搬送移載装置
【課題】複数の物品を迅速にしかも繰り返し確実に容器へ挿入でき、しかも複数の物品を重ねて挿入できる搬送移載装置を提供する。
【解決手段】搬送移載装置4は、多段トレー5と、搬送手段6と、吸着パッド7,8と、吸着パッド7,8の位置を相対的に接近又は離間させる変位手段と、移送手段9と、容器供給手段10とを備える。物品1,2は、互いに高さを違えるように多段トレー5に載せられる。搬送移載装置4によれば、搬送手段6が多段トレー5と共に物品1,2を搬送し、これらの物品1,2を吸着パッド7,8にそれぞれ吸着させた状態で、上記の変位手段が、吸着パッド7,8を相互に接近させることにより、物品1,2を重ね合わせた後、物品1,2を容器3に挿入できる。
【解決手段】搬送移載装置4は、多段トレー5と、搬送手段6と、吸着パッド7,8と、吸着パッド7,8の位置を相対的に接近又は離間させる変位手段と、移送手段9と、容器供給手段10とを備える。物品1,2は、互いに高さを違えるように多段トレー5に載せられる。搬送移載装置4によれば、搬送手段6が多段トレー5と共に物品1,2を搬送し、これらの物品1,2を吸着パッド7,8にそれぞれ吸着させた状態で、上記の変位手段が、吸着パッド7,8を相互に接近させることにより、物品1,2を重ね合わせた後、物品1,2を容器3に挿入できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の物品を搬送し、これらの物品同士を重ね合わせて容器に挿入する搬送移載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の物品を搬送し容器に挿入する例として、容器入り即席麺を製造する工程で、開口を上向きにした椀形の容器に、油揚げや天ぷら等の大きな具材と、かまぼこや小袋入りスープ等の小さな具材とを一緒に挿入することがある。この場合、予め容器に投入された麺塊の上に油揚げ等の大きな具材を置き、更にその上にかまぼこ等の小さな具材を積重ねる。これは、大きな具材と小さな具材の両方が容器に挿入されたことを、容器の上方から目視、又はモニターカメラを用いて監視するときに、大きな具材の下に小さな具材が隠れないようにするためである。
【0003】
また、下記の特許文献には物品を容器に挿入する装置が開示されている。1つの容器に対して複数の物品を挿入する動作を連続して高速に行う場合、全ての物品を容器に収まるよう瞬時に位置決めするのは難しい。例えば、スープを封入した大きな長方形の袋を、この袋より僅かに開口の広い容器に挿入するとき、容器内で袋が跳ねる等すると、袋の角部が容器の開口から飛び出すことがある。また、上記のかまぼこ等の小さな具材が、容器の内面と同容器に投入された麺塊との隙間に落ち込んだ場合、この小さな具材を上方から視覚的に判別するのが難しくなり、上記の監視が困難となる。
【特許文献1】特開2004−175401号公報
【特許文献2】特開2006−056605号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の実情に鑑みて為されたものであり、複数の物品を迅速にしかも繰り返し確実に容器へ挿入でき、しかも複数の物品を重ねて挿入できる搬送移載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、搬送されて来る複数の物品を、容器内に重ね合わせて挿入するための搬送移載装置に係るものであって、前記複数の物品を互いに隔て、且つ前記複数の物品を互いの高さを違えて載置される多段トレーと、前記多段トレーと共に前記複数の物品を搬送する搬送手段と、前記複数の物品を着脱自在に保持できる複数の移載ヘッドと、前記複数の移載ヘッド同士の位置を、前記多段トレーに載置された複数の物品が互いに隔たる方向に、相対的に接近又は離間させる変位手段と、前記複数の移載ヘッドを前記多段トレーに対向させ、又は前記多段トレーから離間させる移送手段と、上面が開放された容器を、前記多段トレーから離間した前記複数の移載ヘッドの真下に供給する容器供給手段とを備え、前記複数の移載ヘッドが前記多段トレーに対向した状態で、前記変位手段が、前記複数の移載ヘッドの位置を、前記多段トレーに載置された前記複数の物品にそれぞれ合致させ、前記複数の移載ヘッドが前記複数の物品をそれぞれ保持し、前記変位手段が、前記複数の移載ヘッドの位置を相対的に接近させることにより、前記複数の移載ヘッドに保持された前記複数の物品同士を重ね合わせ、前記複数の移載ヘッドが前記多段トレーから離間された状態で、前記複数の移載ヘッドが前記複数の物品をそれぞれ解放することにより、前記複数の物品を前記容器供給手段によって供給された容器内に重ね合わせて挿入することを特徴とする。
【0006】
更に、本発明に係る搬送移載装置は、前記搬送手段が、前記容器供給手段の上方に設置され、前記多段トレーと共に前記複数の物品を搬送する行程に、前記多段トレーを下降させる行程が含まれ、前記容器供給手段へ向けて下降する前記多段トレーに、前記複数の物品を位置決めできるストッパが設けられ、前記搬送手段が前記多段トレーを下降させる行程で、前記多段トレーが前記ストッパを下向きにした傾斜姿勢をとり、前記複数の物品が、前記多段トレーに対して滑ることにより前記ストッパに突き当ることを特徴とする。
【0007】
更に、本発明に係る搬送移載装置は、前記多段トレーに載置された複数の物品が互いに隔たる方向が、前記搬送手段が物品を搬送する搬送方向に直交すること、或いは、前記搬送方向に一致することを特徴とする。
【0008】
更に、本発明に係る搬送移載装置は、前記複数の移載ヘッドを、前記多段トレー又は前記容器に対して進退させる進退手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る搬送移載装置によれば、複数の物品を直接容器内に投入することなく、多段トレーに載せることで、容器内に重ね合わせて投入することができる。しかも、複数の物品を多段トレーに載せるときに、多段トレーに対して物品を正確に位置決めする必要がない。特に、人手によって物品を多段トレーに載せる場合に、多段トレー上で複数の物品同士を極めて狭い領域に接近させて載置しなくて済むので、個々の物品を多段トレーに順次載せる作業を手際良く行うことができる。
【0010】
また、本発明は、移送手段が複数の移載ヘッドを多段トレーに対向させた状態で、多段トレーに載置された複数の物品を、それぞれ複数の移載ヘッドに保持させ、これらの移載ヘッドの位置を変位手段が相対的に接近させることにより、互いに高さを違えたままで複数の物品同士を重ね合わせることができる。続いて、移送手段が複数の移載ヘッドを多段トレーから離間さて、保持した複数の物品を容器上に移送する。この状態で、複数の移載ヘッドが複数の物品をそれぞれ解放することにより、全ての物品を容器内に挿入でき、しかも容器上に接近した移載ヘッドから解放された物品は、容器内で跳ねることがないので、物品の全体を容器内に収めることができる。
【0011】
更に、本発明に係る搬送移載装置によれば、搬送手段が多段トレーを下降させる行程で傾斜姿勢をとる多段トレーのストッパに、複数の物品を突き当て、これらの物品を、多段トレーに対向する複数の移載ヘッドに保持させることができる。従って、多段トレーに載置された複数の物品がストッパによって位置決めされ、移載ヘッドから逸れることがなく、全ての物品を移載ヘッドで確実に保持することができる。
【0012】
