説明

携帯電話システム及びそれに用いる装置、携帯電話番号の共有方法並びにプログラム

【課題】1つの携帯電話番号を異なるユーザが所有する複数の携帯電話端末で共有することを可能とする。
【解決手段】構内網100と公衆網200とのインタワークのために設置され、公衆携帯電話番号の使用状況や通話履歴を管理する番号管理サーバ10と、ガイダンスサーバ20と、構内網100における呼制御サーバであるSIPサーバ30と、公衆網200−構内網100間のプロトコル変換用のゲートウェイ40とを備える。番号管理サーバ10は、ゲートウェイ40が公衆網200からの着信要求を受け付けると、その着信要求の着信先番号として指定される公衆携帯電話番号の通話履歴および使用状況から着信先端末とする1つの内線電話端末を特定し、構内にいれば内線通話にて着信させ、また構外にいればその着信先端末に付与されている公衆携帯電話番号へ転送させることによってその内線電話端末との通話接続を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話システム、番号管理装置、携帯電話番号の共有方法および携帯電話番号共有プログラムに関し、特に、公衆網と構内網の両方で使用可能な携帯電話端末を利用した携帯電話システム、番号管理装置、携帯電話番号の共有方法および携帯電話番号共有プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話端末の通話サービスは、キャリアサービスのひとつであり、通信事業者(キャリア)とキャリアサービス契約することで固有のキャリア番号(携帯電話番号又はシリアル番号など)が携帯電話端末に付与される。ユーザはこの固有のキャリア番号と1対1で結びつけられ、通話可能な範囲であれば常時発着信が確約される。
【0003】
ところで、昨今、携帯電話端末は、キャリアサービス契約によって通話可能となる携帯網(公衆携帯網)とのキャリア通信インタフェースの他、無線LANなどのインタフェースを有する機種がある。無線LANのインタフェースを有する携帯電話端末は、さらにVoIP(Voice over Internet Protocol)通信インタフェースを実装することによって、携帯型IP電話端末として使用することも可能である。このような携帯電話端末は、業務用として社員に配布され、構内での携帯型内線電話端末として用いられることも多い。
【0004】
ところで、業務用携帯型内線電話端末全てにつきキャリアサービス契約を行うと、公衆携帯網での使用頻度に関わらず、端末数分のキャリアサービス契約費に伴うランニングコストが発生することになる。一方、キャリアサービス契約をしなければ、公衆携帯網でのキャリア通信が直接には行えず、外出用に別途キャリア通信可能な携帯電話端末を用意しなければならないなど、内線電話端末が携帯型である利点が生かし切れないことになる。
【0005】
本願発明者は、主に構内網において内線電話端末として用いつつ、必要に応じて公衆携帯網においても通話可能とする業務用携帯電話端末の利用形態に対し、キャリアサービス契約に伴うランニングコストを可能な限り公衆携帯網での使用頻度に沿って抑えたいという要望があることを見出した。
【0006】
特許文献1には、単一のアカウントに複数の電話機をリンクさせる共有プランにおいて、共有アカウントに関連づけられる複数の使用者の移動体通信を監視するための技術が記載されている。
【0007】
また、特許文献2には、着信時に、発呼者の発番号に応じて予め設定しておいた転送先に転送するように指示を出すデジタル無線電話機が記載されている。
【0008】
【特許文献1】特開2006−180514号公報(段落0003)
【特許文献2】特開平8−321883号公報(段落0008)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
例えば、特許文献1に記載されているような共有プランを利用することで、個別アカウントで契約するのに比べてキャリアサービス契約費を抑えることができるかもしれない。しかしながら、共有プランの人数に制限があって加入できなかったり、対使用頻度として見るとそれほど多くのコスト抑制にはならないといった問題がある。
【0010】
なお、SIM(Subscriber Identity Module)カード及びUIM(User Identity Module)カードといったICカードを携帯電話端末間で差し替えるなどして、1つのキャリア番号を複数の携帯電話端末で共有させることによって、キャリアサービス契約数を削減することができる。キャリアサービス契約数を調整し、必要な時にだけSIMカードやUIMカードを差し替えれば、公衆携帯網での使用頻度に沿ってランニングコストを抑えることも可能である。
【0011】
しかしながら、SIMカードやUIMカードの差し替えによる複数の携帯電話端末間でのキャリア番号の共有は、一般に同一ユーザが所有する複数の携帯電話端末間で行われていることである。従って、1つのキャリア番号を異なるユーザが所有する複数の携帯電話端末間で共有させる場合には、キャリア番号とユーザとの関係が1対1の関係ではなくなることにつき問題が生じる。例えば、発信者にとって着信者が不確定であるという問題が生じる。
【0012】
例えば、特許文献2に記載されているようなデジタル無線電話機を利用すれば、1つのキャリア番号宛の着信を、そのときの発番号に応じて複数の転送先に転送するように指示を出すことはできる。しかしながら、特許文献2に記載されている転送方法では、予め指定された発番号にしか転送できず、また、実際に転送制御を行うのは無線基地局であるので、転送先として設定できる番号はその無線基地局を介して転送可能な番号でなければならないといった制限がある。
【0013】
すなわち、特許文献2に記載されている転送方法は、主に構内網において内線電話端末として用いつつ、必要に応じて公衆携帯網においても通話可能とする業務用携帯電話端末の利用形態に対し、1つのキャリア番号を複数の異なるユーザが所有する携帯電話端末で共有させることによって、キャリアサービス契約に伴うランニングコストを抑制しようということは何ら考慮されていないのである。
【0014】
例えば、特許文献2に記載されている転送方法を単純に適用すれば、転送先としたい携帯型内線端末全てにつきキャリアサービス契約を行わなければならない。
【0015】
また、例えば、特許文献2に記載されている転送方法を、公衆網と構内網とのインタワーク(相互接続)のために、構内網における呼制御サーバに適用し、キャリア番号宛ての発信を呼制御サーバに着信させるようにすれば、呼制御サーバが発番号に応じて構内網における内線番号に転送するといったことは可能である。また、内線番号とユーザとの関係は1対1であるため、1つのキャリア番号を複数の内線電話端末間で共有することにつき、予め登録が必要ではあるが発信者にとって着信者が不確定であるといった問題もない。しかしながら、公衆網と構内網とのインタワーク(相互接続)のためだけであれば、キャリアサービス契約をする必要はない。
【0016】
そこで、ユーザが外出中にも転送可能なように、外出時にのみキャリア通信可能な携帯電話番号を付与し、その携帯電話番号に転送させようということを考えた場合、特許文献2に記載されている転送方法では、発信者にとって着信者が不確定であるという問題は解消できない。
【0017】
そこで、本発明は、主に構内網において内線電話端末として用いつつ、必要に応じて公衆携帯網においても通話可能とする携帯電話端末の利用形態に対し、1つのキャリア番号を異なるユーザが所有する複数の携帯電話端末が共有することによって、キャリアサービス契約に伴うランニングコストを可能な限り公衆携帯網での使用頻度に沿って抑えることができる携帯電話システム、番号管理装置、携帯電話番号の共有方法および携帯電話番号共有プログラムを提供することを目的とする。
