説明

携帯電話機、携帯電話システム、メッセージ種別制御方法、メッセージ種別制御プログラム

【課題】
送信先の端末にMMS形式のメッセージの受信が可能なものと不可能なものとがある場合でも、送信先の端末に対応したメッセージを送信する携帯電話機を提供する。
【解決手段】端末情報サーバ20により、SMS形式及びMMS形式のうちのMMS形式のメッセージが受信可能か否かを端末種別毎に表す端末情報が管理されると共に同端末情報がPushメッセージMとして送出される。又、携帯電話機10により、送信先の名前15aに対応して端末の電話番号又はEメールアドレス15b、及び端末種別情報15cが記憶され、端末情報サーバ20から端末情報がインターネットを介して受信されて記憶されると共に定期的に更新される。送信用のメッセージが作成されるとき、当該送信先の名前15aに対応した端末種別情報15cが読み出され、同端末種別情報15cに対応する端末情報に基づいてSMS形式又はMMS形式が選択されてメッセージが作成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯電話機、携帯電話システム、メッセージ種別制御方法、メッセージ種別制御プログラムに係り、特に、送信先の端末にMMS(Short Message Service )形式のメッセージの受信が可能なものと不可能なものとがある場合に用いて好適な携帯電話機、携帯電話システム、メッセージ種別制御方法、メッセージ種別制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機のうち、たとえばGSM(Global System for Mobile communications )方式のものでは、SMS形式のメッセージ及びMMS形式のメッセージの両方の送受信ができる高機能のものと、SMSのみの送受信ができる廉価版のものとがある。SMS形式のメッセージの送受信では、通話チャネルではなく制御チャネルを使用して携帯電話機単体で短い文字メッセージが送受信される。又、MMS形式のメッセージの送受信では、音声だけでなく、テキスト、静止画、動画など、異なる種類のメッセージが送受信される。
【0003】
この種の携帯電話機は、従来では、たとえば図3に示すものがあった。
同図に示すように、この携帯電話機1は、アンテナ2と、無線部3と、CPU(中央処理装置)4と、操作部5と、メモリ部6とから構成されている。無線部3は、アンテナ2を介して図示しない無線基地局との間で無線電波Wを送受信する。操作部5は、たとえば、送信キー、英字/カナ/漢字/数字の変換キー、電源のオン/オフキー、カーソル操作を行うための十文字キー、及び終了キーなどから構成され、ユーザにより、たとえば、送信用のメッセージを作成するための操作が行われると共に、送信先の名前を図示しない表示部に表示するための操作が行われる。送信用のメッセージは、同メッセージの内容に応じて、SMS形式又はMMS形式で作成される。
【0004】
メモリ部6は、たとえばRAM(Random Access Memory)などで構成され、電話帳データ記憶部7を有している。電話帳データ記憶部7には、送信先の名前7a、電話番号7b、及びEメールアドレス7cが記憶されている。CPU4は、メッセージ作成部4aと、通信制御部4bとを備えている。メッセージ作成部4aは、操作部5でメッセージを作成するための操作が行われたとき、同操作に対応したメッセージを作成する。通信制御部4bは、無線部3及びアンテナ2を介してメッセージを送信先の名前に対応した電話番号又はEメールアドレスへ送出する。
【0005】
上記の携帯電話機の他、従来、この種の技術としては、たとえば、次のような文献に記載されるものがあった。
特許文献1に記載されたメッセージ配信装置では、通信端末の宛先情報、端末種別及び、この端末種別に対応したメッセージのプロトコルが、通信端末毎に記憶され、メッセージを含む宛先情報が検出されると、この宛先情報の端末種別に対応したプロトコルが読み出され、送信用のメッセージが同プロトコルに基づいて宛先情報に含まれるメッセージに変換され、この変換されたメッセージが宛先情報に対応した通信端末に配信される。このため、通信端末の端末種別毎にプロトコル機器を設けなくても、異なるプロトコルの通信端末同士のメッセージ配信が実現する。
【0006】
