルトCDR動作パラメータを記憶するメモリと、
CDRデータ信号を受信するように構成される第1の入力回路と、
基準クロック信号を受信するように構成される第2の入力回路と、
少なくとも1つのユーザ規定CDR動作パラメータを受信し、該少なくとも1つのユーザ規定CDR動作パラメータを用いて、該少なくとも1つのデフォルトCDR動作パラメータをリプログラミングする、ように構成されるI/Oインターフェースと、
該第1の入力回路および該第2の入力回路のうちの少なくとも1つをリセットするように構成されるリセット回路と
を備える、CDR回路。
【0038】
(項目23)
上記第1の入力回路が、位相ロックループ回路を備える、項目22に記載のCDR回路。
【0039】
(項目24)
上記位相ロックループ回路が、位相検出回路を備える、項目23に記載のCDR回路。
【0040】
(項目25)
上記第2の入力回路が、位相ロックループ回路を備える、項目22に記載のCDR回路。
【0041】
(項目26)
上記位相ロックループ回路が、位相周波数検出回路を備える、項目25に記載のCDR回路。
【0042】
(項目27)
上記I/Oインターフェースが、MDIOインターフェースを備える、項目22に記載のCDR回路。
【0043】
(項目28)
上記少なくとも1つのユーザ規定CDR動作パラメータは、上記CDR回路が、PCI−E、CEI、GIGE、XUAI、SONET OC−48、およびSONET OC−12より構成される群から選択される少なくとも1つの通信規格をサポートすることを可能にする、項目22に記載のCDR回路。
【0044】
(項目29)
上記少なくとも1つのデフォルトCDR動作パラメータが、ユーザプログラム可能である、項目22に記載のCDR回路。
【0045】
(項目30)
上記I/Oインターフェースが、上記CDR回路のパワーダウンなしに、上記少なくとも1つのユーザ規定CDR動作パラメータを用いて、上記少なくとも1つのデフォルトCDR動作パラメータをリプログラミングするように構成される、項目22に記載のCDR回路。
【0046】
(項目31)
上記I/Oインターフェースが、上記少なくとも1つのデフォルトCDR動作パラメータをリプログラミングする一方、上記リセット回路は、上記第1の入力回路および上記第2の入力回路のうちの少なくとも1つをリセットするように構成される、項目22に記載のCDR回路。
【発明の効果】
【0047】
本発明により、広範囲のデータレートに渡って動作可能な高性能で低電力のCDRアーキテクチャが提供され得る。さらに、本発明により、デバイスの他の部分を妨害することなく、迅速に、上記の多様な規格およびプロトコルをサポートするようにダイナミックに再構成可能なCDRアーキテクチャが提供され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
図1は、本発明に従ったCDRシグナリング装置100の例示的な実施形態を示す。CDRシグナリング装置100は、CDR信号源110とCDRコア回路116とを含み得る。CDR信号源110は、CDRデータ信号源112と基準クロック信号源114とを含み得る。CDRデータ信号源112は従来のものであり得る。信号は、所望であれば、差動CDRデータ出力信号のペアを発生するために、従来の差動シグナリングドライバへ適用され得る。差動シグナリングはオプションであり、CDRデータ信号111は、代わりに、図1に示すように単一のリード上で伝達され得る。CDRコア回路116は、CDRデータ信号111と基準クロック信号113との両方を受信し得る。図1の例では、CDRコア回路116は基準クロック信号113をCDR信号源110から受信するが、基準クロック信号113は、別の適切な基準クロック信号源から生じ得る。
【0049】
