情報記録媒体及びその記録/再生装置
【課題】 情報記録媒体及びその記録/再生装置を提供する。
【解決手段】 反復的に光吸収率を変更させることができる材料で形成されるナノロッドを用いて反復記録が行われるように設けられる情報記録媒体。
【解決手段】 反復的に光吸収率を変更させることができる材料で形成されるナノロッドを用いて反復記録が行われるように設けられる情報記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記録媒体及びその記録/再生装置に係り、より詳細には、複数層の記録時に層間クロストークを改善でき、多次元で反復記録可能な情報記録媒体及びその記録/再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報記録媒体の記録容量を増大させるために、レーザー光を短波長化し、かつ高開口数の対物レンズを利用する超解像近接場構造の情報記録媒体や、複数層構造の情報記録媒体に関する研究が活発に行われつつある。これらの研究の結果として、青紫色レーザーダイオード及び0.85の開口数(NA)を持つ対物レンズを用いて、各層ごとに約25GBの記録容量を持つ複数層構造のブルーレイディスク(Blu−ray Disc:BD)を具現したことがある。前記ブルーレイディスクは、約2時間分量のHDTV(High−Definition TV)画質のプログラムを保存するか、標準的な高画質TVの場合、約13時間分量のプログラムを保存することができる。
【0003】
ブルーレイディスクは、その単面に25GBの情報を保存することができ、現在には2層の50GBの情報を保存できるデュアルディスクが商用化されており、それ以上の複数層のディスクであって、100GB以上の情報を保存できる高密度の複数層の情報記録媒体の開発が進みつつある。
【0004】
複数層の情報記録媒体は、単一層の情報記録媒体に比べてほぼN倍(Nは記録層の数)の記録容量を持つ。
【0005】
複数層の情報記録媒体構造を形成するに当って、各間隔層の厚さ及び反射率は、情報記録媒体の信号特性を決定する重要な要素である。間隔層は、隣接した記録層間の層として定義される。前記間隔層は、各記録層間のクロストークを防止するために十分な厚さを持つべきであり、また光検出器から検出される信号が所定大きさ以上になるように、各記録層の反射率がマッチングされる必要がある。
【0006】
これらの複数層の情報記録媒体では、球面収差を補償するために、全体層の総厚さがビーム拡張器などの補償手段の補償範囲内の値でなければならないため、全体記録層の数を所望するほど増加させ難い。ここで、情報記録媒体関連の先行技術としては、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−510141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
複数層の記録時に層間クロストークを改善でき、記録層の数を所望するほど増やすことができる、多次元で反復記録可能な情報記録媒体及びその記録または再生方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態による情報記録媒体は、反復的に光吸収率を変更させることができる材料で形成されるナノロッドを用いて反復記録が行われるように設けられる。
【0010】
前記ナノロッドは相変化材料で形成されて、非晶質状態と結晶質状態の光吸収率差により情報の記録が行われる。
【0011】
前記ナノロッドの縦横比は非晶質状態、結晶質状態に関係なく一定である。
【0012】
前記ナノロッドは、カルコゲナイド材料を含む物質で形成される。
【0013】
前記ナノロッドが配向された少なくとも一層のナノロッド配向層を備える。
【0014】
このとき、前記少なくとも一層のナノロッド配向層は、複数のナノロッド配向層を備え、前記複数のナノロッド配向層のナノロッド配向方向が相異なるように設けられ、前記複数のナノロッド配向層は、相異なる偏光でありつつ、そのナノロッド配向層それぞれのナノロッド配向方向と平行する偏光方向を持つ光を用いて、情報の記録または再生が行われる。
【0015】
各ナノロッド配向層は、単一種類の縦横比を持つナノロッドが配向されて、単一波長の光を用いて情報の記録または再生が行われるか、複数種の縦横比を持つナノロッドが配向されて、複数波長の光を用いて情報の記録または再生が行われる。
【0016】
前記複数のナノロッド配向層は、対物レンズによりフォーカシングされる光ビームの有効焦点の深さ内に存在し、対物レンズの移動なしに入射される光の偏光方向の調整により、前記複数のナノロッド配向層へ/から情報を記録または再生するようになっている。
【0017】
前記複数のナノロッド配向層の互いに隣接したナノロッド配向層間には、別途の間隔層が存在しない。
【0018】
前記複数のナノロッド配向層が複数回反復してスタックされ、複数のナノロッド配向層スタック間には間隔層が存在する。
【0019】
各スタックに属する複数のナノロッド配向層は、対物レンズによりフォーカシングされる光ビームの有効焦点の深さ内に存在して、一つのスタックに属する複数のナノロッド配向層へ/からの情報記録または再生は、対物レンズの移動なしに入射光の偏光方向調整により行われ、情報を記録または再生しようとする複数のナノロッド配向層が属するスタックが変わる時、対物レンズ位置を調整して記録または再生しようとするナノロッド配向層が属するスタックに光ビームをフォーカシングした状態で、該当スタックに属するナノロッド配向層へ/からの情報記録または再生が行われる。
【0020】
前記間隔層は、一つのスタックに属する複数のナノロッド配向層へ/から情報を記録または再生する時、隣接スタックに属する複数のナノロッド配向層での情報の記録または再生を防止するように、スタック間の離隔距離を確保する。
【0021】
一方、前記少なくとも一層のナノロッド配向層は単一ナノロッド配向層を備え、
前記ナノロッド配向層は、単一種類の縦横比を持つナノロッドが配向されて、単一波長の光を用いて情報を記録または再生するか、複数種の縦横比を持つナノロッドが配向されて、各縦横比に対応する波長の光を用いて波長多重で情報を記録または再生する。
【0022】
前記ナノロッド配向層には複数のナノロッド配向方向にナノロッドが配向されて、各ナノロッド配向方向と平行する偏光方向を持つ光を用いて、偏光多重で情報を記録または再生する。
【0023】
前記ナノロッド配向層が複数回反復してスタックされる。
【0024】
前記反復してスタックされたナノロッド配向層間には間隔層が存在し、前記間隔層は、一層のナノロッド配向層へ/から情報を記録または再生する時、隣接ナノロッド配向層での情報の記録または再生を防止するように離隔距離を確保する。
【0025】
本発明の実施形態による記録/再生装置は、前記情報記録媒体へ/から情報を記録または再生するために、前記情報記録媒体に偏光や波長を変えつつ光を照射し、情報記録媒体で再生された光を検出するように設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】ナノロッドの入射光の偏光方向による光吸収特性を示すグラフである。
【図2】ナノロッド配向層の同じ領域に“A”と“B”の文字を、それぞれ水平偏光及び垂直偏光の光を用いて記録した時、入射光の偏光による再生結果を示す図である。
【図3】ナノロッドの縦横比(長さ)による光波長吸収特性を示すグラフである。
【図4】ナノロッド配向層の同じ領域に“C”と“D”の文字を、それぞれ710nm波長の光と850nm波長の光とを用いて記録した時、入射光の波長による再生結果を示す図である。
【図5】状態変化が全くない場合(original)、記録状態、初期化した時のナノロッドの光吸収率を比較して示すグラフである。
【図6A】相変化材料からなるナノロッドの相変化記録過程を示す図である。
【図6B】相変化材料からなるナノロッドの相変化記録過程を示す図である。
【図6C】相変化材料からなるナノロッドの相変化記録過程を示す図である。
【図7A】本発明の実施形態による情報記録媒体を概略的に示す図である。
【図7B】本発明の実施形態による情報記録媒体を概略的に示す図である。
【図8】図7A及び図7Bのナノロッド配向層の一実施形態を概略的に示す図である。
【図9】図8の第1ないし第4ナノロッド配向層が複数回反復してスタックされた実施形態を概略的に示す図である。
【図10】ナノロッド配向層に1種の縦横比を持つナノロッドが一方向に配向された場合を示す図である。
【図11】ナノロッド配向層に2種の縦横比を持つナノロッドが一方向に配向された場合を示す図である。
【図12A】本発明の他の実施形態による情報記録媒体を概略的に示す図である。
【図12B】本発明の他の実施形態による情報記録媒体を概略的に示す図である。
【図13A】図12A及び図12Bに図示された情報記録媒体のナノロッド配向層に配向されるナノロッドの多様な実施形態を示す図である。
【図13B】図12A及び図12Bに図示された情報記録媒体のナノロッド配向層に配向されるナノロッドの多様な実施形態を示す図である。
【図13C】図12A及び図12Bに図示された情報記録媒体のナノロッド配向層に配向されるナノロッドの多様な実施形態を示す図である。
【図14】図12A及び図12Bの単一ナノロッド配向層が複数回反復してスタックされた実施形態を概略的に示す図である。
【図15】本発明の実施形態による情報記録媒体を記録及び/または再生できる記録/再生装置の一例を概略的に示す図である。
【図16】図15に適用可能な光ピックアップの主要光学的構成を概略的に示す図である。
【図17】図15に適用可能な光ピックアップの主要光学的構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施形態による情報記録媒体は、反復的に光吸収率を変更させることができる材料、例えば、カルコゲナイド系材料などの相変化材料で形成されるナノロッドを用いて、少なくとも1回以上の情報記録、例えば、情報の反復記録が可能になるように設けられる。
【0028】
例えば、カルコゲナイド系材料などの相変化材料で形成されるナノロッドを本発明の実施形態による情報記録媒体に適用する場合、ナノロッドは、結晶質状態である時の光吸収率と非晶質状態である時の光吸収率とに差がある。これらの光吸収率差により情報を記録するか、記録された情報の再生が可能である。また、ナノロッドが反復的に結晶質状態と非晶質状態とに変化できるので、反復的に光吸収率を変更させることができて、反復記録が可能である。
【0029】
この時、本発明の実施形態による情報記録媒体でのナノロッドは、結晶質状態である時と非晶質状態である時、その縦横比には実質的に変化がないので、情報記録時と同一波長の光を用いて情報を再生できる。
【0030】
また、ナノロッドはその配向方向と同じ方向に偏光された光に対する吸収率が高い特性、その縦横比に対応する特定波長帯域の光に対する吸収率が高い特性を持つ。したがって、本発明の実施形態による情報記録媒体は、ナノロッドの偏光方向に依存する光吸収特性及びナノロッドの縦横比による特定帯域波長光の吸収特性を用いて、複数層の記録や、偏光及び/または波長多重記録を具現できる。
【0031】
すなわち、ナノロッドは図1のグラフから分かるように、その長手方向(縦方向)と平行する偏光方向を持つ光に対して大きい吸収率を表し、その長手方向に垂直する偏光方向を持つ光に対してはほとんど吸収が起きない。また、ナノロッドは、後述する図3のグラフから分かるように、その縦横比によって吸収波長ピーク位置が変わる。
【0032】
したがって、本発明の実施形態による情報記録媒体は、ナノロッドが複数種の縦横比を持って波長多重記録/再生をするか、ナノロッドが複数の配向方向に配向されて偏光多重記録/再生をして、一つの記録層で複数の記録層に該当する情報記録容量を得るように設けられうる。また、本発明の実施形態による情報記録媒体は、ナノロッド配向方向が相異なる複数のナノロッド配向層を形成して、複数層の記録をするように設けられてもよい。
【0033】
図1は、ナノロッドの入射光の偏光方向による光吸収特性を示すグラフである。図1から分かるように、ナノロッドは、その長手方向(縦方向)と平行する偏光方向を持つ光に対しては大きい光吸収率を表す一方、これに垂直する偏光方向を持つ光に対しては光吸収がほとんど起きない。図1のグラフは、屈折率が1.5であるマトリックス形態のPVA(Poly Vinyl Alcohol)に、縦横比が3.5:1である金属(例えば、金(Au))ナノロッドを配向した条件下で得られたものである。
【0034】
図2は、ナノロッド配向層の同じ領域に“A”と“B”の文字を、それぞれ水平偏光及び垂直偏光の光を用いて記録した時、入射光の偏光による再生結果を示す。図2の結果は、波長が約850nmであり、E=〜7nJ/pulseのエネルギーを持つ光を開口数約0.7である対物レンズに集束して、100kHZの反復率(rep.rate)で記録した時に得られたものである。
【0035】
図2のように、“A”文字を記録する時と同じ水平偏光の光を照射した時は“A”文字のみ再生され、“B”文字を記録する時と同じ垂直偏光の光を照射した時は“B”文字のみ再生される。また、照射される光が水平偏光に近いほど“A”文字形状が主に見られ、垂直偏光に近づくほど“B”文字形状が主に見られる。
【0036】
これから、水平偏光方向と平行して配列されたナノロッドは、垂直偏光の光により影響されず、また垂直偏光方向と平行して配列されたナノロッドは、水平偏光の光により影響されないことが分かる。
【0037】
図3は、ナノロッドの縦横比(長さ)による光波長吸収特性を示すグラフである。図3から分かるように、ナノロッドは、その縦横比(同じ幅を持つ場合には、その長さ)によって吸収波長ピーク位置が変わる。ナノロッドは、その縦横比によって特定波長帯域の光のみを吸収し、これを外れた波長帯域の光はほとんど吸収しない。ナノロッドは、その長さが短いほど短波長帯域の光を吸収し、その長さが長いほど長波長帯域の光を吸収する。したがって、これらのナノロッドの縦横比(長さ)による波長選択的吸収特性を利用すれば、例えば、複数の縦横比を持つナノロッドが配向されたナノロッド配向層の同一領域で記録/再生光の波長を異ならせて、波長多重記録及びこのように記録された波長多重記録情報の再生が可能である。
【0038】
図4は、ナノロッド配向層の同じ領域に“C”と“D”の文字を、それぞれ710nm波長の光と850nm波長の光とを用いて記録した時、入射光の波長による再生結果を示す。図4の結果は、ナノロッド配向層に約710nm波長範囲で吸収ピークを表す縦横比(長さ)を持つナノロッドと、約850nm波長範囲で吸収ピークを表す縦横比(長さ)を持つナノロッドとがあり、710nmないし850nm波長を持ってE=〜7nJ/pulseのエネルギーを持つ光を、開口数約0.7である対物レンズに集束して100kHZの反復率(rep.rate)で記録した時に得られたものである。
【0039】
図4のように、“C”文字を記録する時と同じ710nm波長の光を照射した時は“C”文字のみ再生され、“D”文字を記録する時と同じ850nm波長の光を照射した時は“D”文字のみ再生される。また、照射される光の波長が710nmに近いほど“C”文字形状が主に見られ、850nm波長に近づくほど“D”文字形状が主に見られる。
