搬送経路決定方法及び自動搬送システム
【課題】搬送元と搬送先との間で最適な搬送経路を設定することができる搬送経路決定方法及び自動搬送システムを提供する。
【解決手段】 自動搬送システム1は、各自動搬送設備を制御する制御盤7〜11と、管理コンピュータ12とを備えている。管理コンピュータ12は、コストテーブルが格納・記憶されたデータベース18と、各搬送設備の基本動作性能に応じた基準設備コストと各搬送設備の現在の稼動状況に応じた加重値とを乗算することで、各搬送設備の現在設備コストを算出し、コストテーブルにセットすると共に、経路No.毎に各搬送設備の現在設備コストを加算して搬送コストを算出し、コストテーブルにセットするコストテーブル更新部19と、搬送元と搬送先とが一致する複数の経路(搬送経路候補)のうち搬送コストが最も小さい搬送経路候補を搬送経路として選択する搬送経路設定部20とを有している。
【解決手段】 自動搬送システム1は、各自動搬送設備を制御する制御盤7〜11と、管理コンピュータ12とを備えている。管理コンピュータ12は、コストテーブルが格納・記憶されたデータベース18と、各搬送設備の基本動作性能に応じた基準設備コストと各搬送設備の現在の稼動状況に応じた加重値とを乗算することで、各搬送設備の現在設備コストを算出し、コストテーブルにセットすると共に、経路No.毎に各搬送設備の現在設備コストを加算して搬送コストを算出し、コストテーブルにセットするコストテーブル更新部19と、搬送元と搬送先とが一致する複数の経路(搬送経路候補)のうち搬送コストが最も小さい搬送経路候補を搬送経路として選択する搬送経路設定部20とを有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動搬送システムにおいて搬送経路を決定する搬送経路決定方法及び自動搬送システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来における自動搬送システムの搬送経路決定方法としては、例えば特許文献1に記載されているように、搬入予定箇所と搬出予定箇所との間で設定された複数の搬送経路の候補の中から、ワークを搬送した時に予想される搬送時間に基づいて1つの搬送経路を選択するようにしたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−312514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、自動搬送システムでは、該当する搬送設備が故障したり使用中である等、搬送設備の稼動状況は刻々と変化することがある。しかし、上記従来技術においては、各ワーク搬送ユニットの稼動状況を考慮した搬送経路の選択を行っていないため、必ずしも最適な搬送経路を選択しているとは限らない。
【0005】
本発明の目的は、搬送元と搬送先との間で最適な搬送経路を設定することができる搬送経路決定方法及び自動搬送システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、搬送元と搬送先とが一致する複数の搬送経路候補の中から搬送経路を決定する搬送経路決定方法において、搬送元と搬送先との間に配置された複数の搬送装置の基本動作性能及び現在の稼動状況に基づいて、各搬送装置の現在設備コストを求めるステップと、搬送経路候補上に存在する搬送装置の現在設備コストの合計を算出することで、搬送経路候補の搬送コストを求めるステップと、各搬送経路候補の搬送コストに基づいて搬送経路を決定するステップとを含むことを特徴とするものである。
【0007】
このような本発明の搬送経路決定方法においては、各搬送装置の基本動作性能及び現在の稼動状況(使用中か否か、故障の有無等)に基づいて、各搬送装置の現在設備コストを求める。搬送装置の現在設備コストとしては、例えば搬送装置により搬送が終了するまでの時間等が挙げられる。このとき、例えば搬送装置が使用中である場合には、当該搬送装置には搬送待ち時間が発生するため、搬送装置が未使用である場合に比べて現在設備コストが高くなる。そして、搬送元と搬送先との間の搬送経路候補上に存在する搬送装置の現在設備コストの合計を算出することで搬送経路候補の搬送コストを求め、各搬送経路候補の搬送コストに基づいて搬送経路を決定する。このとき、例えば搬送経路候補上に現在使用中の搬送装置が存在している場合には、その搬送装置の現在設備コストが高いことから、当該搬送経路候補の搬送コストが高くなる。従って、複数の搬送経路候補の中から、搬送コストが最も低い搬送経路候補を搬送経路と決定する。このように搬送装置の基本動作性能だけでなく、搬送装置の現在の稼動状況も考慮して搬送経路を決定するので、最適な搬送経路を得ることができる。
【0008】
また、本発明は、搬送元と搬送先との間に配置された複数の搬送装置と、各搬送装置を個別に制御する複数の駆動制御装置とを備え、搬送元と搬送先とが一致する複数の搬送経路候補の中から搬送経路を決定し、搬送経路に従って自動搬送を行う自動搬送システムにおいて、各搬送装置の基本動作性能及び現在の稼動状況に基づいて、各搬送装置の現在設備コストを求める設備コスト取得手段と、搬送経路候補上に存在する搬送装置の現在設備コストの合計を算出することで、搬送経路候補の搬送コストを求める搬送コスト取得手段と、各搬送経路候補の搬送コストに基づいて搬送経路を決定する経路決定手段とを備えることを特徴とするものである。
【0009】
このように本発明の自動搬送システムにおいては、設備コスト取得手段、搬送コスト取得手段及び経路決定手段を設けることにより、上述した搬送経路決定方法を実施することができる。これにより、上述したように最適な搬送経路を得ることができる。
【0010】
好ましくは、設備コスト取得手段は、搬送装置の基本動作性能に応じた基準設備コストと搬送装置の現在の稼動状況に応じた加重値とを乗算して、搬送装置の現在設備コストを求める。この場合には、搬送装置の現在設備コストにおいて現在の稼動状況の重みが増すことになるので、各搬送装置の現在の稼動状況に応じた最適な搬送経路をより確実に得ることができる。
【0011】
また、好ましくは、経路決定手段により決定された搬送経路の途中位置において、途中位置から搬送先までの間に存在する搬送装置の現在設備コストの合計を算出することで搬送経路候補の中途搬送コストを求め、各搬送経路候補の中途搬送コストに基づいて搬送経路を再決定する経路再決定手段を更に備える。この場合には、経路決定手段により決定された搬送経路に従って搬送動作が開始された後に、搬送経路上に存在する搬送装置に不具合が発生する等、使用予定の搬送装置の稼動状況が変わっても、搬送経路の途中位置において搬送経路が再決定されるので、自動搬送動作が完了するまでの間、常に最適な搬送経路を得ることができる。
【0012】
さらに、好ましくは、設備コスト取得手段は、各駆動制御装置に具備されている。駆動制御装置は、搬送装置の駆動を制御すると共に、搬送装置の稼動状況をリアルタイムで監視することが多い。従って、設備コスト取得手段を各駆動制御装置に具備することにより、各搬送装置の正確な現在の稼動状況に応じた最適な搬送経路を得ることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、搬送元と搬送先との間で最適な搬送経路を設定することができる。これにより、搬送元から搬送先まで短時間で自動搬送を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係わる自動搬送システムの一実施形態を示すシステム構成図である。
【図2】図1に示した自動搬送設備のレイアウトの一例を示す概略図である。
【図3】図1に示した管理コンピュータの機能ブロックを示す図である。
