説明

携帯電話、印刷装置、印刷システムおよびその印刷方法

【課題】印刷イメージを確認できる携帯電話と、携帯電話からのデータを印刷する印刷装置とからなる印刷システムの提供を目的とする。
【解決手段】携帯電話は、所定の形式のデータを組み込んで印刷する書式である印刷フォーマットを無線通信で印刷装置から取得し、印刷フォーマットに印刷を所望するデータを組み込んだ印刷イメージを表示する。その表示に基づいて、印刷する印刷フォーマットを確定すると共に、データの調整を行ない、調整したデータを無線通信で印刷装置に送信する。印刷装置は、印刷フォーマットを記憶しており、携帯電話からの要求に基づいて、該当する印刷フォーマットを読み出し、それを無線通信で携帯電話に送信できる。印刷装置は、携帯電話で確定された印刷フォーマットに送信されたデータを組み込んで印刷を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信機能を備えた携帯電話、この携帯電話からのデータを印刷する印刷装置からなる印刷システムおよびその印刷方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、デジタルスチルカメラや携帯電話などからの画像データ等を、パーソナルコンピュータを介さずに直接的に印刷可能な印刷装置がある。この印刷装置は、入力した画像データを印刷可能なビットマップデータに展開するプリンタドライバを内蔵し、印刷装置側で設定した印刷条件にしたがって印刷を実行している。この印刷装置は、印刷用紙のサイズや印刷枚数や印刷のフォーマット等の印刷条件を設定する操作パネルを有し、ユーザが予め印刷装置に記憶された印刷条件の中から一を選択することで、その条件にしたがった印刷を実行していた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−200637号公報
【0004】
例えば、こうした印刷装置と携帯電話とから構成される印刷システムにおいては、携帯電話の電話帳データを印刷装置に送信し、印刷装置に記憶されている所定のフォーマットを選択することで、氏名、電話番号等を所定の形式で記載した一覧表の印刷や、電話帳データから選択した一のデータを予め定めたフォーマットで印刷することが可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、こうした印刷システムでは、携帯電話は印刷を所望するデータを印刷装置に送信するのみで、印刷結果を予め確認できないという問題があった。つまり、選択した印刷フォーマットにデータを組み込んだ印刷イメージを表示できないため、例えば、印刷フォーマットの枠からの文字のはみ出しや、改行箇所の不具合などに関して、印刷結果を得るまでユーザは確認できなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の印刷システムは、上記課題の少なくとも一部を解決するため、以下の手法を採った。すなわち、所定の形式のデータを記憶可能であり、該データを表示する表示部を備えた携帯電話と、該携帯電話からのデータの印刷を行なう印刷装置とからなる印刷システムであって、前記携帯電話は、近距離無線通信を行なう無線通信手段と、前記データを組み込んで印刷する書式である印刷フォーマットの少なくとも1つを、前記無線通信手段を用いて、前記印刷装置から取得するフォーマット取得手段と、前記印刷フォーマットに印刷を所望する前記データを組み込んだ印刷イメージを、前記表示部に表示する印刷イメージ表示手段と、前記表示された印刷イメージに基づいて、印刷する印刷フォーマットを確定すると共に、前記データの調整を行なう印刷イメージ調整手段と、前記調整したデータを、前記無線通信手段を用いて、前記印刷装置に送信する送信制御手段とを備え、前記印刷装置は、前記携帯電話と通信する無線通信手段と、前記印刷フォーマットを記憶する記憶手段と、前記携帯電話からの要求に基づいて、前記記憶手段から該当する1つの印刷フォーマットを読み出し、該印刷フォーマットを前記無線通信手段を用いて前記携帯電話に送信するフォーマット管理手段と、前記携帯電話で確定された前記印刷フォーマットに該携帯電話から送信された前記データを組み込んで印刷用のデータを作成する印刷データ作成手段と、前記印刷データを印刷可能に展開して印刷を実行する印刷制御手段とを備えたことを要旨としている。
【0007】
また、本発明の印刷システムの印刷方法は、所定の形式のデータを記憶可能であり、該データを表示する表示部を備えた携帯電話と、該携帯電話からのデータの印刷を行なう印刷装置とからなる印刷システムの印刷方法であって、前記携帯電話は、前記データを組み込んで印刷する書式である印刷フォーマットの少なくとも1つを、無線通信を用いて、前記印刷装置から取得し、前記印刷フォーマットに印刷を所望する前記データを組み込んだ印刷イメージを、前記表示部に表示し、前記表示された印刷イメージに基づいて、印刷する印刷フォーマットを確定すると共に、前記データの調整を行ない、前記調整したデータを、無線通信を用いて、前記印刷装置に送信し、前記印刷装置は、前記印刷フォーマットを記憶し、前記携帯電話からの要求に基づいて、前記記憶した印刷フォーマットの中から該当する1つの印刷フォーマットを読み出し、該印刷フォーマットを無線通信を用いて前記携帯電話に送信し、前記携帯電話で確定された前記印刷フォーマットに該携帯電話から送信された前記データを組み込んで印刷用のデータを作成し、前記印刷データを印刷可能に展開して印刷を実行することを要旨としている。
