情報提供装置及び情報提供方法
【課題】ユーザに対する利便性が良好な情報提供装置を提供する。
【解決手段】デジタル放送による配信情報をユーザに対して出力する出力手段8と、配信情報に含まれる、ユーザが関心を示す地点に関するPOI情報を取得するPOI情報取得手段3と、ユーザにより入力されるユーザ情報を取得するユーザ情報取得手段4とを備える。また、ユーザ情報とPOI情報との対比結果が予め定義した所定条件を満たす場合のみ、当該POI情報を出力手段に出力する判定手段5を備える。
【解決手段】デジタル放送による配信情報をユーザに対して出力する出力手段8と、配信情報に含まれる、ユーザが関心を示す地点に関するPOI情報を取得するPOI情報取得手段3と、ユーザにより入力されるユーザ情報を取得するユーザ情報取得手段4とを備える。また、ユーザ情報とPOI情報との対比結果が予め定義した所定条件を満たす場合のみ、当該POI情報を出力手段に出力する判定手段5を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送の配信情報をPOI(Point of Interest、関心を示す地点)情報とともに配信する情報提供装置及び情報提供方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタル放送の配信情報に位置情報及び広告情報を含むコンテンツ情報を埋め込んで送信し、ナビゲーション装置により表示された地図上にコンテンツ情報を表示する広告システムが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−249560号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の広告システムは、ユーザにとって有用でないコンテンツ情報も一律に表示するため、ユーザにとって利便性が悪いという問題があった。
【0005】
本願発明が解決しようとする課題は、ユーザに対する利便性が良好な情報提供装置および情報提供方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の解決手段によって上記課題を解決する。
【0007】
すなわち本発明は、デジタル放送による配信情報をユーザに対して出力する出力手段と、配信情報に含まれる、ユーザが関心を示す地点に関するPOI情報を取得するPOI情報取得手段と、ユーザにより入力されるユーザ情報を取得するユーザ情報取得手段とを備える。
【0008】
そして、ユーザ情報とPOI情報との対比結果が予め定義した所定条件を満たす場合のみ、当該POI情報を出力手段に出力する判定手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザに対する利便性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
《第1実施形態》
本実施形態に係る情報提供装置は、デジタル放送により配信される音声や画像が、これらと連動してリアルタイムに送られる位置情報付き情報である場合に適用して好ましい情報提供装置である。例えばデジタルラジオ放送において、パーソナリティのお勧め店舗が紹介された場合、この店舗の位置情報はデジタルラジオ放送に埋め込まれて配信されるので、この位置情報を抽出することでユーザに店舗情報を提供するものである。以下の例では、位置付き情報として店舗情報を例に挙げて説明する。なお、このような位置情報付き店舗情報を、ユーザが関心を示す意味からPOI(Point of Interest,関心地点)情報と称する。
【0012】
本実施形態では、車両の現在位置、現在設定されている目的地、現在設定されている経由地、現在設定されている経路といった位置情報(以下、現在位置情報とも言う。)や、過去に設定された目的地、過去に設定された経由地、過去に設定された経路、目的地一覧に設定されている登録地といった位置情報(以下、履歴位置情報とも言う。)を用いて、デジタル放送で取得した店舗情報がユーザにとって有用性があるかどうかを判定する。ここで、ユーザに対する店舗情報などのPOI情報の有用性とは、そのユーザがその位置に行き易いかどうか、又は行きたいかどうかにより判定される情報の有効利用性を意味する。
【0013】
そして、デジタル放送で紹介された店舗が、現在位置から近ければその店舗へ行き易いし、過去に訪れたことのある場所から近ければ道順を知っているので行き易い。また、現在目的地として設定されている場所又は過去に目的地として設定された地点であれば、少なくとも関心のある地点と考えられるから、ユーザが行きたいと思っている可能性が高い。したがって、こうした店舗情報はユーザにとって有用性が高い情報と言えるので、これを選別してユーザに提示する。
【0014】
逆に、デジタル放送で紹介された店舗が、現在位置から遠ければその店舗へ行くのに時間がかかるし、過去に一度も行ったことのない場所付近であれば道順を知らないので迷うおそれもある。また、現在も過去も目的地として設定されていない地点であれば関心がない地点である可能性が高い。したがって、こうした店舗情報はユーザにとって有用性が低い情報といえるので、これをユーザに提示しない。
【0015】
なお、本例でいう現在位置情報とは、現在位置などのようにユーザにとって顕在化された位置情報であるのに対し、履歴位置情報とは、過去に行ったことのある位置のようにユーザにとって潜在的な位置情報である。何れの情報も、重要度には差はあるものの、ユーザにとってPOI情報が有用性あるものかどうかを判定する要因となる。
【0016】
図1は本実施形態に係る情報提供装置を示すブロック図である。
【0017】
図示する情報提供装置は、デジタル放送受信手段1、デジタル放送デコード手段2、POI情報取得手段3、ユーザ情報取得手段4、判定手段5、POI情報記憶手段6、出力制御手段7、出力手段8および入力手段9を備える。
【0018】
デジタル情報受信手段1とデジタル放送デコード手段2が本発明の受信手段に相当し、POI情報取得手段3が本発明のPOI情報取得手段に相当し、ユーザ情報取得手段4が本発明のユーザ情報取得手段に相当し、判定手段5が本発明の判定手段に相当し、POI情報記憶手段6が本発明のPOI情報取得手段に相当し、出力制御手段7および出力手段8が本発明の出力手段に相当する。
【0019】
デジタル放送受信手段1は、アンテナ11とチューナー部12とを備え、チューナー部12は、アンテナ11に到達した各種放送信号の中から、所定の周波数成分の受信対象となる周波数信号のみを抽出し、抽出したデジタル放送信号をデジタル放送デコード手段2へ出力する。
【0020】
デジタル放送デコード手段2は、データ処理部21を備え、このデータ処理部21は、デジタル放送チューナー部12が抽出したデジタル放送信号に所定のデジタル復調処理を行い、音声信号とBML(Broadcast Markup Language)などで記述されたデータ信号とに分離する。また、データ処理部21は、分離されたデータ信号を解析し、データ放送画面を作成するとともに、POI情報を抽出する。そして、データ処理部21で分離された音声信号は、出力制御手段7の音声出力制御部71を介して出力手段8のスピーカ81へ出力される一方で、データ処理部21で作成された画像・文字データは、出力制御手段7の画像・文字出力制御部72を介して出力手段8のディスプレイ82に出力される。このとき、画像・文字データには、POI情報や地図情報が付加される。この部分の詳細は後述する。
【0021】
POI情報取得手段3は、位置情報抽出部31を備え、この位置情報抽出部31は、データ処理部21で抽出されたPOI情報を取得して、判定手段5へ出力する。図9は、デジタル放送の配信情報に含まれるPOI情報の一例を示すデータ構造図である。本例では、POI情報として、ある店舗の名称、住所、位置(経度・緯度)、電話番号および店舗のジャンル(たとえばラーメン屋など)といった情報を含み、このうち位置(経度・緯度)がPOI情報の位置情報である。
【0022】
入力手段9は、ナビゲーション装置91を備え、このナビゲーション装置91は、現在位置を検出するGPS情報入力機能と、現在位置の表示、目的地の入力設定、ルート検索、ルート案内などのナビゲーション機能を備える。
【0023】
ナビゲーション装置91から出力される位置情報には、現在の位置情報、現在設定している目的地の位置情報、現在設定している経由地の位置情報および現在設定している経路の位置情報と、過去に設定された目的地の位置情報、経由地の位置情報および経路の位置情報とがあり、記述したとおり、前者を総称して「現在位置情報」といい、後者を総称して「履歴位置情報」ともいう。なお、本例では入力手段9としてナビゲーション装置91の機能を利用しているが、ナビゲーション装置91とは別設の入力装置を用いることもできる。
【0024】
ユーザ情報取得手段4は、ナビゲーション装置91から上述した現在位置情報を取得する現在位置情報取得部41と、同じくナビゲーション装置91から履歴位置情報を取得する履歴位置情報取得部42と、履歴位置情報取得部42にて取得された履歴位置情報を蓄積する履歴位置情報蓄積部43と、履歴位置情報蓄積部43に蓄積された履歴位置情報からユーザにとって有用性のある履歴かどうかを判定して有用履歴位置情報を抽出する有用履歴抽出部44とを備える。
【0025】
図2は、履歴位置情報蓄積部43に記憶された履歴位置情報のデータ構造を示す図であり、ナビゲーション装置91の目的地として過去に設定されたことがある目的地の名称、その位置(経度および緯度)および設定回数が関連付けて記憶されている。なお、同図には、目的地の名称、地点情報および設定回数みの履歴を記載しているが、経由地についても、どこからどこまで、どのルートを通った、という情報が利用回数を含め蓄積されている。
【0026】
図3は、履歴位置情報蓄積部43による履歴位置の蓄積処理を示すフローチャートである。
【0027】
この履歴位置情報の蓄積処理は、ユーザがナビゲーション装置91に目的地・経由地を入力したり、ナビゲーション装置91が入力結果に基づいて経路を演算したりした場合に実行される。ここではユーザが目的地の設定を行った場合を例に挙げて説明する。
【0028】
まず、ステップS31にて、ユーザがナビゲーション装置91に目的地を入力したことを判断するとステップS32へ進み、入力された目的地が過去に登録されたものか、すなわち当該履歴位置情報蓄積部43に既に登録されているか否かを判断する。過去に登録されたものであれば、ステップS33へ進んで該当する設定回数をプラスし、登録されていなければステップS34へ進んで新たな設定履歴として登録する。たとえば、図2に示す履歴状態において、ユーザが自宅を目的地として設定すると、同図に示す設定履歴の自宅設定回数が52回から53回に更新される。なお、ここでは目的地を設定した場合について説明したが、経由地や経路についても同様の処理が行われる。
【0029】
有用履歴抽出部44は、履歴位置情報蓄積部43に記憶された履歴位置情報から、POI情報を提供することがユーザにとって有用かどうかの判定に利用できる履歴位置情報を決定するものである。この履歴位置情報を有用履歴位置情報と称する。
【0030】
たとえば、所定期間内に所定回数以上訪れた場所や利用した経路があれば判定に利用できる履歴として決定する。これにより、蓄積された多数の履歴位置情報の中から、ユーザが遠い昔に行った場所や数度しか訪れてない場所などユーザの認知度が低い場所を除くことができる。また、ユーザが積極的に希望する位置情報を入力しなくても、自動的に有用性の高い位置情報を決定することができる。
【0031】
図4は、有用履歴抽出部44による有用履歴位置情報の抽出処理を示すフローチャートである。まず、ステップS41にて、履歴位置情報蓄積部43に蓄積された履歴位置情報(過去に設定された目的地・経由地・経路の位置情報)を参照し、ステップS42にて、この中から所定期間内に所定回数以上の設定履歴がある履歴位置情報を取得し、ステップS43にて、該当する履歴位置情報を後述する有効性判定に用いることができる有用履歴位置情報と決定する。なお、ステップS42において該当する履歴位置情報がない場合にはステップS43をジャンプし、有用履歴位置情報がないものとする。
【0032】
判定手段5は、POI情報取得手段3で受信したPOI情報がユーザにとって有用性があるかどうかをユーザ情報取得手段4で取得したユーザ情報と対比して判定するもので、位置対比部51と、判定部52と、判定結果送出部53とを備える。
【0033】
位置対比部51は、POI情報取得手段3の位置情報抽出部31で抽出された店舗の位置と、ユーザ情報取得手段4の現在位置情報取得部41に記憶されている現在位置および有用履歴抽出部44で抽出された有用履歴位置との距離(直線もしくはルート上の距離)を算出する機能と、これらの間の所要時間を算出する機能とを備える。
【0034】
判定部52は、位置対比部51で対比された距離および所要時間がそれぞれ予め決められた所定値以内であるかどうかを判定し、所定値以内である場合には判定結果送出部53へそのPOI情報が有用である旨を出力する。
【0035】
判定結果送出部53は、判定部52からの有用であるとされたPOI情報について、ユーザに提示する情報の作成およびその処理を実行する。たとえば、現在位置情報と店舗位置との距離又は所要時間のいずれかが所定値以内である場合には、図5に示すように、店舗名と現在位置からの距離や所要時間をディスプレイ82に表示するためのデータ作成を実行する。また、履歴位置情報と店舗位置との距離又は所要時間のいずれかが所定値以内である場合には、図6に示すように、店舗名と過去の目的地履歴の場所からの距離や所要時間をディスプレイ82に表示するためのデータ作成を実行する。
【0036】
図5は、現在位置情報により、受信した店舗位置の有用性があると判定された場合に判定結果送出部53およびPOI情報編集部721が作成する画面の一例である。また、図6は、履歴位置情報により、受信した店舗位置の有用性があると判定された場合に判定結果送出部53およびPOI情報編集部721が作成する画面の一例である。
【0037】