【図4】図3に示したコストテーブルデータベースに格納される搬送経路コストテーブルの一例を示す表である。
【図5】図3に示したコストテーブルデータベースに格納される搬送設備コストテーブルの一例を示す表である。
【図6】図3に示したコストテーブル更新部により実行されるコストテーブル更新処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図3に示した搬送経路設定部により実行される搬送経路設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係わる自動搬送システムの他の実施形態として、図3に示した搬送経路設定部により実行される搬送経路設定処理の別の手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明に係わる自動搬送システムの更に他の実施形態として、図1に示した各制御盤及び管理コンピュータの機能ブロックを示す図である。
【図10】図9に示したコストデータ更新部により実行されるコストデータ更新処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】図9に示したコストテーブル更新部により実行されるコストテーブル更新処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係わる搬送経路決定方法及び自動搬送システムの好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明に係わる自動搬送システムの一実施形態を示すシステム構成図である。同図において、本実施形態の自動搬送システム1は、自動搬送設備であるコンベヤ2、垂直搬送機3、無人搬送車4、有軌道台車5及びクレーン6と、コンベヤ2を制御するコンベヤ制御盤7と、垂直搬送機3を制御する垂直搬送機制御盤8と、無人搬送車4を制御する無人搬送車制御盤9と、有軌道台車5を制御する有軌道台車制御盤10と、クレーン6を制御するクレーン制御盤11と、これらの制御盤7〜11と接続された管理コンピュータ12とを備えている。なお、コンベヤ2、垂直搬送機3、無人搬送車4、有軌道台車5及びクレーン6の数は、特に限定されない。制御盤7〜11は、これらの自動搬送設備と同じ数だけ有している。
【0017】
制御盤7〜11は、管理コンピュータ12からの搬送指示に応じて各自動搬送設備を駆動制御する。また、制御盤7〜11は、センサやカメラ等により各自動搬送設備の稼動状況をリアルタイムで監視し、その監視情報を所定のサイクルで管理コンピュータ12に送信する。管理コンピュータ12は、自動倉庫の在庫管理、入出庫の引き当て、搬送経路の決定、制御盤7〜11への搬送指示等を行う。
【0018】
図2は、図1に示した自動搬送設備のレイアウトの一例を示す概略図である。同図において、フロア上には、離間した軌道レール13A,13B上をそれぞれ走行する有軌道台車1号機5A及び有軌道台車2号機5Bが設置されている。軌道レール13Aに隣接した箇所には、作業ST1,2が並んで存在している。作業ST1,2には、コンベヤ2A,2Bがそれぞれ設置されている。なお、作業ST(ステーション)は、入出庫搬送の起点となるステーションである。
【0019】
軌道レール13A,13B間には、自動倉庫14A,14Bが並んで設置されている。自動倉庫14Aは、1対の格納棚15Aと、各格納棚15A間に配置された走行レール16A上を走行するクレーン1号機6Aとを有している。各格納棚15Aの一端側(軌道レール13A側)には、中間ST11,12がそれぞれ存在している。中間ST11,12には、コンベヤ2C,2Dがそれぞれ設置されている。各格納棚15Aの他端側(軌道レール13B側)には、中間ST13,14がそれぞれ存在している。中間ST13,14には、コンベヤ2E,2Fがそれぞれ設置されている。なお、中間ST(ステーション)は、入出庫搬送の起点とならずに、搬送経路上の途中の搬送設備同士をつなぐステーションである。
【0020】
自動倉庫14Bは、1対の格納棚15Bと、各格納棚15B間に配置された走行レール16B上を走行するクレーン2号機6Bとを有している。各格納棚15Bの一端側(軌道レール13A側)には、中間ST21,22がそれぞれ存在している。中間ST21,22には、コンベヤ2G,2Hがそれぞれ設置されている。各格納棚15Bの他端側(軌道レール13B側)には、中間ST23,24がそれぞれ存在している。中間ST23,24には、コンベヤ2I,2Jがそれぞれ設置されている。
【0021】
軌道レール13Bに対して自動倉庫14A,14Bの反対側には、垂直搬送機1号機3A、垂直搬送機2号機3B及び垂直搬送機3号機3Cが並んで設置されている。垂直搬送機1号機3Aと軌道レール13Bとの間には、中間ST31が存在している。中間ST31には、コンベヤ2Kが設置されている。垂直搬送機2号機3Bと軌道レール13Bとの間には、中間ST41が存在している。中間ST41には、コンベヤ2Lが設置されている。垂直搬送機3号機3Cと軌道レール13Bとの間には、中間ST51が存在している。中間ST51には、コンベヤ2Mが設置されている。
【0022】
フロアよりも上の階には、予め定められた走行路17に沿って走行する無人搬送車1号機4Aが配置されている。垂直搬送機1号機3Aと走行路17との間には、中間ST32が存在している。中間ST32には、コンベヤ2Nが設置されている。垂直搬送機2号機3Bと走行路17との間には、中間ST42が存在している。中間ST42には、コンベヤ2Oが設置されている。垂直搬送機3号機3Cと走行路17との間には、中間ST52が存在している。中間ST52には、コンベヤ2Pが設置されている。また、走行路17に隣接した箇所には、作業ST3〜5が並んで存在している。作業ST3〜5には、コンベヤ2Q〜2Sがそれぞれ設置されている。
【0023】
なお、コンベヤ2A〜2Sの駆動方向は、単方向及び双方向の何れかには限られない。また、各STには、コンベヤに限らず、自走台車や固定荷受台等が設けられる場合もある。また、作業ST及び中間STの数、自動搬送設備の台数及び配置等は、特に上記のものには限られない。
【0024】
図3は、管理コンピュータ12の機能ブロックを示す図である。同図において、管理コンピュータ12は、コストテーブルデータベース18と、コストテーブル更新部19と、搬送経路設定部20と、搬送制御部21とを有している。
【0025】
コストテーブルデータベース18には、図4に示すような搬送経路コストテーブル(搬送経路コスト表)と、図5に示すような搬送設備コストテーブル(搬送設備コスト表)とが格納・記憶されている。これらの搬送経路コストテーブル及び搬送設備コストテーブルは、図2に示すような設備レイアウトに関するものである。
【0026】
搬送経路コストテーブルには、搬送元及び搬送先と、搬送元から搬送先までの経路上に存在する複数台(ここでは11台)の搬送設備の設備コストと、搬送コストとが一覧にして登録されている。搬送コストは、搬送元から搬送先までの経路上に存在する各搬送設備の設備コストの合計値である。
【0027】
図4に示す搬送経路コストテーブルにおいて、例えば搬送元が作業ST1、搬送先が作業ST3である経路は、全部で24通りある。そのうち、搬送経路コストテーブル中の経路No.1は、作業ST1からST1コンベヤ2A(設備No.9)、有軌道台車1号機5A(設備No.1)、ST11コンベヤ2C(設備No.14)、クレーン1号機6A(設備No.3)、ST13コンベヤ2E(設備No.16)、有軌道台車2号機5B(設備No.2)、ST31コンベヤ2K(設備No.22)、垂直搬送機1号機3A(設備No.5)、ST32コンベヤ2N(設備No.23)、無人搬送車1号機4A(設備No.8)及びST3コンベヤ2Q(設備No.11)を通って作業ST3に至る経路である。なお、()内は、図5に示す搬送設備コストテーブル中の設備No.を表している。
