説明

携帯端末、パスワード入力プログラムおよびパスワード入力方法

【構成】携帯電話機10は、認証パスワードと入力パスワードとに基づいて認証処理を実行する。文字入力キーの奥行きが異なるソフトキー(68)は3Dディスプレイ30によって表示され、3Dディスプレイ30の上に設けられるタッチパネル38およびタッチ制御回路36によって文字入力キーに対する操作が検出される。たとえば、「E」の文字入力キーが前位置で表示されているときに操作されると、「E」の文字と前位置とが関連付けられて記憶される。そして、使用者が前位置キーを操作すると、前位置が関連付けられた「E」などの文字だけが、入力パスワードを構成する文字列として確定される。
【効果】第三者は、入力された文字に関連付けられた奥行き位置を認識できないため、入力パスワードを構成する文字列を特定することは困難である。そのため、使用者によって入力されたパスワードが、第三者に漏れにくくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯端末に関し、特に予め設定された認証パスワードを利用して認証処理実行することができる、携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、予め設定された認証パスワードを利用して認証処理実行することができる携帯端末が広く知られており、この種の装置の一例が特許文献1に開示されている。この背景技術の携帯電話機は、タッチパネルの機能を有する画面表示部が設けられる。また、画面表示部のタッチパネル画面上には、暗証番号を入力する時に使用される、タッチパネルテンキーが表示される。そして、使用者は、タッチパネルテンキーに表示される数字配置を仮想的に並び替えることで、暗証番号を変換して入力する。これにより、周囲の第三者が、使用者が入力した数字を直接盗み見たとしても、使用者が入力している暗証番号に気付きにくくなる。
【特許文献1】特開2009−119581号公報[G06F 21/20, G06F 3/041, H04L 9/32]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、特許文献1の携帯電話機では、テンキーに代えて、アルファベットなどのQWERTYキーボードを採用した場合、キーの数が多くなるため変換規則が複雑になってしまい、使用者がその変換規則を忘れてしまうことが想定される。また、QWERTYキーボードのキー配列を仮想的に並び替えてしまうと、目的のキーを探すのが困難になる問題点も考えられる。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、携帯端末、パスワード入力プログラムおよびパスワード入力方法を提供することである。
【0005】
この発明の他の目的は、入力されたパスワードが第三者に漏れにくくすることができる、携帯端末、パスワード入力プログラムおよびパスワード入力方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、この発明の理解を助けるために記述する実施形態との対応関係を示したものであって、この発明を何ら限定するものではない。
【0007】
第1の発明は、認証パスワードを記憶し、認証パスワードおよび入力パスワードに基づいて認証処理を実行する、携帯端末であって、複数の文字キーのうち、一部の文字キーの奥行き位置を前にし、他の一部の文字キーの奥行き位置を後にして文字キーを3D表示する文字キー表示部、文字キー表示部の上に設けられるタッチパネル、タッチパネルにおける文字キーの表示領域に対応するタッチを検出する検出部、検出部によって文字キーの表示領域に対するタッチを検出したとき、その文字キーの奥行き位置が前か後かを関連付けて文字を記憶する記憶部、および記憶部に記憶された文字のうち、前および後の一方のみの奥行き位置が関連付けられた文字だけを、入力パスワードを構成する文字列として確定する確定部を備える、携帯端末である。
【0008】
第1の発明では、携帯端末(10:実施例において対応する部分を例示する参照符号。以下、同じ。)は、使用者などによって予め設定された認証パスワードを記憶し、その認証パスワードおよび使用者によって入力された入力パスワードに基づいて、認証処理を実行する。文字キー表示部(30)は、裸眼立体ディスプレイと呼ばれ、複数の文字キーを表示する。また、文字キー表示部は、一部の文字キーの奥行き位置を前にし、他の一部の文字キーの奥行き位置を後にして3D表示する。この3D表示において、一部と他の一部との文字キーにおける奥行きの違いを認識できる範囲は、2〜3cm程度の広さである。つまり、使用者でなければ、その違いを認識することは困難である。そのため、使用者が操作する文字キーの奥行きは、周囲の第三者によって認識されることはほとんどない。
【0009】
タッチパネル(38)は文字キー表示部の上に設けられ、検出部(36)は、タッチパネルにおける、文字キーの表示領域に対するタッチを検出する。たとえば、「E」文字キーの奥行き位置が前(前位置)で表示されているときに、その文字キーの表示領域に対するタッチが検出されると、記憶部(24,S7)は、「E」の文字に奥行き位置が前を示す情報(1)を関連付けて記憶する。確定部(24,S15,S17)は、たとえば、奥行き位置が前と関連付けられた文字(ER!?)だけを、入力パスワードを構成する文字列として確定する。
【0010】
第1の発明によれば、第三者は、入力された文字に関連付けられた奥行き位置を認識できないため、入力パスワードを構成する文字列を特定することが困難である。そのため、使用者によって入力されたパスワードは、第三者に漏れにくくなる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明に従属し、各文字キーの奥行き位置を変化させる変化部をさらに備える。
