説明

搬送システム

【課題】コンベアにより搬送されてくる搬送ワークを仕分けロータにより一定間隔にする場合に、搬送ワークがコンベア側壁と仕分けロータ外周との間に挟み込まれないようにし、低騒音で、機械的摩擦や衝撃が少なく、高速で搬送が可能なシステムを提供する。
【解決手段】搬送システム10は、ガイド側壁12Aを備えたコンベア12と、コンベア12と平行な面内で回転され、搬送されてくる搬送ワーク16を捕捉する仕分けロータ20と、この仕分けロータ20の外周と前記ガイド側壁12Aとの間での搬送ワーク16の噛み込みを防止するための噛み込み防止用ローラ46とを有してなり、仕分けロータ20は、外周端面に、円周方向等角度間隔で、切欠状の搬送凹部28を有し、前記噛み込み防止用ローラ46は、仕分けロータ20との間に、搬送ワーク16を挟み込む位置に配置され、搬送ワーク16を、コンベア12による搬送方向と逆方向に戻すように回転される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送システムに係るものであり、特に、搬送ワークを停止させることなく高速で等間隔にしつつ搬送することができる搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、搬送ワークが検査用の血液等を入れた試験管を搬送するための試験管ホルダの場合、特許文献1に記載されるように、原流側コンベアと支流側コンベアとの分岐位置に配設される回転体と、この回転体に、中心から放射方向に延びるように円周方向等間隔に取付けられた複数のワーク分離アームと、隣接する2つのワーク分離アーム間に配置され、試験管ホルダに係合可能なワーク係合部材と、を有する分岐ユニットを設け、原流側コンベアによって連続的に搬送されてくる試験管ホルダをワーク分離アームで分離すると同時に、コンベア上で一定間隔にするようにしたものがある。
【0003】
上記のような分岐ユニットは、ワーク分離アームの先端とコンベア両側のガイド部材(壁)との間で搬送ワークが噛み込まれたとき、機械的な摩擦や衝撃が発生し易く、騒音、試験管ホルダの破損が増大したり、ワーク分離アームの回転が停止してしまうことがあるという問題点がある。
【0004】
【特許文献1】特開平6−321345号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、搬送ワークの噛み込みを防止することができる搬送システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下の本発明によって、上記課題を解決することができる。
【0007】
(1)搬送ワークをガイドするガイド側壁を備えたコンベアと、このコンベアと平行な面内で回転され、且つ、その回転方向がコンベア上では、コンベアの搬送方向とほぼ同一方向とされ、コンベアにより搬送されてくる搬送ワークを捕捉する仕分けロータと、この仕分けロータの外周と前記ガイド側壁との間での搬送ワークの噛み込みを防止するための噛み込み防止用ローラとを有してなり、前記仕分けロータは、その外周端面に、円周方向等角度間隔に、前記搬送ワークの外周形状の一部と略一致する切欠状の搬送凹部を有し、前記噛み込み防止用ローラは、前記コンベアによって搬送される搬送ワークが、前記仕分けロータの外周に接触を開始する位置において、仕分けロータとの間に、搬送ワークを挟み込む位置に配置され、仕分けロータの外周との間で挟み込まれようとする搬送ワークを、前記コンベアによる搬送方向と逆方向に戻すように回転されていることを特徴とする搬送システム。
【0008】
(2)前記噛み込み防止用ローラは、モータによりばねカップリングを介して回転駆動され、前記仕分けロータとの間に挟み込まれた搬送ワークからの反力が生じたとき、この搬送ワークから離間する方向に弾力的に変位できるようにされていることを特徴とする(1)に記載の搬送システム。
【0009】
(3)吸着装置及び制御装置を設けてなり、前記吸着装置は、前記仕分けロータの外周の内側近傍に、円周方向等角度間隔に配置され、且つ、仕分けロータと一体的に回転する複数の吸着口を供え、各吸着口は、独立して前記コンベア上の搬送ワークを吸着、解放可能とされ、前記制御装置は、前記吸着装置の吸着口に負圧を印加し、又は解放させ、前記搬送ワークの吸着、解放を制御するようにされたことを特徴とする(1)又は(2)に記載の搬送システム。
【0010】
