説明

携帯機器向けナビゲーションユニット

【課題】携帯機器が持つリソースを利用してコストの低減とコンパクト化を図ると共に、高精度な車載用ナビゲーション機能を実現可能である携帯機器向けナビゲーションユニットを提供する。
【解決手段】ベースユニット1を車両側に設置し、このベースユニット1において詳細情報検出手段であるセンサー等が詳細情報を検出し、高精度ナビ情報生成部17が詳細情報に基づき高精度ナビ情報を生成する。ユーザーが携帯機器2を車両内に持ち込んでこれをベースユニット1に接続すると、携帯機器2のモード別案内制御部手段は、高機能ナビモードとなる。したがって、モード別案内制御部24は、高精度ナビ情報を受け取って、これに基づいてカーナビゲーションとして最適な案内制御を実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション機能を有する携帯機器を車両に持ち込んだ際、前記携帯機器に対して車速情報や渋滞情報など車両から取得した詳細情報を受け渡して前記携帯機器のナビゲーション機能を高め、当該携帯機器を高機能な車載用ナビゲーション装置として利用できるようにした携帯機器向けナビゲーションユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション機能の利便性は、車載用ナビゲーション装置の普及により広く社会に認識されている。そのため、ユーザーニーズも多様化しており、それに応えて、様々な改良がなされている。
【0003】
例えば、車載用ナビゲーション装置を車外でも使えるようにしたいといった要求に対して、車載用ナビゲーション装置を車両に対し着脱自在とすることで、前記装置に携帯性を付与したものがある。ただし、車載用ナビゲーション装置を持ち運ぶことは、機器の大きさや着脱の手間を考えると、面倒であることが多い。
【0004】
そこで、特許文献1記載の技術では、車載用ナビゲーション装置に接続可能な携帯型情報処理装置を備え、この携帯型情報処理装置を他の情報機器(屋内のテレビやパソコン)に接続することで、携帯型情報処理装置により車載用ナビゲーション装置の動作に加えて、他の情報機器の動作を制御している。
【0005】
この技術によれば、車載用ナビゲーション装置を車外に持ち出す必要がなく、機器の制御部が保有する情報だけを一方の機器から他方の機器に移して、情報処理を実施することができる。したがって、情報機器の利用シーンを拡げることが可能である。しかも、携帯型情報処理装置は通常、テレビのリモコン程度の大きさで済み、一般的な車載用ナビゲーション装置に比べて、はるかに携帯性が高い。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1記載の携帯型情報処理装置は、接続中の情報機器を制御するだけのものであって、機器と接続していない装置単体の状態では、ナビゲーション機能は実現し得ない。つまり、携帯型情報処理装置は、持ち運びには便利であるが、車外でナビゲーション機能を発揮するものではない。
【0007】
そこで近年では、携帯電話やPDA、携帯ゲーム機などの携帯機器に、ナビゲーション機能を組み込んだもの、いわゆるナビ付き携帯機器が登場している。特に、ナビ付きの携帯電話は、3インチ画面や横向き画面の採用によって表示画面の視認性が向上しており、期待を集めている。
【0008】
このようなナビ付き携帯機器を車載キットと組み合わせて、車載用機器として利用する場合の従来技術も種々提案されている。具体的には特許文献2の技術のように、車両に設置された携帯電話用ホルダに、ナビ付き携帯電話を接続した際、携帯電話への電源供給を行うと共に、携帯電話側のナビゲーション機能を自動的に起動するようにしたものなどがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開WO2005/090917
【特許文献2】特開2008−26111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来のナビ付き携帯機器には次のような課題が指摘されている。すなわち、携帯機器に組み込まれたナビゲーション機能は、車載用ナビゲーション装置の持つナビゲーション機能と比べて、簡易的、あるいは徒歩に適したものであって、本格的な車載用ナビゲーション装置として十分な性能を有しているとは言い難かった。
