説明

折畳式携帯電話装置

【課題】 容易にサブディスプレイに現在時刻を表示させる。
【解決手段】
筐体のヒンジ部分両端に配置した2つの電極56をユーザが同時に触れた際に、筐体が閉じた状態であれば、サブディスプレイ43に現在時刻を表示させる。又、通常の待ち受け状態において、サブディスプレイ43には現在時刻が表示されているがバックライトをオフとする構成である場合には、ユーザが電極56に触れた際にバックライトをオンさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折畳式携帯電話装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の折畳式携帯電話装置は、例えば、図7に示すように、2つの筐体が開閉する構成となっており、筐体の側面には、筐体が閉じた状態でも操作可能とする為のサイドキー1が配置されている。又、特許文献1には、このサイドキー1を押下することにより、LEDの発光色を変える技術が記載されている。
【特許文献1】特開2002−64598号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように、通常の折畳式携帯電話装置にはサイドキーが配置されているが、携帯電話装置本体は小型であることが望まれる為、サイドキーも小さな形状となっている。この為、ユーザがサイドキーを操作する際には、つめを立てるかあるいは、キーを強く押下しなければキー操作できない。
【0004】
例えば、ユーザが折畳式携帯電話装置のサブディスプレイに表示された現在時刻を見るときには、ポケットから携帯電話装置を取り出してサイドキーを押下しなければならないが、この時、サイドキーが小さい為にキーを一度押下しただけではキーが確実に押下されず、なかなかバックライトが点灯しない。この結果、ユーザはなかなか現在時刻を見ることができないといった事態が生じる。
【0005】
尚、キー操作せずとも常時サブディスプレイに現在時刻を表示させる、或いは、バックライトを点灯させる構成も考えられるが、多くの電力が消費される為に現実的ではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、ヒンジ部の両端に電極を配置し、前記電極の両方が接地されると、所定の動作を実行することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、筐体の両側面に電極を配置し、前記電極の両方が接地されると、所定の動作を実行することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、筐体を閉じた状態で露出するサブディスプレイを有し、ヒンジ部の両端に電極を配置し、前記電極の両方が接地された際に筐体が閉じていれば、前記サブディスプレイをオンさせることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、筐体を閉じた状態で露出するサブディスプレイを有し、ヒンジ部の両端に電極を配置し、前記電極の両方が接地された際に筐体が閉じていれば、前記サブディスプレイに現在時刻を表示させることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、筐体を閉じた状態で露出するサブディスプレイを有し、筐体の異なる2つの側面夫々に電極を配置し、前記電極の両方が接地された際に筐体が閉じていれば、前記サブディスプレイをオンさせることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、筐体を閉じた状態で露出するサブディスプレイを有し、筐体の異なる2つの側面夫々に電極を配置し、前記電極の両方が接地された際に筐体が閉じていれば、前記サブディスプレイに現在時刻を表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の通信装置では、ユーザが2つの電極に触れるだけで所定の動作を実行する為、ユーザが容易に操作を行うことが可能である。又、ユーザが一方の電極のみに触れただけでは動作が実行されない為、誤動作が起きることを回避することも可能である。
【0008】
請求項1及び2に記載の折畳式携帯電話装置は、ユーザが2つの電極に触れるだけで所定の動作を実行する為、ユーザが容易に操作を行うことが可能である。又、ユーザが一方の電極のみに触れただけでは動作が実行されない為、誤動作が起きることを回避することも可能である。
【0009】
請求項3及び5に記載の折畳式携帯電話装置は、直ちにサブディスプレイを表示させることが可能である。
【0010】
請求項4及び6に記載の折畳式携帯電話装置は、直ちにサブディスプレイに現在時刻を表示させることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、本発明の一実施形態に係る電子機器(携帯電話装置)について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1及び図2は、本発明を適用してなる実施例装置(折畳式携帯電話装置)の斜視図である。
【0013】
図1において、携帯電話装置10は、ディスプレイ42を有する第1の筐体110と、入力部44と着信ランプ57を有する第2の筐体120とが、ヒンジ部300を介して接続されており、図中矢印方向に開閉可能である。
【0014】
第2筐体120のヒンジ部分の両端には、電極56が配置されており、この2つの電極は夫々後述する制御回路36と接続されている。
【0015】
