説明

本体およびプラグを備える弁を開示する。本体は1対のポートおよび管状構造を有し、管状構造は、側壁および開放端を有し、1つのポートと連通する第1のサブチャンバを内部に画定する。壁は開口部を有する。本体は、他方のポートと連通し、壁の周囲および端部を越えて延びて、端部および開口部と連通する第2のサブチャンバを画定する。プラグは開口部を有し、前記構造に取り付けられ、第1と第2の位置の間で入れ子にされる。第2の位置では、プラグは前記第2のサブチャンバ内に少なくとも部分的に配置され、弁は、ポートの間に壁開口部を通る第1の流路およびプラグ開口部を通って構造の開放端を通る第2の流路を画定する。第1の位置では、プラグおよび構造が第1および第2の流路を通る流れを制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、流体の流れを制御するための弁に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用機関または燃料電池スタックでは、通常、機関から過剰な熱をラジエータに搬送するために、流体または冷却剤が使用される。通常、こうした冷却剤は、冷却剤の温度が所定のレベルを超えるまでは、機関/スタックを通るようにポンプによって連続的に循環され、所定レベルを超えると、流れの一部がラジエータを通る経路に送られる。機関/スタックの温度が所望の範囲内に維持されるように、流れが常に調整される。内燃機関では、この調整が、流れに沈められたワックス・モータ(wax motor)によって作動される弁で行われることが多い。
【0003】
周知の従来技術では、流体回路、ラジエータ、および閉鎖弁(closure valve)が、冷却剤回路内で直列に連結され、バイパス回路がラジエータおよび閉鎖弁を横切るように平行に連結される。弁は、弁が閉鎖されたときに、ラジエータを通る冷却剤の流れを遮断するように構成される。弁が閉鎖されると、冷却剤はバイパス回路を介して機関を通り、循環し続ける。この構成に関連する欠点は、バイパス流路が常に開放されたままであり、最大の冷却が必要とされる場合でも、冷却剤の流れのかなりの部分が常にラジエータを迂回することである。
【0004】
様々な弁が従来技術の一部を形成している。
【0005】
永久的なバイパス流に関連する問題を回避するため、こうした弁に、ラジエータを通過する熱交換流体回路と、ラジエータを短絡または迂回する非熱交換流体回路の選択が提供される。(従来の内燃機関の車両では、バイパス・ループは、技術的には熱交換流体回路でもあるヒータ・コア回路であることが多く、ヒータ・コアを通る冷却剤の流れが常に存在する。乗客室に熱を提供する、または提供しないという選択は、手動、あるいはヒータ・コアを通る、もしくはその周囲を流れる空気流を管路に送る真空作動弁の制御によって行われる。)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、周知の弁は比較的高コストであり、比較的頑丈でなく、比較的良好でない流れ特性を有する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
流体と共に使用される弁は本発明の一態様を形成する。この弁は弁本体およびプラグを備える。弁本体は、1対の間隔をおいて配置された流れポート、内部チャンバ、内部チャンバを流れポートの1つが通じる第1のサブチャンバと流れポートの他方が通じる第2のサブチャンバに少なくとも部分的に分割する内壁であって、第1のサブチャンバおよび第2のサブチャンバに通じる壁開口部を有する内壁、第1のサブチャンバと第2のサブチャンバの間の連通を提供する内部開口部、および軸に沿って内部開口部から間隔をおいて配置されたさらなる流れポートを有する。プラグは、その中にプラグ開口部を有し、内部チャンバ内で第1の位置と第2の位置の間で軸方向に可動である。第2の位置で、プラグはさらなる流れポートを封止し、弁は、壁開口部を通る間隔をおいて配置された流れポートの間の第1の流路、ならびに、内部開口部およびプラグ開口部を通る間隔をおいて配置された流れポートの間の第2の流路を画定する。第1の位置で、内壁がプラグ開口部を封止し、プラグが内部開口部および壁開口部を封止し、第1のサブチャンバを第2のサブチャンバから少なくとも実質的に隔離し、流れがさらなる流路を通るように向けて、前記流体が流れポートの他方とさらなる流れポートの間で弁本体を通るようにする。
【0008】
本発明の他の態様によれば、第1の流路および第2の流路は集合的に主な流路を画定することができ、主な流路およびさらなる流路はそれぞれ流路の長さにわたりそれぞれ実質的に圧縮されない。
【0009】
流体と共に使用される弁は本発明の他の態様を形成する。この弁は弁本体およびプラグを備える。弁本体は、1対の間隔をおいて配置された流れポートを有し、管状構造を含む。管状構造は、側壁および開放端を有し、流れポートの1つと流体連通状態の第1のサブチャンバを内部に画定する。壁は壁を通る壁開口部を有する。本体はさらに、流れポートの他方と流体連通状態の第2のサブチャンバを画定し、第2のサブチャンバは側壁の周囲に延び、開放端を越えて延びて、開放端および壁開口部とさらに流体連通状態である。プラグはプラグ開口部を有し、管状構造に取り付けられて、第1の位置と第2の位置の間で入れ子式に移動される。第2の位置で、プラグは第2のサブチャンバ内に少なくとも部分的に配置され、弁は、壁開口部を通る流れポートの間の第1の流路、ならびに、管状構造の開放端およびプラグ開口部を通る流れポートの間の第2の流路を画定する。第1の位置で、プラグおよび環状構造が相互作用して、前記第1の流路および前記第2の流路を通る流れを制限する。
【0010】