【0008】
本発明の印刷システムおよびその印刷方法によれば、携帯電話は、印刷装置から取得した印刷フォーマットに所定の形式のデータを組み込んだ印刷イメージを表示する。表示された印刷イメージに基づいて、印刷する印刷フォーマットが確定され、データが調整される。印刷装置は、携帯電話から送信されたデータを携帯電話で確定された印刷フォーマットに組み込んで印刷用のデータを作成し、印刷を実行する。この印刷システムでは、携帯電話が印刷装置に印刷を所望するデータを送信する前、つまり、印刷結果を出力する前に、携帯電話上で印刷イメージを確認し、調整することができる。したがって、誤った印刷フォーマットの選択や文字のはみ出しなどの無駄な印刷をすることがない。
【0009】
上記の構成を有する印刷システムにおいて、携帯電話の送信制御手段は、前記調整したデータに加えて、前記確定された印刷フォーマットを特定する情報を、前記印刷装置に送信する手段であり、前記印刷装置のフォーマット管理手段は、前記印刷フォーマットを特定する情報を用いて前記記憶手段から該当する1つの印刷フォーマットを読み出す手段であるものとしても良い。
【0010】
かかる印刷システムによれば、携帯電話は印刷装置に印刷フォーマットを特定する情報を送信する。印刷装置は、この情報に基づいて該当する印刷フォーマットを読み出し印刷を実行する。この印刷システムでは、携帯電話から印刷装置へ送信されるデータに印刷フォーマット自体を含んでいない。したがって、携帯電話から送信されるデータ量を低減することができる。また、印刷装置が記憶する印刷フォーマットは、1つであるものとしても良い。この場合には、携帯電話は、印刷フォーマットを特定する情報は送信しない。
【0011】
上記の構成を有する印刷システムにおいて、携帯電話のフォーマット取得手段は、前記印刷装置に前記印刷フォーマットの送信を要求するフォーマット要求手段と、前記要求した印刷フォーマットを記憶するフォーマット記憶手段とを備え、前記要求した印刷フォーマットが、前記フォーマット記憶手段に記憶されたものである場合には、取得に替えて該記憶された印刷フォーマットを用いるものとしても良い。
【0012】
かかる印刷システムによれば、携帯電話は、印刷装置から送信された印刷フォーマットを記憶しておき、印刷装置に要求した印刷フォーマットが以前に記憶したものである場合には、印刷フォーマット自体の送信要求は行なわず、携帯電話内部に記憶した印刷フォーマットを読み出して使用する。したがって、携帯電話と印刷装置との間でやり取りするデータ量を低減し、通信時間を短縮することができる。
【0013】
上記の構成を有する印刷システムの無線通信手段は、赤外線を用いた無線通信手段であるものとしても良い。かかる印刷システムによれば、無線通信に指向性のある赤外線を使用するため、携帯電話,印刷装置の双方の特定が容易となる。
【0014】
上記の構成を有する印刷システムにおいて、所定の形式のデータは、少なくとも標準化された電話帳データ,住所録データ,メモデータ,メッセージデータのいずれかの形式とすることができる。また、印刷フォーマットは、xHTML形式のマークアップ言語で記述された書式とすることができる。かかる印刷システムによれば、標準化されたデータ,所定形式の印刷フォーマットを用いることで、印刷フォーマットへのデータの組み込みを容易となる。つまり、標準化された形式であるため、汎用性が高く、データ形式さえ同じであれば印刷フォーマットに組み込むことが可能となる。
【0015】
本発明の印刷装置は、携帯電話から送信されるデータを所定の印刷フォーマットに従って印刷する印刷装置であって、前記携帯電話と通信する無線通信手段と、前記印刷フォーマットを記憶する記憶手段と、前記携帯電話からの要求に基づいて、前記記憶手段から該当する1つの印刷フォーマットを読み出し、該印刷フォーマットを前記無線通信手段を用いて前記携帯電話に送信するフォーマット管理手段と、前記携帯電話で確定された前記印刷フォーマットに該携帯電話から送信された前記データを組み込んで印刷用のデータを作成する印刷データ作成手段と、前記印刷データを印刷可能に展開して印刷を実行する印刷制御手段とを備えたことを要旨としている。
【0016】
本発明の印刷装置によれば、印刷装置は、記憶している印刷フォーマットの中から、携帯電話にて確定された一の印刷フォーマットを読み出し、その印刷フォーマットに携帯電話からのデータを組み込んで印刷する。印刷フォーマットは、印刷装置内に記憶されているため、印刷装置が印刷フォーマットを受信することはない。したがって、印刷装置のデータの受信にかかる時間が短縮できる。また、印刷装置は、印刷用のデータを作成し、展開する機能を備えるため、携帯電話から所定の形式のデータを受信することで容易に印刷を実行できる。
【0017】
上記の構成を有する印刷装置のフォーマット管理手段は、前記携帯電話への1つの印刷フォーマットの送信に先立って、該携帯電話からの要求に応じて、前記記憶手段に記憶された複数の印刷フォーマットから一を選択可能な一覧情報を該携帯電話に送信する手段を備えるものとしても良い。かかる印刷装置によれば、携帯電話に送信された一覧情報に基づいて、複数の印刷フォーマットの中から、一の印刷フォーマットが確定される。したがって、複数の印刷フォーマットを繰り返し携帯電話に送信することがなく、携帯電話との間で、効率的な通信を行なうことができる。
