説明

情報通信方法および情報通信システム

【課題】共有のためのサーバ装置を使わず、第三者によるデータの取得や偽のデータの配布を防止する。送信者が認証のためのパスワードの入力等が正確にできず認証されなかった場合に対処する。
【解決手段】第1の通信端末2で送信時の認証を行い、認証が成立したら予定文メッセージを送信し、不成立なら、特定メッセージを送信する。第2の通信端末装置3は、受信時に認証を行い、認証が成立すると、予定文メッセージまたは特定メッセージを表示し、不成立なら、代替メッセージを表示する。第2の通信端末装置3の利用者5は、特定メッセージの表示を見ることにより、相手方が送信時に認証されていないことが分かる。代替メッセージは、正規の利用者には認証されなかったことが分かるが、第三者には理解できない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の通信端末装置が送信者を認証したことにより情報を送信し、第2の通信端末装置が受信者を認証したことにより受信した情報を表示し、第1の通信端末装置と第2の通信端末装置間で情報を共有する情報通信技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の複数の通信端末装置間で情報を共有する技術としては、電力や通信リソースの無駄な使用を抑止して複数の携帯端末装置内に格納されているデータの共有性を確保する通信方法がある。
【0003】
このような通信方法では、先ず、データ共有ネットワークへ参加しようとする携帯端末装置は、データを共有するデータ共有ネットワークへの参加を要求する信号を周辺の携帯端末装置に送出する。周辺の携帯端末装置は、本信号を受信し、自身のまわりに自身と通信可能な携帯端末装置がある場合はこれらの携帯端末装置との間でサブネットワークを構築し、この携帯端末装置に対し、データ共有ネットワークへ参加することと、自身が保有する共有データの一覧と、自身が構築したサブネットワークに所属する他の携帯端末装置に関する情報とを通知する。
【0004】
データ共有ネットワークへ参加しようとする携帯端末装置は、周辺の携帯端末装置から送られてくる本通知を受信し、これらの通知に基づき、データ共有ネットワークに参加する携帯端末装置が保有する共有データの一覧を作成し、通知してきた周辺の携帯端末装置に送信する。
【0005】
周辺の携帯端末装置は、本共有データの一覧を受信し、自身が必要とする共有データがある場合は携帯端末装置に通知し、データ共有ネットワークへ参加しようとする携帯端末装置から送ってもらう。
【0006】
これにより不必要な共有データの送受信をなくすことができ、電力や通信リソースの無駄な使用を抑止して複数の携帯端末装置内に格納されているデータの共有性を確保することが可能になる(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
また、他の複数の通信端末装置間で情報を共有する技術としては、共有するデータを管理するデータ管理サーバ装置を置く方法がある。このような方法では、データ管理サーバ装置がデータの共有を希望するユーザグループに対しユーザグループ毎にID番号あるいはI D番号とパスワードを発行することを行う。ユーザは、共有データをデータ管理サーバ装置に登録しようとする場合、あるいは登録されている共有データを検索しようとする場合に、本ID番号あるいはID番号とパスワードにより認証を受け、登録あるいは検索を可能にするものである。これによりユーザグループ内における共有データの登録および検索が容易に行えるようになる(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−236629号公報
【特許文献2】特開2004−164372号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に記載の方法では、誰でも参加することができることから、例えば拾った携帯端末装置を使いデータを取得すること、あるいは偽のデータを配ることもできてしまいセキュリティ上の問題がある。
また、上記特許文献2に記載の方法では、誤ったID番号あるいはパスワードが入力された場合は、データ管理サーバ装置への接続が拒否されるのみであり、例えば拾った携帯端末装置を使い共有データを取得しようとしている、あるいは偽のデータを登録しようとしている人がいたとしても、何ら対処することができない。また、サーバ装置を使うことから導入および運用にコストがかかるものとなる。
【0009】
本発明は、上述の課題を鑑み、共有のためのサーバ装置を使わずコストを押さえるとともに、拾った携帯端末装置を使ったデータの取得や偽のデータの配布を防止できると共に、送信者が認証のためのパスワードの入力等が正確にできず認証されなかった場合に、対処できるようにした情報通信方法およびシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の課題を解決するために、本発明は、第1の通信端末装置が前記第2の通信端末装置にメッセージを送信する処理ステップと、前記第2の通信端末装置が前記第1の通信端末装置からのメッセージを受信する処理ステップとからなり、第1の通信端末装置と第2の通信端末装置とを通信ネットワークを介して接続して、前記第1の通信端末装置と前記第2の通信端末装置との間で情報を共有する情報通信方法であって、前記第1の通信端末装置が前記第2の通信端末装置にメッセージを送信する処理ステップは、通常メッセージを作成するステップと、前記通常メッセージの送信時において認証を行う第1の認証ステップと、前記第1の認証ステップで認証が成立した場合には、前記通常メッセージを送信し、前記第1の認証ステップで認証が成立しない場合には、認証されなかったことを示す特定メッセージを作成して前記特定メッセージを送信するステップとを有し、前記第2の通信端末装置が前記第1の通信端末装置からのメッセージを受信する処理ステップは、前記第1の通信端末装置からの通常メッセージまたは特定メッセージを受信するステップと、受信時において認証を行う第2の認証ステップと、前記第2の認証ステップで認証が成立した場合には、受信した通常メッセージまたは特定メッセージを表示し、前記第2の認証ステップで認証が成立しない場合には、認証されなかったことを代替してあらわす第1の代替メッセージを作成して前記第1の代替メッセージを表示するステップとを有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明では、前記第1の通信端末装置が前記第2の通信端末装置にメッセージを送信する処理ステップは、更に、前記送信時において認証の必要性を判定する第1の要認証判定ステップを有し、前記第2の通信端末装置が前記第1の通信端末装置からのメッセージを受信する処理ステップは、更に、前記受信時において認証の必要性を判定する第2の要認証判定ステップを有することを特徴とする。
