説明

搬送装置

【課題】マウント位置のリードフレーム姿勢の変化を無くして半田厚を均等にすることによって、チップの接着状態の信頼性向上を図ることができる搬送装置を提供する。
【解決手段】上流側の半田供給点1と下流側のチップマウント点2とを備えた搬送路を、リードフレーム4が長手方向に沿って走行して、リードフレーム4の半田供給部が半田供給点1に搬送された時に半田を供給し、リードフレーム4のチップマウント部がチップマウント点3に搬送された時にチップ5をマウントする搬送装置である。半田供給部近傍及びチップマウント部近傍を押えてリードフレーム4の浮き上がりを防止する第1押え機構10と、半田供給部近傍の押え解除状態におけるチップマウント時に、チップマウント部よりも下流側を押えてリードフレーム4の浮き上がりを防止する第2押え機構20を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造に使用されるリードフレームをヒーターレール等のガイドレール上で間欠搬送する搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置であるダイボンダは、リードフレームの複数のアイランドに順に定量の半田を供給し、供給した半田上に半導体チップ(以下、単にチップという)をボンディングするものである。このダイボンダにおいては、リードフレームを加熱しながら間欠搬送する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
搬送装置は、図3に示すように、リードフレーム101搬送方向Xに長尺なヒーターレール110が設けられ、このヒーターレール110にリードフレーム101の搬送路が設けられている。そして、ヒーターレール110の下面には、ヒーターレール110を加熱するヒーター114が設けられ、リードフレーム101を半田融点程度の適温に加熱する。
【0004】
ヒーターレール110の上方には、リードフレーム101の長手方向に沿って、半田供給点、半田たたき点、チップマウント点が設けられ、夫々半田供給ユニット121、半田たたきユニット122、チップ供給ユニット123が配設されている。
【0005】
リードフレーム101は、図4に示すように、リードフレーム搬送方向Xに長尺な平板で、チップ106がマウントされる複数のアイランド102を等間隔で有する。リードフレーム101の長手方向端部に所定ピッチPで複数の送り用穴105が形成される。穴105の配列ピッチPは、アイランド102の配列ピッチに合わせてある。
【0006】
次に、この搬送装置を使用して、リードフレーム101の複数のアイランド102に順に定量の半田を供給し、供給した半田上にチップ106をボンディングする方法について説明する。まず、ヒーターレール110に設けられた搬送路にリードフレーム101が載置され、図示省略の送り機構にて、穴105の配列ピッチPで間欠搬送される。
【0007】
送り機構によるリードフレーム間欠搬送で、1つのアイランド102が最初の半田供給点の下方に搬送されて停止すると、アイランド102に半田供給ユニット121で定量の半田が供給される。半田供給を受けたアイランド102が次の半田たたき点の真下に搬送されて停止すると、半田成型ヘッド122が下降して、アイランド102上の半田を平坦に押し広げる作業(たたき作業)を行う。半田たたきを受けたアイランド102が次のチップマウント点の真下に搬送されて停止すると、チップ供給ユニット123がアイランド102の半田上にチップ106をボンディングする。
【0008】
ところで、リードフレームは装置内で加熱されるため、加熱時に反りやねじれが生じてリードフレームが浮く。従って、半田供給点、半田たたき点、チップマウント点の3箇所に押え機構を設けて、半田供給、半田たたき、チップマウントを行う際に、ワーク(リードフレーム)をクランプすることが知られている(特許文献2)。すなわち、加工を行う毎に、加工とほぼ同時に、半田供給点、たたき点、チップマウント点の3箇所で抑え機構がリードフレームを押圧する。加工が終了すると、送り機構にてリードフレームを、その長手方向に沿って所定ピッチで搬送し、停止させ、再び加工を行う。
【0009】
このような加工及び搬送を繰り返し行うと、リードフレームの端部が徐々に下流側へ移動する。すなわち、リードフレームの端部が半田供給点と半田たたき点との間に位置すると、加工時(半田たたき、及びチップマウント時)には、半田たたき点近傍の抑え機構、及びチップマウント点近傍の抑え機構の2箇所で、リードフレームを抑えることになる。また、リードフレームの端部が半田たたき点とチップマウント点との間に位置すると、加工時(チップマウント時)には、チップマウント点近傍の抑え機構の1箇所で、リードフレームを抑えることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−184514号公報
