説明

情報提供装置、及び、情報提供システム

【課題】ユーザにとって有用な情報を合理的に提供可能で利便性の高い情報提供システム等を実現する。
【解決手段】情報提供システム1では、車載用ナビゲーション装置20が、位置検出部22にて取得した現在地情報に基づいて、当該車両の駐車時間が所定時間以上である滞在場所を表す滞在情報を管理装置30に送信する。一方、管理装置30が、車載用ナビゲーション装置20から複数受信した滞在情報にそれぞれ対応する位置データに基づいて、当該ユーザの滞在場所を全て包含する集合エリアを当該ユーザの生活圏と推定する。そして、この生活圏を検索範囲として設定し、この検索範囲に適合する情報を施設等情報DB33から抽出して車載用ナビゲーション装置20に送信することによって、当該ユーザに施設等情報を提供する。これにより、当該ユーザの行動範囲内における生活様式に沿った情報が自動的に提示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設またはイベントに関する情報をユーザに提供する情報提供装置、及び、情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載される車載装置と、外部の情報センタに設けられる管理装置とが互いに通信を行うことによって、当該車両を運転するユーザに、施設またはイベントに関する情報としての施設等情報を提供する情報提供システムが知られている。
【0003】
一般的に、この種の従来の情報提供システムでは、管理装置が、当該車両の「現在地から半径○km以内」といった距離的検索範囲に適合する施設等情報をデータベースから抽出して送信し、車載装置が、管理装置から送られてくる施設等情報をユーザに提示することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−293102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の情報提供システムでは、車両の現在地から近い施設またはイベント場所に対応する施設等情報をユーザに提供できるものの、その提供できる情報に関しては、単なる距離的検索範囲で抽出された情報であるため、果たしてユーザにとって有用なものであるかどうか疑問があった。
【0006】
具体的に説明すると、従来の情報提供システムにおいて、ユーザに提供される施設等情報には、「現在地から半径○km以内」の不要な情報が含まれたり、「現在地から半径○km以上」の有用な情報が含まれなかったりすることがあるため、いわゆる情報のノイズや取りこぼしが生じやすいという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するために、ユーザにとって有用な情報を合理的に提供可能で利便性の高い情報提供装置、及び、情報提供システムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた第1発明である請求項1に記載の情報提供装置は、施設またはイベントに関する情報(以下「施設等情報」という)を提供する装置として、以下のような構成を有する。
【0009】
すなわち、情報提供装置は、情報記憶手段、現在地取得手段、検索範囲設定手段、情報抽出手段、及び、情報提示手段を備え、情報記憶手段が、複数の施設またはイベントについて、各施設またはイベント場所の位置データに対応づけて上記の施設等情報を記憶する。そして、現在地取得手段が、当該情報提供装置(当該装置)の現在地を表す現在地情報を取得し、検索範囲設定手段が、現在地取得手段により取得した現在地情報に基づいて、上記の位置データをパラメータとする検索範囲を設定する。次に、情報抽出手段が、検索範囲設定手段により設定された検索範囲に適合する施設等情報を情報記憶手段から抽出し、情報提示手段が、当該装置を所持するユーザに対して、情報抽出手段により抽出された施設等情報の少なくとも一つを提示する。
【0010】
このような構成において、本発明の情報提供装置は、以下のような特徴を有する。
すなわち、本発明の情報提供装置は、現在地取得手段により取得した現在地情報に基づいて、当該装置の移動が停止してから再開するまでの時間としての移動停止時間を計測すると共に、その移動停止時間が予め規定された滞在時間以上を示す場所を当該ユーザの滞在場所として設定する滞在場所設定手段を備える。そして、検索範囲設定手段が、滞在場所設定手段により複数設定された滞在場所にそれぞれ対応する各位置データから、当該ユーザの滞在場所を全て包含する集合エリアを当該ユーザの生活圏と推定し、その生活圏を上記の検索範囲として設定する。
【0011】
このような構成に特徴を有する情報提供装置によれば、従来のような単なる距離的検索範囲ではなく、ユーザの生活圏を模した様式的検索範囲に適合する施設等情報が抽出されるため、ユーザの生活様式に即した情報が提示されることになる。このため、ユーザに提示される情報には不要な情報(ノイズ)が抑制され、なお且つ、「現在地から半径○km以上」であっても有用な情報を取りこぼすことなく提示することが可能となる。さらに、ユーザが滞在する複数の場所から自動的にユーザの生活圏を推定するので、ユーザにとっては、手動による入力が不要であり、面倒な設定作業等を省略することが可能となる。
【0012】
したがって、本発明によれば、ユーザにとって有用な情報を合理的に提供可能で利便性の高い情報提供装置を実現することができる。
また、上記目的を達成するためになされた第2発明である請求項2に記載の情報提供システムは、上記の施設等情報を提供するシステムとして、以下のような構成を有する。
【0013】
すなわち、情報提供システムは、複数の施設またはイベントについて、各施設またはイベント場所の位置データに対応づけて施設等情報を記憶するデータベースを有する管理装置と、この管理装置と通信可能な可般型装置とを備える。そして、可般型装置が、当該可般型装置の現在地を表す現在地情報を取得して、その現在地情報に基づく情報を管理装置に送信すると共に、当該可般型装置を所持するユーザに対して、管理装置から送られてくる施設等情報の少なくとも一つを提示する。一方、管理装置が、可般型装置から送られてくる情報に基づいて、上記の位置データをパラメータとする検索範囲を設定すると共に、その検索範囲に適合する施設等情報を上記のデータベースから抽出し、その抽出した施設等情報を可般型装置に送信するように構築されている。
【0014】
このような構成において、本発明の情報提供システムは、以下のような特徴を有する。
すなわち、本発明の情報提供システムでは、可般型装置が、上記の現在地情報に基づいて当該可般型装置の移動が停止してから再開するまでの時間としての移動停止時間を計測すると共に、その移動停止時間が予め規定された滞在時間以上を示す場所を当該ユーザの滞在場所として設定し、その設定した滞在場所を表す場所情報を管理装置に送信する。そして、管理装置が、可般型装置から複数受信した場所情報にそれぞれ対応する各位置データから、当該ユーザの滞在場所を全て包含する集合エリアを当該ユーザの生活圏と推定し、その生活圏を上記の検索範囲として設定する。
【0015】
このような構成に特徴を有する情報提供システムによれば、第1発明と同様の理由により、ユーザに提示される情報には不要な情報(ノイズ)が抑制され、なお且つ、「現在地から半径○km以上」であっても有用な情報を取りこぼすことなく提示することが可能となり、さらにユーザにとって面倒な設定作業等を省略することが可能となる。
【0016】
したがって、本発明によれば、ユーザにとって有用な情報を合理的に提供可能で利便性の高い情報提供システムを実現することができる。
また、上記目的を達成するためになされた第3発明である請求項3に記載の情報提供システムは、上記の施設等情報を提供するシステムとして、第2発明と異なる以下のような構成を有する。
【0017】
すなわち、情報提供システムは、車両に搭載されて管理装置と通信可能な車載装置を可般型装置の代わりに備える。なお、これに伴い、現在地情報については、当該車両の現在地を表すことになる。
【0018】
このような構成において、本発明の情報提供システムは、以下のような特徴を有する。
すなわち、本発明の情報提供システムでは、車載装置が、当該車両の駐車時間を計測すると共に、上記の現在地情報に基づいて、その駐車時間が予め規定された滞在時間以上を示す場所を当該ユーザの滞在場所として設定し、その設定した滞在場所を表す場所情報を管理装置に送信する。そして、管理装置が、車載装置から複数受信した場所情報にそれぞれ対応する各位置データから、当該ユーザの滞在場所を全て包含する集合エリアを当該ユーザの生活圏と推定し、その生活圏を上記の検索範囲として設定する。
【0019】
このような構成に特徴を有する本発明によれば、第1及び第2発明と同様の理由により、ユーザにとって有用な情報を合理的に提供可能で利便性の高い情報提供システムを実現することができる。
【0020】
ところで、ユーザの生活圏をどのように推定するかについては各種のバリエーションが考えられる。例えば、請求項4に記載のように、ユーザの生活圏は、当該ユーザのある滞在場所から他の滞在場所までの合理的な経路を全て包含する集合エリアであってもよい。
【0021】
この場合、車両が現実的に通過し得る場所付近の施設またはイベント場所に対応する施設等情報がユーザに提示されることになり、ユーザにとっては気に入った施設等情報があればその情報に基づく施設またはイベント場所に比較的容易に立ち寄ることができる。なお、合理的な経路とは、例えば周知のダイクストラ法を用いた最小コスト計算によって算出される経路であってもよいし、実際に使用頻度の高い経路であってもよい。
【0022】
また、請求項5に記載のように、ユーザの生活圏は、当該ユーザの複数の滞在場所のうち、最も距離が大きい二つの滞在場所間を直径とする領域であってもよい。この場合、上記のような経路計算や使用頻度を考慮することなく、設定された複数の滞在場所だけによって機械的に領域が求まるため、当該生活圏を設定するための処理が容易になり、装置負担を軽減することができる。
【0023】
さらに、ユーザの生活圏を当該ユーザの日常生活圏と非日常生活圏とに分けてもよい。例えば、請求項5に記載のように、車載装置は、上記の現在地情報の取得日時に基づいて周期的に当該車両が駐車する滞在場所を日常場所として設定し、その設定した日常場所を表す日常場所情報を管理装置に送信する。一方、管理装置は、この車載装置から複数受信した日常場所にそれぞれ対応する各位置データから、当該ユーザの日常場所を全て包含する集合エリアを当該ユーザの日常生活圏、上記の生活圏のうちこの日常生活圏以外を当該ユーザの非日常生活圏とそれぞれ推定する。そして、車載装置から現在地情報を取得し、その現在地情報に基づいて、当該車両の現在地が当該ユーザの日常生活圏内であれば、その日常生活圏を上記の検索範囲とし、当該車両の現在地が当該ユーザの非日常生活圏内であれば、その非日常生活圏を上記の検索範囲としてそれぞれ設定するとよい。
【0024】
このように構成された情報提供システムによれば、ユーザの現在地を加味して生活様式により即した情報が提示されるため、いわゆる情報のノイズや取りこぼしをさらに抑制することができる。
【0025】
また、車両の現在地に基づいて日常生活圏または非日常生活圏に検索範囲を機械的に切り替えるのではなく、例外事項を設けておいた方がかえってユーザにとって利便性が高い情報を提示できることも少なくない。例えば、請求項7に記載のように、車載装置は、予め規定された例外条件を満たす場合に例外情報を生成し、その生成した例外情報を含む情報を管理装置に送信する。そして、管理装置は、この車載装置から受信した情報に例外情報が含まれている場合、当該車両の現在地が当該ユーザの日常生活圏内であっても、当該ユーザの非日常生活圏を上記の検索範囲に含めるとよい。
【0026】
具体的に言うと、請求項8に記載のように、車載装置は、当該車両の出発地から目的地までの走行経路を計算すると共に、当該車両が当該ユーザの自宅を目的地とする走行経路を走行している場合に、上記の例外情報を生成するように構成してもよい。
【0027】
このように構成された情報提供システムによれば、例えば勤務地からの帰宅時に非日常的な情報提示がなされ、ユーザに過度な緊張を緩和させる効果を期待できる。
また、請求項9に記載のように、車載装置は、当該車両の出発地から目的地までの走行経路を計算すると共に、当該車両がユーザの非日常生活圏内の場所を目的地とする走行経路を走行している場合に、上記の例外情報を生成するように構成してもよい。
【0028】