【0018】
具体的には、1つのキャリア番号を異なるユーザが所有する複数の携帯電話端末で共有させても、その携帯電話端末ユーザへの発信が違和感なくできるようにすることを目的とする。なお、違和感のない発信とは、目的とする人に電話をかけたときに特殊な操作を用いないなど、通常の携帯電話端末に電話をしているときと同じような感覚で行える発信をいう。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明による携帯電話システムは、公衆携帯網でキャリア通信が可能な携帯電話端末が構内網での内線電話端末として接続される構内網と公衆網との相互接続のために設置され、キャリアサービス契約によって得られる1つの携帯電話番号を異なるユーザが所有する複数の携帯電話端末が共有する携帯電話システムであって、公衆網からの共有される携帯電話番号宛ての着信要求は、全て構内網と公衆網との間でプロトコル変換を行うゲートウェイに着信される携帯電話システムにおいて、少なくとも公衆網からの共有される携帯電話番号宛ての着信要求を受け付けて、構内網と公衆網との間でプロトコル変換を行うゲートウェイ(例えば、ゲートウェイ40)と、構内網での呼接続を制御する呼制御サーバ(例えば、呼制御サーバ30)と、共有される携帯電話番号を用いて公衆網と通話した際の通話履歴および携帯電話番号が現在どの内線電話端末に付与されているかを示す使用状況を保持する番号管理装置(例えば、番号管理サーバ10)とを備え、番号管理装置は、ゲートウェイまたは呼制御サーバからの要求に応じて、ゲートウェイが受け付けた公衆網からの着信要求に対し、通話履歴または使用状況に基づき着信先端末とする1つの内線電話端末を特定し、着信先端末に着信させるための第2の着信先番号として該内線電話端末の構内網での内線番号または該内線電話端末に現在付与されている携帯電話番号をゲートウェイまたは呼制御サーバに通知して、発信元電話端末と該内線電話端末との通話接続を制御させることを特徴とする。なお、内線番号は、IPアドレスやSIP−URIなど構内網での通話方式における宛先情報であればよい。
【0020】
また、番号管理装置は、ゲートウェイが受け付けた公衆網からの着信要求の着信先番号として指定されている携帯電話番号を用いて該着信要求の発信元電話端末と過去に通話したことがある内線電話端末が存在すれば該内線電話端末を着信先端末として特定し、存在しなければ該携帯電話番号が現在付与されている内線電話端末を着信先端末として特定してもよい。
【0021】
また、番号管理装置は、着信先端末として特定した内線電話端末が構内網のエリア内にいる場合には該内線電話端末の構内網での内線番号を、エリア内にいない場合には該内線電話端末に現在付与されている携帯電話番号を第2の着信先番号として通知してもよい。
【0022】
また、携帯電話システムは、通話相手に所定のガイダンスメッセージを出力するガイダンスサーバ(例えば、ガイダンスサーバ20)を備え、番号管理装置は、着信先端末が特定されなかった場合に、ガイダンスサーバの構内網での内線番号を第2の着信先番号として通知して、ガイダンスサーバとの通話接続を制御させてもよい。
【0023】
また、携帯電話システムは、少なくとも番号管理装置と通信可能に接続され、内線電話端末との間で非接触の電波通信を行う通信機器(通信機器130)を備え、通信機器は、内線電話端末の識別子を読み出した場合に、その際指定される制御コードに応じて少なくとも該内線電話端末に対し携帯電話番号の付与または返却を要求する旨を番号管理装置に通知するとともに、番号管理装置から指示に従い、少なくとも該内線電話端末が付与された携帯電話番号を用いてキャリア通信を行うための情報を該内線電話端末に書き込んでもよい。
【0024】
また、ゲートウェイは、第2の着信先番号が携帯電話番号であった場合に、公衆網における該携帯電話番号への転送制御を行い、呼制御サーバは、第2の着信先番号が構内網での内線番号であった場合に、構内網における該内線番号への転送制御を行ってもよい。
【0025】
また、本発明による番号管理装置は、公衆携帯網でキャリア通信が可能な携帯電話端末が構内網での内線電話端末として接続される構内網と公衆網との相互接続のために設置され、キャリアサービス契約によって得られる1つの携帯電話番号を異なるユーザが所有する複数の携帯電話端末で共有する携帯電話システムに適用される番号管理装置であって、共有される携帯電話番号を用いて公衆網と通話した際の通話履歴および携帯電話番号が現在どの内線電話端末に付与されているかを示す使用状況を保持する記憶手段と、構内網と公衆網との間でプロトコル変換を行うゲートウェイまたは構内網における呼制御サーバからの要求に応じて、ゲートウェイが受け付けた公衆網からの着信要求に対し、通話履歴または使用状況に基づき着信先端末とする1つの内線電話端末を特定し、着信先端末に着信させるための第2の着信先番号として該内線電話端末の構内網での内線番号または該内線電話端末に現在付与されている携帯電話番号をゲートウェイまたは呼制御サーバに通知して、発信元電話端末と該内線電話端末との通話接続を制御させる制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0026】
また、本発明による携帯電話番号の共有方法は、公衆携帯網でキャリア通信が可能な携帯電話端末が構内網での内線電話端末として接続される構内網と公衆網との相互接続のために設置され、キャリアサービス契約によって得られる1つの携帯電話番号を、異なるユーザが所有する複数の携帯電話端末で共有する携帯電話システムに適用される携帯電話番号の共有方法であって、構内網と公衆網との間でプロトコル変換を行うゲートウェイが、公衆網からの共有される携帯電話番号宛ての着信要求を受け付け、共有される携帯電話番号を管理する番号管理装置が、共有される携帯電話番号を用いて公衆網と通話した際の通話履歴および携帯電話番号が現在どの内線電話端末に付与されているかを示す使用状況を保持し、番号管理装置が、ゲートウェイまたは構内網における呼制御サーバからの要求に応じて、ゲートウェイが受け付けた公衆網からの着信要求に対し、通話履歴または使用状況に基づき着信先端末とする1つの内線電話端末を特定し、着信先端末に着信させるための第2の着信先番号として該内線電話端末の構内網での内線番号または該内線電話端末に現在付与されている携帯電話番号をゲートウェイまたは呼制御サーバに通知して、発信元電話端末と該内線電話端末との通話接続を制御させることを特徴とする。
【0027】
