説明

成膜装置

【課題】基板上に成膜される膜の膜厚の均一性を向上する。
【解決手段】基板200を搬送経路に沿って搬送する搬送コンベアと、搬送経路中に位置する成膜室100と、搬送経路に沿ってトンネル状に位置し、成膜室100を通過する基板200を取り囲んで加熱する加熱炉120とを備える。成膜室100は、筐体150と、この筐体150内に成膜材料を微粒子化した成膜ガスを噴霧する噴霧機構と、筐体150の1つの側壁に位置して成膜ガスを排気するための排気口とを有する。筐体150は、成膜室100を通過する基板200と対向する開放部を加熱炉120内に有する。成膜ガスは、成膜室100において、噴霧機構から開放部を通過して排気口に向けて流動する。開放部は、対向して通過する基板200の搬送方向と直交する方向において、基板200の幅に対して1.15倍以上1.4倍以下の幅を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成膜装置に関し、特に、微粒子化した成膜材料を堆積させて成膜する成膜装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体、ディスプレイおよび太陽電池などの分野で、透明導電膜が広く利用されている。透明導電膜としては、STO(チタン酸ストロンチウム)およびITO(Snドープ酸化インジウム)などの金属酸化物からなるものが主流である。透明導電膜は、一般的に、スパッタリング法、蒸着法、および、有機金属化合物を用いた有機金属化学気相成長法などを用いて成膜される。
【0003】
スパッタリング法および蒸着法においては、真空プロセスで成膜するため、真空容器などの真空雰囲気を形成して維持する設備が必要となる。有機金属化学気相成長法においては、原料として用いる有機金属化合物が爆発性および毒性を有するため、機密性の高い設備が必要となる。このため、上記の成膜方法を行なうためには、高価な成膜装置が必要となる。
【0004】
そこで、従来とは異なる成膜方法としてミスト法が提案されている。ミスト法は、原料金属を溶質として含む溶媒を霧化して基板上に噴霧することによって成膜する方法である。
【0005】
ミスト法においては、大気圧で成膜することができるため、真空容器およびポンプ類などの製造設備が不要である。また、ミスト法においては有機金属化合物のような危険物質を用いないため、簡易な構成で安価な成膜装置を使用することができる。
【0006】
複数のノズルを備える成膜装置を開示した先行文献として、特開2006−249490号公報(特許公報1)がある。特許公報1に記載された成膜装置においては、エアロゾルを噴射する噴射口を1箇所有するノズルを複数本備えている。各ノズルは互いに所定の隙間を介して配列されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−249490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ミスト法を用いて成膜する場合、基板の中央部と端部とにおいて付着するミストの量が不均一になりやすく、基板上に均一に成膜することが難しかった。
【0009】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、基板上に成膜される膜の膜厚の均一性を向上できる成膜装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に基づく成膜装置は、基板を搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、搬送経路中に位置する成膜室と、搬送経路に沿ってトンネル状に位置し、成膜室を通過する基板を取り囲んで加熱する加熱炉とを備える。成膜室は、筐体と、この筐体内に成膜材料を微粒子化した成膜ガスを噴霧する噴霧機構と、筐体の1つの側壁に位置して成膜ガスを排気するための排気口とを有する。筐体は、成膜室を通過する基板と対向する開放部を加熱炉内に有する。成膜ガスは、成膜室において、噴霧機構から開放部を通過して排気口に向けて流動する。開放部は、対向して通過する基板の搬送方向と直交する方向において、基板の幅に対して1.15倍以上1.4倍以下の幅を有する。
【0011】
本発明の一形態においては、噴霧機構が複数のスプレーノズルからなる。複数のスプレーノズルは、筐体内において、基板と対向して互いに間隔を置いて上記搬送方向と直交する方向に並んでいる。
【0012】
本発明の一形態においては、成膜室は、噴霧機構から噴霧された成膜ガスを上記搬送方向と直交する方向における基板の端部に向かわせる送風機構をさらに有する。開放部は、上記搬送方向と直交する方向において、基板の幅に対して1.15倍以上1.25倍以下の幅を有する。
【0013】
本発明の一形態においては、送風機構が圧縮空気を吐出するエアーノズルからなる。エアーノズルは、複数のスプレーノズルのうちの両端に位置するスプレーノズルを取り囲むように複数配置されている。