【0018】
上記の構成を有する印刷装置の所有する印刷フォーマットは、xHTML形式のマークアップ言語で記述された書式であるものとしても良い。また、印刷データ作成手段は、xHTML形式のマークアップ言語で記述された印刷フォーマットに、前記携帯電話から送信される標準化された電話帳データ,住所録データ,メモデータ,メッセージデータのいずれかの形式のデータを組み込んで、印刷用のデータを生成する手段であるものとしても良い。
【0019】
本発明の携帯電話は、所定の形式のデータを記憶可能であり、該データを表示する表示部を備え、該データを印刷装置に出力する携帯電話であって、近距離無線通信を行なう無線通信手段と、前記データを組み込んで印刷する書式である印刷フォーマットの少なくとも1つを、前記無線通信手段を用いて、前記印刷装置から取得するフォーマット取得手段と、前記印刷フォーマットに印刷を所望する前記データを組み込んだ印刷イメージを、前記表示部に表示する印刷イメージ表示手段と、前記表示された印刷イメージに基づいて、印刷する印刷フォーマットを確定すると共に、前記データの調整を行なう印刷イメージ調整手段と、前記調整したデータを、前記無線通信手段を用いて、前記印刷装置に送信する送信制御手段とを備えたことを要旨としている。
【0020】
本発明の携帯電話によれば、携帯電話は、印刷装置から取得した印刷フォーマットに所定のデータを組み込んで印刷イメージを表示する。ユーザは、その表示した印刷イメージに基づいて、データの調整を行なうことができる。つまり、実際に印刷されるイメージを確認することができるため、様々な印刷フォーマットとデータとの相性を判断することができる。したがって、所望する一を決定することができ、ユーザニーズに対応した装置を構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を適用した無線通信機能を備えた携帯電話および印刷装置、これらの機器からなる印刷システムの一実施例について説明する。図1は、本発明の実施例である印刷システムの一例を示す概略構成図である。図1に示すように、この印刷システムは、無線通信機能を備えた携帯電話10、携帯電話10から無線通信で所定のデータを受信し、その印刷を実行するカラープリンタ30から構成されている。
【0022】
携帯電話10は、通常の通話機能,メール機能,インターネットへの接続機能などに加えて、赤外線を用いた無線通信機能を備えており、この赤外線無線通信により、カラープリンタ30との間で所定の形式のデータのやり取りをしている。さらに、この携帯電話10は、xHTML形式のマークアップ言語に対応する機能を備え、例えば、この言語で記載されたホームページの画面をインターネットを介してダウンロードし、表示することができる。
【0023】
本実施例の印刷システムにおいて、携帯電話10がカラープリンタ30とやり取りする所定形式のデータは、xHTML形式で記載された印刷用のフォーマット(以下、印刷フォーマットと呼ぶ)と、氏名,住所,電話番号といった書誌的情報を格納したファイル(以下、電話帳データと呼ぶ)とである。携帯電話10は、無線通信を用いて、印刷フォーマットをカラープリンタ30から受信し、電話帳データをカラープリンタ30へ送信する。
【0024】
この携帯電話10が受信する印刷フォーマットは、住所,氏名,電話番号等を所定位置に配置して表示する印刷書式である。カラープリンタ30は、この印刷フォーマットに携帯電話10から受け取った電話帳データを組み込むことで、名刺風のカードを印刷する。
【0025】
この電話帳データは、vCard形式で記述したファイルであり、携帯電話10の内部のメモリに保存されている。なお、携帯電話10は、vCard形式に加えて、vCalender,vNote,vMessageといった形式のファイルも所有している。こうした形式のファイルを用いることで、例えば、カラープリンタ30以外の外部機器である別の携帯電話,PDA等との間で、機種に影響を受けずに容易に情報交換を行なうことができる。
【0026】
この携帯電話10の概略構成を図2に示す。図示するように、携帯電話10は、アンテナ11、アンテナ11からのアナログ信号をデジタル信号に変換する無線回路12、通常の通話に用いるマイク13,スピーカ16、オンフックキー26や文字入力も行なえるテンキー27に加え、上下左右の4方向へカーソルを操作する方向キー28,実行キー29等を備えたキー入力部15、通話の状態やダウンロードしたホームページの画面等を表示する液晶パネル17、写真を撮影するCCD素子を備えたカメラ18、電話番号,メールに加え、電話帳データ,印刷フォーマット等を記憶するメモリ14、赤外線の通信を行なう発光ダイオード,フォトダイオードを備えた赤外線インターフェイス19、これらの動作を制御するCPU21,ROM22,RAM23を備えた制御部20等から構成されている。
【0027】