また、本発明による携帯電話番号共有用プログラムは、公衆携帯網でキャリア通信が可能な携帯電話端末が構内網での内線電話端末として接続される構内網と公衆網との相互接続のために設置され、キャリアサービス契約によって得られる1つの携帯電話番号を異なるユーザが所有する複数の携帯電話端末で共有するための携帯電話番号共有用プログラムであって、共有される携帯電話番号を用いて公衆網と通話した際の通話履歴および携帯電話番号が現在どの内線電話端末に付与されているかを示す使用状況を保持する記憶手段を備えたコンピュータに、構内網と公衆網との間でプロトコル変換を行うゲートウェイまたは構内網における呼制御サーバからの要求に応じて、ゲートウェイが受け付けた公衆網からの着信要求に対し、通話履歴または使用状況に基づき着信先端末とする1つの内線電話端末を特定し、着信先端末に着信させるための第2の着信先番号として該内線電話端末の構内網での内線番号または該内線電話端末に現在付与されている携帯電話番号をゲートウェイまたは呼制御サーバに通知して、発信元電話端末と該内線電話端末との通話接続を制御させる処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、番号管理装置がキャリアサービス契約した携帯電話番号の通話履歴と使用状況とを管理して、公衆網からの着信の際に着信先端末とする1つの内線電話端末を特定して、特定した着信先端末に着信させるための第2の着信先番号をゲートウェイまたは呼制御サーバに通知するので、1つの携帯電話番号を異なるユーザが所有する複数の内線電話端末(携帯電話端末)で共有させても、その携帯電話端末ユーザへの発信が違和感のないものとすることができる。従って、本システムを適用すれば、主に構内網において内線電話端末として用いつつ、必要に応じて公衆携帯網においても通話可能とする業務用携帯電話端末の利用形態に対し、キャリアサービス契約数を内線電話端末数より少ない数に削減でき、キャリアサービス契約数を調整すれば公衆携帯網での使用頻度に沿ったランニングコストに抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態による携帯電話システムの構成例を示す説明図である。本携帯電話システムは、内線通話を提供する構内網100と、公衆網通話を提供する公衆網200とが存在していることを前提に、構内網100と公衆網200とのインタワーク(相互接続)のために設置される。なお、公衆網200は、キャリアサービス契約によって付与されるキャリア番号を用いたキャリア通信(無線通信)によって公衆網通信を提供する携帯網300を含む。
【0030】
図1に示す携帯電話システムは、構内網100と公衆網200との間にゲートウェイ40を設け、さらにゲートウェイ40より内側(構内網100側)に、番号管理サーバ10とガイダンスサーバ20とを備える。さらに、構内網100における携帯型内線電話端末(携帯電話端末100,120)に対しキャリア番号またはキャリア通信に必要なキャリア番号に伴う各種情報を付与および返却するための通信機器130を備えていてもよい。なお、ゲートウェイ40、番号管理サーバ10およびガイダンスサーバ20は、それぞれ構内網100の通信ネットワークを介して呼制御サーバ30に接続される。また、少なくとも番号管理サーバ10は、通信機器130と通信可能に接続される。
【0031】
また、本実施の形態では、構内網100と公衆網200とのインタワークのために、少なくとも2回線以上のキャリアサービス契約を行うことを前提とする。また、キャリアサービス契約によって付与される2以上のキャリア番号に対し、その用途を、構内用と構外用(転送用)とに分け、構内用としたキャリア番号に係る携帯電話番号への着信が、全てゲートウェイ40に着信されるようキャリアサービス契約時に設定されるものとする。
【0032】
また、図1に示す例では、構内網100に接続される携帯型内線電話端末として携帯電話端末110,120を示している。また、公衆網200に接続される固定電話端末として固定電話端末210を示している。また、携帯網300に接続される携帯電話端末として携帯電話端末310,320を示している。なお、携帯電話端末320は、構内網100に接続される携帯型内線電話端末として示した携帯電話端末120の外出時として示している。なお、構内網100および公衆網200に接続される電話端末の数は、ユーザ数に応じて複数存在する。
【0033】
本実施の形態における携帯電話端末(携帯電話端末110,120)は、構内網100構内網100のエリア内で内線通話を行う内線通信インタフェースと、携帯網300のエリア内でキャリア通信を行うキャリア通信インタフェースの両方を備えた携帯電話端末である。なお、各携帯電話端末は、携帯網300においてはキャリアサービス契約によって付与されるキャリア番号(またはキャリア番号に係る携帯電話番号)によって識別され、構内網100においては予めその携帯電話端末に設定されている識別子(例えば、内線番号やIPアドレス等)によって識別される。以下、本実施の形態における携帯電話端末110,120を、携帯網300における一般の携帯電話端末と区別するために、内線電話端末110,120と表現する場合がある。
【0034】
番号管理サーバ10は、共有されるキャリアサービス契約したキャリア番号に係る携帯電話番号の使用状況および通話履歴を保持するための記憶装置を有し、1つの携帯電話番号に対し接続先端末を特定するとともに、その接続先端末との通話接続を制御する。番号管理サーバ10は、公衆網200からの着信要求(ここでは、構内用の携帯電話番号宛ての着信要求)に対し、着信先端末とする内線電話端末を特定し、内線電話端末が特定できた場合には、その内線電話端末への接続方法として内線通話とするかキャリア通話とするかを決定する。また、内線電話端末が特定できなかった場合やキャリア通話不可能な場合には、ガイダンスサーバ20への接続を制御する。番号管理サーバ10は、内線電話端末の特定に際して、通話履歴を検索し、その着信要求の着信先番号として指定されている携帯電話番号を用いてその着信要求の発信元である電話端末と過去に通話したことがある内線電話端末が存在すれば、その内線電話端末を着信先端末とし、存在しなければその携帯電話番号(着信要求の着信先番号として指定されている携帯電話番号)が現在付与されている内線電話端末を着信先端末とする。なお、番号管理サーバ10の各機能は、番号管理サーバ10が備えるCPU等のプログラムに従って動作する情報処理装置および通信制御装置によって実現される。
【0035】
ガイダンスサーバ20は、番号管理サーバ10からの指示に従い、転送先を誘導するメッセージまたは通話不可のメッセージを発信元の電話端末(例えば、公衆網200内の固定電話端末210または携帯網300内の携帯電話端末310,320)に通知する。
【0036】
呼制御サーバ30は、構内網100内の内線電話端末間の呼制御を行うだけでなく、番号管理サーバ10からの指示に従い、ゲートウェイ40を介して公衆網200内の電話端末と構内網100内の内線電話端末間の呼制御を行う。呼制御サーバ30は、本実施の形態では、SIP(Session Initiation Protocol )におけるサーバ機能を実装したSIPサーバである。
【0037】
ゲートウェイ40は、公衆網200と構内網100との間でプロトコル変換および通話音声データの中継を行う。具体的には、公衆網200からの着信要求を受け付けて、公衆網接続プロトコル(例えば、FXS、BRI、PRI)を構内網接続プロトコル(例えば、VoIP)に変換しつつ、呼制御サーバ30に通知する。また、呼制御サーバ30から公衆網宛ての発信要求を受け付けて、構内網接続プロトコルを公衆網接続プロトコルに変換しつつ、公衆網200における呼制御サーバ(図示せず。)に通知する。また、公衆網200からの音声通話データと構内網100からの音声通話データとをそれぞれ構内網100および公衆網200に適する形に変換して中継する。
【0038】
なお、本実施の形態では、ゲートウェイ40は、公衆網200からの着信要求を受け付けると、番号管理サーバ10に対し構内網での着信先番号への変換を要求する。ゲートウェイ40は、番号管理サーバ10により変換された構内網での着信先番号を用いて、構内網接続プロトコルによる着信要求を呼制御サーバ30に転送する。なお、着信先番号が構内網での着信先番号に変換されず、公衆網での着信先番号(例えば、構外用の携帯電話番号)に変換された場合には、ゲートウェイ40は、構内網宛てでないとして、公衆網200に対しその公衆網での着信先番号宛てに転送するための制御を行う。また、ゲートウェイ40は、呼制御サーバ30から公衆網200宛ての発信要求を受け付けると、番号管理サーバ10に対し公衆網での発信元番号への変換を要求する。ゲートウェイ40は、番号管理サーバ10により変換された公衆網での発信元番号を用いて、公衆網接続プロトコルによる発信要求を公衆網における呼接続サーバに転送する。なお、発信元番号が公衆網での発信元番号に変換されなかった場合には、呼制御サーバ30に発信不可を返信すればよい。なお、この番号変換要求処理は、呼制御サーバ30で行うことも可能である。