CDRコア回路116は、CDRデータ信号源112の組み込み型のクロック信号の回復を試み得る。一般的に、組み込み型のクロックの回復は、CDRコア回路116内にある少なくとも1つの位相ロックループ(「PLL」)を用いて遂行される。CDRコア回路116は、2つの基本モードのうちの一方において動作し得る。CDRコア回路116は、lock−to−reference(「LTR」)モードの間は1つのフィードバックループを使用し得、lock−to−data(「LTD」)モードの間は別のフィードバックループを使用し得る。いくつかのポイントにおいて、CDR回路116は、データ回復を開始するためにLTRモードからLTDモードへ切り替えなければならない。CDR回路116は、次いで、リード122上の回復されたクロック信号を出力し得、リード117上のデータ信号を回復し得る。オプションとして、これらの信号のうちの一方または両方がデシリアライザ118へ適用され得る。デシリアライザ118は、適用された、リタイミングされたシリアルデータをパラレルデータ120へと変換し得る。PLD回路に関連するCDR回路は、2001年3月13日出願の、Aungら、米国特許出願第2001/0033188号においてさらに詳細に示されている。当該出願の全内容を、本明細書において参照として援用する。
【0050】
図2は、図1に示すCDR回路の例示的な部分の、簡略ブロック図である。CDR回路200は、位相周波数検出器(「PFD」)ブロック202と、チャージポンプおよびループフィルタブロック206と、フィードバックカウンターブロック204と、VCOブロック208とを含み得る。回路200は、基本的には位相ロックループ(「PLL」)であり、そのため、本明細書ではそのように記載することもある。このループは、CDRがLTRモードにある間に使用され得る。基準クロック信号201はPFDブロック202によって受信される。PFDブロック202は従来のものであり得、基準クロック信号201の位相および周波数を、フィードバックカウンターブロック204のフィードバック信号205と比較する。PFDブロック202は、基準クロック信号201の位相および周波数とより良く整合するようにフィードバック信号205を加速または減速するべきであるか否かを示す信号(または信号のペア)を出力するように構成される。このように、PFDブロック202はPFDブロック202の2つの入力信号間の位相および周波数の誤差を示す信号を出力し得る。一部の実施形態において、CDR回路がLTDモードに切り替えられた際の位相のスキューやその他の歪みを最小化するために、全ての基準クロックエッジに対し、極小かつ均等な昇降(equal up and down)電流パルスがPFDブロック202によって生成される。
【0051】
チャージポンプ/ループフィルタブロック206は、出力信号またはPFDブロック202の信号を統合し、ループフィルタ内のループ制御ノードから適切な量の電荷を付加または除去する。このことが、次にVCOブロック208内のVCOを減速または加速する。その効果は、VCOブロック208の出力信号を、位相および周波数の点で基準クロック信号201とより良く整合させるということである。一部の実施形態において、チャージポンプ/ループフィルタブロック206は、CDRがLTDモードにある場合にチャージポンプが均等な昇降電流をループフィルタへ提供し得るように、別の電源からのチャージポンプ電源を調節するための、調節器(たとえば1.8V調節器)を含む。調節器は、電源からの任意のノイズがチャージポンプへ到達する前にフィルタリングアウトされるように電源ノイズ拒否率を改善することもできる。チャージポンプは、チャージ共有による任意の電荷損失を補償するユニティゲインオペアンプをも含み得る。このように、VCO制御電圧への迅速な回復が達成され得、ループフィルタから付加または除去されるチャージの量を制御するのに役立つ。最後に、チャージポンプは、均等な昇降電流を広範囲の制御電圧(たとえば0.25V〜1.45V)にわたるように保証するようにスイッチングノードを制御するための補償ループをも含み得る。
【0052】
VCOブロック208は、より優れたノイズ性能のために、電圧調節器を備えた2段階式で差動のリング電圧制御発振器を含み得る。一部の実施形態において、VCOは、広範囲の周波数をサポートするための2つ以上のギア(または帯域幅選択)を有する。たとえば、高速ギアおよび低速ギアが定義され得る。これらのギアはプログラム可能なVCO容量性負荷に対応し得る。たとえば、高速ギアは、より低い容量性負荷を用いることによって高周波数動作をサポートし得る。高速ギアは、より高いVCO位相ノイズを生じ得る。低速ギアは、より低いVCO位相ノイズを伴う、より高い容量性負荷を用いてより低い周波数をサポートし得る。一部の実施形態において2つのギアが使用され得るが、その他の実施形態においては任意の数のギアが定義され得る(たとえば、5つのギア−高速、中高速、中速、中低速、低速が定義され得る)。