説明

振動片、振動子および発振器

【課題】熱弾性効果に起因するQ値の低下の防止と同時にCI値を下げることを図る。
【解決手段】基部と、前記基部より延伸して形成され、屈曲振動する屈曲振動部を備える振動腕とを備える振動片であって、前記屈曲振動部は、前記振動腕の前記屈曲振動の振動面にほぼ平行な1対の主面を備え、前記主面の両面もしくはどちらか一方の面に前記振動面と交差する方向に形成された溝部を3以上備え、前記振動腕の前記振動面と交差する外平面と、前記外平面に最も近い前記溝部によって形成される1対の外壁と、隣り合う前記溝部により形成される複数の内壁とが形成され、前記複数の内壁の一部もしくは全部を電気的に屈曲振動させる振動片。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動片、振動子および発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、屈曲振動片を小型化するとQ値が小さくなり、屈曲振動を阻害することが知られている。これは、熱の移動により温度平衡させるまでの緩和時間に反比例する緩和振動と、屈曲振動片の振動周波数とが、近づいて起こる熱弾性効果によるものである。つまり、屈曲振動片が屈曲振動することにより弾性変形が生じ、収縮される面の温度は上昇し、伸張される面の温度は下降するため、屈曲振動片の内部に温度差が発生する。この温度差は、熱伝導(熱移動)により温度平衡状態に近づくために、機械的に取り出せるエネルギーが減少してQ値が劣化する。
【0003】
このため、屈曲振動片の矩形状断面に溝または貫通孔を形成し、振動子の収縮される面から伸張される面に発生する熱の移動を阻止して、熱弾性効果に起因するQ値変動の抑制を図っている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
また非特許文献1では、音叉型水晶振動子の一構造例について熱弾性方程式によるQ値の計算が行われている。その計算結果から、25℃におけるCI値の約95%が熱弾性効果によるものであると報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平2−32229号公報(4頁〜5頁、図1〜図3)
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】第36回EMシンポジウム、5頁〜8頁、「熱弾性方程式による音叉型水晶振動子のQ値の解析」、伊藤秀明、玉木悠也。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の従来技術を用いても、屈曲振動部に貫通孔を設けると、非貫通部分各々に収縮される面と伸張される面が発生して結果としてQ値を劣化させてしまう。また、屈曲振動部の溝を特許文献1のように設けても、熱弾性効果に起因する振動片のQ値低下の防止効果は不十分であった。このため、熱弾性効果に起因するQ値の低下の防止を図るには、さらに改良する余地があり、課題とされている。また、熱弾性効果によるQ値劣化に伴ってCI値が高くなるので、同時にCI値を下げるための改良も課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、少なくとも上述の課題の一つを解決するように、下記の形態または適用例として実現され得る。
【0009】
〔適用例1〕本適用例による振動片は、基部と、前記基部より延伸して形成され、屈曲振動する屈曲振動部を備える振動腕とを備える振動片であって、前記屈曲振動部は、前記振動腕の前記屈曲振動の振動面にほぼ平行な1対の主面を備え、前記主面の両面もしくはどちらか一方の面に前記振動面と交差する方向に形成された溝部を3以上備え、前記振動腕の前記振動面と交差する外平面と、前記外平面に最も近い前記溝部によって形成される1対の外壁と、隣り合う前記溝部により形成される複数の内壁とが形成され、前記複数の内壁の一部もしくは全部を電気的に屈曲振動させることを特徴とする。
【0010】
上述の適用例によれば、振動腕における屈曲振動部を溝により構成される複数の壁(隔壁)を備えて屈曲振動させることにより、屈曲変形により生じる内部の熱の移動経路を長くすることにより、屈曲振動を阻害する緩和振動を抑制し、熱弾性効果によるQ値の低下を押させることができる。また、実質的な励振電極の面積を増加させることができるため、機械系と電気系の変換効率を高め、CI値の上昇も抑制することができる。