【0040】
これから、710nm波長の光に対して吸収ピーク特性を表す縦横比を持つナノロッドは、850nm波長の光により影響されず、また850nm波長の光に対して吸収ピーク特性を表す縦横比を持つナノロッドは、710nm波長の光により影響されないことが分かる。
【0041】
したがって、ナノロッドの長手方向と平行する特定偏光を持ち、ナノロッドの縦横比(長さ)に対応する特定吸収波長帯域の光が照射される時、ナノロッドがこの光を吸収して情報の記録が行われうる。
【0042】
これらのナノロッドの偏光選択的及び/または波長選択的光吸収特性を考慮して;複数のナノロッド配向層ごとにナノロッドの配向方向を異ならせて複数層の記録、ナノロッド配向層内で複数の配向方向を持つようにナノロッドを配向して、偏光選択的光吸収特性を利用した偏光多重記録;及び/またはナノロッドの縦横比による波長選択的光吸収特性を考慮して波長多重記録を行うことができる。
【0043】
例えば、本発明の実施形態による情報記録媒体が相異なるナノロッド配向方向を持つように、ナノロッドが配向された複数のナノロッド配向層を備える場合、照射される光の偏光を記録しようとするナノロッド配向層のナノロッド配向方向と平行するように変えつつ、各ナノロッド配向層に情報を記録できる。この場合、ナノロッド配向方向を異ならせた複数のナノロッド配向層それぞれが記録層になるので、複数のナノロッド配向層のナノロッド配向方向を異ならせて、記録層の数を所望するほど増やすことができる。この時、各ナノロッド配向層には単一種類の縦横比を持つナノロッドを配向して、単一波長の光を用いて情報を記録または再生できる。また、各ナノロッド配向層には、複数種の縦横比を持つナノロッドを配向して、各縦横比に対応する複数波長の光を用いて波長多重で情報を記録または再生できる。
【0044】
また、本発明の実施形態による情報記録媒体は、単一ナノロッド配向層を備えて、このナノロッド配向層に複数種の縦横比を持つナノロッドを、一つの配向方向を持つように配向して波長多重記録をするか、ナノロッド配向層に複数のナノロッド配向方向に、単一種類の縦横比を持つナノロッドを配向して偏光多重記録をするか、このナノロッド配向層に複数種の縦横比を持つナノロッドを複数の配向方向に配向して、波長多重及び偏光多重記録を行うように設けられてもよい。
【0045】
以下では、本発明の実施形態による情報記録媒体の多様な例をさらに具体的に説明する。例示及び説明の便宜のために、本発明の実施形態による情報記録媒体にカルコゲナイド系材料などの相変化材料からなるナノロッドが適用される場合を例として説明するが、本発明がこれに限定されるものではなく、光吸収率を反復的に変更させうる材料でさえあれば、本発明の実施形態による情報記録媒体のナノロッド材料として使われうる。
【0046】
本発明の実施形態による情報記録媒体のナノロッド配向層には、相変化材料、例えば、カルコゲナイド系材料からなるナノロッドが方向性を持つように配向される。ナノロッド配向層には、ナノロッドがほぼ一方向に配列されるように配向される。また、複数のナノロッド配向層は、相異なるナノロッド配向方向を持つようにナノロッドが配向されて、複数のナノロッド配向層それぞれが記録層をなす。これにより、本発明の実施形態による情報記録媒体は、複数層の記録層を持つ複数層の情報記録媒体になりうる。
【0047】
ナノロッド配向層に配向されたナノロッドは、前述したように、その長手方向(縦方向)と平行する偏光方向を持つ光に対して大きい吸収率を表し、その長手方向に垂直する偏光方向を持つ光に対してはほとんど吸収が起きない。したがって、相異なるナノロッド配向方向を持つように形成された複数のナノロッド配向層に照射される光の偏光を、記録しようとするナノロッド配向層のナノロッド配向方向と平行するように変えつつ、各ナノロッド配向層に情報を記録できる。また、ナノロッド配向方向を異ならせた複数のナノロッド配向層それぞれが記録層になるので、複数のナノロッド配向層のナノロッド配向方向を異ならせて、記録層の数を所望するほど増やすことができる。
【0048】
一方、前述したように、ナノロッド配向層に配向されたナノロッドは、その縦横比によって吸収波長ピーク位置が変わる。したがって、各ナノロッド配向層に複数種の縦横比を持つナノロッドを配向でき、この場合、複数波長の光を用いて一層のナノロッド配向層に情報を波長多重で記録するか、波長多重で記録された情報を再生できる。また、各ナノロッド配向層に単一種類の縦横比を持つナノロッドを配向でき、この場合、単一波長の光を用いて複数のナノロッド配向層へ/から情報を記録/再生してもよい。ここで、隣接するナノロッド配向層に相異なる縦横比を持つナノロッドを配向して、隣接するナノロッド配向層の記録再生に相異なる波長の光を利用してもよい。
【0049】
前記のように、本発明の実施形態による情報記録媒体は、複数のナノロッド配向層が相異なるナノロッド配向方向を持つようにしつつ、各ナノロッド配向層に一つの縦横比または複数種の縦横比を持つ相変化材料からなるナノロッドを配向できる。この場合、情報記録媒体がN個のナノロッド配向層を持ち、各ナノロッド配向層に配列されたナノロッドの縦横比種類がM個ならば、情報記録媒体はN*M個の記録層に情報を記録することに該当する情報記録容量を確保することができる。
【0050】
一方、本発明の実施形態による情報記録媒体は、相変化材料からなるナノロッドが複数の方向性を持つように配列された単一ナノロッド配向層を備えることができる。
【0051】
例えば、情報記録媒体が、相変化材料料からなるナノロッドが複数の配向方向性を持つように配列されると同時に、複数種の縦横比を持つように形成された単一ナノロッド配向層を持つ場合、この単一ナノロッド配向層で情報を波長多重及び偏光多重で記録できる。配列されたナノロッド縦横比種類がM個であり、配向方向性がL個であるならば、情報記録媒体は単一記録層を持ちつつも、L*M個の記録層に情報を記録することに該当する情報記録容量を確保することができる。
【0052】
ここで、本発明の実施形態による情報記録媒体は、相変化材料料からなるナノロッドが単一配向方向性を持つように配列されると同時に、複数種の縦横比を持つように形成された単一ナノロッド配向層を持つ場合、この単一ナノロッド配向層で情報を波長多重で記録できる。配列されたナノロッド縦横比種類がM個ならば、情報記録媒体は単一記録層を持ちつつも、M個の記録層に情報を記録することに該当する情報記録容量を確保することができる。
【0053】
本発明の実施形態による情報記録媒体は、相変化材料料からなるナノロッドが複数の配向方向性を持つように配列されると同時に、単一種類の縦横比を持つように形成された単一ナノロッド配向層を持つ場合、この単一ナノロッド配向層に対して情報を偏光多重で記録できる。配向方向性がL個ならば、情報記録媒体は単一記録層を持ちつつも、L個の記録層に情報を記録することに該当する情報記録容量を確保することができる。
【0054】
さらに他の例として、情報記録媒体が、相変化材料からなるナノロッドが複数の配向方向性を持つように配列された複数のナノロッド配向層を備え、この複数のナノロッド配向層が相異なる縦横比を持つナノロッドでそれぞれ形成された場合、各ナノロッド配向層に対して相異なる波長の光を用いて、情報を複数層偏光多重で記録/再生できる。各ナノロッド配向層の配向方向性がL個であり、N個のナノロッド配向層を持つ時、情報記録媒体は、L*N個の記録層に情報を記録することに該当する情報記録容量を確保することができる。
【0055】
前記のように、本発明の実施形態による情報記録媒体は、相変化材料からなるナノロッドを持つナノロッド配向層を形成することによって情報の反復記録が可能であり、ナノロッドの偏光方向に依存する光吸収特性及び/またはナノロッドの縦横比による特定波長帯域光の吸収特性を用いて、複数層の記録、偏光多重及び/または波長多重記録を具現できる。
【0056】
ここで、ナノロッドでの偏光選択的光吸収は表面プラズモン共鳴を利用する。ナノロッド長手方向と平行する偏光成分を持つ縦横比による吸収波長帯域の光をナノロッド配向層に照射すれば、表面プラズモン共鳴により光の吸収が大きく起きる。このように、記録は表面プラズモン共鳴吸収により行われ、これらの記録は、偏光方向及び光の波長帯域に大きく依存する。
【0057】
一方、相変化材料からなるナノロッドの場合、非晶質状態である時は、エネルギーバンドギャップが大きくて光吸収率が低く、結晶質状態である時はエネルギーバンドギャップが相対的に小さくなって光吸収率が高い。これは、結晶質状態のナノロッドはエネルギーバンドギャップが小さくて、その表面に自由電子が多く集まり、これにより、表面プラズモン共鳴が大きく起きるからである。この時、相変化材料からなるナノロッドの縦横比は、非晶質状態から結晶質状態に変化される時に実質的に変わらない。
【0058】
図5は、状態変化が全くない場合、記録状態、初期化した時のナノロッドの光吸収率を比較して示すグラフであり、図6Aないし図6Cは、相変化材料からなるナノロッドの相変化記録過程を示す。図5を参照するに、記録状態のナノロッドの光吸収率は、状態変化が全くない場合(“最初”)に比べては低いが、初期化状態よりははるかに大きい。最初状態と記録状態でのナノロッドは結晶質状態であり、初期化状態でのナノロッドは非晶質状態である。
【0059】
図6Aを参照するに、ナノロッドを初期化(非晶質化)するために、光を照射して融点付近まで温度を高めた後で急冷させれば、ナノロッドは非晶質状態になって広いバンドギャップを持つようになる。非晶質状態のナノロッドに再生光を照射する場合、広いバンドギャップにより束縛電子が自由電子になる比率が低く、これにより表面プラズモン共鳴が少なく起きるため、非晶質状態のナノロッドは光吸収率が低くなる。
【0060】
図6Bを参照するに、非晶質状態のナノロッドに光を照射して、結晶化温度付近まで温度を高めれば、徐々に冷却されつつナノロッドは結晶質状態となる。結晶質状態のナノロッドに再生光を照射する場合、狭いバンドギャップにより、束縛電子が自由電子になる比率が高く、これにより表面プラズモン共鳴がよく起きるので、結晶質状態のナノロッドは光吸収率が高くなる。
【0061】
したがって、ナノロッドが存在するナノロッド配向層に再生光を照射して、光吸収率変化により情報を再生できる。
【0062】
図6Cを参照するに、結晶質状態のナノロッドに光を照射して融点付近まで温度を高めた後で急冷させれば、ナノロッドを非晶質化して初期化させるか、情報消去状態にすることができる。
【0063】
図7A及び図7Bは、本発明の実施形態による情報記録媒体を概略的に示す。図7A及び図7Bを参照するに、本発明の実施形態による情報記録媒体10は、光ビームが入射する面からカバー層11、ナノロッド配向層20及び基板15の順に構成される。ここで、カバー層11、ナノロッド配向層20及び基板15は、逆順に配列されてもよい。すなわち、光ビームが基板15を通じて入射されるように構成されてもよい。図7Aは、再生時に透過光を検出するようになっている場合を示し、図7Bは、図7Aに比べて光を反射させる反射層13をさらに備え、再生時に反射光を検出するようになっている場合を示す。図7Bでは、反射層13が基板15とナノロッド配向層20との間に位置する場合を示しているが、反射層13は、基板15の外側に設けられてもよい。また、光ビームが基板15を通じて入射される構造である場合、反射層13は、ナノロッド配向層20とカバー層11との間、またはカバー層11の外側に設けられうる。
【0064】
図7A及び図7Bでは、本発明の実施形態による情報記録媒体10が、カバー層11、ナノロッド配向層20及び基板15を備えるか、カバー層11、ナノロッド配向層20、反射層13及び基板15を備えると図示しているが、これは例示的なものであって、本発明の実施形態による情報記録媒体10は、必要に応じて追加的な他の層をさらに備えてもよい。
【0065】
ナノロッド配向層20には、反復的に光吸収率を変化させることができる材料、例えば、カルコゲナイド系材料などの相変化材料からなるナノロッドが配向されている。この時、ナノロッド配向層に配向されるナノロッドは、GeSbyTez、SbxTey、AgxInySbzTeaのうちいずれか一つの材料を含むように形成できる。
【0066】
このナノロッド配向層20には、ナノロッド配向方向が相異なる複数のナノロッド配向層が形成されて、それぞれが記録層をなす。これにより複数のナノロッド配向層は、複数層の記録層を構成するようになる。複数のナノロッド配向層では、相異なる偏光の光を用いて情報の記録/再生が行われる。
【0067】
ナノロッド配向層20は、ナノロッド配向方向が互いに異なって、相異なる偏光の光を用いて情報の記録/再生が行われる複数のナノロッド配向層を備えることができるが、この時、複数のナノロッド配向層それぞれは、同一または類似した縦横比を持つナノロッドが配向されるか、複数の縦横比を持つナノロッドが配向されうる。前述したところから分かるように、各ナノロッド配向層に複数の縦横比を持つナノロッドが配向される場合、縦横比の種類が、例えばP個ならば、波長多重記録により各ナノロッド配向層は、P個の記録層の情報記録容量に該当する情報を保存することができる。すなわち、ナノロッド配向層がQ個ある場合、情報記録媒体は、P*Q個の有効記録層を持つことになる。各ナノロッド配向層に、単一縦横比を持つナノロッドが配向される場合、ナノロッド配向層がQ個ある場合、情報記録媒体は、Q個の有効記録層を持つことになる。
【0068】
ナノロッド配向層20は、後述する図8のように、複数のナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3が対物レンズ350によりフォーカシングされる光ビームLBの有効焦点の深さ内に存在して、対物レンズ350の移動なしに入射光の偏光方向調整により、複数のナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3それぞれに/から情報を記録または再生するように形成できる。この時、複数のナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3の層間ナノロッド配向方向は、例えば、等間隔で変わり、一定でない間隔で変わってもよい。対物レンズ350によりフォーカシングされる光ビームLBの有効焦点の深さ内に存在する複数のナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3の互いに隣接したナノロッド配向層間には、別途の間隔層が不要である。ここで、光ビームLBは、ビームウェストを持つ形態にフォーカシングされるので、光強度がある程度一定であって、対物レンズ350の焦点移動なくても記録が可能な程度の光強度を表す範囲が存在し、この範囲が有効焦点の深さに該当する。
【0069】
また、ナノロッド配向層20は後述する図9のように、複数のナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3が複数回反復してスタックされ、複数のナノロッド配向層スタック20’間には、そのスタック20’間でのクロストークを防止するように間隔層25がさらに備えられうる。