【0011】
例えば、歩行者がナビ付き携帯機器を利用する場合、表示画面のスクロールは、歩く速度に対応していれば良いので、豊富な情報量を持つ表示画面がゆっくりとスクロールしても、ユーザーがスクロール速度に遅さを感じることはない。これに対して、車載用ナビゲーション装置を利用する場合には、表示画面のスクロール速度は車両速度に合わせて高速性が要求される。このため、情報量が適正化された道路地図画面を表示しなくてはならないといった相違がある。
【0012】
また、ナビ付き携帯機器が、車載用ナビゲーション装置として必要な情報を入手し、それを活用することで、車載用ナビゲーション装置と同等の機能を実現することも考えられるが、そのためには、車両側から速度情報や位置情報を受け取るためのセンサーや、専用の情報処理部を携帯機器側に設置しなくてならない。
【0013】
ところが、これらのセンサー等の仕組みを携帯機器に取り込むことは、携帯機器を大型化させる要因となるので、携帯性を大幅に低下させることになる。つまり、車両に着脱自在とした車載用ナビゲーション装置と同じものになってしまい、携帯機器としての利便性が失われることになる。
【0014】
もちろん、車両の内外でナビ付き携帯機器を1つだけ使用するのではなく、車内では車両側に固定された車載用ナビゲーション装置を使い、車外ではナビ付き携帯機器を使うというように、車両の内外で車載用ナビゲーション装置とナビ付き携帯機器を使い分けることもできる。
【0015】
ただし、車載用ナビゲーション装置とナビ付き携帯機器の両方を利用するということは、コストの高い表示部を始め、ナビゲーション用のソフトウェア(以下、ナビソフト)や地図データが重複することになる。ナビ付き携帯機器の表示画面の視認性や性能が向上しつつある現在、表示部、ナビソフト及び地図データの重複はリソースの無駄が発生しているといった印象が強まることになり、その改善が強く求められていた。
【0016】
また、車載用ナビゲーション装置とナビ付き携帯機器の両方を利用する場合、車両から降りて徒歩や公共機関への乗り換える時、あるいは反対に、徒歩や公共機関から車両へ乗り込む時に、所望の目的地や経路探索時の条件など引き継ぐべき情報が存在する。このため、一方から他方へ情報の引き継ぎを行うための操作が不可欠であって、使い勝手が悪かった。
【0017】
本発明は、以上の課題を解消するために提案されたものであり、その目的は、車両の内外で同一の携帯機器を使用することにより、携帯機器が持つリソースをそのまま利用してコストの低減とコンパクト化を図ると共に、車内から車外までスムーズにナビゲーション機能を実施でき、しかも、車内においては高精度で細やかな車載用ナビゲーション機能を実現可能である携帯機器向けナビゲーションユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、車両側に設置したベースユニットを主要部とした携帯機器向けのナビゲーションユニットであって、前記ベースユニットに接続できるナビゲーション機能付きの携帯機器と、前記ベースユニットと前記携帯機器との間で情報の送受信を行う情報送受信手段とからなる。
【0019】
構成上の特徴としては、前記ベースユニットには、車両の挙動に基づいてカーナビゲーション用の詳細情報を検出する詳細情報検出手段と、前記詳細情報検出手段の検出した前記詳細情報に基づき高精度ナビ情報を生成する高精度ナビ情報生成手段、を備えている。
【0020】
また、前記携帯機器には、前記携帯機器単体での単体ナビ情報を生成する単体ナビ情報生成手段と、前記ベースユニットと接続状態にある時には、前記情報送受信手段を介して前記高精度ナビ情報生成手段から前記高精度ナビ情報を受け取って当該高精度ナビ情報に基づいた高機能ナビモードをとり、前記ベースユニットとの接続が外れた状態にある時には、前記単体ナビ情報生成手段から前記単体ナビ情報を受け取って当該単体ナビ情報に基づいた単体動作ナビモードをとるように構成されたモード別案内制御手段を備えたことを特徴としている。
【0021】