【0011】
〔適用例2〕上述の適用例において、前記内壁を形成する隣り合う前記溝部の一方の前記溝部の開口部が一方の前記主面に形成され、他方の前記溝部の開口部が他方の前記主面に形成され、一方の前記主面は1以上の前記溝部を備え、他方の前記主面は2以上の前記溝部を備えることを特徴とする。
【0012】
上述の適用例によれば、熱の移動経路をより長くできるため、熱平衡時間がさらに長くなり、緩和振動の抑制を強くすることができる。
【0013】
〔適用例3〕上述の適用例において、前記基部より2本の前記振動腕が平行に延出された音叉型振動片であることを特徴とする。
【0014】
上述の適用例によれば、Q値が高くCI値の低い、優れた特性の薄型の振動片を実現することができる。
【0015】
〔適用例4〕上述の適用例において、前記振動片が水晶からなることを特徴とする。
【0016】
上述の適用例によれば、振動特性に優れた薄型の振動片を容易に得ることができる。
【0017】
〔適用例5〕上述の振動片と、前記振動片を収納するパッケージと、を有する振動子。
【0018】
〔適用例6〕上述の振動片と、前記振動片を駆動させる機能を有する回路部と、を有する発振器。
【0019】
上述の適用例によれば、発振特性の優れた薄型の振動子、発振器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1実施形態に係る振動片の斜視図。
【図2】第1実施形態に係る振動片の、(a)は平面図、(b)は(a)におけるA−A’部の断面図。
【図3】第1実施形態に係る振動片に形成された電極を示す、(a)は平面図、(b)は(a)の裏平面図。
【図4】図3(a)における、(a)はP−P’部の断面図、(b)はQ−Q’部の断面図。
【図5】本発明における振動片の等価回路図。
【図6】第1実施形態に係る、溝部のその他の形態を示す断面図。
【図7】第1実施形態に係る、溝部のその他の形態を示す断面図。
【図8】第2実施形態に係る振動子の、(a)は平面図、(b)は(a)におけるB−B’部の断面図。
【図9】第3実施形態に係る発振器の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。
【0022】
(第1実施形態)
図1は第1実施形態を示す概略斜視図である。振動片100は圧電材料として水晶が好適であるが、例えばタンタル酸リチウム(TiTaO3)、四ホウ酸リチウム(Li247)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)などの圧電体、または、シリコンなどの半導体であっても適用できる。本実施形態では、水晶を用いた実施形態を説明する。
【0023】
振動片100は水晶基板から形成され、主面100aと他方の主面100bを持つ板状基板を、基部10と基部10から延伸される振動腕20および30を備え、いわゆる音叉型振動片の形態である。基部10には、さらに延伸した支持アーム10a、10bが振動腕20、30とは離間して設けられている。
【0024】
振動片100の平面図を図2(a)に、図2(a)のA−A’断面図を図2(b)に示す。振動腕20、30には、図2(b)に示すように、主面100a側に溝20a、20b、30a、30bが形成され、他方の主面100b側に溝20c、30cが形成されている。本実施形態では主面100a側には溝20a、20bおよび30a、30bの2本の溝が、他方の主面100b側には溝20c、30cの1本の溝が、各振動腕20、30に形成されている。
【0025】
振動腕20の側面20dと溝20aとによって外壁20fが形成される。同様に、側面20eと溝20bによって外壁20gが形成される。また溝20a、20b、20cによって、内壁20h、20iが形成される。振動腕30も振動腕20と同様に外壁30f、30gと内壁30h、30iが形成される。
【0026】
振動腕20の内壁20h、20i、および振動腕30の内壁30h、30iには、図2(b)には図示しないが、後述する振動腕20、30を屈曲振動させるための励振電極が形成されている。形成されている励振電極に電流を流し、内壁20h、20i、30h、30iを交互に伸縮させることで、振動腕20、30を屈曲振動させる励振部を構成している。
