説明

搬送装置及び画像形成装置

【課題】搬送部材の駆動力を増大させることができる搬送装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置10は、複数の像形成部16Y、16M、16C、16Bで形成されたトナー像を搬送する中間転写ベルト14を有する。中間転写ベルト14は、主駆動ロール41に接する位置及び補助駆動ロール42が接する位置の2箇所で、摩擦力を介して駆動力の伝達がなされる。主駆動ロール41が中間転写ベルト14に伝達する駆動力は、補助駆動ロール42が中間転写ベルト14に伝達する駆動力よりも大きい。また、主駆動ロール41の周速は、補助駆動ロール42よりも低い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、像担持体の周囲に帯電手段及び現像手段を配置した画像形成ステーションを転写ベルトに沿って各色毎に設け、転写ベルトを各画像形成ステーションに通過させることによりカラー画像を形成させるタンデム型の画像形成装置において、前記転写ベルトは駆動ローラと従動ローラ間に張架され、駆動ローラと従動ローラのいずれか一方のローラは他方のローラに対して斜め上方に配置し、かつ、転写ベルト駆動時のベルト張り側が下方になるように配設し、前記ベルト張り側に各画像形成ステーションの像担持体を当接した画像形成装置を開示する。
【0003】
【特許文献1】特開2003−140435
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、搬送部材の駆動力を増大させることができる搬送装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、複数の像形成部で形成された像又は複数の像形成部で形成された像が転写される記録媒体を搬送する搬送部材と、少なくとも2箇所で摩擦力を介して前記搬送部材を駆動する駆動手段と、を有する搬送装置である。
【0006】
請求項2に係る発明は、複数の像形成部で形成された像又は複数の像形成部で形成された像が転写される記録媒体を搬送する搬送部材と、この搬送部材を支持する複数の支持部材と、を有し、前記複数の支持部材は、少なくとも2つが回転駆動し、この回転する支持部材が摩擦力を介して前記搬送部材を駆動する搬送装置である。
【0007】
請求項3に係る発明は、前記複数の支持部材は、前記搬送部材を駆動する支持部材のうち、いずれか一つの支持部材は、他の支持部材よりも駆動力が大きい請求項2記載の搬送装置である。
【0008】
請求項4に係る発明は、前記搬送部材は、前記搬送部材又は前記搬送部材が搬送する記録媒体に前記複数の像形成部が像を転写するための転写面が形成され、この転写面は、転写前の入口と転写後の出口とを有し、前記搬送部材を駆動する支持部材のうち、前記出口に最も近い支持部材の駆動力が他の支持部材の駆動力より大きく設定されている請求項3記載の搬送装置である。
【0009】
請求項5に係る発明は、前記搬送部材は、前記搬送部材又は前記搬送部材が搬送する記録媒体に前記複数の像形成部が像を転写するための転写面が形成され、この転写面は、転写前の入口と転写後の出口とを有し、前記搬送部材を駆動する支持部材のうち、前記出口に最も近い支持部材の周速が他の支持部材の周速より小さく設定されている請求項2乃至4いずれか記載の搬送装置である。
【0010】
請求項6に係る発明は、前記搬送部材は、前記搬送部材又は前記搬送部材が搬送する記録媒体に前記複数の像形成部が像を転写するための転写面が形成され、この転写面は、転写前の入口と転写後の出口とを有し、前記搬送部材を駆動する支持部材のうち、前記出口に最も近い支持部材の前記搬送部材に接触する面積が、他の支持部材が前記搬送部材に接触する面積よりも大きく設定されている請求項2乃至5いずれか記載の搬送装置である。
【0011】
請求項7に係る発明は、前記搬送部材は、前記搬送部材又は前記搬送部材が搬送する記録媒体に前記複数の像形成部が像を転写するための転写面が形成され、この転写面は、転写前の入口と転写後の出口とを有し、前記搬送部材を駆動する支持部材のうち、前記出口に最も近い支持部材の少なくとも表面の摩擦係数が、他の支持部材の表面の摩擦係数より大きく設定されている請求項2乃至6いずれか記載の搬送装置である。
【0012】
請求項8に係る発明は、複数の像形成部と、前記複数の像形成部で形成された像をそれぞれ転写する複数の転写部と、前記複数の転写部により転写された像又は前記複数の転写部により像が転写される記録媒体を搬送する搬送部材と、少なくとも2箇所で摩擦力を介して前記搬送部材を駆動する駆動手段と、を有する画像形成装置である。
【0013】
請求項9に係る発明は、複数の像形成部と、前記複数の像形成部で形成された像をそれぞれ転写する複数の転写部と、前記複数の転写部により転写された像又は前記複数の転写部により像が転写される記録媒体を搬送する搬送部材と、この搬送部材を支持する複数の支持部材と、を有し、前記複数の支持部材は、少なくとも2つが回転し、この回転する支持部材が摩擦力を介して前記搬送部材を駆動する画像形成装置である。
【0014】
請求項10に係る発明は、前記複数の転写部は、互いに隣り合う転写部が転写を行う転写位置間の距離が、前記複数の支持部材のうち他の支持部材よりも駆動力が大きい支持部材の回転周の略整数倍となるように配置される請求項9記載の画像形成装置である。
【0015】
