説明

手書き情報の伝送システム

【課題】
簡便にコミュニケーションをとることができる手書き情報の伝送システムを提供すること。
【解決手段】
デジタルペン11は、用紙12に筆記した手書き情報を取得し、手書き情報をデジタルペン11の識別情報と共に携帯電話13に対して送信する。携帯電話13は、モデムとして働き、デジタルペン11からの手書き情報及び識別情報をネットシステム15に対して送信する。ネットシステム15は、携帯電話13より送信された手書き情報を、受信したペンの識別情報が予め登録されたペンの識別情報が一致した場合にのみ指定された宛先に電子メールにより送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手書き情報の伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、誰もが普通に使っている紙とペンだけを用いて、離れた人にすぐメッセージを伝えたいという要望があった。この日常的な要望を簡単に実現することができなかったが、近年、ペン型の入力装置が開発されるに至った。このようなペン型の入力装置は多種多様であり、いずれの入力装置でも、専用ペンと特別な装置とによって入力が行われる。
その一例として、ペンの位置(座標)を検出する手段を備えたタブレットがある。このタブレットでは、専用ペンとタブレット面との接点の各時刻における座標値の時系列データにより手書き情報が表されている。タブレットの他に、光や超音波の送受信手段を備えたモジュールにより、専用のタブレットを使わずに通常の紙面やボード面上等でのペンの位置を検出する方式も提案されている。また、他の一例として、紙面等に特殊なパタンやマークを作り付け、これらのマークやパタンをペンで検出することによって、ペンの位置を検出する方式もある(特許文献1参照)。
【0003】
他方、携帯電話の発展と電子メールの普及により、携帯電話から簡単にメールを送ることができるようになった。この携帯電話のメール送受信機能は大変便利であるが、その反面、活字でのやり取りであるため、気持ちを正しく伝えにくいという側面がある。また、高齢者などは、携帯電話で文字を入力するのが難しく、デジタルデバイドと言われて便利な道具を有効に使えない人々も多く存在する。
【特許文献1】特開2002−259038号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、従来の手書き情報の伝送システムでは、ペンで紙を用いるのに比べて、デジタル製品を操作するのが難しいため、簡便にコミュニケーションをとることができないという問題点があった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、簡便にコミュニケーションをとることができる手書き情報の伝送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明にかかる手書き情報の伝送システムは、ペンと、前記ペンと通信可能に接続された端末と、前記端末と通信可能に接続された処理システムとを備えた手書き情報の伝送システムであって、前記ペンは、用紙に筆記した手書き情報を取得し、手書き情報を前記ペンの識別情報と共に前記端末に対して送信する手段を備え、前記端末は、前記ペンから送信された手書き情報及びペンの識別情報を受信する手段と、受信した前記手書き情報及びペンの識別情報を前記処理システムに対して送信する手段と、前記処理システムは、前記端末より送信された手書き情報とペンの識別情報を受信する受信手段と、ペンの識別情報を予め登録し格納する記憶手段と、前記受信手段により受信されたペンの識別情報と前記記憶手段に格納されたペンの識別情報が一致するかを判定する手段と、判定の結果、両者が一致した場合にのみ受信した手書き情報を指定された宛先に送信する送信手段を備えたものである。
【0006】
ここで、前記処理システムの送信手段は、手書き情報を画像情報に変換する手段と、指定された宛先に電子メールにより変換された画像情報を送信する手段を備えることが望ましい。
【0007】
前記処理システムの前記記憶手段は、さらに用紙に定義した領域情報を格納し、前記送信手段は、前記端末より受信した手書き情報と前記記憶手段に格納された領域情報に基づいて領域ごとに手書き情報を切り出し、特定の領域に筆記された情報のみ、指定された宛先に送信することが好ましい。
【0008】
本発明にかかる他の手書き情報の伝送システムは、ペンと、前記ペンと通信可能に接続された携帯電話機と、前記携帯電話機と通信可能に接続されたサーバーとを備えた手書き情報の伝送システムであって、前記ペンは、前記携帯電話機に対して当該ペンと前記サーバーとがデータ通信できる状態への設定要求を行う手段と、用紙に筆記した手書き情報を取得し、手書き情報を前記ペンの識別情報と共に前記携帯電話機に対して送信する手段を備え、前記携帯電話機は、前記設定要求に応じて前記ペンと前記サーバーとがデータ通信できる状態へ設定する手段と、前記ペンから送信された手書き情報及びペンの識別情報を受信する手段と、受信した前記手書き情報及びペンの識別情報を前記サーバーに対して送信する手段と、前記サーバーは、前記携帯電話機より送信された手書き情報とペンの識別情報を受信する受信手段と、ペンの識別情報を予め登録し格納する記憶手段と、前記受信手段により受信されたペンの識別情報と前記記憶手段に格納されたペンの識別情報が一致するかを判定する手段と、判定の結果、両者が一致した場合にのみ受信した手書き情報を指定された宛先に電子メールにより送信する送信手段を備えたものである。
【0009】
ここで、前記サーバーの送信手段は、指定領域に書いた手書き情報を画像情報とし、電子メールの添付ファイル機能を使って送信するとよい。
【0010】
好適な実施の形態によれば、前記ペンと前記携帯電話機間の通信は、Bluetooth方式により実行される。
【0011】
また、前記ペンにより筆記される用紙は確認領域を備え、前記サーバーは、前記ペンによって前記確認領域に筆記された場合に、このペンと通信可能に接続された携帯電話機に対して、メッセージ情報である手書き情報を画像情報として送信することが望ましい。
【0012】
前記ペンにより筆記される用紙は、宛先登録領域と、宛先を入力するための文字入力領域を備え、前記ペンは、手書き情報を時系列的に座標情報として送信する手段を有し、前記サーバーは、前記ペンによって前記宛先登録領域に筆記された情報から登録の識別情報を導出し、前記文字入力領域に筆記された情報から宛先アドレスを導出し、当該登録の識別情報と当該宛先アドレスを前記ペンの識別情報により特定される領域に登録することが望ましい。
【0013】
また、前記ペンにより筆記される用紙は、宛先削除領域を備え、前記サーバーは、前記ペンによって前記宛先削除領域に筆記された場合に、特定の宛先を削除する手段を備えるとよい。
【0014】
そして、前記ペンにより筆記される用紙は、取消領域を備え、前記サーバーは、前記ペンによって前記取消領域に筆記された場合には、当該取消領域に筆記したときよりも前に筆記した情報を無効とし、当該取消領域に筆記したときよりも後に筆記した情報を有効とする手段を備えるようにしてもよい。
【0015】
また、前記サーバーは、電子メールの受信機能を有し、受信した電子メールから、前記ペンの識別情報、手書き情報の送信先を特定する宛先情報を取得し、当該ペンの識別情報により特定される領域に宛先情報を格納するようにしてもよい。
【0016】
さらに、前記サーバーは、受信した電子メールの件名に登録を示す情報が含まれる場合は、前記ペンの識別情報により特定される領域に宛先情報を登録し、受信した電子メールの件名に削除を示す情報が含まれる場合には、前記ペンの識別情報により特定される領域の宛先情報を削除することが望ましい。
【0017】
また、前記ペンにより筆記される用紙は、ファクシミリ番号指定領域を備え、前記サーバーは、前記ペンによって前記ファクシミリ番号指定領域に筆記された場合には、前記手書き情報を指定されたファクシミリ番号にファックス送信する手段を有することが望ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、簡便にコミュニケーションをとることができる手書き情報の伝送システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。本実施形態においては、本発明に係る手書き情報の伝送システムの一例として、手書きされたメールを送受信する手書きメール伝送システムについて説明する。以下、この手書きメール伝送システムを単にシステムと略する。
【0020】
尚、以下、発明の実施の形態1,2において、本発明に係るシステムの概略構成について説明し、発明の実施の形態3,4,5において、本発明に係るシステムの具体構成について説明する。
さらに、発明の実施の形態6においては、発明の実施の形態3,4,5におけるシステムが行う具体的な処理動作の他の一例である。また、発明の実施の形態7,8においては、これらのシステムで用いられるアドレス登録フォーム、メール送信フォームの例について説明する。なお、発明の実施の形態9は、本発明に係るシステムの他の具体構成である。
【0021】
発明の実施の形態1.