判定結果送出部53およびPOI情報編集部721は、図5および図6に示すように、表示したPOI情報の位置情報を登録するための「登録する」といった入力メニューと、周辺地図を表示する「周辺地図を表示」といった入力メニューと、店舗の詳細情報を表示する「詳細情報を表示」といった入力メニューなどの選択肢も合わせて作成し、ディスプレイ82に表示する。これらの選択肢の入力メニューがユーザにより選択されると、その旨が出力制御手段7に出力され、ディスプレイ82に店舗の周辺地図や店舗の詳細情報が表示され、また、「登録する」の入力メニューが選択されると、POI情報がPOI情報記憶手段6に記憶されることになる。
【0038】
なお図示する例では、店舗名、該当する現在位置情報又は履歴位置情報からの距離・所要時間のほか、登録する、周辺地図を表示、詳細情報を表示といった選択肢が表示されるが、これ以外にもたとえば、店舗の外観などの画像があれば、その画像を表示することもできるし、周辺地図表示の選択肢に代えて直接周辺地図を表示することもできる。
【0039】
POI情報記憶手段6は、図5や図6に示す表示画面において、ユーザに提示された店舗の登録要求がされた場合に、この店舗情報を記憶する記憶媒体である。POI情報記憶手段6には、その店舗情報およびその店舗の位置情報と、現在位置情報又は履歴位置情報と当該店舗との距離又は所要時間とが記憶される。
【0040】
図7は、POI情報記憶手段6に記憶されている店舗情報のデータ構造例を示す図である。本例では、POI情報記憶手段6に記憶される店舗情報として、名称、住所、緯度経度、電話番号、ジャンルの他、判定手段5で利用した情報である現在位置情報や履歴位置情報、判定手段5で利用した位置情報からの距離や所要時間が記載される。なお、POI情報記憶手段6に記憶する情報は、これ以外にも、たとえば受信した店舗情報に、その店舗の外観や内観などの画像情報や、お勧めメニューやユーザへの告知といったテキスト情報など、より詳細な情報を記憶させることもできる。
【0041】
POI情報記憶手段6に、店舗情報だけでなく現在位置情報又は履歴位置情報との距離又は所要時間を記憶させておくことにより、ユーザが登録した店舗を後日確認する際に、その店舗の位置が把握できなくとも、自分が知っている場所からの距離や所要時間がわかるので、大まかな位置を把握することができる。
【0042】
出力手段7は、デジタル放送デコード手段2から送られてきた音声データを出力手段8のスピーカ81により出力させるための制御を実行する音声出力制御部71と、デジタル放送デコード手段2から送られてきた画像・文字データを出力手段8のディスプレイ82により出力させるための制御を実行する画像・文字出力制御部72とを備える。
【0043】
画像・文字出力制御部72は、POI情報取得手段3で取得され、判定手段5で選別されたPOI情報を編集するPOI情報編集部721と、ナビゲーション装置91から地図情報を取得する地図情報取得部722とを備える。そして、POI情報編集部721は、判定手段5の判定結果送出部53から送られてきた結果に基づいて、POI情報に距離又は所要時間と入力メニューの選択肢を付加するとともに、これらを地図情報に重畳させる画像処理を実行し、ディスプレイ82へ出力する。
【0044】
次に、本実施形態に係る情報提供装置の動作フローを説明する。
【0045】
図8は、本実施形態に係る情報提供装置の情報処理手順を示すフローチャートである。
【0046】
ステップS801にて、デジタル放送受信手段1のアンテナ11とデジタル放送チューナー部12がデジタル放送信号を受信し、ユーザが指定した所定の周波数成分のみを抽出すると、ステップS802にて、デジタル放送デコード手段2のデータ処理部21は放送のデコードを開始する。
【0047】
データ処理部21においてデコードされると、放送信号は音声データと画像・文字データとに分離され、音声データは出力制御手段7の音声出力制御部71を介してスピーカ81から出力される。
【0048】
一方、画像・文字データは、ステップS803において、データ内に図9に示すようなPOI情報があるか否かを判断し、POI情報がなければ通常のBMLデータとして処理されたのち、ステップS804へ進み、出力手段7の画像・文字出力制御部72を介してディスプレイ82にデジタル放送の画像や文字が表示される。
【0049】
画像・文字データ内に図9に示すようなPOI情報が存在するときは、ステップS805へ進み、POI情報取得手段3の位置情報抽出部31はPOI情報に含まれる位置情報を抽出し、これを判定手段5の位置対比部51へ出力する。なお、POI情報そのものは判定手段5の判定部52の結果が出るまでPOI情報取得手段3で一時的に保持する。
【0050】
次のステップS806では、位置対比部51は、現在位置情報についての有用性の判定を行うために、ユーザ情報取得手段4の現在位置情報取得部41で取得された現在位置情報、すなわち現在の位置情報、現在設定されている目的地の位置情報、現在設定されている経由地の位置情報および現在設定されている経路の位置情報を読み出す。
【0051】
そして、ステップS807にて、ステップS805で抽出したPOI情報の位置情報と、ステップS806で抽出した現在位置情報とから、両位置間の距離(直線又は経路上)と所要時間を算出する。
【0052】
ステップS808では、ステップS807で算出された両位置間の距離が所定距離以内にあるかどうかと、両位置間の所要時間が所定時間内にあるかどうかを判定し、何れか一方が所定値以内にある場合は、そのPOI情報はユーザにとって有用性があるとみなし、ステップS809へ進んで、そのPOI情報を出力制御手段7のPOI情報編集部721を介してディスプレイ82に表示したのち処理を終了する。この表示画面の例を図5に示すが、店舗の位置を地図に重畳して表示するとともに、現在位置から店舗までの距離や所要時間も表示する。
【0053】
なお、現在の位置以外の現在位置情報、すなわち現在設定されている目的地、経由地、経路についてもPOI情報の位置情報と対比し、両位置間の距離および所要時間を算出して有用性を判定し、有用であると判定した場合はディスプレイ82にPOI情報を表示する。また、上述したように、「登録する」などの入力メニューも合わせて表示し、ユーザが選択したら各項目における処理を実行する。
【0054】
また、本例では判定結果送出部53およびPOI情報編集部721がPOI情報の提供画面を作成する場合について説明したが、提供画面を提示せずにPOI情報記憶手段6に記憶することもできる。
【0055】
このように、現在位置情報の処理を、後述する履歴位置情報に対して優先することで、ユーザにとって現在有用なPOI情報を提供することができるとともに、本実施形態に係る情報提供装置の処理時間を短縮することができる。
【0056】
すなわち、本実施形態では、ステップS806〜S809において現在位置情報に基づいてPOI情報の有用性を最初に判定し、ここで有用性があると判定された場合には、ステップS810〜S816で実行する履歴位置情報に基づく有用性判定を行うことなく、そのPOI情報を提示するので、履歴位置情報に基づく有用性判定の結果が有用性なしであっても、現在位置情報に基づく有用性判定が有用性ありである限り、そのPOI情報はユーザに提示される。逆に、履歴位置情報に基づく有用性判定の結果が有用性ありであっても、現在位置情報に基づく有用性判定が有用性なしである限り、そのPOI情報はユーザに提示されない。
【0057】
ステップS808に戻り、POI情報取得手段3の位置情報抽出部31で抽出したPOI情報の位置情報が、現在位置情報(現在の位置情報、現在設定されている目的地の位置情報、現在設定されている経由地の位置情報、現在設定されている経路の位置情報)から所定距離を越える位置であり、かつ、所定の所要時間を越える場合は、ステップS810へ進み、有用履歴位置情報との対比を実行する。
【0058】
すなわち、ステップS810〜S811では、位置対比部51は、有用履歴抽出部44で抽出された有用履歴位置情報を読み出し、有用履歴位置情報が複数存在するか否かを判断する。有用履歴位置情報が一つである場合はステップS812にてその有用履歴位置情報を特定するが、複数存在する場合はステップS813へ進み、最も設定回数が多い履歴位置情報を抽出する。
【0059】
有用履歴位置情報を1つに絞り込んだら、ステップS814へ進み、絞り込まれた履歴位置情報と、POI情報の位置情報とから、両位置間の距離および所要時間を、ステップS807と同様に算出する。
【0060】
ステップS815では、ステップS814で算出された両位置間の距離が所定距離以内にあるかどうかと、両位置間の所要時間が所定時間内にあるかどうかを判定し、何れか一方が所定値以内にある場合は、そのPOI情報はユーザにとって有用性があるとみなし、ステップS816へ進んで、そのPOI情報を出力制御手段7のPOI情報編集部721を介してディスプレイ82に表示したのち処理を終了する。この表示画面の例を図6に示すが、店舗の位置を地図に重畳して表示するとともに、履歴位置から店舗までの距離や所要時間も表示する。
【0061】
なお、本例では有用履歴位置情報として過去に設定したことがある目的地の位置情報を用いたが、その他の履歴位置情報、すなわち過去に設定されたことがある経由地や経路についてもPOI情報の位置情報と対比し、両位置間の距離および所要時間を算出して有用性を判定し、有用であると判定した場合はディスプレイ82にPOI情報を表示することもできる。また、上述したように、「登録する」などの入力メニューも合わせて表示し、ユーザが選択したら各項目における処理を実行する。
【0062】
また、本例では判定結果送出部53およびPOI情報編集部721がPOI情報の提供画面を作成する場合について説明したが、提供画面を提示せずにPOI情報記憶手段6に記憶することもできる。
【0063】
なお、ステップS815において、そのPOI情報が履歴位置情報に対しても有用性がないと判定された場合にはステップS816をジャンプして処理を終了し、POI情報の提示は行わない。
【0064】
以上、本実施形態の情報提供装置および情報提供方法によれば、現在位置情報又は履歴位置情報に基づいてPOI情報の有用性を判定し、有用性がある場合のみディスプレイなどに出力する。したがって、ユーザにとって必要とされるPOI情報のみが自動的に配信され、ユーザにとっての利便性が向上する。
【0065】
また、現在位置情報による有用性判定を履歴位置情報による有用性判定に対して優先して実行するので、ユーザにとって現在有用なPOI情報を選別して提供することができる。
【0066】
また、履歴位置情報により有用性を判定するに際し、有用履歴位置情報を用いるので、数度しか行ったことがない場所や遠い昔に行った場所など、現在のユーザにとってさほど有用でない場所を除外することができる。
【0067】
また、有用性があると判定されたPOI情報をディスプレイ82に表示する際に、その位置までの距離や所要時間を併せて表示することで、距離感が把握できユーザに対する利便性がより向上する。
【0068】
また、有用であると判定されたPOI情報を位置情報とともにPOI情報記憶手段6に記憶させておくことで、後日、ユーザが登録した情報を見直した際に、登録情報がどの辺に位置するかを容易に把握することができる。
【0069】
なお、本実施形態は以下のように変形することができる。すなわち、図8に示す処理の実施形態において、ステップS810〜S816を省略し、現在位置情報のみによってPOI情報の有用性を判定することができる。また逆に、ステップS806〜S809を省略し、履歴位置情報のみによってPOI情報の有用性を判定することもできる。
【0070】
さらに、履歴位置情報に基づいてPOI情報の有用性を判定する際に、有用履歴位置情報に代えて全ての履歴位置情報を用いてPOI情報の有用性を判定することもできる。また、履歴位置情報が複数存在する場合の絞り方は、最も設定回数が多いもの以外にも、たとえば現在位置から最も距離又は所要時間が短いものに絞り込むこともできる。
【0071】
また、有用性があると判定された複数のPOI情報を、有用性が高い順に序列化し、ディスプレイ82に表示したり、POI情報記憶部6に格納したりすることもできる。
【0072】
《第2実施形態》
上述した第1実施形態では、距離又は所要時間に基づいてPOI情報の有用性を判定したが、距離又は所要時間以外にもPOI情報の有用性を判定することができる。
【0073】
本実施形態では、ユーザがナビゲーション装置や別設の入力装置に設定した目的地のジャンル・地域・施設など、ユーザが関心をもって指定した属性情報又は情報の要否を選択した属性情報の履歴を用い、POI情報がユーザにとって有用かどうかを判断する。
【0074】
こうすることで、距離又は所要時間による有用性判定とは異なる観点から、すなわち近いから「行き易い」といった距離的・時間的な観点からではなく、「行きたい」場所であるかといった欲求的な観点から、有用な情報のみをユーザに提供することができる。
【0075】
図10は、本実施形態に係る情報提供装置を示すブロック図である。
【0076】
図示する情報提供装置は、デジタル放送受信手段1、デジタル放送デコード手段2、POI情報取得手段3、ユーザ情報取得手段4、判定手段5、POI情報記憶手段6、出力制御手段7、出力手段8および入力手段9を備える。
【0077】
デジタル情報受信手段1とデジタル放送デコード手段2が本発明の受信手段に相当し、POI情報取得手段3が本発明のPOI情報取得手段に相当し、ユーザ情報取得手段4が本発明のユーザ情報取得手段に相当し、判定手段5が本発明の判定手段に相当し、POI情報記憶手段6が本発明のPOI情報取得手段に相当し、出力制御手段7および出力手段8が本発明の出力手段に相当する。
【0078】
デジタル放送受信手段1は、アンテナ11とチューナー部12とを備え、チューナー部12は、アンテナ11に到達した各種放送信号の中から、所定の周波数成分の受信対象となる周波数信号のみを抽出し、抽出したデジタル放送信号をデジタル放送デコード手段2へ出力する。
【0079】
デジタル放送デコード手段2は、データ処理部21を備え、このデータ処理部21は、デジタル放送チューナー部12が抽出したデジタル放送信号に所定のデジタル復調処理を行い、音声信号とBML(Broadcast Markup Language)などで記述されたデータ信号とに分離する。また、データ処理部21は、分離されたデータ信号を解析し、データ放送画面を作成するとともに、POI情報を抽出する。
