説明

携帯電子機器及びキーシート

【課題】狭ピッチキーでもキーシートの浮きをより確実に防止できる携帯電子機器を提供する。
【解決手段】携帯電話機1は、開口部8aを有する送話筐体3と、送話筐体3内部に設けられ、複数の押圧スイッチ31を有するFPC28と、複数の押圧スイッチ31に被せられ、送話筐体3内部に設けられるキーシート24と、キーシート24上に複数の押圧スイッチ31に対応して設けられ、開口部8aから露出する複数の各種キー51〜54とを備え、キーシート24は、送話筐体3に取り付けられた際に、各種キー51〜54を有する部位が筐体内側方向に付勢されるように構成してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機等の携帯電子機器及び当該携帯電子機器等に用いられるキーシートに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電子機器において、筐体から露出する複数のキートップを、ゴム等により構成された1枚のキーシート上に配置する技術が知られている(例えば特許文献1及び2)。
【0003】
特許文献1の携帯電話機では、複数のキートップは、各キートップに対応して筐体に設けられた複数の開口部からそれぞれ露出しており、各キートップの縁部が各開口部の縁部に係合することにより、キートップの筐体外部側への浮き上がりが防止されている。
【0004】
しかし、キートップに対応して複数の開口部を設けることは、キートップ間に筐体と一体構成されるフレームを介在させることであるから、キートップの配置領域の大型化、或は、キートップの露出面積の小型化を招き、操作性を保ちつつ小型化を図ることが困難である。
【0005】
そこで、一の開口部から複数のキートップを露出させる、いわゆる狭ピッチキーが知られている。
【0006】
しかし、狭ピッチキーでは、中央側のキートップは、周囲が他のキートップに囲まれ、キートップの縁部と筐体開口部の縁部とを係合させることができない。従って、複数のキートップの中央側においては、キートップがキーシートと共に浮き上がることがある。
【0007】
特許文献2の携帯電話機では、この問題に鑑み、ゴムラバーからなるキーシート上(キーシートのキートップが設けられている側)にフレーム状の樹脂部材を積層し、樹脂部材によりキーシート、ひいてはキートップの浮き上がりを抑止している。また、特許文献2では、ゴムラバーの下にフレーム状の樹脂部材を接着することによりキーシートの浮き上がりを抑止する技術も開示されている。
【特許文献1】特開2003−8708号公報
【特許文献2】特開2005−123742号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、ゴムラバーのキーシートを樹脂部材により補強して浮き上がりを抑止する場合、ゴムラバーの浮きを十分に抑えられるように樹脂部材の剛性を高くすると、樹脂部材が厚くなるなどし、携帯電子機器の薄型化、軽量化等に不利な場合がある。また、熱膨張等により、樹脂部材自体が浮き上がってしまう場合もある。
【0009】
本発明の目的は、狭ピッチキーでもキーシートの浮きをより確実に防止できる携帯電子機器及びキーシートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の観点の携帯電子機器は、開口部を有する筐体と、前記筐体内部に設けられ、複数の押圧スイッチを有するキー基板と、前記複数の押圧スイッチに被せられ、前記筐体内部に設けられるキーシートと、前記キーシート上に前記複数の押圧スイッチに対応して設けられ、前記開口部から露出する複数のキートップと、を備え、前記キーシートは、前記筐体に取り付けられた際に、前記キートップを有する部位が筐体内側方向に付勢されるように構成してある。
【0011】
好適には、前記キーシートは前記開口部の縁部に係止されると共に、前記キーシートの前記キートップが設けられた面と反対側の面のうち、前記キートップの設けられる部分が、前記開口部の縁部に係止される部分よりも筐体内方にある。
【0012】
好適には、前記開口部の縁部には、前記キーシート側へ突出し、前記筐体内に前記キーシートが取り付けられた際に、前記キーシートを筐体内部方向に付勢する第1突起が設けられている。
【0013】
好適には、前記第1突起よりも前記開口部外周側の位置に、前記キーシートを筐体外側方向に付勢する第2突起が、前記キーシートの前記キートップの設けられた面と反対側の面から前記キー基板側へ突出して、若しくは、前記キーシートのキー基板側の面に面する部品から前記キーシート側へ突出して設けられている。
【0014】
好適には、前記キーシートは、前記キートップが設けられるシート部材と、前記シート部材よりも弾性係数が高く、前記シート部材に積層的に配置されるインナーフレームとを含んで構成されている。
【0015】
好適には、前記インナーフレームは、前記シート部材の前記キートップが設けられる側の面に配置されている。
【0016】
好適には、前記シート部材には、前記キートップが載置される突出部が複数形成され、前記インナーフレームは、前記突出部を貫通させる孔部が複数形成されている。
【0017】
好適には、前記複数のキートップは、互いに連続して設けられ、前記開口部にて露出する際に、隣り合うキートップ間には何も介在させないよう構成される。
【0018】