上記の多段トレーに載置される複数の物品が互いに隔たる方向(多段トレー上に物品が並べられる方向)が、搬送方向に直交する場合、一度に供給されて来る容器の隣り合う容器同士のスペースを多段トレーの受け面のスペースに利用することができるので、スペースを有効利用でき、多段トレーの受け面の数を増やすことができる。或いは、複数の物品が互いに隔たる方向が搬送方向に一致する場合、多段トレーの幅、及び一度に供給されて来る容器の隣り合う容器同士のピッチを狭くすることができ、当該装置をコンパクトにすることができる。
【0013】
更に、本発明に係る搬送移載装置によれば、移送手段が複数の移載ヘッドを多段トレーに対向させた状態で、進退手段が、複数の移載ヘッドを多段トレーに載置された複数の物品に向けて前進させて、複数の物品をそれぞれ保持し、次いで複数の移載ヘッドを、多段トレーから後退させることにより、多段トレーに載置された複数の物品を多段トレーから取出すことができる。続いて、移送手段が複数の移載ヘッドを多段トレーから離間させた状態で、進退手段が、上記のように複数の物品をそれぞれ保持した複数の移載ヘッドを、その真下に供給された容器に向けて前進させることにより、複数の物品を容器内に挿入することができ、しかも、複数の物品を容器内により深く挿入できるという利点が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に述べるコンベヤ、移載ヘッド、又は駆動源の他、自明の技術については、その図示又は説明は省略する。例えば、コンベヤは、回転機にて駆動される回転輪に、無端状のチェーン又はベルト等の牽体を巻掛し、この牽体を回転輪の駆動に従わせて走行させるものである。また、移載ヘッドとして、吸引力により物品を吸着できる吸着パッドについて実施例1,2で述べるが、移載ヘッドは物品を磁石に吸着させるものでも良く、物品を突き刺し又は把持するものでも良い。また、駆動源とは、上記の回転機、或いは、シリンダに供給される空気又は油圧に基づき、ピストンロッドを進退させるエアシリンダ又は油圧シリンダである。
【実施例1】
【0015】
図1は、複数の物品1,2を搬送し、これらの物品1,2を重ね合わせて容器3に挿入する搬送移載装置4を示している。搬送移載装置4は、複数の多段トレー5と、搬送手段6と、複数の吸着パッド7,8と、後述の変位手段と、移送手段9と、容器供給手段10とを備える。
【0016】
図示の物品1,2は油揚げとかまぼこであり、両者のサイズは相違する。サイズとは、物品1,2又は吸着パッド7,8を平面図で見たときの面積を意味する。物品1,2の形態は何ら限定されるものではない。例えば、物品1は、天ぷらやスープ、具材(かやく)等を封入した袋でも良い。物品2は、物品1よりもサイズの小さい具材やスープ等を封入した小袋でも良い。本実施例で述べる横行き方向、及び搬送方向は互いに直交する方向である。
【0017】
多段トレー5は、図2に示すように、矢印xで指した横行き方向に並ぶ受け面51,52を有し、受け面51,52の高さを相互に違えている。受け面51,52に物品1,2をそれぞれ載せると、物品1,2は互いに横行き方向に隔たり、且つ物品1,2はそれぞれの高さを違えることになる。多段トレー5の一端には板状のストッパ11が形成され、多段トレー5の他端は上方へ向けて湾曲されている。更に、受け面51,52の間は、山形の突起53で仕切られている。
【0018】
搬送手段6は、図1に示すように、複数の多段トレー5を互いに等間隔でコンベヤの牽体61に取付けたものである。符号62は、牽体61を巻掛するためのスプロケットのピッチ線を指している。図3(a),(b)は、多段トレー5の両側を、2本の牽体61にアタッチメント部材63を介して連結した例を示している。また、受け面51,52は横行き方向に交互に並んでおり、個々の多段トレー5は、受け面51,52を8箇所ずつ有する。このため、搬送手段6は、8個の物品1と8個の物品2とを、矢印Tで指した搬送方向へ同時に搬送できる。
【0019】
また、搬送移載装置4を限られた敷地内に設置することを考慮し、図1に示すように、搬送手段6を容器供給手段10の上方に設置することが好ましい。例えば、工場の2階に搬送手段6を設置し、工場の1階に容器供給手段10を設置しても良い。この場合、搬送手段6が多段トレー5を搬送する行程には、工場の2階で多段トレー5を水平方向に搬送する水平行程と、工場の2階から容器供給手段10へ向けて多段トレー5を下降させる下降行程とが含まれる。
【0020】
図4は、吸着パッド7,8を、固定ホルダ71及び可動ホルダ81でそれぞれ2本ずつ保持し、可動ホルダ81と共に吸着パッド8を横行き方向に移動させる変位手段12を示している。固定ホルダ71は、フレーム121に支持され、固定レール72の途中に取付けられている。1本の固定レール72には、横行き方向に並ぶ8体の固定ホルダ71と、これに伴なう16本の吸着パッド7が取付けられる。可動ホルダ81は、固定レール72の下方に配置された可動レール82の途中に取付けられている。可動レール82は、フレーム121にガイドブッシュ122を介して支持されている。1本の可動レール82には、横行き方向に並ぶ8体の可動ホルダ81と、これに伴なう16本の吸着パッド8が取付けられている。
【0021】
図に表れていない駆動源が可動レール82を横行き方向にスライドさせると、吸着パッド7の下方に吸着パッド8が引き寄せられ、或いは吸着パッド8が吸着パッド7の下方から横行き方向に退くと、吸着パッド7,8の間隔が広がる。このように吸着パッド7に吸着パッド8を引き寄せることを、以下で「接近」と記し、反対に、吸着パッド7と吸着パッド8との間隔を広げることを「離間」と記す。また、吸着パッド7,8の移動は相対的に達成できれば良いので、吸着パッド8を固定ホルダ71に取付け、吸着パッド7を可動ホルダ81に取付け、吸着パッド8に対して吸着パッド7を移動させても良い。或いは、吸着パッド7,8の両方が横行き方向にスライドできるようにしても良い。
【0022】
吸着パッド7は、中空軸73の先端に吸盤74を設けたものである。中空軸73の後端にはエアブロワの吸気口が接続されている。このエアブロワが中空軸73を通して吸盤74の内側から空気を吸引するので、吸盤74の口縁を物品1の表面に接触させると、物品1は吸着パッド7に吸着される。これにより吸着パッド7は物品1を保持する。吸盤74とエアブロワとの間に電磁弁を設ければ、この電磁弁を閉じることにより、吸着パッド7に物品1を吸着するための吸引力を断ち、物品1を吸着パッド7から解放できる。吸着パッド8は、可動ホルダ81から延出する中空軸83の寸法が短い点と、物品2を吸着するための吸盤84のサイズが小さい点を除いて、吸着パッド7と同様のものである。吸着パッド7同士の間隔よりも、吸着パッド8同士の間隔は狭い。
【0023】
符号123は、変位手段12のフレーム121を、図5に示す移送手段9のピストンロッド91に接続するブラケットを指している。また、図5〜図8は、変位手段12を仮想線に置き換えて省略している。
【0024】
移送手段9は、図5に示すように、ピストンロッド91を矢印yで指した方向に進退させる駆動源である進退手段13と、進退手段13のシリンダに一端を接続し他端を回動支点92としたスイングアーム93と、スイングアーム93の一端付近にピストンロッド94をピン接合しシリンダの後端を回動支点95とした駆動源である昇降手段96とを備える。回動支点92,95は、スイングアーム93、又は昇降手段96のシリンダにそれぞれピンを接合し、これらのピンを、搬送移載装置4のフレーム等に軸受けさせた箇所である。
【0025】