【特許文献2】特開2007−214394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、リードフレームの端部が半田たたき点とチップマウント点との間に位置すると、押え機構はチップマウント位置の1箇所のみとなり、リードフレームの反りやねじれを十分に抑えられなくなる。この場合、リードフレームが浮き上がった状態でチップをマウントすると、チップがリードフレームに対して上下方向、回転方向に傾く。このように、チップがリードフレームに対して傾くと、マウントが不安定となり、半田厚が厚い場所と薄い場所とが形成される。半田厚が薄い場所は強度的に弱く、ここから剥がれるおそれがある。また、熱冷のヒートサイクルが早い環境では、チップが伸びたり縮んだりするため、半田厚にばらつきがあると、薄い場所では伸縮を吸収しきれず、信頼性に劣る。このため、半田厚を均一にする必要がある。
【0012】
本発明は、上記課題に鑑みて、マウント位置のリードフレーム姿勢の変化を無くして半田厚を均等にすることによって、チップの接着状態の信頼性向上を図ることができる搬送装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の搬送装置は、上流側の半田供給点と下流側のチップマウント点とを少なくとも備えた搬送路を、リードフレームがその長手方向に沿って走行して、リードフレームの半田供給部が半田供給点に搬送された時にこの半田供給部に半田を供給し、リードフレームのチップマウント部がチップマウント点に搬送された時にこのチップマウント部にチップをマウントする搬送装置であって、リードフレームの半田供給部近傍及びチップマウント部近傍を押えてリードフレームの浮き上がりを防止する第1押え機構と、リードフレームが下流へ搬送されて、半田供給部近傍の押え解除状態におけるチップマウント時に、チップマウント部よりも下流側を押えてリードフレームの浮き上がりを防止する第2押え機構を設けたものである。
【0014】
本発明の搬送装置によれば、前記チップマウント点の下流側に、リードフレームの下流側を押えて、リードフレームの浮き上がりを防止する第2押え機構を設けたものである。リードフレームが走行して、その上流側の端部がチップマウント点の近傍まで走行すると、チップのマウント時には、チップマウント点よりも上流側での押えがなくなるため、押え箇所が少なくなって、リードフレームの反りやねじれを十分に抑制することができない。このため、第2押え機構をチップマウント点の下流側に設けると、リードフレームの端部がチップマウント点の近傍まで走行しても、チップのマウント時にはチップマウント部近傍と、チップマウント部の下流側との少なくとも2箇所でリードフレームを押圧することができる。これにより、リードフレームの反りやねじれ(浮き上がり)を十分に抑えることができ、全体の姿勢を安定させることができる。
【0015】
前記半田供給部及びチップマウント部との間に、リードフレーム上に供給された半田を押しつぶして広げる半田たたき部が設けられ、この半田たたき部近傍を前記第1押え機構が押えることができる。これにより、チップのマウント直前に半田厚さを均等にすることができる。
【0016】
前記第2押え機構は、チップマウント点から所定ピッチで1箇所又は2箇所を押えることができる。
【0017】
前記第1押え機構は、リードフレームの走行方向に沿った1本の支持アームと、前記半田供給点、半田たたき点、及びチップマウント点の夫々の加工点近傍に配設される加工点近傍押圧ヘッドを備えるとともに、前記第2押え機構は、前記バーに支持された非加工点近傍押圧ヘッドを備え、前記加工点近傍押圧ヘッドと非加工点近傍押圧ヘッドとを同一機構とすることができる。これにより、非加工点近傍押圧ヘッドとして加工点近傍押圧ヘッドを利用することができて、既存の部品を使用することができる。
【0018】
前記非加工点近傍押圧ヘッドのチップマウント点からの配設ピッチは、チップマウント点と、その前の工程の加工点との配設ピッチと略同一とすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、リードフレームの端部がチップマウント点の近傍まで走行しても、チップマウント部近傍と、チップマウント部の下流側との少なくとも2箇所でリードフレームを押圧することができるため、全体の姿勢を安定させることができ、マウント位置のリードフレーム姿勢の変化を無くして半田厚を均等にすることができる。これにより、チップの接着状態の信頼性向上を図ることができる。
【0020】
リードフレーム上に供給された半田を押しつぶして広げる半田たたき部が設けられ、この半田たたき部近傍を前記第1押え機構で押えると、チップのマウント直前に半田厚さを均等にすることができて、一層、半田厚さを均一にすることができる。
【0021】
