説明

情報処理装置、情報処理装置の制御方法および情報処理プログラム

【課題】ウェブブラウザを動作させ、HTMLファイル等のウェブファイルを受けて動作する情報処理装置において、当該装置の利便性を向上させること。
【解決手段】MFPにおいてサーバからHTMLデータを受信した場合、ユーザに機能の実現のための操作の指示を入力するための画像を表示する場合、当該機能の実現が当該ユーザに対して禁止されているときには、当該操作のための画像を、禁止されていることを認識されるような態様で、表示する。たとえば、印刷対象として表示された枠V5内の各メニューは、ログイン中のユーザが印刷を禁止されている場合には、取消線を付されて、表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理装置の制御方法および情報処理プログラムに関し、特に、マークアップ言語により記述された言語ファイルを有して構成されるコンテンツ情報を再生する情報処理装置、情報処理装置の制御方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、Webブラウザを動作させるような機器において、サーバから取得するファイルに含まれる内容に基づいて機器を動作させるための技術が種々提案されている。
【0003】
たとえば、特許文献1には、パーソナルコンピュータやPDA(personal digital assistant)などのネットワーク端末装置において、HTML(HyperText Markup Language)ファイルの中のタグおよびタグに囲まされたデータの内容とネットワーク端末装置の処理内容とを関連付けておき、当該装置に、ユーザの操作に対応したタグやデータに関連付けられた処理内容を実行させる技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置において、サーバから取得したHTMLデータから特定のHTMLタグを取得した場合、ウェブブラウザへのデータの入力や添付等を無効にする技術が開示されている。
【0005】
なお、特許文献3には、サーバとして利用される情報処理装置において、ブラウザからアクセスがあったときに、当該情報処理装置に備えられたWebアプリケーションが、不揮発性メモリから取得する設定情報に従って、省電力状態から通常状態へ復帰させるか否か等を決定する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−318607号公報
【特許文献2】特開2006−285346号公報
【特許文献3】特開2007−249381号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したような各文献では、ウェブブラウザを動作させるような情報処理装置において、電源制御等の装置の利便性を向上させる点については検討を必要とされていた。なお、特許文献3は省電力状態の解除等の電力状態の制御に関する技術を解除するものではあるが、具体的なデータの取り扱い等の記載はなく、また、サーバにおける省電力状態の解除等に関する技術であった。
【0007】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、ウェブブラウザを動作させ、HTMLファイル等のウェブファイルを受けて動作する情報処理装置において、当該装置の利便性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に従った情報処理装置は、複数の機能を実現するための複数のモジュールと、所定のマークアップ言語により記述された言語ファイルを有して構成されるコンテンツ情報を再生するためのコンテンツ再生手段と、前記所定のマークアップ言語の記述と前記機能とを関連付ける情報を記憶する関連情報記憶手段と、前記関連情報記憶手段に記憶された記述を含むか否かに基づいて、前記コンテンツ再生手段によって再生されるコンテンツ情報である再生コンテンツ情報が関連する機能を解析する解析手段と、機能を実現するための情報を入力する入力手段と、前記解析手段によって解析された機能に基づいて、前記再生コンテンツ情報が再生された結果、前記入力手段に入力される情報を予測する予測手段と、前記予測手段によって予測された情報に基づいて、前記複数のモジュールの中の少なくとも一部のモジュールに対する動作を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の情報処理装置は、前記複数のモジュールのそれぞれへの電源供給を制御する電源供給手段をさらに備え、前記予測手段は、前記コンテンツ情報が再生された結果、前記解析手段によって解析された機能を実現するためのモジュールを動作させる情報が入力されることを予測し、前記制御手段は、前記電源供給手段に、前記解析手段によって解析された機能を実現するためのモジュールへの電源供給を開始させることが好ましい。
【0010】
また、本発明の情報処理装置では、前記複数のモジュールは、画像を読み取ることによりファイルを生成するスキャナ部を含み、前記関連情報記憶手段は、他の機器へのファイルの送信を命令するために操作される画像を表示する記述と画像を読み取ることによりファイルを生成する機能とを関連付けて記憶し、前記予測手段は、前記再生コンテンツ情報が再生された結果、画像を読み取ることによりファイルを生成するために前記スキャナ部を駆動するための情報を入力することを予測し、前記制御手段は、前記電源供給手段に、前記スキャナ部への電源供給を開始させることが好ましい。
【0011】
また、本発明の情報処理装置は、情報を表示する表示手段とユーザ認証を行なう認証手段と、ユーザごとに、実現を禁止する機能の情報を記憶するユーザ情報記憶手段とをさらに備え、前記コンテンツ再生手段は、前記再生コンテンツ情報を再生することにより、前記表示手段に、前記入力手段への情報の入力を補助する情報を表示し、前記制御手段は、前記再生コンテンツ情報に、前記ユーザ情報記憶手段に記憶される情報に基づいて前記認証手段が認証したユーザに対して禁止される機能の、実現を指示する情報の前記入力手段への入力を補助する情報である禁止機能補助情報を表示する記述が含まれている場合に、前記コンテンツ再生手段に、前記禁止機能補助情報を、対応する機能を実現できないことを理解させる態様で表示させることが好ましい。
【0012】