【0070】
間隔層25は、一つのスタックに属する複数のナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3に情報を記録または再生する時、隣接スタックに属する複数のナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3での情報の記録または再生を防止するように、スタック間の離隔距離を確保するためのものである。
【0071】
各スタック20’に属する複数のナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3は、対物レンズ350によりフォーカシングされる光ビームLBの有効焦点の深さ内に存在して、一つのスタックに属する複数のナノロッド配向層での情報の記録または再生は、対物レンズ350の移動なしに入射光の偏光方向の調整により行われうる。そして、情報を記録または再生しようとする複数のナノロッド配向層が属するスタックが変わる時、例えば、対物レンズ350の位置をフォーカス方向に調整して、記録または再生しようとするナノロッド配向層が属するスタックに光ビームをフォーカシングした状態で、該当スタックに属するナノロッド配向層へ/からの情報の記録または再生が行われうる。この時、複数のナノロッド配向層の層間ナノロッド配向方向は、例えば、等間隔で変わり、一定でない間隔で変わることもある。また、各スタックをなす複数のナノロッド配向層の互いに隣接したナノロッド配向層間には、別途の間隔層が存在していない。
【0072】
図8は、図7A及び図7Bのナノロッド配向層の一実施形態を概略的に示す。図8では、ナノロッドの配向方向がそれぞれ0°、45°、90°、135°である第1ないし第4ナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3が形成された4層構造のナノロッド配向層を例示的に示す。
【0073】
図8のように、第1ないし第4ナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3を備えるようにナノロッド配向層を形成する場合、一層のナノロッド配向層に例えば、約25GBの情報を記録する場合、100GBの情報を保存することができる高容量情報記録媒体を実現できる。
【0074】
前記第1ないし第4ナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3は、対物レンズ350の移動なしに、光の偏光方向調整により情報を記録または再生するように、対物レンズ350によりフォーカシングされる光ビームLBの有効焦点の深さ内に存在するように形成できる。この時、第1ないし第4ナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3の層間ナノロッド配向方向は、図8に示したように等間隔で変わってもよく、一定でない間隔で変わってもよい。前記第1ないし第4ナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3の互いに隣接したナノロッド配向層間には、別途の間隔層が不要である。
【0075】
図9は、図8の第1ないし第4ナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3が複数回反復してスタックされた実施形態を概略的に示す。
【0076】
この時、第1ないし第4ナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3のグループは、複数回反復してスタックされ、複数のナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3のグループのスタック20’の間には、そのスタック20’の間でのクロストークを防止するために間隔層25が存在しうる。この時、各スタックに属する第1ないし第4ナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3は、対物レンズ350によりフォーカシングされる光ビームLBの有効焦点の深さ内に存在して、一つのスタックに属する第1ないし第4ナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3へ/からの情報の記録または再生は、対物レンズ350の移動なしに入射光の偏光方向調整により行われうる。そして、情報を記録または再生しようとする第1ないし第4ナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3が属するスタックが変わる時、例えば、対物レンズ350の位置をフォーカス方向に調整して、記録または再生しようとするナノロッド配向層が属するスタックに光ビームをフォーカシングした状態で、該当スタックに属するナノロッド配向層へ/から情報の記録または再生を行うことができる。この時、第1ないし第4ナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3の層間ナノロッド配向方向は、図9に示したように、等間隔で変わってもよく、一定でない間隔で変わってもよい。各スタックをなす第1ないし第4ナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3の相異なる隣接したナノロッド配向層間には別途の間隔層が不要である。
【0077】
図7ないし図9を参照して説明した本発明の実施形態による情報記録媒体は、情報の記録/再生は次のように行われうる。
【0078】
相変化材料からなるナノロッドが方向性を持つようにそれぞれ配向され、そのナノロッド配向方向が相異なるようにそれぞれ配向されて、それぞれが記録層をなす複数のナノロッド配向層20を備える情報記録媒体10に光を入射させる。そして、この入射光の偏光方向を変更させつつ、複数のナノロッド配向層20それぞれ、または少なくとも一部に対して情報を記録/再生できる。線形偏光を持つ光が入射される時、入射光の偏光方向と平行するナノロッド配向方向を持つナノロッド配向層に対して情報を記録/再生する。
【0079】
入射される光の偏光と平行するナノロッド配向方向を持つナノロッド配向層に存在するナノロッドが、入射される光を吸収する。ナノロッドが相変化材料からなる場合、記録メカニズムは、ナノロッドの相変化による光吸収率を変化させるのである。
【0080】
すなわち、ナノロッドに相変化を発生させて、ナノロッドを非晶質状態とは異なる光吸収率を持つ結晶質状態にすることによって情報が記録される。ナノロッドの相変化記録過程は、次のように行われうる。例えば、光照射によりナノロッドを融点、例えば、約600℃まで温度を高めてナノロッドを非晶質化させて、初期状態または消去状態にする。そして、これらの非晶質状態のナノロッドを結晶化温度、例えば、約200℃まで温度を高めて結晶化させる。ナノロッドを結晶化させた状態が記録状態に該当する。また記録された情報を消去するか、ナノロッドを初期状態に変えるためには、光照射により融点まで温度を高めてナノロッドを非晶質化させればよい。
【0081】
この時、前述したように、照射される光を吸収して融点まで温度が上がるか、結晶化温度まで温度が上がるナノロッドは、入射される光の偏光と平行するナノロッド配向方向を持ち、入射される光の波長に対応する縦横比を持つナノロッドである。したがって、照射される特定波長を持つ光の偏光を、情報を記録しようとするナノロッド配向層のナノロッド配向と平行するように調整すれば、所望のナノロッド配向層に配列された所望の配向方向を持ち、かつ照射光の波長に対応する縦横比を持つナノロッドのみ照射される光を吸収し、これにより情報の記録が行われうる。
【0082】
一方、情報記録または消去などのために、ナノロッドが結晶質化状態に変わるか、または非晶質化状態に変わる時、このナノロッドは、縦横比には変化なしに元々持っていた縦横比をそのまま維持するので、特定縦横比及びナノロッド配向方向に対応する波長及び偏光を持つ光のみに対して反応して、多重波長及び/または偏光記録/再生を行える。
【0083】
また、このようにナノロッドの縦横比に変化がないので、波長多重記録時、記録後のナノロッドの縦横比と異なる波長に対応する異なる縦横比を持つナノロッドとの干渉を低減させることができる。
【0084】
図10は、ナノロッド配向層に1種の縦横比を持つナノロッドが一方向に配向された例を示し、図11は、ナノロッド配向層に2種の縦横比を持つナノロッドが一方向に配向された例を示す。
【0085】
図7ないし図9を参照して説明した複数のナノロッド配向層を持つ情報記録媒体の各ナノロッド配向層には前述したように、図10や図11のように、ナノロッドが配向されうる。また、このナノロッドは、ナノロッド配向層ごとにその配向方向が変わりうる。図10の場合には、各ナノロッド配向層に単一波長の光を用いて情報を記録できるので、一層のナノロッド配向層は、一つの記録層に該当する。図11の場合には、各ナノロッド配向層に2種の波長が相異なる光を用いて情報を記録できるので、一層のナノロッド配向層は、2つの記録層に該当する情報を記録できる。
【0086】
各ナノロッド配向層に配向されるナノロッドの縦横比種類を3つ以上にすれば、一層のナノロッド配向層に3つ以上の記録層に該当する情報を記録できる。
【0087】
一方、本発明の実施形態による情報記録媒体10に、再生モード時に入射される光は、その入射される光の偏光と平行ではないナノロッド配向方向を持つナノロッド配向層はそのまま通過し、入射される光の偏光と平行するナノロッド配向方向を持つナノロッド配向層に対してのみ吸収が行われる。これにより、該当ナノロッド配向層を通過する光量が記録された情報によって変化する。したがって、このような光量変化を検出すれば、記録された情報を再生できる。図7Aのように反射層を備えない場合には、情報記録媒体を透過した光を再生光として検出する。図7Bのように反射層13を備える場合には、該当ナノロッド配向層は、透過した光が反射層13により反射されて対物レンズ350に再び戻るので(すなわち、情報記録媒体に入射される光と逆方向に進行するので)、情報記録媒体で反射された光を再生光として検出できる。
【0088】
したがって、入射光の偏光方向を各ナノロッド配向層の配向方向と平行するように変えながら、複数のナノロッド配向層それぞれ、または少なくとも一部について情報を記録/再生できる。
【0089】
以上で説明したように、本発明の実施形態による情報記録媒体10は、間隔層なしに各記録層別にナノロッド配向を異ならせて複数層の記録層を構成できる。また、それぞれが記録層を構成する複数のナノロッド配向層グループを反復してスタックすれば、記録層の数を所望するほど増やすことができる。複数のナノロッド配向層をN層〜N+L層(ここで、Lは負の整数または正の整数)であるとすれば、例えば、N層の記録時、N+L(またはN−L)層〜N+L層まではナノロッド配向方向が異なって、N層記録のための特定偏光の光に反応しないため、記録クロストークを除去できる。再生の場合にも、再生光の偏光方向によって、該当ナノロッド配向層に対してのみ透過または反射光量の変化を検出するので、再生クロストークを除去できる。
【0090】
図12A及び図12Bは、本発明の他の実施形態による情報記録媒体を概略的に示す。
【0091】
図12A及び図12Bを参照するに、本発明の実施形態による情報記録媒体100は、光ビームが入射する面からカバー層110、ナノロッド配向層120及び基板115の順に構成される。ここで、カバー層110、ナノロッド配向層120及び基板115は、逆順に配列されてもよい。すなわち、光ビームが基板115を通じて入射されるように構成されてもよい。図12Aは、再生時に透過光を検出するようになっている場合を示し、図12Bは、図12Aに比べて光を反射させる反射層113をさらに備え、再生時に反射光を検出するようになっている場合を示す。図12Bでは、反射層113が、基板115とナノロッド配向層120との間に位置する場合を示すが、反射層113は、基板115外側に設けられることもある。また、光ビームが基板115を通じて入射される構造の場合、反射層113は、ナノロッド配向層120とカバー層110との間、またはカバー層110の外側に設けられうる。
【0092】
図12A及び図12Bでは、本発明の他の実施形態による情報記録媒体100が、カバー層110、ナノロッド配向層120及び基板115を備えるか、カバー層110、ナノロッド配向層120、反射層113及び基板115を備えると図示しているのに、これは例示的なものであって、本発明の他の実施形態による情報記録媒体100は、必要に応じて追加的な他の層をさらに備えてもよい。
【0093】
ナノロッド配向層120には、反復的に光吸収率を変化させることができる材料、例えば、相変化材料からなるナノロッドが配向されている。この時、ナノロッド配向層に配向されるナノロッドは、GeSbyTez、SbxTey、AgxInySbzTeaのうちいずれか一つの材料を含むように形成できる。
【0094】
このナノロッド配向層120は単一層であって、ナノロッドが単一のナノロッド配向方向に配向されるか、または複数のナノロッド配向方向に配向されうる。また、ナノロッド配向層120に配向されたナノロッドは、1種または複数種の縦横比を持つことができる。
【0095】
図13Aないし図13Cは、図12A及び図12Bに図示された情報記録媒体100のナノロッド配向層に配向されるナノロッドの多様な実施形態を示す。図13Aを参照するに、ナノロッド配向層120にナノロッドが単一のナノロッド配向方向に配向され、このナノロッドは、複数種の縦横比を持つことができる。この場合、ナノロッド配向層120に波長多重記録を行うことができて、この単一のナノロッド配向層は、縦横比種類ほどの記録層に該当する情報を記録できる。図13Aでは例示として、2種の縦横比を持つナノロッドがナノロッド配向層120に配向された例を示す。
【0096】
図13Bを参照するに、ナノロッド配向層120には、ナノロッドが複数のナノロッド配向方向に配向され、この配向されたナノロッドは、1種の縦横比を持つことができる。この場合、この単一のナノロッド配向層120には、ナノロッド配向方向の種類ほどの記録層に該当する情報を偏光多重により記録できる。図13Bでは例示として、ナノロッドが2つの方向に配向された例を示す。
【0097】
図13Cを参照するに、ナノロッド配向層120には、ナノロッドが複数のナノロッド配向方向に配向され、この配向されたナノロッドは、複数種の縦横比を持つことができる。この場合、この単一のナノロッド配向層120には、ナノロッド配向方向の種類数と縦横比の種類数との乗算分の記録層に該当する情報を、偏光多重及び波長多重により記録できる。図13Cでは例示として、2種の縦横比を持つナノロッドが2つの方向に配向された例を示す。
【0098】
