説明

情報処理装置および情報処理装置の制御方法

【課題】本体とディスプレイユニットが分離した場合に、情報処理装置をシャットダウンすることなく、情報処理装置を保護すること。
【解決手段】本体11に設けられ、ディスプレイユニットとの分離を検出した場合に、本コンピュータ10をスリープ状態にして良いか否かを判定する判定モジュール301と、スリープ状態にして良いと判定した場合に、本コンピュータ10をスリープ状態にするスリープ指示モジュール303およびオペレーティングシステム201と、スリープ状態にしてはいけないと判定した場合に、USBポートに接続されるUSBメモリ210とコントローラ119Aとの通信を禁止し、入力装置321から本コンピュータ10への信号の入力を無効する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイユニットと本体とが分離可能な情報処理装置および情報処理装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、本体とディスプレイユニットとが分離/結合が可能であるコンピュータが開発されている。
ディスプレイユニットが本体から分離された場合、コンピュータを制御することは困難となる。しかしながら、ディスプレイユニットが本体から分離された状態でそのまま放置しておくことは、セキュリティ上、危険である。とはいえ、セキュリティのために、ディスプレイユニットが分離された場合に無作為にコンピュータをシャットダウンするのでは、作業中のデータを失う危険性がある。
【0003】
特許文献1は、ディスプレイユニットが本体から分離した際、省電力状態、および、停止状態にすることを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−258988公報(請求項16、請求項17)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
システム起動中の省電力状態は、セキュリティの面では、不十分であり、第3者が情報機器にアクセスすることを抑制することはできない。また、ディスプレイユニット分離後、システムが動作しない省電力状態、および、停止状態にした場合、引き続き、情報機器に作業をさせることが不可能となる。
【0006】
本発明の目的は、本体とディスプレイユニットが分離した場合に、情報処理装置をシャットダウンすることなく、情報処理装置を保護することが可能な情報処理装置および情報処理装置の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一例に係わる、ディスプレイユニットが分離および結合可能であると共に、演算処理を行うプロセッサを有する情報処理装置は、前記プロセッサにデータを入力する入力装置と、外部機器が接続されるポートと、前記ポートに接続される外部機器と通信を行うコントローラと、前記ディスプレイユニットとの結合および分離を検出する検出回路と、前記検出回路が前記ディスプレイユニットとの分離を検出した場合に、前記情報処理装置をスリープ状態に移行させても良いか否かを判定する判定手段と、前記判定手段がスリープ状態に移行させて良いと判定した場合に、前記情報処理装置をスリープ状態に移行させる手段と、前記判定手段がスリープ状態に移行させてはいけないと判定した場合に、前記ポートに接続される外部機器と前記コントローラとの通信を禁止し、前記入力装置から前記プロセッサへの前記データの入力を無効化するロック手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、本体とディスプレイユニットが分離した場合に、情報処理装置をシャットダウンすることなく、情報処理装置を保護することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係わる情報処理装置の外観を示す斜視図。
【図2】情報処理装置の本体とディスプレイユニットとを分離した状態を示す斜視図。
【図3】図1に示す情報処理装置のシステム構成を示すブロック図。
【図4】ユーティリティプログラムの構成を示すブロック図。
【図5】ユーティリティプログラムおよびオペレーティングシステムによる処理の手順を示すフローチャート。
【図6】ユーティリティプログラムおよびオペレーティングシステムによる処理の手順を示すフローチャート。
【図7】複数の本体に対して1台のディスプレイユニットを組み合わせた状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態を以下に図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係わる情報処理装置の外観を示す斜視図である。図1に示すように、この情報処理装置は、例えば、バッテリ駆動可能なノートブック型の携帯型パーソナルコンピュータ10として実現されている。
【0012】
本コンピュータ10は、本体11およびディスプレイユニット12とから構成されている。本体11の上面には、キーボード13、本コンピュ−タ10を電源オン/電源オフするためのパワーボタンスイッチ14およびタッチパッド15などが設けられている。本体11の例えば背面または側面には、外部デバイスを接続するための接続ポートが配置されている。ディスプレイユニット12の内面にはLCD(Liquid Crystal Display)17から構成される表示装置が組み込まれており、そのLCD17の表示画面は、ディスプレイユニット12のほぼ中央に位置されている。ディスプレイユニット12は、本体11に支持され、その本体11に対して本体11の上面が露出される開放位置と本体11の上面を覆う閉塞位置との間を回動自在に取り付けられている。