前記複数の像形成部は、前記搬送部材又は前記搬送部材が搬送する記録媒体に転写される像を保持する像保持体をそれぞれ有し、これらの像保持体は、前記搬送部材と周速が異なる請求項8乃至10いずれか記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明によれば、1箇所だけで搬送部材に駆動力を伝達する装置と比較して、搬送部材の駆動力を増大させることができる搬送装置を提供することができる。すなわち、例えば搬送装置を小型化しようとした場合等に、1箇所だけで摩擦力を介して搬送部材を駆動しようとしても駆動が良好に伝達されない虞があるものの、請求項1に係る発明では、少なくとも2箇所で駆動を伝達するため、搬送部材に対して駆動の伝達がなされやすくなり、搬送部材の駆動力を増大させることができる搬送装置を提供することができる。
【0017】
請求項2に係る発明によれは、1つの支持部材のみで搬送部材に駆動を伝達する装置と比較して、搬送部材の駆動力を増大させることができる搬送装置を提供することができる。すなわち、例えば搬送装置を小型化しようとした場合、支持部材が小型化する傾向があり、支持部材が小型化した場合、支持部材と搬送部材との接触する面積が減る傾向にあり、1つの支持部材だけを回転駆動させて、摩擦力を介して搬送部材を駆動しようとしても、搬送部材が良好に駆動しない虞があるものの、請求項2に係る発明では、少なくとも2つの支持部材が回転し、搬送部材に駆動を伝達するため、搬送部材に対して駆動伝達がなされやすくなり、搬送部材の駆動力を増大させることができる搬送装置を提供することができる。
【0018】
請求項3に係る発明によれば、各支持部材の駆動力が同じである装置と比較して、搬送部材の駆動をより安定させることができる搬送装置を提供することができる。
【0019】
請求項4に係る発明によれば、搬送部材を駆動する支持部材であり、出口に最も近い支持部材の駆動力よりも駆動力が大きい支持部材がある装置と比較して、転写面に弛みを生じにくくすることができる搬送装置を提供することができる。
【0020】
請求項5に係る発明によれば、搬送部材を駆動する支持部材であり、出口に最も近い支持部材よりも周速が小さい支持部材がある装置を比較して、転写面に弛みを生じにくくすることができる搬送装置を提供することができる。
【0021】
請求項6に係る発明によれば、搬送部材を駆動する支持部材であり、出口に最も近い支持部材よりも搬送部材に接する面積が大きい支持部材がある装置と比較して、転写面により弛みを生じにくくすることができる搬送装置を提供することができる。
【0022】
請求項7に係る発明によれば、搬送部材を駆動する支持部材であり、出口に最も近い支持部材よりも、表面の摩擦係数が大きい支持部材がある装置と比較して、転写面により弛みを生じにくくすることができる搬送装置を提供することができる。
【0023】
請求項8に係る発明によれば、画像形成装置を小型化しようとし、支持部材の外径が小径化し、搬送部材の内側の面との接触する面積が減った場合であっても、1つの支持部材のみで搬送部材に駆動を伝達する装置と比較して、搬送部材の駆動力を増大させることができる画像形成装置を提供することができる。すなわち、例えば画像装置を小型化しようとした場合等に、1箇所だけで摩擦力を介して搬送部材を駆動しようとしても駆動が良好に伝達されない虞があるものの、請求項8に係る発明では、少なくとも2箇所で駆動を伝達するため、搬送部材に対して駆動の伝達がなされやすくなり、搬送部材の駆動力を増大させることができる画像形成装置を提供することができる。
【0024】
請求項9に係る発明によれば、1つの支持部材のみで搬送部材に駆動を伝達する装置と比較して、搬送部材の駆動力を増大させることができる画像形成装置を提供することができる。すなわち、例えば画像形成装置を小型化しようとした場合、支持部材が小型化する傾向があり、支持部材が小型化した場合、支持部材と搬送部材との接触する面積が減る傾向にあり、1つの支持部材だけを回転駆動させて、摩擦力を介して搬送部材を駆動しようとしても、搬送部材が良好に駆動しない虞があるものの、請求項9に係る発明では、少なくとも2つの支持部材が回転し、搬送部材に駆動を伝達するため、搬送部材に対して駆動伝達がなされやすくなり、搬送部材の駆動力を増大させることができる画像形成装置を提供することができる。
【0025】
請求項10に係る発明によれば、転写装置が、互いに隣り合う転写装置の転写位置間の距離が、他の支持部材よりも駆動力が大きい支持部材の回転径の略整数倍となるように配置されていない画像形成装置と比較して、例えば色ズレ等の画像不良を生じにくくすることができる画像形成装置を提供することができる。
【0026】
請求項11に係る発明によれは、搬送部材と像保持体の周速とが同じである場合と比較して、より良好に転写がなされる画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置10が示されている。画像形成装置10は、画像形成装置本体12を有し、画像形成装置本体12内に、中間転写ベルト14と、ベルトユニット15と、例えば4つの像形成部16Y、16M、16C、16Bとが配設されている。本実施形態の場合、中間転写ベルト14が、複数の像形成部16Y、16M、16C、16Bで形成された像を搬送する搬送部材として用いられ、ベルトユニット14が搬送装置として用いられている。また、本実施形態の場合、像形成部16Y、16M、16C、16Bが、それぞれが像形成部として用いられ、図1における右上から左下に並列配置されており、画像形成装置10はいわゆるタンデム方式となっている。像形成部16Yはイエローのトナー像を、像形成部16Mはマゼンダのトナー像を、像形成部16Cはシアンのトナー像を、そして、像形成部16Bはブラックのトナー像を形成し、形成したトナー像を中間転写ベルト14に転写する。
【0028】