特許文献2に記載されたメッセージ送信方法では、MMSメッセージをMMS対応のシステムに属する第1の加入者装置から第2の加入者装置へ送信する場合、同第2の加入者装置がMMS対応のシステムに組み込まれていないか又はMMSメッセージを受信できないとき、同MMSメッセージが同第2の加入者装置のメッセージ伝達フォーマットに従って変換され、変換されたメッセージが第2の加入者装置へ伝送される。
【特許文献1】特開2004−165756号公報(第22頁、図2)
【特許文献2】特表2004−518385号公報(要約書、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の携帯電話機では、次のような問題点があった。
すなわち、図3に示す携帯電話機では、送信用のメッセージを作成するとき、送信先の端末がサポートするメッセージの形式が不明であるため、同送信先の端末がSMS形式のメッセージしかサポートしていない場合、MMS形式のメッセージを送信すると、同送信先の端末で同メッセージの受信ができないという問題点がある。
【0008】
また、特許文献1に記載されたメッセージ配信装置では、通信端末の端末種別毎にプロトコル機器を設けないことが主旨であるため、この発明とは主旨が異なる。
【0009】
特許文献2に記載されたメッセージ送信方法では、MMSメッセージが第2の加入者装置のメッセージ伝達フォーマットに従って変換されるため、この発明とは構成及び主旨が異なる。
【0010】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、送信先の端末にMMS形式のメッセージの受信が可能なものと不可能なものとがある場合でも、送信先の端末に対応したメッセージを送信する携帯電話機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、携帯電話機に係り、送信先の名前に対応して電話番号又はメールアドレス、及び端末種別情報を記憶すると共に、複数のメッセージの形式のうちの受信可能な形式を端末種別毎に表す端末情報を記憶し、送信用のメッセージが作成されるとき、当該送信先の名前に対応した前記端末種別情報を読み出し、該読み出した端末種別情報に対応する前記端末情報に基づいて前記受信可能な形式を選択して前記メッセージを作成する構成とされていることを特徴としている。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の携帯電話機に係り、送信先の名前に対応して前記電話番号又はメールアドレス、及び端末種別情報が記憶されている電話帳データ記憶部と、前記端末情報を記憶する端末情報記憶部と、前記送信用のメッセージが作成されるとき、前記電話帳データ記憶部から当該送信先の名前に対応した前記端末種別情報を取得し、該取得した端末種別情報に対応する前記端末情報を前記端末情報記憶部から取得し、該端末情報に基づいて、送信先の端末が受信可能な形式を選択して前記メッセージを作成するメッセージ作成手段とを備えてなることを特徴としている。
【0013】
請求項3記載の発明は、携帯電話機に係り、送信先の名前に対応して電話番号又はメールアドレス、及び端末種別情報を記憶すると共に、SMS(Short Message Service 、ショート・メッセージ・サービス)形式及びMMS(Multimedia Message Service、マルチメディア・メッセージ・サービス)形式のうちの該MMS形式のメッセージが受信可能か否かを端末種別毎に表す端末情報を記憶し、送信用のメッセージが作成されるとき、当該送信先の名前に対応した前記端末種別情報を読み出し、該読み出した端末種別情報に対応する前記端末情報に基づいて前記SMS形式又は前記MMS形式を選択して前記メッセージを作成する構成とされていることを特徴としている。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の携帯電話機に係り、送信先の名前に対応して前記電話番号又はメールアドレス、及び端末種別情報が記憶されている電話帳データ記憶部と、前記端末情報を記憶する端末情報記憶部と、送信用のメッセージが作成されるとき、前記電話帳データ記憶部から当該送信先の名前に対応した前記端末種別情報を取得し、該取得した端末種別情報に対応する前記端末情報を前記端末情報記憶部から取得し、該端末情報に基づいて、送信先の端末が受信可能な前記SMS形式又は前記MMS形式を選択して前記メッセージを作成するメッセージ作成手段とを備えてなることを特徴としている。
【0015】
