情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよびデータ
【課題】 任意の領域に関する情報を提供する情報提供システムにおいて、動的な情報を提供できるようにする。
【解決手段】 情報処理装置100は、領域名と領域を示す領域定義データとを対応させたCISテーブル191と、実体の位置を示す実体位置データと実体の属性を示す実体属性データとを対応させた実体情報テーブル192とを記憶部190に記憶する。そして、入力部110は、ユーザが情報を要求する領域の領域名を入力する。領域データ取得部115は、入力部110が入力した領域名に対応する領域定義データをCISテーブル191から取得する。実体データ検索部120は、領域データ取得部115が取得した領域定義データで実体情報テーブル192の実体位置データを検索し、ユーザが指定した領域に位置する実体を判定し実体属性データを取得する。出力部125は、実体データ検索部120が取得した実体属性データをユーザに出力する。
【解決手段】 情報処理装置100は、領域名と領域を示す領域定義データとを対応させたCISテーブル191と、実体の位置を示す実体位置データと実体の属性を示す実体属性データとを対応させた実体情報テーブル192とを記憶部190に記憶する。そして、入力部110は、ユーザが情報を要求する領域の領域名を入力する。領域データ取得部115は、入力部110が入力した領域名に対応する領域定義データをCISテーブル191から取得する。実体データ検索部120は、領域データ取得部115が取得した領域定義データで実体情報テーブル192の実体位置データを検索し、ユーザが指定した領域に位置する実体を判定し実体属性データを取得する。出力部125は、実体データ検索部120が取得した実体属性データをユーザに出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムにおける情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよびデータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の情報提供システムは、予め定義、登録された領域の情報に、定められた地点からアクセスするものであった。一般的には、カーナビゲーションシステムにおいて車の進行方向にある領域の情報が、その領域に一定の距離に近づいた車からアクセスできるというものであった。
領域情報を提供する従来技術には特許文献1〜3がある。
【特許文献1】特開2003−288525号公報
【特許文献2】特開2003−122655号公報
【特許文献3】特開2001−050772号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術では、個々の領域は大きな領域を一定の方法で細分化したものであり、その各々は名前などにより識別されることは無い。
また、ユーザに提供する領域情報を動的に変化させることができない。
また、ユーザと領域との位置関係により、ユーザの領域情報に対するアクセスを管理することができない。
【0004】
本発明は、上記の課題を踏まえて、例えば、ユーザから指定された領域の領域情報であり刻々と変化する領域情報をユーザに提供できるようにすることを目的とする。
また、ユーザと領域との位置関係により、ユーザの領域情報に対するアクセスを管理できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の情報処理装置は、領域名と領域を定義する領域定義データとを対応させて記憶する領域記憶部と、実体の位置を示す実体位置データと実体の属性を示す実体属性データとを対応させて記憶する実体記憶部と、領域の領域名を入力する入力部と、入力部が入力した領域名の示す領域の領域定義データを領域記憶部から取得する領域データ取得部と、領域データ取得部が取得した領域定義データに基づいて実体記憶部の実体位置データを検索し、検索結果に基づいて実体の実体属性データを実体記憶部から取得する実体データ検索部とを備えたことを特徴とする。
【0006】
さらに、上記実体データ検索部が取得した実体属性データに基づいて結果データを生成し、生成した結果データを出力する出力部を備えたことを特徴とする。
【0007】
上記実体データ検索部は、上記領域データ取得部が取得した領域定義データに基づいて記憶部の実体位置データを検索し、領域データ取得部の取得した領域定義データの示す領域内に位置する実体の実体属性データを検索結果に基づいて実体記憶部から取得することを特徴とする。
【0008】
上記情報処理装置は、さらに、実体属性データを変更する変更処理内容を示す属性変更処理データを領域名に対応して記憶する属性変更記憶部と、属性変更処理データに対応した領域名の示す領域の領域定義データを上記領域記憶部から取得し、取得した領域定義データに基づいて上記実体記憶部の実体位置データを検索し、取得した領域定義データの示す領域内に位置する実体の実体属性データを検索結果に基づいて取得し、取得した実体属性データに関する実体の位置する領域の領域名に対応した属性変更処理データに基づいて、取得した実体属性データを変更する属性変更処理部を備えたことを特徴とする。
【0009】
上記情報処理装置は、さらに、領域記憶部に記憶された領域定義データの示す領域が重複する場合、重複する領域の属性変更処理データに基づいて、取得した実体属性データの属性を変更する処理方法を示す属性変更処理方法データを記憶する属性変更方法記憶部を備え、上記属性変更処理部は、属性変更処理データに対応した領域名の示す領域の領域定義データを上記領域記憶部から取得し、取得した領域定義データの示す領域が重複する場合、重複する領域の領域定義データに基づいて上記実体記憶部の実体位置データを検索し、重複する領域の領域定義データの示す領域内に位置する実体の実体属性データを取得し、重複する領域分の属性変更処理データと上記属性変更方法記憶部に記憶された属性変更処理方法データとに基づいて、取得した実体属性データを変更することを特徴とする。
【0010】
上記情報処理装置は、さらに、上記領域記憶部と上記実体記憶部との少なくともいずれかに記憶されたデータに対するアクセス権限を示すアクセス権限データと、アクセス権限を与える位置を示し上記領域記憶部に記憶された領域定義データの示す領域との相対位置を示す権限位置データとを対応させて記憶する権限記憶部を備え、上記入力部は、自己位置を取得する測位装置と通信し測位装置から上記領域記憶部と上記実体記憶部との少なくともいずれかに記憶されたデータに対するアクセス要求を示すアクセス要求データと測位装置の位置を示す測位装置位置データとを受信し入力とし、上記情報処理装置は、さらに、上記入力部が入力した測位装置位置データの示す位置における権限位置データを上記権限記憶部から取得し、取得した権限位置データに対応したアクセス権限データを上記権限記憶部から取得し、取得したアクセス権限データと上記入力部の入力したアクセス要求データとに基づいてデータを処理する記憶データ管理部を備えたことを特徴とする。
【0011】
上記情報処理装置は、さらに、上記領域記憶部に記憶された領域定義データの示す領域が重複する場合、重複する領域の権限位置データ毎に対応したアクセス権限データに基づいてアクセス権限を決定する決定方法を示すアクセス権限決定方法データを記憶する権限決定方法記憶部を備え、上記記憶データ管理部は、上記入力部が入力した測位装置位置データの示す位置の権限位置データを上記権限記憶部から取得し、取得した権限位置データが相対位置を示す領域が重複する場合、重複する領域分の権限位置データ毎に対応したアクセス権限データを上記権限記憶部から取得し、重複する領域の権限位置データ毎に対応したアクセス権限データと上記権限決定方法記憶部に記憶されたアクセス権限決定方法とに基づいてアクセス権限を決定し、決定したアクセス権限と上記入力部の入力したアクセス要求データとに基づいてデータを処理することを特徴とする。
【0012】
上記情報処理装置は、さらに、上記領域記憶部に記憶された領域名に対応する領域定義データの変更条件を示す領域変更条件データを記憶する領域変更記憶部を備え、上記領域データ取得部は、上記入力部が入力した領域名の示す領域の領域定義データを上記領域変更記憶部に記憶された領域変更条件データに基づいて上記領域記憶部から取得することを特徴とする。
【0013】
上記領域変更記憶部は、時間を領域定義データの変更条件とする領域変更条件データを記憶し、上記領域データ取得部は、時刻データを取得し、取得した時刻データと上記領域変更記憶部に記憶された領域変更条件データとに基づいて上記入力部の入力した領域名の示す領域の領域定義データを上記領域記憶部から取得することを特徴とする。
【0014】
上記入力部は、センサと通信しセンサからセンサの計測したセンサ値を受信し入力とし、上記領域変更記憶部は、センサ値を領域定義データの変更条件とする領域変更条件データを記憶し、上記領域データ取得部は、上記入力部が入力したセンサ値と上記領域変更記憶部に記憶された領域変更条件データとに基づいて上記入力部の入力した領域名の示す領域の領域定義データを上記領域記憶部から取得することを特徴とする。
【0015】
上記入力部は、移動して移動先の自己位置を取得する測位装置と通信し測位装置から測位装置の位置を示す実体位置データを受信し入力とし、上記実体記憶部は、移動する測位装置の位置を示す実体位置データを記憶し、上記情報処理装置は、さらに、上記入力部の入力した実体位置データで、上記実体記憶部に記憶された対応する測位装置の実体位置データを更新する実体位置データ更新部を備えたことを特徴とする。
【0016】
上記入力部は、移動して移動先の自己領域を取得する測位装置と通信し測位装置から測位装置の領域を示す領域名と領域定義データとを受信し入力とし、上記領域記憶部は、移動する測位装置の領域を定義する領域定義データを記憶し、上記情報処理装置は、さらに、上記入力部が入力した領域定義データで、上記領域記憶部に記憶された領域定義データであり上記入力部の入力した領域名に対応した領域定義データを更新する領域データ更新部を備えたことを特徴とする。
【0017】
上記領域記憶部は、3次元で定義される領域定義データを記憶することを特徴とする。
【0018】
上記実体記憶部は、3次元で定義される実体位置データを記憶することを特徴とする。
【0019】
本発明の情報処理装置は、領域を定義する領域定義データを記憶する領域記憶部と、実体の位置を示す実体位置データと実体の属性を示す実体属性データとを対応させて記憶する実体記憶部と、移動して移動先の自己位置を取得する測位装置と通信し測位装置から測位装置の位置を示す測位装置位置データを受信し入力とする入力部と、入力部が入力した測位装置位置データに基づいて領域記憶部の領域定義データを検索し、検索した領域定義データを取得する領域データ取得部と、領域データ取得部が取得した領域定義データに基づいて実体記憶部の実体位置データを検索し、検索結果に基づいて実体の実体属性データを実体記憶部から取得する実体データ検索部とを備えたことを特徴とする。
【0020】
上記記憶部は、他領域との相対関係を領域定義データとして記憶することを特徴とする。
【0021】
本発明の情報処理装置は、領域名と領域の属性を示す領域属性データとを対応させて記憶する記憶部と、領域の領域名を入力する入力部と、入力部が入力した領域名の示す領域の領域属性データを記憶部から取得する領域データ取得部とを備えたことを特徴とする。
【0022】
本発明の情報処理装置は、処理対象データを記憶する処理データ記憶部と、処理対象データに対するアクセス権限を示すアクセス権限データとアクセス権限を与える位置を示す権限位置データとを対応させて記憶する権限記憶部と、自己位置を取得する測位装置と通信し測位装置から処理対象データに対するアクセス要求を示すアクセス要求データと測位装置の位置を示す測位装置位置データとを受信し入力とする入力部と、入力部が入力した測位装置位置データの示す位置の権限位置データを権限記憶部から取得し、取得した権限位置データに対応したアクセス権限データを権限記憶部から取得し、取得したアクセス権限データと入力部の入力したアクセス要求データとに基づいて処理データ記憶部に記憶された処理対象データを処理する記憶データ管理部とを備えたことを特徴とする。
【0023】
本発明の情報処理装置は、領域名と領域を定義する領域定義データとを対応させて記憶する領域記憶部と、領域の領域名を入力する入力部と、入力部が入力した領域名の示す領域の領域定義データを領域記憶部から取得する領域データ取得部と、領域データ取得部が取得した領域定義データに基づいて領域名に対応付けられるデータを取得するデータ検索部とを備えたことを特徴とする。
【0024】
上記領域記憶部は、領域定義データとして2次元以上の領域を定義するデータを記憶することを特徴とする。
【0025】
上記データ検索部は、領域定義データで定義された領域をキーにして領域名に対応付けられるデータを検索することを特徴とする。
【0026】
本発明の情報処理方法は、領域名と領域を定義する領域定義データとを対応させて記憶する領域記憶工程と、実体の位置を示す実体位置データと実体の属性を示す実体属性データとを記憶する実体記憶工程と、領域の領域名を入力する入力工程と、入力工程で入力した領域名の示す領域の領域定義データであり領域記憶工程で記憶された領域定義データを取得する領域データ取得工程と、領域データ取得工程で取得した領域定義データに基づいて実体記憶工程で記憶された実体位置データを検索し、検索結果に基づいて実体の実体属性データであり実体記憶工程で記憶された実体属性データを取得する実体データ検索工程とを実行することを特徴とする。
【0027】
本発明の情報処理方法は、領域を定義する領域定義データを記憶する領域記憶工程と、実体の位置を示す実体位置データと実体の属性を示す実体属性データとを対応させて記憶する実体記憶工程と、移動して移動先の自己位置を取得する測位装置と通信し測位装置から測位装置の位置を示す測位装置位置データを受信し入力とする入力工程と、入力工程で入力した測位装置位置データに基づいて領域記憶工程で記憶された領域定義データを検索し、検索した領域定義データを取得する領域データ取得工程と、領域データ取得工程で取得した領域定義データに基づいて実体記憶工程で記憶された実体位置データを検索し、検索結果に基づいて実体の実体属性データを取得する実体データ検索工程とを備えたことを特徴とする。
【0028】
本発明の情報処理方法は、領域名と領域の属性を示す領域属性データとを対応させて記憶部に記憶する記憶工程と、領域の領域名を入力する入力工程と、入力工程で入力した領域名の示す領域の領域属性データを記憶部から取得する領域データ取得工程とを実行することを特徴とする。
【0029】
本発明の情報処理方法は、処理対象データを記憶する処理データ記憶工程と、処理対象データに対するアクセス権限を示すアクセス権限データとアクセス権限を与える位置を示す権限位置データとを対応させて記憶する権限記憶工程と、自己位置を取得する測位装置と通信し測位装置から処理対象データに対するアクセス要求を示すアクセス要求データと測位装置の位置を示す測位装置位置データとを受信し入力とする入力工程と、入力工程で入力した測位装置位置データの示す位置の権限位置データであり権限記憶工程で記憶された権限位置データを取得し、取得した権限位置データに対応したアクセス権限データであり権限記憶工程で記憶されたアクセス権限データを取得し、処理データ記憶工程で記憶された処理対象データを取得したアクセス権限データと入力工程で入力したアクセス要求データとに基づいて処理する記憶データ管理工程とを実行することを特徴とする。
【0030】
また、本発明は、上記情報処理方法をコンピュータに実行させるプログラムであることを特徴とする。
【0031】
本発明のデータは、領域の領域名と領域を定義する領域定義情報とを対応つけることを特徴とする。
【0032】
上記データは、異なる領域名のそれぞれに対して同一の領域定義情報を対応つけることを特徴とする。
【0033】
上記データは、領域名と領域の持つ属性である領域属性情報とを対応つけることを特徴とする。
【0034】
上記データは、他領域との相対関係を領域定義情報とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、例えば、ユーザから指定された領域の領域情報であり刻々と変化する領域情報をユーザに提供でき、ユーザの利便性を向上することができる。
また、ユーザと領域との位置関係により、ユーザの領域情報に対するアクセスを管理でき、情報管理機能を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における情報処理システムの構成図である。
図1において、情報処理装置100は、処理対象データとして領域に関するデータと実体に関するデータとを管理しデータ処理を行う。
ユーザ端末200は、GPS(Global Positioning System)衛星300から測位用データを受信し測位を行う測位装置であり、処理対象データへのアクセスを要求するアクセス要求データと測位したユーザ端末の位置データとを情報処理装置100に送信する。
タクシー210は、GPS衛星300から測位用データを受信し測位を行う測位装置であり、測位したタクシーの位置データを情報処理装置100に送信する。
また、タクシー210と自動販売機220とは複数存在し、情報処理装置100にデータ管理される実体である。
また、各タクシー210と各自動販売機220とは、情報処理装置100がデータ管理するCISa、CISb、CIScなどの領域名を持つ各領域に位置する。
ここで、ユーザ端末200が情報処理装置100に送信するアクセス要求データには、情報処理装置100の管理する領域の領域名が含まれ、情報処理装置100は、受信したアクセス要求データに含まれる領域名の示す領域に位置する各実体に関するデータについて処理を行う。
例えば、ユーザ端末200が領域名CISaを指定しアクセス要求データを送信した場合、情報処理装置100はCISa領域に位置するタクシー210や自動販売機220といった実体の情報をユーザ端末200に送信する。
ここで、測位用データを送信するのは、GPS衛星300に限らず、静止衛星や準天頂衛星、地上装置でも構わない。
準天頂衛星とは、赤道面から約45度の傾斜角になるように地球の自転に合わせて1日に1周回している。例えば、昇交点赤経(赤道面との交点)において120度ずつ離れるように3機が配置される。地表面上に投影される準天頂衛星軌道の軌跡は、地上を固定して考えた場合に、準天頂衛星は赤道上を交点とする「8の字」または「涙的型」を描くように周回する。準天頂衛星から測位用データを受信することで、ビルの谷間などにおいても電波を遮られることが少ないという効果がある。
【0037】
図2は、実施の形態1における情報処理装置100の外観を示す図である。
図2において、情報処理装置100は、システムユニット910、表示装置901、キーボード(K/B)902、マウス903、コンパクトディスク装置(CDD)905、プリンタ装置906、スキャナ装置907を備え、これらはケーブルで接続されている。
さらに、情報処理装置100は、FAX機932、電話器931とケーブルで接続され、また、ローカルエリアネットワーク(LAN)942、ウェブサーバ941を介してインターネット940に接続されている。
また、表示装置901には、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイなどの種類がある。
【0038】
図3は、実施の形態1における情報処理装置100のハードウェア構成図である。