各ギアは、多種の異なるアプリケーションをサポートするように設計される。このことによって、CDR回路が広範囲のデータ速度と互換性であることが可能になる。VCOブロック208は、リード(1つまたは複数)209上で4つのクロック信号を発生し得る。4つのクロック信号は全て同じ周波数を有するが、互いに対して位相をシフトされている。CLK0およびCLK180は、偶数および奇数のデータビットをサンプリングするために使用され得、一方、CLK90およびCKK270は遷移の端を検出するために使用され得る。クロック信号は、回路がLTDモードにある場合にデータを回復するために使用され得る。回復されたクロックは、CDR回路の後に位置するデシリアライザブロックへも提供され得る。
【0053】
VCOブロック208の出力は、フィードバックカウンター204によっても受信され得る。フィードバックカウンター204は、信号周波数を1つ以上のスケール係数で分割し得る。スケール係数はプログラム可能であり得る。たとえば、所望のスケール係数が1つ以上のプログラム可能な機能制御要素(「FCE」)内に格納され得る。一部の実施形態において、スケール係数は同調範囲を300MHz以下から3.25GHzまで拡大し得る。
【0054】
図2の回路は制御された方式でリセットされ得る。たとえば、ロック状態の損失がPLLにおいて検出されると、リセット信号203がPLLをリセットし得る。リセット信号203は、ダイナミックに回路を再構成する間にチャージポンプ/ループフィルタブロック206および/またはVCOブロック208をもリセットし得る。
【0055】
図3は、CDR回路300の簡略ブロック図であり、図2の下部LTRフィードバックループと上部LTDフィードバックループとの両方を示す。PFDブロック304、チャージポンプ/ループフィルタブロック306、VCOブロック308、およびフィードバックカウンターブロック312に加え、回路300は、位相検出器ブロック302およびロック検出ブロック310をも含み得る。位相検出器ブロック302、チャージポンプ/ループフィルタブロック306、およびロック検出ブロック310は、上部LTDフィードバックループを形成し得る。図2に示すループと同様に、この上部フィードバックループはPLLのように動作し、本明細書中ではデジタル位相ロックループ(「DPLL」)回路と呼ばれることがある。
【0056】
位相検出器ブロック302は、CDRデータ信号301およびフィードバッククロック信号315の出力の両方をVCOブロック308から受信する。一部の実施形態において、位相検出器ブロック302はVCO308から2つのフィードバッククロック信号を受信し得る。これらの信号のうちの一方はCDRデータ信号における立ち上がりエッジとの比較用であり、他方の信号はデータ信号における立ち下がりエッジとの比較用である。位相検出器ブロック302は、受信した信号の位相を比較し、チャージポンプ/ループフィルタブロック306への出力信号を発生する。位相検出器ブロック302からの出力信号は、CDRデータ信号源における位相の転移とより良く調和するためにフィードバッククロック信号315を加速または減速する必要があるか否かを示し得る。このように、位相検出器ブロック302から出力された1つまたは複数の信号は、CDRデータ信号301とフィードバッククロック信号315との間の位相誤差に比例し得る。
【0057】
チャージポンプ/ループフィルタブロック306は、LTDモードの間は位相検出器ブロック302からの信号に従い得、LTRモードの間はPFDブロック304からの信号に従い得る。チャージポンプ/ループフィルタブロック306は、その上下の制御信号をロック検出ブロック310へ出力し得る。フィードバッククロック信号315と基準クロック信号303との周波数が同じである(または何らかのプログラム可能な範囲である)場合、ロック検出ブロック310はロック状態をシグナリングし得る。ロック信号は、ロック検出ブロック310からロック信号314として出力され得る。VCOブロック308は、リード(1つまたは複数)316上へ回復されたクロック信号を出力し得る。
【0058】