【0014】
本発明の一形態においては、噴霧機構は、成膜材料の溶液と圧縮空気との2流体を混合して噴霧する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、基板上に成膜される膜の膜厚の均一性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態1に係る成膜装置の構成を示す側面図である。
【図2】同実施形態に係る成膜装置に含まれる成膜室の構成を示す断面図である。
【図3】図2の成膜室を矢印III方向から見た図である。
【図4】同実施形態に係る成膜装置に用いたスプレーノズルの噴霧領域の外形を示す模式図である。
【図5】同実施形態に係るスプレーノズルの噴霧領域の長手方向における相対噴付強度を示すグラフである。
【図6】同実施形態に係るスプレーノズルの噴霧領域の短手方向における相対噴付強度を示すグラフである。
【図7】ピッチを100mmとして9つのスプレーノズルを各々の噴霧領域の長手方向が一列になるように配置した場合の噴霧領域の長手方向における比較噴付強度を示すグラフである。
【図8】ピッチを120mmとして14ヶのスプレーノズルを各々の噴霧領域の長手方向が一列になるように配置した場合の噴霧領域の長手方向における比較噴付強度を示すグラフである。
【図9】ピッチを150mmとして6つのスプレーノズルを各々の噴霧領域の長手方向が一列になるように配置した場合の噴霧領域の長手方向における比較噴付強度を示すグラフである。
【図10】同実施形態において各条件で成膜を行なった基板端部の電気抵抗値を検査した結果を示す表である。
【図11】本発明の実施形態2に係る成膜装置においてスプレーノズルの周囲に設けられたエアーノズルをスプレーノズルの吐出口側からスプレーノズルの本体側に向かって見た図である。
【図12】一列に配置された噴霧領域の長手方向における混合ミストの到達量の分布を示すグラフである。
【図13】搬送方向に直交する方向における基板のシート抵抗値の分布を示すグラフである。
【図14】本実施形態において各条件で成膜を行なった基板端部の電気抵抗値を検査した結果を示す表である。
【図15】膜厚とシート抵抗値との関係を示すグラフである。
【図16】膜厚と透過率との関係を示すグラフである。
【図17】膜厚とヘイズ率との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
まず、薄膜太陽電池などに用いられる透明導電膜の成膜に関して、膜厚が各種性能に与える影響について説明する。
【0018】
図15は、膜厚とシート抵抗値との関係を示すグラフである。図16は、膜厚と透過率との関係を示すグラフである。図17は、膜厚とヘイズ率との関係を示すグラフである。図15においては、縦軸にシート抵抗値(Ω/□)、横軸に膜厚(nm)を示している。図16においては、縦軸に透過率(%)、横軸に膜厚(nm)を示している。図17においては、縦軸にヘイズ率(%)、横軸に膜厚(nm)を示している。なお、図15〜17においては、基板と透明導電膜との間にアルカリバリア層を設けた場合を実線で、アルカリバリア層を設けていない場合を点線で示している。
【0019】
図15に示すように、透明導電膜の膜厚が大きくなるに従ってシート抵抗値が小さくなっている。図16に示すように、透明導電膜の膜厚が大きくなるに従って透過率が小さくなっている。図17に示すように、透明導電膜の膜厚が大きくなるに従ってヘイズ率が大きくなっている。シート抵抗値においては、透明導電膜の膜厚が同一であってもアルカリバリア層の有無により差が認められた。
【0020】
上記のように透明導電膜の膜厚は、薄膜太陽電池の性能に影響を及ぼす重要なファクターである。そのため、基板上に成膜される透明導電膜の膜厚は均一であることが望ましい。
【0021】
以下、本発明の実施形態1に係る成膜装置について説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。本実施形態においては、薄膜太陽電池などに用いられる透明導電膜の成膜を例に説明するが、本発明は様々な膜の成膜に応用可能である。
【0022】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る成膜装置の構成を示す側面図である。図2は、本実施形態に係る成膜装置に含まれる成膜室の構成を示す断面図である。図3は、図2の成膜室を矢印III方向から見た図である。
【0023】
図1に示すように、本発明の実施形態1に係る成膜装置10は、基板200が投入される投入部11と、基板200が予熱される予熱部12と、基板200が成膜処理される成膜部13と、基板200が冷却される徐冷部14と、基板200が取り出される取出し部15とを有している。
【0024】
