説明

感光体軸固定機構

【課題】感光体軸に加わる衝撃を抑えること。
【解決手段】感光体軸固定機構100は、フレーム102とフレーム112との間に挟まれて設けられ、画像形成装置1が有する開閉部45の開閉動作に連動して、フレーム102およびフレーム112の長手方向にスライドするスライド部材200と、スライド部材200に支持された回転軸214を有し、スライド部材200とともに長手方向にスライドすることによって、開口104に保持された感光体軸4Bに接触する押圧部材210とを備え、押圧部材210が感光体軸4Bに接触した状態から、スライド部材200がさらに長手方向にスライドすることにより、押圧部材210は、感光体軸4Bに押されて回転するとともにトーションバネ216(弾性体)を圧し、トーションバネ216の反発力により、感光体軸4Bを押さえつける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体軸固定機構に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザープリンターなどの画像形成装置においては、静電潜像が形成された感光体ドラムにトナーを付着させることによってトナー像を形成し、形成された潜在画像を転写ロールによって用紙に転写する方式が用いられている。このような画像形成装置においては、高精度でトナー像を形成するため、感光体ドラムの取り付け精度の向上が望まれていた。そこで、このような要望にこたえるべく、感光体ドラムの取り付け精度を向上させることを目的とした技術が考案されている。たとえば、特許文献1および2には、感光体ドラムが有する感光体軸を取り付け穴に挿入し、取り付け穴に挿入された感光体軸を押圧部材によって取り付け穴の縁部に押さえつけることにより、感光体軸を規定の位置に対して位置決め固定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−259279号公報
【特許文献2】特開2007−041494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、感光体軸に加わる衝撃を抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1記載の感光体軸固定機構は、画像形成装置に設けられる感光体軸を支持する開口が設けられた第一のフレームと、第一のフレームに対向して設けられた第二のフレームと、前記第一のフレームと前記第二のフレームとの間に挟まれて設けられ、前記画像形成装置が有する開閉部の開閉動作に連動して、前記第一のフレームと前記第二のフレームとの間でスライドするスライド部材と、前記スライド部材に支持された回転軸を有し、前記スライド部材とともにスライドすることによって、前記開口に保持された前記感光体軸に接触する押圧部材とを備え、前記押圧部材が前記感光体軸に接触した状態から、前記スライド部材がさらにスライドすることにより、前記押圧部材は、前記感光体軸に押されて回転するとともに弾性体を圧し、前記弾性体の反発力により、前記感光体軸を押さえつけることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の感光体軸固定機構は、請求項1記載の感光体軸固定機構において、前記スライド部材は、第一のスライド部材と第二のスライド部材とを有し、前記押圧部材が前記感光体軸を押さえつけている状態から、さらに前記開閉部を閉じる動作がおこなわれた場合、前記第一のスライド部材は、さらにスライドせず、前記第二のスライド部材は、さらにスライドすることにより、前記弾性体をさらに圧することを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の感光体軸固定機構は、請求項1または2記載の感光体軸固定機構において、前記第一のフレームおよび前記第二のフレームと前記スライド部材との間に生じた空間を埋める補強部材をさらに備えることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の感光体軸固定機構は、請求項1から3のいずれか記載の感光体軸固定機構において、前記開閉部の開閉動作に伴って上下に可動する操作軸と、上部レバーおよび下部レバーを有し、前記上部レバーと前記下部レバーとの間において、前記操作軸が前記下部レバーを下方に押し下げることによって、前記スライド部材を前記感光体軸を押さえつける方向にスライドさせ、前記操作軸が前記上部レバーを上方に押し上げることによって、前記スライド部材を、前記感光体軸を解放する方向にスライドさせる操作レバーとをさらに備え、前記上部レバーは、当該上部レバーの上部において、前記操作軸が当該上部レバーを下方に押し下げた場合に、下方に向かって折り畳まれることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の感光体軸固定機構は、請求項1から4のいずれか記載の感光体軸固定機構において、前記操作軸は、前記操作レバーと接触する外周面が円弧状に形成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項6記載の感光体軸固定機構は、画像形成装置に設けられる感光体軸を支持する開口が設けられた第一のフレームと、第一のフレームに対向して設けられた第二のフレームと、前記第一のフレームと前記第二のフレームとの間に挟まれて設けられ、前記画像形成装置が有する開閉部の開閉動作に連動して、前記第一のフレームと前記第二のフレームとの間でスライドする第一のスライド部材と、前記第一のスライド部材に支持された回転軸を有し、前記第一のスライド部材とともにスライドすることによって、前記開口に保持された前記感光体軸に接触する押圧部材と、前記第一のスライド部材に対しスライド可能な第二のスライド部材と、前記押圧部材をその反発力により前記感光体軸に押し付ける弾性体と、を備え、前記開閉部を閉じる動作によって前記第一のスライド部がスライドし、前記押圧部材が前記感光体軸に接触した状態から、さらに前記開閉部を閉じる動作がおこなわれた場合、前記第一のスライド部材は、さらにスライドせず、前記第二のスライド部材は、さらにスライドすることにより、前記弾性体を圧することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の感光体軸固定機構によれば、押圧部材が弾性体の反発力により感光体軸を押さえつける構成を有しない場合に比べて、押圧部材が感光体軸を押さえつけるときに感光体軸に加わる衝撃を抑えることができる。また、押圧部材を移動させるために確保が必要な領域を小さくすることができる。また、感光体軸を押圧部材で確実に押さえつけることができる。