【0080】
そして、データ処理部21で分離された音声信号は、出力制御手段7の音声出力制御部71を介して出力手段8のスピーカ81へ出力される一方で、データ処理部21で作成された画像・文字データは、出力制御手段7の画像・文字出力制御部72を介して出力手段8のディスプレイ82に出力される。このとき、画像・文字データには、POI情報や地図情報が付加される。この部分の詳細は後述する。
【0081】
POI情報取得手段3は、属性情報抽出部32を備え、この属性情報抽出部32は、データ処理部21で抽出されたPOI情報に含まれる属性情報を取得して、判定手段5へ出力する。本例のPOI情報も、上述した第1実施形態と同様、図9に示すように、ある店舗の名称、住所、位置(経度・緯度)、電話番号および店舗のジャンル(たとえばラーメン屋など)といった情報を含んでいる。このうちのジャンルや住所が属性情報抽出部32で抽出されるPOI情報の属性に該当する。
【0082】
入力手段9は、ナビゲーション装置91を備え、このナビゲーション装置91は、現在位置を検出するGPS情報入力機能と、現在位置の表示、目的地の入力設定、ルート検索、ルート案内などのナビゲーション機能(入力機能を含む)を備える。なお、本例では入力手段9としてナビゲーション装置91の入力機能を利用しているが、ナビゲーション装置91とは別設の入力装置を用いることもできる。また、出力手段8のディスプレイ82に入力機能を付加し、これを入力手段9とすることもできる。
【0083】
ユーザ情報取得手段4は、ナビゲーション装置91の入力機能部から属性情報を取得する指定属性情報取得部45と、要否選択取得部46と、要否選択取得部46にて取得された選択属性情報を蓄積する選択属性情報蓄積部47と、選択属性情報蓄積部47に蓄積された選択属性情報からユーザにとって有用性のある属性情報かどうかを判定して抽出する有用履歴抽出部48とを備える。
【0084】
図11(A)及び図11(B)は、ナビゲーション装置91の入力機能部(ディスプレイ)などに表示されて、ユーザが目的地などを設定する際に表示される入力画面の一例を示す図であり、図11(A)はジャンル属性の入力画面、図11(B)は地域属性の入力画面をそれぞれ示す。たとえば、ユーザがナビゲーション装置91の検索画面で、図11(A)に示すように「ラーメン」というジャンル属性を指定するとともに、図11(B)に示すように「横浜市青葉区」という地域属性を指定し、横浜市青葉区にあるラーメン店を目的地として設定した場合、この「ラーメン」という属性と「横浜市青葉区」という属性が、ユーザ情報取得手段4の指定属性情報取得部45にて取得される属性情報となる。このように、現在設定されている属性情報を特にユーザ指定属性情報と称する。
【0085】
なお、図12は本実施形態における属性情報のうち、ジャンル属性情報の内容と地域属性情報の内容の一例を示す図である。その他の属性情報として、遊園地や映画館などの娯楽施設情報、お城や石碑などの歴史情報、コンサートやサイン会などのイベント情報、さらにはイベントの具体的なアーティスト名などを含めることができる。また、地域情報については市町村といった分類に限定されるものではなく、県域や特定エリアなど大きく区切ることもでき、逆にある場所から何キロメートル以内という限定した区切り方とすることもできる。また、番組名やパーソナリティ名などのように誰のお勧めが欲しいかといった属性情報を含めることもできる。
【0086】
こうした属性情報は、ユーザの関心度を示す情報として潜在的なものであるが、デジタル放送で配信されるPOI情報に含まれる属性情報と何らかのかたちでマッチングが可能な属性であれば、これらを含めることができる。
【0087】
要否選択取得部46は、特にディスプレイ82に表示されたPOI情報に対し、ユーザがその情報を必要としたか否かを取得するものであり、要否の結果は選択属性情報蓄積部47に出力される。つまり、ユーザ指定属性情報とは別に、一度ユーザに提示されたPOI情報についてユーザによる情報の有用性をフィードバックするものである。具体的には、図14に示すPOI情報の提示画面において、左下に設けられた「この情報は必要」という入力メニューを選択すると、そのPOI情報に関連する属性情報は、ユーザ選択属性情報として要否選択取得部46にて取得される。
【0088】
選択属性情報蓄積部47は、要否選択取得部46で取得されたPOI情報の要否結果に基づいて、属性ごとの要否をカウントして記憶するものである。図13は、選択属性情報蓄積部47におけるデータ構造を示す図であり、同図にはジャンルと地域それぞれの属性について蓄積結果(必要とされた設定回数)を示す。
【0089】
有用履歴抽出部48は、選択属性情報蓄積部47に記憶されたユーザ選択属性情報から、POI情報を提供することがユーザにとって有用かどうかの判定に利用できるユーザ選択属性情報を決定するものである。たとえば、所定期間内に所定回数以上訪れたジャンルや地域があれば判定に利用できる選択属性情報として決定する。このようにして決定されたユーザ選択属性情報を有用選択属性情報と称する。
【0090】
このように、蓄積された多数のユーザ選択属性情報の中から、ユーザが遠い昔に行った地域や数度しか訪れてないジャンルなどユーザの関心度が低い属性を除くことができる。また、ユーザが積極的に希望する指定属性情報を入力しなくても、自動的に有用性の高い属性情報を決定することができる。
【0091】
判定手段5は、POI情報取得手段3で受信したPOI情報がユーザにとって有用性があるかどうかをユーザ情報取得手段4で取得したユーザ情報と対比して判定するもので、属性対比部54と、判定部55と、判定結果送出部56とを備える。
【0092】
属性対比部54は、POI情報取得手段3の属性情報抽出部32で抽出された店舗の属性と、ユーザ情報取得手段4の属性情報取得部45に記憶されているユーザ指定属性情報および有用履歴抽出部48で抽出された有用選択属性情報とを対比する機能を備える。
【0093】
判定部55は、属性対比部51で対比した結果、これらが一致または店舗の属性情報がユーザの属性情報に含まれているかどうかを判定し、一致又は店舗の属性情報がユーザの属性情報に含まれている場合には判定結果送出部56へそのPOI情報が有用である旨を出力する。
【0094】
判定結果送出部56は、判定部55からの有用であるとされたPOI情報について、ユーザに提示する情報の作成およびその処理を実行する。たとえば、店舗の属性情報とユーザの属性情報とが一致又は店舗の属性情報がユーザの属性情報に含まれている場合には、図14に示すように、店舗名をディスプレイ82に表示するためのデータ作成を実行する。
【0095】
図14は、属性情報により、受信した店舗位置の有用性があると判定された場合に判定結果送出部56およびPOI情報編集部721が作成する画面の一例である。
【0096】
判定結果送出部56およびPOI情報編集部721は、図14に示すように、表示したPOIの位置情報を登録するための「登録する」といった入力メニューと、周辺地図を表示する「周辺地図を表示」といった入力メニューと、店舗の詳細情報を表示する「詳細情報を表示」といった入力メニューと、提示された店舗の情報が必要か否かを入力する「この情報が必要」といった入力メニューなどの選択肢も合わせて作成し、ディスプレイ82に表示する。
【0097】
これらの選択肢の入力メニューがユーザにより選択されると、その旨が出力制御手段7に出力され、ディスプレイ82に店舗の周辺地図や店舗の詳細情報が表示され、また、「登録する」の入力メニューが選択されると、POI情報がPOI情報記憶手段6に記憶されることになる。さらに、既述したとおり、この情報は必要である入力メニューをONすると、その旨がユーザ情報取得手段4の要否選択取得部46に送出される。
【0098】
なお図示する例では、店舗名のほか、登録する、周辺地図を表示、詳細情報を表示、この情報は必要といった選択肢が表示されるが、これ以外にもたとえば、店舗の外観などの画像があれば、その画像を表示することもできるし、周辺地図表示の選択肢に代えて直接周辺地図を表示することもできる。
【0099】
POI情報記憶手段6は、図14に示す表示画面において、ユーザに提示された店舗の登録要求がされた場合に、この店舗情報を記憶する記憶媒体である。POI情報記憶手段6には、その店舗情報およびその店舗の位置情報とジャンルとが記憶される。
【0100】
図15は、POI情報記憶手段6に記憶されている店舗情報の例を示す図である。本例では、POI情報記憶手段6に記憶される店舗情報として、名称、住所、緯度経度、電話番号、ジャンルの詳細が記載される。なお、POI情報記憶手段6に記憶する情報は、これ以外にも、たとえば受信した店舗情報に、その店舗の外観や内観などの画像情報や、お勧めメニューやユーザへの告知といったテキスト情報など、より詳細な情報を記憶させることもできる。
【0101】
出力手段7は、デジタル放送デコード手段2から送られてきた音声データを出力手段8のスピーカ81により出力させるための制御を実行する音声出力制御部71と、デジタル放送デコード手段2から送られてきた画像・文字データを出力手段8のディスプレイ82により出力させるための制御を実行する画像・文字出力制御部72とを備える。
【0102】
画像・文字出力制御部72は、POI情報取得手段3で取得され、判定手段5で選別されたPOI情報を編集するPOI情報編集部721と、ナビゲーション装置91から地図情報を取得する地図情報取得部722とを備える。そして、POI情報編集部721は、判定手段5の判定結果送出部56から送られてきた結果に基づいて、POI情報に入力メニューの選択肢を付加するとともに、これらを地図情報に重畳させる画像処理を実行し、ディスプレイ82へ出力する。
【0103】
次に、本実施形態に係る情報提供装置の動作フローを説明する。
【0104】
図16は、本実施形態に係る情報提供装置の情報処理手順を示すフローチャートである。
【0105】
ステップS1601にて、デジタル放送受信手段1のアンテナ11とデジタル放送チューナー部12がデジタル放送信号を受信し、ユーザが指定した所定の周波数成分のみを抽出すると、ステップS1602にて、デジタル放送デコード手段2のデータ処理部21は放送のデコードを開始する。
【0106】
データ処理部21においてデコードされると、放送信号は音声データと画像・文字データとに分離され、音声データは出力制御手段7の音声出力制御部71を介してスピーカ81から出力される。
【0107】
一方、画像・文字データは、ステップS1603において、データ内に図9に示すようなPOI情報があるか否かを判断し、POI情報がなければ通常のBMLデータとして処理されたのち、ステップS1604へ進み、出力手段7の画像・文字出力制御部72を介してディスプレイ82にデジタル放送の画像や文字が表示される。
【0108】
画像・文字データ内に図9に示すようなPOI情報が存在するときは、ステップS1605へ進み、POI情報取得手段3の属性情報抽出部32はPOI情報に含まれる属性情報を抽出し、これを判定手段5の属性対比部54へ出力する。なお、POI情報そのものは判定手段5の判定部55の結果が出るまでPOI情報取得手段3で一時的に保持する。
【0109】
次のステップS1606では、属性対比部54は、属性情報についての有用性の判定を行うために、ユーザ情報取得手段4の指定属性情報取得部45で取得された現在のユーザ指定属性情報を読み出す。
【0110】
そして、ステップS1607にて、ステップS1605で抽出したPOI情報の属性情報と、ステップS1606で抽出した現在のユーザ指定属性情報とを対比する。
【0111】
ステップS1608では、ステップS1607で対比されたPOI情報の属性情報が現在のユーザ指定属性情報と一致又は含んでいるかどうかを判定し、含んでいる場合は、そのPOI情報はユーザにとって有用性があるとみなし、ステップS1609へ進んで、そのPOI情報を出力制御手段7のPOI情報編集部721を介してディスプレイ82に表示する。この表示画面の例を図14に示すが、店舗の位置を地図に重畳して表示する。また、同図に示すように、「登録する」や「この情報は必要」などの入力メニューも合わせて表示し、ユーザが選択したら各項目における処理を実行する。
【0112】
なお、本例では判定結果送出部56およびPOI情報編集部721がPOI情報の提供画面を作成する場合について説明したが、提供画面を提示せずにPOI情報記憶手段6に記憶することもできる。
【0113】
このように、現在ユーザによって設定されているユーザ指定属性情報に基づく判定処理を、後述するユーザ選択属性情報に対して優先することで、ユーザにとって現在有用なPOI情報を提供することができるとともに、本実施形態に係る情報提供装置の処理時間が短縮できる。
【0114】
すなわち、本実施形態では、ステップS1606〜S1609において現在ユーザによって設定されているユーザ指定属性情報に基づいてPOI情報の有用性を最初に判定し、ここで有用性があると判定された場合には、ステップS1614〜S1618で実行するユーザ選択属性情報に基づく有用性判定を行うことなく、そのPOI情報を提示するので、ユーザ選択属性情報に基づく有用性判定の結果が有用性なしであっても、現在のユーザ指定属性情報に基づく有用性判定が有用性ありである限り、そのPOI情報はユーザに提示される。逆に、ユーザ選択属性情報に基づく有用性判定の結果が有用性ありであっても、現在のユーザ指定属性情報に基づく有用性判定が有用性なしである限り、そのPOI情報はユーザに提示されない。
【0115】
ステップS1609にてPOI情報がディスプレイ82に表示されたら、ステップS1610ではユーザによる情報の必要性の入力を待つ。図14の表示画面における「この情報は必要」という入力メニューがONされるか否かによって情報の必要性を判断する。
【0116】
ステップS1610にて、ユーザがこの情報は必要である旨の入力がなかった場合には処理を終了するが、必要である旨の入力があった場合にはステップS1611へ進み、その属性が過去に選択された属性であるか否かを判断する。そして、過去に選択された属性である場合は、ステップS1612に進み、選択属性情報蓄積部47に記憶されている属性の選択回数をカウントアップする。図13に示す例でいえば、POI情報としてラーメン店という属性情報が提示されている場合、ユーザがこのPOI情報を必要であると入力した場合には、ジャンル属性のラーメンの属性情報を15回から16回に更新する。