【0039】
通信機器130は、番号管理サーバ10との間で、内線電話端末(内線電話端末110,120)に対する携帯電話番号の付与および返却に必要な情報をやりとりする。通信機器130は、内線電話端末(内線電話端末110,120)の識別子が入力された場合に、その際指定される制御コード(例えば、「付与」「返却」「外出」「戻り」ボタンに対応して定められたコード)に応じて、携帯電話番号の付与または返却を要求する旨や内線電話端末が外出するまたは外出先から戻る旨を番号管理サーバ10に通知したり、番号管理サーバ10からの指示に従い、所定の携帯電話番号を用いてキャリア通信を行うために必要な各種情報を内線電話端末に設定する。なお、通信機器130は、ICカードリーダ/ライタ等、非接触式の電波通信を行うことによってICカードから情報を読み出したりICカードに情報を書き込める通信機器であることが望ましい。
【0040】
次に、図2および図3を参照して、番号管理サーバ10が保持する使用状況データおよび通話履歴データのデータ構成について説明する。図2は、番号管理サーバ10が保持する使用状況データの一例を示す説明図である。図2(a)は、構内用携帯電話番号の使用状況データの一例を示す説明図である。また、図2(b)は、構外用携帯電話番号の使用状況データの一例を示す説明図である。
【0041】
番号管理サーバ10は、図2(a)に示すように、構内用としてキャリアサービス契約した携帯電話番号に対し、使用状況データとして、少なくともその携帯電話番号が現在付与されている内線電話端末の識別子(または使用者なしを示す情報)を対応づけて記憶することによって、構内用の各携帯電話番号の使用状況を管理する。なお、使用状況データは、その携帯電話番号が現在付与されている内線電話端末の識別子の他に、使用開始時間と、その内線電話端末が現在構内網のエリア内にいるか否かを示す使用エリアと、使用期限とを対応づけて記憶してもよい。内線電話端末の識別子は、例えば、内線番号、SIP−URIやIPアドレスなどである。また、使用期限を示す情報は、ユーザの使用レベル(例えば、役職や業務内容)によって適当な期限を設け、ある特定のユーザによる番号の占有を禁止するために用いられる。なお、使用レベルによっては、使用期限を設定せずに、ユーザの返却操作によってのみ返却されるように設定してもよい。
【0042】
図2(a)では、例えば、番号管理サーバ10が構内用として管理している携帯電話番号が、”携帯番号1”,”携帯番号2”,・・・,”携帯番号N”であることが示されている。また、例えば、”携帯番号1”が現在付与されている内線電話端末が”SIP−URI:A”(”使用者A”)の識別子を持つ内線電話端末であり、現在構内網のエリア内にいることが示されている。また、例えば、”携帯番号2”が現在付与されている内線電話端末が”SIP−URI:B”(”使用者B”)の識別子を持つ内線電話端末であり、現在外出中であることが示されている。
【0043】
なお、番号管理サーバ10は、使用状況データとして携帯電話番号に対応づけて使用エリアを管理するのではなく、番号管理サーバ10が携帯電話番号の共有の対象として管理している内線電話端末に対し、その内線電話端末が現在構内網のエリア内にいるか否かを示す使用エリアを保持するようにしてもよい。
【0044】
また、番号管理サーバ10は、図2(b)に示すように、構外用としてキャリアサービス契約した携帯電話番号に対し、使用状況データとして、少なくともその携帯電話番号が現在付与されている内線電話端末の識別子(または使用者なしを示す情報)を対応づけて記憶することによって、構外用の各携帯電話番号の使用状況を管理する。図2(b)では、例えば、番号管理サーバ10が構外用として管理している携帯電話番号が、”携帯番号イ”,・・・,”携帯番号ト”であることが示されている。また、例えば、”携帯番号イ”が構外転送用として現在付与されている内線電話端末が”SIP−URI:B”(”使用者B”)の識別子を持つ内線電話端末であることが示されている。なお、構内用携帯電話番号とは独立させて構外用携帯電話番号を内線電話端末に付与することも可能である。なお、構外用の各携帯電話番号の使用状況データにも使用開始時間と使用期限とを設けてもよい。
【0045】
また、図3は、番号管理サーバ10が保持する通話履歴データの一例を示す説明図である。番号管理サーバ10は、図3に示すように、構内用としてキャリアサービス契約した携帯電話番号に対し、着信履歴データとして、その携帯電話番号への着信要求があった際の発信元の電話番号を示す発信元番号と、その時着信した内線電話端末の識別子を示す着信先端末識別子と、着信時間とを対応づけて記憶するとともに、発信履歴データとして、その携帯電話番号を用いて公衆網200へ発信した際の着信先の電話番号を示す着信先番号と、その時発信した内線電話端末の識別子を示す発信元端末識別子と、発信時間とを対応づけて記憶することによって、各携帯電話番号の通話履歴を管理する。なお、図3における携帯電話番号の一覧は、図2(a)における携帯電話番号の一覧と同じであり、各携帯電話番号に対応づけられたデータは相関関係にある。また、着信先端末識別子および発信元端末識別子は、番号管理サーバ10によって、その携帯電話番号が現在付与されている内線電話端末の識別子に変換され記憶される。
【0046】
図3では、例えば、携帯電話番号”携帯番号1”への着信履歴データとして、発信元番号”番号1”である電話端末から、着信時間”着信時間1”において着信があったこと、およびその時の着信先端末が”SIP−URI:A”(”使用者A”)の識別子を持つの内線電話端末であったことを示している。また、例えば、携帯電話番号”携帯番号1”からの発信履歴データとして、着信先番号”番号3”である電話端末へ、発信時間”発信時間1”において発信があったこと、およびその発信を行った発信元端末が”SIP−URI:A”(”使用者A”)の識別子を持つの内線電話端末であったことを示している。
【0047】
携帯電話番号の付与および返却は、内線電話端末(内線電話端末110,120)と番号管理サーバ10との間で通信機器130を介して情報交換を行うことによって実行される。その際、番号管理サーバ10は、自身でまたは別の認証サーバと連携を図って、その内線電話端末が構内網100における内線電話端末であることを認証するようにしてもよい。また、番号管理サーバ10に、予めどの内線電話端末間でどの携帯電話番号を共有させるかを定めた情報を記憶しておいてもよい。そのような場合には、内線電話端末に、どの携帯電話番号を共有しているかを記憶させて、所有者にその番号を認識させてもよい。
【0048】
また、通信機器130は、予め各内線電話端末に設定されている識別子とともに付与要求や返却要求を番号管理サーバ10との間でやりとりして、キャリア番号の論理的な付与または返却を行うだけでもよいが、可能であれば、各内線電話端末に装着されているICカードに対し、直接キャリア通信に必要な情報を書き込んだり消去したりすることが好ましい。また、番号管理サーバ10側で決定される使用期限を内線電話端末に設定し、内線電話端末が設定された使用期限に基づいて、自ら公衆網200宛ての接続を制限するようにしてもよい。なお、内線電話端末は、構外用の携帯電話番号が付与された場合、少なくとも構内網100のエリア外にいる間は、その構外用の携帯電話番号によるキャリア通信インタフェースを稼働させ、公衆網200からの着信要求を直接受理可能な状態にする。
