説明

建設機械の燃料監視装置

【課題】指定燃料以外の使用時にエンジンの停止等を行うことにより、メンテナンス部品の損傷を防止して高効率のエンジン性能を維持する。
【解決手段】エンジン10の排気系統に排ガス分析装置21を備えた建設機械の燃料監視装置20において、該排ガス分析装置21により排ガス中に含まれる二酸化硫黄等の被毒物質の濃度を測定する測定手段24と、該測定値が予め設定した閾値を越えた場合に指定燃料以外の燃料が使用されていると判定する燃料識別手段26と、指定燃料以外の燃料が使用されている場合に警報信号を発する警報手段27とを具備する。これにより、指定燃料以外の使用時には、これを即時に把握してエンジン10等の運転を変更すべく適切に動作制御することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建設機械の燃料監視装置に関するものであり、特に、使用燃料が指定燃料であるか否かを判別できる建設機械の燃料監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、此種建設機械においては、燃料コストを低減すべくディーゼルエンジンを搭載し、燃料としては一般に軽油を使用するが、エンジンの排ガス中に含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)又は窒化酸素(NO)等の有害物質を浄化処理するために、排気管やマフラ等の排気系統に排ガス後処理装置が設置される。該排ガス後処理装置には、有害物質を吸着除去するために、白金等の貴金属(金属酸化触媒)やDPF (Diesel Particulate Filter)等が内蔵される。
【0003】
しかし、排ガス後処理装置の使用において、活性種である貴金属の活性化が低下することがあり、その要因の一つとして、排ガス中に含まれる物質による被毒がある。これは、二酸化硫黄(SO)等の被毒物質が貴金属表面に吸着することにより、炭化水素、一酸化炭素又は窒化酸素等の吸着性能を妨害したり、或いは、貴金属の触媒作用に関係する電子的性質を変化させて触媒活性を低下させることに因る。依って、貴金属の活性化を回復させるためには、被毒の要因である貴金属への二酸化硫黄の吸着を防止する必要がある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−224786号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、建設機械においては、第3次排ガス規制に対応する観点から燃料としては、軽油のみの使用しか認められないが、実状としては重油等が使用されることがある。即ち、建設機械のディーゼルエンジンにおいて使用可能な燃料は軽油であるが、軽油に代えて重油やバイオディーゼル燃料等の他の燃料を混合して不正使用されることがある。重油等を不正使用する理由は、軽油よりも重油等の方が安価であり、大きなコスト削減効果が得られるからである。
【0005】
しかし、上記従来技術では、実際に使用している燃料が軽油であるか否かは判定できない実状にある。特に、建設機械のレンタル業者が油圧ショベル等をユーザに貸し出す際、ユーザによって使用される燃料の種類を正確に把握することは難しく、重油やバイオディーゼル燃料等が不正に使用されることがある。
【0006】
ディーゼルエンジンの燃料として、不純物を許容値以上含んだ重油等の粗悪な燃料が使用されると、予定された高効率のエンジン性能を発揮できない上に、エンジンのメンテナンス部品、特に燃料噴射系の部品に多大な損傷を与えるおそれがある。
【0007】
例えば、燃料フィルタの閉塞、排気系部品の腐食などを加速させる外に、エンジンオイルの劣化、オイルフィルタに損傷を与えることがあり、この場合、エンジン故障の原因を究明することが困難になる可能性が高くなる。尚、前記メンテナンス部品にはEGR(Exhaust Gas Recirculation)関連部品の外にエンジンオイル、冷却水などの消耗品も含まれる。
【0008】