画像形成装置本体12の下部にはシート供給装置18が設けられている。シート供給装置18は、例えば普通紙、OHPシート等からなるシートが積載されるシート供給カセット20と、このシート供給カセット20に積載されたシートを引き出すピックアップロール22と、シートを捌きながら送り出すフィードロール24及びリタードロール26とを有する。本実施形態の場合、シートが、複数の像形成部16Y、16M、16C、16Bで形成された像が転写される記録媒体として用いられている。シート供給カセット20は、例えば図中手前方向に引き出すことができるように画像形成装置本体12に対して着脱可能に設けられており、普通紙、OHPシート等のシートが積載収納されている。
【0029】
画像形成装置本体12の一端付近(図中左端付近)には、シート供給路28が略鉛直方向に沿って設けられている。シート供給路28の周辺には、シート供給路28に沿って搬送ロール29、レジストロール30、2次転写ロール32、定着装置34及び排出ロール36が設けられている。レジストロール30は、シート供給路28へ送り出されたシートを一次停止させ、タイミングをとって2次転写ロール32へ送る。定着装置34は、加熱ロール34aと加圧ロール34bとからなり、加熱ロール34aと加圧ロール34bとの間を通過するシートに熱と圧力を加えることによりシートにトナー像を定着するようになっている。
【0030】
画像形成装置本体12の上部には、排出トレイ部38が設けられている。前述した排出ロール36により排出トレイ部38へトナー像が定着されたシートが排出され、この排出トレイ部38に積層される。したがって、シート供給カセット20のシートは、順次C字状のパスを通って排出トレイ部38に排出される。
【0031】
画像形成装置本体12の他端側(図1中右端側)には、現像剤収容手段として用いられる例えば4つのトナーボトル40Y、40M、40C、40Bが設けられている。トナーボトル40Yにはイエロートナーが、トナーボトル40Mにはマゼンダトナーが、トナーボトル40Cにはシアントナーが、トナーボトル40Bにはブラックトナーが、それぞれ収容されている。トナーボトル40Yは像形成部16Yに、トナーボトル40Mは像形成部16Mに、トナーボトル40Cは像形成部16Cに、トナーボトル40Bは像形成部16Bに、それぞれパイプ等により形成される供給路(不図示)を介してトナーを供給するようになっている。
【0032】
像形成部16Y、16M、16C、16Bは、中間転写ベルト14の一面に設けられた像形成ユニット48、48、48、48をそれぞれ有し、像形成ユニット48、48、48、48は、画像形成装置本体12に対してそれぞれ着脱可能であり、例えば中間転写ベルト14に対して一度下方に移動させた後、図1中における手前方向に引き出すことができるようになっている。
【0033】
中間転写ベルト14は、主駆動ロール41、補助駆動ロール42、及び前記中間転写ベルト14に所定の張力を加え、掛け渡すテンションロール43によって、図1に示す矢印方向に回転ができるように支持されている。このように、本実施形態の場合、主駆動ロール41、補助駆動ロール42、及びテンションロール43が、搬送部材として用いられる中間転写ベルト14を支持する支持部材として用いられている。また、主駆動ロール41と補助駆動ロール42とは、中間転写ベルト14を駆動する駆動手段としても用いられている。テンションロール43から主駆動ロール41に至るまでの部分には、中間転写ベルト14に、複数の像形成部16Y、16M、16C、16Bで形成された像(トナー像)を転写するための転写面45が形成されている。転写面45は、転写前の入口として用いられる先端部P2と、転写後の出口として用いられる後端部P1と有し、先端部P2から後端部P1に渡って水平方向に対して斜めに形成されている。
【0034】
主駆動ロール41及び補助駆動ロール42は、中間転写ベルト14に駆動力を伝達して中間転写ベルト14を、図1に示す矢印方向に回転させるように駆動する。補助駆動ロール42は、2次転写ロール32と対向配置されたバックアップロールとしても用いられている。主駆動ロール41及び補助駆動ロール42の詳細については後述する。
【0035】
テンションロール43には、付勢部材として用いられる弾性体46が連結されていて、弾性体46により主駆動ロール41及び補助駆動ロール42から離間する方向に付勢され、中間転写ベルト14に張力を付与している。
【0036】
中間転写ベルト14の内側には、像形成ユニット48、48、48、48にそれぞれ対向するように一次転写ロール50、50、50、50が設けられている。本実施形態の場合、一次転写ロール50、50、50、50が、複数の像形成部16Y、16M、16C、16Bで形成されたトナー像を、それぞれ中間転写ベルト14に転写する転写部として用いられている。
【0037】
中間転写ベルト14の上端側には、中間転写ベルト用清掃装置44が配置され、テンションロール43が中間転写ベルト用清掃装置44のバックアップロールとして用いられている。
【0038】
中間転写ベルト14、主駆動ロール41、補助駆動ロール42、テンションロール43、一次転写ロール50、50、50、50、及び中間転写ベルト用清掃装置44は、先述のベルトユニット15として一体化されている。ベルトユニット15は、画像形成装置本体12に対して着脱可能であり、図1における手前方向に引き出すことができるようになっている。
【0039】
2次転写ロール32は2次転写ユニット33としてユニット化されている。2次転写ユニットは、画像形成装置本体12に対して着脱可能であり、図1における手前方向に引き出すことができるようになっている。
【0040】
