説明

情報管理システム

【課題】ユーザに高い満足を感じさせる観点からロボットを用いた適切な形態で、当該ユーザに対して情報を提供しうる情報管理システムを提供する。
【解決手段】本発明の情報管理システム10によれば、第1処理部11が、ロボット20がユーザとのコミュニケーションにより認識したユーザの要求を認識し、かつ、当該要求に応じた情報をデータベース102から検索する。また、第2処理部12が、情報出力機能を有する複数の情報処理端末30の中から、あらたな情報を出力可能な状態にあるという要件を満たす情報処理端末30を指定する。そして、第2処理部12が指定情報処理端末30に、第1処理部11による検索情報を出力させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コミュニケーション能力を有するロボットを用いてユーザに提供される情報を管理するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
広告効果向上を図るため、自律移動機能を有するロボットを人間が多く存在するエリアに移動させ、ロボットに広告情報を配信してその情報表示装置を通じて周囲の人間に対して表示等させる技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−050559号公報 第0002段落〜第0006段落
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、前記技術を用いて不特定多数の人間ではなく、個々のユーザに対してその所望の情報を提供する場合、ユーザの数よりもロボットの数が少ないことが多いため、ロボットによる情報の供給が、ユーザによる情報の需要に追いつかないおそれがある。たとえば、一のロボットが複数のユーザに対して情報を提供する場合、各ユーザはこのロボットから情報を提供してもらうまで待たなくてはならない。また、より多くのユーザに対して情報を提供しようとすると、個々のユーザがロボットの情報表示装置により表示等される情報に接する時間が短縮されてしまう。これでは、ユーザは満足な情報を得られず、ロボットを用いた情報提供サービスに対する不満を感じてしまうことになる。
【0004】
そこで、本発明は、ユーザに高い満足を感じさせる観点からロボットを用いた適切な形態で、当該ユーザに対して情報を提供しうる情報管理システムを提供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための本発明の情報管理システムは、コミュニケーション能力を有するロボットを用いてユーザに提供される情報を管理するシステムであって、前記ロボットとの通信により、該ロボットがユーザとのコミュニケーションにより認識した該ユーザの情報に関する要求を認識し、かつ、当該要求に応じた情報をデータベースから検索する第1処理部と、情報出力機能を有する複数の情報処理端末の中から、あらたな情報を出力可能な状態にあるという要件を満たす情報処理端末を指定し、かつ、該指定情報処理端末との通信により、第1処理部による検索情報を該指定情報処理端末に出力させる第2処理部とを備えていることを特徴とする。
【0006】
本発明の情報管理システムによれば、ロボットのコミュニケーション能力によって認識されたユーザの要求に応じた情報が、情報出力機能を有する複数の情報処理端末のうち新たな情報を出力可能な状態にある指定情報処理端末を通じて当該ユーザに提供されうる。ここで、情報処理端末が情報を「出力する」とは、情報を映像、音声またはこれらの組合せの形態で出力すること等、ユーザにその視覚、聴覚等の五感を通じて把握させうる形態で情報を出力することを意味する。
【0007】
これにより、たとえば第1のユーザがロボットとのコミュニケーションを経て情報を第1の指定情報処理端末から得ることができ、かつ、第2のユーザがその後ただちにこのロボットとのコミュニケーションを経て情報を第2の指定情報処理端末から得ることができる。このため、各ユーザが情報処理端末を通じて必要とする情報に接する時間が制限されない。また、先番のユーザが情報処理端末を通じて情報に接している間、他のユーザが情報を同じ情報処理端末から得るために待っている必要がなくなる分、各ユーザが迅速に情報を得ることができる。
【0008】
したがって、本発明の情報管理システムによれば、ユーザに高い満足を感じさせる観点からロボットを用いた適切な形態で、当該ユーザに対して情報を提供しうる。
【0009】
なお、ロボットや、本発明の構成要素である処理部が情報を「認識する」とは、処理部等がメモリやハードディスク等の記憶装置から情報を読み取ること、データベースから情報を検索すること、外部機器から情報を受信すること、情報を測定、設定、決定、判定、推定、算定すること等、この情報を必要に応じて使用することができる状態を実現するためのあらゆる情報処理を包含する概念である。
【0010】
また、本発明の情報管理システムは、第2処理部が、前記複数の情報処理端末の中から、第1処理部により認識されたユーザの要求または検索情報の種類に応じた情報出力機能を有する情報処理端末を指定することを特徴とする。
【0011】
本発明の情報管理システムによれば、ユーザが要求するまたはユーザに提供される情報の種類(コンテンツ)に鑑みて適切な情報出力機能を有する情報処理端末を通じて、このユーザに対して当該情報を提供することができる。
【0012】
さらに、本発明の情報管理システムは、第2処理部が、第1処理部により認識されたユーザの要求または検索情報の種類に応じたタスクの種類を認識し、当該タスクの種類に応じた種類の情報処理端末を指定することを特徴とする。
【0013】