(4)前記吸着口は、前記搬送凹部の仕分けロータ回転中心側に近接した位置に配置され、吸着口に吸着された搬送ワークの外周の一部が、前記搬送凹部の内周面に接触するようにされたことを特徴とする(3)に記載の搬送システム。
【0011】
(5)前記仕分けロータの外周の接線に沿って、前記コンベアよりも、ロータ回転方向先方側に、少なくとも1つの支流側コンベアを設け、前記コンベア上で吸着された搬送ワークを前記仕分けロータの回転に従って、吸着状態のまま搬送され、前記支流側コンベア上で解放可能となるように構成されたことを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の搬送システム。
【0012】
(6)前記搬送ワークは、コンベア上に載置可能な円盤状の基部と、この基部の中心に立設された、基部よりも小径の円筒部と、を有してなり、前記仕分けロータは、前記基部の外周及び円筒部の外周のうち少なくとも円筒部に接触する高さに設けられ、前記吸着装置は、前記吸着口が前記基部の外周を吸着可能な高さに設けられたことを特徴とする(1)乃至(5)のいずれかに記載の搬送システム。
【発明の効果】
【0013】
この発明における搬送システムは、コンベア上を搬送されてきた搬送ワークを、仕分けロータの搬送凹部内に取り込むことによって搬送ワークを一定間隔とするものであるが、仕分けロータの先端とコンベア側壁との間に搬送ワークが噛み込まれそうになったとき、噛み込み防止ロータの回転によって、コンベアによる搬送方向と逆方向に、搬送ワークを戻して、噛み込みを防止すると共に、その搬送ワークを次の搬送凹部内に入り込むようにして、搬送ワークの噛み込みを確実に防止すると共に、搬送ワークを一定間隔にして搬送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
最良の形態に係る搬送システムは、コンベア(原流側コンベア)から支流側コンベアへの分岐位置に、切欠状の搬送凹部を円周方向等角度間隔に有する仕分けロータと、この仕分けロータと一体に回転する吸着装置と、前記コンベアによって搬送される搬送ワークが前記仕分けロータの外周に接触を開始する位置において、仕分けロータとの間に搬送ワークを挟む込む位置に配置された噛み込み防止用ローラとを有してなり、前記噛み込み防止用ローラは、仕分けロータの外周とコンベア側壁との間で挟み込まれようとする搬送ワークを前記コンベアによる搬送方向と逆方向に戻すように回転されていて、この戻された搬送ワークは仕分けロータの搬送凹部に確実に入り込み、この搬送ワークは、吸着装置によって吸着されて前記搬送凹部に保持されて、仕分けロータにより搬送される構成である。
【実施例1】
【0015】
以下図1〜図5を参照して、本発明の実施例1に係る搬送システム10について詳細に説明する。
【0016】
この搬送システム10は、幅方向両側に搬送物をガイドするガイド側壁12Aを備えた原流側コンベア(以下コンベア)12と、これから分岐された支流側コンベア14と、前記コンベア12から支流側コンベア14への分岐位置近傍に配置され、コンベア12により連続して搬送されてくる搬送ワーク16を捕捉して一定間隔とすると共に、支流側コンベア14に導くか、又はコンベア12によりそのまま搬送させるかの仕分けをする仕分けロータ20と、この仕分けロータ20の外周と前記ガイド側壁12Aとの間での搬送ワーク16の噛み込みを防止するための噛み込み防止用ローラ46とを有している。
【0017】
前記仕分けロータ20は、外周部が前記コンベア12及び支流側コンベア14上を通る大きさであって、その外周端面に、円周方向等角度間隔に、前記搬送ワーク16の外周形状の一部と略一致する切欠状の12ヶ所の搬送凹部28(28A〜28L)を有し、且つ、コンベア12と平行な面内で、その回転方向がコンベア12上では、このコンベア12とほぼ同一方向となるように、図1において時計方向に回転され、前記コンベア12から支流側コンベア14方向にその外周が移動するようにされている。
【0018】
前記噛み込み防止用ローラ40は、前記コンベア12によって搬送される搬送ワーク16が、前記仕分けロータ20の外周に接触を開始する位置において、仕分けロータ20との間に、搬送ワーク16を挟み込む位置に配置され、仕分けロータ20の外周との間で挟み込まれようとする搬送ワーク16を、前記コンベア12による搬送方向と逆方向に戻すように時計方向に回転されている。
【0019】
前記噛み込み防止用ローラ46は、モータ47によりばねカップリング48を介して回転駆動され、仕分けロータ20との間に挟み込まれた搬送ワーク16からの反力が生じたとき、この搬送ワーク16から離間する方向に弾力的に変位できるようにされている。