【0012】
本発明は、第1の通信端末装置が前記第2の通信端末装置にメッセージを送信する処理ステップと、前記第2の通信端末装置が前記第1の通信端末装置からのメッセージを受信する処理ステップと、前記第2の通信端末装置が前記第1の通信端末装置に返信メッセージを送信する処理ステップと、前記第1の通信端末装置が前記第2の通信端末装置からの返信メッセージを受信する処理ステップとからなり、前記第1の通信端末装置と前記第2の通信端末装置とを通信ネットワークを介して接続して、前記第1の通信端末装置と前記第2の通信端末装置との間で情報を共有する情報通信方法であって、前記第1の通信端末装置が前記第2の通信端末装置にメッセージを送信する処理ステップは、通常メッセージを作成するステップと、前記通常メッセージの送信時において認証を行う第1の認証ステップと、前記第1の認証ステップで認証が成立した場合には、前記通常メッセージを送信し、前記第1の認証ステップで認証が成立しない場合には、認証されなかったことを示す特定メッセージを作成して前記特定メッセージを送信するステップとを有し、前記第2の通信端末装置が前記第1の通信端末装置からのメッセージを受信する処理ステップは、前記第1の通信端末装置からの通常メッセージまたは特定メッセージを受信するステップと、受信時において認証を行う第2の認証ステップと、前記第2の認証ステップで認証が成立した場合には、受信した通常メッセージまたは特定メッセージを表示し、前記第2の認証ステップで認証が成立しない場合には、認証されなかったことを代替してあらわす第1の代替メッセージを作成して前記第1の代替メッセージを表示するステップとを有し、前記第2の通信端末装置が前記第1の通信端末装置に返信メッセージを送信する処理ステップは、前記第2の通信端末装置で特定メッセージを受信した場合に、前記第1の通信端末装置に返信メッセージを送信するステップを有し、前記第1の通信端末装置が前記第2の通信端末装置からの返信メッセージを受信する処理ステップは、前記第1の通信端末装置からの返信メッセージを受信するステップと、受信時において認証を行う第3の認証ステップと、前記第3の認証ステップで認証が成立した場合には、受信した返信メッセージを表示し、前記第3の認証ステップで認証が成立しない場合には、認証されなかったことを代替してあらわす第2の代替メッセージを作成して前記第2の代替メッセージを表示するステップとを有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明では、第1の通信端末装置が第2の通信端末装置からの返信メッセージを受信する処理ステップは、更に、受信時において認証の必要性を判定する第3の要認証判定ステップを有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明では、認証ステップは、複数回の認証を含むものであることを特徴とする。
【0015】
本発明は、第1の通信端末装置と、第2の通信端末装置と、前記第1の通信端末装置と前記第2の通信端末装置との間を接続する通信ネットワークとからなり、前記第1の通信端末装置が前記第2の通信端末装置にメッセージを送信し、前記第2の通信端末装置が前記第1の通信端末装置からのメッセージを受信し、前記第1の通信端末装置と前記第2の通信端末装置との間で情報を共有する情報通信システムであって、前記第1の通信端末装置は、通常メッセージを作成する手段と、前記通常メッセージの送信時において認証を行う第1の認証手段と、前記第1の認証で認証が成立した場合には、前記通常メッセージを送信し、前記第1の認証で認証が成立しない場合には、認証されなかったことを示す特定メッセージを作成して前記特定メッセージを送信する手段とを有し、前記第2の通信端末装置は、前記第1の通信端末装置からの通常メッセージまたは特定メッセージを受信する手段と、受信時において認証を行う第2の認証手段と、前記第2の認証で認証が成立した場合には、受信した通常メッセージまたは特定メッセージを表示し、前記第2の認証で認証が成立しない場合には、認証されなかったことを代替してあらわす第1の代替メッセージを作成して前記第1の代替メッセージを表示する手段とを有することを特徴とする。
【0016】
本発明では、第1の通信端末装置は、更に、送信時において認証の必要性を判定する第1の要認証判定手段を有し、第2の通信端末装置は、更に、受信時において認証の必要性を判定する第2の要認証判定手段を有することを特徴とする。
【0017】
本発明は、第1の通信端末装置と、第2の通信端末装置と、前記第1の通信端末装置と前記第2の通信端末装置との間を接続する通信ネットワークとからなり、前記第1の通信端末装置が前記第2の通信端末装置にメッセージを送信し、前記第2の通信端末装置が前記第1の通信端末装置からのメッセージを受信し、更に、前記第2の通信端末装置は、前記第1の通信端末装置に返信メッセージを送信し、前記第1の通信端末装置は、前記第1の通信端末装置からの返信メッセージを受信して、前記第1の通信端末装置と前記第2の通信端末装置との間で情報を共有する情報通信システムであって、前記第1の通信端末装置は、通常メッセージを作成する手段と、前記通常メッセージの送信時において認証を行う第1の認証手段と、前記第1の認証で認証が成立した場合には、前記通常メッセージを送信し、前記第1の認証で認証が成立しない場合には、認証されなかったことを示す特定メッセージを作成して前記特定メッセージを送信する手段と、前記返信メッセージの受信時において認証を行う第3の認証手段と、前記第3の認証手段で認証が成立した場合には、受信した返信メッセージを表示し、前記第3の認証手段で認証が成立しない場合には、認証されなかったことを示す第2の代替メッセージを作成して前記第2の代替メッセージを表示する手段とを有し、前記第2の通信端末装置は、前記第1の通信端末装置からの通常メッセージまたは特定メッセージを受信する手段と、受信時において認証を行う第2の認証手段と、前記第2の認証手段で認証が成立した場合には、受信した通常メッセージまたは特定メッセージを表示し、前記第2の認証手段で認証が成立しない場合には、認証されなかったことを代替してあらわす第1の代替メッセージを作成して前記第1の代替メッセージを表示する手段と、前記第1の通信端末装置からの特定メッセージを受信した場合に、前記第1の通信端末装置に返信メッセージを送信する手段とを有することを特徴とする。
【0018】
また、この発明では、第1の通信端末装置は、更に、受信時において認証の必要性を判定する第3の要認証判定手段を有することを特徴とする。
【0019】