本発明の情報管理システムによれば、ユーザが要求するまたはユーザに提供される情報の種類(コンテンツ)に応じたタスク(たとえば、質疑応答、特定ジャンルの情報提供等)に鑑みて適切な情報出力機能を有する情報処理端末を通じて、このユーザに対して当該情報を提供することができる。
【0014】
また、本発明の情報管理システムは、第2処理部が前記ロボットとの通信によりユーザによる情報処理端末の指定を認識し、該指定にしたがって情報処理端末を指定することを特徴とする。
【0015】
本発明の情報管理システムによれば、ユーザが指定した情報処理端末を通じて、このユーザに対して情報を提供することができる。
【0016】
さらに、本発明の情報管理システムは、第2処理部が前記ロボットとの通信によりユーザを識別し、該識別されたユーザに対応する情報処理端末を指定することを特徴とする。
【0017】
本発明の情報管理システムによれば、ユーザとこのユーザが情報処理端末とをあらかじめ対応付けておくことで、ユーザに、自己の情報処理端末を通じて情報を得させることができる。
【0018】
また、本発明の情報管理システムは、第2処理部が前記ロボットまたはユーザと各情報処理端末との間隔を認識し、該間隔が短い情報処理端末を優先的に指定することを特徴とする。
【0019】
本発明の情報管理システムによれば、ユーザが、指定情報処理端末がある場所まで移動する距離が長くなるのが抑制される。このため、各ユーザがその必要とする情報を得るための足労を軽減することができる。なお、第2処理部が記憶部に保存されているグローバルマップにおける前記ロボットの移動経路に基づいて該ロボットと各情報処理端末との間隔を認識してもよい。
【0020】
また、本発明の情報管理システムは、第2処理部が、第1処理部により認識されたユーザの要求または検索情報の種類と、ユーザによる情報処理端末の指定と、前記ロボットまたはユーザと各情報処理端末との間隔とを含む複数の因子のうち、順位の高い因子を優先的にまたは偏重的に用いて情報処理端末を指定することを特徴とする。
【0021】
さらに、本発明の情報管理システムは、第1処理部により認識されたユーザの要求または検索情報の種類、ユーザによる情報処理端末の指定、前記ロボットまたはユーザと各情報処理端末との間隔の順で、前記順位が高く設定されていることを特徴とする。
【0022】
本発明の情報管理システムによれば、ユーザに対する情報提供サービスの質を向上させる観点から設定された、複数の因子の順位にしたがって当該因子が優先的または偏重的に考慮されて情報処理端末が指定されうる。これにより、当該サービスへの満足をユーザに感じさせることができる。
【0023】
また、本発明の情報管理システムは、前記ロボットとの通信により、前記指定情報処理端末をユーザに知らせるために該ロボットの挙動を制御する第3処理部をさらに備えていることを特徴とする。
【0024】
本発明の情報管理システムによれば、ロボットの挙動を通じて、どの情報処理端末から情報を得ることができるかをユーザに知らせることができる。これにより、ロボットを用いた情報提供サービスの親切さひいては高い満足を各ユーザに感じさせることができる。なお、ロボットの挙動には、ロボットの運動のほか、音声出力や光出力等、ユーザがその視覚や聴覚を通じて把握されうるあらゆる機能の発揮が含まれる。
【0025】
さらに、本発明の情報管理システムは、第3処理部がロボットの挙動を制御している間に、第2処理部によって指定情報処理端末が変更された場合、第3処理部が第2処理部による当該変更前の指定情報処理端末に代えて当該変更後の指定情報処理端末をユーザに知らせるために前記ロボットの挙動を制御することを特徴とする。
【0026】
本発明の情報管理システムによれば、情報処理端末が情報出力不可から情報出力可となった等の状況変化に応じて指定情報処理端末が変更されうる。そして、当該変更後の指定情報処理端末を迅速にユーザに知らせることができる。
【0027】
また、本発明の情報管理システムは、第3処理部が前記ロボットおよび第2処理部による指定情報処理端末の間隔を認識し、該間隔が短縮されるように、該ロボットを移動させることを特徴とする。
【0028】
本発明の情報管理システムによれば、ロボットに、ユーザを指定情報処理端末がある場所まで案内させることができる。なお、第3処理部が記憶部に保存されているグローバルマップにおける前記ロボットの移動経路に基づいて該ロボットと前記指定情報処理端末との間隔を認識してもよい。
【0029】
また、本発明の情報管理システムは、第3処理部が、前記間隔が閾値を超えていることを要件として、該間隔が短縮されるように前記ロボットを移動させることを特徴とする。
【0030】
本発明の情報管理システムによれば、ロボットと指定情報処理端末との間隔が閾値を超える程度に両者が離れている場合のみ、ロボットが、指定情報処理端末がある場所までユーザを案内する。これにより、ユーザが指定情報処理端末にすぐたどり着けるような場合の案内を省略し、次のユーザに対して情報を迅速に提供することができる。なお、ロボットと指定情報処理端末との間隔は、直線間隔だけではなく、ロボットの現在位置から指定情報処理端末の位置までの移動経路に沿った距離(間隔)も含まれる。
【0031】
さらに、本発明の情報管理システムは、第3処理部が、前記ロボットに前記指定情報処理端末を指示させることを特徴とする。
【0032】
本発明の情報管理システムによれば、ロボットに指定情報処理端末を指示させることで、複数の情報処理端末のうち、どの情報処理端末から情報を得ることができるかをユーザに把握させることができる。ロボットによる「指示」には、ロボットの身体の一部を動かして指定情報処理端末を指し示すこと、ロボットから出力される「左側の端末です」等の音声による指定情報処理端末の場所の案内、ロボットから指定情報処理端末への光照射等、ユーザにその視覚、聴覚等の五感を通じて端末を特定させるためのあらゆる挙動が含まれる。