このように構成された情報提供システムによれば、例えば自宅からの遠出時に非日常的な情報提示が早期になされ、目的地を加味したより多くの有用な情報提示を行うことができる。
【0029】
また、請求項10に記載のように、車載装置は、上記の現在地情報の取得日時が休日(土曜・日曜・祝日・お盆・年末年始など)または休前日を示す場合に、上記の例外情報を生成するように構成してもよい。
【0030】
このように構成された情報提供システムによれば、例えば金曜に生活圏内を走行時に非日常的な情報提示がなされ、ユーザに旅行等の遠出願望を誘引して週末の予定をたてやすくすることができる。
【0031】
また、本発明の情報提供システムは、請求項11に記載のように、当該ユーザによって携帯されて車載装置と通信可能な携帯電話機を備え、以下のように、上記の例外情報を生成するように構成してもよい。
【0032】
すなわち、携帯電話機は、当該携帯電話機が有する全ての機能のうち、標準機能以外の機能としての付加機能の使用日時および使用時間を記録した機能履歴情報を車載装置に送信する。なお、上記の標準機能とは、通話機能、メール機能、ブラウザ機能、及び、予め規定された一ないし複数のアプリケーション機能をいう。一方、車載装置は、この携帯電話機から機能履歴情報を受信すると、当該ユーザの乗車前の一定時間内に占める上記の付加機能の使用時間が予め設定された閾値時間よりも長い場合に、上記の例外情報を生成する。
【0033】
つまり、携帯電話機の付加機能の使用時間が長いことから、ユーザの精神的余裕度が比較的高いと読み取ることができ、この場合に比較的多くの情報提示を行ってもユーザに過度な負荷をかけずに済むことになり、ひいてはユーザの精神的余裕度に沿った情報提示を行うことができる。
【0034】
このように、ユーザの負荷を考慮して情報提示を行うことは重要である。この点を考慮して、請求項12に記載のように、車載装置を以下のように構成してもよい。
すなわち、上記の各施設等情報は、互いに情報量の異なる複数の階層情報からなり、車載装置は、受信情報記憶手段、ユーザ状態推定手段、階層情報抽出手段、及び、情報表示手段を備え、受信情報記憶手段が、管理装置から施設等情報を受信すると、その施設等情報を記憶する。そして、ユーザ状態推定手段が、当該ユーザの運転時における負荷状態を推定し、階層情報抽出手段が、ユーザ状態推定手段により推定した負荷状態に応じた情報量に適合する階層情報を受信情報記憶手段から抽出する。続いて、情報表示手段が、階層情報抽出手段により抽出された階層情報の少なくとも一つを表示する。
【0035】
このように構成された情報提供システムによれば、運転時において、ユーザの負荷が小さければ比較的多い情報量の情報提示を行い、ユーザの負荷が大きければ比較的少ない情報量の情報提示を行うため、ひいてはユーザの負荷に沿った情報提示を行うことができる。
【0036】
例えば、請求項13に記載のように、各施設等情報は、上記の階層情報として、相対的に情報量が少ないラベル情報、このラベル情報よりも情報量が多い見出し情報、及び、この見出し情報よりも情報量が多い詳細情報を有し、車載装置は、当該ユーザの運転に関する操作量を検出する操作量検出手段を備える。そして、ユーザ状態推定手段が、この操作量検出手段により検出した操作量に基づいて上記の負荷状態を推定し、階層情報抽出手段が、上記の操作量が予め設定された閾値量を上回る場合にはラベル情報を抽出し、上記の操作量が上記の閾値量以下の場合には見出し情報を抽出するように構成してもよい。
【0037】
このように構成された情報提供システムによれば、ユーザが実際に行う運転操作の負荷に応じて、ユーザの負荷が大きければラベル情報を表示し、ユーザの負荷が小さければ見出し情報を表示するため、提示する情報量にユーザの負荷を確実に反映させることができる。
【0038】
また、請求項14に記載のように、各施設等情報は、上記の階層情報として、相対的に情報量が少ないラベル情報、このラベル情報よりも情報量が多い見出し情報、及び、この見出し情報よりも情報量が多い詳細情報を有し、車載装置は、当該ユーザの交感神経の高まりを表す活性度を検出する活性度検出手段を備える。そして、ユーザ状態推定手段が、この活性度検出手段により検出した活性度に基づいて上記の負荷状態を推定し、階層情報抽出手段が、上記の活性度が予め設定された第1の閾値度を下回る場合にはラベル情報を抽出し、上記の活性度が上記の第1の閾値度以上の場合には見出し情報を抽出するように構成してもよい。
【0039】
このように構成された情報提供システムによれば、実際の運転操作では図れないユーザの脳科学的な負荷に応じて、ユーザの負荷が大きければラベル情報を表示し、ユーザの負荷が小さければ見出し情報を表示するため、ユーザの脳の活性状態を加味して行き届いた情報提示を行うことができる。
【0040】
具体的には、請求項15に記載のように、上記の活性度は、当該ユーザの瞬目回数、呼吸数、心拍数、及び心電値の少なくとも一つにおいて予め設定された当該ユーザの基準値からの増加度であればよい。
【0041】
つまり、これらの増加度は、交感神経および副交感神経に依存する挙動や反応に基づくため、比較的容易に検出することができ、なお且つ、交感神経が副交感神経よりも優位に働いているバロメータとして用いることができる。
【0042】
また、請求項16に記載のように、各施設等情報は、上記の階層情報として、相対的に情報量が少ないラベル情報、このラベル情報よりも情報量が多い見出し情報、及び、この見出し情報よりも情報量が多い詳細情報を有し、車載装置は、当該ユーザの感情の一部を表す愉快度を推定する愉快度推定手段を備える。そして、ユーザ状態推定手段が、愉快度推定手段により推定した愉快度に基づいて上記の負荷状態を推定し、階層情報抽出手段が、上記の愉快度が予め設定された第2の閾値度を下回る場合にはラベル情報を抽出し、上記の愉快度が上記の第2の閾値度以上の場合には見出し情報を抽出するように構成してもよい。なお、具体的には、愉快度推定手段は、当該ユーザの視線が情報表示手段による表示箇所を一定時間以上向いていること、当該ユーザの瞳孔が拡大していること、及び、当該ユーザの発話音声が予め設定された波形パターンを示していること、のうち少なくとも一つを認識した場合に、上記の愉快度を高い値に設定すればよい。
【0043】
このように構成された情報提供システムによれば、実際の運転操作では図れないユーザの心理的な負荷に応じて、ユーザの負荷が大きければラベル情報を表示し、ユーザの負荷が小さければ見出し情報を表示するため、ユーザの心理状態を加味して行き届いた情報提示を行うことができる。また、人の感情は、脳によって引き起こされるユーザの動作や反応に基づいて推定できる。特に、視線や瞳孔から興味を抱いているかどうかを推定でき、発話音声から好印象を抱いているかどうかを推定でき、これら興味や好印象を抱いていれば愉快度が高いことになる。つまり、このような視線や瞳孔、発話音声の変化は比較的容易に認識できるので、これらを用いて好適に愉快度を推定することができる。
【0044】
なお、車載装置については、請求項17に記載のように、情報表示手段が、上記の詳細情報に切り替え可能な態様でラベル情報または見出し情報を表示するように構成してもよい。このような構成によれば、ユーザが興味を抱いた施設等情報について、例えばユーザの入力操作に応じてその情報量を多くして表示することができる。
【0045】
ところで、施設等情報は、請求項18に記載のように、予め規定された属性グループに分類されてデータベースに記憶されていれば、利便性がよい。そして、本発明の情報提供システムは、以下のように構成するとよい。すなわち、車載装置が、当該車両が駐車した施設または駐車場所でのイベントを示す滞在情報を管理装置に送信する。一方、管理装置が、車載装置から受信した滞在情報に基づいて、その滞在情報が示す施設またはイベントに共通する属性グループ内の施設等情報を、データベースから抽出するように構成する。
【0046】
このように構成された情報提供システムによれば、ユーザが実際に足を運ぶほど興味のあることに関連する各種の情報提示を行うことが可能となり、ひいてはユーザが利用する可能性の高いピンポイントな情報提示を行うことができる。
【0047】
なお、属性グループは、請求項19に記載のように、主に体を使うことに関連する体使用グループ、主に頭を使うことに関連する頭使用グループ、主に体を休めることに関連する体休息グループ、及び、主に頭を休めることに関連する頭休息グループによって区分されていれば、利便性が高い。例えば、体使用グループでは各種スポーツ、頭使用グループでは各種教材やゲーム、体休息グループでは食事や温泉、頭休息グループでは音楽鑑賞など、これらの中からユーザが興味のある各種の情報提示を行うことができる。
【0048】
また、このように各種の情報提示を行う際には、各属性グループに対してユーザの興味度合を反映させたかたちで重み付けを行ったり、提示の優先度を変えたりするとよい。
例えば、請求項20に記載のように、車載装置から送信される全ての情報には、当該車両を識別するための車両IDが含まれ、また、上記の滞在情報には、当該車両が駐車した施設またはイベント場所における当該ユーザの滞在時間を示す滞在時間情報が含まれていると、管理装置は、以下のように構成されているとよい。すなわち、管理装置は、車載装置から滞在情報を受信すると、上記の車両ID毎に予め設定された管理テーブルにその滞在情報を記憶すると共に、その管理テーブルにおいて滞在時間情報が示す滞在時間に応じて各属性グループに対する重み付けを行い、その重み付けに従ってデータベースから抽出する施設等情報の比率を決定する。
【0049】
このような構成によれば、単なる滞在回数だけでは図れないユーザの興味度合を情報提示に反映させることが可能となり、ひいてはユーザが潜在的に有する各属性グループへの興味度合のバランスをより適切に汲み取って、バランスのとれた情報提示を行うことができる。
【0050】
また、本発明の情報提供システムは、請求項21に記載のように、ユーザによって携帯されて通信可能な携帯電話機を備え、この携帯電話機を利用してユーザの興味対象を吸い上げることを目的とし、例えば以下のような構成を有してもよい。すなわち、携帯電話機が、当該ユーザによって入力される通話音声および検索文字からキーワードを抽出すると共に、その抽出したキーワードに基づくユーザ情報を管理装置に送信する。但し、このユーザ情報には、当該ユーザを識別するためのユーザIDが含まれているものとする。そして、管理装置が、携帯電話機からユーザ情報を受信すると、ユーザIDと共に予め登録された車両IDに対応する管理テーブルにそのユーザ情報を記憶すると共に、上記のキーワードに共通する属性グループ内の施設等情報を、データベースから抽出する。
【0051】
このような構成によれば、比較的容易にユーザの興味対象を特定することができ、これにより、各属性グループに対してユーザの興味度合を反映させたかたちで重み付けを行ったり、提示の優先度を変えたりすることが可能となる。
【0052】
具体的には、本発明の情報提供システムにおいて、請求項22に記載のように、携帯電話機は、当該ユーザの通話音声が、予め高い愉快度を示すパターンとして設定された波形パターンを示しているときに、その通話音声から抽出したキーワードを愉快キーワードとし、その愉快キーワードを含むユーザ情報を管理装置に送信する。そして、管理装置が、この愉快キーワードに共通する属性グループ内の施設等情報を優先的に、車載装置に送信するように構成してもよい。
【0053】
このような構成によれば、ユーザの興味対象を精度よく特定することができ、その精度よく特定できた興味対象に関連する情報を優先的に提供するため、ユーザに対してピンポイントな情報提示を行うことができる。
【0054】
あるいは、本発明の情報提供システムは、請求項23に記載のように、携帯電話機が、同様にして愉快キーワードを含むユーザ情報を管理装置に送信し、管理装置が、管理テーブルにおいて愉快キーワードの個数に応じて属性グループに対する重み付けを行うように構成してもよい。
【0055】
このような構成によれば、ユーザが潜在的に有する各属性グループへの興味度合のバランスを精度よく推定することができ、これにより、ユーザの嗜好に沿ったより適切なバランスで各種の情報提示を行うことができる。
【0056】