以上の構成を有する本発明の携帯機器向けナビゲーションユニットでは、ベースユニットが車両側に設置してあり、このベースユニットにおいて詳細情報検出手段が車両の挙動に基づいてカーナビゲーション用の詳細情報を検出し、高精度ナビ情報生成手段がこの詳細情報に基づいて高精度ナビ情報を生成する。
【0022】
ユーザーが携帯機器を車両内に持ち込んでこれをベースユニットに接続した場合、携帯機器のモード別案内制御手段は、高機能ナビモードとなる。したがって、モード別案内制御手段は、情報送受信手段を介して高精度ナビ情報生成手段から高精度ナビ情報を受け取り、これに基づいてカーナビゲーションとして最適である、高精度で細やかな案内制御を実施することが可能となる。
【0023】
また、携帯機器がベースユニットから外れている時には、モード別案内制御手段は単体動作ナビモードとなって、単体ナビ情報生成手段から単体ナビ情報を受け取り、単体ナビ情報に基づいて案内制御を実施することで、歩行者に向けて好適なナビゲーションサービスを提供することができる。
【0024】
このような本発明においては、携帯機器単体の場合と、車両側のベースユニットに接続された場合とで、携帯機器の持つナビゲーション機能のモードを切り換えることで、ナビ付きの携帯機器を、歩行者用から、本格的な車載用ナビゲーション装置として利用することが可能である。
【0025】
したがって、車両の内部と、車両の外で、共通のナビゲーション機器を使用することができ、車載用ナビゲーション装置とナビ付き携帯機器とを別々に使用した場合と比べて、面倒な情報の引き継ぎ作業が不要であり、良好な使い勝手を得ることができる。
【0026】
また、携帯機器側には、カーナビゲーションに必要な情報を入手、使用するための各種のセンサーなどを組み込む必要が無いので、携帯機器の大型化を回避することができ、携帯性を損なうおそれがない。さらに、地図や誘導路を表示する表示部は携帯機器側のものだけで十分である。そのため、車両側のベースユニットには高価な表示部を準備する必要が無く、また、地図データやナビソフトを重複して待つ必要もないので、リソースの無駄を省いてコスト的に有利である。
【0027】
請求項2の発明は、請求項1に記載の携帯機器向けのナビゲーションユニットにおいて、前記携帯機器に、前記ベースユニットが持つ情報を格納するための記憶手段を設けたことを特徴としている。このような発明によれば、携帯機器の記憶手段にベースユニットが持つ情報を格納しておくことで、ベースユニットから携帯機器を取り外して車外へと持ち出しても、ベースユニットが持っていた情報を利用することができ、携帯機器の利便性が向上する。
【発明の効果】
【0028】
以上述べたように本発明の携帯機器向けナビゲーションユニットによれば、車両側にベースユニットを設置して、ここに携帯機器を接続した時、携帯機器の案内制御手段は、高機能ナビモードとなって高精度ナビ情報に基づく案内制御を実施するので、ナビ付きの携帯機器を高精度で細やかな車載用ナビゲーション装置として利用可能であり、さらにベースユニットに関しては表示部、地図データやナビソフト等のリソースを省いてコストの低減とコンパクト化を図り、しかも、車内から車外まで引き継ぎ作業を行わずに切れ目の無いナビゲーションを実施可能である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明を実施するための形態の一例について、図1〜図4を参照して具体的に説明する。図1は本実施形態の概要を示す説明図、図2は本実施形態の構成図、図3はベースユニットに携帯機器を接続した時の情報通信に関するフローチャート、図4はベースユニットから携帯機器を取り外す時のフローチャートである。
【0030】
(1)本実施形態の構成
(1−1)全体構成
まず図1を用いて、本実施形態の全体構成について説明する。図1に示すように、本実施形態は、主要部であるベースユニット1と、ベースユニット1に接続可能な携帯機器2と、ベースユニット1と携帯機器2との間で情報の送受信を行う情報送受信用のインターフェース3と、ベースユニット1と携帯機器2をつなぐ接続ケーブル4又はカードック5(図2に図示)とから構成されている。
【0031】
(1−2)ベースユニット