好適には、前記複数のキートップは、それぞれ、前記開口部からの露出面が前記突出部の天面よりも大きく、前記開口部にて露出する際に、隣り合うキートップ間には何も介在させないよう構成される。
【0019】
本発明の第2の観点の携帯電子機器は、開口部を有する筐体と、前記筐体内部に設けられ、複数の押圧スイッチを有するキー基板と、前記複数の押圧スイッチに被せられ、前記筐体内部に設けられるキーシートと、前記キーシート上において前記複数の押圧スイッチに対応して設けられ、前記開口部から露出する複数のキートップと、を備え、前記キーシートは、前記キー基板側へ凸に曲げる方向の曲げモーメントを、前記開口部の外周側から付与された状態で保持されている。
【0020】
本発明の第3の観点の携帯電子機器は、前記筐体内部に設けられ、複数の押圧スイッチを有するキー基板と、前記複数の押圧スイッチに被せられるように前記キー基板上に配され、前記筐体内部に設けられるキーシートと、前記キーシート上において前記複数の押圧スイッチに対応して設けられ、前記開口部から露出する複数のキートップと、を備え、前記キーシートは、前記開口部の内周側において前記キー基板から受ける前記キートップ側への力と、前記開口部の外周側において受ける前記キー基板側への力とにより、弾性変形した状態で保持されている。
【0021】
本発明の第4の観点のキーシートは、筐体に形成された開口部から露出する複数のキートップを有するキーシートであって、前記複数のキートップが設けられる側の面が前記複数のキートップの設けられる部分の周囲に比べて凹となるように形成され、前記複数のキートップは、互いに連続して設けられ、前記開口部にて露出する際に、隣り合うキートップ間には何も介在させないよう構成されている。
【0022】
好適には、前記キートップが設けられるシート部材と、前記シート部材よりも弾性係数が高く、前記シート部材に積層的に配置されるインナーフレームと、を含んで構成されている。
【0023】
好適には、前記インナーフレームは、前記シート部材の前記キートップが設けられる側の面に配置されている。
【0024】
好適には、前記シート部材には、前記キートップが載置される突出部が複数形成され、前記インナーフレームは、前記突出部を貫通させる孔部が複数形成されている。
【0025】
好適には、前記複数のキートップは、それぞれ、前記開口部からの露出面が前記突出部の天面よりも大きい。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、狭ピッチキーでもキーシートの浮きをより確実に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(第1の実施形態)
図1及び図2は、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機1を示す外観斜視図である。携帯電話機1はいわゆる折り畳み式の携帯電話機として構成されており、図1は開状態を、図2(a)及び図2(b)は閉状態をそれぞれ示している。
【0028】
携帯電話機1は、受話筐体2と、送話筐体3とを備えている。受話筐体2及び送話筐体3は、それぞれの端部が連結部4により連結されており、携帯電話機1は、連結部4側を回動の中心として開閉可能である。受話筐体2及び送話筐体3は、それぞれ概ね薄型直方体に形成されており、閉状態では互いに重ね合わされ、一方の筐体側から他方の筐体側を見たときに互いの輪郭が略一致するようになっている。
【0029】
受話筐体2は、閉状態で送話筐体3に対向する面側の正面側ケース6と、その背面側の背面側ケース7とを備えている。正面側ケース6及び背面側ケース7は、例えば樹脂によりそれぞれ成形されている。受話筐体2の正面側ケース6には、通話用のスピーカの放音口13が開口している。
【0030】
受話筐体2には、正面に画像を表示するメイン表示部11と、背面に画像を表示するサブ表示部12とが設けられている。メイン表示部11及びサブ表示部12は、例えば液晶表示ディスプレイによって構成されている。
【0031】
送話筐体3は、閉状態で受話筐体2に対向する面側の正面側ケース8と、その背面側の背面側ケース9と、背面側ケース9の背面側に被せられる蓋体10とを備えている。正面側ケース8、背面側ケース9及び蓋体10は、例えば樹脂によりそれぞれ成形されている。送話筐体3の正面側ケース8には通話用のマイクの集音口18が開口し、蓋体10には報知用スピーカの放音口19が開口している。
【0032】
送話筐体3には、ユーザの操作を受け付ける操作部17が設けられている。操作部17は、キートップとして、多方向キー51、決定キー52、ダイヤルキー53、ファンクションキー54を備えており、これらの各種キーは正面側ケース8より露出している。なお、以下では、操作部17の説明において、受話筐体2を上側に、送話筐体3を下側にして操作部17を正面から見たときの上下左右を、操作部17の上下左右として説明することがある。
【0033】
図3は、送話筐体3内部の概略構成を示す分解斜視図である。送話筐体3においては、正面側ケース8、キーアセンブリ21、基板アセンブリ22、背面側ケース9、蓋体10の順に積層される。キーアセンブリ21及び基板アセンブリ22は、正面側ケース8と背面側ケース9とをねじ等により互いに固定することにより、正面側ケース8及び背面側ケース9に挟まれて固定される。なお、正面側ケース8の開口周縁内側や背面側ケース9には、その内側にキーアセンブリ21や基板アセンブリ22を上下左右方向において位置決めするための不図示のボス等が設けられている。
【0034】