また、本発明の情報提供システムは、請求項24に記載のように、携帯電話機をさらに利用して、ユーザの嗜好により合った情報提示を目的とし、例えば以下のような構成を有してもよい。すなわち、施設等情報には、携帯電話機から提供される情報が含まれ、また、データベースには、施設等情報の提供者に対応するユーザIDがその施設等情報に対応づけて記憶されており、携帯電話機は、上記の愉快キーワードを抽出した際の通話相手を価値観共有者とし、その価値観共有者を特定するための情報を含むユーザ情報を管理装置に送信する。そして、管理装置が、携帯電話機から受信したユーザ情報に基づいて、前記価値観共有者に対応するユーザIDに適合する施設等情報をデータベースから抽出し、その抽出した施設等情報を優先的に、当該ユーザの車載装置に送信する。
【0057】
つまり、ユーザの好みに合いそうな情報は、価値観共有者が好きな施設やイベントと重なることが多い。このため、価値観共有者からの情報は、年齢も環境もわからない匿名の誰かからの情報よりもユーザにとって確かな情報となり得る。よって、ユーザの価値観共有者の好みや評価が先にあって、その文脈に沿ってユーザにとってより有用な情報を優先的に提示することができる。
【0058】
また、本発明の情報提供システムは、請求項25に記載のように、携帯電話機が、当該携帯電話機を利用して、上記のキーワードに関する商品について決済を行ったときの決済金額を含むユーザ情報を管理装置に送信し、管理装置が、管理テーブルにおいてその決済金額に応じて属性グループに対する重み付けを行うように構成してもよい。
【0059】
このような構成によっても、興味度合のバランスを精度よく推定することができ、これにより、ユーザの嗜好に沿ったより適切なバランスで各種の情報提示を行うことができる。
【0060】
ところで、管理装置から車載装置に施設等情報を送信する際には、季節性や時間帯を加味したタイミングで行うとよい。例えば、請求項26に記載のように、携帯電話機は、上記のキーワードの抽出日時を含むユーザ情報を管理装置に送信する。一方、管理装置は、管理テーブルにおいて上記の抽出日時と共にキーワードを記憶すると共に、その抽出日時に基づく季節に、そのキーワードに共通する属性グループ内の施設等情報を車載装置に送信する。
【0061】
このように構成すれば、季節毎に変わるユーザの興味対象を予め記憶することが可能となり、毎年同じ季節においてユーザに適した情報提示を早期に行うことができる。
また、本発明の情報提供システムは、請求項27に記載のように、携帯電話機が、キーワードの抽出時刻を含むユーザ情報を管理装置に送信し、管理装置が、管理テーブルにおいて上記の抽出時刻と共にキーワードを記憶すると共に、その抽出時刻に、そのキーワードに共通する属性グループ内の施設等情報を車載装置に送信するように構成してもよい。
【0062】
このような構成によれば、時刻毎に変わるユーザの興味対象を予め記憶することが可能となり、毎日同じ時刻においてユーザに適した情報提示を早期に行うことができる。
以上、本発明の情報提供システムにおいて、管理装置が当該ユーザの生活圏を推定するパターンについて説明したが、これに限らず、可般型装置や車載装置が管理装置の代わりに行う構成であってもよい。
【0063】
例えば、請求項28に記載のように、可般型装置が、現在地情報に基づいて当該可般型装置の移動停止時間を計測すると共に、その移動停止時間が予め規定された滞在時間以上を示す場所を当該ユーザの滞在場所として設定し、複数設定した滞在場所にそれぞれ対応する各位置データから、当該ユーザの滞在場所を全て包含する集合エリアを当該ユーザの生活圏と推定し、その生活圏を表す圏情報を管理装置に送信する。そして、管理装置が、可般型装置から受信した圏情報に基づいて、当該ユーザの生活圏を検索範囲として設定するように構成する。
【0064】
あるいは、請求項29に記載のように、車載装置が、当該車両の駐車時間を計測すると共に、現在地情報に基づいて、その駐車時間が予め規定された滞在時間以上を示す場所を当該ユーザの滞在場所として設定し、複数設定した滞在場所にそれぞれ対応する各位置データから、当該ユーザの滞在場所を全て包含する集合エリアを当該ユーザの生活圏と推定し、その生活圏を表す圏情報を管理装置に送信する。そして、管理装置が、車載装置から受信した圏情報に基づいて、当該ユーザの生活圏を検索範囲として設定するように構成する。
【0065】
これらの構成によれば、管理装置が個々のユーザの生活圏を全て推定する必要がなくなるため、管理装置の負担を大幅に軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明が適用された情報提供システムの構成を示すブロック図である。
【図2】属性グループおよび管理テーブルにおける属性レーダチャートを説明するための模式図である。
【図3】携帯電話機10の制御部15が実行するユーザ情報送信処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】車載用ナビゲーション装置20の制御部21が実行する情報送信処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】車載用ナビゲーション装置20の制御部21が実行する情報提示処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】管理装置30の制御部31が実行するリアルタイム情報生成処理を説明するための模式図である。
【図7】管理装置30の制御部31が実行する圏情報登録処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】管理装置30の制御部31が実行する属性情報生成処理を説明するための模式図である。
【図9】管理装置30の制御部31が実行する施設等情報送信処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0067】
以下に、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[全体構成]
図1は、本発明が適用された情報提供システムの構成を示すブロック図である。
【0068】
図1に示すように、本実施形態の情報提供システム1は、車両を運転するユーザによって携帯される携帯電話機10と、当該車両に搭載された車載用ナビゲーション装置20と、当該情報提供システム1の運営者側の施設である情報センタに設置された管理装置30とを備える。
【0069】
つぎに、情報提供システム1を構成する各機10および装置20,30の具体的な構成について説明する。
[携帯電話機10の構成]
本実施形態の携帯電話機10は、ユーザからの操作を受け付ける入力パネル11が表示パネル12の表面に一体的に配設されたタッチパネル部13を有する周知のスマートフォンとして構成されている。なお、昨今のスマートフォンには、周知の通話機能、メール機能、ブラウザ機能、及び、アプリケーション機能の一部(ワープロ機能や、表計算機能、電子決済機能等)といった標準機能と、アプリケーション機能のうちゲーム機能やカメラ機能、画像編集機能、動画再生機能、音楽再生機能といった付加機能とが少なくとも実装されていることから、本実施形態の携帯電話機10についても同様の機能を有している。
【0070】
携帯電話機10は、タッチパネル部13の他に、これらの機能を実現するための処理を主に行う制御部15と、各種の情報を記憶する記憶部16と、車載用ナビゲーション装置20および管理装置30との間で無線通信を行う通信部17と、各種のセンサからなる検出部18とを備える。
【0071】
タッチパネル部13は、各種画像や動画、テキスト等を表示パネル12に表示すると共に、表示パネル12における各種のアイコン等に対応する箇所のタッチ操作を入力パネル11にて受け付ける周知のものである。なお、入力パネル11の動作原理については、マトリックススイッチ方式や、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式などがあるが、いずれの方式を採用してもよい。
【0072】
制御部15は、CPU,ROM,RAM,I/O及びこれらを接続するバスライン等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM等に記憶されたプログラムに従って各種処理を実行する。
【0073】
記憶部16は、各種情報を記憶可能に構成されており、当該ユーザを識別するためのユーザIDが予め記憶されている。また、記憶部16には、制御部15によって、少なくとも付加機能を実現するための処理を開始した日時と終了した日時(つまり使用日時)とその使用時間とが機能履歴情報として記録される領域が予め用意されている。また、記憶部には、施設等情報に関連したりユーザの興味対象を特定したりするために必要な各種のキーワードが記憶されている。また、記憶部16には、人が発する音声の周波数からその人の感情を分析する公知のアルゴリズムを用いて、人が「愉快」と感じる度合(以下「愉快度」という)が高い周波数のパターンとして予め設定された波形パターンが予め記憶されている。
【0074】
通信部17は、車載用ナビゲーション装置20との間で無線通信を行うための狭域無線通信部と、管理装置30との間で無線通信を行うための広域無線通信部とからなる。なお、狭域無線通信部は、少なくとも車載用ナビゲーション装置20が搭載された車両の室内全域をカバーする通信エリア(近距離無線通信可能なエリア)内で通信可能に構成されており、例えば、Bluetooth(登録商標)、無線LAN、微弱無線通信等が用いられる。また、広域無線通信部は、管理装置30との間の通信を中継する外部の無線基地局等がカバーする通信エリアにおいて通信が可能なように構成されており、本実施形態では、携帯電話網を介した無線データ通信が用いられる。
【0075】
検出部18は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの電波(GPS信号)を受信するGPSセンサと、互いに直交する3軸の速度を検出する速度センサと、ロール,ピッチ,ヨーの3軸の角速度を検出するジャイロセンサと、地磁気から3次元の方位角度を検出する地磁気センサ等から構成されている。そして、これらのセンサが個々に有する誤差を補完しながら当該携帯電話機10の現在地や移動速度等を検出するように構成されている。
【0076】
また、検出部18は、温度や湿度、気圧、照度をそれぞれ検出する各センサを備え、先の当該携帯電話機10の現在地や移動速度と共に、これらの検出値を表す信号(検出信号)を定期的に制御部15に入力するように構成されている。
【0077】
[車載用ナビゲーション装置20の構成]
車載用ナビゲーション装置20は、目的地までの最適経路の探索及び走行案内等を行ういわゆるナビゲーションシステムを構成するものであり、特許請求の範囲における車載装置として機能するように構成されている。この車載用ナビゲーション装置20は、車両に搭載された状態で用いられるものであり、情報提供システム1を利用する車両が複数存在する場合には、各車両に1つずつ搭載される。
【0078】
そして、車載用ナビゲーション装置20は、車載用ナビゲーション装置20全体の動作を制御する制御部21と、車両の現在位置を検出する位置検出部22と、ユーザからの操作を受け付ける操作部23と、各種データを記憶する記憶部24と、各種情報を表示するための表示部25と、携帯電話機10および管理装置30との間で無線通信を行う通信部26と、携帯電話機10に接続するためのインターフェース部27と、各種音声を出力する音声出力部28とを備える。
【0079】
また、車載用ナビゲーション装置20には、ユーザの運転に関する各種操作量を検出するために、アクセルやブレーキの踏込量をそれぞれ検出する各踏込量センサや、ステアリングホイールの操舵量を検出する操舵量センサ等が接続されている。また、車載用ナビゲーション装置20には、ユーザの交感神経の高まりを表す活性度、及び、ユーザの感情の一部を表す上記の愉快度を検出するために、心電値や心拍数などをそれぞれ検出する各生体センサや、ユーザの目が瞬きする回数(瞬目回数)、瞳孔の大きさ、視線の向きをそれぞれ検出するための画像センサが接続されている。なお、生体センサは、ステアリングホイールの周方向に沿って設置された一対の電極にユーザの左右の手がそれぞれ接触することによって発生する電位差に基づいて心電値を検出したり、ステアリングホイールの表面内側の所定位置に設置された光電素子にユーザの指先が接触することによって生じる受光量の変化に基づいて脈拍数から心拍数を検出したりする。また、生体センサには、例えばユーザの鼻または口付近に装着してユーザの呼吸数を検出するセンサが含まれている。
【0080】