【0033】
また、本発明の情報管理システムは、第3処理部が前記ロボットおよび第2処理部による指定情報処理端末の間隔を認識し、該間隔が閾値以下であることを要件として該ロボットに該指定情報処理端末を指示させることを特徴とする。
【0034】
本発明の情報管理システムによれば、ロボットと指定情報処理端末との間隔が閾値以下である程度に両者が近づいてから、このロボットに指定情報処理端末を指示させることができる。すなわち、ロボットと指定情報処理端末との間隔に鑑みて適当なタイミングで、どの情報処理端末から情報が得られるかをユーザに知らせることができる。
【0035】
さらに、本発明の情報管理システムは、第3処理部が、前記ロボット、ユーザおよび指定情報処理端末の位置関係を認識し、該位置関係に応じて、該指定情報処理端末を該ユーザに知らせるため該ロボットの挙動を制御することを特徴とする。
【0036】
本発明の情報管理システムによれば、ロボット、ユーザおよび指定情報処理端末の三者の位置関係に鑑みて適当にロボットの挙動が制御され、これによってユーザにどの情報処理端末から情報を得ることができるかを知らせることができる。
【0037】
また、本発明の情報管理システムは、第3処理部が、ユーザの位置を基準として前記ロボットおよび指定情報処理端末が反対側に位置することを要件として、該指定情報処理端末を該ユーザに知らせるため該ロボットの挙動を制御することを特徴とする。
【0038】
本発明の情報管理システムによれば、ユーザはその正面をロボットに向けている蓋然性が高いことから、ユーザの位置を基準としてロボットおよび指定情報処理端末が反対側にある場合、指定情報処理端末がユーザの背後にある蓋然性が高い。すなわち、この場合、ユーザがどの情報処理端末から情報を得るべきかについて戸惑うおそれがある。そこで、指定情報処理端末がどれであるかについてユーザが迷う可能性が高い場合、ロボットの挙動を制御することにより、指定情報処理端末の位置を当該ユーザに確実に知らせることができる。
【0039】
さらに、本発明の情報管理システムは、前記ロボットとの通信により、前記指定情報処理端末から出力された情報に接した後のユーザの挙動区分を認識する第4処理部をさらに備え、第1処理部が、第4処理部により認識されたユーザの挙動区分に基づく必要に応じて当該情報と異なる新たな情報をデータベースから検索し、第2処理部が、第1処理部によるあらたな検索情報を該指定情報処理端末に出力させることを特徴とする。
【0040】
本発明の情報管理システムによれば、たとえばユーザの挙動区分として、ユーザが情報に満足している可能性が高い区分と、ユーザが情報に満足していない可能性が高い区分とが定義されている場合、当該区分の違いに応じて情報出力を継続するか、または出力情報を変更するかが選択される。これにより、指定情報処理端末を通じて出力される情報に対するユーザの満足感の向上を図りうる。
【0041】
また、本発明の情報管理システムは、前記ロボットとの通信により、該ロボットの挙動を制御する第3処理部と、前記ロボットとの通信により、前記指定情報処理端末から出力された情報に接した後のユーザの挙動区分を認識する第4処理部とをさらに備え、第3処理部が、第4処理部により認識されたユーザの挙動区分に応じて該ロボットの挙動を相違させることを特徴とする。
【0042】
本発明の情報管理システムによれば、たとえばユーザの挙動区分として、ユーザが情報に満足している可能性が高い区分と、ユーザが情報に満足していない可能性が高い区分とが定義されている場合、当該区分の違いに応じてロボットに適当な挙動をさせることができる。これにより、本システムによる情報提供サービスに対するユーザの満足感の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
本発明の情報管理システムの実施形態について図面を用いて説明する。
【0044】
図1は本発明の情報管理システムの構成例示図であり、図2は本発明の情報管理システムと連携するロボットの構成例示図であり、図3〜図11は本発明の情報管理システムの機能説明図である。
【0045】
まず、本発明の情報管理システムの構成例について図1および図2を用いて説明する。
【0046】
図1に示されている情報管理システム10は、データベース102、ロボット20および情報処理端末30のそれぞれと、インターネット、LAN等のネットワークを介して通信可能な一または複数のサーバコンピュータにより構成されている。
【0047】
情報管理システム10は、第1処理部11と、第2処理部12と、第3処理部13と、第4処理部14とを備えている。処理部11〜14は、ハードウェアとしてのCPU、ROM、RAM等のメモリ、信号入力回路、信号出力回路等と、当該CPUに諸機能を付与するため、メモリやハードディスク等に格納されるソフトウェアとにより構成されている。
【0048】
第1処理部11は、ロボット20との通信により、当該ロボット20がユーザとのコミュニケーションにより認識したユーザの情報に関する要求を認識し、かつ、当該要求に応じた情報をデータベース102から検索する。
【0049】
第2処理部12は、情報出力機能を有する複数の情報処理端末30の中から、あらたな情報を出力可能な状態にあるという要件を満たす情報処理端末30を指定する。また、第2処理部12は、指定情報処理端末30との通信により、第1処理部11による検索情報を当該指定情報処理端末30に出力させる。
【0050】
第3処理部13は、ロボット20との通信により当該ロボット20の挙動を制御する。より具体的には、第3処理部13は、ロボット20との通信により、第2処理部12による指定情報処理端末30をユーザに知らせるために当該ロボット20の挙動を制御する。
【0051】
第4処理部14は、ロボット20との通信により、指定情報処理端末30から出力された情報に接した後のユーザの挙動区分を認識する。