【0012】
第2の発明では、たとえば、複数の文字キーが4段で表示されている場合、一部の文字キーは1段目であり、他の一部の文字キーは2−4段目である。そして、変化部(24,S3)は、文字キーが表示されてから所定時間が経過すると、一部の文字キーとする段を1段目から2段目に変化させる。このとき、1段目の文字キーは、他の一部の文字キーとなるため、奥行き位置が後で表示される。
【0013】
第2の発明によれば、奥行き方向が前で表示される一部の文字キーが変化するため、複数の文字キーのキー配置を変化させなくても、文字を入力する位置から入力パスワードを推測されることを防ぐことができる。この場合、文字キーをランダムに表示する方式に比べて、パスワードを入力する際の使用者の操作性を向上させることもできる。
【0014】
第3の発明は、第1の発明または第2の発明に従属し、前または後の奥行き位置を指定する指定キーをさらに備え、確定部は、検出部によって指定キーの表示領域に対するタッチを検出したとき、記憶部に記憶された文字のうち、前および後の一方のみの奥行き位置が関連付けられた文字だけを、入力パスワードを構成する文字列として確定する。
【0015】
第3の発明では、前または後の奥行き位置を指定する指定キーは、たとえば文字キー表示部の表示範囲に設けられる。また、奥行き位置を前と指定するキーが操作されると、確定部は、前の奥行き位置が関連付けられた文字を、入力パスワードを構成する文字列として確定する。
【0016】
第3の発明によれば、使用者は、入力パスワードを構成する文字列を任意に決めることができる。
【0017】
第4の発明は、第1の発明ないし第3の発明のいずれかに従属し、記憶部によって記憶された文字を、関連付けられた奥行き位置に基づいて3D表示する入力結果表示部をさらに備える。
【0018】
第4の発明では、入力結果表示部(24,S9)は、たとえば、奥行き位置が前と関連付けられた文字を、奥行き位置が前となるように表示する。
【0019】
第4の発明によれば、表示された文字の奥行き位置の違いは、使用者でなければ認識できないため、入力されている文字をマスキングする必要が無くなる。そのため、使用者は、パスワードとして入力した文字の正誤を判断したり、編集したりすることが容易に出来るようになる。
【0020】
第5の発明は、複数の文字キーのうち、一部の文字キーの奥行き位置を前にし、他の一部の文字キーの奥行き位置を後にして文字キーを3D表示する文字キー表示部(30)、文字キー表示部の上に設けられるタッチパネル(38)および文字キーの表示領域に対応するタッチを検出する検出部(36)を有し、認証パスワードを記憶し、認証パスワードおよび入力パスワードに基づいて認証処理を実行する、携帯端末(10)のプロセッサ(24)を、検出部によって文字キーの表示領域に対するタッチを検出したとき、その文字キーの奥行き位置が前か後かを関連付けて文字を記憶する記憶部(S7)、および記憶部に記憶された文字のうち、前および後の一方のみの奥行き位置が関連付けられた文字だけを、入力パスワードを構成する文字列として確定する確定部(S15,S17)として機能させる、パスワード入力プログラムである。
【0021】
第5の発明も、第1の発明と同様、第三者は、入力された文字に関連付けられた奥行き位置を認識できないため、入力パスワードを構成する文字列を特定することが困難である。そのため、使用者によって入力されたパスワードは、第三者に漏れにくくなる。
【0022】
第6の発明は、複数の文字キーのうち、一部の文字キーの奥行き位置を前にし、他の一部の文字キーの奥行き位置を後にして3D表示する文字キー表示部(30)、文字キー表示部の上に設けられるタッチパネル(38)および文字キーの表示領域に対応するタッチを検出する検出部(36)を有し、認証パスワードを記憶し、認証パスワードおよび入力パスワードに基づいて認証処理を実行する、携帯端末(10)のパスワード入力方法であって、検出部によって文字キーの表示領域に対するタッチを検出したとき、その文字キーの奥行き位置が前か後かを関連付けて文字を記憶し(S7)、そして記憶された文字のうち、前および後の一方のみの奥行き位置が関連付けられた文字だけを、入力パスワードを構成する文字列として確定する(S15,S17)、パスワード入力方法である。
【0023】
第6の発明も、第1の発明と同様、第三者は、入力された文字に関連付けられた奥行き位置を認識できないため、入力パスワードを構成する文字列を特定することが困難である。そのため、使用者によって入力されたパスワードは、第三者に漏れにくくなる。
【発明の効果】
【0024】
この発明によれば、第三者は入力された文字に関連付けられた奥行きを認識できないため、入力パスワードを構成する文字列が第三者に特定されにくくなる。そのため、入力されたパスワードが、第三者に漏れにくくすることができる。
【0025】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1はこの発明の一実施例の携帯電話機の電気的な構成を示す図解図である。
【図2】図2は図1に示す3Dディスプレイに表示されるソフトキーの一例を示す図解図である。
【図3】図3は図1に示すRAMに記憶される奥行き位置テーブルの構成の一例を示す図解図である。
【図4】図4は図1に示す3Dディスプレイに表示されるソフトキーの他の一例を示す図解図である。
【図5】図5は図1に示すRAMに設けられる入力文字バッファに記憶されるデータの一例を示す図解図である。