【0028】
搬送設備コストテーブルには、各搬送設備の基準設備コストと、各搬送設備の加重値と、各搬送設備の現在設備コストとが一覧にして登録されている。上記の搬送経路コストテーブルには、設備コストとして現在設備コストが登録される。各搬送設備の設備No.は予め決められている。
【0029】
搬送設備の基準設備コストは、搬送設備の基本動作性能(駆動速度等)に応じたコストである。ここでいうコストとは、主として搬送に要する時間であるが、他に一回の動作で搬送可能な荷物の個数等をも含んだトータル的な搬送能力のことである。
【0030】
搬送設備の加重値は、搬送設備の現在の稼動状況に応じた値である。通常時には、加重値は「1」にセットされている。該当する搬送設備が使用中あるいは使用予定となっている場合には、加重値としては、その状況に応じた値(例えば使用中は「5」、使用予定は「10」)がセットされる。なお、搬送設備が使用中であるかどうかは、制御盤7〜11から送られてくる搬送設備の稼動状況の監視情報や、管理コンピュータ12の設備管理データから分かる。搬送設備の使用予定があるかどうかは、管理コンピュータ12の設備管理データから分かる。また、該当する搬送設備が故障中である場合には、加重値として閾値(例えば「101」)がセットされる。なお、搬送設備が故障中であるかどうかは、制御盤7〜11から送られてくる搬送設備の稼動状況の監視情報や、管理コンピュータ12の設備管理データから分かる。
【0031】
搬送設備の現在設備コストは、基準設備コストと加重値とを乗算することにより得られる。このとき、搬送設備が使用中または使用予定である場合には、当該搬送設備には搬送待ち時間が発生するため、上記のように大きな加重値が与えられることで、現在設備コストは通常時に比べて十分高くなる。また、搬送設備が故障中であるために、加重値として閾値がセットされている場合には、現在設備コストは無限大(∞)とされる。このように加重値によって設備コストが重み付けされる。
【0032】
図3に戻り、コストテーブル更新部19は、搬送設備コストテーブル中の加重値及び現在設備コストと搬送経路コストテーブル中の各設備コスト及び搬送コストとを所定時間毎に更新する。コストテーブル更新部19により実行されるコストテーブル更新処理の手順を図6に示す。
【0033】
図6において、まず各搬送設備の稼動状況の情報を制御盤7〜11の監視データ及び管理コンピュータ12の設備管理データから取得する(手順S101)。そして、各搬送設備の現在の稼動状況に応じた加重値を搬送設備コストテーブルにセットする(手順S102)。続いて、各搬送設備における基準設備コストと加重値とを乗算することで、各搬送設備の現在設備コストを算出する(手順S103)。そして、各搬送設備の現在設備コストを搬送設備コストテーブル及び搬送経路コストテーブルにセットする(手順S104)。
【0034】
続いて、搬送経路コストテーブルの経路No.毎に各搬送設備の現在設備コストを加算して合計値を算出することで、各経路No.の搬送コストを算出する(手順S105)。そして、各経路No.の搬送コストを搬送経路コストテーブルにセットする(手順S106)。このとき、例えば図5に示す搬送設備コストテーブル中の設備No.3のように、現在設備コストが無限大である場合には、搬送コストとして「使用不可」をセットする(図4参照)。
【0035】
搬送経路設定部20は、搬送元と搬送先とが一致する複数の経路(搬送経路候補)の中から1つの搬送経路候補を搬送経路として選択する。搬送経路設定部20により実行される搬送経路設定処理の手順を図7に示す。
【0036】
図7において、まず搬送経路コストテーブルにおいて搬送元と搬送先とが一致する複数の搬送経路候補の搬送コストのデータを読み込む(手順S111)。なお、搬送元及び搬送先は、例えば管理コンピュータ12により設定入力される。続いて、複数の搬送経路候補のうち搬送コストが最も小さい搬送経路候補を搬送経路として選択する(手順S112)。例えば図4に示す搬送経路コストテーブルでは、経路No.6が搬送経路として選択される。続いて、選択された搬送経路を搬送制御部21に送出し、搬送制御部21に対して搬送指示を行う(手順S113)。
【0037】
搬送制御部21は、搬送経路設定部20により設定された搬送経路に従って自動搬送を行うように、当該搬送経路上に存在する複数の搬送設備に対応する制御盤7〜11を順に制御する。
【0038】
以上において、コストテーブル更新部19の上記手順S101〜S104は、各搬送装置(コンベヤ2、垂直搬送機3、無人搬送車4、有軌道台車5及びクレーン6)の基本動作性能及び現在の稼動状況に基づいて、各搬送装置の現在設備コストを求める設備コスト取得手段を構成する。コストテーブル更新部19の上記手順S105,S106は、搬送経路候補上に存在する搬送装置の現在設備コストの合計を算出することで、搬送経路候補の搬送コストを求める搬送コスト取得手段を構成する。搬送経路設定部20の上記手順S111,S112は、各搬送経路候補の搬送コストに基づいて搬送経路を決定する経路決定手段を構成する。
【0039】
以上のように本実施形態にあっては、搬送設備の基本動作性能に応じた基準設備コストと搬送設備の現在の稼動状況に応じた加重値とを乗算して得られる搬送設備の現在設備コストを随時更新し、経路毎に各搬送設備の現在設備コストの合計値を搬送コストとして求め、搬送元と搬送先とが一致する複数の搬送経路候補のうち搬送コストが最小値となる搬送経路候補を搬送経路として選択する。このように各搬送設備の現在の稼動状況を反映した搬送経路の決定が行われるので、搬送元と搬送先との間で最適な搬送経路を得ることができる。これにより、搬送元から搬送先まで短時間で効率良く荷物を搬送することが可能となる。
【0040】
また、管理コンピュータ12により搬送経路を決定する際には、何らの計算処理を行うこと無く、複数の搬送経路候補のうち搬送コストが最小となる搬送経路候補を選択するだけで良い。従って、搬送経路の決定処理にかかる時間を大幅に短縮し、処理負荷を下げることができる。
【0041】
図8は、本発明に係わる自動搬送システムの他の実施形態として、搬送経路設定部20により実行される搬送経路設定処理の別の手順を示すフローチャートである。図中、図7に示すフローチャートと同一の手順には同じ符号を付してある。
【0042】
図8において、手順S113を実行することで自動搬送が開始された後、搬送経路を再決定するタイミングかどうかを判断する(手順S114)。搬送経路を再決定するタイミングとしては、例えば経路再決定地点として予め設定された中間STに荷物が達した時点等が挙げられる。
【0043】
搬送経路を再決定するタイミングであるときは、搬送経路コストテーブルにおいて経路再決定地点である中間STのコンベヤと搬送先とが一致する複数の搬送経路候補の現在設備コストのデータを読み込む(手順S115)。
【0044】
続いて、搬送経路候補毎に当該中間STのコンベヤから搬送先までの間に存在する各搬送設備の現在設備コストを加算して合計値を算出することで、各搬送経路候補の中途搬送コストを算出する(手順S116)。続いて、複数の搬送経路候補のうち中途搬送コストが最も小さい搬送経路候補を新たな搬送経路として再選択する(手順S117)。続いて、再選択された搬送経路を搬送制御部21に送出し、搬送制御部21に対して搬送指示を行う(手順S118)。
【0045】