本発明は、比較的良好な流れ特性を示し、比較的低コストであり、比較的頑丈な弁の構築を可能にする。本発明の他の利点、特徴、および特性、ならびに、構造の関連する要素の操作方法および機能、部品の組合せ、製造の経済が、以下に簡潔に記載された添付の図面を参照して、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲を考慮すればより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態による弁を示す斜視図である。
【図2】図1の構造を示す分解斜視図である。
【図3】図2の丸で囲んだ領域3を示す図である。
【図4】図3の構造を示す上面図である。
【図5】図4の5−5に沿って切り取られた断面図である。
【図6】図2の丸で囲んだ領域6を示す拡大図である。
【図7】別の有利な点から見た図6の構造を示す斜視図である。
【図8】図6の構造を示す側面図である。
【図9】図2の丸で囲んだ領域9を示す拡大図である。
【図10】別の有利な点から見た図9の構造を示す斜視図である。
【図11】別の有利な点から見た図9の構造を示す斜視図である。
【図12】別の有利な点から見た図9の構造を示す斜視図である。
【図13A】完全に引き込まれた配置のワックス・モータおよびバイパス構成の弁を示す、図1の弁の図5と同様の図である。
【図13B】部分的に延長された配置のワックス・モータおよび流動構成の弁を示す、図13Aと同様の図である。
【図13C】完全に延長された配置のワックス・モータおよび流動構成の弁を示す、図13Bと同様の図である。
【図14】エンジン・ブロック・キャスティング(engine block casting)で使用の際の図1の弁と同様の弁を示す概略図である。
【図15】ラジエータで使用の際の図1の弁と同様の弁を示す概略図である。
【図16】本発明の第2の実施形態による弁を示す図13Aと同様の図である。
【図17】本発明の第3の実施形態による弁を示す図13Aと同様の図である。
【図18】本発明の第4の実施形態による弁を示す図13Aと同様の図である。
【図19】本発明の第5の実施形態による弁を示す図13Aと同様の図である。
【図20】流れポートが直接位置合わせされる程度を表す黒線を引いた体積を示す図1の弁の破線図である。
【図21】本発明の第6の実施形態による弁を示す図19と同様の図である。
【図22】本発明の第7の実施形態による弁を示す図19と同様の図である。
【図23】本発明の第7の実施形態によるカートリッジ構造を示す斜視図である。
【図24】図23の構造を示す断面図である。
【図25】第1の使用例の本発明の一実施形態による弁を示す概略図である。
【図26】第2の使用例の図25と同様の図である。
【図27】図23、24で示した図11の構造の一代替実施形態を示す斜視図である。
【図28】図27の構造で使用される図23、24で示した図6の構造の一代替実施形態を示す側面図である。
【図29】図6の構造の他の代替実施形態を示す斜視図である。
【図30】図6の構造の他の代替実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1〜13Cを全般的に参照すると、本発明の第1の実施形態である、エンジン冷却剤など流体と共に使用される弁が示されており、全般的な参照番号20で示されている。図2を参照すると、弁20はハウジング22および弁カートリッジ24を備える。このハウジング22はアルミニウムからなり、開放レセプタクルを画定する中央レセプタクル26、およびレセプタクル26からT継手構成で延び、それぞれ開放レセプタクル内に通じる3つの差し口28、30、32を含む。差し口の2つ、28、30は実質的に平行であり、互いに対向する。第3の差し口32は他方に対して横方向に延びる。レセプタクルの内面34は、その周囲に延びる周囲溝36を有する。弁カートリッジ24は、アルミニウム製インサート38、アルミニウム製プラグ40、アクチュエータ42、およびゴム製Oリング44を含む。インサート38は、Oリング44を受ける周囲溝48を有し、レセプタクル26内に嵌めることができ、図13Aで示したように、溝36と相互嵌合するばねクリップ50によって定位置に固定される。このように固定されると、Oリング44はそれぞれインサート38およびレセプタクル26の内面34を封止するように係合して、インサート38およびハウジング22を互いに対して封止し、インサート38、Oリング44、およびハウジング22が共に弁本体を画定するようになされる。
【0013】
図13Aを参照すると、弁本体は、1対の流れポート52、54、内面56、軸X−X、内壁58、さらなるポート60、第1の弁座部62、および第2の弁座部64を有する。流れポート52、54は、互いに間隔をおいて配置され、実質的に対向し、実質的に整列し、それぞれ平行の差し口28、30と連通する。流れポート52、54は、それぞれ軸X−Xに対して実質的に横方向に方向付けられる。本開示および添付の特許請求の範囲では、流れポート52、54の「実質的な整列」は、流れポートをそれぞれの流れ方向に対して平行に弁本体を横切るように突き出した場合、弁が破線で示され、交わる部分の体積が黒線の体積によって示されている図20で示したように、突き出したものが大幅に交わることを指す。
【0014】
内面56は弁本体の内部チャンバ66を画定し、内部チャンバ66は、流れポート52と54の間に配置され、流れポート52、54と連通する。軸X−Xは第3の差し口32と整列し、流れポート52、54が実質的に整列する流動方向Y−Yに対して横方向に方向付けられる。内壁58は、軸X−Xに心合わせされ、全般的に半円筒形構造であり、内部チャンバ66を部分的に横切り、内面56と組み合わせて内部開口部68を画定し、内壁58を通る壁開口部70を有する。壁開口部70は流れポート52に対向し、流れポート52と整列する。すなわち、壁開口部70と流れポート52は互いに対して存在する。流れポート54および壁開口部70は整列される。すなわち、流れポート54をその流れの方向(図示せず)に対して平行に突き出すと、突き出したものが壁開口部70と大幅に交わる。内壁58は弁本体の一部と組み合わせて、概念上の管状構成を画定し、その管状構造内で内部開口部68が開放端を画定し、内壁58が開放端の側壁を画定する。