請求項5記載の発明は、携帯電話システムに係り、複数のメッセージの形式のうちの受信可能な形式を端末種別毎に表す端末情報を管理すると共に該端末情報を通信回線に送出する端末情報サーバと、送信先の名前に対応して端末の電話番号又はメールアドレス、及び端末種別情報が記憶され、前記端末情報サーバから前記端末情報を前記通信回線を介して受信して記憶し、送信用のメッセージが作成されるとき、当該送信先の名前に対応した前記端末種別情報を読み出し、該読み出した端末種別情報に対応する前記端末情報に基づいて前記受信可能な形式を選択して前記メッセージを作成する携帯電話機とを備えてなることを特徴としている。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の携帯電話システムに係り、前記端末情報サーバは、SMS(Short Message Service 、ショート・メッセージ・サービス)形式及びMMS(Multimedia Message Service、マルチメディア・メッセージ・サービス)形式のうちの該MMS形式のメッセージが受信可能か否かを端末種別毎に表す端末情報を管理すると共に該端末情報を通信回線に送出する構成とされ、前記携帯電話機は、送信先の名前に対応して端末の電話番号又はメールアドレス、及び端末種別情報が記憶され、前記端末情報サーバから前記端末情報を前記通信回線を介して受信して記憶し、送信用のメッセージが作成されるとき、当該送信先の名前に対応した前記端末種別情報を読み出し、該読み出した端末種別情報に対応する前記端末情報に基づいて前記SMS形式又は前記MMS形式を選択して前記メッセージを作成する構成とされていることを特徴としている。
【0017】
請求項7記載の発明は、請求項5又は6記載の携帯電話システムに係り、前記端末情報サーバは、前記端末情報を定期的に前記通信回線に送出する構成とされ、前記携帯電話機は、前記端末情報サーバから前記端末情報を前記通信回線を介して受信して記憶すると共に定期的に更新する構成とされていることを特徴としている。
【0018】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の携帯電話システムに係り、前記携帯電話機は、送信先の名前に対応して前記電話番号又はメールアドレス、及び端末種別情報が記憶される電話帳データ記憶部と、前記端末情報サーバからの前記端末情報を記憶すると共に定期的に更新する端末情報記憶部と、送信用のメッセージが作成されるとき、前記電話帳データ記憶部から当該送信先の名前に対応した前記端末種別情報を取得し、該取得した端末種別情報に対応する前記端末情報を前記端末情報記憶部から取得し、該端末情報に基づいて、送信先の端末が受信可能な形式を選択して前記メッセージを作成するメッセージ作成手段とを備えてなることを特徴としている。
【0019】
請求項9記載の発明は、メッセージ種別制御方法に係り、通信回線上に、複数のメッセージの形式のうちの受信可能な形式を端末種別毎に表す端末情報を管理すると共に該端末情報を当該通信回線に送出する端末情報サーバを設けておき、携帯電話機が、送信先の名前に対応して端末の電話番号又はメールアドレス、及び端末種別情報が記憶され、前記端末情報サーバから前記端末情報を前記通信回線を介して受信して記憶し、送信用のメッセージが作成されるとき、当該送信先の名前に対応した前記端末種別情報を読み出し、該読み出した端末種別情報に対応する前記端末情報に基づいて前記受信可能な形式を選択して前記メッセージを作成することを特徴としている。
【0020】
請求項10記載の発明は、請求項9記載のメッセージ種別制御方法に係り、前記端末情報サーバが、SMS(Short Message Service 、ショート・メッセージ・サービス)形式及びMMS(Multimedia Message Service、マルチメディア・メッセージ・サービス)形式のうちの該MMS形式のメッセージが受信可能か否かを端末種別毎に表す端末情報を管理すると共に該端末情報を当該通信回線に送出し、前記携帯電話機が、送信先の名前に対応して端末の電話番号又はメールアドレス、及び端末種別情報を記憶し、前記端末情報サーバから前記端末情報を前記通信回線を介して受信して記憶し、送信用のメッセージが作成されるとき、当該送信先の名前に対応した前記端末種別情報を読み出し、該読み出した端末種別情報に対応する前記端末情報に基づいて前記SMS形式又は前記MMS形式を選択して前記メッセージを作成することを特徴としている。
【0021】