【0012】
請求項2記載の感光体軸固定機構によれば、第一のスライド部材がさらにスライドせず、第二のスライド部材がさらにスライドすることにより、弾性体をさらに圧する構成を有しない場合に比べて、弾性体により強い反発力を生じさせることにより、感光体軸を押圧部材でより確実に押さえつけることができる。
【0013】
請求項3記載の感光体軸固定機構によれば、第一のフレームおよび第二のフレームとスライド部材との間に生じた空間を埋める補強部材によらずにスライド部材を補強する場合に比べて、軽量化かつ薄型化することができる。
【0014】
請求項4記載の感光体軸固定機構によれば、上部レバーが下方に向かって折り畳まれる構成を有しない場合に比べて、上部レバーの損傷を防止することができる。
【0015】
請求項5記載の感光体軸固定機構によれば、操作レバーと接触する外周面が円弧状に形成されていない構成に比べて、開閉部の開閉動作にともなって、スライド部材を滑らかにスライド動作させることができる。
【0016】
請求項6記載の感光体軸固定機構によれば、第一のスライド部材がさらにスライドせず、第二のスライド部材がさらにスライドすることにより、弾性体を圧する構成を有しない場合に比べて、押圧部材が感光体軸に接触するときの押圧力をより小さくできるので、感光体軸に加わる衝撃を抑えることができる。また弾性体により強い反発力を生じさせることにより、感光体軸を押圧部材でより確実に押さえつけることができる。また、押圧部材を移動させるために確保が必要な領域を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】画像形成装置1の外観を示す。
【図2】画像形成装置1の内部の構成を示す。
【図3】開閉部45を開いたときの画像形成装置1の内部の状態を示す。
【図4】感光体軸固定機構100の外観を示す。
【図5】開閉部45を開いたときの、感光体軸固定機構100の正面側の外観を示す。
【図6】開閉部45を閉じたときの、感光体軸固定機構100の正面側の外観を示す。
【図7】開閉部45を開いたときの、感光体軸固定機構100の背面側の外観を示す。
【図8】開閉部45を閉じたときの、感光体軸固定機構100の背面側の外観を示す。
【図9】開閉部45を開いたときの感光体軸固定機構100の正面側の外観を示す。
【図10】開閉部45を閉じたときの感光体軸固定機構100の正面側の外観を示す。
【図11】開閉部45を開いたときの感光体軸固定機構100の背面側の外観を示す。
【図12】開閉部45を閉じたときの感光体軸固定機構100の背面側の外観を示す。
【図13】感光体軸4Bを押さえつける動作を示す。
【図14】操作レバー310の動作を示す。
【図15】操作レバー310の動作を示す。
【図16】操作レバー310の動作を示す。
【図17】操作レバー310の動作を示す。
【図18】操作レバー310の折り畳み動作を示す。
【図19】操作レバー310を固定する動作を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について説明する。例えばプリンタやコピー機などの画像形成装置においては、構成部品のメンテナンスや交換、或いは記録用紙の詰まりなどの不具合を解消する作業を行うために、その筐体の上面や側面などに開閉カバーが設けられている。本実施形態では、このような画像形成装置を例に挙げて説明する。図1は本実施形態に係る画像形成装置の構造を模式的に示す図である。以下、利用者が画像形成装置1を正面から見たときの左右の右方向をX(+)・左方向をX(−)、前後の奥方向をY(+)・手前方向をY(−)、重力方向の上方向をZ(+)・下方向をZ(−)として説明する。
【0019】
図1は、画像形成装置1の外観を示す。画像形成装置1の装置本体40には、側面側開閉部41が開閉自在に設けられている。また、側面側開閉部41には、供給用開閉部43が開閉自在に設けられている。供給用開閉部43は、通常は側面側開閉部41に対して閉じられているが、用紙収容部24に収納された用紙とは異なる種類の用紙を用いる際に、側面側開閉部41に対して開かれて、ここから用紙が内部に供給される。また、装置本体40の上面には、開閉部45が開閉自在に設けられている。開閉部45の上側の面には、トナー像が形成された用紙18が排出される。また、装置本体40の上面には、操作部49が取り付けられている。操作部49は、例えば、用紙18の枚数などを入力するテンキーなどを有する。
【0020】
図2は、画像形成装置1の内部の構成を示す。画像形成装置1は、画像形成ユニット2が中間転写ベルト10に沿って並列に配置されたタンデム型のフルカラープリンターである。画像形成装置1の内部には、図示しないスキャナーやパーソナルコンピュータ、或いは電話回線等から送られてくる画像データに対して画像処理を行う画像処理装置(図示せず)が設けられているほか、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),黒(K)の四つの画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kが設けられている。
【0021】
画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kは、中間転写ベルトに最初に転写されるイエロー(Y)の画像形成ユニット2Yが相対的に高く、中間転写ベルトに最後に転写される黒(K)の画像形成ユニット2Kが相対的に低くなるように、水平方向に対してある角度だけ傾斜した状態で、ある間隔を隔てて並列に配置されている。このように、四つの画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kを、ある角度だけ傾斜した状態で配置することにより、これら四つの画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kを水平に配置した場合に比較して、画像形成装置1の幅方向(X軸方向)の距離が短くなる。