また、本発明の情報処理装置では、前記制御手段は、前記コンテンツ再生手段に、前記禁止機能補助情報を、前記再生コンテンツ情報における記述に従った表示対象に対して装飾を付して表示させることが好ましい。
【0013】
本発明の情報処理装置の制御方法は、複数の機能を実現するための複数のモジュールを備える情報処理装置の制御方法であって、所定のマークアップ言語により記述された言語ファイルを有して構成されるコンテンツ情報を再生するステップと、前記所定のマークアップ言語の記述と前記機能とを関連付ける情報を記憶する関連情報記憶するステップと、前記記述と機能を関連付ける情報に記憶された記述を含むか否かを判断するステップと、前記記述を含むと判断した場合に、前記再生されるコンテンツ情報が関連する機能を解析するステップと、機能を実現するための情報を入力するステップと、前記解析された機能に基づいて、前記再生コンテンツ情報が再生された結果、前記入力手段に入力される情報を予測するステップと、前記予測された情報に基づいて、前記複数のモジュールの中の少なくとも一部のモジュールに対する動作を制御するステップとを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の情報処理プログラムは、複数の機能を実現するための複数のモジュールを備える情報処理装置を制御するためのコンピュータ読取可能な情報処理プログラムであって、前記情報処理装置に、所定のマークアップ言語により記述された言語ファイルを有して構成されるコンテンツ情報を再生するステップと、前記所定のマークアップ言語の記述と前記機能とを関連付ける情報を記憶する関連情報記憶するステップと、前記記述と機能を関連付ける情報に記憶された記述を含むか否かを判断するステップと、前記記述を含むと判断した場合に、前記再生されるコンテンツ情報が関連する機能を解析するステップと、機能を実現するための情報を入力するステップと、前記解析された機能に基づいて、前記再生コンテンツ情報が再生された結果、前記入力手段に入力される情報を予測するステップと、前記予測された情報に基づいて、前記複数のモジュールの中の少なくとも一部のモジュールに対する動作を制御するステップとを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、所定のマークアップ言語で記述されたコンテンツ情報が再生される際に、当該コンテンツ情報に予め記憶された記述が含まれるか否かに基づいて、当該コンテンツ情報に関連する機能が解析される。
【0016】
これにより、所定のマークアップ言語で記述されたウェブファイルを受けて動作する情報処理装置において、ウェブファイルを受けてから動作を実行する前に、ウェブファイルに関連した機能を解析して予測することによって上記した実行する動作に対する予備的な動作が可能となる。
【0017】
これにより、当該装置を予測運転させることができ、当該装置において、動作の立ち上げ時間の短縮が可能になる等の利便性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の情報処理装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
1.ネットワークの構成
図1は、本発明の情報処理装置の一実施の形態であるMFP(Multi Function Peripherals)を含むネットワークの構成を模式的に示す図である。
【0019】
図1を参照して、このネットワーク1には、サーバ30と複数のMFPが含まれている。図1では、各MFP10,20は、LAN(Local Area Network)カード12,22を介して、LAN40に接続されている。
【0020】
サーバ30は、たとえばコンピュータからなり、後述するウェブコンテンツやMFP10,20からの要求に応じてウェブコンテンツを配信するプログラム等を記憶する記憶部や、当該記憶部に記憶されたプログラム等に基づいて適宜処理を実行する処理部など、一般のサーバ装置が備えている構成を備えている。サーバ30は、通信処理部34を介してLAN40に接続し、MFP10,20を含む複数の情報処理装置との間で、LAN40を介してデータ通信を行なうことができる。
【0021】
2.MFPの構成
図2は、MFP10の構成を示すブロック図である。
【0022】
図2を参照して、MFP本体11は、主な構成要素として、スキャナ部111と、プリンタ部112と、操作部113と、制御部114と、PU(パワーユニット:電源装置)115と、各種センサ116と、HDD(ハードディスクドライブ)117とを備えている。
【0023】
スキャナ部111は、MFP本体11の適切な部位にセットされた原稿の画像を読取る公知の原稿読取装置である。
【0024】
プリンタ部112は、スキャナ部111で読取って得られた画像データに基づいて用紙に印刷する公知のプリント装置である。具体的には、感光体ドラム、プリントヘッド、現像器、定着器等を備え、制御部114のCPU(Central Processing Unit)101からの指示に基づいてプリントヘッドからレーザ光を発し、帯電された感光体ドラム上を露光して静電潜像を作像する。作像された静電潜像を現像器のトナーで現像してトナー像を形成し、これを搬送される用紙上に転写して、用紙上に転写されたトナー像を、ヒータを有する定着器で加熱、加圧して用紙に定着させるものである。
【0025】
操作部113は、ユーザからの複写(コピー)枚数等の入力を受付けるテンキーや、コピー開始の指示を受付けるスタートキーなどのキー操作部131を含む。また、操作部113は、入力されたコピー枚数等の種々の情報を表示する表示部132を含む。表示部132は、たとえば、液晶パネルから構成される。なお、表示部132は、タッチパネルを構成し、当該表示部132内に表示されたボタンをユーザが操作することができる。
【0026】
各種センサ116には、搬送される用紙のジャム発生の有無を検出するジャム検出センサ、感光体ドラムの帯電電位を検出する電位センサ、感光体ドラムのレーザ光による露光量を検出する光電センサ、現像器内のトナー残量を検出するトナー検出センサ等が含まれ、各センサによって検出されたデータは制御部114に送られる。
【0027】
HDD117は、ハードディスクを含む。当該ハードディスクには、スキャナ部111で読取って得られた画像データや、後述するピックアップテーブル等の種々のデータが記憶される。
【0028】