【0013】
また、図2に示すように、本体11とディスプレイユニット12とは分離することができる。本体11とディスプレイユニット12とが分離されている場合、本体11からディスプレイユニット12に対して、LCD17に映像を表示するための信号を無線通信によって伝送する。
【0014】
次に、図3を参照して、本コンピュータのシステム構成について説明する。
本コンピュータは、図3に示されているように、ディスプレイユニット12、CPU111、ノースブリッジ112、主メモリ113、グラフィクスコントローラ114、ワイヤレスHDMIトランシーバ115、検出回路116、サウスブリッジ119、BIOS−ROM120、ハードディスクドライブ121、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC124、および電源コントローラ125等を備えている。
【0015】
ハードディスクドライブ121には、オペレーティングシステム(OS)やBIOS更新プログラム等の各種プログラムを実行するためのコードが格納されている。
【0016】
CPU111は、本コンピュータの動作を制御するために設けられたプロセッサであり、ハードディスクドライブ121から主メモリ113にロードされる、オペレーティングシステム201、およびユーティリティプログラム202を含む各種アプリケーションプログラムを実行する。
【0017】
また、CPU111は、BIOS(Basic Input/Output System)−ROM120に格納されたBIOSプログラムも実行する。BIOSプログラムはハードウェア制御のためのプログラムである。
【0018】
ノースブリッジ112はCPU111のローカルバスとサウスブリッジ119との間を接続するブリッジデバイスである。ノースブリッジ112には、主メモリ113をアクセス制御するメモリコントローラも内蔵されている。また、ノースブリッジ112には、AGPバスなどを介してグラフィクスコントローラ114との通信を実行する機能も有している。
【0019】
グラフィクスコントローラ114は、本コンピュータのディスプレイモニタとして使用されるLCD17を制御する表示コントローラである。このグラフィクスコントローラ114はビデオメモリ114Aを有しており、OS/アプリケーションプログラムによってビデオメモリ114Aに書き込まれた表示データから、ディスプレイユニット12のLCD17に表示すべき表示イメージを形成する映像信号を生成する。
【0020】
ワイヤレスHDMIトランシーバ115は、ワイヤレスHDMIの仕様に基づいて映像信号をディスプレイユニット12に伝送する。ワイヤレスHDMIトランシーバ115は、本体11とディスプレイユニット12とが分離している場合に、映像信号を無線通信によって伝送する。なお、ワイヤレスHDMIの仕様の代わりに、ワイヤレスUSBの仕様に基づいて映像信号を伝送しても良い。
【0021】
検出回路116は、本体11からのディスプレイユニット12の分離、および本体11へのディスプレイユニット12への結合を検出する。検出回路116が分離を検出している場合に、グラフィックスコントローラ114が生成した映像信号はワイヤレスHDMIトランシーバ115によってディスプレイユニット12に伝送される。検出回路116が、本体11とディスプレイユニット12との結合を検出している場合、映像信号は有線通信によって本体11からディスプレイユニット12に伝送される。
【0022】
サウスブリッジ119は、LPCバス上のデバイスを制御する。また、サウスブリッジ119は、HDD121を制御するためのIDEコントローラを内蔵している。さらに、サウスブリッジ119は、BIOS−ROM120をアクセス制御するための機能も有している。また、更にサウスブリッジ119は、USB規格をサポートした機器とのデータの伝送の制御を行うためのUSBコントローラ119Aを有している。USBコントローラ119Aには、USBデバイスのコネクタが挿抜可能なUSBポート119Bが接続される。USBポート119Bには、USBメモリ210等が挿入される。
【0023】
エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)124は、電力管理のためのエンベデッドコントローラと、キーボード(KB)13およびタッチパッド15を制御するためのキーボードコントローラとが集積された1チップマイクロコンピュータである。このエンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)124は、ユーザによるパワーボタン14の操作に応じて本コンピュータ10をパワーオン/パワーオフする機能を有している。
【0024】
本体11とディスプレイユニット12とが分離された状態では、本コンピュータ10を制御することは困難となる。しかしながら、ディスプレイユニットが本体から分離された状態でそのまま放置しておくことは、セキュリティ上危険である。例えば、本体11に設けられたUSBポートにUSBディスプレイやUSBメモリ210を挿入して、本コンピュータ10を制御して、ハードディスクドライブ121に格納されているデータを吸い出される恐れがある。また、セキュリティ上危険であるからといって、無作為に本コンピュータ10をシャットダウンするのでは、作業中のデータを失う危険性がある。
【0025】