【0052】
データベース102は種々の情報(コンテンツ)を管理する。
【0053】
ロボット20は、図2に示されているようにヒューマノイド型の脚式自律移動ロボットである。ロボット20は、上体部P0の上方に設けられた頭部P1と、上体部P0の上部両側から延設された2つの腕部P2と、上体部P0の下部から延設された2つの脚部P3とを備えている。ロボット20は、複数の関節機構において身体部分の回動や屈伸運動が可能とされている。
【0054】
また、ロボット20は、頭部P1に配置され、頭部P1の前方を撮像する左右一対のCCDカメラ(撮像装置)202と、マイク204と、スピーカ206と、制御システム200とを備えている。
制御システム200は、ロボット20の適当な箇所に配置されたハードウェアとしての一または複数のコンピュータ(CPU、ROM、RAM、I/O等により構成されている。)と、メモリに格納され、当該コンピュータに諸機能を付与するソフトウェアとにより構成されている。制御システム200は、画像認識部210と、音声処理部220と、行動計画部230と、運動制御部240とを備えている。また、制御システム200は、アンテナ等により構成される通信装置(図示略)により情報管理システム10とネットワークを介して情報を送受信する。また、制御システム200は、GPSやジャイロセンサ(図示略)の利用によってロボット20の現在位置や移動方向等を測定する。
【0055】
画像認識部210は画像処理部211と、ユーザ認識部212と、挙動認識部213とを備えている。画像処理部211は一対のカメラ202により撮像された画像のグレースケール化処理、2値化処理等の画像処理を実行する。ユーザ認識部212は画像処理部211による画像処理結果に基づいてユーザの存在を認識し、必要に応じてそのユーザの性別、年齢、さらにはそのユーザが誰であるか等を認識する。挙動認識部213は、画像処理部211による画像処理結果に基づいてユーザが質問者であるか否かの別、ユーザの表情変化、ユーザの身振り等を認識する。
【0056】
音声処理部220は音声認識部221と、音声合成部222とを備えている。音声認識部221はマイク204から出力される音響データに応じてユーザの発話内容を認識する。なお、音響データに基づくユーザの発話内容の認識が第1処理部により実行される場合、音声認識部221は省略されてもよい。音声合成部222は指定の発話を構成するように音声を合成してスピーカ206にその発話に応じた音声を出力させる。
【0057】
行動計画部230はユーザ応答指示部231と、移動/動作計画部232と、視線指示部233と、腕動作指示部234と、脚動作指示部235とを備えている。ユーザ応答指示部231は挙動認識部213により認識されたユーザの挙動や、音声認識部221により認識されたユーザの発話内容等に基づいてこのユーザに対するロボット20の応答動作を設定してその指示信号を出力する。移動/動作計画部232は外部または内部のデータベースからグローバルマップやローカルマップを読み出し、このマップに基づいてロボット20の移動計画(移動経路により表される。)を作成する。また、移動/動作計画部232はユーザ応答部231から出力された応答動作指示信号に基づき、ロボット20の動作(頭部P1や腕部P2の動作によるジェスチャーや、脚部P3による歩行等)の計画を作成する。視線指示部233は、ユーザ応答部231から出力された応答動作指示信号や、移動/動作計画部232により作成された移動/動作計画に基づいて頭部P1の動作や、カメラ202の動作(光軸の方向変換)の指示信号を出力する。腕動作指示部234は移動/動作計画部232により作成された移動/動作計画等に基づいて腕部P2の動作指示信号を出力する。脚動作指示部235は移動/動作計画部232により作成された移動/動作計画等に基づいて脚部P3の動作指示信号を出力する。
【0058】
運動制御部240はカメラ/首制御部241と、腕制御部242と、脚制御部243とを備えている。カメラ/首制御部241は視線指示部233から出力された動作指示信号に応じて頭部P1やカメラ202の駆動機構部の動作を制御する。腕制御部242は腕動作指示部234から出力された動作指示信号に応じて腕部P2の駆動機構部の動作を制御する。脚制御部243は脚動作指示部235から出力された動作指示信号に応じて脚部P3の駆動機構部の動作、ひいてはロボット20の歩行速度や進行方向を制御する。
【0059】
ロボット20はユーザとのコミュニケーション能力を有している。すなわち、ロボット20は、CCDカメラ202によりユーザの挙動を撮像し、かつ、マイク204によりユーザの声を集めることで、ユーザの意思を感知することができる。また、ロボット20は、腕部P2等の動きおよびスピーカ206から出力される音声によりユーザに情報(サーバ10から得た情報やロボット20の意思)を伝えることができる。なお、ロボット20のより詳細な構成としては、特再表03/090982号公報に開示されている構成が採用されうるので、これ以上の説明は省略する。
【0060】
情報処理端末30はパソコン、携帯電話機、PDA等により構成され、画像表示部および音響出力部のうち一方または両方を備えており、画像、音声またはこれらの組み合わせにより種々の情報を出力する機能を有している。
【0061】
前記構成のロボット20を用いる情報管理システム10の機能について図3〜図11を用いて説明する。
【0062】
まず、第1処理部11が「第1処理」を実行する(図3/S11)。
【0063】