そこで、重油等の指定燃料以外が使用されたことを監視して、エンジンの運転停止等を行うことで、高いエンジン性能を維持しつつメンテナンス部品の損傷を防止するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、エンジンの排気系統に排ガス分析装置を備えた建設機械の燃料監視装置であって、前記排ガス分析装置により排ガス中に含まれる二酸化硫黄等の被毒物質の濃度を測定する測定手段と、該測定値が予め設定した閾値を越えた場合に指定燃料以外の燃料が使用されていると判定する燃料識別手段と、指定燃料以外の燃料が使用されている場合に警報信号を発する警報手段とを具備する建設機械の燃料監視装置を提供する。
【0010】
この構成によれば、エンジンの使用燃料が指定燃料(軽油)以外であるときは、排ガス分析装置により分析される二酸化硫黄等の被毒物質の濃度が高くなる。依って、該測定値が予め設定した閾値を越えると、これに基づいて燃料識別手段により重油等が不正に使用されていると判定される。又、燃料識別手段により重油等の不正使用が判定されると同時に、該不正使用を警報する旨の信号が警報手段により発せられ、依って、前記燃料の不正使用の告知がリアルタイムで可能になる。
【0011】
請求項2の発明は、上記警報信号に基づいて機械モニター等の表示手段に燃料不正使用の旨を表示する請求項1記載の建設機械の燃料監視装置を提供する。
【0012】
この構成によれば、燃料不正使用時に、前記警報信号に基づいて燃料不正使用の旨が機械モニター等の表示手段に表示される。依って、使用燃料が指定燃料以外であることを即時に把握して、エンジン停止等の緊急措置を迅速に講ずることができる。
【0013】
請求項3記載の発明は、上記警報信号に基づいて無線通信による遠隔操作の変更を制御する請求項1又は2記載の建設機械の燃料監視装置を提供する。
【0014】
この構成によれば、指定燃料以外の不正使用時には、上記警報信号に基づいてGPS等の無線通信を介するエンジン等の遠隔操作の変更が行われる。依って、エンジン等の遠隔操作時においてもエンジン停止又は機械操作のロックなどの措置を講ずることができる。
【0015】
請求項4記載の発明は、上記警報信号に基づいてエンジンの回転数を低下させる請求項1,2又は3記載の建設機械の燃料監視装置を提供する。
【0016】
この構成によれば、指定燃料以外の不正使用時には、上記警報信号に基づいてエンジンの回転数を低下させるので、エンジンの回転数が許容値以下に制御される。
【0017】
請求項5記載の発明は、上記警報信号に基づいて上記エンジンに連結した油圧ポンプの負荷を規定値以下まで低下させる請求項1,2,3又は4記載の建設機械の燃料監視装置を提供する。
【0018】
この構成によれば、指定燃料以外の使用時には、上記警報信号に基づいて油圧ポンプの負荷(トルク)が規定値以下まで低下するので、油圧ポンプのトルクが許容値(指定トルク)以下に制御される。
【0019】
請求項6記載の発明は、上記警報信号に基づいて警報信号の受信直後又は規定時間経過後に上記エンジンを停止させる請求項1,2,3,4又は5記載の建設機械の燃料監視装置を提供する。
【0020】
この構成によれば、指定燃料以外の使用時には、上記警報信号を受信した直後又は規定時間経過後にエンジンの運転を停止させるので、指定燃料以外の不正使用が阻止される。
【発明の効果】
【0021】
請求項1記載の発明は、指定燃料以外の燃料が使用されると、これを自動的に検知してエンジンの運転停止等の措置を講ずることができるので、高効率のエンジン性能を維持しながら、メンテナンス部品の損傷を未然に防止することができる。又、指定燃料以外の不正使用を識別できるので、エンジン故障時の原因究明が容易になる利点を有する。
【0022】
請求項2記載の発明は、使用燃料が指定燃料以外の時には、これを即時に把握してエンジン停止等の措置を早急に講ずることができるので、請求項1記載の発明の効果に加えて、メンテナンス部品の損傷阻止効果を一層高めることができる。
【0023】
請求項3記載の発明は、使用燃料が指定燃料以外の時には、GPS等を介してエンジン等の遠隔操作を変更できるので、請求項1又は2記載の発明の効果に加えて、エンジン等の遠隔操作を行う場合でも、エンジン停止などの措置を講ずることができる。
【0024】
請求項4記載の発明は、使用燃料が指定燃料以外の時には、エンジン回転数が規定値以下に低下するので、請求項1,2又は3記載の発明の効果に加えて、メンテナンス部品の損傷をより一層確実に防止することができる。
【0025】
