説明

扉装置

【課題】開放状態にある扉体の戸尻が扉枠に衝突するのを防止できる扉装置を提供する。
【解決手段】ヒンジの一端を扉枠に第1の支軸で回動可能に支持し、ヒンジの他端に扉体の戸尻を第2の支軸で回動可能に支持する。ヒンジの他端は、第1の支軸を中心として扉枠の内側の閉鎖支持位置と扉枠の外側の半開支持位置との間で回動する。扉体は、ヒンジが閉鎖支持位置にあるときに扉枠に対して閉鎖位置にあり、ヒンジが半壊支持位置にあるときに扉枠に対して半開位置にあるとともに手動で開放可能とする。ヒンジは駆動機構により回動させる。開放状態の扉体に無理な外力が加わって、ヒンジが半開支持位置から回動した場合、駆動機構によりヒンジを半開支持位置に強制的に戻し、開放状態にある扉体の戸尻が扉枠に衝突するのを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2軸構造のヒンジによって扉体を開閉する機構を有する扉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば一戸建てやマンションなどの住宅用玄関ドアなどに用いられる扉装置では、内側域に開口部を有する扉枠が建物側に設置され、この扉枠の開口部に扉体が開閉可能に設置されている。
【0003】
一般的に、扉体は、この扉体の戸尻が1軸のヒンジによって扉枠に回動可能に支持され、ヒンジの軸を支点として扉体の戸先側が開閉される。
【0004】
また、扉枠には開口部に臨む幅方向一側および他側に開口部の内方へ向けて開口する戸尻嵌込み凹部および戸先嵌込み凹部が形成され、扉体は扉枠の開口部の幅方向寸法より広い幅に形成され、この扉体の戸尻が扉枠の一側に対して2軸構造のヒンジによって支持された扉装置がある。
【0005】
この扉装置では、扉枠の戸尻嵌込み凹部内にヒンジの一端が第1の支軸によって回動可能に支持され、ヒンジの他端が第1の支軸を中心として戸尻嵌込み凹部内の閉鎖支持位置と扉枠の外側の半開支持位置との間で回動可能とするとともに、このヒンジの他端に扉体の戸尻を第2の支軸によって回動可能に支持している。
【0006】
そして、扉体の戸尻および戸先が扉枠の戸尻嵌込み凹部および戸先嵌込み凹部に挿入された位置が扉体の閉鎖位置となる。第1の支軸を中心としてヒンジの他端が閉鎖支持位置から半開支持位置に回動することにより、閉鎖位置の扉体が他側へ移動して扉体の戸尻が戸尻嵌込み凹部から外れるとともに扉枠の外側に移動してから、扉体が一側へ移動して扉体の戸先が戸先嵌込み凹部から外れて開放可能とする半開位置となる。また、第1の支軸を中心としてヒンジの他端が半開支持位置から閉鎖支持位置に回動することにより、半開位置の扉体が他側へ移動して扉体の戸先が戸先嵌込み凹部に挿入されるとともに扉体の戸尻が扉枠の内側に移動してから、扉体が一側へ移動して扉体の戸尻が戸尻嵌込み凹部に挿入して閉鎖位置となる。
【0007】
このように、扉体の閉鎖時には、扉体の戸先および戸尻とも扉枠の戸先嵌込み凹部および戸尻嵌込み凹部に嵌め込まれるため、ヒンジなどが外部に露出せず、扉体を扉枠から外すのを困難とし、防犯性に優れ、しかも、高級感を持たせることができる新しい開閉機構を採用した扉装置となっている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2007−262769号公報(第7−8頁、図1−3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した新しい開閉機構を採用した扉装置では、例えば開放状態にある扉体を半開位置まで自動的に閉じるドアクローザを備える場合、扉体をドアクローザで規制される最も開いた状態からさらに押し開こうとすると、扉体に連結されているドアクローザを介して扉体の戸尻が扉枠に近付く方向に移動し、あるいは、開放状態にある扉体の戸先側から外力が加わった場合、扉体の戸尻が扉枠に近付く方向に移動することがある。
【0009】
このように、扉体に通常の開閉操作以外の外力が加わって、扉体の戸尻が扉枠に近付く方向に移動することは、ヒンジが半開支持位置から閉鎖支持位置へ向けて回動してしまうことになる。
【0010】
このヒンジが半開支持位置から閉鎖支持位置へ向けて回動する際、扉体が半開位置にある場合には扉体の戸尻が扉枠に衝突することはないが、扉体が開放状態にある場合には扉体の戸尻が扉枠に衝突し、扉枠の外面に傷を付けてしまうなどの不具合が発生する。