容器供給手段10は、複数の枠形部材101を互いに等間隔でコンベヤの牽体102に取付け、個々の枠形部材101の内側に、上面が開放された容器3を落し込んだ状態で、容器3の周縁部を枠形部材101で受止めるものである。容器3は、その開口31を上方へ向けたカップである。枠形部材101は、互いに等間隔で牽体102に沿って配列され、更に横行き方向に8個並んでいる。このため、容器供給手段10は、矢印Cで指した方向へ8個の容器3を同時に搬送することができる。
【0026】
次に、搬送移載装置4の動作を説明する。搬送移載装置4は、オペレータの指令、センサ類からの電気信号、又は既述の駆動源と電磁弁を制御するコンピューターがアクセスできる記憶媒体に書き込まれたプログラムに基づいて、以下の第1工程〜第4工程を繰り返す。また、搬送移載装置4は、8組の物品1,2と8個の容器3を対象として動作するが、以下の説明は、1組の物品1,2と1つの容器3に注目して行うものとする。図面は特に断らない限り図1〜図4を参照する。
【0027】
最初に、オペレータの手作業等により、搬送手段6の水平行程で搬送される多段トレー5に、物品1,2を載せるようにしても良い。この場合、オペレータが物品1,2を受け面51,52に手早く投入すれば良く、多段トレー5に対して物品1,2を正確に位置決めする必要はない。
【0028】
更に、搬送手段6の下降行程で、多段トレー5が傾斜姿勢をとりストッパ11を下向きにするので、図3(c)に示すように、多段トレー5に載せられた全ての物品1,2は、受け面51,52に対して滑降し、ストッパ11に突き当ることになる。これにより、全ての物品1,2が、ストッパ11に沿うよう位置決めされる。
【0029】
第1工程として、図5に示すように、多段トレー5が下降行程の下限に近づいたところで、搬送手段6の牽体61が停止し、多段トレー5が容器供給手段10の近傍で待機する。この時点で、進退手段13及び昇降手段96は、それぞれのピストンロッド91,94を後退させ、吸着パッド7,8の吸盤74,84が、傾斜姿勢をとる多段トレー5の受け面51,52に対向する。また、変位手段12が、吸着パッド7,8同士を離間させることにより、図3(c)に丸印で表した吸盤74,84の横行き方向の位置と、物品1,2の位置とが一致する。
【0030】
第2工程として、図6に示すように、進退手段13が、ピストンロッド91を変位手段12と共に多段トレー5へ向けて前進させる。これにより、吸着パッド7,8の吸盤74,84を物品1,2に接触させ、物品1,2を吸着パッド7,8にそれぞれ吸着させることができる。
【0031】
尚、オペレータが多段トレー5の何れかの受け面51,52に物品1,2を載せるのを稀に忘れることが考えられる。この場合、多段トレー5へ向けて前進した吸着パッド7,8に受け面51,52が強く吸着されるのを防止するために、図2に示すように、受け面51,52に通気孔54又はスリット等を形成しておくことが好ましい。
【0032】
続いて、進退手段13が、ピストンロッド91を変位手段12と共に後退させ、吸着パッド7,8に吸着された物品1,2を、多段トレー5から取り出す。図7は、吸着パッド7,8及び物品1,2が多段トレー5から後退した位置を、仮想線で表している。この状態で、変位手段12が、可動ホルダ81をスライドさせて、吸着パッド7,8同士を接近させることにより、互いに高さを違えた物品1,2を、図3(c)に示すよう重ね合わせることができる。
【0033】
第3工程として、図7に示すように、昇降手段96がピストンロッド94を前進させ、回動支点92を中心にスイングアーム93が矢印dで指した反時計回りに旋回する。これにより、吸着パッド7,8に吸着された物品1,2を、変位手段12及び進退手段13と共に下降させ、スイングアーム93が進退手段13を下向きにした起立姿勢になったところで、昇降手段96がピストンロッド94を停止させる。
【0034】
一方、第1〜3工程の間に、容器供給手段10の牽体102は矢印Cで指した方向へ走行し、予め麺塊32が投入された容器3を搬送する。この行程の途中で牽体102が停止することにより、移送手段9の下方に容器3が位置決めされる。即ち、スイングアーム93が起立したときに、上記のように重ね合わされた一群の物品1,2と容器3とを真上から見ると、図3(c)に示すように、物品1,2が容器3の開口31に収まる。
【0035】
第4工程として、図8に示すように、進退手段13がピストンロッド91を前進させ、物品1が麺塊32の上面に触れる直前の高さまで、吸着パッド7が下降したところで、ピストンロッド91を停止させる。更に、吸着パッド7,8の吸引力を断ち、吸着パッド7,8から物品1,2を解放する。これらの物品1,2は、麺塊32の近傍で解放されるので、麺塊32の上面で跳ねる等して物品1の角部が容器3から飛び出すことがない。また、容器3の内面と麺塊32との隙間に物品2が落ち込むことがないので、物品2が容器3に挿入されたことを、目視又はモニターカメラを用いて、容器3の上方から監視することができる。
【0036】
更に、進退手段13及び昇降手段96が、それぞれのピストンロッド91,94を後退させ、回動支点92を中心にスイングアーム93が矢印uで指した時計回りに旋回する。これにより、吸着パッド7,8が、進退手段13と共に図5に示す位置まで上昇し、搬送移載装置4は第1工程を繰り返す。
【0037】
以上の説明では、変位手段12が物品1,2を重ね合わせる動作は、第2工程で行うと述べたが、この動作は、第3工程又は第4工程で進退手段13がピストンロッド91を前進させるまでに実行されても良い。また、第2,4工程で進退手段13が吸着パッド7,8を後退させることで、スイングアーム93が旋回するときに、物品1,2又は吸着パッド7,8が、ストッパ11又は容器3の口縁に衝突するのを避けられる。物品1,2のサイズを図示より小さくし、或いはストッパ11が受け面51,52から立ち上る寸法を低くすることにより、上記の衝突を避けられるならば、進退手段13を省略しても良い。
【実施例2】
【0038】
図9は、本実施例に係る搬送移載装置40を示している。実施例1で既に述べた要素には、本実施例でも引続き同じ呼称、又は同じ符号を用いるものとし、その説明又は図示は省略する。搬送移載装置40と実施例1との相違点について、以下に説明する。
【0039】
多段トレー5の受け面51,52は、搬送方向に並ぶよう配置されている。言い換えると、受け面51,52が搬送方向に対して前後するよう配置されている。物品1,2を受け面51,52に載せる作業はオペレータが行っても良い。この場合、オペレータは、水平行程にある多段トレー5の受け面51,52に、物品1,2を1個ずつ順次載せる。また、受け面51,52が上記のように配置されているので、多段トレー5の幅(搬送方向に直交る方向の寸法)を狭くすることができ、搬送移載装置40をコンパクトにすることができる。このため、物品1,2を一度に多段トレー5に載せなくて済むので、搬送手段6が多段トレー5を搬送する速度を極端に落さなくても、オペレータは余裕を持って作業を続けることができる。
【0040】
搬送移載装置40の動作を次に説明する。搬送移載装置40に適用する移送手段9は、変位手段12と共に吸着パッド7,8を、以下のように移動させるトランスファであれば良い。また、変位手段12は、吸着パッド7,8同士を相対的に搬送方向へ移動させることができる。
【0041】