請求項5記載の発明は、指定燃料以外の燃料が使用された時は、油圧ポンプの負荷トルクが低下するので、請求項1,2,3又は4記載の発明の効果に加えて、油圧ポンプの使用時においてもメンテナンス部品の損傷を防止することができきる。
【0026】
請求項6記載の発明は、指定燃料以外の使用を阻止できるので、請求項1,2,3,4又は5記載の発明の効果に加えて、重油等の不正使用によるメンテナンス部品の損傷を即時かつ確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明は、重油等の指定燃料以外が使用されたことを監視して、指定燃料以外の使用時にはエンジンの運転停止等を行うことで、高いエンジン性能を維持しつつメンテナンス部品の損傷を防止するという目的を達成するために、エンジンの排気系統に排ガス分析装置を備えた建設機械の燃料監視装置であって、前記排ガス分析装置により排ガス中に含まれる二酸化硫黄等の被毒物質の濃度を測定する測定手段と、該測定値が予め設定した閾値を越えた場合に指定燃料以外の燃料が使用されていると判定する燃料識別手段と、指定燃料以外の燃料が使用されている場合に警報信号を発する警報手段とを具備することにより実現した。
【実施例】
【0028】
以下、本発明の好適な一実施例を図1乃至図3に従って説明する。尚、本実施例は、リモートコントロールシステムを装備した油圧ショベルに適用したものであるが、リモートコントロールシステムを装備していない建設機械にも適用可能である。
【0029】
図1は、本発明に係る建設機械としての油圧ショベル1を示す側面図である。油圧ショベル1は、GPS等の無線通信を介してリモートコントロ−ル室(図示せず)に無線通信可能に接続され、エンジン等の遠隔操作、緊急通報、デ−タ表示・監視等(作業管理)を制御できるように構成されている。
【0030】
又、下部走行体2上には旋回機構3を介して上部旋回体4が旋回自在に搭載され、該上部旋回体4の前方一側部にキャブ5が設けられ、且つ、上部旋回体4の前方中央部にブーム6が俯仰動可能に設けられている。更に、ブーム6の先端にはアーム7が上下回動可能に枢着され、該アーム7の先端にバケット8が上下回動可能に取り付けられている。
【0031】
上部旋回体4の後部には図2に示すエンジン10が搭載され、該エンジン10は、本実施例においては、燃料噴射装置を備えたディーゼルエンジンである。図2において、エンジン10には燃料タンク11が接続され、又、エンジン10の出力軸には油圧ポンプ12が連結されている。尚、該エンジン10には燃料噴射圧センサ、エンジン回転数センサ等(図示せず)の各種センサが取り付けられている。
【0032】
更に、エンジン10には吸気管13及び排気管14が接続され、該吸気管13の上流側にはエアクリーナ15が装着されている。又、吸気管13の下流側と排気管14の上流側との間にはターボチャージャー16が介設されている。
【0033】
更に、排気管14の下流側にはマフラ17が設けられ、該マフラ17内には排ガス後処理装置18が搭載されている。該排ガス後処理装置18は、排ガス中に含まれている炭化水素、一酸化炭素又は窒化酸素等の有害物質を吸着除去して浄化処理するものであり、吸着手段として金属酸化触媒(白金等の貴金属)及びDPFが装着される。
【0034】
ここで、エンジン10の燃料として軽油(指定燃料)以外の燃料が使用された場合に、排ガス中に二酸化硫黄等の被毒物質が含まれていると、酸化触媒である貴金属の表面に被毒物質が付着するために、酸化触媒活性が劣化して有害物質低減効果が低下する。
【0035】
そこで、本発明では、使用燃料が軽油か否かを常時又は定期的に識別・監視するための燃料監視装置20が装備されている。該燃料監視装置20は、ターボチャージャー16とマフラ17とを接続する排気管14の途中に設けた排ガス分析装置21と、該排ガス分析装置21に電気的に接続された機械コントローラ22とから成る。該燃料監視装置20により軽油以外の燃料、例えば重油が使用された場合には、該重油の使用を即時に防止又は阻止できるように構成されている。
【0036】
図3は、排ガス分析装置21と機械コントローラ22とから成る燃料監視装置20の具体例を示す。同図に示すように、排ガス分析装置21は、排ガス中に含まれる二酸化硫黄等の被毒物質を分析する分析手段23と、該分析手段23で分析された二酸化硫黄の含有濃度を測定する測定手段24とを具備する。