【0020】
前記仕分けロータ20の外周の回転中心側近傍位置には、図2に示されるように仕分けロータ20の下側において、円周方向等角度間隔に配置され、且つ、仕分けロータ20と一体的に回転する12個の吸着口26を備えた前記吸着装置22が設けられている。
【0021】
前記吸着口26は、各々独立して、前記コンベア12上の搬送ワーク16を吸着、解放可能とされ、制御装置24により、前記吸着装置22の吸着口26に選択的に負圧を印加し、又は解放させ、前記搬送ワーク16の吸着、解放を制御されるようになっている(詳細後述)。
【0022】
前記搬送ワーク16は、図2に示されるように、コンベア上に載置可能な円盤状の基部16Aと、この基部16Aの中心に立設された、基部16Aよりも小径の円筒部16Bとから構成されている。この実施例1においては、搬送ワーク16は、試験管ホルダであって、円筒部16Bには、上方から、試験管17が挿入され、ここに支持されるようになっている。
【0023】
前記仕分けロータ20は、その平面形状が、図1に示されるように、前記搬送凹部28A〜28Lが形成された丸鋸形状とされていて、前記各搬送凹部28間の突出部は、原流側コンベア12上を連続的に搬送される搬送ワーク16間に入り込んで、これを分離する分離突起30とされている。
【0024】
前記仕分けロータ20及び噛み込み防止用ローラ40は、共に、その回転中心軸の軸線方向には、コンベア12上の搬送ワーク16における、基部16A近傍での前記円筒部16Bの外周に接触する高さ位置となるようにされている。又、前記搬送凹部28は、前記搬送ワーク16の円筒部16Bの外周が仕分けロータ20の半径方向に入り込むことができるように、円筒部16Bの外周の一部と略一致する形状とされている。
【0025】
更に、前記仕分けロータ20は、ロータリージョイント32の上端においてその中心が支持され、このロータリージョイント32の回転部32Aを介して、図2に示される仕分けロータ回転用モータ34の出力軸に連結され、これによって図1において時計方向に回転駆動されるようになっている。
【0026】
図2において、符号36はロータリーエンコーダを示し、このロータリーエンコーダ36は、タイミングベルト37を介して前記ロータリージョイント32と共に回転し、その回転数あるいは回転角度を検出することができるようにされている。又、符号32Bは、前記ロータリージョイント32の下側の固定部を示す。
【0027】
前記吸着口26は、前記ロータリージョイント32の回転部32Aから放射方向に、且つ、円周方向等角度間隔に延在された12本の負圧パイプ38A〜38Lの先端の各々に設けられている。
【0028】
前記負圧パイプ38A〜38Lの各々の先端に設けられた前記吸着口26は、一定範囲で伸縮自在の、蛇腹状の軟質樹脂からなる吸着パッドにより構成されている。
【0029】
前記ロータリージョイント32は、負圧源40からの負圧を導く12本の負圧管路42A〜42Lを、仕分けロータ20と共に回転する前記負圧パイプ38A〜38Lに接続することにより、これらに負圧を供給できるようにされている。
【0030】
前記負圧管路42A〜42Lの途中には、それぞれ、電磁バルブ44A〜44Lが配置され、負圧管路42A〜42Lに、選択的に負圧を導入したり、あるいは負圧を解除して大気解放とすることができるようにされている。前記電磁バルブ44A〜44Lは、前記制御装置24によって、負圧の導入、解放が制御されるようになっている。
【0031】
前記搬送ワーク16における円盤状の基部16Aには、該搬送ワーク16によって搬送される試験管17内の検体の個別の特性(ID)の情報が書き込まれているICチップ等のデータキャリア50が取付けられている。
【0032】
又、前記搬送ワーク16の基部16Aには、その外周又は内周に沿って、アンテナコイル52が設けられ、リーダライタ54から供給される電磁波によって電力を発生させるとともに信号を受け、且つ、データキャリア50に書き込まれているID情報を発信できるように構成されている。
【0033】
前記リーダライタ54は、図1及び図5に示されるように、コンベア12の搬送方向の直線が仕分けロータ20の外接線となる位置で、コンベア12を間にして、前記仕分けロータ20の反対側に配置されていて、このリーダライタ54と仕分けロータ20の間に搬送されてきた搬送ワーク16のアンテナコイル52に対して、電磁波を供給すると同時に、データキャリア50に記録されているID情報を読み取ることができるようにされている。