本装置のユーティリティプログラム202は、ディスプレイユニット12が本体11から分離した場合に、本コンピュータ10をセキュアな状態に移行させる。また、ユーティリティプログラム202、若しくはオペレーティングシステム201は、本体11とディスプレイユニット12とが結合した場合には、認証処理を行った後に、本コンピュータ10をセキュアな状態に移行させる前の元の状態に戻す。
【0026】
次に、ユーティリティプログラム202の構成を図4を参照して説明する。
図4に示すように、ユーティリティプログラム202は、判定モジュール301、ロック指示モジュール302、スリープ指示モジュール303、設定ファイル304、認証処理モジュール311、ロック解除指示モジュール312等を備えている。
【0027】
判定モジュール301は、検出回路116がディスプレイユニット12の分離を検出した場合に、本コンピュータ10の操作をロックするか、本コンピュータ10をスリープ状態にするかを判定する。
【0028】
設定ファイル304には、ディスプレイユニット12が分離した場合に、コンピュータ10をスリープ状態へ移行するか否かを示す設定が記述されている。設定ファイル304の設定内容は、ユーザが変更することが可能である。
【0029】
判定モジュール301は、設定ファイル304に記録されている設定を読み出す。そして、設定がスリープ状態への移行を示している場合、本コンピュータ10をスリープ状態に移行させるか否かを判別する。ここで例えば、判定モジュール301は、CPU111の使用率が設定値(例えば20%)より低い場合に、スリープ状態に移行させると判断する。判定モジュール301は、設定がスリープ状態への移行を示していない場合、またはCPU111の使用率が設定値より低くない場合に、ポートをロックさせると判断する。CPU111の使用率が設定値より低くない場合は、何らかの処理を行っている最中であると考えられ、スリープによって処理を中断されたくない場合と考えられるためである。
【0030】
ロック指示モジュール302は、オペレーティングシステム201に対して、本コンピュータ10の操作をロックするための処理を行う。ロック指示モジュール302は、本コンピュータ10の操作をロックするために、外部ポートであるUSBポート119Bを経由したUSBメモリ210とコントローラ例えばUSBコントローラ119Aとの通信を禁止するように、オペレーティングシステム201に指示を発行する。また、ロック指示モジュール302は、キーボード13やタッチパッド15等の本コンピュータ10に信号を入力する入力装置321からの入力を無効にするようにオペレーティングシステム201に指示する。
【0031】
指示に応じてオペレーティングシステム201は、通信の禁止、および入力の無効化を行う。通信を禁止することで本コンピュータ10内のデータが吸い出されることを防止することができる。また、入力装置321からの信号の入力を無効化することで、通信の禁止を解除することを防止することができる。
【0032】
スリープ指示モジュール303は、オペレーティングシステム201に対して、本コンピュータ10をスリープ状態にするように指示する。オペレーティングシステム201は、スリープ指示モジュール303からの指示に応じて本コンピュータ10をスリープ状態にする。
【0033】
本コンピュータ10の操作をロックした状態で検出回路116がディスプレイユニット12の結合を検出した場合に、ロック解除指示モジュール312は、オペレーティングシステム201に対して、入力装置321からの入力を無効にしないように指示する。そして、認証処理モジュール311は認証処理を実行する。認証処理モジュール311が認証処理に成功した場合に、認証処理モジュール311はロック解除指示モジュール312にポートのロックを解除するための指示を発行するように指示する。ロック解除指示モジュール312は、認証処理モジュール311からの指示に応じて、オペレーティングシステム201に対して、コントローラ119Aとポート119Bに接続されるUSBメモリ210との通信を許可するように指示する。
【0034】
また、スリープ状態で検出回路116がディスプレイユニット12の結合を検出した場合、本コンピュータ10をスリープ状態から復帰させるための命令がオペレーティングシステム201に入力される。スリープ状態から復帰した後、オペレーティングシステム201は、認証処理を行い、認証処理に成功した場合にユーザによる本コンピュータ10の操作を許可する。このオペレーティングシステム201のスリープ状態からの復帰後の認証処理の機能は元来オペレーティングシステムが備えている機能である。
【0035】
次に、図5のフローチャートを参照して、ユーティリティプログラム202等が行う処理の手順を説明する。
検出回路116がディスプレイユニット12の本体11からの分離を検出すると(ステップS11のYes)、判定モジュール301は、設定ファイル304を参照し、本コンピュータ10をスリープ状態に移行させる設定であるか否かを判断する(ステップS12)。スリープ状態に移行させる設定であると判断した場合(ステップS12のYes)、判定モジュール301は、本コンピュータ10をスリープ状態に移行させても良いか否かを判定する(ステップS13)。
【0036】
スリープ状態に移行させても良いと判断した場合(ステップS13のYes)、判定モジュール301はスリープ指示モジュール303に対してスリープ状態に移行させるための命令を発行するように指示する(ステップS14)。スリープ指示モジュール303は、オペレーティングシステム201に対して、本コンピュータ10をスリープ状態にするように指示する。オペレーティングシステム201は、スリープ指示モジュール303からの指示に応じて本コンピュータ10をスリープ状態にする(ステップS15)。
【0037】