【図6】図6は図1に示すRAMに設けられる入力パスワードバッファに記憶されるデータの一例を示す図解図である。
【図7】図7は図1に示すRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。
【図8】図8は図1に示すプロセッサのパスワード入力処理の一例を示すフロー図である。
【図9】図9は図1に示すプロセッサの3D表示処理の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1を参照して、この実施例の携帯電話機10は、携帯端末の一種であり、コンピュータまたはCPUと呼ばれるプロセッサ24を含む。また、プロセッサ24には、無線通信回路14、A/D変換器16、D/A変換器20、キー入力装置26、表示ドライバ28、フラッシュメモリ32、RAM34およびタッチパネル制御回路36が接続される。無線通信回路14にはアンテナ12が接続され、A/D変換器16にはマイク18が接続され、D/A変換器20にはスピーカ22が接続される。また、表示ドライバ28には、文字キー表示部として機能する3Dディスプレイ30が接続される。そして、タッチパネル制御回路36にはタッチパネル38が接続される。
【0028】
プロセッサ24は携帯電話機10の全体制御を司る。RAM34は、プロセッサ24の作業領域(描画領域を含む)ないしバッファ領域として用いられる。フラッシュメモリ32には、携帯電話機10の文字、画像、音声、音および映像のようなコンテンツのデータが記録される。
【0029】
A/D変換器16は、当該A/D変換器16に接続されたマイク18を通して入力される音声ないし音についてのアナログ音声信号を、デジタル音声信号に変換する。D/A変換器20は、デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換(復号)して、図示しないアンプを介してスピーカ22に与える。したがって、アナログ音声信号に対応する音声ないし音がスピーカ22から出力される。なお、プロセッサ24は、アンプの増幅率を制御することで、スピーカ22から出力される音声の音量を調整することができる。
【0030】
キー入力装置26は操作部と呼ばれ、カーソルキー、通話キーおよび終話キーなどを備える。そして、使用者が操作したキーの情報(キーデータ)はプロセッサ24に入力される。また、キー入力装置26に含まれる各キーが操作されると、クリック音が鳴る。したがって、使用者は、クリック音を聞くことで、キー操作に対する操作感を得ることができる。なお、携帯電話機10は、キーに対する操作を無効化するキーロック機能を有する。
【0031】
表示ドライバ28は、プロセッサ24の指示の下、当該表示ドライバ28に接続された3Dディスプレイ30の表示を制御する。また、表示ドライバ28は表示する画像データを一時的に記憶するビデオメモリ(図示せず)を含む。
【0032】
3Dディスプレイ30は、裸眼立体ディスプレイとも呼ばれ、使用者が特別なメガネをかけていなくても、画像を立体的に見せることができる。また、3Dディスプレイ30にはパララックスバリア方式とも呼ばれる、視差バリア方式が採用されている。そして、携帯電話機10に採用される3Dディスプレイ30の大きさでは、立体的に見える範囲は2〜3cm程度の広さとなる。そのため、使用者の視点がその範囲から外れると、画像が3D表示されていたとしても、使用者は画像を立体的に見ることが困難になる。
【0033】
タッチパネル38は、指などの物体が表面に接近して生じた電極間の静電容量の変化を検出する静電容量方式で、たとえば1本または複数本の指がタッチパネル38に触れたことを検出する。また、タッチパネル38は、3Dディスプレイ30の上に設けられ、その画面内で、任意の位置を指示するためのポインティングデバイスである。たとえば、タッチパネル38は、その表面を指で、押したり、撫でたり、触られたりすることにより操作されると、その操作を検出する。そして、検出部として機能するタッチパネル制御回路36は、タッチパネル38に指が触れると、その指の位置を特定し、操作された位置を示す座標のデータをプロセッサ24に出力する。つまり、使用者は、タッチパネル38の表面を指で、押したり、撫でたり、触れたりすることによって、操作の方向や図形などを携帯電話機10に入力することができる。
【0034】
ここで、使用者がタッチパネル38の表面を指で触れる操作を「タッチ」と言うことにする。一方、タッチパネル38から指を離す操作を「リリース」と言うことにする。タッチによって示された座標を「タッチ点」、リリースによって示された座標を「リリース点」と言うことにする。そして、タッチおよびリリースなどのタッチパネル38に対して行う操作を、まとめて「タッチ操作」と言うことにする。
【0035】
なお、タッチ操作は指だけに限らず、導電体が先端に取り付けられたタッチペンなどによって行われてもよい。また、タッチパネル38の検出方式には、表面型の静電容量方式が採用されてもよいし、抵抗膜方式、超音波方式、赤外線方式および電磁誘導方式などであってもよい。
【0036】
無線通信回路14は、CDMA方式での無線通信を行うための回路である。たとえば、使用者がキー入力装置26を用いて電話発信(発呼)を指示すると、無線通信回路14は、プロセッサ24の指示の下、電話発信処理を実行し、アンテナ12を介して電話発信信号を出力する。電話発信信号は、基地局および通信網(図示せず)を経て相手の電話機に送信される。そして、相手の電話機において着信処理が行われると、通信可能状態が確立され、プロセッサ24は通話処理を実行する。
【0037】