前記第2押え機構は、チップマウント点から所定ピッチで1箇所又は2箇所を押えることができる。これにより、リードフレームの種類に応じて押え箇所の数を設定することができ、チップマウント工程等が安定して高品質の製品を提供することができ、しかも汎用性に優れたものとなる。
【0022】
第2押え機構の非加工点近傍押圧ヘッドは、加工点近傍押圧ヘッドと同一機構とすることができるため、既存の部品を使用することができ、コストの低減を図ることができる。
【0023】
前記非加工点近傍押圧ヘッドのチップマウント点からの配設ピッチは、チップマウント点と、その前の工程の加工点との配設ピッチと略同一とすることができる。これにより、チップマウント点での押え条件を、その前の押え条件とほぼ同一の条件とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態を示す搬送装置にて搬送されるリードフレームの斜視図である。
【図2】本発明の実施形態を示す搬送装置の押圧ヘッドの簡略側面図であり、(a)は、リードフレームの押え解除状態、(b)はリードフレームの押え状態である。
【図3】従来の搬送装置を示す簡略側面図である。
【図4】従来の搬送装置にて搬送されるリードフレームの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下本発明の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
【0026】
この搬送装置は、図1に示すように、リードフレーム4を、その長手方向に沿って搬送するものであって、半田を供給するアイランド8(半田供給点1)と、半田供給点1よりも下流側に設けられ、リードフレーム上に供給された半田を押しつぶして広げる半田たたき点2と、半田たたき点2よりも下流側に設けられ、チップ5をマウントするチップマウント点3とを備えている。
【0027】
リードフレーム4は、搬送方向に長尺な平板で、チップ5がマウントされる複数のアイランド8を有する第1部4aと、第1部4aよりも高位の第2部4bと、第1部4aと第2部4bとを連結する連結部4cとからなる。また、アイランド8(半田供給点1)の配設ピッチと同一の配設ピッチで、複数の送り用穴9が形成されている。このリードフレーム4は、図1の矢印に示す方向、つまり長手方向に沿って走行する。
【0028】
半田供給点1は、リードフレーム4のアイランド8に半田を供給する場所であり、半田供給ノズル6が設けられている。すなわち、半田供給ノズル6はリードフレーム1の上方で待機しており、所定ピッチで搬送されたリードフレーム4が停止すると、半田供給ノズル6が下降して所定高さ位置で停止する。ここで、所定高さ位置とは、最下端まで下降した場合における半田供給ノズル6の高さをいう。その後、半田をリードフレーム4の半田供給部に供給する。その後、半田の供給を止めるとともに、半田供給ノズル6は上昇し、元の待機位置に戻る。
【0029】
半田たたき点2は、前記半田供給点1の下流側に設けられ、リードフレーム4上に供給された半田を押しつぶして広げる場所であり、半田成型ヘッド7が設けられている。すなわち半田成型ヘッド7はリードフレーム1の上方で待機しており、所定ピッチで搬送されたリードフレーム4が停止すると、半田成型ヘッド8が下降して、その先端でリードフレーム4の半田を押しつぶす。この時、半田は半凝固状態であり、また半田成型ヘッド7は半田が付かない程度に昇温されて半田を広げる。その後、半田成型ヘッド7は上昇し、元の待機位置に戻る。
【0030】
チップマウント点3は、前記半田たたき点2の下流側に設けられ、半田の上にチップ5を載置して、チップ5をリードフレーム4に接合する場所であり、ボンディングヘッド(図示省略)が設けられている。すなわち、ボンディングヘッドはチップ5を吸着し、所定ピッチで搬送されたリードフレーム4が停止すると、チップ5をリードフレーム4のチップマウント部に移送する。
【0031】
この搬送装置には、半田供給点1、半田たたき点2、チップマウント点3の各加工点の近傍を押える第1押え機構10が設けられている。この第1押え機構10は、リードフレーム4の走行方向に沿った1本の支持アーム15と、半田供給点1、半田たたき点2、チップマウント点3の各加工点の近傍に設けられる加工点近傍押圧ヘッド17から構成されている。すなわち、加工点近傍押圧ヘッド17は、半田供給部用の押圧ヘッド17a、半田たたき部用の押圧ヘッド17b、チップマウント部用の押圧ヘッド17cを備え、図2に示すように、夫々の押圧ヘッド17a、17b、17cは、1本の支持アーム15に支持されている。押圧ヘッド17は、本体部11と、本体部11から下方に延びてリードフレーム4の第1部4aを押える第1押え部12aと、リードフレームの第2部4bを押える第2押え部12bと、本体部11を上下にガイドさせる直動ガイド13と、本体部11を上下動させるカム16と、カム16と本体部11との間に介在する接触子19と、本体部11を下方に引張ってカム16に接触子19を常時接触させるばね部14とを有している。そして、カム16が回転することにより、図2(a)に示すような状態となった場合、接触子19を介して本体部11を押し上げ状態となる。すなわち、第1押え部12a及び第2押え部12bは、リードフレーム4の第1部4a及び第2部4bと非接触となる。一方、図2(b)に示すような状態となった場合、接触子19を介して本体部11を押し下げて、各加工点で加工するのとほぼ同時に、第1押え部12a及び第2押え部12bでリードフレーム4の第1部4a及び第2部4bを押える。