基板アセンブリ22は、基板26と、基板26のキーアセンブリ21側に被せられるシールドケース27と、シールドケース27上に配置されるフレキシブルプリント配線板(FPC、キー基板)28とを備えている。
【0035】
基板26は、例えば、硬質の樹脂をベースとした回路基板により構成されている。基板26には、無線通信を行うための高周波回路、携帯電話機1全体の動作を制御する制御回路等、各種の電子回路、電気素子が設けられている。
【0036】
シールドケース27は、例えば金属により形成されており、基板26に被せられるとともに基板26のグランド層に電気的に接続され、高周波回路等の基板26に設けられた各種の電子回路や電気素子をシールドしている。シールドケース27は、例えば略矩形の箱体状に形成され、基板26に平行でFPC28が載置される天面及び天面の周囲を囲む側面を有している。シールドケース27の内部には、各種電子回路や電気素子を区画するリブ27a(図6参照)が設けられている。
【0037】
FPC28は、キーアセンブリ21側に、複数の押圧スイッチ31と、複数のLED(発光素子)32とを備えている。FPC28は不図示の信号線を介して基板26と電気的に接続されており、押圧スイッチ31の押圧に対応する信号を基板26の制御回路に出力する。
【0038】
押圧スイッチ31は、例えば、多方向キー51の上下左右に対応して4個、決定キー52に対応して1個、1個のダイヤルキー53に対応して1個(合計15個)、1個のファンクションキー54に対応して1個(合計4個)配置されている。
【0039】
図4(a)は、筐体外部側から見たキーアセンブリ21の斜視図、図4(b)は、筐体内部側から見たキーアセンブリ21の斜視図、図5は、キーアセンブリ21の分解斜視図である。なお、以下において、各種構成要素の図4(a)紙面上方側の面を天面、その裏側、すなわち、図4(b)紙面上方側の面を裏面ということがある。
【0040】
キーアセンブリ21は、キーシート24の天面に、各種キー51〜54が接合されて構成されている。キーシート24は、シート部材35と、インナーフレーム36と、光拡散シート37とが積層されて構成されている。
【0041】
各種キー51〜54(キートップ)は、例えばABS樹脂などの硬質の材質により形成されている。決定キー52、ダイヤルキー53及びファンクションキー54は透光性を有し、LED32からの光を透過可能である。なお、多方向キー51も透光性を有していてもよい。各種キー51〜54は、互いに隣接(連続)して配置されている。具体的には、多方向キー51の中央の開口部51aに決定キー52が配置され、多方向キー51の左右に2つずつファンクションキー54が隣接し、多方向キー51及びファンクションキー54の下方にはダイヤルキー53が隣接している。ダイヤルキー53は、5行3列のマトリックス状に配列されている。各種キー51〜54は、互いの縁部の形状が一致するように形成されており、また、側面は押圧方向に略平行であり、各種キー51〜54間の隙間は比較的小さく、実質隣接している。
【0042】
そして、各種キー51〜54は、図1及び図3に示すように、正面側ケース8に設けられた開口部8aから共に露出する。換言すれば、各種キー51〜54の間には何も介在しない。従って、各種キー51〜54のうち中央側のキーは、他のキーに囲まれるため、開口部8aの縁部に係合することができず、開口部8aの縁部によっては浮き上がりを防止することはできない。
【0043】
シート部材35は、例えばシリコンゴムなどの軟質の材質により形成されている。また、シート部材35は、透光性を有し、LED32からの光を透過可能である。シート部材35は、図5に示すように、概ね矩形のシート状に形成され、各種キー51〜54に対応する位置に、換言すれば、押圧スイッチ31に対応する位置に、各種キー51〜54側へ突出する突出部38〜42を複数有している。
【0044】
具体的には、多方向キー51の上下左右に対応する位置に4個の突出部38が、その間の方向に4個の突出部39が、決定キー52に対応する位置に突出部40が、ダイヤルキー53に対応する位置に突出部41が、ファンクションキー54に対応する位置に突出部42が設けられている。なお、突出部39は、多方向キー51を斜め押ししたときの多方向キー51の浮き上がりを防止するためのものであり、突出部39に対応する押圧スイッチ31は設けられていない。
【0045】
突出部38〜42の各種キー51〜54側への突出量は互いに略同一である。また、突出部38〜42の天面側の面積は、各種キー51〜54の天面側の面積よりも小さい。換言すれば、突出部38〜42の天面は、各種キー51〜54に覆われ、各種キー51〜54の隙間から視認されない。例えば、突出部38及び突出部39の面積は、多方向キー51の面積を突出部の数で割った(8等分した)広さの5割〜9割程度であり、突出部40〜42の面積は、それぞれ各種キー52〜54の面積の5割〜9割程度である。
【0046】
図4(b)及び図5に示すように、突出部38〜42は、シート部材35の天面側へ突出するとともに、突出部38〜42の厚さは、突出部以外の部分よりも厚く形成され(図6も参照)、その裏側を窪ませるように形成されている。
【0047】
ダイヤルキー53に対応する突出部41、及び、ファンクションキー54に対応する突出部42は、突出側の形状と、窪み側の形状は略同じである。ただし、窪み側のサイズは少し小さい。また、窪み側の略中央には、各種キー51〜54とは反対側に突出し、押圧スイッチ31に当接する押し子44が形成されている。押し子44は押圧スイッチ31に対して当接又は所定の微小隙間で対向する。