制御部21は、CPU,ROM,RAM,I/O及びこれらを接続するバスライン等からなる周知のコンピュータを中心に構成されており、ROMや外部記憶装置等に記憶されたプログラムに従って各種処理を実行する。例えば、ナビゲーション関係の処理としては、記憶部24に格納されている地図データに基づいて表示部25に地図を表示する地図表示処理、現在位置から目的地までの最適経路を探索する経路探索処理、探索した最適経路に沿って表示部25および音声出力部28を介して走行案内を行う走行案内処理等が挙げられる。また、本発明における特徴的な処理として、管理装置30からユーザが利用可能な施設やイベントに関する情報(以下「施設等情報」という)を取得し、ユーザに対して提示するための処理等を実行する。この処理等の詳細については後述する。
【0081】
位置検出部22は、GPS用の人工衛星からの送信電波をGPSアンテナを介して受信し、車両の位置等を検出するGPS受信機と、車両に加えられる回転運動の角速度に応じた検出信号を出力するジャイロスコープと、車両の速度に応じた検出信号を出力する速度センサ等から構成されている。そして、GPSアンテナ及び各センサは、各々が性質の異なる誤差を有しているため、互いに補完しながら使用し、車両の現在地を表す現在地情報を取得するように構成されている。
【0082】
操作部23は、ユーザからの操作を受け付けるためのものであり、表示部25と一体に構成され表示画面状に一体に構成されるタッチパネル、及び、表示部25の周囲に設けられたメカニカルなキースイッチ等が用いられる。
【0083】
記憶部24は、位置検出精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データや、地図データ、車載用ナビゲーション装置20の作動のためのプログラム等を記憶する。また、記憶部24には、管理装置30から送られてくる施設等情報などを記憶するための領域が設けられている。また、記憶部24には、当該車両を識別するための車両IDが予め記憶されている。
【0084】
表示部25は、液晶ディスプレイ等の表示面を有するカラー表示装置であり、制御部21からの映像信号の入力に応じて各種画像を表示面に表示可能に構成されている。例えば、車両が走行中においては、ナビゲーション画面として位置検出部22にて検出した車両の現在位置と記憶部24より入力された地図データとから特定した現在地を示すマーク、目的地までの誘導経路、名称、目印、各種ランドマークのシンボル等の付加データとが重ねて表示される。また、記憶部24から抽出された施設等情報等の種々の情報も表示可能に構成されている。
【0085】
通信部26は、携帯電話機10との間で無線通信を行うための狭域無線通信部と、管理装置30との間で無線通信を行うための広域無線通信部とからなる。なお、これら各部の詳細については携帯電話機10の構成において説明したとおりである。
【0086】
インターフェース部27は、携帯電話機10を有線接続していわゆるハンズフリー通話を実現するための接続装置であり、通話相手が発する音声を音声出力部28を介して車内スピーカに出力する。また、携帯電話機10との間で有線通信を行うことによって各種情報を取得することも可能に構成されている。
【0087】
[管理装置30の構成]
管理装置30は、当該情報提供システム1を利用するユーザに関する情報、及び、ユーザに対して提供する施設等情報を統括管理するためのものであり、当該情報提供システム1の運営者側の施設である情報センタに設置される。なお、管理装置30としては、複数の車載用ナビゲーション装置20に対して、1つのものが共通して用いられる。
【0088】
この管理装置30は、管理装置30全体の動作を制御する制御部31と、外部装置との間で通信を行う通信部32と、各種の施設等情報を記憶するデータベースである施設等情報データベース(DB)33と、ユーザの属性に関する各種情報を表す管理テーブル4を記憶するデータベースである属性情報データベース(DB)34と、その他の各種情報(前述の地図データを含む)を記憶する記憶部35とを備える。
【0089】
制御部31は、CPU,ROM,RAM,I/O及びこれらを接続するバスライン等からなる周知のコンピュータを中心に構成されており、ROMや図示しない外部記憶装置等に記憶されたプログラムに従って各種処理を実行する。なお、外部記憶装置には、施設またはイベント場所の名称や住所、電話番号等と位置データとが対応づけられた地図データが予め記憶されている。
【0090】
通信部32は、複数の車載用ナビゲーション装置20および携帯電話機10との間で携帯電話網を介した無線やDSRC等によるデータ通信を行うためのものである。また、インターネット2を介して、複数の情報提供者側端末40(各施設等の運営者や他のユーザによって使用される端末)との間でデータ通信を行う。
【0091】
施設等情報DB33には、複数の施設またはイベントについて、個々の施設またはイベント場所の位置データと情報提供者のユーザIDとに対応づけて施設等情報が記憶されている。この施設等情報DB33に記憶されている施設等情報は、インターネット2を介して管理装置30と通信可能に接続された上記の情報提供者側端末40や、携帯電話網をさらに介して管理装置30と通信可能に接続された上記の携帯電話機10から、管理装置30に対して随時登録または更新が可能となっている。また、この種の施設等情報には、ブログやツイッタといったSNS(Social Networking Site)に書き込まれた内容も用いられる。
【0092】
また、施設等情報は、互いに情報量の異なる3つの階層情報として、「ラベル情報」、「見出し情報」、及び、「詳細情報」によって構成されている。このうち、「ラベル情報」は、当該施設等情報をユーザに対して提示する際において、施設またはイベント場所の位置になにか情報が存在することを表すアイコン等を構成する情報であり、「見出し情報」や「詳細情報」に対して相対的にデータ量の少ない情報で構成される。「見出し情報」は、当該施設等情報をユーザに対して提示する際におけるヘッドライン(見出し)やタイトル(表題)を構成する情報であり、「詳細情報」に対して相対的にデータ量の少ない情報で構成される。「詳細情報」は、当該施設等情報をユーザに対して提示する際における詳細な提示内容を構成する情報であり、文字データや画像データを中心に構成される。なお、「詳細情報」には、実際に施設またはイベントに訪れたユーザによる評価やコメント等も含まれている。
【0093】
また、施設等情報は、その情報内容の種類に応じて、予め規定された「属性グループ」3に分類されて施設等情報DB33に記憶されている。本実施形態では、この属性グループ3が、主に体を使うことに関連する内容を含む情報で構成される「体使用グループ」3A、主に頭を使うことに関連する内容を含む情報で構成される「頭使用グループ」3B、主に体を休めることに関連する内容を含む情報で構成される「体休息グループ」3C、及び、主に頭を休めることに関連する内容を含む情報で構成される「頭休息グループ」3Dによって区分されている。例えば、体使用グループ3Aにはスイミングやスキー等に関連する施設等情報、頭使用グループ3Bには教材やゲーム等に関連する施設等情報、体休息グループ3Cには食事や温泉に関連する施設等情報、頭休息グループ3Dにはクラシック音楽や美術(芸術)等に関連する施設等情報がそれぞれ含まれている(図2(a)参照)。
【0094】
属性情報DB34には、複数のユーザについて、個々のユーザ毎に管理テーブル4が用意されており、車載用ナビゲーション装置20や携帯電話機10から送られてくる各種情報がこの管理テーブル4に記録されるようになっている。また、この管理テーブル4に記録された各種情報の内容に応じて、個々のユーザが興味を示す傾向を上記の各属性グループ3A〜3Dに対する重み付けによって表した属性レーダチャート5(図2(b)参照)。なお、管理テーブル4には、上記の車両IDやユーザID、当該ユーザが所有する携帯電話機10の電話番号、メールアドレス等が予め登録されている。
【0095】
[携帯電話機10の制御処理]
次に、まず携帯電話機10で実行される各処理について説明する。
[1.施設等情報提供処理]
この処理は、当該携帯電話機10を所持するユーザによるタッチパネル部13への操作によって、当該携帯電話機10のブラウザ機能が立ち上げられたときに開始される。そして、制御部15は、ブラウザ機能を利用して、当該情報センタによって運営されるホームページ(WEBサイト)にアクセスし、そのホームページ上において、施設またはイベントについて、その名称、評価、コメント(感想等)、画像(動画を含む)などが入力されて決定操作がなされると、これらの情報を施設等情報として、当該ユーザのユーザIDと共に通信部17を介して管理装置30に送信する。あるいは、他のWEBサイトから例えばツイッタやブログ等による書き込みがなされると、その中から記憶部16に記憶されているキーワードを抽出した場合、その抽出したキーワードを含む書き込み内容を表す情報を上記の施設等情報として、当該ユーザのユーザIDと共に通信部17を介して管理装置30に送信する。このようにして、ユーザは携帯電話機10を用いて施設等情報を情報センタに提供することができる。
【0096】
[2.センサ情報提供処理]
この処理は、当該携帯電話機10本体の電源がオンされると開始される。そして、制御部15は、検出部18から定期的に入力される各種の検出信号に基づいて、当該携帯電話機10の現在地や移動速度、その現在地における温度や湿度、気圧、照度を表す情報をセンサ情報として、当該ユーザのユーザIDと共に通信部17を介して管理装置30に送信する。なお、当該ユーザによるタッチパネル部13への操作によって、当該携帯電話機10の通話機能が立ち上げられた場合には、当該携帯電話機10への入力音声の大きさを表す情報を上記のセンサ情報に含めて送信する。このようにして、携帯電話機10の現在地におけるセンサ情報が自動的に管理装置30に送信され、これにより、各施設またはイベント場所における各種情報が情報センタに提供される。
【0097】
[3.ユーザ情報送信処理]
図3は、携帯電話機10の制御部15が実行する「ユーザ情報送信処理」の手順を示すフローチャートである。
【0098】
この処理は、当該携帯電話機10を所持するユーザによるタッチパネル部13への操作によって、当該携帯電話機10のブラウザ機能または通話機能が立ち上げられたときに開始される(S101)。
【0099】
本処理の開始トリガがブラウザ機能の立ち上げである場合には(S101;A)、S102に移行し、ホームページ上の検索エンジンを利用してなにかワードが検索(入力)されたか否かを判断し、ここで肯定判断した場合には、その検索ワードの入力日時(検索日時)および時刻(検索時刻)を記憶部16に記憶してS103に移行し、否定判断した場合にはS105に移行する。なお、検索ワードは、予め記憶部16に記憶されているキーワードに該当する場合に採用するようにしてもよい。
【0100】
S103では、S102における検索ワードを用いて検索エンジンを介して移動したホームページ(WEBサイト)の閲覧が終了するまでの時間(閲覧時間)を計測し、S104に移行する。なお、閲覧時間は、検索時刻から例えばWEBブラウザのお気に入りやURLの直接入力によって他のWEBサイトに移動した時刻までとする。
【0101】
S104では、S102で記憶部16に記憶された検索ワード及び検索日時と、S103における閲覧時間とをそれぞれ表す情報をユーザ情報として生成し、S111に移行する。
【0102】
一方、S105では、タッチパネル部13への操作内容に基づいて、閲覧中のホームページからいわゆるネットショッピングによって商品が購入されたか否かを判断し、ここで肯定判断した場合には、その購入商品の名称または類似するワード(商品ワード)を、予め記憶部16に記憶されているキーワードから抽出してS106に移行し、否定判断した場合にはS101に戻る。
【0103】
S106では、S105における商品ワード、購入金額(決済額)、及び購入日時(決済日時)をそれぞれ表す情報を上記のユーザ情報として生成し、S111に移行する。
また、本処理の開始トリガが通話機能の立ち上げである場合には(S101;B)、S107に移行し、当該ユーザの通話中に携帯電話機10に入力される音声を認識すると共に、その認識した通話音声の中に、記憶部16に記憶されているキーワードが存在するか否かを判断し、肯定判断した場合には、そのキーワードを抽出してS108に移行し、否定判断した場合にはS101に戻る。
【0104】
S108では、S107におけるキーワードを当該ユーザが発したときの音声周波数が、予め記憶部16に記憶されている波形パターンを示しているか否かを判断し、ここで肯定判断した場合にはS109に移行し、否定判断した場合にはS110に移行する。
【0105】