【0022】
これらの四つの画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kは、基本的に同じ構成であるため、以下、これらを特に識別して説明する必要のない場合には画像形成ユニット2と総称する。画像形成ユニット2は、像保持体となる感光体ドラム4や帯電装置などを備えた感光体ユニット3と、現像器5とを具備している。感光体ユニット3は装置本体40に対して着脱可能である。現像器5はフレーム(図示せず)を介して装置本体40側に固定されている。
【0023】
画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの下部には、画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kに共通の画像露光装置6が設けられる。この画像露光装置6は、Y,M,C,Kの各色の画像データに応じて変調されたレーザービームを射出する半導体レーザー(いずれも図示せず)を四つ備えている。これらの半導体レーザーから射出された4本のレーザービームは、ポリゴンミラーによって偏向され、レンズやミラー(いずれも図示せず)を介して、画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの感光体ドラム4の表面を走査し、静電潜像を書き込む。感光体ドラム4に形成された静電潜像は、現像器5Y,5M,5C,5Kによって、各色のトナーを含む現像剤で現像されてトナー像となる。各々の画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの感光体ドラム4に順次形成された各色のトナー像は、各画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの上方に配置される中間転写体としての中間転写ベルト10に、それぞれ一次転写ロール11によって多重に転写される。
【0024】
中間転写ベルト10は、ドライブロール12、テンションロール13およびアイドラーロール14などの複数のロールによって張られている無端のベルト状部材であり、駆動モーター(図示せず)によって回転駆動されるドライブロール12により、矢印A方向に循筒駆動されるようになっている。この中間転写ベルト10は、その下辺に相当する領域は、その走行方向の下流側が低く、且つ上流側が高くなるように、水平方向に対して傾斜した状態で配置されている。中間転写ベルト10は、この下辺に相当する領域において、画像形成ユニット2Y,2M,2C,2Kの感光体ドラム4Y,4M,4C,4Kに接触している。この中間転写ベルト10としては、例えば、可撓性を有するポリイミド等の合成樹脂フイルムを帯状に形成し、この帯状に形成された合成樹脂フイルムの両端を溶着等の手段によって接続することにより、無端ベルト状に形成したものが用いられる。これらの中間転写ベルト10、各一次転写ロール11、ドライブロール12、テンションロール13およびアイドラーロール14等は、中間転写ユニット9を構成する。
【0025】
記録媒体としての用紙18は、画像形成装置1の内部に配置された用紙収容部24から規定のサイズおよび材質のものが、複数のロール対によって形成された搬送路21に沿って搬送される。この搬送路21では、用紙収容部24内の用紙18が、給紙ロール25および用紙分離搬送用のロール対26により1枚ずつ分離された状態でレジストロール28まで一旦搬送され、停止される。そして、この用紙18は、予め決まったタイミングで回転駆動されるレジストロール28によって中間転写ベルト10の二次転写位置へ送出される。この二次転写位置には、中間転写ベルト10の表面に突き当たった状態で接触する二次転写ロール17が配置される。中間転写ベルト10上に多重に転写されたイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),黒(K)のトナー像は、二次転写ロール17によって、用紙18上に二次転写される。この二次転写を経て各色のトナー像が転写された用紙18は、定着器19によって熱および圧力が加えられる定着処理を経た後、排出ロール20によって開閉部45の上側の面に排出される。なお、搬送路21には、用紙18の表裏を反転させる反転機構22が備えられている。
【0026】
開閉部45には、この開閉部45に対して開閉可能なサブ開閉部47が取り付けられている。このサブ開閉部47は、開閉部45とは独立して開閉し、開閉部45が装置本体40に対して閉じられた状態であっても、開閉部45に形成されている開口48を開いた状態とすることができる。サブ開閉部47は、トナー回収ユニット50の全部又は一部を装置本体40に対して着脱する際に開かれる。
【0027】
トナー回収ユニット50は、中間転写ベルト10の重力方向上側(Z(+)側)で、かつ当該中間転写ベルト10の上辺に相当する領域の走行方向下流側(即ち、重力方向上側)に設けられる。よって、トナー回収ユニット50は、ドライブロール12よりも、テンションロール13に近い位置に配置されていることになる。このトナー回収ユニット50は、中間転写ベルト10の表面に接して、その表面に付着したトナーを掻き落とす除去部となるクリーニング部材51と、掻き落とされたトナーを回収する回収部となる回収室52と、を有する。トナー回収ユニット50の全部或いは一部は、サブ開閉部47を開くことによって、開閉部45に形成されている開口48を介して着脱可能となる。
【0028】
中間転写ベルトユニット9およびトナー回収ユニット50は、開閉部45に取り付けられており、二次転写ロール17は装置本体40に取り付けられている。前述したように、中間転写ベルト10は、テンションロール13側がドライブロール12よりも重力方向に高い位置(Z(+)側)となるように、傾斜して配置されているから、トナー回収ユニット50は、クリーニング部材51よりも回収室52が重力方向に下方の位置となるように配置される。
【0029】