図3において、情報処理装置100は、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)911を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、通信ボード915、表示装置901、K/B902、マウス903、FDD(Flexible Disk Drive)904、磁気ディスク装置920、CDD905、プリンタ装置906、スキャナ装置907と接続されている。
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、FDD904、CDD905、磁気ディスク装置920、光ディスク装置は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置あるいは記憶部の一例である。
通信ボード915は、FAX機932、電話器931、LAN942等に接続されている。
例えば、通信ボード915、K/B902、スキャナ装置907、FDD904などは、情報入力部の一例である。
また、例えば、通信ボード915、表示装置901などは、出力部の一例である。
【0039】
ここで、通信ボード915は、LAN942に限らず、直接、インターネット940、或いはISDN等のWAN(ワイドエリアネットワーク)に接続されていても構わない。直接、インターネット940、或いはISDN等のWANに接続されている場合、情報処理装置100は、インターネット940、或いはISDN等のWANに接続され、ウェブサーバ941は不用となる。また、LAN942などのネットワークは無線で接続するネットワークでも構わない。
磁気ディスク装置920には、オペレーティングシステム(OS)921、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923は、CPU911、OS921、ウィンドウシステム922により実行される。
【0040】
上記プログラム群923には、以下に述べる実施の形態の説明において「〜部」として説明する機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
ファイル群924には、以下に述べる実施の形態の説明において、「〜の判定結果」、「〜の計算結果」、「〜の処理結果」として説明するものが、「〜ファイル」として記憶されている。
また、以下に述べる実施の形態の説明において説明するフローチャートの矢印の部分は主としてデータの入出力を示し、そのデータの入出力のためにデータは、磁気ディスク装置920、FD(Flexible Disk cartridge)、光ディスク、CD(コンパクトディスク)、MD(ミニディスク)、DVD(Digital Versatile Disk)等のその他の記録媒体に記録される。あるいは、信号線やその他の伝送媒体により伝送される。
【0041】
また、以下に述べる実施の形態の説明において「〜部」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、ハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。
【0042】
また、以下に述べる実施の形態を実施するプログラムは、磁気ディスク装置920、FD、光ディスク、CD、MD、DVD等のその他の記録媒体による記録装置を用いて記憶されても構わない。
【0043】
図4は、実施の形態1における情報処理装置100の構成図である。
図4において情報処理装置100は以下のものを備える。
領域名と領域を示す領域定義データとを対応させる仮想情報空間(CIS:Cyber Information Space)テーブル191と、タクシー210や自動販売機220といったデータ管理対象である実体の位置を示す実体位置データと、実体の属性を示す実体属性データとを対応させる実体情報テーブル192とを記憶する記憶部190。
ユーザ端末200からのアクセス要求データやタクシー210のような測位装置の測位した位置データを受信し入力とする入力部110。
入力部110が入力した位置データで、記憶部190の実体情報テーブル192の実体位置データを更新する実体位置データ更新部130。
入力部110が入力したアクセス要求データに含まれる領域名の示す領域の領域定義データをCISテーブル191から取得する領域データ取得部115。
領域データ取得部115が取得した領域定義データに基づいて実体情報テーブル192の実体位置データを検索し、検索結果に基づいて実体属性データを実体情報テーブル192から取得する実体データ検索部120。
実体データ検索部120が取得した実体属性データに基づいて結果データを生成し、生成した結果データを出力する出力部125。
【0044】
図5は、実施の形態1におけるCISテーブル191を示す図である。
図5において、CISテーブル191は「領域名」と「領域定義データ」とを対応させる。
「領域定義データ」は、「緯度」、「経度」、「高さ」で示される点の集合により表すことができる。
領域名CISaで示される領域を四角形として管理する場合、「領域定義データ」として、「緯度」、「経度」、「高さ」で示される4つの点を定義し、定義した4つの点で囲まれる領域をCISaとすればよい。「高さ」の値は一つである。
「領域定義データ」は、例えば、四角形以外の多角形で定義してもよいし、「高さ」を持たずに「緯度」と「経度」で定義してもよいし、1つの点と半径とを定義した円形の領域でもよいし、「緯度」と「経度」に異なる値の「高さ」を定義した3次元の領域でもよい。
また、「領域定義データ」を関数式で表してもよい。関数式は可変であってもよく、時刻などをパラメータにしてもよい。
【0045】
また、領域は重複しても構わない。つまり、異なる「領域名」に対応するそれぞれの「領域定義データ」が部分的に同一領域を示しても構わないし、それぞれの「領域定義データ」が完全に一致しても構わない。
また、「領域定義データ」が関数式で表され、その値が変化する際に、領域が重複から非重複、非重複から重複になっても構わない。
【0046】
また、CISテーブル191は「領域名」に「領域属性」を対応させてもよい。
「領域属性」とは、人口情報、歴史情報など、「領域名」と対応付けられるさまざまな領域情報である。
「領域属性」を定義することで、「領域名」または「領域定義データ」をキーにしてさまざまな領域情報を取得することができ、ユーザに対してそれら領域情報を提供することができる。
【0047】
図6は、実施の形態1における実体情報テーブル192を示す図である。
図6において、実体情報テーブル192は「実体名」と「実体位置データ」と「実体属性データ」とを対応させ、各タクシー210に関するデータを定義している。
「実体位置データ」は、「緯度」、「経度」、「高さ」を示している。また、CISテーブル191の領域定義データと同様、「高さ」を持たずに「緯度」と「経度」で2次元の位置を示してもよい。
「実体属性データ」は各タクシー210の属性として、「会社名」、「型」、「初乗り料金」、「加算料金」、「ステータス」、「IPアドレス」を定義している。
【0048】
図7は、実施の形態1における実体情報テーブル192を示す図である。
図7において、実体情報テーブル192は「実体名」と「実体位置データ」と「実体属性データ」とを対応させ、各自動販売機220に関するデータを定義している。
「実体位置データ」は、「緯度」、「経度」、「高さ」を示している。また、CISテーブル191の領域定義データと同様、「高さ」を持たずに「緯度」と「経度」で2次元の位置を示してもよい。
「実体属性データ」は各自動販売機220の属性として、販売する商品の「商品名」、「種類」、「価格」、「残数」、「ステータス」、「IPアドレス」を定義している。
【0049】
図8は、実施の形態1における情報処理装置100の処理の流れを示すフローチャートである。
実施の形態1における情報処理装置100の処理の流れを図8に基づいて説明する。
【0050】
入力部110は、実体であるタクシー210の位置データまたはユーザ端末200のアクセス要求データを受信する(S101)。
入力部110は、受信したデータの種類を判定する(S102)。
【0051】
データ種類を判定した結果、データ種類がタクシー210の位置データである場合、実体位置データ更新部130は、図6に示すようなタクシー210を実体とした実体情報テーブル192の実体位置データを入力部110の受信したタクシー210の位置データで更新する(S103)。
【0052】
例えば、T1で識別されるタクシー210の位置データを受信した場合、実体情報テーブル192の実体名T1に対応する実体位置データを受信した位置データで更新する。
これにより随時、各実体の位置を管理することができる。
【0053】
S102においてデータ種類を判定した結果、データ種類がユーザ端末200のアクセス要求データである場合、領域データ取得部115は、アクセス要求データに含まれる領域名で、図5に示すようなCISテーブル191を検索し、領域名に対応する領域定義データを取得する(S104)。
実体データ検索部120は、領域データ取得部115が取得した領域定義データと実体情報テーブル192の実体位置データとを比較し、領域定義データの示す領域内に位置する実体を検索し、検索した実体の実体属性データを取得する(S105)。
ここで、検索した実体、つまり領域定義データの示す領域内に位置する実体について、全ての実体の実体属性データを取得してもよいし、幾つかの実体の実体属性を取得してもよい。例えば、領域定義データの示す領域内に位置する実体の数が所定の数と比較して大きい場合は、検索した順に所定の数だけの実体の実体属性を取得する、などの処理を行い、実体をふるいにかけてもよい。
出力部125は、入力部110が入力したユーザ端末200のアクセス要求データと実体データ検索部120が取得した実体属性データとに基づいて結果データを生成する(S106)。
出力部125は、生成した結果データを送信する(S107)。
【0054】
例えば、アクセス要求データがCISa領域に位置するタクシーの空車情報の取得を示す要求内容とユーザ端末200のIPアドレスとを含み、図6に示す実体情報テーブル192においてCISa領域に位置するタクシー210がT1とT3である場合、出力部125の処理は以下のようになる。
出力部125は、実体データ検索部120の取得したT1とT3の会社名、型、初乗り料金、加算料金、位置データを含む結果データを生成し、アクセス要求データに含まれるIPアドレスを結果データの送信先とし、結果データをユーザ端末200に送信する。
これにより、ユーザ端末200が受信した結果データを表示装置に表示し、ユーザは表示された場所に移動してタクシー210に乗車することができる。
【0055】
また、アクセス要求データがCISa領域に位置するタクシーの呼び出しを示す要求内容とユーザ端末200の位置データとを含み、図6に示す実体情報テーブル192においてCISa領域に位置するタクシー210がT1とT3である場合の出力部125の処理は以下のようになる。
出力部125は、実体データ検索部120の取得したT1とT3の実体属性データのステータスを判定し、空車であると判定したT1のIPアドレスを送信先としてユーザ端末200の位置データを含む結果データを生成しタクシーT1に送信する。
これにより、タクシーT1が受信した結果データを表示装置に表示し、タクシーT1が表示された場所に移動し、ユーザはタクシーT1に乗車することができる。
【0056】
また、自動販売機220を実体とする場合も図7に示す実体情報テーブル192を参照し、タクシー210と同様に結果データを生成、送信することができる。
例えば、アクセス要求データがCISa領域に位置する自動販売機でのアルコールの販売停止を示す要求内容を含み、図7に示す実体情報テーブル192においてCISa領域に位置する自動販売機220がV1である場合の出力部125の処理は以下のようになる。
出力部125は、実体データ検索部120の検索したV1の実体属性データのステータスを「販売中」から「販売停止」に変更し、V1のIPアドレスを送信先としてステータスが変更されたことを示す結果データを生成し自動販売機V1に送信する。
これにより、自動販売機V1が受信した結果データに基づいてアルコール商品を販売停止にすることができる。
【0057】
上記説明において、図6、図7に示す実体情報テーブル192では、タクシー210や自動販売機220といった実体にアクセスするための属性として「IPアドレス」を定義した。ここで「IPアドレス」はIPv4(IPversion4)でもよいし、IPv6(IPversion6)でもよい。また、「IPアドレス」以外のアクセスするための属性を定義してもよい。例えば、タクシー210に備えつけられた電話やタクシー210の運転手が所持する携帯電話の電話番号などでもよい。
【0058】
上記説明では、ユーザ端末200から受信したアクセス要求データに含まれる領域名に基づいて領域名の示す領域に位置する実体の実体属性データを取得する場合を説明した。
但し、ユーザ端末200が測位したユーザ端末位置データをアクセス要求データに含み、ユーザ端末位置データに基づいてユーザ端末の位置する領域の領域定義データを取得し、ユーザ端末の位置する領域と同一領域に位置する実体の実体属性データを取得してもよい。
例えば、図1に示すようにCISa領域に位置するユーザ端末200からユーザ端末位置データを受信した場合、情報処理装置100は、ユーザ端末位置データの示す位置の領域がCISaであると判定し、実体情報テーブル192を検索し、CISa領域に位置する実体の情報をユーザ端末200に送信する。
【0059】
実施の形態1では、情報処理装置100が実体位置データ更新部130を備えることで、記憶部190に記憶する実体の実体位置データが、タクシー210のように移動する実体に対応した動的なデータであっても、自動販売機220のように位置が固定である実体に対応した静的なデータであっても構わないことを説明した。
移動する実体はタクシー210以外でも構わない。例えば、バスや電車などでもよいし、自動販売機220のように普段は位置が固定であるが設置場所の移転などにより移動するものでもよい。
また、位置が固定である実体は自動販売機220以外でも構わない。例えば、家や倉庫などでもよい。
【0060】
また実施の形態1では、領域名を入力として領域名の示す領域に位置する実体の情報を提供しても、測位装置の位置データを入力として測位装置の位置する領域と同一領域に位置する実体の情報を提供しても構わないことを説明した。
【0061】
実施の形態2.
以下、実施の形態2において上記実施の形態1と異なる部分を説明し、その他は上記実施の形態1と同様であるものとする。
【0062】
図9は、実施の形態2における情報処理装置100の構成図である。
実施の形態2における情報処理装置100の構成について、上記実施の形態1の図4に示す情報処理装置100の構成と異なる構成を図9に基づいて説明する。その他の構成は上記実施の形態1の説明と同様であるものとする。
【0063】
記憶部190は、実体属性データを変更する変更処理内容を示す属性変更処理データを領域名に対応させた属性変更情報テーブル193を記憶する。
属性変更処理部135は、属性変更情報テーブル193の示す領域名について、CISテーブル191を検索し、領域名の示す領域の領域定義データを取得する。さらに、取得した領域定義データに基づいて実体情報テーブル192の実体位置データを検索し、取得した領域定義データの示す領域内に位置する実体の実体属性データを検索結果に基づいて取得する。さらに、取得した実体属性データを属性変更情報テーブル193の属性変更処理データに基づいて変更する。
【0064】
図10は、実施の形態2における属性変更情報テーブル193を示す図である。
図10において、属性変更情報テーブル193は領域名と属性変更処理データとを対応させる。
「領域名」は仮想情報空間テーブル191の「領域名」に対応する。
「属性変更処理データ」は、対応する領域に位置する実体の実体属性データを変更する変更処理内容を示する。
例えば、ある「時間(時刻)」において「実体」の種類、実体の持つ「属性」、属性の「内容」を示す実体属性データを「対象」として、対象の「属性」を「内容2」の値を使用し「内容1」の「処理」で変更する。
【0065】
図11は、実施の形態2における情報処理装置100の処理の流れを示すフローチャートである。
実施の形態2における情報処理装置100の処理の流れについて、上記実施の形態1の図8に示すフローチャートと異なる処理を図11に基づいて説明する。その他の処理は上記実施の形態1の説明と同様であるものとする。
【0066】
属性変更処理部135は、属性変更情報テーブル193の「時間」が示す時刻を検出し、時刻を検出した属性変更処理データに対応した領域名を取得する(S201)。
領域データ取得部115は、属性変更処理部135の取得した領域名でCISテーブル191を検索し領域定義データを取得する(S202)。
実体データ検索部120は、領域データ取得部115の取得した領域定義データで実体情報テーブル192を検索し、領域定義データの示す領域に位置する実体の実体属性データを取得する(S203)。
属性変更処理部135は、時刻を検出した属性変更処理データを属性変更情報テーブル193から取得し、属性変更処理データの「対象」と一致する実体属性データを実体データ検索部120の取得した実体属性データから検索する(S204)。
属性変更処理部135は、検索した実体属性データを属性変更処理データの「処理」の示す内容で変更する(S205)。
【0067】
S206〜S210の処理はそれぞれ図8のS101、S104〜S107の処理と同様である。
【0068】
例えば、記憶部190が図6、図7に示す実体情報テーブル192と図10に示す属性変更情報テーブル193とを記憶し、CISa領域に位置する実体がT1、T3、V1である場合、属性変更処理部135の処理は以下のようになる。
【0069】
属性変更処理部135は、実体情報テーブル192において、実体名V1の「種類」が「アルコール」である実体属性データの「ステータス」を22時に「停止中」に変更し、10時に「販売中」に変更する。
【0070】
また、実体情報テーブル192において、実体名T1とT3のうち「会社名」が「A社」であるT1の実体属性データの「加算料金」を23時に1.3倍の料金に変更し、6時に元の料金(1.3分の1の料金)に変更する。
【0071】
図12は、CISb領域がCISa領域の一部である場合を示す。
図13は、CISa領域の一部とCISb領域の一部が重複する場合を示す。
図12や図13に示すように、記憶部190に記憶されたCISテーブル191の示す領域が重複していても構わない。
以下のようにすることで、重複していても属性変更処理が行える。
【0072】
重複する領域がある場合、重複する領域の属性変更処理データに基づいて属性変更する処理方法を示す属性変更処理方法データを記憶部190に記憶する。
例えば、各領域に対する属性変更処理データの優先度を属性変更処理方法データとして記憶してもよい。
この場合、属性変更処理部135は、重複する領域の属性変更処理方法データのうち、優先度の高い領域に対応した属性変更処理データに基づいて属性変更処理を行う。
【0073】
実施の形態2では、情報処理装置100は属性変更処理部135と属性変更情報テーブル193とを備えることにより、情報処理装置100の記憶する実体属性データを時間により異なるような動的なデータにすることができることを説明した。
【0074】
また実施の形態2では、情報処理装置100の記憶する領域定義データの示す領域が互いに重複しても構わないことを説明した。
【0075】
実施の形態3.