【0048】
多方向キー51に対応する突出部38及び39、並びに、決定キー52に対応する突出部40においては、これらの突出部38〜40に亘る広さの凹部43(図4(b))が裏面側に形成されている。凹部43には、突出部38の略中央及び突出部40の略中央となる位置に、各種キー51〜54とは反対側に突出する押し子44が形成されている。
【0049】
各種キー51〜54は、突出部38〜42に対して接合される。接合は例えば接着剤により行われる。多方向キー51は、4個の突出部38に接合されるとともに、4個の突出部39にも接合される。各種キー51〜54が押下されると、押し子44が押圧スイッチ31を押圧する。
【0050】
突出部41の4隅側等には、LED32を収納するための複数の凹部46(図4(b))が設けられている。また、凹部43にも、突出部39の配置位置に、LED32等を収納する凹部45が設けられている。
【0051】
シート部材35の外周には、基板アセンブリ22に螺合される不図示のねじを挿通するための貫通孔47や、背面側ケース9のネジボス等に嵌合する切り欠き部48が設けられている。なお、後述するように、キーアセンブリ21は、正面側ケース8及び基板アセンブリ22により、外周側が浮き上がるように挟持されるから、貫通孔47に挿通されるねじは、シート部材35を基板アセンブリ22に対して堅固に固定するように螺合されずに、キーアセンブリ21が基板アセンブリ22に対して積層方向に微小量移動できるように螺合されてもよいし、省略されてもよい。
【0052】
インナーフレーム36は、シート部材35よりも弾性係数(剛性)が高い材料で形成されている。例えば、シート部材35がシリコンゴムにより形成されているのに対し、インナーフレーム36は、ポリカーボネイト等の樹脂により形成されている。すなわち、それぞれの材料の硬度は、各種キー51〜54をx、インナーフレーム36をy、シート部材35をzとすると、x>y>zとの関係が成り立っている。また、インナーフレーム36は、LED32からの光を透過可能な材質により形成されている。
【0053】
インナーフレーム36は、シート部材35と同程度の広さのシート状に形成されている。そして、インナーフレーム36には、突出部38〜42が貫通する開口部49が複数形成されている。開口部49の形状は、例えば、突出部38〜42が嵌合する形状である。インナーフレーム36は、シート部材35に対して接合されない。ただし、接着剤等によりシート部材35に接合してもよい。接合しない場合には組立工程が簡略化され、接合する場合にはキーアセンブリ21全体の剛性が向上する。
【0054】
光拡散シート37は、例えば、光を透過可能な樹脂等に乳白色の光拡散物質が混入されて形成されており、光拡散シート37を透過する光を拡散可能である。光拡散シート37は、例えば平面視においてインナーフレーム36と同様の形状に形成され、突出部38〜突出部42が貫通する開口部50を複数有している。光拡散シート37は、インナーフレーム36に対して接合されてもよいし、接合されなくてもよい。
【0055】
図6(a)は、図1のVI−VI線矢視方向における断面図であり、図6(b)は、図6(a)の領域Aの拡大図である。
【0056】
上述のように、携帯電話機1では、基板26上に、順に、シールドケース27、FPC28(図6(b))、シート部材35、インナーフレーム36、光拡散シート37(図6では図示を省略)、正面側ケース8が積層されている。また、シート部材35の突出部41はインナーフレーム36を貫通し、突出部41上に設けられたダイヤルキー53は正面側ケース8の開口部8aから露出している。
【0057】
キーシート24(シート部材35、インナーフレーム36、光拡散シート37)は、携帯電話機1の筐体に組み込まれる前は平面状である。そして、キーシート24は、携帯電話機1の筐体に組み込まれると、線L1で示すように、中央側が縁部側に対して基板26側へ撓んだ(弾性変形した)状態で保持される。換言すれば、キーシート24の断面は、ダイヤルキー53の設けられる部分の特に周縁部分が、開口部8aの縁部に係止される部分よりも筐体内側方向に湾曲した状態となっている。
【0058】
なお、線L1は、キーシート24が撓んでいる状態を概念的に示すものであり、キーシート24の撓みをやや誇張して示している。逆に、キーシート24は、線L1との比較のために、撓んでいない状態で示している。
【0059】
キーシート24を撓ませる曲げモーメントM1は、正面側ケース8の開口部8aの縁部に設けられた第1突起8bと、第1突起8bよりも開口部8aの外周側(第1突起8bの設けられる部分に対してキートップとは反対側)において、シールドケース27の天面に設けられた第2突起27bとによってキーシート24に付与されている。換言すれば、曲げモーメントM1は、開口部8aの外周側において付与されている。
【0060】
第1突起8bは、例えば樹脂により形成され、正面側ケース8の射出成形時に他の部分と一体的に形成される。第1突起8bは、キーシート24側(筐体内部側)へ突出している。第1突起8bは、例えば、開口部8aの縁部に沿って延びる突条に形成されており、開口部8aの全周に亘って設けられている。第1突起8bの断面形状は適宜に設定してよいが、例えば、略直角三角形に形成されている。三角形の図6(b)の紙面左側の一辺は、開口部8aを形成しており、ダイヤルキー53の押圧方向(紙面上下方向)に平行である。三角形の図6(b)の紙面右側の一辺は、ダイヤルキー53の押圧方向に傾斜しており、第1突起8bの裾野を形成している。三角形の頂部は曲線状に面取りされている。