図3は、開閉部45を開いたときの画像形成装置1の内部の状態を示す。開閉部45は、通常は装置本体40に対して閉じられており、感光体ユニット3Y、3M、3C、3Kを装置本体40内に着脱する際に開かれる。開閉部45の内側に取り付けられた中間転写ユニット9が側面側開閉部41に干渉するのを防止するため、開閉部45を開くのに先立って、まず、側面側開閉部41が装置本体40に対して開かれる。一方、側面側開閉部41を装置本体40に対して閉じる際には、側面側開閉部41を閉じるのに先立って、まず、開閉部45が装置本体40に対して閉じられる。
【0030】
続いて、感光体軸固定機構100の構成について説明する。感光体軸固定機構100は、画像形成装置1の装置本体40内部において、感光体ユニット3が収容される空間の右側の壁面(Y(+)側の壁面)および左側の壁面(Y(−)側の壁面)にそれぞれ固定されて設けられている。感光体軸固定機構100は、上記空間に収容された状態の感光体ユニット3の両端を支持する。具体的には、感光体ユニット3の左右両端からは、感光体ドラム4の感光体軸4Bが突出しており、感光体軸固定機構100は、この感光体軸4Bの左右両端を支持する。以降、右側の壁面(Y(+)側の壁面)に設けられる感光体軸固定機構100について説明する。なお、左側の壁面(Y(−)側の壁面)に設けられる感光体軸固定機構100は、右側の壁面(Y(+)側の壁面)に設けられる感光体軸固定機構100と左右対称になっており、構成および動作が同様であるため、説明を省略する。
【0031】
図4は、感光体軸固定機構100の外観を示す。図5は、開閉部45を開いたときの感光体軸固定機構100の正面側の外観を示す。図6は、開閉部45を閉じたときの、感光体軸固定機構100の正面側の外観を示す。図7は、開閉部45を開いたときの、感光体軸固定機構100の背面側の外観を示す。図8は、開閉部45を閉じたときの、感光体軸固定機構100の背面側の外観を示す。
【0032】
感光体軸固定機構100は、金属製かつ板状のフレーム102(第一のフレーム)を備える。フレーム102には、複数の開口104がフレーム102の長手方向(Y方向)に並べて設けられている。具体的には、フレーム102には、四つの感光体ユニット3(Y,M,C,K)に対応して四つの開口104が設けられている。開口104は、フレーム102の短手方向(Z(+)方向)に延伸する長穴形状を有する。開口104は、上方(Z(+)方向)が開放されており、開口104には、上方(Z(+)方向)から、対応する感光体ユニット3の感光体軸4Bが挿入される。そして、開口104は、その内側の下端部で感光体軸4Bを支持する。感光体軸固定機構100は、金属製かつ板状のフレーム112(第二のフレーム)をさらに備える。フレーム102とフレーム112とは、ある程度の間隔を有して重なった状態で、複数の螺子によって結合されている。これら複数の螺子は、感光体軸固定機構100が上記壁面に固定されたときに、感光体ユニット3が収容される空間側となるフレーム102側から螺子が締めこまれている。これにより、感光体軸固定機構100が上記壁面に固定された状態で、螺子を締め込むまたは緩めることができる。このため、感光体軸固定機構100の保全性を高めることができる。なお、フレーム102およびフレーム112は、金属製に限定するものではない。
【0033】
フレーム102とフレーム112との間には、フレーム102とフレーム112とに挟み込まれるようにして、金属製のスライド部材200が設けられている。スライド部材200は、第一のスライド部材202と第二のスライド部材204とが2枚重なって構成されている。スライド部材200は、画像形成装置1が備える開閉部45の開閉動作に連動して、フレーム102とフレーム112との間を、フレーム102の長手方向(Y方向)にスライドする。具体的には、スライド部材200は、開閉部45を開く動作に連動して、フレーム102とフレーム112との間を、フレーム102の長手方向(Y方向)における、感光体軸4Bを解放する方向(Y(+)方向)にスライドする。また、スライド部材200は、開閉部45を閉じる動作に連動して、フレーム102とフレーム112との間を、フレーム102の長手方向(Y方向)における、感光体軸4Bを押さえつける方向(Y(−)方向)にスライドする。なお、スライド部材200は、金属製に限定するものではない。
【0034】
フレーム102とフレーム112との間には、押圧部材210が設けられている。押圧部材210は、スライド部材200と連動して、フレーム102とフレーム112との間を、フレーム102の長手方向(Y方向)にスライドする。具体的には、押圧部材210は、開閉部45を開く動作に連動して、フレーム102とフレーム112との間を、フレーム102の長手方向(Y方向)における、感光体軸4Bを解放する方向(Y(+)方向)にスライドする。また、押圧部材210は、開閉部45を閉じる動作に連動して、フレーム102とフレーム112との間を、フレーム102の長手方向(Y方向)における、感光体軸4Bを押さえつける方向(Y(−)方向)にスライドする。本実施形態に示す例では、フレーム102とフレーム112との間には、四つの開口104に対応して、四つの押圧部材210が設けられている。
【0035】
このような構成を有する感光体軸固定機構100においては、開閉部45が開いているとき、押圧部材210は開口104から感光体軸4Bを解放する方向(Y(+)方向)に退避しているため、複数の開口104のそれぞれに感光体軸4Bを上方(Z(+)方向)から挿入することができる。この状態から、開閉部45を閉じる動作がおこなわれると、これに連動して、スライド部材200および押圧部材210が、感光体軸4Bを押さえつける方向(Y(−)方向)にスライドする。これにより、複数の感光体軸4Bのそれぞれは、押圧部材210によって、開口104の縁部に対して押さえつけられる。この結果、複数の感光体軸4Bのそれぞれは、開口104内において、規定された位置に位置決めされた状態で固定される。すなわち、複数の感光体ユニット3は、画像形成装置1の装置本体40内部において、規定された位置に位置決めされた状態で固定される。特に、開口104の下端部は、V字形状をなしている。これにより、開口104は、その縁部において、感光体軸4Bを、常に予め規定された複数点で支持することができる。したがって、感光体ユニット3は、画像形成装置1の装置本体40内部において、より高精度で、規定された位置に位置決めされた状態で固定される。