S109では、S107におけるキーワードについて、当該ユーザが「愉快」と感じながら発したキーワード(以下「愉快キーワード」という)であることを表す感情フラグをセットして、S110に移行する。
【0106】
S110では、S107におけるキーワード、その抽出回数および抽出日時、当該ユーザの通話相手(例えば電話番号)、及びその通話時間と、S109における感情フラグの有無とをそれぞれ表す情報を上記のユーザ情報として生成し、S111に移行する。
【0107】
S111では、S104、S106、又はS110のいずれかにおいて生成したユーザ情報を、当該ユーザのユーザIDと共に通信部17を介して管理装置30に送信する。このようにして、ユーザの興味対象等を表すユーザ情報が自動的に管理装置30に送信され、これにより、当該ユーザの属性を把握するために必要な各種情報が情報センタに提供される。
【0108】
[4.履歴送信処理]
この処理は、当該携帯電話機10が車載用ナビゲーション装置20に有線接続されるか、あるいは車載用ナビゲーション装置20から通信部17を介して情報取得要求を受信すると開始される。そして、制御部15は、上記の付加機能に関するユーザの使用日時および使用時間を記録した機能履歴情報を、記憶部16から読み出して、その読み出した機能履歴情報を有線または無線通信によって車載用ナビゲーション装置20に送信する。なお、このように機能履歴情報を車載用ナビゲーション装置20に送信する目的については後述する。
【0109】
[車載用ナビゲーション装置20の制御処理]
次に、車載用ナビゲーション装置20で実行される各処理について説明する。
[1.受信情報記憶処理]
この処理は、当該携帯電話機10本体の電源がオンされると開始される。そして、制御部21は、当該ユーザが所持する携帯電話機10との通信が確立するまで通信部26を介して上記の情報取得要求を送信すると共に、この携帯電話機10から上記の機能履歴情報を受信すると、その機能履歴情報を記憶部24に記憶する。また、管理装置30から通信部26を介して前述の施設等情報を受信すると、その施設等情報を前述のラベル情報・見出し情報・詳細情報毎に読み出し可能なかたちで記憶部24に記憶する。また、管理装置30から通信部26を介して後述する圏情報を受信すると、当該ユーザの日常的な行動範囲を表す日常生活圏と非日常的な行動範囲を表す非日常生活圏とを読み出し可能なかたちでその圏情報を記憶部24に記憶する。このようにして、携帯電話機10からの機能履歴情報と、管理装置30からの施設等情報および圏情報とが記憶部24に記憶される。なお、記憶部24に記憶される情報のうち、機能履歴情報および圏情報は最新の受信情報によって更新され、施設等情報は詳細情報が制御部21によって読み出されると消去される。
【0110】
[2.情報送信処理]
図4は、車載用ナビゲーション装置20の制御部21が実行する「情報送信処理」の手順を示すフローチャートである。
【0111】
この処理は、車載用ナビゲーション装置20本体の電源がオンされると開始される。なお、制御部21は、車載用ナビゲーション装置20本体の電源が前回オフされた日時を駐車開始日時として予め記憶部24に記憶しているものとする。
【0112】
本処理が開始されると、まず、S201では、この処理の開始トリガとして車載用ナビゲーション装置20本体の電源がオンされた日時を駐車終了時刻とし、記憶部24に予め記憶された駐車開始日時からこの駐車終了時刻までの時間を駐車時間として、この駐車時間が予め規定された滞在時間以上を示すか否かを判断する。そして、ここで肯定判断した場合にはS202に移行し、否定判断した場合にはS207に移行する。
【0113】
S202では、当該車両が上記の滞在時間以上駐車した場所を当該ユーザの滞在場所として、この滞在場所が、自宅・通勤地(通学地)・食料品店(スーパーマーケット等)・習い事教室(スポーツジム等も含む)といった日常的に訪れる場所(日常場所)と、旅行先や出張先といった非日常的に訪れる場所(非日常場所)とのいずれであるかを推定する。
【0114】
具体的には、位置検出部22から取得した現在地情報に基づいて、この滞在場所の位置データを上記の駐車開始時刻および駐車終了時刻と共に記憶部24に記憶しておき、この記憶データに基づいて、周期的に当該車両が駐車する同一の滞在場所における駐車時間帯が平日の深夜であれば、その滞在場所を自宅と推定する。また、周期的に当該車両が駐車する同一の滞在場所における駐車時間帯が平日の昼間であって、その駐車時間が比較的長い時間であれば、その駐車時間を勤務時間、その滞在場所を通勤地(通学地)とそれぞれ推定する。また例えば、周期的に当該車両が駐車する同一の滞在場所における駐車時間に応じて、比較的短い時間であれば、その駐車時間を買物時間、その滞在場所を食料品店とそれぞれ推定し、買物時間より長く勤務時間より短い時間であれば、その滞在場所を習い事教室と推定する。
【0115】
続くS203では、S202で推定した滞在場所が上記の日常場所であるか否かを判断し、ここで肯定判断した場合には、その旨を表す日常フラグをセットしてS204に移行し、ここで否定判断した場合にはS205に移行する。
【0116】
S204では、上記の日常場所の位置データ、その場所の種類(自宅・通勤地・食料品店・習い事教室など)、及び、駐車時間帯を表す情報を場所情報(日常場所情報)として生成し、S206に移行する。
【0117】
一方、S205では、上記の非日常場所の位置データと、記憶部24に格納されている地図データとに基づいて、旅行先または出張先としての施設またはイベントの名称とその場所、その滞在日時、及び、滞在時間を表す情報を場所情報(滞在情報)として生成し、S206に移行する。
【0118】
S206では、S204又はS205のいずれかにおいて生成した場所情報を、当該車両の車両IDと共に通信部26を介して管理装置30に送信し、S207に移行する。このようにして、ユーザの滞在場所を表す場所情報が自動的に管理装置30に送信され、これにより、当該ユーザの生活圏を把握するために必要な情報が情報センタに提供される。
【0119】
次に、S207では、記憶部24に記憶されている機能履歴情報、位置検出部22から取得した現在地情報、及び、前述の経路探索処理における目的地の少なくとも一つに基づいて、予め規定された例外条件を満たすか否かを判断し、ここで肯定判断した場合にはS208に移行し、否定判断した場合にはS209に移行する。
【0120】
具体的には、当該ユーザの乗車前の一定時間内に占める携帯電話機10の付加機能の使用時間が所定の閾値時間よりも長い場合、現在地情報の取得日時が休日または休前日を示す場合、当該車両が当該ユーザの自宅を目的地とする走行経路を走行している場合、又は、記憶部24から読み出した圏情報を参照し、上記の目的地が当該ユーザの非日常生活圏内の場所である場合に、上記の例外条件を満たすものとする。
【0121】
S208では、S207における例外条件を満たすことを表す例外情報を生成し、その生成した例外情報を、当該車両の車両IDと共に通信部26を介して管理装置30に送信し、S209に移行する。
【0122】
S209では、位置検出部22から取得した現在地情報を、当該車両の車両IDと共に通信部26を介して管理装置30に送信し、S207に移行する。このようにして、ユーザの現在地を表す現在地情報(場合によっては例外情報)が自動的に管理装置30に送信され、以上により、当該ユーザに提供する施設等情報を抽出するために必要な全ての情報が管理装置30に送信される。
【0123】
[3.情報提示処理]
図5は、車載用ナビゲーション装置20の制御部21が実行する「情報提示処理」の手順を示すフローチャートである。
【0124】
この処理は、車載用ナビゲーション装置20本体の電源がオンされ、前述の受信情報記憶処理によって記憶部24に最初の施設等情報が格納されると開始される。
本処理が開始されると、まず、S301では、当該車載用ナビゲーション装置20に接続された各検出センサから入力された検出信号に基づいて、当該ユーザの運転時における負荷状態を推定するために必要な各検出値を取得する。
【0125】
続くS302では、S301で取得した検出値のうち、踏込量センサ及び操舵量センサにより検出した操作量が、予め規定された閾値量を上回るか否かを判断し、ここで肯定判断した場合にはS305に移行し、否定判断した場合にはS303に移行する。
【0126】
次に、S303では、S301で取得した検出値のうち、各生体センサにより検出した心電値、心拍数、及び、呼吸数と、画像センサにより検出した瞬目回数とのうち少なくとも一つにおいて、予め設定された当該ユーザの基準値からの増加度を前述の活性度として算出し、この算出した活性度が所定の閾値度(第1の閾値度)以上であるか否かを判断し、ここで肯定判断した場合にはS304に移行し、否定判断した場合にはS305に移行する。
【0127】
さらに、S304では、S301で取得した検出値のうち、画像センサにより検出された瞳孔の大きさ及び視線の向きと、インターフェース部27を介して入力された当該ユーザの発話音声との少なくとも一つに基づいて、前述の愉快度を設定し、その設定した愉快度が所定の閾値度(第2の閾値度)以上であるか否かを判断し、ここで肯定判断した場合にはS306に移行し、否定判断した場合にはS305に移行する。
【0128】
具体的には、当該ユーザの瞳孔が所定量よりも拡大していること、当該ユーザの視線が表示部25による表示箇所を一定時間以上向いていること、及び、ハンズフリー通話時の当該ユーザの発話音声が予め設定された前述の波形パターンを示していること、のうち少なくとも一つを認識した場合に、上記の第2の閾値度と比較して高い値に愉快度を設定する。
【0129】
そして、S305では、当該ユーザの運転時における負荷が比較的大きい状態であるものと推定し、その負荷状態に応じた情報量に適合する階層情報として、ラベル情報を記憶部24から抽出し、その抽出したラベル情報を表示部25に表示する。なお、表示部25には、このラベル情報と共に施設等情報を構成する見出し情報または詳細情報にリンク可能なリンクボタンも表示される。
【0130】
一方、S306では、当該ユーザの運転時における負荷が比較的小さい状態であるものと推定し、その負荷状態に応じた情報量に適合する階層情報として、見出し情報を記憶部24から抽出し、その抽出した見出し情報を表示部25に表示する。なお、表示部25には、この見出し情報と共に施設等情報を構成する詳細情報にリンク可能なリンクボタンも表示される。
【0131】
S305またはS306から続くS307では、所定時間内に操作部23を介して上記のリンクボタンがタッチ操作されるまで待機し、ここでリンクボタンのタッチ操作がなされるとS308に移行して、表示部25における表示をラベル情報または見出し情報から詳細情報に切り替え、本処理を終了する。
【0132】
なお、表示部25における施設等情報(各階層情報)の表示形態については、ナビゲーション画面に映し出される地図上に表示してもよいし、この地図とは独立して別途表示するようにしてもよい。また、複数の施設等情報を同時に表示してもよいし、当該車両の現在地に基づいて距離的に近い情報から順に表示してもよい。特に、走行経路上の当該車両の進行方向において距離的に近い情報から順に表示してもよい。
【0133】
[管理装置30の制御処理]
最後に、管理装置30で実行される各処理について説明する。
[1.施設等情報登録処理]
この処理は、管理装置30本体の電源がオンされると開始される。そして、制御部31は、情報提供者側端末40または携帯電話機10から通信部32を介して施設等情報を受信すると、その施設等情報を、当該施設またはイベント場所の位置データと、各施設等の運営者を識別するための運営者IDまたは前述のユーザIDとに対応づけて施設等情報DB33に記憶する。なお、既に同じ場所の施設等情報が施設等情報DB33に記憶されている場合には、その記憶内容を更新する。
【0134】
[2.リアルタイム情報生成処理]