図1から3に示すように、成膜装置10は、基板200を搬送経路に沿って搬送する搬送手段である搬送コンベア110を備える。搬送コンベア110は、投入部11、予熱部12、成膜部13、徐冷部14および取出し部15に亘って設けられている。
【0025】
搬送コンベア110は、基板200が載置される搬送ベルト111と、搬送ベルト111が巻き掛けられたプーリ112と、プーリ112を駆動させる駆動軸113と、駆動軸113に動力を付与する図示しないモータとから構成されている。搬送ベルト111は、耐熱性を有する金属または樹脂から形成されている。
【0026】
基板200は、搬送コンベア110により矢印114で示す方向に搬送される。すなわち、本実施形態に係る成膜装置10においては、基板200の搬送経路は平面視において直線状である。ただし、搬送経路は直線状に限られず、搬送経路が平面視において屈曲していてもよいし、曲線状であってもよい。
【0027】
また、成膜装置10は、搬送経路中に並ぶように位置する複数の成膜室100(100a,100b,100c,100d)を備える。具体的には、基板200の搬送方向の上流側から順に、成膜室100a、成膜室100b、成膜室100c、成膜室100dが設けられている。本実施形態においては、4つの成膜室100(100a,100b,100c,100d)が設けられているが、1つ以上の成膜室100が設けられていればよい。
【0028】
さらに、成膜装置10は、複数の成膜室100のうち隣接する成膜室同士を繋ぐように搬送経路に沿ってトンネル状に位置し、複数の成膜室100を順次通過する基板200を取り囲んで加熱する加熱炉120を備える。図3に示すように、筐体150の下部が、加熱炉120に覆われている。
【0029】
トンネル状の加熱炉120の上部に開口が設けられ、その開口内に筐体150が組み込まれている。加熱炉120は、4つの成膜室100(100a,100b,100c,100d)に亘って設けられている。加熱炉120は、基板200を予熱するために、基板200の搬送方向の上流側に位置する成膜室100aより上流側から設けられている。すなわち、加熱炉120は、予熱部12および成膜部13に亘って設けられている。
【0030】
基板200は、搬送コンベア110により加熱炉120内を搬送されつつ加熱される。基板200に成膜する際には、加熱炉120内は、ほぼ同一の温度、たとえば550℃に維持されている。
【0031】
本実施形態に係る成膜室100は、微粒子化した成膜材料160を基板200上に堆積させて成膜する装置である。図2に示すように、成膜室100は、筐体150と、筐体150内に成膜材料160を微粒子化した成膜ガスを噴霧する噴霧機構と、筐体150の1つの側壁に位置して成膜ガスを排気するための排気口152とを有している。
【0032】
図1に示すように、排気口152には、接続管310の一端が接続されている。接続管310の他端は、排気された成膜ガスを無害化処理するガス処理手段である除害装置300に接続されている。
【0033】
図2に示すように、筐体150は、キャリアガス170が導入される導入口151を有している。また、筐体150は、筐体150内を3つの空間に分割する仕切壁154を有している。第1の空間は、噴霧機構の一部が配置される噴霧機構配置空間158である。第2の空間は、噴霧機構から成膜ガスが噴霧される成膜ガス噴霧空間159である。第3の空間は、排気口152と繋がっている排気空間153である。
【0034】
筐体150は、成膜ガス噴霧空間159から成膜ガスを基板200上に流動可能とする、基板200と対向する開放部を有している。開放部は、筐体150の下部に形成されている。図1,3に示すように、開放部は、加熱炉120内に位置している。搬送コンベア110により搬送されている基板200と筐体150の開放部との間には、所定の隙間が設けられている。
【0035】
噴霧機構は、成膜材料160の溶液を貯留するタンク140と、タンク140内に圧縮空気を導入する図示しないコンプレッサーと、圧縮空気により加圧された成膜材料160の溶液が通過する通路141と、成膜材料160の溶液を微粒子化して成膜ガスとして噴霧するスプレーノズル130とから構成されている。筐体150には、スプレーノズル130の位置に対応して開口155が形成されている。
【0036】
スプレーノズル130は、成膜材料160の溶液と圧縮空気との2流体を混合してミスト状に噴霧する2流体スプレーノズルである。ここで、ミストとは、平均粒子経が0.1μm以上100μm以下の液滴が気体中に分散された状態のものをいう。ミストの平均粒子径は、液浸法によって算出された値とする。
【0037】
ただし、噴霧機構はスプレーノズル130に限られず、超音波を用いてミスト状の成膜ガスを発生させるものでもよい。超音波振動子によってミスト状の成膜ガスを発生させる場合、スプレーノズル130によりミスト状の成膜ガスを発生させる場合に比べて、ミストの平均粒子径を均一にできるため、発生させたミスト同士が基板200に到達する前に凝集することを抑制できる。
【0038】