【0061】
第2突起27bは、例えば、金属により形成され、シールドケース27の他の部分と一体的に設けられている。例えば、板金を、シールドケース27の天面と、天面の周囲の側面とに折り曲げ加工する際に、折り目が天面側に突出するように加工することにより形成される。第2突起27bは、キーシート24側に突出し、FPC28の厚さよりも高く、キーシート24に当接する。第2突起27bは、例えばシールドケース27の天面の縁部に沿って延びる突条に形成されており、シールドケース27の全周に亘って設けられている。この第2突起27bは一例としてシールドケース27に設けているが、FPC28上に設けてもよく、要は、開口部にキートップ、その開口周縁部に第1突起8b、さらに外周部に第2突起27bが配され、かつ、第1突起8bがキーシート24の表側(キートップの設けられる側)を、第2突起27bが裏側を押さえつけることができる位置であればよい。
【0062】
正面側ケース8を背面側ケース9に対して合体させると、第1突起8bは、光拡散シート37(図6では不図示)に当接してキーシート24に筐体内側方向への力F1を加える。キーシート24は、シート部材35に当接している第2突起27bから、反力として、筐体外側方向への力F2を受ける。第2突起27bは、第1突起8bから外周側にずれた位置に配置されているから、キーシート24は、FPC28側へ凸に曲げる方向の曲げモーメントM1を縁部側において付与されることになる。
【0063】
曲げモーメントM1は、キーシート24の中央側へ伝達され、キーシート24の中央側を筐体内側方向へ付勢する力として働く。換言すれば、キーシート24は、携帯電話機1の筐体に取り付けられた際に、キートップ(ダイヤルキー53等)が筐体内側方向に付勢されるよう開口部8aの縁部にて係止される。従って、キーシート24がFPC28に押さえつけられる形となり、中央側のダイヤルキー53の浮き上がりが防止される。
【0064】
キーシート24は、自重及び曲げモーメントM1により、中央側が撓み、FPC28に当接している。FPC28はシールドケース27の平面状の天面に支持されている。従って、キーシート24は、中央側においてはFPC28を介してシールドケース27に支持されて平面状であり、その外周側において湾曲している。このため、全体としては湾曲しつつも、ダイヤルキー53の配置位置においては平面状であり、ダイヤルキー53は平面的に配置されている。なお、第1突起8b及び第2突起27bは開口部8aの全周に亘って設けられているから、キーシート24は、すり鉢状(球面状)に湾曲し、かつ、FPC28に当接するキートップの設けられる領域はFPC28あるいはシールドケース27天面にて湾曲が補正されて平面となる。
【0065】
図6では、キートップ(各種キー51〜54)の代表として、ダイヤルキー53を図示して説明したが、他のキートップについても、キーシート24に曲げモーメントM1が付与されることにより、浮き上がりが防止されることは同様である。
【0066】
シート部材35の縁部には、天面側に突出する突条部35cが設けられている。前面側ケース8の筐体内側には、キーシート24側に突出し、突条部8cの内周側に係合可能な突条部8cが設けられている。突条部35c及び突条部8cは、図6(b)では係合していないが、キーシート24が線L1で示すように湾曲した場合に係合し、キーシート24の弛み及びキーシート24の浮き上がりを防止する。これにより、第2突起27bを支点として突条部8cによる紙面下方向の力が、第2突起27bを挟んで反対側において上方向の力となり、さらにこの上方向の力が、第1突起8bを支点として反対側のキートップの設けられる領域において下方向の力となり、キーシート24をFPC28側に押さえつける力が増すことになる。
【0067】
以上の第1の実施形態によれば、キーシート24は、送話筐体3に取り付けられた際に、各種キー51〜54が筐体内側方向に付勢されるよう開口部8aの縁部にて係止されるから、各種キー51〜54を付勢する力によりキーシート24及び各種キー51〜54の浮きが防止される。また、付勢力は縁部の係止によって生じるから、浮き上がり防止のために各種キー51〜54間に筐体と連続して形成されるフレームを介在させて各種キー51〜54を筐体に係合させる必要がない。従って、いわゆる狭ピッチキーにおいても浮き上がりを防止できる。浮き上がりの防止によって、キートップのストロークのばらつきによる操作時のフィーリング不良の抑制や、閉状態におけるキートップと表示部11との接触の抑制等の効果が得られる。
【0068】
キーシート24は、その断面において、各種キー51〜54の設けられる部分の特に周縁部が、開口部8aの縁部に係止される部分よりも筐体内側方向に湾曲している。具体的には、送話筐体3に組み込まれていないときに平面状のキーシート24が、送話筐体3に組み込まれることにより曲げモーメントM1が付与されて湾曲している。従って、曲げモーメントM1が各種キー51〜54を付勢する力として働き、キートップの浮き上がりが防止される。さらに、従来のように、平面状のキーシート24の利用が可能である。
【0069】