この処理は、管理装置30本体の電源がオンされると開始される。そして、制御部31は、携帯電話機10から通信部32を介してセンサ情報を受信すると、そのセンサ情報を、その情報の受信日時とユーザIDとに対応づけて記憶部35に記憶する。具体的には、図6に示すように、記憶部35には、センサ情報に基づいて、当該携帯電話機10の現在地に対応する施設またはイベント場所、照度(明るさ)及び気圧の程度、温度、湿度、移動速度、入力音声の大きさに対応する周囲の騒音の程度などが、受信日時とユーザIDとに対応づけられて保存される。次に、制御部31は、これら情報に基づいて、施設またはイベント場所におけるリアルタイム状況を推定し、その推定結果を表すリアルタイム情報を生成する。例えば、当該施設またはイベント場所が屋内(デパート等)であれば、騒音の程度から多くの人が訪れていることが推定でき、また移動速度が極めて定速を示す場合には混雑していることが推定できる。また、当該施設またはイベント場所が屋外(スキー場等)であれば、時刻に対する明るさや湿度からその場所の天気が推定でき、気圧や温度(但し複数の異なる情報が必要)からその場所の標高が推定できる。また、ユーザIDからどのような人(例えば、価値観共有者)が実際に訪れているかを推定することができる。そして、最後に、制御部31は、以上のように推定した結果を表すリアルタイム情報を、この情報と同じ施設またはイベントに関する施設等情報のうちの詳細情報に含めるかたちで、施設等情報DB33に記憶する。このようにして、携帯電話機10にリアルタイム情報を生成するための一種のセンサとしての役割を担わせることによって、施設等情報の内容、ひいてはユーザに提供できる内容をバラエティに富んだものとすることができる。
【0135】
[3.圏情報登録処理]
図7は、管理装置30の制御部31が実行する「圏情報登録処理」の手順を示すフローチャートである。
【0136】
この処理は、車載用ナビゲーション装置20から通信部32を介して場所情報を受信すると開始される(S401;YES)。そして、制御部31は、本処理の開始トリガとして受信した場所情報(滞在場所の位置データ)と、この情報と共に送られてきたユーザIDとを対応づけて記憶部35に記憶する(S402)。なお、記憶部35には、当該ユーザに対する生活場所と非生活場所とが識別可能であり、さらに生活場所の種類(自宅・通勤地・食料品店・習い事教室など)と非生活場所の種類(施設またはイベント場所)とが識別可能に各位置データが記憶される。
【0137】
続いて、制御部31は、当該ユーザIDに対応して記憶部35に記憶されている複数の滞在場所にそれぞれ対応する各位置データに基づいて、当該ユーザの滞在場所を全て包含する集合エリアを当該ユーザの生活圏として推定する(S403)。なお、本実施形態では、当該ユーザの複数の滞在場所のうち、最も距離が大きい二つの滞在場所間を直径とする領域を上記の生活圏として推定する。
【0138】
次に、制御部31は、当該ユーザIDに対応して記憶部35に記憶されている複数の日常場所にそれぞれ対応する各位置データに基づいて、当該ユーザの日常場所を全て包含する集合エリアを当該ユーザの日常生活圏として設定する(S404)。なお、本実施形態では、記憶部35に記憶されている全ての日常場所について、地図データを参照して、ある日常場所を出発地とした場合のその他の日常場所を目的地とする合理的な最短経路(時間的、距離的、又は費用的に最小となり得る経路)を算出し、この算出した複数の経路を全て包含する集合エリアを上記の日常生活圏として設定する。
【0139】
続いて、制御部31は、S403において推定した当該ユーザの生活圏のうち、S404において設定した当該ユーザの日常生活圏以外の領域を、当該ユーザの非日常生活圏として設定する(S404)。これにより、非日常生活圏には、当該ユーザの非日常場所が全て包含され、なお且つ、当該ユーザの日常場所が除外されることになる。
【0140】
最後に、以上のように設定した日常生活圏および非日常生活圏を表す圏情報を、属性情報DB34における当該ユーザIDの管理テーブル4に記憶すると共に、本処理の開始トリガとして受信した場所情報の送信元である車載用ナビゲーション装置20に、通信部32を介してその圏情報を送信し(S406)、本処理を終了する。
【0141】
[4.属性情報生成処理]
図8は、管理装置30の制御部31が実行する「属性情報生成処理」を説明するための模式図である。この処理では、まず、図8に示すように、車載用ナビゲーション装置20や携帯電話機10から送られてくる各種情報(ユーザ情報,滞在情報)を、属性情報DB34における当該ユーザID(または車両ID)の管理テーブル4に記憶する。
【0142】
例えば、携帯電話機10から通信部32を介して検索ワードを含むユーザ情報を受信した場合には、管理テーブル4における「調査」のカテゴリーに、そのユーザ情報に含まれている検索日時、検索ワード、及び、閲覧時間を記録する。そして、その検索ワードに共通する属性グループ3(3A〜3Dのいずれか)を特定し、属性レーダチャート5(図2(b)参照)のうち、その特定した属性グループ3(3A〜3Dのいずれか)について、その検索ワードに関するWEBサイトの閲覧時間に応じて多くの重み付けを設定する。
【0143】
また、車載用ナビゲーション装置20から通信部32を介して滞在情報を受信した場合には、管理テーブル4における「移動」のカテゴリーに、その滞在情報に含まれている滞在日時、施設またはイベントの名称とその場所、及び、滞在時間を記録する。そして、その施設またはイベントの名称に共通する属性グループ3(3A〜3Dのいずれか)を特定し、属性レーダチャート5(図2(b)参照)のうち、その特定した属性グループ3(3A〜3Dのいずれか)について、上記の滞在時間に応じて多くの重み付けを設定する。
【0144】
また、携帯電話機10から通信部32を介して商品ワードを含むユーザ情報を受信した場合には、管理テーブル4における「決済」のカテゴリーに、そのユーザ情報に含まれている決済日時、商品ワード、及び、決済額を記録する。そして、その商品ワードに共通する属性グループ3(3A〜3Dのいずれか)を特定し、属性レーダチャート5(図2(b)参照)のうち、その特定した属性グループ3(3A〜3Dのいずれか)について、上記の決済額に応じて多くの重み付けを設定する。
【0145】
また、携帯電話機10から通信部32を介してキーワードを含むユーザ情報を受信した場合には、管理テーブル4における「通話」のカテゴリーに、そのユーザ情報に含まれているキーワードの抽出日時、キーワード、及び、通話時間などを記録する。そして、そのキーワードに共通する属性グループ3(3A〜3Dのいずれか)を特定し、属性レーダチャート5(図2(b)参照)のうち、その特定した属性グループ3(3A〜3Dのいずれか)について、上記の通話時間に応じて多くの重み付けを設定する。特に、ユーザ情報に感情フラグがセットされている場合には、そのキーワードを愉快キーワードとして記録し、その愉快キーワードの抽出回数に応じて多くの重み付けを設定すると共に、そのときの通話相手を価値観共通者とし、その価値観共通者に対応するユーザIDを記録する。
【0146】
このようにして、個々のユーザが興味を示す傾向を各属性グループ3A〜3Dに対する重み付けによって表す属性レーダチャート5を更新したり、個々のユーザが実際に訪れた施設またはイベント場所や滞在日時、各種キーワード(検索ワード,商品ワードを含む)や抽出日時、及び、価値観共有者に対応するユーザIDを記録したりする。
【0147】
[5.施設等情報送信処理]
図9は、管理装置30の制御部31が実行する「施設等情報送信処理」の手順を示すフローチャートである。
【0148】
この処理は、車載用ナビゲーション装置20から通信部32を介して現在地情報または例外情報を受信すると開始される。そして、制御部31は、通信部32を介して例外情報を受信しなかった場合には(S501;NO)、その例外情報に付加されている車両IDに基づいて施設等情報DB33から施設等情報を抽出するための検索範囲を縮小する(S502)。具体的には、通信部32を介して受信する現在地情報(但し上記の例外情報と同じ車両IDが付加されている情報)に基づいて、当該車両の現在地が当該ユーザ(この車両IDに対応するユーザID)の日常生活圏内であれば、この日常生活圏を検索範囲とし、当該車両の現在地が非日常生活圏内であれば、この非日常生活圏を検索範囲としてそれぞれ設定する。一方、例外情報を受信した場合には(S501;YES)、現在地情報にかかわらず、日常生活圏と非日常生活圏との両方を含む当該ユーザの生活圏を検索範囲として設定することにより、検索範囲を拡張する(S503)。
【0149】
そして、制御部31は、通信部32を介して現在地情報を受信すると(S504;YES)、その現在地情報に付加されている車両IDに基づいて、当該ユーザの属性レーダチャート5(図2(b)参照)が示す重み付けによって、施設等情報DB33における属性グループ3(3A〜3Dのいずれか)に対して施設等情報を抽出する際の比率(抽出比率)を設定する(S505)。
【0150】
続いて、制御部31は、当該ユーザIDに基づいて、属性情報DB34における管理テーブル4を参照し、当該ユーザの価値観共通者が存在する場合には、今度はこの価値観共有者に対応するユーザIDに基づいて、施設等情報DB33を参照し、価値観共有者によって提供された情報であって上記の検索範囲に適合する施設等情報が存在するか否かを判断する(S506)。このような施設等情報が存在する場合には(S506;YES)、その施設等情報(以下「価値観共有情報」という)を優先的に抽出・送信するように設定する(S507)。
【0151】
次に、制御部31は、当該ユーザIDに基づいて、属性情報DB34における管理テーブル4を参照し、当該ユーザの愉快キーワードが存在する場合には、施設等情報DB33を参照し、この愉快キーワードに共通する属性グループ3(3A〜3Dのいずれか)の情報であって上記の検索範囲に適合する施設等情報が存在するか否かを判断する(S508)。このような施設等情報が存在する場合には(S508;YES)、その施設等情報(以下「愉快対象情報」という)を絶対的に抽出・送信するように設定する(S509)。
【0152】
そして、制御部31は、S505における抽出比率と、S507およびS509における設定内容とに従って、上記の検索範囲に適合する施設等情報を施設等情報DB33から抽出する(S510)。
【0153】
さらに、制御部31は、S510で抽出した施設等情報のうち(但し、愉快対象情報を除く)、当該ユーザに提供する時刻や季節が重要な施設等情報(以下「日時対象情報」という)が存在する場合には、その送信予約を行う(S511)。例えば、食料品店に関する施設等情報について、当該ユーザの食料品店の駐車時間帯に合わせて送信するように予約しておく。また、旬の食材を扱った施設等情報やスキー等の季節スポーツを扱った施設等情報について、その季節に合わせて送信するように予約しておく。なお、これらの日時対象情報は、他の施設等情報と識別可能に予め施設等情報DB33に記憶されている。また、ユーザによって異なる時刻や季節については、車載用ナビゲーション装置20からの場所情報や、携帯電話機10からのユーザ情報(具体的にはキーワードの抽出日時)に基づいて、属性情報DB34における各ユーザの管理テーブル4に予め記憶されている。
【0154】
最後に、制御部31は、S510で抽出した施設等情報のうち上記の日時対象情報以外の全ての情報を、通信部32を介して車載用ナビゲーション装置20に送信すると共に、S511で予約した日時対象情報のうち、現在日時(時刻を含む)に対応する情報についても送信して、本処理を終了する。
【0155】
[本実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態の情報提供システム1では、車載用ナビゲーション装置20の位置検出部22にて取得した現在地情報に基づいて、当該車両の滞在場所を設定し、複数設定した滞在場所から当該ユーザの生活圏を管理装置30が推定し、その生活圏内を検索範囲として抽出した施設等情報を車載用ナビゲーション装置20に送信するように構成した。
【0156】
したがって、本実施形態の情報提供システム1によれば、当該車両の行動範囲内における当該ユーザの生活様式に沿った情報が自動的に提示されるので、いわゆる情報のノイズや取りこぼしが抑制され、しかもユーザにとっては面倒な操作が省略され、ひいては、ユーザにとって有用な情報を合理的に提供可能で利便性の高いシステムを実現することができる。
【0157】
また、情報提供システム1では、各ユーザが所有する携帯電話機10を各施設またはイベント場所におけるセンサとして利用することにより、リアルタイムな状況を表す情報を該当する施設等情報に盛り込むことができ、より一層有用な情報を合理的に提供することができる。
【0158】
また、情報提供システム1では、管理装置30が、各ユーザの属性レーダチャート5によって、各ジャンル(属性グループ3A〜3D)に対する興味度合の強さを計り、ユーザ毎に適したバランス(抽出比率)で各ジャンルに対応する施設等情報を送信するため、ユーザの嗜好を網羅すると共に偏り無く有用な情報を提供することができる。
【0159】