【0027】
図3は振動片100の形成される電極配線を模式的に示したもので、(a)の平面図に対して裏面から見た平面図を(b)に示す。なお以降の説明の中で、便宜的に図3(a)で示す面を表面、(b)で示す面を裏面と呼ぶ。図3(a)および(b)に示すように、振動片100の表裏面には励振用に電極40と電極50が形成され、電極40と電極50には交番電流が図示しない発振回路から流され、振動腕20と30が屈曲振動をする。
【0028】
電極40および50は、表面では振動片100を実装するときに、図示しない外部接続端子と電気的に接続し、固定される支持アーム10aおよび10bを含む基部10に引き回され、基部電極40a、50aを形成する。さらに、基部10に形成された基部電極40aは基部10の側面部を経由し裏面の基部電極40aを形成する。基部電極40a、50aから、励振部となる振動腕20、30の溝へ延伸されている。
【0029】
次に、図3(a)における溝を含むQ−Q’断面を示す図4(b)を参照しながら電極膜について説明する。先ず、振動腕20について説明する。振動腕20の表面には溝20a、20bが、裏面には溝20cが形成されている。この溝20a、20b、20cと振動腕20の側面20d、20eとによって、外壁20f、20g、内壁20h、20iが形成されている。この内壁20h、20iの壁面に沿って電極40、50が配線されている。内壁20hでは、溝20a部分に励振電極40bが、溝20c部分に励振電極50bが形成される。内壁20iでは、溝20c部分に励振電極50cが、溝20b部分に励振電極40cが形成される。
【0030】
なお電極50は図3(a)のP−P’部断面である図4(a)に示す通り、表面の基部電極50aから振動腕20の表面を引き回し、裏面へ繋がる引き回し配線50fによって、励振電極50c、50dに繋がっている。
【0031】
ここで、電極40、50に交番電流を流すと、励振電極40bと50bが形成された内壁20hに電界が発生し、励振電極40cと50cが形成された内壁20iには内壁20hとは逆方向の電界が発生する。従って、例えば、内壁20hを伸ばす方向の電界を内壁20hの中に発生させた場合には、内壁20iには逆の縮める方向の電界を発生させ、内壁20hを縮める方向に電界を内壁20hの中に発生させた場合には、内壁20iには逆の伸ばす方向の電界を発生させる。これを交互に繰り返すことで振動腕20は図3(a)の振動腕20の先端部に描いた矢印方向に示す屈曲振動を繰り返す。
【0032】
同様に振動腕30について説明する。振動腕30では内壁30hに電界を発生させるように励振電極40d、50dが引き回され、内壁30iには内壁30hとは逆方向の電界を発生させるように電極40eと50eが引き回されている。従って、例えば、内壁30hを伸ばす方向に電界を内壁30hの中に発生させた場合には、内壁30iには逆の縮める方向の電界を発生させる。内壁30hを縮める方向に、電界を内壁30hの中に発生させた場合には、内壁30iとは逆の伸ばす方向の電界を発生させる。これを交互に繰り返すことで振動腕30は図3(a)の振動腕30の先端部に描いた矢印方向に示す屈曲振動を繰り返す。
【0033】
さらに振動腕20の内壁20hと、振動腕30の内壁30hとは同方向の電界を発生させる電極配線がされている。また、振動腕20の内壁20iと、振動腕30の内壁30iとは同方向で、なお且つ、振動腕20の内壁20hと、振動腕30の内壁30hとは逆方向の電界を発生させる電極配線がされている。これにより、振動腕20と振動腕30とは、先端部が接近と離間を繰り返す音叉型振動片としての屈曲振動をする。
【0034】
上述の通り、振動腕20および30に備える屈曲振動部の各々の壁が伸縮をすることで、振動腕20と30は屈曲振動している。このとき、各壁の壁面は、壁が収縮すると壁面の温度は上昇し、壁が伸張すると壁面の温度は下降する。振動腕20の場合、例えば内壁20hが伸張し、内壁20iが収縮すると、励振電極が配置されていない外壁20f、20gも内壁20h、20iの伸縮によって、同時に外壁20fは伸張し、外壁20gは収縮するので、外壁20fと内壁20hの温度は上昇し、外壁20gと内壁20iの温度は下降する。従って、外壁20f、内壁20hと、外壁20g、内壁20iとの間には温度差が生じる。この温度差は熱伝導(熱移動)により温度平衡状態に近づくために機械的に取り出せるエネルギーが減少してQ値が劣化する。そして屈曲振動の周波数と、ほぼ温度平衡状態に到達するまでの緩和時間τoに反比例する緩和周波数foが近いほどQ値の劣化は大きい。ここで、緩和振動数foと緩和時間τoとは、fo=1/(2πτo)で示される。