図4は、本発明の一実施形態に従った図1のCDR回路のさらになお簡略化された、より詳細な概略ブロック図である。CDR回路400は、数個の構成オプションを含む。これらのオプションによって、CDR回路400の全ての主要なブロックが新たな仕様、要件、および/またはデータ速度を満たすように再構成され得るようになる。一部の実施形態において、CDR回路400は、PLD、ラインカードまたはシステムをパワーダウンすることなく、オンザフライで(on−the−fly)ダイナミックに再構成される。CDR回路400はCDR回路400への多数の異なる入力を介する主要な構成オプションを示すが、最も厳格な仕様を満たすようにCDR回路400の動作をカスタマイズする、その他の構成オプションが存在する。たとえば、CDR回路400は、多様な周波数分割器設定、チャージポンプ電流設定、ループフィルタおよび帯域幅の選択、VCOギア設定を含み得る。このことについては以下により詳細に示す。
【0059】
図3の回路300および図2の回路200に関連して記載したように、CDR回路400は位相検出器ブロック406と、PFDブロック408と、チャージポンプ/ループフィルタブロック410と、ロック検出ブロック414と、VCOブロック412とを含み得る。一般的に、CDR回路400は、組み込み型のクロック信号をCDRデータ信号から回復するために基準クロック信号403とCDRデータ信号407とを使用する。広範囲の周波数において動作するために、CDR回路400は数個の構成オプションを受け得る。これらのオプションはユーザプログラム可能であり得る。たとえば、クロック選択信号405がクロックカウンター404へ入力され得る。クロックカウンター404は、基準クロック信号403を所望の係数で分割するように動作し得る。基準クロック信号を分割することによって、最大基準クロック速度で動作するというCDR回路の要件が削除される。また、クロックカウンター404は、CDR回路の複数のブロックがこの分割された基準クロック源によってトレーニングされ得、この回路がマルチクリスタルおよび/または独立のチャネル動作をサポートすることが可能になる。図4には1つのクロックカウンターのみを示したが、一部の実施形態において、CDR回路400は2つ以上のクロックカウンター404およびクロック選択信号405のインスタンスを含み得る。たとえば、第1のクロックカウンターはオプションとして基準クロック信号405を2で分割し得、第1のクロックカウンターの後に位置する第2のクロックカウンターはオプションとして基準クロック信号405を2または4で分割し得る。このことによって、クロック選択入力信号に応じて8の合計基準クロック分割という結果になり得る。
【0060】
CDR回路は、1つ以上のフィードバッククロック分割器をも含み得る。図4の例では、CDR回路400はLカウンター416とMカウンター418とを含む。Lカウンター416はLTDモードおよびLTRモードの両方において使用され得るが、Mカウンター418はLTRモードでのみ使用され得る。Lカウンター416はL分割器選択信号417を入力として受け取り得、Mカウンター418はM分割器選択信号419を入力として受け取り得る。一実施形態において、選択信号417および419は、1〜25の多様な分割設定を表し得る。しかしながら、Lカウンター416およびMカウンター418は、それぞれの入力を任意の所望の量で分割するように動作し得る。一部の実施形態において、Lカウンター416は、CDR回路400の同調範囲を300MHz以下から3.25GHzまで拡大し得、VCOブロック412の性能を向上し得る。Mカウンター418は、VCOブロック412の出力信号を分割し得、信号はPFDブロック408へのフィードバッククロックとして使用される。
【0061】
表1は、Lカウンター416、Mカウンター418、基準クロックカウンター404に対する一部の例示的な設定と、また同様にVCOおよび基準クロックの周波数とを示す。表1の設定は、一部の共通の通信プロトコルおよび規格をサポートするためにCDR回路の一実施形態によって利用するための例示的な設定にすぎない。表1の規格は網羅的なものでなく、その他の規格がサポートされる。実際の設定は、たとえば、使用される基準クロック分割器の数、ループフィルタおよびVCOの帯域幅選択、正確なCDRインプリメンテーション、ならびに所望のアプリケーションに応じて変動し得る。
【0062】
【表1】