一方、前記のようなナノロッド配向層120は、対物レンズ350によりフォーカシングされる光ビームLBの有効焦点の深さ内の厚さを持ち、対物レンズ350の移動なしに、入射光の偏光方向調整及び/または波長調整により、特定波長及び特定偏光の光に対応するナノロッドに/から情報を記録または再生するように形成できる。ここで、光ビームLBは、ビームウェストを持つ形態でフォーカシングされるので、光強度がある程度一定であって、対物レンズ350の焦点移動なしでも記録可能な程度の光強度を表す範囲が存在し、この範囲が有効焦点の深さに該当する。
【0099】
また、図13Aないし図13Cを参照して説明した多様な実施形態のナノロッドが配向されたナノロッド配向層120は、図14のように、ナノロッド配向層120’が複数回反復してスタックされ、複数のナノロッド配向層120’の間には、それら間のクロストークを防止するように、間隔層125がさらに備えられうる。
【0100】
間隔層125は、一層のナノロッド配向層へ/から情報を記録または再生する時、隣接したナノロッド配向層での情報の記録または再生を防止するように、ナノロッド配向層120間の離隔距離を確保するためのものである。
【0101】
各ナノロッド配向層120’は、対物レンズ350によりフォーカシングされる光ビームLBの有効焦点の深さ内に存在して、一層のナノロッド配向層での情報の記録または再生は、対物レンズ350の移動なしに入射光の偏光方向調整により行われうる。そして、情報を記録または再生しようとするナノロッド配向層が変わる時、例えば、対物レンズ350の位置をフォーカス方向に調整して、記録または再生しようとするナノロッド配向層に光ビームをフォーカシングした状態で、該当ナノロッド配向層に/から情報の記録または再生が行われうる。また、各ナノロッド配向層の互いに隣接したナノロッド配向層間には別途の間隔層が存在しないこともある。
【0102】
図15は、本発明の実施形態による情報記録媒体を記録及び/または再生できる記録/再生装置の一例を概略的に示す。図16及び図17は、図15に適用可能な光ピックアップ100の主要光学的構成を概略的に示す。
【0103】
図15を参照するに、記録/再生装置は、情報記録媒体10または100を回転させるためのスピンドルモータ312と、情報記録媒体10または100の半径方向に移動可能に設置されて、情報記録媒体10または100に記録された情報を再生及び/または情報を記録する光ピックアップ300と、スピンドルモータ312と光ピックアップ300とを駆動するための駆動部307と、光ピックアップ300のフォーカシング、トラックサーボなどを制御するための制御部309とを備える。ここで、参照番号352はターンテーブル、353は情報記録媒体10または100をチャッキングするためのクランプを表す。
【0104】
光ピックアップ300は、情報記録媒体10または100に偏光を変えつつ光を照射し、情報記録媒体10で再生された光を検出するように設けられる。
【0105】
図16を参照するに、光ピックアップ300は、光源310と、入射光を情報記録媒体10または100にフォーカシングするための対物レンズ350と、情報記録媒体10または100で再生された光信号を検出する光検出器390と、情報記録媒体10または100に照射される光の偏光方向を調節するための偏光調節器340とを備えることができる。
【0106】
図16は、情報記録媒体10または100が図7A及び図12Aの構造を持つ場合に適したものであって、再生時に情報記録媒体10または100を透過した光を検出するように、光検出器390が対物レンズ350と反対側に配置される。
【0107】
図17を参照するに、光ピックアップ300は、光源310と、入射光の進路を変換するための光路変換器330と、入射光を情報記録媒体10または100にフォーカシングするための対物レンズ350と、情報記録媒体10または100で再生された光信号を検出する光検出器390と、情報記録媒体10または100に照射される光の偏光方向を調節するための偏光調節器340とを備えることができる。
【0108】
図17は、情報記録媒体10または100が、図7B及び図12Bの構造を持つ場合に適したものであって、再生時に情報記録媒体10または100の反射層130で反射された光を検出するように光検出器390が配置される。情報記録媒体10または100が図7B及び図12Bに図示された構造である場合、光源310から出射された光は情報記録媒体10または100に向かわせ、情報記録媒体10または100で反射された光は光検出器390に向かわせるために、光路変換器330が必要である。
【0109】
図16及び図17は、図7A及び図7B、図12A及び図12Bを参考にして説明した、本発明の実施形態による情報記録媒体10または100を記録または再生するための最も基本的な光学系構成を示したものであって、全体的な光学系構成は多様に変形できる。
【0110】
光源310はレーザー光を出射するためのものであって、単一縦横比を持つナノロッドにより吸収されうる特定波長のレーザー光を出射する半導体レーザーでありうる。
【0111】
また、光源310は、複数種の縦横比を持つナノロッドにより吸収されうる複数波長のレーザー光を出射できる半導体レーザーでもありうる。例えば、光源310は、相異なる波長のレーザー光を出射する複数の半導体レーザー素子が結合された構造であるか、または多重波長のレーザー光をそれぞれ独立的に出射できる複数波長発光型半導体レーザーでありうる。ここで、一つのパッケージになっている光源310の代りに、複数種の縦横比を持つナノロッドにより吸収されうる複数波長のレーザー光をそれぞれ出射できる複数の半導体レーザーが分離配置されるように光学系が構成されてもよい。
【0112】
光源310と対物レンズ350との間の光路上には、光源310から発散光形態で出射された光をコリメートするためのコリメートレンズ320をさらに備え、無限光学系構造で形成できる。光検出器390の前には、情報記録媒体10または100を透過するか、あるいは情報記録媒体10または100で反射されて光検出器390に進行する光を適正サイズで受光するように集束する検出レンズ370をさらに備えることができる。
【0113】
偏光調節器340は、情報記録媒体10または100に照射される光の偏光を記録または再生しようとする単一のナノロッド配向方向を持つナノロッド配向層、または単一ナノロッド配向層内の複数のナノロッド配向方向のうちいずれか一つに適するように取り替えるためのものであって、例えば、半波長板を備えることができ、この半波長板で形成された偏光調節器340を回転駆動させる駆動器360をさらに備えることができる。半波長板の回転角度を調節すれば、半波長板を通過する光が所望の線偏光方向を持つようにすることができる。
【0114】
情報記録媒体10または100から透過または反射された光は、光ピックアップ300に設けられた光検出器390を通じて検出され、かつ光電変換されて電気的信号に変わり、信号検出回路(図示せず)で演算される。信号検出回路で得られた信号は、駆動部307を通じて制御部309に入力される。駆動部307は、スピンドルモータ312の回転速度を制御し、入力された信号を増幅させて光ピックアップ300を駆動する。制御部309は、駆動部307から入力された信号に基づいて調節されたフォーカシングサーボ、トラッキングサーボ命令などを再び駆動部307に送って、光ピックアップ300のフォーカシング、トラッキング動作を具現させる。
【0115】
有効記録層の数は偏光指向性の数及び/またはナノロッドの縦横比の数により決定できる。したがって、有効記録層の総数は、偏光指向性の数と、ナノロッドの縦横比の数との積でありうる。これは、単一の物理的な記録/再生層に多重有効記録/再生層を持たせる。記録及び/または再生装置は、単一物理的な層を持つ情報記録媒体10、100に/から情報を記録または再生できるが、有効記録容量は、多重層を持つ情報記録媒体と同等でありうる。かかる記録/再生装置は、他の偏光及び/または他の波長で光を照射するように設けられうる。情報記録媒体10、100のタイプは、情報記録媒体10、100に保存された情報をアクセスし、情報記録媒体10、100上のコードや他の識別データをアクセスし、記録/再生装置に保存されたルックアップテーブル、または他のドライバデータを参照することによって記録/再生装置により決定されるか、偏光及び/または波長を決定する他の方法が情報記録媒体10、100と共に使われうる。
【0116】
各ナノロッド配向層20、120の間にスペース層25を使用することを回避できる。したがって、一層以上のナノロッド配向層20、120があり、各ナノロッド配向層20、120は、これら間に配置されたスペース層25なしに少なくとも一層の他のナノロッド配向層20、120に接することができる。
【0117】
前述したプロセス、機能、方法及び/またはソフトウェアは、プロセッサーを実行するか、プログラム説明を行なうコンピュータにより実行できるプログラム説明を含む一つ以上のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されるか、保存されるか、または固定される。前記媒体はまた、単独またはプログラム説明との組み合わせとして、データファイル、データ構造などを含むことができる。前記媒体及びプログラム説明は特別に設計または構成でき、コンピュータソフトウェア分野の当業者に周知であり、かつ利用できる種類でありうる。コンピュータで読み取り可能な媒体の例は、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープなどの磁気媒体、CD−ROMディスク及びDVDなどの光学媒体、光ディスクなどの光磁気媒体及び、ROM(Read−Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなどのプログラム説明を保存して実行できるように特別に構成されたハードウェア装置を含むことができる。プログラム説明の例は、コンパイラーにより生成される機械コード及びインタープリターを使用するコンピュータにより実行できる、さらに高いレベルのコードを内包するファイルを含むことができる。前述したハードウェア装置は、前記のオペレーション及び方法を行うために、一つ以上のソフトウェアモジュールとして作用するように構成できる。さらに、コンピュータで読み取り可能な情報記録媒体は、ネットワーク及びコンピュータで読み取り可能なコードを通じて連結されたコンピュータシステム間に分配でき、プログラム説明は分権化方式で保存または実行される。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明は、情報記録媒体関連の技術分野に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0119】
350 対物レンズ
LB 光ビーム
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記録媒体及びその記録/再生装置に係り、より詳細には、複数層の記録時に層間クロストークを改善でき、多次元で反復記録可能な情報記録媒体及びその記録/再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報記録媒体の記録容量を増大させるために、レーザー光を短波長化し、かつ高開口数の対物レンズを利用する超解像近接場構造の情報記録媒体や、複数層構造の情報記録媒体に関する研究が活発に行われつつある。これらの研究の結果として、青紫色レーザーダイオード及び0.85の開口数(NA)を持つ対物レンズを用いて、各層ごとに約25GBの記録容量を持つ複数層構造のブルーレイディスク(Blu−ray Disc:BD)を具現したことがある。前記ブルーレイディスクは、約2時間分量のHDTV(High−Definition TV)画質のプログラムを保存するか、標準的な高画質TVの場合、約13時間分量のプログラムを保存することができる。
【0003】
ブルーレイディスクは、その単面に25GBの情報を保存することができ、現在には2層の50GBの情報を保存できるデュアルディスクが商用化されており、それ以上の複数層のディスクであって、100GB以上の情報を保存できる高密度の複数層の情報記録媒体の開発が進みつつある。
【0004】
複数層の情報記録媒体は、単一層の情報記録媒体に比べてほぼN倍(Nは記録層の数)の記録容量を持つ。
【0005】
複数層の情報記録媒体構造を形成するに当って、各間隔層の厚さ及び反射率は、情報記録媒体の信号特性を決定する重要な要素である。間隔層は、隣接した記録層間の層として定義される。前記間隔層は、各記録層間のクロストークを防止するために十分な厚さを持つべきであり、また光検出器から検出される信号が所定大きさ以上になるように、各記録層の反射率がマッチングされる必要がある。
【0006】
これらの複数層の情報記録媒体では、球面収差を補償するために、全体層の総厚さがビーム拡張器などの補償手段の補償範囲内の値でなければならないため、全体記録層の数を所望するほど増加させ難い。ここで、情報記録媒体関連の先行技術としては、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−510141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
複数層の記録時に層間クロストークを改善でき、記録層の数を所望するほど増やすことができる、多次元で反復記録可能な情報記録媒体及びその記録または再生方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態による情報記録媒体は、反復的に光吸収率を変更させることができる材料で形成されるナノロッドを用いて反復記録が行われるように設けられる。
【0010】
前記ナノロッドは相変化材料で形成されて、非晶質状態と結晶質状態の光吸収率差により情報の記録が行われる。
【0011】
前記ナノロッドの縦横比は非晶質状態、結晶質状態に関係なく一定である。
【0012】
前記ナノロッドは、カルコゲナイド材料を含む物質で形成される。
【0013】
前記ナノロッドが配向された少なくとも一層のナノロッド配向層を備える。
【0014】
このとき、前記少なくとも一層のナノロッド配向層は、複数のナノロッド配向層を備え、前記複数のナノロッド配向層のナノロッド配向方向が相異なるように設けられ、前記複数のナノロッド配向層は、相異なる偏光でありつつ、そのナノロッド配向層それぞれのナノロッド配向方向と平行する偏光方向を持つ光を用いて、情報の記録または再生が行われる。
【0015】
各ナノロッド配向層は、単一種類の縦横比を持つナノロッドが配向されて、単一波長の光を用いて情報の記録または再生が行われるか、複数種の縦横比を持つナノロッドが配向されて、複数波長の光を用いて情報の記録または再生が行われる。
【0016】
前記複数のナノロッド配向層は、対物レンズによりフォーカシングされる光ビームの有効焦点の深さ内に存在し、対物レンズの移動なしに入射される光の偏光方向の調整により、前記複数のナノロッド配向層へ/から情報を記録または再生するようになっている。
【0017】
前記複数のナノロッド配向層の互いに隣接したナノロッド配向層間には、別途の間隔層が存在しない。
【0018】
前記複数のナノロッド配向層が複数回反復してスタックされ、複数のナノロッド配向層スタック間には間隔層が存在する。