請求項11記載の発明は、請求項9又は10記載のメッセージ種別制御方法に係り、前記端末情報サーバが、前記端末情報を定期的に前記通信回線に送出し、前記携帯電話機が、前記端末情報サーバから前記端末情報を前記通信回線を介して受信して記憶すると共に定期的に更新することを特徴としている。
【0022】
請求項12記載の発明は、請求項11記載のメッセージ種別制御方法に係り、前記携帯電話機が、送信先の名前に対応して前記電話番号又はメールアドレス、及び端末種別情報を記憶する電話帳データ記憶処理と、前記端末情報サーバからの前記端末情報を記憶すると共に定期的に更新する端末情報記憶処理と、送信用のメッセージが作成されるとき、前記電話帳データ記憶処理で記憶された当該送信先の名前に対応した前記端末種別情報を取得し、前記端末情報記憶処理で記憶された前記端末情報から該端末種別情報に対応する端末情報を取得し、該端末情報に基づいて送信先の端末が受信可能な前記SMS形式又は前記MMS形式を選択するメッセージ形式選択処理と、該選択処理の結果に基づいて前記メッセージを作成するメッセージ作成処理とを行うことを特徴としている。
【0023】
請求項13記載の発明は、メッセージ種別制御プログラムに係り、コンピュータに請求項5、6、7又は8記載の携帯電話機を制御させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0024】
この発明の構成によれば、携帯電話機は、送信先の名前に対応して電話番号又はメールアドレス、及び端末種別情報を記憶すると共に、複数のメッセージの形式のうちの受信可能な形式を端末種別毎に表す端末情報を記憶し、送信用のメッセージが作成されるとき、当該送信先の名前に対応した端末種別情報を読み出し、読み出した端末種別情報に対応する端末情報に基づいて受信可能な形式を選択してメッセージを作成するので、送信先の端末に受信が可能な形式と不可能な形式とがある場合でも、送信先の端末に対応したメッセージを送信でき、送信先の端末が受信不可能なメッセージを送信することを防止できる。
【0025】
又、端末情報サーバにより、複数のメッセージの形式のうちの受信可能な形式を端末種別毎に表す端末情報が管理されると共に同端末情報が通信回線に送出され、又、携帯電話機により、送信先の名前に対応して端末の電話番号又はメールアドレス、及び端末種別情報が記憶され、端末情報サーバから端末情報が通信回線を介して受信されて記憶される。送信用のメッセージが作成されるとき、当該送信先の名前に対応した端末種別情報が読み出され、同端末種別情報に対応する端末情報に基づいて受信可能な形式が選択されてメッセージが作成される。このため、送信先の端末に受信が可能な形式と不可能な形式とがある場合でも、送信先の端末に対応したメッセージを送信でき、送信先の端末が受信不可能なメッセージを送信することを防止できる。
【0026】
又、端末情報サーバにより、端末情報が通信回線に定期的に送出され、携帯電話機により、同端末情報サーバからの端末情報が定期的に更新されるので、同携帯電話機では、常に最新の端末情報が記憶され、メッセージの形式の選択を正確に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
送信先の端末にMMS形式のメッセージの受信が可能なものと不可能なものとがある場合に、同MMS形式のメッセージが受信可能か否かを端末種別毎に表す端末情報を取得し、同端末情報に基づいてSMS形式又はMMS形式を選択してメッセージを作成する構成とされている携帯電話機を提供する。
【実施例】
【0028】
図1は、この発明の実施例である携帯電話システムの要部の電気的構成を示すブロック図である。
この例の携帯電話システムは、同図に示すように、携帯電話機10と、端末情報サーバ20とから構成されている。携帯電話機10は、無線部11と、アンテナ11aと、操作部12と、CPU(中央処理装置)13aと、ROM(Read Only Memory)13bと、メモリ部14とから構成されている。無線部11は、アンテナ11aを介して図示しない無線基地局との間で無線電波Wを送受信する。同無線基地局は、図示しない在圏移動通信交換局及び関門移動通信交換局を介して通常の電話回線に接続されている。
【0029】