上記の設定に加え、チャージポンプ/ループフィルタ410は、ループフィルタ設定411を入力として受信し得る。ループフィルタ設定411は、ループフィルタ内のプログラム可能な容量性負荷と抵抗設定とを調節するために使用され得る。一部の実施形態において、ループフィルタ設定411は、4ビット設定である。2ビットがループフィルタ抵抗器設定をプログラミングするために使用され得、2ビットがループフィルタ容量性負荷をプログラミングするために使用され得る。フィードバックループの帯域幅を改善するために、多様なその他のチャージポンプ電流設定およびループフィルタ設定が使用され得る。たとえば、VCO出力負荷を変動させるためには、先に述べたように高速ギアおよび低速ギアが定義され得る。これらのギアはプログラム可能なVCO容量性負荷に対応し得る。高速ギアはより低い容量性負荷を用いることによって高周波数動作をサポートし得る。高速ギアは、より高いVCO位相ノイズを結果として生じ得る。低速ギアは、より低いVCO位相ノイズを伴い、より高い容量性負荷を用いたより低い周波数をサポートし得る。2つ以上のVCOギアを用いることによって、回路400は広範囲のCDRデータ速度をサポートし得る。
【0063】
非常に高いデータ速度(たとえば最大3.25GHz)を用いる高性能のために、ほぼ全ての主要なCDRブロックにおいてダイナミックなフリップフロップ回路が使用されている。これらのフリップフロップ回路は、閾値以下の漏れ量に影響され得るため、低速のデータ速度においてCDRの失敗を防ぐために、スマートなキーパー(keeper)とフリップフロップデイジーチェーンアーキテクチャとが用いられる。CDR回路が非常に低速のデータ速度で動作している場合、漏れは機能上の欠陥につながり得る。また、制御信号ノイズに対処するため、広範囲にわたって調節器が電源ノイズ率を改善するのに使用される。また、電力消費を低減するためにインアクティブである場合、全てのCDRブロックはパワーダウンされ得る。さらに電力消費を低減するために、より伝統的なLCタンクスタイルのVCOとは対照的に、VCOは差動リング発振器として慎重に設計され得る。
【0064】
ロック制御装置ブロック402は、CDR回路400をLTDモードとLTRモードとの間で切り替えるために用いられる信号を生成し得る。一度LTDモードになると、CDR回路400はCDRデータ入力信号からシリアルデータを回復し始め得る。ロック制御装置ブロック402の動作は、ロック検出ブロック414の出力によって制御され得る。ロック制御装置ブロック402は、トレーニングフィードバッククロックと基準クロックとの間のPPM周波数差を比較し得る。これらの2つのクロック間の差が何らかのユーザプログラム可能な閾値以下であり、PPM周波数ロック入力が設定されている場合、ロック制御装置ブロック402は、チャージポンプ/ループフィルタブロック410へ周波数ロック信号を出力し得る。この信号は、チャージポンプ/ループフィルタブロック410に位相検出器ブロック406またはPFDブロック408のうちの一方に従わせ得る。このことによって、CDR回路400はLTRモードとLTDモードとの間で効果的に切り替わるようになる。図4に示すロック制御装置402はCDR回路400と一体化されているが、ロック制御装置402は一体化された別個のデバイスまたは回路の上に完全にまたは部分的に存在し得る。
【0065】
回復されたデータは、シリアルループバックブロック420へ入力され得る。このブロックは、高速マルチプレクサーを含み得る。高速マルチプレクサーは、回復されたデータおよびクロックを位相検出器ブロック406から受け取り、回復されたデータを転送バッファへルーティングする。ループバックブロック420のデータ出力は、次いで、シリアルデータを別のデバイスへリルーティングまたはリブロードキャスティングするために所望に応じて用いられ得る。
【0066】
図5は、データ処理システムにおける、本発明の実施形態に従ったプログラム可能な論理リソース502、マルチチップモジュール504、またはその他のデバイス(たとえばASSP、ASIC、フルカスタムチップ(full−custom chip)、専用チップ)を示す。データ処理システム500は、以下の構成要素:プロセッサ506、メモリ508、I/O回路510、周辺デバイス512のうちの1つ以上を含み得る。これらの構成要素は、システムバスまたはその他の相互接続520によって互いに結合されており、エンドユーザシステム540に含まれる回路基板530上に配置されている。たとえば、相互接続520は、標準的なPCI、PCI−X、またはPCI Expressの相互接続技術を含み得る。
【0067】