第1工程として、多段トレー5が水平行程の終端に近づいたところで、搬送手段6の牽体61が停止する。この時点で、変位手段12は図中に実線で表した吸着パッド7,8同士を離間させ、多段トレー5の受け面51,52に載せられた物品1,2の真上に、吸盤74,84が対向する。第2工程で、移送手段9は、吸着パッド7,8を変位手段12と共に下降させ、物品1,2を吸着パッド7,8に吸着させる。続いて、移送手段9が変位手段12と共に吸着パッド7,8を上昇させ、吸着パッド7,8に吸着された物品1,2を多段トレー5から取り出す。この状態で、変位手段12が、吸着パッド7,8同士を接近させることにより、物品1,2を重ね合わせる。
【0042】
第3工程で、移送手段9が、変位手段12と共に吸着パッド7,8を矢印Tで指した方向の前途へ搬送する。更に、移送手段9は、変位手段12と共に吸着パッド7,8を下降させ、吸着パッド7に吸着された物品1が、麺塊32の上面に触れる直前の高さに達したところで停止する。一方、容器供給手段10は、図中に仮想線で表した物品1,2の真下に容器3を位置決めする。第4工程で、吸着パッド7,8から物品1,2が解放された後、移送手段9は、変位手段12と共に吸着パッド7,8を再び上昇させ、これらを実線で表した位置に復帰させる。
【0043】
尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正、又は変形を加えた態様で実施できる。例えば、移送手段9が、吸着パッド7,8及び変位手段12を自在に移動させるトランスファである場合、必ずしも搬送手段6と容器供給手段10とを上下に配置しなくても良く、或いは両者を設置する場所が隣接していなくても良い。また、多段トレー5は、受け面51を受け面52より高くているが、物品1,2のサイズが略同じであれば、受け面52より受け面51を高くしても良い。
【0044】
以上の説明では、搬送手段6の牽体61が第1工程で停止し、容器供給手段10の牽体102が第1〜3工程の間に停止するよう述べたが、吸着パッド7,8を牽体61及び牽体102に追従させれば、牽体61及び牽体102を停止させなくても良い。例えば図10に示すように、ドラム97の周面の適所に、複数の進退手段13と共に変位手段12を取付け、容器供給手段10の牽体102を、矢印C’で指した方向へ走行させる。そして、ドラム97を回転機で矢印αで指した方向へ回転させ、牽体61が走行する速度、及び牽体102が走行する速度を、ドラム97の回転に同期させる。
【0045】
また、本発明に係る搬送移載装置を用いて、3つ以上の物品を箱詰めすることもできる。例えば、図11(a),(b)に示すように、物品1,2,20を、相互に高さを違えた受け面51,52,520にそれぞれ載せ、物品1,2,20を吸着パッド7,8,80にそれぞれ吸着させる。続いて、吸着パッド7,8,80を多段トレー5から上昇させ、同図(c)に示す箱30の上方まで移送させる。この状態で、吸着パッド7,8,80を相互に接近させることにより、物品1,2,20を重ね合わせた後、吸着パッド7,8,80を下降させれば、物品1,2,20を箱30に収納することができる。また、吸着パッド7,8,80は移載ヘッドの一例であり、移載ヘッドは物品を磁石に吸着させるものでも良く、物品を突き刺し又は把持するものでも良い。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、あらゆる物品を容器に挿入するのに有益な技術である。物品とは、食品に限らず、移載ヘッドで保持できるものであれば、その形態を問わない。また、容器とは、瓶、箱、又は缶のように、物品を収納できるものであれば、その形態を問わない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施例1に係る搬送移載装置の概略を示す側面図。
【図2】本発明の実施例1に係る搬送移載装置に適用した多段トレーの使用例を示す破断斜視図。
【図3】(a)は本発明の実施例1に係る搬送移載装置に適用した多段トレーの使用例を示す平面図、(b)はその断面図、(c)は同装置の動作の一例を説明する平面図。
【図4】本発明の実施例1に係る搬送移載装置に適用した変位手段の要部を示す斜視図。
【図5】本発明の実施例1に係る搬送移載装置の動作の第1工程を示す側面図。
【図6】本発明の実施例1に係る搬送移載装置の動作の第2工程を示す側面図。
【図7】本発明の実施例1に係る搬送移載装置の動作の第3工程を示す側面図。
【図8】本発明の実施例1に係る搬送移載装置の動作の第4工程を示す側面図。
【図9】本発明の実施例2に係る搬送移載装置の概略を示す側面図。
【図10】本発明に係る搬送移載装置の他の実施形態を示す側面図。
【図11】(a)は本発明に係る搬送移載装置の更なる他の実施形態を説明する平面図、(b)はその断面図、(c)は同装置の動作を説明する平面図。
【符号の説明】
【0048】
1,2,20:物品
3:容器
4,40:搬送移載装置
5:多段トレー
6:搬送手段
7,8,80:吸着パッド
9:移送手段
10:容器供給手段
11:ストッパ
12:変位手段
13:進退手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の物品を搬送し、これらの物品同士を重ね合わせて容器に挿入する搬送移載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の物品を搬送し容器に挿入する例として、容器入り即席麺を製造する工程で、開口を上向きにした椀形の容器に、油揚げや天ぷら等の大きな具材と、かまぼこや小袋入りスープ等の小さな具材とを一緒に挿入することがある。この場合、予め容器に投入された麺塊の上に油揚げ等の大きな具材を置き、更にその上にかまぼこ等の小さな具材を積重ねる。これは、大きな具材と小さな具材の両方が容器に挿入されたことを、容器の上方から目視、又はモニターカメラを用いて監視するときに、大きな具材の下に小さな具材が隠れないようにするためである。
【0003】
また、下記の特許文献には物品を容器に挿入する装置が開示されている。1つの容器に対して複数の物品を挿入する動作を連続して高速に行う場合、全ての物品を容器に収まるよう瞬時に位置決めするのは難しい。例えば、スープを封入した大きな長方形の袋を、この袋より僅かに開口の広い容器に挿入するとき、容器内で袋が跳ねる等すると、袋の角部が容器の開口から飛び出すことがある。また、上記のかまぼこ等の小さな具材が、容器の内面と同容器に投入された麺塊との隙間に落ち込んだ場合、この小さな具材を上方から視覚的に判別するのが難しくなり、上記の監視が困難となる。
【特許文献1】特開2004−175401号公報
【特許文献2】特開2006−056605号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の実情に鑑みて為されたものであり、複数の物品を迅速にしかも繰り返し確実に容器へ挿入でき、しかも複数の物品を重ねて挿入できる搬送移載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、搬送されて来る複数の物品を、容器内に重ね合わせて挿入するための搬送移載装置に係るものであって、前記複数の物品を互いに隔て、且つ前記複数の物品を互いの高さを違えて載置される多段トレーと、前記多段トレーと共に前記複数の物品を搬送する搬送手段と、前記複数の物品を着脱自在に保持できる複数の移載ヘッドと、前記複数の移載ヘッド同士の位置を、前記多段トレーに載置された複数の物品が互いに隔たる方向に、相対的に接近又は離間させる変位手段と、前記複数の移載ヘッドを前記多段トレーに対向させ、又は前記多段トレーから離間させる移送手段と、上面が開放された容器を、前記多段トレーから離間した前記複数の移載ヘッドの真下に供給する容器供給手段とを備え、前記複数の移載ヘッドが前記多段トレーに対向した状態で、前記変位手段が、前記複数の移載ヘッドの位置を、前記多段トレーに載置された前記複数の物品にそれぞれ合致させ、前記複数の移載ヘッドが前記複数の物品をそれぞれ保持し、前記変位手段が、前記複数の移載ヘッドの位置を相対的に接近させることにより、前記複数の移載ヘッドに保持された前記複数の物品同士を重ね合わせ、前記複数の移載ヘッドが前記多段トレーから離間された状態で、前記複数の移載ヘッドが前記複数の物品をそれぞれ解放することにより、前記複数の物品を前記容器供給手段によって供給された容器内に重ね合わせて挿入することを特徴とする。