【0019】
各スタックに属する複数のナノロッド配向層は、対物レンズによりフォーカシングされる光ビームの有効焦点の深さ内に存在して、一つのスタックに属する複数のナノロッド配向層へ/からの情報記録または再生は、対物レンズの移動なしに入射光の偏光方向調整により行われ、情報を記録または再生しようとする複数のナノロッド配向層が属するスタックが変わる時、対物レンズ位置を調整して記録または再生しようとするナノロッド配向層が属するスタックに光ビームをフォーカシングした状態で、該当スタックに属するナノロッド配向層へ/からの情報記録または再生が行われる。
【0020】
前記間隔層は、一つのスタックに属する複数のナノロッド配向層へ/から情報を記録または再生する時、隣接スタックに属する複数のナノロッド配向層での情報の記録または再生を防止するように、スタック間の離隔距離を確保する。
【0021】
一方、前記少なくとも一層のナノロッド配向層は単一ナノロッド配向層を備え、
前記ナノロッド配向層は、単一種類の縦横比を持つナノロッドが配向されて、単一波長の光を用いて情報を記録または再生するか、複数種の縦横比を持つナノロッドが配向されて、各縦横比に対応する波長の光を用いて波長多重で情報を記録または再生する。
【0022】
前記ナノロッド配向層には複数のナノロッド配向方向にナノロッドが配向されて、各ナノロッド配向方向と平行する偏光方向を持つ光を用いて、偏光多重で情報を記録または再生する。
【0023】
前記ナノロッド配向層が複数回反復してスタックされる。
【0024】
前記反復してスタックされたナノロッド配向層間には間隔層が存在し、前記間隔層は、一層のナノロッド配向層へ/から情報を記録または再生する時、隣接ナノロッド配向層での情報の記録または再生を防止するように離隔距離を確保する。
【0025】
本発明の実施形態による記録/再生装置は、前記情報記録媒体へ/から情報を記録または再生するために、前記情報記録媒体に偏光や波長を変えつつ光を照射し、情報記録媒体で再生された光を検出するように設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】ナノロッドの入射光の偏光方向による光吸収特性を示すグラフである。
【図2】ナノロッド配向層の同じ領域に“A”と“B”の文字を、それぞれ水平偏光及び垂直偏光の光を用いて記録した時、入射光の偏光による再生結果を示す図である。
【図3】ナノロッドの縦横比(長さ)による光波長吸収特性を示すグラフである。
【図4】ナノロッド配向層の同じ領域に“C”と“D”の文字を、それぞれ710nm波長の光と850nm波長の光とを用いて記録した時、入射光の波長による再生結果を示す図である。
【図5】状態変化が全くない場合(original)、記録状態、初期化した時のナノロッドの光吸収率を比較して示すグラフである。
【図6A】相変化材料からなるナノロッドの相変化記録過程を示す図である。
【図6B】相変化材料からなるナノロッドの相変化記録過程を示す図である。
【図6C】相変化材料からなるナノロッドの相変化記録過程を示す図である。
【図7A】本発明の実施形態による情報記録媒体を概略的に示す図である。
【図7B】本発明の実施形態による情報記録媒体を概略的に示す図である。
【図8】図7A及び図7Bのナノロッド配向層の一実施形態を概略的に示す図である。
【図9】図8の第1ないし第4ナノロッド配向層が複数回反復してスタックされた実施形態を概略的に示す図である。
【図10】ナノロッド配向層に1種の縦横比を持つナノロッドが一方向に配向された場合を示す図である。
【図11】ナノロッド配向層に2種の縦横比を持つナノロッドが一方向に配向された場合を示す図である。
【図12A】本発明の他の実施形態による情報記録媒体を概略的に示す図である。
【図12B】本発明の他の実施形態による情報記録媒体を概略的に示す図である。
【図13A】図12A及び図12Bに図示された情報記録媒体のナノロッド配向層に配向されるナノロッドの多様な実施形態を示す図である。
【図13B】図12A及び図12Bに図示された情報記録媒体のナノロッド配向層に配向されるナノロッドの多様な実施形態を示す図である。
【図13C】図12A及び図12Bに図示された情報記録媒体のナノロッド配向層に配向されるナノロッドの多様な実施形態を示す図である。
【図14】図12A及び図12Bの単一ナノロッド配向層が複数回反復してスタックされた実施形態を概略的に示す図である。
【図15】本発明の実施形態による情報記録媒体を記録及び/または再生できる記録/再生装置の一例を概略的に示す図である。
【図16】図15に適用可能な光ピックアップの主要光学的構成を概略的に示す図である。
【図17】図15に適用可能な光ピックアップの主要光学的構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施形態による情報記録媒体は、反復的に光吸収率を変更させることができる材料、例えば、カルコゲナイド系材料などの相変化材料で形成されるナノロッドを用いて、少なくとも1回以上の情報記録、例えば、情報の反復記録が可能になるように設けられる。
【0028】
例えば、カルコゲナイド系材料などの相変化材料で形成されるナノロッドを本発明の実施形態による情報記録媒体に適用する場合、ナノロッドは、結晶質状態である時の光吸収率と非晶質状態である時の光吸収率とに差がある。これらの光吸収率差により情報を記録するか、記録された情報の再生が可能である。また、ナノロッドが反復的に結晶質状態と非晶質状態とに変化できるので、反復的に光吸収率を変更させることができて、反復記録が可能である。
【0029】
この時、本発明の実施形態による情報記録媒体でのナノロッドは、結晶質状態である時と非晶質状態である時、その縦横比には実質的に変化がないので、情報記録時と同一波長の光を用いて情報を再生できる。
【0030】
また、ナノロッドはその配向方向と同じ方向に偏光された光に対する吸収率が高い特性、その縦横比に対応する特定波長帯域の光に対する吸収率が高い特性を持つ。したがって、本発明の実施形態による情報記録媒体は、ナノロッドの偏光方向に依存する光吸収特性及びナノロッドの縦横比による特定帯域波長光の吸収特性を用いて、複数層の記録や、偏光及び/または波長多重記録を具現できる。
【0031】
すなわち、ナノロッドは図1のグラフから分かるように、その長手方向(縦方向)と平行する偏光方向を持つ光に対して大きい吸収率を表し、その長手方向に垂直する偏光方向を持つ光に対してはほとんど吸収が起きない。また、ナノロッドは、後述する図3のグラフから分かるように、その縦横比によって吸収波長ピーク位置が変わる。
【0032】
したがって、本発明の実施形態による情報記録媒体は、ナノロッドが複数種の縦横比を持って波長多重記録/再生をするか、ナノロッドが複数の配向方向に配向されて偏光多重記録/再生をして、一つの記録層で複数の記録層に該当する情報記録容量を得るように設けられうる。また、本発明の実施形態による情報記録媒体は、ナノロッド配向方向が相異なる複数のナノロッド配向層を形成して、複数層の記録をするように設けられてもよい。
【0033】
図1は、ナノロッドの入射光の偏光方向による光吸収特性を示すグラフである。図1から分かるように、ナノロッドは、その長手方向(縦方向)と平行する偏光方向を持つ光に対しては大きい光吸収率を表す一方、これに垂直する偏光方向を持つ光に対しては光吸収がほとんど起きない。図1のグラフは、屈折率が1.5であるマトリックス形態のPVA(Poly Vinyl Alcohol)に、縦横比が3.5:1である金属(例えば、金(Au))ナノロッドを配向した条件下で得られたものである。
【0034】
図2は、ナノロッド配向層の同じ領域に“A”と“B”の文字を、それぞれ水平偏光及び垂直偏光の光を用いて記録した時、入射光の偏光による再生結果を示す。図2の結果は、波長が約850nmであり、E=〜7nJ/pulseのエネルギーを持つ光を開口数約0.7である対物レンズに集束して、100kHZの反復率(rep.rate)で記録した時に得られたものである。
【0035】
図2のように、“A”文字を記録する時と同じ水平偏光の光を照射した時は“A”文字のみ再生され、“B”文字を記録する時と同じ垂直偏光の光を照射した時は“B”文字のみ再生される。また、照射される光が水平偏光に近いほど“A”文字形状が主に見られ、垂直偏光に近づくほど“B”文字形状が主に見られる。
【0036】
これから、水平偏光方向と平行して配列されたナノロッドは、垂直偏光の光により影響されず、また垂直偏光方向と平行して配列されたナノロッドは、水平偏光の光により影響されないことが分かる。
【0037】
図3は、ナノロッドの縦横比(長さ)による光波長吸収特性を示すグラフである。図3から分かるように、ナノロッドは、その縦横比(同じ幅を持つ場合には、その長さ)によって吸収波長ピーク位置が変わる。ナノロッドは、その縦横比によって特定波長帯域の光のみを吸収し、これを外れた波長帯域の光はほとんど吸収しない。ナノロッドは、その長さが短いほど短波長帯域の光を吸収し、その長さが長いほど長波長帯域の光を吸収する。したがって、これらのナノロッドの縦横比(長さ)による波長選択的吸収特性を利用すれば、例えば、複数の縦横比を持つナノロッドが配向されたナノロッド配向層の同一領域で記録/再生光の波長を異ならせて、波長多重記録及びこのように記録された波長多重記録情報の再生が可能である。
【0038】
図4は、ナノロッド配向層の同じ領域に“C”と“D”の文字を、それぞれ710nm波長の光と850nm波長の光とを用いて記録した時、入射光の波長による再生結果を示す。図4の結果は、ナノロッド配向層に約710nm波長範囲で吸収ピークを表す縦横比(長さ)を持つナノロッドと、約850nm波長範囲で吸収ピークを表す縦横比(長さ)を持つナノロッドとがあり、710nmないし850nm波長を持ってE=〜7nJ/pulseのエネルギーを持つ光を、開口数約0.7である対物レンズに集束して100kHZの反復率(rep.rate)で記録した時に得られたものである。
【0039】
図4のように、“C”文字を記録する時と同じ710nm波長の光を照射した時は“C”文字のみ再生され、“D”文字を記録する時と同じ850nm波長の光を照射した時は“D”文字のみ再生される。また、照射される光の波長が710nmに近いほど“C”文字形状が主に見られ、850nm波長に近づくほど“D”文字形状が主に見られる。
【0040】
これから、710nm波長の光に対して吸収ピーク特性を表す縦横比を持つナノロッドは、850nm波長の光により影響されず、また850nm波長の光に対して吸収ピーク特性を表す縦横比を持つナノロッドは、710nm波長の光により影響されないことが分かる。
【0041】
したがって、ナノロッドの長手方向と平行する特定偏光を持ち、ナノロッドの縦横比(長さ)に対応する特定吸収波長帯域の光が照射される時、ナノロッドがこの光を吸収して情報の記録が行われうる。
【0042】
これらのナノロッドの偏光選択的及び/または波長選択的光吸収特性を考慮して;複数のナノロッド配向層ごとにナノロッドの配向方向を異ならせて複数層の記録、ナノロッド配向層内で複数の配向方向を持つようにナノロッドを配向して、偏光選択的光吸収特性を利用した偏光多重記録;及び/またはナノロッドの縦横比による波長選択的光吸収特性を考慮して波長多重記録を行うことができる。
【0043】
例えば、本発明の実施形態による情報記録媒体が相異なるナノロッド配向方向を持つように、ナノロッドが配向された複数のナノロッド配向層を備える場合、照射される光の偏光を記録しようとするナノロッド配向層のナノロッド配向方向と平行するように変えつつ、各ナノロッド配向層に情報を記録できる。この場合、ナノロッド配向方向を異ならせた複数のナノロッド配向層それぞれが記録層になるので、複数のナノロッド配向層のナノロッド配向方向を異ならせて、記録層の数を所望するほど増やすことができる。この時、各ナノロッド配向層には単一種類の縦横比を持つナノロッドを配向して、単一波長の光を用いて情報を記録または再生できる。また、各ナノロッド配向層には、複数種の縦横比を持つナノロッドを配向して、各縦横比に対応する複数波長の光を用いて波長多重で情報を記録または再生できる。
【0044】
また、本発明の実施形態による情報記録媒体は、単一ナノロッド配向層を備えて、このナノロッド配向層に複数種の縦横比を持つナノロッドを、一つの配向方向を持つように配向して波長多重記録をするか、ナノロッド配向層に複数のナノロッド配向方向に、単一種類の縦横比を持つナノロッドを配向して偏光多重記録をするか、このナノロッド配向層に複数種の縦横比を持つナノロッドを複数の配向方向に配向して、波長多重及び偏光多重記録を行うように設けられてもよい。
【0045】
以下では、本発明の実施形態による情報記録媒体の多様な例をさらに具体的に説明する。例示及び説明の便宜のために、本発明の実施形態による情報記録媒体にカルコゲナイド系材料などの相変化材料からなるナノロッドが適用される場合を例として説明するが、本発明がこれに限定されるものではなく、光吸収率を反復的に変更させうる材料でさえあれば、本発明の実施形態による情報記録媒体のナノロッド材料として使われうる。
【0046】
本発明の実施形態による情報記録媒体のナノロッド配向層には、相変化材料、例えば、カルコゲナイド系材料からなるナノロッドが方向性を持つように配向される。ナノロッド配向層には、ナノロッドがほぼ一方向に配列されるように配向される。また、複数のナノロッド配向層は、相異なるナノロッド配向方向を持つようにナノロッドが配向されて、複数のナノロッド配向層それぞれが記録層をなす。これにより、本発明の実施形態による情報記録媒体は、複数層の記録層を持つ複数層の情報記録媒体になりうる。
【0047】
ナノロッド配向層に配向されたナノロッドは、前述したように、その長手方向(縦方向)と平行する偏光方向を持つ光に対して大きい吸収率を表し、その長手方向に垂直する偏光方向を持つ光に対してはほとんど吸収が起きない。したがって、相異なるナノロッド配向方向を持つように形成された複数のナノロッド配向層に照射される光の偏光を、記録しようとするナノロッド配向層のナノロッド配向方向と平行するように変えつつ、各ナノロッド配向層に情報を記録できる。また、ナノロッド配向方向を異ならせた複数のナノロッド配向層それぞれが記録層になるので、複数のナノロッド配向層のナノロッド配向方向を異ならせて、記録層の数を所望するほど増やすことができる。
【0048】
一方、前述したように、ナノロッド配向層に配向されたナノロッドは、その縦横比によって吸収波長ピーク位置が変わる。したがって、各ナノロッド配向層に複数種の縦横比を持つナノロッドを配向でき、この場合、複数波長の光を用いて一層のナノロッド配向層に情報を波長多重で記録するか、波長多重で記録された情報を再生できる。また、各ナノロッド配向層に単一種類の縦横比を持つナノロッドを配向でき、この場合、単一波長の光を用いて複数のナノロッド配向層へ/から情報を記録/再生してもよい。ここで、隣接するナノロッド配向層に相異なる縦横比を持つナノロッドを配向して、隣接するナノロッド配向層の記録再生に相異なる波長の光を利用してもよい。
【0049】