【0036】
続いて、感光体軸固定機構100の内部構成について具体的に説明する。図9は、開閉部45を開いたときの感光体軸固定機構100の正面側の外観を示す。図10は、開閉部45を閉じたときの感光体軸固定機構100の正面側の外観を示す。図11は、開閉部45を開いたときの感光体軸固定機構100の背面側の外観を示す。図12は、開閉部45を閉じたときの感光体軸固定機構100の背面側の外観を示す。図11および図12では、感光体軸固定機構100の内部構成をわかりやすくするために、フレーム112の図示を省略している。図13は、感光体軸4Bを押さえつける動作を示す。
【0037】
フレーム102とフレーム112との間においては、複数の押圧部材210がフレーム102の長手方向(Y方向)に並べて設けられている。本実施例では、フレーム102とフレーム112との間には、四つの感光体ユニット3および四つの開口104に対応して、四つの押圧部材210が設けられている。これら押圧部材210は、対応する開口104よりも、フレーム102の長手方向における、感光体軸4Bを解放する方向(Y(+)方向)よりの位置に設けられている。
【0038】
押圧部材210は、樹脂製の本体212および金属性の回転軸214を有する。押圧部材210は、本体部212が回転軸214を軸にして回転する。回転軸214の右側(X(+)側)は、第一のスライド部材202に支持されている。一方、回転軸214の左側(X(−)側)は、フレーム102に形成されたガイド穴106に支持されている。すなわち、回転軸214は、第一のスライド部材202とフレーム102とに挟まれるようにして支持されている。ガイド穴106は、フレーム102の長手方向(Y方向)に延伸する長穴形状を有する。これにより、押圧部材210は、第一のスライド部材202とともに、フレーム102とフレーム112との間を、フレーム102の長手方向(Y方向)にスライドする。
【0039】
感光体軸固定機構100は、トーションバネ216をさらに備える。トーションバネ216のコイル部は、押圧部材210の回転軸214に支持されている。また、トーションバネ216の一方のアームは、その先端において第二のスライド部材204に支持されている。また、トーションバネ21の他方のアームは、押圧部材210の本体部212に支持されている。押圧部材210は、このように設けられたトーションバネ216により、感光体軸4Bを押さえつける方向(Y(−)方向)に圧されている。
【0040】
また、図9および図10に示されているように、感光体軸固定機構100は、補強部材400をさらに備える。補強部材400は、フレーム102とフレーム112との間に設けられている。具体的には、補強部材400は、第二のスライド部材204のフレーム102側の表面を覆うように、フレーム102と第二のスライド部材204との間において、第二のスライド部材204に固定されて設けられている。これにより、補強部材400は、第二のスライド部材204とともに、フレーム102とフレーム112との間をスライドする。このように設けられた補強部材400は、フレーム102と第二のスライド部材204との間において、フレーム102と第二のスライド部材204との間に生じた空間を埋める役割を果たす。これにより、第二のスライド部材204に対して当該第二のスライド部材204をスライドさせるための強い力が加わった際に、第二のスライド部材204の撓みを抑えることができる。また、リブなどを設けることなく第二のスライド部材204を補強することができるため、第二のスライド部材204を薄型化することができる。特に、補強部材400には、樹脂を用いている。これにより、感光体軸固定機構100の重量の増加を抑えることができるうえ、第二のスライド部材204の引っかかりを抑制するため、第二のスライド部材204を滑らかにスライドさせることができる。
【0041】
続いて、感光体軸固定機構100の動作について説明する。ここでは、開閉部45が開いている状態からの感光体軸固定機構100の動作について説明する。開閉部45が開いている状態では、感光体軸固定機構100は、スライド部材200が最も感光体軸4Bを解放する側(Y(+)側)に位置している、図5、図7、図9、及び図11に示した状態となる。画像形成装置1においては、この状態で、装置本体40内部への感光体ユニット3の装着に伴って、開口104に対して上方(Z(+)方向)から感光体軸4Bが挿入される。そして、開閉部45を閉じる動作がおこなわれると、これに連動して、スライド部材200は、フレーム102とフレーム112との間を、感光体軸4Bを押さえつける方向(Y(−)方向)にスライドする。これに応じて、押圧部材210は、フレーム102とフレーム112との間を、感光体軸4Bを押さえつける方向(Y(−)方向)にスライドする。ある程度のところまでスライド部材200がスライドすることにより、押圧部材210の本体部212は、感光体軸4Bの外周面に対して、(Y(+)側)側から接触する。ここまで、第一のスライド部材202、第二のスライド部材204、および押圧部材210は、ともに、感光体軸4Bを押さえつける方向(Y(−)方向)へスライドする。第一のスライド部材202が、押圧部材210の回転軸214およびトーションバネ216のコイル部を支持しており、なおかつ、第二のスライド部材204がトーションバネ216の一方のアームを支持しているからである。このときトーションバネ216は第二のスライド部材204により未だ圧されていないので、本体部212は感光体軸4Bの外周面に対して、より弱い力で接触する。したがって接触により感光体軸4Bに生じる振動が抑制される。
【0042】