図1の模式図に、本発明に係るシステムの概略構成の一例が示されている。図1に示すように、本発明に係るシステム1は、デジタルペン(以下、単にペンと略す)11、アノト用紙(以下、単に用紙と略す)12、第1の携帯電話13、第2の携帯電話14、ネットワークシステム(以下、ネットシステムと略す)15を備えている。各構成要素の詳細については、発明の実施の形態3,4,5において具体的に説明する。
【0022】
図1に示すように、本発明に係るシステム1において、ペン11は、ペンの識別情報であるペンIDとして「AJX−AAA−CZU−BP」が割り当てられ、当該ペン11の記憶手段に格納されている。ユーザーは、このペン11を用いて用紙12に文字、絵、図形、記号等を筆記する。このユーザーが筆記したデータと、ペンIDは、第1の携帯電話13を介して、ネットシステム15に送信される。ネットシステム15がこの手書き情報及びペンIDを受信すると、ネットシステム15内のアプリケーションプログラムは、ペンIDを取得し、手書き情報をこのペンIDと関連付けて所定の記憶手段に保存する。
【0023】
続いて、ペンIDが「AJX−AAA−CZU−BP」のペン11から、データの転送要求が第1の携帯電話13を介してネットシステム15に対して送信される。ネットシステム15は、アプリケーションプログラムによって、当該データの転送要求を受信し、ペンIDが「AJX−AAA−CZU−BP」に関連付けられて保存された手書き情報を、指定した通信相手である第2の携帯電話14に送信する。
【0024】
このように、本発明に係るシステム1においては、ペンIDと関連付けられた手書き情報のみを送信することができる。そのため、特定のペンIDと関連付けられた手書き情報と、他のペンIDと関連付けられた、他者が使用しているデータとが混同するのを回避することができる。さらに、他者から手書き情報がアクセスされたり他者の手書き情報へアクセスしたりすることを防止でき、データの秘匿性を高めることができる。
【0025】
発明の実施の形態2.
発明の実施の形態2においては、ペン11のペンIDに携帯電話13の電話番号をリンクさせた場合について概略的に説明する。
図2の模式図に、本実施形態におけるシステムの概略構成の一例が示されている。図2に示すように、本実施形態におけるシステム1は、発明の実施の形態1と同様の構成を有し、その詳細については、発明の実施の形態3,4,5において具体的に説明する。
【0026】
図2に示すように、本実施形態におけるシステム1において、ペン11は、ペンIDとして「AJX−AAA−CZU−BP」が割り当てられ、当該ペン11の記憶手段に格納されている。また、第1の携帯電話13の電話番号が「09011112222」であったとする。ユーザーは、このペン11を用いて用紙12に文字、絵、図形、記号等を筆記する。ユーザーが筆記した手書き情報とペンIDは、第1の携帯電話13を介して、ネットシステム15に送られる。
【0027】
ネットシステム15がこれらのデータを受信すると、ネットシステム15内のアプリケーションプログラムは、ペンIDを取得する。それとともに、ネットシステム15内のアプリケーションプログラムは、第1の携帯電話13の電話番号「09011112222」を取得し、受信した手書き情報を、取得したペンIDと携帯電話13の電話番号と関連付けて所定の記憶手段に保存する。
【0028】
ペンIDが「AJX−AAA−CZU−BP」のペン11から、電話番号が「09011112222」の第1の携帯電話13を介して、データの転送要求がネットシステム15内のアプリケーションプログラムに対して送信されたものとする。この場合、アプリケーションプログラムは、「AJX−AAA−CZU−BP」のペンID、「09011112222」の電話番号の双方と関連付けられて保存された手書き情報を、指定の第2の携帯電話14に送信する。
【0029】
このように、本実施形態のシステム1においては、ペン11からのデータを、ペンIDとともに第1の携帯電話13の電話番号と関連付けて(リンクして)保存している。それ故、特定のペン11及び特定の携帯電話13からのアクセスのみを有効とすることができる。従って、他者にペン11を貸した場合でも、他者が本人のデータにアクセスするのを防止することができる。これによって、このデータと他者が使用しているデータとが混同回避するのを回避することができるだけでなく、他者からの手書き情報へのアクセス、あるいは他者の手書き情報に対するアクセスを防止でき、データの秘匿性を高めることができる。
【0030】
発明の実施の形態3.
まず、図3を用いて、本発明に係るシステム1の全体構成について具体的に説明する。図3は、本発明に係るシステム1の具体構成の一例を示す模式図である。
【0031】
本発明に係るシステム1は、ペン11、用紙12、携帯電話13、携帯電話14及びネットシステム15を備えている。ネットシステム15では、携帯電話13と接続された携帯電話通信システム150、ASH(Application Service Handler)サーバー153、GPLS(Global Paper Look-up Service)サーバー154、携帯電話通信システム155が通信網であるインターネット156を介して相互に接続されている。携帯電話通信システム150は、相互に接続された携帯電話基地局151及びISP(Internet Service Provider)サーバー152を備えている。
【0032】
ペン11は、ユーザーが手書きによって入力するための入力手段である。さらに、ペン11は、用紙12に手書きで入力するために、超小型カメラ等の撮影手段を有する。ペン11は、携帯電話13と無線通信するためのBluetooth通信機能を有する。このペン11は、固有のペンID等、システム1がメール転送を行うための各種情報を記憶手段に格納している。
【0033】
ここで、図4を用いて、ペン11のハードウェア構成の概略について説明する。このペン11は、携帯電話やパーソナルコンピュータと、例えばBluetooth(登録商標)等を用いて無線により接続されるが、USB(Universal Serial Bus)等を用いて有線により接続されていてもよい。また、ペン11は、用紙12のパタン面121上に通常の方法で文字や絵、図等を手書きし、同時に手書きした情報をPCに送信する。パタン面121には、後述する特定の符号パタンが設けられている。
ペン11は、図4に示されるように、ボールペン110、筆圧センサ112、光学モジュール113、信号処理部115、制御部116、スイッチ117、メモリ118、バッテリー119及び通信制御部120を備えている。また、ペン11は、文字や図等を書くことができればよく、ペンの形に限らず、任意の形でもよい。
【0034】
ボールペン110は、筆記手段であり、一端にペン先111を有し、他端を筆圧センサ112と接触している。ボールペン110の内部には、インクが充填されている。このインクの材料や色は、用紙12上の符号パタンの読み取りに影響のないものであれば、特に限定されないが、赤外線を吸収するもの、例えば、カーボン等ではないことが好ましい。また、ボールペン110は、通常のボールペンと同様に、用紙12又は通常の用紙にも、文字等を書くことができる。さらに、ボールペン110は、ボールペンに限らず、蛍光ペン、サインペン、万年筆等でもよい。
【0035】
筆圧センサ112は、ボールペン110と接触しており、例えば、信号処理部115と接続されている。筆圧センサ112は、後述するようにボールペン110の筆圧を検出し、信号処理部115へ出力する。また、筆圧センサ112は、ボールペン110の筆圧を検出できるものであればよく、圧力センサ等の接触型センサでもよいし、光センサや超音波センサ等の非接触型センサでもよい、非接触型センサであれば、ボールペン110とは接触しなくてもよい。さらに、筆圧センサ112は、筆圧に限らず、ボールペン110のインクの量などを検出してもよい。
【0036】
光学モジュール113は、例えば、信号処理部115と接続されている。光学モジュール113は、後述するようにペン先111の近傍である検出範囲114の符号パタンを光学的手段により検出し、信号処理部115へ出力する。また、光学モジュール113は、検出範囲114の符号パタンを検出できるものであればよく、例えば、CMOSカメラ、CCDカメラ、発光素子と受光素子等でもよい。さらに、光学モジュール113は、符号パタンに限らず、ペン先111とパタン面の距離や、ボールペン110の角度などを検出してもよい。尚、光学モジュール113は、ペン先111がパタン面から約5mm離れていても符号パタンを検出できる性能を備えていることが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0037】
信号処理部115は、例えば、筆圧センサ112、光学モジュール113、制御部116及びメモリ118と接続されている。信号処理部115は、後述するように正規化部やデコーダ部、ADC等を備えており、筆圧センサ112の検出信号をデジタル信号に変換したり、光学モジュール113の検出信号を復号したりする。また、信号処理部115は、変換・復号した信号を制御部116やメモリ118へ出力する。
【0038】