【0049】
なお、内線電話端末は、構内網100のエリア内にいる間であっても、呼制御サーバ30からの着信要求を受理可能な状態で、キャリア通信インタフェースを稼働させることが可能であれば、付与された携帯電話番号を用いたキャリア通信インタフェースを稼働させ、公衆網200に対し直接に発信要求を送信することも可能である。なお、発信履歴データの収集という観点で、少なくとも構内用の携帯電話番号が付与された内線電話端末は、構内網100のエリア内にいる場合には、公衆網200宛ての発信要求も内線通信インタフェースを用い呼制御サーバ30を介して行うように運用されることが好ましい。また、このような運用を行う場合には、内線電話端末が構内用の携帯電話番号を用いたキャリア通信インタフェースを稼働させる必要がないので、1つの内線電話端末が2つの携帯電話番号を用いたキャリア通信インタフェースを稼働させるための制御も不要となる。
【0050】
次に、図4を参照して本実施の形態の動作について説明する。図4は、本実施の形態における携帯電話システムの動作の一例を示すフローチャートである。なお、図4において、携帯網300および公衆網200における呼制御は一般的な呼制御と同じであり、また構内網100における呼制御もSIPによる一般的な呼制御と同じであるため、説明省略している。
【0051】
図4に示すように、まず、ゲートウェイ40は、公衆網200からの構内用携帯電話番号宛ての着信要求を受け付けると(ステップS100:外線着信)、その着信要求を構内網100における着信要求に変換して呼制御サーバ30に転送する前に、番号管理サーバ10に対し、着信要求に含まれる着信情報(少なくとも着信先番号と発信元番号)を通知して、構内網での着信先番号への変換を要求する。なお、ゲートウェイ40はそのまま呼制御サーバ30に転送し、呼制御サーバ30が番号管理サーバ10に着信先番号の変換を要求してもよい。
【0052】
番号管理サーバ10では、公衆網200に接続された電話端末(固定電話端末210または携帯電話端末310,320)からグループ内端末(携帯電話番号の共有の対象である内線電話端末)宛ての着信を監視している。ステップS100では、ゲートウェイ40が終端した外線着信に係る着信情報を、番号管理サーバ10が受信する。
【0053】
番号管理サーバ10は、着信情報を受け取ると、まず、その着信要求が番号管理サーバ10でグループ内端末に付与または返却される対象として管理している携帯電話番号宛てか否かを判定する(ステップS101)。番号管理サーバ10は、例えば、着信情報に含まれる着信先番号が、番号管理サーバ10が保持している構内用の使用状況データの携帯電話番号として登録されているか否かを確認し、登録されていればグループ端末宛てと判定すればよい。
【0054】
番号管理サーバ10は、管理対象の携帯電話番号であった場合(ステップS101のYes)、通話履歴を参照する(ステップS102)。番号管理サーバ10は、通話履歴データを検索して、今回の着信先番号として指定された構内用携帯電話番号を用いて今回の着信要求の発信元端末と通話している通話履歴があれば(ステップS103のYes)、その時の構内用携帯電話番号の使用端末として登録されている内線電話端末を着信先端末として特定する。
【0055】
例えば、図3に示す通話履歴データの場合、着信先番号として指定された構内用携帯電話番号に対応づけられて登録されている通話履歴データの中から、今回の発信元番号が、着信履歴データの発信元番号として登録されている、または発信履歴データの着信先番号として登録されている通話履歴データを検索すればよい。仮に、今回の着信先番号が”携帯番号1”であって、今回の発信元番号が”番号1”である場合には、”着信時間1”での着信履歴データが発見され、その着信履歴データの着信先端末識別子”SIP−URI:A”で識別される内線電話端末(”使用者A”の内線電話端末)が今回の着信先端末として特定される。以下、”SIP−URI:A”で識別される内線電話端末(”使用者A”の内線電話端末)が着信先端末として特定された場合を例に説明する。また、これを内線電話端末120とする。
【0056】
なお、例えば、今回の発信元番号が”番号4”である場合には、”発信時間2”での発信履歴データが発見され、その発信履歴データの発信元端末識別子”SIP−URI:B”で識別される内線電話端末(”使用者B”の内線電話端末)が今回の着信先端末として特定されることになる。
【0057】
番号管理サーバ10は、通話履歴により着信先端末を特定すると、その着信先端末が構内網のエリア内にいるか否かを判定する(ステップS104)。例えば、呼制御サーバ30が定期的に各内線電話端末に対しポーリングを行ってその応答の有無により構内か構外かを把握して、番号管理サーバ10が呼制御サーバ30に問い合わせることによって、その着信先端末が構内網のエリア内にいるかどうかを判定してもよい。または、通信機器130からの外出通知に応じて、番号管理サーバ10が各内線電話端末の使用エリアを示す情報を更新するような場合には、その使用エリアを示す情報を参照することによって、その着信先端末が構内網のエリア内にいるか否かを判定することが可能である。なお、その着信先端末にいずれかの構外用携帯電話番号が付与されているか否かで判断してもよい。
【0058】
着信先端末として特定した内線電話端末が構内網のエリア内にいると判定した場合には(ステップS104のYes)、番号管理サーバ10は、今回の着信を、呼制御サーバ30を介した内線通話として接続させる(ステップS105)。番号管理サーバ10は、例えば、着信先端末として特定した内線電話端末の識別子に基づき、着信先番号を、その内線電話端末の構内網100での宛先情報に相当する内線番号やIPアドレス、SIP−URI等に変換してゲートウェイ40(または呼制御サーバ30)に返信する。ゲートウェイ40(または呼制御サーバ30)は、変換後の着信先番号に基づいて、構内網100での呼制御を行えばよい。そして、着信先端末である内線電話端末がその着信要求を受け入れた場合、ゲートウェイ40には着信先端末の構内網100における宛先情報(例えば、VoIP通信用に内線電話端末120のSIP−URIなど)が通知される。以降の構内通話は、ゲートウェイ40と着信先端末である内線電話端末とで直接行われる。なお、ゲートウェイ40と発信元の電話端末との間の通話は、発信元番号と着信先携帯電話番号とに基づいた経路上で行われる。
【0059】
一方、着信先端末として特定した内線電話端末が構内網のエリア内にいないと判定した場合には(ステップS104のNo)、番号管理サーバ10は、その内線電話端末に構外用の携帯電話番号が付与されているか否かを確認する(ステップS106)。番号管理サーバ10は、例えば、図2(b)に示すような構外用携帯電話番号の使用状況データを検索し、その着信先端末の識別子がいずれかの構外用携帯電話番号と対応づけられて登録されているか否かを確認すればよい。
【0060】