また、この発明では、認証手段は、複数回の認証を含むものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、第1の通信端末2で送信時の認証が行われ、認証が成立したら通常メッセージが送信され、認証が不成立なら、特定メッセージが送信される。第2の通信端末装置3で、受信時の認証が行われ、認証が成立すると、第1の通信端末装置2から送られてきた通常メッセージまたは特定メッセージが表示され、認証が不成立なら、代替メッセージが表示される。第2の通信端末装置3の利用者5は、特定メッセージの表示を見ることにより、相手方が送信時に認証しない状態にあることを知ることができる。代替メッセージは、正規の利用者が見る場合と、第三者が見る場合とがあることから、正規の利用者には入力ミスで認証されなかったことが分かるように、また第三者には認証されなかったことが分からないように、例えば「桜が散りました」とすることができる。これにより、正規の利用者は、この代替メッセージの表示により、認証が正しく行われていないことが分かる。また、第三者には、この代替メッセージの意味が理解できないため、情報の漏洩を防ぐことができる。
【0021】
このように、本発明によれば、少なくとも紛失する可能性の高い携帯端末装置にあっては情報の送信あるいは受信のいずれの場合においても認証を行い個人的な重要な情報に他人が関われないようにすることができ、また共有のためのサーバ装置を使わないことから導入および運用コストを低く押さえることができ、更に人対人のつながりになることから、送信者が認証のためのパスワードの入力等が正確にできず認証されなかった場合は、例えば携帯端末装置を落としてしまい誰かが使っている、あるいは体の具合が悪く正確な操作ができなくなっているなどであり、こうした状態にあることを認証された確かな受信者に伝えることができ、それにより送信者に直接あるいは周りの入に問合せをするなどの処置をとることができる。また、本発明によれば、利用者にとっては、うっかりパスワードの入力等を間違えた場合であっても第三者に気づかれずに知らせてもらえる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態における情報通信システムの全体構成を示すものである。図1に示すように、本発明の第1の実施形態の情報通信システムは、通信ネットワーク1と、第1の通信端末装置2と、第2の通信端末装置3とからなる。通信端末装置2は利用者4が保有する端末であり、通信端末装置3は利用者5が保有する端末である。通信ネットワーク1は、第1の通信端末装置2と第2の通信端末装置3との間を接続するネットワークであり、電話網、IP網、移動体網等である。
【0023】
なお、本発明の第1の通信端末装置2および第2の通信端末装置3は、携帯電話装置をはじめ、PHS(Personal Handy-phone system)、カーナビゲーション装置等の移動体通信端末装置、通信機能を備えたPDA(Persona1 Digital Assistant) や、パーソナルコンピュータ等であってもよい。ここでは携帯電話装置をとりあげ、情報の通信手段としてメール通信を使った場合を例に説明する。なおメール通信を行うためのメールサーバ装置については図示を省略している。
【0024】
次に、本システムの動作概要および構成装置の概要について、第1の通信端末装置2からメールを送信し、第2の通信端末装置3が受信する場合を例にして、説明する。なお、ここでは、一般的なメール通信の処理に関する部分についての記述を省略している。
【0025】
図1において、利用者4は、第1の通信端末装置2を使い、「今日の予定」等の通常のメッセージを作成する。以下、このようにして作成されたメッセージを予定文メッセージ(通常メッセージ)と呼ぶことにする。予定文メッセージが作成されると、第1の通信端末装置2では、メールメッセージに基づいて、認証の必要性が判定され、認証が必要と判定されると、送信時の認証が行われる。
【0026】
送信時の認証の必要性の判定は、例えばメールメッセージに含まれる発アドレス、着アドレスおよびタイトルに予め決められた特定の言葉、例えば「予定」が含まれているかを見ることにより判定することができる。また、認証は、パスワード等の例えば予め決められた番号、文字の入力により行われる。
【0027】
送信時の認証が成立すると、図2に示すように、予定文メッセージが第1の通信端末装置2から送信される。この予定文メッセージは、第1の通信端末装置2から、通信ネットワーク1を介して、第2の通信端末装置3に送信され、第2の通信端末装置3で受信される。
【0028】
これに対して、送信時の認証が成立しないときには、第1の通信端末装置2で、特定メッセージが作成される。この特定メッセージは、第1の通信端末装置2での認証に問題があったことを示すもので、例えば「認証されませんでした」というようなメッセージである。そして、図3に示すように、この特定メッセージは、第1の通信端末装置2から、通信ネットワーク1を介して、第2の通信端末装置3に送信され、第2の通信端末装置3で受信される。
【0029】
このように、第1の通信端末装置2では、予定文メッセージが作成され、メールメッセージに基づいて、認証の必要性が判定され、認証が必要な場合には、認証が行われる。そして、認証が成立すると、図2に示すように、予定文メッセージが第1の通信端末装置2から第2の通信端末装置3に送信される。認証が不成立なら、図3に示すように、特定メッセージが第1の通信端末装置2から第2の通信端末装置3に送信される。
【0030】
第2の通信端末装置3は、第1の通信端末装置2からの予定文メッセージまたは特定メッセージを受信すると、受信したメールメッセージに基づいて、認証の必要性が判定され、認証が必要と判定されると、受信時の認証が行われる。
【0031】
受信時の認証の必要性の判定は、例えば受信時のメールメッセージに含まれる発アドレス、着アドレスおよびタイトルに予め決められた特定の言葉を検索することにより判定することができる。また、認証は、パスワード等の例えば予め決められた番号、文字の入力により行われる。
【0032】
受信時の認証が成立すると、第1の通信端末装置2から送られてきた予定文メッセージまたは特定メッセージが第2の通信端末装置3に表示される。すなわち、第1の通信端末装置2から、予定文メッセージが送られてきた場合には、図2に示すように、第2の通信端末装置3の表示部34には、予定文メッセージが表示される。第1の通信端末装置2から、特定メッセージが送られてきた場合には、図3に示すように、第2の通信端末装置3の表示部34には、特定メッセージが表示される。
【0033】
これに対して、受信時の認証が成立しないときには、第2の通信端末装置3で、代替メッセージが作成される。この代替メッセージは、第2の通信端末装置3での認証に問題があったことを示すもので、例えば「桜が散りました」というようなメッセージである。そして、図4に示すように、この代替メッセージが第2の通信端末装置3の表示部34に表示される。
【0034】