このうち、ベースユニット1は車両側に設置されるが、通常の車載用ナビゲーション装置のように表示部を設けていないので、携帯機器2を車両内でユーザーから見やすい位置に配置した際、この携帯機器2と接続可能な場所であるならば、設置場所は自由である。
【0032】
(1−3)携帯機器
携帯機器2は携帯電話やPDA、携帯ゲーム機などであって、ナビゲーション機能を有しており、地図情報などを表示する表示部21を備えている。携帯機器2がベースユニット1と接続される時、表示部21は車両内でユーザーから見やすい位置に配置されるようになっており、そのための携帯機器2専用のホルダを車内に設けることも可能である。さらに、インターフェース3は代表的にはUSB等であるが、情報の送受信を実現する手段であれば、無線、有線を問わず、その構成に関しては適宜選択自由である。
【0033】
続いて、図2を用いて本実施形態の各部の構成について詳しく説明する。図2の構成図は本実施形態の仮想的なブロック図を示している。
【0034】
(1−4)ベースユニットの各部の構成
(1−4−1)接続制御部
まず、ベースユニット1には、接続制御部10が設けられている。接続制御部10は、携帯機器2との接続及び取り外しの認識や、携帯機器2の対応情報種の確認を行うと共に、携帯機器2側のナビゲーション用ソフトウェアがベースユニット1への接続に対応しているかどうかを判断する部分である。
【0035】
(1−4−2)詳細情報検出手段
また、ベースユニット1には、車両の挙動の変化に基づきカーナビゲーション用の詳細情報を検出する詳細情報検出手段として、各種センサーが設けられている。
【0036】
具体的には、車速情報を検知するスピードセンサ−11、ブレーキ動作の有無を検知するブレーキ信号センサ−12、車両の加速度を検知する加速度センサー13、車両の角度を検知するジャイロセンサー14、道路交通情報を取得するためのラジオ制御部15、GPS信号を受信するGPS制御部16である。なお、GPS制御部16に関しては、ナビゲーション機能を持つ携帯機器2側にも通常、設置されるが、後述する「高機能ナビモード」ではベースユニット1側のGPS制御部16を利用することもできる。
【0037】
(1−4−3)高精度ナビ情報生成部
上記の各センサー11〜14及び制御部15、16には、高精度ナビ情報生成部17が接続されている。高精度ナビ情報生成部17は、各センサーの検出する詳細情報(つまりスピードパルス、ブレーキ信号、車両の加速度及び角度、VICS等の道路交通情報、さらにはGPS信号)に基づいて、高精度ナビ情報を生成する部分である。
【0038】
高精度ナビ情報生成部17が生成する高精度ナビ情報とは、高精度のカーナビゲーションを成立させるための情報であって、具体的には、車両の進行方向の特定、高速道路入口などの立体分岐時の正確な位置、道路交通情報に基づく事故情報や渋滞情報、これらの情報から導かれる目的地までの推定所要時間、外部から与えられる目的地周辺の店舗情報や駐車場情報などである。
【0039】
(1−4−4)HDD/SDD/DVD18及び外部接続メモリ
また、ベースユニット1には位置情報や画像等を含む店舗情報、お勧めポイント情報などを格納したHDD/SDD/DVD18及び外部接続メモリ19が設置されている。
【0040】
(1−5)携帯機器の各部の構成
携帯機器2側には、前記表示部21に加えて、単体ナビ情報生成部22と、携帯側外部メモリ23と、モード別案内制御部24が設けられている。
【0041】
(1−5−1)単体ナビ情報生成部
このうち、単体ナビ情報生成部22は、携帯機器2単体での単体ナビ情報を生成する部分である。また、携帯側外部メモリ23はベースユニット1が持つ情報を格納するための記憶手段である。
【0042】
(1−5−2)モード別案内制御部
モード別案内制御部24は、ベースユニット1と携帯機器2が接続状態にある時には、インターフェース3を介してベースユニット1側の高精度ナビ情報生成部17から高精度ナビ情報を受け取り、この高精度ナビ情報に基づいて案内制御を実施する「高機能ナビモード」をとるようになっている。
【0043】
また、モード別案内制御部24は、ベースユニット1と携帯機器2との接続が外れた状態にある時には、単体ナビ情報生成部22から単体ナビ情報を受け取って当該単体ナビ情報に基づいて案内制御を行う「単体動作ナビモード」をとるように構成されている。