前記のように、本発明の実施形態による情報記録媒体は、複数のナノロッド配向層が相異なるナノロッド配向方向を持つようにしつつ、各ナノロッド配向層に一つの縦横比または複数種の縦横比を持つ相変化材料からなるナノロッドを配向できる。この場合、情報記録媒体がN個のナノロッド配向層を持ち、各ナノロッド配向層に配列されたナノロッドの縦横比種類がM個ならば、情報記録媒体はN*M個の記録層に情報を記録することに該当する情報記録容量を確保することができる。
【0050】
一方、本発明の実施形態による情報記録媒体は、相変化材料からなるナノロッドが複数の方向性を持つように配列された単一ナノロッド配向層を備えることができる。
【0051】
例えば、情報記録媒体が、相変化材料料からなるナノロッドが複数の配向方向性を持つように配列されると同時に、複数種の縦横比を持つように形成された単一ナノロッド配向層を持つ場合、この単一ナノロッド配向層で情報を波長多重及び偏光多重で記録できる。配列されたナノロッド縦横比種類がM個であり、配向方向性がL個であるならば、情報記録媒体は単一記録層を持ちつつも、L*M個の記録層に情報を記録することに該当する情報記録容量を確保することができる。
【0052】
ここで、本発明の実施形態による情報記録媒体は、相変化材料料からなるナノロッドが単一配向方向性を持つように配列されると同時に、複数種の縦横比を持つように形成された単一ナノロッド配向層を持つ場合、この単一ナノロッド配向層で情報を波長多重で記録できる。配列されたナノロッド縦横比種類がM個ならば、情報記録媒体は単一記録層を持ちつつも、M個の記録層に情報を記録することに該当する情報記録容量を確保することができる。
【0053】
本発明の実施形態による情報記録媒体は、相変化材料料からなるナノロッドが複数の配向方向性を持つように配列されると同時に、単一種類の縦横比を持つように形成された単一ナノロッド配向層を持つ場合、この単一ナノロッド配向層に対して情報を偏光多重で記録できる。配向方向性がL個ならば、情報記録媒体は単一記録層を持ちつつも、L個の記録層に情報を記録することに該当する情報記録容量を確保することができる。
【0054】
さらに他の例として、情報記録媒体が、相変化材料からなるナノロッドが複数の配向方向性を持つように配列された複数のナノロッド配向層を備え、この複数のナノロッド配向層が相異なる縦横比を持つナノロッドでそれぞれ形成された場合、各ナノロッド配向層に対して相異なる波長の光を用いて、情報を複数層偏光多重で記録/再生できる。各ナノロッド配向層の配向方向性がL個であり、N個のナノロッド配向層を持つ時、情報記録媒体は、L*N個の記録層に情報を記録することに該当する情報記録容量を確保することができる。
【0055】
前記のように、本発明の実施形態による情報記録媒体は、相変化材料からなるナノロッドを持つナノロッド配向層を形成することによって情報の反復記録が可能であり、ナノロッドの偏光方向に依存する光吸収特性及び/またはナノロッドの縦横比による特定波長帯域光の吸収特性を用いて、複数層の記録、偏光多重及び/または波長多重記録を具現できる。
【0056】
ここで、ナノロッドでの偏光選択的光吸収は表面プラズモン共鳴を利用する。ナノロッド長手方向と平行する偏光成分を持つ縦横比による吸収波長帯域の光をナノロッド配向層に照射すれば、表面プラズモン共鳴により光の吸収が大きく起きる。このように、記録は表面プラズモン共鳴吸収により行われ、これらの記録は、偏光方向及び光の波長帯域に大きく依存する。
【0057】
一方、相変化材料からなるナノロッドの場合、非晶質状態である時は、エネルギーバンドギャップが大きくて光吸収率が低く、結晶質状態である時はエネルギーバンドギャップが相対的に小さくなって光吸収率が高い。これは、結晶質状態のナノロッドはエネルギーバンドギャップが小さくて、その表面に自由電子が多く集まり、これにより、表面プラズモン共鳴が大きく起きるからである。この時、相変化材料からなるナノロッドの縦横比は、非晶質状態から結晶質状態に変化される時に実質的に変わらない。
【0058】
図5は、状態変化が全くない場合、記録状態、初期化した時のナノロッドの光吸収率を比較して示すグラフであり、図6Aないし図6Cは、相変化材料からなるナノロッドの相変化記録過程を示す。図5を参照するに、記録状態のナノロッドの光吸収率は、状態変化が全くない場合(“最初”)に比べては低いが、初期化状態よりははるかに大きい。最初状態と記録状態でのナノロッドは結晶質状態であり、初期化状態でのナノロッドは非晶質状態である。
【0059】
図6Aを参照するに、ナノロッドを初期化(非晶質化)するために、光を照射して融点付近まで温度を高めた後で急冷させれば、ナノロッドは非晶質状態になって広いバンドギャップを持つようになる。非晶質状態のナノロッドに再生光を照射する場合、広いバンドギャップにより束縛電子が自由電子になる比率が低く、これにより表面プラズモン共鳴が少なく起きるため、非晶質状態のナノロッドは光吸収率が低くなる。
【0060】
図6Bを参照するに、非晶質状態のナノロッドに光を照射して、結晶化温度付近まで温度を高めれば、徐々に冷却されつつナノロッドは結晶質状態となる。結晶質状態のナノロッドに再生光を照射する場合、狭いバンドギャップにより、束縛電子が自由電子になる比率が高く、これにより表面プラズモン共鳴がよく起きるので、結晶質状態のナノロッドは光吸収率が高くなる。
【0061】
したがって、ナノロッドが存在するナノロッド配向層に再生光を照射して、光吸収率変化により情報を再生できる。
【0062】
図6Cを参照するに、結晶質状態のナノロッドに光を照射して融点付近まで温度を高めた後で急冷させれば、ナノロッドを非晶質化して初期化させるか、情報消去状態にすることができる。
【0063】
図7A及び図7Bは、本発明の実施形態による情報記録媒体を概略的に示す。図7A及び図7Bを参照するに、本発明の実施形態による情報記録媒体10は、光ビームが入射する面からカバー層11、ナノロッド配向層20及び基板15の順に構成される。ここで、カバー層11、ナノロッド配向層20及び基板15は、逆順に配列されてもよい。すなわち、光ビームが基板15を通じて入射されるように構成されてもよい。図7Aは、再生時に透過光を検出するようになっている場合を示し、図7Bは、図7Aに比べて光を反射させる反射層13をさらに備え、再生時に反射光を検出するようになっている場合を示す。図7Bでは、反射層13が基板15とナノロッド配向層20との間に位置する場合を示しているが、反射層13は、基板15の外側に設けられてもよい。また、光ビームが基板15を通じて入射される構造である場合、反射層13は、ナノロッド配向層20とカバー層11との間、またはカバー層11の外側に設けられうる。
【0064】
図7A及び図7Bでは、本発明の実施形態による情報記録媒体10が、カバー層11、ナノロッド配向層20及び基板15を備えるか、カバー層11、ナノロッド配向層20、反射層13及び基板15を備えると図示しているが、これは例示的なものであって、本発明の実施形態による情報記録媒体10は、必要に応じて追加的な他の層をさらに備えてもよい。
【0065】
ナノロッド配向層20には、反復的に光吸収率を変化させることができる材料、例えば、カルコゲナイド系材料などの相変化材料からなるナノロッドが配向されている。この時、ナノロッド配向層に配向されるナノロッドは、GeSbyTez、SbxTey、AgxInySbzTeaのうちいずれか一つの材料を含むように形成できる。
【0066】
このナノロッド配向層20には、ナノロッド配向方向が相異なる複数のナノロッド配向層が形成されて、それぞれが記録層をなす。これにより複数のナノロッド配向層は、複数層の記録層を構成するようになる。複数のナノロッド配向層では、相異なる偏光の光を用いて情報の記録/再生が行われる。
【0067】
ナノロッド配向層20は、ナノロッド配向方向が互いに異なって、相異なる偏光の光を用いて情報の記録/再生が行われる複数のナノロッド配向層を備えることができるが、この時、複数のナノロッド配向層それぞれは、同一または類似した縦横比を持つナノロッドが配向されるか、複数の縦横比を持つナノロッドが配向されうる。前述したところから分かるように、各ナノロッド配向層に複数の縦横比を持つナノロッドが配向される場合、縦横比の種類が、例えばP個ならば、波長多重記録により各ナノロッド配向層は、P個の記録層の情報記録容量に該当する情報を保存することができる。すなわち、ナノロッド配向層がQ個ある場合、情報記録媒体は、P*Q個の有効記録層を持つことになる。各ナノロッド配向層に、単一縦横比を持つナノロッドが配向される場合、ナノロッド配向層がQ個ある場合、情報記録媒体は、Q個の有効記録層を持つことになる。
【0068】
ナノロッド配向層20は、後述する図8のように、複数のナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3が対物レンズ350によりフォーカシングされる光ビームLBの有効焦点の深さ内に存在して、対物レンズ350の移動なしに入射光の偏光方向調整により、複数のナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3それぞれに/から情報を記録または再生するように形成できる。この時、複数のナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3の層間ナノロッド配向方向は、例えば、等間隔で変わり、一定でない間隔で変わってもよい。対物レンズ350によりフォーカシングされる光ビームLBの有効焦点の深さ内に存在する複数のナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3の互いに隣接したナノロッド配向層間には、別途の間隔層が不要である。ここで、光ビームLBは、ビームウェストを持つ形態にフォーカシングされるので、光強度がある程度一定であって、対物レンズ350の焦点移動なくても記録が可能な程度の光強度を表す範囲が存在し、この範囲が有効焦点の深さに該当する。
【0069】
また、ナノロッド配向層20は後述する図9のように、複数のナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3が複数回反復してスタックされ、複数のナノロッド配向層スタック20’間には、そのスタック20’間でのクロストークを防止するように間隔層25がさらに備えられうる。
【0070】
間隔層25は、一つのスタックに属する複数のナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3に情報を記録または再生する時、隣接スタックに属する複数のナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3での情報の記録または再生を防止するように、スタック間の離隔距離を確保するためのものである。
【0071】
各スタック20’に属する複数のナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3は、対物レンズ350によりフォーカシングされる光ビームLBの有効焦点の深さ内に存在して、一つのスタックに属する複数のナノロッド配向層での情報の記録または再生は、対物レンズ350の移動なしに入射光の偏光方向の調整により行われうる。そして、情報を記録または再生しようとする複数のナノロッド配向層が属するスタックが変わる時、例えば、対物レンズ350の位置をフォーカス方向に調整して、記録または再生しようとするナノロッド配向層が属するスタックに光ビームをフォーカシングした状態で、該当スタックに属するナノロッド配向層へ/からの情報の記録または再生が行われうる。この時、複数のナノロッド配向層の層間ナノロッド配向方向は、例えば、等間隔で変わり、一定でない間隔で変わることもある。また、各スタックをなす複数のナノロッド配向層の互いに隣接したナノロッド配向層間には、別途の間隔層が存在していない。
【0072】
図8は、図7A及び図7Bのナノロッド配向層の一実施形態を概略的に示す。図8では、ナノロッドの配向方向がそれぞれ0°、45°、90°、135°である第1ないし第4ナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3が形成された4層構造のナノロッド配向層を例示的に示す。
【0073】
図8のように、第1ないし第4ナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3を備えるようにナノロッド配向層を形成する場合、一層のナノロッド配向層に例えば、約25GBの情報を記録する場合、100GBの情報を保存することができる高容量情報記録媒体を実現できる。
【0074】
前記第1ないし第4ナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3は、対物レンズ350の移動なしに、光の偏光方向調整により情報を記録または再生するように、対物レンズ350によりフォーカシングされる光ビームLBの有効焦点の深さ内に存在するように形成できる。この時、第1ないし第4ナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3の層間ナノロッド配向方向は、図8に示したように等間隔で変わってもよく、一定でない間隔で変わってもよい。前記第1ないし第4ナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3の互いに隣接したナノロッド配向層間には、別途の間隔層が不要である。
【0075】
図9は、図8の第1ないし第4ナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3が複数回反復してスタックされた実施形態を概略的に示す。
【0076】
この時、第1ないし第4ナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3のグループは、複数回反復してスタックされ、複数のナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3のグループのスタック20’の間には、そのスタック20’の間でのクロストークを防止するために間隔層25が存在しうる。この時、各スタックに属する第1ないし第4ナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3は、対物レンズ350によりフォーカシングされる光ビームLBの有効焦点の深さ内に存在して、一つのスタックに属する第1ないし第4ナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3へ/からの情報の記録または再生は、対物レンズ350の移動なしに入射光の偏光方向調整により行われうる。そして、情報を記録または再生しようとする第1ないし第4ナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3が属するスタックが変わる時、例えば、対物レンズ350の位置をフォーカス方向に調整して、記録または再生しようとするナノロッド配向層が属するスタックに光ビームをフォーカシングした状態で、該当スタックに属するナノロッド配向層へ/から情報の記録または再生を行うことができる。この時、第1ないし第4ナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3の層間ナノロッド配向方向は、図9に示したように、等間隔で変わってもよく、一定でない間隔で変わってもよい。各スタックをなす第1ないし第4ナノロッド配向層N、N+1、N+2、N+3の相異なる隣接したナノロッド配向層間には別途の間隔層が不要である。