通常の通話処理について具体的に説明すると、相手の電話機から送られてきた変調音声信号はアンテナ12によって受信される。受信された変調音声信号には、無線通信回路14によって復調処理および復号処理が施される。そして、これらの処理によって得られた受話音声信号は、D/A変換器20によってアナログ音声信号に変換された後、スピーカ22から出力される。一方、マイク18を通して取り込まれた送話音声信号は、A/D変換器16によってデジタル音声信号に変換された後、プロセッサ24に与えられる。デジタル音声信号に変換された送話信号には、プロセッサ24の指示の下、無線通信回路14によって符号化処理および変調処理が施され、アンテナ12を介して出力される。したがって、変調音声信号は、基地局および通信網を介して相手の電話機に送信される。
【0038】
また、相手の電話機からの電話発信信号がアンテナ12によって受信されると、無線通信回路14は、電話着信(着呼)をプロセッサ24に通知する。これに応じて、プロセッサ24は、表示ドライバ28を制御して、着信通知に記述された発信元情報(電話番号など)をディスプレイ30に表示する。また、これとほぼ同時に、プロセッサ24は、図示しないスピーカから着信音(着信メロディ、着信音声と言うこともある。)を出力させる。
【0039】
そして、使用者が通話キーを用いて応答操作を行うと、無線通信回路14は、プロセッサ24の指示の下、電話着信処理を実行する。さらに、通信可能状態が確立され、プロセッサ24は上述した通常の通話処理を実行する。
【0040】
また、通話可能状態に移行した後に終話キーによって通話終了操作が行われると、プロセッサ24は、無線通信回路14を制御して、通話相手に通話終了信号を送信する。そして、通話終了信号の送信後、プロセッサ24は通話処理を終了する。また、先に通話相手から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ24は通話処理を終了する。さらに、通話相手によらず、移動通信網から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ24は通話処理を終了する。
【0041】
また、携帯電話機10には認証パスワードが予め設定されており、使用者は認証パスワードと一致するパスワードを入力することで、たとえばキー入力装置26のキーロック状態などを解除することができる。
【0042】
図2(A)−図2(D)を参照して、本実施例では、複数の文字キーを含むソフトキー68が3Dディスプレイ30に表示される。まず、3Dディスプレイ30の表示は、日時、電池残量および受信状態などを表すアイコンを含む状態表示領域60およびパスワード入力画面が表示される機能表示領域62から構成される。また、パスワード入力画面は、入力された文字および入力位置を示すカーソルCUを表示する入力文字表示領域64、ソフトキー表示領域66から構成される。そして、ソフトキー表示領域66に、ソフトキー68が表示される。
【0043】
ソフトキー68は、QWERTY配列でキーが配置されている。また、ソフトキー68の2段目には「/」キーが配置され、3段目にはシフト(↑)キーおよび削除(DEL)キーが配置され、4段目には切換キー(123)キー、「!」キー、「?」キー、完了(End)キー、前位置(Front)キーおよび後位置(Rear)キーが配置される。また、シフトキーは入力される文字の大文字/小文字を切り替えるためのキーであり、削除キーは入力した文字を削除するためのキーであり、切換キーは、QWERTY配列のソフトキー68を、数字や記号を入力するソフトキー68に切り替えるためのキーであり、完了キーはパスワードの入力が完了したときに操作されるキーであり、前位置キーおよび後位置キーは、入力した文字列を入力パスワードとして確定するためのキーである。なお、前位置キーおよび後位置キーは、まとめて位置キーまたは指定キーと呼ばれることもある。
【0044】
なお、本明細書では、「/」、「*」および「?」などの記号も、便宜上「文字」と言うことにする。
【0045】
また、3Dディスプレイ30は、ソフトキー68のうち、一部の文字キーの奥行き位置を前(前位置)にし、他の一部の文字キーの奥行きを後(後位置)にして3D表示する。たとえば、図2(A)では、1段目の文字キーの奥行き位置が前であり、2−4段目の文字キーの奥行き位置は後である。なお、図面において、3D表示されているキーは、他の文字キーに比べて太く図示される。
【0046】
さらに、図2(B)に示すように、ソフトキー68が表示されてから所定時間が経過すると、前位置で表示される文字キーが、1段目から2段目に変化する。さらに、図2(C),図2(D)に示すように、所定時間が経過する毎に、2段目から3段目、3段目から4段目と前位置で表示される文字キーが変化する。そして、図2(D)に示すように、4段目のキーが前位置で表示されてから所定時間が経過すると、図2(A)に示すように、再び1段目の文字キーが前位置で表示されるようになる。
【0047】
プロセッサ24は、ソフトキー68の3D表示を、奥行き位置テーブルによって管理している。図3(A)を参照して、奥行き位置テーブルでは、ソフトキー68に含まれる文字キーを示す「文字キー」の行と、それらの文字キーの奥行き位置を示す「奥行き位置」の行とが関連付けられている。たとえば、奥行き位置テーブルの1行目および2行目はソフトキー68の1段目に対応し、3行目および4行目はソフトキー68の2段目に対応する。なお、「奥行き位置」の行において、「0」が記録されていれば奥行き位置が後であり、「1」が記録されていれば奥行き位置が前である。
【0048】