図3に示すように、複数のスプレーノズル130は、筐体150内において、基板200と対向して互いに間隔を置いて基板200の搬送方向と直交する方向に並んでいる。図3においては、ピッチLpで3つのスプレーノズル130を配置しているが、スプレーノズル130の数は3つに限られず1つ以上であればよい。
【0039】
設けられるスプレーノズル130の数は、基板200の成膜処理の所望のタクトタイムを満たすために必要な単位時間当たりの成膜ガスの噴霧量、または、成膜処理を行なううえで必要な成膜速度に応じて適宜変更される。
【0040】
スプレーノズル130の吐出口と基板200の上面との間の距離Lhに対して加熱炉120の上端と基板200との間の距離は1/4Lhに設定されている。また、基板200の搬送方向と直交する方向において、基板200の幅Lsに対して、筐体150の開放部の幅はLに設定されている。スプレーノズル130から噴霧された成膜ガスは、筐体150内において開放部の幅L全体に拡散している。
【0041】
なお、後述する導入口151から導入されるキャリアガス170の一部は、スプレーノズル130を冷却するためにスプレーノズル130に対して送られる。スプレーノズル130にキャリアガス170を送るために、スプレーノズル130の近傍に図示しない冷却ファンが配置されている。
【0042】
スプレーノズル130は、冷却ファンにより空冷される。さらに、スプレーノズル130の近傍に、図示しない水冷用の冷却管が設けられている。冷却管内を冷却水が循環することによりスプレーノズル130が水冷される。
【0043】
このように、スプレーノズル130の近傍を冷却することにより、スプレーノズル130から噴き付けられる前の成膜材料160の溶液が沸点以下の温度まで冷却される。より好ましくは、成膜材料160の溶液が室温程度まで冷却される。
【0044】
この冷却により、成膜材料160の溶液中の溶媒がスプレーノズル130内において揮発することを抑制できるため、噴き付けられる成膜材料160の溶液の濃度を一定に保つことができる。また、スプレーノズル130内において成膜材料160の溶液中の溶媒が揮発することによる成膜材料160の固化を抑制できる。
【0045】
その結果、一定の濃度の成膜材料160を用いて成膜できるため、基板200上に成膜される膜の品質を安定させることができる。また、固化した成膜材料160によるスプレーノズル130の目詰まりを抑制することができる。
【0046】
成膜材料160の溶液としては、亜鉛、スズ、インジウム、カドミウムおよびストロンチウムからなる群より選択される無機材料の塩化物を、溶媒に溶解させた溶液を用いることができる。溶媒としては、水、メタノール、エタノールおよびブタノールなどを用いることができる。このような成膜材料160の溶液としては、たとえば、酢酸亜鉛を含む水溶液、酸化インジウム錫を含む水溶液および酸化錫を含む水溶液などを用いることができる。
【0047】
ただし、成膜材料160の溶液としてはこれに限られず、種々の溶液を用いることができる。成膜材料160の溶液の濃度は特に限定されないが、たとえば、0.1mol/L以上3mol/L以下の濃度である。
【0048】
ここで、筐体150内におけるガスの流動経路について説明する。まず、導入口151から、たとえば圧縮空気からなるキャリアガス170が筐体150の成膜ガス噴霧空間159内に導入される。成膜ガス噴霧空間159内に導入されたキャリアガス170は、矢印171で示す向きに流動する。キャリアガス170としては、たとえば、窒素、酸素、水素およびこれらの混合ガスを用いることができる。
【0049】
スプレーノズル130からミスト状の成膜ガスが、矢印161で示す向きに噴霧領域162中に噴霧される。ミスト状の成膜ガスとキャリアガス170とは、混合領域181において互いに混合されて混合ミストとなる。混合ミストは、矢印182で示す向きに流動して開放部に到達する。混合ミストは、開放部から基板200の主面上に噴き付けられる。成膜ガスを含む混合ミストが基板200上に噴き付けられる領域を、噴き付け領域Xと称する。
【0050】
噴き付け領域Xに到達した混合ミストは、基板200の主面に沿って流動する。具体的には、仕切壁154の一部であって基板200の主面と対向している対向面と、基板200の主面との間を矢印183で示す向きに混合ミストが流動する。混合ミストが矢印183で示す向きに流動する領域を、流路領域Yと称する。
【0051】
流路領域Yを通過した混合ミストは、排気空間153内を矢印184で示す向きに流動する。このように混合ミストが基板の主面上から排気口152に向かう領域を、排気領域Zと称する。排気空間153内を通過して排気口152に到達した混合ミストは、除害装置300により無害化されて排気ガス180として外部に放出される。なお、図2においては、除害装置300を図示していない。
【0052】
上記の噴き付け領域Xと流路領域Yと排気領域Zとから開放部が構成されている。成膜ガスは、複数の成膜室100(100a,100b,100c,100d)の各々において、噴霧機構から開放部を通過して排気口152に向けて流動する。