手順S114で搬送経路を再決定するタイミングでないと判断されたとき、または手順S118が実行された後、荷物が搬送先まで搬送されたかどうかを判断する(手順S119)。荷物が搬送先まで搬送されたときは、本処理を終了し、荷物が搬送先まで搬送されていないときは、手順S114に戻る。
【0046】
以上において、手順S115〜S117は、経路決定手段により決定された搬送経路の途中位置において、途中位置から搬送先までの間に存在する搬送装置の現在設備コストの合計を算出することで搬送経路候補の中途搬送コストを求め、各搬送経路候補の中途搬送コストに基づいて搬送経路を再決定する経路再決定手段を構成する。
【0047】
このような本実施形態においては、最初に決定された搬送経路に従って搬送動作が開始された後に、当該搬送経路上に存在する搬送設備に何らの不具合が発生する等、搬送設備の稼動状況が変動した場合でも、搬送途中において搬送経路を再決定するので、搬送動作が終了するまで、各搬送設備の現在の稼動状況を反映した最適な搬送経路を得ることができる。
【0048】
図9は、本発明に係わる自動搬送システムの更に他の実施形態として、制御盤7〜11及び管理コンピュータ12の機能ブロックを示す図である。図中、図3に示すものと同一または同等の要素には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0049】
同図において、管理コンピュータ12のコストテーブルデータベース18には、図4に示す搬送経路コストテーブルのみが格納されている。図5に示す搬送設備コストテーブルのデータは、制御盤7〜11により管理されている。
【0050】
具体的には、コンベヤ制御盤7は、コンベヤ2のコストデータ(基準設備コスト、加重値、現在設備コスト)を記憶するメモリ21と、コンベヤ2のコストデータを所定時間毎に更新するコストデータ更新部22とを有している。垂直搬送機制御盤8は、垂直搬送機3のコストデータを記憶するメモリ23と、垂直搬送機3のコストデータを所定時間毎に更新するコストデータ更新部24とを有している。無人搬送車制御盤9は、無人搬送車4のコストデータを記憶するメモリ25と、無人搬送車4のコストデータを所定時間毎に更新するコストデータ更新部26とを有している。有軌道台車制御盤10は、有軌道台車5のコストデータを記憶するメモリ27と、有軌道台車5のコストデータを所定時間毎に更新するコストデータ更新部28とを有している。クレーン制御盤11は、クレーン6のコストデータを記憶するメモリ29と、クレーン6のコストデータを所定時間毎に更新するコストデータ更新部30とを有している。
【0051】
コンベヤ制御盤7のコストデータ更新部22により実行されるコストデータ更新処理の手順を図10に示す。なお、他の搬送設備のコストデータ更新部24,26,28,30による処理についても、同様にして実行される。また、管理コンピュータ12の設備管理データは、制御盤7〜11に常時送られている。
【0052】
図10において、まずコンベヤ2の現在の稼動状況に応じた加重値をメモリ21に記憶する(手順S121)。続いて、メモリ21に予め記憶されているコンベヤ2の基準設備コストとコンベヤ2の加重値とを乗算することで、コンベヤ2の現在設備コストを算出する(手順S122)。そして、コンベヤ2の現在設備コストをメモリ21に記憶する(手順S123)。また、コンベヤ2の現在設備コストのデータを管理コンピュータ12に送信する(手順S124)。
【0053】
管理コンピュータ12は、上記実施形態におけるコストテーブル更新部19に代えて、コストテーブル更新部31を有している。コストテーブル更新部31により実行されるコストテーブル更新処理の手順を図11に示す。
【0054】
図11において、まず制御盤7〜11から送られた搬送設備の現在設備コストのデータを受信する(手順S131)。続いて、搬送設備の現在設備コストを搬送設備コストテーブルにセットする(手順S132)。続いて、搬送経路コストテーブルの経路No.毎に各搬送設備の現在設備コストを加算して合計値を算出することで、各経路No.の搬送コストを算出する(手順S133)。そして、各経路No.の搬送コストを搬送経路コストテーブルにセットする(手順S134)。
【0055】
このように本実施形態においては、搬送設備の稼動状況をリアルタイムで監視する制御盤7〜11によって搬送設備の基準設備コスト、加重値及び現在設備コストを管理するので、各搬送設備の正確な搬送負荷を反映した最適な搬送経路の決定を行うことができる。また、管理コンピュータ12が搬送設備コストテーブルを管理しなくて済むため、管理コンピュータ12の処理負荷を軽減することができる。
【0056】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、搬送設備コストテーブルの基準設備コストを固定値としたが、場合によっては搬送設備の状態変化(例えば長期間の使用による駆動モータの速度低下等)に応じて基準設備コストの値を変更しても良い。
【0057】
また、上記実施形態では、自動搬送設備としてコンベヤ、垂直搬送機、無人搬送車、有軌道台車及びクレーンを使用したが、本発明は、その他の自動搬送設備を備えた自動搬送システムにも適用可能であることは言うまでも無い。
【符号の説明】
【0058】
1…自動搬送システム、2…コンベヤ(搬送装置)、3…垂直搬送機(搬送装置)、4…無人搬送車(搬送装置)、5…有軌道台車(搬送装置)、6…クレーン(搬送装置)、7…コンベヤ制御盤(駆動制御装置)、8…垂直搬送機制御盤(駆動制御装置)、9…無人搬送車制御盤(駆動制御装置)、10…有軌道台車制御盤(駆動制御装置)、11…クレーン制御盤(駆動制御装置)、12…管理コンピュータ、19…コストテーブル更新部(設備コスト取得手段、搬送コスト取得手段)、20…搬送経路設定部(経路決定手段、経路再決定手段)、22,24,26,28,30…コストデータ更新部(設備コスト取得手段)、31…コストテーブル更新部(搬送コスト取得手段)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動搬送システムにおいて搬送経路を決定する搬送経路決定方法及び自動搬送システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来における自動搬送システムの搬送経路決定方法としては、例えば特許文献1に記載されているように、搬入予定箇所と搬出予定箇所との間で設定された複数の搬送経路の候補の中から、ワークを搬送した時に予想される搬送時間に基づいて1つの搬送経路を選択するようにしたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−312514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、自動搬送システムでは、該当する搬送設備が故障したり使用中である等、搬送設備の稼動状況は刻々と変化することがある。しかし、上記従来技術においては、各ワーク搬送ユニットの稼動状況を考慮した搬送経路の選択を行っていないため、必ずしも最適な搬送経路を選択しているとは限らない。
【0005】
本発明の目的は、搬送元と搬送先との間で最適な搬送経路を設定することができる搬送経路決定方法及び自動搬送システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、搬送元と搬送先とが一致する複数の搬送経路候補の中から搬送経路を決定する搬送経路決定方法において、搬送元と搬送先との間に配置された複数の搬送装置の基本動作性能及び現在の稼動状況に基づいて、各搬送装置の現在設備コストを求めるステップと、搬送経路候補上に存在する搬送装置の現在設備コストの合計を算出することで、搬送経路候補の搬送コストを求めるステップと、各搬送経路候補の搬送コストに基づいて搬送経路を決定するステップとを含むことを特徴とするものである。