操作部12は、たとえば、送信キー、英字/カナ/漢字/数字の変換キー、電源のオン/オフキー、カーソル操作を行うための十文字キー、及び終了キーなどから構成され、ユーザにより、たとえば、送信用のメッセージを作成するための操作が行われると共に、送信先の名前を図示しない表示部に表示するための操作が行われる。メモリ部14は、たとえばRAMなどで構成され、電話帳データ記憶部15と、端末情報記憶部16とを有している。電話帳データ記憶部15には、送信先の名前15a、電話番号及びEメールアドレス15b、及び端末種別情報15cが記憶されている。同端末種別情報15cは、送信先の名前15aに対応する端末の種別を示すものであり、ユーザの操作により、電話番号及びEメールアドレス15bと共に登録される。端末情報記憶部16には、端末情報サーバ20から送出された端末種別情報16a及びMMSサポート有無情報16bが記憶され、定期的に更新されるようになっている。
【0030】
CPU13aは、携帯電話機10全体を制御し、特に、この実施例では、通信制御部17と、Pushメッセージ処理部18と、メッセージ制御部19と、エディタ部1Aとを有している。通信制御部17は、端末情報サーバ20からのPushメッセージMをアンテナ11a及び無線部11を介して受信する一方、同無線部11及びアンテナ11aを介して送信用のメッセージを送信先の名前に対応した電話番号又はEメールアドレスへ送出する。Pushメッセージ処理部18は、通信制御部17で受信されたPushメッセージMを端末情報記憶部16へ送出する。
【0031】
メッセージ制御部19は、操作部12で送信用のメッセージを作成するための操作が行われるとき、電話帳データ記憶部15から当該送信先の名前15aに対応した電話番号及びEメールアドレス15bと共に端末種別情報15cを取得し、同端末種別情報15cに対応する端末情報を端末情報記憶部16から取得し、同端末情報に基づいて、送信先の端末が受信可能なSMS形式又はMMS形式を選択して同メッセージを作成し、通信制御部17へ送出する。特に、この実施例では、メッセージ制御部19は、送信先の端末がMMS形式をサポートしていれば、メッセージをMMS形式としてエディタ部1Aを起動し、MMS形式をサポートしていなければ、メッセージをSMS形式として同エディタ部1Aを起動する。エディタ部1Aは、メッセージ制御部19の制御に基づいてMMS形式又はSMS形式のメッセージを編集する。ROM13bは、CPU13aを動作させるためのメッセージ種別制御プログラムが記録されている。
【0032】
端末情報サーバ20は、たとえばインターネット(通信回線)に接続され、端末情報記憶部21を有している。端末情報記憶部21の各エントリには、端末種別情報21a及びMMSサポート有無情報21bが記憶されている。端末種別情報21aは、各端末が発売されたとき、たとえば端末の販売会社などからインターネットを介して、端末種別毎のMMSサポート有無情報21bと共に送出されて登録される。MMSサポート有無情報21bは、SMS形式及びMMS形式のうちの同MMS形式のメッセージが受信可能か否かを表す。又、端末情報サーバ20は、端末種別情報21a及びMMSサポート有無情報21bをPushメッセージMとして定期的にインターネットを介して携帯電話機10に送出する。
【0033】
図2は、図1の携帯電話機10の動作を説明するフローチャートである。
この図を参照して、この例の携帯電話システムに用いられるメッセージ種別制御方法の処理内容について説明する。
この携帯電話システムでは、インターネット(通信回線)上に端末情報サーバ20が設けられ、同端末情報サーバ20により、SMS形式及びMMS形式のうちの同MMS形式のメッセージが受信可能か否かを端末種別毎に表す端末情報が管理されると共に同端末情報がPushメッセージMとして定期的に同インターネットに送出される。又、携帯電話機10により、送信先の名前15aに対応して端末の電話番号又はEメールアドレス15b、及び端末種別情報15cが記憶され、端末情報サーバ20から端末情報がインターネットを介して受信されて記憶されると共に定期的に更新される。そして、送信用のメッセージが作成されるとき、当該送信先の名前15aに対応した端末種別情報15cが読み出され、同読み出された端末種別情報15cに対応する同端末情報に基づいてSMS形式又はMMS形式が選択されてメッセージが作成される。
【0034】