【0011】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、開放状態にある扉体の戸尻が扉枠に衝突するのを防止できる扉装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1記載の扉装置は、内側域に開口部を有し、この開口部に臨む幅方向一側および他側に開口部の内方へ向けて開口する戸尻嵌込み凹部および戸先嵌込み凹部が形成された扉枠と、この扉枠の開口部の幅方向寸法より広い幅に形成され、前記戸尻嵌込み凹部および前記戸先嵌込み凹部に戸尻および戸先が挿入された位置を閉鎖位置とする扉体と、一端が前記扉枠の前記戸尻嵌込み凹部内に第1の支軸によって回動可能に支持され、他端が前記第1の支軸を中心として前記戸尻嵌込み凹部内の閉鎖支持位置と前記扉枠の外側の半開支持位置との間で回動可能とするとともにこの他端に前記扉体の戸尻を第2の支軸によって回動可能に支持し、前記第1の支軸を中心として他端が閉鎖支持位置から半開支持位置に回動することによって前記扉体を閉鎖位置から前記扉体の戸尻が前記扉枠の外側に移動するとともに前記扉体の戸先が前記戸先嵌込み凹部から外れて前記扉体を前記第2の支軸を中心として開放可能とする半開位置に移動させ、前記第1の支軸を中心として他端が半開支持位置から閉鎖支持位置に回動することによって前記扉体を半開位置から閉鎖位置に移動させるヒンジと、このヒンジを前記第1の支軸を中心として回動可能とする駆動機構と、前記ヒンジが半開支持位置にあることを検知する半開支持位置検知手段と、前記扉体の開閉状態を検知する開閉検知手段と、前記扉体の開放状態が検知されているときに前記ヒンジが半開支持位置にないことが検知された場合には、前記駆動機構により前記ヒンジを半開支持位置に移動させる制御部とを具備しているものである。
【0013】
請求項2記載の扉装置は、請求項1記載の扉装置において、前記扉体の開閉を操作する開閉操作部を具備し、前記制御部は、前記開閉操作部の操作に応じて前記駆動機構により前記ヒンジを半開支持位置および閉鎖支持位置に移動させるものである。
【0014】
請求項3記載の扉装置は、請求項1または2記載の扉装置において、報知手段を具備し、前記制御部は、前記扉体の開放状態が検知されているときに前記ヒンジが半開支持位置にないことが検知された場合、前記報知手段で報知させるものである。
【0015】
請求項4記載の扉装置は、請求項1または2記載の扉装置において、報知手段を具備し、前記制御部は、前記扉体の開放状態が検知されているときに前記ヒンジが半開支持位置にないことが検知され、かつ、前記駆動機構により前記ヒンジを半開支持位置に移動させる動作を一定時間しても前記ヒンジが半開支持位置にないことが検知されている場合、前記報知手段で報知させるものである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の扉装置によれば、開放状態の扉体に無理な外力が加わって、ヒンジが半開支持位置から回動した場合でも、駆動機構によりヒンジを半開支持位置に強制的に戻すことができるため、開放状態にある扉体の戸尻が扉枠に衝突するのを防止できる。
【0017】
請求項2記載の扉装置によれば、請求項1記載の扉装置の効果に加えて、駆動機構は、開閉操作部の操作に応じてヒンジを半開支持位置および閉鎖支持位置に移動させるため、扉体を半開位置と閉鎖位置との間で自動開閉できるとともに、開放状態にある扉体の戸尻が扉枠に衝突するのを防止する機構として兼用できる。
【0018】
請求項3記載の扉装置によれば、請求項1または2記載の扉装置の効果に加えて、扉体の開放状態が検知されているときにヒンジが半開支持位置にないことが検知された場合、報知手段でも報知するため、扉体に無理な外力を加えるのを止めさせ、開放状態にある扉体の戸尻が扉枠に衝突するのを防止しやすくできる。
【0019】
請求項4記載の扉装置によれば、請求項1または2記載の扉装置の効果に加えて、扉体の開放状態が検知されているときにヒンジが半開支持位置にないことが検知され、かつ、駆動機構によりヒンジを半開支持位置に移動させる動作を一定時間してもヒンジが半開支持位置にないことが検知されている場合、報知手段でも報知するため、扉体に無理な外力を加えるのを止めさせ、開放状態にある扉体の戸尻が扉枠に衝突するのを防止しやすくできるとともに、駆動機構に無理な負荷が加わるのを低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0021】
図3および図5において、例えば一戸建てやマンションなどの住宅用玄関ドアなどに用いられる扉装置11を示す。この扉装置11は、建物側に設置される扉枠12、およびこの扉枠12に対して開閉可能でかつ一側の戸尻13aおよび他側の戸先13bが扉枠12の内側に嵌まり込んだ状態を閉鎖位置とする扉体13を備えている。なお、扉体13の一面を室内(屋内)Aに臨む内面13c、扉体13の他面を室外(屋外)Bに臨む外面13dとして説明する。
【0022】
扉枠12は、幅方向一側であって戸尻側の枠部16、他側であって戸先側の枠部17、上部側の枠部18、床側の枠部19を有する縦長の四角形枠状に形成され、これら枠部16〜19の内側に人が出入り可能とする開口部20が形成されている。戸尻側の枠部16および戸先側の枠部17の互いに対向する内面には、室内A側および室外B側から開口部20の内方へ向けて突出する枠縁部21,21および枠縁部22,22が上下方向全域にわたって形成され、室内A側と室外B側の枠縁部21,21間および枠縁部22,22間に開口部20の内方へ向けて開口する戸尻嵌込み凹部23および戸先嵌込み凹部24が上下方向全域にわたって形成されている。
【0023】
扉体13は、扉枠12の開口部20の幅方向寸法より大きく、かつ戸尻嵌込み凹部23と戸先嵌込み凹部24との各奥側までの幅方向寸法より小さく形成されている。そして、扉体13は、図3(a)に示すように、戸尻13aおよび戸先13bが戸尻嵌込み凹部23および戸先嵌込み凹部24に嵌め込まれた位置を閉鎖位置としている。