【0117】
一方、ステップS1611にて過去に選択された属性でない場合には、ステップS1613に進み、選択属性情報蓄積部47にその属性を新たに追加する。
【0118】
ステップS1608に戻り、POI情報取得手段3の指定属性情報抽出部32で抽出したPOI情報の属性情報が、現在ユーザにより設定されているユーザ指定属性情報を含んでいない場合は、ステップS1614へ進み、有用履歴抽出部48で抽出される有用選択属性情報との対比を実行する。
【0119】
ステップS1615〜S1616は、有用履歴抽出部48にて実行される処理である。有用履歴抽出部48は、選択属性情報蓄積部47に記憶されたユーザ選択属性情報の中に、所定期間内に所定回数以上選択された属性があるかどうかを判断し、この条件を満たす属性情報を抽出する。ここで抽出された属性情報は、選択属性情報蓄積部47に記憶されたユーザ選択属性情報の中でも特にユーザが最近特に関心をもっている属性であるとみなすことができるので、これを有用選択属性情報とし、POI情報の有用性の判定に用いる。
【0120】
ステップS1617では、ステップS1616で抽出された有用選択属性情報をユーザの属性情報とし、POI情報取得手段3の属性情報抽出部32で抽出したPOI情報の属性情報が、このユーザの属性情報と一致又は含んでいるかどうかを判定する。そして、POI情報の属性情報がユーザの属性情報を含んでいる場合にはステップS1618へ進み、そのPOI情報を出力制御手段7のPOI情報編集部721を介してディスプレイ82に表示したのち処理を終了する。なお、POI情報の属性情報がユーザの属性情報を含んでいない場合には、そのPOI情報を提示することなく処理を終了する。
【0121】
以上、本実施形態の情報提供装置及び情報提供方法によれば、ユーザ指定属性情報又はユーザ選択属性情報に基づいてPOI情報の有用性を判定し、有用性がある場合のみディスプレイなどに出力する。したがって、ユーザにとって必要とされるPOI情報のみが自動的に配信され、利便性が向上する。
【0122】
また、ユーザ指定属性情報による有用性判定をユーザ選択属性情報による有用性判定に対して優先して実行するので、ユーザにとって現在有用なPOI情報を選別して提供することができる。
【0123】
また、ユーザ選択属性情報により有用性を判定するに際し、有用選択属性情報を用いるので、数度しか行ったことがない場所や遠い昔に行った場所など、現在のユーザにとってさほど有用でない場所を除外することができる。
【0124】
なお、図16に示す処理の実施形態において、ステップS1610〜S1618を省略し、ユーザ指定属性情報のみによってPOI情報の有用性を判定することもできる。また逆に、ステップS1606〜S1609を省略し、ユーザ選択属性情報のみによってPOI情報の有用性を判定することもできる。
【0125】
さらに、ユーザ選択属性情報に基づいてPOI情報の有用性を判定する際に、有用選択属性情報に代えて全てのユーザ選択属性情報を用いてPOI情報の有用性を判定することもできる。また、有用選択属性情報が複数存在する場合は、たとえば最も選択回数が多いものに絞り込むこともできる。
【0126】
また、有用性があると判定された複数のPOI情報を、有用性が高い順に序列化し、ディスプレイ82に表示したり、POI情報記憶部6に格納したりすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明の第1実施形態に係る情報提供装置を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る履歴位置情報蓄積部に記憶されるデータ構造を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る履歴位置情報蓄積部による履歴位置の蓄積処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態に係る有用履歴抽出部による有用履歴位置情報の抽出処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施形態に係る情報提供装置により提供される画面の一例を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る情報提供装置により提供される画面の他の例を示す図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係るPOI情報記憶手段に記憶されている店舗情報のデータ構造例を示す図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る情報提供装置の情報処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係るデジタル放送の配信情報に含まれるPOI情報の一例を示すデータ構造図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る情報提供装置を示すブロック図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係るユーザ指定属性情報の入力画面の一例を示す図である。
【図12】本発明の第2実施形態における属性情報の内容の一例を示す図である。
【図13】本発明の第2実施形態に係る選択属性情報蓄積部のデータ構造を示す図である。
【図14】本発明の第2実施形態に係る情報提供装置により提供される画面の一例を示す図である。
【図15】本発明の第2実施形態に係るPOI情報記憶手段に記憶されている店舗情報の例を示す図である。
【図16】本発明の第2実施形態に係る情報提供装置の情報処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0128】
1…デジタル放送受信手段
2…デジタル放送デコード手段
3…POI情報取得手段
4…ユーザ情報取得手段
5…判定手段
6…POI情報記憶手段
7…出力制御手段
8…出力手段
9…入力手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送の配信情報をPOI(Point of Interest、関心を示す地点)情報とともに配信する情報提供装置及び情報提供方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタル放送の配信情報に位置情報及び広告情報を含むコンテンツ情報を埋め込んで送信し、ナビゲーション装置により表示された地図上にコンテンツ情報を表示する広告システムが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−249560号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の広告システムは、ユーザにとって有用でないコンテンツ情報も一律に表示するため、ユーザにとって利便性が悪いという問題があった。
【0005】
本願発明が解決しようとする課題は、ユーザに対する利便性が良好な情報提供装置および情報提供方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の解決手段によって上記課題を解決する。
【0007】
すなわち本発明は、デジタル放送による配信情報をユーザに対して出力する出力手段と、配信情報に含まれる、ユーザが関心を示す地点に関するPOI情報を取得するPOI情報取得手段と、ユーザにより入力されるユーザ情報を取得するユーザ情報取得手段とを備える。
【0008】
そして、ユーザ情報とPOI情報との対比結果が予め定義した所定条件を満たす場合のみ、当該POI情報を出力手段に出力する判定手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザに対する利便性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
《第1実施形態》
本実施形態に係る情報提供装置は、デジタル放送により配信される音声や画像が、これらと連動してリアルタイムに送られる位置情報付き情報である場合に適用して好ましい情報提供装置である。例えばデジタルラジオ放送において、パーソナリティのお勧め店舗が紹介された場合、この店舗の位置情報はデジタルラジオ放送に埋め込まれて配信されるので、この位置情報を抽出することでユーザに店舗情報を提供するものである。以下の例では、位置付き情報として店舗情報を例に挙げて説明する。なお、このような位置情報付き店舗情報を、ユーザが関心を示す意味からPOI(Point of Interest,関心地点)情報と称する。
【0012】
本実施形態では、車両の現在位置、現在設定されている目的地、現在設定されている経由地、現在設定されている経路といった位置情報(以下、現在位置情報とも言う。)や、過去に設定された目的地、過去に設定された経由地、過去に設定された経路、目的地一覧に設定されている登録地といった位置情報(以下、履歴位置情報とも言う。)を用いて、デジタル放送で取得した店舗情報がユーザにとって有用性があるかどうかを判定する。ここで、ユーザに対する店舗情報などのPOI情報の有用性とは、そのユーザがその位置に行き易いかどうか、又は行きたいかどうかにより判定される情報の有効利用性を意味する。
【0013】
そして、デジタル放送で紹介された店舗が、現在位置から近ければその店舗へ行き易いし、過去に訪れたことのある場所から近ければ道順を知っているので行き易い。また、現在目的地として設定されている場所又は過去に目的地として設定された地点であれば、少なくとも関心のある地点と考えられるから、ユーザが行きたいと思っている可能性が高い。したがって、こうした店舗情報はユーザにとって有用性が高い情報と言えるので、これを選別してユーザに提示する。
【0014】
逆に、デジタル放送で紹介された店舗が、現在位置から遠ければその店舗へ行くのに時間がかかるし、過去に一度も行ったことのない場所付近であれば道順を知らないので迷うおそれもある。また、現在も過去も目的地として設定されていない地点であれば関心がない地点である可能性が高い。したがって、こうした店舗情報はユーザにとって有用性が低い情報といえるので、これをユーザに提示しない。
【0015】
なお、本例でいう現在位置情報とは、現在位置などのようにユーザにとって顕在化された位置情報であるのに対し、履歴位置情報とは、過去に行ったことのある位置のようにユーザにとって潜在的な位置情報である。何れの情報も、重要度には差はあるものの、ユーザにとってPOI情報が有用性あるものかどうかを判定する要因となる。
【0016】
図1は本実施形態に係る情報提供装置を示すブロック図である。
【0017】
図示する情報提供装置は、デジタル放送受信手段1、デジタル放送デコード手段2、POI情報取得手段3、ユーザ情報取得手段4、判定手段5、POI情報記憶手段6、出力制御手段7、出力手段8および入力手段9を備える。
【0018】
デジタル情報受信手段1とデジタル放送デコード手段2が本発明の受信手段に相当し、POI情報取得手段3が本発明のPOI情報取得手段に相当し、ユーザ情報取得手段4が本発明のユーザ情報取得手段に相当し、判定手段5が本発明の判定手段に相当し、POI情報記憶手段6が本発明のPOI情報取得手段に相当し、出力制御手段7および出力手段8が本発明の出力手段に相当する。
【0019】
デジタル放送受信手段1は、アンテナ11とチューナー部12とを備え、チューナー部12は、アンテナ11に到達した各種放送信号の中から、所定の周波数成分の受信対象となる周波数信号のみを抽出し、抽出したデジタル放送信号をデジタル放送デコード手段2へ出力する。
【0020】
デジタル放送デコード手段2は、データ処理部21を備え、このデータ処理部21は、デジタル放送チューナー部12が抽出したデジタル放送信号に所定のデジタル復調処理を行い、音声信号とBML(Broadcast Markup Language)などで記述されたデータ信号とに分離する。また、データ処理部21は、分離されたデータ信号を解析し、データ放送画面を作成するとともに、POI情報を抽出する。そして、データ処理部21で分離された音声信号は、出力制御手段7の音声出力制御部71を介して出力手段8のスピーカ81へ出力される一方で、データ処理部21で作成された画像・文字データは、出力制御手段7の画像・文字出力制御部72を介して出力手段8のディスプレイ82に出力される。このとき、画像・文字データには、POI情報や地図情報が付加される。この部分の詳細は後述する。
【0021】
POI情報取得手段3は、位置情報抽出部31を備え、この位置情報抽出部31は、データ処理部21で抽出されたPOI情報を取得して、判定手段5へ出力する。図9は、デジタル放送の配信情報に含まれるPOI情報の一例を示すデータ構造図である。本例では、POI情報として、ある店舗の名称、住所、位置(経度・緯度)、電話番号および店舗のジャンル(たとえばラーメン屋など)といった情報を含み、このうち位置(経度・緯度)がPOI情報の位置情報である。
【0022】
入力手段9は、ナビゲーション装置91を備え、このナビゲーション装置91は、現在位置を検出するGPS情報入力機能と、現在位置の表示、目的地の入力設定、ルート検索、ルート案内などのナビゲーション機能を備える。
【0023】
ナビゲーション装置91から出力される位置情報には、現在の位置情報、現在設定している目的地の位置情報、現在設定している経由地の位置情報および現在設定している経路の位置情報と、過去に設定された目的地の位置情報、経由地の位置情報および経路の位置情報とがあり、記述したとおり、前者を総称して「現在位置情報」といい、後者を総称して「履歴位置情報」ともいう。なお、本例では入力手段9としてナビゲーション装置91の機能を利用しているが、ナビゲーション装置91とは別設の入力装置を用いることもできる。
【0024】