具体的には、第1処理部11が、ロボット20との通信に基づきユーザの「情報に関する要求」を認識する(図3/S111)。図5に示されているように第1ユーザが「●●ってなに」という質問をロボット20に向かって話した場合を考える。この場合、ロボット20の制御システム200が、マイク204を通じて得た第1ユーザの音声データを解析して、第1ユーザが「●●」に関する情報を要求していることを認識する。音声データの処理には、隠れマルコフモデル法等、公知の音声認識手法が採用される。制御システム200は、必要に応じてこの認識の適否を確認するため、図5に示されているように「●●ですか」等の音声を、スピーカ206を通じて出力する。
【0064】
そして、第1処理部11が、ユーザの要求に応じた情報、すなわち前記例でいうと「●●」に関する情報(コンテンツ)を、「●●」をキーワードとしてデータベース102から検索する(図3/S112)。
【0065】
また、第2処理部12が「第2処理」を実行する(図3/S12)。
【0066】
具体的には、第2処理部12が、複数の情報処理端末30のそれぞれについてあらたな情報出力可能な状態にあるか否かを判定する(図3/S121)。また、第2処理部12が、第1処理部11による検索情報の種類(コンテンツのカテゴリ)を認識する(図3/S122)。さらに、第2処理部12が、各情報処理端末30のロボット20からの距離を認識する(図3/S123)。ロボット20の位置は、ロボット20が有するGPS機能によって測定された位置が、ネットワーク経由でサーバに送信されることで得られる。固定されている情報処理端末30の位置は、情報処理端末30を識別するための端末識別子と対応付けられて記憶部(図示略。ROM、RAM等のメモリ、HDD等により構成されている。)に保存されている位置情報(マップ情報)が読み出されることで得られる。また、携帯電話機等、位置の変動する情報処理端末30の位置は、この情報処理端末30が有するGPS機能によって測定された位置が、ネットワーク経由でサーバに送信されることで得られる。なお、記憶部に保存されているグローバルマップにおけるロボット20の移動経路に基づいて当該距離が認識(測定)されてもよい。グローバルマップは図4(a)に示されているように、ノード(図4(c)に破線で示されている経路上の点)または情報処理端末30の所在地の名前(識別番号)、X座標、Y座標、当該ノードから経路をたどって移動可能なノードの名称、および各情報処理端末30の最寄りのノードの名前により表現される。たとえば、このグローバルマップにより、ノード「001」はXおよびY座標がそれぞれ「100」および「200」であり、かつ、図4(c)に破線で示されている経路をたどってノード「002」および「003」のそれぞれに移動可能であることが表現されている。また、このグローバルマップにより、端末「201」はXおよびY座標がともに「200」であり、かつ、図4(c)に示されているように最寄のノードがノード「001」であることが表現されている。さらに、情報処理端末30のそれぞれの状態は、図4(b)に示されているようにその名前と、IPアドレスと、情報出力可否(Status)とにより表現されている。たとえば、端末「201」はIPアドレス「111.222.‥111」を有し、かつ、あらたな情報出力可能な状態であることが表現されている。
【0067】
また、第2処理部12が、情報出力可能な状態にあると判定され、情報種類に応じた情報出力機能を有し、かつ、ロボット20との距離が最短の位置にある情報処理端末30を指定する(図3/S124)。ここで、情報処理端末30の情報出力機能は、出力可能な情報の種類(音声、画像等)や、画像密度の高低等により特定される。たとえば、コンテンツが高画質画像を含む場合、高画質画像出力が可能なスペックを有している画像処理端末30が指定されうる。また、コンテンツが画像および音声を含む場合、画像および音声の両方を出力可能な情報処理端末30が指定されうる。なお、第2処理部12によってユーザの要求または検索情報に応じたタスクの種類が認識され、このタスクの種類に応じた種類の情報処理端末30が指定されてもよい。そして、第2処理部12が、指定情報処理端末30との通信により、第1処理部11による検索情報を当該指定情報処理端末30に出力させる(図3/S125)。
【0068】
さらに、第3処理部13が「第3処理」を実行する(図3/S13)。
【0069】
具体的には、第3処理部13が、ロボット20と第2処理部12による指定情報処理端末30との距離dを認識する(図3/S131)。なお、記憶部に保存されているグローバルマップにおけるロボット20の移動経路に基づいて当該距離dが認識(測定)されてもよい。この上で、第3処理部13は距離dが閾値ε以下であるか否かを判定する(図3/S132)。そして、距離dが閾値ε以下である場合(図3/S132‥YES)、第3処理部13は、ロボット20との通信により当該ロボット20の動作を制御して、指定情報処理端末30を指示させる(図3/S133)。たとえば図6に示されているように、ロボット20の頭部P1の正面および右手を指定情報処理端末30に向けさせるとともに、スピーカ206を通じて「あちらの端末をご覧ください」等の音声を出力させる。
【0070】
一方、距離dが閾値εを超えている場合(図3/S132‥NO)、第3処理部13は、ロボット20を指定情報処理端末30に近付けるように移動させる(図3/S134)。これにより、ユーザが指定情報処理端末30のある場所に案内される。たとえば、図7に示されているように、ロボット20を歩行させるとともに、スピーカ206を通じて「端末までご案内します どうぞこちらへ」等の音声を出力させる。なお、図7に示されている情報処理端末30はロボット20の近くにあるが、他のユーザに対して情報出力中である。このため、情報出力が可能な状態ではないと判定され、指定されないので(図3/S124参照)、ロボット20はこの情報処理端末30を指示しない。そして、ロボット20が指定情報処理端末30に近づくと、前記のように、ロボット20により当該指定情報処理端末30が指定されうる(図6参照)。