【0034】
前記制御装置24は、前記リーダライタ54と、前記電磁バルブ44A〜44Lと、前記リーダライタ54からの読み取り信号に基づいて、支流側コンベア14に仕分けすべき搬送ワーク16が、リーダライタ54に検出されたとき、検出と同時に、対応する電磁バルブ44A〜44Lのいずれか1つを駆動して、負圧を導入するようにされたCPU56と、前記ロータリーエンコーダ36とを備えて構成されている。
【0035】
次に、上記実施例1に係る搬送システム10によって、搬送ワーク16を搬送する過程について説明する。
【0036】
図1に示されるように、図において左方向から右方向にコンベア12によって搬送ワーク16を連続的に搬送する。
【0037】
このとき、搬送ワーク16の、前記データキャリア50には、例えば搬送する試験管17内の検体のID情報が予め記録されている。
【0038】
前記仕分けロータ20及び噛み込み防止用ローラ46は、共に、図において時計方向に回転される。搬送ワーク16がコンベア12上を送られ、回転する仕分けロータ20の前記搬送凹部28に捕捉されたときは、そのまま、仕分けロータ20の回転に従ってコンベア12上を移動する。
【0039】
一方、搬送ワーク16が、仕分けロータ20の分離突起30の先端近傍の外周位置に接触したとき、該分離突起30によって、搬送ワーク16は仕分けロータ20の中心から離間する方向に押されるが、これによって、前記噛み込み防止用ローラ46と接触し、搬送ワーク16は例えば図1の実線で示される位置から噛み込み防止用ローラ46によって撥ねられて、前記分離突起30の回転方向反対側に隣接する次の搬送凹部28内に入り込む。
【0040】
したがって、搬送ワーク16は、仕分けロータ20の分離突起30と、コンベア12の側壁12Aとの間で挟み込まれたりすることが防止されるとともに、連続的に接触してコンベア12上を搬送されてくる複数の搬送ワーク16の間に分離突起30が入り込んで、各搬送ワーク16間を定間隔に分離できることになる。
【0041】
前記仕分けロータ20の搬送凹部28に入り込んだ搬送ワーク16は、前記リーダライタ54の位置で、予め記録されているID情報が、該リーダライタ54によって読み取られる。
【0042】
リーダライタ54によって読み取られたID情報は、前記CPU56に出力され、CPU56は、その読み取り情報によって、搬送ワーク16をコンベア12あるいは支流側コンベア14のいずれに仕分けするか判定して、支流側コンベア14に搬送する場合は、対応する負圧管路、図3の例では負圧管路42Aの電磁バルブ44Aを開いて、負圧源40からの負圧を負圧管路42Aを経て、対応する負圧パイプ38Aの先端の吸着口26に供給する。コンベア12によりそのまま搬送すべき搬送ワーク16の場合は、吸着口26に負圧が印加されない。
【0043】
前記の負圧の印加によって、負圧パイプ38Aの吸着口26は搬送ワーク16の基部16Aの外周を吸引し、この吸引によって、吸着パッド形状の吸着口26は基部16Aに接触するまで延びて、これを吸着することになる。
【0044】
なお、前記負圧パイプ38A〜38Lの回転方向の位置はロータリーエンコーダ36によって常時検知されている。
【0045】
前記負圧パイプ38Aの吸着口26によって吸着された搬送ワーク16は、仕分けロータ20の回転と共に移動して、支流側コンベア14上に至る。
【0046】
この支流側コンベア14上に到達したとき、即ち負圧パイプ38Aがリーダライタ54と対向する位置から時計方向に90°回転したタイミングは、ロータリーエンコーダ36によって検知され、これによって、CPU56は電磁バルブ44Aを大気開放に切替え、吸着されていた搬送ワーク16は支流側コンベア14上に解放されることになる。
【0047】
実施例1に係る搬送システム10は、前記コンベア12に対して、支流側コンベア14とコンベア62とを設けて、2方向に搬送ワーク16を仕分けするものであるが、本発明はこれに限定されるものでなく、各種の搬送ワークの搬送に用いることができるものであり、支流側コンベアを設けない場合にも適用されるものである。
【0048】
更に、上記実施例において、搬送ワーク16は、吸着口26によって吸着されたり、あるいはされなかったりする構成であるが、本発明のこれに限定されるものでなく、吸着されることなく搬送ワークが搬送凹部に入り込んで捕捉されるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施例に係る搬送システムを示す平面図