ここでは、”使用者A”が外出したことにより、携帯電話端末120が公衆網200に接続される携帯電話端末320として動作している場合を想定している。例えば、”使用者A”が外出する際に、通信機器130に「外出」を指定して内線電話端末120をかざすことによって、通信機器130は、番号管理サーバ10に対し、内線電話端末120の識別子とともに内線電話端末120が外出する旨の外出通知を送信すればよい。番号管理サーバ10は、外出通知を受け取ると、例えば、割り当て可能な構外用の携帯電話番号を検索して、通信機器130に対しその携帯電話番号を構外用として内線電話端末120に付与させるための指示を出すとともに、構外用携帯電話番号の使用状況データを更新すればよい。なお、その際、内線電話端末120の使用エリアを示す情報を更新してもよい。通信機器130は、番号管理サーバ10からの指示に応じて、内線電話端末120が装着しているICカードに構外用の携帯電話番号を用いたキャリア通信に必要な各種情報を書き込めばよい。なお、構外用の携帯電話番号の内線電話端末120への付与は、”使用者A”がICカードの差し替え等によって行ってもよい。そのような場合には、ICカードを差し替えた後で通信機器130に内線電話端末120をかざすことによって、通信機器130が、その構外用の携帯電話番号を読みとり、外出通知に含めて番号管理サーバ10に送信するようにすればよい。
【0061】
着信先端末に構外用の携帯電話番号が付与されている場合には(ステップS106のYes)、番号管理サーバ10は、その着信をその構外用の携帯電話番号に転送させる(ステップS107)。番号管理サーバ10は、例えば、着信先番号を特定した着信先端末に付与されている構外用の携帯電話番号に変換して、ゲートウェイ40(または呼制御サーバ30)に返信する。ゲートウェイ40(または呼制御サーバ30)は、変換後の着信先番号に基づいて、公衆網200への転送制御を行えばよい。以降の通話に関する制御は公衆網200または携帯網300内の手続きに従う。ここでは、着信先端末として”SIP−URI:A”の識別子を持つ内線電話端末(内線電話端末120)が特定されているので、図2(b)に示す例では、”携帯番号ロ”への転送を指示する旨の制御メッセージがゲートウェイ40から公衆網200の呼制御サーバに対し発行されることになる。そして、付与された構外用携帯電話番号”携帯番号ロ”によるキャリア通信インタフェースを稼働させている携帯電話端末320(外出中の内線電話端末120)に、その着信要求が着信される。
【0062】
一方、着信先端末が外出中であり、構外用の携帯電話番号が付与されていない場合には(ステップS106のNo)、特定した着信先端末と通話する手だてがないので、番号管理サーバ10は、着信できない旨のガイダンスメッセージを発信者に通知するために、その着信をガイダンスサーバ20に転送させる(ステップS108)。番号管理サーバ10は、例えば、着信先番号を、ガイダンスサーバ20の構内網100での宛先情報に相当する内線番号や、IPアドレス、SIP−URI等に変換してゲートウェイ40(または呼制御サーバ30)に返信する。なお、その際どのメッセージを流すかを指定する識別子を含めてもよい。ガイダンスサーバ20がその着信要求を受け入れて、ゲートウェイ40にはガイダンスサーバ20の構内網100における宛先情報が通知される。以降の構内通話は、ゲートウェイ40とガイダンスサーバ20とで直接行われる。なお、ゲートウェイ40と発信元の電話端末との間のメッセージ通話は、発信元番号と着信先携帯電話番号とに基づいた経路上で行われる。
【0063】
なお、着信先端末が構内網のエリア内にいて、呼制御サーバ30を介した内線通話として接続させようとした場合であっても、着信先端末が電源断や電波不達範囲にあって内線通話不可能な場合には、呼制御サーバ30が、着信できない旨のガイダンスメッセージを返すために、ガイダンスサーバ20に対して着信要求を送信する。以降の処理の流れは、ステップS108においてガイダンスメッセージを通知する場合と同様である。
【0064】
また、番号管理サーバ10は、管理対象の携帯電話番号でなかった場合(ステップS101のNo)、または過去に同じ組み合わせで通話している通話履歴データが発見できない場合には(ステップS103のNo)、着信先番号の現在の使用状況データにおける設定内容に従って、着信先端末を特定する。番号管理サーバ10は、構内用携帯電話番号の使用状況データを参照して、着信先番号として指定された構内用携帯電話番号が現在どの内線電話端末に付与されているかを確認する。着信先番号として構内用携帯電話番号が使用中の場合(いずれかの内線電話端末に付与されている場合)には(ステップS109のYes)、現在使用している内線電話端末を着信先端末として特定し、特定した着信先端末に着信されるよう、通話履歴により着信先端末を特定した場合と同様の処理を行う。なお、着信先番号として指定された構内用携帯電話番号が使用中でない場合(いずれの内線電話端末にも付与されていない場合)には、特定不能として、例えば、代表番号への転送を誘導するようなメッセージを発信者に通知するために、その着信をガイダンスサーバ20に転送させる(ステップS109のNo,S108)。
【0065】
なお図4では、着信動作についてのみ示しているが、構内網100に存在する内線電話端末から公衆網200への発信は概ね次の通りである。ゲートウェイ40(または呼制御サーバ30)が公衆網200への発信要求を受け付けると、番号管理サーバ10にその発信要求に含まれる発信情報(少なくとも着信先番号と発信元番号)を通知して、公衆網での発信元番号への変換を要求する。番号管理サーバ10は、発信情報を受け取ると、その発信の発信元番号として使用する携帯電話番号を決定する。ゲートウェイ40(または呼制御サーバ30)は、その発信元番号を用いて公衆網での呼接続を行う。以降の構内通話は、ゲートウェイ40と発信元端末である内線電話端末とで直接行われる。なお、ゲートウェイ40と公衆網200の着信先となる電話端末との間の通話は、着信先番号と発信元携帯電話番号とに基づいた経路上で行われる。なお、番号管理サーバ10における発信元端末に使用させる携帯電話番号の決定については、構内用携帯電話番号の使用状況の設定内容に従って特定する他、予め共有させる番号を定めていなければ現在未使用となっている携帯電話番号を割り当てることも可能である。
【0066】
なお、図4では省略しているが、番号管理サーバ10は、着信先端末を特定した場合には、その着信先端末の識別子とその時の発信元電話番号および着信先電話番号とを組み合わせた着信履歴データを登録する。また、発信元端末に使用させる携帯電話番号を決定した場合には、その発信元端末の識別子とその時の発信元電話番号および着信先電話番号とを組み合わせた発信履歴データを登録する。
【0067】
以上のように、本実施の形態では、番号管理サーバ10がキャリアサービス契約した携帯電話番号の通話履歴と使用状況とを管理して、公衆網200からの着信の際に、着信先端末を自動的に特定することによって、1つのキャリア番号を異なるユーザが所有する複数の携帯電話端末で共有しても、その携帯電話端末ユーザへの発信が違和感のないものとすることができる。なお、着信先端末が特定できないや通話する手だてがない場合には、ガイダンスを流すという方法をとってはいるが、発信側は、基本的には携帯電話に電話をしているときと同じような感覚で行うことができる。従って、本システムを適用すれば、主に構内網において内線電話端末として用いつつ、必要に応じて公衆携帯網においても通話可能とする業務用携帯電話端末の利用形態に対し、可能な限り公衆携帯網での使用頻度に沿ったランニングコストに抑えることができる。
【0068】
なお、上記例では、着信先端末として特定した内線電話端末が構内のエリア内にいるか否かを確認して、呼制御サーバ30に着信要求を転送する例を示したが、エリア内にいるか否かに関わらず一旦呼制御サーバ30に着信要求を転送し、着信不能であれば構外用の携帯電話番号が付与されているかを確認するといった制御も可能である。
【0069】
また、ガイダンスサーバ20でのガイダンス内容は、上記例に限らず、単純に不通話状態であることを通知したり、特定した着信先端末のユーザが所属する部署の代表番号への転送を案内するようにしたり、諸事運用により考慮されるものである。
【0070】
実施の形態2.