また、情報提供システム1では、属性レーダチャート5が、施設やイベント場所での滞在時間や、検索ワードに関するWEBサイトの閲覧時間、商品ワードに関する商品購入時の決済額、各種のキーワードが抽出されたときの通話時間、及び、価値観共有者との通話中に抽出されたキーワードの回数などによって、各ジャンルに対する重み付けがなされる。このため、単なるこれらの情報の受信回数によって重み付けする場合と比較して、よりユーザの価値観を反映することができる。
【0160】
また、情報提供システム1では、管理装置30が、属性情報DB34における各ユーザの管理テーブル4を参照し、キーワードの抽出日時に基づく時刻または季節に送信するように該当する日時対象情報の送信予約を行うため、ユーザにとって時刻や季節に適したタイミングで施設等情報(日時対象情報)を提示することができる。
【0161】
また、情報提供システム1では、ユーザにとっての価値観共有者を自動的に特定し、管理装置30が、この価値観共有者から提供された施設等情報(価値観共有情報)を優先的に当該ユーザに送信するので、より価値観に沿った多くの情報を合理的にユーザに提供することができる。
【0162】
[本実施形態と特許請求の範囲との対応関係]
なお、本実施形態において、車載用ナビゲーション装置20を含むナビゲーションシステムが車載装置に相当する。また、施設等情報DB33が情報記憶手段、位置検出部22が現在地取得手段、圏情報登録処理および施設等情報送信処理(S501〜S504)を実行する制御部31が検索範囲設定手段、施設等情報送信処理(S505〜S510)を実行する制御部31が情報抽出手段、表示部25が情報提示手段および情報表示手段、情報送信処理(S201〜S206)を実行する制御部21が滞在場所設定手段、記憶部24が受信情報記憶手段、情報提示処理(S301〜S304)を実行する制御部21がユーザ状態推定手段、情報提示処理(S305〜S306)を実行する制御部21が階層情報抽出手段、車載用ナビゲーション装置20に接続された各検出センサのうち、踏込量センサ及び操舵量センサが操作量検出手段、生体センサ及び画像センサが活性度検出手段、画像センサ及びインターフェース部27(及び携帯電話機10)が愉快度推定手段にそれぞれ相当する。
【0163】
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
【0164】
例えば、上記実施形態の圏情報登録処理では、当該ユーザのある日常場所から他の日常場所までの合理的な経路を全て包含する集合エリアを当該ユーザの日常生活圏として設定しているが、これに限定されず、より簡易な処理として、最も距離が大きい二つの日常場所を直径とする領域を上記の日常生活圏として設定するようにしてもよい。
【0165】
また、上記実施形態の情報提供システム1では、管理装置30が、圏情報登録処理によって当該ユーザの生活圏(日常生活圏・非日常生活圏)を設定しているが、これに限定されず、例えば車載用ナビゲーション装置20が、場所情報の代わりに、当該ユーザの生活圏(日常生活圏・非日常生活圏)を設定する処理を行ってこの生活圏を表す圏情報を管理装置30に送信するようにしてもよい。
【0166】
また、上記実施形態の情報提供システム1では、車載用ナビゲーション装置20が当該車両に搭載されているが、これに限らず、可般型装置として携帯可能なナビゲーション装置によって構成されてもよい。さらに言えば、ナビゲーション機能を有する携帯電話機10によって構成されてもよい。
【0167】
また、上記実施形態の情報提供システム1では、車載用ナビゲーション装置20が管理装置30との間で通信を行うことによって施設等情報をユーザに提示するように構成されているが、これに限らず、車載用ナビゲーション装置20が施設等情報DB33や当該ユーザの管理テーブル4を備え、管理装置30との通信を行うことなく施設等情報をユーザに提示する情報提供装置として構成されてもよい。さらに言えば、このような情報提供装置としては、車載用ナビゲーション装置20に限らず、上記の可般型装置や携帯電話機10を採用してもよい。
【符号の説明】
【0168】
1…情報提供システム、4…管理テーブル、5…属性レーダチャート、10…携帯電話機、13…タッチパネル部、15…制御部、16…記憶部、17…通信部、18…検出部、20…車載用ナビゲーション装置、21…制御部、22…位置検出部、23…操作部、24…記憶部、25…表示部、26…通信部、27…インターフェース部、28…音声出力部、30…管理装置、31…制御部、32…通信部、33…施設等情報DB、34…属性情報DB、35…記憶部、40…情報提供者側端末。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設またはイベントに関する情報としての施設等情報を提供する装置であって、
複数の施設またはイベントについて、各施設またはイベント場所の位置データに対応づけて前記施設等情報を記憶する情報記憶手段と、
当該装置の現在地を表す現在地情報を取得する現在地取得手段と、
前記現在地取得手段により取得した現在地情報に基づいて、前記位置データをパラメータとする検索範囲を設定する検索範囲設定手段と、
前記検索範囲設定手段により設定された検索範囲に適合する施設等情報を前記情報記憶手段から抽出する情報抽出手段と、
当該装置を所持するユーザに対して、前記情報抽出手段により抽出された施設等情報の少なくとも一つを提示する情報提示手段と、
を備える情報提供装置において、
前記現在地取得手段により取得した現在地情報に基づいて、当該装置の移動が停止してから再開するまでの時間としての移動停止時間を計測すると共に、該移動停止時間が予め規定された滞在時間以上を示す場所を当該ユーザの滞在場所として設定する滞在場所設定手段と、
前記検索範囲設定手段は、前記滞在場所設定手段により複数設定された滞在場所にそれぞれ対応する各位置データから、当該ユーザの滞在場所を全て包含する集合エリアを当該ユーザの生活圏と推定し、該生活圏を前記検索範囲として設定することを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
施設またはイベントに関する情報としての施設等情報を提供するシステムであって、
複数の施設またはイベントについて、各施設またはイベント場所の位置データに対応づけて前記施設等情報を記憶するデータベースを有する管理装置と、
前記管理装置と通信可能な可般型装置と、
を備え、
前記可般型装置が、当該可般型装置の現在地を表す現在地情報を取得して、該現在地情報に基づく情報を前記管理装置に送信すると共に、当該可般型装置を所持するユーザに対して、前記管理装置から送られてくる施設等情報の少なくとも一つを提示し、
前記管理装置が、前記可般型装置から送られてくる情報に基づいて、前記位置データをパラメータとする検索範囲を設定すると共に、該検索範囲に適合する施設等情報を前記データベースから抽出し、該抽出した施設等情報を前記可般型装置に送信するように構築された情報提供システムにおいて、
前記可般型装置は、前記現在地情報に基づいて当該可般型装置の移動が停止してから再開するまでの時間としての移動停止時間を計測すると共に、該移動停止時間が予め規定された滞在時間以上を示す場所を当該ユーザの滞在場所として設定し、該設定した滞在場所を表す場所情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、前記可般型装置から複数受信した場所情報にそれぞれ対応する各位置データから、当該ユーザの滞在場所を全て包含する集合エリアを当該ユーザの生活圏と推定し、該生活圏を前記検索範囲として設定することを特徴とする情報提供システム。
【請求項3】
施設またはイベントに関する情報としての施設等情報を提供するシステムであって、
複数の施設またはイベントについて、各施設またはイベント場所の位置データに対応づけて前記施設等情報を記憶するデータベースを有する管理装置と、
車両に搭載されて前記管理装置と通信可能な車載装置と、
を備え、
前記車載装置が、当該車両の現在地を表す現在地情報を取得して、該現在地情報に基づく情報を前記管理装置に送信すると共に、当該車両を運転するユーザに対して、前記管理装置から送られてくる施設等情報の少なくとも一つを提示し、
前記管理装置が、前記車載装置から送られてくる情報に基づいて、前記位置データをパラメータとする検索範囲を設定すると共に、該検索範囲に適合する施設等情報を前記データベースから抽出し、該抽出した施設等情報を前記車載装置に送信するように構築された情報提供システムにおいて、
前記車載装置は、当該車両の駐車時間を計測すると共に、前記現在地情報に基づいて、該駐車時間が予め規定された滞在時間以上を示す場所を当該ユーザの滞在場所として設定し、該設定した滞在場所を表す場所情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、前記車載装置から複数受信した場所情報にそれぞれ対応する各位置データから、当該ユーザの滞在場所を全て包含する集合エリアを当該ユーザの生活圏と推定し、該生活圏を前記検索範囲として設定することを特徴とする情報提供システム。
【請求項4】
前記生活圏は、当該ユーザのある滞在場所から他の滞在場所までの合理的な経路を全て包含する集合エリアであることを特徴とする請求項3に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記生活圏は、当該ユーザの複数の滞在場所のうち、最も距離が大きい二つの滞在場所間を直径とする領域であることを特徴とする請求項3に記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記車載装置は、前記現在地情報の取得日時に基づいて周期的に当該車両が駐車する滞在場所を日常場所として設定し、該設定した日常場所を表す日常場所情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、前記車載装置から複数受信した日常場所情報にそれぞれ対応する各位置データから、当該ユーザの日常場所を全て包含する集合エリアを当該ユーザの日常生活圏、前記生活圏のうち該日常生活圏以外を当該ユーザの非日常生活圏とそれぞれ推定すると共に、前記車載装置から現在地情報を取得し、該現在地情報に基づいて、当該車両の現在地が当該ユーザの日常生活圏内であれば、該日常生活圏を前記検索範囲とし、当該車両の現在地が当該ユーザの非日常生活圏内であれば、該非日常生活圏を前記検索範囲としてそれぞれ設定することを特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれか1項に記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記車載装置は、予め規定された例外条件を満たす場合に例外情報を生成し、該生成した例外情報を含む情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、前記車載装置から受信した情報に前記例外情報が含まれている場合、当該車両の現在地が当該ユーザの日常生活圏内であっても、当該ユーザの非日常生活圏を前記検索範囲に含めることを特徴とする請求項6に記載の情報提供システム。
【請求項8】
前記車載装置は、当該車両の出発地から目的地までの走行経路を計算すると共に、当該車両が当該ユーザの自宅を目的地とする走行経路を走行している場合に、前記例外情報を生成することを特徴とする請求項7に記載の情報提供システム。
【請求項9】
前記車載装置は、当該車両の出発地から目的地までの走行経路を計算すると共に、当該車両が当該ユーザの非日常生活圏内の場所を目的地とする走行経路を走行している場合に、前記例外情報を生成することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の情報提供システム。
【請求項10】
前記車載装置は、前記現在地情報の取得日時が休日または休前日を示す場合に、前記例外情報を生成することを特徴とする請求項7ないし請求項9のいずれか1項に記載の情報提供システム。
【請求項11】
当該ユーザによって携帯されて前記車載装置と通信可能な携帯電話機を備え、
前記携帯電話機は、当該携帯電話機が有する全ての機能のうち、通話機能、メール機能、ブラウザ機能、及び、予め規定された一ないし複数のアプリケーション機能以外の機能としての付加機能の使用日時および使用時間を記録した機能履歴情報を前記車載装置に送信し、
前記車載装置は、前記携帯電話機から前記機能履歴情報を受信すると、当該ユーザの乗車前の一定時間内に占める前記付加機能の使用時間が予め設定された閾値時間よりも長い場合に、前記例外情報を生成することを特徴とする請求項7ないし請求項10のいずれか1項に記載の情報提供システム。