ユーザ情報取得手段4は、ナビゲーション装置91から上述した現在位置情報を取得する現在位置情報取得部41と、同じくナビゲーション装置91から履歴位置情報を取得する履歴位置情報取得部42と、履歴位置情報取得部42にて取得された履歴位置情報を蓄積する履歴位置情報蓄積部43と、履歴位置情報蓄積部43に蓄積された履歴位置情報からユーザにとって有用性のある履歴かどうかを判定して有用履歴位置情報を抽出する有用履歴抽出部44とを備える。
【0025】
図2は、履歴位置情報蓄積部43に記憶された履歴位置情報のデータ構造を示す図であり、ナビゲーション装置91の目的地として過去に設定されたことがある目的地の名称、その位置(経度および緯度)および設定回数が関連付けて記憶されている。なお、同図には、目的地の名称、地点情報および設定回数みの履歴を記載しているが、経由地についても、どこからどこまで、どのルートを通った、という情報が利用回数を含め蓄積されている。
【0026】
図3は、履歴位置情報蓄積部43による履歴位置の蓄積処理を示すフローチャートである。
【0027】
この履歴位置情報の蓄積処理は、ユーザがナビゲーション装置91に目的地・経由地を入力したり、ナビゲーション装置91が入力結果に基づいて経路を演算したりした場合に実行される。ここではユーザが目的地の設定を行った場合を例に挙げて説明する。
【0028】
まず、ステップS31にて、ユーザがナビゲーション装置91に目的地を入力したことを判断するとステップS32へ進み、入力された目的地が過去に登録されたものか、すなわち当該履歴位置情報蓄積部43に既に登録されているか否かを判断する。過去に登録されたものであれば、ステップS33へ進んで該当する設定回数をプラスし、登録されていなければステップS34へ進んで新たな設定履歴として登録する。たとえば、図2に示す履歴状態において、ユーザが自宅を目的地として設定すると、同図に示す設定履歴の自宅設定回数が52回から53回に更新される。なお、ここでは目的地を設定した場合について説明したが、経由地や経路についても同様の処理が行われる。
【0029】
有用履歴抽出部44は、履歴位置情報蓄積部43に記憶された履歴位置情報から、POI情報を提供することがユーザにとって有用かどうかの判定に利用できる履歴位置情報を決定するものである。この履歴位置情報を有用履歴位置情報と称する。
【0030】
たとえば、所定期間内に所定回数以上訪れた場所や利用した経路があれば判定に利用できる履歴として決定する。これにより、蓄積された多数の履歴位置情報の中から、ユーザが遠い昔に行った場所や数度しか訪れてない場所などユーザの認知度が低い場所を除くことができる。また、ユーザが積極的に希望する位置情報を入力しなくても、自動的に有用性の高い位置情報を決定することができる。
【0031】
図4は、有用履歴抽出部44による有用履歴位置情報の抽出処理を示すフローチャートである。まず、ステップS41にて、履歴位置情報蓄積部43に蓄積された履歴位置情報(過去に設定された目的地・経由地・経路の位置情報)を参照し、ステップS42にて、この中から所定期間内に所定回数以上の設定履歴がある履歴位置情報を取得し、ステップS43にて、該当する履歴位置情報を後述する有効性判定に用いることができる有用履歴位置情報と決定する。なお、ステップS42において該当する履歴位置情報がない場合にはステップS43をジャンプし、有用履歴位置情報がないものとする。
【0032】
判定手段5は、POI情報取得手段3で受信したPOI情報がユーザにとって有用性があるかどうかをユーザ情報取得手段4で取得したユーザ情報と対比して判定するもので、位置対比部51と、判定部52と、判定結果送出部53とを備える。
【0033】
位置対比部51は、POI情報取得手段3の位置情報抽出部31で抽出された店舗の位置と、ユーザ情報取得手段4の現在位置情報取得部41に記憶されている現在位置および有用履歴抽出部44で抽出された有用履歴位置との距離(直線もしくはルート上の距離)を算出する機能と、これらの間の所要時間を算出する機能とを備える。
【0034】
判定部52は、位置対比部51で対比された距離および所要時間がそれぞれ予め決められた所定値以内であるかどうかを判定し、所定値以内である場合には判定結果送出部53へそのPOI情報が有用である旨を出力する。
【0035】
判定結果送出部53は、判定部52からの有用であるとされたPOI情報について、ユーザに提示する情報の作成およびその処理を実行する。たとえば、現在位置情報と店舗位置との距離又は所要時間のいずれかが所定値以内である場合には、図5に示すように、店舗名と現在位置からの距離や所要時間をディスプレイ82に表示するためのデータ作成を実行する。また、履歴位置情報と店舗位置との距離又は所要時間のいずれかが所定値以内である場合には、図6に示すように、店舗名と過去の目的地履歴の場所からの距離や所要時間をディスプレイ82に表示するためのデータ作成を実行する。
【0036】
図5は、現在位置情報により、受信した店舗位置の有用性があると判定された場合に判定結果送出部53およびPOI情報編集部721が作成する画面の一例である。また、図6は、履歴位置情報により、受信した店舗位置の有用性があると判定された場合に判定結果送出部53およびPOI情報編集部721が作成する画面の一例である。
【0037】
判定結果送出部53およびPOI情報編集部721は、図5および図6に示すように、表示したPOI情報の位置情報を登録するための「登録する」といった入力メニューと、周辺地図を表示する「周辺地図を表示」といった入力メニューと、店舗の詳細情報を表示する「詳細情報を表示」といった入力メニューなどの選択肢も合わせて作成し、ディスプレイ82に表示する。これらの選択肢の入力メニューがユーザにより選択されると、その旨が出力制御手段7に出力され、ディスプレイ82に店舗の周辺地図や店舗の詳細情報が表示され、また、「登録する」の入力メニューが選択されると、POI情報がPOI情報記憶手段6に記憶されることになる。
【0038】
なお図示する例では、店舗名、該当する現在位置情報又は履歴位置情報からの距離・所要時間のほか、登録する、周辺地図を表示、詳細情報を表示といった選択肢が表示されるが、これ以外にもたとえば、店舗の外観などの画像があれば、その画像を表示することもできるし、周辺地図表示の選択肢に代えて直接周辺地図を表示することもできる。
【0039】
POI情報記憶手段6は、図5や図6に示す表示画面において、ユーザに提示された店舗の登録要求がされた場合に、この店舗情報を記憶する記憶媒体である。POI情報記憶手段6には、その店舗情報およびその店舗の位置情報と、現在位置情報又は履歴位置情報と当該店舗との距離又は所要時間とが記憶される。
【0040】
図7は、POI情報記憶手段6に記憶されている店舗情報のデータ構造例を示す図である。本例では、POI情報記憶手段6に記憶される店舗情報として、名称、住所、緯度経度、電話番号、ジャンルの他、判定手段5で利用した情報である現在位置情報や履歴位置情報、判定手段5で利用した位置情報からの距離や所要時間が記載される。なお、POI情報記憶手段6に記憶する情報は、これ以外にも、たとえば受信した店舗情報に、その店舗の外観や内観などの画像情報や、お勧めメニューやユーザへの告知といったテキスト情報など、より詳細な情報を記憶させることもできる。
【0041】
POI情報記憶手段6に、店舗情報だけでなく現在位置情報又は履歴位置情報との距離又は所要時間を記憶させておくことにより、ユーザが登録した店舗を後日確認する際に、その店舗の位置が把握できなくとも、自分が知っている場所からの距離や所要時間がわかるので、大まかな位置を把握することができる。
【0042】
出力手段7は、デジタル放送デコード手段2から送られてきた音声データを出力手段8のスピーカ81により出力させるための制御を実行する音声出力制御部71と、デジタル放送デコード手段2から送られてきた画像・文字データを出力手段8のディスプレイ82により出力させるための制御を実行する画像・文字出力制御部72とを備える。
【0043】
画像・文字出力制御部72は、POI情報取得手段3で取得され、判定手段5で選別されたPOI情報を編集するPOI情報編集部721と、ナビゲーション装置91から地図情報を取得する地図情報取得部722とを備える。そして、POI情報編集部721は、判定手段5の判定結果送出部53から送られてきた結果に基づいて、POI情報に距離又は所要時間と入力メニューの選択肢を付加するとともに、これらを地図情報に重畳させる画像処理を実行し、ディスプレイ82へ出力する。
【0044】
次に、本実施形態に係る情報提供装置の動作フローを説明する。
【0045】
図8は、本実施形態に係る情報提供装置の情報処理手順を示すフローチャートである。
【0046】
ステップS801にて、デジタル放送受信手段1のアンテナ11とデジタル放送チューナー部12がデジタル放送信号を受信し、ユーザが指定した所定の周波数成分のみを抽出すると、ステップS802にて、デジタル放送デコード手段2のデータ処理部21は放送のデコードを開始する。
【0047】
データ処理部21においてデコードされると、放送信号は音声データと画像・文字データとに分離され、音声データは出力制御手段7の音声出力制御部71を介してスピーカ81から出力される。
【0048】
一方、画像・文字データは、ステップS803において、データ内に図9に示すようなPOI情報があるか否かを判断し、POI情報がなければ通常のBMLデータとして処理されたのち、ステップS804へ進み、出力手段7の画像・文字出力制御部72を介してディスプレイ82にデジタル放送の画像や文字が表示される。
【0049】
画像・文字データ内に図9に示すようなPOI情報が存在するときは、ステップS805へ進み、POI情報取得手段3の位置情報抽出部31はPOI情報に含まれる位置情報を抽出し、これを判定手段5の位置対比部51へ出力する。なお、POI情報そのものは判定手段5の判定部52の結果が出るまでPOI情報取得手段3で一時的に保持する。
【0050】
次のステップS806では、位置対比部51は、現在位置情報についての有用性の判定を行うために、ユーザ情報取得手段4の現在位置情報取得部41で取得された現在位置情報、すなわち現在の位置情報、現在設定されている目的地の位置情報、現在設定されている経由地の位置情報および現在設定されている経路の位置情報を読み出す。
【0051】
そして、ステップS807にて、ステップS805で抽出したPOI情報の位置情報と、ステップS806で抽出した現在位置情報とから、両位置間の距離(直線又は経路上)と所要時間を算出する。
【0052】
ステップS808では、ステップS807で算出された両位置間の距離が所定距離以内にあるかどうかと、両位置間の所要時間が所定時間内にあるかどうかを判定し、何れか一方が所定値以内にある場合は、そのPOI情報はユーザにとって有用性があるとみなし、ステップS809へ進んで、そのPOI情報を出力制御手段7のPOI情報編集部721を介してディスプレイ82に表示したのち処理を終了する。この表示画面の例を図5に示すが、店舗の位置を地図に重畳して表示するとともに、現在位置から店舗までの距離や所要時間も表示する。
【0053】
なお、現在の位置以外の現在位置情報、すなわち現在設定されている目的地、経由地、経路についてもPOI情報の位置情報と対比し、両位置間の距離および所要時間を算出して有用性を判定し、有用であると判定した場合はディスプレイ82にPOI情報を表示する。また、上述したように、「登録する」などの入力メニューも合わせて表示し、ユーザが選択したら各項目における処理を実行する。
【0054】
また、本例では判定結果送出部53およびPOI情報編集部721がPOI情報の提供画面を作成する場合について説明したが、提供画面を提示せずにPOI情報記憶手段6に記憶することもできる。
【0055】
このように、現在位置情報の処理を、後述する履歴位置情報に対して優先することで、ユーザにとって現在有用なPOI情報を提供することができるとともに、本実施形態に係る情報提供装置の処理時間を短縮することができる。
【0056】
すなわち、本実施形態では、ステップS806〜S809において現在位置情報に基づいてPOI情報の有用性を最初に判定し、ここで有用性があると判定された場合には、ステップS810〜S816で実行する履歴位置情報に基づく有用性判定を行うことなく、そのPOI情報を提示するので、履歴位置情報に基づく有用性判定の結果が有用性なしであっても、現在位置情報に基づく有用性判定が有用性ありである限り、そのPOI情報はユーザに提示される。逆に、履歴位置情報に基づく有用性判定の結果が有用性ありであっても、現在位置情報に基づく有用性判定が有用性なしである限り、そのPOI情報はユーザに提示されない。
【0057】
ステップS808に戻り、POI情報取得手段3の位置情報抽出部31で抽出したPOI情報の位置情報が、現在位置情報(現在の位置情報、現在設定されている目的地の位置情報、現在設定されている経由地の位置情報、現在設定されている経路の位置情報)から所定距離を越える位置であり、かつ、所定の所要時間を越える場合は、ステップS810へ進み、有用履歴位置情報との対比を実行する。
【0058】
すなわち、ステップS810〜S811では、位置対比部51は、有用履歴抽出部44で抽出された有用履歴位置情報を読み出し、有用履歴位置情報が複数存在するか否かを判断する。有用履歴位置情報が一つである場合はステップS812にてその有用履歴位置情報を特定するが、複数存在する場合はステップS813へ進み、最も設定回数が多い履歴位置情報を抽出する。
【0059】
有用履歴位置情報を1つに絞り込んだら、ステップS814へ進み、絞り込まれた履歴位置情報と、POI情報の位置情報とから、両位置間の距離および所要時間を、ステップS807と同様に算出する。
【0060】
ステップS815では、ステップS814で算出された両位置間の距離が所定距離以内にあるかどうかと、両位置間の所要時間が所定時間内にあるかどうかを判定し、何れか一方が所定値以内にある場合は、そのPOI情報はユーザにとって有用性があるとみなし、ステップS816へ進んで、そのPOI情報を出力制御手段7のPOI情報編集部721を介してディスプレイ82に表示したのち処理を終了する。この表示画面の例を図6に示すが、店舗の位置を地図に重畳して表示するとともに、履歴位置から店舗までの距離や所要時間も表示する。
【0061】