【0053】
なお、排気口152においては、導入口151から導入されるキャリアガス170の3倍〜10倍程度大きな流量で混合ミストを排気している。ただし、導入されるキャリアガス170の流量および混合ミストの排気流量は適宜設定される。
【0054】
図1に示すように、成膜室100aにおいて、矢印400で示すように成膜ガスが流動する。成膜室100bにおいて、矢印410で示すように成膜ガスが流動する。成膜室100cにおいて、矢印420で示すように成膜ガスが流動する。成膜室100dにおいて、矢印430で示すように成膜ガスが流動する。
【0055】
上記のように成膜ガスが流動している状態で、開放部の近傍を基板200が通過することにより、基板200が成膜処理される。本実施形態の成膜装置10においては、開放部の近傍を基板200が通過するように搬送コンベア110が設けられている。
【0056】
基板200は、搬送コンベア110により、複数の成膜室100(100a,100b
,100c,100d)の各々において、噴き付け領域X、流路領域Yおよび排気領域Z
を順に通過するように搬送される。基板200は、噴き付け領域X、流路領域Yおよび排気領域Zを通過する間に、主面上に成膜材料160の微粒子が堆積することにより成膜される。
【0057】
たとえば、基板200には、アルカリバリア層としてSiO2膜、および、透明導電膜
としてTCO(Transparent Conductive Oxide)などの複数の膜が形成される。なお、アル
カリバリア層は、基板200に含まれるアルカリ分によって太陽電池の性能低下を防止するためのものである。そのため、基板200がアルカリ分を多く含まない材質からなる場合、アルカリバリア層を形成しなくてもよい。
【0058】
このように基板200上に異なる種類の膜を形成する場合は、複数の成膜室100(1
00a,100b,100c,100d)において、種々の成膜ガスが用いられる。たと
えば、成膜室100aにおいてSiO2を成膜材料160とする成膜ガスを用い、成膜室
100bにおいてSnO2を成膜材料160とする成膜ガスを用いる。
【0059】
SnO2からなる透明導電膜を形成する場合には、加熱炉120内の温度は、450℃以上600℃以下であることが好ましく、520℃以上580℃以下であることがより好ましい。
【0060】
加熱炉120内の温度が450℃未満である場合、基板200上に付着した混合ミストの乾燥時間が長くなることにより成膜レートが著しく低下する。一方、加熱炉120内の温度が600℃より高い場合、混合ミストの一部において基板200上に到達する前に混合ミストに含まれる溶媒が揮発して成膜性能を失うことにより、基板200上に到達する混合ミストの量が低下して成膜レートが著しく低下する。
【0061】
また、スプレーノズル130の吐出圧力、キャリアガス170の流量および排気流量を適切に設定することにより、混合ミストを安定して基板200の上面に到達させることができる。
【0062】
上記の構成により発生した混合ミストにより基板200上に均一な膜を形成するためには、混合ミストを基板200上の全体に到達させる必要がある。
【0063】
図4は、本実施形態に係る成膜装置に用いたスプレーノズルの噴霧領域の外形を示す模式図である。図4に示すように、スプレーノズル130の噴霧領域162は、スプレーノズル130の吐出口から距離Lh離れた地点において、楕円形状の外形を有している。
【0064】
具体的には、長径の長さがLW、短径の長さがLTである楕円形状を有している。すなわち、噴霧領域162は、長径に平行な長手方向と、短径に平行な短手方向とを有している。図4中の0点は、長径と短径との交点であって、スプレーノズル130の中心の鉛直方向における直下の位置である。
【0065】
図5は、本実施形態に係るスプレーノズルの噴霧領域の長手方向における相対噴付強度を示すグラフである。図6は、本実施形態に係るスプレーノズルの噴霧領域の短手方向における相対噴付強度を示すグラフである。
【0066】
図5においては、縦軸に相対噴付強度(%)、横軸に噴霧領域の長手方向における0点からの位置(mm)を示している。図6においては、縦軸に相対噴付強度(%)、横軸に噴霧領域の短手方向における0点からの位置(mm)を示している。
【0067】
図5に示すように、Lh=300mmの地点においては、スプレーノズル130の噴霧領域162の長手方向における相対噴付強度は、0点から離れるに従って上昇して100%になった後、さらに0点から離れるに従って下降して0%になっている。
【0068】
図6に示すように、Lh=300mmの地点においては、スプレーノズル130の噴霧領域162の短手方向における相対噴付強度は、0点において100%であり、0点から離れるに従って下降して0%になっている。
【0069】