【0044】
(2)ベースユニットに携帯機器を接続した時の情報通信に関する動作
続いて、ベースユニット1に携帯機器2を接続した時の情報通信に関する動作について、図3のフローチャートを用いて説明する。
【0045】
携帯機器2をベースユニットに接続すると(S101)、ベースユニット1の接続制御部10が接続された携帯機器2を認識すると共に(S102)、携帯機器2側のナビゲーション用ソフトウェアがベースユニット1への接続に対応しているか否かを判断する(S103)。
【0046】
ナビゲーション用ソフトウェアがベースユニット1への接続に対応していなければ(S103のNo)、ベースユニット1は携帯機器2側に情報を出力しない(S104)。また、ナビゲーション用ソフトウェアがベースユニット1への接続に対応しているならば(S103のYes)、モード別案内制御部24は、携帯機器2が単体である際の「単体動作ナビモード」から、「高機能ナビモード」へと移行する(S105)。
【0047】
続いて、ベースユニット1の接続制御部10が携帯機器2の対応情報種を確認する(S106)。さらに、ナビゲーションにて必要とする高精度ナビ情報を、ベースユニット1側の高精度ナビ情報生成部17からインターフェース3を介して携帯機器2側のモード別案内制御部24に送付する(S107)。
【0048】
続いて、高精度ナビ情報生成部17から付した高精度ナビ情報に基づいて、携帯機器2側のモード別案内制御部24にて高精度のナビゲーションを実施する(S108)。そして、ナビゲーションを実施している間はS107とS108を繰り返す。
【0049】
(3)ベースユニットから携帯機器を取り外す時のフローチャート
図4のフローチャートにて示すように、ベースユニットから携帯機器を取り外すと(S201)には、携帯機器2ではモード別案内制御部24が「高機能ナビモード」から、「単体動作ナビモード」へと移行する(S202)。このため、モード別案内制御部24は、ユーザー操作により、単体ナビ情報生成部22から単体ナビ情報を受け取って単体ナビ情報に基づいて案内制御を行うようになる。
【0050】
また、ベースユニット1側では接続制御部10が携帯機器2の取り外しを認識して(S203)、ベースユニット1側から携帯機器2への高精度ナビ情報の送付を中止する(S204)。
【0051】
(4)本実施形態の作用効果
以上の構成を有する本実施形態において、ベースユニット1では、各センサー11〜14及び制御部15、16の取得した詳細情報に基づいて、高精度ナビ情報生成部17が高精度ナビ情報を生成しており、携帯機器2をベースユニット1に接続した際、携帯機器2のモード別案内制御部24は、高機能ナビモードとなる。
【0052】
したがって、モード別案内制御部24は、インターフェース3を介して高精度ナビ情報生成部17から高精度ナビ情報を受け取り、この高精度ナビ情報に基づいて、高精度で細やかな案内制御を実施することが可能となる。これにより、ナビ付きの携帯機器2を、本格的な車載用ナビゲーション装置として利用することができる。
【0053】
また、携帯機器2はベースユニット1から外れている時には、モード別案内制御部24は単体動作ナビモードとなる。すなわち、単体ナビ情報生成部22から単体ナビ情報を受け取って、この単体ナビ情報に基づいて案内制御を実施する。これにより、歩行者向けのナビゲーションサービスを提供することが可能である。
【0054】
上記の本実施形態では、車両の内外で、単一の携帯機器2をナビゲーション装置として使用することができる。このため、面倒な情報の引き継ぎ作業が不要であって、操作性が良好である。また、車両を降車した後、あるいは徒歩若しくは公共機関から車両に乗車した後も、切れ目無くスムーズに、高精度なナビゲーションが実現する。さらには、携帯機器2側には、車両側から速度情報や位置情報を受け取るためのセンサーや、専用の情報処理部を携帯機器側に設置する必要が無いので、携帯性の維持が容易である。
【0055】