【0071】
続いて、第4処理部14が「第4処理」を実行する(図3/S14)。
【0072】
具体的には、第4処理部14が、ロボット20との通信により、指定情報処理端末30から出力される情報に接したユーザの挙動区分を認識する(図3/S141)。たとえば、図8に示されているようにロボット20に、頭部P1の正面を指定情報処理端末30に向けさせながら、「こちらをご覧ください」等の音声を出力させる。続いて、図9に示されているようにロボット20に、頭部P1の正面を第1ユーザに向けさせながら「いかがですか」等の音声を出力させる。このとき、ロボット20にCCDカメラ202の撮像データに基づいてユーザの表情を認識させ、ユーザの発話内容(音声)をマイク204により得られる音響データに基づいて認識させ、あるいはユーザの表情および発話内容の両方を認識させる。
【0073】
また、第4処理部14が、ユーザの挙動区分に基づき、このユーザが情報に満足しているか否かを判定する(図3/S142)。たとえば、ユーザの表情や音声と、記憶装置に記憶されている複数のパターンとのマッチングにより、「ユーザが満足している」という挙動区分、および「ユーザが満足していない」という挙動区分のいずれであるかが判別される。
【0074】
そして「ユーザが満足している」という挙動区分であると判定された場合(図3/S142‥YES)、一連の処理が終了する。しかる後、第3処理部13が、たとえば図10に示されているように、ロボット20に「ごゆっくりご覧ください」等の音声を第1ユーザに向けて出力させ、その場から離れるようにロボット20を移動させる。また、図11に示されているように第2ユーザから「○○についてききたいの」という質問がロボット20に向けられたとき、ロボット20が「○○ですね」等の音声を出力する等、第2ユーザについて第1〜第4処理をあらたに実行する(図3/S11〜S14)。
【0075】
一方「ユーザが満足していない」という挙動区分であると判定された場合(図3/S142‥NO)、第1処理部11が別の情報をデータベース102から検索し(図3/S112)、第2処理部12が新たな検索情報を同じ指定情報処理端末30に出力させ(図3/S125)、この上で図9に示されているようなロボット20の動作を通じてユーザの挙動区分をあらためて判定する(図3/S141)。
【0076】
前記機能を発揮する本発明の情報管理システム10によれば、ロボット20のコミュニケーション能力によって認識されたユーザの要求に応じた情報が、情報出力機能を有する複数の情報処理端末30のうち新たな情報を出力可能な状態にある指定情報処理端末30を通じて当該ユーザに提供されうる。
【0077】
これにより、たとえば第1ユーザがロボット20とのコミュニケーションを経て情報を一の指定情報処理端末30から得ることができ(図5〜図10参照)、かつ、第2ユーザがその後ただちにこのロボット20とのコミュニケーションを経て情報を他の指定情報処理端末から得ることができる(図11参照)。このため、各ユーザが情報処理端末30を通じて必要とする情報に接する時間が制限されない。また、先番のユーザが情報処理端末30を通じて情報に接している間、他のユーザが情報を同じ情報処理端末から得るために待っている必要がなくなる分、各ユーザが迅速に情報を得ることができる(図7、図11参照)。
【0078】
したがって、本発明の情報管理システム10によれば、ユーザに高い満足を感じさせる観点からロボット20を用いた適切な形態で、当該ユーザに対して情報を提供しうる。
【0079】
また、ロボット20が情報処理端末30を持っている(または備えている)わけではないので、個々のロボット20の軽量化ひいてはモビリティの向上や製造コストの節約が図られうる。
【0080】
また、ユーザが要求する情報の種類またはユーザに提供される情報の種類(コンテンツのカテゴリ)に鑑みて適切な情報出力機能を有する情報処理端末30を通じて、このユーザに対して当該情報が提供される(図3/S122,S124)。なお、タスクの種類に応じた種類の情報処理端末30が指定された場合、ユーザが要求するまたはユーザに提供される情報の種類(コンテンツ)に応じたタスク(たとえば、質疑応答、特定ジャンルの情報提供等)に鑑みて適切な情報出力機能を有する情報処理端末30を通じて、このユーザに対して当該情報を提供することができる。
【0081】
さらに、ロボット20と各情報処理端末30との間隔が短い情報処理端末30が優先的に指定される(図3/S123,S124)。このため、ユーザが、指定情報処理端末30がある場所まで移動する距離が長くなるのが抑制される。このため、各ユーザがその必要とする情報を得るための足労を軽減することができる。
【0082】
また、指定情報処理端末30の指示および必要に応じたユーザの案内というロボット20の挙動を通じて、どの情報処理端末30から情報を得ることができるかをユーザに知らせることができる(図3/S133,S134,図6,図7)。これにより、ロボット20を用いた情報提供サービスの親切さひいては高い満足を各ユーザに感じさせることができる。
【0083】
さらに、ロボット20と指定情報処理端末30との距離(間隔)dが閾値ε以下である程度に両者が近づいてから、このロボット20に指定情報処理端末30を指示させることができる(図3/S132,S133,図6)。すなわち、当該距離dに鑑みて適当なタイミングで、どの情報処理端末30から情報が得られるかをユーザに知らせることができる。
【0084】
一方、ロボット20と指定情報処理端末30との距離(間隔)dが閾値εを超える程度に両者が離れている場合のみ、ロボット20が、指定情報処理端末30がある場所までユーザを案内する(図3/S132,S134,図7)。これにより、ユーザが指定情報処理端末30にすぐたどり着けるような場合の案内を省略し、次のユーザに対して情報を迅速に提供することができる。