このように、噴霧領域162内において、スプレーノズル130の中心の直下より端部の方が成膜ガスの噴付強度が弱くなる。この傾向は、複数のスプレーノズル130を設けた場合にも同様である。
【0070】
図7は、ピッチを100mmとして9つのスプレーノズルを各々の噴霧領域の長手方向が一列になるように配置した場合の噴霧領域の長手方向における比較噴付強度を示すグラフである。図8は、ピッチを120mmとして14ヶのスプレーノズルを各々の噴霧領域の長手方向が一列になるように配置した場合の噴霧領域の長手方向における比較噴付強度を示すグラフである。図9は、ピッチを150mmとして6つのスプレーノズルを各々の噴霧領域の長手方向が一列になるように配置した場合の噴霧領域の長手方向における比較噴付強度を示すグラフである。
【0071】
図7〜9においては、縦軸に比較噴付強度(%)、横軸に、一列に配置された噴霧領域の長手方向における0点からの位置(mm)を示している。なお、比較噴付強度(%)は、上記の相対噴付強度が100%のときの噴付強度を100%として示している。
【0072】
図7〜9に示すように、Lh=300mmの地点においては、ピッチを120mmとしてスプレーノズルを配置した場合に、噴霧領域の長手方向における比較噴付強度が比較的均一になっていた。ただし、複数のスプレーノズル130を各々の噴霧領域の長手方向が一列になるように配置した場合、端部に配置されたスプレーノズル130の噴霧領域における成膜ガスの噴付強度が弱くなる。
【0073】
このように、複数のスプレーノズル130を用いて大型の基板200に成膜する場合、基板200の端部において形成される膜の厚さが薄くなり所望の膜特性を得られにくい。
【0074】
そこで、本実施形態の成膜装置10においては、筐体150の開放部が、対向して通過する基板200の搬送方向と直交する方向において、基板200の幅に対して1.15倍以上1.4倍以下の幅を有する。
【0075】
具体的には、下記の条件で実験を行なった結果から上記の条件を求めた。搬送方向において1.4mの長さを有し、搬送方向と直交する方向において1mの幅を有する基板200に対して成膜装置10を用いて成膜した。
【0076】
成膜材料160の溶液として、0.9mol/LのSnCl4・5H2Oと、0.3mol/LのNH4Fと、30体積%のHClと、2.5体積%のメタノールとを含む水溶液を用いた。この水溶液の沸点は、約70℃程度であった。
【0077】
第1の条件では、ピッチLpを140mmとして8ヶのスプレーノズル130を各々の噴霧領域162の長手方向が一列になるように配置して、開放部の幅Lbを1120mmとした。
【0078】
第2の条件では、ピッチLpを140mmとして9ヶのスプレーノズル130を各々の噴霧領域162の長手方向が一列になるように配置して、開放部の幅Lbを1260mmとした。
【0079】
第3の条件では、ピッチLpを140mmとして10ヶのスプレーノズル130を各々の噴霧領域162の長手方向が一列になるように配置して、開放部の幅Lbを1400mmとした。
【0080】
第4の条件では、ピッチLpを120mmとして9ヶのスプレーノズル130を各々の噴霧領域162の長手方向が一列になるように配置して、開放部の幅Lbを1080mmとした。
【0081】
第5の条件では、ピッチLpを120mmとして10ヶのスプレーノズル130を各々の噴霧領域162の長手方向が一列になるように配置して、開放部の幅Lbを1200mmとした。
【0082】
第6の条件では、ピッチLpを120mmとして11ヶのスプレーノズル130を各々の噴霧領域162の長手方向が一列になるように配置して、開放部の幅Lbを1320mmとした。
【0083】
第7の条件では、ピッチLpを100mmとして11ヶのスプレーノズル130を各々の噴霧領域162の長手方向が一列になるように配置して、開放部の幅Lbを1100mmとした。
【0084】
第8の条件では、ピッチLpを100mmとして12ヶのスプレーノズル130を各々の噴霧領域162の長手方向が一列になるように配置して、開放部の幅Lbを1200mmとした。
【0085】
第9の条件では、ピッチLpを100mmとして13ヶのスプレーノズル130を各々の噴霧領域162の長手方向が一列になるように配置して、開放部の幅Lbを1300mmとした。
【0086】
図10は、本実施形態において各条件で成膜を行なった基板端部の電気抵抗値を検査した結果を示す表である。図10においては、測定された電気抵抗値が、太陽電池として用いられる透明導電膜の所定の電気抵抗値に対して小さければgood、大きければbad、略同等であればacceptableと表記している。
【0087】
図10に示すように、開放部の幅Lbが、搬送方向と直交する方向における基板200の幅に対して、1.12倍である場合には搬送方向と直交する方向における基板200の端部の電気抵抗値が所定値より大きかった。
【0088】