図2には、像形成部16の詳細が示されている。像形成部16Y、16M、16C、16Bは用いる現像剤の色が異なるものの、同一構成であるため像形成部16としてまとめて説明する。像形成部16は、像形成ユニット48を有し、像形成ユニット48は、感光体52と、感光体52を帯電させる例えばロールから構成された帯電装置54と、例えばLED(light emitting diode:発光ダイオード)を備え、感光体52上に潜像を形成する露光装置56と、露光装置56により形成された感光体52上の潜像をトナーにより現像する現像装置58と、転写後に感光体52上に残ったトナーを清掃する清掃装置60とを有する。本実施形態の場合、感光体52が、先述の中間転写ベルト14に転写される現像剤像を保持する像保持体として用いられている。
【0041】
像形成ユニット48は、分離可能な感光体ユニット62と現像ユニット64とが結合されて構成されている。感光体ユニット62は、第1の筐体66に感光体52、帯電装置54、露光装置56及び清掃装置60が収容されている。現像ユニット64は、第2の筐体68に現像装置58が収容されている。そして、第1の筐体66と第2の筐体68とが分離可能に結合されて像形成ユニット48が構成されている。
【0042】
感光体52の長手方向における両端部には、感光体52を回動自在に支持するベアリング53が装着されている。このベアリング53の一部は、感光体52の一部とともに第1の筺体66及び第2の筺体68から露出している。
【0043】
現像装置58は例えば2成分方式であり、トナーとキャリアとが現像に用いられ、例えば水平方向に平行に配置された2本のオーガ70、72と、排出側オーガ72の斜め上部に配置された現像ロール74と有し、トナーとキャリアとをオーガ70、72により攪拌して現像ロール74に供給する。現像ロール74では、キャリアによる磁気ブラシが形成され、この磁気ブラシによりキャリアに付着したトナーを搬送し、感光体52上の潜像をトナーにより現像する。この実施形態のように、2成分方式の現像装置58にあって、オーガ70、72より上方に現像ロール74が配置されているので、トナー及びキャリアが溜まるのを防止し、トナー及びキャリアを均一に攪拌することができ、現像性能を維持することができる。現像装置58には、先述のトナーボトル40からトナーが供給される。
【0044】
清掃装置60は、例えばブレードからなるトナー掻き落とし部76と、トナー掻き落とし部76で掻き落とされたトナーを回収する回収部78とから構成されている。
【0045】
以上のように構成された画像形成装置10では、感光体52の表面が帯電装置54により均一に帯電され、均一に帯電された感光体52の表面に露光装置56により潜像が書き込まれ、この潜像を現像装置58で現像することで感光体52の表面にトナー像が形成され、このトナー像が一次転写ロール50によって中間転写ベルト14に転写される。ここで、感光体52の周速は、中間転写ベルト14の周速と異なり、且つ中間転写ベルト14よりも遅く設定されている。このため、感光体52と中間転写ベルト14との周速の差により、感光体52の表面から掻き取るようにしてトナー像が中間転写ベルトに転写される。
【0046】
中間転写ベルト14に転写され、中間転写ベルト14の表面で重ねあわされたトナー像は、2次転写ロール32によりシートへと転写され、シートへと転写されたトナー像が定着装置34によりシートへと定着される。そして、トナー像が定着されたシートが排出ロール36により排出トレイ部38に排出される。
【0047】
図3には、主駆動ロール41と補助駆動ロール42とが示されている。主駆動ロール41は、例えば金属からなる芯部84と、芯部84の外周に芯部84を覆うように設けられた外周部86とを有する。外周部86は、例えばゴム等の十分な摩擦係数を有する材料により作られていて、主駆動ロール41の回転が、外周部86と中間転写ベルト14の内側の面とに間に生じる摩擦力を介して中間転写ベルト14へと伝達され、主駆動ロール41から中間転写ベルト14に駆動力の伝達がなされる。主駆動ロール41の外径φ1は、例えば25mm程度であり、主駆動ロール41への中間転写ベルト14の巻き付き角度θ1は、例えば90度程度に設定されている。
【0048】
補助駆動ロール42は、例えば金属ならなる芯部88と、芯部88の外周に芯部88を覆うように設けられた外周部90とを有する。外周部90は、例えばゴム等の材料から作られている。外周部90の摩擦係数は、主駆動ロール41の外周部86よりも低くなっている。外周部90の摩擦係数は主駆動ロール41の外周部86よりも低いものの、補助駆動ロール42の回転は、外周部90と中間転写ベルト14の内側の面とに間に生じる摩擦力を介して中間転写ベルト14へと伝達され、補助動ロール42から中間転写ベルト14に駆動力の伝達がなされる。もっとも、外周部90の摩擦係数は主駆動ロール41の外周部86よりも低いため、中間転写ベルト14に伝達される駆動力は、主駆動ロール41よりも小さい。
【0049】
補助駆動ロール42の外径φ2は、主駆動ロール41と略同じ値に定められ、例えば25mm程度である。補助駆動ロール42に対する中間転写ベルト14の巻き付き角度θ2は、主駆動ロール41に対する巻き付き角と略同じ角度に定められ、例えば90度程度に設定されている。
【0050】
図4には、主駆動ロール41及び補助駆動ロール42に駆動を伝達する駆動伝達部材として用いられる駆動伝達機構94が示されている。駆動伝達機構94は、ギアG1、ギアG2、及びギアG3を有する。ギアG1は主駆動ロール41(図3、図1参照)に連結され、主駆動ロール41に駆動を伝達するギアである。ギアG1には、例えばモータ等からなる駆動源96が連結されていて、駆動源96からの駆動伝達を受けてギアG1は図4に示される矢印方向に回転する。
【0051】