【0077】
図7ないし図9を参照して説明した本発明の実施形態による情報記録媒体は、情報の記録/再生は次のように行われうる。
【0078】
相変化材料からなるナノロッドが方向性を持つようにそれぞれ配向され、そのナノロッド配向方向が相異なるようにそれぞれ配向されて、それぞれが記録層をなす複数のナノロッド配向層20を備える情報記録媒体10に光を入射させる。そして、この入射光の偏光方向を変更させつつ、複数のナノロッド配向層20それぞれ、または少なくとも一部に対して情報を記録/再生できる。線形偏光を持つ光が入射される時、入射光の偏光方向と平行するナノロッド配向方向を持つナノロッド配向層に対して情報を記録/再生する。
【0079】
入射される光の偏光と平行するナノロッド配向方向を持つナノロッド配向層に存在するナノロッドが、入射される光を吸収する。ナノロッドが相変化材料からなる場合、記録メカニズムは、ナノロッドの相変化による光吸収率を変化させるのである。
【0080】
すなわち、ナノロッドに相変化を発生させて、ナノロッドを非晶質状態とは異なる光吸収率を持つ結晶質状態にすることによって情報が記録される。ナノロッドの相変化記録過程は、次のように行われうる。例えば、光照射によりナノロッドを融点、例えば、約600℃まで温度を高めてナノロッドを非晶質化させて、初期状態または消去状態にする。そして、これらの非晶質状態のナノロッドを結晶化温度、例えば、約200℃まで温度を高めて結晶化させる。ナノロッドを結晶化させた状態が記録状態に該当する。また記録された情報を消去するか、ナノロッドを初期状態に変えるためには、光照射により融点まで温度を高めてナノロッドを非晶質化させればよい。
【0081】
この時、前述したように、照射される光を吸収して融点まで温度が上がるか、結晶化温度まで温度が上がるナノロッドは、入射される光の偏光と平行するナノロッド配向方向を持ち、入射される光の波長に対応する縦横比を持つナノロッドである。したがって、照射される特定波長を持つ光の偏光を、情報を記録しようとするナノロッド配向層のナノロッド配向と平行するように調整すれば、所望のナノロッド配向層に配列された所望の配向方向を持ち、かつ照射光の波長に対応する縦横比を持つナノロッドのみ照射される光を吸収し、これにより情報の記録が行われうる。
【0082】
一方、情報記録または消去などのために、ナノロッドが結晶質化状態に変わるか、または非晶質化状態に変わる時、このナノロッドは、縦横比には変化なしに元々持っていた縦横比をそのまま維持するので、特定縦横比及びナノロッド配向方向に対応する波長及び偏光を持つ光のみに対して反応して、多重波長及び/または偏光記録/再生を行える。
【0083】
また、このようにナノロッドの縦横比に変化がないので、波長多重記録時、記録後のナノロッドの縦横比と異なる波長に対応する異なる縦横比を持つナノロッドとの干渉を低減させることができる。
【0084】
図10は、ナノロッド配向層に1種の縦横比を持つナノロッドが一方向に配向された例を示し、図11は、ナノロッド配向層に2種の縦横比を持つナノロッドが一方向に配向された例を示す。
【0085】
図7ないし図9を参照して説明した複数のナノロッド配向層を持つ情報記録媒体の各ナノロッド配向層には前述したように、図10や図11のように、ナノロッドが配向されうる。また、このナノロッドは、ナノロッド配向層ごとにその配向方向が変わりうる。図10の場合には、各ナノロッド配向層に単一波長の光を用いて情報を記録できるので、一層のナノロッド配向層は、一つの記録層に該当する。図11の場合には、各ナノロッド配向層に2種の波長が相異なる光を用いて情報を記録できるので、一層のナノロッド配向層は、2つの記録層に該当する情報を記録できる。
【0086】
各ナノロッド配向層に配向されるナノロッドの縦横比種類を3つ以上にすれば、一層のナノロッド配向層に3つ以上の記録層に該当する情報を記録できる。
【0087】
一方、本発明の実施形態による情報記録媒体10に、再生モード時に入射される光は、その入射される光の偏光と平行ではないナノロッド配向方向を持つナノロッド配向層はそのまま通過し、入射される光の偏光と平行するナノロッド配向方向を持つナノロッド配向層に対してのみ吸収が行われる。これにより、該当ナノロッド配向層を通過する光量が記録された情報によって変化する。したがって、このような光量変化を検出すれば、記録された情報を再生できる。図7Aのように反射層を備えない場合には、情報記録媒体を透過した光を再生光として検出する。図7Bのように反射層13を備える場合には、該当ナノロッド配向層は、透過した光が反射層13により反射されて対物レンズ350に再び戻るので(すなわち、情報記録媒体に入射される光と逆方向に進行するので)、情報記録媒体で反射された光を再生光として検出できる。
【0088】
したがって、入射光の偏光方向を各ナノロッド配向層の配向方向と平行するように変えながら、複数のナノロッド配向層それぞれ、または少なくとも一部について情報を記録/再生できる。
【0089】
以上で説明したように、本発明の実施形態による情報記録媒体10は、間隔層なしに各記録層別にナノロッド配向を異ならせて複数層の記録層を構成できる。また、それぞれが記録層を構成する複数のナノロッド配向層グループを反復してスタックすれば、記録層の数を所望するほど増やすことができる。複数のナノロッド配向層をN層〜N+L層(ここで、Lは負の整数または正の整数)であるとすれば、例えば、N層の記録時、N+L(またはN−L)層〜N+L層まではナノロッド配向方向が異なって、N層記録のための特定偏光の光に反応しないため、記録クロストークを除去できる。再生の場合にも、再生光の偏光方向によって、該当ナノロッド配向層に対してのみ透過または反射光量の変化を検出するので、再生クロストークを除去できる。
【0090】
図12A及び図12Bは、本発明の他の実施形態による情報記録媒体を概略的に示す。
【0091】
図12A及び図12Bを参照するに、本発明の実施形態による情報記録媒体100は、光ビームが入射する面からカバー層110、ナノロッド配向層120及び基板115の順に構成される。ここで、カバー層110、ナノロッド配向層120及び基板115は、逆順に配列されてもよい。すなわち、光ビームが基板115を通じて入射されるように構成されてもよい。図12Aは、再生時に透過光を検出するようになっている場合を示し、図12Bは、図12Aに比べて光を反射させる反射層113をさらに備え、再生時に反射光を検出するようになっている場合を示す。図12Bでは、反射層113が、基板115とナノロッド配向層120との間に位置する場合を示すが、反射層113は、基板115外側に設けられることもある。また、光ビームが基板115を通じて入射される構造の場合、反射層113は、ナノロッド配向層120とカバー層110との間、またはカバー層110の外側に設けられうる。
【0092】
図12A及び図12Bでは、本発明の他の実施形態による情報記録媒体100が、カバー層110、ナノロッド配向層120及び基板115を備えるか、カバー層110、ナノロッド配向層120、反射層113及び基板115を備えると図示しているのに、これは例示的なものであって、本発明の他の実施形態による情報記録媒体100は、必要に応じて追加的な他の層をさらに備えてもよい。
【0093】
ナノロッド配向層120には、反復的に光吸収率を変化させることができる材料、例えば、相変化材料からなるナノロッドが配向されている。この時、ナノロッド配向層に配向されるナノロッドは、GeSbyTez、SbxTey、AgxInySbzTeaのうちいずれか一つの材料を含むように形成できる。
【0094】
このナノロッド配向層120は単一層であって、ナノロッドが単一のナノロッド配向方向に配向されるか、または複数のナノロッド配向方向に配向されうる。また、ナノロッド配向層120に配向されたナノロッドは、1種または複数種の縦横比を持つことができる。
【0095】
図13Aないし図13Cは、図12A及び図12Bに図示された情報記録媒体100のナノロッド配向層に配向されるナノロッドの多様な実施形態を示す。図13Aを参照するに、ナノロッド配向層120にナノロッドが単一のナノロッド配向方向に配向され、このナノロッドは、複数種の縦横比を持つことができる。この場合、ナノロッド配向層120に波長多重記録を行うことができて、この単一のナノロッド配向層は、縦横比種類ほどの記録層に該当する情報を記録できる。図13Aでは例示として、2種の縦横比を持つナノロッドがナノロッド配向層120に配向された例を示す。
【0096】
図13Bを参照するに、ナノロッド配向層120には、ナノロッドが複数のナノロッド配向方向に配向され、この配向されたナノロッドは、1種の縦横比を持つことができる。この場合、この単一のナノロッド配向層120には、ナノロッド配向方向の種類ほどの記録層に該当する情報を偏光多重により記録できる。図13Bでは例示として、ナノロッドが2つの方向に配向された例を示す。
【0097】
図13Cを参照するに、ナノロッド配向層120には、ナノロッドが複数のナノロッド配向方向に配向され、この配向されたナノロッドは、複数種の縦横比を持つことができる。この場合、この単一のナノロッド配向層120には、ナノロッド配向方向の種類数と縦横比の種類数との乗算分の記録層に該当する情報を、偏光多重及び波長多重により記録できる。図13Cでは例示として、2種の縦横比を持つナノロッドが2つの方向に配向された例を示す。
【0098】
一方、前記のようなナノロッド配向層120は、対物レンズ350によりフォーカシングされる光ビームLBの有効焦点の深さ内の厚さを持ち、対物レンズ350の移動なしに、入射光の偏光方向調整及び/または波長調整により、特定波長及び特定偏光の光に対応するナノロッドに/から情報を記録または再生するように形成できる。ここで、光ビームLBは、ビームウェストを持つ形態でフォーカシングされるので、光強度がある程度一定であって、対物レンズ350の焦点移動なしでも記録可能な程度の光強度を表す範囲が存在し、この範囲が有効焦点の深さに該当する。
【0099】
また、図13Aないし図13Cを参照して説明した多様な実施形態のナノロッドが配向されたナノロッド配向層120は、図14のように、ナノロッド配向層120’が複数回反復してスタックされ、複数のナノロッド配向層120’の間には、それら間のクロストークを防止するように、間隔層125がさらに備えられうる。
【0100】
間隔層125は、一層のナノロッド配向層へ/から情報を記録または再生する時、隣接したナノロッド配向層での情報の記録または再生を防止するように、ナノロッド配向層120間の離隔距離を確保するためのものである。
【0101】
各ナノロッド配向層120’は、対物レンズ350によりフォーカシングされる光ビームLBの有効焦点の深さ内に存在して、一層のナノロッド配向層での情報の記録または再生は、対物レンズ350の移動なしに入射光の偏光方向調整により行われうる。そして、情報を記録または再生しようとするナノロッド配向層が変わる時、例えば、対物レンズ350の位置をフォーカス方向に調整して、記録または再生しようとするナノロッド配向層に光ビームをフォーカシングした状態で、該当ナノロッド配向層に/から情報の記録または再生が行われうる。また、各ナノロッド配向層の互いに隣接したナノロッド配向層間には別途の間隔層が存在しないこともある。
【0102】
図15は、本発明の実施形態による情報記録媒体を記録及び/または再生できる記録/再生装置の一例を概略的に示す。図16及び図17は、図15に適用可能な光ピックアップ100の主要光学的構成を概略的に示す。
【0103】
図15を参照するに、記録/再生装置は、情報記録媒体10または100を回転させるためのスピンドルモータ312と、情報記録媒体10または100の半径方向に移動可能に設置されて、情報記録媒体10または100に記録された情報を再生及び/または情報を記録する光ピックアップ300と、スピンドルモータ312と光ピックアップ300とを駆動するための駆動部307と、光ピックアップ300のフォーカシング、トラックサーボなどを制御するための制御部309とを備える。ここで、参照番号352はターンテーブル、353は情報記録媒体10または100をチャッキングするためのクランプを表す。
【0104】
光ピックアップ300は、情報記録媒体10または100に偏光を変えつつ光を照射し、情報記録媒体10で再生された光を検出するように設けられる。
【0105】
図16を参照するに、光ピックアップ300は、光源310と、入射光を情報記録媒体10または100にフォーカシングするための対物レンズ350と、情報記録媒体10または100で再生された光信号を検出する光検出器390と、情報記録媒体10または100に照射される光の偏光方向を調節するための偏光調節器340とを備えることができる。
【0106】
図16は、情報記録媒体10または100が図7A及び図12Aの構造を持つ場合に適したものであって、再生時に情報記録媒体10または100を透過した光を検出するように、光検出器390が対物レンズ350と反対側に配置される。
【0107】
図17を参照するに、光ピックアップ300は、光源310と、入射光の進路を変換するための光路変換器330と、入射光を情報記録媒体10または100にフォーカシングするための対物レンズ350と、情報記録媒体10または100で再生された光信号を検出する光検出器390と、情報記録媒体10または100に照射される光の偏光方向を調節するための偏光調節器340とを備えることができる。
【0108】
図17は、情報記録媒体10または100が、図7B及び図12Bの構造を持つ場合に適したものであって、再生時に情報記録媒体10または100の反射層130で反射された光を検出するように光検出器390が配置される。情報記録媒体10または100が図7B及び図12Bに図示された構造である場合、光源310から出射された光は情報記録媒体10または100に向かわせ、情報記録媒体10または100で反射された光は光検出器390に向かわせるために、光路変換器330が必要である。
【0109】
図16及び図17は、図7A及び図7B、図12A及び図12Bを参考にして説明した、本発明の実施形態による情報記録媒体10または100を記録または再生するための最も基本的な光学系構成を示したものであって、全体的な光学系構成は多様に変形できる。
【0110】
光源310はレーザー光を出射するためのものであって、単一縦横比を持つナノロッドにより吸収されうる特定波長のレーザー光を出射する半導体レーザーでありうる。
【0111】