【0037】
前記測定手段24にて得られた測定値は、信号線19を介して機械コントローラ22に逐次送信されるように構成されている。機械コントローラ22は、エンジン10等を運転制御するものであり、制御演算部として機能するマイクロコンピュータが内蔵されている。
【0038】
又、機械コントローラ22は、測定手段24による測定値を入力して該測定値を予め設定された閾値と比較する比較手段25と、該比較手段25にて測定値が閾値を越えた場合には軽油以外の燃料が使用されていると識別する燃料識別手段26と、該燃料識別手段26にて軽油以外の燃料が使用されていると識別した場合に警報信号を発する警報手段27と、該警報手段27により警報信号を発せられた場合に軽油以外の燃料が使用されている旨を表示する表示手段(モニター)28とを備えている。
【0039】
更に、機械コントローラ22には、前記警報信号に基づいてエンジン10の運転を設定変更すべく指令信号を発する制御手段29が具備されている。該制御手段29により発せられる指令信号には、エンジン回転数低下指令信号、エンジン停止指令信号、ポンプ負荷低下指令信号、エンジン等の遠隔操作変更及び通報指令信号などが含まれる。
【0040】
従って、上記測定手段19による排ガス中の二酸化硫黄の測定値が上記閾値を越えている場合、即ち、軽油以外の燃料が使用されている場合には、制御手段29により指令信号が発せられることにより、エンジン10の回転数等を変更できるように構成されている。
【0041】
前記機械コントローラ22には無線通信用のアンテナ(図示せず)が設けられている。尚、図示例では警報手段27は機械コントローラ22内に設置しているが、機械コントローラ22に代えて排ガス分析装置21に設置してもよい。
【0042】
次に、本発明による燃料監視処理の手順について説明する。尚、排ガス中の対象物質の分析からエンジン制御に至る全ての処理動作は、機械コントローラ22に予め組み込まれたプログラムに従って自動的に実行される。
【0043】
本発明において、エンジン10の排ガスに含まれている炭化水素等の有害物質は、排ガス後処理装置18に内蔵した活性種の貴金属にて吸着除去されるが、エンジン10の排気系に燃料監視装置20を設置しているので、燃料タンク11内の使用燃料が軽油か否かを常時又は定期的に識別・監視することができる。
【0044】
依って、使用燃料が軽油である場合には、エンジン10の運転は変更されないが、軽油以外の燃料が使用されると、排ガス中に二酸化硫黄(被毒物質)が多く含まれるため、燃料監視装置20により燃料の種類を識別してエンジン10の運転を変更することで、当該燃料の不正使用が即時に防止又は阻止される。
【0045】
いま、エンジン10の燃料として二酸化硫黄を多く含む重油が使用されると、排ガス中に含まれる二酸化硫黄が排ガス分析装置21により分析されて、二酸化硫黄の含有濃度が測定される。該測定手段24による測定値は機械コントローラ22の比較手段25に送信され、該測定値を上記閾値と比較してその結果を燃料識別手段26に送信する。
【0046】
而して、前記測定値が閾値を越えている場合には、燃料識別手段26は燃料として重油が不正に使用されていると判断し、同時に、警報手段27により警報信号が発せられると共に、重油が不正に使用されている旨が表示手段28にて表示される。
【0047】
又、上記警報信号は制御手段29に送信され、これに基づき制御手段29はエンジン回転数低下指令信号、エンジン停止指令信号、ポンプ負荷低下指令信号、エンジン等の遠隔操作変更及び通報指令信号を発信して各駆動部を動作制御する。
【0048】
従って、前記エンジン回転数低下指令信号により、エンジン10の回転数が所定値以下になるように制御され、又、エンジン停止指令信号により、前記警報信号の発生直後又は規定時間経過後にエンジン10の運転が停止するように制御される。
【0049】
更に、前記ポンプ負荷低下指令信号により、油圧ポンプ12の負荷(トルク)が所定値以下になるように制御される。又、エンジン等の遠隔操作変更及び通報指令信号により、GPS等を介するエンジン等の遠隔操作の変更及び警戒通報を行うべく制御されるので、例えば、エンジンの運転停止、回転数低下又は機械操作の不能などの緊急措置が自動的に実行される。
【0050】