開放部の幅Lbが、搬送方向と直交する方向における基板200の幅に対して、1.2倍である場合には搬送方向と直交する方向における基板200の端部の電気抵抗値が所定値と略同等もしくは小さかった。
【0089】
開放部の幅Lbが、搬送方向と直交する方向における基板200の幅に対して、1.26倍である場合には搬送方向と直交する方向における基板200の端部の電気抵抗値が所定値より小さかった。
【0090】
ただし、開放部の幅Lbが大きくなりすぎると成膜装置10が大型化して好ましくないため、開放部の幅Lbは、搬送方向と直交する方向における基板200の幅に対して、1.4倍以下であることが好ましい。
【0091】
上記の結果より、開放部の幅Lbが、搬送方向と直交する方向における基板200の幅に対して1.15倍以上1.4倍以下であれば、搬送方向と直交する方向における基板200の端部の電気抵抗値が太陽電池用の透明導電膜として使用可能な電気抵抗値となると考えられる。これは、搬送方向と直交する方向において、基板200上に略均一な膜厚で透明導電膜が形成されたためと考えられる。
【0092】
このように、開放部の幅Lbを、搬送方向と直交する方向における基板200の幅に対して1.15倍以上1.4倍以下とすることにより、基板200上の全体に略均一の膜厚の薄膜を成膜することができる。
【0093】
以下、本発明の実施形態2に係る成膜装置について説明する。なお、本実施形態に係る成膜装置は、送風機構を備える点のみ実施形態1に係る成膜装置10と異なるため、他の構成については説明を繰り返さない。
【0094】
(実施形態2)
図11は、本発明の実施形態2に係る成膜装置においてスプレーノズルの周囲に設けられたエアーノズルをスプレーノズルの吐出口側からスプレーノズルの本体側に向かって見た図である。
【0095】
図11に示すように、本発明の実施形態2に係る成膜装置においては、成膜室100は、噴霧機構から噴霧された成膜ガスを基板200の搬送方向と直交する方向における基板200の端部に向かわせる送風機構をさらに有する。
【0096】
本実施形態においては、送風機構は補完ガスとして圧縮空気を吐出するエアーノズル190からなる。ただし、送風機構は基板200の端部に成膜ガスを向かわせることができればよく、たとえば、キャリアガスを吐出するノズルでもよい。
【0097】
エアーノズル190は、各々の噴霧領域の長手方向が一列になるように配置された複数のスプレーノズル130のうちの両端に位置するスプレーノズル130を取り囲むように複数配置されている。そのため、両端に位置するスプレーノズル130から吐出されたミスト状の成膜ガスがエアーノズル190から基板200の端部に向けて吐出された圧縮空気により加速されて送られる。
【0098】
上記の第5の条件下において、エアーノズル190を設けた場合の効果を確認した。すなわち、ピッチLpを120mmとして10ヶのスプレーノズル130を各々の噴霧領域162の長手方向が一列になるように配置して、開放部の幅Lbを1200mmとした。
【0099】
図12は、一列に配置された噴霧領域の長手方向における混合ミストの到達量の分布を示すグラフである。図12においては、縦軸に基板200上への混合ミストの到達量(cc/min)、横軸に、1列に配置された噴霧領域の長手方向における中心からの位置(mm)を示している。
【0100】
図12に示すように、エアーノズル190から30L/minまたは40L/minの流量で圧縮空気を吐出させた場合、基板200の端部に到達する混合ミストの量が増加していることが確認された。
【0101】
図13は、搬送方向に直交する方向における基板のシート抵抗値の分布を示すグラフである。図13においては、縦軸にシート抵抗値(Ω/□)、横軸に搬送方向に直交する方向における基板の中心からの位置(mm)を示している。また、補完ガス流量が30L/minである場合を実線で、補完ガスを流していない場合を点線で示している。
【0102】
図13に示すように、エアーノズル190を設けていない場合は、基板200の端部におけるシート抵抗値が著しく増加している。これは、基板200の端部に十分な膜厚の薄膜が形成されていないことによる。
【0103】
一方、補完ガスとしてエアーノズル190から圧縮空気を吐出させた場合は、基板200の端部におけるシート抵抗値の増加が抑制されている。基板200の全体において、太陽電池として使用可能な透明導電膜が均一な膜厚で形成されていることが確認された。
【0104】
上記の第1の条件から第9の条件においても同様の実験を行なった。図14は、本実施形態において各条件で成膜を行なった基板端部の電気抵抗値を検査した結果を示す表である。図14においては、測定された電気抵抗値が、太陽電池として用いられる透明導電膜の所定の電気抵抗値に対して小さければgood、大きければbad、略同等であればacceptableと表記している。
【0105】
図10に示すように、開放部の幅Lbが、搬送方向と直交する方向における基板200の幅に対して、1.1倍である場合には搬送方向と直交する方向における基板200の端部の電気抵抗値が所定値より大きかった。