なお、本例では有用履歴位置情報として過去に設定したことがある目的地の位置情報を用いたが、その他の履歴位置情報、すなわち過去に設定されたことがある経由地や経路についてもPOI情報の位置情報と対比し、両位置間の距離および所要時間を算出して有用性を判定し、有用であると判定した場合はディスプレイ82にPOI情報を表示することもできる。また、上述したように、「登録する」などの入力メニューも合わせて表示し、ユーザが選択したら各項目における処理を実行する。
【0062】
また、本例では判定結果送出部53およびPOI情報編集部721がPOI情報の提供画面を作成する場合について説明したが、提供画面を提示せずにPOI情報記憶手段6に記憶することもできる。
【0063】
なお、ステップS815において、そのPOI情報が履歴位置情報に対しても有用性がないと判定された場合にはステップS816をジャンプして処理を終了し、POI情報の提示は行わない。
【0064】
以上、本実施形態の情報提供装置および情報提供方法によれば、現在位置情報又は履歴位置情報に基づいてPOI情報の有用性を判定し、有用性がある場合のみディスプレイなどに出力する。したがって、ユーザにとって必要とされるPOI情報のみが自動的に配信され、ユーザにとっての利便性が向上する。
【0065】
また、現在位置情報による有用性判定を履歴位置情報による有用性判定に対して優先して実行するので、ユーザにとって現在有用なPOI情報を選別して提供することができる。
【0066】
また、履歴位置情報により有用性を判定するに際し、有用履歴位置情報を用いるので、数度しか行ったことがない場所や遠い昔に行った場所など、現在のユーザにとってさほど有用でない場所を除外することができる。
【0067】
また、有用性があると判定されたPOI情報をディスプレイ82に表示する際に、その位置までの距離や所要時間を併せて表示することで、距離感が把握できユーザに対する利便性がより向上する。
【0068】
また、有用であると判定されたPOI情報を位置情報とともにPOI情報記憶手段6に記憶させておくことで、後日、ユーザが登録した情報を見直した際に、登録情報がどの辺に位置するかを容易に把握することができる。
【0069】
なお、本実施形態は以下のように変形することができる。すなわち、図8に示す処理の実施形態において、ステップS810〜S816を省略し、現在位置情報のみによってPOI情報の有用性を判定することができる。また逆に、ステップS806〜S809を省略し、履歴位置情報のみによってPOI情報の有用性を判定することもできる。
【0070】
さらに、履歴位置情報に基づいてPOI情報の有用性を判定する際に、有用履歴位置情報に代えて全ての履歴位置情報を用いてPOI情報の有用性を判定することもできる。また、履歴位置情報が複数存在する場合の絞り方は、最も設定回数が多いもの以外にも、たとえば現在位置から最も距離又は所要時間が短いものに絞り込むこともできる。
【0071】
また、有用性があると判定された複数のPOI情報を、有用性が高い順に序列化し、ディスプレイ82に表示したり、POI情報記憶部6に格納したりすることもできる。
【0072】
《第2実施形態》
上述した第1実施形態では、距離又は所要時間に基づいてPOI情報の有用性を判定したが、距離又は所要時間以外にもPOI情報の有用性を判定することができる。
【0073】
本実施形態では、ユーザがナビゲーション装置や別設の入力装置に設定した目的地のジャンル・地域・施設など、ユーザが関心をもって指定した属性情報又は情報の要否を選択した属性情報の履歴を用い、POI情報がユーザにとって有用かどうかを判断する。
【0074】
こうすることで、距離又は所要時間による有用性判定とは異なる観点から、すなわち近いから「行き易い」といった距離的・時間的な観点からではなく、「行きたい」場所であるかといった欲求的な観点から、有用な情報のみをユーザに提供することができる。
【0075】
図10は、本実施形態に係る情報提供装置を示すブロック図である。
【0076】
図示する情報提供装置は、デジタル放送受信手段1、デジタル放送デコード手段2、POI情報取得手段3、ユーザ情報取得手段4、判定手段5、POI情報記憶手段6、出力制御手段7、出力手段8および入力手段9を備える。
【0077】
デジタル情報受信手段1とデジタル放送デコード手段2が本発明の受信手段に相当し、POI情報取得手段3が本発明のPOI情報取得手段に相当し、ユーザ情報取得手段4が本発明のユーザ情報取得手段に相当し、判定手段5が本発明の判定手段に相当し、POI情報記憶手段6が本発明のPOI情報取得手段に相当し、出力制御手段7および出力手段8が本発明の出力手段に相当する。
【0078】
デジタル放送受信手段1は、アンテナ11とチューナー部12とを備え、チューナー部12は、アンテナ11に到達した各種放送信号の中から、所定の周波数成分の受信対象となる周波数信号のみを抽出し、抽出したデジタル放送信号をデジタル放送デコード手段2へ出力する。
【0079】
デジタル放送デコード手段2は、データ処理部21を備え、このデータ処理部21は、デジタル放送チューナー部12が抽出したデジタル放送信号に所定のデジタル復調処理を行い、音声信号とBML(Broadcast Markup Language)などで記述されたデータ信号とに分離する。また、データ処理部21は、分離されたデータ信号を解析し、データ放送画面を作成するとともに、POI情報を抽出する。
【0080】
そして、データ処理部21で分離された音声信号は、出力制御手段7の音声出力制御部71を介して出力手段8のスピーカ81へ出力される一方で、データ処理部21で作成された画像・文字データは、出力制御手段7の画像・文字出力制御部72を介して出力手段8のディスプレイ82に出力される。このとき、画像・文字データには、POI情報や地図情報が付加される。この部分の詳細は後述する。
【0081】
POI情報取得手段3は、属性情報抽出部32を備え、この属性情報抽出部32は、データ処理部21で抽出されたPOI情報に含まれる属性情報を取得して、判定手段5へ出力する。本例のPOI情報も、上述した第1実施形態と同様、図9に示すように、ある店舗の名称、住所、位置(経度・緯度)、電話番号および店舗のジャンル(たとえばラーメン屋など)といった情報を含んでいる。このうちのジャンルや住所が属性情報抽出部32で抽出されるPOI情報の属性に該当する。
【0082】
入力手段9は、ナビゲーション装置91を備え、このナビゲーション装置91は、現在位置を検出するGPS情報入力機能と、現在位置の表示、目的地の入力設定、ルート検索、ルート案内などのナビゲーション機能(入力機能を含む)を備える。なお、本例では入力手段9としてナビゲーション装置91の入力機能を利用しているが、ナビゲーション装置91とは別設の入力装置を用いることもできる。また、出力手段8のディスプレイ82に入力機能を付加し、これを入力手段9とすることもできる。
【0083】
ユーザ情報取得手段4は、ナビゲーション装置91の入力機能部から属性情報を取得する指定属性情報取得部45と、要否選択取得部46と、要否選択取得部46にて取得された選択属性情報を蓄積する選択属性情報蓄積部47と、選択属性情報蓄積部47に蓄積された選択属性情報からユーザにとって有用性のある属性情報かどうかを判定して抽出する有用履歴抽出部48とを備える。
【0084】
図11(A)及び図11(B)は、ナビゲーション装置91の入力機能部(ディスプレイ)などに表示されて、ユーザが目的地などを設定する際に表示される入力画面の一例を示す図であり、図11(A)はジャンル属性の入力画面、図11(B)は地域属性の入力画面をそれぞれ示す。たとえば、ユーザがナビゲーション装置91の検索画面で、図11(A)に示すように「ラーメン」というジャンル属性を指定するとともに、図11(B)に示すように「横浜市青葉区」という地域属性を指定し、横浜市青葉区にあるラーメン店を目的地として設定した場合、この「ラーメン」という属性と「横浜市青葉区」という属性が、ユーザ情報取得手段4の指定属性情報取得部45にて取得される属性情報となる。このように、現在設定されている属性情報を特にユーザ指定属性情報と称する。
【0085】
なお、図12は本実施形態における属性情報のうち、ジャンル属性情報の内容と地域属性情報の内容の一例を示す図である。その他の属性情報として、遊園地や映画館などの娯楽施設情報、お城や石碑などの歴史情報、コンサートやサイン会などのイベント情報、さらにはイベントの具体的なアーティスト名などを含めることができる。また、地域情報については市町村といった分類に限定されるものではなく、県域や特定エリアなど大きく区切ることもでき、逆にある場所から何キロメートル以内という限定した区切り方とすることもできる。また、番組名やパーソナリティ名などのように誰のお勧めが欲しいかといった属性情報を含めることもできる。
【0086】
こうした属性情報は、ユーザの関心度を示す情報として潜在的なものであるが、デジタル放送で配信されるPOI情報に含まれる属性情報と何らかのかたちでマッチングが可能な属性であれば、これらを含めることができる。
【0087】
要否選択取得部46は、特にディスプレイ82に表示されたPOI情報に対し、ユーザがその情報を必要としたか否かを取得するものであり、要否の結果は選択属性情報蓄積部47に出力される。つまり、ユーザ指定属性情報とは別に、一度ユーザに提示されたPOI情報についてユーザによる情報の有用性をフィードバックするものである。具体的には、図14に示すPOI情報の提示画面において、左下に設けられた「この情報は必要」という入力メニューを選択すると、そのPOI情報に関連する属性情報は、ユーザ選択属性情報として要否選択取得部46にて取得される。
【0088】
選択属性情報蓄積部47は、要否選択取得部46で取得されたPOI情報の要否結果に基づいて、属性ごとの要否をカウントして記憶するものである。図13は、選択属性情報蓄積部47におけるデータ構造を示す図であり、同図にはジャンルと地域それぞれの属性について蓄積結果(必要とされた設定回数)を示す。
【0089】
有用履歴抽出部48は、選択属性情報蓄積部47に記憶されたユーザ選択属性情報から、POI情報を提供することがユーザにとって有用かどうかの判定に利用できるユーザ選択属性情報を決定するものである。たとえば、所定期間内に所定回数以上訪れたジャンルや地域があれば判定に利用できる選択属性情報として決定する。このようにして決定されたユーザ選択属性情報を有用選択属性情報と称する。
【0090】
このように、蓄積された多数のユーザ選択属性情報の中から、ユーザが遠い昔に行った地域や数度しか訪れてないジャンルなどユーザの関心度が低い属性を除くことができる。また、ユーザが積極的に希望する指定属性情報を入力しなくても、自動的に有用性の高い属性情報を決定することができる。
【0091】
判定手段5は、POI情報取得手段3で受信したPOI情報がユーザにとって有用性があるかどうかをユーザ情報取得手段4で取得したユーザ情報と対比して判定するもので、属性対比部54と、判定部55と、判定結果送出部56とを備える。
【0092】
属性対比部54は、POI情報取得手段3の属性情報抽出部32で抽出された店舗の属性と、ユーザ情報取得手段4の属性情報取得部45に記憶されているユーザ指定属性情報および有用履歴抽出部48で抽出された有用選択属性情報とを対比する機能を備える。
【0093】
判定部55は、属性対比部51で対比した結果、これらが一致または店舗の属性情報がユーザの属性情報に含まれているかどうかを判定し、一致又は店舗の属性情報がユーザの属性情報に含まれている場合には判定結果送出部56へそのPOI情報が有用である旨を出力する。
【0094】
判定結果送出部56は、判定部55からの有用であるとされたPOI情報について、ユーザに提示する情報の作成およびその処理を実行する。たとえば、店舗の属性情報とユーザの属性情報とが一致又は店舗の属性情報がユーザの属性情報に含まれている場合には、図14に示すように、店舗名をディスプレイ82に表示するためのデータ作成を実行する。
【0095】
図14は、属性情報により、受信した店舗位置の有用性があると判定された場合に判定結果送出部56およびPOI情報編集部721が作成する画面の一例である。
【0096】
判定結果送出部56およびPOI情報編集部721は、図14に示すように、表示したPOIの位置情報を登録するための「登録する」といった入力メニューと、周辺地図を表示する「周辺地図を表示」といった入力メニューと、店舗の詳細情報を表示する「詳細情報を表示」といった入力メニューと、提示された店舗の情報が必要か否かを入力する「この情報が必要」といった入力メニューなどの選択肢も合わせて作成し、ディスプレイ82に表示する。
【0097】
これらの選択肢の入力メニューがユーザにより選択されると、その旨が出力制御手段7に出力され、ディスプレイ82に店舗の周辺地図や店舗の詳細情報が表示され、また、「登録する」の入力メニューが選択されると、POI情報がPOI情報記憶手段6に記憶されることになる。さらに、既述したとおり、この情報は必要である入力メニューをONすると、その旨がユーザ情報取得手段4の要否選択取得部46に送出される。
【0098】
なお図示する例では、店舗名のほか、登録する、周辺地図を表示、詳細情報を表示、この情報は必要といった選択肢が表示されるが、これ以外にもたとえば、店舗の外観などの画像があれば、その画像を表示することもできるし、周辺地図表示の選択肢に代えて直接周辺地図を表示することもできる。
【0099】
POI情報記憶手段6は、図14に示す表示画面において、ユーザに提示された店舗の登録要求がされた場合に、この店舗情報を記憶する記憶媒体である。POI情報記憶手段6には、その店舗情報およびその店舗の位置情報とジャンルとが記憶される。
【0100】
図15は、POI情報記憶手段6に記憶されている店舗情報の例を示す図である。本例では、POI情報記憶手段6に記憶される店舗情報として、名称、住所、緯度経度、電話番号、ジャンルの詳細が記載される。なお、POI情報記憶手段6に記憶する情報は、これ以外にも、たとえば受信した店舗情報に、その店舗の外観や内観などの画像情報や、お勧めメニューやユーザへの告知といったテキスト情報など、より詳細な情報を記憶させることもできる。
【0101】