以下、実施の形態3において上記実施の形態1と異なる部分を説明し、その他は上記実施の形態1と同様であるものとする。
【0076】
図14は、実施の形態3における情報処理装置100の構成図である。
実施の形態3における情報処理装置100の構成について、上記実施の形態1の図4に示す情報処理装置100の構成と異なる構成を図14に基づいて説明する。その他の構成は上記実施の形態1の説明と同様であるものとする。
【0077】
記憶部190は、記憶部190に記憶されたデータに対するアクセス権限を示すアクセス権限データと、アクセス権限を与える位置を示し且つCISテーブル191の管理する領域との相対位置を示す権限位置データとを対応させるアクセス権限テーブル194を記憶する。記憶部190に記憶されたデータとは、例えば仮想情報空間テーブル191や実体情報テーブル192である。
記憶データ管理部140は、入力部110が入力したユーザ端末200やタクシー210などの測位装置の位置データに基づいて、測位装置の位置データが示す位置における権限位置データをアクセス権限テーブル194から取得する。さらに、取得した権限位置データに対応したアクセス権限データをアクセス権限テーブル194から取得し、取得したアクセス権限データと入力部110の入力したアクセス要求データとに基づいて記憶部190に記憶されたデータにアクセスする。
【0078】
図15は、実施の形態3におけるアクセス権限テーブル194を示す図である。
図15において、アクセス権限テーブル194は、権限位置データとアクセス権限データとを対応させる。
権限位置データは、「領域名」と「相対位置」とを対応させる。
権限位置データの「領域名」は、CISテーブル191の示す「領域名」と対応する。
権限位置データの「相対位置」は、「領域名」の示す領域の中(Inside)か外(Outside)か、「領域名」の示す領域に近づいている(Approaching)か遠ざかっている(Departing)かなどを示す。
アクセス権限データは、「参照」、「更新」、「追加」、「削除」についてのアクセス権限の有無を示す。
アクセス権限の「0」はアクセス権限が無いことを示し、「1」はアクセス権限があることを示し、「−1」は排他的にアクセス権限があることを示す。
「アクセス権限が無い」とはアクセス禁止のことであり、「アクセス権限がある」とはアクセス許可のことである。
「排他的にアクセス権限がある」とは、対象外の権限位置データを持つ場合にアクセス権限があることを示している。例えば、図15は、CISc領域のOutside以外、つまりCISc領域のInsideに位置する場合に「参照」権限があることを示している。
【0079】
図16は、実施の形態3における情報処理装置100の処理の流れを示すフローチャートである。
実施の形態3における情報処理装置100の処理の流れを図16に基づいて説明する。
【0080】
入力部110は、ユーザ端末200からアクセス要求データを受信する(S301)。
記憶データ管理部140は、入力部110が受信したアクセス要求データに含まれる領域名とユーザ端末位置データとに基づいてアクセス権限テーブル194を検索しアクセス権限データを取得する。アクセス権限テーブル194を検索しアクセス権限データを取得するには、以下のように処理をすればよい。まず、アクセス要求データに含まれる領域名でCISテーブル191を検索して領域定義データを取得する。次にアクセス要求データに含まれるユーザ端末位置データと取得した領域定義データとで相対位置を判定する。そしてアクセス要求データに含まれる領域名と判定した相対位置とでアクセス権限テーブル194を検索しアクセス権限データを取得する。「Approaching」や「Departing」については、ユーザ端末200から異なる時間に取得したアクセス要求データに含まれるユーザ端末位置データを比較することで進行方向を判断でき相対位置として判定できる(S302)。
記憶データ管理部140は、取得したアクセス権限データを参照し、アクセス要求データで要求されるアクセスの権限の有無を判定する(S303)。
記憶データ管理部140がアクセス権限有りと判定した場合、情報処理装置100はアクセス要求データで要求されたデータアクセスを行う。データアクセス処理は、上記実施の形態1の図8に示すフローチャートのS104〜S107の処理と同様である(S304)。
記憶データ管理部140がアクセス権限無しと判定した場合、情報処理装置100はアクセス要求データで要求されたデータアクセスを行わない。
【0081】
例えば、図15に示すアクセス権限テーブル194を使用すると、CISa領域に位置するユーザ端末200からのアクセス要求に対してCISテーブル191のCISa領域のデータに参照、更新、追加、削除処理を行う。
また、CISb領域から遠ざかるユーザ端末200からのアクセス要求に対して参照、更新、追加、削除のいずれの処理も行わない。
【0082】
上記説明では、図15に示すようなアクセス権限テーブル194を使用し相対位置に対してアクセス権限を判定したが、相対位置以外の情報に基づくアクセス権限と合わせてアクセス権限を判定してもよい。
例えば、ユーザ情報としてユーザを識別するユーザID(IDentification)とユーザに与えるアクセス権限とを対応させるテーブルを記憶する。ユーザ端末200からはユーザIDを含むアクセス要求データを受信し、ユーザIDに対応するアクセス権限内でアクセス権限を与える。この場合、記憶データ管理部140は、ユーザIDに対応するアクセス権限とアクセス権限テーブル194から取得したアクセス権限とで同一であるアクセス権限を判定する。つまり、ユーザIDに対応するアクセス権限が「参照」と「追加」で、アクセス権限テーブル194から取得したアクセス権限が「参照」と「更新」であれば、ユーザのアクセス権限は「参照」だけとなる。
【0083】
実施の形態3において、上記実施の形態2と同様に、CISテーブル191の示す領域が図12や図13のように重複する関係にあっても構わない。重複する領域の権限位置データに対応したアクセス権限データに基づいてアクセス権限を検定する検定方法を示すアクセス権限決定方法データを上記実施の形態2で説明した属性変更処理方法データと同様に記憶部190に記憶すればよい。例えば、記憶データ管理部140は記憶部190に記憶されたアクセス権限決定方法データの示す領域の優先度を判定し、優先度の高い領域に対応するアクセス権限データによりアクセス権限の有無を判定することができる。
【0084】
実施の形態3では、記憶データ管理部140とアクセス権限テーブルとを備えることにより、アクセス要求を行うユーザと各領域との相対位置をアクセス鍵としてアクセス権限を管理することができることを説明した。アクセス権限を管理する処理対象データはCISテーブル191や実体情報テーブル192のデータに限らず、また、実施の形態3で説明した情報処理装置100と異なる構成であっても、相対位置をアクセス鍵としてアクセス権限を管理することができる。
【0085】
実施の形態4.
以下、実施の形態4において上記実施の形態1と異なる部分を説明し、その他は上記実施の形態1と同様であるものとする。
【0086】
図17は、実施の形態4における情報処理装置100の構成図である。
図17において情報処理装置100は、入力部110と領域データ取得部115と実体データ検索部120と出力部125と記憶部190とを備える。また、記憶部190はCISテーブル191と実体情報テーブル192とを記憶する。実施の形態4における情報処理装置100の備える各構成は、上記実施の形態1の図4に示す情報処理装置100の備える各構成と同様である。
【0087】
図18は、実施の形態4におけるCISテーブル191を示す図である。
図18においてCISテーブル191は「領域名」と「領域定義データ」と「時間データ」とを対応させ、各「領域名」で示される領域は「時間データ」で示される時間毎に異なる「領域定義データ」を持つ。つまり、CISテーブル191は「領域名」に対応する「領域定義データ」の変更条件を「時間」で示し、領域は時間帯により異なる大きさ、形になる。
また、「領域定義データ」は上記実施の形態1と同様に関数式で表してもよく、関数式は可変であってもよい。ここで、「時間データ」も「領域定義データ」と同様に関数式で表してもよく、関数式は可変であってもよい。
【0088】
図19は、実施の形態4における情報処理装置100の処理の流れを示すフローチャートである。
図19において、入力部110はユーザ端末200からアクセス要求データを受信し(S401)、アクセス要求データを受信した時刻を示す時刻データを取得する(S402)。
領域データ取得部115は、入力部110の受信したアクセス要求データに含まれる領域名と、入力部110の取得した時刻データとに基づいてCISテーブル191から領域定義データを取得する(S403)。
以下のS404〜S406の処理は、上記実施の形態1の図8に示すフローチャートのS105〜S107の処理と同様である。
【0089】
また、情報処理装置100は、図20に示すようなCISテーブル191を備え、図21に示すような処理を行ってもよい。
【0090】
図20は、実施の形態4におけるCISテーブル191を示す図である。
図20においてCISテーブル191は「領域名」と「領域定義データ」と「センサ値」とを対応させ、各「領域名」で示される領域は「センサ値」毎に異なる「領域定義データ」を持つ。「領域定義データ」は「緯度」、「経度」で示されるセンサの位置を中心として、「半径」で示される半径を持つ円状の領域を示している。つまり、CISテーブル191は「領域名」に対応する「領域定義データ」の変更条件を「センサ値」で示し、領域はセンサの計測したセンサ値により異なる大きさになる。また、「領域名」はセンサの識別名を示している。
センサには雨量センサ、地震センサ、気圧センサ、風速センサなどがあり、雨、地震、天気、気圧、風などについて計測する。また、センサはその他のセンサでも構わない。
また、「領域定義データ」は上記実施の形態1と同様に関数式で表してもよく、関数式は可変であってもよい。ここで、「領域定義データ」を特定する「センサ値」項目はセンサが計測した計測値をパラメータとする関数式で表してもよい。
【0091】
図21は、実施の形態4のおける情報処理装置100の処理の流れを示すフローチャートである。
入力部110はセンサと通信し計測されたセンサ値をセンサから受信し(S501)、領域データ取得部115は入力部110の受信したセンサ値の送信元センサの識別名を領域名として、センサ値に対応する領域定義データをCISテーブル191から取得する(S502)。
以下のS503〜S505の処理は、上記実施の形態1の図8に示すフローチャートのS105〜S107の処理と同様である。
【0092】
例えば、異常な値を計測したセンサがセンサ値を情報処理装置100の入力部110に送信する。情報処理装置100はセンサ値に対応する領域定義データの示す領域に位置する表示装置や音声出力装置などの実体を送信先とする結果データを送信する。そして、表示装置や音声出力装置などの実体は受信した結果データに基づいて警報を出力することができる。
【0093】
また、情報処理装置100は、あるセンサに対応する領域に位置するユーザ端末200の情報の取得を要求するアクセス要求データを受信し、センサ値に対応する領域に位置するユーザ端末200の情報を結果データとして送信する。そして、結果データを受信した受信装置は、送信された結果データを参照し危険領域にいるユーザを把握することができる。
【0094】
実施の形態4では、情報処理装置100の記憶する領域定義データの示す領域は、時間やセンサ値などの条件により異なる動的な領域でも構わないことを示した。
【0095】
実施の形態5.
以下、実施の形態5において上記実施の形態1と異なる部分を説明し、その他は上記実施の形態1と同様であるものとする。
【0096】
図22は、実施の形態5における情報処理システムの構成図である。
電車230は、GPS衛星300の送信する測位用データに基づいて自己位置を測位する測位装置であり、電車230自体が情報処理装置100に管理される領域の一つである。
電車230の乗客はユーザ端末200を所持している。
【0097】
図23は、実施の形態5における情報処理装置100の構成図である。
実施の形態5における情報処理装置100の構成について、上記実施の形態1の図4に示す情報処理装置100の構成と異なる構成を図23に基づいて説明する。その他の構成は上記実施の形態1の説明と同様であるものとする。
【0098】
入力部110は、電車230のように移動して移動先の自己領域を取得する測位装置と通信し測位装置から測位装置の領域を示す領域名と領域定義データとを受信する。
領域データ更新部145は、入力部110が入力した領域定義データで、CISテーブル191に示される対応する領域定義データを更新する。
【0099】
図24は、実施の形態5における情報処理装置100の処理の流れを示すフローチャートである。
【0100】
図24において、S601とS602との処理は、上記実施の形態1の図8に示すフローチャートのS101とS102との処理と同様である。
【0101】
S602において入力部110がデータ種類を判定した結果、データ種類が領域定義データであり、例えば電車230の領域を示す領域定義データである場合、領域データ更新部145は、CISテーブル191において、入力部110の受信した電車230の領域を示す領域名と対応する領域定義データを、入力部110の受信した領域定義データで更新する(S603)。
【0102】
以下のS604〜S607の処理は、上記実施の形態1の図8に示すフローチャートのS104〜S107の処理と同様である。
【0103】
例えば、情報処理装置100は、電車230の乗客情報の取得を要求するアクセス要求データを受信し、電車230を示す領域に位置するユーザ端末200の情報を結果データとして送信する。そして、結果データを受信した受信装置では送信された結果データを参照しユーザ端末200を所有する電車230の乗客を把握することができる。
【0104】
実施の形態5では、情報処理装置100が領域データ更新部145を備えることで、記憶部190に記憶する領域定義データが、電車230のように移動する領域に対応した動的なデータであっても構わないことを説明した。
【0105】
上記の各実施の形態で説明した情報処理装置100について、各構成を組み合わせても構わないし、各処理を組み合わせても構わない。
【0106】
また、上記の各実施の形態では、領域の領域定義データを緯度、経度および高さ又は関数式で定義することについて説明したが、他の領域との相対関係で定義しても構わない。
【0107】
図25〜図28は、他の領域との相対関係を示す図である。
ここで、他の領域との相対関係を論理演算で表すとする。論理積を「and」、論理和を「or」、否定を「not」、排他的論理和を「xor」とすると各図で示すCISa領域の領域定義データは次のように表すことができる。
図25の場合、「CISb and (not CISc)」。
図26の場合、「CISb xor CISc」。
図27の場合、「CISb or CISc」。
図28の場合、「CISb and (CISc xor CISd)」。
この場合、領域データ取得部115は、上記のような論理演算式を計算し、領域定義データを算出する。
但し、相対関係は、図25〜図28に示す関係に限らない。
【0108】
また、上記の各実施の形態の情報処理装置100の構成図では、CISテーブル191、実体情報テーブル192、属性変更情報テーブル193、アクセス権限テーブル194を同一の記憶部190に記憶する例を示したが、それぞれ別の記憶部に記憶しても構わない。
【0109】
上記の各実施の形態で説明した情報処理装置100を用いることにより、以下のようなことが行える。
【0110】
例えば、飲食店、屋台などの連続して並ぶCISの領域があり、ユーザの位置から判断して当該店のメニューだけを示すようなことができる。
【0111】
また、移動するいつもの屋台がどこにいようとも、その屋台のCISの領域名称を知ってさえいれば、情報発信者としての屋台の情報(今どこにいるか、本日のメニューなど)をその場で知ることができる。
【0112】
また、自動販売機を設置し、その設置場所をCISの領域とすることにより、オーナは各販売機の売上を直接確認でき、またメニューや価格を遠隔から操作できる。
【0113】
また、自動販売機を複数含む大きな領域を設定し、その領域に含む自動販売機に、共通したメニュー、価格等を設定できる。
【0114】
また、スーパーで食料品を購入する際に、食料品コーナーごとに設定するCISの領域により、各食料の生産者情報や、発送からスーパーに並ぶまでの情報をいながらにして確認できる。
【0115】
また、スーパーにいることが鍵となり、各食料品コーナーにいることが更なる鍵となり、そのCIS情報を取得できる。
【0116】
また、主婦はそのスーパーとの契約により当該食料品コーナー名を指定して、食料の入荷状況、本日の価格などの外部公開情報のみを家にいながら取得できる。
【0117】
また、ある人気商品の最も在庫数の多い商店街はどこかを調べたり、特定の学区内の各家庭に共通の通知を配信したりすることが出来る。
【0118】
また、特定のCISの領域内にいる移動体に関係する情報、例えばその台数、タクシーであれば売上高の総額や平均時速、携帯端末であればそのCISの領域での滞在時間やその所有者の平均通話時間、平均年齢などを、そのCISの領域名を指定することでアクセスすることができる。
【0119】
また、特定の地域にある自動販売機などの製品価格やサービスメニューを時間帯や季節でリモートに変更したり、そのエリアの人口密度や客層、イベント内容などに応じてエアコンの温度調節や照明を変えたりすることが出来る。
【0120】
また、CISの領域で発生したイベント数、例えば出会いの成立したカップル数、交通事故の件数、商談の成立数、人の移動エネルギー総量なども領域名でアクセスできる。
【0121】
以上の説明において、位置情報(緯度、経度、高度など)によって定義される実世界上の任意の形状の3次元空間を仮想的な情報空間(CIS)として名前などの属性を与えて登録するCISテーブル191と、実世界上の任意の情報を保持しそれと特定のCISとの関係を保持する実体情報テーブル192や属性変更情報テーブル193を持つ情報処理装置100が存在し、情報の検索、更新、追加などを行うユーザ端末200がこの情報処理装置100に、特定のCISの領域名称等を指定することで当該CISに関連する情報のアクセスを可能とする情報処理システムについて説明した。
【0122】