制御部116は、例えば、信号処理部115、スイッチ117及びメモリ118と接続されている。制御部116は、例えば、スイッチ117のON/OFFに応じて、ペン11全体の電源のON/OFFを制御してもよい。また、制御部116は、信号処理部115からの信号等をメモリ118へ出力する。
スイッチ117は、例えば、制御部116と接続されている。スイッチ117は、電源スイッチでもよいし、筆圧センサ112や光学モジュール113の検出のためのスイッチ、通信制御部120が通信するためのスイッチ等としてもよい。
【0039】
メモリ118は、例えば、信号処理部115及び制御部116と接続されている。メモリ118は、後述するように信号処理部115や制御部116から入力された情報を格納し、格納した情報を通信制御部120へ出力する。メモリ118は、信号処理部115や制御部116から入力された情報を記憶できるものであればよく、RAMやEEPROM、メモリーカード等でもよい。
バッテリー119は、ペン11の各要素に動作電力を供給するものである。バッテリー119は、乾電池等の一次電池でもよいし、リチウムイオン電池等の二次電池でもよく、さらに、別の装置やUSB等の電力供給能力を有するインタフェースでもよい。
【0040】
通信制御部120は、例えば、メモリ118と接続されている。通信制御部120は、後述するようにメモリ118から入力された情報を、無線あるいは有線通信によりPC等へ送信する。通信制御部120は、PC等と通信接続できるものであればよく、無線接続の場合、Bluetooth等による通信を可能とする通信制御回路や無線アンテナ等でもよいし、有線接続の場合、USB等による通信を可能とする通信制御回路や通信ポート等でもよい。尚、上述したそれぞれの構成要素は、その具体的方式や実現手段は特定のものに限定されない。
【0041】
図5に、ペン11に設定された情報の一例が示されている。図5に示すように、ペン11内部には、例えば、ペン11に設定できる情報200として個人情報210、ISP設定情報220が設定されている。個人情報210は、このペン11を使用するユーザーに関する情報である。その一例として、ユーザーの名前211、第1の携帯電話13のメールアドレス212、第1の携帯電話13の電話番号213、フィードバック言語214等がある。
ISP設定情報220は、ISPに接続するために必要な情報であり、データ通信のためにISPサーバー152に接続する場合に使用される。その一例として、電話番号221、ユーザー名222、パスワード223、DNSアドレス224等がある。
【0042】
用紙12は、アノト方式のデジタイジング方式が採用された電子ペーパーの一例である。この方式は、スウェーデンの会社であるAnoto社が開発したデジタイジング方式である。具体的には、アノト方式では、用紙に0.3mmの格子の交点から僅かにずらして点を印刷し、この点をペン11に設けられた超小型カメラによって撮影する。アノト方式では、6点×6点つまり36個の点の格子からのずれ方により、絶対座標を算出するデジタイジング方式である。
用紙12は、筆記面であるパタン面121に符号パタン122が印刷されている。また、用紙12は、紙に限らず、木やプラスチック板、ガラス等でもよい。
【0043】
符号パタン122は、図6に示すように、格子状に配置された複数のドット123から構成されている。ドット123は、光学モジュール113で認識できればよく、人間の視覚により認識できなくてもよいし、例えば、カーボンインク等により印刷されていてもよい。例えば、ドット123の直径は0.1mmであり、格子の間隔は0.3mmであるが、その他の任意の値でもよい。
図6に示すように、ドット123は、格子の位置から上下左右にずれて配置されてもよい。例えば、上下左右にずれたドット123にそれぞれ、"0"、"1"、"2"、"3"と4つの符号、つまり2進数における2ビットの符号と等価となる。例えば、パタンの符号語が、縦×横で6×6の符号とすると、6×6×2ビット、つまり符号語当たり72ビットの値を表すことができる。
そして、この符号パタン122によって示される唯一の符号パタンからX軸座標及びY軸座標の座標データを表すことにより、用紙12の絶対的な位置等を検出することができる。また、符号パタン122は、座標データに限らず、用紙12の情報を含んでいてもよい。尚、符号パタン122は、ペン先111の位置座標を検出できるものであれぱ特定の符号方式・符号パタンおよびその記録方法やパタンの検出方法には制限されるものではない。
【0044】
ペン11は、毎秒50枚から70枚の画像を撮影し、その時の座標値を送信する。用紙12には、異なった座標空間の点列を印刷することにより、用紙12の区別を絶対アドレスで行うことができる。これを利用して、ペーパールックアップという機能が実現されている。この機能は、ペンから送られてきた用紙の座標データを分析し、絶対アドレスから用紙12にアサインしたアプリケーションを特定する。これにより、紙とペンだけでアプリケーションを特定することができるため、今までのように用紙(内容)によってアプリケーションを切り替えるという必要がなくなる。
【0045】
携帯電話13,14は、データ転送に使用される通信端末の一例である。この通信端末は、携帯電話に限定する必要はなく、ネットシステム15との通信機能を有する端末であればよい。また、携帯電話13は、ペン11と無線通信するためのBluetooth通信機能を有する。
ネットシステム15は、携帯電話13,14間において、ペン11によって手書きされたデータを転送するシステムである。具体的には、このネットシステム15は、携帯電話基地局151、第2の携帯電話通信システム155、ASHサーバー153、GPLSサーバー154、ISPサーバー152、インターネット156を有する。
携帯電話通信システム150は、NTTDocomo(登録商標)やAU(KDDI)(これらは登録商標である)、Vodafone(登録商標)のような携帯電話13,14を使った通信サービスを提供している会社のシステムである。携帯電話基地局151は、第1の携帯電話13の無線通信を中継する中継基地である。携帯電話通信システム155は、携帯電話通信システム150と同様の通信サービスを提供する会社のシステムである。
【0046】
ASHサーバー153は、アプリケーションプログラムを適宜RAM上にロードし、当該アプリケーションプログラムに従った処理をCPUが実行することにより、ペン11のペンIDごとに情報の管理を行う。図7に、ASHサーバー153においてアプリケーションプログラムが管理する管理情報の一例が示されている。
ASHサーバー153は、例えば、管理情報250としてペンID251を保持している。ペンID251の下位には、個人情報252、登録メールアドレス253が配置されている。個人情報252には、ペン11の内部情報の個人情報から読み出された名前211、メールアドレス212、フィードバック言語214が、名前261、メールアドレス262、フィードバック言語263にそれぞれ設定される。登録メールアドレス253に、送信先メールアドレス271〜275が個別に設定される。
【0047】
ASHサーバー153のアプリケーションプログラムは、ペン11から携帯電話13、携帯電話通信システム150、インターネット156を介して取得したペンIDを参照し、管理情報として記憶手段に格納されたペンID251との照合を行う。両ペンIDが合致した場合には、ペンID251と関連付けられた個人情報252、登録メールアドレス253を利用することができる。また、携帯電話番号は、使用する第1の携帯電話13がデータ転送のためにダイヤリングを行うときにネットシステム15に伝えられ、ASHサーバー152のアプリケーションで参照することにより特定することが可能である。
インターネット156は、通信網の一例である。ASHサーバー153、GPLSサーバー154、ISPサーバー152は、このインターネット156に接続され、インターネット156を介して相互に通信する。
【0048】
次に、本発明に係るシステム1の動作処理について説明する。ここでは、適宜図8を参照しながら説明する。
利用者は、各種情報が設定されたペン11を使い、図8に示される用紙12にメッセージや相手先のアドレス情報等の各種記入事項を手書きする。用紙12には、図8に示されるように、様々な機能を表す表記が印刷されている。
利用者は、この記入後、用紙12の送信領域306の「送信」マークをチェックする。このような用紙12への記入の詳細については、後述する。
【0049】
利用者が「送信」マークをチェックすると、ペン11と第1の携帯電話13とは、Bluetooth規格で規定されたDUN(Dial Up Network) Profileを使用して通信を行う。具体的には、ペン11は、第1の携帯電話13とペアリングされており、無線通信可能な状態にある。ペン11は、この状態で、第1の携帯電話13とBluetooth通信を開始する。ペン11は、モデムコマンドを第1の携帯電話13に送り、この第1の携帯電話13に対して、その内部に格納している電話番号情報を送信する。第1の携帯電話13は、この電話番号の情報を受信して、電話番号情報により特定された電話番号に発信する。また、発信対象の電話番号は、携帯電話会社のサービスであるデータ通信用電話番号にあらかじめ設定されている。
【0050】