出力手段7は、デジタル放送デコード手段2から送られてきた音声データを出力手段8のスピーカ81により出力させるための制御を実行する音声出力制御部71と、デジタル放送デコード手段2から送られてきた画像・文字データを出力手段8のディスプレイ82により出力させるための制御を実行する画像・文字出力制御部72とを備える。
【0102】
画像・文字出力制御部72は、POI情報取得手段3で取得され、判定手段5で選別されたPOI情報を編集するPOI情報編集部721と、ナビゲーション装置91から地図情報を取得する地図情報取得部722とを備える。そして、POI情報編集部721は、判定手段5の判定結果送出部56から送られてきた結果に基づいて、POI情報に入力メニューの選択肢を付加するとともに、これらを地図情報に重畳させる画像処理を実行し、ディスプレイ82へ出力する。
【0103】
次に、本実施形態に係る情報提供装置の動作フローを説明する。
【0104】
図16は、本実施形態に係る情報提供装置の情報処理手順を示すフローチャートである。
【0105】
ステップS1601にて、デジタル放送受信手段1のアンテナ11とデジタル放送チューナー部12がデジタル放送信号を受信し、ユーザが指定した所定の周波数成分のみを抽出すると、ステップS1602にて、デジタル放送デコード手段2のデータ処理部21は放送のデコードを開始する。
【0106】
データ処理部21においてデコードされると、放送信号は音声データと画像・文字データとに分離され、音声データは出力制御手段7の音声出力制御部71を介してスピーカ81から出力される。
【0107】
一方、画像・文字データは、ステップS1603において、データ内に図9に示すようなPOI情報があるか否かを判断し、POI情報がなければ通常のBMLデータとして処理されたのち、ステップS1604へ進み、出力手段7の画像・文字出力制御部72を介してディスプレイ82にデジタル放送の画像や文字が表示される。
【0108】
画像・文字データ内に図9に示すようなPOI情報が存在するときは、ステップS1605へ進み、POI情報取得手段3の属性情報抽出部32はPOI情報に含まれる属性情報を抽出し、これを判定手段5の属性対比部54へ出力する。なお、POI情報そのものは判定手段5の判定部55の結果が出るまでPOI情報取得手段3で一時的に保持する。
【0109】
次のステップS1606では、属性対比部54は、属性情報についての有用性の判定を行うために、ユーザ情報取得手段4の指定属性情報取得部45で取得された現在のユーザ指定属性情報を読み出す。
【0110】
そして、ステップS1607にて、ステップS1605で抽出したPOI情報の属性情報と、ステップS1606で抽出した現在のユーザ指定属性情報とを対比する。
【0111】
ステップS1608では、ステップS1607で対比されたPOI情報の属性情報が現在のユーザ指定属性情報と一致又は含んでいるかどうかを判定し、含んでいる場合は、そのPOI情報はユーザにとって有用性があるとみなし、ステップS1609へ進んで、そのPOI情報を出力制御手段7のPOI情報編集部721を介してディスプレイ82に表示する。この表示画面の例を図14に示すが、店舗の位置を地図に重畳して表示する。また、同図に示すように、「登録する」や「この情報は必要」などの入力メニューも合わせて表示し、ユーザが選択したら各項目における処理を実行する。
【0112】
なお、本例では判定結果送出部56およびPOI情報編集部721がPOI情報の提供画面を作成する場合について説明したが、提供画面を提示せずにPOI情報記憶手段6に記憶することもできる。
【0113】
このように、現在ユーザによって設定されているユーザ指定属性情報に基づく判定処理を、後述するユーザ選択属性情報に対して優先することで、ユーザにとって現在有用なPOI情報を提供することができるとともに、本実施形態に係る情報提供装置の処理時間が短縮できる。
【0114】
すなわち、本実施形態では、ステップS1606〜S1609において現在ユーザによって設定されているユーザ指定属性情報に基づいてPOI情報の有用性を最初に判定し、ここで有用性があると判定された場合には、ステップS1614〜S1618で実行するユーザ選択属性情報に基づく有用性判定を行うことなく、そのPOI情報を提示するので、ユーザ選択属性情報に基づく有用性判定の結果が有用性なしであっても、現在のユーザ指定属性情報に基づく有用性判定が有用性ありである限り、そのPOI情報はユーザに提示される。逆に、ユーザ選択属性情報に基づく有用性判定の結果が有用性ありであっても、現在のユーザ指定属性情報に基づく有用性判定が有用性なしである限り、そのPOI情報はユーザに提示されない。
【0115】
ステップS1609にてPOI情報がディスプレイ82に表示されたら、ステップS1610ではユーザによる情報の必要性の入力を待つ。図14の表示画面における「この情報は必要」という入力メニューがONされるか否かによって情報の必要性を判断する。
【0116】
ステップS1610にて、ユーザがこの情報は必要である旨の入力がなかった場合には処理を終了するが、必要である旨の入力があった場合にはステップS1611へ進み、その属性が過去に選択された属性であるか否かを判断する。そして、過去に選択された属性である場合は、ステップS1612に進み、選択属性情報蓄積部47に記憶されている属性の選択回数をカウントアップする。図13に示す例でいえば、POI情報としてラーメン店という属性情報が提示されている場合、ユーザがこのPOI情報を必要であると入力した場合には、ジャンル属性のラーメンの属性情報を15回から16回に更新する。
【0117】
一方、ステップS1611にて過去に選択された属性でない場合には、ステップS1613に進み、選択属性情報蓄積部47にその属性を新たに追加する。
【0118】
ステップS1608に戻り、POI情報取得手段3の指定属性情報抽出部32で抽出したPOI情報の属性情報が、現在ユーザにより設定されているユーザ指定属性情報を含んでいない場合は、ステップS1614へ進み、有用履歴抽出部48で抽出される有用選択属性情報との対比を実行する。
【0119】
ステップS1615〜S1616は、有用履歴抽出部48にて実行される処理である。有用履歴抽出部48は、選択属性情報蓄積部47に記憶されたユーザ選択属性情報の中に、所定期間内に所定回数以上選択された属性があるかどうかを判断し、この条件を満たす属性情報を抽出する。ここで抽出された属性情報は、選択属性情報蓄積部47に記憶されたユーザ選択属性情報の中でも特にユーザが最近特に関心をもっている属性であるとみなすことができるので、これを有用選択属性情報とし、POI情報の有用性の判定に用いる。
【0120】
ステップS1617では、ステップS1616で抽出された有用選択属性情報をユーザの属性情報とし、POI情報取得手段3の属性情報抽出部32で抽出したPOI情報の属性情報が、このユーザの属性情報と一致又は含んでいるかどうかを判定する。そして、POI情報の属性情報がユーザの属性情報を含んでいる場合にはステップS1618へ進み、そのPOI情報を出力制御手段7のPOI情報編集部721を介してディスプレイ82に表示したのち処理を終了する。なお、POI情報の属性情報がユーザの属性情報を含んでいない場合には、そのPOI情報を提示することなく処理を終了する。
【0121】
以上、本実施形態の情報提供装置及び情報提供方法によれば、ユーザ指定属性情報又はユーザ選択属性情報に基づいてPOI情報の有用性を判定し、有用性がある場合のみディスプレイなどに出力する。したがって、ユーザにとって必要とされるPOI情報のみが自動的に配信され、利便性が向上する。
【0122】
また、ユーザ指定属性情報による有用性判定をユーザ選択属性情報による有用性判定に対して優先して実行するので、ユーザにとって現在有用なPOI情報を選別して提供することができる。
【0123】
また、ユーザ選択属性情報により有用性を判定するに際し、有用選択属性情報を用いるので、数度しか行ったことがない場所や遠い昔に行った場所など、現在のユーザにとってさほど有用でない場所を除外することができる。
【0124】
なお、図16に示す処理の実施形態において、ステップS1610〜S1618を省略し、ユーザ指定属性情報のみによってPOI情報の有用性を判定することもできる。また逆に、ステップS1606〜S1609を省略し、ユーザ選択属性情報のみによってPOI情報の有用性を判定することもできる。
【0125】
さらに、ユーザ選択属性情報に基づいてPOI情報の有用性を判定する際に、有用選択属性情報に代えて全てのユーザ選択属性情報を用いてPOI情報の有用性を判定することもできる。また、有用選択属性情報が複数存在する場合は、たとえば最も選択回数が多いものに絞り込むこともできる。
【0126】
また、有用性があると判定された複数のPOI情報を、有用性が高い順に序列化し、ディスプレイ82に表示したり、POI情報記憶部6に格納したりすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明の第1実施形態に係る情報提供装置を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る履歴位置情報蓄積部に記憶されるデータ構造を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る履歴位置情報蓄積部による履歴位置の蓄積処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態に係る有用履歴抽出部による有用履歴位置情報の抽出処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施形態に係る情報提供装置により提供される画面の一例を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る情報提供装置により提供される画面の他の例を示す図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係るPOI情報記憶手段に記憶されている店舗情報のデータ構造例を示す図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る情報提供装置の情報処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係るデジタル放送の配信情報に含まれるPOI情報の一例を示すデータ構造図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る情報提供装置を示すブロック図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係るユーザ指定属性情報の入力画面の一例を示す図である。
【図12】本発明の第2実施形態における属性情報の内容の一例を示す図である。
【図13】本発明の第2実施形態に係る選択属性情報蓄積部のデータ構造を示す図である。
【図14】本発明の第2実施形態に係る情報提供装置により提供される画面の一例を示す図である。
【図15】本発明の第2実施形態に係るPOI情報記憶手段に記憶されている店舗情報の例を示す図である。
【図16】本発明の第2実施形態に係る情報提供装置の情報処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0128】
1…デジタル放送受信手段
2…デジタル放送デコード手段
3…POI情報取得手段
4…ユーザ情報取得手段
5…判定手段
6…POI情報記憶手段
7…出力制御手段
8…出力手段
9…入力手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル放送による配信情報をユーザに対して出力する出力手段と、
前記配信情報に含まれる、ユーザが関心を示す地点に関するPOI情報を取得するPOI情報取得手段と、
前記ユーザにより入力されるユーザ情報を取得するユーザ情報取得手段と、
前記ユーザ情報と前記POI情報との対比結果が予め定義した所定条件を満たす場合のみ、当該POI情報を前記出力手段に出力する判定手段と、を備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報提供装置において、
前記ユーザ情報取得手段は、前記ユーザの現在の位置情報、現在設定している目的地の位置情報、現在設定している経由地の位置情報および現在設定している経路の位置情報のうち少なくとも一つの現在位置情報を取得し、
POI情報取得手段は、前記取得したPOI情報に含まれる地点のPOI位置情報を取得し、
前記判定手段は、前記ユーザ情報取得手段が取得した前記現在位置情報と前記POI情報取得手段が取得した前記POI位置情報とから両位置間の距離又は所要時間を算出し、当該距離又は所要時間の少なくとも一方が所定値以下である場合のみ、前記POI情報を前記出力手段に出力することを特徴とする情報提供装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報提供装置において、
前記ユーザ情報取得手段は、前記ユーザにより過去に設定された目的地の位置情報、経由地の位置情報および経路の位置情報のうち少なくとも一つの履歴位置情報を取得し、
前記POI情報取得手段は、前記取得したPOI情報に含まれる地点のPOI位置情報を取得し、
前記判定手段は、前記ユーザ情報取得手段が取得した前記履歴位置情報と前記POI情報取得手段が取得した前記POI位置情報とから、両位置間の距離又は所要時間を算出し、当該距離又は所要時間の少なくとも一方が所定値以下である場合のみ、前記POI情報を前記出力手段に出力することを特徴とする情報提供装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報提供装置において、
前記ユーザ情報取得手段は、設定頻度が所定値以上の前記履歴位置情報を取得することを特徴とする情報提供装置。
【請求項5】
請求項1に記載の情報提供装置において、
前記ユーザ情報取得手段は、前記ユーザの現在の位置情報、現在設定している目的地の位置情報、現在設定している経由地の位置情報および現在設定している経路の位置情報のうち少なくとも一つの現在位置情報を取得するとともに、前記ユーザにより過去に設定された目的地の位置情報、経由地の位置情報および経路の位置情報のうち少なくとも一つの履歴位置情報を取得し、