さらに、車両側のベースユニット1は、通常のナビゲーション装置とは異なり、カーナビゲーションに必要な情報を取得し、これを携帯機器側に送り出す役割に限定されているので、地図や誘導路を表示するための表示部を省略可能である。したがって、高価な表示部、ナビソフト及び地図データを重複して準備する必要が無く、リソースの無駄を省いてコストの低減を実現できる。
【0056】
また、本実施形態の携帯機器2は、ベースユニット1が持つ情報を格納するための外部メモリ23を設けたので、ベースユニット1から携帯機器を取り外して車外へと持ち出す際、ベースユニット1が保持していた情報までも、有効に利用することができる。
【0057】
(5)他の実施形態
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、各部の構成や形状等は適宜変更可能であり、また、カーナビゲーション用の詳細情報等の組合せも自由に選択することができる。
【0058】
さらに、ベースユニット1側にナビゲーションに関連する様々な情報を格納しておき、車両に乗ると無線等で自動的に携帯機器2と接続し、前記の情報を携帯機器2に表示するようにした実施形態も包含する。
【0059】
このような実施形態によれば、携帯機器2側にデータ負荷をかけることなく、車両に乗った瞬間に携帯機器2の機能が向上したことを直感的にユーザーに与えることができる。すなわち、車両に乗るだけで携帯機器2の品質感が高まることになり、カーライフの楽しさを広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明に係る代表的な実施形態の概要を示す説明図。
【図2】本実施形態の構成図。
【図3】本実施形態においてベースユニットに携帯機器を接続した時の情報通信に関するフローチャート。
【図4】本実施形態においてベースユニットから携帯機器を取り外す時のフローチャート。
【符号の説明】
【0061】
1…ベースユニット
2…携帯機器
3…インターフェース
4…接続ケーブル
5…カードック
10…接続制御部
11…スピードセンサ−
12…ブレーキ信号センサ−
13…加速度センサー
14…ジャイロセンサー
15…ラジオ制御部
16…GPS制御部
17…高精度ナビ情報生成部
18…HDD/SDD/DVD
19…外部接続メモリ
21…表示部
22…単体ナビ情報生成部
23…携帯側外部メモリ
24…モード別案内制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両側に設置したベースユニットと、前記ベースユニットに接続できるナビゲーション機能付きの携帯機器と、前記ベースユニットと前記携帯機器との間で情報の送受信を行う情報送受信手段とからなるナビゲーションユニットにおいて、
前記ベースユニットには、車両の挙動に基づいてカーナビゲーション用の詳細情報を検出する詳細情報検出手段と、前記詳細情報検出手段の検出した前記詳細情報に基づき高精度ナビ情報を生成する高精度ナビ情報生成手段、を備えており、
前記携帯機器には、前記携帯機器単体での単体ナビ情報を生成する単体ナビ情報生成手段と、前記ベースユニットと接続状態にある時には、前記情報送受信手段を介して前記高精度ナビ情報生成手段から前記高精度ナビ情報を受け取って当該高精度ナビ情報に基づいた高機能ナビモードをとり、前記ベースユニットとの接続が外れた状態にある時には、前記単体ナビ情報生成手段から前記単体ナビ情報を受け取って当該単体ナビ情報に基づいた単体動作ナビモードをとるように構成されたモード別案内制御手段を備えたことを特徴とする携帯機器向けのナビゲーションユニット。
【請求項2】
前記携帯機器に、前記ベースユニットが持つ情報を格納するための記憶手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の携帯機器向けのナビゲーションユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−210518(P2010−210518A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−58599(P2009−58599)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】