制御部20は、通常の通話、インターネット回線への接続やメールの送受信を処理するのに加え、所定のxHTML形式の印刷フォーマットにvCard形式の電話帳データを組み込んで解析し、実際に印刷されるイメージ(以下、印刷イメージと呼ぶ)を表示する処理を行なっている。印刷イメージに関する処理のプログラムは、制御部20のROM22に記憶されており、キー入力部15を介してユーザが処理開始の操作を行なうことにより実行される。この処理に関しては、後に詳しく説明する。また、制御部20は、キー入力部15の操作により印刷イメージの表示に用いた電話帳データを、赤外線インターフェイス19を介してカラープリンタ30に送信する。赤外線インターフェイス19で使用している通信は、IrDA(InfraRed Data Association)規格の赤外線通信である。この種の赤外線通信では、波長850nm 〜900nmの赤外線を用いて情報をやり取りしている。
【0028】
こうした携帯電話10からの電話帳データを受信するカラープリンタ30は、デジタルスチルカメラ等の画像データを記憶するメモリカードを直接的に接続して印刷することが可能なインクジェット方式のプリンタである。このカラープリンタ30は、印字や印刷用紙等の設定をプリンタ側で行なうことで、コンピュータを介すことなく所定のデータの印刷が可能である。
【0029】
このカラープリンタ30の概略構成を図3に示す。図示するように、カラープリンタ30は、用紙にインクを吐出する印字ヘッド31を装着したキャリッジ32、キャリッジ32を主走査方向に駆動するキャリッジモータ33、用紙を搬送する紙送りモータ34、印字ヘッド31やキャリッジモータ33,紙送りモータ34の動作を制御するCPU,ROM,RAMを備えた制御回路45、vCrad形式の電話帳データ,xHTML形式の印刷フォーマットを解析し印刷用のドットに展開する画像処理回路46等から構成されている。
【0030】
キャリッジ32には、シアン,マゼンタ,イエロの3色のカラーインクと黒インクとが収納されたインクカートリッジ40が装着されており、これらのインクを印字ヘッド31から用紙へ吐出することで微小なドットを形成してカラー印刷を行なっている。
【0031】
制御回路45は、カラープリンタ30の印刷の設定をする操作パネル38、デジタルスチルカメラのメモリカードを装着するカードスロット35、赤外線の通信を行なう発光ダイオード、フォトダイオードを備え、IrDA規格に準拠した赤外線インターフェイス37、パーソナルコンピュータなどの外部機器と接続するためのUSB端子36、複数の印刷フォーマットを記憶するメモリ47等と電気的に接続している。制御回路45は、赤外線インターフェイス37を介して受信した携帯電話10からの電話帳データを画像処理回路46に出力する。
【0032】
電話帳データを入力した画像処理回路46は、メモリ47から読み込んだ所定の印刷フォーマットに電話帳データを組み込んで印刷用に展開し、制御回路45に出力する。制御回路45では、展開されたデータに基づいて、各種モータなどの制御を行なう。
【0033】
以上のハード構成を有する各機器は、図1に示した印刷システムを構成し、電話帳データの名刺風の印刷を実行する。こうした印刷システムにおいて、携帯電話10側で、印刷を所望する印刷フォーマット,電話帳データを選択し、その電話帳データをカラープリンタ30に出力する処理(以下、名刺作成処理と呼ぶ)と、電話帳データを入力したカラープリンタ30側で、印刷を実行する処理(以下、名刺印刷処理と呼ぶ)とについて説明する。図4は、本実施例の名刺作成処理のフローチャートを、図5は、そのサブルーチンである印刷フォーマット更新処理のフローチャートを示している。また、図6は、本実施例の名刺印刷処理のフローチャートである。
【0034】
携帯電話10には、メール,電話帳,インターネット90への接続,表示機能の設定,プログラムの実行などの種々の機能を選択するメニュー画面があり、ユーザは、このメニュー画面から、プログラムの実行、「名刺作成」を選択する。携帯電話10のCPU21は、ユーザのキー操作によりROM22に記憶された実行プログラムを読み出し、図4に示す処理を開始する。
【0035】
名刺作成処理を開始すると、携帯電話10は、液晶パネル17に電話帳データの一覧を表示する(ステップS400)。具体的には、図7(a)に示すように、予めメモリ14に記憶されている電話帳データの「氏名」の一覧を液晶パネル17に表示する。ユーザは、方向キー28を用いて液晶パネル17上のカーソルを操作し、印刷を所望する「氏名」にカーソルを合わせて実行キー29を操作する。携帯電話10は、ユーザの実行キー29操作を受けて、選択された「氏名」に対応する電話帳データの中身(住所,氏名,電話番号など)を液晶パネル17に表示する。こうしたユーザ操作により、一覧の中から一の電話帳データが選択される。
【0036】
印刷する対象(電話帳データ)を決定した後、そのデータの印刷フォーマットを選択する処理を行なう(ステップS410)。この処理は、例えば図1に示したように、「住所」,「氏名」,「電話番号」の配置やデザインが異なる複数の印刷フォーマットF1〜Fnから、所望する印刷フォーマットを選択する処理である。携帯電話10は、この選択処理に移行すると、選択肢を表示する印刷フォーマット更新処理を実行する。なお、図5(a)には、携帯電話10で実行する処理を、(b)にはカラープリンタ30で実行する処理を示している。
【0037】
携帯電話10は、図5に示した印刷フォーマット更新処理を開始すると、赤外線インターフェイス19を介して、カラープリンタ30が保有する印刷フォーマットの情報の送信を要求する指令(要求コマンド)を、カラープリンタ30に送信する(ステップS500)。
【0038】