制御部114は、主な構成要素として、CPU101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、NVRAM(Non Volatile RAM)104、時計IC(Integrated Circuit)およびシリアルインターフェイス106を備えている。
【0029】
ROM102は、スキャナ部111における原稿読取動作およびプリンタ部112におけるプリント動作に関するプログラム、サーバ30との通信処理に関するプログラムなどを格納している。
【0030】
時計IC105は、計時のための公知のICであり、図示しないバックアップバッテリによって常時電源が供給される。
【0031】
CPU101は、ROM102から必要なプログラムを読出して、プリント動作等をタイミングを取りながら統一的に制御して、円滑なコピー動作を実現させる。また、サーバ30との通信処理を実行する。さらに、各種センサ116からの検出データに基づいてジャム等のトラブル検出、トナー残量検出等を行なう。また、複写枚数、ジャムカウント等の各種データをNVRAM104に格納させる。また、生じたトラブルの内容等を、表示部132に表示させる。
【0032】
また、入力操作、複写動作等が実行されない状態が一定時間続くと、CPU101は、自己(CPU101)を含め、スキャナ部111、プリンタ部112等の各モジュールへの電源供給を遮断して待機中の消費電力を節約する節電モードに、自動的に移行する節電処理を実行する。
【0033】
具体的には、時計IC105を用いて、入力操作等の所定のイベントが何も発生しない状態の継続時間を計時し、それが所定時間(以下、「節電移行時間」という。)に達すると、PU115に対し電源供給の遮断を指示(節電移行を指示)するものである。
【0034】
なお、本実施の形態では、モジュールとは機能を実現させるために備えられるものである。スキャナ部111は、スキャン機能を実現させるためのモジュールである。プリンタ部112は、プリント機能を実現させるためのモジュールである。HDD117は、当該HDD117に記憶されたファイルの送信を実現するためのモジュールである。
【0035】
RAM103は、揮発性のメモリであり、CPU101におけるプログラム実行時のワークエリアとなる。
【0036】
NVRAM104は、不揮発性のメモリであり、サーバ30のIP(Internet Protocol)アドレス、上記節電移行時間を示すデータ、現時点での複写枚数、ジャム回数等のデータが格納されている。
【0037】
シリアルインターフェイス106は、CPU101とLANカード12を接続するためのインターフェイスであり、サーバ30から送信されてくるデータをLANカード12を介して受信して、CPU101に送る。また、CPU101からのデータをLANカード12を介してサーバ30に送信する。さらに、LANカード12からのRI(Ring Indicator)信号を着信検出信号として受付けると、これをPU115に送る。
【0038】
PU115は、図示しない外部の商用電源と接続され、商用電源からの電力を、MFP本体11の各モジュール(スキャナ部111、プリンタ部112、操作部113、制御部114、HDD117等)に、動作に必要な電力に変換して、供給する。
【0039】
また、PU115は、節電モード中には、操作部113の一部、シリアルインターフェイス106を除く他のモジュール(CPU101、スキャナ部111、プリンタ部112、HDD117等)への電力供給を停止する。
【0040】
さらに、節電モード中に、シリアルインターフェイス106からRI信号を受信、または操作部113から解除キー113の押下による信号を受信すると、CPU101等への各モジュールへの電力供給を再開する(節電解除)。この意味で、RI信号も節電解除を指示する信号の機能を有するものとなる。なお、解除キー133は、節電解除のために、操作部113に設けられたキーである。
【0041】
LANカード12は、制御部114をLAN40を介してサーバ30と接続する公知の装置である。本実施の形態では、LANカード12は、MFP本体11に対して独立して外部の商用電源から電力を供給される構成となっている。これにより、LANカード12は、MFP本体11が節電モード中であっても外部からの着信を検出することができる。
【0042】
図3は、MFP10の制御ブロック図である。
図3を参照して、制御部114は、表示部132における表示の制御を主に行なうUI(User Interface)部140と、MFP10における画像形成やスキャン画像についてのファイル作成等の情報処理動作を実行させるためのMFPコア部150を含む。
【0043】
UI部140は、ウェブブラウザとして機能するブラウザ部141と、ブラウザ部141を含む。ブラウザ部141は、サーバ30から送信されてくるHTMLデータの解析を行なうHTML解析部143と、HTML解析部143の解析結果に基づいて表示部132における表示内容を制御するブラウザ表示部142を含む。HTML解析部143は、サーバ30から送信されてきたHTMLデータを解析することにより、後述するピックアップテーブル144を生成する。
【0044】
MFPコア部150は、上記HTMLデータに基づくHDD117、プリンタ部112、スキャナ部111等の各構成要素に動作を実行させるための各種の命令等を記憶するAPI(Application Program Interface)部151を含む。
【0045】
MFPコア部150では、サーバ30からのHTMLデータが、API部151においてHDD117、プリンタ部112、スキャナ部111等の各種構成要素に出力する命令等に変換される。MFP機能管理部152は、上記HTMLデータに記載の機能をMFP10に発揮させるための具体的な制御内容を管理する。認証管理部153は、ユーザごとにMFP10で可能な機能を実行するための認証情報を管理する。なお、MFP10では、ユーザは、認証管理部153によって認証を受けてから、MFP10を利用できるものとする。なお、ユーザは、たとえばユーザ名とパスワードを操作部113に入力し、当該ユーザ名とパスワードの組み合わせが認証管理部153に予め記憶された組み合わせと正しいことを条件として、認証管理部153から認証を受ける。本明細書では、ユーザが認証管理部153に認証を受けている状態を、適宜「ログインしている」と称する。
【0046】
電源管理部154は、PU115に対して、HDD117、プリンタ部112、スキャナ部111への電源供給についての動作を制御する。
【0047】