また、図3(A)に示す奥行き位置テーブルは図2(A)の表示に対応するため、ソフトキー68の1段目に対応する奥行き位置テーブルの2行目には「1」が記録され、ソフトキー68の2段目に対応する奥行き位置テーブルの4行目には「0」が記録される。なお、図示は省略しているが、ソフトキー68の3段目、4段目の文字キーと対応する、奥行き位置テーブルの6行目および8行目には、4行目と同様、「0」が記録されている。
【0049】
さらに、文字キーの奥行き位置が図2(A)から図2(B)の状態に変化すると、奥行き位置テーブルも図3(A)から図3(B)に変化する。つまり、「1」が記録される「奥行き位置」の行が、2段目の文字キーに対応する4行目に変化する。
【0050】
なお、3Dディスプレイ30は、3D表示によって立体的に見える位置が狭いため、使用者は、ソフトキー68における前後位置の違いを認識することはできるが、周囲の第三者は前後位置の違いを認識しにくい。
【0051】
ここで、本実施例では、文字キーに対するタッチによって文字が入力されると、入力された文字にキーの奥行き位置が関連付けられて一時記憶される。そして、使用者によって奥行き位置を指定する前位置キーまたは後位置キーのどちらかが操作されると、操作された位置キーによって指定される奥行き位置が関連付けられた文字だけが、入力パスワードを構成する文字列として確定される。
【0052】
図4を参照して、入力文字表示領域64には、「EKAR!P?PB」の文字列が表示されている。また、「KR!?」の文字は、入力された際の文字キーが前位置であったため、それらの文字は前位置に表示される。一方、「KAPPB」の文字は、入力された際の文字キーが後位置であったため、それらの文字は後位置に表示される。なお、上述したように、「EKAR!P?PB」の文字列における、前後位置の違いは使用者でなければ認識できない。
【0053】
また、入力文字表示領域64に表示される文字列は、RAM34のバッファに一時記憶される。図5を参照して、たとえば前位置で表示される「ER!?」には奥行き位置として「1(前位置)」が関連付けられ、後位置で表示される「KAPPB」には奥行き位置として「0(後位置)」が関連付けられる。
【0054】
この状態で、使用者が前位置キーを操作すると、文字入力バッファにおいて「1」が関連付けられている「ER!?」だけが、入力パスワードを構成する文字列として確定される。そして、図6(A)に示すように、前位置に表示されている(ER!?)だけが入力パスワードバッファに格納される。一方、使用者が後位置キーを操作すると、文字入力バッファにおいて「0」が関連付けられている「KAPPB」だけが、入力パスワードを構成する文字列として確定される。そして、図6(B)に示すように、後位置に表示されている文字(KAPPB)が入力パスワードバッファに格納される。
【0055】
このように、入力文字領域64に表示される文字の奥行き位置の違いは、使用者でなければ認識できないため、入力されている文字をマスキングする必要が無くなる。そのため、使用者は、パスワードとして入力した文字の正誤を判断したり、編集したりすることが容易に出来るようになる。
【0056】
また、前位置で表示されるキーの変化は使用者にしか認識できないため、第三者に文字を入力する位置が見られたとしても、入力パスワードを構成する文字であるかを解析されにくくすることができる。さらに、ソフトキー68のキー配列をランダム表示しなくても、上記の効果を得ることができるため、ランダム表示する方式に比べて、パスワードを入力する際の使用者の操作性を向上させることもできる。
【0057】
そして、使用者は、前位置キーまたは後位置キーを利用することで、入力パスワードを構成する文字列を任意に決めることができる。
【0058】
なお、入力パスワードが確定された後は、認証パスワードと一致するかが判断され、一致していればキーロック状態は解除され、一致していなければキーロック状態は解除されない。
【0059】
また、パスワード入力画面において、3D表示のオン/オフが任意に切り替えられてもよい。この場合、3D表示がオフにされると、入力された文字列は「*」などでマスキングされる。
【0060】
図7は、RAM34のメモリマップを示す図である。RAM34のメモリマップには、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304が含まれる。また、プログラムおよびデータの一部は、フラッシュメモリ32から一度に全部または必要に応じて部分的かつ順次的に読み出され、RAM34に記憶されてからプロセッサ24によって処理される。
【0061】
プログラム記憶領域302には、携帯電話機10を動作させるためのプログラムが記憶されている。たとえば、携帯電話機10を動作させるためのプログラムは、パスワード入力プログラム310、3D表示プログラム312、通常入力プログラム314および認証プログラム316などから構成されている。
【0062】
パスワード入力プログラム310は、使用者がパスワードを入力するためのプログラムである。3D表示プログラム312は、ソフトキー68の奥行き位置を図2(A)−図2(D)に示すように変化させるためのプログラムである。通常入力プログラム314は、3D表示がオフにされているときに、入力パスワードを構成する文字の入力を受け付けるためのプログラムである。認証プログラム316は、入力パスワードと認証パスワードとが一致するかを判断するためのプログラムである。
【0063】
なお、図示は省略するが、携帯電話機10を動作させるためのプログラムには、音声着信状態を通知するためのプログラムおよび外部と通信するためのプログラムなどが含まれる。
【0064】