【0015】
内部開口部68は、流れポートの1つ52が通じる内部チャンバ66の第1のサブチャンバ72と流れポートの他方54が通じる内部チャンバ66の第2のサブチャンバ74との間の連通を提供する。第2のサブチャンバ74は側壁の周囲に部分的に、上記の管状構造の開放端を越えて延びる。内壁58の壁開口部70も第1のサブチャンバ72と第2のサブチャンバ74の間に通じる。内壁58と内壁58の壁開口部70はそれぞれ角度約180°で外接する。さらなるポート60は第2のサブチャンバ74と第3の差し口32の間の連通を提供する。第1の弁座部62はさらなる流れポート60を取り囲み、弁の内面56によって画定される。第2の弁座部64は内部開口部68を取り囲み、第1の弁座部62から軸方向に間隔をおいて配置され、内面56および内壁58の端部によって画定される。
【0016】
図6〜8で最も良く分かるように、プラグ40は、円形ベース部分76、およびベース部分76から延びる半円筒形側壁部分78を有する。側壁部分78は二分されたプラグ開口部80を壁内に有し、それぞれ側壁部分78およびプラグ開口部80は角度約180°で外接する。図13Aでは、プラグ40が内部チャンバ66内の第1の位置にあるところが示されている。この位置では、ベース部分76および側壁部分78は共に軸X−Xに心合わせされて、側壁部分78が内壁58と同心であり、内壁58がプラグ40内に入れ子にされ、ベース部分76が第2の弁座部64上に着座し、内壁58がプラグ開口部80上に配置され、側壁部分78が壁開口部70上に配置されて、内部チャンバ66の第1のサブチャンバ72が第2のサブチャンバ74から少なくとも実質的に隔離される。それによって、弓状(または、弁がバイパス弁として使用される場合はバイパス)の弁20の流れ構成が画定され、弁20は、流れポート54およびさらなるポート60によって差し口30と32の間の弁本体を通るさらなる流路B−Bを画定する。
【0017】
アクチュエータ42は、プラグ40を内部チャンバ内で図13Aで示した第1の位置と図13Bで示した第2の位置の間で軸方向に移動させるためのものである。プラグ40の第2の位置では、ベース部分76が第1の弁座部62上に着座されて、さらなるポート60が少なくとも実質的に閉塞される。それによって、弁20の流動構成が画定され、弁20は、流れポート52、54によって差し口28と30の間の弁本体を通る主な流路F−Fを画定する。この構成では、観察されるように、プラグ40の側壁部分78および内壁58が互いに背後に配置されて、流体が流れることができる面積が最大になされる。主な流路は分割流れ構成であり、ポート52と54の間の第1の流路は壁開口部70によるものであり、ポート52と54の間の第2の流路は管状構造の開放端、すなわち内部開口部68およびプラグ開口部80を通るものである。プラグ40のこの位置では、プラグ開口部80と流れポート54が整列される。
【0018】
図2、6〜8および13Bを参照すると、図で示したアクチュエータ42は、ワックス・モータ82、切頭円錐形ステンレス鋼製戻しばね84、円筒形ステンレス鋼製オーバーライドばね86、およびアルミニウム製管状スリーブ88を含む。スリーブ88は、両端部の周りに延びる環状フランジ90、92を有し、円形ベース部分76内の開口部98を通って延びる。フランジ90、92は、スリーブ88が円形ベース部分76によって捕獲されるために設けられる。ワックス・モータ82は、シャフト93が突き出る拡大頭部89を有するシェル91を含む従来のタイプのものであり、シャフト93はシェル91内に含まれたワックス状の材料(図示せず)の熱誘起による膨張に応答して移動する。モータ82はスリーブ88内に嵌合され、Cクリップ194がそれに固定されて、拡大頭部89とCクリップ194がその間にスリーブ88を捕獲するようになされる。シャフト93はワックス・モータ82からインサート38内に形成されたソケットまたは凹部94内に突き出る。戻しばね84は、Cクリップ194に捕獲されたスリーブ・フランジ92とバイパス・ポート60の間に延びる。オーバーライドばね86はスリーブ88の周囲に嵌められ、拡大頭部89によって捕獲されたスリーブ・フランジ90とプラグ40のベース部分76の間に延びる。
【0019】
作動の際は、ワックス・モータ82内のワックスの温度がワックス・アクチュエータの設定点未満の場合は、ワックス状材料の体積が比較的小さく、シャフト93はシェル91内に実質的に嵌まることができる。戻しばね84によって加えられる偏倚によって、図13Aで示したように、シャフト93がシェル91内に位置付けられて、フランジ92がプラグ40のベース部分76を第2の弁座部64に対して十分に保持することができるようになる。これはワックス・モータ82の完全に引きこめられた配置に相当する。
【0020】
モータ82内のワックス状材料の温度がアクチュエータの設定温度に到達し、または超えると、ワックス状材料が膨張する。それによって、シャフト93がシェル91から部分的に出される。シャフト93はソケット94を通って延びることができないため、シャフト93のシェル91からの延長は、シェル91、およびシェル91によって機械的に捕獲されているスリーブ88のソケット94から離れる移動によって対応される。最初に、シェル91がソケット94から離れるように移動するときに、オーバーライドばね86によって与えられる偏倚により、こうした移動中にベース部分76がフランジ92に係合されたままになされ、シェル91の移動がプラグ40の移動に相当するようになされる。この移動中に、図13Bで示したように、プラグ40は最終的に第2の位置に到達する。これは、ワックス・モータ82の部分的に延長した配置に相当する。この地点で、プラグ40のベース部分76は第1の弁座部62に着座され、さらに移動することができない。ワックス状材料の体積をさらに膨張させる必要がある場合は、図13Cで示したように、スリーブ88のベース部分76の開口部98を通る移動によって対応される。これは、ワックス・モータ82の完全に延長された配置に相当する。当業者には理解されるように、任意の所与のワックス・モータまたはその製造バッチでシャフトの延長を変えることができるため、この配置は有利である。オーバーライドばね構成の提供によって、弁の設計者は、弁が温度変化に応答して第1と第2の位置の間で確実に予測可能に移動できるようにし、過剰な延長に対応できない場合に弁が受ける可能性がある不当な負荷を回避することもできる。