MFP20の構成は、以上説明したMFP10と同等のものとすることができるため、ここでは詳細な説明は繰返さない。
【0048】
3.MFPにおいて実行される処理
3−1.UI部において実行される処理
図4は、MFP10においてサーバ30からHTMLデータを受信したときに実行される処理について説明する。なお、MFP10では、HTMLデータが受信された際には、まずUI部140において、HTMLデータが解析され、当該解析結果に基づいて後述するピックアップテーブルの作成等が実行された後、MFPコア部150において、当該解析結果等に基づいて、MFP10内のハードウェアの制御が実行される。そこで、以下、MFP10においてHTMLデータが受信された際の処理として、UI部140で実行される処理とMFPコア部150において実行される処理とについて分けて説明する。
【0049】
まず、UI部140において実行される処理について、当該処理のフローチャートである図4を参照して説明する。
【0050】
図4を参照して、HTMLデータがMFP10において受信されると、まずステップSA10において、HTML解析部143は、当該HTMLデータの構文解析を開始し、表示部132に表示するためのデータを生成する。
【0051】
次に、ステップSA20で、HTML解析部143は、受信したHTMLデータの最後まで、後述するステップSA30〜ステップSA80の処理対象としたか否かを判断し、そうであると判断するとステップSA90へ処理を進め、まだ当該HTMLデータの最終部分まで処理対象としていないと判断するとステップSA30へ処理を進める。
【0052】
ステップSA30では、HTML解析部143は、受信したHTMLデータの先頭から、開始タグが出現するまで検索し、出現した開始タグを第1関連タグテーブルに記憶されたタグと比較する。
【0053】
ここで、第1関連タグテーブルとは、関連タグデータベースに含まれる情報である。HTML解析部143は、関連タグデータベースとして、上記した第1関連タグテーブルや後述する第2関連タグテーブルを記憶している。なお、関連タグデータベースは、ハードウェア的には、ROM104またはNVRAM104(図2参照)に記憶されている。
【0054】
表1に、第1関連タグテーブルの内容の一例を示す。
【0055】
【表1】

【0056】
表1に示されるように、第1関連タグテーブルでは、HTMLタグ(以下、単に「タグ」ともいう)が、その属性および属性値と組合されて、示されている。
【0057】
具体的には、表1では、「<form>」というタグについて、「method」と「enctype」という2つの属性が示され、これらの属性のそれぞれについて、「"post"」,「"multipart/form-data"」という属性値が示されている。つまり、表1に示した第1関連タグテーブルでは、「<form>」「method」「"post"」と、「<form>」「enctype」「"multipart/form-data"」という二通りの、タグと属性と属性値の組合せが示されていることになる。
【0058】
図4に戻って、HTMLデータの構文解析を行なうHTML解析部143は、ステップSA40で、ステップSA30において処理対象となったタグが、第1関連タグテーブルに示されたタグと一致するか否かを判断し、含まれると判断するとステップSA60へ処理を進め、含まれないと判断すると、ステップSA50処理を進める。
【0059】
ステップSA50では、HTMLデータにおいて、ステップSA30で比較したタグの終了タグまで、処理対象とするデータをスキップさせて、ステップSA20へ処理を戻す。
【0060】
一方、ステップSA60では、HTML解析部143は、ステップSA30で比較対象としたタグから当該タグに対応する終了タグが出現するまでのHTMLデータ中のデータを一時メモリ(後述するピックアップテーブル)に保存して、ステップSA70へ処理を進める。
【0061】
ステップSA70では、HTML解析部143は、ステップSA60で抽出されたデータの中に、第2関連タグテーブルに記憶されるタグとその属性とその属性値が組合せされた構造が含まれる場合には、当該抽出されたデータに対して、第2関連タグテーブルにおいて関連付けられた関連機能が関連付けられて、ステップSA80へ処理が進められる。ここで、関連機能を関連付けるとは、上記の抽出データを含むピックアップテーブルにおいて、当該抽出データに関連付けられて記憶される関連機能フラグとして付与することをいう。ここで、第2関連タグテーブルの一例を表2に示す。
【0062】
【表2】

【0063】
表2に示されるように、第2関連タグテーブルでは、タグとその属性とその属性値との組合せに対して、関連機能(表2では「スキャン」)が関連付けられている。具体的には、「<input>」というタグについて、「type」という属性が示され、これに、「"file"」,「"submit"」という属性値が示されている。つまり、表1に示した第1関連タグテーブルでは、「<input>」「type」「"file"」と、「<input>」「type」「"submit"」という二通りの、タグと属性と属性値の組合せが示されていることになる。そして、この二通りの組合せ全体に対して、スキャンという機能が関連付けられている。
【0064】
ステップSA80では、HTML解析部143は、ステップSA60で抽出したデータと、当該抽出データに対してステップSA70で付与した関連機能フラグとの組合わせに対して新たなIDを付与して、ステップSA20へ処理を戻す。
【0065】
ここで、より具体的に、ピックアップテーブルの生成について説明する。
図6に、MFP10がサーバ30から受信するHTMLデータの一例を示す。また、図7に、図6に示されたHTMLデータに基づいて表示部132に表示される画面の一例を示す。
【0066】
図7は、「契約書」の画像データをMFP10からサーバ30へアップロードするための画面である。図7に示された画面において、枠V1で囲まれた部分の画像、つまり、アップロードされる画像データの保存場所を入力するための部品の画像は、図6中の枠D1で囲まれたデータおよび枠D2で囲まれたデータに対応して表示されている。また、図7に示された画面において、枠V2で囲まれた部分の画像、つまり、送信ボタン(枠V1で囲まれた部分に保存場所に入力された場所に保存されたデータをサーバ30へ送信するための送信ボタン)の画像は、図6の枠D3で囲まれたデータに対応している。