すなわち、図2に示すように、ユーザの操作により、電話帳データ記憶部15に、送信先の名前15aに対応して電話番号又はEメールアドレス15b、及び端末種別情報15cが記憶される(ステップA1、電話帳データ記憶処理)。又、端末情報サーバ20から端末情報がPushメッセージMとして送信され、端末情報記憶部16に記憶されると共に定期的に更新される(ステップA2、端末情報記憶処理)。一方、ユーザが操作部12を操作することにより送信用のメッセージが作成されるとき、電話帳データ記憶処理(ステップA1)で記憶された送信先の名前15aが検索され、当該送信先の名前15aが登録されている場合、同名前15aに対応した端末種別情報15cがメッセージ制御部19で取得され、端末情報記憶処理(ステップA2)で端末情報記憶部16に記憶された端末情報から同端末種別情報15cに対応する端末情報が取得され、同端末情報に基づいて送信先の端末が受信可能なSMS形式又はMMS形式が選択される(ステップA3、メッセージ形式選択処理)。
【0035】
この場合、メッセージ制御部19では、MMSサポート有無情報16bに基づき、送信先の端末がMMS形式をサポートしていれば、メッセージをMMS形式としてエディタ部1Aが起動され、MMS形式をサポートしていなければ、メッセージをSMS形式として同エディタ部1Aが起動される。そして、送信先の端末がMMS形式をサポートしていない場合、SMS形式によるメッセージが作成され(ステップA4)、同メッセージが送信される(ステップA5)。又、送信先の端末がMMS形式をサポートしている場合、MMS形式によるメッセージが作成され(ステップA6)、同メッセージが送信される(ステップA7)。
【0036】
以上のように、この実施例では、端末情報サーバ20により、SMS形式及びMMS形式のうちのMMS形式のメッセージが受信可能か否かを端末種別毎に表す端末情報が管理されると共に同端末情報がPushメッセージMとして定期的に送出される。又、携帯電話機10により、送信先の名前15aに対応して端末の電話番号又はEメールアドレス15b、及び端末種別情報15cが記憶され、端末情報サーバ20から端末情報がインターネットを介して受信されて記憶されると共に定期的に更新される。送信用のメッセージが作成されるとき、当該送信先の名前15aに対応した端末種別情報15cが読み出され、同端末種別情報15cに対応する端末情報に基づいてSMS形式又はMMS形式が選択されてメッセージが作成される。このため、送信先の端末にMMS形式のメッセージの受信が可能なものと不可能なものとがある場合でも、送信先の端末に対応したメッセージが送信され、送信先が受信不可能なメッセージを送信することが防止される。又、端末情報サーバ20により、端末情報がインターネットに定期的に送出され、携帯電話機10により、同端末情報サーバ20からの端末情報が定期的に更新されるので、同携帯電話機10では、常に最新の端末情報が記憶され、メッセージの形式の選択が正確に行われる。
【0037】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成は同実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても、この発明に含まれる。
たとえば、図2中のステップA1とステップA2は、順序が逆でも良い。又、端末情報サーバ20のPushメッセージMを送出する機能を省略し、端末情報記憶部16に記憶される端末情報は、ユーザの操作により、端末情報サーバ20へアクセスして取り寄せることにより、更新するようにしても良い。この場合、端末情報記憶部16に記憶される端末情報が定期的に更新されないが、上記実施例に準じた作用、効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
この発明は、たとえばPDA(Personal Digital Assistants )など、携帯電話機の機能を有する端末全般に適用でき、特に、送信先の端末にMMS形式のメッセージの受信が可能なものと不可能なものとがある場合に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】この発明の実施例である携帯電話システムの要部の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】図1の携帯電話機10の動作を説明するフローチャートである。
【図3】従来の携帯電話機の要部の電気的構成を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
10 携帯電話機
11 無線部
11a アンテナ
12 操作部(メッセージ作成手段の一部)
13a CPU(中央処理装置、メッセージ作成手段の一部)
13b ROM(Read Only Memory、メッセージ作成手段の一部)
14 メモリ部(電話帳データ記憶部)
15 電話帳データ記憶部