【0085】
さらに、ユーザの挙動区分が、ユーザが情報に満足している可能性が高い区分と、ユーザが情報に満足していない可能性が高い区分との別に応じて情報出力を継続するか、または出力情報を変更するかが選択される(図3/S142)。これにより、指定情報処理端末30を通じて出力される情報に対するユーザの満足感の向上を図りうる。
【0086】
なお、第2処理部12がロボット20との通信によりユーザを識別し、該識別されたユーザに対応する情報処理端末30を指定してもよい。ユーザが所有するRFIDタグからロボット20が有するリーダ(図示略)によって読み取られるユーザを識別するためのユーザ識別子や、CCDカメラ202を通じて得られるユーザの顔の画像解析等によりユーザは識別されうる。
【0087】
これにより、ユーザとこのユーザが所有する情報処理端末30とをあらかじめ対応付けておくことで、ユーザに、自己の情報処理端末(携帯電話機やPDA等)30を通じて情報を得させることができる。
【0088】
また、第2処理部12がロボット20との通信によりユーザによる情報処理端末30の指定を認識し、当該指定にしたがって情報処理端末30を指定してもよい。情報処理端末30の指定は、ユーザに付されたRFIDタグからロボット20のリーダが読み取った端末識別子や、マイク204により拾われたユーザの音声解析によって認識されうる。
【0089】
これにより、ユーザが指定した情報処理端末30を通じて、このユーザに対して情報を提供することができる。
【0090】
さらに、第3処理部30が、ロボット、ユーザおよび指定情報処理端末30の位置関係を認識し、この位置関係に応じて指定情報処理端末30をユーザに知らせるため、ロボット20の挙動を制御してもよい。たとえば、ユーザの位置を基準としてロボット20および指定情報処理端末30が反対側に位置することを要件として、指定情報処理端末30をユーザに知らせるためロボット20の挙動を制御してもよい。
【0091】
ユーザはその正面をロボット20に向けている蓋然性が高いことから、ユーザの位置を基準としてロボット20および指定情報処理端末30が反対側にある場合、指定情報処理端末30がユーザの背後にある蓋然性が高い。すなわち、この場合、ユーザがどの情報処理端末30から情報を得るべきかについて戸惑うおそれがある。そこで、指定情報処理端末30がどれであるかについてユーザが迷う可能性が高い場合、ロボット20の挙動を制御することにより、指定情報処理端末30の位置を当該ユーザに確実に知らせることができる(図6参照)。
【0092】
また、第2処理部12が、第1処理部11により認識されたユーザの要求または検索情報の種類と、ユーザによる情報処理端末30の指定と、ロボット20(またはユーザ)と各情報処理端末30との間隔とを含む複数の因子のうち、順位の高い因子を優先的にまたは偏重的に用いて情報処理端末30を指定してもよい。さらに、この場合、ユーザの要求または検索情報の種類、ユーザによる情報処理端末30の指定、ロボット20またはユーザと各情報処理端末30との間隔の順で、当該順位が高く設定されていてもよい。
【0093】
当該構成の情報管理システムによれば、ユーザに対する情報提供サービスの質を向上させる観点から設定された、複数の因子の順位にしたがって当該因子が優先的または偏重的に考慮されて情報処理端末が指定されうる。これにより、当該サービスへの満足をユーザに感じさせることができる。
【0094】
さらに、第3処理部13がロボット20の挙動を制御している間に、第2処理部12によって指定情報処理端末30が変更された場合、第3処理部13が第2処理部12による当該変更前の指定情報処理端末30に代えて当該変更後の指定情報処理端末30をユーザに知らせるためにロボット20の挙動を制御してもよい。
【0095】
当該構成の情報管理システムによれば、情報処理端末30が情報出力不可から情報出力可となった等の状況変化に応じて指定情報処理端末30が変更されうる。そして、当該変更後の指定情報処理端末30を迅速にユーザに知らせることができる。たとえば、図11に示されている状況において、情報処理端末30を通じた第1ユーザに対する情報提供が終了し、当該情報処理端末30が情報出力不可から情報出力可となった場合、ロボット20はこの情報処理端末30をただちに第2ユーザに案内することができる(図6参照)。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の情報管理システムの構成例示図
【図2】本発明の情報管理システムと連携するロボットの構成例示図
【図3】本発明の情報管理システムの機能例示図
【図4】本発明の情報管理システムの機能例示図
【図5】本発明の情報管理システムの機能例示図
【図6】本発明の情報管理システムの機能例示図
【図7】本発明の情報管理システムの機能例示図
【図8】本発明の情報管理システムの機能例示図
【図9】本発明の情報管理システムの機能例示図
【図10】本発明の情報管理システムの機能例示図
【図11】本発明の情報管理システムの機能例示図
【符号の説明】
【0097】
10‥情報管理システム、102‥データベース、11‥第1処理部、12‥第2処理部、13‥第3処理部、14‥第4処理部、20‥ロボット、200‥制御システム、30‥情報処理端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コミュニケーション能力を有するロボットを用いてユーザに提供される情報を管理するシステムであって、
前記ロボットとの通信により、該ロボットがユーザとのコミュニケーションにより認識した該ユーザの情報に関する要求を認識し、かつ、当該要求に応じた情報をデータベースから検索する第1処理部と、