ギアG2は、ギアG1及びギアG3に噛み合い、ギアG1の回転をギアG3へ伝達するために用いられている。ギアG3は、補助駆動ロール42(図3、図1参照)に連結されている。したがって、駆動源96からギアG1及びギアG2を介して駆動伝達を受けることによりギアG3は回転して、補助駆動ロール42に駆動を伝達する。
【0052】
ギアG3の歯数はギアG1の歯数よりも少ない。例えば、ギアG1の歯数が52であれば、ギアG3として歯数が50のギアが用いられる。このため、ギアG1の角速度、すなわち主駆動ロール41の角速度よりも、ギアG3の角速度、すなわち補助駆動ロール42の角速度は大きくなる。先述のように、主駆動ロール41の外径φ1と補助駆動ロールの外径φ2とは略同じであるので、補助駆動ロール42の周速は、主駆動ロール41の周速よりも大きくなる。
【0053】
以上のように、この実施形態では、中間転写ベルト14を支持し、支持部材として用いられる支持ロールのうち、主駆動ロール41と補助駆動ロール42との、少なくとも2つが回転駆動し、この回転駆動によって摩擦力を介して中間転写ベルト14を駆動している。
【0054】
中間転写ベルト14を、2個以上、すなわち少なくとも2つの駆動ロールを用いて回転駆動させる場合、各駆動ロールから中間転写ベルトへ伝達する駆動力が同じであると、中間転写ベルト14の回転がいずれの駆動ロールからの駆動伝達に従うかが定まりにくく、中間転写ベルト14の回転が不安定となる虞がある。そこで、画像形成装置10では、前述のように主駆動ロール41の外周部86の摩擦係数を、補助駆動ロール42の外周部90の摩擦係数よりも高くし、主駆動ロール41が中間転写ベルト14に伝達する駆動力を、補助駆動ロール42が中間転写ベルト14に伝達する駆動力よりも大きくして、中間転写ベルト14を駆動している。
【0055】
中間転写ベルト14を、2つ以上、すなわち少なくとも2つの駆動ロールで駆動し、且つそれぞれの駆動ロールが中間転写ベルト14に伝達する駆動力を異なるようにする場合、各駆動ロールが中間転写ベルト14に伝達する駆動力の大小の設定によっては、例えば、転写面45が弛んでしまい、転写面45における中間転写ベルト14へのトナー像の転写が良好に行われないとの不具合が生じる虞がある。そこで、画像形成装置10では、中間転写ベルト14の回転方向において、転写面45の後端部P1を始点として、中間転写ベルト14の回転方向移動方向において上流側に位置するほど、駆動ロールが中間転写ベルト14に伝達する駆動力を大きくするとともに、後端部P1に最も近い駆動ロールが中間転写ベルト14に伝達する駆動力を他の駆動ロールが中間転写ベルト14に伝達する駆動力よりも大きくしている。
【0056】
中間転写ベルト14を2つ以上、すなわち少なくとも2つの駆動ロールで駆動する場合、各駆動ロールの周速の設定によっては、転写面45が弛んでしまって、転写面45での転写が良好になされない虞がある。例えば、主駆動ロール41と補助駆動ロール42の周速が同じであったり、補助駆動ロール42の周速が主駆動ロール41よりも低かったりすると、中間転写ベルト14の主駆動ロール41と補助駆動ロール42との間に形成される面98(図3参照)に弛みが生じ、面98が弛むことの影響を受けて転写面45に弛みが生じてしまうことがある。そこで、画像形成装置10では、転写面45の後端部P1を始点として、中間転写ベルト14の回転方向移動方向において上流側に位置するほど、駆動ロールの周速を大きくしているとともに、後端部P1に最も近い駆動ロールの周速を、他の駆動ロールの周速よりも小さくしている。
【0057】
補助駆動ロール42の周速は主駆動ロール41よりも高く、補助駆動ロール42の外周部90の摩擦係数は、主駆動ロール41の外周部86よりも低い。このため、補助駆動ロール42は、中間転写ベルト14との接触部でスリップしつつ、中間転写ベルト14に駆動を伝達している。また、補助駆動ロール42は、中間転写ベルト14との接触部でスリップすることで、中間転写ベルト14に付与する駆動力を制限しつつ、中間転写ベルト14に駆動力を付与している。
【0058】
図5には、互いに隣り合って配置される一次転写ロール50が転写を行う転写位置T間の距離Lと、補助駆動ロール42よりも駆動力が大きい主駆動ロール41の円周(回転周)との関係が示されている。画像形成装置10では、主駆動ロール41の外径をDとした場合、主駆動ロール41の円周であるπ・Dと間隔Lとが略等しく定められている。このため、例えば、主駆動ロール41の偏心を原因として、主駆動ロール41に回転ムラが生じ、中間転写ベルト14の周速に定期的な変動が生じたとしても、この速度変動を原因とする各感光体52から中間転写ベルト14表面に転写されるトナー像の伸縮が、中間転写ベルト14上で一致するため、例えば色ズレ等の画像不良を生じにくくすることができる。円周π・Dと間隔Lとを略同じ値にすること、すなわち、間隔Lを円周π・Dの略1倍とすることに替えて、間隔Lを、円周π・Dの略2倍、略3倍というように、円周π・Dの2以上の整数倍としても良い。
【0059】
図6には、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置が有する主駆動ロール41と補助駆動ロール42とが示されている。第1の実施形態においては、主駆動ロール41の外径φ1と補助駆動ロール42の外径φ2とは略同径であったのに対して、個の第2の実施形態では、主駆動ロール41の外径φ1は、補助駆動ロール42の外径φ2よりも大きい。例えば、φ2が20mmであれば、φ1は25mmに定められる。また、第1の実施形態では、主駆動ロール41の外周部86の摩擦係数は補助駆動ロール42の外周部90の摩擦係数よりも大きかったのに対して、この第2の実施形態では、外周部86の摩擦係数と外周部90の摩擦係数とは略同じである。
【0060】