第1の携帯電話13は、ISPサーバー152に接続し、ペン11とISPサーバー152とは、定められた手順で情報交換を行う。これによって、第1の携帯電話13は、自分が利用する第1の携帯電話通信システム150の携帯電話基地局151を介して、インターネット156に接続する。ペン11は、第1の携帯電話13、携帯電話基地局151、ISPサーバー152、インターネット156を介して、用紙12にアサインされたアドレス情報をGPLSサーバー154へ送信する
GPLSサーバー154は、ペン11のペンIDをペン11から取得し、GPLSサーバー154に登録されていることを確認する。その後、GPLSサーバー154は、ペン11から送られた用紙12の「アドレス情報」を参照する。GPLSサーバー154は、このアドレスに定義されたASHサーバー153のURLをペン11に返送する。
【0051】
ペン11は、GPLSサーバー154から送られてきたURLに、ペン11内部に取り込んだデータ、即ちペン11のメモリ118に格納されたデータを送信する。このデータは、第1の携帯電話13、第1の携帯電話通信システム150、インターネット156を介して、ペン11からASHサーバー153に送信される。ASHサーバー153は、ペン11から送られてきたデータを分析する。このデータを分析したASHサーバー153は、メッセージの送り先を特定するアドレス情報と、手書きされたメッセージ情報(筆記情報)とを生成する。
【0052】
ASHサーバー153は、テキストメールを作成した後、メッセージ情報をテキストメールに添付し、第2の携帯電話システム155に送信する。第2の携帯電話通信システム152は、ASHサーバー153からのメールを受信し、指定されたメールアドレスを有する第2の携帯電話14にメール配信を行う。第2の携帯電話14は、ASHサーバー153からメールを受信すると、添付されたイメージ情報を選択して表示する。その結果、ペン11で用紙12に筆記した手書きイメージが、指定した第2の携帯電話14に送られ、表示される。
【0053】
続いて、図8を用いて、ペン11を用いた用紙12への記入について詳細に説明する。図8は、メール送信フォームからなる用紙12の一例を示す模式図である。
図8に示すように、メール送信フォーム30は、開始領域301、送信先指定領域302、メッセージ記入領域303、背景色指定領域304、ペン色選択領域305、送信領域306、後送信領域307、確認選択領域308を有する。
【0054】
開始領域301は、「開始」マークから構成されている。送信先指定領域302は、「1」〜「5」の数字マークが印刷された送信先選択領域309、「全員」マークの全員選択領域310、「自分」マークの自分選択領域311から構成されている。メッセージ記入領域303は、枠で囲まれた空欄から構成されている。背景色指定領域304は、「白」、「黄色」等の文字が印刷されたマークから構成されている。ペン色選択領域305は、「標準」、「赤」等の文字が印刷されたマークから構成されている。送信領域306は、「送信」のマークから構成されている。後送信領域307は、「後で送信」と印刷されたマークから構成されている。確認選択領域308は、「確認」マークから構成されている。
【0055】
利用者は、ペン11を用いて開始領域301をチェックしてメール作成を開始する。それとともに、利用者は、メールを送信する相手を指定するために、メッセージを送りたい相手を、送信先指定領域302の中の番号から選び、ペン11でチェックする。このとき、利用者が送信先選択領域309にある全員選択領域310をペン11でチェックしておくと、ASHサーバー153のアプリケーションプログラムは、登録された全員にメッセージを送る。
利用者は、ペン11を用いて、メールで送りたいメッセージをメッセージ記入領域303に筆記する。このとき、利用者は、メッセージの背景に色を設定したい場合、背景色指定領域304にある色指定領域をペン11でチェックすることができる。また、利用者は、送信するメッセージ作成にペンの色を指定したい場合には、ペン色選択領域305をペン11でチェックしてもよい。
【0056】
利用者は、メッセージを送信するために、送信領域306をペン11でチェックする。その後、メッセージ記入領域303に筆記されたデータは、上記のデータ送信後、ASHサーバー153のアプリケーションプログラムによって、指定したペンの色でメッセージが作成される。ペン11は、送信領域306がチェックされると、第1の携帯電話13を介してネットシステム15に手書き情報を送信する。
ASHサーバー153は、ペン11からペンID、個人情報と、手書き情報を受信すると、送信メールを作成する。具体的には、ASHサーバー153は、メールの送信アドレスを、送信先指定領域302にチェックされた情報から登録番号を導出し、ペンIDに従って登録されているアドレスに設定する。
【0057】
ASHサーバー153は、送信者アドレスに、個人情報に設定されているメールアドレスを設定する。メール本文に、メッセージ記入領域303に記載したデータの一時保存先としてURLを挿入する。同時に、メッセージ記入領域303に記載したデータを画像データに変換し、メールに添付ファイルとして挿入し、第2の携帯電話14にメール送信する。
メールを受信した第2の携帯電話14の利用者は、添付したファイルを表示することでメッセージを参照することができる。また、携帯電話の種類によっては、添付ファイルの参照ができない場合があり、この時はメール本文にあるURLをアクセスし目的のメッセージを参照することが可能となる。
【0058】
このようにアドレスを指定して手書きメールを送信するだけでなく、自身に確認のメールを送信することも可能である。具体的には、実際にメッセージを送信する前に、メッセージを確認することもできる。この場合、利用者は、送信先指定領域302にある自分選択領域311のみをペン11でチェックし、メッセージを記入して送信する。
ASHサーバー153のアプリケーションは、自分選択領域311がチェックされている場合、ペンIDで管理している個人情報にあるメールアドレスへ、メッセージを送信する。この場合には、第1の携帯電話13にメッセージが送られてくる。利用者は、この内容を確認し、携帯電話のメール送信機能を利用して、手書きメッセージをメール送信することができる。具体的には、受信した添付ファイル付きのメールを、所望のメールアドレスに転送することによって、当該メールを最終的に所望の相手に送信することが可能となる。
【0059】
さらに、自分選択領域311と送信先指定領域302の登録番号をペン11でチェックしておくと、登録番号に相当するアドレスにメールが送られると同時に、自分すなわち個人情報で登録したメールアドレスにも同じメールが送信され、実際に送信したメールの確認を行うことができる。さらにまた、利用者は、メールを送信する前に確認選択領域308をチェックすることによって、指定したアドレスへのメール送信完了を示す確認メールを受信することもできる。さらにまた、後送信領域307をチェックすることによって、ペン11のメモリ118にメールを一時的に保存することもできる。
【0060】
なお、メール本文にコメントを挿入して利用者に内容を伝えるが、このときに挿入するコメントを、個人情報に設定されているフィードバック言語214を参照し、ここに指定された言語とすることで、利用者の必要とする言語でのコメントを送信することが可能となる。
【0061】
さらに続いて、図9を用いて、ペン11を用いたASHサーバー153へのアドレス登録について詳細に説明する。図9は、用紙12のアドレス登録フォームの一例を示す模式図である。
図9に示すように、アドレス登録フォーム32は、開始領域321、アドレス登録・削除領域322、登録番号領域323、アドレス入力領域324、送信領域325を有する。
【0062】
開始領域321は、「開始」マークが印刷されている。アドレス登録・削除領域322は、「登録」マークの登録領域326、「削除」マークの削除領域327、「確認」マークの確認領域328から構成されている。登録番号領域323は、「1」から「5」の数字が印刷されている。アドレス入力領域324は、英数文字等の文字マークが印刷されたソフトキーパッドである文字入力領域329、ショートカット領域330から構成されている。送信領域325は、「送信」のマークから構成されている。
【0063】
利用者は、ペン11を使って開始領域321をチェックし、アドレス登録を開始する。それとともに、利用者は、ペン11を用いて、アドレス登録・削除領域322の登録領域326をチェックし、登録番号領域323において、登録するアドレスの番号領域をチェックする。さらに、利用者は、登録するメールアドレスを、アドレス入力領域324にある文字入力領域329を1文字ずつチェックする。また、利用者は、ドメイン名やよく使用する文字列を入力するショートカット領域330をチェックし、入力を省略することも可能である。
【0064】
利用者は、アドレス登録を送信するために、送信領域325をペン11でチェックする。すると、ペン11は、送信領域325がチェックされたことを認識する。ペン11は、第1の携帯電話13を介して、ペン11のメモリ118に格納されたペンID及び個人情報210(名前211、メールアドレス212、フィードバック言語214)を読み出し、ASHサーバー153に送信する。それとともに、ペン11は、第1の携帯電話13を介して、開始領域321から送信領域325までにチェックしたデータをASHサーバー153に送る。