さらに、開閉部45を閉じる動作がおこなわれると、これに連動して、スライド部材200は、感光体軸4Bを押さえつける方向(Y(−)方向)にさらにスライドする。ここまで、第一のスライド部材202、第二のスライド部材204、および押圧部材210は、ともに、感光体軸4Bを押さえつける方向(Y(−)方向)へスライドする。図13は、このときの、感光体軸固定機構100の動作を示すものである。ここで、押圧部材210は、既にその本体部212が感光体軸4Bに接触している。このため、押圧部材210は、図13において矢印Aが示すように、回転軸214が感光体軸4Bを押さえつける方向(Y(−)方向)へスライドするとともに、図13において矢印Bが示すように、本体部212が、感光体軸4Bに押圧され、回転軸214を軸にし、感光体軸4Bがある方向とは反対側の方向に回転する。本体部212は、トーションバネ216の他方のアームを支持している。このため、本体部212は、上記回転により、トーションバネ216を圧する。これにより、トーションバネ216には反発力が生じる。本体部212は、この反発力によって、感光体軸4Bがある方向(図13における矢印D方向)に回転しようとする強い力で、感光体軸4Bを押さえつける。
【0043】
さらに、開閉部45が閉じた状態となるまで、開閉部45を閉じる動作がおこなわれると、これに連動して、第二のスライド部材204は、感光体軸4Bを押さえつける方向(Y(−)方向)にさらにスライドする。しかしながら、第一のスライド部材202は、感光体軸4Bを押さえつける方向(Y(−)方向)へスライドしない。第一のスライド部材202によって支持されている回転軸214が、ガイド穴106の端に達しており、これにより、回転軸214のスライドが制限されているからである。一方、第二のスライド部材204は、回転軸214を支持しているわけではないため、感光体軸4Bを押さえつける方向(Y(−)方向)へスライドする。ここで、第二のスライド部材204は、トーションバネ216の一方のアームを支持している。このため、図13において矢印Cが示すように、第二のスライド部材204は、感光体軸4Bを押さえつける方向(Y(−)方向)へさらにスライドすることにより、トーションバネ216をさらに圧する。これにより、トーションバネ216には、より強い反発力が生じる。本体部212は、このより強い反発力によって、感光体軸4Bがある方向(図13における矢印D方向)に回転しようとするより強い力で、感光体軸4Bを押さえつける。感光体軸固定機構100は、このように動作することにより、開閉部45が閉じた状態では、スライド部材200が最も感光体軸4Bを固定する側(Y(−)側)に位置している、図6、図8、図10、及び図12に示した状態となる。
【0044】
続いて、開閉部45の開閉動作に伴ってスライド部材200をスライドさせるための、操作レバー310の構成について説明する。感光体軸固定機構100は、樹脂製の操作レバー310をさらに備える。操作レバー310は、本体部312および回転軸314を有する。操作レバー310は、本体部312が回転軸314を軸にして回転することができる。回転軸314の一端は、フレーム102に支持されている。回転軸314の他端は、フレーム112に支持されている。すなわち、回転軸314は、フレーム102とフレーム112とに挟まれるようにして支持されている。これにより、操作レバー310は、フレーム102とフレーム112との間で、回転することが可能となっている。なお、操作レバー310は、樹脂製に限るものではない。
【0045】
操作レバー310は、第二スライド部材204とリンクされており、回転することにより、第二スライド部材204をスライドさせる。具体的には、図7および図8に示すように、操作レバー310は、可動軸316をさらに有する。また、フレーム112には、回転軸314を中心とする円周上に沿って湾曲した長穴形状を有するガイド穴114が形成されている。可動軸316は、本体部312のフレーム112側の表面から、フレーム112のガイド穴114内を貫通するように、突出して設けられている。これにより、可動軸316は、操作レバー310の回転範囲を規制すべく、ガイド穴114の範囲内で可動する。そして、図11および図12に示されているように、可動軸316には、第二スライド部材204が連結されている。操作レバー310が回転することで、可動軸316は、回転軸314を中心とする円周上を移動する。これにより、可動軸316は、第二スライド部材204をスライドさせる。たとえば、操作レバー310が上方に回転することにより、第二スライド部材204は、感光体軸4Bを解放する方向(Y(+)方向)にスライドする。また、操作レバー310が下方に回転することにより、第二スライド部材204は、感光体軸4Bを押さえつける方向(Y(−)方向)にスライドする。
【0046】
続いて、操作軸300による操作レバー310の動作について説明する。感光体軸固定機構100は、操作レバー310の本体部312を操作する操作軸300をさらに備える。操作軸300は、開閉部45の開閉動作に伴って、ある円周上に沿って上下方向(Z方向)に移動する。これにより、操作軸300は、本体部312を上下方向(Z方向)に移動させる。具体的には、本体部312は、上部レバー318および下部レバー320を有する。開閉部45を閉じる動作がおこなわれた場合、操作軸300は、上部レバー318と下部レバー320との間において、下部レバー320を下方(Z(−)方向)に押し下げる。これにより、本体部312は、下方(Z(−)方向)に移動し、第二スライド部材204を感光体軸4Bを押さえつける方向(Y(−)方向)にスライドさせる。したがって開閉部45の自重が第二スライド部材204を、感光体軸4Bを押さえつける方向(Y(−)方向)にスライドする力を補助するので、トーションバネ216がより強い反発力を有しても容易にスライド乃至閉じることができる。また、開閉部45を開く動作がおこなわれた場合、操作軸300は、上部レバー318と下部レバー320との間において、上部レバー318を上方(Z(+)方向)に押し上げる。これにより、本体部312は、上方(Z(+)方向)に移動し、第二スライド部材204を、感光体軸4Bを解放する方向(Y(+)方向)にスライドさせる。さらに開閉部45を開く動作がおこなわれた場合、上部レバー318は、操作軸300の移動軌跡上から外れる。これにより、操作軸300は、上部レバー318と下部レバー320との間から抜け出し、操作レバー310と干渉することなく、開閉部45の全開位置に対応する位置まで移動する。
【0047】