次に、本発明による第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、公衆網200から内線電話端末宛ての着信があった際に、着信先端末が外出中であれば、構外使用の携帯電話端末に転送することによって着信させる方法について説明した。第1の実施の形態では、キャリアサービス契約した通信事業者側は、構内用の携帯電話番号宛の着信をゲートウェイ40に着信させるよう設定するだけでよいので、容易に導入することが可能である。第2の実施の形態では、通信事業者側にもう1つ設定を加えることによって、さらにキャリアサービス契約数を削減できる方法について説明する。
【0071】
なお、本実施の形態におけるシステム構成は、図1に示す第1の実施の形態と同様である。本実施の形態では、キャリアサービス契約によって付与されるキャリア番号の用途を、構内用と構外用(転送用)とに分けずに使用する。従って、本システムでは、少なくとも1回線以上のキャリアサービス契約を行えばよい。なお、本実施の形態では、本システムが使用するキャリア番号に係る携帯電話番号への公衆網200からの着信が、全てゲートウェイ40に着信されるように、またゲートウェイ40からのキャリア番号に係る携帯電話番号への発信は通常の携帯網300の接続手順に従うように設定されることを前提とする。
【0072】
番号管理サーバ10は、キャリアサービス契約した全携帯電話番号に対し、使用状況データとして、その携帯電話番号の現在の使用状況を示す情報と、使用開始時間と、その内線電話端末(その携帯電話番号が付与されている内線電話端末)が現在構内網のエリア内にいるか否かを示す使用エリアと、使用期限とを対応づけて記憶することによって、各携帯電話番号の使用状況を管理すればよい。なお、番号管理サーバ10は、使用状況データとして携帯電話番号に対応づけて使用エリアを管理するのではなく、番号管理サーバ10が携帯電話番号の共有の対象として管理している内線電話端末の全てに対し、その内線電話端末が現在構内網のエリア内にいるか否かを示す使用エリアを保持するようにしてもよい。
【0073】
また、番号管理サーバ10は、キャリアサービス契約した全携帯電話番号に対し、着信履歴データとして、その携帯電話番号への着信要求があった際の発信元の電話番号を示す発信元番号と、その時着信した内線電話端末の識別子で示される着信先端末識別と、着信時間とを対応づけて記憶するとともに、発信履歴データとして、その携帯電話番号を用いて公衆網200へ発信した際の着信先の電話番号を示す着信先番号と、その時発信した内線電話端末の識別子で示される発信元端末識別子と、発信時間との組み合わせで示す発信履歴とを対応づけて記憶することによって、各携帯電話番号の通話履歴を管理すればよい。
【0074】
なお、本実施の形態では、内線電話端末(内線電話端末110,120)は、携帯電話番号が付与された場合、少なくとも構内のエリア外にいる間は、その携帯電話番号によるキャリア通信インタフェースを稼働させ、公衆網200からの着信要求を直接受理可能な状態にする。なお、内線電話端末は、構内のエリア内にいる間であっても、内線番号での着信要求を受理可能な状態で、キャリア通信インタフェースを稼働させることが可能であれば、付与された携帯電話番号を用いたキャリア通信インタフェースを稼働させ、公衆網200に対し直接に発信要求を送信することも可能である。なお、発信履歴データの収集という観点で、構内のエリア内にいる場合には、内線電話端末は、公衆網200宛ての発信要求も内線通信インタフェースを用いて行うように運用されることが好ましい。
【0075】
図5は、本実施の形態における携帯電話システムの動作の一例を示すフローチャートである。図5に示すように、まず、ゲートウェイ40は、第1の実施の形態と同様に、公衆網200から構内用携帯電話番号宛ての着信要求を受け付けると(ステップS200:外線着信)、番号管理サーバ10に対し、着信要求に含まれる着信情報(少なくとも着信先番号と発信元番号)を通知して、構内網での着信先番号への変換を要求する。
【0076】
番号管理サーバ10は、着信情報を受け取ると、まず、その着信要求が番号管理サーバ10でグループ内端末に付与または返却される対象として管理している携帯電話番号宛てか否かを判定する(ステップS201)。番号管理サーバ10は、例えば、着信情報に含まれる着信先番号が、番号管理サーバ10が保持している使用状況データの携帯電話番号として登録されているか否かを確認し、登録されていればグループ端末宛てと判定すればよい。
【0077】
番号管理サーバ10は、管理対象の携帯電話番号であった場合(ステップS201のYes)、通話履歴を参照する(ステップS202)。今回の着信先番号として指定された携帯電話番号を用いて今回の着信要求の発信元端末と通話している通話履歴があれば(ステップS203のYes)、その時の携帯電話番号の使用端末として登録されている内線電話端末を着信先端末として特定する。
【0078】
番号管理サーバ10は、通話履歴により着信先端末を特定すると、その着信先端末が構内網のエリア内にいるか否かを判定する(ステップS204)。番号管理サーバ10は、例えば、呼制御サーバ30に問い合わせたり、通信機器130からの外出通知に応じて更新される各内線電話端末の使用エリアを示す情報を参照することによって、判定すればよい。そして、着信先端末として特定した内線電話端末が構内網のエリア内にいると判定した場合には(ステップS204のYes)、番号管理サーバ10は、その着信を、呼制御サーバ30を介した内線通話として接続させる(ステップS205)。特定した着信先端末が構内網のエリア内にいるか否かの判定方法および内線通話としての接続方法は、第1の実施の形態と同様である。
【0079】
一方、着信先端末として特定した内線電話端末が構内網のエリア内にいないと判定した場合には(ステップS204のNo)、番号管理サーバ10は、その内線電話端末に現在携帯電話番号が付与されているか否かを確認する(ステップS206)。番号管理サーバ10は、例えば、使用状況データを検索し、いずれかの携帯電話番号と対応づけられて、その着信先端末の識別子が登録されているか否かを確認すればよい。なお、番号管理サーバ10は、今回の着信要求の着信先番号である携帯電話番号がその内線電話端末に現在付与されているか否かを確認するようにしてもよい。その場合、番号管理サーバ10は、今回の着信要求の着信先番号である携帯電話番号と対応づけられて、その着信先端末の識別子が登録されているか否かを確認すればよい。
【0080】
着信先端末に携帯電話番号が付与されている場合には(ステップS206のYes)、番号管理サーバ10は、その着信をその携帯電話番号に転送させる(ステップS207)。番号管理サーバ10は、例えば、着信先番号をその携帯電話番号に変換して、ゲートウェイ40(または呼制御サーバ30)に返信する。以降の通話に関する制御は公衆網200または携帯網300内の手続きに従えばよい。なお、今回の着信先番号である携帯電話番号が、再度転送先として指定されうるが、キャリアサービス契約時の設定により、ゲートウェイ40からの発信であるので、同じ着信先番号であっても外出中の内線電話端末に着信されるようになる。
【0081】
一方、着信先端末が外出中であり、携帯電話番号が付与されていない場合には(ステップS206のNo)、番号管理サーバ10は、着信できない旨のガイダンスメッセージを発信者に通知するために、その着信をガイダンスサーバ20に転送させる(ステップS208)。ガイダンスサーバ20に対する着信要求については、第1の実施の形態と同様である。
【0082】
また、番号管理サーバ10は、管理対象の携帯電話番号でなかった場合(ステップS201のNo)、または過去に同じ組み合わせで通話している通話履歴データが発見できない場合には(ステップS203のNo)、着信先番号の現在の使用状況データにおける設定内容に従って、着信先端末を特定する。番号管理サーバ10は、使用状況データを参照して、着信先番号として指定された携帯電話番号がいずれかの内線電話端末に付与されている場合には(ステップS209のYes)、その着信をその着信先番号である携帯電話番号に転送させる(ステップS210)。以降の通話に関する制御は公衆網200または携帯網300内の手続きに従えばよい。ここでは、今回の着信先番号である携帯電話番号が再度転送先として指定されるが、キャリアサービス契約時の設定により、ゲートウェイ40からの発信であるので、同じ着信先番号であっても外出中の内線電話端末に着信されるようになる。
【0083】
なお、内線電話端末が、構内のエリア内にいる間はキャリア通信インタフェースを稼働させないような場合には、第1の実施の形態と同様に、その内線電話端末が構内のエリア内にいるか否かを判断して、構内のエリア内にいる場合には内線着信させるよう制御すればよい。
【0084】