図6は、本発明のCDR回路をダイナミックに再構成するための例示的なプロセス600を示す。ダイナミックな再構成によって、PLD、ラインカードまたはシステムをパワーダウンすることなく、新たな規格、プロトコル、またはデータ速度を回路がサポートすることが可能となる。オンザフライのダイナミックな再構成は、多くの状況、特に他のチャネルが動作可能なままで1つのチャネルをリプログラミングする必要がある場合において有用であり得る。本明細書中に示す全てのCDR設定は、必要に応じて同時にまたは個別に更新され得る。
【0068】
例示的な方法600における第1のステップは、PLDを作動させ、デフォルトCDR RAM設定をロードすることである。これはステップ602で起こる。決定ブロック604において、回路は動作準備完了状態であるか否かを決定し得る。一度CDR回路が動作準備完了状態になると、ステップ606において、ロードされたデフォルトRAM設定に基づく通常のCDR動作が開始し得る。決定ブロック608において、回路は、CDRが再構成される必要があるか否かを決定し得る。再構成が所望されている場合、位相検出器およびPFDリセット信号がアサートされ得、それによって、制御された方式でこれらの2つのブロックをリセットする。CDRデータパスもまた、ステップ610において無効化され得る。ステップ612において、CDR設定はリプログラミングされる。一実施形態において、CDR回路によってアクセス可能なCDR構成レジスタバンクをプログラミングするために、MDIO(Management Data I/O)インタフェースが使用され得る。新たな設定がプログラミングされた後、ステップ614において、ステップ610でアサートされたリセット信号が解除され、データパスが有効化され得る。最後に、CDRロック検出信号がハイになると、CDRデータはステップ616において正しく回復されている。また、再構成は必要に応じてオンザフライで実行され得る。
【0069】
実用において、プロセス600に示す1つ以上のステップは、その他のステップと組み合わせられ得、任意の適切な順序で実行され得、並行して実行され得(たとえば同時に、または実質的に同時に)、あるいは削除され得る。たとえば、決定ブロック608におけるCDR回路再構成の決定は、ステップ606におけるデフォルト設定に基づく、通常の動作の前になされ得る。
【0070】
上記は本発明の原則の例示説明にすぎず、本発明の範囲および精神から逸脱することなく多様な修正が当業者によってなされ得るということが理解されよう。たとえば、本明細書中に示したCDR構成のオプションは例示にすぎない。広範囲のCDRアプリケーションをサポートするのに同等に適切であり得る、またはより適切であり得る、その他の構成オプションが存在する。
【0071】
以上に示した本発明の実施形態は、限定を目的とするのではなく例示を目的として提示されており、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0072】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【0073】
広範囲およびダイナミックにリプログラミング可能なCDRアークテクチャは、広範囲の動作周波数でシリアル入力データから埋め込まれたクロック信号を回復する。広範囲のデータレートをサポートするために、CDRアーキテクチャは、複数の動作パラメータを含む。これらのパラメータは、様々な先行/後行の分割器設定、チャージポンプ電流、ループフィルタおよび帯域幅選択、および、VCOギアを含む。パラメータは、回路またはPLDのパワーダウンなしに、ダイナミックにリプログラミングされ得る。これは、CDR回路が、様々な規格とプロトコルとの間を迅速に切り替えることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】図1は、本発明に従った例示的なCDR回路の簡略ブロック図である。
【図2】図2は、本発明に従って図1に示す回路の、代表部分の例示的な実施形態の簡略化された概略ブロック図である。
【図3】図3は、本発明に従って図1に示す回路の、代表部分の例示的な実施形態のさらになお簡略化された、より詳細な概略ブロック図である。
【図4】図4は、本発明に従って図1に示すCDR回路の例示的な実施形態の、さらになお簡略化された、より詳細な概略ブロック図である。