開口部8aの縁部には、第1突起8bが設けられ、送話筐体3内にキーシート24が取り付けられた際に、第1突起8bによりキーシート24が筐体内部方向に付勢される。従って、送話筐体3の組み立てと同時にキーシート24を付勢することになり、組立工程が簡略化される。
【0070】
第1突起8bよりも開口部8a外周側の位置に、キーシート24を筐体外側方向に付勢する第2突起27bが、FPC28側からキーシート24側へ突出して設けられていることから、キーシート24をFPC28(シールドケース27)に載置することにより、第2突起27bからの付勢力を得て、第1突起8b及び第2突起27bによる曲げモーメントM1を得ることができ、構成が簡単である。
【0071】
キーシート24は、キートップが設けられるシート部材35と、シート部材35よりも弾性係数が高く、シート部材35に積層的に配置され、シート部材35を介してキートップを筐体内側方向に付勢するインナーフレーム36とを含んで構成されている。すなわち、インナーフレーム36により剛性が確保されるから、小さな撓みで比較的大きな曲げモーメントM1がキーシート24の中央側に伝達され、浮き上がりが確実に防止されるとともに、キートップの天面を平面状に揃えることが容易となる。また、インナーフレーム36も第1、第2突起がないときに比して強度が小さく済むので、厚さを抑えることができる。
【0072】
また、インナーフレーム36は、シート部材35のキートップが設けられる側の面に配置されているから、インナーフレーム36とシート部材35とを接着しなくても、シート部材35の浮き上がりをインナーフレーム36により抑止できる。
【0073】
各種キー51〜54は、それぞれ開口部8aからの露出面が突出部38〜42の天面よりも大きく、開口部8aから露出する際に、各種キー51〜54間に何も介在させないように構成されるから、操作部17を小型化しつつ、各種キー51〜54の表面積を大きくして操作性を向上できる。その一方で突出部38〜42間には、弾性変形した突出部38〜42が収納されるスペースを確保できる。
【0074】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態の携帯電話機101を示す断面図である。なお、第1の実施形態と同一の構成については、第1の実施形態と同一符号を付す。
【0075】
第2の実施形態のキーシート124は、送話筐体3に組み込まれていないとき、線L2で示すように、FPC28側を凸とする曲面状(球面状)である。そして、キーシート24は、送話筐体3に組み込まれたときには、開口部8aの外周側において正面側ケース8の第1突起8bからFPC28への力F3を受けるとともに、開口部8aの内周側においてFPC28を介してシールドケース127からの反力としての力F4を受ける。なお、シールドケース127には、第1の実施形態の第2突起27bに対応する突起は設けられていない。従って、キーシート124は、力F3及びF4により生じた、FPC28側に凹に曲げる曲げモーメントM2を受けて弾性変形し、略平面状になった状態で送話筐体3に組み込まれる。ただし、第2突起27bを設けることもできる。
【0076】
キーシート124は、曲げモーメントM2に対する反力として、FPC28側を凸とする曲げモーメントを生じている。つまり、弾性変形により、第1突起8bに支持された縁部側に対して、中央側をFPC28側に付勢する復元力F4′(=−F4)を生じている。換言すれば、キーシート124は、送話筐体3に取り付けられた際に、キートップが筐体内側方向に付勢されるよう開口部8aの縁部にて係止される。従って、付勢力によりキートップの浮き上がりが防止される。
【0077】
このような筐体に組み込まれていない(外力を付与されていない)とき湾曲しているキーシート124は、種々の方法により形成可能である。
【0078】
例えば、2色成形特有の2材質間の収縮率を利用する方法がある。例えば、硬化時の収縮率の異なる2種類の熱可塑性樹脂を積層するように射出成形を行ってインナーフレーム136を形成することにより、湾曲したキーシート124を形成することができる。
【0079】
また、例えば、熱可塑性樹脂によりインナーフレーム136を平面状に射出成形しておき、その後に加熱しつつ曲げモーメントを付与することにより変形させるなど、いわゆるアニールによって形成することもできる。
【0080】
以上の第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、キーシート124は、送話筐体3に取り付けられた際に、各種キー51〜54が筐体内側方向に付勢されるよう開口部8aの縁部にて係止されるから、各種キー51〜54を付勢する力によりキーシート124及び各種キー51〜54の浮きが防止される。また、付勢力は縁部の係止によって生じるから、浮き上がり防止のために各種キー51〜54間に筐体を介在させて各種キー51〜54を筐体に係合させる必要がない。従って、いわゆる狭ピッチキーにおいても浮き上がりを防止できる。
【0081】
キーシート124は、その断面において、各種キー51〜54の設けられる部分が、開口部8aの縁部に係止される部分よりも筐体内側方向に湾曲している。具体的には、キーシート124は、送話筐体3への組み込み前に湾曲している。従って、キーシート124は、送話筐体3に組み込まれて平面状になった状態で復元力F4′を生じ、キートップの浮き上がりが防止され、また、キートップを平面状に配列することが容易になる。
【0082】