このように、本発明の第1の実施形態の情報通信システムでは、第2の通信端末装置3で、受信したメールメッセージに基づいて、認証の必要性が判定され、認証が必要なら、認証が行われる。そして、受信時の認証が成立すると、図2または図3に示すように、第1の通信端末装置2から送られてきた予定文メッセージまたは特定メッセージが表示部34に表示される。第2の通信端末装置3の利用者5は、図3に示したような、特定メッセージの表示が表示部34に表示されたのを見ることにより、相手方が送信時に認証しない状態にあることを知ることができる。
【0035】
ここで、第1の通信端末装置2での送信時の認証が正常に行われなかった原因としては、以下のようなことが考えられる。
・利用者4が入力ミス等で、正しいパスワードが入力されていない。
・利用者4が第1の通信端末装置2を置き忘れた等により、第1の通信端末装置2が第三者に使用されている。
【0036】
第2の通信端末装置3の利用者5は、特定メッセージを受信したら、第1の通信端末装置2の利用者4と連絡をとる。これにより、パスワードの入力ミス等があった場合に、入力ミスを直ちに指摘できる。また、第1の通信端末装置2が他人に使われているような場合に、使用中止等の処置を素速く講ずることができる。
【0037】
なお、特定メッセージが第2の通信端末装置3に表示されるのは、図3に示したように、第2の通信端末装置3での受信時の認証が成立したときに限られる。したがって、特定メッセージは、信頼のおける人のみが見ることになるので、認証されなかったことを明確に表現したもの、例えば「認証されませんでした」とすることができる。
【0038】
また、第2の通信端末装置3での受信時の認証が不成立なら、図4に示すように、第2の通信端末装置3の表示部34に代替メッセージが表示される。この代替メッセージにより、第2の通信端末装置3の利用者5は、受信時の認証が正しく行われなかったことを知ることができる。
【0039】
ここで、第2の通信端末装置3での受信時の認証が正常に行われなかった原因としては、以下のようなことが考えられる。
・利用者5が入力ミス等で、正しいパスワードが入力されていない。
・利用者5が第2の通信端末装置3を置き忘れた等により、第2の通信端末装置3が第三者に使用されている。
【0040】
パスワードの入力ミスの場合には、第2の通信端末装置3の正規の利用者5が第2の通信端末装置3の代替メッセージを見ることになるが、第2の通信端末装置3が第三者に使われている場合には、第三者が第2の通信端末装置3の代替メッセージを見ることになる。このように、代替メッセージは、正規の利用者5が見る場合と、第三者が見る場合とがある。そこで、正規の利用者5には入力ミスで認証されなかったことが分かるように、また第三者には認証されなかったことが分からないように、代替メッセージは、例えば「桜が散りました」とする。正規の利用者5は、この代替メッセージの表示により、認証が正しく行われていないことが分かる。また、第三者には、この代替メッセージの意味が理解できないため、情報の漏洩を防ぐことができる。
【0041】
以上述べたように、本発明の第1の実施形態の情報通信システムでは、情報の送信あるいは受信あるいは送受信において認証を行うことができ、共有のためのサーバ装置を必要としない。また、送信者が認証のためのパスワードの入力等が正確に行えず、認証が成立しない場合は、こうした状態にあることを、相手方に伝えることができる。また、通信端末装置の置き忘れ等があり、第三者に通信端末装置が使用された場合に、素速く、対策を施すことができる。
【0042】
次に、本システムの構成装置概要について説明する。図5は、本発明の第1の実施形態の情報通信システムにおける構成装置の構成例を示す図である。
【0043】
図5において、第1の通信端末装置2は、通信部21と、通話部22と、制御部23と、表示部24と、キー部25と、記億部26とを有している。
【0044】
通信部21は、無線通信を処理するものである。送信信号は、通信部21からアンテナ211に送られ、アンテナ211から送信される。また、アンテナ211の受信信号が通信部21に供給される。
【0045】
通話部22は、通話時の音声信号を処理するものである。入力音声信号は、マイク222から入力され、通話部22に送られる。また、出力音声信号は、スピーカ221に送られ、スピーカ221から出力される。
【0046】
制御部23は、通信端末装置全体を制御するものである。表示部24は、各種の表示を行うものである。キー部25は、各種のキーを備えるものである。記億部26は、各種のプログラムやデータを記憶するものである。
【0047】
制御部23を機能ブロック図で示すと、メール送受信部231と、入出力インタフェース部232と、第1の要認証判定部233aと、第1の認証部234aと、特定メッセージ作成部235とからなる。
【0048】
メール送受信部231は、メールの送受信を行うとともに、入出力インタフェース部232、第1の要認証判定部233a、第1の認証部234aおよび特定メッセージ作成部235間でインタフェースを行うものである。入出力インタフェース部232は、表示部24およびキー部25間でインタフェースを行うものである。
【0049】
予定文のメッセージの作成は、キー部25からの入力により行われる。前述したように、メールメッセージが作成されると、このメールメッセージの認証の必要性が判定される。第1の要認証判定部233aは、送信する情報であるメールメッセージに基づき、認証の必要性を判定している。そして、第1の要認証判定部233aは、認証の必要がないと判定すると、メール送信が可であることを示す信号をメール送受信部231に入力する。一方、第1の要認証判定部233aは、認証の必要があると判定すると、認証が必要であることを示す信号を第1の認証部234aに入力する。第1の認証部234aは、第1の要認証判定部233aにより認証が必要と判定されたことにより、送信時の認証を行うものである。
【0050】
なお、第1の要認証判定部233aにあっては、例えばメールメッセージに含まれる発アドレス、着アドレスおよびタイトルに予め決められた特定の言葉、例えば「予定」が含まれているかを検索することにより認証の必要性を判定することができる。
【0051】
また、第1の認証部234aにあっては、例えば予め決められた番号、文字等が入力されたことにより認証を行う。
【0052】
第1の認証部234aで送信時の認証が成立すると、第1の認証部234aは、メール送信が可であることを示す信号をメール送受信部231に入力する。これにより、メール送受信部231で作成された予定文メッセージが制御部23から出力される。この予定文メッセージは、制御部23から、通信部21に入力され、アンテナ211から送信される。
【0053】