【0065】
ASHサーバー153のアプリケーションプログラムは、このペン11からのデータを取得し、ペンIDに従って個人情報252中に、ペン11からのデータに含まれる個人情報210を設定する。その後、このアプリケーションプログラムは、各ストロークデータ(手書き情報)の座標値と、用紙上に定義した領域の座標値に基づいて、ペン11がチェックした領域を算出する。
ASHサーバー153のアプリケーションプログラムは、アドレス登録・削除領域322の登録領域326にチェックされたことを導出し、利用者が登録を指示したと判定する。引き続き、ASHサーバー153のアプリケーションプログラムは、登録番号領域323にチェックされたストロークデータから、利用者が指定する登録番号を導出する。
【0066】
さらに、ASHサーバー153のアプリケーションプログラムは、アドレス入力領域324にチェックされたストロークデータの領域判定を行う。アプリケーションプログラムは、領域に定義された文字を確定し、時系列に並んだストロークがチェックした領域列から文字列を導出する。アプリケーションプログラムは、指定された登録番号に、導出した文字列をメールアドレスとして登録する。利用者は、このような一連の操作を繰り返し、必要なアドレスの登録を行う。
【0067】
このようなアドレス登録フォームを用いて、利用者は、アドレス登録の確認も行うことができる。アドレス登録時、アドレス登録・削除領域322にある確認領域328をペン11でチェックし、続けて送信領域325をチェックする。ASHサーバー153のアプリケーションプログラムは、確認領域328にチェックがあった場合、ペン11から読み出したペンIDに相当する個人情報のメールアドレスへ登録したアドレスをメールで送信する。利用者は、受信したメールを参照することにより、登録を行ったアドレスの確認を行うことが出来る。
【0068】
また、アドレス登録を部分的に確認する場合には、利用者は、アドレス登録時、アドレス登録・削除領域322にある確認領域328をペン11でチェックする。利用者は、続けて登録番号領域323に確認したい番号をチェックし、送信領域325をチェックする。
ASHサーバー153のアプリケーションプログラムは、確認領域328にチェックがあることを確認後、登録番号領域323のチェックされた番号から登録番号を導出する。このアプリケーションプログラムは、ペン11から読み出したペンIDで登録されたアドレスの内、導出した登録番号に登録したアドレスを、個人情報のメールアドレスへ登録したアドレスへメールで送信する。利用者は、受信したメールを参照することにより、登録を行ったアドレスの確認を行うことができる。
また、登録したアドレスを削除する場合は、登録と同様な方法で、登録領域326の代わりに削除領域327をペンでチェックし、削除したい登録番号をチェックし、送信領域325をチェックする。このとき、複数の登録番号をチェックすれば、チェックした登録アドレスを削除する。
【0069】
なお、登録、削除、確認等の動作について、メール本文にコメントを挿入して利用者に内容を伝えるが、このときに挿入するコメントを、個人情報に設定されているフィードバック言語214を参照し、ここに指定された言語とすることで、利用者の必要とする言語でのコメントを送信することが可能となる。
【0070】
以上のように、本発明に係るシステム1においては、メッセージ等をペン11によって手書きし、この手書きされたメールを送信相手の第2の携帯電話14に対して送信することができる。また、システム1は、第1の携帯電話13がインターネット156に接続できる場所であれば、どこからでも利用することが可能である。従って、極端に進んだデジタル化により失われつつある本来のコミュニケーションを取り戻すことができ、誰もが簡単に、どこからでも気持ちを伝えることの出来るコミュニケーションツールを提供することができる。
【0071】
さらに、本発明に係るシステム1においては、パソコンを使用することなく、ペン11、用紙12、第1の携帯電話13があれば、どこからでも、いつでも、簡単にメッセージを送ることができる。またさらに、第1の携帯電話13に特別なソフトウェアを搭載する必要がなく、利用者の利便性をさらに向上させることが可能となる。
【0072】
またさらに、本発明に係るシステム1によれば、PCを使用することなく、普段行っている紙にメッセージを書くという方法で、手書きのメッセージをメール送信することができる。そのため、PCに不慣れな人でも容易に利用でき、活字では伝わらない手書きの持つ味わいを伝えることができる。また、携帯電話に特別なアプリケーションを搭載することも必要ないため、利用者の利便性向上の効果もある。
【0073】
発明の実施の形態4.
発明の実施の形態4において、本発明に係るシステムの他の具体構成について説明する。まず、図10を用いて、本実施形態におけるシステムの全体構成について説明する。図10は、本実施形態におけるシステムの具体構成の一例を示す模式図である。また、図10においてシステム1と同様の装置については同じ符号を付し、ここでは、その詳細な説明を省略する。
【0074】
図10に示すように、本実施形態におけるにおけるシステム50は、ペン11、用紙12、第1の携帯電話13、第2の携帯電話14、第1の携帯電話通信システム150、携帯電話基地局151、第2の携帯電話通信システム155、ASHサーバー153、ISPサーバー152、インターネット156に加え、EPLS(Enterprise Paper Look-up Service)サーバー511、ローカルエリアネットワーク512、ゲートウェイ513を備えている。
すなわち、本実施形態におけるネットシステム51は、第1の携帯電話通信システム150、携帯電話基地局151、第2の携帯電話通信システム155、ASHサーバー153、ISPサーバー152、インターネット156に加え、EPLSサーバー511、ローカルエリアネットワーク512、ゲートウェイ513を有する。
【0075】
ネットシステム51のASHサーバー153、ISPサーバー152、EPLSサーバー511は、ローカルエリアネットワーク512に接続されている。このローカルエリアネットワーク512は、ゲートウェイ513を介して、インターネット156に接続されている。また、ペン11に関する各種情報は、GPLSサーバー154の場合と同様に、事前にEPLSサーバー511に登録されている。
【0076】
次に、本実施形態におけるシステム50の動作処理について説明する。
本実施形態のシステム50において、システム1と同様に、利用者が手書きメールを作成すると、ペン11は、第1の携帯電話13と通信を開始する。第1の携帯電話13は、ペン11とDUN Profileによって通信を行い、ペン11からのモデムコマンドによって、指定された電話番号に発信する。
この第1の携帯電話13は、ISPサーバー152に接続して定められた手順で情報交換を行う。これによって、第1の携帯電話13は、自分が利用する第1の携帯電話通信システム150の携帯電話基地局151を介して、ローカルエリアネットワーク512に接続する。ペン11は、第1の携帯電話13、携帯電話基地局151、ISPサーバー152、ローカルエリアネットワーク512を介して、用紙12にアサインされた「アドレス情報」をEPLSサーバー511へ転送する。
【0077】
EPLSサーバー511は、ペン11から取得したペンIDが登録されていることを確認する。その後、EPLSサーバー511は、ペン11から送られた用紙12の「アドレス情報」を参照する。EPLSサーバー511は、このアドレスに定義されたASHサーバー153のURLをペン11に返送する。
ペン11は、EPLSサーバー511から送られてきたURLに、ペン11内部に取り込んだデータを送信する。このデータは、第1の携帯電話13、第1の携帯電話通信システム150、ローカルエリアネットワーク512を介して、ペン11からASHサーバー153に送信される。ASHサーバー153は、ペン11から送られてきたデータを分析する。このデータを分析したASHサーバー153は、メッセージを送るアドレス情報と、手書きされたメッセージ情報(手書き情報)とを作成する。
【0078】
ASHサーバー153は、テキストメールを作成した後、メッセージ情報をテキストメールに添付する。このテキストメールは、ローカルエリアネットワーク512、ゲートウェイ513を介して、インターネット156に配信される。第2の携帯電話通信システム155は、ASHサーバー153からインターネット156に配信されたメールを受信し、指定されたメールアドレスを有する第2の携帯電話14にメール配信を行う。第2の携帯電話14は、ASHサーバー153からメールを受信すると、添付されたイメージ情報を選択して表示する。その結果、ペン11で用紙12に筆記した手書きイメージが、指定した第2の携帯電話14に送られ、表示される。
【0079】
このように、本実施形態にけるシステム50では、EPLSサーバー511に登録されたペン11のみがネットシステム51の利用が可能である。そのため、利用範囲を限定したサービスを提供することができるという特徴がある。この場合、利用する携帯電話会社を変更すると、変更した携帯電話会社のEPLSサーバー511にペン11の登録を行う必要がある。
【0080】
発明の実施の形態5.
