説明

携帯電話器

【課題】一般に普及している携帯電話を用い、携帯電話にETC車載器の機能を設け、ETCシステムの導入が少ない経費で行え、ETCシステムの普及拡大に貢献することができる携帯電話を提供する。
【解決手段】携帯電話器本体2に、有料道路自動料金収受システムの路側器との間で料金決済のための無線通信を行うETC車載器の機能3を設け、このETC車載器の機能3は、路側器との間の無無線通信によって料金決済を行うのに必要なデータをICカード5から読み出し、決済結果に応じてICカード5内のデータを更新するためのカードリーダライタ6を備え、このカードリーダライタ6のICカード5の挿入口7が携帯電話器本体2の外面で開口している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯電話器本体にETC車載器を設け、携帯電話器本体を車内のコンソール上に配置することで、有料道路の料金所にて車両を停止させることなく料金を徴収することができるようにした携帯電話器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、有料道路の料金所で車両を停止させることなく料金を徴収することができるようにした有料道路自動料金収受システム(以下ETCシステムという)が知られている。
【0003】
上記ETCシステムは、有料道路に設置された路側器と、車両に搭載されたETC車載器からなり、ETC車載器を搭載した車両が有料道路を走行して路側器付近を通過する際、ETC車載器が路側器との間で無線通信を行うことにより、料金決済に必要なデータを路側器に送信し、路側器側ではそのデータに基づき有料道路を通行した運行者を識別する。
【0004】
上記ETC車載器が路側器との間の無線通信によって料金決済を行うのに必要なデータは、ETC車載器に挿入したICカードに記憶するようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のETCシステムは、ETC車載器を各自購入する必要があり、その購入に費用的な負担がかかるため、ETCシステムの普及に対する大きな弊害になっているのが現状である。
【0006】
そこで、この発明は、広く一般に普及している携帯電話に着目し、携帯電話にETC車載器の機能を設け、ETCシステムの導入が少ない経費で行え、ETCシステムの普及拡大に貢献することができる携帯電話を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記のような課題を解決するため、この発明は、携帯電話器本体に、有料道路自動料金収受システムの路側器との間で料金決済のための無線通信を行うETC車載器の機能を設けた構成を採用したものである。
【0008】
上記ETC車載器の機能は、路側器との間の無無線通信によって料金決済を行うのに必要なデータをICカードから読み出し、決済結果に応じてICカード内のデータを更新するためのカードリーダライタを備え、このカードリーダライタのICカードの挿入口が携帯電話器本体の外面で開口している構造とすることができる。
【0009】
上記携帯電話器本体に、キャッシュカードの読み取り機能を付加して支払いの決済ができるようにしてもよう。
【0010】
また、上記携帯電話器本体に、上記ETC車載器の機能の作動状態を示すための報知手段を設けることができる。
【0011】
ここで、携帯電話器本体は、一般的な電話機能とETC車載器の機能を備え、通常は携帯電話として使用し、自動車に乗ったときに携帯電話器を車内のコンソール上に配置し、ICカードを挿入することでETC車載器となり、状況に応じて携帯電話器とETC車載器の二つの機能を選択使用することができることになる。
【発明の効果】
【0012】
この発明によると、携帯電話器本体に、有料道路自動料金収受システムの路側器との間で料金決済のための無線通信を行うETC車載器の機能を設けたので、ICカードを挿入することでETC車載器となり、状況に応じて携帯電話器とETC車載器の二つの機能を選択使用することができ、しかも、装置の本体は携帯電話器本体を使用することで、ETC車載器の機能だけを携帯電話器本体に付加すればよいことになり、単独のETC車載器に比べてその分コストの削減になり、ETCシステムの導入が少ない経費で行え、ETCシステムの普及拡大に貢献することができる。
【0013】
また、自動車からの降車時に携帯電話器本体を車内から持ち出すことによって、ETC車載器の盗難発生を未然に防止することができる。
【0014】
更に、携帯電話器本体に、キャッシュカードの読み取り機能を付加すれば、各種支払いの決済が携帯電話器本体を介して自動的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0016】