【図2】図1のII−II線に沿う断面図
【図3】同搬送システムの負圧回路を示す管路図
【図4】図1のIV−IV線に沿う断面図
【図5】図1のV−V線に沿う断面図
【符号の説明】
【0050】
10…搬送システム
12…原流側コンベア
14…支流側コンベア
16…搬送ワーク
16A…基部
16B…円筒部
20…仕分けロータ
22…吸着装置
24…制御装置
26…吸着口
28…搬送凹部
30…分離突起
32…ロータリージョイント
36…ロータリーエンコーダ
38A〜38L…負圧パイプ
40…負圧源
44A〜44L…電磁バルブ
46…噛み込み防止用ローラ
50…データキャリア
54…リーダライタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送ワークをガイドするガイド側壁を備えたコンベアと、このコンベアと平行な面内で回転され、且つ、その回転方向がコンベア上では、コンベアの搬送方向とほぼ同一方向とされ、コンベアにより搬送されてくる搬送ワークを捕捉する仕分けロータと、この仕分けロータの外周と前記ガイド側壁との間での搬送ワークの噛み込みを防止するための噛み込み防止用ローラとを有してなり、
前記仕分けロータは、その外周端面に、円周方向等角度間隔に、前記搬送ワークの外周形状の一部と略一致する切欠状の搬送凹部を有し、
前記噛み込み防止用ローラは、前記コンベアによって搬送される搬送ワークが、前記仕分けロータの外周に接触を開始する位置において、仕分けロータとの間に、搬送ワークを挟み込む位置に配置され、仕分けロータの外周との間で挟み込まれようとする搬送ワークを、前記コンベアによる搬送方向と逆方向に戻すように回転されることを特徴とする搬送システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記噛み込み防止用ローラは、モータによりばねカップリングを介して回転駆動され、前記仕分けロータとの間に挟み込まれた搬送ワークからの反力が生じたとき、この搬送ワークから離間する方向に弾力的に変位できるようにされていることを特徴とする搬送システム。
【請求項3】
請求項1又は2において、
吸着装置及び制御装置を設けてなり、
前記吸着装置は、前記仕分けロータの外周の内側近傍に、円周方向等角度間隔に配置され、且つ、仕分けロータと一体的に回転する複数の吸着口を供え、各吸着口は、独立して前記コンベア上の搬送ワークを吸着、解放可能とされ、
前記制御装置は、前記吸着装置の吸着口に負圧を印加し、又は解放させ、前記搬送ワークの吸着、解放を制御するようにされたことを特徴とする搬送システム。
【請求項4】
請求項3において、
前記吸着口は、前記搬送凹部の仕分けロータ回転中心側に近接した位置に配置され、吸着口に吸着された搬送ワークの外周の一部が、前記搬送凹部の内周面に接触するようにされたことを特徴とする搬送システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記仕分けロータの外周の接線に沿って、前記コンベアよりも、ロータ回転方向先方側に、少なくとも1つの支流側コンベアを設け、
前記コンベア上で吸着された搬送ワークを前記仕分けロータの回転に従って、吸着状態のまま搬送され、前記支流側コンベア上で解放可能となるように構成されたことを特徴とする搬送システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記搬送ワークは、コンベア上に載置可能な円盤状の基部と、この基部の中心に立設された、基部よりも小径の円筒部と、を有してなり、
前記仕分けロータは、前記基部の外周及び円筒部の外周のうち少なくとも円筒部に接触する高さに設けられ、前記吸着装置は、前記吸着口が前記基部の外周を吸着可能な高さに設けられたことを特徴とする搬送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−298505(P2006−298505A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−118160(P2005−118160)
【出願日】平成17年4月15日(2005.4.15)
【出願人】(592053778)株式会社日本設計工業 (18)
【出願人】(000001834)三機工業株式会社 (316)
【Fターム(参考)】