これに対して、第1の認証部234aで認証が成立しないと、第1の認証部234aは、特定メッセージの作成を要求する信号が特定メッセージ作成部235に入力される。この特定メッセージの作成要求により、特定メッセージ作成部235は、特定メッセージを作成する。この特定メッセージの情報は、メール送受信部231に入力される。そして、特定メッセージ情報が入力されたメール送受信部231は、予定文メッセージに置き換えて、あるいは予定文メッセージに付加して、特定メッセージを送信する。
【0054】
なお、特定メッセージ作成部235にあっては、特定メッセージは認証された受信者にしか表示されないので、すなわち信頼の高い人のみが見ることになるので、認証されなかったことを明確に表現したもの、例えば「認証されませんでした」とする。また、特定メッセージは予め作っておくことができる。
【0055】
また、全てのメールメッセージについて認証を行う場合は、第1の要認証判定部233aを省略することができる。
【0056】
また、第1の通信端末装置2が固定された通信端末装置であって、第三者が触れる可能性が低く、認証を行う必要がない場合は、第1の要認証判定部233aと、第1の認証部234aと、特定メッセージ作成部235とを省略することができる。
【0057】
一方、第2の通信端末装置3は、通信部31と、通話部32と、制御部33と、表示部34と、キー部35と、記億部36とを有している。
【0058】
通信部31は、無線通信を処理するものである。送信信号は、通信部31からアンテナ311に送信され、アンテナ311から送信される。また、アンテナ311の受信信号が通信部31に供給される。
【0059】
通話部32は、通話時の音声信号を処理するものである。入力音声信号は、マイク322から入力され、通話部32に送信される。出力音声信号は、スピーカ321に送信され、スピーカ321から出力される。
【0060】
制御部33は、通信端末装置全体を制御するものである。表示部34は、各種の表示を行うものである。キー部35は、各種のキーを備えるものである。記億部36は、各種のプログラムやデータを記憶するものである。
【0061】
制御部33を機能ブロック図で示すと、メール送受信部331と、入出力インタフェース部332と、第2の要認証判定部333と、第2の認証部334と、第1の代替メッセージ作成部336とからなる。
【0062】
メール送受信部331は、メールの送受信を行うとともに入出力インタフェース部332、第2の要認証判定部333、第2の認証部334および第1の代替メッセージ作成部336間でインタフェースを行うものである。
【0063】
入出力インタフェース部332は、表示部34およびキー部35間でインタフェースを行うものである。
【0064】
前述したように、第1の通信端末装置2からは、予定文メッセージまたは特定メッセージが送信されてくる。第2の要認証判定部333は、受信した情報であるメールメッセージに基づき、認証の必要性を判定する。そして、第2の要認証判定部333は、認証の必要性がないと判定するとメールメッセージの表示が可であることを示す信号をメール送受信部331に入力する。
【0065】
一方、第2の要認証判定部333は、認証の必要性があると判定すると、認証を要求する信号を第2の認証部334に入力する。
第2の認証部334は、第2の要認証判定部333により認証が必要と判定されたことにより受信時の認証を行うものである。第2の認証部334は、受信時の認証が成立すると、メールメッセージの表示が可であることを示す信号をメール送受信部331に入力する。
【0066】
一方、第2の認証部334は、受信時の認証が成立しなかった場合に、代替メッセージの作成を要求する信号を第1の代替メッセージ作成部336に入力する。
第1の代替メッセージ作成部336は、第2の認証部334により受信時の認証がされなかった場合に、認証されなかったことを代替してあらわす代替メッセージを作成する。そして、第1の代替メッセージ作成部336は、代替メッセージを作成すると、作成した第1の代替メッセージ情報と、また、代替メッセージの表示が可であることを示す情報とをメール送受信部331に入力する。
【0067】
なお、第2の要認証判定部333にあっては、例えばメールメッセージに含まれる発アドレス、着アドレスおよびタイトルに予め決められた特定の言葉、例えば「予定」が含まれているかを見ることにより認証の必要性を判定することができる。
【0068】
また、第2の認証部334にあっては、例えば予め決められた番号、文字等が入力されたことにより認証を行う。
【0069】
また、第1の代替メッセージ作成部336は、第2の通信端末装置3を拾った第三者などのように利用者5本人以外の者が見ることもあるので、その第三者には認証されなかったことが分からないように、かつ、利用者5本人自体には認証されなかったことがわかるように、例えば「桜が散りました」という代替メッセージを作成する。代替メッセージは予め作っておくことができる。代替メッセージ情報が入力されたメール送受信部331は、予定文メッセージあるいは特定メッセージに置き換えて代替メッセージを表示することになる。
【0070】
また、全てのメールメッセージについて認証を行う場合は第2の要認証判定部333を省略することができる。
【0071】
また、第2の通信端末装置3が固定された通信端末装置であって第三者が触れる可能性が低く認証を行う必要がない場合は第2の要認証判定部333と、第2の認証部334と、第1の代替メッセージ作成部336とを省略することができる。
【0072】
次に、本システムの動作について詳細に説明する。図6は、本発明の第1の実施形態の情報通信システムの動作例を示すシーケンスチャートである。同図は、利用者4、第1の通信端末装置2、第2の通信端末装置3および利用者5間のシーケンスを示している。
【0073】
利用者4が第1の通信端末装置2を使い予定文のメールメッセージを作成すると(ステップS1)、第1の通信端末装置2が認証の必要性を判定する(ステップS2)。第1の通信端末装置2は、認証が必要であると判定すると(ステップS3:YES)、認証を行い(ステップS4)、認証されると(ステップS5:YES)、予定文メッセージのメールを送信する(ステップS6)。
一方、第1の通信端末装置2は、ステップS3において、認証が必要でないと判定すると(ステップS3:NO)、ステップ6に移行し、予定文メッセージのメールを送信する。
また、ステップS5において、認証されなかった場合は(ステップS5:NO)、試行回数を計数する。そして、第1の通信端末装置2は、規定の回数以下であると判定すると(ステップS7:NO)、再びステップS4に戻り認証を行う。一方、第1の通信端末装置2は、ステップS7で規定の回数に達したと判定した場合は(ステップS7:YES)、特定メッセージを作成し(ステップS8)、その特定メッセージのメールを送信する(ステップS6)。
【0074】