【図5】図5は、本発明に従ったプログラム可能な論理リソース、マルチチップモジュール、またはその他の適切なデバイスを採用した例示的なシステムの、簡略化された概略ブロック図である。
【図6】図6は、本発明の一実施形態に従った図4のCDR回路をダイナミックに再構成するための例示的なプロセスである。
【符号の説明】
【0075】
100 CDRシグナリング装置
110 CDR信号源
111 CDRデータ信号
112 CDRデータ信号源
113 基準クロック信号
114 基準クロック信号源
116 CDRコア回路
118 デシリアライザ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CDR信号を受信し、処理するための広範囲CDR回路であって、該回路は、
CDRデータ信号を受信する手段と、
基準クロック信号を受信する手段と、
第1のユーザプログラム可能値によって該基準クロック信号を分割する手段と、
第2のユーザプログラム可能値によってフィードバッククロックを分割する手段と、
該基準クロックを該フィードバッククロックと比較する手段と、
該CDRデータ信号から回復されるクロック信号を出力する手段と
を備える、回路。
【請求項2】
前記分割された基準クロックを前記フィードバッククロックと比較する手段をリセットする手段をさらに備える、請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記第1のユーザプログラム可能値および前記第2のユーザプログラム可能値をダイナミックにリプログラミングする手段をさらに備える、請求項1に記載の回路。
【請求項4】
前記第1のユーザプログラム可能値および前記第2のユーザプログラム可能値をダイナミックにリプログラミングする前記手段は、前記回路が、該回路のパワーダウンなしにリプログラミングされることを可能にする、請求項3に記載の回路。
【請求項5】
前記基準クロックが、前記CDRデータ信号との所定の関係を有する、請求項1に記載の回路。
【請求項6】
前記所定の関係が、スケール係数を含む、請求項5に記載の回路。
【請求項7】
前記CDRデータ信号を受信する手段が、少なくとも1つの動作パラメータに対してプログラム可能である、請求項1に記載の回路。
【請求項8】
CDR信号を受信し、処理するための広範囲CDR回路であって、該回路は、
CDRデータ信号を受信するように構成される第1の入力回路と、
第1のユーザプログラム可能値によって基準クロック信号を分割するように構成される第1のクロックカウンタ回路と、
該基準クロック信号およびフィードバッククロック信号を受信し、該基準クロック信号を該フィードバッククロック信号と比較する、ように構成される第2の入力回路と、
第2のユーザプログラム可能値によって該フィードバッククロックを分割するように構成される第2のクロックカウンタ回路と、
該受信されたCDR信号から回復されたクロック信号を出力するように構成された出力回路と
を備える、回路。
【請求項9】
前記第1の入力回路および前記第2の入力回路のうちの少なくとも1つをリセットするためのリセット信号をさらに備える、請求項8に記載の回路。
【請求項10】
前記第1の入力回路が、位相ロックループ回路を備える、請求項8に記載の回路。
【請求項11】
前記位相ロックループ回路が、位相検出回路を備える、請求項10に記載の回路。
【請求項12】
前記第1のユーザプログラム可能値および前記第2のユーザプログラム可能値をダイナミックにリプログラミングするためのI/Oインターフェースをさらに備える、請求項8に記載の回路。
【請求項13】
前記I/Oインターフェースは、前記回路が、該回路のパワーダウンなしにリプログラミングされることを可能にする、請求項12に記載の回路。
【請求項14】
前記第2の入力回路が、位相ロックループ回路を備える、請求項8に記載の回路。
【請求項15】
前記位相ロックループ回路が、位相周波数検出回路を備える、請求項14に記載の回路。
【請求項16】
前記基準クロックが、前記CDRデータ信号と所定の関係を有する、請求項8に記載の回路。
【請求項17】
前記所定の関係が、スケール係数を含む、請求項8に記載の回路。
【請求項18】
広範囲CDR回路をダイナミックに再構成するための方法であって、該方法は、
メモリからの少なくとも1つのデフォルトCDR動作パラメータを受信することと、