【0035】
振動腕20および30の屈曲振動部を複数の壁によって形成し、振動部の熱伝達経路を長くすることにより、緩和時間τを長くし、更に外壁20f、20gに熱伝導率の高い金属電極を配置させないことで、特に外壁20f、20gに発生する熱の温度平衡状態までの緩和時間を長くすることが可能となる。従って、緩和振動数foを屈曲振動周波数から遠ざけることとなり、熱弾性効果によるQ値の低下を抑制することができる。
【0036】
また、本発明による振動片は、励振電極の面積を実質的に増加させることができるため、振動に対する機械系と電気系との変換効率を向上させることができる。すなわち、図5の等価回路に示すように、図5における左側からの電気系への入力インピーダンスZとしての機械系の抵抗値、すなわちCI値は、Rm/Φ2(Φは機械系と電気系との変換効率)で表され、変換効率Φを向上させることができることから、CI値を小さくすることができる。
【0037】
なお、上述では屈曲振動モードの振動片として説明したが、屈曲振動モードを主体として他の振動モード、例えば捻り振動モードを含む振動片であっても上述と同様の効果、Q値の低下防止と低いCI値を有する振動片を得ることができる。
【0038】
なお、溝の配置について、振動片100の振動腕20の主面100a側には溝20a、20b、振動腕30には溝30a、30bの2本が形成され、各振動腕の他方の主面100b側には溝20c、30cの各1本が形成された形態を説明したが、振動腕20もしくは30のどちらかの振動腕の表面に溝1本、裏面側に溝2本が形成された形態でも良い。
【0039】
また、各振動腕20、30の中央溝である溝20cおよび溝30cに形成される励振電極50b、cおよび40d、eは溝底部で離間しているが、この励振電極50b、cおよび40d、eは同相の電流が流れる励振電極であるので、溝底部で繋がっていても良い。このように、溝底部で繋げることで電極作成を容易にすることができる。
【0040】
なお、振動腕20および30に形成される溝の配置は、図6に示す振動腕20および30の溝部分の断面形状のように、溝20a、20b、20c、および溝30a、30b、30cの開口が一方の主面側だけ、図6では主面100a側だけに開口していても良い。また、図示しないが、例えば一方の振動腕、例えば振動腕30の溝開口が主面100a側に開口し、一方の振動腕20の溝開口が他方の主面100b側に開口していても良い。
【0041】
図7は、屈曲振動部に形成される溝、壁の形成形態のその他の形態を示す断面図である。図7(a)および(b)は、その他の形態の振動片であり、図3(a)におけるQ−Q’断面位置での断面形状を示す。図7(a)に示す振動片は、振動腕20、30の主面100a側に溝60a、60bの2本の溝と、他方の主面100b側に溝60c、60dの2本の溝が形成され、壁が5つ構成される。このとき電極40と50は内壁60f、60hに形成される。中央部の内壁60gは、振動腕20、30の中央部に形成されているため、振動腕20、30の屈曲振動には寄与しない壁であるため電極40あるいは50は形成されない。
【0042】
図7(b)に示す振動片は、振動腕20、30の主面100a側に溝70a、70b、70cの3本の溝と、他方の主面100b側に溝70d、70eの2本の溝が形成され、壁が6つ構成される。このとき電極40と50は内壁70g、70h、70iに形成される。
【0043】
上述の図7で説明した形態から、本願発明の溝は、振動腕の一方の面には2本以上の溝を形成し、他の一方の面には1本以上の溝を形成することで、Q値の低下防止と、低いCI値の振動片を実現できる。
【0044】
(第2実施形態)
上述の第1実施形態による振動片100を用いた振動子について説明する。図8(a)は、蓋体を除いて内部を露出させた状態での振動子1000の平面図、図8(b)は図8(a)におけるB−B’線の断面を示す断面図である。振動片100は、第1基板201、第2基板202、第3基板203を積層し形成したパッケージ200の内部に、第2基板202上に備えた電極部500に、振動片100の支持アーム10a、10bの電極30、40を対向させて導電性接着剤600により電気的に接続し、パッケージ200に固定される。電極部500は図示しないパッケージ200内の経路を経て、パッケージ200の外部に形成された実装端子501と繋がっている。