【0067】
MFP10では、画像データのアップロードとしては、当該MFP10内に保存されている画像データまたはスキャナ部111によって画像をスキャンすることによって生成される画像データが送信される。つまり、画像データのアップロードには、当該アップロードを完了させるためにスキャナ部111による動作が関与する場合がある。このことに基づき、HTML解析部143は、図7に示したような、画像データのアップロードという画面を表示するためのHTMLデータをサーバ30から受信すると、当該HTMLデータは、スキャン機能に関連すると解析する。具体的には、HTMLデータの中の、データをサーバ30にアップロードするための画面を表示する内容についての特徴的部分である、枠D1〜D3中のデータに含まれるタグについて、表1および表2に示したように判断対象のタグとしている。そして、当該特徴的部分を含むHTMLデータ、つまり、これらのタグを含むHTMLデータに対して、スキャン機能を関連機能タグとして付与する。
【0068】
以上説明したステップSA20〜ステップSA80の処理によって生成されるピックアップテーブルの一例を、表3に示す。
【0069】
【表3】

【0070】
表3に示されるように、ピックアップテーブルでは、表1に従って抽出されたデータと、表2に従って付与された関連機能タグとが、IDに関連付けられて記憶されている。ここで、抽出データとは、ステップSA60で抽出されるデータ(MFP10が受信したHTMLデータの一部)であり、関連機能とは、ステップSA70で付与される関連機能フラグの種類である。IDは、ステップSA80で付与される。
【0071】
なお、上記の説明では省略したが、HTML解析部143は、表3に示すように、HTMLデータに基づいて表示される対象(図7中の「契約書」の文字列等)について、HTMLデータを解析することにより表示される座標を算出し、当該座標を、「表示エリア」としてピックアップテーブルに追加することもできる。
【0072】
図4に戻って、受信したHTMLデータの最後までを処理対象とすると、HTML解析部143は、ステップSA90で、MFPコア部150へピックアップテーブルを送信(通知)して、ステップSA100へ処理を進める。
【0073】
ステップSA100では、MFPコア部からの通知を受信するまで待機する。そして、受信すると、ステップSA110へ処理を進める。
【0074】
ステップSA110では、HTML解析部143は、受信したHTMLデータを図7に示したように表示部132に表示させて、処理を終了させる。
【0075】
3−2.MFPコア部において実行される処理
上記ステップSA90においてHTML解析部143からピックアップテーブルの通知を受けたMFPコア部150において実行される処理を、図5を参照して説明する。
【0076】
HTML解析部143からピックアップテーブルの通知を受けると、MFPコア部150では、まずステップSB10で、当該通知が受け付けられる。
【0077】
次に、MFPコア部150では、ステップSB20で、通知を受けたピックアップテーブルに含まれるデータが、スキャナ部111の動作に関連するものであるか否かを判断し、関連すると判断されるとステップSB30へ、関連しないと判断されるとステップSB40へ、それぞれ処理が進められる。
【0078】
ここで、ピックアップテーブルに含まれるデータがスキャナ部111の動作に関連するものであるか否かの判断は、当該ピックアップテーブルに含まれる関連機能フラグに基づいて行なわれる。具体的には、表4に示されるような、関連機能フラグと、対応するMFP10内のモジュールとを関連付けるモジュール対応テーブルを参照して、判断される。なお、このようなモジュール対応テーブルは、たとえば、ROM102に記憶されている。
【0079】
【表4】

【0080】
表4から理解されるように、モジュール対応テーブルでは、関連機能(関連機能フラグ)に対してMFP10内のスキャナ部111やプリンタ部112等のモジュールが関連付けられている。そして、ステップSB20では、モジュール対応テーブルにおいて、HTML解析部143から通知されたピックアップテーブルに含まれる関連機能フラグに対応するモジュールがスキャナ部111であるか否かが判断される。
【0081】
図5に戻って、ステップSB30において、MFPコア部150では、PU115に、スキャナ部111への電源供給を開始させてステップSB40へ処理を進める。これにより、上記した節電モード中であっても、プリンタ部112やHDD117とは独立して、スキャナ部111にのみ電源供給を開始できる。
【0082】
ステップSB40において、MFPコア部150では、通知を受けたピックアップテーブルに含まれるデータが、プリンタ部112の動作に関連するものであるか否かが判断される。なお、この判断は、上記したモジュール対応テーブルが参照され、ピックアップテーブルに含まれる関連機能フラグに基づいて行なわれる。そして、プリンタ部112の動作に関連すると判断されるとステップSB50へ、関連しないと判断されるとステップSB60へ、それぞれ処理を進められる。
【0083】
ステップSB50において、MFPコア部150では、PU115に、プリンタ部112への電源供給を開始させてステップSB60へ処理を進める。これにより、上記した節電モード中であっても、スキャナ部111やHDD117とは独立して、プリンタ部112にのみ電源供給を開始できる。
【0084】
ステップSB60において、MFPコア部150では、通知を受けたピックアップテーブルに含まれるデータが、HDD117の動作に関連するものであるか否かが判断される。なお、この判断は、上記したモジュール対応テーブルが参照され、ピックアップテーブルに含まれる関連機能フラグに基づいて行なわれる。そして、HDD117の動作に関連すると判断されるとステップSB70へ、関連しないと判断されるとステップSB80へ、それぞれ処理を進められる。
【0085】
ステップSB70において、MFPコア部150では、PU115に、HDD117への電源供給を開始させてステップSB80へ処理を進める。これにより、上記した節電モード中であっても、スキャナ部111やプリンタ部112とは独立して、HDD117にのみ電源供給を開始できる。
【0086】