【0024】
また、扉体13の戸尻13aは、扉体支持手段としての2軸構造のヒンジ27により扉枠12の戸尻側の枠部16に対して支持されている。このヒンジ27は、断面略C字形で、扉体13の上部の一部を除く上下方向の大部分に対応した長さに形成され、ヒンジ27の一端が戸尻側の枠部16の戸尻嵌込み凹部23内に第1の支軸28を支点として回動可能に軸支され、ヒンジ27の他端が扉体13の戸尻13aであって内面13c側の位置に第2の支軸29を介して回動可能に連結されている。
【0025】
ヒンジ27は、一端の第1の支軸28を支点として他端の第2の支軸29つまり扉体13の戸尻13aを、図3(a)に示す戸尻側の枠部16の戸尻嵌込み凹部23内に挿入させる閉鎖支持位置と、図3(b)に示す戸尻側の枠部16の室外B側に進出する半開支持位置との間で旋回移動する。そして、扉体13を開放する際には、図3(a)(b)の順に示すように、第1の支軸28を中心として他端の第2の支軸29が閉鎖支持位置から半開支持位置に回動することにより、閉鎖位置の扉体13を戸先13b側へ移動させて戸尻13aを戸尻嵌込み凹部23から外すとともに扉枠12の外側に移動させてから、扉体13を戸尻13a側へ移動させて戸先13bを戸先嵌込み凹部24から外して開放可能とする半開位置に移動させる。また、扉体13を閉鎖する際には、図3(b)(a)の順に示すように、第1の支軸28を中心として他端の第2の支軸29が半開支持位置から閉鎖支持位置に回動することにより、半開支持位置の扉体13を戸先13b側へ移動させて戸先13bを戸先嵌込み凹部24に挿入させるとともに戸尻13aを扉枠12の内側に移動させてから、扉体13を戸尻13a側へ移動させて戸尻13aを戸尻嵌込み凹部23に挿入させて閉鎖位置に移動させる。
【0026】
また、図5に示すように、扉枠12の戸尻側の枠部16内の上部には、ヒンジ27を閉鎖支持位置と半開支持位置との間で回動させて、扉体13を閉鎖位置と半開位置との間で自動開閉させる駆動機構32が配設されている。この駆動機構32は、駆動部としての開閉駆動モータ33、この開閉駆動モータ33の駆動力によってヒンジ27を閉鎖支持位置と半開支持位置との間で回動させる回動機構部34、この回動機構部34に組み込まれ開閉駆動モータ33からヒンジ27への駆動力伝達を接続/切断するクラッチ35を備えている。
【0027】
図2ないし図4に示すように、回動機構部34は、ヒンジ27の第1の支軸28を中心に回転するギヤ36、このギヤ36に噛合して回転するギヤ37を有し、このギヤ37に開閉駆動モータ33からの駆動力がクラッチ35を介して伝達される。
【0028】
駆動機構32には、ヒンジ27の半開支持位置を検知する半開支持位置検知機構39が組み込まれている。この半開支持位置検知機構39は、ギヤ37と一体に回転するカム40、このカム40の側部に軸41を支点として揺動可能に配置され先端にカム40の周面に当接するカムローラ42が回転自在に軸支されたカムレバー43、このカムレバー43と一体に揺動する作動片44、およびこの作動片44で動作される半開支持位置検知手段としての半開支持位置検知スイッチ45を備えている。この半開支持位置検知スイッチ45には、防湿および防水性の高いシールスイッチなどが用いられている。
【0029】
この半開支持位置検知機構39では、図2(a)および図3(b)(c)に示すように、ヒンジ27が半開支持位置に位置すれば、カム40の周面に設けられた窪み部40aにカムローラ42が係合してカムレバー43が揺動するとともに作動片44が半開支持位置検知スイッチ45をオンし、ヒンジ27が半開支持位置にあることを検知する。また、図2(b)(c)および図3(a)に示すように、ヒンジ27が半開支持位置以外に回動すれば、カム40の窪み部40aから外れた周面にカムローラ42が係合してカムレバー43が揺動するとともに作動片44が半開支持位置検知スイッチ45から離反して半開支持位置検知スイッチ45をオフし、ヒンジ27が半開支持位置にあることを検知する。
【0030】
また、図5に示すように、扉枠12の上部側の枠部18には、扉体13の閉鎖位置でロックおよびロック解除するロック機構48が配設されている。このロック機構48は、扉体13の閉鎖時において扉体13が閉鎖位置に移動することによってラッチがかかって自動的にロック状態となり、扉体13の開放時においてラッチロック解除ソレノイド(図6参照)の駆動でラッチによるロックを解除して扉体13の開放を可能とする。このロック機構48には、ワイヤ49の一端が連結され、このワイヤ49の他端側が引っ張り操作されることにより、ラッチロック解除ソレノイドの駆動無しにロック解除が可能になっている。
【0031】