【0021】
ワックス・モータ82内のワックス状材料の温度が設定点未満に低下すると、円錐形戻しばね84がシェル91をシャフト93上で戻す。スリーブ88のフランジ92がベース部分76と係合するまで、オーバーライドばね86によって与えられる偏倚がベース部分76を第1の弁座部62に着座させたままで維持する。円錐形ばね84のその点を越える拡張の結果、スリーブ88およびプラグ40が共に移動され、その移動中に、内壁58がプラグ40内に入れ子にされる。最終的に、プラグ40は第1の位置に戻り、ベース部分76と第2の弁座部64の係合によって、さらなる移動が阻止される。
【0022】
一使用法では、図1の弁はバイパス弁として使用され、自動車の冷却回路内に配置される。この使用法(図示せず)では、差し口30はホース(図示せず)を受け、それを通して機関からの冷却剤が受けられ、差し口28がホースによってラジエータの入口(やはり図示せず)に結合され、さらなる差し口32がホースによって結合され、それを通して冷却剤が機関に搬送される。冷却剤の温度がワックス・アクチュエータの設定点未満の場合(かつ冷却剤が熱を放出する必要があるほど十分に加熱されていない場合)、ワックス・モータは完全に引き込まれた位置に維持され、プラグは第1の位置に配置され、弁はバイパス構成に配置されて、冷却剤の大部分が機関に戻る経路B−Bに従うようになされる。したがって、この使用法では、ポート54は入口ポートであり、ポート52、60は出口ポートである。バイパス構成では、プラグ40のベース部分76と第2の弁座部64の間の封止部、内部部分58と側部部分78の間の接合部、スリーブ88とベース部分76の開口部98の間の接合部、およびシェル91とスリーブ88の間の接合部に漏れ経路が存在する。したがって、ワックス・モータ82は流れから完全に隔離されず、流れの温度がワックスの設定点を超えた場合に作動されるようになされる。これが起きると、プラグ40は第2の位置に移動し、弁は流動構成をとり、冷却剤の大部分が機関に戻される前にラジエータを通る流路F−Fに従うようになる。やはりこの構成では、プラグ40のベース部分76と第1の弁座部64の間の封止部、内壁58と側部部分78の間の接合部、スリーブ88とベース部分76の開口部98の間の接合部、およびシェル91とスリーブ88の間の接合部に漏れ経路が存在する。
【0023】
図14に同様の使用法が概略的に示されている。この図では、図1の弁と同様であるが差し口のない弁20’がエンジン・ブロック・キャスティング99に嵌合され、流れポートが機関からラジエータへの冷却剤回路(図示せず)の一部を形成し、バイパス・ポートがラジエータを迂回して機関に戻る回路(図示せず)に結合される。この弁20’の動作は弁20と機能的に同一であり、弁20’の使用法は前述されているため、本明細書にさらに記載しない。
【0024】
図14の弁20’のさらなる使用法が図15に概略的に示されている。この図では、弁20’がラジエータ101に嵌合され、流れポートが熱交換回路103の一部を形成し、熱交換回路103を通って冷却剤が熱交換器101を横行し、機関に戻る前に熱を放出するようになされ、バイパス・ポートが、冷却剤が機関に戻る際にラジエータの熱交換部分を迂回する回路105の一部を形成する。やはり、この弁20’の動作は弁20と機能的に同一であり、その使用法は前述されているため、本明細書にさらに記載しない。
【0025】
上記の各弁および使用において、弁の全ての運動部品を備えるカートリッジ24が存在して、迅速なシステムの組立て、または必要に応じた取り外しおよび交換を有利に可能にすることが重要である。本発明の弁は、使用の際の圧力損失が比較的小さいことも判明しており、それによって、使用すべきポンプを比較的小さく軽量にすることができるため、自動車のコストを節約し、重量を低減し、エネルギ効率を高めることができ、自動車分野で有利であることが知られている。
【0026】
理論に束縛される意図はないが、本発明の弁の有利な流れ特性は、弁の形状および弁の構成要素に由来すると考えられる。この点で注目すべきは、主な流路が弁に出入りする流れに対して実質的に平行であることである。さらに、それぞれ主な流路および他の流路は、とりわけ、弁の弓状またはバイパス構成で流れが横行する第2のサブチャンバ74の体積が比較的大きく、弁の流動構成で流れが横行する(それぞれ流れおよび他のポート52、54、60の面積と同様の大きさの)開口部70、80の面積が比較的大きいために、それぞれの長さにわたり実質的に圧縮されない。さらに留意すべきは、内部チャンバの第2のサブチャンバ74、特にC形状または弓状断面を有する第2のサブチャンバ74の上部の形状であり、それによって、流れが流れポート54から入り、ベース部分76の下を通過する前に側壁78/内壁58の周囲に広がり、ポート60を通って弁から出ることができるようになる。
【0027】