前記POI情報取得手段は、前記取得したPOI情報に含まれる地点のPOI位置情報を抽出し、
前記判定手段は、
前記ユーザ情報取得手段が取得した前記履歴位置情報と前記POI情報取得手段が取得したPOI位置情報とから、両位置間の距離又は所要時間を算出し、当該距離又は所要時間の少なくとも一方が所定値を越える場合であっても、
前記ユーザ情報取得手段が取得した前記現在位置情報と前記POI情報取得手段が取得したPOI位置情報とから、両位置間の距離又は所要時間を算出し、当該距離又は所要時間の少なくとも一方が所定値以下である場合は、前記POI情報を前記出力手段に出力することを特徴とする情報提供装置。
【請求項6】
請求項1に記載の情報提供装置において、
前記ユーザ情報取得手段は、前記ユーザの現在の位置情報、現在設定している目的地の位置情報、現在設定している経由地の位置情報および現在設定している経路の位置情報のうち少なくとも一つの現在位置情報を取得するとともに、前記ユーザにより過去に設定された目的地の位置情報、経由地の位置情報および経路の位置情報のうち少なくとも一つの履歴位置情報を取得し、
前記POI情報取得手段は、前記取得したPOI情報に含まれる地点のPOI位置情報を抽出し、
前記判定手段は、
前記ユーザ情報取得手段が取得した前記履歴位置情報と前記POI情報取得手段が取得したPOI位置情報とから、両位置間の距離又は所要時間を算出し、当該距離又は所要時間の少なくとも一方が所定値以下の場合であっても、
前記ユーザ情報取得手段が取得した前記現在位置情報と前記POI情報取得手段が取得したPOI位置情報とから、両位置間の距離又は所要時間を算出し、当該距離又は所要時間の少なくとも一方が所定値を越える場合は、前記POI情報を前記出力手段に出力しないことを特徴とする情報提供装置。
【請求項7】
請求項2〜6の何れか一項に記載の情報提供装置において、
前記判定手段は、前記出力手段に出力すると判定したPOI情報に、前記両位置間の距離及び/又は所要時間を付加して出力することを特徴とする情報提供装置。
【請求項8】
請求項4〜6のいずれか一項に記載の情報提供装置において、
前記判定手段は、前記出力手段に出力する前記POI情報が複数ある場合には、前記履歴位置情報のうち設定頻度が最も多い履歴位置情報についての前記両位置間の距離及び/又は所要時間を、前記POI情報に付加して出力することを特徴とする情報提供装置。
【請求項9】
請求項2〜8の何れか一項に記載の情報提供装置において、
前記出力手段に出力すると判定された前記POI情報を記憶するPOI情報記憶手段をさらに備え、
前記POI情報記憶手段は、前記判定手段が算出した両位置間の距離及び/又は所要時間を前記POI情報に関連付けて記憶することを特徴とする情報提供装置。
【請求項10】
請求項1に記載の情報提供装置において、
前記ユーザ情報取得手段は、前記ユーザにより入力された少なくとも一つのユーザ指定属性情報を取得し、
前記POI情報取得手段は、前記取得したPOI情報に含まれる地点のPOI属性情報を取得し、
前記判定手段は、前記POI情報取得手段により取得したPOI属性情報が前記ユーザ情報取得手段により取得したユーザ指定属性情報に一致又は含まれている場合のみ、前記POI情報を前記出力手段に出力することを特徴とする情報提供装置。
【請求項11】
請求項1に記載の情報提供装置において、
前記ユーザ情報取得手段は、前記出力手段が提示した配信情報に対して前記ユーザが当該配信情報の要否を選択した中から、当該ユーザが必要であると選択したユーザ選択属性情報を取得し、
POI情報取得手段は、前記取得したPOI情報に含まれる地点のPOI属性情報を取得し、
前記判定手段は、前記POI情報取得手段により取得したPOI属性情報が、前記ユーザ情報取得手段により取得したユーザ選択属性情報に含まれている場合のみ、前記POI情報を前記出力手段に出力することを特徴とする情報提供装置。
【請求項12】
請求項11に記載の情報提供装置において、
前記ユーザ情報取得手段は、選択頻度が所定値以上のユーザ選択属性情報を取得することを特徴とする情報提供装置。
【請求項13】
請求項10〜12のいずれか一項に記載の情報提供装置において、
前記ユーザ指定属性情報、前記ユーザ選択属性情報及び前記POI属性情報は、前記地点の種類、前記地点において提供されるサービスのジャンル、前記地点の属する地域、前記地点の推薦者名および前記地点に関連するアーティスト名の少なくともいずれかであることを特徴とする情報提供装置。
【請求項14】
請求項1〜13の何れか一項に記載の情報提供装置において、
前記出力手段は、前記POI位置情報に基づいて、前記POI情報に係る地点を含む地図情報を取得し、前記ユーザに提示することを特徴とする情報提供装置。
【請求項15】
請求項1〜14の何れか一項に記載の情報提供装置において、
前記POI情報は、商品を販売もしくはサービスを提供する店舗に関する情報、娯楽施設もしくはイベント施設に関する情報または観光地に関する情報であることを特徴とする情報提供装置。
【請求項16】
デジタル放送による配信情報を受信するステップと、
前記配信情報に含まれる、ユーザが関心を示す地点に関するPOI情報を取得するステップと、
前記ユーザにより入力されるユーザ情報を取得するステップと、
前記ユーザ情報と前記POI情報との対比結果が予め定義した所定条件を満たす場合のみ、前記POI情報をユーザに対して出力するステップと、を備えることを特徴とする情報提供方法。
【請求項1】
デジタル放送による配信情報をユーザに対して出力する出力手段と、
前記配信情報に含まれる、ユーザが関心を示す地点に関するPOI情報を取得するPOI情報取得手段と、
前記ユーザにより入力されるユーザ情報を取得するユーザ情報取得手段と、
前記ユーザ情報と前記POI情報との対比結果が予め定義した所定条件を満たす場合のみ、当該POI情報を前記出力手段に出力する判定手段と、を備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報提供装置において、
前記ユーザ情報取得手段は、前記ユーザの現在の位置情報、現在設定している目的地の位置情報、現在設定している経由地の位置情報および現在設定している経路の位置情報のうち少なくとも一つの現在位置情報を取得し、
POI情報取得手段は、前記取得したPOI情報に含まれる地点のPOI位置情報を取得し、
前記判定手段は、前記ユーザ情報取得手段が取得した前記現在位置情報と前記POI情報取得手段が取得した前記POI位置情報とから両位置間の距離又は所要時間を算出し、当該距離又は所要時間の少なくとも一方が所定値以下である場合のみ、前記POI情報を前記出力手段に出力することを特徴とする情報提供装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報提供装置において、
前記ユーザ情報取得手段は、前記ユーザにより過去に設定された目的地の位置情報、経由地の位置情報および経路の位置情報のうち少なくとも一つの履歴位置情報を取得し、
前記POI情報取得手段は、前記取得したPOI情報に含まれる地点のPOI位置情報を取得し、
前記判定手段は、前記ユーザ情報取得手段が取得した前記履歴位置情報と前記POI情報取得手段が取得した前記POI位置情報とから、両位置間の距離又は所要時間を算出し、当該距離又は所要時間の少なくとも一方が所定値以下である場合のみ、前記POI情報を前記出力手段に出力することを特徴とする情報提供装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報提供装置において、
前記ユーザ情報取得手段は、設定頻度が所定値以上の前記履歴位置情報を取得することを特徴とする情報提供装置。
【請求項5】
請求項1に記載の情報提供装置において、
前記ユーザ情報取得手段は、前記ユーザの現在の位置情報、現在設定している目的地の位置情報、現在設定している経由地の位置情報および現在設定している経路の位置情報のうち少なくとも一つの現在位置情報を取得するとともに、前記ユーザにより過去に設定された目的地の位置情報、経由地の位置情報および経路の位置情報のうち少なくとも一つの履歴位置情報を取得し、
前記POI情報取得手段は、前記取得したPOI情報に含まれる地点のPOI位置情報を抽出し、
前記判定手段は、
前記ユーザ情報取得手段が取得した前記履歴位置情報と前記POI情報取得手段が取得したPOI位置情報とから、両位置間の距離又は所要時間を算出し、当該距離又は所要時間の少なくとも一方が所定値を越える場合であっても、
前記ユーザ情報取得手段が取得した前記現在位置情報と前記POI情報取得手段が取得したPOI位置情報とから、両位置間の距離又は所要時間を算出し、当該距離又は所要時間の少なくとも一方が所定値以下である場合は、前記POI情報を前記出力手段に出力することを特徴とする情報提供装置。
【請求項6】
請求項1に記載の情報提供装置において、
前記ユーザ情報取得手段は、前記ユーザの現在の位置情報、現在設定している目的地の位置情報、現在設定している経由地の位置情報および現在設定している経路の位置情報のうち少なくとも一つの現在位置情報を取得するとともに、前記ユーザにより過去に設定された目的地の位置情報、経由地の位置情報および経路の位置情報のうち少なくとも一つの履歴位置情報を取得し、
前記POI情報取得手段は、前記取得したPOI情報に含まれる地点のPOI位置情報を抽出し、
前記判定手段は、
前記ユーザ情報取得手段が取得した前記履歴位置情報と前記POI情報取得手段が取得したPOI位置情報とから、両位置間の距離又は所要時間を算出し、当該距離又は所要時間の少なくとも一方が所定値以下の場合であっても、
前記ユーザ情報取得手段が取得した前記現在位置情報と前記POI情報取得手段が取得したPOI位置情報とから、両位置間の距離又は所要時間を算出し、当該距離又は所要時間の少なくとも一方が所定値を越える場合は、前記POI情報を前記出力手段に出力しないことを特徴とする情報提供装置。
【請求項7】
請求項2〜6の何れか一項に記載の情報提供装置において、
前記判定手段は、前記出力手段に出力すると判定したPOI情報に、前記両位置間の距離及び/又は所要時間を付加して出力することを特徴とする情報提供装置。
【請求項8】
請求項4〜6のいずれか一項に記載の情報提供装置において、
前記判定手段は、前記出力手段に出力する前記POI情報が複数ある場合には、前記履歴位置情報のうち設定頻度が最も多い履歴位置情報についての前記両位置間の距離及び/又は所要時間を、前記POI情報に付加して出力することを特徴とする情報提供装置。
【請求項9】
請求項2〜8の何れか一項に記載の情報提供装置において、
前記出力手段に出力すると判定された前記POI情報を記憶するPOI情報記憶手段をさらに備え、
前記POI情報記憶手段は、前記判定手段が算出した両位置間の距離及び/又は所要時間を前記POI情報に関連付けて記憶することを特徴とする情報提供装置。
【請求項10】
請求項1に記載の情報提供装置において、
前記ユーザ情報取得手段は、前記ユーザにより入力された少なくとも一つのユーザ指定属性情報を取得し、
前記POI情報取得手段は、前記取得したPOI情報に含まれる地点のPOI属性情報を取得し、
前記判定手段は、前記POI情報取得手段により取得したPOI属性情報が前記ユーザ情報取得手段により取得したユーザ指定属性情報に一致又は含まれている場合のみ、前記POI情報を前記出力手段に出力することを特徴とする情報提供装置。
【請求項11】
請求項1に記載の情報提供装置において、
前記ユーザ情報取得手段は、前記出力手段が提示した配信情報に対して前記ユーザが当該配信情報の要否を選択した中から、当該ユーザが必要であると選択したユーザ選択属性情報を取得し、
POI情報取得手段は、前記取得したPOI情報に含まれる地点のPOI属性情報を取得し、
前記判定手段は、前記POI情報取得手段により取得したPOI属性情報が、前記ユーザ情報取得手段により取得したユーザ選択属性情報に含まれている場合のみ、前記POI情報を前記出力手段に出力することを特徴とする情報提供装置。
【請求項12】
請求項11に記載の情報提供装置において、
前記ユーザ情報取得手段は、選択頻度が所定値以上のユーザ選択属性情報を取得することを特徴とする情報提供装置。
【請求項13】
請求項10〜12のいずれか一項に記載の情報提供装置において、
前記ユーザ指定属性情報、前記ユーザ選択属性情報及び前記POI属性情報は、前記地点の種類、前記地点において提供されるサービスのジャンル、前記地点の属する地域、前記地点の推薦者名および前記地点に関連するアーティスト名の少なくともいずれかであることを特徴とする情報提供装置。
【請求項14】
請求項1〜13の何れか一項に記載の情報提供装置において、
前記出力手段は、前記POI位置情報に基づいて、前記POI情報に係る地点を含む地図情報を取得し、前記ユーザに提示することを特徴とする情報提供装置。
【請求項15】
請求項1〜14の何れか一項に記載の情報提供装置において、
前記POI情報は、商品を販売もしくはサービスを提供する店舗に関する情報、娯楽施設もしくはイベント施設に関する情報または観光地に関する情報であることを特徴とする情報提供装置。
【請求項16】
デジタル放送による配信情報を受信するステップと、
前記配信情報に含まれる、ユーザが関心を示す地点に関するPOI情報を取得するステップと、
前記ユーザにより入力されるユーザ情報を取得するステップと、
前記ユーザ情報と前記POI情報との対比結果が予め定義した所定条件を満たす場合のみ、前記POI情報をユーザに対して出力するステップと、を備えることを特徴とする情報提供方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−133662(P2009−133662A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−308452(P2007−308452)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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