また、第2の通信端末装置3は、予定文メッセージまたは特定メッセージのメールを受信すると(ステップS9)、認証の必要性を判定する(ステップS10)。そして、第2の通信端末装置3は、認証が必要であると判定すると(ステップS11:YES)、認証を行い(ステップS12)、認証されると(ステップS13:YES)、予定文メッセージまたは特定メッセージのメールメッセージを表示する(ステップS14)。一方、第2の通信端末装置3は、ステップS11において、認証が必要でないと判定すると、予定文メッセージまたは特定メッセージのメールメッセージを表示する(ステップS14)。
また、第2の通信端末装置3は、ステップS13において認証されなかった場合(ステップS13:NO)、試行回数を計数する。そして、第2の通信端末装置3は、規定の回数以下であると判定すると(ステップS15:NO)、再びステップS12に戻り認証を行う。一方、第2の通信端末装置3は、ステップS15で規定の回数に達したと判定した場合は(ステップS15:YES)、代替メッセージを作成し(ステップS16)、その代替メッセージを表示する(ステップS17)。
【0075】
なお、第1の通信端末装置2において全てのメールメッセージについて認証を行う場合はステップS2およびステップS3を省略することができる。
【0076】
また、第2の通信端末装置3において全てのメールメッセージについて認証を行う場合はステップS10およびステップS11を省略することができる。
【0077】
また、第1の通信端末装置2において全てのメールメッセージについて認証を行わない場合はステップS1およびステップS6以外のステップを省略することができる。
【0078】
また、第2の通信端末装置3において全てのメールメッセージについて認証を行わない場合はステップS9およびステップS14以外のステップを省略することができる。
【0079】
上記に述べたとおり、本発明の第1の実施形態によれば、情報の送信あるいは受信あるいは送受信において認証を行うことができ、共有のためのサーバ装置を必要とせず、送信者が認証のためのパスワードの入力等が正確にできず認証されなかった場合は、こうした状態にあることを認証された受信者に伝えることが可能となる。
【0080】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。前述の第1の実施形態では、利用者4がパスワードの入力ミスをしていたとき、第1の通信端末装置2には特別なメッセージは表示されない。このため、第1の通信端末装置2の利用者4は、第2の通信端末装置3の利用者5からの連絡があるまで、パスワード等の入力ミスに気が付かない。
【0081】
これに対して、この実施形態では、第2の通信端末装置3が特定メッセージを受信したら、第2の通信端末装置3から第1の通信端末装置2に返信メッセージを送信することで、第1の通信端末装置2の利用者4に、パスワード等に入力ミスがあったことを気づかせるようにしている。
【0082】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について図面を参照して説明する。なお上記に述べた本発明を第1の実施形態のものと同一、または同等の機能要素については同一の符号を当てるものとし、詳細な説明については省略するものとする。
【0083】
この実施形態では、図7に示すように、第1の通信端末装置2で送信時の認証が成立しないと、第1の通信端末装置2から第2の通信端末装置3に特定メッセージが送信される。第2の通信端末装置3は、受信時の認証を行い、認証が成立すると、特定メッセージを表示する。利用者5は、特定メッセージを目視することにより第1の通信端末装置2での送信時の認証に問題があることを知ることになる。
第2の通信端末装置3は、利用者5の操作によって、第1の通信端末装置2に返信メッセージを送信する。返信メッセージは、例えば、特定メッセージをそのまま返信すればよい。第1の通信端末装置2は、返信メッセージを受信すると、受信したメッセージに基づいて、受信時の認証の必要性を判定し、受信時の認証の必要があれば認証を行い、受信時の認証が成立すれば、図7に示すように、返信メッセージが第1の通信端末装置2の表示部24に表示される。
【0084】
受信時の認証が成立しないときには、第1の通信端末装置2で、第2の代替メッセージが作成される。そして、図8に示すように、第1の通信端末装置2の表示部24に、第2の代替メッセージが表示される。この第2の代替メッセージは、第三者が見る可能性があるため、利用者4には入力ミスで認証されなかったことが分かるように、また第三者には認証されなかったことが分からないように、例えば「紅葉が散りました」とする。
【0085】
次に、本発明の第2の実施形態の構成装置概要について説明する。図9に示すように、本発明の第2の実施形態においては、第1の通信端末装置2は、第1の実施形態における装置構成に対し、更に第3の要認証判定部233bと、第3の認証部234bと、第2の代替メッセージ作成部236とを有する。
【0086】
第3の要認証判定部233bは、受信した情報である第1の特定メッセージに基づき認証の必要性を判定し、認証の必要がないと判定すると、第1の特定メッセージの表示が可であることを示す信号をメール送受信部231に入力する。また、第3の要認証判定部233bは、認証の必要があると判定すると、認証を要求する信号を第3の認証部234bに入力する。第3の認証部234bは、第3の要認証判定部233bにより認証が必要と判定されたことにより認証を行い、認証すると、特定メッセージの表示が可であることを示す信号をメール送受信部231に入力する。
また、第3の認証部234bは、認証されなかった場合には、第2の代替メッセージの作成を要求する信号を第2の代替メッセージ作成部236に入力する。第2の代替メッセージ作成部236は、認証されなかったことを代替してあらわす第2の代替メッセージを作成し、この第2の代替メッセージの情報および第2の代替メッセージの表示が可であることを示す情報をメール送受信部231に入力する。
【0087】
なお、第3の要認証判定部233bにあっては、例えば特定メッセージに含まれる発アドレス、着アドレスおよびタイトルに予め決められた特定の言葉、例えば「予定」が含まれていることを見ることにより認証の必要性を判定することができる。
【0088】
また、第3の認証部234bにあっては、例えば予め決められた番号、文字等が入力されたことにより認証を行う。
【0089】
また、第2の代替メッセージ作成部236は、第1の通信端末装置2を拾った第三者などのように利用者4本人以外の者が見ることもあるので、その第三者には認証されなかったことが分からないように、かつ利用者4には入力ミスで認証されなかったことが分かるように、例えば「紅葉が散りました」などの第2の代替えメッセージを作成する。第2の代替メッセージは予め作っておくことができる。第2の代替メッセージ情報が入力されたメール送受信部231は、受信した特定メッセージに置き換えて第2の代替メッセージを表示することになる。