弁の様々な他の実施形態が図16〜18に示されている。これらの弁は、図1〜13Cの弁と同様に機能するが、図1〜13Cの弁はワックス・モータを使用して、プラグを第1と第2の位置の間で移動させるが、これらの弁は他の形態のアクチュエータを使用して、同じ機能を果たす。図16は弁20”を示しており、プラグ40はプラグ40から軸方向に延びるねじ付きポスト100を有し、ポスト100はモータ104に結合された内部ねじ付き駆動シャフト102によって受けられる。モータ104は駆動シャフト102を回転させることができ、駆動シャフト102はねじ付きポスト100の周りで回転して、ポスト100を軸方向に移動させ、その結果、プラグ40を第1と第2の位置の間で移動させる。図17は弁20”’を示しており、ラック106がプラグ40から延び、ピニオン108がラック106とかみ合い状態であり、モータ110がピニオン108に駆動的に結合される。この図では、モータ110がピニオン108を回転させ、ピニオン108がラック106を軸方向に移動させて、プラグ40を第1と第2の位置の間で移動させる。図18は他の弁20””を示しており、カム・フォロア112がプラグ40に結合され、カム114がカム・フォロアと係合し、ステッパ・モータ116がカム114に結合される。この図では、ステッパ・モータ116がカム114を回転させて、カム・フォロア112と係合させ、プラグを第1と第2の位置の間で軸方向に移動させる。いずれの場合も、或る形態の外部センサまたは制御部を使用して、プラグの移動を開始させる。アクチュエータ、センサの構成、およびこのタイプの制御は当業者には日常的なものであり、弁20”、20”’、20””は弁20および弁20’と実質的に同様に動作するため、それぞれの構造および動作に関するさらなる記載は不要であり、提供しない。
【0028】
さらなる可能な変更形態が図21の弁20””’で示されている。弁20””’は図18の弁と同様であるが、プラグから延びてさらなるポート内に入れ子にされた管状スカート120も含む。この図では、さらなるポートを通るバイパス流が、スカート120内に画定された孔122を通過する必要があるために制限される。孔122の形状/サイズを変えることによって、この弁の流れ特性を第1と第2の位置の間の移動中に様々な地点で変更して、流れを調量し、または線形化することができる。スカートは、調量機能の他に、プラグを事前整列させることができ、それによって、シャフトの結合および変形を回避して、流動位置での封止を助け、バイパス流の均一性を向上させ、とりわけ弁の内圧の平衡を保ち、バイパス位置の封止を向上させることができる。当業者には容易に理解されるように、完全なバイパスと非バイパスの間の様々な地点で使用される際に弁内部で受ける圧力は、バイパスおよび流動回路内の流れ抵抗の関数である。回路内の流れ抵抗が大幅に不平衡の場合、弁が流れに対して部分的にしか開放されていなくても、実質的に全ての流れが低圧力の回路に移動される傾向があるが、スカートを使用して、弁および回路を含めた総圧力降下の平衡を保ち、流れがプラグの位置の比較的線形の関数としてより高い圧力の回路に向けられるようにすることができる。図21では円形の「孔」が完全にスカート内に配置され、等しく半径方向に間隔をおいて配置されたところが具体的に示されているが、理解されるように、「孔」は、(i)円形である必要はなく、三角形、長方形、楕円形などでもよく、(ii)スカートの縁部を「架橋」することができ、すなわちスカートが流れを調整するための(図29で示した実施形態500のように)歯状、(図30で示した実施形態600のように)貝状、または他の方法で不規則な縁部を有して流れを調整することができ、(iii)流れを形付けるために、スカート内の孔、歯、貝、または不規則部を半径方向に等しい間隔をおいて配置する以外に、たとえば、孔、歯、貝、または不規則部を一領域内に集中させることができる。
【0029】
他の変更形態が図22の変更された弁20”””で示されている。この弁は図18の弁と実質的に同様であるが、さらなる「バイパス」ポートが存在しない。
【0030】
図23および24は、本発明の弁の他の実施形態のカートリッジ部分200を示す図である。このカートリッジ部分200は、特に、それぞれ回転要素を使用して、プラグ40の直線運動を固定する点で、図16の弁カートリッジに幾らか似たものである。しかし、図16の構造では、プラグ40が外部ねじ付きポスト100を有し、シャフト102が回転し、シャフト102が内部ねじ付きであるが、図23、24では、外部ねじ付きシャフト102’が設けられ、シャフト102’が外部ねじ付きシャフト延長部206内に係合し、延長部206が内部ねじ付きポスト100’内に係合される。ねじ付きシャフト102’は回転せず、実際に、キー/キー溝構成の形態の抑制装置220が設けられて、シャフト102’の回転が阻止されるが、シャフト102’は内部ねじ付きロータ230によってねじ式に係合され、ロータ230はステッパ・モータ216の一部を形成するステータ・コイル218の磁気制御下で回転する。上部および下部の軸受240はロータ230を定位置に自由な回転を可能にしながら保持する。他の変更形態として、カートリッジ200はプラグ40を流動位置に向けて付勢させるための偏倚ばね204を含む。また、側壁部分78は、軸方向に間隔をおいて配置された縁部78A、78Bによって壁開口部70をより良好に封止するように適合され、縁部78A、78Bはプラグ40のバイパス位置でそれぞれ内壁58上に形成されたリップ58Aおよび弁本体内に形成された溝202と係合する。軸方向の溝400も弁本体内に形成され、溝400の中で側壁部分78がバイパス位置と流動位置の間の移動中に摺動し、立ち上がりリップ205がベース部分76上に形成され、プラグ40のバイパス位置で、弁本体内に形成された溝207と係合する。この実施形態では、弁への信号が喪失したとき、すなわちステッパ・モータ216への電力が喪失した(かつロータ230が自由に可動になった)ときに、ばね204がロータ230の回転によってプラグ40を流動位置に確実に付勢させる。しかし理解されるように、(とりわけ弁内の流量、背圧、およびプラグの位置と共に変わると理解すべきである)プラグに加えられる力に対処するように、ステッパ・モータのサイズ、ステップ比、ロータおよびシャフトのねじピッチ、ならびに、ばねサイズの適切な変更と結び付けて、この実施形態のばねの図17、18で示したばねの位置への移動によって、ばね204がプラグ40を信号喪失の場合にバイパス位置に確実に付勢させる実施形態を作成することができる。