ステップSB80では、HTML解析部143から通知を受けたピックアップテーブルに、認証に関連する関連機能フラグが含まれるか否かが判断される。なお、MFP10では、例示として、関連機能フラグ「プリント」のみが認証に関連する関連機能フラグであるとし、関連機能フラグ「スキャン」は認証に関連する関連機能フラグではないとする。なお、関連機能フラグが認証に関連するか否かは、たとえばROM102に記憶されているとする。そして、ステップSB80では、認証に関連する関連機能フラグが含まれていると判断されるとステップSB90へ処理が進められ、含まれていないと判断されるとステップSB130へ処理が進められる。
【0087】
ステップSB90では、ログイン中のユーザについての認証データが参照される。
そして、ステップSB100において、HTML解析部143から通知を受けたピックアップテーブルに含まれる関連機能フラグがログイン中のユーザについて禁止されている機能に対応するか否かが判断される。そして、禁止されている機能に対応すると判断されるとステップSB110へ処理が進められ、対応しないと判断されるとステップSB130へ処理が進められる。
【0088】
ステップSB110では、HTML解析部143から通知を受けたピックアップテーブルが、プロテクトフラグをONされるように更新されて、ステップSB120へ処理が進められる。プロテクトフラグに関しては、後述する。
【0089】
ステップSB120では、更新後のピックアップテーブルがHTML解析部143に通知(送信)されて、ステップSB130へ処理が進められる。これに応じて、HTML解析部143では、ステップSA100でピックアップテーブルが受信される。
【0090】
ステップSB130では、HTML解析部143から通知されたピックアップテーブルのすべてのデータについてステップSB20〜ステップSB120の対象となったか否かが判断され、まだ対象とされていないデータがあると判断されるとステップSB20へ処理が戻され、すべて対象とされたと判断されると処理が終了される。
【0091】
4.認証に関連する関連機能フラグについて
図8に、サーバ30からMFP10に送信されるHTMLデータの他の例を示す。また、図9に、図8に示されたHTMLデータに基づいて表示部132に表示される画面の一例を示す。
【0092】
図8中のデータD5に対応する部分は、図9の枠V5として示された、「出張清算フォーマット」「業務委託諸」「室内の写真」「従業員の顔写真」「座席表」という、LAN40上の他の機器に保存された画像データにリンクされた文字列の表示に対応している。
【0093】
図8に示されたようなHTMLデータに対して図4に示された処理が実行される際、表6に示されるような関連タグテーブルを、第1関連タグテーブルと第2関連タグテーブル(表1,表2参照)の代わりに利用することができる。
【0094】
【表5】

【0095】
具体的には、表5には、タグとして「<a>」というタグを含む。そして、このようなテーブルが利用されることにより、表6に示されるように、図8に示されるデータから、「<a>」というタグからその終了タグである「</a>」というタグまでのデータが、1つのIDを付されてピックアップテーブルに抽出される。
【0096】
【表6】

【0097】
また、表5に示される関連タグテーブルの各関連機能の欄には「プリント」と「サムネール表示」という機能が示されているため、ピックアップテーブルにおいても、各IDに対応する関連機能として「プリント」と「サムネール表示」が追加される。
【0098】
そして、このように生成されたピックアップテーブルが、MFPコア部150へ通知(送信)される。
【0099】
表6に示されたようなピックアップテーブルが送信されてくることにより、MFPコア部150では、ステップSB50で、プリンタ部112への電源供給が開始される。
【0100】
そして、ステップSB80において、上記のように、HTML解析部143から通知を受けたピックアップテーブルに、認証に関連する関連機能フラグが含まれるか否かが判断される。表6に示されたピックアップテーブルでは、関連機能に「プリント」を含むため、当該テーブルが処理対象とされた場合にはステップSB90へ処理が進められる。
【0101】
ステップSB90では、ログイン中のユーザについての認証データが参照される。ここで、参照される認証データの一例を表7に示す。
【0102】
【表7】

【0103】
表7では、ユーザごとに、動作が禁止される機能の有無、またその種類が、「認証情報」として記憶されている。具体的には、表7では、ユーザ名がA,B,Cの3名についての認証情報が示されている。この中で、ユーザ名Bについては、機能「プリンタ」の実現が禁止されている旨の情報(表7中「不可」)と関連付けられて記憶されている。
【0104】
そして、ステップSB100において、HTML解析部143から通知を受けたピックアップテーブルに含まれる関連機能フラグがログイン中のユーザについて禁止されている機能に対応するか否かが判断される。たとえば、現在ログイン中のユーザがユーザ名Bのユーザである場合には、表6のピックアップテーブルの関連機能フラグとして「プリンタ」を含むため、「関連機能フラグがログイン中のユーザについて禁止される機能に対応する」と判断されて、ステップSB110へ処理が進められる。
【0105】
ステップSB110では、HTML解析部143から通知を受けたピックアップテーブルが、プロテクトフラグをONされるように更新されて、ステップSB120へ処理が進められる。
【0106】
これにより、表6に示されたピックアップテーブルは、表8に示されるように更新される。
【0107】
【表8】

【0108】
ステップSB120では、更新後のピックアップテーブルがHTML解析部143に通知(送信)されて、ステップSB130へ処理が進められる。これに応じて、HTML解析部143では、ステップSA100でピックアップテーブルが受信される。
【0109】
ここで、図4を参照して、HTML解析部143では、ステップSA100でピックアップテーブルが受信され、ステップSA110で、HTMLデータの表示がなされる。
【0110】
なお、ステップSA110におけるHTMLデータの表示は、MFPコア部150から受信した、更新後のピックアップテーブルにおけるプロテクトフラグについての情報が反映される。
【0111】
つまり、ブラウザ表示部142は、更新後のピックアップテーブルにおいてプロテクトフラグがONされている抽出データについての表示は、当該表示に対応するMFP10中の機能がログイン中のユーザには利用できないことを報知する態様で、表示させる。