15a 送信先の名前
15b 電話番号及びEメールアドレス
15c 端末種別情報
16 端末情報記憶部
16a 端末種別情報
16b MMSサポート有無情報
17 通信制御部
18 Pushメッセージ処理部(メッセージ作成手段の一部)
19 メッセージ制御部(メッセージ作成手段の一部)
1A エディタ部(メッセージ作成手段の一部)
20 端末情報サーバ
21 端末情報記憶部(端末情報サーバの一部)
21a 端末種別情報
21b MMSサポート有無情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信先の名前に対応して電話番号又はメールアドレス、及び端末種別情報を記憶すると共に、複数のメッセージの形式のうちの受信可能な形式を端末種別毎に表す端末情報を記憶し、送信用のメッセージが作成されるとき、当該送信先の名前に対応した前記端末種別情報を読み出し、該読み出した端末種別情報に対応する前記端末情報に基づいて前記受信可能な形式を選択して前記メッセージを作成する構成とされていることを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
送信先の名前に対応して前記電話番号又はメールアドレス、及び端末種別情報が記憶されている電話帳データ記憶部と、
前記端末情報を記憶する端末情報記憶部と、
前記送信用のメッセージが作成されるとき、前記電話帳データ記憶部から当該送信先の名前に対応した前記端末種別情報を取得し、該取得した端末種別情報に対応する前記端末情報を前記端末情報記憶部から取得し、該端末情報に基づいて、送信先の端末が受信可能な形式を選択して前記メッセージを作成するメッセージ作成手段とを備えてなることを特徴とする請求項1記載の携帯電話機。
【請求項3】
送信先の名前に対応して電話番号又はメールアドレス、及び端末種別情報を記憶すると共に、SMS(Short Message Service 、ショート・メッセージ・サービス)形式及びMMS(Multimedia Message Service、マルチメディア・メッセージ・サービス)形式のうちの該MMS形式のメッセージが受信可能か否かを端末種別毎に表す端末情報を記憶し、送信用のメッセージが作成されるとき、当該送信先の名前に対応した前記端末種別情報を読み出し、該読み出した端末種別情報に対応する前記端末情報に基づいて前記SMS形式又は前記MMS形式を選択して前記メッセージを作成する構成とされていることを特徴とする携帯電話機。
【請求項4】
送信先の名前に対応して前記電話番号又はメールアドレス、及び端末種別情報が記憶されている電話帳データ記憶部と、
前記端末情報を記憶する端末情報記憶部と、
送信用のメッセージが作成されるとき、前記電話帳データ記憶部から当該送信先の名前に対応した前記端末種別情報を取得し、該取得した端末種別情報に対応する前記端末情報を前記端末情報記憶部から取得し、該端末情報に基づいて、送信先の端末が受信可能な前記SMS形式又は前記MMS形式を選択して前記メッセージを作成するメッセージ作成手段とを備えてなることを特徴とする請求項3記載の携帯電話機。
【請求項5】
複数のメッセージの形式のうちの受信可能な形式を端末種別毎に表す端末情報を管理すると共に該端末情報を通信回線に送出する端末情報サーバと、
送信先の名前に対応して端末の電話番号又はメールアドレス、及び端末種別情報が記憶され、前記端末情報サーバから前記端末情報を前記通信回線を介して受信して記憶し、送信用のメッセージが作成されるとき、当該送信先の名前に対応した前記端末種別情報を読み出し、該読み出した端末種別情報に対応する前記端末情報に基づいて前記受信可能な形式を選択して前記メッセージを作成する携帯電話機とを備えてなることを特徴とする携帯電話システム。
【請求項6】
前記端末情報サーバは、
SMS(Short Message Service 、ショート・メッセージ・サービス)形式及びMMS(Multimedia Message Service、マルチメディア・メッセージ・サービス)形式のうちの該MMS形式のメッセージが受信可能か否かを端末種別毎に表す端末情報を管理すると共に該端末情報を通信回線に送出する構成とされ、
前記携帯電話機は、
送信先の名前に対応して端末の電話番号又はメールアドレス、及び端末種別情報が記憶され、前記端末情報サーバから前記端末情報を前記通信回線を介して受信して記憶し、送信用のメッセージが作成されるとき、当該送信先の名前に対応した前記端末種別情報を読み出し、該読み出した端末種別情報に対応する前記端末情報に基づいて前記SMS形式又は前記MMS形式を選択して前記メッセージを作成する構成とされていることを特徴とする請求項5記載の携帯電話システム。