第1の入力インターフェースにおいてCDRデータ信号を、第2の入力インターフェースにおいて基準クロック信号を、受信することと、
少なくとも1つのユーザ規定CDR動作パラメータを受信することと、
該少なくとも1つのユーザ規定CDR動作パラメータの受信に応答して、該第1の入力インターフェースおよび該第2の入力インターフェースのうちの少なくとも1つをリセットすることと、
該CDR回路のパワーダウンなしに、該少なくとも1つのユーザ規定CDR動作パラメータに一部少なくとも基づいて、該CDR回路を再構成することと
を包含する、方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つのユーザ規定CDR動作パラメータは、前記CDR回路が、PCI−E、CEI、GIGE、XUAI、SONET OC−48、およびSONET OC−12より構成される群から選択される少なくとも1つの通信規格をサポートすることを可能にする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのユーザ規定CDR動作パラメータが、I/Oインターフェースを介して受信される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記I/Oインターフェースが、MDIOインターフェースを備える、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ダイナミックに構成可能な広範囲CDR回路であって、該回路は、
少なくとも1つのデフォルトCDR動作パラメータを記憶するメモリと、
CDRデータ信号を受信するように構成される第1の入力回路と、
基準クロック信号を受信するように構成される第2の入力回路と、
少なくとも1つのユーザ規定CDR動作パラメータを受信し、該少なくとも1つのユーザ規定CDR動作パラメータを用いて、該少なくとも1つのデフォルトCDR動作パラメータをリプログラミングする、ように構成されるI/Oインターフェースと、
該第1の入力回路および該第2の入力回路のうちの少なくとも1つをリセットするように構成されるリセット回路と
を備える、CDR回路。
【請求項23】
前記第1の入力回路が、位相ロックループ回路を備える、請求項22に記載のCDR回路。
【請求項24】
前記位相ロックループ回路が、位相検出回路を備える、請求項23に記載のCDR回路。
【請求項25】
前記第2の入力回路が、位相ロックループ回路を備える、請求項22に記載のCDR回路。
【請求項26】
前記位相ロックループ回路が、位相周波数検出回路を備える、請求項25に記載のCDR回路。
【請求項27】
前記I/Oインターフェースが、MDIOインターフェースを備える、請求項22に記載のCDR回路。
【請求項28】
前記少なくとも1つのユーザ規定CDR動作パラメータは、前記CDR回路が、PCI−E、CEI、GIGE、XUAI、SONET OC−48、およびSONET OC−12より構成される群から選択される少なくとも1つの通信規格をサポートすることを可能にする、請求項22に記載のCDR回路。
【請求項29】
前記少なくとも1つのデフォルトCDR動作パラメータが、ユーザプログラム可能である、請求項22に記載のCDR回路。
【請求項30】
前記I/Oインターフェースが、前記CDR回路のパワーダウンなしに、前記少なくとも1つのユーザ規定CDR動作パラメータを用いて、前記少なくとも1つのデフォルトCDR動作パラメータをリプログラミングするように構成される、請求項22に記載のCDR回路。
【請求項31】
前記I/Oインターフェースが、前記少なくとも1つのデフォルトCDR動作パラメータをリプログラミングする一方、前記リセット回路は、前記第1の入力回路および前記第2の入力回路のうちの少なくとも1つをリセットするように構成される、請求項22に記載のCDR回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−43717(P2007−43717A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−211486(P2006−211486)
【出願日】平成18年8月2日(2006.8.2)
【出願人】(597154922)アルテラ コーポレイション (163)
【氏名又は名称原語表記】Altera Corporation
【Fターム(参考)】