また、ユーザはGPS機能などによる緯度、経度、高度などによる位置情報を取得可能な機能を持つユーザ端末200を保持し、情報処理装置100に対して、位置情報をアクセス鍵として情報へのアクセス要求を可能とする情報処理システムについて説明した。
【0123】
また、位置情報をアクセス鍵とする場合に、位置情報とアクセスの対象となるCISの領域との位置的な関係、Inside、Outside、Approaching、Departingなどによりアクセス鍵の意味、参照権、更新権、追加権、排他権などを変更可能な情報処理システムについて説明した。
【0124】
また、CISの領域はその形状を維持しつつ、時間と共に移動することが可能な情報処理システムについて説明した。
【0125】
また、CISの領域が時間と共にその形状や権利を予め定められた規則に従い変化させることのできる情報処理システムについて説明した。
【0126】
また、CISの領域内の情報源からのデータ値(センサ値)の変化伴ってその形状、位置を他律的に変化させることのできる情報処理システムについて説明した。
【0127】
また、CISの領域は単独でもその機能・目的を果たすが、任意の位置関係にある複数のCISが組み合わせられた状態でも同様な機能・目的を果たす情報処理システムについて説明した。
【0128】
また、実世界上の任意の空間を仮想的な情報空間とすることや、この空間に情報を直接関連付けることや、この空間を他の仮想空間や実空間(DB(データベース)などを含む)との情報授受の鍵として使うことや、CISの領域は時間と共に移動、変形が可能であることや、CISの領域は時間軸上の各点に存在可能であることを説明した。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】実施の形態1における情報処理システムの構成図。
【図2】実施の形態1における情報処理装置100の外観を示す図。
【図3】実施の形態1における情報処理装置100のハードウェア構成図。
【図4】実施の形態1における情報処理装置100の構成図。
【図5】実施の形態1におけるCISテーブル191を示す図。
【図6】実施の形態1における実体情報テーブル192を示す図。
【図7】実施の形態1における実体情報テーブル192を示す図。
【図8】実施の形態1における情報処理装置100の処理の流れを示すフローチャート。
【図9】実施の形態2における情報処理装置100の構成図。
【図10】実施の形態2における属性変更情報テーブル193を示す図。
【図11】実施の形態2における情報処理装置100の処理の流れを示すフローチャート。
【図12】実施の形態2における領域の重複を示す図。
【図13】実施の形態2における領域の重複を示す図。
【図14】実施の形態3における情報処理装置100の構成図。
【図15】実施の形態3におけるアクセス権限テーブル194を示す図。
【図16】実施の形態3における情報処理装置100の処理の流れを示すフローチャート。
【図17】実施の形態4における情報処理装置100の構成図。
【図18】実施の形態4におけるCISテーブル191を示す図。
【図19】実施の形態4における情報処理装置100の処理の流れを示すフローチャート。
【図20】実施の形態4におけるCISテーブル191を示す図。
【図21】実施の形態4のおける情報処理装置100の処理の流れを示すフローチャート。
【図22】実施の形態5における情報処理システムの構成図。
【図23】実施の形態5における情報処理装置100の構成図。
【図24】実施の形態5における情報処理装置100の処理の流れを示すフローチャート。
【図25】実施の形態における領域の相対関係を示す図。
【図26】実施の形態における領域の相対関係を示す図。
【図27】実施の形態における領域の相対関係を示す図。
【図28】実施の形態における領域の相対関係を示す図。
【符号の説明】
【0130】
100 情報処理装置、110 入力部、115 領域データ取得部、120 実体データ検索部、125 出力部、130 実体位置データ更新部、135 属性変更処理部、140 記憶データ管理部、145 領域データ更新部、190 記憶部、191 仮想情報空間テーブル、192 実体情報テーブル、193 属性変更情報テーブル、194 アクセス権限テーブル、200 ユーザ端末、210 タクシー、220 自動販売機、230 電車、300 GPS衛星、901 表示装置、902 K/B、903 マウス、904 FDD、905 CDD、906 プリンタ装置、907 スキャナ装置、910 システムユニット、911 CPU、912 バス、913 ROM、914 RAM、915 通信ボード、920 磁気ディスク装置、921 OS、922 ウィンドウシステム、923 プログラム群、924 ファイル群、931 電話器、932 FAX機、940 インターネット、941 ウェブサーバ、942 LAN。
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムにおける情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよびデータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の情報提供システムは、予め定義、登録された領域の情報に、定められた地点からアクセスするものであった。一般的には、カーナビゲーションシステムにおいて車の進行方向にある領域の情報が、その領域に一定の距離に近づいた車からアクセスできるというものであった。
領域情報を提供する従来技術には特許文献1〜3がある。
【特許文献1】特開2003−288525号公報
【特許文献2】特開2003−122655号公報
【特許文献3】特開2001−050772号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術では、個々の領域は大きな領域を一定の方法で細分化したものであり、その各々は名前などにより識別されることは無い。
また、ユーザに提供する領域情報を動的に変化させることができない。
また、ユーザと領域との位置関係により、ユーザの領域情報に対するアクセスを管理することができない。
【0004】
本発明は、上記の課題を踏まえて、例えば、ユーザから指定された領域の領域情報であり刻々と変化する領域情報をユーザに提供できるようにすることを目的とする。
また、ユーザと領域との位置関係により、ユーザの領域情報に対するアクセスを管理できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の情報処理装置は、領域名と領域を定義する領域定義データとを対応させて記憶する領域記憶部と、実体の位置を示す実体位置データと実体の属性を示す実体属性データとを対応させて記憶する実体記憶部と、領域の領域名を入力する入力部と、入力部が入力した領域名の示す領域の領域定義データを領域記憶部から取得する領域データ取得部と、領域データ取得部が取得した領域定義データに基づいて実体記憶部の実体位置データを検索し、検索結果に基づいて実体の実体属性データを実体記憶部から取得する実体データ検索部とを備えたことを特徴とする。
【0006】
さらに、上記実体データ検索部が取得した実体属性データに基づいて結果データを生成し、生成した結果データを出力する出力部を備えたことを特徴とする。
【0007】
上記実体データ検索部は、上記領域データ取得部が取得した領域定義データに基づいて記憶部の実体位置データを検索し、領域データ取得部の取得した領域定義データの示す領域内に位置する実体の実体属性データを検索結果に基づいて実体記憶部から取得することを特徴とする。
【0008】
上記情報処理装置は、さらに、実体属性データを変更する変更処理内容を示す属性変更処理データを領域名に対応して記憶する属性変更記憶部と、属性変更処理データに対応した領域名の示す領域の領域定義データを上記領域記憶部から取得し、取得した領域定義データに基づいて上記実体記憶部の実体位置データを検索し、取得した領域定義データの示す領域内に位置する実体の実体属性データを検索結果に基づいて取得し、取得した実体属性データに関する実体の位置する領域の領域名に対応した属性変更処理データに基づいて、取得した実体属性データを変更する属性変更処理部を備えたことを特徴とする。
【0009】
上記情報処理装置は、さらに、領域記憶部に記憶された領域定義データの示す領域が重複する場合、重複する領域の属性変更処理データに基づいて、取得した実体属性データの属性を変更する処理方法を示す属性変更処理方法データを記憶する属性変更方法記憶部を備え、上記属性変更処理部は、属性変更処理データに対応した領域名の示す領域の領域定義データを上記領域記憶部から取得し、取得した領域定義データの示す領域が重複する場合、重複する領域の領域定義データに基づいて上記実体記憶部の実体位置データを検索し、重複する領域の領域定義データの示す領域内に位置する実体の実体属性データを取得し、重複する領域分の属性変更処理データと上記属性変更方法記憶部に記憶された属性変更処理方法データとに基づいて、取得した実体属性データを変更することを特徴とする。
【0010】
上記情報処理装置は、さらに、上記領域記憶部と上記実体記憶部との少なくともいずれかに記憶されたデータに対するアクセス権限を示すアクセス権限データと、アクセス権限を与える位置を示し上記領域記憶部に記憶された領域定義データの示す領域との相対位置を示す権限位置データとを対応させて記憶する権限記憶部を備え、上記入力部は、自己位置を取得する測位装置と通信し測位装置から上記領域記憶部と上記実体記憶部との少なくともいずれかに記憶されたデータに対するアクセス要求を示すアクセス要求データと測位装置の位置を示す測位装置位置データとを受信し入力とし、上記情報処理装置は、さらに、上記入力部が入力した測位装置位置データの示す位置における権限位置データを上記権限記憶部から取得し、取得した権限位置データに対応したアクセス権限データを上記権限記憶部から取得し、取得したアクセス権限データと上記入力部の入力したアクセス要求データとに基づいてデータを処理する記憶データ管理部を備えたことを特徴とする。
【0011】
上記情報処理装置は、さらに、上記領域記憶部に記憶された領域定義データの示す領域が重複する場合、重複する領域の権限位置データ毎に対応したアクセス権限データに基づいてアクセス権限を決定する決定方法を示すアクセス権限決定方法データを記憶する権限決定方法記憶部を備え、上記記憶データ管理部は、上記入力部が入力した測位装置位置データの示す位置の権限位置データを上記権限記憶部から取得し、取得した権限位置データが相対位置を示す領域が重複する場合、重複する領域分の権限位置データ毎に対応したアクセス権限データを上記権限記憶部から取得し、重複する領域の権限位置データ毎に対応したアクセス権限データと上記権限決定方法記憶部に記憶されたアクセス権限決定方法とに基づいてアクセス権限を決定し、決定したアクセス権限と上記入力部の入力したアクセス要求データとに基づいてデータを処理することを特徴とする。
【0012】
上記情報処理装置は、さらに、上記領域記憶部に記憶された領域名に対応する領域定義データの変更条件を示す領域変更条件データを記憶する領域変更記憶部を備え、上記領域データ取得部は、上記入力部が入力した領域名の示す領域の領域定義データを上記領域変更記憶部に記憶された領域変更条件データに基づいて上記領域記憶部から取得することを特徴とする。
【0013】
上記領域変更記憶部は、時間を領域定義データの変更条件とする領域変更条件データを記憶し、上記領域データ取得部は、時刻データを取得し、取得した時刻データと上記領域変更記憶部に記憶された領域変更条件データとに基づいて上記入力部の入力した領域名の示す領域の領域定義データを上記領域記憶部から取得することを特徴とする。
【0014】
上記入力部は、センサと通信しセンサからセンサの計測したセンサ値を受信し入力とし、上記領域変更記憶部は、センサ値を領域定義データの変更条件とする領域変更条件データを記憶し、上記領域データ取得部は、上記入力部が入力したセンサ値と上記領域変更記憶部に記憶された領域変更条件データとに基づいて上記入力部の入力した領域名の示す領域の領域定義データを上記領域記憶部から取得することを特徴とする。
【0015】
上記入力部は、移動して移動先の自己位置を取得する測位装置と通信し測位装置から測位装置の位置を示す実体位置データを受信し入力とし、上記実体記憶部は、移動する測位装置の位置を示す実体位置データを記憶し、上記情報処理装置は、さらに、上記入力部の入力した実体位置データで、上記実体記憶部に記憶された対応する測位装置の実体位置データを更新する実体位置データ更新部を備えたことを特徴とする。
【0016】
上記入力部は、移動して移動先の自己領域を取得する測位装置と通信し測位装置から測位装置の領域を示す領域名と領域定義データとを受信し入力とし、上記領域記憶部は、移動する測位装置の領域を定義する領域定義データを記憶し、上記情報処理装置は、さらに、上記入力部が入力した領域定義データで、上記領域記憶部に記憶された領域定義データであり上記入力部の入力した領域名に対応した領域定義データを更新する領域データ更新部を備えたことを特徴とする。
【0017】
上記領域記憶部は、3次元で定義される領域定義データを記憶することを特徴とする。
【0018】
上記実体記憶部は、3次元で定義される実体位置データを記憶することを特徴とする。
【0019】
本発明の情報処理装置は、領域を定義する領域定義データを記憶する領域記憶部と、実体の位置を示す実体位置データと実体の属性を示す実体属性データとを対応させて記憶する実体記憶部と、移動して移動先の自己位置を取得する測位装置と通信し測位装置から測位装置の位置を示す測位装置位置データを受信し入力とする入力部と、入力部が入力した測位装置位置データに基づいて領域記憶部の領域定義データを検索し、検索した領域定義データを取得する領域データ取得部と、領域データ取得部が取得した領域定義データに基づいて実体記憶部の実体位置データを検索し、検索結果に基づいて実体の実体属性データを実体記憶部から取得する実体データ検索部とを備えたことを特徴とする。
【0020】
上記記憶部は、他領域との相対関係を領域定義データとして記憶することを特徴とする。
【0021】
本発明の情報処理装置は、領域名と領域の属性を示す領域属性データとを対応させて記憶する記憶部と、領域の領域名を入力する入力部と、入力部が入力した領域名の示す領域の領域属性データを記憶部から取得する領域データ取得部とを備えたことを特徴とする。
【0022】
本発明の情報処理装置は、処理対象データを記憶する処理データ記憶部と、処理対象データに対するアクセス権限を示すアクセス権限データとアクセス権限を与える位置を示す権限位置データとを対応させて記憶する権限記憶部と、自己位置を取得する測位装置と通信し測位装置から処理対象データに対するアクセス要求を示すアクセス要求データと測位装置の位置を示す測位装置位置データとを受信し入力とする入力部と、入力部が入力した測位装置位置データの示す位置の権限位置データを権限記憶部から取得し、取得した権限位置データに対応したアクセス権限データを権限記憶部から取得し、取得したアクセス権限データと入力部の入力したアクセス要求データとに基づいて処理データ記憶部に記憶された処理対象データを処理する記憶データ管理部とを備えたことを特徴とする。
【0023】
本発明の情報処理装置は、領域名と領域を定義する領域定義データとを対応させて記憶する領域記憶部と、領域の領域名を入力する入力部と、入力部が入力した領域名の示す領域の領域定義データを領域記憶部から取得する領域データ取得部と、領域データ取得部が取得した領域定義データに基づいて領域名に対応付けられるデータを取得するデータ検索部とを備えたことを特徴とする。
【0024】
上記領域記憶部は、領域定義データとして2次元以上の領域を定義するデータを記憶することを特徴とする。
【0025】
上記データ検索部は、領域定義データで定義された領域をキーにして領域名に対応付けられるデータを検索することを特徴とする。
【0026】
本発明の情報処理方法は、領域名と領域を定義する領域定義データとを対応させて記憶する領域記憶工程と、実体の位置を示す実体位置データと実体の属性を示す実体属性データとを記憶する実体記憶工程と、領域の領域名を入力する入力工程と、入力工程で入力した領域名の示す領域の領域定義データであり領域記憶工程で記憶された領域定義データを取得する領域データ取得工程と、領域データ取得工程で取得した領域定義データに基づいて実体記憶工程で記憶された実体位置データを検索し、検索結果に基づいて実体の実体属性データであり実体記憶工程で記憶された実体属性データを取得する実体データ検索工程とを実行することを特徴とする。
【0027】
本発明の情報処理方法は、領域を定義する領域定義データを記憶する領域記憶工程と、実体の位置を示す実体位置データと実体の属性を示す実体属性データとを対応させて記憶する実体記憶工程と、移動して移動先の自己位置を取得する測位装置と通信し測位装置から測位装置の位置を示す測位装置位置データを受信し入力とする入力工程と、入力工程で入力した測位装置位置データに基づいて領域記憶工程で記憶された領域定義データを検索し、検索した領域定義データを取得する領域データ取得工程と、領域データ取得工程で取得した領域定義データに基づいて実体記憶工程で記憶された実体位置データを検索し、検索結果に基づいて実体の実体属性データを取得する実体データ検索工程とを備えたことを特徴とする。
【0028】
本発明の情報処理方法は、領域名と領域の属性を示す領域属性データとを対応させて記憶部に記憶する記憶工程と、領域の領域名を入力する入力工程と、入力工程で入力した領域名の示す領域の領域属性データを記憶部から取得する領域データ取得工程とを実行することを特徴とする。
【0029】
本発明の情報処理方法は、処理対象データを記憶する処理データ記憶工程と、処理対象データに対するアクセス権限を示すアクセス権限データとアクセス権限を与える位置を示す権限位置データとを対応させて記憶する権限記憶工程と、自己位置を取得する測位装置と通信し測位装置から処理対象データに対するアクセス要求を示すアクセス要求データと測位装置の位置を示す測位装置位置データとを受信し入力とする入力工程と、入力工程で入力した測位装置位置データの示す位置の権限位置データであり権限記憶工程で記憶された権限位置データを取得し、取得した権限位置データに対応したアクセス権限データであり権限記憶工程で記憶されたアクセス権限データを取得し、処理データ記憶工程で記憶された処理対象データを取得したアクセス権限データと入力工程で入力したアクセス要求データとに基づいて処理する記憶データ管理工程とを実行することを特徴とする。