【0007】
このような本発明の搬送経路決定方法においては、各搬送装置の基本動作性能及び現在の稼動状況(使用中か否か、故障の有無等)に基づいて、各搬送装置の現在設備コストを求める。搬送装置の現在設備コストとしては、例えば搬送装置により搬送が終了するまでの時間等が挙げられる。このとき、例えば搬送装置が使用中である場合には、当該搬送装置には搬送待ち時間が発生するため、搬送装置が未使用である場合に比べて現在設備コストが高くなる。そして、搬送元と搬送先との間の搬送経路候補上に存在する搬送装置の現在設備コストの合計を算出することで搬送経路候補の搬送コストを求め、各搬送経路候補の搬送コストに基づいて搬送経路を決定する。このとき、例えば搬送経路候補上に現在使用中の搬送装置が存在している場合には、その搬送装置の現在設備コストが高いことから、当該搬送経路候補の搬送コストが高くなる。従って、複数の搬送経路候補の中から、搬送コストが最も低い搬送経路候補を搬送経路と決定する。このように搬送装置の基本動作性能だけでなく、搬送装置の現在の稼動状況も考慮して搬送経路を決定するので、最適な搬送経路を得ることができる。
【0008】
また、本発明は、搬送元と搬送先との間に配置された複数の搬送装置と、各搬送装置を個別に制御する複数の駆動制御装置とを備え、搬送元と搬送先とが一致する複数の搬送経路候補の中から搬送経路を決定し、搬送経路に従って自動搬送を行う自動搬送システムにおいて、各搬送装置の基本動作性能及び現在の稼動状況に基づいて、各搬送装置の現在設備コストを求める設備コスト取得手段と、搬送経路候補上に存在する搬送装置の現在設備コストの合計を算出することで、搬送経路候補の搬送コストを求める搬送コスト取得手段と、各搬送経路候補の搬送コストに基づいて搬送経路を決定する経路決定手段とを備えることを特徴とするものである。
【0009】
このように本発明の自動搬送システムにおいては、設備コスト取得手段、搬送コスト取得手段及び経路決定手段を設けることにより、上述した搬送経路決定方法を実施することができる。これにより、上述したように最適な搬送経路を得ることができる。
【0010】
好ましくは、設備コスト取得手段は、搬送装置の基本動作性能に応じた基準設備コストと搬送装置の現在の稼動状況に応じた加重値とを乗算して、搬送装置の現在設備コストを求める。この場合には、搬送装置の現在設備コストにおいて現在の稼動状況の重みが増すことになるので、各搬送装置の現在の稼動状況に応じた最適な搬送経路をより確実に得ることができる。
【0011】
また、好ましくは、経路決定手段により決定された搬送経路の途中位置において、途中位置から搬送先までの間に存在する搬送装置の現在設備コストの合計を算出することで搬送経路候補の中途搬送コストを求め、各搬送経路候補の中途搬送コストに基づいて搬送経路を再決定する経路再決定手段を更に備える。この場合には、経路決定手段により決定された搬送経路に従って搬送動作が開始された後に、搬送経路上に存在する搬送装置に不具合が発生する等、使用予定の搬送装置の稼動状況が変わっても、搬送経路の途中位置において搬送経路が再決定されるので、自動搬送動作が完了するまでの間、常に最適な搬送経路を得ることができる。
【0012】
さらに、好ましくは、設備コスト取得手段は、各駆動制御装置に具備されている。駆動制御装置は、搬送装置の駆動を制御すると共に、搬送装置の稼動状況をリアルタイムで監視することが多い。従って、設備コスト取得手段を各駆動制御装置に具備することにより、各搬送装置の正確な現在の稼動状況に応じた最適な搬送経路を得ることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、搬送元と搬送先との間で最適な搬送経路を設定することができる。これにより、搬送元から搬送先まで短時間で自動搬送を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係わる自動搬送システムの一実施形態を示すシステム構成図である。
【図2】図1に示した自動搬送設備のレイアウトの一例を示す概略図である。
【図3】図1に示した管理コンピュータの機能ブロックを示す図である。
【図4】図3に示したコストテーブルデータベースに格納される搬送経路コストテーブルの一例を示す表である。
【図5】図3に示したコストテーブルデータベースに格納される搬送設備コストテーブルの一例を示す表である。
【図6】図3に示したコストテーブル更新部により実行されるコストテーブル更新処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図3に示した搬送経路設定部により実行される搬送経路設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係わる自動搬送システムの他の実施形態として、図3に示した搬送経路設定部により実行される搬送経路設定処理の別の手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明に係わる自動搬送システムの更に他の実施形態として、図1に示した各制御盤及び管理コンピュータの機能ブロックを示す図である。
【図10】図9に示したコストデータ更新部により実行されるコストデータ更新処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】図9に示したコストテーブル更新部により実行されるコストテーブル更新処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係わる搬送経路決定方法及び自動搬送システムの好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明に係わる自動搬送システムの一実施形態を示すシステム構成図である。同図において、本実施形態の自動搬送システム1は、自動搬送設備であるコンベヤ2、垂直搬送機3、無人搬送車4、有軌道台車5及びクレーン6と、コンベヤ2を制御するコンベヤ制御盤7と、垂直搬送機3を制御する垂直搬送機制御盤8と、無人搬送車4を制御する無人搬送車制御盤9と、有軌道台車5を制御する有軌道台車制御盤10と、クレーン6を制御するクレーン制御盤11と、これらの制御盤7〜11と接続された管理コンピュータ12とを備えている。なお、コンベヤ2、垂直搬送機3、無人搬送車4、有軌道台車5及びクレーン6の数は、特に限定されない。制御盤7〜11は、これらの自動搬送設備と同じ数だけ有している。
【0017】
制御盤7〜11は、管理コンピュータ12からの搬送指示に応じて各自動搬送設備を駆動制御する。また、制御盤7〜11は、センサやカメラ等により各自動搬送設備の稼動状況をリアルタイムで監視し、その監視情報を所定のサイクルで管理コンピュータ12に送信する。管理コンピュータ12は、自動倉庫の在庫管理、入出庫の引き当て、搬送経路の決定、制御盤7〜11への搬送指示等を行う。
【0018】
図2は、図1に示した自動搬送設備のレイアウトの一例を示す概略図である。同図において、フロア上には、離間した軌道レール13A,13B上をそれぞれ走行する有軌道台車1号機5A及び有軌道台車2号機5Bが設置されている。軌道レール13Aに隣接した箇所には、作業ST1,2が並んで存在している。作業ST1,2には、コンベヤ2A,2Bがそれぞれ設置されている。なお、作業ST(ステーション)は、入出庫搬送の起点となるステーションである。
【0019】