特に、軽油以外の燃料が不正に使用されているか否かの識別・監視は、燃料監視装置20により常時又は定期的にモニタリングされているので、途中で重油等が不正に使用された場合でも、該不正使用を確実に検知して把握することができる。
【0051】
上記の如く本発明によると、重油等の軽油以外の燃料が使用されると、排ガス分析装置21による測定値が閾値を越えることにより、指定燃料以外の不正使用を容易に判別することができる。
【0052】
斯くして、警報手段27により警報信号を発すると共に、表示手段28にて警報状態を自動的に表示でき、使用燃料が指定燃料以外であることを即時に把握できる。又、前記警報信号に基づきエンジン10等の運転制御(遠隔操作制御を含む。)の変更、例えば、エンジン10の回転数低下制御若しくは運転停止制御、油圧ポンプ12の負荷低減制御を瞬時に実施することができる。さらに、指定燃料以外の不正使用を識別できるので、エンジン10故障時の原因究明が容易になる利点を有する
更に又、軽油以外の使用を即刻阻止できるので、高効率のエンジン性能を維持しつつ、エンジン10のメンテナンス部品の損傷を防止することができる。例えば、エンジンオイルの劣化、オイルフィルタや燃料フィルタの閉塞、並びに排気系部品の腐食などを未然に抑止することができる。
【0053】
上記実施例では、表示手段は機械コントローラに内蔵させたが、機械コントローラの外部に別途設置することも可能である。
【0054】
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施例を示し、燃料監視装置を備えた油圧ショベルの全体側面図。
【図2】本発明に係る燃料監視装置を示す構成図。
【図3】本発明に係る燃料監視装置の構成例を説明するブロック図。
【符号の説明】
【0056】
1 油圧ショベル(建設機械)
4 上部旋回体
10 エンジン
13 吸気管
14 排気管
15 エアクリーナ
16 ターボチャージャー
17 マフラ
18 排ガス後処理装置
20 燃料監視装置
21 排ガス分析装置
22 機械コントローラ
23 分析手段
24 測定手段
25 比較手段
26 燃料識別手段
27 警報手段
28 表示手段(機械モニター)
29 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの排気系統に排ガス分析装置を備えた建設機械の燃料監視装置において、該排ガス分析装置により排ガス中に含まれる二酸化硫黄等の被毒物質の濃度を測定する測定手段と、該測定値が予め設定した閾値を越えた場合に指定燃料以外の燃料が使用されていると判定する燃料識別手段と、指定燃料以外の燃料が使用されている場合に警報信号を発する警報手段とを具備することを特徴とする建設機械の燃料監視装置。
【請求項2】
上記警報信号に基づいて燃料不正使用の旨を機械モニター等の表示手段にて表示することを特徴とする請求項1記載の建設機械の燃料監視装置。
【請求項3】
上記警報信号に基づいて無線通信による遠隔操作の変更を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の建設機械の燃料監視装置。
【請求項4】
上記警報信号に基づいてエンジンの回転数を低下させることを特徴とする請求項1,2又は3記載の建設機械の燃料監視装置。
【請求項5】
上記警報信号に基づいて上記エンジンに連結した油圧ポンプの負荷を規定値以下まで低下させることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の建設機械の燃料監視装置。
【請求項6】
上記警報信号に基づいて該警報信号の受信直後又は規定時間経過後に上記エンジンを停止させることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載の建設機械の燃料監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−65425(P2010−65425A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−231566(P2008−231566)
【出願日】平成20年9月9日(2008.9.9)
【出願人】(502246528)住友建機株式会社 (346)
【Fターム(参考)】