図2および図3に示すように、ロック機構48には、扉体13の戸先13bが開放状態にあるか閉じた状態(閉鎖位置および半開位置を含む)にあるかを検知する開閉検知機構51が配設されている。この開閉検知機構51は、軸52を支点として揺動可能に配置され先端に扉体13の内面13cに当接可能とする検知ローラ53が回転自在に軸支された検知レバー54、およびこの検知レバー54で動作される開閉検知手段としての戸先戻り検知スイッチ55を備えている。検知レバー54は、先端の検知ローラ53が扉体13の内面13cへ向けて突出する方向に図示しないばねで付勢されている。戸先戻り検知スイッチ55には、防湿および防水性の高いシールスイッチなどが用いられている。
【0032】
この開閉検知機構51では、図3(a)(b)に示すように、扉体13の戸先13bが閉じた状態にあれば、扉体13の内面13cで検知レバー54が押動され、検知レバー54が戸先戻り検知スイッチ55から離反して戸先戻り検知スイッチ55をオフし、扉体13の戸先13bが閉じていることを検知する。また、図2(a)(b)(c)および図3(c)に示すように、扉体13の戸先13bが開放状態にあれば、ばね付勢によって検知レバー54が突出するように揺動して戸先戻り検知スイッチ55をオンし、扉体13の戸先13bが開放されていることを検知する。
【0033】
ロック機構48は、扉体13を閉鎖位置から半開位置に付勢する図示しない緊急開放用ばねを備え、ワイヤ49の他端側が引っ張り操作されることによって、ロックを解除するとともに、緊急開放用ばねの付勢で駆動機構32の開閉駆動モータ33の駆動無しに扉体13を閉鎖位置から半開位置に強制開放できるように構成されている。
【0034】
また、扉枠12の上部側の枠部18には、扉体13の開放を半開位置で規制するドアガード機構58が設けられている。このドアガード機構58は、閉鎖位置の扉体13の上面に対して進退可能とするとともに扉体13に係合する方向へ向けてばねで付勢されたドアガード軸59を備え、このドアガード軸59が扉体13の上面に係合することによって扉体13の開放を半開位置で規制する。ドアガード軸59側にはワイヤ60の一端が連結され、このワイヤ60の他端側が引っ張り操作されることにより、ばねの付勢に抗してドアガード軸59が閉鎖位置の扉体13から退避する。
【0035】
また、扉枠12の上部側の枠部18にはドアクローザ63が配設されている。このドアクローザ63は、アーム64を備え、このアーム64の一端が上部側の枠部18に軸65で回動可能に配置され、アーム64の他端の軸66が扉体13の上面に沿って所定の範囲でスライド可能でかつ回動可能に連結されている。そして、ドアクローザ63は、半開支持位置のヒンジ27の第2の支軸29を支点として手動開放された扉体13を閉じる方向に付勢して半開位置まで自動的に閉めるように構成され、さらに、図2(a)に示すように扉体13を全開した全開位置で開放を規制するとともにその全開位置で係脱可能に係止するように構成されている。
【0036】
また、扉枠12の戸先側の枠部17の戸先嵌込み凹部24の上下部にはガイド軸69が配設され、扉体13の戸先13bの上下面にはガイド軸69に係合するガイド溝70が設けられている。これらガイド軸69およびガイド溝70より、扉体13の戸先13bを戸先側の枠部17の戸先嵌込み凹部24に挿脱する際のガイドとなるとともに、閉鎖状態で扉体13の戸先13bを位置決め保持し、がたつきを防止できる。
【0037】
また、扉枠12の戸尻嵌込み凹部23および戸先嵌込み凹部24には、嵌め込まれた扉体13の内面13cおよび外面13dの両面にそれぞれ接触するパッキング73が配設されている。
【0038】
また、図5に示すように、戸先側の枠部17の室内A側には操作パネル76が取り付けられている。この操作パネル76には、扉体13の開閉を指示する開閉操作部77が配設され、この開閉操作部77の上側にドアガード機構58を操作するドアガードレバー78が配設され、開閉操作部77の下側に緊急解除レバー79が配設されている。
【0039】
開閉操作部77は、例えば押ボタンスイッチによって構成され、扉体13が閉鎖位置にあるときに操作すれば駆動機構32によって扉体13を半開位置に自動開放し、扉体13が半開位置にあるときに操作すれば駆動機構32によって扉体13を閉鎖位置に自動閉鎖する。
【0040】
ドアガードレバー78は、操作パネル76に対して上下方向にスライド操作可能に取り付けられ、ワイヤ60の他端が連結されている。そして、ドアガードレバー78を下側のドアガード解除位置に移動させることにより、ワイヤ60を介して、ドアガード軸59が扉体13から上方に退避するドアガード解除位置に移動する。また、ドアガードレバー78を下側のドアガード解除位置より上方のドアガード位置に移動させることにより、ワイヤ60を介して、ドアガード軸59が扉体13に係合するドアガード位置に移動する。
【0041】
また、緊急解除レバー79は、操作パネル76に対して上側の通常位置と下側の緊急解除位置との間で上下方向にスライド操作可能に取り付けられ、上部の通常位置に向けてばねで付勢されている。緊急解除レバー79にはワイヤ49の他端が連結されている。そして、緊急解除レバー79を下方の緊急解除位置へスライド操作することにより、ワイヤ49を介してロック機構48のロックが解除されるとともに、ドアガードレバー78がドアガード位置にある場合には、緊急解除レバー79の一部がドアガードレバー78の一部に係合してドアガードレバー78を強制的にドアガード解除位置に下降させるため、ロック機構48の緊急解除用ばねの付勢で扉体13を閉鎖位置から半開位置に移動させることができる。