【0006】
更に、本発明に係る搬送移載装置は、前記搬送手段が、前記容器供給手段の上方に設置され、前記多段トレーと共に前記複数の物品を搬送する行程に、前記多段トレーを下降させる行程が含まれ、前記容器供給手段へ向けて下降する前記多段トレーに、前記複数の物品を位置決めできるストッパが設けられ、前記搬送手段が前記多段トレーを下降させる行程で、前記多段トレーが前記ストッパを下向きにした傾斜姿勢をとり、前記複数の物品が、前記多段トレーに対して滑ることにより前記ストッパに突き当ることを特徴とする。
【0007】
更に、本発明に係る搬送移載装置は、前記多段トレーに載置された複数の物品が互いに隔たる方向が、前記搬送手段が物品を搬送する搬送方向に直交すること、或いは、前記搬送方向に一致することを特徴とする。
【0008】
更に、本発明に係る搬送移載装置は、前記複数の移載ヘッドを、前記多段トレー又は前記容器に対して進退させる進退手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る搬送移載装置によれば、複数の物品を直接容器内に投入することなく、多段トレーに載せることで、容器内に重ね合わせて投入することができる。しかも、複数の物品を多段トレーに載せるときに、多段トレーに対して物品を正確に位置決めする必要がない。特に、人手によって物品を多段トレーに載せる場合に、多段トレー上で複数の物品同士を極めて狭い領域に接近させて載置しなくて済むので、個々の物品を多段トレーに順次載せる作業を手際良く行うことができる。
【0010】
また、本発明は、移送手段が複数の移載ヘッドを多段トレーに対向させた状態で、多段トレーに載置された複数の物品を、それぞれ複数の移載ヘッドに保持させ、これらの移載ヘッドの位置を変位手段が相対的に接近させることにより、互いに高さを違えたままで複数の物品同士を重ね合わせることができる。続いて、移送手段が複数の移載ヘッドを多段トレーから離間さて、保持した複数の物品を容器上に移送する。この状態で、複数の移載ヘッドが複数の物品をそれぞれ解放することにより、全ての物品を容器内に挿入でき、しかも容器上に接近した移載ヘッドから解放された物品は、容器内で跳ねることがないので、物品の全体を容器内に収めることができる。
【0011】
更に、本発明に係る搬送移載装置によれば、搬送手段が多段トレーを下降させる行程で傾斜姿勢をとる多段トレーのストッパに、複数の物品を突き当て、これらの物品を、多段トレーに対向する複数の移載ヘッドに保持させることができる。従って、多段トレーに載置された複数の物品がストッパによって位置決めされ、移載ヘッドから逸れることがなく、全ての物品を移載ヘッドで確実に保持することができる。
【0012】
上記の多段トレーに載置される複数の物品が互いに隔たる方向(多段トレー上に物品が並べられる方向)が、搬送方向に直交する場合、一度に供給されて来る容器の隣り合う容器同士のスペースを多段トレーの受け面のスペースに利用することができるので、スペースを有効利用でき、多段トレーの受け面の数を増やすことができる。或いは、複数の物品が互いに隔たる方向が搬送方向に一致する場合、多段トレーの幅、及び一度に供給されて来る容器の隣り合う容器同士のピッチを狭くすることができ、当該装置をコンパクトにすることができる。
【0013】
更に、本発明に係る搬送移載装置によれば、移送手段が複数の移載ヘッドを多段トレーに対向させた状態で、進退手段が、複数の移載ヘッドを多段トレーに載置された複数の物品に向けて前進させて、複数の物品をそれぞれ保持し、次いで複数の移載ヘッドを、多段トレーから後退させることにより、多段トレーに載置された複数の物品を多段トレーから取出すことができる。続いて、移送手段が複数の移載ヘッドを多段トレーから離間させた状態で、進退手段が、上記のように複数の物品をそれぞれ保持した複数の移載ヘッドを、その真下に供給された容器に向けて前進させることにより、複数の物品を容器内に挿入することができ、しかも、複数の物品を容器内により深く挿入できるという利点が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に述べるコンベヤ、移載ヘッド、又は駆動源の他、自明の技術については、その図示又は説明は省略する。例えば、コンベヤは、回転機にて駆動される回転輪に、無端状のチェーン又はベルト等の牽体を巻掛し、この牽体を回転輪の駆動に従わせて走行させるものである。また、移載ヘッドとして、吸引力により物品を吸着できる吸着パッドについて実施例1,2で述べるが、移載ヘッドは物品を磁石に吸着させるものでも良く、物品を突き刺し又は把持するものでも良い。また、駆動源とは、上記の回転機、或いは、シリンダに供給される空気又は油圧に基づき、ピストンロッドを進退させるエアシリンダ又は油圧シリンダである。
【実施例1】
【0015】
図1は、複数の物品1,2を搬送し、これらの物品1,2を重ね合わせて容器3に挿入する搬送移載装置4を示している。搬送移載装置4は、複数の多段トレー5と、搬送手段6と、複数の吸着パッド7,8と、後述の変位手段と、移送手段9と、容器供給手段10とを備える。
【0016】
図示の物品1,2は油揚げとかまぼこであり、両者のサイズは相違する。サイズとは、物品1,2又は吸着パッド7,8を平面図で見たときの面積を意味する。物品1,2の形態は何ら限定されるものではない。例えば、物品1は、天ぷらやスープ、具材(かやく)等を封入した袋でも良い。物品2は、物品1よりもサイズの小さい具材やスープ等を封入した小袋でも良い。本実施例で述べる横行き方向、及び搬送方向は互いに直交する方向である。
【0017】
多段トレー5は、図2に示すように、矢印xで指した横行き方向に並ぶ受け面51,52を有し、受け面51,52の高さを相互に違えている。受け面51,52に物品1,2をそれぞれ載せると、物品1,2は互いに横行き方向に隔たり、且つ物品1,2はそれぞれの高さを違えることになる。多段トレー5の一端には板状のストッパ11が形成され、多段トレー5の他端は上方へ向けて湾曲されている。更に、受け面51,52の間は、山形の突起53で仕切られている。
【0018】
搬送手段6は、図1に示すように、複数の多段トレー5を互いに等間隔でコンベヤの牽体61に取付けたものである。符号62は、牽体61を巻掛するためのスプロケットのピッチ線を指している。図3(a),(b)は、多段トレー5の両側を、2本の牽体61にアタッチメント部材63を介して連結した例を示している。また、受け面51,52は横行き方向に交互に並んでおり、個々の多段トレー5は、受け面51,52を8箇所ずつ有する。このため、搬送手段6は、8個の物品1と8個の物品2とを、矢印Tで指した搬送方向へ同時に搬送できる。