ここで、操作軸300の設置位置の精度が低いと、操作軸300の外周面における上部レバー318および下部レバー320との接触位置に個体差が生じる。そこで、操作軸300においては、上部レバー318および下部レバー320と接触する外周面の形状を円弧状に形成している。これにより、操作軸300の外周面における上部レバー318および下部レバー320との接触位置が製品ごとに異なる場合であっても、これに関わらず、操作軸300は、滑らかに上部レバー318を操作する。
【0048】
図14−図17は、操作レバー310の動作を示す。開閉部45が開いており、操作レバー310が最も押し上げられた状態にあるとき、操作軸300は、操作レバー310の上方に離間した位置に位置している。このとき、上部レバー318は、操作軸300の移動軌跡上から外れた位置に位置している。このため、開閉部45が開いた状態から、開閉部45を閉じる動作がおこわれた場合、図14に示すように、操作軸300は、上部レバー318と干渉せずに、下部レバー320の上部に接する。さらに、開閉部45を閉じる動作がおこわれた場合、図15および図16に示すように、操作軸300は、上部レバー318と下部レバー320との間に入り込むとともに、下部レバー320を下方に押し下げる。なおも、開閉部45を閉じる動作がおこなわれ、開閉部45が全閉となったとき、図17に示すように、下部レバー320は、操作軸300によって最も押し下げられた状態となる。
【0049】
反対に、図17に示すように、開閉部45が閉じており、操作レバー310が最も押し下げられた状態から、開閉部45を開く動作がおこわれた場合、操作軸300は、上部レバー318の下部に接する。さらに、開閉部45を開く動作がおこわれた場合、操作軸300は、上部レバー318を上方に押し上げる。これにより、操作レバー310は、図17に示す状態から、順に、図16に示す状態、図15に示す状態へと遷移する。なおも、開閉部45を開く動作がおこなわれた場合、図14に示すように、上部レバー318は、操作軸300の移動軌跡上から外れる。これにより、操作レバー310は、操作軸300による押し上げから解放される。なおも、開閉部45を開く動作がおこなわれた場合、操作軸300は、操作レバー310と干渉せずに、操作レバー310の上方へ離間する。
【0050】
続いて、操作レバー310の折り畳み動作について説明する。図18は、操作レバー310の折り畳み動作を示す。開閉部45が開いているとき、操作レバー310が押し下げられた状態となってしまう場合がある。たとえば、開閉部45が開いているときに、ユーザーが手動で操作レバー310を押し下げてしまった場合などが考えられる。このような場合、開閉部45を閉じる動作をおこなってしまうと、図18に示すように、操作軸300は、上部レバー318の上部(位置P11)で、通常の位置(位置P21)に位置する上部レバーに接する。さらに、開閉部45を閉じる動作がおこなわれると、操作軸300は、下方に移動し、上部レバー318を、下方に向かって折り畳む。そして、操作軸300が位置P12に位置したときに、上部レバー318は、最も折り畳まれた位置(P22)に位置する。さらに、開閉部45を閉じる動作が行われることにより、操作軸300は、下部レバー320の上部(位置P13)で、下部レバー320を下方に押し下げる。このとき、上部レバー318は、操作軸300からの押し下げから解放され、トーションバネ322の反発力により、折り畳まれた位置(P22)から通常の位置(P21)に復帰する。これにより、感光体軸固定機構100は、図6、8、10、12に示したように、開閉部45が閉じているときの状態である、操作軸300が下部レバー320を下方に押さえつけている状態に復帰する。
【0051】
続いて、操作レバー310を固定する動作について説明する。図19は、操作レバー310を固定する動作を示す。図19に示すように、操作レバー310には、当該動作レバー310の回転動作に伴って、フレーム112に形成されているガイド穴114内を移動する、可動軸316が設けられている。これまでに説明したとおり、操作レバー310は、開閉部45を開く動作が行われることで、操作軸300の操作により、上方に回転する。これにより、可動軸316は、ガイド穴114内を、図19に示す矢印E方向に移動する。ここで、図19に示すように、フレーム112には、トーションバネ330が設けられている。トーションバネ330の一方のアームは、ガイド穴114の終端部分に突出している。これにより、ガイド穴114の終端部分においては、可動軸316が移動する空間幅が狭くなっている。このため、ガイド穴114の終端部分において、可動軸316は、ガイド穴114を狭くしているトーションバネ330の一方のアームを、ガイド穴114の外方向(図19に示す矢印F方向)に押し広げながら、矢印E方向に移動する。これにより、トーションバネ330は、圧されるとともに、トーションバネ330の一方のアームをガイド穴114の内側方向(図19に示す矢印G方向)へ移動させる反発力が生じる。この反発力により、可動軸316は、ガイド穴114の終端部分において、トーションバネ330の一方のアームによって押さえつけられる。したがって、可動軸316は、ガイド穴114の終端部分で固定される。すなわち、操作レバー310は、最も押し上げられた状態で固定される。このように、感光体軸固定機構100は、操作レバー310を最も押し上げられた状態で固定するため、開閉部45が開いているときに、操作レバー310が重力や振動などにより下方に動いてしまうことを防止する。
【0052】
一方、開閉部45を閉じる動作がおこなわれた場合、可動軸316は、ガイド穴114の終端部分から、矢印H方向に移動する。可動軸316は、ある程度矢印H方向に移動することで、トーションバネ330の一方のアームによる押さえつけから解放される。このとき、開閉部45の開閉における抵抗感がなくなるとともに、可動軸316の矢印H方向への移動が僅かに勢いを増すことで、可動軸316の動作系において機械的な動作音が発せられる。これにより、ユーザーに対して、触角的および聴覚的に操作感(いわゆるクリック感)を与えることができる。
【0053】