カラープリンタ30は、電源投入後、RAM内に設けた受信バッファのデータの有無を確認している(ステップS530)。つまり、ステップS530にて、受信バッファに受信データが無いと判断した場合には、所定のタイミングでこのステップを繰り返している。この状態のカラープリンタ30へ携帯電話10からの要求コマンドが送信されると、カラープリンタ30は、受信バッファにデータ有りと判断して、メモリ47内に所有する複数の印刷フォーマットの一覧情報を携帯電話10へ送信する(ステップS535)。送信後、携帯電話10からの次のコマンドがあるまで、受信バッファのデータの有無の確認処理を、所定のタイミングで繰り返す(ステップS540)。
【0039】
カラープリンタ30からの一覧情報を受信した携帯電話10は、その一覧を液晶パネル17に表示する。この一覧は、図7(b)に示すように印刷フォーマットをサムネイル表示したものである。ユーザは、方向キー28,実行キー29を操作して、このサムネイル表示から所望する印刷フォーマットを選択する。携帯電話10は、この操作により選択された印刷フォーマットが携帯電話10のメモリ14内に記憶してあるものか否かの判断を行なう(ステップS505)。なお、送信に対応した受信の処理は省略してある。
【0040】
この判断は、選択された印刷フォーマットを特定する情報に基づいて行なわれる。カラープリンタ30のメモリ47に記憶された印刷フォーマットには、その印刷フォーマットを特定する番号が付されている。カラープリンタ30は、サムネイル画像を送信する際、この特定番号を付加して送信している。携帯電話10は、選択されたサムネイル画像に付加された特定番号(以下、選択された印刷フォーマットの特定番号を特に、選択番号と呼ぶ)と、携帯電話10のメモリ14内の特定番号とを比較する処理を行なっている。
【0041】
例えば、初めて名刺作成処理を行なう場合や、以前、使用した印刷フォーマットを使用しない場合には、選択番号に対応する印刷フォーマットは、携帯電話10のメモリ14内に存在しない。この場合、携帯電話10は、カラープリンタ30に選択番号に対応する印刷フォーマット(つまり、一覧用ではなく完全なデータ)の送信を要求する(ステップS510)。
【0042】
選択番号および要求コマンドを受信したカラープリンタ30は、選択番号に基づいて、携帯電話10の要求する印刷フォーマットをメモリ47から読み出し、赤外線インターフェイス37を介して、それを携帯電話10に送信し(ステップS545)、処理を終了する。
【0043】
要求した印刷フォーマットを受信した携帯電話10は、その印刷フォーマットを液晶パネル17に表示すると共に、そのデータと特定番号(選択番号)とをメモリ14に記憶し(ステップS515)、このサブルーチンを終了する。
【0044】
他方、ステップS505で、選択番号が携帯電話10のメモリ14内に存在する場合、つまり、選択した印刷フォーマットは以前に使用したものであり、メモリ14に記憶してある場合には、その印刷フォーマットをメモリ14から呼び出し、液晶パネル17に表示して、このサブルーチンを終了する。
【0045】
このサブルーチン処理で選択された印刷フォーマットの液晶パネル17への表示の際には、先に選択された電話帳データが読み込まれる。つまり、印刷フォーマットを選択する処理の後、図4に戻り、携帯電話10は、液晶パネル17に電話帳データを印刷フォーマットに組み込んだ印刷イメージを表示する(ステップS420)。印刷イメージは、実施に印刷した場合の出力結果のイメージを表す画像であり、携帯電話10は、カラープリンタ30で実行される程度のドット展開を行なう。ここで携帯電話10の液晶パネル17に表示する印刷イメージは、こうして展開された画像データから所定間隔で間引きをした画像であり、携帯電話10の液晶パネル17に収まるサイズに縮小されている。
【0046】
この縮小された印刷イメージの表示と共に、携帯電話10は、印刷イメージの拡大を選択する選択肢を表示する。具体的には、図7(c)に示すように、画面上に「全体」と「拡大」とを表示し、キーA,Bを介したユーザ操作により、表示画面を切り替える。例えば、ユーザがキーBを操作、つまり、拡大表示を選択した場合には、図7(d)に示すように、実際に印刷される名刺サイズの6等分の1の画面を表示する。ユーザは、方向キー28,実行キー29を操作して、確認したい部分を表示させ、例えば、印刷フォーマットの「氏名」を記載する枠からの文字のはみ出しが無いか否かを確認する。
【0047】
ユーザが印刷イメージを確認し、図7(c)に示した「OK」を選択すると、携帯電話10は、修正の有無を選択する画面を表示する(ステップS430)。この選択画面は、図7(e)に示すように、修正の「有」と「無」とを選択する画面である。ユーザがキーAを操作することで修正「有」を選択すると、携帯電話10は電話帳データの変更を行なうか否かの選択画面を表示する(ステップS440)。なお、この選択画面は、図7(e)と同様であり、「データの修正?」を問う表示と共に、修正の「有」「無」の選択肢を表示する。
【0048】
ユーザがデータの修正「有」を選択すると、携帯電話10は、液晶パネル17に文字入力画面を開き、ユーザの文字入力操作があるまで待機する。ユーザが文字入力、修正等を行ない、実行キー29を操作すると、携帯電話10は文字入力画面を閉じると共に、電話帳データを修正する(ステップS450)。携帯電話10は修正された電話帳データに基づいて、再度、印刷イメージを表示するステップS420の処理に戻る。