【0045】
振動片100が固定されたパッケージ200の開口の端部に蓋体300を封止剤400によって、減圧チャンバー内でパッケージ200に固定され、振動片100の内部が減圧状態に保たれる。こうして得られた振動子1000は、実装端子501を介して図示しない発振回路からの交番電流により振動片100を屈曲振動させる。
【0046】
第1実施形態の振動片100を振動子1000に用いたことにより、Q値の低下防止と、低いCI値を有する振動子を得ることができる。
【0047】
(第3実施形態)
第3実施形態として、上述の第1実施形態による振動片100を用いた発振器について説明する。図9は、第3実施形態の発振器2000を示す断面図である。本実施形態は、第2実施形態の振動子1000に対して、振動片100を駆動させる駆動回路を含むICチップを備えた点で、第2実施形態と異なるため、第2実施形態と同様の構成の説明は省略し、同じ構成には同一の符号を付与する。
【0048】
図9に示すように、発振器2000はパッケージ200の内部に振動片100を第2基板202上の電極部500に固定されている。さらに、第1基板201にはICチップ700が接着剤などにより固定され、ICチップ700の上面に形成されたIC接続パッド701と第1基板201上に形成された内部接続端子502とを金属ワイヤー800で電気的に接続している。
【0049】
第1実施形態の振動片100を発振器に用いたことにより、Q値の低下防止と、低いCI値を有する発振器を得ることができる。
【符号の説明】
【0050】
10…基部、20,30…振動腕、40,50…電極、100…振動片。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、前記基部より延伸して形成され、屈曲振動する屈曲振動部を備える振動腕とを備える振動片であって、
前記屈曲振動部は、前記振動腕の前記屈曲振動の振動面にほぼ平行な1対の主面を備え、前記主面の両面もしくはどちらか一方の面に前記振動面と交差する方向に形成された溝部を3以上備え、
前記振動腕の前記振動面と交差する外平面と、前記外平面に最も近い前記溝部によって形成される1対の外壁と、隣り合う前記溝部により形成される複数の内壁とが形成され、前記複数の内壁の一部もしくは全部を電気的に屈曲振動させる、
ことを特徴とする振動片。
【請求項2】
前記内壁を形成する隣り合う前記溝部の一方の前記溝部の開口部が一方の前記主面に形成され、他方の前記溝部の開口部が他方の前記主面に形成され、
一方の前記主面は1以上の前記溝部を備え、他方の前記主面は2以上の前記溝部を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の振動片。
【請求項3】
前記基部より2本の前記振動腕が平行に延出された音叉型振動片である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の振動片。
【請求項4】
前記振動片が水晶からなる、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の振動片。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の振動片と、
前記振動片を収納するパッケージと、を有する、
ことを特徴とする振動子。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載の振動片と、
前記振動片を駆動させる機能を有する回路部と、を有する、
ことを特徴とする発振器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−254352(P2011−254352A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127580(P2010−127580)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】