続いて、データ記憶領域304には、入力文字バッファ330、入力パスワードバッファ332および奥行き位置バッファ334などが設けられる。また、データ記憶領域304には、タッチ座標マップデータ336および認証パスワードデータ338が記憶されると共に、変化カウンタ340も設けられる。
【0065】
入力文字バッファ330には、図5に示すように、使用者によって入力された文字と文字が入力されたときのキーの奥行き位置とが関連付けられて、一時記憶される。入力パスワードバッファ332には、入力パスワードとして確定された文字列が一時記憶される。奥行き位置バッファ334には、図3(A)などに示す奥行き位置テーブルが一時記憶される。
【0066】
タッチ座標マップデータ336は、タッチ操作におけるタッチ座標と、3Dディスプレイ30の表示座標とを対応付けるためのデータである。つまり、プロセッサ24は、タッチ座標マップデータ336に基づいて、タッチパネル38に対して行われたタッチ操作の結果を、3Dディスプレイ30の表示に対応づける。認証パスワードデータ338は、使用者などによって予め決められた文字列から構成されるデータである。
【0067】
変化カウンタ340は、所定時間(たとえば、5秒)を計測するためのカウンタであり、3D表示プログラム312の処理に応じてカウントされる。なお、変化カウンタ340の値は、初期状態では「0」が設定される。
【0068】
なお、図示は省略するが、データ記憶領域304には、待機状態で表示される画像データや、文字列のデータなどが記憶されると共に、携帯電話機10の動作に必要なカウンタや、フラグも設けられる。
【0069】
プロセッサ24は、Android(登録商標)およびREXなどのLinux(登録商標)ベースのOSや、その他のOSの制御下で、図8に示すパスワード入力処理および図9に示す3D表示処理などを含む複数のタスクを並列的に処理する。
【0070】
図8はパスワード入力処理のフロー図である。たとえば、パスワードの入力を始めるための操作がされると、プロセッサ24は、ステップS1で3D表示か否かを判断する。つまり、ソフトキー68に奥行きを付けて表示する設定がされているか否かを判断する。ステップS1で“YES”であれば、つまりソフトキー68に奥行きを付けて表示する設定がされていれば、ステップS3で3D表示処理を実行する。なお、3D表示処理については、図9のフロー図を用いて詳細に説明するため、ここでの説明は省略する。また、ステップS3の処理を実行するプロセッサ24は変化部として機能する。
【0071】
続いて、ステップS5ではキーが操作されたか否かを判断する。つまり、いずれか1つの文字キーの表示領域に対してタッチが検出されたか否かを判断する。ステップS5で“NO”であれば、つまりキーが操作されていなければ、ステップS3に戻る。一方、ステップS5で“YES”であれば、つまりキーが操作されると、ステップS7で操作されたキーの奥行き位置を関連付けて文字を記憶する。たとえば、図2(A)に示すように「E」の文字キーが前位置で表示されているときに、「E」の文字キーにタッチされると、奥行き位置バッファ334に記憶される奥行き位置テーブルに基づいて、奥行き位置(1)が読み出される。そして、「E」の文字と読み出された奥行き位置とが関連付けられて、入力文字バッファ330に記憶される。なお、ステップS7の処理を実行するプロセッサ24は記憶部として機能する。
【0072】
続いて、ステップS9では、入力された文字に奥行きを付けて表示する。つまり、入力文字バッファ330において、「奥行き位置」の行に格納された位置に基づいて、入力文字表示領域64に文字が表示される。たとえば、「E」の文字に対して「1(前位置)」が関連付けられていれば、入力文字表示領域64には、前位置で「E」が表示される。なお、ステップS9の処理を実行するプロセッサ24は入力結果表示部として機能する。
【0073】
続いて、ステップS11では、入力完了か否かを判断する。つまり、完了キーの表示範囲に対してタッチがされたか否かを判断する。ステップS11で“NO”であれば、つまりパスワードの入力が完了していなければ、ステップS3に戻る。一方、ステップS11で“YES”であれば、たとえば完了キーが操作されれば、ステップS13で前位置を利用するか否かを判断する。つまり、前位置キーまたは後位置キーが操作されたか否かを判断する。そして、ステップS13では、前位置キーが操作されると“YES”と判断され、後位置キーが操作されると“NO”と判断される。ステップS13で“YES”であれば、たとえば、前位置で表示される文字列を入力パスワードとして確定するために、前位置キーが操作されると、前位置で入力された文字列を入力パスワードとして確定する処理が、ステップS15で実行される。たとえば、図5に示すように、文字および奥行き位置が入力文字バッファ330に記憶されている場合、奥行き位置として「1」が関連付けられている「ER!?」だけが入力パスワードバッファ332に格納される。
【0074】
一方、ステップS13で“NO”であれば、たとえば後位置で表示される文字列を入力パスワードとして確定するために、後位置キーが操作されると、後位置で入力された文字を入力パスワードとして確定する処理が、ステップS17で実行される。たとえば、図5に示すように、入力文字バッファ330に記憶されている場合、奥行き位置に「0」が関連付けられている「KAPPB」だけが、入力パスワードバッファ332に記憶される。
【0075】
そして、ステップS15またはステップS17の処理が終了すると、入力パスワード処理は終了し、認証処理が実行される。また、ステップS15またはステップS17の処理を実行するプロセッサ24は確定部として機能する。
【0076】