【0106】
開放部の幅Lbが、搬送方向と直交する方向における基板200の幅に対して、1.12倍である場合には搬送方向と直交する方向における基板200の端部の電気抵抗値が所定値と略同等であった。
【0107】
開放部の幅Lbが、搬送方向と直交する方向における基板200の幅に対して、1.2倍である場合には搬送方向と直交する方向における基板200の端部の電気抵抗値が所定値より小さかった。
【0108】
成膜装置の小型化の観点からは、開放部の幅Lbが、搬送方向と直交する方向における基板200の幅に対して1.25倍以下であることが好ましい。
【0109】
上記の結果より、開放部の幅Lbが、搬送方向と直交する方向における基板200の幅に対して1.15倍以上1.25倍以下であれば、搬送方向と直交する方向における基板200の端部の電気抵抗値が太陽電池用の透明導電膜として使用可能な電気抵抗値となる。
【0110】
このように本実施形態においては、開放部の幅Lbを、搬送方向と直交する方向における基板200の幅に対して1.15倍以上1.25倍以下とすることにより、基板200上の全体に略均一な膜厚の薄膜を成膜することができる。また、成膜室100を小型化して成膜装置をコンパクトにすることができる。
【0111】
なお、本実施形態においては、エアーノズル190を両端に配置されたスプレーノズル130の周囲のみに配置したが、エアーノズル190の配置はこれに限られず、たとえば、全てのスプレーノズル130の周囲に配置してもよい。その場合、両端に配置されたスプレーノズル130の周囲に配置されたエアーノズル190の流量を他のエアーノズル190の流量より多くすることにより、基板200上に均一な膜厚の薄膜を形成することができる。
【0112】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0113】
10 成膜装置、11 投入部、12 予熱部、13 成膜部、14 徐冷部、15 取出し部、100,100a,100b,100c,100d 成膜室、110 搬送コンベア、111 搬送ベルト、112 プーリ、113 駆動軸、120 加熱炉、130 スプレーノズル、140 タンク、141 通路、150 筐体、151 導入口、152 排気口、153 排気空間、154 仕切壁、155 開口、158 噴霧機構配置空間、159 成膜ガス噴霧空間、160 成膜材料、162 噴霧領域、170 キャリアガス、180 排気ガス、181 混合領域、190 エアーノズル、200 基板、300 除害装置、310 接続管、X 噴き付け領域、Y 流路領域、Z 排気領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、
前記搬送経路中に位置する成膜室と、
前記搬送経路に沿ってトンネル状に位置し、前記成膜室を通過する前記基板を取り囲んで加熱する加熱炉と
を備え、
前記成膜室は、筐体と、該筐体内に成膜材料を微粒子化した成膜ガスを噴霧する噴霧機構と、前記筐体の1つの側壁に位置して前記成膜ガスを排気するための排気口とを有し、
前記筐体は、前記成膜室を通過する前記基板と対向する開放部を前記加熱炉内に有し、
前記成膜ガスは、前記成膜室において、前記噴霧機構から前記開放部を通過して前記排気口に向けて流動し、
前記開放部は、対向して通過する前記基板の搬送方向と直交する方向において、前記基板の幅に対して1.15倍以上1.4倍以下の幅を有する、成膜装置。
【請求項2】
前記噴霧機構が複数のスプレーノズルからなり、
前記複数のスプレーノズルは、前記筐体内において、前記基板と対向して互いに間隔を置いて前記搬送方向と直交する方向に並んでいる、請求項1に記載の成膜装置。
【請求項3】
前記成膜室は、前記噴霧機構から噴霧された前記成膜ガスを前記搬送方向と直交する方向における前記基板の端部に向かわせる送風機構をさらに有し、
前記開放部は、前記搬送方向と直交する方向において、前記基板の幅に対して1.15倍以上1.25倍以下の幅を有する、請求項1または2に記載の成膜装置。
【請求項4】
前記送風機構が圧縮空気を吐出するエアーノズルからなり、
前記エアーノズルは、前記複数のスプレーノズルのうちの両端に位置するスプレーノズルを取り囲むように複数配置されている、請求項3に記載の成膜装置。
【請求項5】
前記噴霧機構は、前記成膜材料の溶液と圧縮空気との2流体を混合して噴霧する、請求項1から4のいずれかに記載の成膜装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−23767(P2013−23767A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163131(P2011−163131)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】