【0032】
各加工点(加工点近傍押圧ヘッド17a、17b、17c)の配設ピッチは、図1に示すように、長手方向に沿ってLとしている。そして、チップマウント点3からLだけ下流側の位置18に、第2押え機構20を設けている。第2押え機構20は、支持アーム15に非加工点近傍押圧ヘッド17dが支持されて、この非加工点近傍押圧ヘッド17dがチップマウント点3からLだけ下流側に位置するように配設している。本実施形態では、非加工点近傍押圧ヘッド17dは加工点近傍押圧ヘッド17a、17b、17cと同一機構の押圧ヘッドにて構成している。この第2押え機構20により、リードフレーム4の端部がチップマウント点3の近傍まで走行しても、チップ5のマウント時にはチップマウント点近傍の加工点近傍押圧ヘッド17c、及び非加工点近傍押圧ヘッド17dの2箇所でリードフレーム4を押圧することができる。
【0033】
次に、本発明の搬送装置を使用して、リードフレーム4の複数のアイランド8に順に定量の半田を供給し、供給した半田上にチップ5をボンディングする方法について説明する。まず、リードフレーム4をガイドして長手方向に搬送するガイドレール(図示省略)に、リードフレーム4を載置する。そして、図示省略の搬送機構にてリードフレーム4を、図1の矢印に示す方向に沿って搬送し、所定のタイミングでリードフレーム4が停止する。
【0034】
リードフレーム4が停止すると、半田供給点1では、半田供給ノズル6が下降して下端で停止し、半田供給ノズル6からリードフレーム4の半田供給部に半田を供給する。また、半田たたき点2では、半田成型ヘッド8が下降し、その先端で半田たたき部の半田を押しつぶして、前回までの工程で供給された半田を押しつぶして広げる。さらに、チップマウント点3では、ボンディングヘッドにてチップ5をチップマウント部まで移送し、チップ5を接合する。
【0035】
前記各加工が行われるのと同時に、半田供給点1、半田たたき点2、チップマウント点3では、夫々の加工点の近傍に設けられる第1押え機構10である加工点近傍押圧ヘッド17a、17b、17cが下降する。これにより、第1押え部12a及び第2押え部12bにてリードフレーム4の半田供給部、半田たたき部、チップマウント部近傍を押える。さらに、第2押え機構20の非加工点近傍押圧ヘッド17dにて、リードフレーム4のチップマウント部よりも下流側を抑えることができる。これにより、リードフレーム4の浮き上がりを防止することができ、この状態で加工することができる。
【0036】
このように、半田供給、半田たたき、チップマウントの加工が終了すると、搬送機構にてリードフレーム4を、その長手方向に沿って所定ピッチで搬送し、停止させ、再び加工を行う。このような加工及び搬送を繰り返し行うと、リードフレーム4の端部が徐々に下流側へ移動する。すなわち、リードフレーム4の端部が半田供給点1と半田たたき点2との間に位置すると、加工時(半田たたき、及びチップマウント時)には、半田たたき点近傍の押圧ヘッド17b、チップマウント点近傍の押圧ヘッド17c、及び第2押え機構の押圧ヘッド17dの3箇所でリードフレーム4を押えることになる。これにより、リードフレーム4の浮き上がりを防止することができる。また、リードフレーム4の端部が半田たたき点2とチップマウント点3との間に位置すると、加工時(チップマウント時)には、チップマウント点近傍の押圧ヘッド17c、及び第2押え機構の押圧ヘッド17dの2箇所でリードフレーム4を押えることになる。これにより、リードフレーム4の反りやねじれ(浮き上がり)を十分に抑えることができ、全体の姿勢を安定させることができる。
【0037】
本発明では、リードフレーム4がチップマウント点3の近傍まで走行しても、チップ5のマウント時には、チップマウント点近傍の押圧ヘッド17c、及び第2押え機構の押圧ヘッド17dの2箇所でリードフレーム4を押圧することができるため、全体の姿勢を安定させることができ、マウント位置のリードフレーム姿勢の変化を無くして半田厚を均等にすることができる。これにより、チップ5の接着状態の信頼性向上信頼性の向上を図ることができる。
【0038】