なお、ステップS1で“NO”であれば、つまりソフトキー68を3D表示する設定がされていなければ、ステップS19で通常入力処理が実行される。
【0077】
図9は、3D表示処理のフロー図である。図8に示すパスワード入力処理のステップS3が実行されると、プロセッサ24はステップS31で、変化カウンタ340をインクリメントする。つまり、所定時間を計測するために、変化カウンタ340の値がインクリメントされる。
【0078】
続いて、ステップS33では、変化カウンタ340の値が閾値以上か否かを判断する。つまり、変化カウンタ340の値が所定時間に相当する値以上であるかが判断される。たとえば、3D表示処理のステップS31−S45およびステップS5−S11の処理は、約0.1秒毎に繰り返されるため、所定時間が5秒であれば、閾値は「50」となる。この場合、ステップS33では、変化カウンタの値が50以上か否かが判断される。
【0079】
ステップS33で“NO”であれば、つまり所定時間が経過していなければ、ステップS43に進む。また、ステップS33で“YES”であれば、つまりソフトキー68が表示されてから所定時間が経過していれば、ステップS35で変化カウンタが初期化される。つまり、所定時間を再び計測するために、変化カウンタ340の値を初期化する。続いて、ステップS37では、変数nをインクリメントする。変数nは3D表示される段数を示す変数である。そのため、初期状態では変数nに「1」が設定される。そして、図2(A)に示すように、ソフトキー68の1段目が前位置で表示されている状態で、ステップS37が実行されると、変数nに「2」が設定される。
【0080】
続いて、ステップS39では、変数nが4以上であるか否かを判断する。つまり、ソフトキー68の4段目が前位置で表示されている状態で、所定時間が経過したか否かを判断する。ステップS39で“NO”であれば、つまりソフトキー68の4段目が前位置で表示されている状態で所定時間が経過していなければ、ステップS43に進む。一方、ステップS39で“YES”であれば、つまりソフトキー68の4段目が前位置で表示されている状態で所定時間が経過していれば、ステップS41で変数nを初期化する。つまり、ソフトキー68の1段目を前位置で表示するために、変数nには1が設定される。
【0081】
続いて、ステップS43では、設定済みか否かを判断する。つまり、奥行き位置テーブルにおいて、奥行き位置のn行目において前位置(1)が設定されているか否かを判断する。ステップS43で“YES”であれば、つまり設定済みであれば、3D表示処理を終了して、パスワード入力処理に戻る。
【0082】
一方、ステップS43で“NO”であれば、つまりソフトキー68のn段目において、前位置が設定されていなければ、ステップS45で、ソフトキー68におけるn段目の奥行きの位置を前位置に設定する。たとえば、プロセッサ24は、変数nが「2」であれば、奥行き位置テーブルにおいて、ソフトキー68の2段目に対応する「奥行き位置」の行に対して、前位置を示す「1」を設定する。そして、ステップS45の処理が終了すれば、3D表示処理を終了して、パスワード入力処理に戻る。
【0083】
以上の説明から分かるように、携帯電話機10は、キーロックなどを解除するために、予め設定された認証パスワードと入力パスワードとに基づいて認証処理を実行する。また、携帯電話機10には、奥行きが異なるソフトキー68を表示する3Dディスプレイ30、3Dディスプレイ30の上に設けられるタッチパネル38およびソフトキー68に対するタッチを検出するタッチ制御回路36が備えられる。また、3Dディスプレイ30に表示されるソフトキー68における奥行きの違いを認識できる範囲は、2〜3cm程度の広さであるため、使用者でなければ、その違いを認識する困難である。そのため、使用者が操作する文字キーの奥行きは、周囲の第三者によって認識されることはほぼ無い。さらに、「E」の文字キーが前位置で表示されているときに、その文字キーが操作されると、「E」の文字が前位置であることを示す数値「1」が関連付けられて記憶される。そして、使用者が前位置キーを操作すれば、前位置が関連付けられた「E」などの文字だけが、入力パスワードを構成する文字列として確定される。
【0084】
このように、第三者は、入力された文字に関連付けられた奥行き位置を認識できないため、入力パスワードを構成する文字列を特定することは困難である。そのため、使用者によって入力されたパスワードが、第三者に漏れにくくなる。
【0085】
なお、他の実施例では、ソフトキー68の段数が5段以上であってもよい。また、その他の実施例では、ソフトキー68の「段」ではなく、「列」毎に奥行き位置が変化してもよい。さらにその他の実施例では、ソフトキー68の奇数段と偶数段とが交互に奥行き位置が変化するようにしてもよい。
【0086】
他の実施例では、完了キーが表示されなくてもよい。この場合、各位置キーが完了キーの役割も果たす。たとえば、使用者が文字列を入力した後に前位置キーを操作すれば、プロセッサ24はパスワードの入力が完了したと判断すると共に、前位置が関連付けられた文字を、入力パスワードを構成する文字列として確定する。
【0087】
また、その他の実施例では、ソフトキー68のキー配列が、AZERTY配列や、アルファベット順の配列などであってもよい。また、認証パスワードには、数字が含まれて居てもよいし、アルファベットの大文字と小文字とが混在していてもよい。さらに、ロシア語や、朝鮮語などの文字が認証パスワードを構成する文字列とされてもよい。
【0088】
また、本実施例では、キーロックの解除におけるパスワードの入力について説明したが、パスワードを利用する他のロック機能などでも、本実施例のように文字の入力および入力パスワードの確定がされてもよい。