図示のように、この発明の携帯電話器1は、携帯電話器本体2に有料道路自動料金収受システムの路側器との間で料金決済のための無線通信を行うETC車載器の機能3を設けた構造になっている。
【0017】
この携帯電話器1は、携帯電話器本体2に、一般的な周知の電話機能とETC車載器の機能3を組み込み、状況に応じて携帯電話器本体2の外部適所に設けたスイッチ4を切り換えることで、携帯電話とETC車載器の二つの機能を選択使用することができることになる。
【0018】
上記ETC車載器の機能3は、路側器との間の無無線通信によって料金決済を行うのに必要なデータをICカード5から読み出し、決済結果に応じてICカード内のデータを更新するためのカードリーダライタ6を備え、このカードリーダライタ6のICカード5の挿入口7が携帯電話器本体2の外面で開口している。
【0019】
このETC車載器の機能3には、動作用の電源を供給すると共に、路側器との間の無線通信のためのアンテナが必要になるが、電源は携帯電話器本体に組み込んだ電話機能と共通の蓄電池や自動車の電源と接続することにより得ることができ、また、アンテナ8は電話機能と共用するようにすればよい。
【0020】
上記携帯電話器本体2に、上記ETC車載器の機能3の作動状態を示すための報知手段を設けたるようにしてもよく、報知手段としては、音声で運転者に知らせたり、発光部による点等によって行うことができ、音声の場合、スピーカは電話機能と共用しても専用のものでもよく、何れにしても、ツマミの操作で音声調整ができるようにするのが好ましい。
【0021】
ここで、上記携帯電話器本体2に、キャッシュカードの読み取り機能を付加し、挿入口7にキャッシュカードを差し込めば、キャッシュカードの情報を自動的に読み取り、支払い等の決済を無線によって行うようにすることもできる。
【0022】
この発明の携帯電話器は、上記のような構成であり、帯電話器本体2の内部に組み込んだ電話機能によって通常は電話機能によって携帯電話として使用することができる。
【0023】
自動車に乗ったときには、携帯電話器本体2の外部適所に設けたスイッチ4をETC車載器の機能に切り換え、この携帯電話器本体2に設けたカードリーダライタ6の挿入口7にICカード5を挿入し、携帯電話器本体2を車内のコンソール上に配置する。
【0024】
ETC車載器の機能3のカードリーダライタ6が通電によってICカード5の情報を読み取り、路側器との間の無無線通信によって料金決済を行うことにより、有料道路における料金徴収ゲートを停車することなく通過することができる。
【0025】
このように、一台の携帯電話器1によって、携帯電話とETC車載器の二つの機能を選択使用することができ、携帯電話器1にETC車載器の機能3を組み込むことで、単独のETC車載器の採用に比べて本体価格の分だけコストの削減になり、ETCシステムの導入が少ない経費で行え、ETCシステムの普及拡大に貢献することができる。
【0026】
また、自動車からの降車時に携帯電話器1を車内から持ち出すことによって、車上荒らしによるETC車載器の盗難発生を末然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】(a)はこの発明に係る携帯電話の斜視図、(b)は同平面図
【符号の説明】
【0028】
1 携帯電話器
2 携帯電話器本体
3 ETC車載器の機能
4 スイッチ
5 ICカード
6 カードリーダライタ
7 挿入口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話器本体に、有料道路自動料金収受システムの路側器との間で料金決済のための無線通信を行うETC車載器の機能を設けた携帯電話器。
【請求項2】
上記ETC車載器の機能は、路側器との間の無無線通信によって料金決済を行うのに必要なデータをICカードから読み出し、決済結果に応じてICカード内のデータを更新するためのカードリーダライタを備え、このカードリーダライタのICカードの挿入口が携帯電話器本体の外面で開口している請求項1に記載の携帯電話器。
【請求項3】
上記携帯電話器本体に、キャッシュカードの読み取り機能を付加した請求項1又は2に記載の携帯電話器。
【請求項4】
上記携帯電話器本体に、上記ETC車載器の機能又はキャッシュカードの読み取り機能の作動状態を示すための報知手段を設けた請求項1乃至3の何れかに記載の携帯電話器。

【図1】
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【公開番号】特開2008−104134(P2008−104134A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−310760(P2006−310760)
【出願日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(504199699)
【Fターム(参考)】