【請求項7】
前記端末情報サーバは、
前記端末情報を定期的に前記通信回線に送出する構成とされ、
前記携帯電話機は、
前記端末情報サーバから前記端末情報を前記通信回線を介して受信して記憶すると共に定期的に更新する構成とされていることを特徴とする請求項5又は6記載の携帯電話システム。
【請求項8】
前記携帯電話機は、
送信先の名前に対応して前記電話番号又はメールアドレス、及び端末種別情報が記憶される電話帳データ記憶部と、
前記端末情報サーバからの前記端末情報を記憶すると共に定期的に更新する端末情報記憶部と、
送信用のメッセージが作成されるとき、前記電話帳データ記憶部から当該送信先の名前に対応した前記端末種別情報を取得し、該取得した端末種別情報に対応する前記端末情報を前記端末情報記憶部から取得し、該端末情報に基づいて、送信先の端末が受信可能な形式を選択して前記メッセージを作成するメッセージ作成手段とを備えてなることを特徴とする請求項7記載の携帯電話システム。
【請求項9】
通信回線上に、複数のメッセージの形式のうちの受信可能な形式を端末種別毎に表す端末情報を管理すると共に該端末情報を当該通信回線に送出する端末情報サーバを設けておき、
携帯電話機が、送信先の名前に対応して端末の電話番号又はメールアドレス、及び端末種別情報が記憶され、前記端末情報サーバから前記端末情報を前記通信回線を介して受信して記憶し、送信用のメッセージが作成されるとき、当該送信先の名前に対応した前記端末種別情報を読み出し、該読み出した端末種別情報に対応する前記端末情報に基づいて前記受信可能な形式を選択して前記メッセージを作成することを特徴とするメッセージ種別制御方法。
【請求項10】
前記端末情報サーバが、SMS(Short Message Service 、ショート・メッセージ・サービス)形式及びMMS(Multimedia Message Service、マルチメディア・メッセージ・サービス)形式のうちの該MMS形式のメッセージが受信可能か否かを端末種別毎に表す端末情報を管理すると共に該端末情報を当該通信回線に送出し、
前記携帯電話機が、送信先の名前に対応して端末の電話番号又はメールアドレス、及び端末種別情報を記憶し、前記端末情報サーバから前記端末情報を前記通信回線を介して受信して記憶し、送信用のメッセージが作成されるとき、当該送信先の名前に対応した前記端末種別情報を読み出し、該読み出した端末種別情報に対応する前記端末情報に基づいて前記SMS形式又は前記MMS形式を選択して前記メッセージを作成することを特徴とする請求項9記載のメッセージ種別制御方法。
【請求項11】
前記端末情報サーバが、前記端末情報を定期的に前記通信回線に送出し、
前記携帯電話機が、前記端末情報サーバから前記端末情報を前記通信回線を介して受信して記憶すると共に定期的に更新することを特徴とする請求項9又は10記載のメッセージ種別制御方法。
【請求項12】
前記携帯電話機が、
送信先の名前に対応して前記電話番号又はメールアドレス、及び端末種別情報を記憶する電話帳データ記憶処理と、
前記端末情報サーバからの前記端末情報を記憶すると共に定期的に更新する端末情報記憶処理と、
送信用のメッセージが作成されるとき、前記電話帳データ記憶処理で記憶された当該送信先の名前に対応した前記端末種別情報を取得し、前記端末情報記憶処理で記憶された前記端末情報から該端末種別情報に対応する端末情報を取得し、該端末情報に基づいて送信先の端末が受信可能な前記SMS形式又は前記MMS形式を選択するメッセージ形式選択処理と、
該選択処理の結果に基づいて前記メッセージを作成するメッセージ作成処理とを行うことを特徴とする請求項11記載のメッセージ種別制御方法。
【請求項13】
コンピュータに請求項5、6、7又は8記載の携帯電話機を制御させるためのメッセージ種別制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−135907(P2006−135907A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−325576(P2004−325576)
【出願日】平成16年11月9日(2004.11.9)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】