スリープ状態に移行させる設定ではないと判断した場合(ステップS12のNo)、或いはスリープ状態に移行させてはいけないと判断した場合(ステップS13のNo)、判定モジュール301は、ロック指示モジュール302に対して、本コンピュータ10の操作をロックするための指令を発行するように指示する(ステップS21)。ロック指示モジュール302は、オペレーティングシステム201に対して、判定モジュール301からの指示に応じてコントローラ119Aとポート119Bに接続される外部機器(例えばUSBメモリ210)との通信を禁止するように指示する。オペレーティングシステム201は、コントローラ119Aとポート119Bに接続される外部機器との通信を禁止する(ステップS22)。また、ロック指示モジュール302は、オペレーティングシステム201に対してキーボード13やタッチパッド15等の入力装置321から本コンピュータ10への信号の入力を無効にするように指示する(ステップS23)。オペレーティングシステム201は、ロック指示モジュール302からの指示に応じて、入力装置321からの入力を無効にする。
【0038】
以上の処理で、本体11からディスプレイユニット12が分離した場合に、スリープ状態へ移行させるか、または本コンピュータ10の操作をロックすることによって、本コンピュータ10のデータが吸い出されることを防止することができる。
【0039】
次に、ポートが使用できない状態からディスプレイユニット12が結合したときの処理の手順を説明する。
【0040】
検出回路116がディスプレイユニット12の結合を検出すると(ステップS31のYes)、ロック解除指示モジュール312は、オペレーティングシステム201に入力装置321からの本コンピュータ10への信号の入力の無効化を解除するように指示する。オペレーティングシステム201、入力装置321からの本コンピュータ10への信号の入力の無効化を解除する(ステップS32)。
【0041】
認証処理モジュール311は、認証処理を行うためにLCD17にパスワードの入力を促すウィンドウを表示する。入力されたパスワードが予め登録されているパスワードに一致したら(ステップS33のYes)、認証処理モジュール311は、ロック解除指示モジュール312にオペレーティングシステム201に対して、本コンピュータ10の操作のロックを解除するための指示を発行するように指示する(ステップS34)。ロック解除指示モジュール312は、オペレーティングシステム201に対して、認証処理モジュール311からの指示に応じて、コントローラ119Aとポート119Bに接続される外部機器との通信を許可するように指示する。オペレーティングシステム201は、コントローラ119Aと外部ポート119Bに接続される外部機器との通信を許可する(ステップS35)。
【0042】
また、スリープ状態でディスプレイユニット12が結合した場合、オペレーティングシステム201の機能によって認証処理を行い、認証処理が成功した場合にユーザが本コンピュータ10を使用することができる。
【0043】
以上の処理で、ディスプレイユニット12が結合した場合に、再び正当なユーザが使用できるようになる。
【0044】
なお、上記説明では、本体11とディスプレイユニット12とが1対1で対応している場合について述べた。しかし、1台のディスプレイユニット12に対して複数の本体11を組み合わせても良い。
【0045】
例えば、図6に示すように、ディスプレイユニット12に対して3台のコンピュータA〜Cが準備されているものとする。
【0046】
1. 先ず、ディスプレイユニット12とコンピュータAの本体11Aとを組み合わせて使用する。コンピュータAは、負荷の高い処理を行っている。
2.その間、ディスプレイユニット12とコンピュータBの本体11Bとを組み合わせて、コンピュータBによって別の処理を行う。
【0047】
3.コンピュータAは、引き続き処理を行うが、2の状態でディスプレイユニット12が無いため、コンピュータAの本体11Aを操作することが困難となる。一方、この状態では、第3者が本体11Aを操作してコンピュータAに不正にアクセスすることは可能である。そのため、上記で説明した機能を適用して、コンピュータAに対する第3者からのアクセスを抑制するため、外部ポート119Bを経由した通信および入力装置321の使用をロックし、本体11Aの操作をロックする。
【0048】
4.また、コンピュータBでの作業を終え、ディスプレイユニット12とコンピュータCの本体11Cとを組み合わせて、別のデータを管理するコンピュータCで作業を行う。
5.コンピュータBをオンしておく必要はないため、ディスプレイユニット12を本体11Bから切り離す際、自動的にコンピュータBをユーザの指定したスリープ状態に移行させる。
【0049】
6.再度、コンピュータAを使用する際、ディスプレイユニット12と本体11Aとを組み合わせて使用する。
7.ディスプレイユニット12が本体11Aに結合された際、ユーザに認証行為を促し、正規ユーザかどうかの確認を行う。
8.認証が成功した場合、外部ポート119Bを経由する通信および入力装置321からの入力のロックを解除し、本体11Aへのアクセスを許可する。
なお、上記実施形態では、USBによるコントローラと外部機器の通信を行う例を示した。しかし、IEEE1394、ExpressCard、イーサネット(登録商標)、eSATA、SD規格等のコントローラと外部機器の通信を行うものに対しても適用することができる。
【0050】
上記の通り、ユーザは、1つのディスプレイユニット12を複数のコンピュータで利用する場合であっても、利便性を損なうことなく、セキュアに使用することが可能である。