【0089】
また、本実施例では、奥行き位置を二次元配列である奥行きテーブルに記録していたが、さらにその他の実施例では、三次元配列を用いて、奥行き位置が記録されてもよい。この場合、画像データの1ドット毎に、奥行き位置を関連付けて記録することができる。
【0090】
また、携帯電話機10の通信方式はCDMA方式であるが、LTE(Long Term Evolution)方式、W−CDMA方式、GSM方式、TDMA方式、FDMA方式およびPHS方式などが採用されてもよい。
【0091】
また、本実施例で用いられた複数のプログラムは、データ配信用のサーバのHDDに記憶され、ネットワークを介して携帯電話機10に配信されてもよい。また、CD,DVD,BD(Blu−ray Disc)などの光学ディスク、USBメモリおよびメモリカードなどの記憶媒体に複数のプログラムを記憶させた状態で、その記憶媒体が販売または配布されてもよい。そして、上記したサーバや記憶媒体などを通じてダウンロードされた、複数のプログラムが本実施例と同等の構成の携帯電話機にインストールされた場合、本実施例と同等の効果が得られる。
【0092】
さらに、本実施例は、携帯電話機10のみに限らず、スマートフォンおよびPDA(Personal Digital Assistant)に適用されてもよい。
【0093】
そして、本明細書中で挙げた、所定時間、段数、行数、処理時間および閾値などの具体的な数値は、いずれも単なる一例であり、製品の仕様などの必要に応じて適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0094】
10 … 携帯電話機
12 … アンテナ
14 … 無線通信回路
24 … プロセッサ
26 … キー入力装置
34 … RAM
36 … タッチパネル制御回路
38 … タッチパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証パスワードを記憶し、前記認証パスワードおよび入力パスワードに基づいて認証処理を実行する、携帯端末であって、
複数の文字キーのうち、一部の文字キーの奥行き位置を前にし、他の一部の文字キーの奥行き位置を後にして前記文字キーを3D表示する文字キー表示部、
前記文字キー表示部の上に設けられるタッチパネル、
前記タッチパネルにおける前記文字キーの表示領域に対応するタッチを検出する検出部、
前記検出部によって前記文字キーの表示領域に対するタッチを検出したとき、その文字キーの奥行き位置が前か後かを関連付けて文字を記憶する記憶部、および
前記記憶部に記憶された文字のうち、前および後の一方のみの奥行き位置が関連付けられた文字だけを、入力パスワードを構成する文字列として確定する確定部を備える、携帯端末。
【請求項2】
各文字キーの奥行き位置を変化させる変化部をさらに備える、請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記前または後の奥行き位置を指定する指定キーをさらに備え、
前記確定部は、前記検出部によって前記指定キーの表示領域に対するタッチを検出したとき、前記記憶部に記憶された文字のうち、前および後の一方のみの奥行き位置が関連付けられた文字だけを、入力パスワードを構成する文字列として確定する、請求項1または2記載の携帯端末。
【請求項4】
前記記憶部によって記憶された文字を、関連付けられた奥行き位置に基づいて3D表示する入力結果表示部をさらに備える、請求項1ないし3のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項5】
複数の文字キーのうち、一部の文字キーの奥行き位置を前にし、他の一部の文字キーの奥行き位置を後にして前記文字キーを3D表示する文字キー表示部、前記文字キー表示部の上に設けられるタッチパネルおよび文字キーの表示領域に対応するタッチを検出する検出部を有し、認証パスワードを記憶し、前記認証パスワードおよび入力パスワードに基づいて認証処理を実行する、携帯端末のプロセッサを、
前記検出部によって前記文字キーの表示領域に対するタッチを検出したとき、その文字キーの奥行き位置が前か後かを関連付けて文字を記憶する記憶部、および
前記記憶部に記憶された文字のうち、前および後の一方のみの奥行き位置が関連付けられた文字だけを、入力パスワードを構成する文字列として確定する確定部として機能させる、パスワード入力プログラム。
【請求項6】
複数の文字キーのうち、一部の文字キーの奥行き位置を前にし、他の一部の文字キーの奥行き位置を後にして3D表示する文字キー表示部、前記文字キー表示部の上に設けられるタッチパネルおよび文字キーの表示領域に対応するタッチを検出する検出部を有し、認証パスワードを記憶し、前記認証パスワードおよび入力パスワードに基づいて認証処理を実行する、携帯端末のパスワード入力方法であって、
前記検出部によって前記文字キーの表示領域に対するタッチを検出したとき、その文字キーの奥行き位置が前か後かを関連付けて文字を記憶し、そして
記憶された文字のうち、前および後の一方のみの奥行き位置が関連付けられた文字だけを、入力パスワードを構成する文字列として確定する、パスワード入力方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−155501(P2012−155501A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−13549(P2011−13549)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】