軌道レール13A,13B間には、自動倉庫14A,14Bが並んで設置されている。自動倉庫14Aは、1対の格納棚15Aと、各格納棚15A間に配置された走行レール16A上を走行するクレーン1号機6Aとを有している。各格納棚15Aの一端側(軌道レール13A側)には、中間ST11,12がそれぞれ存在している。中間ST11,12には、コンベヤ2C,2Dがそれぞれ設置されている。各格納棚15Aの他端側(軌道レール13B側)には、中間ST13,14がそれぞれ存在している。中間ST13,14には、コンベヤ2E,2Fがそれぞれ設置されている。なお、中間ST(ステーション)は、入出庫搬送の起点とならずに、搬送経路上の途中の搬送設備同士をつなぐステーションである。
【0020】
自動倉庫14Bは、1対の格納棚15Bと、各格納棚15B間に配置された走行レール16B上を走行するクレーン2号機6Bとを有している。各格納棚15Bの一端側(軌道レール13A側)には、中間ST21,22がそれぞれ存在している。中間ST21,22には、コンベヤ2G,2Hがそれぞれ設置されている。各格納棚15Bの他端側(軌道レール13B側)には、中間ST23,24がそれぞれ存在している。中間ST23,24には、コンベヤ2I,2Jがそれぞれ設置されている。
【0021】
軌道レール13Bに対して自動倉庫14A,14Bの反対側には、垂直搬送機1号機3A、垂直搬送機2号機3B及び垂直搬送機3号機3Cが並んで設置されている。垂直搬送機1号機3Aと軌道レール13Bとの間には、中間ST31が存在している。中間ST31には、コンベヤ2Kが設置されている。垂直搬送機2号機3Bと軌道レール13Bとの間には、中間ST41が存在している。中間ST41には、コンベヤ2Lが設置されている。垂直搬送機3号機3Cと軌道レール13Bとの間には、中間ST51が存在している。中間ST51には、コンベヤ2Mが設置されている。
【0022】
フロアよりも上の階には、予め定められた走行路17に沿って走行する無人搬送車1号機4Aが配置されている。垂直搬送機1号機3Aと走行路17との間には、中間ST32が存在している。中間ST32には、コンベヤ2Nが設置されている。垂直搬送機2号機3Bと走行路17との間には、中間ST42が存在している。中間ST42には、コンベヤ2Oが設置されている。垂直搬送機3号機3Cと走行路17との間には、中間ST52が存在している。中間ST52には、コンベヤ2Pが設置されている。また、走行路17に隣接した箇所には、作業ST3〜5が並んで存在している。作業ST3〜5には、コンベヤ2Q〜2Sがそれぞれ設置されている。
【0023】
なお、コンベヤ2A〜2Sの駆動方向は、単方向及び双方向の何れかには限られない。また、各STには、コンベヤに限らず、自走台車や固定荷受台等が設けられる場合もある。また、作業ST及び中間STの数、自動搬送設備の台数及び配置等は、特に上記のものには限られない。
【0024】
図3は、管理コンピュータ12の機能ブロックを示す図である。同図において、管理コンピュータ12は、コストテーブルデータベース18と、コストテーブル更新部19と、搬送経路設定部20と、搬送制御部21とを有している。
【0025】
コストテーブルデータベース18には、図4に示すような搬送経路コストテーブル(搬送経路コスト表)と、図5に示すような搬送設備コストテーブル(搬送設備コスト表)とが格納・記憶されている。これらの搬送経路コストテーブル及び搬送設備コストテーブルは、図2に示すような設備レイアウトに関するものである。
【0026】
搬送経路コストテーブルには、搬送元及び搬送先と、搬送元から搬送先までの経路上に存在する複数台(ここでは11台)の搬送設備の設備コストと、搬送コストとが一覧にして登録されている。搬送コストは、搬送元から搬送先までの経路上に存在する各搬送設備の設備コストの合計値である。
【0027】
図4に示す搬送経路コストテーブルにおいて、例えば搬送元が作業ST1、搬送先が作業ST3である経路は、全部で24通りある。そのうち、搬送経路コストテーブル中の経路No.1は、作業ST1からST1コンベヤ2A(設備No.9)、有軌道台車1号機5A(設備No.1)、ST11コンベヤ2C(設備No.14)、クレーン1号機6A(設備No.3)、ST13コンベヤ2E(設備No.16)、有軌道台車2号機5B(設備No.2)、ST31コンベヤ2K(設備No.22)、垂直搬送機1号機3A(設備No.5)、ST32コンベヤ2N(設備No.23)、無人搬送車1号機4A(設備No.8)及びST3コンベヤ2Q(設備No.11)を通って作業ST3に至る経路である。なお、()内は、図5に示す搬送設備コストテーブル中の設備No.を表している。
【0028】
搬送設備コストテーブルには、各搬送設備の基準設備コストと、各搬送設備の加重値と、各搬送設備の現在設備コストとが一覧にして登録されている。上記の搬送経路コストテーブルには、設備コストとして現在設備コストが登録される。各搬送設備の設備No.は予め決められている。
【0029】
搬送設備の基準設備コストは、搬送設備の基本動作性能(駆動速度等)に応じたコストである。ここでいうコストとは、主として搬送に要する時間であるが、他に一回の動作で搬送可能な荷物の個数等をも含んだトータル的な搬送能力のことである。
【0030】
搬送設備の加重値は、搬送設備の現在の稼動状況に応じた値である。通常時には、加重値は「1」にセットされている。該当する搬送設備が使用中あるいは使用予定となっている場合には、加重値としては、その状況に応じた値(例えば使用中は「5」、使用予定は「10」)がセットされる。なお、搬送設備が使用中であるかどうかは、制御盤7〜11から送られてくる搬送設備の稼動状況の監視情報や、管理コンピュータ12の設備管理データから分かる。搬送設備の使用予定があるかどうかは、管理コンピュータ12の設備管理データから分かる。また、該当する搬送設備が故障中である場合には、加重値として閾値(例えば「101」)がセットされる。なお、搬送設備が故障中であるかどうかは、制御盤7〜11から送られてくる搬送設備の稼動状況の監視情報や、管理コンピュータ12の設備管理データから分かる。
【0031】
搬送設備の現在設備コストは、基準設備コストと加重値とを乗算することにより得られる。このとき、搬送設備が使用中または使用予定である場合には、当該搬送設備には搬送待ち時間が発生するため、上記のように大きな加重値が与えられることで、現在設備コストは通常時に比べて十分高くなる。また、搬送設備が故障中であるために、加重値として閾値がセットされている場合には、現在設備コストは無限大(∞)とされる。このように加重値によって設備コストが重み付けされる。
【0032】
図3に戻り、コストテーブル更新部19は、搬送設備コストテーブル中の加重値及び現在設備コストと搬送経路コストテーブル中の各設備コスト及び搬送コストとを所定時間毎に更新する。コストテーブル更新部19により実行されるコストテーブル更新処理の手順を図6に示す。
【0033】
図6において、まず各搬送設備の稼動状況の情報を制御盤7〜11の監視データ及び管理コンピュータ12の設備管理データから取得する(手順S101)。そして、各搬送設備の現在の稼動状況に応じた加重値を搬送設備コストテーブルにセットする(手順S102)。続いて、各搬送設備における基準設備コストと加重値とを乗算することで、各搬送設備の現在設備コストを算出する(手順S103)。そして、各搬送設備の現在設備コストを搬送設備コストテーブル及び搬送経路コストテーブルにセットする(手順S104)。
【0034】