【0051】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0052】
119A…USBコントローラ,119B…USBポート,201…オペレーティングシステム,202…ユーティリティプログラム,210…USBメモリ,301…判定モジュール,302…ロック指示モジュール,303…スリープ指示モジュール,304…設定ファイル,311…認証処理モジュール,312…ロック解除指示モジュール,321…入力装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイユニットが分離および結合可能であると共に、演算処理を行うプロセッサを有する情報処理装置であって、
前記プロセッサにデータを入力する入力装置と、
外部機器が接続されるポートと、
前記ポートに接続される外部機器と通信を行うコントローラと、
前記ディスプレイユニットとの結合および分離を検出する検出回路と、
前記検出回路が前記ディスプレイユニットとの分離を検出した場合に、前記情報処理装置をスリープ状態に移行させても良いか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段がスリープ状態に移行させて良いと判定した場合に、前記情報処理装置をスリープ状態に移行させる手段と、
前記判定手段がスリープ状態に移行させてはいけないと判定した場合に、前記ポートに接続される外部機器と前記コントローラとの通信を禁止し、前記入力装置から前記プロセッサへの前記データの入力を無効化するロック手段とを具備することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記通信が禁止され、前記信号の入力が無効化されている状態で前記ディスプレイユニットとの結合が検出された場合に、前記データの入力の無効化を解除する手段と、
前記データの入力の無効化が解除された状態で認証処理を実行する認証処理手段と、
前記認証処理手段による前記認証処理が成功した場合に、前記外部機器と前記コントローラとの通信を許可する通信許可手段とを更に具備することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理装置がスリープ状態で前記ディスプレイユニットとの結合が検出された場合に、前記情報処理装置をスリープ状態から復帰させ、認証処理を行う認証処理手段とを具備し、
前記認証処理手段による前記認証処理が成功した場合に、ユーザによる前記情報処理装置の使用を許可する手段とを更に具備することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定手段は、前記プロセッサの使用率が設定値より低い場合に、前記情報処理装置をスリープ状態にして良いと判定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ディスプレイユニットとのが分離が検出されている場合に前記ディスプレイユニットに対して映像信号を無線通信によって伝送する映像信号無線伝送部を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記映像信号無線伝送部は、ワイヤレスHDMIまたはワイヤレスUSBの仕様に基づいて前記映像信号を伝送することを特徴とする請求項5に記載の映像処理装置。
【請求項7】
ディスプレイユニットが分離および結合可能であると共に、演算処理を行うプロセッサを有する情報処理装置の制御方法であって、
前記ディスプレイユニットの分離を検出し、
前記分離の検出に応じて、前記情報処理装置をスリープ状態に移行させて良いか否かを判定し、
前記スリープ状態に移行させて良いと判定した場合に、前記情報処理装置をスリープ状態にし、
前記スリープ状態に移行させてはいけないと判定した場合に、前記情報処理装置に設けられたポートに接続される外部機器と前記情報処理装置に設けられたコントローラとの通信を禁止し、入力装置から前記プロセッサへのデータの入力を無効化することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項8】
前記通信が禁止され、前記データの入力が無効化されている状態で前記ディスプレイユニットとの結合を検出した場合に、前記データの入力の無効化を解除して認証処理を実行し、
前記認証処理が成功した場合に、前記外部機器と前記コントローラとの通信を許可することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項9】
前記情報処理装置がスリープ状態で前記ディスプレイユニットとの結合を検出した場合に、前記情報処理装置をスリープ状態から復帰させて認証処理を実行し、
前記認証処理が成功した場合に、ユーザによる前記情報処理装置の使用を許可することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項10】
前記情報処理装置をスリープ状態に移行させて良いか否かの判定は、前記プロセッサの使用率に基づいて行われることを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置の制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−277449(P2010−277449A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−131134(P2009−131134)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】