説明

情報処理システム

【課題】
インストール、設定する前に構成情報より予測されるログを生成して行うことにより一度にインストール、設定を行うことができる情報処理システムを提供することにある。
【解決手段】
マスタコンピュータは、任意のスレーブコンピュータの構成情報を取得すると、インストール管理モジュールが構成情報を元にインストール用ファイル、設定ファイルを生成する。また、構成管理モジュールは予測されるインストール、設定のログを生成する。各ファイルのログを生成した後、インストール管理モジュールは任意のスレーブコンピュータに対しインストール、設定を行い、完了した後ログデータの採取を行う。構成管理モジュールは、予測されたログと比較し誤りおよび不足があればインストール、設定を再度行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムに関し、特にマスタコンピュータと複数のスレーブコンピュータ間をネットワークで接続する構成のシステムで、任意のスレーブコンピュータの構成情報を取り込むと自動的にスレーブコンピュータにインストール、設定を行いシステム構築する情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
マスタコンピュータがスレーブコンピュータを管理する方法として、特許文献1には、マスタコンピュータにインストール用にマスタファイルセットを用意しておき、ネットワーク接続しているスレーブコンピュータに、画一的にマスタファイルセットをインストールして、ネットワークを介してスレーブコンピュータを管理する技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開平10−21059号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術を用いて、異なる任意のスレーブコンピュータに構成情報どおりのシステム構築を行うためには、(1)従来技術で画一的にインストールを行い、(2)それぞれのスレーブコンピュータに追加の構成情報から得られるインストールや設定を加えてシステム構築を行い確認する、の2段階の処理を行うことが必要となる。
【0005】
本発明の目的は、一度に任意のスレーブコンピュータに対してインストールや設定が可能となる情報処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は、マスタコンピュータに任意のスレーブコンピュータの構成情報が取り込まれると、インストールモジュールが構成情報を元にインストール用ファイル、設定ファイルを生成する。また、構成管理モジュールは予測されるインストール、設定のログを生成する。各ファイルのログを生成した後、インストールモジュールは送受信回路を介してネットワーク接続された任意のスレーブコンピュータに対しインストール、設定を行い、完了した後ログデータの採取を行う。ログ採取終了後、インストールモジュールは構成管理モジュールに対しログを送付する。構成管理モジュールは予測されたログと比較し誤りおよび不足があればインストールモジュールに対し誤りおよび不足分のインストール、設定を再度行い完了させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、従来は画一的なインストールのみをおこない、その後構成情報に従って追加インストールおよび設定を行う2段階で行ってきた。本発明は、インストール、設定する前に構成情報より予測されるログを生成して行うことにより1度に任意のスレーブコンピュータに対してインストール、設定ができる。また誤りおよび不足分があれば再度行うことにより人手を掛けずにシステム構築が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の一実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態である情報処理システムの構成図である。情報処理システムは、マスタコンピュータ110と、複数のスレーブコンピュータ120、130、…とから構成される。マスタコンピュータ110は、プロセッサ111、構成管理モジュール、インストール管理モジュール113、送受信回路114を有し、各構成要素は、バス11で接続される。スレーブコンピュータa120は、プロセッサ121、構成モジュール122、送受信回路124を有し、各構成要素はバス12で接続される。スレーブコンピュータb130も同様の構成である。
【0010】
図2は、マスタコンピュータ110が、スレーブコンピュータに対するインストールファイルや設定ファイルの生成、設定を行う処理を示すフローチャートである。まず、マスタコンピュータ110は、スレーブコンピュータa120から構成情報Aを得る(ステップ21)。構成情報Aは、図3で示されるようにインストールするファイル名(例えば、図3のテーブルの1行目のConfig_a)および設定ファイル名(設定1など)が含まれる。図3に示す例では、Config_aはプログラムαとプログラムγをインストールし、設定2および設定3を行う。
【0011】
次に、構成管理モジュール112は、取得した構成情報Aをインストール指示ファイルと設定指示ファイルに分解し(ステップ22)、分解された情報から図4に示すログを生成する(ステップ23)。図4に示す例では、プログラムαに対応するインストール指示ファイルA11、プログラムγに対応するインストール指示ファイルA13、設定2に対応する設定指示ファイルB12、設定3に対応する設定指示ファイルB13に分解する。図4に示すログが生成された後は、構成管理モジュール112は、どのプログラム、設定を行うかに関する情報をインストール管理モジュール113へ送る(ステップ24)。
【0012】
インストール管理モジュール113は、構成管理モジュール112から送られた情報に基づいて、スレーブコンピュータa(120)のインストール、設定を行い(ステップ25)、これらインストール及び設定処理が完了すると、各項目のログを採取する(ステップ26)。
【0013】
次に、インストール管理モジュール113は、ステップ26で採取したログを構成管理モジュール112に送る(ステップ27)。最後に、構成管理モジュール112は、受信したログと、ステップ23で生成したログとを比較し、誤りまたは不足があればインストール管理モジュール113に対し再度インストールを指示する(ステップ28)。インストール管理モジュール113は、再度インストールし直して、その誤りまたは不足を修正または追加して、インストール・設定処理を完了させる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】マスタコンピュータとスレーブコンピュータの構成図
【図2】マスタコンピュータのインストール・設定処理を示すフローチャート
【図3】構成情報テーブルの詳細図
【図4】ログ情報テーブルの詳細図
【符号の説明】
【0015】
110:マスタコンピュータ、111:プロセッサ、112:構成管理モジュール、113:インストール管理モジュール、114:送受信回路、120:スレーブコンピュータa、121:プロセッサ、122:構成モジュール、124:送受信回路、130:スレーブコンピュータb、131:プロセッサ、132:構成モジュール、134:送受信回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスタコンピュータ、複数のスレーブコンピュータ間をネットワークで接続した情報処理システムにおいて、
マスタコンピュータは、任意のスレーブコンピュータの構成情報を取り込みインストール、設定およびログの採取を行い、
前記構成情報より予測されたログデータと、採取したログデータを比較し、
該比較の結果、誤りおよび不足がある場合は、マスタコンピュータは再度インストール、設定およびログの採取を行うことを特徴とする情報処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−72636(P2007−72636A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−257240(P2005−257240)
【出願日】平成17年9月6日(2005.9.6)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】