【0090】
図10は、図5におけるシステムの動作例を示すシーケンスチャートである。同図は利用者4、第1の通信端末装置2、第2の通信端末装置3および利用者5間のシーケンスを示している。なお、ステップS1からステップS17までの動作は、上記第1の実施形態の動作と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0091】
本発明の第1の実施形態におけるステップS17に続いて、利用者5が返信メールの操作を行うと(ステップS21)、第2の通信端末装置3が返信メッセージを送信する(ステップS22)。第1の通信端末装置2は、返信メッセージを受信すると(ステップS23)、認証の必要性の判定を行う(ステップS24)。そして、第1の通信端末装置2は、認証が必要であると判定すると(ステップS25:YES)、認証を行い(ステップS26)、認証されると(ステップS27:YES)、返信メッセージを表示する(ステップS28)。一方、第1の通信端末装置2は、ステップS25において、認証が必要でないと判定すると(ステップS25:NO)、第1の特定メッセージの表示を行う(ステップS28)。また、第1の通信端末装置2は、ステップS27において、認証されないと(ステップS27:NO)、試行回数を計数し、規定の回数以下であると判定すると(ステップS29:NO)、再びステップS26に戻り認証を行う。また、第1の通信端末装置2は、ステップS29で規定の回数に達したと判定すると(ステップS29:YES)、第2の代替メッセージを作成し(ステップS30)、その第2の代替メッセージを表示する(ステップS31)。
【0092】
本実施形態によれば、利用者4には入力ミスしていたことが分かるが第三者には分からないようにすることができることになる。
【0093】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、セキュリティの高いデータ共有ネットワークを構築するのに広く用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の第1の実施形態の情報通信システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の情報通信システムの動作説明に用いるブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の情報通信システムの動作説明に用いるブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の情報通信システムの動作説明に用いるブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の情報通信システムの構成装置の概要を説明するためのブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施形態の情報通信システムの動作例を示すシーケンスチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態の情報通信システムの動作説明に用いるブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施形態の情報通信システムの動作説明に用いるブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施形態の情報通信システムの構成装置の概要を説明するためのブロック図である。
【図10】本発明の第2の実施形態の情報通信システムの動作例を示すシーケンスチャートである。
【符号の説明】
【0096】
1 通信ネットワーク
2 第1の通信端末装置
3 第2の通信端末装置
4、5 利用者
21、31 通信部
23、33 制御部
22、32 通話部
211、311 アンテナ
221、321 スピーカ
222、322 マイク
231、331 メール送受信部
232、332 入出力インタフェース部
233a 第1の要認証判定部
233b 第3の要認証判定部
234a 第1の認証部
234b 第3の認証部
235 特定メッセージ作成部
236 第2の代替メッセージ作成部
333 第2の要認証判定部
334 第2の認証部
336 第1の代替メッセージ作成部
24、34 表示部
25、35 キー部
26、36 記億部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信端末装置が前記第2の通信端末装置にメッセージを送信する処理ステップと、前記第2の通信端末装置が前記第1の通信端末装置からのメッセージを受信する処理ステップとからなり、第1の通信端末装置と第2の通信端末装置とを通信ネットワークを介して接続して、前記第1の通信端末装置と前記第2の通信端末装置との間で情報を共有する情報通信方法であって、
前記第1の通信端末装置が前記第2の通信端末装置にメッセージを送信する処理ステップは、
通常メッセージを作成するステップと、
前記通常メッセージの送信時において認証を行う第1の認証ステップと、
前記第1の認証ステップで認証が成立した場合には、前記通常メッセージを送信し、前記第1の認証ステップで認証が成立しない場合には、認証されなかったことを示す特定メッセージを作成して前記特定メッセージを送信するステップとを有し、
前記第2の通信端末装置が前記第1の通信端末装置からのメッセージを受信する処理ステップは、
前記第1の通信端末装置からの通常メッセージまたは特定メッセージを受信するステップと、
受信時において認証を行う第2の認証ステップと、
前記第2の認証ステップで認証が成立した場合には、受信した通常メッセージまたは特定メッセージを表示し、前記第2の認証ステップで認証が成立しない場合には、認証されなかったことを代替してあらわす第1の代替メッセージを作成して前記第1の代替メッセージを表示するステップと
を有することを特徴とする情報通信方法。
【請求項2】
前記第1の通信端末装置が前記第2の通信端末装置にメッセージを送信する処理ステップは、更に、前記送信時において認証の必要性を判定する第1の要認証判定ステップを有し、
前記第2の通信端末装置が前記第1の通信端末装置からのメッセージを受信する処理ステップは、更に、前記受信時において認証の必要性を判定する第2の要認証判定ステップを有することを特徴とする請求項1に記載の情報通信方法。
【請求項3】
第1の通信端末装置が前記第2の通信端末装置にメッセージを送信する処理ステップと、前記第2の通信端末装置が前記第1の通信端末装置からのメッセージを受信する処理ステップと、前記第2の通信端末装置が前記第1の通信端末装置に返信メッセージを送信する処理ステップと、前記第1の通信端末装置が前記第2の通信端末装置からの返信メッセージを受信する処理ステップとからなり、前記第1の通信端末装置と前記第2の通信端末装置とを通信ネットワークを介して接続して、前記第1の通信端末装置と前記第2の通信端末装置との間で情報を共有する情報通信方法であって、