以上のように、本実施の形態では、通信事業者側の呼制御にもう1つの設定が必要となるが、構外用に別途キャリアサービス契約をしなくてもよいので、さらにキャリアサービス契約数を削減することができる。また、内線電話端末が、使用期限に応じて制限をかける等、付与された携帯電話番号に係る制御を実装するような場合であっても、構内用と構外用の2つの携帯電話番号を管理しなくてもすむため、内線電話端末を簡易に実装できる。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、無線LANを用いたVoIP通信により内線通話を行う構内網と公衆網との間で通信を行う携帯電話システムに好適に適用可能である。なお、本発明による携帯電話システムは、例えば、番号管理サーバとガイダンスサーバと呼制御サーバ及びゲートウェイを、公衆網接続を提供する通信事業者側で設置、運営を行うIPセントレックス方式の携帯電話システムであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】第1の実施の形態による携帯電話システムの構成例を示す説明図である。
【図2】番号管理サーバ10が保持する使用状況データの一例を示す説明図である。
【図3】番号管理サーバ10が保持する通話履歴データの一例を示す説明図である。
【図4】第1の実施の形態における携帯電話システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施の形態における携帯電話システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0087】
10 番号管理サーバ
20 ガイダンスサーバ
30 呼制御サーバ
40 ゲートウェイ
100 構内網ネットワーク
110,120 構内網内の内線電話端末
130 通信機器
200 公衆網ネットワーク
210 公衆網内の固定電話端末
300 携帯網
310,320 携帯網内の携帯電話端末(外出時の内線電話端末を含む)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
公衆携帯網でキャリア通信が可能な携帯電話端末が構内網での内線電話端末として接続される構内網と公衆網との相互接続のために設置され、キャリアサービス契約によって得られる1つの携帯電話番号を異なるユーザが所有する複数の携帯電話端末が共有する携帯電話システムであって、公衆網からの前記共有される携帯電話番号宛ての着信要求は、全て構内網と公衆網との間でプロトコル変換を行うゲートウェイに着信される携帯電話システムにおいて、
少なくとも公衆網からの前記共有される携帯電話番号宛ての着信要求を受け付けて、構内網と公衆網との間でプロトコル変換を行うゲートウェイと、
構内網での呼接続を制御する呼制御サーバと、
前記共有される携帯電話番号を用いて公衆網と通話した際の通話履歴および前記携帯電話番号が現在どの内線電話端末に付与されているかを示す使用状況を保持する番号管理装置とを備え、
前記番号管理装置は、前記ゲートウェイまたは前記呼制御サーバからの要求に応じて、前記ゲートウェイが受け付けた公衆網からの着信要求に対し、前記通話履歴または使用状況に基づき着信先端末とする1つの内線電話端末を特定し、前記着信先端末に着信させるための第2の着信先番号として該内線電話端末の構内網での内線番号または該内線電話端末に現在付与されている携帯電話番号を前記ゲートウェイまたは前記呼制御サーバに通知して、発信元電話端末と該内線電話端末との通話接続を制御させる
ことを特徴とする携帯電話システム。
【請求項2】
番号管理装置は、ゲートウェイが受け付けた公衆網からの着信要求の着信先番号として指定されている携帯電話番号を用いて該着信要求の発信元電話端末と過去に通話したことがある内線電話端末が存在すれば該内線電話端末を着信先端末として特定し、存在しなければ該携帯電話番号が現在付与されている内線電話端末を着信先端末として特定する
請求項1に記載の携帯電話システム。
【請求項3】
番号管理装置は、着信先端末として特定した内線電話端末が構内網のエリア内にいる場合には該内線電話端末の構内網での内線番号を、エリア内にいない場合には該内線電話端末に現在付与されている携帯電話番号を第2の着信先番号として通知する
請求項1または請求項2に記載の携帯電話システム。
【請求項4】
通話相手に所定のガイダンスメッセージを出力するガイダンスサーバを備え、
番号管理装置は、着信先端末が特定されなかった場合に、前記ガイダンスサーバの構内網での内線番号を第2の着信先番号として通知して、前記ガイダンスサーバとの通話接続を制御させる
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の携帯電話システム。
【請求項5】
少なくとも番号管理装置と通信可能に接続され、内線電話端末との間で非接触の電波通信を行う通信機器を備え、
前記通信機器は、前記内線電話端末の識別子を読み出した場合に、その際指定される制御コードに応じて少なくとも該内線電話端末に対し携帯電話番号の付与または返却を要求する旨を番号管理装置に通知するとともに、前記番号管理装置から指示に従い、少なくとも該内線電話端末が付与された携帯電話番号を用いてキャリア通信を行うための情報を該内線電話端末に書き込む
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の携帯電話システム。
【請求項6】
前記ゲートウェイは、第2の着信先番号が携帯電話番号であった場合に、公衆網における該携帯電話番号への転送制御を行い、
前記呼制御サーバは、第2の着信先番号が構内網での内線番号であった場合に、構内網における該内線番号への転送制御を行う
請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の携帯電話システム。
【請求項7】
公衆携帯網でキャリア通信が可能な携帯電話端末が構内網での内線電話端末として接続される構内網と公衆網との相互接続のために設置され、キャリアサービス契約によって得られる1つの携帯電話番号を異なるユーザが所有する複数の携帯電話端末が共有する携帯電話システムに適用される番号管理装置であって、
前記共有される携帯電話番号を用いて公衆網と通話した際の通話履歴および前記携帯電話番号が現在どの内線電話端末に付与されているかを示す使用状況を保持する記憶手段と、
構内網と公衆網との間でプロトコル変換を行うゲートウェイまたは構内網における呼制御サーバからの要求に応じて、前記ゲートウェイが受け付けた公衆網からの着信要求に対し、前記通話履歴または使用状況に基づき着信先端末とする1つの内線電話端末を特定し、前記着信先端末に着信させるための第2の着信先番号として該内線電話端末の構内網での内線番号または該内線電話端末に現在付与されている携帯電話番号を前記ゲートウェイまたは前記呼制御サーバに通知して、発信元電話端末と該内線電話端末との通話接続を制御させる制御手段とを備えた
ことを特徴とする番号管理装置。
【請求項8】
公衆携帯網でキャリア通信が可能な携帯電話端末が構内網での内線電話端末として接続される構内網と公衆網との相互接続のために設置され、キャリアサービス契約によって得られる1つの携帯電話番号を異なるユーザが所有する複数の携帯電話端末が共有する携帯電話システムに適用される携帯電話番号の共有方法であって、
構内網と公衆網との間でプロトコル変換を行うゲートウェイが、公衆網からの前記共有される携帯電話番号宛ての着信要求を受け付け、
前記共有される携帯電話番号を管理する番号管理装置が、前記共有される携帯電話番号を用いて公衆網と通話した際の通話履歴および前記携帯電話番号が現在どの内線電話端末に付与されているかを示す使用状況を保持し、
前記番号管理装置が、前記ゲートウェイまたは構内網における呼制御サーバからの要求に応じて、前記ゲートウェイが受け付けた公衆網からの着信要求に対し、前記通話履歴または使用状況に基づき着信先端末とする1つの内線電話端末を特定し、前記着信先端末に着信させるための第2の着信先番号として該内線電話端末の構内網での内線番号または該内線電話端末に現在付与されている携帯電話番号を前記ゲートウェイまたは前記呼制御サーバに通知して、発信元電話端末と該内線電話端末との通話接続を制御させる
ことを特徴とする携帯電話番号の共有方法。
【請求項9】
公衆携帯網でキャリア通信が可能な携帯電話端末が構内網での内線電話端末として接続される構内網と公衆網との相互接続のために設置され、キャリアサービス契約によって得られる1つの携帯電話番号を異なるユーザが所有する複数の携帯電話端末が共有するための携帯電話番号共有用プログラムであって、
前記共有される携帯電話番号を用いて公衆網と通話した際の通話履歴および前記携帯電話番号が現在どの内線電話端末に付与されているかを示す使用状況を保持する記憶手段を備えたコンピュータに、
構内網と公衆網との間でプロトコル変換を行うゲートウェイまたは構内網における呼制御サーバからの要求に応じて、前記ゲートウェイが受け付けた公衆網からの着信要求に対し、前記通話履歴または使用状況に基づき着信先端末とする1つの内線電話端末を特定し、前記着信先端末に着信させるための第2の着信先番号として該内線電話端末の構内網での内線番号または該内線電話端末に現在付与されている携帯電話番号を前記ゲートウェイまたは前記呼制御サーバに通知して、発信元電話端末と該内線電話端末との通話接続を制御させる処理を
実行させるための携帯電話番号共有用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−219258(P2008−219258A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−51497(P2007−51497)
【出願日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】