【0049】
例えば、印刷イメージから、名前の最後の文字が「氏名」の枠からはみ出すことが確認できた場合、ユーザは、データの修正「有」を選択し、文字入力画面上で「苗字」と「名前」の間のスペースを削除する。こうしたユーザのキー操作の結果、液晶パネル17上には、「氏名」の枠内に文字が収まった印刷イメージが表示される。
【0050】
他方、ステップS440にて、ユーザがキーBを操作することでデータの修正「無」(つまり「No」)を選択すると、携帯電話10は印刷フォーマットの変更を行なうか否かの選択画面を表示する(ステップS460)。この選択画面は、図7(e)と同様であり、「印刷フォーマットの変更?」,「有」「無」を表示する画面である。ユーザがキーAを操作することにより、印刷フォーマットの変更「有」を選択すると、ステップS410の印刷フォーマットの選択処理に戻る。
【0051】
また、ステップS460にて、ユーザが印刷フォーマットの変更「無」(つまり「No」)を選択した場合、およびステップS430にて、ユーザがキーBを操作して液晶パネル17に表示された印刷イメージの修正「無」(つまり「No」)を選択した場合には、携帯電話10は、表示された印刷イメージで印刷の実行を行なうか否かの選択をする選択画面を表示する(ステップS470)。この選択画面は、図7(e)と同様、「印刷実行?」とその「有」「無」を表示する。
【0052】
ユーザがキーAを操作することにより、印刷実行「有」が選択されると、携帯電話10は、印刷する電話帳データに印刷フォーマットの選択番号を付加する(ステップS480)。この印刷フォーマットの選択番号は、ステップS410にて選択した印刷フォーマットを特定する番号である。以下、この番号をデータのヘッダに記載した形の電話帳データを、電話帳情報と呼ぶ。
【0053】
携帯電話10は、この電話帳情報と印刷の実行コマンドとを赤外線インターフェイスを介して、カラープリンタ30に送信し(ステップS490)、送信の完了と共に名刺作成処理を終了する。他方、ステップS470にて、ユーザがキーBを操作することにより、印刷実行「無」が選択されると、携帯電話10はそのまま名刺作成処理を終了する。
【0054】
こうしてカラープリンタ30に送信された電話帳情報は、カラープリンタ30にて処理され、印刷される。以下、図6を用いて、カラープリンタ30にて実行される名刺印刷処理を説明する。
【0055】
カラープリンタ30の制御回路45は、電源投入後、RAM内に設けた受信バッファのデータの有無を確認する(ステップS600)。ステップS600にて、受信バッファに受信データが無いと判断した場合には、所定のタイミングでこのステップを繰り返す。
【0056】
制御回路45は、受信バッファに受信データが有ると判断すると、そのデータの解析を行なう(ステップS610)。具体的には、データのヘッダから、印刷フォーマットの選択番号を読み取り、データの中身がvCard形式の電話帳データであることを確認する。
【0057】
制御回路45は、受信した印刷フォーマットの選択番号に基づいて、メモリ47から該当するxHTML形式ファイルである印刷フォーマットを読み込み、受信した電話帳データと共に、そのファイルを画像処理回路46へ出力する。
【0058】
電話帳データであるvCard形式のデータと印刷フォーマットのxHTML形式のファイルとを受け取った画像処理回路46は、その印刷フォーマットに電話帳データを組み込んだ形のxHTML形式のファイルを生成する(ステップS620)。画像処理回路46は、生成したxHTML形式のファイルを解析し、カラープリンタ30にて認識可能なデータに変換する(ステップS630)。
【0059】
続いて、画像処理回路46は、操作パネル38を介して設定された用紙サイズ,印刷枚数,印刷位置などの印刷条件を読み込み(ステップS640)、印刷イメージを作成する(ステップS650)。この印刷イメージの作成処理は、印刷条件の設定値に基づいて、変換したデータを印刷可能なドットパターンに展開し、印刷実行データを作成する処理である。具体的には、ラスタライズ、色補正、ハーフトニング等の処理を行ない印字ヘッド31によって印刷すべきドットに展開し、印字ヘッド31に加える電圧や、インクの色の組み合わせ等を決定している。
【0060】
こうして決定された所定の条件は、制御回路45に出力される。制御回路45は、この所定の条件に従って、印字ヘッド31を装着したキャリッジ32,キャリッジモータ33,紙送りモータ34などの各種アクチュエータを制御し、目的のデータの印刷を実行する(ステップS660)。その結果、用紙上に所望の名刺が形成され、名刺印刷処理は終了する。
【0061】
以上説明した名刺作成処理,名刺印刷処理によれば、携帯電話10にて作成した名刺データを送信する前に、携帯電話10の液晶パネル17にて、実際に印刷される印刷イメージを確認することができる。確認した結果、例えば、意図しない印刷フォーマットを指定していたり、所定の枠から文字がはみ出していた場合には、印刷フォーマットを変更し、文字間隔を調整する修正処理を行なうことができる。したがって、カラープリンタ30からの出力結果は、ユーザが意図したものとなり、無駄な印刷をすることがない。
【0062】