発明の実施の形態5において、本発明に係るシステムの他の具体構成について説明する。まず、図11を用いて、本実施形態におけるシステムの全体構成について説明する。図11は、本実施形態におけるシステムの具体構成の一例を示す模式図である。また、図11においてシステム1,50と同様の装置については同じ符号を付し、ここでは、その詳細な説明を省略する。
【0081】
図11に示すように、本実施形態におけるにおけるシステム60は、ペン11、用紙12、第1の携帯電話13、第2の携帯電話14、第1の携帯電話通信システム150、携帯電話基地局151、第2の携帯電話通信システム155、ASHサーバー153、GPLSサーバー154、ISPサーバー152、インターネット156、ローカルエリアネットワーク512、ゲートウェイ513を備えている。
すなわち、本実施形態におけるネットシステム61は、第1の携帯電話通信システム150、携帯電話基地局151、第2の携帯電話通信システム155、ASHサーバー153、GPLSサーバー154、ISPサーバー152、インターネット156、ローカルエリアネットワーク512、ゲートウェイ513を有する。
【0082】
ネットシステム61のISPサーバー152、ASHサーバー153は、ローカルエリアネットワーク512に接続されている。このローカルエリアネットワーク512は、ゲートウェイ513を介してインターネット156に接続されている。さらに、GPLSサーバー154は、インターネット156に接続されている。
【0083】
次に、本実施形態におけるシステム60の動作処理について説明する。
本実施形態のシステム60においても、システム1,50と同様に、利用者が手書きメールを作成すると、ペン11は、第1の携帯電話13と通信を始める。第1の携帯電話13は、ペン11とDUN Profileによって通信を行い、ペン11からのモデムコマンドによって、指定された電話番号に発信する。
この第1の携帯電話13は、ISPサーバー152に接続して定められた手順で情報交換を行う。これによって、第1の携帯電話13は、自分が利用する第1の携帯電話通信システム150の携帯電話基地局151を介して、ローカルエリアネットワーク512に接続する。ペン11は、第1の携帯電話13、携帯電話基地局151、ISPサーバー152、ローカルエリアネットワーク512、ゲートウェイ513を介して、用紙12にアサインされた「アドレス情報」をGPLSサーバー154へ転送する。
【0084】
GPLSサーバー154は、ペン11から取得したペンIDが登録されていることを確認する。その後、GPLSサーバー154は、ペン11から送られた用紙12の「アドレス情報」を参照する。GPLSサーバー154は、このアドレスに定義されたASHサーバー153のURLをペン11に返送する。
ペン11は、GPLSサーバー154から送られてきたURLに、ペン11内部に取り込んだデータを送信する。このデータは、第1の携帯電話13、第1の携帯電話通信システム150、ローカルエリアネットワーク512を介して、ペン11からASHサーバー153に送信される。ASHサーバー153は、ペン11から送られてきたデータを分析する。このデータを分析したASHサーバー153は、メッセージを送るアドレス情報と、手書きされたメッセージ情報とを作成する。
【0085】
ASHサーバー153は、テキストメールを作成した後、メッセージ情報をテキストメールに添付する。このテキストメールは、ローカルエリアネットワーク512、ゲートウェイ513を介して、インターネット156に配信される。第2の携帯電話通信システム155は、ASHサーバー153からインターネット156に配信されたメールを受信し、指定されたメールアドレスを有する第2の携帯電話14にメール配信を行う。第2の携帯電話14は、ASHサーバー153からメールを受信すると、添付されたイメージ情報を選択して表示する。その結果、ペン11で用紙12に筆記した手書きイメージが、指定した第2の携帯電話14に送られ、表示される。
【0086】
このように、本実施形態におけるシステム60では、GPLSサーバー154を利用するため、個別にペン11を登録する必要がなく、データ処理を行うASHサーバー153が、ローカルエリアネットワーク512に接続される。そのため、利用する携帯電話会社ごとにシステム60を構築することができる。それ故、利用者は利用する携帯電話を変更しても、システム60を利用することができる。
【0087】
発明の実施の形態6.
発明の実施の形態6においては、上記のシステムの他の処理例について説明する。図12に本実施形態にけるシステムの概略図が示されている。以下、適宜図10を参照しながらシステム50を用いて具体的に説明するが、この動作処理を行うシステムの具体構成は、上記システム1,50,60のいずれであってもよい。
本実施形態におけるシステム50は、発明の実施の形態4と同様に、利用者は、ペン11を使って、用紙12にメールで送りたいメッセージを手書きする。そして、利用者は、ペン11で用紙12の「送信」マークをチェックする。その後、ペン11は、インターネットに接続し、EPLSサーバー511との間でデータ通信を行う。
ペン11は、EPLSサーバー511から送られてきたURLに、ペン11内部に取り込んだデータをASHサーバー153に送信する。ASHサーバー153は、ペン11から送られてきたデータを分析する。ASHサーバー153は、メッセージを送るアドレス情報として第1の携帯電話13を指定し、手書きされたメッセージ情報とを作成する。
【0088】
ASHサーバー153は、テキストメールを作成した後、メッセージ情報をテキストメールに添付する。このテキストメールは、ローカルエリアネットワーク512に配信されISPサーバー152、携帯電話基地局151を通じて第1の携帯電話13に配信される。利用者は、受信した手書きイメージを確認する。
同時に、同メールは、ローカルエリアネットワーク512、ゲートウェイ513を介して、インターネット156に配信される。第2の携帯電話通信システム155は、インターネット156を通じてASHサーバー153からメールを受信し、指定されたメールアドレスを有する第2の携帯電話14にメール配信を行う。送信したい相手である第2の携帯電話14は、発明の実施の形態4と同様に、添付されたイメージ情報を選択して表示する。
【0089】
このように、送信したい相手である第2の携帯電話14とともに、第1の携帯電話13にも、第1の携帯電話13のメール機能を使用して配信することができる。
【0090】
発明の実施の形態7.
発明の実施の形態7においては、アドレス登録の他の一例について説明する。図13の模式図に、このアドレス登録を行なうためのメール画面例が示されている。図13に示すように、本実施形態におけるアドレス登録画面34になるように、入力すると、電子メールでASHサーバー153にその内容が送信される。ASHサーバー153は、ペンIDに従って個人情報252、登録メールアドレス253を設定する。
このとき、メールのSubject(件名)に、Subscribe(登録)が設定され、メール本文には、ペンID、名前、メールアドレス、フィードバック言語、登録アドレスが記載されている。このような内容が記載されたメールは、指定のアドレスに送信される。図13の例においては、このメールは、Application@jjj.ne.jpに送信される。
【0091】
ASHサーバー153のアプリケーションは、このメールを受信すると、Subjectをチェックする。このアプリケーションは、SubjectがSubscribeであれば、本文に記載されている内容に従い、発明の実施の形態1と同様に、ペンIDごとに、名前、メールアドレス、フィードバック言語、アドレスを登録する。
【0092】
ASHサーバー153に登録されたアドレスを削除する場合には、メールのSubject(件名)に、Unsubscribe(削除)が設定される。それとともに、メール本文に登録時と同様に、少なくともペンIDが記載され、削除するアドレス番号が記載される。ASHサーバー153のアプリケーションは、このメールを受信すると、Subject(件名)のUnsubscribe(削除)を確認する。このアプリケーションは、メールで指定されたペンIDと同じペンIDに登録されているアドレスの内、メール本文で指定されたアドレス番号に一致する登録アドレスを削除する。
【0093】
なお、Subject、本文に記載される文字列は、この例に限らず、この内容を解釈するアプリケーションが扱えるものであればよい。
【0094】
発明の実施の形態8.