主駆動ロール41及び補助駆動ロール42の周速は、第1の実施形態と同様に、補助駆動ロール42の周速が主駆動ロール41の周速よりも高くなるように定められている。この場合、ギアG1、ギアG2、及びギアG3(図4)の歯数は、主駆動ロール41及び補助駆動ロール42の外径の違いに応じて、補助駆動ロール42の周速が主駆動ロール41の周速よりも所望の値だけ高くなるように定められている。
【0061】
主駆動ロール41に中間転写ベルト14が巻きつく角度θ1と、補助駆動ロール42に中間転写ベルト14が巻きつく角度θ2とは、第1の実施形態と同様、共に略90度であり両者は略同じ角度となっている。
【0062】
第2の実施形態においては、角度θ1と角度θ2とは略同じ値であるものの、外径φ1が外径φ2よりも大きいため、中間転写ベルト14と接触する面積は主駆動ロール41の方が補助駆動ロール42よりも大きい。そして、外周部86と外周部90とは摩擦係数が略同じであるため、中間転写ベルト14に伝達する駆動力は、補助駆動ロール42と比較して主駆動ロール41が大きくなっている。また、中間転写ベルト14に接触する面積が比較的に小さいことから、補助駆動ロール42は、中間転写ベルト14との間でスリップをしつつ、中間転写ベルト14に駆動を伝達する。
【0063】
第2の実施形態と先述の第1の実施形態とを組み合わせて、補助駆動ロール42の外径φ2を主駆動ロール41の外径φ2よりも小さくすると共に、補助駆動ロール42の外周部90の摩擦係数を主駆動ロール41の外周部86の摩擦係数よりも小さくしても良い。なお、第1の実施形態と同様の同一部分については、説明を省略する。
【0064】
図7には、本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置が有する主駆動ロール41と補助駆動ロール42とが示されている。第1の実施形態では、主駆動ロール41に中間転写ベルト14が巻きつく角度θ1と、補助駆動ロール42に中間転写ベルト14が巻き付く角度θ2とは略同じであり、共に略90度であった。これに対して、この第3の実施形態では、角度θ1は角度θ2よりも大きく、角度θ1は略135度、角度θ2は略35度である。主駆動ロール41の外径φ1と補助駆動ロール42の外径φ2とは、第1の実施形態と同様に略等しく、共に25mmである。また、主駆動ロール41の外周部86の摩擦係数と、補助駆動ロール42の外周部90の摩擦係数とは、第1の実施形態と同様に略等しい。また、主駆動ロール41及び補助駆動ロール42の周速は、第1の実施形態と同様に、補助駆動ロール42の周速が主駆動ロール41の周速よりも高くなるように定められている。
【0065】
この第3の実施形態においては、外径φ1が外径φ2とは略同じであるものの、角度θ1は角度θ2よりも大きくなっている。このため中間転写ベルト14と接触する面積は主駆動ロール41の方が補助駆動ロール42よりも大きい。そして、外周部86と外周部90とは摩擦係数が略同じであるため、中間転写ベルト14に伝達する駆動力は、補助駆動ロール42と比較して主駆動ロール41が大きくなっている。また、中間転写ベルト14に接触する面積が比較的に小さいことから、補助駆動ロール42は、第1及び第2の実施形態と同様に中間転写ベルト14との間でスリップをしつつ、中間転写ベルト14に駆動を伝達する。
【0066】
この第3の実施形態と、先述の第1及び第2の実施形態の少なくともいずれか一方とを組み合わせて用いても良い。なお、第1の実施形態と同様の同一部分については、説明を省略する。
【0067】
以上で説明をした第1乃至第3の実施形態においては、中間転写ベルト14は、主駆動ロール41及び補助駆動ロール42の2個の駆動ロールにより駆動されたが、中間転写ベルト14を3個以上の駆動ロールで駆動しても良い。例えば、主駆動ロール41及び補助駆動ロール42に加えてテンションロール43を駆動ロールとして用いて、3個の駆動ロールで中間転写ベルト14を駆動しても良い。この場合、テンションロール43が中間転写ベルト14に伝達する駆動力は、主駆動ロール41よりも中間転写ベルト14に伝達する駆動力が弱い補助駆動ロール42よりも、さらに弱くなるように設定される。また、テンションロール43の周速は、主駆動ロール41よりも周速が低い補助駆動ロール42よりも、さらに周速が低くなるように定められる。
【0068】
図8には、本発明の第4の実施形態に係る画像形成装置が有する駆動伝達機構94が示されている。第1の実施形態においては、駆動伝達機構94はギアG1、ギアG2、ギアG3を用いて、駆動源96から主駆動ロール41及び補助駆動ロール42に駆動を伝達していたのに対して、この第4の実施形態では、駆動伝達機構94は、プーリ110、プーリ112、及びベルト114を用いて駆動源96から主駆動ロール41及び補助駆動ロール42に駆動を伝達している。
【0069】
プーリ110は、主駆動ロール41に連結され、主駆動ロール41に駆動を伝達する部材であり、プーリ110には、駆動源96が連結されていて、駆動源96からの駆動伝達を受けて図8に示される矢印方向に回転する。ベルト114は、例えばゴム製のリングからなり、プーリ110とプーリ112との間に掛け渡すように取り付けられ、プーリ110からプーリ112に駆動を伝達する。ベルト114は、ゴム等の十分な摩擦係数を有する材料からなるため、摩擦力によってプーリ110からプーリ112に駆動を良好に伝達することができるものの、プーリ110とベルト114との間の位置や、プーリ112とベルト114との間の位置でスリップが生じるようになっている。
【0070】