この一連の処理では、印刷フォーマットはカラープリンタ30に記憶されたものを使用し、携帯電話10側で、カラープリンタ30の保有する印刷フォーマットから一を選択する。したがって、携帯電話10からカラープリンタ30に送信されるデータには、印刷フォーマット自体のデータは含まれず、送信データの容量を低減することができる。
【0063】
なお、本実施例では、携帯電話10からカラープリンタ30へ送信するデータには、印刷フォーマットを特定するための選択番号が含まれているが、例えばカラープリンタ30から携帯電話10へ、最後に送信した印刷フォーマットを使用するものとし、選択番号は送信しないものとしても良い。この場合、携帯電話10は、名刺の作成、表示に用いる印刷フォーマットを、常に、カラープリンタ30から受信するものとし、カラープリンタ30は、最後に携帯電話10に送信した印刷フォーマットを記憶するように構成すれば良い。
【0064】
また、カラープリンタ30に記憶される印刷フォーマットは、携帯電話10を介して、Webサーバから取得するものとしても良い。この場合、携帯電話10は、所定のWebサーバから名刺作成用の印刷フォーマットをダウンロードし、そのデータをカラープリンタ30に赤外線通信を用いて送信する。カラープリン30は、新たな印刷フォーマットを受信し、そのデータをメモリ47に保存する。また、こうした印刷フォーマットは、カラープリンタ30に装着されたメモリカードに予め記憶しておき、メモリーカードから所望する印刷フォーマットを読み込むものとしても良い。
【0065】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることはもちろんである。本実施例では、携帯電話にて作成した名刺データは、カラープリンタへ送信し、用紙に出力するものとしたが、例えば、カラープリンタに装着されたメモリーカードなどに記憶するものとしても良い。また、近距離無線通信は赤外線通信に限らず、例えば、Bluetooth(登録商標)を利用しても同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の印刷システムの一例を示す概略構成図である。
【図2】携帯電話の概略構成を示したハード構成図である。
【図3】カラープリンタの概略構成を示したハード構成図である。
【図4】携帯電話で実行される名刺作成処理のフローチャートである。
【図5】名刺作成処理のサブルーチンである印刷フォーマット更新処理のフローチャートである。
【図6】カラープリンタで実行される名刺印刷処理のフローチャートである。
【図7】名刺作成処理の選択画面の一例である。
【符号の説明】
【0067】
10...携帯電話
11...アンテナ
12...無線回路
13...マイク
14,47...メモリ
15...キー入力部
16...スピーカ
17...液晶パネル
18...カメラ
19...赤外線インターフェイス
20...制御部
21,52...CPU
22,53...ROM
23,54...RAM
26...オンフックキー
27...テンキー
28...方向キー
29...実行キー
30...カラープリンタ
31...印字ヘッド
32...キャリッジ
33...キャリッジモータ
34...紙送りモータ
35...カードスロット
36...USB端子
37...赤外線インターフェイス
38...操作パネル
40...インクカートリッジ
45...制御回路
46...画像処理回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の形式のデータを記憶可能であり、該データを表示する表示部を備えた携帯電話と、該携帯電話からのデータの印刷を行なう印刷装置とからなる印刷システムであって、
前記携帯電話は、
近距離無線通信を行なう無線通信手段と、
前記データを組み込んで印刷する書式である印刷フォーマットの少なくとも1つを、前記無線通信手段を用いて、前記印刷装置から取得するフォーマット取得手段と、
前記印刷フォーマットに印刷を所望する前記データを組み込んだ印刷イメージを、前記表示部に表示する印刷イメージ表示手段と、
前記表示された印刷イメージに基づいて、印刷する印刷フォーマットを確定すると共に、前記データの調整を行なう印刷イメージ調整手段と、
前記調整したデータを、前記無線通信手段を用いて、前記印刷装置に送信する送信制御手段とを備え、
前記印刷装置は、
前記携帯電話と通信する無線通信手段と、
前記印刷フォーマットを記憶する記憶手段と、
前記携帯電話からの要求に基づいて、前記記憶手段から該当する1つの印刷フォーマットを読み出し、該印刷フォーマットを前記無線通信手段を用いて前記携帯電話に送信するフォーマット管理手段と、
前記携帯電話で確定された前記印刷フォーマットに該携帯電話から送信された前記データを組み込んで印刷用のデータを作成する印刷データ作成手段と、
前記印刷データを印刷可能に展開して印刷を実行する印刷制御手段とを備えた
印刷システム。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷システムであって、
前記携帯電話の送信制御手段は、前記調整したデータに加えて、前記確定された印刷フォーマットを特定する情報を、前記印刷装置に送信する手段であり、
前記印刷装置のフォーマット管理手段は、前記印刷フォーマットを特定する情報を用いて前記記憶手段から該当する1つの印刷フォーマットを読み出す手段である印刷システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の印刷システムであって、