【0030】
また、本発明は、上記情報処理方法をコンピュータに実行させるプログラムであることを特徴とする。
【0031】
本発明のデータは、領域の領域名と領域を定義する領域定義情報とを対応つけることを特徴とする。
【0032】
上記データは、異なる領域名のそれぞれに対して同一の領域定義情報を対応つけることを特徴とする。
【0033】
上記データは、領域名と領域の持つ属性である領域属性情報とを対応つけることを特徴とする。
【0034】
上記データは、他領域との相対関係を領域定義情報とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、例えば、ユーザから指定された領域の領域情報であり刻々と変化する領域情報をユーザに提供でき、ユーザの利便性を向上することができる。
また、ユーザと領域との位置関係により、ユーザの領域情報に対するアクセスを管理でき、情報管理機能を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における情報処理システムの構成図である。
図1において、情報処理装置100は、処理対象データとして領域に関するデータと実体に関するデータとを管理しデータ処理を行う。
ユーザ端末200は、GPS(Global Positioning System)衛星300から測位用データを受信し測位を行う測位装置であり、処理対象データへのアクセスを要求するアクセス要求データと測位したユーザ端末の位置データとを情報処理装置100に送信する。
タクシー210は、GPS衛星300から測位用データを受信し測位を行う測位装置であり、測位したタクシーの位置データを情報処理装置100に送信する。
また、タクシー210と自動販売機220とは複数存在し、情報処理装置100にデータ管理される実体である。
また、各タクシー210と各自動販売機220とは、情報処理装置100がデータ管理するCISa、CISb、CIScなどの領域名を持つ各領域に位置する。
ここで、ユーザ端末200が情報処理装置100に送信するアクセス要求データには、情報処理装置100の管理する領域の領域名が含まれ、情報処理装置100は、受信したアクセス要求データに含まれる領域名の示す領域に位置する各実体に関するデータについて処理を行う。
例えば、ユーザ端末200が領域名CISaを指定しアクセス要求データを送信した場合、情報処理装置100はCISa領域に位置するタクシー210や自動販売機220といった実体の情報をユーザ端末200に送信する。
ここで、測位用データを送信するのは、GPS衛星300に限らず、静止衛星や準天頂衛星、地上装置でも構わない。
準天頂衛星とは、赤道面から約45度の傾斜角になるように地球の自転に合わせて1日に1周回している。例えば、昇交点赤経(赤道面との交点)において120度ずつ離れるように3機が配置される。地表面上に投影される準天頂衛星軌道の軌跡は、地上を固定して考えた場合に、準天頂衛星は赤道上を交点とする「8の字」または「涙的型」を描くように周回する。準天頂衛星から測位用データを受信することで、ビルの谷間などにおいても電波を遮られることが少ないという効果がある。
【0037】
図2は、実施の形態1における情報処理装置100の外観を示す図である。
図2において、情報処理装置100は、システムユニット910、表示装置901、キーボード(K/B)902、マウス903、コンパクトディスク装置(CDD)905、プリンタ装置906、スキャナ装置907を備え、これらはケーブルで接続されている。
さらに、情報処理装置100は、FAX機932、電話器931とケーブルで接続され、また、ローカルエリアネットワーク(LAN)942、ウェブサーバ941を介してインターネット940に接続されている。
また、表示装置901には、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイなどの種類がある。
【0038】
図3は、実施の形態1における情報処理装置100のハードウェア構成図である。
図3において、情報処理装置100は、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)911を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、通信ボード915、表示装置901、K/B902、マウス903、FDD(Flexible Disk Drive)904、磁気ディスク装置920、CDD905、プリンタ装置906、スキャナ装置907と接続されている。
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、FDD904、CDD905、磁気ディスク装置920、光ディスク装置は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置あるいは記憶部の一例である。
通信ボード915は、FAX機932、電話器931、LAN942等に接続されている。
例えば、通信ボード915、K/B902、スキャナ装置907、FDD904などは、情報入力部の一例である。
また、例えば、通信ボード915、表示装置901などは、出力部の一例である。
【0039】
ここで、通信ボード915は、LAN942に限らず、直接、インターネット940、或いはISDN等のWAN(ワイドエリアネットワーク)に接続されていても構わない。直接、インターネット940、或いはISDN等のWANに接続されている場合、情報処理装置100は、インターネット940、或いはISDN等のWANに接続され、ウェブサーバ941は不用となる。また、LAN942などのネットワークは無線で接続するネットワークでも構わない。
磁気ディスク装置920には、オペレーティングシステム(OS)921、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923は、CPU911、OS921、ウィンドウシステム922により実行される。
【0040】
上記プログラム群923には、以下に述べる実施の形態の説明において「〜部」として説明する機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
ファイル群924には、以下に述べる実施の形態の説明において、「〜の判定結果」、「〜の計算結果」、「〜の処理結果」として説明するものが、「〜ファイル」として記憶されている。
また、以下に述べる実施の形態の説明において説明するフローチャートの矢印の部分は主としてデータの入出力を示し、そのデータの入出力のためにデータは、磁気ディスク装置920、FD(Flexible Disk cartridge)、光ディスク、CD(コンパクトディスク)、MD(ミニディスク)、DVD(Digital Versatile Disk)等のその他の記録媒体に記録される。あるいは、信号線やその他の伝送媒体により伝送される。
【0041】
また、以下に述べる実施の形態の説明において「〜部」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、ハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。
【0042】
また、以下に述べる実施の形態を実施するプログラムは、磁気ディスク装置920、FD、光ディスク、CD、MD、DVD等のその他の記録媒体による記録装置を用いて記憶されても構わない。
【0043】
図4は、実施の形態1における情報処理装置100の構成図である。
図4において情報処理装置100は以下のものを備える。
領域名と領域を示す領域定義データとを対応させる仮想情報空間(CIS:Cyber Information Space)テーブル191と、タクシー210や自動販売機220といったデータ管理対象である実体の位置を示す実体位置データと、実体の属性を示す実体属性データとを対応させる実体情報テーブル192とを記憶する記憶部190。
ユーザ端末200からのアクセス要求データやタクシー210のような測位装置の測位した位置データを受信し入力とする入力部110。
入力部110が入力した位置データで、記憶部190の実体情報テーブル192の実体位置データを更新する実体位置データ更新部130。
入力部110が入力したアクセス要求データに含まれる領域名の示す領域の領域定義データをCISテーブル191から取得する領域データ取得部115。
領域データ取得部115が取得した領域定義データに基づいて実体情報テーブル192の実体位置データを検索し、検索結果に基づいて実体属性データを実体情報テーブル192から取得する実体データ検索部120。
実体データ検索部120が取得した実体属性データに基づいて結果データを生成し、生成した結果データを出力する出力部125。
【0044】
図5は、実施の形態1におけるCISテーブル191を示す図である。
図5において、CISテーブル191は「領域名」と「領域定義データ」とを対応させる。
「領域定義データ」は、「緯度」、「経度」、「高さ」で示される点の集合により表すことができる。
領域名CISaで示される領域を四角形として管理する場合、「領域定義データ」として、「緯度」、「経度」、「高さ」で示される4つの点を定義し、定義した4つの点で囲まれる領域をCISaとすればよい。「高さ」の値は一つである。
「領域定義データ」は、例えば、四角形以外の多角形で定義してもよいし、「高さ」を持たずに「緯度」と「経度」で定義してもよいし、1つの点と半径とを定義した円形の領域でもよいし、「緯度」と「経度」に異なる値の「高さ」を定義した3次元の領域でもよい。
また、「領域定義データ」を関数式で表してもよい。関数式は可変であってもよく、時刻などをパラメータにしてもよい。
【0045】
また、領域は重複しても構わない。つまり、異なる「領域名」に対応するそれぞれの「領域定義データ」が部分的に同一領域を示しても構わないし、それぞれの「領域定義データ」が完全に一致しても構わない。
また、「領域定義データ」が関数式で表され、その値が変化する際に、領域が重複から非重複、非重複から重複になっても構わない。
【0046】
また、CISテーブル191は「領域名」に「領域属性」を対応させてもよい。
「領域属性」とは、人口情報、歴史情報など、「領域名」と対応付けられるさまざまな領域情報である。
「領域属性」を定義することで、「領域名」または「領域定義データ」をキーにしてさまざまな領域情報を取得することができ、ユーザに対してそれら領域情報を提供することができる。
【0047】
図6は、実施の形態1における実体情報テーブル192を示す図である。
図6において、実体情報テーブル192は「実体名」と「実体位置データ」と「実体属性データ」とを対応させ、各タクシー210に関するデータを定義している。
「実体位置データ」は、「緯度」、「経度」、「高さ」を示している。また、CISテーブル191の領域定義データと同様、「高さ」を持たずに「緯度」と「経度」で2次元の位置を示してもよい。
「実体属性データ」は各タクシー210の属性として、「会社名」、「型」、「初乗り料金」、「加算料金」、「ステータス」、「IPアドレス」を定義している。
【0048】
図7は、実施の形態1における実体情報テーブル192を示す図である。
図7において、実体情報テーブル192は「実体名」と「実体位置データ」と「実体属性データ」とを対応させ、各自動販売機220に関するデータを定義している。
「実体位置データ」は、「緯度」、「経度」、「高さ」を示している。また、CISテーブル191の領域定義データと同様、「高さ」を持たずに「緯度」と「経度」で2次元の位置を示してもよい。
「実体属性データ」は各自動販売機220の属性として、販売する商品の「商品名」、「種類」、「価格」、「残数」、「ステータス」、「IPアドレス」を定義している。
【0049】
図8は、実施の形態1における情報処理装置100の処理の流れを示すフローチャートである。
実施の形態1における情報処理装置100の処理の流れを図8に基づいて説明する。
【0050】
入力部110は、実体であるタクシー210の位置データまたはユーザ端末200のアクセス要求データを受信する(S101)。
入力部110は、受信したデータの種類を判定する(S102)。
【0051】
データ種類を判定した結果、データ種類がタクシー210の位置データである場合、実体位置データ更新部130は、図6に示すようなタクシー210を実体とした実体情報テーブル192の実体位置データを入力部110の受信したタクシー210の位置データで更新する(S103)。
【0052】
例えば、T1で識別されるタクシー210の位置データを受信した場合、実体情報テーブル192の実体名T1に対応する実体位置データを受信した位置データで更新する。
これにより随時、各実体の位置を管理することができる。
【0053】
S102においてデータ種類を判定した結果、データ種類がユーザ端末200のアクセス要求データである場合、領域データ取得部115は、アクセス要求データに含まれる領域名で、図5に示すようなCISテーブル191を検索し、領域名に対応する領域定義データを取得する(S104)。
実体データ検索部120は、領域データ取得部115が取得した領域定義データと実体情報テーブル192の実体位置データとを比較し、領域定義データの示す領域内に位置する実体を検索し、検索した実体の実体属性データを取得する(S105)。
ここで、検索した実体、つまり領域定義データの示す領域内に位置する実体について、全ての実体の実体属性データを取得してもよいし、幾つかの実体の実体属性を取得してもよい。例えば、領域定義データの示す領域内に位置する実体の数が所定の数と比較して大きい場合は、検索した順に所定の数だけの実体の実体属性を取得する、などの処理を行い、実体をふるいにかけてもよい。
出力部125は、入力部110が入力したユーザ端末200のアクセス要求データと実体データ検索部120が取得した実体属性データとに基づいて結果データを生成する(S106)。
出力部125は、生成した結果データを送信する(S107)。
【0054】
例えば、アクセス要求データがCISa領域に位置するタクシーの空車情報の取得を示す要求内容とユーザ端末200のIPアドレスとを含み、図6に示す実体情報テーブル192においてCISa領域に位置するタクシー210がT1とT3である場合、出力部125の処理は以下のようになる。
出力部125は、実体データ検索部120の取得したT1とT3の会社名、型、初乗り料金、加算料金、位置データを含む結果データを生成し、アクセス要求データに含まれるIPアドレスを結果データの送信先とし、結果データをユーザ端末200に送信する。
これにより、ユーザ端末200が受信した結果データを表示装置に表示し、ユーザは表示された場所に移動してタクシー210に乗車することができる。
【0055】
また、アクセス要求データがCISa領域に位置するタクシーの呼び出しを示す要求内容とユーザ端末200の位置データとを含み、図6に示す実体情報テーブル192においてCISa領域に位置するタクシー210がT1とT3である場合の出力部125の処理は以下のようになる。
出力部125は、実体データ検索部120の取得したT1とT3の実体属性データのステータスを判定し、空車であると判定したT1のIPアドレスを送信先としてユーザ端末200の位置データを含む結果データを生成しタクシーT1に送信する。
これにより、タクシーT1が受信した結果データを表示装置に表示し、タクシーT1が表示された場所に移動し、ユーザはタクシーT1に乗車することができる。
【0056】
また、自動販売機220を実体とする場合も図7に示す実体情報テーブル192を参照し、タクシー210と同様に結果データを生成、送信することができる。
例えば、アクセス要求データがCISa領域に位置する自動販売機でのアルコールの販売停止を示す要求内容を含み、図7に示す実体情報テーブル192においてCISa領域に位置する自動販売機220がV1である場合の出力部125の処理は以下のようになる。
出力部125は、実体データ検索部120の検索したV1の実体属性データのステータスを「販売中」から「販売停止」に変更し、V1のIPアドレスを送信先としてステータスが変更されたことを示す結果データを生成し自動販売機V1に送信する。
これにより、自動販売機V1が受信した結果データに基づいてアルコール商品を販売停止にすることができる。
【0057】
上記説明において、図6、図7に示す実体情報テーブル192では、タクシー210や自動販売機220といった実体にアクセスするための属性として「IPアドレス」を定義した。ここで「IPアドレス」はIPv4(IPversion4)でもよいし、IPv6(IPversion6)でもよい。また、「IPアドレス」以外のアクセスするための属性を定義してもよい。例えば、タクシー210に備えつけられた電話やタクシー210の運転手が所持する携帯電話の電話番号などでもよい。
【0058】
上記説明では、ユーザ端末200から受信したアクセス要求データに含まれる領域名に基づいて領域名の示す領域に位置する実体の実体属性データを取得する場合を説明した。
但し、ユーザ端末200が測位したユーザ端末位置データをアクセス要求データに含み、ユーザ端末位置データに基づいてユーザ端末の位置する領域の領域定義データを取得し、ユーザ端末の位置する領域と同一領域に位置する実体の実体属性データを取得してもよい。
例えば、図1に示すようにCISa領域に位置するユーザ端末200からユーザ端末位置データを受信した場合、情報処理装置100は、ユーザ端末位置データの示す位置の領域がCISaであると判定し、実体情報テーブル192を検索し、CISa領域に位置する実体の情報をユーザ端末200に送信する。
【0059】
実施の形態1では、情報処理装置100が実体位置データ更新部130を備えることで、記憶部190に記憶する実体の実体位置データが、タクシー210のように移動する実体に対応した動的なデータであっても、自動販売機220のように位置が固定である実体に対応した静的なデータであっても構わないことを説明した。
移動する実体はタクシー210以外でも構わない。例えば、バスや電車などでもよいし、自動販売機220のように普段は位置が固定であるが設置場所の移転などにより移動するものでもよい。
また、位置が固定である実体は自動販売機220以外でも構わない。例えば、家や倉庫などでもよい。
【0060】
また実施の形態1では、領域名を入力として領域名の示す領域に位置する実体の情報を提供しても、測位装置の位置データを入力として測位装置の位置する領域と同一領域に位置する実体の情報を提供しても構わないことを説明した。
【0061】
実施の形態2.