リードフレーム上に供給された半田を押しつぶして広げる半田たたき部2が設けられ、この半田たたき部近傍を押圧ヘッド17bで押えると、チップ5のマウント直前に半田厚さを均等にすることができて、一層、半田厚さを均一にすることができる。
【0039】
前記第2押え機構20は、チップマウント点3から所定ピッチで1箇所を押えることができる。これにより、リードフレーム4の種類に応じて押え箇所の数(非加工点近傍押圧ヘッド17d)を設定することができ、チップマウント工程等が安定して高品質の製品を提供することができ、しかも汎用性に優れたものとなる。
【0040】
第2押え機構20の非加工点近傍押圧ヘッド17dは、第1押え機構10の加工点近傍押圧ヘッド17a、17b、17cと同一機構とすることができる。これにより、既存の部品を使用することができ、コストの低減を図ることができる。
【0041】
前記非加工点近傍押圧ヘッド17dのチップマウント点3からの配設ピッチは、チップマウント点3と、その前の工程の加工点との配設ピッチと略同一とすることができる。これにより、チップマウント点3での押え条件を、その前の押え条件とほぼ同一の条件とすることができる。
【0042】
また、本発明の第2実施形態として、第2押え機構20の非加工点近傍押圧ヘッド17dを、所定ピッチで2箇所設けることもできる。これにより、リードフレーム4の押え効果を一層高めることができる。
【0043】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、半田供給点1と、半田たたき点2と、チップマウント点3との配設ピッチを同一としたが、同一でなくてもよい。また、半田たたき点2を省略して、半田供給点1とチップマウント点3との2箇所のみを有するものであってもよい。実施形態では、押圧ヘッド17は第1押え部12aと第2押え部12bとの2箇所を有するものであったが、リードフレーム4の形状に応じて、押え部12を1箇所としたり、3箇所以上としたりすることもできる。
【符号の説明】
【0044】
1 半田供給点
2 半田たたき点
3 チップマウント点
4 リードフレーム
5 チップ
10 第1押え機構
17 押圧ヘッド
20 第2押え機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流側の半田供給点と下流側のチップマウント点とを少なくとも備えた搬送路を、リードフレームがその長手方向に沿って走行して、リードフレームの半田供給部が半田供給点に搬送された時にこの半田供給部に半田を供給し、リードフレームのチップマウント部がチップマウント点に搬送された時にこのチップマウント部にチップをマウントする搬送装置であって、
リードフレームの半田供給部近傍及びチップマウント部近傍を押えてリードフレームの浮き上がりを防止する第1押え機構と、
リードフレームが下流へ搬送されて、半田供給部近傍の押え解除状態におけるチップマウント時に、チップマウント部よりも下流側を押えてリードフレームの浮き上がりを防止する第2押え機構を設けたことを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記半田供給部及びチップマウント部との間に、リードフレーム上に供給された半田を押しつぶして広げる半田たたき部が設けられ、この半田たたき部近傍を前記第1押え機構が押えることを特徴とする請求項1の搬送装置。
【請求項3】
前記第2押え機構は、チップマウント点から所定ピッチで1箇所又は2箇所を押えるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2の搬送装置。
【請求項4】
前記第1押え機構は、リードフレームの走行方向に沿った1本の支持アームと、前記半田供給点、半田たたき点、及びチップマウント点の夫々の加工点近傍に配設される加工点近傍押圧ヘッドを備えるとともに、前記第2押え機構は、前記バーに支持された非加工点近傍押圧ヘッドを備え、前記加工点近傍押圧ヘッドと非加工点近傍押圧ヘッドとを同一機構としたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項の搬送装置。
【請求項5】
前記非加工点近傍押圧ヘッドのチップマウント点からの配設ピッチは、チップマウント点と、その前の工程の加工点との配設ピッチと略同一としたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項の搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−287828(P2010−287828A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−142202(P2009−142202)
【出願日】平成21年6月15日(2009.6.15)
【出願人】(000110859)キヤノンマシナリー株式会社 (179)
【Fターム(参考)】