【0042】
また、戸先側の枠部17の室外B側にも操作パネル82(図6参照)が取り付けられている。この操作パネル82には、扉体13の開閉を指示する開閉操作部83(図6参照)、および緊急解除用の図示しない緊急解除ダイヤルが配設されている。緊急解除ダイヤルは、ダイヤルキーの機能を有し、解錠することによって緊急解除ダイヤルの回動操作が可能となる。緊急解除ダイヤルにはロック機構48に一端が連結されたワイヤ49の他端が連結され、緊急解除ダイヤルの回動操作により、ワイヤ49を介して、ロック機構48のロックが解除される。
【0043】
次に、図6は扉装置11を制御するブロック図を示す。
【0044】
扉装置11を制御する制御部91には、室内A側の操作パネル76、室外B側の操作パネル82、駆動機構32、ロック機構48、およびドアガード機構58にそれぞれ配置されている各電気機器が接続されている。
【0045】
すなわち、室内A側の操作パネル76では、開閉操作部77、動作状態を表示する表示部92、操作に応じて発呼音を発するブザー93などが接続されている。
【0046】
室外B側の操作パネル82では、開閉操作部83、動作状態を表示する表示部95、操作に応じて発呼音を発する報知手段としてのブザー96などが接続されている。
【0047】
駆動機構32では、開閉駆動モータ33、駆動系を接続および遮断するクラッチ35、ヒンジ27の回動位置を検知するポテンショメータなどで構成されたヒンジ位置検知部98、ヒンジ27が半開支持位置にあることを検知する半開支持位置検知スイッチ45などが接続されている。
【0048】
ロック機構48では、ロック機構48のラッチロックを解除するラッチロック解除ソレノイド100、閉鎖位置に移動した扉体13の戸先13bを検知する戸先戻り検知スイッチ55、ロック機構48でラッチロックしたことを検知するラッチ検知スイッチ101などが接続されている。
【0049】
ドアガード機構58では、ドアガード軸59が扉体13に係合したドアガード位置にあることを検知するドアガードオン検知スイッチ103、ドアガード軸59が扉体13から退避したドアガード解除位置にあることを検知するドアガードオフ検知スイッチ104などが接続されている。
【0050】
そして、制御部91は、開閉操作部77,83の操作に応じて駆動機構32によりヒンジ27を半開支持位置および閉鎖支持位置に移動させる機能、扉体13の開放状態が検知されているときにヒンジ27が半開支持位置にないことが検知された場合には駆動機構32によりヒンジ27を半開支持位置に移動させる機能を有している。
【0051】
さらに、扉体13の開放状態が検知されているときにヒンジ27が半開支持位置にないことが検知された場合、ブザー96による発呼音で報知させる機能を有している。より具体的には、扉体13の開放状態が検知されているときにヒンジ27が半開支持位置にないことが検知され、かつ、駆動機構32によりヒンジ27を半開支持位置に移動させる動作を一定時間してもヒンジ27が半開支持位置にないことが検知される場合に、ブザー96による発呼音で報知させる機能を有している。
【0052】
次に、扉装置11の動作を説明する。
【0053】
図3(a)に示すように、扉装置11の扉体13が閉鎖位置にある場合、扉体13の戸尻13aおよび戸先13bが扉枠12の各枠部16,17の戸尻嵌込み凹部23および戸先嵌込み凹部24に嵌め込まれ、また、ロック機構48によって扉体13を閉鎖位置にロックしている。
【0054】
そして、人の出入り時における扉体13の開閉動作について説明する。このとき、扉体13がドアガード状態にある場合には、室内A側の操作パネル76のドアガードレバー78をドアガード解除位置に移動させ、ドアガード状態を解除しておく。
【0055】
扉体13が閉鎖位置にあれば、半開支持位置検知スイッチ45はオフ状態にあってヒンジ27が半開支持位置にないことを検知し、戸先戻り検知スイッチ55はオフ状態にあって扉体13の戸先13bが閉鎖状態にあることを検知している。さらに、ヒンジ位置検知部98でヒンジ27が閉鎖支持位置にあることを検知している。
【0056】
まず、閉鎖位置の扉体13を開くには、室内A側の開閉操作部77または室外B側の開閉操作部83を操作することにより、ロック機構48のラッチロック解除ソレノイド100の動作で扉体13のロックを解除し、駆動機構32のクラッチ35を接続するとともに開閉駆動モータ33を駆動し、閉鎖支持位置にあるヒンジ27を半開支持位置へ向けて旋回移動させる。
【0057】
このヒンジ27の半開支持位置へ向けた旋回移動により、まず、図3(a)に示す扉体13の閉鎖位置から、扉体13が戸先側へ移動し、扉体13の戸尻13aが戸尻側の枠部16の戸尻嵌込み凹部23から開口部20内に外れた後に、扉体13の戸尻13aが戸尻側の枠部16の室外B側に移動しながら、扉体13が戸尻側へ移動し、扉体13の戸先13bが戸先側の枠部17の戸先嵌込み凹部24から開口部20内に外れる。そして、図3(b)に示すように、ヒンジ27が半開支持位置に移動すると、半開支持位置検知スイッチ45がオンし、駆動機構32の開閉駆動モータ33の駆動を停止するとともにクラッチ35を切断する。