以下、実施の形態2において上記実施の形態1と異なる部分を説明し、その他は上記実施の形態1と同様であるものとする。
【0062】
図9は、実施の形態2における情報処理装置100の構成図である。
実施の形態2における情報処理装置100の構成について、上記実施の形態1の図4に示す情報処理装置100の構成と異なる構成を図9に基づいて説明する。その他の構成は上記実施の形態1の説明と同様であるものとする。
【0063】
記憶部190は、実体属性データを変更する変更処理内容を示す属性変更処理データを領域名に対応させた属性変更情報テーブル193を記憶する。
属性変更処理部135は、属性変更情報テーブル193の示す領域名について、CISテーブル191を検索し、領域名の示す領域の領域定義データを取得する。さらに、取得した領域定義データに基づいて実体情報テーブル192の実体位置データを検索し、取得した領域定義データの示す領域内に位置する実体の実体属性データを検索結果に基づいて取得する。さらに、取得した実体属性データを属性変更情報テーブル193の属性変更処理データに基づいて変更する。
【0064】
図10は、実施の形態2における属性変更情報テーブル193を示す図である。
図10において、属性変更情報テーブル193は領域名と属性変更処理データとを対応させる。
「領域名」は仮想情報空間テーブル191の「領域名」に対応する。
「属性変更処理データ」は、対応する領域に位置する実体の実体属性データを変更する変更処理内容を示する。
例えば、ある「時間(時刻)」において「実体」の種類、実体の持つ「属性」、属性の「内容」を示す実体属性データを「対象」として、対象の「属性」を「内容2」の値を使用し「内容1」の「処理」で変更する。
【0065】
図11は、実施の形態2における情報処理装置100の処理の流れを示すフローチャートである。
実施の形態2における情報処理装置100の処理の流れについて、上記実施の形態1の図8に示すフローチャートと異なる処理を図11に基づいて説明する。その他の処理は上記実施の形態1の説明と同様であるものとする。
【0066】
属性変更処理部135は、属性変更情報テーブル193の「時間」が示す時刻を検出し、時刻を検出した属性変更処理データに対応した領域名を取得する(S201)。
領域データ取得部115は、属性変更処理部135の取得した領域名でCISテーブル191を検索し領域定義データを取得する(S202)。
実体データ検索部120は、領域データ取得部115の取得した領域定義データで実体情報テーブル192を検索し、領域定義データの示す領域に位置する実体の実体属性データを取得する(S203)。
属性変更処理部135は、時刻を検出した属性変更処理データを属性変更情報テーブル193から取得し、属性変更処理データの「対象」と一致する実体属性データを実体データ検索部120の取得した実体属性データから検索する(S204)。
属性変更処理部135は、検索した実体属性データを属性変更処理データの「処理」の示す内容で変更する(S205)。
【0067】
S206〜S210の処理はそれぞれ図8のS101、S104〜S107の処理と同様である。
【0068】
例えば、記憶部190が図6、図7に示す実体情報テーブル192と図10に示す属性変更情報テーブル193とを記憶し、CISa領域に位置する実体がT1、T3、V1である場合、属性変更処理部135の処理は以下のようになる。
【0069】
属性変更処理部135は、実体情報テーブル192において、実体名V1の「種類」が「アルコール」である実体属性データの「ステータス」を22時に「停止中」に変更し、10時に「販売中」に変更する。
【0070】
また、実体情報テーブル192において、実体名T1とT3のうち「会社名」が「A社」であるT1の実体属性データの「加算料金」を23時に1.3倍の料金に変更し、6時に元の料金(1.3分の1の料金)に変更する。
【0071】
図12は、CISb領域がCISa領域の一部である場合を示す。
図13は、CISa領域の一部とCISb領域の一部が重複する場合を示す。
図12や図13に示すように、記憶部190に記憶されたCISテーブル191の示す領域が重複していても構わない。
以下のようにすることで、重複していても属性変更処理が行える。
【0072】
重複する領域がある場合、重複する領域の属性変更処理データに基づいて属性変更する処理方法を示す属性変更処理方法データを記憶部190に記憶する。
例えば、各領域に対する属性変更処理データの優先度を属性変更処理方法データとして記憶してもよい。
この場合、属性変更処理部135は、重複する領域の属性変更処理方法データのうち、優先度の高い領域に対応した属性変更処理データに基づいて属性変更処理を行う。
【0073】
実施の形態2では、情報処理装置100は属性変更処理部135と属性変更情報テーブル193とを備えることにより、情報処理装置100の記憶する実体属性データを時間により異なるような動的なデータにすることができることを説明した。
【0074】
また実施の形態2では、情報処理装置100の記憶する領域定義データの示す領域が互いに重複しても構わないことを説明した。
【0075】
実施の形態3.
以下、実施の形態3において上記実施の形態1と異なる部分を説明し、その他は上記実施の形態1と同様であるものとする。
【0076】
図14は、実施の形態3における情報処理装置100の構成図である。
実施の形態3における情報処理装置100の構成について、上記実施の形態1の図4に示す情報処理装置100の構成と異なる構成を図14に基づいて説明する。その他の構成は上記実施の形態1の説明と同様であるものとする。
【0077】
記憶部190は、記憶部190に記憶されたデータに対するアクセス権限を示すアクセス権限データと、アクセス権限を与える位置を示し且つCISテーブル191の管理する領域との相対位置を示す権限位置データとを対応させるアクセス権限テーブル194を記憶する。記憶部190に記憶されたデータとは、例えば仮想情報空間テーブル191や実体情報テーブル192である。
記憶データ管理部140は、入力部110が入力したユーザ端末200やタクシー210などの測位装置の位置データに基づいて、測位装置の位置データが示す位置における権限位置データをアクセス権限テーブル194から取得する。さらに、取得した権限位置データに対応したアクセス権限データをアクセス権限テーブル194から取得し、取得したアクセス権限データと入力部110の入力したアクセス要求データとに基づいて記憶部190に記憶されたデータにアクセスする。
【0078】
図15は、実施の形態3におけるアクセス権限テーブル194を示す図である。
図15において、アクセス権限テーブル194は、権限位置データとアクセス権限データとを対応させる。
権限位置データは、「領域名」と「相対位置」とを対応させる。
権限位置データの「領域名」は、CISテーブル191の示す「領域名」と対応する。
権限位置データの「相対位置」は、「領域名」の示す領域の中(Inside)か外(Outside)か、「領域名」の示す領域に近づいている(Approaching)か遠ざかっている(Departing)かなどを示す。
アクセス権限データは、「参照」、「更新」、「追加」、「削除」についてのアクセス権限の有無を示す。
アクセス権限の「0」はアクセス権限が無いことを示し、「1」はアクセス権限があることを示し、「−1」は排他的にアクセス権限があることを示す。
「アクセス権限が無い」とはアクセス禁止のことであり、「アクセス権限がある」とはアクセス許可のことである。
「排他的にアクセス権限がある」とは、対象外の権限位置データを持つ場合にアクセス権限があることを示している。例えば、図15は、CISc領域のOutside以外、つまりCISc領域のInsideに位置する場合に「参照」権限があることを示している。
【0079】
図16は、実施の形態3における情報処理装置100の処理の流れを示すフローチャートである。
実施の形態3における情報処理装置100の処理の流れを図16に基づいて説明する。
【0080】
入力部110は、ユーザ端末200からアクセス要求データを受信する(S301)。
記憶データ管理部140は、入力部110が受信したアクセス要求データに含まれる領域名とユーザ端末位置データとに基づいてアクセス権限テーブル194を検索しアクセス権限データを取得する。アクセス権限テーブル194を検索しアクセス権限データを取得するには、以下のように処理をすればよい。まず、アクセス要求データに含まれる領域名でCISテーブル191を検索して領域定義データを取得する。次にアクセス要求データに含まれるユーザ端末位置データと取得した領域定義データとで相対位置を判定する。そしてアクセス要求データに含まれる領域名と判定した相対位置とでアクセス権限テーブル194を検索しアクセス権限データを取得する。「Approaching」や「Departing」については、ユーザ端末200から異なる時間に取得したアクセス要求データに含まれるユーザ端末位置データを比較することで進行方向を判断でき相対位置として判定できる(S302)。
記憶データ管理部140は、取得したアクセス権限データを参照し、アクセス要求データで要求されるアクセスの権限の有無を判定する(S303)。
記憶データ管理部140がアクセス権限有りと判定した場合、情報処理装置100はアクセス要求データで要求されたデータアクセスを行う。データアクセス処理は、上記実施の形態1の図8に示すフローチャートのS104〜S107の処理と同様である(S304)。
記憶データ管理部140がアクセス権限無しと判定した場合、情報処理装置100はアクセス要求データで要求されたデータアクセスを行わない。
【0081】
例えば、図15に示すアクセス権限テーブル194を使用すると、CISa領域に位置するユーザ端末200からのアクセス要求に対してCISテーブル191のCISa領域のデータに参照、更新、追加、削除処理を行う。
また、CISb領域から遠ざかるユーザ端末200からのアクセス要求に対して参照、更新、追加、削除のいずれの処理も行わない。
【0082】
上記説明では、図15に示すようなアクセス権限テーブル194を使用し相対位置に対してアクセス権限を判定したが、相対位置以外の情報に基づくアクセス権限と合わせてアクセス権限を判定してもよい。
例えば、ユーザ情報としてユーザを識別するユーザID(IDentification)とユーザに与えるアクセス権限とを対応させるテーブルを記憶する。ユーザ端末200からはユーザIDを含むアクセス要求データを受信し、ユーザIDに対応するアクセス権限内でアクセス権限を与える。この場合、記憶データ管理部140は、ユーザIDに対応するアクセス権限とアクセス権限テーブル194から取得したアクセス権限とで同一であるアクセス権限を判定する。つまり、ユーザIDに対応するアクセス権限が「参照」と「追加」で、アクセス権限テーブル194から取得したアクセス権限が「参照」と「更新」であれば、ユーザのアクセス権限は「参照」だけとなる。
【0083】
実施の形態3において、上記実施の形態2と同様に、CISテーブル191の示す領域が図12や図13のように重複する関係にあっても構わない。重複する領域の権限位置データに対応したアクセス権限データに基づいてアクセス権限を検定する検定方法を示すアクセス権限決定方法データを上記実施の形態2で説明した属性変更処理方法データと同様に記憶部190に記憶すればよい。例えば、記憶データ管理部140は記憶部190に記憶されたアクセス権限決定方法データの示す領域の優先度を判定し、優先度の高い領域に対応するアクセス権限データによりアクセス権限の有無を判定することができる。
【0084】
実施の形態3では、記憶データ管理部140とアクセス権限テーブルとを備えることにより、アクセス要求を行うユーザと各領域との相対位置をアクセス鍵としてアクセス権限を管理することができることを説明した。アクセス権限を管理する処理対象データはCISテーブル191や実体情報テーブル192のデータに限らず、また、実施の形態3で説明した情報処理装置100と異なる構成であっても、相対位置をアクセス鍵としてアクセス権限を管理することができる。
【0085】
実施の形態4.
以下、実施の形態4において上記実施の形態1と異なる部分を説明し、その他は上記実施の形態1と同様であるものとする。
【0086】
図17は、実施の形態4における情報処理装置100の構成図である。
図17において情報処理装置100は、入力部110と領域データ取得部115と実体データ検索部120と出力部125と記憶部190とを備える。また、記憶部190はCISテーブル191と実体情報テーブル192とを記憶する。実施の形態4における情報処理装置100の備える各構成は、上記実施の形態1の図4に示す情報処理装置100の備える各構成と同様である。
【0087】
図18は、実施の形態4におけるCISテーブル191を示す図である。
図18においてCISテーブル191は「領域名」と「領域定義データ」と「時間データ」とを対応させ、各「領域名」で示される領域は「時間データ」で示される時間毎に異なる「領域定義データ」を持つ。つまり、CISテーブル191は「領域名」に対応する「領域定義データ」の変更条件を「時間」で示し、領域は時間帯により異なる大きさ、形になる。
また、「領域定義データ」は上記実施の形態1と同様に関数式で表してもよく、関数式は可変であってもよい。ここで、「時間データ」も「領域定義データ」と同様に関数式で表してもよく、関数式は可変であってもよい。
【0088】
図19は、実施の形態4における情報処理装置100の処理の流れを示すフローチャートである。
図19において、入力部110はユーザ端末200からアクセス要求データを受信し(S401)、アクセス要求データを受信した時刻を示す時刻データを取得する(S402)。
領域データ取得部115は、入力部110の受信したアクセス要求データに含まれる領域名と、入力部110の取得した時刻データとに基づいてCISテーブル191から領域定義データを取得する(S403)。
以下のS404〜S406の処理は、上記実施の形態1の図8に示すフローチャートのS105〜S107の処理と同様である。
【0089】
また、情報処理装置100は、図20に示すようなCISテーブル191を備え、図21に示すような処理を行ってもよい。
【0090】
図20は、実施の形態4におけるCISテーブル191を示す図である。
図20においてCISテーブル191は「領域名」と「領域定義データ」と「センサ値」とを対応させ、各「領域名」で示される領域は「センサ値」毎に異なる「領域定義データ」を持つ。「領域定義データ」は「緯度」、「経度」で示されるセンサの位置を中心として、「半径」で示される半径を持つ円状の領域を示している。つまり、CISテーブル191は「領域名」に対応する「領域定義データ」の変更条件を「センサ値」で示し、領域はセンサの計測したセンサ値により異なる大きさになる。また、「領域名」はセンサの識別名を示している。
センサには雨量センサ、地震センサ、気圧センサ、風速センサなどがあり、雨、地震、天気、気圧、風などについて計測する。また、センサはその他のセンサでも構わない。
また、「領域定義データ」は上記実施の形態1と同様に関数式で表してもよく、関数式は可変であってもよい。ここで、「領域定義データ」を特定する「センサ値」項目はセンサが計測した計測値をパラメータとする関数式で表してもよい。
【0091】
図21は、実施の形態4のおける情報処理装置100の処理の流れを示すフローチャートである。
入力部110はセンサと通信し計測されたセンサ値をセンサから受信し(S501)、領域データ取得部115は入力部110の受信したセンサ値の送信元センサの識別名を領域名として、センサ値に対応する領域定義データをCISテーブル191から取得する(S502)。
以下のS503〜S505の処理は、上記実施の形態1の図8に示すフローチャートのS105〜S107の処理と同様である。
【0092】
例えば、異常な値を計測したセンサがセンサ値を情報処理装置100の入力部110に送信する。情報処理装置100はセンサ値に対応する領域定義データの示す領域に位置する表示装置や音声出力装置などの実体を送信先とする結果データを送信する。そして、表示装置や音声出力装置などの実体は受信した結果データに基づいて警報を出力することができる。
【0093】
また、情報処理装置100は、あるセンサに対応する領域に位置するユーザ端末200の情報の取得を要求するアクセス要求データを受信し、センサ値に対応する領域に位置するユーザ端末200の情報を結果データとして送信する。そして、結果データを受信した受信装置は、送信された結果データを参照し危険領域にいるユーザを把握することができる。
【0094】
実施の形態4では、情報処理装置100の記憶する領域定義データの示す領域は、時間やセンサ値などの条件により異なる動的な領域でも構わないことを示した。
【0095】
実施の形態5.