発明の実施の形態8においては、メール送信フォームの他の例について説明する。図14に、本実施形態におけるメール送信フォームの一例が示されている。図14に示されたメール送信フォーム35は、複数のメッセージをまとめて送ることができるフォームである。具体的には、メール送信フォーム35は、開始領域301、送信先指定領域302、メッセージ記入領域303、背景色指定領域304、ペン色選択領域305、送信領域306、後送信領域307、確認選択領域308を有する。ここで、これらの説明は省略する。
【0095】
本実施形態におけるメール送信フォーム35は、メッセージを手書きした後、送信領域306の代りに、後送信領域307を使用する。この後送信領域307をペン11でチェックした場合、ペン11は、すぐにデータ送信を行わず、手書き情報をペン11内部に保持、即ちメモリ118に格納しておく。利用者は、引き続き新しい用紙に、開始領域301をペン11でチェックしてメール作成を行い、必要な分、その作業を繰り返す。その後、利用者は、実際にメッセージを送りたいときに、送信領域306をペン11でチェックする。
【0096】
ペン11は、送信領域306のチェックに応じて、メール送信フォーム30で説明したように、ASHサーバー153にデータ送信を行う。ASHサーバー153のアプリケーションは、受信したデータを、開始領域301のチェックにより、一つずつのデータに分割し、順次メッセージのメール送信を実施する。
【0097】
図15に、メール送信フォーム30,35のデータフォームの一例が示されている。図15(a)に示すように、メール送信フォーム30の場合には、1個のメッセージごとに送信領域306をチェックして送信している。そのため、このデータフォームは、ストロークデータ351と開始領域301のチェックを示す開始データ352とが一対となって送信されている。
図15(b)に示すように、メール送信フォーム35の場合には、複数のメッセージを一括で送信している。そのため、このデータフォームは、複数のストロークデータ351の間に複数の開始データ352が含められた状態で時系列に送信される。従って、この複数のメッセージを一括送信する機能を利用することによって、データを分割することが可能となる。
【0098】
図16に、本実施形態におけるメール送信フォームの他の一例が示されている。このメール送信フォーム36は、メール送信用紙361と、アドレス登録用紙362が一対となって作成されたものである。すなわち、メール送信フォーム36は、物理的に別個のメール送信用紙361、アドレス登録用紙362を有する。
具体的には、メール送信用紙361は、開始領域301、送信先指定領域302、メッセージ記入領域303、背景色指定領域304、ペン色選択領域305、後送信領域307、確認選択領域308を有する。これに対して、アドレス登録用紙362は、開始領域321、アドレス登録・削除領域322、登録番号領域323、アドレス入力領域324、送信領域325を有する。ここで、これらの説明は省略する。
【0099】
メール送信フォーム36においては、メール送信用紙361に、メール作成選択領域363が設けられている。このメール作成選択領域363をチェックした場合には、アドレス登録ではなく、メール作成のためのメール送信フォーム36が用いられる。また、メール送信フォーム36においては、手書き情報をメッセージ送信するときにチェックする送信領域と、アドレス登録を行うときにペン11でチェックする送信領域とが共通で使用される。具体的には、アドレス登録用紙362に設けられた送信領域325をチェックすることによって、メール送信、アドレス登録が行われる。
【0100】
図17に、本実施形態におけるメール送信フォームの他の一例が示されている。このメール送信フォーム37は、図16に示されたメール送信用紙361とアドレス登録用紙362が1つの用紙上に作成されたものであり、各チェック領域が混在した状態で配置されている。具体的には、メール送信フォーム37は、メール作成選択領域371、開始領域301、送信先指定領域302、メッセージ記入領域303、背景色指定領域304、ペン色選択領域305、後送信領域307、確認選択領域308を有する。メール送信フォーム37は、これらに加えて、開始領域301、アドレス登録・削除領域322、登録番号領域302、アドレス入力領域324、送信領域325を有する。
【0101】
このメール送信フォーム37においては、メール作成選択領域371とアドレス登録・削除領域322のどちらがチェックされる。これによって、メール作成とアドレス登録の機能が切り替えられて使用される。なお、メール作成選択領域371以外については、上記の各チェック領域と同様である。
【0102】
図18に、本実施形態におけるメール送信フォームの他の一例が示されている。このメール送信フォーム38は、アドレス登録を行った相手以外にメッセージを送るフォームである。具体的には、メール送信フォーム38は、開始領域381、送信領域382、メッセージ記入領域303、背景色指定領域304、ペン色選択領域305、アドレス入力領域324を有する。
【0103】
このメール送信フォーム38においては、利用者は、開始領域381をチェックした後、メッセージ記入領域303に必要なメッセージをペン11で筆記する。利用者は、背景色指定領域304、ペン色選択領域305などを必要に応じてチェックする。その後、利用者は、アドレス入力領域324を使って、メッセージを送る相手のメールアドレスをチェックし、送信領域382をチェックする。
【0104】
このメール送信フォーム38を使用することによって、アドレス登録を行っていない相手に、手書き情報をメッセージ送信することができる。また、メール送信フォーム38は、単独でも、また登録フォーム等と一緒に使用することができ、その利便性を向上させることができる。なお、開始領域381、送信領域382以外については、上記の各チェック領域と同様である。
【0105】
発明の実施の形態9.
発明の実施の形態9においては、携帯電話14に替えて、メッセージの送信先がFAX端末である場合について説明する。図19に、本実施形態におけるシステムの一構成例が示されている。図19に示すように、本実施形態におけるシステム70は、発明の実施の形態3,4,5と同様に、ペン11、用紙12、第1の携帯電話13、ネットシステム15、ASHサーバー153を有する。システム70は、これらに加えて、FAXモデム71、電話網72、FAX端末73を有する。
FAXモデム71は、ASHサーバー153に接続されるとともに、電話網72に接続されている。この電話網72には、FAX端末73が接続され、FAX端末73は電話網72を介して、ASHサーバー153と通信を行う。
【0106】
このようなシステム70は、次のように手書きメールの送受信を行う。
利用者は、ペン11を使用して用紙12に筆記すると、ペン11は、携帯電話13を介して、この筆記された手書き情報をネットシステム15に送信する。ネットシステム15は、内部のASHサーバー153にデータを送るようペン11に指示する。ペン11は、この指示に応じて、手書き情報をASHサーバー153に送る。
ASHサーバー153上で操作するアプリケーションプログラムは、ペン11から手書き情報を受信すると、手書き情報をファクシミリで受信できる情報に変換する。このアプリケーションプログラムは、FAXモデム71、電話網72を介して、指定されたFAX端末73にファクシミリ送信する。
【0107】
図20に、本実施形態におけるFAX送信フォームの一例が示されている。
図20に示すように、FAX送信フォーム80は、開始領域801、FAX作成領域802、送信先登録・削除領域803、確認領域804、FAX登録番号領域805、FAX番号入力領域806、メッセージ記入領域807、送信領域808を有する。
【0108】
開始領域801は、「開始」マークから構成されている。FAX作成領域802は、枠で囲まれた空欄から構成されている。送信先登録・削除領域803は、「登録」マークの登録領域809、「削除」マークの削除領域810から構成されている。確認領域804は、「確認」と記載されたマークから構成されている。FAX登録番号領域805は、「1」から「5」の数字マークから構成されている。FAX番号入力領域806は、数字マーク、「*」、「#」が印刷されたソフトキーパッドから構成されている。メッセージ記入領域807は、枠で囲まれた空欄から構成されている。送信領域808は、「送信」のマークから構成されている。
【0109】
発明の実施の形態3ではメール送信フォーム30上でメールアドレスが入力されたが、本実施形態においては、それ替わって、FAX番号を入力するFAX番号入力領域806からFAX番号が入力される。このFAX番号は、上記のアドレス登録と同様に、送信先登録・削除領域803の登録領域809、FAX登録番号領域805から登録される。また、送信先登録・削除領域803の削除領域810をチェックすることによって、すでに登録されたFAX番号を削除することもできる。またさらに、確認領域804によって、メール送信フォームの場合と同様に、メッセージ確認機能が実現される。
【0110】
このように、どこからでも、いつでも手元からファクシミリを送ることがで、スムーズな情報伝達が可能になる。
また、ペン11のペーパールックアップ機能によって、用紙12の座標(アドレス)を指定するアプリケーションがあるサーバーを特定することができる。そのため、上記の各システム1,50,60と同じシステムとして構築することも可能である。
これにより、両方の用紙(フォーム)を同じペン11、第1の携帯電話13で使用することが可能となり、必要に応じメールやファクシミリでの情報伝達が可能になる。