【請求項12】
前記各施設等情報は、互いに情報量の異なる複数の階層情報からなり、
前記車載装置は、
前記管理装置から前記施設等情報を受信すると、該施設等情報を記憶する受信情報記憶手段と、
当該ユーザの運転時における負荷状態を推定するユーザ状態推定手段と、
前記ユーザ状態推定手段により推定した負荷状態に応じた情報量に適合する階層情報を前記受信情報記憶手段から抽出する階層情報抽出手段と、
前記階層情報抽出手段により抽出された階層情報の少なくとも一つを表示する情報表示手段と、
を備えることを特徴とする請求項3ないし請求項11のいずれか1項に記載の情報提供システム。
【請求項13】
前記各施設等情報は、前記階層情報として、相対的に情報量が少ないラベル情報、該ラベル情報よりも情報量が多い見出し情報、及び、該見出し情報よりも情報量が多い詳細情報を有し、
前記車載装置は、当該ユーザの運転に関する操作量を検出する操作量検出手段を備え、
前記ユーザ状態推定手段は、前記操作量検出手段により検出した操作量に基づいて前記負荷状態を推定し、
前記階層情報抽出手段は、前記操作量が予め設定された閾値量を上回る場合には前記ラベル情報を抽出し、前記操作量が前記閾値量以下の場合には前記見出し情報を抽出することを特徴とする請求項12に記載の情報提供システム。
【請求項14】
前記各施設等情報は、前記階層情報として、相対的に情報量が少ないラベル情報、該ラベル情報よりも情報量が多い見出し情報、及び、該見出し情報よりも情報量が多い詳細情報を有し、
前記車載装置は、当該ユーザの交感神経の高まりを表す活性度を検出する活性度検出手段を備え、
前記ユーザ状態推定手段は、前記活性度検出手段により検出した活性度に基づいて前記負荷状態を推定し、
前記階層情報抽出手段は、前記活性度が予め設定された第1の閾値度を下回る場合には前記ラベル情報を抽出し、前記活性度が前記第1の閾値度以上の場合には前記見出し情報を抽出することを特徴とする請求項12に記載の情報提供システム。
【請求項15】
前記活性度は、当該ユーザの瞬目回数、呼吸数、心拍数、及び心電値の少なくとも一つにおいて予め設定された当該ユーザの基準値からの増加度であることを特徴とする請求項14に記載の情報提供システム。
【請求項16】
前記各施設等情報は、前記階層情報として、相対的に情報量が少ないラベル情報、該ラベル情報よりも情報量が多い見出し情報、及び、該見出し情報よりも情報量が多い詳細情報を有し、
前記車載装置は、当該ユーザの感情の一部を表す愉快度を推定する愉快度推定手段を備え、
前記ユーザ状態推定手段は、前記愉快度推定手段により推定した愉快度に基づいて前記負荷状態を推定し、
前記階層情報抽出手段は、前記愉快度が予め設定された第2の閾値度を下回る場合には前記ラベル情報を抽出し、前記愉快度が前記第2の閾値度以上の場合には前記見出し情報を抽出し、
前記愉快度推定手段は、当該ユーザの視線が前記情報表示手段による表示箇所を一定時間以上向いていること、当該ユーザの瞳孔が拡大していること、及び、当該ユーザの発話音声が予め設定された波形パターンを示していること、のうち少なくとも一つを認識した場合に、前記愉快度を高い値に設定することを特徴とする請求項12に記載の情報提供システム。
【請求項17】
前記情報表示手段は、前記詳細情報に切り替え可能な態様で前記ラベル情報または前記見出し情報を表示することを特徴とする請求項13ないし請求項16のいずれか1項に記載の情報提供システム。
【請求項18】
前記施設等情報は、予め規定された属性グループに分類されて前記データベースに記憶されており、
前記車載装置は、当該車両が駐車した施設または駐車場所でのイベントを示す滞在情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、前記車載装置から受信した滞在情報に基づいて、該滞在情報が示す施設またはイベントに共通する属性グループ内の施設等情報を、前記データベースから抽出することを特徴とする請求項3ないし請求項17のいずれか1項に記載の情報提供システム。
【請求項19】
前記属性グループは、主に体を使うことに関連する体使用グループ、主に頭を使うことに関連する頭使用グループ、主に体を休めることに関連する体休息グループ、及び、主に頭を休めることに関連する頭休息グループによって区分されていることを特徴とする請求項18に記載の情報提供システム。
【請求項20】
前記車載装置から送信される全ての情報には、当該車両を識別するための車両IDが含まれ、
前記滞在情報には、当該車両が駐車した施設またはイベント場所における当該ユーザの滞在時間を示す滞在時間情報が含まれており、
前記管理装置は、前記車載装置から前記滞在情報を受信すると、前記車両ID毎に予め設定された管理テーブルに該滞在情報を記憶すると共に、該管理テーブルにおいて前記滞在時間情報が示す滞在時間に応じて前記各属性グループに対する重み付けを行い、該重み付けに従って前記データベースから抽出する施設等情報の比率を決定することを特徴とする請求項18または請求項19に記載の情報提供システム。
【請求項21】
当該ユーザによって携帯されて前記管理装置と通信可能な携帯電話機を備え、
前記携帯電話機は、当該ユーザによって入力される通話音声および検索文字からキーワードを抽出すると共に、該抽出したキーワードに基づくユーザ情報を前記管理装置に送信し、
前記ユーザ情報には、当該ユーザを識別するためのユーザIDが含まれており、
前記管理装置は、前記携帯電話機から前記ユーザ情報を受信すると、前記ユーザIDと共に予め登録された前記車両IDに対応する前記管理テーブルに該ユーザ情報を記憶すると共に、該キーワードに共通する属性グループ内の施設等情報を、前記データベースから抽出することを特徴とする請求項20に記載の情報提供システム。
【請求項22】
前記携帯電話機は、当該ユーザの通話音声が、予め高い愉快度を示すパターンとして設定された波形パターンを示しているときに、該通話音声から抽出したキーワードを愉快キーワードとし、該愉快キーワードを含む前記ユーザ情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、前記愉快キーワードに共通する属性グループ内の施設等情報を優先的に、前記車載装置に送信することを特徴とする請求項21に記載の情報提供システム。
【請求項23】
前記携帯電話機は、当該ユーザの通話音声が、予め高い愉快度を示すパターンとして設定された波形パターンを示しているときに、該通話音声から抽出したキーワードを愉快キーワードとし、該愉快キーワードを含む前記ユーザ情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、前記管理テーブルにおいて前記愉快キーワードの個数に応じて前記属性グループに対する重み付けを行うことを特徴とする請求項21に記載の情報提供システム。
【請求項24】
前記施設等情報には、前記携帯電話機から提供される情報が含まれ、
前記データベースには、前記施設等情報の提供者に対応するユーザIDが該施設等情報に対応づけて記憶されており、
前記携帯電話機は、前記愉快キーワードを抽出した際の通話相手を価値観共有者とし、該価値観共有者を特定するための情報を含む前記ユーザ情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、前記携帯電話機から受信したユーザ情報に基づいて、前記価値観共有者に対応するユーザIDに適合する施設等情報を前記データベースから抽出し、該抽出した施設等情報を優先的に、当該ユーザの車載装置に送信することを特徴とする請求項22または請求項23に記載の情報提供システム。
【請求項25】
前記携帯電話機は、当該携帯電話機を利用して、前記キーワードに関する商品について決済を行ったときの決済金額を含む前記ユーザ情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、前記管理テーブルにおいて前記決済金額に応じて前記属性グループに対する重み付けを行うことを特徴とする請求項21ないし請求項24のいずれか1項に記載の情報提供システム。
【請求項26】
前記携帯電話機は、前記キーワードの抽出日時を含むユーザ情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、前記管理テーブルにおいて前記抽出日時と共に前記キーワードを記憶すると共に、該抽出日時に基づく季節に、該キーワードに共通する属性グループ内の施設等情報を前記車載装置に送信することを特徴とする請求項21ないし請求項25のいずれか1項に記載の情報提供システム。
【請求項27】
前記携帯電話機は、前記キーワードの抽出時刻を含むユーザ情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、前記管理テーブルにおいて前記抽出時刻と共に前記キーワードを記憶すると共に、該抽出時刻に、該キーワードに関する施設等情報を前記車載装置に送信することを特徴とする請求項21ないし請求項26のいずれか1項に記載の情報提供システム。
【請求項28】
施設またはイベントに関する情報としての施設等情報を提供するシステムであって、
複数の施設またはイベントについて、各施設またはイベント場所の位置データに対応づけて前記施設等情報を記憶するデータベースを有する管理装置と、
前記管理装置と通信可能な可般型装置と、
を備え、
前記可般型装置が、当該可般型装置の現在地を表す現在地情報を取得して、該現在地情報に基づく情報を前記管理装置に送信すると共に、当該可般型装置を所持するユーザに対して、前記管理装置から送られてくる施設等情報の少なくとも一つを提示し、
前記管理装置が、前記可般型装置から送られてくる情報に基づいて、前記位置データをパラメータとする検索範囲を設定すると共に、該検索範囲に適合する施設等情報を前記データベースから抽出し、該抽出した施設等情報を前記可般型装置に送信するように構築された情報提供システムにおいて、
前記可般型装置は、前記現在地情報に基づいて当該可般型装置の移動が停止してから再開するまでの時間としての移動停止時間を計測すると共に、該移動停止時間が予め規定された滞在時間以上を示す場所を当該ユーザの滞在場所として設定し、複数設定した該滞在場所にそれぞれ対応する各位置データから、当該ユーザの滞在場所を全て包含する集合エリアを当該ユーザの生活圏と推定し、該生活圏を表す圏情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、前記可般型装置から受信した圏情報に基づいて、当該ユーザの生活圏を前記検索範囲として設定することを特徴とする情報提供システム。
【請求項29】
施設またはイベントに関する情報としての施設等情報を提供するシステムであって、
複数の施設またはイベントについて、各施設またはイベント場所の位置データに対応づけて前記施設等情報を記憶するデータベースを有する管理装置と、
車両に搭載されて前記管理装置と通信可能な車載装置と、
を備え、
前記車載装置が、当該車両の現在地を表す現在地情報を取得して、該現在地情報に基づく情報を前記管理装置に送信すると共に、当該車両を運転するユーザに対して、前記管理装置から送られてくる施設等情報の少なくとも一つを提示し、
前記管理装置が、前記車載装置から送られてくる情報に基づいて、前記位置データをパラメータとする検索範囲を設定すると共に、該検索範囲に適合する施設等情報を前記データベースから抽出し、該抽出した施設等情報を前記車載装置に送信するように構築された情報提供システムにおいて、
前記車載装置は、当該車両の駐車時間を計測すると共に、前記現在地情報に基づいて、該駐車時間が予め規定された滞在時間以上を示す場所を当該ユーザの滞在場所として設定し、複数設定した該滞在場所にそれぞれ対応する各位置データから、当該ユーザの滞在場所を全て包含する集合エリアを当該ユーザの生活圏と推定し、該生活圏を表す圏情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、前記車載装置から受信した圏情報に基づいて、当該ユーザの生活圏を前記検索範囲として設定することを特徴とする情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−53593(P2012−53593A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−194683(P2010−194683)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】