プーリ112は、補助駆動ロール42に連結されている。プーリ112の外径φ4は、プーリ110の外径φ3よりも小さい。このため、プーリ110の角速度、すなわち主駆動ロール41の角速度よりも、プーリ110の角速度、すなわち補助駆動ロール42の角速度は大きくなる。そして、第1の実施形態と同様に、主駆動ロール41の外径φ1と補助駆動ロールの外径φ2とは略同じであるため、補助駆動ロール42の周速は、主駆動ロール41の周速よりも大きくなる。
【0071】
第1乃至第3の実施形態では、補助駆動ロール42と中間転写ベルト14との間にスリップを生じさせることで、補助駆動ロール42は中間転写ベルト14に伝達する駆動力を制限しつつ、中間転写ベルト14に駆動力を伝達していた。これに対して、この第4の実施形態においては、駆動伝達機構94は、先述のようにプーリ110とベルト114との間の位置や、プーリ112とベルト114との間の位置でスリップを生じさせることにより、補助駆動ロール42に伝達する駆動力を制限しつつ、補助駆動ロール42に駆動を伝達している。なお、第1の実施形態と同様の同一部分については、説明を省略する。
【0072】
図9には、本発明の第5の実施形態に係る画像形成装置が有する駆動伝達機構94が示されている。第1の実施形態においては、ギアG3と補助駆動ロール42との間で駆動伝達のロスが生じないように、ギアG3と補助駆動ロール42とは例えば直接に連結されていた。これに対して、この第5の実施形態においては、ギアG3と補助駆動ロール42との間には、トルクリミッタ116が設けられていて、トルクリミッタ116を介して、ギアG3から補助駆動ロール42に駆動伝達がなされるようになっている。トルクリミッタ116は、補助駆動ロール42が中間転写ベルト14に伝達する駆動力が、主駆動ロール41が中間転写ベルト14に伝達する駆動力よりも小さくなるように、ギアG3から補助駆動ロール42に伝達されるトルクを制限するために用いられている。この第5の実施形態においても、第4の実施形態と同様に、駆動伝達機構94は、駆動源96から補助駆動ロール42に伝達する駆動力を制限しつつ、補助駆動ロール42に駆動を伝達している。なお、第1の実施形態と同様の同一部分については、説明を省略する。
【0073】
以上で説明をした第4及び第5の実施形態においては、中間転写ベルト14は、主駆動ロール41及び補助駆動ロール42の2個の駆動ロールにより駆動されたが、中間転写ベルト14を3個以上の駆動ロールで駆動しても良い。例えば、主駆動ロール41及び補助駆動ロール42に加えてテンションロール43を駆動ロールとして用いて3個の駆動ロールで中間転写ベルト14を駆動しても良い。この場合、駆動伝達機構94は、テンションロール43に伝達する駆動力を制限しつつ、テンションロール43に対して駆動を伝達する。
【0074】
図10には、本発明の第6の実施形態に係る画像形成装置において、中間転写ベルト14が支持される状態が示されている。第1乃至第5の実施形態においては、中間転写ベルト14は、主駆動ロール41、補助駆動ロール42、及びテンションロール43との3個のロールにより支持されていた。これに対して、この第6の実施形態においては、主駆動ロール41、補助駆動ロール42、及びテンションロール43に、入口側面出しロール120と、出口側面出しロール122とを加えた5個のロールで、中間転写ベルト14は支持されている。なお、第1の実施形態と同様の同一部分については、説明を省略する。
【0075】
入口側面出しロール120及び出口側面出しロール122は、中間転写ベルト14に対して感光体52、52、52、52からトナー像の転写をするために用いられる転写面45がより良好に形成されるように用いられるロールであり、転写面の先端部P2の裏側に位置口側面出しロール120が、転写面の後端部P1に出口側面出しロール122が配置されている。なお、第1の実施形態と同様の同一部分については、説明を省略する。
【0076】
図11には、本発明の第7の実施形態における画像形成装置10が示されている。第1乃至第6の実施形態においては、画像形成装置10は搬送部材として用いられる中間転写ベルト14を有し、中間転写ベルト14が、像形成部16Y、16M、16C、16Bで形成されたトナー像を搬送した。これに対して、この第7の実施形態では、画像形成装置10は、中間転写ベルトに替えてシート搬送ベルト14を有している。
【0077】
この第7の実施形態においては、シート搬送ベルト14は、複数の像形成部16Y、16M、16C、16Bで形成された像が転写されるシートを搬送する搬送部材として用いられ、シート供給装置18から供給されたシートを、重力方向下方から重力方向上方へと搬送する。なお、第1の実施形態と同様の同一部分については、説明を省略する。
【産業上の利用可能性】
【0078】
以上述べたように、本発明は、中間転写ベルト、シート搬送ベルト、感光体ベルト等の搬送部材を備えた搬送装置及びこの搬送装置を備えた画像形成装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す正面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置に用いられる像形成ユニットの構成を示す正面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置に用いられる駆動ロールを示す断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置に用いられる駆動ロールを駆動する駆動伝達機構の構成を示す構成図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置に用いられる各感光体の間隔と、駆動ロールの径との関係を説明する説明図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置に用いられる駆動ロールを示す断面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置に用いられる駆動ロールを示す断面図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る画像形成装置に用いられる駆動ロールを駆動する駆動伝達機構の構成を示す構成図である。