又、第2の筐体120には、側面キー58が搭載されており、前記側面キー58は、例えばマナーモード(着信時に着信音を出力せずにバイブレータで着信を報知するモード)のオン、オフを切り替える為のキーである。尚、前記側面キー58の機能はこのマナーモードに限定されず、他の機能でもよい。
【0016】
図2は、図1に示す携帯電話装置10の背面から見た斜視図であり、第2筐体120にアンテナ2と着信ランプ57が搭載されている。又、第1筐体110にはサブディスプレイ43が搭載されている。
【0017】
次に本実施例装置のブロック構成について説明する。図3は、本実施例装置のブロック図である。
【0018】
図3に示すように、携帯電話装置は、アンテナ16と接続された通信部12を備えている。この通信部12は、後述のベースバンド部14からの信号をアンテナ16を介して基地局へ発信し、あるいはアンテナ16を介して基地局からの電波を受信する。この通信部12により、携帯電話装置10は、他の通信装置(例えば、携帯電話装置など)と通信(通話)することができるとともに、電子メールの送受信が可能となり、さらにはインターネットに接続することも可能となる。
【0019】
また、通信部12は、ベースバンド部14と接続されている。ベースバンド部14は、CDMA処理回路18と、音声コーデック20と、を有している。ここで、CDMA処理回路18は、符号分割多元接続、スクランブル、誤り制御、タイミング検出を行う。また、音声コーデック20は、音声を圧縮(符号化)、伸張(復号化)したり、アナログとデジタルの変換を行ったり、内部の増幅回路(図示省略)により受話音量やマイクロホンの感度を変更する。
【0020】
また、ベースバンド部14には、切替回路22が接続されている。この切替回路22には、増幅回路24を介して第1スピーカ26が接続されている。この第1スピーカ26は、増幅回路24で増幅されたベースバンド部14の電気信号を音声に変換する。この第1スピーカ26は、ユーザの耳にあてて通話に使用される。
【0021】
また、切替回路22には、増幅回路28を介してマイクロホン30が接続されている。このマイクロホン30は、通話に使用され、音声を電気信号に変換する。マイクロホン30により出力された電気信号は、増幅回路28で増幅されてベースバンド部14に出力される。
【0022】
また、切替回路22には、増幅回路32を介して第2スピーカ34が接続されている。この第2スピーカ34は、増幅回路32で増幅されたベースバンド部14の電気信号を音声に変換する。この第2スピーカ34は、受話音を周囲の人にも聞かせるための拡声用のスピーカである。また、第2スピーカ34は、着信報知の鳴動も行う。なお、これらの3つの増幅回路24、28、32は、ゲインを固定しており、第1スピーカ26及び第2スピーカ34の音量やマイクロホン30の感度を変更することはできないようになっている。
【0023】
この切替回路22は、ベースバンド部14との接続を、第1スピーカ26用の増幅回路24とマイクロホン30用の増幅回路28側にするか、あるいは拡声用の第2スピーカ34用の増幅回路32とマイクロホン30用の増幅回路28側にするかを切り替える。
【0024】
また、通信部12、ベースバンド部14及び切替回路22には、制御回路(制御手段)36がそれぞれ接続されている。この制御回路36の制御により上述した切替回路22による切り替えが行われる。また、制御回路36によりベースバンド部14の音声コーデック20が制御され、音声コーデック20により第1スピーカ26及び第2スピーカ34の音量やマイクロホン30の感度が変更される。
制御回路36は、ROM38と接続されており、ROM38に格納されているシステムプログラムに基づき各部を制御する。
【0025】
また、制御回路36は、RAM40と接続されている。このRAM40には、電話帳データや、ユーザが電話に出られない時に発呼側へ送るメッセージ(例えば、只今電話に出られません)データ等が格納されている。
【0026】
また、制御回路36には、液晶のディスプレイ42が接続されている。このディスプレイ42には、現在の時刻、電話番号、電子メールの内容、インターネットによりダウンロードされたサイト画像、押下されたキーの機能名の表示等の所定の情報が表示される。
【0027】
更に、制御回路36には、サブディスプレイ43が接続されている。このサブディスプレイ43には、現在時刻や着信ありの表示等が行われる。
【0028】
また、制御回路36には、入力部44が接続されている。この入力部44は、電話番号等の入力を行うテンキー48と、通話の開始を操作する通話キー50と、通話の終了を操作する切キー52と、電子メール機能やインターネット機能などの各種機能の設定を行う機能キー54と、を有している。
【0029】
着信ランプ57は、着信時に、着信を報知する為に点灯或いは点滅する。又、本実施例装置は先ほど説明した側面キー58を有している。
【0030】
電極56は図1で説明した電極であり、制御回路36は、この2つの電極56が接地した(ユーザが触れた)と判定すると、所定の動作を実行する。
【0031】
開閉検出スイッチ59は、筐体の開閉を検出する為のスイッチである。
【0032】
撮像部60は、例えばCCD(Charge Coupled Devices)を備えており、携帯電話装置を用いて撮像を行う際に使用される。又、内部には光学レンズ(図示せず)も搭載しており、この光学レンズを制御することによりフォーカス(焦点)をあわせることも可能である。
【0033】
次に本実施例装置の動作について説明する。図4は本実施例装置の動作を示すフロー図である。
【0034】
S1ステップにおいて、制御回路36は、2つの電極56が接地したか(ユーザが触れたか)否かを判定し、接地したと判定するとS2ステップへ処理を進める。
【0035】