情報出力機能を有する複数の情報処理端末の中から、あらたな情報を出力可能な状態にあるという要件を満たす情報処理端末を指定し、かつ、該指定情報処理端末との通信により、第1処理部による検索情報を該指定情報処理端末に出力させる第2処理部とを備えていることを特徴とする情報管理システム。
【請求項2】
第2処理部が、前記複数の情報処理端末の中から、第1処理部により認識されたユーザの要求または検索情報の種類に応じた情報出力機能を有する情報処理端末を指定することを特徴とする請求項1記載の情報管理システム。
【請求項3】
第2処理部が、第1処理部により認識されたユーザの要求または検索情報の種類に応じたタスクの種類を認識し、当該タスクの種類に応じた種類の情報処理端末を指定することを特徴とする請求項2記載の情報管理システム。
【請求項4】
第2処理部が前記ロボットとの通信によりユーザによる情報処理端末の指定を認識し、該指定にしたがって情報処理端末を指定することを特徴とする請求項1記載の情報管理システム。
【請求項5】
第2処理部が前記ロボットとの通信によりユーザを識別し、該識別されたユーザに対応する情報処理端末を指定することを特徴とする請求項1記載の情報管理システム。
【請求項6】
第2処理部が前記ロボットまたはユーザと各情報処理端末との間隔を認識し、該間隔が短い情報処理端末を優先的に指定することを特徴とする請求項1記載の情報管理システム。
【請求項7】
第2処理部が記憶部に保存されているグローバルマップにおける前記ロボットの移動経路に基づいて該ロボットと各情報処理端末との間隔を認識することを特徴とする請求項6記載の情報管理システム。
【請求項8】
第2処理部が、第1処理部により認識されたユーザの要求または検索情報の種類と、ユーザによる情報処理端末の指定と、前記ロボットまたはユーザと各情報処理端末との間隔とを含む複数の因子のうち、順位の高い因子を優先的にまたは偏重的に用いて情報処理端末を指定することを特徴とする請求項1記載の情報管理システム。
【請求項9】
第1処理部により認識されたユーザの要求または検索情報の種類、ユーザによる情報処理端末の指定、前記ロボットまたはユーザと各情報処理端末との間隔の順で、前記順位が高く設定されていることを特徴とする請求項8記載の情報管理システム。
【請求項10】
前記ロボットとの通信により、前記指定情報処理端末をユーザに知らせるために該ロボットの挙動を制御する第3処理部をさらに備えていることを特徴とする請求項1記載の情報管理システム。
【請求項11】
第3処理部がロボットの挙動を制御している間に、第2処理部によって指定情報処理端末が変更された場合、第3処理部が第2処理部による当該変更前の指定情報処理端末に代えて当該変更後の指定情報処理端末をユーザに知らせるために前記ロボットの挙動を制御することを特徴とする請求項10記載の情報管理システム。
【請求項12】
第3処理部が前記ロボットおよび第2処理部による指定情報処理端末の間隔を認識し、該間隔が短縮されるように、該ロボットを移動させることを特徴とする請求項10記載の情報管理システム。
【請求項13】
第3処理部が記憶部に保存されているグローバルマップにおける前記ロボットの移動経路に基づいて該ロボットと前記指定情報処理端末との間隔を認識することを特徴とする請求項12記載の情報管理システム。
【請求項14】
第3処理部が、前記間隔が閾値を超えていることを要件として、該間隔が短縮されるように前記ロボットを移動させることを特徴とする請求項12記載の情報管理システム。
【請求項15】
第3処理部が、前記ロボットに前記指定情報処理端末を指示させることを特徴とする請求項10記載の情報管理システム。
【請求項16】
第3処理部が前記ロボットおよび第2処理部による指定情報処理端末の間隔を認識し、該間隔が閾値以下であることを要件として該ロボットに該指定情報処理端末を指示させることを特徴とする請求項15記載の情報管理システム。
【請求項17】
第3処理部が、前記ロボット、ユーザおよび指定情報処理端末の位置関係を認識し、当該位置関係に応じて、該指定情報処理端末を該ユーザに知らせるため該ロボットの挙動を制御することを特徴とする請求項10記載の情報管理システム。
【請求項18】
第3処理部が、ユーザの位置を基準として前記ロボットおよび指定情報処理端末が反対側に位置することを要件として、該指定情報処理端末を該ユーザに知らせるため該ロボットの挙動を制御することを特徴とする請求項17記載の情報管理システム。
【請求項19】
前記ロボットとの通信により、前記指定情報処理端末から出力された情報に接した後のユーザの挙動区分を認識する第4処理部をさらに備え、
第1処理部が、第4処理部により認識されたユーザの挙動区分に基づく必要に応じて当該情報と異なる新たな情報をデータベースから検索し、
第2処理部が、第1処理部によるあらたな検索情報を該指定情報処理端末に出力させることを特徴とする請求項1記載の情報管理システム。
【請求項20】
前記ロボットとの通信により、該ロボットの挙動を制御する第3処理部と、
前記ロボットとの通信により、前記指定情報処理端末から出力された情報に接した後のユーザの挙動区分を認識する第4処理部とをさらに備え、
第3処理部が、第4処理部により認識されたユーザの挙動区分に応じて該ロボットの挙動を相違させることを特徴とする請求項1記載の情報管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−249427(P2007−249427A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−69874(P2006−69874)
【出願日】平成18年3月14日(2006.3.14)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】