こうした変更形態を実施することができる方法は、当業者には日常的なものであるため、本明細書に詳細に記載しない。明らかなように、上記の変形形態として、本発明による弁を、低流量状態でのみ1つのポート(すなわち望み通りにバイパスまたは流動構成)に確実に移動させるように作成することができる。したがって、ステッパ・モータへの信号または電力が喪失したが、ポンプが全力で作動したままの場合、弁は「水撃」による損傷を招く可能性があるフェイルセーフ位置を即時にとらない。この機能を行うには、(i)ばね偏倚およびステッパの静摩擦と、(ii)第1と第2のサブチャンバの間の差圧に関連する水圧力の間の適切な平衡を見つけなければならない。こうした変更形態を実施することができる方法は、本明細書に記載したスカートの使用を含む必要はないが、含んでもよく、当業者には日常的なものであるため、本明細書に詳細に記載しない。
【0031】
図23、24のカートリッジを使用する弁を、たとえば図15で企図された方法、すなわち内燃機関用のラジエータ・バイパス弁として使用することができる。しかし、この弁は、(i)比例、すなわち流動とバイパスの間の増分選択性、および(ii)フェイルセーフの両方を実施するように作成することができるため、この弁を変速ポンプおよびファンと組み合わせて使用して(図示せず)、燃料電池用途に顕著な利点をもたらすこともできる。その場合、デューティ・サイクルの範囲内のスタック温度の正確な制御が適切な機能に重要である。
【0032】
図25は、冷却剤回路用の入口分流構成の弁300を概略的に示す図である。この構成では、弁300は1つの入口ポートおよび2つの出口ポートを有する。ポンプ320によって移動される冷却剤の流れは、燃料電池スタック302または他の熱源から弁300に入り、出口ポートでバイパス管路304とラジエータ管路306に向かうように分割される。この弁は、プラグがバイパス位置と流動位置の中間位置をとるように強制された場合に、入口の流れをラジエータ316、バイパス管路304、またはその組合せに入るようにそらす。
【0033】
図26は、弁300が2つの入口ポートおよび1つの出口ポートを有する、入口混合構成の弁300を概略的に示す図である。バイパス管路304およびラジエータ管路306から弁に入る入口の流れが合流し、弁の出口の流れに混合され、弁はそれぞれラジエータ316およびバイパス304を通る流れの相対量を制御する。
【0034】
いずれの構成でも、弁は、ポンプの速度およびラジエータ・ファンの速度と組み合わせて、ラジエータとバイパス・ループの間に流れを分流することによって熱源の温度が制御されるようにすることができる。
【0035】
弁の動作に比例を使用可能なため、流れの配分を精密に調整して、温度を正確に調整することができる他に、比例を使用して、弁の振動を回避することもできる。説明として、冷状態中、全ての流れが熱交換器を迂回するように方向付けられた場合、熱交換器内の冷却剤は非常に冷たいままである。その時点で、弁がバイパス流を完全に阻止するように再構成されると、冷たい冷却剤の大きいスラッグが熱交換器に入ることになる。それによって、回路内の任意の燃料電池または他の温度感知機器が衝撃を受け、弁のバイパス構成への即時の逆転が開始され、すなわち弁の振動が引き起こされる(すなわち、センサが低温冷却剤のスラッグを検知し、それを加熱の必要とみなす)恐れがある。この現象を回避するため、弁が流動構成とバイパス構成の間で増分的に移動して、予想される冷却スラッグを回避するように、図24の弁を作動させることができる。限定的ではないが、バイパス回路および熱交換器にわたる圧力降下、ならびに冷却剤の粘性を含む特別な用途の詳細により、この機能を、較正漏れ、たとえばベース部分76または他の弁の構成要素を通る所定サイズの孔(図示せず)の使用によって、かつ/または図21を参照して記載した全般的なタイプのスカート120の使用によって、さらに向上させることができる。
【0036】
とりわけ図24による弁で達成可能なフェイルセーフ機能は、回路を調整して、ステッパ・モータへの信号の喪失、またはステッパ・モータへの電源異常の場合に、弁がラジエータに最大流を与える構成に自動的に戻って、起こる恐れがある燃料電池スタックの過熱および関連する損傷を回避することができる。
【0037】
本明細書に弁の幾つかの実施形態および使用法を記載し、図で示したが、理解されるように、様々な変更形態を作成することができる。
【0038】
たとえば、本明細書では時に弁がバイパス弁として図で示し説明され、流入または入口流が2つの流出または出口のうちの1つに向けられているが、弁を混合弁として使用することができ、流れを2つ入口のうちの1つから選択的に受け、単一の出口に向けることができることが強調される。ポート52が入口ポートとして配置され、流体圧力が壁78、58を分離させる傾向がある適用例では、これを回避するために、図21で示したスカートを有利に使用してプラグを安定させることができる。
【0039】
また、記載ではプラグの第1と第2の位置の間の移動が教示されているが、明らかであるように、流れが分割される場合、または分割流が受けられる場合、プラグは中間位置をとることができる。その場合、当然、図16〜18および24で示したアクチュエータの1つなど、プラグを第1と第2の位置の間で部分的に移動させることができるアクチュエータが、ワックス・モータの代わりに使用される。ワックス・モータは、図16〜18および24のアクチュエータと比較して、比較的低コストであり、頑丈で信頼性があるが、一般に比例的応答性に欠ける。すなわち、完全に引き込まれた配置と完全に延長された配置の間でのみ確実に移動する。
【0040】
さらに、図で示し記載した弁は比較的良好な流れ特性を有するが、図19で示唆したように、内面56の部分56Aが流れ調整用に形付けられる、内部の形付けまたは流線形化によって改良が企図される。