続いて、搬送経路コストテーブルの経路No.毎に各搬送設備の現在設備コストを加算して合計値を算出することで、各経路No.の搬送コストを算出する(手順S105)。そして、各経路No.の搬送コストを搬送経路コストテーブルにセットする(手順S106)。このとき、例えば図5に示す搬送設備コストテーブル中の設備No.3のように、現在設備コストが無限大である場合には、搬送コストとして「使用不可」をセットする(図4参照)。
【0035】
搬送経路設定部20は、搬送元と搬送先とが一致する複数の経路(搬送経路候補)の中から1つの搬送経路候補を搬送経路として選択する。搬送経路設定部20により実行される搬送経路設定処理の手順を図7に示す。
【0036】
図7において、まず搬送経路コストテーブルにおいて搬送元と搬送先とが一致する複数の搬送経路候補の搬送コストのデータを読み込む(手順S111)。なお、搬送元及び搬送先は、例えば管理コンピュータ12により設定入力される。続いて、複数の搬送経路候補のうち搬送コストが最も小さい搬送経路候補を搬送経路として選択する(手順S112)。例えば図4に示す搬送経路コストテーブルでは、経路No.6が搬送経路として選択される。続いて、選択された搬送経路を搬送制御部21に送出し、搬送制御部21に対して搬送指示を行う(手順S113)。
【0037】
搬送制御部21は、搬送経路設定部20により設定された搬送経路に従って自動搬送を行うように、当該搬送経路上に存在する複数の搬送設備に対応する制御盤7〜11を順に制御する。
【0038】
以上において、コストテーブル更新部19の上記手順S101〜S104は、各搬送装置(コンベヤ2、垂直搬送機3、無人搬送車4、有軌道台車5及びクレーン6)の基本動作性能及び現在の稼動状況に基づいて、各搬送装置の現在設備コストを求める設備コスト取得手段を構成する。コストテーブル更新部19の上記手順S105,S106は、搬送経路候補上に存在する搬送装置の現在設備コストの合計を算出することで、搬送経路候補の搬送コストを求める搬送コスト取得手段を構成する。搬送経路設定部20の上記手順S111,S112は、各搬送経路候補の搬送コストに基づいて搬送経路を決定する経路決定手段を構成する。
【0039】
以上のように本実施形態にあっては、搬送設備の基本動作性能に応じた基準設備コストと搬送設備の現在の稼動状況に応じた加重値とを乗算して得られる搬送設備の現在設備コストを随時更新し、経路毎に各搬送設備の現在設備コストの合計値を搬送コストとして求め、搬送元と搬送先とが一致する複数の搬送経路候補のうち搬送コストが最小値となる搬送経路候補を搬送経路として選択する。このように各搬送設備の現在の稼動状況を反映した搬送経路の決定が行われるので、搬送元と搬送先との間で最適な搬送経路を得ることができる。これにより、搬送元から搬送先まで短時間で効率良く荷物を搬送することが可能となる。
【0040】
また、管理コンピュータ12により搬送経路を決定する際には、何らの計算処理を行うこと無く、複数の搬送経路候補のうち搬送コストが最小となる搬送経路候補を選択するだけで良い。従って、搬送経路の決定処理にかかる時間を大幅に短縮し、処理負荷を下げることができる。
【0041】
図8は、本発明に係わる自動搬送システムの他の実施形態として、搬送経路設定部20により実行される搬送経路設定処理の別の手順を示すフローチャートである。図中、図7に示すフローチャートと同一の手順には同じ符号を付してある。
【0042】
図8において、手順S113を実行することで自動搬送が開始された後、搬送経路を再決定するタイミングかどうかを判断する(手順S114)。搬送経路を再決定するタイミングとしては、例えば経路再決定地点として予め設定された中間STに荷物が達した時点等が挙げられる。
【0043】
搬送経路を再決定するタイミングであるときは、搬送経路コストテーブルにおいて経路再決定地点である中間STのコンベヤと搬送先とが一致する複数の搬送経路候補の現在設備コストのデータを読み込む(手順S115)。
【0044】
続いて、搬送経路候補毎に当該中間STのコンベヤから搬送先までの間に存在する各搬送設備の現在設備コストを加算して合計値を算出することで、各搬送経路候補の中途搬送コストを算出する(手順S116)。続いて、複数の搬送経路候補のうち中途搬送コストが最も小さい搬送経路候補を新たな搬送経路として再選択する(手順S117)。続いて、再選択された搬送経路を搬送制御部21に送出し、搬送制御部21に対して搬送指示を行う(手順S118)。
【0045】
手順S114で搬送経路を再決定するタイミングでないと判断されたとき、または手順S118が実行された後、荷物が搬送先まで搬送されたかどうかを判断する(手順S119)。荷物が搬送先まで搬送されたときは、本処理を終了し、荷物が搬送先まで搬送されていないときは、手順S114に戻る。
【0046】
以上において、手順S115〜S117は、経路決定手段により決定された搬送経路の途中位置において、途中位置から搬送先までの間に存在する搬送装置の現在設備コストの合計を算出することで搬送経路候補の中途搬送コストを求め、各搬送経路候補の中途搬送コストに基づいて搬送経路を再決定する経路再決定手段を構成する。
【0047】
このような本実施形態においては、最初に決定された搬送経路に従って搬送動作が開始された後に、当該搬送経路上に存在する搬送設備に何らの不具合が発生する等、搬送設備の稼動状況が変動した場合でも、搬送途中において搬送経路を再決定するので、搬送動作が終了するまで、各搬送設備の現在の稼動状況を反映した最適な搬送経路を得ることができる。
【0048】
図9は、本発明に係わる自動搬送システムの更に他の実施形態として、制御盤7〜11及び管理コンピュータ12の機能ブロックを示す図である。図中、図3に示すものと同一または同等の要素には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0049】
同図において、管理コンピュータ12のコストテーブルデータベース18には、図4に示す搬送経路コストテーブルのみが格納されている。図5に示す搬送設備コストテーブルのデータは、制御盤7〜11により管理されている。
【0050】
具体的には、コンベヤ制御盤7は、コンベヤ2のコストデータ(基準設備コスト、加重値、現在設備コスト)を記憶するメモリ21と、コンベヤ2のコストデータを所定時間毎に更新するコストデータ更新部22とを有している。垂直搬送機制御盤8は、垂直搬送機3のコストデータを記憶するメモリ23と、垂直搬送機3のコストデータを所定時間毎に更新するコストデータ更新部24とを有している。無人搬送車制御盤9は、無人搬送車4のコストデータを記憶するメモリ25と、無人搬送車4のコストデータを所定時間毎に更新するコストデータ更新部26とを有している。有軌道台車制御盤10は、有軌道台車5のコストデータを記憶するメモリ27と、有軌道台車5のコストデータを所定時間毎に更新するコストデータ更新部28とを有している。クレーン制御盤11は、クレーン6のコストデータを記憶するメモリ29と、クレーン6のコストデータを所定時間毎に更新するコストデータ更新部30とを有している。
【0051】
コンベヤ制御盤7のコストデータ更新部22により実行されるコストデータ更新処理の手順を図10に示す。なお、他の搬送設備のコストデータ更新部24,26,28,30による処理についても、同様にして実行される。また、管理コンピュータ12の設備管理データは、制御盤7〜11に常時送られている。
【0052】
図10において、まずコンベヤ2の現在の稼動状況に応じた加重値をメモリ21に記憶する(手順S121)。続いて、メモリ21に予め記憶されているコンベヤ2の基準設備コストとコンベヤ2の加重値とを乗算することで、コンベヤ2の現在設備コストを算出する(手順S122)。そして、コンベヤ2の現在設備コストをメモリ21に記憶する(手順S123)。また、コンベヤ2の現在設備コストのデータを管理コンピュータ12に送信する(手順S124)。