前記携帯電話のフォーマット取得手段は、前記印刷装置に前記印刷フォーマットの送信を要求するフォーマット要求手段と、
前記要求した印刷フォーマットを記憶するフォーマット記憶手段とを備え、
前記要求した印刷フォーマットが、前記フォーマット記憶手段に記憶されたものである場合には、取得に替えて該記憶された印刷フォーマットを用いる印刷システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の印刷システムであって、
前記無線通信手段は、赤外線を用いた無線通信手段である印刷システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の印刷システムであって、
前記所定の形式のデータは、少なくとも標準化された電話帳データ,住所録データ,メモデータ,メッセージデータのいずれかの形式である印刷システム。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の印刷システムであって、
前記印刷フォーマットは、xHTML形式のマークアップ言語で記述された書式である印刷システム。
【請求項7】
携帯電話から送信されるデータを所定の印刷フォーマットに従って印刷する印刷装置であって、
前記携帯電話と通信する無線通信手段と、
前記印刷フォーマットを記憶する記憶手段と、
前記携帯電話からの要求に基づいて、前記記憶手段から該当する1つの印刷フォーマットを読み出し、該印刷フォーマットを前記無線通信手段を用いて前記携帯電話に送信するフォーマット管理手段と、
前記携帯電話で確定された前記印刷フォーマットに該携帯電話から送信された前記データを組み込んで印刷用のデータを作成する印刷データ作成手段と、
前記印刷データを印刷可能に展開して印刷を実行する印刷制御手段と
を備えた印刷装置。
【請求項8】
請求項7に記載の印刷装置であって、
前記フォーマット管理手段は、前記携帯電話への1つの印刷フォーマットの送信に先立って、該携帯電話からの要求に応じて、前記記憶手段に記憶された複数の印刷フォーマットから一を選択可能な一覧情報を該携帯電話に送信する手段を備えた印刷装置。
【請求項9】
請求項7または8に記載の印刷装置であって、
前記印刷フォーマットは、xHTML形式のマークアップ言語で記述された書式である印刷装置。
【請求項10】
請求項9に記載の印刷装置であって、
前記印刷データ作成手段は、前記xHTML形式のマークアップ言語で記述された印刷フォーマットに、前記携帯電話から送信される標準化された電話帳データ,住所録データ,メモデータ,メッセージデータのいずれかの形式のデータを組み込んで、印刷用のデータを生成する手段である印刷装置。
【請求項11】
所定の形式のデータを記憶可能であり、該データを表示する表示部を備え、該データを印刷装置に出力する携帯電話であって、
近距離無線通信を行なう無線通信手段と、
前記データを組み込んで印刷する書式である印刷フォーマットの少なくとも1つを、前記無線通信手段を用いて、前記印刷装置から取得するフォーマット取得手段と、
前記印刷フォーマットに印刷を所望する前記データを組み込んだ印刷イメージを、前記表示部に表示する印刷イメージ表示手段と、
前記表示された印刷イメージに基づいて、印刷する印刷フォーマットを確定すると共に、前記データの調整を行なう印刷イメージ調整手段と、
前記調整したデータを、前記無線通信手段を用いて、前記印刷装置に送信する送信制御手段と
を備えた携帯電話。
【請求項12】
所定の形式のデータを記憶可能であり、該データを表示する表示部を備えた携帯電話と、該携帯電話からのデータの印刷を行なう印刷装置とからなる印刷システムの印刷方法であって、
前記携帯電話は、
前記データを組み込んで印刷する書式である印刷フォーマットの少なくとも1つを、無線通信を用いて、前記印刷装置から取得し、
前記印刷フォーマットに印刷を所望する前記データを組み込んだ印刷イメージを、前記表示部に表示し、
前記表示された印刷イメージに基づいて、印刷する印刷フォーマットを確定すると共に、前記データの調整を行ない、
前記調整したデータを、無線通信を用いて、前記印刷装置に送信し、
前記印刷装置は、
前記印刷フォーマットを記憶し、
前記携帯電話からの要求に基づいて、前記記憶した印刷フォーマットの中から該当する1つの印刷フォーマットを読み出し、該印刷フォーマットを無線通信を用いて前記携帯電話に送信し、
前記携帯電話で確定された前記印刷フォーマットに該携帯電話から送信された前記データを組み込んで印刷用のデータを作成し、
前記印刷データを印刷可能に展開して印刷を実行する
印刷システムの印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−125093(P2008−125093A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−303894(P2007−303894)
【出願日】平成19年11月26日(2007.11.26)
【分割の表示】特願2003−351723(P2003−351723)の分割
【原出願日】平成15年10月10日(2003.10.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】