【0041】
またさらに、図1〜13Cの弁は鋼、アルミニウム、およびゴムで構築されることが示されているが、明らかなように、プラスチックなど他の材料を容易に使用することができる。
【0042】
さらに、本明細書に示し、記載した弁は、たとえば[for eg]故障または過剰な摩耗の場合に弁の運動部品を迅速に取り外し、交換することができるように、カートリッジ・タイプのものであることが示されているが、明らかなように、カートリッジ・タイプの構成を使用する必要はない。
【0043】
また、図で示し、記載したプラグの開口部は二分されていることが示されているが、明らかなように、これは必要ではない。プラグ開口部は、単一孔、または3つ以上の孔によって等しく画定することができ、スカート120を参照して記載したものに類似の方法で、流れを平衡に保ち、または線形化するように孔を形付けることができる。壁開口部70も同じ目的で同様に形付けることができる。さらに、プラグの側部部分および内部部分が本明細書では半円筒形であり、少なくとも約180°で外接することが示されているが、これは必要ではなく、実際に、必ずしも完全な半円筒形が望ましいわけではない。たとえば、比較的「平坦」かつ「幅広の」弁が必要な場合は、半楕円形断面を使用することができる。また、勾配を付けたプラグ、すなわち切頭円錐形の断面に相当する側部部分を有するプラグを同様に形付けた壁部分と合わせて使用することができる。それによって、弁の成形プラスチック部品からの製造が簡単になる。図24で示した溝202と組み合わせて、図27および図24で示した溝400を設けることによって、封止を向上させることもできる。この溝400はプラグの側部部分の全周囲をぴったりした嵌合関係で受けて、この領域内の漏れ経路を最小限に抑える。さらに、流れポートと壁開口部は互いに実質的に対向するように図で示してあるが、理解されるように、流れポートは互いに対向する必要はなく、互いに角度を付けた関係で配置してもよい。
【0044】
さらに、本明細書では、内壁が内部チャンバを部分的に分割するように示されているが、内壁が内部チャンバを完全に横切る用に延びることができることも企図される。この構成では、プラグが第1のサブチャンバ内部に入れ子にされ、内壁内に或る形態の送り穴または孔を設けて、プラグが第2の位置に存在する場合にプラグ開口部と対合させることができる。
【0045】
さらに、理解されるように、本開示および添付の特許請求の範囲で使用されるように、「封止」は、流れを完全に遮断する必要はなく、単に、問題とされる部分が少なくとも協働または相互作用して、流れを制限あるいは阻止することを指す。
【0046】
また、図24の弁が完全なバイパス・フェイルセーフ構成を有することが上記に記載されているが、本発明による弁は信号喪失の場合に完全なバイパスまたは非バイパスをとるように構成することができることが強調される。また、特に図24の実施形態の背景でフェイルセーフ機能が記載されているが、やはり理解されるように、ねじ山ピッチなどの適切な変更と共に、同じ機能を図16の実施形態に提供することもできる。さらに、本発明による弁は電子リニア・アクチュエータを使用することができ、フェイルセーフ機能をそれに提供することもできる。
【0047】
同様に、上記に自動車の適用例、および車両の適用例を記載したが、本発明を内燃機関または固定発電機など他の燃料電池スタック機関用途に適用することもできる。
【0048】
上記を鑑みて、理解されるように、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されると意図的に解釈される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体と共に使用される弁であって、
弁本体であって、1対の間隔をおいて配置された流れポート、内部チャンバ、前記内部チャンバを前記流れポートの1つが通じる第1のサブチャンバと前記流れポートの他方が通じる第2のサブチャンバに少なくとも部分的に分割する内壁であって、前記第1のサブチャンバと前記第2のサブチャンバの間に通じる前記内壁を通る壁開口部を有する内壁、前記第1のサブチャンバと前記第2のサブチャンバの間の連通を提供する内部開口部、および前記内部開口部から軸に沿って間隔をおいて配置されたさらなる流れポートを有する弁本体と、
プラグ開口部をプラグ内に有し、前記内部チャンバ内で第1の位置と第2の位置の間で軸方向に可動であるプラグであって、
前記第2の位置で、前記プラグが前記さらなる流れポートを封止し、前記弁が、
前記壁開口部を通る前記間隔をおいて配置された流れポートの間の第1の流路、ならびに
前記内部開口部および前記プラグ開口部を通る前記間隔をおいて配置された流れポートの間の第2の流路を画定し、
前記第1の位置で、前記内壁が前記プラグ開口部を封止し、前記プラグが前記内部開口部および前記壁開口部を封止して、前記第1のサブチャンバを前記第2のサブチャンバから少なくとも実質的に隔離し、流れがさらなる流路を通るように向けて、前記流体が前記流れポートの他方と前記さらなる流れポートの間で前記弁本体を通るようにするプラグとを備える弁。
【請求項2】
前記間隔をおいて配置された流れポートがそれぞれ前記軸に対して横方向に方向付けられる、請求項1に記載の弁。
【請求項3】
前記第1の流路および前記第2の流路が集合的に主な流路を画定し、前記主な流路および前記さらなる流路がそれぞれ流路の長さにわたり実質的に圧縮されない、請求項1に記載の弁。
【請求項4】
前記弁本体が、
前記さらなるポートを取り囲む第1の弁座部であって、前記弁座部に前記プラグが前記プラグの前記第2の位置で着座する第1の弁座部、および
前記内部開口部を取り囲む第2の弁座部であって、前記第1の弁座部から軸方向に間隔をおいて配置され、前記第2の弁座部に前記プラグが前記プラグの前記第1の位置で着座する第2の弁座部を有する、請求項1に記載の弁。
【請求項5】