【0058】
このように、ヒンジ27が半開支持位置に旋回移動することにより、扉体13が閉鎖位置から半開位置に移動する。この扉体13が半開位置に移動しても、戸先戻り検知スイッチ55は扉体13の内面13cで押動されたオフ状態にあって扉体13の戸先13bが閉鎖状態にあることを検知している。
【0059】
そして、図3(c)に示すように、扉体13が半開位置にある場合、ヒンジ27の第2の支軸29を支点として扉体13を手動で開放できる。開放した扉体13は、全開位置まで開放しなければ、ドアクローザ63の作用により半開位置まで自動的に閉じる。また、半開位置から扉体13を開放させると、戸先戻り検知スイッチ55がオンして扉体13が開放されたことを検知し、駆動機構32のクラッチ35を接続してヒンジ27を半開支持位置に保持する。開放した扉体13が半開位置に閉じると、戸先戻り検知スイッチ55がオフして扉体13が半開位置に閉じたことを検知し、駆動機構32のクラッチ35を切断する。
【0060】
図2(a)に示すように、扉体13を全開位置まで開放した場合には、ドアクローザ63の係止機構により、扉体13の全開位置で開放を規制するとともに、自動的には閉じないように全開位置で係止する。この全開位置で係止された扉体13は、全開位置から閉じる方向に少し移動させてドアクローザ63の係止機構による係止を解除させれば、ドアクローザ63の作用により半開位置まで自動的に閉じる。
【0061】
また、半開位置の扉体13を閉じるには、室内A側の開閉操作部77または室外B側の開閉操作部83を操作することにより、戸先戻り検知スイッチ55がオフ状態にあって扉体13の戸先13bが閉鎖状態にあることを検知していることを条件に、駆動機構32のクラッチ35を接続するとともに開閉駆動モータ107を駆動し、ヒンジ27を半開支持位置から閉鎖支持位置へ向けて旋回移動させる。
【0062】
このヒンジ27の閉鎖支持位置へ向けた旋回移動により、まず、図3(b)に示す扉体13の閉鎖位置から、扉体13が戸先側に移動し、扉体13の戸先13bが戸先側の枠部17の戸先嵌込み凹部24に嵌り込み、扉体13の戸尻13aが戸尻側の枠部16より開口部20内の位置まで移動した後に、扉体13が戸尻側に移動し、扉体13の戸尻13aが戸尻側の枠部16の戸尻嵌込み凹部23に嵌り込む。そして、図3(a)に示すように、ヒンジ27が閉鎖支持位置に移動したことをヒンジ位置検知部98が検知すれば、駆動機構32の開閉駆動モータ33の駆動を停止するとともにクラッチ35を切断する。なお、ヒンジ27を半開支持位置から閉鎖支持位置へ向けて旋回移動を開始させた直後に、半開支持位置検知スイッチ45はオフ状態に切り換わってヒンジ27が半開支持位置にないことを検知する。
【0063】
このように、ヒンジ27が閉鎖支持位置に旋回移動することにより、扉体13が半開位置から閉鎖位置に移動する。この扉体13が閉鎖位置に移動することによってロック機構48のラッチがかかり、扉体13を自動的にロックする。
【0064】
また、扉体13の半開位置では、駆動機構32のクラッチ35を切断した状態にあるため、半開位置の扉体13を閉鎖位置に手動で移動させることができる。このように手動で扉体13を閉鎖位置に移動させた場合でも、扉体13が閉鎖位置に移動することによってロック機構48のラッチがかかり、扉体13を自動的にロックする。
【0065】
次に、図3(a)に示す閉鎖位置にある扉体13にドアガードをかける場合には、室内A側の操作パネル76のドアガードレバー78をドアガード解除位置から上側のドアガード位置に移動させることにより、ワイヤ60を介して、ドアガード機構58のドアガード軸59が扉体13の上面に係合し、扉体13のドアガード状態となる。
【0066】
この扉体13のドアガード状態で、室内A側の開閉操作部77を操作することにより、上述した扉体13の開放動作と同様に、扉体13を図3(b)に示す半開位置に移動させることができる。
【0067】
このドアガードがかかった扉体13の半開位置では、扉体13の戸先13bと戸先側の枠部17との間に生じる隙間を通じて、例えば、来訪者の確認や、比較的薄い郵便物などの受け渡しが可能となる。
【0068】
ドアガード状態でかつ半開位置にある扉体13を閉じる場合には、室内A側の開閉操作部77を操作することにより、上述した扉体13の閉鎖動作と同様に、扉体13を図3(a)に示す閉鎖位置に移動させることができる。
【0069】
扉体13のドアガード状態を解除する場合には、室内A側の操作パネル76のドアガードレバー78をドアガード位置から下側のドアガード解除位置に移動させることにより、ワイヤ60を介して、ドアガード機構58のドアガード軸59を扉体13から外し、扉体13のドアガード状態を解除する。
【0070】