【0019】
また、搬送移載装置4を限られた敷地内に設置することを考慮し、図1に示すように、搬送手段6を容器供給手段10の上方に設置することが好ましい。例えば、工場の2階に搬送手段6を設置し、工場の1階に容器供給手段10を設置しても良い。この場合、搬送手段6が多段トレー5を搬送する行程には、工場の2階で多段トレー5を水平方向に搬送する水平行程と、工場の2階から容器供給手段10へ向けて多段トレー5を下降させる下降行程とが含まれる。
【0020】
図4は、吸着パッド7,8を、固定ホルダ71及び可動ホルダ81でそれぞれ2本ずつ保持し、可動ホルダ81と共に吸着パッド8を横行き方向に移動させる変位手段12を示している。固定ホルダ71は、フレーム121に支持され、固定レール72の途中に取付けられている。1本の固定レール72には、横行き方向に並ぶ8体の固定ホルダ71と、これに伴なう16本の吸着パッド7が取付けられる。可動ホルダ81は、固定レール72の下方に配置された可動レール82の途中に取付けられている。可動レール82は、フレーム121にガイドブッシュ122を介して支持されている。1本の可動レール82には、横行き方向に並ぶ8体の可動ホルダ81と、これに伴なう16本の吸着パッド8が取付けられている。
【0021】
図に表れていない駆動源が可動レール82を横行き方向にスライドさせると、吸着パッド7の下方に吸着パッド8が引き寄せられ、或いは吸着パッド8が吸着パッド7の下方から横行き方向に退くと、吸着パッド7,8の間隔が広がる。このように吸着パッド7に吸着パッド8を引き寄せることを、以下で「接近」と記し、反対に、吸着パッド7と吸着パッド8との間隔を広げることを「離間」と記す。また、吸着パッド7,8の移動は相対的に達成できれば良いので、吸着パッド8を固定ホルダ71に取付け、吸着パッド7を可動ホルダ81に取付け、吸着パッド8に対して吸着パッド7を移動させても良い。或いは、吸着パッド7,8の両方が横行き方向にスライドできるようにしても良い。
【0022】
吸着パッド7は、中空軸73の先端に吸盤74を設けたものである。中空軸73の後端にはエアブロワの吸気口が接続されている。このエアブロワが中空軸73を通して吸盤74の内側から空気を吸引するので、吸盤74の口縁を物品1の表面に接触させると、物品1は吸着パッド7に吸着される。これにより吸着パッド7は物品1を保持する。吸盤74とエアブロワとの間に電磁弁を設ければ、この電磁弁を閉じることにより、吸着パッド7に物品1を吸着するための吸引力を断ち、物品1を吸着パッド7から解放できる。吸着パッド8は、可動ホルダ81から延出する中空軸83の寸法が短い点と、物品2を吸着するための吸盤84のサイズが小さい点を除いて、吸着パッド7と同様のものである。吸着パッド7同士の間隔よりも、吸着パッド8同士の間隔は狭い。
【0023】
符号123は、変位手段12のフレーム121を、図5に示す移送手段9のピストンロッド91に接続するブラケットを指している。また、図5〜図8は、変位手段12を仮想線に置き換えて省略している。
【0024】
移送手段9は、図5に示すように、ピストンロッド91を矢印yで指した方向に進退させる駆動源である進退手段13と、進退手段13のシリンダに一端を接続し他端を回動支点92としたスイングアーム93と、スイングアーム93の一端付近にピストンロッド94をピン接合しシリンダの後端を回動支点95とした駆動源である昇降手段96とを備える。回動支点92,95は、スイングアーム93、又は昇降手段96のシリンダにそれぞれピンを接合し、これらのピンを、搬送移載装置4のフレーム等に軸受けさせた箇所である。
【0025】
容器供給手段10は、複数の枠形部材101を互いに等間隔でコンベヤの牽体102に取付け、個々の枠形部材101の内側に、上面が開放された容器3を落し込んだ状態で、容器3の周縁部を枠形部材101で受止めるものである。容器3は、その開口31を上方へ向けたカップである。枠形部材101は、互いに等間隔で牽体102に沿って配列され、更に横行き方向に8個並んでいる。このため、容器供給手段10は、矢印Cで指した方向へ8個の容器3を同時に搬送することができる。
【0026】
次に、搬送移載装置4の動作を説明する。搬送移載装置4は、オペレータの指令、センサ類からの電気信号、又は既述の駆動源と電磁弁を制御するコンピューターがアクセスできる記憶媒体に書き込まれたプログラムに基づいて、以下の第1工程〜第4工程を繰り返す。また、搬送移載装置4は、8組の物品1,2と8個の容器3を対象として動作するが、以下の説明は、1組の物品1,2と1つの容器3に注目して行うものとする。図面は特に断らない限り図1〜図4を参照する。
【0027】
最初に、オペレータの手作業等により、搬送手段6の水平行程で搬送される多段トレー5に、物品1,2を載せるようにしても良い。この場合、オペレータが物品1,2を受け面51,52に手早く投入すれば良く、多段トレー5に対して物品1,2を正確に位置決めする必要はない。
【0028】
更に、搬送手段6の下降行程で、多段トレー5が傾斜姿勢をとりストッパ11を下向きにするので、図3(c)に示すように、多段トレー5に載せられた全ての物品1,2は、受け面51,52に対して滑降し、ストッパ11に突き当ることになる。これにより、全ての物品1,2が、ストッパ11に沿うよう位置決めされる。
【0029】
第1工程として、図5に示すように、多段トレー5が下降行程の下限に近づいたところで、搬送手段6の牽体61が停止し、多段トレー5が容器供給手段10の近傍で待機する。この時点で、進退手段13及び昇降手段96は、それぞれのピストンロッド91,94を後退させ、吸着パッド7,8の吸盤74,84が、傾斜姿勢をとる多段トレー5の受け面51,52に対向する。また、変位手段12が、吸着パッド7,8同士を離間させることにより、図3(c)に丸印で表した吸盤74,84の横行き方向の位置と、物品1,2の位置とが一致する。
【0030】
第2工程として、図6に示すように、進退手段13が、ピストンロッド91を変位手段12と共に多段トレー5へ向けて前進させる。これにより、吸着パッド7,8の吸盤74,84を物品1,2に接触させ、物品1,2を吸着パッド7,8にそれぞれ吸着させることができる。
【0031】
尚、オペレータが多段トレー5の何れかの受け面51,52に物品1,2を載せるのを稀に忘れることが考えられる。この場合、多段トレー5へ向けて前進した吸着パッド7,8に受け面51,52が強く吸着されるのを防止するために、図2に示すように、受け面51,52に通気孔54又はスリット等を形成しておくことが好ましい。
【0032】
続いて、進退手段13が、ピストンロッド91を変位手段12と共に後退させ、吸着パッド7,8に吸着された物品1,2を、多段トレー5から取り出す。図7は、吸着パッド7,8及び物品1,2が多段トレー5から後退した位置を、仮想線で表している。この状態で、変位手段12が、可動ホルダ81をスライドさせて、吸着パッド7,8同士を接近させることにより、互いに高さを違えた物品1,2を、図3(c)に示すよう重ね合わせることができる。
【0033】
第3工程として、図7に示すように、昇降手段96がピストンロッド94を前進させ、回動支点92を中心にスイングアーム93が矢印dで指した反時計回りに旋回する。これにより、吸着パッド7,8に吸着された物品1,2を、変位手段12及び進退手段13と共に下降させ、スイングアーム93が進退手段13を下向きにした起立姿勢になったところで、昇降手段96がピストンロッド94を停止させる。
【0034】