また、光源310は、複数種の縦横比を持つナノロッドにより吸収されうる複数波長のレーザー光を出射できる半導体レーザーでもありうる。例えば、光源310は、相異なる波長のレーザー光を出射する複数の半導体レーザー素子が結合された構造であるか、または多重波長のレーザー光をそれぞれ独立的に出射できる複数波長発光型半導体レーザーでありうる。ここで、一つのパッケージになっている光源310の代りに、複数種の縦横比を持つナノロッドにより吸収されうる複数波長のレーザー光をそれぞれ出射できる複数の半導体レーザーが分離配置されるように光学系が構成されてもよい。
【0112】
光源310と対物レンズ350との間の光路上には、光源310から発散光形態で出射された光をコリメートするためのコリメートレンズ320をさらに備え、無限光学系構造で形成できる。光検出器390の前には、情報記録媒体10または100を透過するか、あるいは情報記録媒体10または100で反射されて光検出器390に進行する光を適正サイズで受光するように集束する検出レンズ370をさらに備えることができる。
【0113】
偏光調節器340は、情報記録媒体10または100に照射される光の偏光を記録または再生しようとする単一のナノロッド配向方向を持つナノロッド配向層、または単一ナノロッド配向層内の複数のナノロッド配向方向のうちいずれか一つに適するように取り替えるためのものであって、例えば、半波長板を備えることができ、この半波長板で形成された偏光調節器340を回転駆動させる駆動器360をさらに備えることができる。半波長板の回転角度を調節すれば、半波長板を通過する光が所望の線偏光方向を持つようにすることができる。
【0114】
情報記録媒体10または100から透過または反射された光は、光ピックアップ300に設けられた光検出器390を通じて検出され、かつ光電変換されて電気的信号に変わり、信号検出回路(図示せず)で演算される。信号検出回路で得られた信号は、駆動部307を通じて制御部309に入力される。駆動部307は、スピンドルモータ312の回転速度を制御し、入力された信号を増幅させて光ピックアップ300を駆動する。制御部309は、駆動部307から入力された信号に基づいて調節されたフォーカシングサーボ、トラッキングサーボ命令などを再び駆動部307に送って、光ピックアップ300のフォーカシング、トラッキング動作を具現させる。
【0115】
有効記録層の数は偏光指向性の数及び/またはナノロッドの縦横比の数により決定できる。したがって、有効記録層の総数は、偏光指向性の数と、ナノロッドの縦横比の数との積でありうる。これは、単一の物理的な記録/再生層に多重有効記録/再生層を持たせる。記録及び/または再生装置は、単一物理的な層を持つ情報記録媒体10、100に/から情報を記録または再生できるが、有効記録容量は、多重層を持つ情報記録媒体と同等でありうる。かかる記録/再生装置は、他の偏光及び/または他の波長で光を照射するように設けられうる。情報記録媒体10、100のタイプは、情報記録媒体10、100に保存された情報をアクセスし、情報記録媒体10、100上のコードや他の識別データをアクセスし、記録/再生装置に保存されたルックアップテーブル、または他のドライバデータを参照することによって記録/再生装置により決定されるか、偏光及び/または波長を決定する他の方法が情報記録媒体10、100と共に使われうる。
【0116】
各ナノロッド配向層20、120の間にスペース層25を使用することを回避できる。したがって、一層以上のナノロッド配向層20、120があり、各ナノロッド配向層20、120は、これら間に配置されたスペース層25なしに少なくとも一層の他のナノロッド配向層20、120に接することができる。
【0117】
前述したプロセス、機能、方法及び/またはソフトウェアは、プロセッサーを実行するか、プログラム説明を行なうコンピュータにより実行できるプログラム説明を含む一つ以上のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されるか、保存されるか、または固定される。前記媒体はまた、単独またはプログラム説明との組み合わせとして、データファイル、データ構造などを含むことができる。前記媒体及びプログラム説明は特別に設計または構成でき、コンピュータソフトウェア分野の当業者に周知であり、かつ利用できる種類でありうる。コンピュータで読み取り可能な媒体の例は、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープなどの磁気媒体、CD−ROMディスク及びDVDなどの光学媒体、光ディスクなどの光磁気媒体及び、ROM(Read−Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなどのプログラム説明を保存して実行できるように特別に構成されたハードウェア装置を含むことができる。プログラム説明の例は、コンパイラーにより生成される機械コード及びインタープリターを使用するコンピュータにより実行できる、さらに高いレベルのコードを内包するファイルを含むことができる。前述したハードウェア装置は、前記のオペレーション及び方法を行うために、一つ以上のソフトウェアモジュールとして作用するように構成できる。さらに、コンピュータで読み取り可能な情報記録媒体は、ネットワーク及びコンピュータで読み取り可能なコードを通じて連結されたコンピュータシステム間に分配でき、プログラム説明は分権化方式で保存または実行される。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明は、情報記録媒体関連の技術分野に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0119】
350 対物レンズ
LB 光ビーム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反復的に光吸収率を変更させることができる材料で形成されるナノロッドを用いて反復記録が行われる情報記録媒体。
【請求項2】
前記ナノロッドは相変化材料で形成されて、非晶質状態と結晶質状態との光吸収率差により情報の記録が行われる請求項1に記載の情報記録媒体。
【請求項3】
前記ナノロッドの縦横比は非晶質状態、結晶質状態に関係なく一定である請求項2に記載の情報記録媒体。
【請求項4】
前記ナノロッドは、カルコゲナイド材料を含む物質で形成される請求項2に記載の情報記録媒体。
【請求項5】
前記ナノロッドが配向された少なくとも一層のナノロッド配向層を備える請求項1に記載の情報記録媒体。
【請求項6】
前記少なくとも一層のナノロッド配向層は、複数のナノロッド配向層を備え、
前記複数のナノロッド配向層のナノロッド配向方向が相異なるように設けられ、前記複数のナノロッド配向層は、相異なる偏光でありつつ、そのナノロッド配向層それぞれのナノロッド配向方向と平行する偏光方向を持つ光を用いて情報の記録または再生が行われる請求項5に記載の情報記録媒体。
【請求項7】
各ナノロッド配向層は、単一種類の縦横比を持つナノロッドが配向されて、単一波長の光を用いて情報の記録または再生が行われるか、複数種の縦横比を持つナノロッドが配向されて、複数波長の光を用いて情報の記録または再生が行われる請求項6に記載の情報記録媒体。
【請求項8】
前記複数のナノロッド配向層は、対物レンズによりフォーカシングされる光ビームの有効焦点の深さ内に存在し、対物レンズの移動なしに入射される光の偏光方向の調整により、前記複数のナノロッド配向層へ/から情報を記録または再生する請求項6に記載の情報記録媒体。
【請求項9】
前記複数のナノロッド配向層の互いに隣接したナノロッド配向層間には、別途の間隔層が存在しない請求項8に記載の情報記録媒体。
【請求項10】
前記複数のナノロッド配向層が複数回反復してスタックされ、
複数のナノロッド配向層スタック間には、間隔層が存在する請求項8に記載の情報記録媒体。
【請求項11】
各スタックに属する複数のナノロッド配向層は、対物レンズによりフォーカシングされる光ビームの有効焦点の深さ内に存在して、一つのスタックに属する複数のナノロッド配向層へ/からの情報記録または再生は、対物レンズの移動なしに入射光の偏光方向調整により行われ、
情報を記録または再生しようとする複数のナノロッド配向層が属するスタックが変わる時、対物レンズ位置を調整して記録または再生しようとするナノロッド配向層が属するスタックに光ビームをフォーカシングした状態で、該当スタックに属するナノロッド配向層へ/からの情報記録または再生が行われる請求項10に記載の情報記録媒体。
【請求項12】
前記間隔層は、一つのスタックに属する複数のナノロッド配向層へ/から情報を記録または再生する時、隣接スタックに属する複数のナノロッド配向層での情報の記録または再生を防止するように、スタック間の離隔距離を確保する請求項10に記載の情報記録媒体。
【請求項13】
前記複数のナノロッド配向層それぞれは、前記複数のナノロッド配向層のうち他の少なくとも一つと接する請求項8に記載の情報記録媒体。
【請求項14】
前記少なくとも一層のナノロッド配向層は単一ナノロッド配向層を備え、
前記ナノロッド配向層は、単一種類の縦横比を持つナノロッドが配向されて、単一波長の光を用いて情報を記録または再生するか、複数種の縦横比を持つナノロッドが配向されて、各縦横比に対応する波長の光を用いて波長多重で情報を記録または再生する請求項5に記載の情報記録媒体。
【請求項15】
前記ナノロッド配向層には、複数のナノロッド配向方向にナノロッドが配向されて、各ナノロッド配向方向と平行する偏光方向を持つ光を用いて、偏光多重で情報を記録または再生する請求項14に記載の情報記録媒体。
【請求項16】
前記ナノロッド配向層が複数回反復してスタックされる請求項14に記載の情報記録媒体。
【請求項17】
前記反復してスタックされたナノロッド配向層間には間隔層が存在し、
前記間隔層は、一層のナノロッド配向層へ/から情報を記録または再生する時、隣接ナノロッド配向層での情報の記録または再生を防止するように離隔距離を確保する請求項16に記載の情報記録媒体。
【請求項18】
請求項1ないし17のうちいずれか一項に記載の情報記録媒体へ/から情報を記録または再生するために、前記情報記録媒体に偏光や波長を変えつつ光を照射し、情報記録媒体で再生された光を検出するように設けられた光ピックアップを備える記録/再生装置。
【請求項1】
反復的に光吸収率を変更させることができる材料で形成されるナノロッドを用いて反復記録が行われる情報記録媒体。
【請求項2】
前記ナノロッドは相変化材料で形成されて、非晶質状態と結晶質状態との光吸収率差により情報の記録が行われる請求項1に記載の情報記録媒体。
【請求項3】
前記ナノロッドの縦横比は非晶質状態、結晶質状態に関係なく一定である請求項2に記載の情報記録媒体。
【請求項4】
前記ナノロッドは、カルコゲナイド材料を含む物質で形成される請求項2に記載の情報記録媒体。
【請求項5】
前記ナノロッドが配向された少なくとも一層のナノロッド配向層を備える請求項1に記載の情報記録媒体。
【請求項6】
前記少なくとも一層のナノロッド配向層は、複数のナノロッド配向層を備え、
前記複数のナノロッド配向層のナノロッド配向方向が相異なるように設けられ、前記複数のナノロッド配向層は、相異なる偏光でありつつ、そのナノロッド配向層それぞれのナノロッド配向方向と平行する偏光方向を持つ光を用いて情報の記録または再生が行われる請求項5に記載の情報記録媒体。
【請求項7】
各ナノロッド配向層は、単一種類の縦横比を持つナノロッドが配向されて、単一波長の光を用いて情報の記録または再生が行われるか、複数種の縦横比を持つナノロッドが配向されて、複数波長の光を用いて情報の記録または再生が行われる請求項6に記載の情報記録媒体。
【請求項8】
前記複数のナノロッド配向層は、対物レンズによりフォーカシングされる光ビームの有効焦点の深さ内に存在し、対物レンズの移動なしに入射される光の偏光方向の調整により、前記複数のナノロッド配向層へ/から情報を記録または再生する請求項6に記載の情報記録媒体。
【請求項9】
前記複数のナノロッド配向層の互いに隣接したナノロッド配向層間には、別途の間隔層が存在しない請求項8に記載の情報記録媒体。
【請求項10】
前記複数のナノロッド配向層が複数回反復してスタックされ、
複数のナノロッド配向層スタック間には、間隔層が存在する請求項8に記載の情報記録媒体。
【請求項11】
各スタックに属する複数のナノロッド配向層は、対物レンズによりフォーカシングされる光ビームの有効焦点の深さ内に存在して、一つのスタックに属する複数のナノロッド配向層へ/からの情報記録または再生は、対物レンズの移動なしに入射光の偏光方向調整により行われ、
情報を記録または再生しようとする複数のナノロッド配向層が属するスタックが変わる時、対物レンズ位置を調整して記録または再生しようとするナノロッド配向層が属するスタックに光ビームをフォーカシングした状態で、該当スタックに属するナノロッド配向層へ/からの情報記録または再生が行われる請求項10に記載の情報記録媒体。
【請求項12】
前記間隔層は、一つのスタックに属する複数のナノロッド配向層へ/から情報を記録または再生する時、隣接スタックに属する複数のナノロッド配向層での情報の記録または再生を防止するように、スタック間の離隔距離を確保する請求項10に記載の情報記録媒体。
【請求項13】
前記複数のナノロッド配向層それぞれは、前記複数のナノロッド配向層のうち他の少なくとも一つと接する請求項8に記載の情報記録媒体。
【請求項14】
前記少なくとも一層のナノロッド配向層は単一ナノロッド配向層を備え、
前記ナノロッド配向層は、単一種類の縦横比を持つナノロッドが配向されて、単一波長の光を用いて情報を記録または再生するか、複数種の縦横比を持つナノロッドが配向されて、各縦横比に対応する波長の光を用いて波長多重で情報を記録または再生する請求項5に記載の情報記録媒体。
【請求項15】
前記ナノロッド配向層には、複数のナノロッド配向方向にナノロッドが配向されて、各ナノロッド配向方向と平行する偏光方向を持つ光を用いて、偏光多重で情報を記録または再生する請求項14に記載の情報記録媒体。
【請求項16】
前記ナノロッド配向層が複数回反復してスタックされる請求項14に記載の情報記録媒体。
【請求項17】
前記反復してスタックされたナノロッド配向層間には間隔層が存在し、
前記間隔層は、一層のナノロッド配向層へ/から情報を記録または再生する時、隣接ナノロッド配向層での情報の記録または再生を防止するように離隔距離を確保する請求項16に記載の情報記録媒体。
【請求項18】
請求項1ないし17のうちいずれか一項に記載の情報記録媒体へ/から情報を記録または再生するために、前記情報記録媒体に偏光や波長を変えつつ光を照射し、情報記録媒体で再生された光を検出するように設けられた光ピックアップを備える記録/再生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−170691(P2010−170691A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−13441(P2010−13441)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】
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