S2ステップにおいて、制御回路36は、筐体が閉状態か否かを判定する。具体的には、制御回路36は、開閉検出スイッチ59から筐体が閉状態であることを示す信号を検出するとS3ステップへ処理を進め、そうでなければS4ステップへ処理を進める。
【0036】
S3ステップにおいて、制御回路36は、サブディスプレイ43を制御することにより、前記サブディスプレイ43に現在時刻を表示させる。尚、携帯電話装置が待ち受け状態において時刻を前記サブディスプレイ43に表示させてはいるがバックライトをオフとしている場合、このS3ステップにおいて、サブディスプレイ43のバックライトをオンとする動作を行うだけでも良い。
【0037】
続くS4ステップにおいて、制御回路36は、電話通信部12から通話着信ありを示す信号を検出するとS5ステップへ処理を進め、そうでなければ、S1ステップへ処理を戻す。
【0038】
S5ステップでは、制御回路36は、スピーカ34から着信音を鳴動させる。
【0039】
続くS6ステップでは、制御回路36は、ユーザが通話キー50を押下したと判定するとS7ステップへ処理を進め、そうでなければS8ステップへ処理を進める。
【0040】
S7ステップでは、制御回路36は通話処理を行なう。
【0041】
S8ステップでは、制御回路36は、2つの電極56をユーザが触れたか否かを判定する。具体的には、制御回路36は、2つの電極56が接地された(グランドラインまで電位が落ちた)と判定すると、S9ステップへ処理を進め、そうでなければS4ステップへ処理を戻す。
【0042】
尚、2つの電極56はは同時に接地したときに制御回路36が所定の処理を行なうようにしても良いし、一方の電極56が接地し続いて他方の電極56が接地したときに制御回路36が所定の処理を行なうようにしても良い。
【0043】
S9ステップでは、制御回路36は、ベースバンド部14を制御することにより、応答メッセージ(例えば、只今電話に出ることができません)を発呼側へ送信させる。
【0044】
このように、S4〜S9ステップにおいて、着信があってもユーザが着信に応答できない場合には、ユーザが2つの電極56に触れることにより、発呼側に対してメッセージを送信し、電話に出られないことを伝えることが可能である。
以上説明したように、本実施例装置では、例えば図5に示すようにユーザが2つの電極56を触れると、サブディスプレイ43には、現在時刻が表示される。このため、ユーザが現在時刻を知りたい時に、小さなサイドキーを押下するのに手間取ることがない。又、2つの電極56が接地されたと判定されない限り、サブディスプレイ43には現在時刻が表示されないため、誤って表示されるといったことを回避できる。
【0045】
又、本実施例では、電極56を触ることによりサブディスプレイ43に現在時刻を表示する構成としたが、図6に示すようにユーザが筐体を握り、2つの電極56を接地することにより、撮像部60により撮像動作を行うようにしても良い。
【0046】
尚、本実施例ではサイドキーを有する携帯電話装置を挙げたが、電極56を配置することにより、サイドキーを設けないようにしても良い。
【0047】
又、電極56はヒンジ部分ではなく筐体の側面に設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本実施例装置の正面図である。
【図2】本実施例装置の裏面図である。
【図3】本実施例装置のブロック図である。
【図4】本実施例装置の動作を示すフロー図である。
【図5】本実施例装置の一実施形態を示す図である。
【図6】本実施例装置の一実施形態を示す図である。
【図7】従来の携帯電話装置の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0049】
36 制御回路
43 サブディスプレイ
56 電極
60 撮像部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒンジ部の両端に電極を配置し、前記電極の両方が接地されると、所定の動作を実行することを特徴とする折畳式携帯電話装置。
【請求項2】
筐体の両側面に電極を配置し、前記電極の両方が接地されると、所定の動作を実行することを特徴とする折畳式携帯電話装置。
【請求項3】
筐体を閉じた状態で露出するサブディスプレイを有し、ヒンジ部の両端に電極を配置し、前記電極の両方が接地された際に筐体が閉じていれば、前記サブディスプレイをオンさせることを特徴とする折畳式携帯電話装置。
【請求項4】
筐体を閉じた状態で露出するサブディスプレイを有し、ヒンジ部の両端に電極を配置し、前記電極の両方が接地された際に筐体が閉じていれば、前記サブディスプレイに現在時刻を表示させることを特徴とする折畳式携帯電話装置。
【請求項5】
筐体を閉じた状態で露出するサブディスプレイを有し、筐体の異なる2つの側面夫々に電極を配置し、前記電極の両方が接地された際に筐体が閉じていれば、前記サブディスプレイをオンさせることを特徴とする折畳式携帯電話装置。
【請求項6】
筐体を閉じた状態で露出するサブディスプレイを有し、筐体の異なる2つの側面夫々に電極を配置し、前記電極の両方が接地された際に筐体が閉じていれば、前記サブディスプレイに現在時刻を表示させることを特徴とする折畳式携帯電話装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−340171(P2006−340171A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−164118(P2005−164118)
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】