一方、第1〜3工程の間に、容器供給手段10の牽体102は矢印Cで指した方向へ走行し、予め麺塊32が投入された容器3を搬送する。この行程の途中で牽体102が停止することにより、移送手段9の下方に容器3が位置決めされる。即ち、スイングアーム93が起立したときに、上記のように重ね合わされた一群の物品1,2と容器3とを真上から見ると、図3(c)に示すように、物品1,2が容器3の開口31に収まる。
【0035】
第4工程として、図8に示すように、進退手段13がピストンロッド91を前進させ、物品1が麺塊32の上面に触れる直前の高さまで、吸着パッド7が下降したところで、ピストンロッド91を停止させる。更に、吸着パッド7,8の吸引力を断ち、吸着パッド7,8から物品1,2を解放する。これらの物品1,2は、麺塊32の近傍で解放されるので、麺塊32の上面で跳ねる等して物品1の角部が容器3から飛び出すことがない。また、容器3の内面と麺塊32との隙間に物品2が落ち込むことがないので、物品2が容器3に挿入されたことを、目視又はモニターカメラを用いて、容器3の上方から監視することができる。
【0036】
更に、進退手段13及び昇降手段96が、それぞれのピストンロッド91,94を後退させ、回動支点92を中心にスイングアーム93が矢印uで指した時計回りに旋回する。これにより、吸着パッド7,8が、進退手段13と共に図5に示す位置まで上昇し、搬送移載装置4は第1工程を繰り返す。
【0037】
以上の説明では、変位手段12が物品1,2を重ね合わせる動作は、第2工程で行うと述べたが、この動作は、第3工程又は第4工程で進退手段13がピストンロッド91を前進させるまでに実行されても良い。また、第2,4工程で進退手段13が吸着パッド7,8を後退させることで、スイングアーム93が旋回するときに、物品1,2又は吸着パッド7,8が、ストッパ11又は容器3の口縁に衝突するのを避けられる。物品1,2のサイズを図示より小さくし、或いはストッパ11が受け面51,52から立ち上る寸法を低くすることにより、上記の衝突を避けられるならば、進退手段13を省略しても良い。
【実施例2】
【0038】
図9は、本実施例に係る搬送移載装置40を示している。実施例1で既に述べた要素には、本実施例でも引続き同じ呼称、又は同じ符号を用いるものとし、その説明又は図示は省略する。搬送移載装置40と実施例1との相違点について、以下に説明する。
【0039】
多段トレー5の受け面51,52は、搬送方向に並ぶよう配置されている。言い換えると、受け面51,52が搬送方向に対して前後するよう配置されている。物品1,2を受け面51,52に載せる作業はオペレータが行っても良い。この場合、オペレータは、水平行程にある多段トレー5の受け面51,52に、物品1,2を1個ずつ順次載せる。また、受け面51,52が上記のように配置されているので、多段トレー5の幅(搬送方向に直交る方向の寸法)を狭くすることができ、搬送移載装置40をコンパクトにすることができる。このため、物品1,2を一度に多段トレー5に載せなくて済むので、搬送手段6が多段トレー5を搬送する速度を極端に落さなくても、オペレータは余裕を持って作業を続けることができる。
【0040】
搬送移載装置40の動作を次に説明する。搬送移載装置40に適用する移送手段9は、変位手段12と共に吸着パッド7,8を、以下のように移動させるトランスファであれば良い。また、変位手段12は、吸着パッド7,8同士を相対的に搬送方向へ移動させることができる。
【0041】
第1工程として、多段トレー5が水平行程の終端に近づいたところで、搬送手段6の牽体61が停止する。この時点で、変位手段12は図中に実線で表した吸着パッド7,8同士を離間させ、多段トレー5の受け面51,52に載せられた物品1,2の真上に、吸盤74,84が対向する。第2工程で、移送手段9は、吸着パッド7,8を変位手段12と共に下降させ、物品1,2を吸着パッド7,8に吸着させる。続いて、移送手段9が変位手段12と共に吸着パッド7,8を上昇させ、吸着パッド7,8に吸着された物品1,2を多段トレー5から取り出す。この状態で、変位手段12が、吸着パッド7,8同士を接近させることにより、物品1,2を重ね合わせる。
【0042】
第3工程で、移送手段9が、変位手段12と共に吸着パッド7,8を矢印Tで指した方向の前途へ搬送する。更に、移送手段9は、変位手段12と共に吸着パッド7,8を下降させ、吸着パッド7に吸着された物品1が、麺塊32の上面に触れる直前の高さに達したところで停止する。一方、容器供給手段10は、図中に仮想線で表した物品1,2の真下に容器3を位置決めする。第4工程で、吸着パッド7,8から物品1,2が解放された後、移送手段9は、変位手段12と共に吸着パッド7,8を再び上昇させ、これらを実線で表した位置に復帰させる。
【0043】
尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正、又は変形を加えた態様で実施できる。例えば、移送手段9が、吸着パッド7,8及び変位手段12を自在に移動させるトランスファである場合、必ずしも搬送手段6と容器供給手段10とを上下に配置しなくても良く、或いは両者を設置する場所が隣接していなくても良い。また、多段トレー5は、受け面51を受け面52より高くているが、物品1,2のサイズが略同じであれば、受け面52より受け面51を高くしても良い。
【0044】
以上の説明では、搬送手段6の牽体61が第1工程で停止し、容器供給手段10の牽体102が第1〜3工程の間に停止するよう述べたが、吸着パッド7,8を牽体61及び牽体102に追従させれば、牽体61及び牽体102を停止させなくても良い。例えば図10に示すように、ドラム97の周面の適所に、複数の進退手段13と共に変位手段12を取付け、容器供給手段10の牽体102を、矢印C’で指した方向へ走行させる。そして、ドラム97を回転機で矢印αで指した方向へ回転させ、牽体61が走行する速度、及び牽体102が走行する速度を、ドラム97の回転に同期させる。
【0045】
また、本発明に係る搬送移載装置を用いて、3つ以上の物品を箱詰めすることもできる。例えば、図11(a),(b)に示すように、物品1,2,20を、相互に高さを違えた受け面51,52,520にそれぞれ載せ、物品1,2,20を吸着パッド7,8,80にそれぞれ吸着させる。続いて、吸着パッド7,8,80を多段トレー5から上昇させ、同図(c)に示す箱30の上方まで移送させる。この状態で、吸着パッド7,8,80を相互に接近させることにより、物品1,2,20を重ね合わせた後、吸着パッド7,8,80を下降させれば、物品1,2,20を箱30に収納することができる。また、吸着パッド7,8,80は移載ヘッドの一例であり、移載ヘッドは物品を磁石に吸着させるものでも良く、物品を突き刺し又は把持するものでも良い。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、あらゆる物品を容器に挿入するのに有益な技術である。物品とは、食品に限らず、移載ヘッドで保持できるものであれば、その形態を問わない。また、容器とは、瓶、箱、又は缶のように、物品を収納できるものであれば、その形態を問わない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施例1に係る搬送移載装置の概略を示す側面図。
【図2】本発明の実施例1に係る搬送移載装置に適用した多段トレーの使用例を示す破断斜視図。