開口部8aの縁部には、第1突起8bが設けられ、送話筐体3内にキーシート124が取り付けられた際に、第1突起8bによりキーシート124が筐体内部方向に付勢される。従って、送話筐体3の組み立てと同時にキーシート124の復元力を生じさせることができ、組立工程が簡略化される。
【0083】
キーシート124は、キートップが設けられるシート部材135と、シート部材135よりも弾性係数が高く、シート部材135に積層的に配置され、シート部材135を介してキートップを筐体内側方向に付勢するインナーフレーム136とを含んで構成されている。すなわち、インナーフレーム136により剛性が確保されるから、小さな弾性変形で比較的大きな曲げモーメントM2がキーシート124に生じる。従って、浮き上がりが確実に防止される。
【0084】
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施してよい。
【0085】
本発明が適用される電子機器は、キートップを有するものであればよく、携帯電話機に限定されない。本発明は、ノートパソコンやPDA等の携帯電子機器の他、産業用機械の操作パネルや自動車の操作パネル等、種々の電子機器に利用できる。
【0086】
キーシートの湾曲は、キーシートの少なくとも一部が、所定の方向において湾曲していればよい。従って、中央が縁部全周に対して突出するような球面状の湾曲に限定されず、直線状の尾根を形成するように湾曲していてもよいし、実施形態のように、中央側が基板に当接するなどして平面状になっていてもよい。
【0087】
キーシートへの曲げモーメントの付与は、適宜な方法で行ってよく、第1突起、第2突起によるものに限定されない。例えば、第1突起に代えて、キーシートに挿通され、キー基板に螺合されるねじにより、キーシートをキー基板側へ付勢する力を生じさせてもよい。
【0088】
第1突起、第2突起は、キートップを露出させる開口部の全周に亘って設けられていなくてもよい。例えば、開口部が楕円や長方形である場合、長手方向においてキーシートの撓み(浮き上がり)が生じやすいから、開口部の長手方向において対向する縁部側においてのみ第1突起や第2突起を設けるようにしてもよい。また、第1突起、第2突起は、突条部でなくてもよく、例えば、複数の凸部を開口部の周囲に配列するようにしてもよい。
【0089】
第2突起は、第1突起よりも外周側においてキーシートをキー基板に対して離間させて支持することができればよく、シールドケースに設けられるものに限定されない。例えば、キーシートに設けられ、キー基板側に突出するものでもよい。また、キーシートが載置されるFPCや樹脂基板等の基板に設けられ、キーシート側へ突出するものでもよい。
【0090】
第1突起、第2突起は、筐体やシールドケースに一体成形されるものに限定されない。例えば、線状のゴムを開口部の縁部やシールドケース天面の縁部に接着剤等により固定して第1突起、第2突起を設けるなど、後付であってもよい。
【0091】
インナーフレームは、必須の要件ではなく、また、シート部材のキー基板側に設けられていてもよい。図8に示すように、突出部38〜42に対応する位置に開口部236を有するインナーフレーム236を、シート部材35の筐体内部側に接合してキーシートを構成してもよい。この場合、突出部38〜42のストロークを確保しやすい。
【0092】
第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせてもよい。例えば、筐体に組み込まれる前において、中央側ほどキートップ側を凹として湾曲し(中央側ほど曲率が高く、又は、外周側は平板状)、中央側から第1突起8bまでは第1の実施形態の線L1よりも湾曲するキーシートを、第1の実施形態の第1突起8b及び第2突起27bにより挟み込む。この場合、第1突起8bの下方への力と、キーシート中央側におけるFPC28からの反力とにより、中央側の湾曲が線L1の位置まで矯正されて、第2の実施形態のように、キーシートのキートップが設けられる領域をFPC28に押し付ける復元力が生じる。そして、第1突起8bにより湾曲が矯正された状態では第1突起8bよりも外周側は線L1よりも下方に位置しようとするが、第2突起27bにより上方の力が付与され、当該上方への力は、第1の実施形態のように、第1突起8bを支点としてキーシートのキートップが設けられる領域をFPC28に押し付ける力になり(曲げモーメントM1が付与され)、キーシートをFPC28に押し付ける力が増加する。従って、より確実にキートップの浮き上がりを防止可能である。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の第1の実施形態の携帯電話機を開状態で示す外観斜視図。
【図2】図1の携帯電話機を閉状態で示す外観斜視図。
【図3】図1の携帯電話機の送話筐体内部の概略構成を示す分解斜視図。
【図4】図3のキーアセンブリを示す斜視図。
【図5】図3のキーアセンブリの分解斜視図。
【図6】図1のVI−VI線矢視方向における断面図。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る携帯電話機の断面図。
【図8】本発明のキーアセンブリの変形例を示す図。
【符号の説明】
【0094】
1…携帯電話機(携帯電子機器)、3…送話筐体、8a…開口部、24…キーシート、26…キー基板、31…押圧スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する筐体と、
前記筐体内部に設けられ、複数の押圧スイッチを有するキー基板と、