【0111】
なお、本発明の実施の形態においては、ペン11と携帯電話13の通信にBluetooth通信を使用したが、特にこれに限定するものではなく、赤外線通信やUSB接続など有線、無線多くの方式が利用可能である。これらの方式を利用しても、本発明の効果は十分に発揮される。
【0112】
またなお、本実施形態においては、用紙12にアノト方式のデジタイジング方式が採用されているが、これに限らず、同様のことはその他の方式のデジタイザーと呼ばれる技術を使っても実現は可能である。ただし、何かしらの装置を必要とするので、可搬性などで本実施形態と同等の効果が得られるかどうかは定かではない。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明に係る伝送システムの概略構成の一例を示す模式図である。
【図2】本発明に係る伝送システムの概略構成の一例を示す模式図である。
【図3】本発明に係る伝送システムの具体構成の一例を示す模式図である。
【図4】本発明に係る伝送システムのデジタルペンの構成例を示す図である。
【図5】本発明に係る伝送システムのデジタルペンが保持する情報の一例を示す模式図である。
【図6】本発明に係る伝送システムの用紙の一例を示す図である。
【図7】本発明に係る伝送システムのASHサーバーが管理する情報の一例を示す模式図である。
【図8】本発明に係る伝送システムの用紙の一例を示す図である。
【図9】本発明に係る伝送システムの用紙の一例を示す図である。
【図10】本発明に係る伝送システムの具体構成の一例を示す模式図である。
【図11】本発明に係る伝送システムの具体構成の一例を示す模式図である。
【図12】本発明に係る伝送システムの概略構成の一例を示す模式図である。
【図13】本発明に係る伝送システムのメール書式の一例を示す図である。
【図14】本発明に係る伝送システムの用紙の一例を示す図である。
【図15】本発明に係る伝送システムにおける通信データ一例を示す模式図である。
【図16】本発明に係る伝送システムの用紙の一例を示す図である。
【図17】本発明に係る伝送システムの用紙の一例を示す図である。
【図18】本発明に係る伝送システムの用紙の一例を示す図である。
【図19】本発明に係る伝送システムの具体構成の一例を示す模式図である。
【図20】本発明に係る伝送システムの用紙の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0114】
1…手書きメール伝送システム、11…デジタルペン、12…用紙、
13…第1の携帯電話、14…第2の携帯電話、15…ネットシステム
150…第1の携帯電話通信システム、151…携帯電話基地局、
152…ISPサーバー、153…ASHサーバー、154…GPLSサーバー、
155…第2の携帯電話通信システム、156…インターネット
50…手書きメール伝送システム、51…ネットシステム
511…EPLSサーバー、512…ローカルエリアネットワーク、
513…ゲートウェイ、
60…手書きメール伝送システム、61…ネットシステム
70…手書きメール伝送システム、71…FAXモデム、72…電話網、
73…FAX端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペンと、前記ペンと通信可能に接続された端末と、前記端末と通信可能に接続された処理システムとを備えた手書き情報の伝送システムであって、
前記ペンは、用紙に筆記した手書き情報を取得し、手書き情報を前記ペンの識別情報と共に前記端末に対して送信する手段を備え、
前記端末は、前記ペンから送信された手書き情報及びペンの識別情報を受信する手段と、受信した前記手書き情報及びペンの識別情報を前記処理システムに対して送信する手段と、
前記処理システムは、前記端末より送信された手書き情報とペンの識別情報を受信する受信手段と、ペンの識別情報を予め登録し格納する記憶手段と、前記受信手段により受信されたペンの識別情報と前記記憶手段に格納されたペンの識別情報が一致するかを判定する手段と、判定の結果、両者が一致した場合にのみ受信した手書き情報を指定された宛先に送信する送信手段を備えた手書き情報の伝送システム。
【請求項2】
前記処理システムの送信手段は、手書き情報を画像情報に変換する手段と、指定された宛先に電子メールにより変換された画像情報を送信する手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の手書き情報の伝送システム。
【請求項3】
前記処理システムの前記記憶手段は、さらに用紙に定義した領域情報を格納し、前記送信手段は、前記端末より受信した手書き情報と前記記憶手段に格納された領域情報に基づいて領域ごとに手書き情報を切り出し、特定の領域に筆記された情報のみ、指定された宛先に送信することを特徴とする請求項1又は2記載の手書き情報の伝送システム。
【請求項4】
ペンと、前記ペンと通信可能に接続された携帯電話機と、前記携帯電話機と通信可能に接続されたサーバーとを備えた手書き情報の伝送システムであって、
前記ペンは、前記携帯電話機に対して当該ペンと前記サーバーとがデータ通信できる状態への設定要求を行う手段と、用紙に筆記した手書き情報を取得し、手書き情報を前記ペンの識別情報と共に前記携帯電話機に対して送信する手段を備え、
前記携帯電話機は、前記設定要求に応じて前記ペンと前記サーバーとがデータ通信できる状態へ設定する手段と、前記ペンから送信された手書き情報及びペンの識別情報を受信する手段と、受信した前記手書き情報及びペンの識別情報を前記サーバーに対して送信する手段と、
前記サーバーは、前記携帯電話機より送信された手書き情報とペンの識別情報を受信する受信手段と、ペンの識別情報を予め登録し格納する記憶手段と、前記受信手段により受信されたペンの識別情報と前記記憶手段に格納されたペンの識別情報が一致するかを判定する手段と、判定の結果、両者が一致した場合にのみ受信した手書き情報を指定された宛先に電子メールにより送信する送信手段を備えた手書き情報の伝送システム。
【請求項5】
前記サーバーの送信手段は、指定領域に書いた手書き情報を画像情報とし、電子メールの添付ファイル機能を使って送信することを特徴とする請求項4記載の手書き情報の伝送システム。
【請求項6】
前記ペンと前記携帯電話機間の通信は、Bluetooth方式により実行されることを特徴とする請求項4又は5記載の手書き情報の伝送システム。
【請求項7】
前記ペンにより筆記される用紙は確認領域を備え、
前記サーバーは、前記ペンによって前記確認領域に筆記された場合に、このペンと通信可能に接続された携帯電話機に対して、メッセージ情報である手書き情報を画像情報として送信することを特徴とする請求項4、5又は6記載の手書き情報の伝送システム。
【請求項8】
前記ペンにより筆記される用紙は、宛先登録領域と、宛先を入力するための文字入力領域を備え、
前記ペンは、手書き情報を時系列的に座標情報として送信する手段を有し、
前記サーバーは、前記ペンによって前記宛先登録領域に筆記された情報から登録の識別情報を導出し、前記文字入力領域に筆記された情報から宛先アドレスを導出し、当該登録の識別情報と当該宛先アドレスを前記ペンの識別情報により特定される領域に登録することを特徴とする請求項4乃至7いずれかに記載の手書き情報の伝送システム。
【請求項9】
前記ペンにより筆記される用紙は、宛先削除領域を備え、
前記サーバーは、前記ペンによって前記宛先削除領域に筆記された場合に、特定の宛先を削除する手段を備えたことを特徴とする請求項8記載の手書き情報の伝送システム。
【請求項10】
前記ペンにより筆記される用紙は、取消領域を備え、
前記サーバーは、前記ペンによって前記取消領域に筆記された場合には、当該取消領域に筆記したときよりも前に筆記した情報を無効とし、当該取消領域に筆記したときよりも後に筆記した情報を有効とする手段を備えたことを特徴とする請求項4乃至9いずれかに記載の手書き情報の伝送システム。
【請求項11】
前記サーバーは、電子メールの受信機能を有し、受信した電子メールから、前記ペンの識別情報、手書き情報の送信先を特定する宛先情報を取得し、当該ペンの識別情報により特定される領域に宛先情報を格納することを特徴とする請求項4乃至10いずれかに記載の手書き情報の伝送システム。
【請求項12】
前記サーバーは、受信した電子メールの件名に登録を示す情報が含まれる場合は、前記ペンの識別情報により特定される領域に宛先情報を登録し、受信した電子メールの件名に削除を示す情報が含まれる場合には、前記ペンの識別情報により特定される領域の宛先情報を削除することを特徴とする請求項11記載の手書き情報の伝送システム。
【請求項13】
前記ペンにより筆記される用紙は、ファクシミリ番号指定領域を備え、
前記サーバーは、前記ペンによって前記ファクシミリ番号指定領域に筆記された場合には、前記手書き情報を指定されたファクシミリ番号にファックス送信する手段を有することを特徴とする請求項4乃至11いずれかに記載の手書き情報の伝送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−31357(P2006−31357A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−208656(P2004−208656)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005810)日立マクセル株式会社 (2,366)
【Fターム(参考)】