このように、本実施形態の感光体軸固定機構100によれば、トーションバネ322の弾力および反発力を利用して、押圧部材210によって緩やかに感光体軸4Bを押さえつける。このため、このような構成としないよりも、感光体ユニット3を固定する際に、感光体ユニット3に加わる衝撃をより抑えることができ、トナーが漏れ出すなどの不具合が生じてしまうことをより抑えることができうえ、感光体ユニット3をより確実に固定することができる。また、押圧部材210を平行移動させて開口104から待避させる。このため、このような構成とせずに、たとえば、押圧部材210を回転させて開口104から待避させる構成とするよりも、押圧部材210を移動させるために確保が必要な領域を小さくすることができる。これにより、感光体軸固定機構や、画像形成装置が大型化してしまうことを抑えることができる。
【0054】
本実施形態の画像形成装置1は、感光体ユニット3が収容される空間の右側の壁面(Y(+)側の壁面)および左側の壁面(Y(−)側の壁面)の双方に感光体軸固定機構100を設ける構成としたが、これに限らず、一方に感光体軸固定機構100を設ける構成としてもよい。本実施形態においては、押圧部材210を圧する弾性体の一例としてトーションバネ216を用いたが、これに限らず、他の弾性体を用いてもよい。また、本実施形態においては、操作レバー310を固定するための弾性体の一例としてトーションバネ330を用いたが、これに限らず、他の弾性体を用いてもよい。また、本実施形態においては、上部レバー318を圧する弾性体の一例としてトーションバネ322を用いたが、これに限らず、他の弾性体を用いてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1…画像形成装置、2…画像形成ユニット、3…感光体ユニット、4…感光体ドラム、4B…感光体軸、40…装置本体、45…開閉部、100…感光体軸固定機構、102…フレーム、104…開口、106…ガイド穴、112…フレーム、200…スライド部材、202…第一のスライド部材、204…第二のスライド部材、210…押圧部材、212…本体、214…回転軸、216…トーションバネ、400…補強部材、300…操作軸、310…操作レバー、312…本体部、314…回転軸、316…可動軸、318…上部レバー、320…下部レバー、322…トーションバネ、330…トーションバネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に設けられる感光体軸を支持する開口が設けられた第一のフレームと、
第一のフレームに対向して設けられた第二のフレームと、
前記第一のフレームと前記第二のフレームとの間に挟まれて設けられ、前記画像形成装置が有する開閉部の開閉動作に連動して、前記第一のフレームと前記第二のフレームとの間でスライドするスライド部材と、
前記スライド部材に支持された回転軸を有し、前記スライド部材とともにスライドすることによって、前記開口に保持された前記感光体軸に接触する押圧部材と
を備え、
前記押圧部材が前記感光体軸に接触した状態から、前記スライド部材がさらにスライドすることにより、
前記押圧部材は、
前記感光体軸に押されて回転するとともに弾性体を圧し、前記弾性体の反発力により、前記感光体軸を押さえつける
ことを特徴とする感光体軸固定機構。
【請求項2】
前記スライド部材は、
第一のスライド部材と第二のスライド部材とを有し、
前記押圧部材が前記感光体軸を押さえつけている状態から、さらに前記開閉部を閉じる動作がおこなわれた場合、
前記第一のスライド部材は、
さらにスライドせず、
前記第二のスライド部材は、
さらにスライドすることにより、前記弾性体をさらに圧する
ことを特徴とする請求項1に記載の感光体軸固定機構。
【請求項3】
前記第一のフレームおよび前記第二のフレームと前記スライド部材との間に生じた空間を埋める補強部材
をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の感光体軸固定機構。
【請求項4】
前記開閉部の開閉動作に伴って上下に可動する操作軸と、
上部レバーおよび下部レバーを有し、前記上部レバーと前記下部レバーとの間において、前記操作軸が前記下部レバーを下方に押し下げることによって、前記スライド部材を前記感光体軸を押さえつける方向にスライドさせ、前記操作軸が前記上部レバーを上方に押し上げることによって、前記スライド部材を、前記感光体軸を解放する方向にスライドさせる操作レバーと
をさらに備え、
前記上部レバーは、
当該上部レバーの上部において、前記操作軸が当該上部レバーを下方に押し下げた場合に、下方に向かって折り畳まれる
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の感光体軸固定機構。
【請求項5】
前記操作軸は、
前記操作レバーと接触する外周面が円弧状に形成されている
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の感光体軸固定機構。
【請求項6】
画像形成装置に設けられる感光体軸を支持する開口が設けられた第一のフレームと、
第一のフレームに対向して設けられた第二のフレームと、
前記第一のフレームと前記第二のフレームとの間に挟まれて設けられ、前記画像形成装置が有する開閉部の開閉動作に連動して、前記第一のフレームと前記第二のフレームとの間でスライドする第一のスライド部材と、
前記第一のスライド部材に支持された回転軸を有し、前記第一のスライド部材とともにスライドすることによって、前記開口に保持された前記感光体軸に接触する押圧部材と、
前記第一のスライド部材に対しスライド可能な第二のスライド部材と、
前記押圧部材をその反発力により前記感光体軸に押し付ける弾性体と、
を備え、
前記開閉部を閉じる動作によって前記第一のスライド部がスライドし、前記押圧部材が前記感光体軸に接触した状態から、さらに前記開閉部を閉じる動作がおこなわれた場合、
前記第一のスライド部材は、
さらにスライドせず、
前記第二のスライド部材は、
さらにスライドすることにより、
前記弾性体を圧する
ことを特徴とする感光体軸固定機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−180452(P2011−180452A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45811(P2010−45811)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】