【図3】(a)は本発明の実施例1に係る搬送移載装置に適用した多段トレーの使用例を示す平面図、(b)はその断面図、(c)は同装置の動作の一例を説明する平面図。
【図4】本発明の実施例1に係る搬送移載装置に適用した変位手段の要部を示す斜視図。
【図5】本発明の実施例1に係る搬送移載装置の動作の第1工程を示す側面図。
【図6】本発明の実施例1に係る搬送移載装置の動作の第2工程を示す側面図。
【図7】本発明の実施例1に係る搬送移載装置の動作の第3工程を示す側面図。
【図8】本発明の実施例1に係る搬送移載装置の動作の第4工程を示す側面図。
【図9】本発明の実施例2に係る搬送移載装置の概略を示す側面図。
【図10】本発明に係る搬送移載装置の他の実施形態を示す側面図。
【図11】(a)は本発明に係る搬送移載装置の更なる他の実施形態を説明する平面図、(b)はその断面図、(c)は同装置の動作を説明する平面図。
【符号の説明】
【0048】
1,2,20:物品
3:容器
4,40:搬送移載装置
5:多段トレー
6:搬送手段
7,8,80:吸着パッド
9:移送手段
10:容器供給手段
11:ストッパ
12:変位手段
13:進退手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送されて来る複数の物品を、容器内に重ね合わせて挿入するための搬送移載装置であって、
前記複数の物品を互いに隔て、且つ前記複数の物品を互いの高さを違えて載置される多段トレーと、
前記多段トレーと共に前記複数の物品を搬送する搬送手段と、
前記複数の物品を着脱自在に保持できる複数の移載ヘッドと、
前記複数の移載ヘッド同士の位置を、前記多段トレーに載置された複数の物品が互いに隔たる方向に、相対的に接近又は離間させる変位手段と、
前記複数の移載ヘッドを前記多段トレーに対向させ、又は前記多段トレーから離間させる移送手段と、
上面が開放された容器を、前記多段トレーから離間した前記複数の移載ヘッドの真下に供給する容器供給手段とを備え、
前記複数の移載ヘッドが前記多段トレーに対向した状態で、前記変位手段が、前記複数の移載ヘッドの位置を、前記多段トレーに載置された前記複数の物品にそれぞれ合致させ、前記複数の移載ヘッドが前記複数の物品をそれぞれ保持し、
前記変位手段が、前記複数の移載ヘッドの位置を相対的に接近させることにより、前記複数の移載ヘッドに保持された前記複数の物品同士を重ね合わせ、前記複数の移載ヘッドが前記多段トレーから離間された状態で、前記複数の移載ヘッドが前記複数の物品をそれぞれ解放することにより、前記複数の物品を前記容器供給手段によって供給された容器内に重ね合わせて挿入することを特徴とする搬送移載装置。
【請求項2】
前記搬送手段が、前記容器供給手段の上方に設置され、前記多段トレーと共に前記複数の物品を搬送する行程に、前記多段トレーを下降させる行程が含まれ、
前記容器供給手段へ向けて下降する前記多段トレーに、前記複数の物品を位置決めできるストッパが設けられ、
前記搬送手段が前記多段トレーを下降させる行程で、前記多段トレーが前記ストッパを下向きにした傾斜姿勢をとり、前記複数の物品が、前記多段トレーに対して滑ることにより前記ストッパに突き当ることを特徴とする請求項1に記載の搬送移載装置。
【請求項3】
前記多段トレーに載置された複数の物品が互いに隔たる方向は、前記搬送手段が物品を搬送する搬送方向に直交することを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送移載装置。
【請求項4】
前記多段トレーに載置された複数の物品が互いに隔たる方向は、前記搬送方向に一致することを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送移載装置。
【請求項5】
前記複数の移載ヘッドを、前記多段トレー又は前記容器に対して進退させる進退手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の搬送移載装置。
【請求項1】
搬送されて来る複数の物品を、容器内に重ね合わせて挿入するための搬送移載装置であって、
前記複数の物品を互いに隔て、且つ前記複数の物品を互いの高さを違えて載置される多段トレーと、
前記多段トレーと共に前記複数の物品を搬送する搬送手段と、
前記複数の物品を着脱自在に保持できる複数の移載ヘッドと、
前記複数の移載ヘッド同士の位置を、前記多段トレーに載置された複数の物品が互いに隔たる方向に、相対的に接近又は離間させる変位手段と、
前記複数の移載ヘッドを前記多段トレーに対向させ、又は前記多段トレーから離間させる移送手段と、
上面が開放された容器を、前記多段トレーから離間した前記複数の移載ヘッドの真下に供給する容器供給手段とを備え、
前記複数の移載ヘッドが前記多段トレーに対向した状態で、前記変位手段が、前記複数の移載ヘッドの位置を、前記多段トレーに載置された前記複数の物品にそれぞれ合致させ、前記複数の移載ヘッドが前記複数の物品をそれぞれ保持し、
前記変位手段が、前記複数の移載ヘッドの位置を相対的に接近させることにより、前記複数の移載ヘッドに保持された前記複数の物品同士を重ね合わせ、前記複数の移載ヘッドが前記多段トレーから離間された状態で、前記複数の移載ヘッドが前記複数の物品をそれぞれ解放することにより、前記複数の物品を前記容器供給手段によって供給された容器内に重ね合わせて挿入することを特徴とする搬送移載装置。
【請求項2】
前記搬送手段が、前記容器供給手段の上方に設置され、前記多段トレーと共に前記複数の物品を搬送する行程に、前記多段トレーを下降させる行程が含まれ、
前記容器供給手段へ向けて下降する前記多段トレーに、前記複数の物品を位置決めできるストッパが設けられ、
前記搬送手段が前記多段トレーを下降させる行程で、前記多段トレーが前記ストッパを下向きにした傾斜姿勢をとり、前記複数の物品が、前記多段トレーに対して滑ることにより前記ストッパに突き当ることを特徴とする請求項1に記載の搬送移載装置。
【請求項3】
前記多段トレーに載置された複数の物品が互いに隔たる方向は、前記搬送手段が物品を搬送する搬送方向に直交することを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送移載装置。
【請求項4】
前記多段トレーに載置された複数の物品が互いに隔たる方向は、前記搬送方向に一致することを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送移載装置。
【請求項5】
前記複数の移載ヘッドを、前記多段トレー又は前記容器に対して進退させる進退手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の搬送移載装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−273664(P2008−273664A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−117271(P2007−117271)
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(000226976)日清食品株式会社 (127)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(000226976)日清食品株式会社 (127)
【Fターム(参考)】
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