【0053】
管理コンピュータ12は、上記実施形態におけるコストテーブル更新部19に代えて、コストテーブル更新部31を有している。コストテーブル更新部31により実行されるコストテーブル更新処理の手順を図11に示す。
【0054】
図11において、まず制御盤7〜11から送られた搬送設備の現在設備コストのデータを受信する(手順S131)。続いて、搬送設備の現在設備コストを搬送設備コストテーブルにセットする(手順S132)。続いて、搬送経路コストテーブルの経路No.毎に各搬送設備の現在設備コストを加算して合計値を算出することで、各経路No.の搬送コストを算出する(手順S133)。そして、各経路No.の搬送コストを搬送経路コストテーブルにセットする(手順S134)。
【0055】
このように本実施形態においては、搬送設備の稼動状況をリアルタイムで監視する制御盤7〜11によって搬送設備の基準設備コスト、加重値及び現在設備コストを管理するので、各搬送設備の正確な搬送負荷を反映した最適な搬送経路の決定を行うことができる。また、管理コンピュータ12が搬送設備コストテーブルを管理しなくて済むため、管理コンピュータ12の処理負荷を軽減することができる。
【0056】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、搬送設備コストテーブルの基準設備コストを固定値としたが、場合によっては搬送設備の状態変化(例えば長期間の使用による駆動モータの速度低下等)に応じて基準設備コストの値を変更しても良い。
【0057】
また、上記実施形態では、自動搬送設備としてコンベヤ、垂直搬送機、無人搬送車、有軌道台車及びクレーンを使用したが、本発明は、その他の自動搬送設備を備えた自動搬送システムにも適用可能であることは言うまでも無い。
【符号の説明】
【0058】
1…自動搬送システム、2…コンベヤ(搬送装置)、3…垂直搬送機(搬送装置)、4…無人搬送車(搬送装置)、5…有軌道台車(搬送装置)、6…クレーン(搬送装置)、7…コンベヤ制御盤(駆動制御装置)、8…垂直搬送機制御盤(駆動制御装置)、9…無人搬送車制御盤(駆動制御装置)、10…有軌道台車制御盤(駆動制御装置)、11…クレーン制御盤(駆動制御装置)、12…管理コンピュータ、19…コストテーブル更新部(設備コスト取得手段、搬送コスト取得手段)、20…搬送経路設定部(経路決定手段、経路再決定手段)、22,24,26,28,30…コストデータ更新部(設備コスト取得手段)、31…コストテーブル更新部(搬送コスト取得手段)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送元と搬送先とが一致する複数の搬送経路候補の中から搬送経路を決定する搬送経路決定方法において、
前記搬送元と前記搬送先との間に配置された複数の搬送装置の基本動作性能及び現在の稼動状況に基づいて、前記各搬送装置の現在設備コストを求めるステップと、
前記搬送経路候補上に存在する前記搬送装置の現在設備コストの合計を算出することで、前記搬送経路候補の搬送コストを求めるステップと、
前記各搬送経路候補の搬送コストに基づいて前記搬送経路を決定するステップとを含むことを特徴とする搬送経路決定方法。
【請求項2】
搬送元と搬送先との間に配置された複数の搬送装置と、前記各搬送装置を個別に制御する複数の駆動制御装置とを備え、前記搬送元と前記搬送先とが一致する複数の搬送経路候補の中から搬送経路を決定し、前記搬送経路に従って自動搬送を行う自動搬送システムにおいて、
前記各搬送装置の基本動作性能及び現在の稼動状況に基づいて、前記各搬送装置の現在設備コストを求める設備コスト取得手段と、
前記搬送経路候補上に存在する前記搬送装置の現在設備コストの合計を算出することで、前記搬送経路候補の搬送コストを求める搬送コスト取得手段と、
前記各搬送経路候補の搬送コストに基づいて前記搬送経路を決定する経路決定手段とを備えることを特徴とする自動搬送システム。
【請求項3】
前記設備コスト取得手段は、前記搬送装置の基本動作性能に応じた基準設備コストと前記搬送装置の現在の稼動状況に応じた加重値とを乗算して、前記搬送装置の現在設備コストを求めることを特徴とする請求項2記載の自動搬送システム。
【請求項4】
前記経路決定手段により決定された前記搬送経路の途中位置において、前記途中位置から前記搬送先までの間に存在する前記搬送装置の現在設備コストの合計を算出することで前記搬送経路候補の中途搬送コストを求め、前記各搬送経路候補の中途搬送コストに基づいて前記搬送経路を再決定する経路再決定手段を更に備えることを特徴とする請求項2または3記載の自動搬送システム。
【請求項5】
前記設備コスト取得手段は、前記各駆動制御装置に具備されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項記載の自動搬送システム。
【請求項1】
搬送元と搬送先とが一致する複数の搬送経路候補の中から搬送経路を決定する搬送経路決定方法において、
前記搬送元と前記搬送先との間に配置された複数の搬送装置の基本動作性能及び現在の稼動状況に基づいて、前記各搬送装置の現在設備コストを求めるステップと、
前記搬送経路候補上に存在する前記搬送装置の現在設備コストの合計を算出することで、前記搬送経路候補の搬送コストを求めるステップと、
前記各搬送経路候補の搬送コストに基づいて前記搬送経路を決定するステップとを含むことを特徴とする搬送経路決定方法。
【請求項2】
搬送元と搬送先との間に配置された複数の搬送装置と、前記各搬送装置を個別に制御する複数の駆動制御装置とを備え、前記搬送元と前記搬送先とが一致する複数の搬送経路候補の中から搬送経路を決定し、前記搬送経路に従って自動搬送を行う自動搬送システムにおいて、
前記各搬送装置の基本動作性能及び現在の稼動状況に基づいて、前記各搬送装置の現在設備コストを求める設備コスト取得手段と、
前記搬送経路候補上に存在する前記搬送装置の現在設備コストの合計を算出することで、前記搬送経路候補の搬送コストを求める搬送コスト取得手段と、
前記各搬送経路候補の搬送コストに基づいて前記搬送経路を決定する経路決定手段とを備えることを特徴とする自動搬送システム。
【請求項3】
前記設備コスト取得手段は、前記搬送装置の基本動作性能に応じた基準設備コストと前記搬送装置の現在の稼動状況に応じた加重値とを乗算して、前記搬送装置の現在設備コストを求めることを特徴とする請求項2記載の自動搬送システム。
【請求項4】
前記経路決定手段により決定された前記搬送経路の途中位置において、前記途中位置から前記搬送先までの間に存在する前記搬送装置の現在設備コストの合計を算出することで前記搬送経路候補の中途搬送コストを求め、前記各搬送経路候補の中途搬送コストに基づいて前記搬送経路を再決定する経路再決定手段を更に備えることを特徴とする請求項2または3記載の自動搬送システム。
【請求項5】
前記設備コスト取得手段は、前記各駆動制御装置に具備されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項記載の自動搬送システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−102166(P2011−102166A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−257254(P2009−257254)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】
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