以下、実施の形態5において上記実施の形態1と異なる部分を説明し、その他は上記実施の形態1と同様であるものとする。
【0096】
図22は、実施の形態5における情報処理システムの構成図である。
電車230は、GPS衛星300の送信する測位用データに基づいて自己位置を測位する測位装置であり、電車230自体が情報処理装置100に管理される領域の一つである。
電車230の乗客はユーザ端末200を所持している。
【0097】
図23は、実施の形態5における情報処理装置100の構成図である。
実施の形態5における情報処理装置100の構成について、上記実施の形態1の図4に示す情報処理装置100の構成と異なる構成を図23に基づいて説明する。その他の構成は上記実施の形態1の説明と同様であるものとする。
【0098】
入力部110は、電車230のように移動して移動先の自己領域を取得する測位装置と通信し測位装置から測位装置の領域を示す領域名と領域定義データとを受信する。
領域データ更新部145は、入力部110が入力した領域定義データで、CISテーブル191に示される対応する領域定義データを更新する。
【0099】
図24は、実施の形態5における情報処理装置100の処理の流れを示すフローチャートである。
【0100】
図24において、S601とS602との処理は、上記実施の形態1の図8に示すフローチャートのS101とS102との処理と同様である。
【0101】
S602において入力部110がデータ種類を判定した結果、データ種類が領域定義データであり、例えば電車230の領域を示す領域定義データである場合、領域データ更新部145は、CISテーブル191において、入力部110の受信した電車230の領域を示す領域名と対応する領域定義データを、入力部110の受信した領域定義データで更新する(S603)。
【0102】
以下のS604〜S607の処理は、上記実施の形態1の図8に示すフローチャートのS104〜S107の処理と同様である。
【0103】
例えば、情報処理装置100は、電車230の乗客情報の取得を要求するアクセス要求データを受信し、電車230を示す領域に位置するユーザ端末200の情報を結果データとして送信する。そして、結果データを受信した受信装置では送信された結果データを参照しユーザ端末200を所有する電車230の乗客を把握することができる。
【0104】
実施の形態5では、情報処理装置100が領域データ更新部145を備えることで、記憶部190に記憶する領域定義データが、電車230のように移動する領域に対応した動的なデータであっても構わないことを説明した。
【0105】
上記の各実施の形態で説明した情報処理装置100について、各構成を組み合わせても構わないし、各処理を組み合わせても構わない。
【0106】
また、上記の各実施の形態では、領域の領域定義データを緯度、経度および高さ又は関数式で定義することについて説明したが、他の領域との相対関係で定義しても構わない。
【0107】
図25〜図28は、他の領域との相対関係を示す図である。
ここで、他の領域との相対関係を論理演算で表すとする。論理積を「and」、論理和を「or」、否定を「not」、排他的論理和を「xor」とすると各図で示すCISa領域の領域定義データは次のように表すことができる。
図25の場合、「CISb and (not CISc)」。
図26の場合、「CISb xor CISc」。
図27の場合、「CISb or CISc」。
図28の場合、「CISb and (CISc xor CISd)」。
この場合、領域データ取得部115は、上記のような論理演算式を計算し、領域定義データを算出する。
但し、相対関係は、図25〜図28に示す関係に限らない。
【0108】
また、上記の各実施の形態の情報処理装置100の構成図では、CISテーブル191、実体情報テーブル192、属性変更情報テーブル193、アクセス権限テーブル194を同一の記憶部190に記憶する例を示したが、それぞれ別の記憶部に記憶しても構わない。
【0109】
上記の各実施の形態で説明した情報処理装置100を用いることにより、以下のようなことが行える。
【0110】
例えば、飲食店、屋台などの連続して並ぶCISの領域があり、ユーザの位置から判断して当該店のメニューだけを示すようなことができる。
【0111】
また、移動するいつもの屋台がどこにいようとも、その屋台のCISの領域名称を知ってさえいれば、情報発信者としての屋台の情報(今どこにいるか、本日のメニューなど)をその場で知ることができる。
【0112】
また、自動販売機を設置し、その設置場所をCISの領域とすることにより、オーナは各販売機の売上を直接確認でき、またメニューや価格を遠隔から操作できる。
【0113】
また、自動販売機を複数含む大きな領域を設定し、その領域に含む自動販売機に、共通したメニュー、価格等を設定できる。
【0114】
また、スーパーで食料品を購入する際に、食料品コーナーごとに設定するCISの領域により、各食料の生産者情報や、発送からスーパーに並ぶまでの情報をいながらにして確認できる。
【0115】
また、スーパーにいることが鍵となり、各食料品コーナーにいることが更なる鍵となり、そのCIS情報を取得できる。
【0116】
また、主婦はそのスーパーとの契約により当該食料品コーナー名を指定して、食料の入荷状況、本日の価格などの外部公開情報のみを家にいながら取得できる。
【0117】
また、ある人気商品の最も在庫数の多い商店街はどこかを調べたり、特定の学区内の各家庭に共通の通知を配信したりすることが出来る。
【0118】
また、特定のCISの領域内にいる移動体に関係する情報、例えばその台数、タクシーであれば売上高の総額や平均時速、携帯端末であればそのCISの領域での滞在時間やその所有者の平均通話時間、平均年齢などを、そのCISの領域名を指定することでアクセスすることができる。
【0119】
また、特定の地域にある自動販売機などの製品価格やサービスメニューを時間帯や季節でリモートに変更したり、そのエリアの人口密度や客層、イベント内容などに応じてエアコンの温度調節や照明を変えたりすることが出来る。
【0120】
また、CISの領域で発生したイベント数、例えば出会いの成立したカップル数、交通事故の件数、商談の成立数、人の移動エネルギー総量なども領域名でアクセスできる。
【0121】
以上の説明において、位置情報(緯度、経度、高度など)によって定義される実世界上の任意の形状の3次元空間を仮想的な情報空間(CIS)として名前などの属性を与えて登録するCISテーブル191と、実世界上の任意の情報を保持しそれと特定のCISとの関係を保持する実体情報テーブル192や属性変更情報テーブル193を持つ情報処理装置100が存在し、情報の検索、更新、追加などを行うユーザ端末200がこの情報処理装置100に、特定のCISの領域名称等を指定することで当該CISに関連する情報のアクセスを可能とする情報処理システムについて説明した。
【0122】
また、ユーザはGPS機能などによる緯度、経度、高度などによる位置情報を取得可能な機能を持つユーザ端末200を保持し、情報処理装置100に対して、位置情報をアクセス鍵として情報へのアクセス要求を可能とする情報処理システムについて説明した。
【0123】
また、位置情報をアクセス鍵とする場合に、位置情報とアクセスの対象となるCISの領域との位置的な関係、Inside、Outside、Approaching、Departingなどによりアクセス鍵の意味、参照権、更新権、追加権、排他権などを変更可能な情報処理システムについて説明した。
【0124】
また、CISの領域はその形状を維持しつつ、時間と共に移動することが可能な情報処理システムについて説明した。
【0125】
また、CISの領域が時間と共にその形状や権利を予め定められた規則に従い変化させることのできる情報処理システムについて説明した。
【0126】
また、CISの領域内の情報源からのデータ値(センサ値)の変化伴ってその形状、位置を他律的に変化させることのできる情報処理システムについて説明した。
【0127】
また、CISの領域は単独でもその機能・目的を果たすが、任意の位置関係にある複数のCISが組み合わせられた状態でも同様な機能・目的を果たす情報処理システムについて説明した。
【0128】
また、実世界上の任意の空間を仮想的な情報空間とすることや、この空間に情報を直接関連付けることや、この空間を他の仮想空間や実空間(DB(データベース)などを含む)との情報授受の鍵として使うことや、CISの領域は時間と共に移動、変形が可能であることや、CISの領域は時間軸上の各点に存在可能であることを説明した。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】実施の形態1における情報処理システムの構成図。
【図2】実施の形態1における情報処理装置100の外観を示す図。
【図3】実施の形態1における情報処理装置100のハードウェア構成図。
【図4】実施の形態1における情報処理装置100の構成図。
【図5】実施の形態1におけるCISテーブル191を示す図。
【図6】実施の形態1における実体情報テーブル192を示す図。
【図7】実施の形態1における実体情報テーブル192を示す図。
【図8】実施の形態1における情報処理装置100の処理の流れを示すフローチャート。
【図9】実施の形態2における情報処理装置100の構成図。
【図10】実施の形態2における属性変更情報テーブル193を示す図。
【図11】実施の形態2における情報処理装置100の処理の流れを示すフローチャート。
【図12】実施の形態2における領域の重複を示す図。
【図13】実施の形態2における領域の重複を示す図。
【図14】実施の形態3における情報処理装置100の構成図。
【図15】実施の形態3におけるアクセス権限テーブル194を示す図。
【図16】実施の形態3における情報処理装置100の処理の流れを示すフローチャート。
【図17】実施の形態4における情報処理装置100の構成図。
【図18】実施の形態4におけるCISテーブル191を示す図。
【図19】実施の形態4における情報処理装置100の処理の流れを示すフローチャート。
【図20】実施の形態4におけるCISテーブル191を示す図。
【図21】実施の形態4のおける情報処理装置100の処理の流れを示すフローチャート。
【図22】実施の形態5における情報処理システムの構成図。
【図23】実施の形態5における情報処理装置100の構成図。
【図24】実施の形態5における情報処理装置100の処理の流れを示すフローチャート。
【図25】実施の形態における領域の相対関係を示す図。
【図26】実施の形態における領域の相対関係を示す図。
【図27】実施の形態における領域の相対関係を示す図。
【図28】実施の形態における領域の相対関係を示す図。
【符号の説明】
【0130】
100 情報処理装置、110 入力部、115 領域データ取得部、120 実体データ検索部、125 出力部、130 実体位置データ更新部、135 属性変更処理部、140 記憶データ管理部、145 領域データ更新部、190 記憶部、191 仮想情報空間テーブル、192 実体情報テーブル、193 属性変更情報テーブル、194 アクセス権限テーブル、200 ユーザ端末、210 タクシー、220 自動販売機、230 電車、300 GPS衛星、901 表示装置、902 K/B、903 マウス、904 FDD、905 CDD、906 プリンタ装置、907 スキャナ装置、910 システムユニット、911 CPU、912 バス、913 ROM、914 RAM、915 通信ボード、920 磁気ディスク装置、921 OS、922 ウィンドウシステム、923 プログラム群、924 ファイル群、931 電話器、932 FAX機、940 インターネット、941 ウェブサーバ、942 LAN。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
領域名と領域を定義する領域定義データとを対応させて記憶する領域記憶部と、
実体の位置を示す実体位置データと実体の属性を示す実体属性データとを対応させて記憶する実体記憶部と、
領域の領域名を入力する入力部と、
入力部が入力した領域名の示す領域の領域定義データを領域記憶部から取得する領域データ取得部と、
領域データ取得部が取得した領域定義データに基づいて実体記憶部の実体位置データを検索し、検索結果に基づいて実体の実体属性データを実体記憶部から取得する実体データ検索部とを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
上記情報処理装置は、さらに、
上記実体データ検索部が取得した実体属性データに基づいて結果データを生成し、生成した結果データを出力する出力部
を備えたことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
上記実体データ検索部は、
上記領域データ取得部が取得した領域定義データに基づいて実体記憶部の実体位置データを検索し、領域データ取得部の取得した領域定義データの示す領域内に位置する実体の実体属性データを検索結果に基づいて実体記憶部から取得する
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
上記情報処理装置は、さらに、
実体属性データを変更する変更処理内容を示す属性変更処理データを領域名に対応して記憶する属性変更記憶部と、
属性変更処理データに対応した領域名の示す領域の領域定義データを上記領域記憶部から取得し、取得した領域定義データに基づいて上記実体記憶部の実体位置データを検索し、取得した領域定義データの示す領域内に位置する実体の実体属性データを検索結果に基づいて取得し、取得した実体属性データに関する実体の位置する領域の領域名に対応した属性変更処理データに基づいて、取得した実体属性データを変更する属性変更処理部を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
上記情報処理装置は、さらに、
領域記憶部に記憶された領域定義データの示す領域が重複する場合、重複する領域の属性変更処理データに基づいて、取得した実体属性データの属性を変更する処理方法を示す属性変更処理方法データを記憶する属性変更方法記憶部を備え、
上記属性変更処理部は、
属性変更処理データに対応した領域名の示す領域の領域定義データを上記領域記憶部から取得し、取得した領域定義データの示す領域が重複する場合、重複する領域の領域定義データに基づいて上記実体記憶部の実体位置データを検索し、重複する領域の領域定義データの示す領域内に位置する実体の実体属性データを取得し、重複する領域分の属性変更処理データと上記属性変更方法記憶部に記憶された属性変更処理方法データとに基づいて、取得した実体属性データを変更する
ことを特徴とする請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
上記情報処理装置は、さらに、
上記領域記憶部と上記実体記憶部との少なくともいずれかに記憶されたデータに対するアクセス権限を示すアクセス権限データと、アクセス権限を与える位置を示し上記領域記憶部に記憶された領域定義データの示す領域との相対位置を示す権限位置データとを対応させて記憶する権限記憶部を備え、
上記入力部は、
自己位置を取得する測位装置と通信し測位装置から上記領域記憶部と上記実体記憶部との少なくともいずれかに記憶されたデータに対するアクセス要求を示すアクセス要求データと測位装置の位置を示す測位装置位置データとを受信し入力とし、
上記情報処理装置は、さらに、
上記入力部が入力した測位装置位置データの示す位置における権限位置データを上記権限記憶部から取得し、取得した権限位置データに対応したアクセス権限データを上記権限記憶部から取得し、取得したアクセス権限データと上記入力部の入力したアクセス要求データとに基づいてデータを処理する記憶データ管理部を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項5いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
上記情報処理装置は、さらに、
上記領域記憶部に記憶された領域定義データの示す領域が重複する場合、重複する領域の権限位置データ毎に対応したアクセス権限データに基づいてアクセス権限を決定する決定方法を示すアクセス権限決定方法データを記憶する権限決定方法記憶部を備え、
上記記憶データ管理部は、
上記入力部が入力した測位装置位置データの示す位置の権限位置データを上記権限記憶部から取得し、取得した権限位置データが相対位置を示す領域が重複する場合、重複する領域分の権限位置データ毎に対応したアクセス権限データを上記権限記憶部から取得し、重複する領域の権限位置データ毎に対応したアクセス権限データと上記権限決定方法記憶部に記憶されたアクセス権限決定方法とに基づいてアクセス権限を決定し、決定したアクセス権限と上記入力部の入力したアクセス要求データとに基づいてデータを処理する
ことを特徴とする請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
上記情報処理装置は、さらに、
上記領域記憶部に記憶された領域名に対応する領域定義データの変更条件を示す領域変更条件データを記憶する領域変更記憶部を備え、
上記領域データ取得部は、
上記入力部が入力した領域名の示す領域の領域定義データを上記領域変更記憶部に記憶された領域変更条件データに基づいて上記領域記憶部から取得する
ことを特徴とする請求項1〜請求項7いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
上記領域変更記憶部は、
時間を領域定義データの変更条件とする領域変更条件データを記憶し、
上記領域データ取得部は、
時刻データを取得し、取得した時刻データと上記領域変更記憶部に記憶された領域変更条件データとに基づいて上記入力部の入力した領域名の示す領域の領域定義データを上記領域記憶部から取得する
ことを特徴とする請求項8記載の情報処理装置。
【請求項10】
上記入力部は、
センサと通信しセンサからセンサの計測したセンサ値を受信し入力とし、
上記領域変更記憶部は、
センサ値を領域定義データの変更条件とする領域変更条件データを記憶し、
上記領域データ取得部は、
上記入力部が入力したセンサ値と上記領域変更記憶部に記憶された領域変更条件データとに基づいて上記入力部の入力した領域名の示す領域の領域定義データを上記領域記憶部から取得する
ことを特徴とする請求項8または請求項9記載の情報処理装置。
【請求項11】
上記入力部は、
移動して移動先の自己位置を取得する測位装置と通信し測位装置から測位装置の位置を示す実体位置データを受信し入力とし、
上記実体記憶部は、
移動する測位装置の位置を示す実体位置データを記憶し、
上記情報処理装置は、さらに、
上記入力部の入力した実体位置データで、上記実体記憶部に記憶された対応する測位装置の実体位置データを更新する実体位置データ更新部を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項10いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項12】
上記入力部は、
移動して移動先の自己領域を取得する測位装置と通信し測位装置から測位装置の領域を示す領域名と領域定義データとを受信し入力とし、
上記領域記憶部は、
移動する測位装置の領域を定義する領域定義データを記憶し、
上記情報処理装置は、さらに、
上記入力部が入力した領域定義データで、上記領域記憶部に記憶された領域定義データであり上記入力部の入力した領域名に対応した領域定義データを更新する領域データ更新部を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項11いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項13】
上記領域記憶部は、
3次元で定義される領域定義データを記憶する
ことを特徴とする請求項1〜請求項12いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項14】
上記実体記憶部は、
3次元で定義される実体位置データを記憶する
ことを特徴とする請求項1〜請求項13いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項15】
領域を定義する領域定義データを記憶する領域記憶部と、
実体の位置を示す実体位置データと実体の属性を示す実体属性データとを対応させて記憶する実体記憶部と、
移動して移動先の自己位置を取得する測位装置と通信し測位装置から測位装置の位置を示す測位装置位置データを受信し入力とする入力部と、
入力部が入力した測位装置位置データに基づいて領域記憶部の領域定義データを検索し、検索した領域定義データを取得する領域データ取得部と、
領域データ取得部が取得した領域定義データに基づいて実体記憶部の実体位置データを検索し、検索結果に基づいて実体の実体属性データを実体記憶部から取得する実体データ検索部と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項16】
上記領域記憶部は、他領域との相対関係を領域定義データとして記憶する
ことを特徴とする請求項1〜請求項15いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項17】
領域名と領域の属性を示す領域属性データとを対応させて記憶する領域記憶部と、
領域の領域名を入力する入力部と、
入力部が入力した領域名の示す領域の領域属性データを領域記憶部から取得する領域データ取得部と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項18】
処理対象データを記憶する処理データ記憶部と、
処理対象データに対するアクセス権限を示すアクセス権限データとアクセス権限を与える位置を示す権限位置データとを対応させて記憶する権限記憶部と、