次に、電気系統の故障などで、室内A側の開閉操作部77を操作しても、扉体13を開放することができない場合には、緊急解除レバー79を通常位置から緊急解除位置に押し下げ操作する。この緊急解除レバー79の操作により、ドアガードレバー78がドアガード位置にある場合には、緊急解除レバー79の一部がドアガードレバー78の一部に係合してドアガードレバー78をドアガード解除位置に移動させ、ワイヤ60を介して、ドアガード機構58のドアガード軸59を扉体13から外して扉体13のドアガードを解除し、さらに、ワイヤ49を介して、ロック機構48のロックを解除する。これにより、駆動機構32のクラッチ35は切断されているために、ロック機構48の緊急解除用ばねの付勢により、開閉駆動モータ33の駆動無しに、扉体13が半開位置に自動的に開放し、手動で扉体13を開放することができる。
【0071】
また、外出から帰宅したときに、電気系統の故障などで、室外B側の開閉操作部83を操作しても、扉体13を開放することができず、かつ室内Aに誰も居ないような場合(扉体13にドアガードがかかっていない)には、緊急解除ダイヤルを解錠して操作することにより、ワイヤ49を介して、ロック機構48のロックを解除する。これにより、駆動機構32のクラッチ35は切断されているために、ロック機構48の緊急解除用ばねの付勢により、開閉駆動モータ107の駆動無しに、扉体13が半開位置に自動的に開放し、手動で扉体13を開放することができる。
【0072】
次に、図2(a)に示すように全開位置まで開放された扉体13の戸尻13aが戸尻側の枠部16に衝突するのを防止する扉体衝突回避動作について、図1のフローチャートを参照して説明する。
【0073】
図2(a)に示すように全開位置まで開放された扉体13の戸尻13aが戸尻側の枠部16に衝突する理由は、全開位置まで開放された扉体13にさらに開放しようとする外力が加わった場合や、扉体13の戸先側から戸尻側へ向けて外力が加わった場合に、ドアクローザ63で開放が規制されているものの、図2(b)に示すように扉体13に加わった外力によってヒンジ27が半開支持位置から閉鎖支持位置へ向けて移動することにより、図2(c)に示すように扉体13の戸尻13aの端面が戸尻側の枠部16の外面に衝突することになる。
【0074】
そして、この扉体衝突回避動作では、まず、半開位置にある扉体13が開放されることにより、戸先戻り検知スイッチ55がオンして扉体13の開放を検知したら(ステップ1のYES)、駆動機構32のクラッチ35を接続してヒンジ27を半開支持位置に保持し(ステップ2)、ヒンジ27が半開支持位置からずれるのを防止する。
【0075】
扉体13が開放されている間は、ヒンジ27が半開支持位置にあるか否かを半開支持位置検知スイッチ45の状態から監視する(ステップ3)。
【0076】
ヒンジ27が半開支持位置にある状態で、扉体13が半開位置に閉じたことが検知されれば(ステップ1のNO)、駆動機構32のクラッチ35を切断する(ステップ4)。
【0077】
また、全開位置まで開放された扉体13にさらに外力が加わり、ヒンジ27が半開支持位置から閉鎖支持位置へ向けて移動すると、半開支持位置検知スイッチ45はオン状態からオフ状態に切り換わってヒンジ27が半開支持位置からずれたことを検知する(ステップ3のNO)。
【0078】
この検知に基づき、駆動機構32の開閉駆動モータ33を駆動し(ステップ5)、ヒンジ27を半開支持位置に戻すように強制的に移動させる。
【0079】
この駆動機構32の開閉駆動モータ33の駆動中は、予め設定された一定時間内に、ヒンジ27が半開支持位置に戻ったか否かを半開支持位置検知スイッチ45の状態から監視する(ステップ6、7)。
【0080】
予め設定された一定時間内に、ヒンジ27が半開支持位置に戻ったことを半開支持位置検知スイッチ45の状態から確認できたら(ステップ6のYES)、駆動機構32の開閉駆動モータ33の駆動を停止する(ステップ8)。
【0081】
扉体13に加わる外力が開閉駆動モータ33の駆動力より勝っているために、予め設定された一定時間が経過しても、ヒンジ27が半開支持位置に戻らないことを半開支持位置検知スイッチ45の状態から確認したら(ステップ6のNO)、室外側の操作パネル82のブザー96で発呼音を発生して報知する(ステップ9)。なお、表示部95でもエラー表示して報知するようにしてもよい。
【0082】
報知を受けた操作者が扉体13に対する外力を弱めたり解除すれば、開閉駆動モータ33の駆動によりヒンジ27を半開支持位置に戻すことができる。
【0083】
このように、開放状態の扉体13に無理な外力が加わって、ヒンジ27が半開支持位置から回動した場合でも、駆動機構32によりヒンジ27を半開支持位置に強制的に戻すことができるため、開放状態にある扉体13の戸尻13aが扉枠12に衝突するのを防止できる。
【0084】
しかも、駆動機構32は、開閉操作部77,83の操作に応じてヒンジ27を半開支持位置および閉鎖支持位置に移動させるため、扉体13を半開位置と閉鎖位置との間で自動開閉できるとともに、開放状態にある扉体13の戸尻13aが扉枠12に衝突するのを防止する機構として兼用できる。
【0085】
また、半開位置にある扉体13が開放されたら、駆動機構32のクラッチ35を接続してヒンジ27を半開支持位置に保持するため、ヒンジ27が半開支持位置からずれにくくし、開放状態にある扉体13の戸尻13aが扉枠12に衝突するのを防止できる。
【0086】