【0112】
このような表示態様の一例を図10に示す。
図10では、図9に示した画面に対して、表8に示された更新後のピックアップテーブルにおいてプロテクトフラグがONとされている抽出データに対応する内容が、枠V5内に示されるように、取消線を付されて表示されている。
【0113】
なお、ブラウザ表示部142は、元のHTMLデータから、更新後のピックアップテーブルおいて、プロテクトフラグがONされたIDの抽出データと同じデータを有する部分を検索し、当該部分の表示態様を変更する処理を実行することによって、図10に示したような表示のためのデータを生成しても良い。また、ブラウザ表示部142は、元のHTMLデータから、更新後のピックアップテーブルにおいて、プロテクトフラグがONされたIDの「表示エリア」に対応する位置に、上記取消線の画像を装飾として付加する処理を実行することによって、図10に示したような表示のためのデータを生成しても良い。
【0114】
本実施の形態では、図7中の枠V1で囲まれた部分の画像、つまり、アップロードされる画像データの保存場所を入力するための部品の画像や、図9の枠V5として示された、「出張清算フォーマット」「業務委託諸」「室内の写真」「従業員の顔写真」「座席表」という、LAN40上の他の機器に保存された画像データにリンクされた文字列の表示により、データのアップロードやLAN40上の画像データの表示を指示する情報を操作部113に入力するためを補助する情報を構成する。ユーザは、MFP10の操作部113に対して、枠V1内の画像や枠V5内の文字列に関連した操作をすることにより、サーバ30へのファイルのアップロードやLAN40上の画像データの表示や印刷という機能をMFP10に実現させることができる。
【0115】
また、表示されたログイン中のユーザには利用できないことを報知する態様は、図10に示された、取消線によるものに限定されない。
【0116】
たとえば、図11に、図7の枠V1および枠V2内の画像に対して、ログイン中のユーザには利用できないことを報知するように表示態様を変更した画面の一例を示す。図11では、図7の枠V1,V2に対応するV21,V22が、グレイアウトされて表示されている状態が示されている。
【0117】
以上説明した本実施の形態では、ステップSA40において、HTMLデータにおいて第1関連タグテーブル(表1参照)または関連タグテーブル(表5)のタグと一致するタグが含まれる場合には、当該タグからその終了タグまでのデータがピックアップテーブルに抽出され、IDが付与される。そして、各IDについて、関連機能フラグが付与される。
【0118】
そして、関連機能フラグに基づいて、ステップSB20〜ステップSB70において、スキャナ部111、プリンタ部112、および/または、HDD117への電源供給が開始される。この場合、IDに付与された関連機能フラグに基づいて、MFP10が受信したHTMLデータが表示されることにより、当該表示画面に対してユーザが実行を指示する機能(たとえば、スキャンによるファイルのアップロード、等)が予測され、当該予測された機能を実現させるためのモジュール(たとえば、スキャナ部111)への電源供給が開始される。これにより、表示部132にHTMLデータに基づく表示がなされてスキャナ部111を利用した機能(スキャンによるファイルのアップロード)の実現を指示する情報が操作部113に対して入力された場合、MFP10では、それまでに節電モードであっても、すでにスキャナ部111のみについて、電源供給が開始されている。これにより、操作部113に対して指示が入力されたことに応じて電源供給を開始する場合よりも、当該指示が入力されてからスキャナ部111の立ち上がりまでの時間を短縮することができ、ユーザの待ち時間を短縮できる。
【0119】
また、以上説明した本実施の形態では、関連機能フラグに基づいて、ユーザが当該ユーザに対して実現を禁止されている機能について、当該機能の実現を指示するための操作がなされることを予測し、図10や図11に示すような表示を行なわせることによって、当該操作をできないように、表示用のモジュールである表示部132の動作を制御する。
【0120】
つまり、MFP10においてサーバ30からHTMLデータを受信した場合、ユーザに機能の実現のための操作の指示を入力するための画像を表示する場合、当該機能の実現が当該ユーザに対して禁止されているときには、当該操作のための画像を、禁止されていることを認識されるような態様で、表示する。たとえば、印刷対象として表示された枠V5内の各メニューは、ログイン中のユーザが印刷を禁止されている場合には、取消線を付されて、表示される。
【0121】
また、以上説明した本実施の形態において、実行された処理のプログラムは、MFP10に対して固定された記録媒体に記録されていても良いし、MFP10に対して着脱可能な記録媒体に記録されていても良い。また、当該プログラムは、あらかじめMFP10にインストールされていても良いし、LAN40等のネットワークを介してMFP10にダウンロードされてインストールされても良い。
【0122】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】本発明の情報処理装置の第1の実施の形態を含むネットワーク構成を模式的に示す図である。
【図2】図1のMFPの機能ブロックを模式的に示す図である。
【図3】図1のMFPの制御ブロック図である。
【図4】図1のMFPにおいてHTMLデータが受信された際に、図3のUI部で実行される処理のフローチャートである。
【図5】図1のMFPにおいてHTMLデータが受信された際に、図3のMFPコア部で実行される処理のフローチャートである。
【図6】図1のMFPがサーバから受信するHTMLデータの一例を示す図である。
【図7】図6に示されたHTMLデータに基づいて、図2の表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【図8】図1のMFPがサーバから受信するHTMLデータの他の例を示す図である。
【図9】図8に示されたHTMLデータに基づいて、図2の表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【図10】図8に示されたHTMLデータに基づいて、図2の表示部に表示される画面の他の例を示す図である。
【図11】図6に示されたHTMLデータに基づいて、図2の表示部に表示される画面の他の例を示す図である。
【符号の説明】