【図9】本発明の第5の実施形態に係る画像形成装置に用いられる駆動ロールを駆動する駆動伝達機構の構成を示す構成図である。
【図10】本発明の第6の実施形態に係る画像形成装置に用いられる中間転写ベルトが支持される状態を示す正面図である。
【図11】本発明の第7の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す正面図である。
【符号の説明】
【0080】
10 画像形成装置
12 画像形成装置本体
14 中間転写ベルト
15 ベルトユニット
16Y、16M、16C、16B 像形成部
41 主駆動ロール
42 補助駆動ロール
43 テンションロール
45 転写面
48 像形成ユニット
52 感光体
94 駆動伝達機構
96 駆動源
110 プーリ
112 プーリ
114 ベルト
116 トルクリミッタ
G1 ギア
G2 ギア
G3 ギア
P1 後端部
P2 先端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の像形成部で形成された像又は複数の像形成部で形成された像が転写される記録媒体を搬送する搬送部材と、
少なくとも2箇所で摩擦力を介して前記搬送部材を駆動する駆動手段と、
を有する搬送装置。
【請求項2】
複数の像形成部で形成された像又は複数の像形成部で形成された像が転写される記録媒体を搬送する搬送部材と、
この搬送部材を支持する複数の支持部材と、
を有し、
前記複数の支持部材は、少なくとも2つが回転駆動し、この回転する支持部材が摩擦力を介して前記搬送部材を駆動する搬送装置。
【請求項3】
前記複数の支持部材は、
前記搬送部材を駆動する支持部材のうち、いずれか一つの支持部材は、他の支持部材よりも駆動力が大きい請求項2記載の搬送装置。
【請求項4】
前記搬送部材は、前記搬送部材又は前記搬送部材が搬送する記録媒体に前記複数の像形成部が像を転写するための転写面が形成され、
この転写面は、転写前の入口と転写後の出口とを有し、
前記搬送部材を駆動する支持部材のうち、前記出口に最も近い支持部材の駆動力が他の支持部材の駆動力より大きく設定されている請求項3記載の搬送装置。
【請求項5】
前記搬送部材は、前記搬送部材又は前記搬送部材が搬送する記録媒体に前記複数の像形成部が像を転写するための転写面が形成され、
この転写面は、転写前の入口と転写後の出口とを有し、
前記搬送部材を駆動する支持部材のうち、前記出口に最も近い支持部材の周速が他の支持部材の周速より小さく設定されている請求項2乃至4いずれか記載の搬送装置。
【請求項6】
前記搬送部材は、前記搬送部材又は前記搬送部材が搬送する記録媒体に前記複数の像形成部が像を転写するための転写面が形成され、
この転写面は、転写前の入口と転写後の出口とを有し、
前記搬送部材を駆動する支持部材のうち、前記出口に最も近い支持部材の前記搬送部材に接触する面積が、他の支持部材が前記搬送部材に接触する面積よりも大きく設定されている請求項2乃至5いずれか記載の搬送装置。
【請求項7】
前記搬送部材は、前記搬送部材又は前記搬送部材が搬送する記録媒体に前記複数の像形成部が像を転写するための転写面が形成され、
この転写面は、転写前の入口と転写後の出口とを有し、
前記搬送部材を駆動する支持部材のうち、前記出口に最も近い支持部材の少なくとも表面の摩擦係数が、他の支持部材の表面の摩擦係数より大きく設定されている請求項2乃至6いずれか記載の搬送装置。
【請求項8】
複数の像形成部と、
前記複数の像形成部で形成された像をそれぞれ転写する複数の転写部と、
前記複数の転写部により転写された像又は前記複数の転写部により像が転写される記録媒体を搬送する搬送部材と、
少なくとも2箇所で摩擦力を介して前記搬送部材を駆動する駆動手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項9】
複数の像形成部と、
前記複数の像形成部で形成された像をそれぞれ転写する複数の転写部と、
前記複数の転写部により転写された像又は前記複数の転写部により像が転写される記録媒体を搬送する搬送部材と、
この搬送部材を支持する複数の支持部材と、
を有し、
前記複数の支持部材は、少なくとも2つが回転し、この回転する支持部材が摩擦力を介して前記搬送部材を駆動する画像形成装置。
【請求項10】
前記複数の転写部は、互いに隣り合う転写部が転写を行う転写位置間の距離が、前記複数の支持部材のうち他の支持部材よりも駆動力が大きい支持部材の回転周の略整数倍となるように配置される請求項9記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記複数の像形成部は、前記搬送部材又は前記搬送部材が搬送する記録媒体に転写される像を保持する像保持体をそれぞれ有し、これらの像保持体は、前記搬送部材と周速が異なる請求項8乃至10いずれか記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−164736(P2008−164736A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−351650(P2006−351650)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】