自己位置を取得する測位装置と通信し測位装置から処理対象データに対するアクセス要求を示すアクセス要求データと測位装置の位置を示す測位装置位置データとを受信し入力とする入力部と、
入力部が入力した測位装置位置データの示す位置の権限位置データを権限記憶部から取得し、取得した権限位置データに対応したアクセス権限データを権限記憶部から取得し、取得したアクセス権限データと入力部の入力したアクセス要求データとに基づいて処理データ記憶部に記憶された処理対象データを処理する記憶データ管理部と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項19】
領域名と領域を定義する領域定義データとを対応させて記憶する領域記憶部と、
領域の領域名を入力する入力部と、
入力部が入力した領域名の示す領域の領域定義データを領域記憶部から取得する領域データ取得部と、
領域データ取得部が取得した領域定義データに基づいて領域名に対応付けられるデータを取得するデータ検索部と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項20】
上記領域記憶部は、領域定義データとして2次元以上の領域を定義するデータを記憶することを特徴とする請求項19記載の情報処理装置。
【請求項21】
上記データ検索部は、領域定義データで定義された領域をキーにして領域名に対応付けられるデータを検索することを特徴とする請求項19または請求項20記載の情報処理装置。
【請求項22】
領域名と領域を定義する領域定義データとを対応させて記憶する領域記憶工程と、
実体の位置を示す実体位置データと実体の属性を示す実体属性データとを記憶する実体記憶工程と、
領域の領域名を入力する入力工程と、
入力工程で入力した領域名の示す領域の領域定義データであり領域記憶工程で記憶された領域定義データを取得する領域データ取得工程と、
領域データ取得工程で取得した領域定義データに基づいて実体記憶工程で記憶された実体位置データを検索し、検索結果に基づいて実体の実体属性データであり実体記憶工程で記憶された実体属性データを取得する実体データ検索工程と
を実行することを特徴とする情報処理装置の情報処理方法。
【請求項23】
領域を定義する領域定義データを記憶する領域記憶工程と、
実体の位置を示す実体位置データと実体の属性を示す実体属性データとを対応させて記憶する実体記憶工程と、
移動して移動先の自己位置を取得する測位装置と通信し測位装置から測位装置の位置を示す測位装置位置データを受信し入力とする入力工程と、
入力工程で入力した測位装置位置データに基づいて領域記憶工程で記憶された領域定義データを検索し、検索した領域定義データを取得する領域データ取得工程と、
領域データ取得工程で取得した領域定義データに基づいて実体記憶工程で記憶された実体位置データを検索し、検索結果に基づいて実体の実体属性データを取得する実体データ検索工程と
を備えたことを特徴とする情報処理装置の情報処理方法。
【請求項24】
領域名と領域の属性を示す領域属性データとを対応させて領域記憶部に記憶する領域記憶工程と、
領域の領域名を入力する入力工程と、
入力工程で入力した領域名の示す領域の領域属性データを領域記憶部から取得する領域データ取得工程と
を実行することを特徴とする情報処理装置の情報処理方法。
【請求項25】
処理対象データを記憶する処理データ記憶工程と、
処理対象データに対するアクセス権限を示すアクセス権限データとアクセス権限を与える位置を示す権限位置データとを対応させて記憶する権限記憶工程と、
自己位置を取得する測位装置と通信し測位装置から処理対象データに対するアクセス要求を示すアクセス要求データと測位装置の位置を示す測位装置位置データとを受信し入力とする入力工程と、
入力工程で入力した測位装置位置データの示す位置の権限位置データであり権限記憶工程で記憶された権限位置データを取得し、取得した権限位置データに対応したアクセス権限データであり権限記憶工程で記憶されたアクセス権限データを取得し、処理データ記憶工程で記憶された処理対象データを取得したアクセス権限データと入力工程で入力したアクセス要求データとに基づいて処理する記憶データ管理工程と
を実行することを特徴とする情報処理装置の情報処理方法。
【請求項26】
領域名と領域を定義する領域定義データとを対応させて領域記憶部に記憶する領域記憶工程と、
領域の領域名を入力する入力工程と、
入力工程で入力した領域名の示す領域の領域定義データを領域記憶部から取得する領域データ取得工程と、
領域データ取得工程で取得した領域定義データに基づいて領域名に対応付けられるデータを取得するデータ検索工程と
を実行することを特徴とする情報処理装置の情報処理方法。
【請求項27】
請求項22〜請求項26いずれかに記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項28】
領域の領域名と領域を定義する領域定義情報とを対応つけることを特徴とするデータ。
【請求項29】
異なる領域名のそれぞれに対して同一の領域定義情報を対応つけることを特徴とする請求項28記載のデータ。
【請求項30】
領域名と領域の持つ属性である領域属性情報とを対応つけることを特徴とする請求項28または請求項29記載のデータ。
【請求項31】
他領域との相対関係を領域定義情報とすることを特徴とする請求項28〜請求項30いずれかに記載のデータ。
【請求項1】
領域名と領域を定義する領域定義データとを対応させて記憶する領域記憶部と、
実体の位置を示す実体位置データと実体の属性を示す実体属性データとを対応させて記憶する実体記憶部と、
領域の領域名を入力する入力部と、
入力部が入力した領域名の示す領域の領域定義データを領域記憶部から取得する領域データ取得部と、
領域データ取得部が取得した領域定義データに基づいて実体記憶部の実体位置データを検索し、検索結果に基づいて実体の実体属性データを実体記憶部から取得する実体データ検索部とを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
上記情報処理装置は、さらに、
上記実体データ検索部が取得した実体属性データに基づいて結果データを生成し、生成した結果データを出力する出力部
を備えたことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
上記実体データ検索部は、
上記領域データ取得部が取得した領域定義データに基づいて実体記憶部の実体位置データを検索し、領域データ取得部の取得した領域定義データの示す領域内に位置する実体の実体属性データを検索結果に基づいて実体記憶部から取得する
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
上記情報処理装置は、さらに、
実体属性データを変更する変更処理内容を示す属性変更処理データを領域名に対応して記憶する属性変更記憶部と、
属性変更処理データに対応した領域名の示す領域の領域定義データを上記領域記憶部から取得し、取得した領域定義データに基づいて上記実体記憶部の実体位置データを検索し、取得した領域定義データの示す領域内に位置する実体の実体属性データを検索結果に基づいて取得し、取得した実体属性データに関する実体の位置する領域の領域名に対応した属性変更処理データに基づいて、取得した実体属性データを変更する属性変更処理部を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
上記情報処理装置は、さらに、
領域記憶部に記憶された領域定義データの示す領域が重複する場合、重複する領域の属性変更処理データに基づいて、取得した実体属性データの属性を変更する処理方法を示す属性変更処理方法データを記憶する属性変更方法記憶部を備え、
上記属性変更処理部は、
属性変更処理データに対応した領域名の示す領域の領域定義データを上記領域記憶部から取得し、取得した領域定義データの示す領域が重複する場合、重複する領域の領域定義データに基づいて上記実体記憶部の実体位置データを検索し、重複する領域の領域定義データの示す領域内に位置する実体の実体属性データを取得し、重複する領域分の属性変更処理データと上記属性変更方法記憶部に記憶された属性変更処理方法データとに基づいて、取得した実体属性データを変更する
ことを特徴とする請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
上記情報処理装置は、さらに、
上記領域記憶部と上記実体記憶部との少なくともいずれかに記憶されたデータに対するアクセス権限を示すアクセス権限データと、アクセス権限を与える位置を示し上記領域記憶部に記憶された領域定義データの示す領域との相対位置を示す権限位置データとを対応させて記憶する権限記憶部を備え、
上記入力部は、
自己位置を取得する測位装置と通信し測位装置から上記領域記憶部と上記実体記憶部との少なくともいずれかに記憶されたデータに対するアクセス要求を示すアクセス要求データと測位装置の位置を示す測位装置位置データとを受信し入力とし、
上記情報処理装置は、さらに、
上記入力部が入力した測位装置位置データの示す位置における権限位置データを上記権限記憶部から取得し、取得した権限位置データに対応したアクセス権限データを上記権限記憶部から取得し、取得したアクセス権限データと上記入力部の入力したアクセス要求データとに基づいてデータを処理する記憶データ管理部を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項5いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
上記情報処理装置は、さらに、
上記領域記憶部に記憶された領域定義データの示す領域が重複する場合、重複する領域の権限位置データ毎に対応したアクセス権限データに基づいてアクセス権限を決定する決定方法を示すアクセス権限決定方法データを記憶する権限決定方法記憶部を備え、
上記記憶データ管理部は、
上記入力部が入力した測位装置位置データの示す位置の権限位置データを上記権限記憶部から取得し、取得した権限位置データが相対位置を示す領域が重複する場合、重複する領域分の権限位置データ毎に対応したアクセス権限データを上記権限記憶部から取得し、重複する領域の権限位置データ毎に対応したアクセス権限データと上記権限決定方法記憶部に記憶されたアクセス権限決定方法とに基づいてアクセス権限を決定し、決定したアクセス権限と上記入力部の入力したアクセス要求データとに基づいてデータを処理する
ことを特徴とする請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
上記情報処理装置は、さらに、
上記領域記憶部に記憶された領域名に対応する領域定義データの変更条件を示す領域変更条件データを記憶する領域変更記憶部を備え、
上記領域データ取得部は、
上記入力部が入力した領域名の示す領域の領域定義データを上記領域変更記憶部に記憶された領域変更条件データに基づいて上記領域記憶部から取得する
ことを特徴とする請求項1〜請求項7いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
上記領域変更記憶部は、
時間を領域定義データの変更条件とする領域変更条件データを記憶し、
上記領域データ取得部は、
時刻データを取得し、取得した時刻データと上記領域変更記憶部に記憶された領域変更条件データとに基づいて上記入力部の入力した領域名の示す領域の領域定義データを上記領域記憶部から取得する
ことを特徴とする請求項8記載の情報処理装置。
【請求項10】
上記入力部は、
センサと通信しセンサからセンサの計測したセンサ値を受信し入力とし、
上記領域変更記憶部は、
センサ値を領域定義データの変更条件とする領域変更条件データを記憶し、
上記領域データ取得部は、
上記入力部が入力したセンサ値と上記領域変更記憶部に記憶された領域変更条件データとに基づいて上記入力部の入力した領域名の示す領域の領域定義データを上記領域記憶部から取得する
ことを特徴とする請求項8または請求項9記載の情報処理装置。
【請求項11】
上記入力部は、
移動して移動先の自己位置を取得する測位装置と通信し測位装置から測位装置の位置を示す実体位置データを受信し入力とし、
上記実体記憶部は、
移動する測位装置の位置を示す実体位置データを記憶し、
上記情報処理装置は、さらに、
上記入力部の入力した実体位置データで、上記実体記憶部に記憶された対応する測位装置の実体位置データを更新する実体位置データ更新部を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項10いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項12】
上記入力部は、
移動して移動先の自己領域を取得する測位装置と通信し測位装置から測位装置の領域を示す領域名と領域定義データとを受信し入力とし、
上記領域記憶部は、
移動する測位装置の領域を定義する領域定義データを記憶し、
上記情報処理装置は、さらに、
上記入力部が入力した領域定義データで、上記領域記憶部に記憶された領域定義データであり上記入力部の入力した領域名に対応した領域定義データを更新する領域データ更新部を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項11いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項13】
上記領域記憶部は、
3次元で定義される領域定義データを記憶する
ことを特徴とする請求項1〜請求項12いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項14】
上記実体記憶部は、
3次元で定義される実体位置データを記憶する
ことを特徴とする請求項1〜請求項13いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項15】
領域を定義する領域定義データを記憶する領域記憶部と、
実体の位置を示す実体位置データと実体の属性を示す実体属性データとを対応させて記憶する実体記憶部と、
移動して移動先の自己位置を取得する測位装置と通信し測位装置から測位装置の位置を示す測位装置位置データを受信し入力とする入力部と、
入力部が入力した測位装置位置データに基づいて領域記憶部の領域定義データを検索し、検索した領域定義データを取得する領域データ取得部と、
領域データ取得部が取得した領域定義データに基づいて実体記憶部の実体位置データを検索し、検索結果に基づいて実体の実体属性データを実体記憶部から取得する実体データ検索部と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項16】
上記領域記憶部は、他領域との相対関係を領域定義データとして記憶する
ことを特徴とする請求項1〜請求項15いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項17】
領域名と領域の属性を示す領域属性データとを対応させて記憶する領域記憶部と、
領域の領域名を入力する入力部と、
入力部が入力した領域名の示す領域の領域属性データを領域記憶部から取得する領域データ取得部と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項18】
処理対象データを記憶する処理データ記憶部と、
処理対象データに対するアクセス権限を示すアクセス権限データとアクセス権限を与える位置を示す権限位置データとを対応させて記憶する権限記憶部と、
自己位置を取得する測位装置と通信し測位装置から処理対象データに対するアクセス要求を示すアクセス要求データと測位装置の位置を示す測位装置位置データとを受信し入力とする入力部と、
入力部が入力した測位装置位置データの示す位置の権限位置データを権限記憶部から取得し、取得した権限位置データに対応したアクセス権限データを権限記憶部から取得し、取得したアクセス権限データと入力部の入力したアクセス要求データとに基づいて処理データ記憶部に記憶された処理対象データを処理する記憶データ管理部と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項19】
領域名と領域を定義する領域定義データとを対応させて記憶する領域記憶部と、
領域の領域名を入力する入力部と、
入力部が入力した領域名の示す領域の領域定義データを領域記憶部から取得する領域データ取得部と、
領域データ取得部が取得した領域定義データに基づいて領域名に対応付けられるデータを取得するデータ検索部と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項20】
上記領域記憶部は、領域定義データとして2次元以上の領域を定義するデータを記憶することを特徴とする請求項19記載の情報処理装置。
【請求項21】
上記データ検索部は、領域定義データで定義された領域をキーにして領域名に対応付けられるデータを検索することを特徴とする請求項19または請求項20記載の情報処理装置。
【請求項22】
領域名と領域を定義する領域定義データとを対応させて記憶する領域記憶工程と、
実体の位置を示す実体位置データと実体の属性を示す実体属性データとを記憶する実体記憶工程と、
領域の領域名を入力する入力工程と、
入力工程で入力した領域名の示す領域の領域定義データであり領域記憶工程で記憶された領域定義データを取得する領域データ取得工程と、
領域データ取得工程で取得した領域定義データに基づいて実体記憶工程で記憶された実体位置データを検索し、検索結果に基づいて実体の実体属性データであり実体記憶工程で記憶された実体属性データを取得する実体データ検索工程と
を実行することを特徴とする情報処理装置の情報処理方法。
【請求項23】
領域を定義する領域定義データを記憶する領域記憶工程と、
実体の位置を示す実体位置データと実体の属性を示す実体属性データとを対応させて記憶する実体記憶工程と、
移動して移動先の自己位置を取得する測位装置と通信し測位装置から測位装置の位置を示す測位装置位置データを受信し入力とする入力工程と、
入力工程で入力した測位装置位置データに基づいて領域記憶工程で記憶された領域定義データを検索し、検索した領域定義データを取得する領域データ取得工程と、
領域データ取得工程で取得した領域定義データに基づいて実体記憶工程で記憶された実体位置データを検索し、検索結果に基づいて実体の実体属性データを取得する実体データ検索工程と
を備えたことを特徴とする情報処理装置の情報処理方法。
【請求項24】
領域名と領域の属性を示す領域属性データとを対応させて領域記憶部に記憶する領域記憶工程と、
領域の領域名を入力する入力工程と、
入力工程で入力した領域名の示す領域の領域属性データを領域記憶部から取得する領域データ取得工程と
を実行することを特徴とする情報処理装置の情報処理方法。
【請求項25】
処理対象データを記憶する処理データ記憶工程と、
処理対象データに対するアクセス権限を示すアクセス権限データとアクセス権限を与える位置を示す権限位置データとを対応させて記憶する権限記憶工程と、
自己位置を取得する測位装置と通信し測位装置から処理対象データに対するアクセス要求を示すアクセス要求データと測位装置の位置を示す測位装置位置データとを受信し入力とする入力工程と、
入力工程で入力した測位装置位置データの示す位置の権限位置データであり権限記憶工程で記憶された権限位置データを取得し、取得した権限位置データに対応したアクセス権限データであり権限記憶工程で記憶されたアクセス権限データを取得し、処理データ記憶工程で記憶された処理対象データを取得したアクセス権限データと入力工程で入力したアクセス要求データとに基づいて処理する記憶データ管理工程と
を実行することを特徴とする情報処理装置の情報処理方法。
【請求項26】
領域名と領域を定義する領域定義データとを対応させて領域記憶部に記憶する領域記憶工程と、
領域の領域名を入力する入力工程と、
入力工程で入力した領域名の示す領域の領域定義データを領域記憶部から取得する領域データ取得工程と、
領域データ取得工程で取得した領域定義データに基づいて領域名に対応付けられるデータを取得するデータ検索工程と
を実行することを特徴とする情報処理装置の情報処理方法。
【請求項27】
請求項22〜請求項26いずれかに記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項28】
領域の領域名と領域を定義する領域定義情報とを対応つけることを特徴とするデータ。
【請求項29】
異なる領域名のそれぞれに対して同一の領域定義情報を対応つけることを特徴とする請求項28記載のデータ。
【請求項30】
領域名と領域の持つ属性である領域属性情報とを対応つけることを特徴とする請求項28または請求項29記載のデータ。
【請求項31】
他領域との相対関係を領域定義情報とすることを特徴とする請求項28〜請求項30いずれかに記載のデータ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図17】
【図18】
【図19】
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【図25】
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【図27】
【図28】
【公開番号】特開2006−72922(P2006−72922A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−258603(P2004−258603)
【出願日】平成16年9月6日(2004.9.6)
【出願人】(591102095)三菱スペース・ソフトウエア株式会社 (148)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月6日(2004.9.6)
【出願人】(591102095)三菱スペース・ソフトウエア株式会社 (148)
【Fターム(参考)】
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