【0124】
1 ネットワーク、10,20 MFP、11,21 MFP本体、12,22 LANカード、30 サーバ、40 LAN、101 CPU、102 ROM、103 RAM、104 NVRAM、105 時計IC、106 インターフェイス、111 スキャナ部、112 プリンタ部、113 操作部、115 PU、116 各種センサ、117 HDD、131 キー操作部、132 表示部、133 解除キー、140 UI部、141 ブラウザ部、142 ブラウザ表示部、143 HTML解析部、144 ピックアップテーブル、150 MFPコア部、151 API、152 MFP機能管理部、153 認証管理部、154 電源管理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能を実現するための複数のモジュールと、
所定のマークアップ言語により記述された言語ファイルを有して構成されるコンテンツ情報を再生するためのコンテンツ再生手段と、
前記所定のマークアップ言語の記述と前記機能とを関連付ける情報を記憶する関連情報記憶手段と、
前記関連情報記憶手段に記憶された記述を含むか否かに基づいて、前記コンテンツ再生手段によって再生されるコンテンツ情報である再生コンテンツ情報が関連する機能を解析する解析手段と、
機能を実現するための情報を入力する入力手段と、
前記解析手段によって解析された機能に基づいて、前記再生コンテンツ情報が再生された結果、前記入力手段に入力される情報を予測する予測手段と、
前記予測手段によって予測された情報に基づいて、前記複数のモジュールの中の少なくとも一部のモジュールに対する動作を制御する制御手段とを備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記複数のモジュールのそれぞれへの電源供給を制御する電源供給手段をさらに備え、
前記予測手段は、前記コンテンツ情報が再生された結果、前記解析手段によって解析された機能を実現するためのモジュールを動作させる情報が入力されることを予測し、
前記制御手段は、前記電源供給手段に、前記解析手段によって解析された機能を実現するためのモジュールへの電源供給を開始させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記複数のモジュールは、画像を読み取ることによりファイルを生成するスキャナ部を含み、
前記関連情報記憶手段は、他の機器へのファイルの送信を命令するために操作される画像を表示する記述と画像を読み取ることによりファイルを生成する機能とを関連付けて記憶し、
前記予測手段は、前記再生コンテンツ情報が再生された結果、画像を読み取ることによりファイルを生成するために前記スキャナ部を駆動するための情報を入力することを予測し、
前記制御手段は、前記電源供給手段に、前記スキャナ部への電源供給を開始させる、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
情報を表示する表示手段と
ユーザ認証を行なう認証手段と、
ユーザごとに、実現を禁止する機能の情報を記憶するユーザ情報記憶手段とをさらに備え、
前記コンテンツ再生手段は、前記再生コンテンツ情報を再生することにより、前記表示手段に、前記入力手段への情報の入力を補助する情報を表示し、
前記制御手段は、前記再生コンテンツ情報に、前記ユーザ情報記憶手段に記憶される情報に基づいて前記認証手段が認証したユーザに対して禁止される機能の、実現を指示する情報の前記入力手段への入力を補助する情報である禁止機能補助情報を表示する記述が含まれている場合に、前記コンテンツ再生手段に、前記禁止機能補助情報を、対応する機能を実現できないことを理解させる態様で表示させる、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記コンテンツ再生手段に、前記禁止機能補助情報を、前記再生コンテンツ情報における記述に従った表示対象に対して装飾を付して表示させる、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
複数の機能を実現するための複数のモジュールを備える情報処理装置の制御方法であって、
所定のマークアップ言語により記述された言語ファイルを有して構成されるコンテンツ情報を再生するステップと、
前記所定のマークアップ言語の記述と前記機能とを関連付ける情報を記憶する関連情報記憶するステップと、
前記記述と機能を関連付ける情報に記憶された記述を含むか否かを判断するステップと、
前記記述を含むと判断した場合に、前記再生されるコンテンツ情報が関連する機能を解析するステップと、
機能を実現するための情報を入力するステップと、
前記解析された機能に基づいて、前記再生コンテンツ情報が再生された結果、前記入力手段に入力される情報を予測するステップと、
前記予測された情報に基づいて、前記複数のモジュールの中の少なくとも一部のモジュールに対する動作を制御するステップとを備える、情報処理装置の制御方法。
【請求項7】
複数の機能を実現するための複数のモジュールを備える情報処理装置を制御するためのコンピュータ読取可能な情報処理プログラムであって、
前記情報処理装置に、
所定のマークアップ言語により記述された言語ファイルを有して構成されるコンテンツ情報を再生するステップと、
前記所定のマークアップ言語の記述と前記機能とを関連付ける情報を記憶する関連情報記憶するステップと、
前記記述と機能を関連付ける情報に記憶された記述を含むか否かを判断するステップと、
前記記述を含むと判断した場合に、前記再生されるコンテンツ情報が関連する機能を解析するステップと、
機能を実現するための情報を入力するステップと、
前記解析された機能に基づいて、前記再生コンテンツ情報が再生された結果、前記入力手段に入力される情報を予測するステップと、
前記予測された情報に基づいて、前記複数のモジュールの中の少なくとも一部のモジュールに対する動作を制御するステップとを実行させる、情報処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−302769(P2009−302769A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−153214(P2008−153214)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】