前記第1の通信端末装置が前記第2の通信端末装置にメッセージを送信する処理ステップは、
通常メッセージを作成するステップと、
前記通常メッセージの送信時において認証を行う第1の認証ステップと、
前記第1の認証ステップで認証が成立した場合には、前記通常メッセージを送信し、前記第1の認証ステップで認証が成立しない場合には、認証されなかったことを示す特定メッセージを作成して前記特定メッセージを送信するステップとを有し、
前記第2の通信端末装置が前記第1の通信端末装置からのメッセージを受信する処理ステップは、
前記第1の通信端末装置からの通常メッセージまたは特定メッセージを受信するステップと、
受信時において認証を行う第2の認証ステップと、
前記第2の認証ステップで認証が成立した場合には、受信した通常メッセージまたは特定メッセージを表示し、前記第2の認証ステップで認証が成立しない場合には、認証されなかったことを代替してあらわす第1の代替メッセージを作成して前記第1の代替メッセージを表示するステップとを有し、
前記第2の通信端末装置が前記第1の通信端末装置に返信メッセージを送信する処理ステップは、
前記第2の通信端末装置で特定メッセージを受信した場合に、前記第1の通信端末装置に返信メッセージを送信するステップを有し、
前記第1の通信端末装置が前記第2の通信端末装置からの返信メッセージを受信する処理ステップは、
前記第1の通信端末装置からの返信メッセージを受信するステップと、
受信時において認証を行う第3の認証ステップと、
前記第3の認証ステップで認証が成立した場合には、受信した返信メッセージを表示し、前記第3の認証ステップで認証が成立しない場合には、認証されなかったことを代替してあらわす第2の代替メッセージを作成して前記第2の代替メッセージを表示するステップと
を有することを特徴とする情報通信方法。
【請求項4】
前記第1の通信端末装置が前記第2の通信端末装置からの返信メッセージを受信する処理ステップは、
更に、受信時において認証の必要性を判定する第3の要認証判定ステップを有することを特徴とする請求項3に記載の情報通信方法。
【請求項5】
前記認証ステップは、複数回の認証を含むものであることを特徴とする請求項1又は3に記載の情報通信方法。
【請求項6】
第1の通信端末装置と、第2の通信端末装置と、前記第1の通信端末装置と前記第2の通信端末装置との間を接続する通信ネットワークとからなり、前記第1の通信端末装置が前記第2の通信端末装置にメッセージを送信し、前記第2の通信端末装置が前記第1の通信端末装置からのメッセージを受信し、前記第1の通信端末装置と前記第2の通信端末装置との間で情報を共有する情報通信システムであって、
前記第1の通信端末装置は、
通常メッセージを作成する手段と、
前記通常メッセージの送信時において認証を行う第1の認証手段と、
前記第1の認証で認証が成立した場合には、前記通常メッセージを送信し、前記第1の認証で認証が成立しない場合には、認証されなかったことを示す特定メッセージを作成して前記特定メッセージを送信する手段とを有し、
前記第2の通信端末装置は、
前記第1の通信端末装置からの通常メッセージまたは特定メッセージを受信する手段と、
受信時において認証を行う第2の認証手段と、
前記第2の認証で認証が成立した場合には、受信した通常メッセージまたは特定メッセージを表示し、前記第2の認証で認証が成立しない場合には、認証されなかったことを代替してあらわす第1の代替メッセージを作成して前記第1の代替メッセージを表示する手段と
を有することを特徴とする情報通信システム。
【請求項7】
前記第1の通信端末装置は、更に、送信時において認証の必要性を判定する第1の要認証判定手段を有し、
前記第2の通信端末装置は、更に、受信時において認証の必要性を判定する第2の要認証判定手段を有することを特徴とする請求項6に記載の情報通信システム。
【請求項8】
第1の通信端末装置と、第2の通信端末装置と、前記第1の通信端末装置と前記第2の通信端末装置との間を接続する通信ネットワークとからなり、前記第1の通信端末装置が前記第2の通信端末装置にメッセージを送信し、前記第2の通信端末装置が前記第1の通信端末装置からのメッセージを受信し、更に、前記第2の通信端末装置は、前記第1の通信端末装置に返信メッセージを送信し、前記第1の通信端末装置は、前記第1の通信端末装置からの返信メッセージを受信して、前記第1の通信端末装置と前記第2の通信端末装置との間で情報を共有する情報通信システムであって、
前記第1の通信端末装置は、
通常メッセージを作成する手段と、
前記通常メッセージの送信時において認証を行う第1の認証手段と、
前記第1の認証で認証が成立した場合には、前記通常メッセージを送信し、前記第1の認証で認証が成立しない場合には、認証されなかったことを示す特定メッセージを作成して前記特定メッセージを送信する手段と、
前記返信メッセージの受信時において認証を行う第3の認証手段と、
前記第3の認証手段で認証が成立した場合には、受信した返信メッセージを表示し、前記第3の認証手段で認証が成立しない場合には、認証されなかったことを示す第2の代替メッセージを作成して前記第2の代替メッセージを表示する手段とを有し、
前記第2の通信端末装置は、
前記第1の通信端末装置からの通常メッセージまたは特定メッセージを受信する手段と、
受信時において認証を行う第2の認証手段と、
前記第2の認証手段で認証が成立した場合には、受信した通常メッセージまたは特定メッセージを表示し、前記第2の認証手段で認証が成立しない場合には、認証されなかったことを代替してあらわす第1の代替メッセージを作成して前記第1の代替メッセージを表示する手段と、
前記第1の通信端末装置からの特定メッセージを受信した場合に、前記第1の通信端末装置に返信メッセージを送信する手段と
を有することを特徴とする情報通信システム。
【請求項9】
前記第1の通信端末装置は、更に、受信時において認証の必要性を判定する第3の要認証判定手段を有することを特徴とする請求項8に記載の情報通信システム。
【請求項10】
前記認証手段は、複数回の認証を含むものであることを特徴とする請求項6又は8に記載の情報通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−46732(P2008−46732A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−219646(P2006−219646)
【出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】