また、扉体13の開放状態が検知されているときにヒンジ27が半開支持位置にないことが検知され、かつ、駆動機構32によりヒンジ27を半開支持位置に移動させる動作を一定時間してもヒンジ27が半開支持位置にないことが検知されている場合、ブザー96で報知するため、扉体13に無理な外力を加えるのを止めさせ、開放状態にある扉体13の戸尻13aが扉枠12に衝突するのを防止しやすくできるとともに、駆動機構32に無理な負荷が加わるのを低減できる。
【0087】
なお、扉体13の内面13cおよび外面13dには、扉体13を開閉操作するための取手を設けてもよい。
【0088】
また、室外Bから扉体13を開く場合には、例えば指紋や顔などの生体認証や、非接触ICを用いた認証、あるいは携帯電話などに表示したQRコードの読み取り認証など、認証機能を持たせ、認証が確認されたら室外Bの操作パネル82に設けられている開閉操作部83の操作を受け付けるようにしてもよい。
【0089】
また、本実施の形態に挙げた扉装置の構造は一例に過ぎず、本内容は電動で自動開閉しまた手動による開閉も可能なドアであれば全てに対応できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の一実施の形態を示す扉装置の動作を扉体衝突回避動作のフローチャートである。
【図2】同上扉装置の扉体衝突回避動作を(a)(b)(c)に示す平面図である。
【図3】同上扉装置の扉体の開閉動作を(a)(b)(c)に示す平面図である。
【図4】同上扉装置の半開支持位置検知手段を示す斜視図である。
【図5】同上扉装置の室内側から見た正面図である。
【図6】同上扉装置のブロック図である。
【符号の説明】
【0091】
11 扉装置
12 扉枠
13 扉体
13a 戸尻
13b 戸先
20 開口部
23 戸尻嵌込み凹部
24 戸先嵌込み凹部
27 ヒンジ
28 第1の支軸
29 第2の支軸
32 駆動機構
45 半開支持位置検知手段としての半開支持位置検知スイッチ
55 開閉検知手段としての戸先戻り検知スイッチ
77,83 開閉操作部
91 制御部
96 報知手段としてのブザー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側域に開口部を有し、この開口部に臨む幅方向一側および他側に開口部の内方へ向けて開口する戸尻嵌込み凹部および戸先嵌込み凹部が形成された扉枠と、
この扉枠の開口部の幅方向寸法より広い幅に形成され、前記戸尻嵌込み凹部および前記戸先嵌込み凹部に戸尻および戸先が挿入された位置を閉鎖位置とする扉体と、
一端が前記扉枠の前記戸尻嵌込み凹部内に第1の支軸によって回動可能に支持され、他端が前記第1の支軸を中心として前記戸尻嵌込み凹部内の閉鎖支持位置と前記扉枠の外側の半開支持位置との間で回動可能とするとともにこの他端に前記扉体の戸尻を第2の支軸によって回動可能に支持し、前記第1の支軸を中心として他端が閉鎖支持位置から半開支持位置に回動することによって前記扉体を閉鎖位置から前記扉体の戸尻が前記扉枠の外側に移動するとともに前記扉体の戸先が前記戸先嵌込み凹部から外れて前記扉体を前記第2の支軸を中心として開放可能とする半開位置に移動させ、前記第1の支軸を中心として他端が半開支持位置から閉鎖支持位置に回動することによって前記扉体を半開位置から閉鎖位置に移動させるヒンジと、
このヒンジを前記第1の支軸を中心として回動可能とする駆動機構と、
前記ヒンジが半開支持位置にあることを検知する半開支持位置検知手段と、
前記扉体の開閉状態を検知する開閉検知手段と、
前記扉体の開放状態が検知されているときに前記ヒンジが半開支持位置にないことが検知された場合には、前記駆動機構により前記ヒンジを半開支持位置に移動させる制御部と
を具備していることを特徴とする扉装置。
【請求項2】
前記扉体の開閉を操作する開閉操作部を具備し、
前記制御部は、前記開閉操作部の操作に応じて前記駆動機構により前記ヒンジを半開支持位置および閉鎖支持位置に移動させる
ことを特徴とする請求項1記載の扉装置。
【請求項3】
報知手段を具備し、
前記制御部は、前記扉体の開放状態が検知されているときに前記ヒンジが半開支持位置にないことが検知された場合、前記報知手段で報知させる
ことを特徴とする請求項1または2記載の扉装置。
【請求項4】
報知手段を具備し、
前記制御部は、前記扉体の開放状態が検知されているときに前記ヒンジが半開支持位置にないことが検知され、かつ、前記駆動機構により前記ヒンジを半開支持位置に移動させる動作を一定時間しても前記ヒンジが半開支持位置にないことが検知されている場合、前記報知手段で報知させる
ことを特徴とする請求項1または2記載の扉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−281004(P2009−281004A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−132310(P2008−132310)
【出願日】平成20年5月20日(2008.5.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】