前記プラグを前記第1の位置と前記第2の位置の間で移動させるアクチュエータをさらに備える、請求項1に記載の弁。
【請求項6】
前記プラグを前記第1の位置と前記第2の位置の間で前記流体の温度に応答して移動させるアクチュエータをさらに備える、請求項1に記載の弁。
【請求項7】
前記プラグの前記第2の位置から前記第1の位置への移動中に前記内壁が前記プラグ内に入れ子にされる、請求項1に記載の弁。
【請求項8】
前記内壁が軸方向に延びる、請求項1に記載の弁。
【請求項9】
前記内壁が半円筒形であり、前記プラグが前記プラグと同心の半円筒形側壁を有する、請求項1に記載の弁。
【請求項10】
前記プラグ開口部および前記壁開口部がそれぞれ少なくとも角度約180°で外接する、請求項9に記載の弁。
【請求項11】
前記間隔をおいて配置された流れポートが実質的に整列し、互いに対向する、請求項1に記載の弁。
【請求項12】
前記1つの流れポートと前記壁開口部が実質的に互いに対向する、請求項1に記載の弁。
【請求項13】
前記他方の流れポートと前記壁開口部が実質的に整列する、請求項1に記載の弁。
【請求項14】
前記流れポートの1つが出口ポートであり、前記流れポートの他方が入口ポートである、請求項1に記載の弁。
【請求項15】
流体と共に使用される弁であって、
1対の間隔をおいて配置された流れポートを有する弁本体であって、前記弁本体が、
側壁および開放端を有する管状構造を含み、前記管状構造が前記流れポートの1つと流体連通状態の第1のサブチャンバを内部に画定し、前記壁が前記壁を通る壁開口部を有し、かつ前記弁本体が、
前記流れポートの他方と流体連通状態の第2のサブチャンバを画定し、前記第2のサブチャンバが前記側壁の周囲に延び、前記開放端を越えて延びて、前記開放端および前記壁開口部とさらに流体連通状態である弁本体と、
プラグ開口部を有し、前記管状構造に取り付けられて、第1の位置と第2の位置の間で入れ子式に移動されるプラグであって、
前記第2の位置で、前記プラグが前記第2のサブチャンバ内に少なくとも部分的に配置され、前記弁が、
前記壁開口部を通る前記流れポートの間の第1の流路、ならびに
前記管状構造の前記開放端および前記プラグ開口部を通る前記流れポートの間の第2の流路を画定し、
前記第1の位置で、前記プラグおよび管状構造が相互作用して、前記第1の流路および前記第2の流路を通る流れを制限するプラグとを備える弁。
【請求項16】
前記管状構造が実質的に円筒形であり、前記第2のサブチャンバが前記管状構造の周囲に部分的に延び、前記プラグが前記管状構造と実質的に同心の半円筒形側壁を有する、請求項15に記載の弁。
【請求項17】
前記プラグ開口部および前記壁開口部がそれぞれ少なくとも角度約180°で外接する、請求項16に記載の弁。
【請求項18】
前記管状構造が前記プラグの前記第2の位置から前記第1の位置への移動中に前記プラグ内に入れ子にされる、請求項15に記載の弁。
【請求項19】
前記1つの流れポートと前記壁開口部が実質的に互いに対向する、請求項15に記載の弁。
【請求項20】
前記他方の流れポートと前記壁開口部が実質的に互いに整列する、請求項15に記載の弁。
【請求項21】
前記弁本体が軸に沿って前記管状構造の前記開放端から間隔をおいて配置されたさらなる流れポートを有し、前記プラグが前記第1の位置と前記第2の位置の間で軸方向に移動し、前記第2の位置で、前記プラグが前記さらなる流れポートを封止し、前記プラグの前記第1の位置で、前記弁が前記流れポートの他方と前記さらなる流れポートの間の前記弁本体を通る前記流れのためのさらなる流路を画定する、請求項15に記載の弁。
【請求項22】
前記アクチュエータが電気ステッパ・モータを備え、前記プラグを前記第1の位置と前記第2の位置の間で増分移動させるように適合される、請求項15に記載の弁。
【請求項23】
前記ステッパ・モータが電力を喪失したときに前記プラグを前記第1の位置および前記第2の位置のうちの1つに付勢させる偏倚ばねをさらに備える、請求項22に記載の弁。
【請求項24】
前記プラグを前記第1の位置および前記第2の位置のうちの1つに付勢させるばねをさらに備え、前記弁が、前記ステッパ・モータが電力を喪失し前記弁を通る流量が十分に小さい場合に、前記ばねが前記プラグを前記第1の位置および前記第2の位置のうちの前記1つに移動させて、水撃による損傷を回避するように適合される、請求項22に記載の弁。
【請求項25】
前記プラグから前記さらなるポート内に延びるスカートをさらに備える、請求項15に記載の弁。
【請求項26】
前記スカート管状であり、前記プラグの前記第1の位置と前記第2の位置の間の移動中に前記ポートに入れ子式に出入りする、請求項25に記載の弁。
【請求項27】
前記スカートが前記プラグが前記第1の位置および前記第2の位置に存在する場合に前記ポート内に突き出て、前記プラグが結合しないように安定させる、請求項25に記載の弁。
【請求項28】
使用の際に、前記スカートが、前記第1の流路を含む第1の回路と前記第2の流路を含む第2の回路の間の圧力降下の平衡を保ち、流れが、前記プラグの実質的に線形関数として前記第1の回路と前記第2の回路の間で移動するようにする、請求項25に記載の弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公表番号】特表2010−523904(P2010−523904A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−501342(P2010−501342)
【出願日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際出願番号】PCT/CA2008/000646
【国際公開番号】WO2008/119189
【国際公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(504444500)
【Fターム(参考)】