前記複数の押圧スイッチに被せられ、前記筐体内部に設けられるキーシートと、
前記キーシート上に前記複数の押圧スイッチに対応して設けられ、前記開口部から露出する複数のキートップと、
を備え、
前記キーシートは、前記筐体に取り付けられた際に、前記キートップを有する部位が筐体内側方向に付勢されるように構成してあることを特徴とする
携帯電子機器。
【請求項2】
請求項1において、前記キーシートは前記開口部の縁部に係止されると共に、前記キーシートの前記キートップが設けられた面と反対側の面のうち、前記キートップの設けられる部分が、前記開口部の縁部に係止される部分よりも筐体内方にあることを特徴とする携帯電子機器。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記開口部の縁部には、前記キーシート側へ突出し、前記筐体内に前記キーシートが取り付けられた際に、前記キーシートを筐体内部方向に付勢する第1突起が設けられている携帯電子機器。
【請求項4】
請求項3において、前記第1突起よりも前記開口部外周側の位置に、前記キーシートを筐体外側方向に付勢する第2突起が、前記キーシートの前記キートップの設けられた面と反対側の面から前記キー基板側へ突出して、若しくは、前記キーシートのキー基板側の面に面する部品から前記キーシート側へ突出して設けられている携帯電子機器。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項において、
前記キーシートは、
前記キートップが設けられるシート部材と、
前記シート部材よりも弾性係数が高く、前記シート部材に積層的に配置されるインナーフレームと、
を含んで構成されている携帯電子機器。
【請求項6】
請求項5において、前記インナーフレームは、前記シート部材の前記キートップが設けられる側の面に配置されている携帯電子機器。
【請求項7】
請求項6において、前記シート部材には、前記キートップが載置される突出部が複数形成され、
前記インナーフレームは、前記突出部を貫通させる孔部が複数形成されている携帯電子機器。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項において、前記複数のキートップは、互いに連続して設けられ、前記開口部にて露出する際に、隣り合うキートップ間には何も介在させないよう構成される携帯電子機器。
【請求項9】
請求項7において、前記複数のキートップは、それぞれ、前記開口部からの露出面が前記突出部の天面よりも大きく、前記開口部にて露出する際に、隣り合うキートップ間には何も介在させないよう構成される携帯電子機器。
【請求項10】
開口部を有する筐体と、
前記筐体内部に設けられ、複数の押圧スイッチを有するキー基板と、
前記複数の押圧スイッチに被せられ、前記筐体内部に設けられるキーシートと、
前記キーシート上において前記複数の押圧スイッチに対応して設けられ、前記開口部から露出する複数のキートップと、
を備え、
前記キーシートは、前記キー基板側へ凸に曲げる方向の曲げモーメントを、前記開口部の外周側から付与された状態で保持されている
携帯電子機器。
【請求項11】
開口部を有する筐体と、
前記筐体内部に設けられ、複数の押圧スイッチを有するキー基板と、
前記複数の押圧スイッチに被せられるように前記キー基板上に配され、前記筐体内部に設けられるキーシートと、
前記キーシート上において前記複数の押圧スイッチに対応して設けられ、前記開口部から露出する複数のキートップと、
を備え、
前記キーシートは、前記開口部の内周側において前記キー基板から受ける前記キートップ側への力と、前記開口部の外周側において受ける前記キー基板側への力とにより、弾性変形した状態で保持されている
携帯電子機器。
【請求項12】
筐体に形成された開口部から露出する複数のキートップを有するキーシートであって、
前記複数のキートップが設けられる側の面が前記複数のキートップの設けられる部分の周囲に比べて凹となるように形成され、
前記複数のキートップは、互いに連続して設けられ、前記開口部にて露出する際に、隣り合うキートップ間には何も介在させないよう構成されている
キーシート。
【請求項13】
請求項12において、
前記キートップが設けられるシート部材と、
前記シート部材よりも弾性係数が高く、前記シート部材に積層的に配置されるインナーフレームと、
を含んで構成されているキーシート。
【請求項14】
請求項13において、前記インナーフレームは、前記シート部材の前記キートップが設けられる側の面に配置されているキーシート。
【請求項15】
請求項14において、前記シート部材には、前記キートップが載置される突出部が複数形成され、
前記インナーフレームは、前記突出部を貫通させる孔部が複数形成されているキーシート。
【請求項16】
請求項15において、前記複数のキートップは、それぞれ、前記開口部からの露出面が前記突出部の天面よりも大きいキーシート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−141076(P2007−141076A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−336026(P2005−336026)
【出願日】平成17年11月21日(2005.11.21)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】